説明

情報処理装置、情報処理方法、およびコンピュータプログラム

【課題】通信回線を介して入手する情報を、通信回線を十分に使用できない状況下で利用できるようにする。
【解決手段】(a)現在位置を表す現在位置情報を取得する(S10)。(b)過去に取得された現在位置情報が表す地点が、所定の時間区間内において、所定の領域内に、所定値Th以上の頻度で存在することを含む条件が満たされる場合に(S27)、現在位置情報が表す地点(現在位置)に関連しかつ現在位置とは異なる避難場所に関する避難情報を、現在位置情報に基づいて、通信回線を介して取得する(S30)。(c)取得した避難情報を記憶部に記憶する(S40)。(e)災害発生データを受信した場合に(S45)、記憶部に記憶された避難情報に基づいて、情報の出力を行う(S50)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、データ通信回線を介して地点に関する情報を取得し、表示する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、携帯端末装置にあらかじめ複数の地点を登録し、定期的に経路探索サーバに経路探索要求して、ダウンロードした各地点間の最新の避難経路のデータを記憶、保存する技術が存在する(特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開2007−147340号公報
【0004】
上記の技術によれば、実際に災害が発生して携帯端末装置が経路探索サーバと通信できない状態であっても、携帯端末装置に保存してある避難経路、地図をオフラインで表示することができる。
【0005】
しかし、上記の技術においては、ユーザが自ら地点を登録しなければ、避難経路のデータは取得されない。また、ユーザが短期出張などのために普段いる地域とは異なる地域に滞在する場合には、携帯端末装置に保存されている避難経路のデータは、避難時に役に立たない。
【0006】
このような問題は、避難経路のデータに限らず、通信回線を介して入手する情報を、通信回線を十分に使用できない状況下で利用したい場合に、広く存在する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本願に係る発明は、上記の課題の少なくとも一部を取り扱うためのものであり、通信回線を介して入手する情報を、通信回線を十分に使用できない状況下で利用できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、その一態様として、以下のような情報処理装置において、所定の処理を行う。その情報入力装置は、測定位置情報を取得する位置測定部であって、前記測定位置情報は、前記測定位置情報を取得した時点の前記位置測定部の位置である測定地点を表す情報である、位置測定部と、通信回線を介して外部から情報を取得する通信部と、前記取得された情報を記憶することができる記憶部と、情報の出力を行う出力部と、前記各部を制御する制御部と、を備える。
【0009】
第1の態様において、以下の工程を備える情報処理方法が実行される。
(a)情報処理装置を使用して測定位置情報を取得する測定位置情報取得工程であって、前記測定位置情報は、前記測定位置情報を取得した時点の前記情報処理装置の位置である測定地点を表す情報である、測定位置情報取得工程。
(b)過去に取得された前記測定位置情報の前記測定地点が、所定の長期時間区間内において、所定の領域内に、所定値Th以上(Thは正の整数)の頻度で存在することを含む第1の取得条件が満たされる場合に、前記所定の領域内の少なくとも一部の前記測定地点に関連する第1種の避難地点に関する第1種の避難地情報を、前記少なくとも一部の測定地点に含まれる測定地点の前記測定位置情報に基づいて、通信回線を介して取得する第1種避難地情報取得工程。
(c)前記第1種の避難地情報を前記情報処理装置が備える記憶部に記憶させる第1種避難地情報記憶工程。
【0010】
このような態様においては、測定位置情報に関連する第1種の避難地情報があらかじめ取得されている。このため、通信回線を介して入手する第1種の避難地情報を、通信回線を十分に使用できない状況下においても利用することができる。
【0011】
なお、「特定の条件が満たされる場合」という限定に関しては、実際にその特定の条件が満たされるか否かの判定の処理が行われる必要はない。すなわち、「特定の条件が満たされる場合」とは、事実としてその特定の条件が満たされる場合を意味する。
【0012】
なお、第2の態様として、前記第1の態様において、さらに、以下のような態様とすることが好ましい。
すなわち、前記第1の取得条件は、前記過去に取得された測定位置情報の測定地点が、前記長期時間区間内において、前記所定の領域内に、前記所定値Th以上の頻度で存在することであり、前記所定値Thは2以上である。
【0013】
このような態様とすれば、ユーザが頻繁に訪れる場所について、関連する第1種の避難地情報をあらかじめ取得することができる。
【0014】
なお、第3の態様として、前記第1の態様において、さらに、以下のような態様とすることも好ましい。
すなわち、1の態様において、さらに、以下の処理が行われる。
(d)前記測定位置情報取得工程で取得した前記測定位置情報の前記測定地点の属性を表す属性情報を取得する測定地点属性情報取得工程。
そして、前記第1の取得条件は、さらに、前記測定地点が所定時間以上滞在するための施設であること、を含む所定の属性条件を、前記少なくとも一部の測定地点の前記属性情報が満たすことを含む。
【0015】
このような態様とすれば、所定の属性を有する地点をユーザが訪れた場合には、その地点に関連する第1種の避難地情報をあらかじめ取得することができる。このため、その地点の滞在頻度が高くなるまで待つことなく、迅速にその地点についての第1種の避難地情報を取得することができる。
【0016】
なお、「所定時間以上滞在するための施設」としては、たとえば、ユーザがその地点で睡眠を取ることが予想される宿泊施設や、ユーザがその後仕事をすることが予想される会社、ユーザがその後乗車すべき交通手段を待つことが予想される交通機関の駅などが含まれる。
【0017】
なお、第4の態様として、前記第1の態様において、さらに、以下のような態様とすることも好ましい。
すなわち、第1の態様において、さらに、以下の処理を行う。
(d)前記測定位置情報取得工程で取得した前記測定位置情報の前記測定地点の属性を表す属性情報を取得する測定地点属性情報取得工程。
そして、前記第1の取得条件は、第1の下位条件と第2の下位条件の少なくとも一方を満たすことである。
前記第1の下位条件は、
(i)前記過去に取得された測定位置情報の測定地点が、前記長期時間区間内において、前記所定の領域としての第1の領域内に、前記所定値ThとしてのTh1(Th1は正の整数)以上の頻度で存在すること、かつ、
(ii)前記測定地点が所定時間以上滞在するための施設であること、を含む所定の属性条件を、前記所定の領域内の少なくとも一部の前記測定地点の属性情報が満たすことを含む。
前記第2の下位条件は、前記過去に取得された測定位置情報の測定地点が、前記長期時間区間内において、前記所定の領域としての第2の領域内に、前記所定値ThとしてのTh2(Th2はTh1より大きい整数)以上の頻度で存在することを含む。
【0018】
このような態様とすれば、ユーザが頻繁に訪れる地点と、それよりも訪問頻度が低いが特定の条件を満たす属性を有する地点と、の両方について、それぞれの地点に関連する第1種の避難地情報をあらかじめ取得することができる。なお、それぞれの第2の領域は、第1の領域と同じ領域であってもよいし、異なる領域であってもよい。ただし、第2の領域の集合は、少なくとも一部として、第1の領域の集合とは異なる領域を含むことが好ましい。
【0019】
なお、第5の態様として、前記第1ないし4のいずれかの態様において、さらに、以下のような態様とすることも好ましい。
すなわち、第1ないし4のいずれかの態様において、さらに、以下の処理を行う。
(e)災害の発生に起因する所定の事象が起こった場合に、前記記憶部に記憶された避難地情報に基づいて、情報の出力を行う出力工程。
前記第1種避難地情報記憶工程は、前記第1種の避難地情報を取得した際の前記測定位置情報と関連づけて、前記第1種の避難地情報を前記記憶部に記憶させる工程を含む。
前記出力工程は、前記所定の事象が起こった場合に、前記記憶部に記憶された前記避難地情報として、前記記憶部に記憶された前記第1種の避難地情報のうちの少なくとも一つであって、現在時刻を含み前記長期時間区間より短い短期時間区間に取得された前記測定位置情報と、前記記憶部内において前記第1種の避難地情報に関連づけられている前記測定位置情報と、に基づいて選択された避難地情報に基づいて、前記情報の出力を行う工程を含む。
