説明

情報処理装置、情報処理方法、プログラムおよび情報処理システム

【課題】利用者によって携行される装置が適切な呼出動作を行うことを可能にする。
【解決手段】センサからの入力情報に対応する呼出動作を判定する判定部と、上記判定部による判定結果を用いて、上記センサを備える装置における電話、電子メール、インスタントメッセージ等の着信時の呼出動作を制御する制御部とを備え、予め学習された識別モデルを用いて、上記入力情報から識別される識別情報に対応する呼出動作を行う情報処理装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、プログラムおよび情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、固定電話端末、携帯電話端末、PC(Personal Computer)のような様々な通信装置が広く普及している。これらの通信装置は、電話、電子メール、インスタントメッセージ等の着信に応じて呼出動作を行う。当該呼出動作は、例えば、着信音の発生、振動(バイブレーション)、画面上の表示の変更等である。
【0003】
さらに、通信装置には呼出動作を設定する機能が通常備えられているため、利用者は、自身の状況に応じて適切な呼出動作を選択することができる。一例として、携帯電話端末の利用者は、通話できる状況であれば、着信音の発生を呼出動作として選択し、通話できない状況であれば、画面上の表示の変更を呼出動作として選択することができる。
【0004】
また、利用者による操作なしに呼出動作を自動的に選択して設定する技術も存在する。例えば、特許文献1では、スクリーンセーバーの起動の有無、すなわちPCの不操作時間が所定の時間を超えるか否かに基づき、PC上で動作するソフトフォンの呼出動作を切り替える技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−135739号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記特許文献1の技術では、基本的に、通信装置がある場所に固定され、かつ当該場所に利用者がいる場合には当該通信装置を操作する、ということが前提となっている。すなわち、例えば携帯電話端末のように、利用者によって携行され、必要に応じて利用者により操作される通信装置では、当該技術が適用されたとしても、利用者の状況に応じた適切な呼出動作を自動的に選択できない。一例として、利用者は、会議中には通話することができないが、休憩中には通話することができる。しかし、利用者が会議中である場合と利用者が休憩中である場合とで、携帯電話端末の不操作時間の長さには違いが生じない場合もある。よって、不操作時間に着目する上記技術では、会議中には、画面上の表示の変更を呼出動作として自動的に選択し、休憩中には、着信音の発生を呼出動作として自動的に選択することもできない。
【0007】
そこで、本発明は、利用者によって携行される装置が適切な呼出動作を行うことを可能にする、情報処理装置、情報処理方法、プログラムおよび情報処理システムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、センサからの入力情報に対応する呼出動作を判定する判定部と、上記判定部による判定結果を用いて、上記センサを備える装置における着信時の呼出動作を制御する制御部と、を備える情報処理装置が提供される。
【0009】
上記判定部は、予め学習された識別モデルを用いて上記入力情報から識別される識別情報に対応する呼出動作を判定してもよい。
【0010】
上記識別情報と、当該識別情報に対応する呼出動作を行う場合の予測応答パターンとを対応して記憶する記憶部と、上記センサからの第1の入力情報から第1の識別情報が識別される場合に、当該第1の識別情報に対応する呼出動作の結果観測される応答パターンと、上記第1の識別情報に対応して記憶される第1の予測応答パターンとが一致するか否かを検出する検出部と、をさらに備えてもよい。
【0011】
観測される上記応答パターンと上記第1の予測応答パターンとの不一致が検出された場合に、上記第1の入力情報と、観測された上記応答パターンに該当する第2の予測応答パターンに対応して記憶される第2の識別情報との組合せを、上記識別モデルの再学習用データとして取得する取得部、をさらに備えてもよい。
【0012】
上記第1の識別情報が識別された場合に、観測された上記応答パターンと上記第1の予測応答パターンとの不一致が検出された回数を、上記第1の識別情報についての不一致回数としてカウントするカウント部をさらに備え、上記取得部は、上記不一致回数が所定の回数に到達する場合に、上記第1の入力情報と上記第2の識別情報との組合せを上記再学習用データとして取得してもよい。
【0013】
上記記憶部は、上記不一致回数が所定の回数に到達するまで、各検出についての上記第1の入力情報と観測された上記応答パターンとを記憶し、上記取得部は、上記所定の回数分の上記第1の入力情報と上記第2の識別情報との組合せを上記再学習用データとして取得してもよい。
【0014】
上記記憶部は、上記識別情報と、当該識別情報が識別される場合における上記装置の利用者の予測割込み拒否度とを対応して記憶し、上記検出部は、上記第1の識別情報が識別される場合に、上記装置の利用者の推定される割込み拒否度と、上記第1の識別情報に対応して記憶される第1の予測割込み拒否度とが一致するか否かを検出してもよい。
【0015】
観測される上記応答パターンと上記第1の予測応答パターンとの不一致が検出され、かつ推定される上記割込み拒否度と上記第1の予測割込み拒否度との一致が検出された場合に、上記第1の入力情報と、観測された上記応答パターンに該当する第2の予測応答パターンに対応して記憶される第2の識別情報との組合せを、上記識別モデルの再学習用データとして取得する取得部、をさらに備えてもよい。
【0016】
推定される上記割込み拒否度は、上記装置に関連付けられる所定の機器の使用状況から推定されてもよい。
【0017】
上記応答パターンは、選択される応答手段または呼出動作の開始時点から応答までの時間を含んでもよい。
【0018】
上記応答手段は、上記着信が通話のための着信である場合に、通話、通話拒否、保留、または留守番電話への録音を含んでもよい。
【0019】
上記判定部は、上記入力情報と上記装置の利用者の推定される割込み拒否度とに対応する呼出動作を判定してもよい。
【0020】
上記センサは、当該センサに近接する物質の種類に応じた入力情報を取得し、上記識別情報は、物質の種類に対応する情報であってもよい。
【0021】
上記呼出動作は、着信音の発生、振動、または画面上の表示の変更を含んでもよい。
【0022】
また、本発明によれば、センサからの入力情報に対応する呼出動作を判定するステップと、上記判定部による判定結果を用いて、上記センサを備える装置における着信時の呼出動作を制御するステップと、を含む情報処理方法が提供される。
【0023】
また、本発明によれば、コンピュータを、センサからの入力情報に対応する呼出動作を判定する判定部と、上記判定部による判定結果を用いて、上記センサを備える装置における着信時の呼出動作を制御する制御部と、として機能させるためのプログラムが提供される。
【0024】
また、本発明によれば、情報処理装置および関連機器を含む情報処理システムであって、上記情報処理装置は、予め学習された識別モデルを用いてセンサからの入力情報から識別される識別情報に対応する呼出動作を判定する判定部と、上記判定部による判定結果を用いて、上記センサを備える装置における着信時の呼出動作を制御する制御部と、上記識別情報と、当該識別情報に対応する呼出動作を行う場合の予測応答パターンとを対応して記憶する記憶部と、上記センサからの第1の入力情報から第1の識別情報が識別される場合に、当該第1の識別情報に対応する呼出動作の結果観測される応答パターンと、上記第1の識別情報に対応して記憶される第1の予測応答パターンとが一致するか否かを検出する検出部と、を備え、上記関連機器は、上記装置の利用者の割込み拒否度を推定し、上記記憶部は、上記識別情報と、当該識別情報が識別される場合における上記装置の利用者の予測割込み拒否度とを対応して記憶し、上記検出部は、上記第1の識別情報が識別される場合に、上記装置の利用者の推定される割込み拒否度と、上記第1の識別情報に対応して記憶される第1の予測割込み拒否度とが一致するか否かを検出する、情報処理システムが提供される。
【発明の効果】
【0025】
以上説明したように本発明に係る情報処理装置、情報処理方法、プログラムおよび情報処理システムによれば、利用者によって携行される装置が適切な呼出動作を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本実施形態に係る情報処理システムの概略的な構成の一例を示す説明図である。