【0020】
このような態様とすれば、災害発生に起因する所定の事象が起こったときのユーザの位置に近い地点に関連した第1種の避難地情報に基づいて、情報の出力を行うことができる。
【0021】
なお、第6の態様として、前記第1の態様において、さらに、以下のような態様とすることも好ましい。
すなわち、第1の態様において、さらに、以下のような処理を行う。
(d)前記測定位置情報取得工程で取得した前記測定位置情報の前記測定地点の属性を表す属性情報を取得し、前記測定位置情報と関連づけて前記記憶部に記憶させる測定地点属性情報記憶工程であって、前記属性情報は、前記測定地点が交通機関の駅であることを表す情報を含む場合がある、測定地点属性情報記憶工程。
(e)災害の発生に起因する所定の事象が起こった場合に、前記記憶部に記憶された避難地情報に基づいて、情報の出力を行う出力工程。
前記第1種避難地情報取得工程は、前記第1の取得条件として、前記過去に取得された測定位置情報の前記測定地点が、前記長期時間区間内において、前記所定の領域としての前記駅を含む領域内に、前記所定値Th以上の頻度で存在することを含む条件が満たされる場合に、前記第1種の避難地情報を取得する工程を含む。
第6の態様は、さらに、以下のような処理を行う。
(f)前記第1の取得条件が満たされる領域に含まれる第1の駅と、前記第1の取得条件が満たされる領域であって前記第1の駅の前記領域とは異なる領域に含まれる第2の駅と、の間の途中駅の地点に関連する第2種の避難地点に関する第2種の避難地情報を、前記記憶部に記憶された前記測定位置情報であって関連づけられた属性情報が前記第1の駅を表す前記測定位置情報と、前記記憶部に記憶された前記測定位置情報であって関連づけられた属性情報が前記第2の駅を表す前記測定位置情報と、に基づいて、所定の第2の取得条件が満たされる場合に取得する第2種避難地情報取得工程。
(g)前記第2種の避難地情報を前記記憶部に記憶させる第2種避難地情報記憶工程。
前記出力工程は、前記所定の事象が起こった場合に、前記記憶部に記憶された前記避難地情報として、前記第1種と前記第2種の少なくとも一方の避難地情報に基づいて、前記情報の出力を行う工程を含む。
【0022】
このような態様とすれば、たとえば停車せずに通過するだけの途中駅についても、避難地情報をあらかじめ取得することができる。
なお、「所定の第2の取得条件が満たされる場合」とは、たとえば、ユーザがあらかじめ所定の設定を行った場合、第1の駅と第2の駅の間の距離が所定値以上ある場合、記憶部の空き容量が十分ある場合、などの条件またはそれらの少なくとも一部を組み合わせた条件とすることができる。
【0023】
なお、第7の態様として、前記第6の態様において、さらに、以下のような態様とすることも好ましい。
前記第1種避難地情報記憶工程は、前記第1種の避難地情報を取得した際の前記測定位置情報と関連づけて、前記第1種の避難地情報を前記記憶部に記憶させる工程を含む。
前記第2種避難地情報記憶工程は、前記第2種の避難地情報を取得した際の前記途中駅に関する位置情報と関連づけて、前記第2種の避難地情報を前記記憶部に記憶させる工程を含む。
前記出力工程は、前記所定の事象が起こった場合に、前記記憶部に記憶された前記避難地情報として、前記記憶部に記憶された前記第1種または第2種の避難地情報のうちの少なくとも一つであって、現在時刻を含み前記長期時間区間より短い短期時間区間に取得された前記測定位置情報と、前記記憶部内において前記第1種または第2種の避難地情報に関連づけられている前記測定位置情報または前記途中駅に関する位置情報と、に基づいて選択された避難地情報に基づいて、前記情報の出力を行う工程を含む。
【0024】
このような態様とすれば、災害発生に起因する所定の事象が起こったときのユーザの位置に近い地点に関連した避難地情報に基づいて、情報の出力を行うことができる。
【0025】
なお、第8の態様として、前記第6または7の態様において、さらに、以下のような態様とすることも好ましい。
すなわち、前記第2種の避難地情報は、前記途中駅から、前記第2種の避難地点に至る経路の情報を含む。
【0026】
このような態様とすれば、ユーザは、通信回線が使用できない状況下においても、経路の情報に基づく出力を参考にして、途中駅から、途中駅とは異なる避難地点に、移動することができる。
【0027】
なお、第9の態様として、前記第6ないし8のいずれかの態様において、さらに、以下のような態様とすることも好ましい。
すなわち、前記第2種の避難地情報は、前記途中駅と、前記第2種の異動先地点と、を含む地図の情報を含む。
【0028】
このような態様とすれば、ユーザは、通信回線が使用できない状況下においても、地図情報に基づく出力を参考にして、途中駅から、途中駅とは異なる地点に、移動することができる。
【0029】
なお、第10の態様として、前記第1ないし9のいずれかの態様において、さらに、以下のような態様とすることも好ましい。
すなわち、前記第1種の避難地情報は、前記測定位置情報の前記測定地点から、前記第1種の避難地点に至る経路の情報を含む。
【0030】
このような態様とすれば、ユーザは、通信回線が使用できない状況下においても、経路の情報に基づく出力を参考にして、測定位置情報が表す測定地点から、測定位置情報が表す測定地点とは異なる避難地点に、移動することができる。
【0031】
なお、第11の態様として、前記第1ないし10のいずれかの態様において、さらに、以下のような態様とすることも好ましい。
すなわち、前記第1種の避難地情報は、前記測定位置情報の前記測定地点と、前記第1種の避難地点と、を含む地図の情報を含む。
【0032】
このような態様とすれば、ユーザは、通信回線が使用できない状況下においても、地図情報に基づく出力を参考にして、測定位置情報が表す測定地点から、測定位置情報が表す地点とは異なる避難地点に、移動することができる。
【0033】
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、情報処理装置、情報処理方法および情報処理システム、災害時用情報処理方法、災害時用情報処理装置および災害時用情報処理システム、避難情報処理方法、避難情報処理装置および避難情報処理システム、それらの方法または装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、そのコンピュータプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号、等の形態で実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
A.第1実施例:
A1.全体構成:
図1は、本発明の第1実施例である経路案内システムのハードウェア構成を示す図である。第1実施例の経路案内システムは、経路探索サーバ100と、地図サーバ150と、通信事業者サーバ190と、携帯電話200と、を含む。また、経路案内システムに含まれるものではないが、通信事業者サーバ190と通信を行う気象庁サーバ300も図1に示す。
【0035】
携帯電話200は、GPSユニット201と、表示パネル202と、音声出力部203と、振動機構204と、通信部205と、コマンド入力部206と、時計部209と、主制御部210と、通話制御部220とを有している。
【0036】
GPSユニット201は、GPS(Global Positioning System/全地球測位システム)の衛星からの電波を受信するためのアンテナを含むユニットである。GPSのアンテナが受信する電波に基づいて、GPSユニット201は、携帯電話200の現在位置を表す現在位置情報を生成することができる。
【0037】
表示パネル202は、画像を表示することができる液晶ディスプレイである。音声出力部203は、スピーカを含む装置であって、経路案内などのユーザへのメッセージやメロディなどを音声で出力できる装置である。振動機構204は、所定のパターンの振動でユーザの注意を促すことができる装置である。本明細書においては、画像、音声、振動を出力する装置202〜204を、まとめて「出力部」と呼ぶことがある。
【0038】
通信部205は、通信事業者サーバ190およびインターネットINTを介して、経路探索サーバ100および地図サーバ150と通信を行い、情報を送受信することができる。
コマンド入力部206は、テンキー206aとカーソルキー206bとを含む。ユーザは、テンキー206aとカーソルキー206bを介して携帯電話200に情報を入力する。
【0039】
時計部209は、主制御部210からの要求に応じて、現在時刻を表す現在時刻情報を出力する。
通話制御部220は、通話のための着信呼出、音声/電気信号の変換などを行う回路である。
【0040】
主制御部210は、携帯電話200の各部を制御するための制御ユニットである。主制御部210は、それらの制御に使用されるCPU211、RAM212、ROM213を備えている。たとえば、主制御部210は、CPUでアプリケーションソフトウェア230を実行することによって携帯電話200の各部を制御し、現在位置から目的地までの経路を表す経路データを入手して、経路案内(ルートガイド)を行うことができる。
【0041】
経路探索サーバ100は、通信部102と、制御部104と、記憶部106とを有している。経路探索サーバ100は、通信部102およびインターネットINTを介して地図サーバ150および通信事業者サーバ190と通信を行うことができる。経路探索サーバ100の制御部104は、記憶部106内の経路ネットワークデータを参照して、通信事業者サーバ190経由で携帯電話200から受け取った出発地、経由地、目的地などのデータに基づいて、経路の探索を行う。その後、経路探索サーバ100は、通信部102を介して、経路データを携帯電話200に宛てて送信する。経路データは、インターネットINTおよび通信事業者サーバ190を介して、携帯電話200に受信される。
【0042】
経路ネットワークデータは、ノード情報と、地点の属性情報と、アーク情報とを含む。ノード情報は、道路の交差点や、カーブの開始点および終了点、路線の駅などの地点を表すデータである。アーク情報は、ノードとノードの間の道路または路線区間であるアークに関する情報である。このため、経路ネットワークデータを参照して探索される経路は、道路の区間と列車の路線の区間とを含むことができる。そして、経路データには、たとえば、目的地に向かう際に列車に乗車すべき駅、およびその列車の停車駅の情報が含まれ得る。
【0043】
地点の属性情報は、たとえば、その地点が「宿泊施設」であること、その地点が「(一般消費者に商品やサービスを提供する)商店」であること、その地点が「(一般消費者に商品やサービスを提供する拠点ではない)事業所」であること、その地点が「駅」であること、その地点が「公園」であること、などの情報である。
【0044】
たとえば、ある施設が占めている領域およびその近傍の所定の領域に含まれる各地点については、その施設に関する同一の属性情報が付される。その結果、たとえば、「○○ショッピングセンター」が入口として北口と南口を持っている場合にも、北口の地点も南口の地点もともに「○○ショッピングセンター」に関する属性情報を有する。なお、この場合、北口の地点と南口の地点とは、共有する「○○ショッピングセンター」に関する属性情報の他に、独自の属性情報をも有することができる。
【0045】
経路探索サーバ100は、位置情報を伴う携帯電話200からの要求に応じて、位置情報が表す位置の属性情報を携帯電話200に返信することができる。
【0046】
地点の属性情報は、さらに、その地点が「災害時の避難場所」であるか否か、その避難場所の住所および電話番号、その避難場所における利用可能設備、ならびに収容可能人数および備蓄食糧の消費想定日数などの情報を含む。
【0047】
経路探索サーバ100の制御部104は、携帯電話200からの位置情報を伴う要求に応じて、その位置情報が表す位置に最も近い「災害時の避難場所」までの、位置情報が表す位置からの経路を探索することができる。この場合の探索においては、その位置情報が表す位置が経路の「出発地」である。そして、その位置情報が表す位置に最も近い「避難場所」が経路の「目的地」である。この場合、携帯電話200からは、「目的地」の情報は送信されない。
【0048】
さらに、経路探索サーバ100の制御部104は、携帯電話200からの要求に応じて、いったん探索した経路に含まれる所定の地点から、最寄りの「避難場所」までの経路を探索することができる。この場合の探索においては、経路に含まれる所定の地点が「出発地」である。そして、その所定の地点に最も近い「避難場所」が「目的地」である。この場合も、携帯電話200からは、「目的地」の情報は送信されない。たとえば、経路探索サーバ100の制御部104は、いったん経路を探索したのち、その経路に含まれる途中の駅を出発地として、そこから、その駅の最寄りの避難場所を目的地とする経路を、さらに探索することができる。この点については、後に詳細に説明する。
【0049】
経路探索サーバ100は、携帯電話200からの要求に応じて、避難場所に至る経路を探索し、その経路データを携帯電話200に返信することができる。
【0050】
地図サーバ150は、通信部152と、制御部154と、地図データベース156とを有している。地図サーバ150は、通信部152およびインターネットINTを介して、経路探索サーバ100や通信事業者サーバ190と通信を行うことができる。地図サーバ150の制御部154は、地図データベース156内の地図画像データを参照して、通信事業者サーバ190経由で携帯電話200から受け取ったデータに基づいて、携帯電話200が要求する領域の地図を表す地図画像データを切り出す。そして、切り出した地図画像データを、通信部152を介して、携帯電話200に送信する。
【0051】
通信事業者サーバ190は、通信部192と、制御部194と、記憶部196とを有している。通信事業者サーバ190は、通信部192を介して携帯電話200から経路探索要求、地図データ要求などを受信する。そして、記憶部196内のデータを参照しつつ、それらを通信部192およびインターネットINTを介して、経路探索サーバ100や地図サーバ150に送信する。
【0052】
記憶部196は、経路探索サーバ100および地図サーバ150のIPアドレスを格納している。通信事業者サーバ190の制御部194は、それらのIPアドレスを使用して、携帯電話200から受け取ったデータ、および携帯電話200から受け取ったデータに基づいて生成したデータを、経路探索サーバ100や地図サーバ150に送信する。また、記憶部196は、携帯電話200に割り当てられたIPアドレスを格納している。通信事業者サーバ190の制御部194は、そのIPアドレスを使用して、経路探索サーバ100や地図サーバ150から受け取ったデータ、およびそれらに基づいて生成したデータを携帯電話200に送信する。
【0053】
通信事業者サーバ190は、インターネットINTおよび通信部192を介して、経路探索サーバ100から経路データを受け取る。また、通信事業者サーバ190は、インターネットINTおよび通信部192を介して、地図サーバ150から地図画像データを受け取る。さらに、通信事業者サーバ190は、インターネットINTおよび通信部192を介して、気象庁サーバ300から災害発生データを受け取る。通信事業者サーバ190は、記憶部196内のデータを参照しつつ、それらのデータを携帯電話200に送信する。
【0054】
気象庁サーバ300は、通信部302と、制御部304と、記憶部306とを有している。気象庁サーバ300は、通信部302およびインターネットINTを介して通信事業者サーバ190と通信を行うことができる。経路探索サーバ100の制御部104は、記憶部306内のデータを参照しつつ、インターネットINTおよび通信事業者サーバ190経由で、携帯電話200に災害発生データを送信する。災害発生データは、たとえば、地震の発生を携帯電話200に告知するためのデータであって、いずれかの場所で地震のP波が検知された場合に送信されるデータである。地震の発生を携帯電話200に告知する災害発生データは、地震の検知から10秒以内に送信される。
【0055】
A2.避難情報の取得と利用:
図2は、避難情報を取得し、出力する際の携帯電話200の処理を示すフローチャートである。図2の処理は、ユーザによる携帯電話200の操作をきっかけとして開始されるのではなく、携帯電話200の主制御部210が自動的に行う。
【0056】
ステップS10では、主制御部210は、GPSユニット201から現在位置情報を取得する。そして、主制御部210は、取得した現在位置情報をRAMに格納する。このステップS10の処理は、後述するステップS27,S45の処理を経て繰り返し行われる。ステップS10の処理は、たとえば、10秒ごとに行われる。なお、ステップS10の機能を実現する主制御部210の機能部を、図1において位置測定ユニット231として示す。
【0057】
ステップS20では、主制御部210は、通信部205を介して、現在位置情報が表す地点の属性情報を、経路探索サーバ100から取得する。ステップS20における属性情報の要求は、現在位置情報とともに経路探索サーバ100に向けて送信される。そして、主制御部210は、経路探索サーバ100から現在位置情報が表す地点の属性情報を受け取り、RAM212に格納する。
【0058】