【図2】第1の実施形態に係る着信側の利用者端末の構成の一例を示すブロック図である。
【図3】第1の実施形態に係る記憶部に記憶される参照テーブルの一例を説明する説明図である。
【図4】第1の実施形態に係る発信側の利用者端末の構成の一例を示すブロック図である。
【図5】第1の実施形態に係るにおける情報処理の概略的な流れの一例を示すフローチャートである。
【図6】第2の実施形態に係る着信側の利用者端末の構成の一例を示すブロック図である。
【図7】第2の実施形態に係る記憶部に記憶される参照テーブルの一例を説明する説明図である。
【図8】第2の実施形態に係るにおける情報処理の概略的な流れの一例を示すフローチャートである。
【図9】第3の実施形態に係る着信側の利用者端末の構成の一例を示すブロック図である。
【図10】第3の実施形態に係る記憶部に記憶される参照テーブルの一例を説明する説明図である。
【図11】第3の実施形態に係るにおける情報処理の概略的な流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に添付の図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0028】
以下では、<1.情報処理システムの概略的な構成>、<2.第1の実施形態>、<3.第2の実施形態>、<4.第3の実施形態>という順序で本発明の実施形態を説明する。
【0029】
<1.情報処理システムの概略的な構成>
まず、図1を参照して、本発明の実施形態に係る情報処理システム1の概略的な構成について説明する。図1は、本実施形態に係る情報処理システム1の概略的な構成の一例を示す説明図である。図1を参照すると、情報処理システム1は、着信側の利用者端末100(以下、着信端末100)、発信側の利用者端末200(以下、発信端末200)および関連機器300を含む。本実施形態において、着信端末100は情報処理装置の一例である。
【0030】
(着信端末100および発信端末200)
着信端末100は、利用者10により利用される通信装置であり、発信端末200は、利用者20により利用される通信装置である。着信端末100および発信端末200は、例えば、スマートフォンまたは他の携帯電話端末である。着信端末100および発信端末200は、ネットワーク30を介して互いに通信することができる。当該ネットワーク30は、いずれかの方式の無線通信ネットワークを含み、着信端末100および発信端末200は、当該方式の無線通信機能を有する。当該方式は、例えば、IEEE802.11a/b/g/n等の無線LAN(Local Area Network)方式であってもよく、または、WCDMA(Wide-band Code Division Multiple Access)、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、LTE(Long Term Evolution)、PHS(Personal Handy-phone System)等のセルラー方式であってもよい。
【0031】
また、発信端末200は、上記無線通信機能を用いて、電話、電子メール、インスタントメッセージ等を発信する。また、着信端末100は、上記無線通信機能を用いて、電話、電子メール、インスタントメッセージ等を着信する。そして、着信端末100は、着信に応じて、呼出動作を制御する。すなわち、着信端末100は、着信に応じて、例えば、着信音を発生させ、着信端末100を振動させ、着信端末100の画面上の表示を変更する。
【0032】
また、着信端末100は、利用者10により様々な場所に携行される。図1を参照すると、ケースAでは、利用者10は、事務所の自席で作業している。この場合に、着信端末100は、例えば、利用者10の自席の机に置かれている。また、ケースBでは、利用者10は、ある場所から別の場所へ移動している。この場合に、着信端末100は、例えば、利用者10の服のポケットの中にある。さらに、ケースCでは、利用者10は、会議室で会議に参加している。この場合に、着信端末100は、例えば、会議室にある机に置かれている。
【0033】
(関連機器300)