ステップS25では、主制御部210は、ステップS20で受信した属性情報が表す属性が「宿泊施設」または「事業所」であるか否かを判定する。属性が「宿泊施設」または「事業所」である場合には、処理は、ステップS30に進む。そうではない場合には、処理はステップS27に進む。
【0059】
ステップS27では、主制御部210は、過去の時間Psの間に現在位置情報が表す位置を含む施設などの領域をユーザが訪れた頻度がTh以上であるか否かを判定する。より具体的には、過去の時間Ps(たとえば180日)の間に取得されRAM212に格納された現在位置情報のうち、最新の現在位置情報が表す位置の施設等に関する属性情報(たとえば、「○○ショッピングセンター」、「××駅」など)と同一の属性情報を有する地点を表す現在位置情報の数が、Th以上であるか否かを判定する。なお、しきい値Thは2以上の整数の中から適切な値(たとえば、Th=2500)に定めることができる。
【0060】
ステップS27の判定結果がYesである場合は、ユーザは、その地点を頻繁に訪れている。ステップS27の判定結果がNoである場合は、処理はステップS10に戻る。判定結果がYesである場合は、処理はステップS30に進む。
【0061】
ステップS30では、携帯電話200の主制御部210は、最新の現在位置情報を付して、現在位置に最も近い避難場所までの現在位置からの経路の探索を、経路探索サーバ100に要求する。経路探索サーバ100は、携帯電話200からの上記要求を受けて、要求と共に受信した現在位置情報が表す地点から、最も近い避難場所までの経路の探索を行う。そして、その経路を表す経路データを携帯電話200に送信する。なお、送信される経路データには、その避難場所の利用可能設備、ならびに収容可能人数および備蓄食糧の消費想定日数などの属性情報が含まれてもよい。
【0062】
また、ステップS30では、携帯電話200の主制御部210は、経路探索サーバ100から受信した経路データが表す経路を含む、経路周辺の地図画像データを地図サーバ150に要求する。地図サーバ150に対する地図画像の要求は、経路データから得られる位置情報を付して行われる。地図サーバ150は、携帯電話200からの上記要求を受けて、経路データに基づいて地図画像を切り出す。そして、地図サーバ150は、その地図画像データを携帯電話200に送信する。携帯電話200は、経路探索サーバ100から送信されたデータを受信する。
【0063】
なお、地図サーバ150に対する携帯電話200への地図画像データの送信要求は、経路探索サーバ100が、避難場所までの経路の探索を携帯電話200から要求されたことをきっかけとして、地図サーバ150に対して行うこととしてもよい。
【0064】
ステップS30において経路探索サーバ100および地図サーバ150に要求される、避難場所の属性情報を含む経路データ、ならびに地図画像データの情報を、まとめて「避難情報」と呼ぶ。なお、ステップS30の機能を実現する主制御部210の機能部を、図1において避難地情報取得ユニット232として示す。
【0065】
ステップS40では、携帯電話200の主制御部210は、インターネットINT、通信事業者サーバ190および通信部205を介して受信した避難情報を、ステップS10で取得した現在位置情報と関連づけて、RAM212の所定の領域に格納する。なお、ステップS40の機能を実現する主制御部210の機能部を、図1において避難地情報記憶ユニット233として示す。
【0066】
ステップS27,S30の処理を行うことにより、ユーザが頻繁に訪れる場所については、その場所から最寄りの避難場所までの経路および避難場所の属性情報などの避難情報を自動的に取得することができる。このため、その後、災害が発生して通信回線を通じて避難情報を取得できない事態となっても、ユーザは、RAM212に格納されている避難情報を利用することができる。そして、避難情報は、ユーザが意識して所定の操作を行わなくても、自動的に取得される。
【0067】
図3は、ユーザが移動する場所の地図である。なお、図3において破線で区切られた矩形領域は、地図画像データが保持されている単位を表す。また、自宅Hm、ショッピングセンターSp、駅St1〜St4、会社Of1,Of2、避難場所EA1〜EA7は、それぞれの施設としての属性情報を共有する領域を示す。たとえば、図3のショッピングセンターSpの長方形の領域内の地点は、いずれも「商店」としての属性情報を有する。
【0068】
ユーザは、図3の左下の自宅Hmから図3の右上の会社Of1まで、通勤しているものとする。また、自宅Hm近くのショッピングセンターSpには、頻繁に訪れるものとする。このような場合には、自宅Hmと会社Of1とショッピングセンターSpについては、過去Psの間に訪れた頻度がTh以上となり、ステップS27における判定結果がYesとなる。その結果、それらの地点について避難情報が自動的に取得される(図2のステップS30,S40参照)。
【0069】
具体的には、自宅Hmについては、自宅Hmから避難場所EA1までの避難経路ER1hと、一点鎖線で示す領域EM1hの地図画像データと、避難場所EA1の利用可能設備などの属性情報が取得される。会社Of1については、会社Of1から避難場所EA4までの避難経路ER4と、領域EM4の地図画像データと、避難場所EA4の属性情報が取得される。ショッピングセンターSpについては、ショッピングセンターSpから避難場所EA1までの避難経路ER1sと、領域EM1sの地図画像データと、避難場所EA1の属性情報が取得される。なお、自宅HmとショッピングセンターSpの場合のように、同一の避難場所が探索されることもある。
【0070】
一方、図2のステップS25,S30の処理を行うことにより、「宿泊施設」や「事業所」といった、数時間以上ユーザが滞在することが予想される場所をユーザが訪問した場合には、その場所から最寄りの避難場所までの経路および避難場所の情報が自動的に取得される。たとえば、「宿泊施設」は、ユーザが後に睡眠を取ることが予想される場所である。また、「事業所」は、ユーザがその後、仕事をすることが予想される場所である。このため、ユーザがその場所を訪れた後、災害が発生して通信回線を通じて経路や避難場所の情報を取得できない自体となっても、ユーザは、RAM212に格納されているそれらの情報を利用することができる。
【0071】
また、ステップS25の判定においては、訪問頻度が所定値を超えない場合にも(ステップS27参照)、Yesの判定が行われる。このため、ステップS27でYesと判定されるほど、長期間における訪問頻度が高くない場合、すなわち、日帰り出張で数時間のみその事業所に滞在する場合や、1泊、2泊等の短期間のホテル滞在の場合にも、避難情報が取得される。
【0072】
たとえば、ユーザが、日帰り出張のために会社Of2を訪問したとする(図3参照)。このような場合には、会社Of2において現在位置情報が取得された際に(図2のステップS10参照)、ステップS25における判定結果がYesとなる。その結果、ステップS30で避難情報が取得される。具体的には、会社Of2から避難場所EA7までの避難経路ER7と、領域EM7地図画像と、避難場所EA7の利用可能設備などの属性情報が取得される。
【0073】
なお、図2のステップS25の処理とステップS27の処理との両方において、ステップS30に至ることとなる地点も存在する。たとえば、ユーザが普段通勤する会社Of1は、ステップS25,S27の両方において、Yesの判定結果をもたらし、ステップS30に至る。ステップS30では、すでにRAM212に格納されている避難情報については、あらためて経路探索サーバ100に避難情報を要求することはしない。このような態様とすることで、経路探索サーバ100と、地図サーバ150と、通信事業者サーバ190と、携帯電話200ならびに通信回線の負荷を軽減することができる。
【0074】
図2のステップS45では、携帯電話200の主制御部210は、気象庁サーバ300から災害発生データを受信したか否かを判定する。災害発生データを受信した場合には、処理は、ステップS50に進む。災害発生データを受信していない場合には、処理は、ステップS10に戻る。
【0075】
ステップS50では、携帯電話200の主制御部210は、音声出力部203から音声を出力し、振動機構204により振動を発生させることで、ユーザに警告を発する。そして、その後のユーザによるコマンド入力部206の所定の操作をきかっけとして、主制御部210は、表示パネル202に地図画像と避難経路を表示する。より具体的には、主制御部210は、RAM内に記憶された避難情報であって、最新の現在位置情報が表す位置に対応づけられた避難情報を選択する。そのような避難情報は、現在位置から最も近い避難場所の情報を含む。そして、主制御部210は、その避難情報に基づいて、表示パネル202に避難経路と地図画像の表示を行う。
【0076】
たとえば、ユーザが図3の右上に示す会社Of1にいる場合には、RAM内に格納されている避難経路ER4と、領域EM4の地図画像データと、に基づいて、現在位置である会社Of1を含む所定の領域DAの地図と、避難経路ER4の一部が表示パネル202に表示される。同時に、避難場所EA4の属性情報(利用可能設備、収容可能人数など)も表示される。なお、ユーザは、携帯電話200のコマンド入力部206を操作することにより、表示する地図の範囲を拡大し、縮小し、移動させることができる。
【0077】
ステップS60では、携帯電話200の主制御部210は、ユーザによるコマンド入力部206の所定の操作をきっかけとして、避難情報に含まれる経路データ、地図画像データ、およびGPSユニット201を介して得られる現在位置情報に基づいて、表示パネル202と、音声出力部203を介して経路案内を行う。なお、ステップS50,S60の機能を実現する主制御部210の機能部を、図1において情報出力ユニット234として示す。
【0078】
このような態様とすれば、災害により通信回線が不通になった場合や、不安定になった場合にも、ユーザは、避難場所に関する情報を利用して、避難場所に移動することができる。
【0079】
本実施例において、GPSユニット201が、特許請求の範囲にいう「位置測定部」に相当する。通信部205が、特許請求の範囲にいう「通信部」に相当する。RAM212が、特許請求の範囲にいう「記憶部」に相当する。表示パネル202と、音声出力部203と、振動機構204とが、特許請求の範囲にいう「出力部」に相当する。主制御部210が、特許請求の範囲にいう「制御部」に相当する。
【0080】
本実施例において、ステップS10が特許請求の範囲にいう「測定位置情報取得工程」に相当する。ステップS20が特許請求の範囲にいう「測定地点属性情報取得工程」に相当する。ステップS30が特許請求の範囲にいう「第1種避難地情報取得工程」に相当する。ステップS40が特許請求の範囲にいう「第1種避難地情報記憶工程」に相当する。
ステップS50,S60が特許請求の範囲にいう「出力工程」に相当する。
【0081】
本実施例において、ステップS25で判定される条件が、特許請求の範囲にいう「第1の下位条件」に相当する。ステップS25の判定条件は、ステップS25の判定以前(過去)において取得された現在位置情報が表す現在地点が、所定の時間区間内において、その施設の領域内に1回存在する(しきい値Th=1)という条件を含むということができる。すなわち、ステップS25において、Th1=1である。また、ステップS27で判定される条件が、特許請求の範囲にいう「第2の下位条件」に相当する。ステップS27において、Th2≧2である。そして、ステップS25,S27で判定される条件が、特許請求の範囲にいう「第1の取得条件」に相当する。なお、ここでは、「第1の取得条件」は、ステップS25,S27で判断される条件から構成されるものとして説明したが、「第1の取得条件」は他の判定条件で構成されるものとしてもよい。
【0082】
B.第2実施例:
第1実施例では、現在位置情報が表す位置について避難情報が取得される(図2のステップS30,S40参照)。しかし、第2実施例では、現在位置情報が表す位置に加えて、他の位置についても避難情報が取得される場合がある。すなわち、第2実施例は、第1実施例における図2のステップS30の処理が第1実施例とは異なる。第2実施例の他の点は、第1実施例と同じである。
【0083】
図4は、第2実施例において避難情報を要求する処理(図2のステップS30参照)の内容を表すフローチャートである。ステップS305では、携帯電話200の主制御部210は、ステップS20で取得した現在位置の属性情報に基づいて、現在位置が交通機関の駅であるか否かを判定する。現在位置が交通機関の駅である場合には、処理はステップS307に進む。そうではない場合は、処理はステップS310に進む。
【0084】
ステップS307では、携帯電話200の主制御部210は、現在位置の駅とは異なる駅についての避難情報がRAM212内に格納されているか否かを判定する。RAM212内にそのような避難情報が格納されている場合には、処理は、ステップS320に進む。そうではない場合は、処理はステップS310に進む。
【0085】
ステップS310では、携帯電話200の主制御部210は、最新の現在位置情報を付して、現在位置に最も近い避難場所までの現在位置からの経路の探索を、経路探索サーバ100に要求する。そして、経路データを経路探索サーバ100から受信する。また、携帯電話200の主制御部210は、経路探索サーバ100から受信した経路データが表す経路を含む、経路周辺の地図画像データを地図サーバ150に要求する。そして、経路周辺の地図画像データを、地図サーバ150から受信する。その後の処理は、第1実施例のステップS40以降と同様である。
【0086】
一方、図4のステップS320では、携帯電話200の主制御部210は、現在位置の駅から、RAM212内に避難情報が格納されている駅までの経路の探索を、経路探索サーバ100に要求する。そして、経路探索サーバ100から、途中の駅(停車駅と通過駅とを含む)の位置情報を含む経路データを取得する。なお、すでに避難情報が格納されている駅がRAM212内に複数存在する場合には、複数の経路を探索する要求が、経路探索サーバ100に対してなされる。ここでは、複数の避難情報等がRAM212内に格納される。
【0087】
ステップS330では、携帯電話200の主制御部210は、現在位置と途中の駅とについて、それぞれ最寄りの避難場所までの経路の探索を、経路探索サーバ100に要求する。そして、その経路データを経路探索サーバ100から受信する。また、携帯電話200の主制御部210は、経路探索サーバ100から受信した経路データが表す経路を含む、経路周辺の地図画像データを地図サーバ150に要求する。そして、その地図画像データを、地図サーバ150から受信する。その後の処理は、第1実施例のステップS40以降と同様である。
【0088】
たとえば、図3の地図において、ユーザは、電車の路線L1のうち、自宅Hmの最寄り駅St1から会社の最寄り駅St2までの区間を利用しているものとする。途中の駅は駅St3である。
【0089】
このような場合に、まず、駅St1と駅St2のうちいずれかについて、期間Psにおける訪問頻度がThを上回り、図2のステップS27の判定結果がYesとなる。その結果、その駅について避難情報が取得される。たとえば、自宅Hmの最寄り駅St1について避難情報が取得されたとする。なお、その避難情報には、駅St1から避難場所EA2までの避難経路ER2と、一点鎖線で示す領域EM2の地図画像データと、避難場所EA2の利用可能設備などの属性情報が含まれる。
【0090】
その後、会社の最寄り駅St2について、期間Psにおける訪問頻度がThを上回り、図2のステップS27の判定結果がYesとなって、ステップS30の処理(図4参照)が行われるとする。このとき、駅St1についての避難情報は、すでにRAM212に格納されている。このため、図4のステップS307の判定結果はYesとなる。その結果、
現在位置である駅St2の避難情報に加えて、駅St3の避難情報も要求される(ステップS330)。
【0091】
すなわち、ステップS330においては、駅St2から避難場所EA3までの避難経路ER3と、領域EM3の地図画像データと、避難場所EA3の利用可能設備などの属性情報を含む避難情報、ならびに駅St3から避難場所EA5までの避難経路ER5と、領域EM5の地図画像データと、避難場所EA5の利用可能設備などの属性情報を含む避難情報と、が要求され、取得される。
【0092】
このような態様とすれば、ユーザが普段、利用する列車等の交通手段が通過する駅や、ごく短い時間だけ停車する駅であるために、図2のステップS27の処理において訪問頻度がしきい値Thを超えない駅についても、避難情報が取得される。
【0093】
災害時には、列車などの交通手段は、ユーザが降りることを予定している駅まで運行されず、災害にあった時点にいた場所から最寄りの駅に停車することがある。第2実施例においては、そのような場合にも、列車などの交通手段の駅(たとえば駅St3)から最寄りの避難場所(たとえば避難場所EA5)までの避難経路を含む避難情報があらかじめ取得されている。このため、ユーザは、携帯電話200が行う経路案内に従って、迅速に避難場所まで移動することができる。
【0094】
本実施例において、ステップS330が特許請求の範囲にいう「第2種避難地情報取得工程」に相当する。ステップS40が特許請求の範囲にいう「第2種避難地情報記憶工程」に相当する。ステップS305,S307で判定される条件が、特許請求の範囲にいう「第2の取得条件」に相当する。なお、ここでは、「第2の取得条件」は、ステップS305,S307で判断される条件から構成されるものとして説明したが、「第2の取得条件」は他の判定条件で構成されるものとしてもよい。