関連機器300は、利用者10により利用される機器である。関連機器300は、例えば、利用者10が利用するPC(Personal Computer)である。また、関連機器300は、着信端末100に関連付けられている。例えば、関連機器300に関する情報が、着信端末100に登録され、または、着信端末100に関する情報が、関連機器300に登録される。
【0034】
また、関連機器300は、自装置が備える通信機能により、着信端末100と通信する。当該通信機能は、例えば、Bluetooth、ZigBee、IrDA等の近距離型無線通信方式の通信機能である。着信端末100は、関連機器300との通信において、自装置に登録された関連機器300に関する情報を参照し、または自装置を登録する関連機器300から自装置宛の情報を送信されることにより、関連機器300が自装置に関連付けられていることを知ることができる。
【0035】
以上、図1を参照して本発明の実施形態に係る情報処理システム1の構成の一例を説明したが、情報処理システム1の構成は上述した例に限られない。
【0036】
例えば、着信端末100は、スマートフォンまたは他の携帯電話端末に限られない。電話、電子メール、インスタントメッセージ等の着信に応じて呼出動作を行い、利用者により携行される任意の通信装置であってもよい。例えば、着信端末は、ノート型PC(Personal Computer)、携帯情報端末(Personal Digital Assistant)、電子書籍端末、ゲーム機器、音楽プレーヤ等であってもよい。
【0037】
また、発信端末200も、スマートフォンまたは他の携帯電話端末に限られない。電話、電子メール、インスタントメッセージ等の発信を行う任意の通信装置であってもよい。
【0038】
また、関連機器は、近距離型無線通信方式の通信機能の代わりに、無線LANのような近接型以外の方式の通信機能により、着信端末100と通信してもよい。
【0039】
本実施形態では、着信時の利用者10の状況に応じた適切な呼出動作を着信端末100が行う。以降、<2.第1の実施形態>、<3.第2の実施形態>および<4.第3の実施形態>において、その具体的な内容を説明する。
【0040】
<2.第1の実施形態>
まず、本発明の第1の実施形態を説明する。本発明の第1の実施形態によれば、着信端末100に備えられるセンサからの入力情報を利用して、着信時の利用者10の状況に応じた適切な呼出動作を着信端末100に行わせる。
【0041】
以下では、第1の実施形態を<2−1.着信側の利用者端末の構成>、<2−2.発信側の利用者端末の構成>、<2−3.処理の流れ>という順序で説明する。
【0042】
<2−1.着信側の利用者端末の構成>
図2および図3を参照して、第1の実施形態に係る着信端末100−1の構成について説明する。図2は、第1の実施形態に係る着信端末100−1の構成の一例を示すブロック図である。図2を参照すると、着信端末100−1は、センサ110、識別部120、記憶部130、呼出制御部140、通信部150、呼出出力部160、応答入力部170、音声処理部181、音声入力部183、音声出力部185および音声保存部187を備える。ここで、呼出制御部140は、判定部および制御部の一例である。
【0043】
(センサ110)
センサ110は、着信端末100−1の環境に応じた入力情報を取得する。センサ110は、例えば、フォトレジスタ、光−周波数変換器(light-to-frequency converter)等の光学式センサである。センサ110は、1つのセンサのみに限られず、複数のセンサであってもよい。例えば、センサ110は、フォトレジスタおよび光−周波数変換器であってもよい。
【0044】
一例として、センサ110は、センサ110に近接する物質の種類に応じた入力情報を取得する。物質の種類によって光の反射特性が異なることを利用すると、センサ110は、上記のような光学式センサである場合に、物質の種類に応じた入力情報を取得できる。図1を参照すると、ケースAの「自席の机」、ケースBの「胸ポケット」、およびケースC「会議室の机」が、例えば、それぞれ「木」、「綿」および「ガラス」で作成されている。この場合に、着信端末100−1が「自席の机」にあれば、センサ110は「木」に応じた入力信号を取得し、着信端末100−1が「胸ポケット」にあれば、センサ110は「綿」に応じた入力信号を取得する。また、着信端末100−1が「会議室の机」にあれば、センサ110は「ガラス」に応じた入力信号を取得する。
【0045】
なお、センサ110が光学式センサである場合に、センサ110に十分な光が届かない可能性を考慮して、センサ110の近傍に1つ以上の発光器が備えられてもよい。例えば、センサ110と併せて、1つ以上の発行ダイオード(以下、LED)が備えられてもよい。
【0046】
(識別部120)
識別部120は、予め学習された識別モデルを用いて、センサ110からの入力情報から識別情報を識別する。当該識別情報は、例えば、利用者10の状況を直接的または間接的に示す情報である。一例として、識別情報は、「自席の机」、「胸ポケット」、「会議室の机」等の、着信端末100−1の位置である。そして、これらの識別情報は、それぞれ「利用者10は自席にいる」、「利用者10は移動中である」、「利用者10は会議に参加している」ということを間接的に示す。
【0047】
また、上記識別モデルは、センサ110からの未知の入力情報を、予め定められた識別情報の候補のうちの適切な候補に分類するためのモデルである。当該識別モデルは、センサ110からの入力情報と当該入力情報に対応する理想的な識別情報との組合せを教師データとして予め学習される。当該識別モデルは、SVM(Support Vector Machine)、ニューラルネットワーク等の任意の学習アルゴリズムにより学習される。
【0048】
より具体的に、識別部120による識別手法の例を説明する。例えば、センサ110は、上記のように、センサ110に近接する物質の種類(「木」、「綿」および「ガラス」)に応じた入力情報を取得することができる。そこで、以下のような条件下で教師データ用の入力情報を取得し、当該入力情報と以下の理想的な識別情報との組合せである教師データを作成し、識別モデルを学習する。
【0049】
【表1】

【0050】
上記教師データにより学習された識別モデルによれば、「木」に応じた入力情報は、識別情報の候補である「自席の机」に分類される。同様に、「綿」に応じた入力情報は「胸ポケット」に、「ガラス」に応じた入力情報は「会議室の机」に分類される。よって、識別モデルの学習後、例えば、着信端末100−1が自席の机にある場合に、センサ110は、「木」に応じた入力情報を取得し、識別部120は、当該入力情報が識別モデルにおいて「自席の机」に分類されることを確認できる。そのため、識別部120は、当該入力情報から「自席の机」を識別することができる。また、着信端末100−1が胸ポケットにある場合、または着信端末100−1が会議室の机にある場合にも、同様に、識別部120は、入力情報から「胸ポケット」または「会議室の机」を識別することができる。
【0051】
このように、識別部120は、入力情報から、着信端末100−1の位置を識別できる。なお、光学式センサを用いた物質の種類の識別手法は、文献「Harrison, Chris and Hudson, Scott E. Lightweight Material Detection for Placement-Aware Mobile Computing. In Proceedings of the 21st Annual ACM Symposium on User Interface Software and Technology. UIST ’08.
ACM, New York, NY, 279-282.」において詳細に記載されている。
【0052】
以上のように、予め学習された識別モデルを用いた識別により、センサ110からの入力情報から、利用者10の状況を直接的または間接的に示す情報を得ることができる。
【0053】
(記憶部130)
記憶部130は、着信端末100−1において一時的にまたは恒久的に保持すべき情報を記憶する。より具体的には、記憶部130は、例えば、識別部120により識別される識別情報と、着信端末100−1による着信時の呼出動作を示す情報とを対応して記憶する。以下、この点について図3を参照してより具体的に説明する。
【0054】
図3は、第1の実施形態に係る記憶部130に記憶される参照テーブル131の一例を説明する説明図である。図3を参照すると、参照テーブル131は、識別情報および呼出動作情報を対応して記憶する。識別情報は、識別部120により識別される識別情報である。図3の例では、当該識別情報は、「自席の机」、「胸ポケット」および「会議室の机」のうちのいずれかである。また、呼出動作情報は、着信端末100−1による着信時の呼出動作を示す情報である。図3の例では、呼出動作情報は、「着信音の発生」、「振動(バイブレーション)」、「画面上の表示の変更」のいずれかである。