【0095】
C.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0096】
C1.変形例1:
上記実施例においては、図2のステップS25の属性に関する判定において、現在位置の属性が「宿泊施設」または「事業所」であるか否かを判定する。しかし、図2のステップS25における判定においては、現在位置の属性が他の属性である場合にも、ステップS30の情報要求処理に進むようにすることができる。
【0097】
たとえば、現在位置の属性が「駅」である場合には、ユーザは、その後しばらく、列車やバス、船や航空機などの搬送手段を、その駅で待つことが予想される。このため、現在位置の属性が「駅」である場合にも、情報要求を行うこととすることが好ましい。そのような態様においては、たとえば図3の例では、日帰り出張の際に利用する路線L2の駅St4から最寄りの避難場所EA6までの避難経路ER6、避難場所EA6の属性情報、および領域EM6の地図画像データが取得される。
【0098】
C2.変形例2:
上記実施例においては、避難情報を取得するか否かの判定として、属性に基づくステップS25の判定と、頻度に基づくステップS27の判定との両方が行われる(図2参照)。しかし、属性に基づく判定と頻度に基づく判定のいずれか一方のみ行う態様とすることもできる。なお、ステップS25の判定は、実際の現在位置の属性情報に基づく判定であるので、ユーザは、その属性情報を有する施設を1回、訪れていることになる。すなわち、ステップS25の判定条件は、ステップS25の判定以前(過去)において取得された現在位置情報が表す現在地点が、所定の時間区間内において、その施設の領域内に1回存在する(しきい値Th=1)という条件を含むということができる。
【0099】
すなわち、上記実施例においては、ステップS25の判定においては、頻度のしきい値Thは1であり、ステップS27の判定においては、頻度のしきい値Thは2以上の所定の数である。
【0100】
なお、ステップS25の判定において、さらに、ステップS27と同様に、頻度に関する判定を行うこととすることもできる。ただし、ステップS25の判定における頻度のしきい値は、ステップS27の判定における頻度のしきい値よりも小さい値であることが好ましい。
【0101】
C3.変形例3:
上記実施例においては、ステップS27において、現在位置がその中に含まれるか否かを判定する「領域」は、同一の施設の属性情報を有する領域である。しかし、ステップS27において頻度を判定する際に使用される「領域」は、他の方法で定められる領域とすることもできる。
【0102】
たとえば、頻度を判定する際に使用される「領域」は、最新の「現在位置」を含む所定の大きさおよび形状の領域とすることもできる。より具体的には、頻度を判定する際に使用される「領域」は、最新の「現在位置」を中心とした半径rの円形の領域とすることもできる。また、たとえば、地図データベースが地図データを有する全領域をあらかじめ複数の領域に区分しておき、最新の「現在位置」が含まれる領域を「所定の領域」とすることもできる。
【0103】
C4.変形例4:
上記実施例においては、すでにRAM212に格納されている避難情報については、あらためて経路探索サーバ100に避難情報を要求することはしない。しかし、各地点についての避難情報の取得は、繰り返し行われることがより好ましい。たとえば、その地点または施設(領域)について、最後に避難情報が取得されてから一定期間経過した場合には、再度、避難情報が取得されることが好ましい。また、避難情報を取得した場合には、過去の時間区間Psにおける訪問頻度を0にして、次に頻度がTh以上となったときには、再び避難情報を取得し直すことという態様とすることもできる。
【0104】
C5.変形例5:
上記実施例では、図2のステップS30,S40で携帯電話200が取得する情報は、経路データおよび地図画像データの情報を含む。しかし、情報処理装置としての携帯電話200が通信回線を通じて自動的に取得する情報は、他の情報であってもよい。
【0105】
たとえば、情報処理装置が自動的に取得する情報は、避難場所の属性情報のみであってもよい。その際の避難場所は、たとえば、(i)所定の条件を満たした地点の最寄りの避難場所、(ii)所定の条件を満たした地点から最も近いものからN番目までのN個(Nは2以上の整数)の避難場所、(iii)所定の条件を満たした地点から所定の距離の範囲内にある避難場所とすることができる。そのような態様としても、ユーザは、通信回線が十分に使用できない状況下において、その情報を参考にして、避難場所に移動することができる。
【0106】
また、たとえば、情報処理装置が自動的に取得する情報は、所定の条件を満たした地点の最寄りのトイレに関する情報とすることもできる。このような態様とすれば、ユーザは、通信回線が十分に使用できない状況下において、その情報を参考にして、トイレに行ってようを足すことができ、また、水道を利用することができる。
【0107】
そして、情報処理装置が自動的に取得する情報は、所定の条件を満たした地点の最寄りのコンビニエンスストアに関する情報であってもよい。このような態様とすれば、ユーザは、通信回線が十分に使用できない状況下において、その情報を参考にして、コンビニエンスストアを利用することができる。また、コンビニエンスストアは、災害時には一部の商品を放出する場合がある。このため、上記の情報を利用して、その放出商品を得ることもできる。
【0108】
また、それら1以上の避難場所、トイレ、コンビニエンスストアに至る経路を表す経路データを含むこともできる。すなわち、情報処理装置が自動的に取得する情報は、所定の条件を満たした地点に関連し、その地点とは異なる地点に関するさまざまな情報とすることができる。言い換えれば、トイレやコンビニエンスストアは、本明細書において、広義の「避難場所」に含まれる。
【0109】
C6.変形例6:
上記実施例においては、気象庁サーバ300から送信された災害発生データの受信をきっかけとして、避難情報に基づく表示が行われる(図2のステップS45,S50参照)。しかし、避難情報に基づく表示は、他の事象が起こったことをきっかけとして行われてもよい。
【0110】
たとえば、災害の発生に起因して、携帯電話200によるデータ通信の際に最初に表示される画面に、携帯電話事業者が所定の表示を行ったことをきっかけとして、避難情報に基づく表示を行うこともできる。また、携帯電話事業者や気象庁以外の第三者であって、災害の発生を通知するサービスを行っている事業者からの通知を携帯電話200が受信したことをきっかけとして、避難情報に基づく表示を行うこともできる。さらに、ユーザが、災害伝言ダイヤルを利用し、その利用を終了したことをきっかけとして、避難情報に基づく表示を行うこともできる。すなわち、あらかじめ受信して記憶した情報に基づく表示を行うきっかけとなる事象は、災害の発生に起因する様々な事象とすることができる。
【0111】
C7.変形例7:
上記実施例では、ステップS50においては、最新の現在位置情報が表す位置に最も近い避難場所の情報を含む避難情報に基づいて、表示パネル202に避難経路と地図画像が表示される。しかし、出力部としての表示パネル202に出力が行われる際に利用される情報は、最新の現在位置情報に関連した避難情報以外の避難情報を含んでもよい。
【0112】
たとえば、表示において利用される避難情報は、現在時刻を含む過去の所定の時間区間(たとえば数分間)における「現在位置」に基づいて定められる地点に基づいて選択される避難情報とすることもできる。その地点は、現在時刻を含む過去の所定の時間区間における「現在位置」を平均して得られる重心としての地点でもよい。また、その地点は、地図上の領域を微小領域(たとえば、数m間隔の方眼領域)に区切った際に、現在時刻を含む過去の所定の時間区間において、最も存在頻度が高い微小領域内の所定の地点とすることもできる。
【0113】
そして、上記実施例において、出力の際に利用される避難情報は、一組の避難情報である。しかし、出力の際に利用される避難情報は、2組以上の避難情報とすることもできる。そのような場合には、たとえば、複数の避難場所の情報を出力することができる。
【0114】
C8.変形例8:
上記実施例では、図2のステップS50における地図と避難経路の表示、およびステップS60における経路案内は、ユーザによるコマンド入力部206の所定の操作をきかっけとして行われる。しかし、それらの処理は、ユーザによる携帯端末の操作を経ずに自動的に行われるものとすることもできる。なお、避難情報の取得(図2のステップS10〜S40)は、ユーザによる操作を経ずに自動的に行われることが好ましい。
【0115】
C9.変形例9:
地図サーバ150の地図データベース156内に格納されている画像データとしての地図画像データは、ラスタデータとして保持されていてもよいし、ベクトルデータとして保持されていてもよい。ユーザが携帯する端末装置としての携帯電話200に送信される地図画像データも、ラスタデータであってもよいし、ベクトルデータであってもよい。さらに、地図データベース156内の地図画像データと、端末装置に送信される地図画像データは、いずれか一方をベクトルデータとし、他方をラスタデータとすることもできる。
【0116】
また、上記実施例においては、通常使用される地図画像データと、避難情報として携帯電話200に送信される地図画像データとは同一の地図データベース156から切り出されるデータである。しかし、避難情報として携帯電話200に送信される地図画像データは、通常の経路探索および経路案内に使用される地図画像データとは異なる地図画像データとすることができる。たとえば、避難情報として携帯電話200に送信される地図画像データは、通常の経路探索および経路案内に使用される地図画像データよりも、同じ領域を表す際のデータ量の少ない地図画像データとすることが好ましい。
【0117】
C10.変形例10:
上記実施例においては、ユーザに情報を提供する出力部は、表示パネル202、音声出力部203、および振動機構204として構成される(図1参照)。しかし、出力部は、印刷物の形で情報を出力したり、点字を構成する凹凸で情報を出力するものとすることもできる。出力部は、画像、音声、触覚、振動等の何らかの形でユーザに情報を提供することができるものであればよい。
【0118】
C11.変形例11:
上記実施例では、GPS(Grobal Positioning System/全地球測位システム)の衛星からの電波を受信して現在位置を特定するシステムが使用されている。案内装置の構成要素としての現在位置取得部は、現在位置を特定できるものであれば、どのような原理に基づくもの、どのような機関が運営するシステムを利用するものであってもよい。
【0119】
C12.変形例12:
上記実施例では、経路に列車の路線を含む例を説明した。しかし、本発明は、列車以外にも、路線バス、定期連絡船、航空機など様々な路線を経路に含む場合の経路案内に適用することができる。すなわち、経路に含まれる路線は、「あらかじめ定められた経路を輸送手段が運行される路線」であればよい。
【0120】
C13.変形例13:
上記実施例においては、経路案内システムは、その構成要素として、経路探索サーバ100と、地図サーバ150と、通信事業者サーバ190と、携帯電話200と、を含む。しかし、たとえば、経路探索サーバ100と、地図サーバ150とは、同じサーバであってもよい。そして、通信事業者サーバ190と、経路探索サーバ100および地図サーバ150とは、同じサーバであってもよい。
【0121】
すなわち、案内装置としての経路案内システムは、その各構成要素が一つの筐体内に収納されている一つの装置であってもよい。また、案内装置としての経路案内システムは、その構成要素が、互いにデータ通信回線で結ばれている2以上の装置として構成されるものとすることもできる。経路情報を生成する機能、地図情報を生成する機能などの各機能については、各装置に1以上の任意の機能を割り当てることができる。そして、各機能は、それぞれ一つの装置で実現されてもよく、2以上の装置が協働して実現してもよい。なお、2以上の構成要素が通信回線で結ばれている態様においては、ユーザに対して情報を出力する出力部は、ユーザに携帯されるものであることが好ましい。
【0122】
C14.変形例14:
上記実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。例えば、アプリケーションソフトウェア230(図1)の機能の一部を制御回路が実行するようにすることもできる。
【0123】
このような機能を実現するコンピュータプログラムは、フロッピディスクやCD−ROM等の、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された形態で提供される。ホストコンピュータは、その記録媒体からコンピュータプログラムを読み取って内部記憶装置または外部記憶装置に転送する。あるいは、通信経路を介してプログラム供給装置からホストコンピュータにコンピュータプログラムを供給するようにしてもよい。コンピュータプログラムの機能を実現する時には、内部記憶装置に格納されたコンピュータプログラムがホストコンピュータのマイクロプロセッサによって実行される。また、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムをホストコンピュータが直接実行するようにしてもよい。
【0124】
この明細書において、ホストコンピュータとは、ハードウェア装置とオペレーションシステムとを含む概念であり、オペレーションシステムの制御の下で動作するハードウェア装置を意味している。コンピュータプログラムは、このようなホストコンピュータに、上述の各部の機能を実現させる。なお、上述の機能の一部は、アプリケーションプログラムでなく、オペレーションシステムによって実現されていても良い。
【0125】
なお、この発明において、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスクやCD−ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種のRAMやROM等のコンピュータ内の内部記憶装置や、ハードディスク等のコンピュータに固定されている外部記憶装置も含んでいる。
【図面の簡単な説明】
【0126】
【図1】本発明の第1実施例である経路案内システムのハードウェア構成を示す図。
【図2】避難情報を取得し、出力する際の携帯電話200の処理を示すフローチャート。
【図3】ユーザが移動する場所の地図。
【図4】第2実施例において避難情報を要求する(図2のステップS30参照)の処理の内容を表すフローチャート。
【符号の説明】
【0127】
100…経路探索サーバ
102…通信部
104…制御部
106…記憶部
150…地図サーバ
152…通信部
154…制御部
156…地図データベース
190…通信事業者サーバ
192…通信部
194…制御部
196…記憶部
200…携帯電話
201…GPSユニット
202…表示パネル
203…音声出力部
204…振動機構
205…通信部
206…コマンド入力部
206a…テンキー
206b…カーソルキー
209…時計部
210…主制御部
211…CPU
212…RAM
213…ROM
220…通話制御部
230…アプリケーションソフトウェア
231…位置測定ユニット
232…避難地情報取得ユニット
233…避難地情報記憶ユニット
234…情報出力ユニット
300…気象庁サーバ
302…通信部
304…制御部
306…記憶部
DA…表示パネル202に表示される地図の領域
EA1〜EA7…避難場所
EM1h,EM1s,EM2〜EM7…避難情報に含まれる地図画像データの領域
ER1h,ER1s,ER2〜ER7…避難経路
Hm…自宅
INT…インターネット
L1,L2…交通機関の路線
Of1,Of2…会社
Sp…ショッピングセンター
St1〜St3…駅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置を使用して行う情報処理方法であって、
(a)情報処理装置を使用して測定位置情報を取得する測定位置情報取得工程であって、前記測定位置情報は、前記測定位置情報を取得した時点の前記情報処理装置の位置である測定地点を表す情報である、測定位置情報取得工程と、
(b)過去に取得された前記測定位置情報の前記測定地点が、所定の長期時間区間内において、所定の領域内に、所定値Th以上(Thは正の整数)の頻度で存在することを含む第1の取得条件が満たされる場合に、前記所定の領域内の少なくとも一部の前記測定地点に関連する第1種の避難地点に関する第1種の避難地情報を、前記少なくとも一部の測定地点に含まれる測定地点の前記測定位置情報に基づいて、通信回線を介して取得する第1種避難地情報取得工程と、
(c)前記第1種の避難地情報を前記情報処理装置が備える記憶部に記憶させる第1種避難地情報記憶工程と、を備える情報処理方法。
【請求項2】
請求項1記載の情報処理方法であって、
前記第1の取得条件は、前記過去に取得された測定位置情報の測定地点が、前記長期時間区間内において、前記所定の領域内に、前記所定値Th以上の頻度で存在することであり、
前記所定値Thは2以上である、情報処理方法。
【請求項3】
請求項1記載の情報処理方法であって、さらに、
(d)前記測定位置情報取得工程で取得した前記測定位置情報の前記測定地点の属性を表す属性情報を取得する測定地点属性情報取得工程を含み、
前記第1の取得条件は、さらに、前記測定地点が所定時間以上滞在するための施設であること、を含む所定の属性条件を、前記少なくとも一部の測定地点の前記属性情報が満たすことを含む、情報処理方法。
【請求項4】
請求項1記載の情報処理方法であって、さらに、
(d)前記測定位置情報取得工程で取得した前記測定位置情報の前記測定地点の属性を表す属性情報を取得する測定地点属性情報取得工程を含み、
前記第1の取得条件は、第1の下位条件と第2の下位条件の少なくとも一方を満たすことであり、
前記第1の下位条件は、
(i)前記過去に取得された測定位置情報の測定地点が、前記長期時間区間内において、前記所定の領域としての第1の領域内に、前記所定値ThとしてのTh1(Th1は正の整数)以上の頻度で存在すること、かつ、
(ii)前記測定地点が所定時間以上滞在するための施設であること、を含む所定の属性条件を、前記所定の領域内の少なくとも一部の前記測定地点の属性情報が満たすことを含み、
前記第2の下位条件は、前記過去に取得された測定位置情報の測定地点が、前記長期時間区間内において、前記所定の領域としての第2の領域内に、前記所定値ThとしてのTh2(Th2はTh1より大きい整数)以上の頻度で存在することを含む、情報処理方法。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の情報処理方法であって、さらに、
(e)災害の発生に起因する所定の事象が起こった場合に、前記記憶部に記憶された避難地情報に基づいて、情報の出力を行う出力工程を備え、
前記第1種避難地情報記憶工程は、
前記第1種の避難地情報を取得した際の前記測定位置情報と関連づけて、前記第1種の避難地情報を前記記憶部に記憶させる工程を含み、
前記出力工程は、
前記所定の事象が起こった場合に、前記記憶部に記憶された前記避難地情報として、前記記憶部に記憶された前記第1種の避難地情報のうちの少なくとも一つであって、現在時刻を含み前記長期時間区間より短い短期時間区間に取得された前記測定位置情報と、前記記憶部内において前記第1種の避難地情報に関連づけられている前記測定位置情報と、に基づいて選択された避難地情報に基づいて、前記情報の出力を行う工程を含む、情報処理方法。
【請求項6】
請求項1記載の情報処理方法であって、さらに、
(d)前記測定位置情報取得工程で取得した前記測定位置情報の前記測定地点の属性を表す属性情報を取得し、前記測定位置情報と関連づけて前記記憶部に記憶させる測定地点属性情報記憶工程であって、前記属性情報は、前記測定地点が交通機関の駅であることを表す情報を含む場合がある、測定地点属性情報記憶工程と、
(e)災害の発生に起因する所定の事象が起こった場合に、前記記憶部に記憶された避難地情報に基づいて、情報の出力を行う出力工程と、を含み、
前記第1種避難地情報取得工程は、前記第1の取得条件として、前記過去に取得された測定位置情報の前記測定地点が、前記長期時間区間内において、前記所定の領域としての前記駅を含む領域内に、前記所定値Th以上の頻度で存在することを含む条件が満たされる場合に、前記第1種の避難地情報を取得する工程を含み、
前記情報処理方法は、さらに、
(f)前記第1の取得条件が満たされる領域に含まれる第1の駅と、前記第1の取得条件が満たされる領域であって前記第1の駅の前記領域とは異なる領域に含まれる第2の駅と、の間の途中駅の地点に関連する第2種の避難地点に関する第2種の避難地情報を、前記記憶部に記憶された前記測定位置情報であって関連づけられた属性情報が前記第1の駅を表す前記測定位置情報と、前記記憶部に記憶された前記測定位置情報であって関連づけられた属性情報が前記第2の駅を表す前記測定位置情報と、に基づいて、所定の第2の取得条件が満たされる場合に取得する第2種避難地情報取得工程と、
(g)前記第2種の避難地情報を前記記憶部に記憶させる第2種避難地情報記憶工程と、を含み、
前記出力工程は、前記所定の事象が起こった場合に、前記記憶部に記憶された前記避難地情報として、前記第1種と前記第2種の少なくとも一方の避難地情報に基づいて、前記情報の出力を行う工程を含む、情報処理方法。
【請求項7】
請求項6記載の情報処理方法であって、
前記第1種避難地情報記憶工程は、前記第1種の避難地情報を取得した際の前記測定位置情報と関連づけて、前記第1種の避難地情報を前記記憶部に記憶させる工程を含み、
前記第2種避難地情報記憶工程は、前記第2種の避難地情報を取得した際の前記途中駅に関する位置情報と関連づけて、前記第2種の避難地情報を前記記憶部に記憶させる工程を含み、
前記出力工程は、前記所定の事象が起こった場合に、前記記憶部に記憶された前記避難地情報として、前記記憶部に記憶された前記第1種または第2種の避難地情報のうちの少なくとも一つであって、現在時刻を含み前記長期時間区間より短い短期時間区間に取得された前記測定位置情報と、前記記憶部内において前記第1種または第2種の避難地情報に関連づけられている前記測定位置情報または前記途中駅に関する位置情報と、に基づいて選択された避難地情報に基づいて、前記情報の出力を行う工程を含む、情報処理方法。
【請求項8】
請求項6または7記載の情報処理方法であって、
前記第2種の避難地情報は、前記途中駅から、前記第2種の避難地点に至る経路の情報を含む、情報処理方法。
【請求項9】
請求項6ないし8のいずれかに記載の情報処理方法であって、
前記第2種の避難地情報は、前記途中駅と、前記第2種の避難地点と、を含む地図の情報を含む、情報処理方法。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれかに記載の情報処理方法であって、
前記第1種の避難地情報は、前記測定位置情報の前記測定地点から、前記第1種の避難地点に至る経路の情報を含む、情報処理方法。
【請求項11】
請求項1ないし10のいずれかに記載の情報処理方法であって、
前記第1種の避難地情報は、前記測定位置情報の前記測定地点と、前記第1種の避難地点と、を含む地図の情報を含む、情報処理方法。
【請求項12】
情報処理装置に備えられたコンピュータにおいて実行され、通信回線を介して情報を取得して、前記情報に基づいて出力を行うためのコンピュータプログラムであって、
情報処理装置を使用して測定位置情報を取得する測定位置情報取得機能であって、前記測定位置情報は、前記測定位置情報を取得した時点の前記情報処理装置の位置である測定地点を表す情報である、測定位置情報取得機能と、
過去に取得された前記測定位置情報の前記測定地点が、所定の長期時間区間内において、所定の領域内に、所定値Th以上(Thは正の整数)の頻度で存在することを含む第1の取得条件が満たされる場合に、前記所定の領域内の少なくとも一部の前記測定地点に関連する第1種の避難地点に関する第1種の避難地情報を、前記少なくとも一部の測定地点に含まれる測定地点の前記測定位置情報に基づいて、通信回線を介して取得する第1種避難地情報取得機能と、
前記第1種の避難地情報を前記情報処理装置が備える記憶部に記憶する第1種避難地情報記憶機能と、をコンピュータに実現させる、コンピュータプログラム。
【請求項13】
情報処理装置であって、
測定位置情報を取得する位置測定部であって、前記測定位置情報は、前記測定位置情報を取得した時点の前記位置測定部の位置である測定地点を表す情報である、位置測定部と、
通信回線を介して外部から情報を取得する通信部と、
前記取得された情報を記憶することができる記憶部と、
情報の出力を行う出力部と、
前記各部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
過去に取得された前記測定位置情報の前記測定地点が、所定の長期時間区間内において、所定の領域内に、所定値Th以上(Thは正の整数)の頻度で存在することを含む第1の取得条件が満たされる場合に、前記所定の領域内の少なくとも一部の前記測定地点に関連する第1種の避難地点に関する第1種の避難地情報を、前記少なくとも一部の測定地点に含まれる測定地点の前記測定位置情報に基づいて、前記通信部を介して取得し、
前記第1種の避難地情報を前記記憶部に記憶させる、情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−66159(P2010−66159A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−233682(P2008−233682)
【出願日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【出願人】(500578216)株式会社ゼンリンデータコム (231)
【出願人】(597151563)株式会社ゼンリン (155)
【Fターム(参考)】