【0055】
上記参照テーブル131では、識別情報と呼出動作情報との対応関係によって、識別情報が識別された場合の適切な呼出動作が定められている。例えば、識別情報として「自席の机」が識別された場合の適切な呼出動作として、「着信音の発生」が定められている。
なぜならば、「着信端末100−1が自席の机にあれば、利用者10が自席にいるので、利用者10が通話可能な状態にあり、かつ着信音を発生させても迷惑はかからない」と考えられるからである。また、識別情報として「胸ポケット」が識別された場合の適切な呼出動作として、「振動(バイブレーション)」が定められている。なぜならば、「着信端末100−1が胸ポケットにあれば、利用者10が移動中であるので、利用者10が通話可能かは不明であり、かつ着信音の発生により迷惑がかかる可能性もある」と考えられるからである。また、識別情報として「会議室の机」が識別された場合の適切な呼出動作として、「画面上の表示の変更」が定められている。なぜならば、「着信端末100−1が会議室の机にあれば、利用者10は会議に参加しているので、利用者10が通話不能な状態にあり、かつ着信音の発生や振動により迷惑がかかる」と考えられるからである。
【0056】
このように、識別情報と呼出動作情報との間の適切な対応関係を定めることで、正しい識別情報を取得できれば、着信時の利用者10の状況に応じた適切な呼出動作を判定することが可能になる。
【0057】
また、記憶部130は、例えば、識別部120により用いられる識別モデルを記憶する。さらに、記憶部130は、当該識別モデルの学習用の教師データも記憶してもよい。
【0058】
(呼出制御部140)
呼出制御部140は、センサ110からの入力情報に対応する呼出動作を判定する。換言すると、呼出制御部140は、予め学習された識別モデルを用いて上記入力情報から識別される識別情報に対応する呼出動作を判定する。より具体的には、呼出制御部140は、例えば、記憶部130の参照テーブル131を参照して、識別部120から取得した識別情報に対応する呼出動作情報を検索することにより、当該識別情報に対応する呼出動作を判定する。例えば、呼出制御部140は、「自席の机」という識別情報を取得すると、当該識別情報に対応する「着信音の発生」という呼出動作情報を検索する。そして、呼出制御部140は、識別情報に対応する呼出動作が「着信音の発生」であると判定する。
【0059】
また、呼出制御部140は、呼出動作の判定結果を用いて、センサ110を備える装置における着信時の呼出動作を制御する。すなわち、呼出制御部140は、上記判定結果を用いて、着信端末100−1の呼出動作を制御する。より具体的には、呼出制御部140は、例えば、判定された呼出動作を呼出出力部160に通知することにより、呼出出力部160に呼出動作を行わせる。
【0060】
このような呼出動作の判定および制御により、センサからの入力情報または識別情報から、着信時の利用者10の状況に応じた適切な呼出動作を着信端末100−1に行わせることが可能になる。その結果、利用者10は、自身の状況に応じて着信端末100−1の呼出動作を選択する手間を省くことができる。また、利用者10が自身の状況に応じて呼出動作を選択し忘れることにより不適切な呼出動作が行われることを回避することができる。
【0061】
なお、上記呼出動作は、例えば着信音の発生、振動、または画面上の表示の変更を含むが、これらに限定されず任意の呼出動作であってもよい。また、上記呼出動作は、着信音の発生と振動との組合せのように、複数の呼出動作の組合せであってもよい。
【0062】
(通信部150)
通信部150は、他の通信装置と通信する。より具体的には、通信部150は、例えば、ネットワーク30を介して発信端末200と通信する。
【0063】
例えば、通信部150は、発信端末200からの電話、電子メール、インスタントメッセージ等を着信すると、着信があったことを呼出出力部160および応答入力部170に通知する。
【0064】
また、通信部150は、着信があった場合に、応答入力部170からの着信への応答手段を通知されると、当該応答手段に応じた制御を行う。例えば、当該着信が通話のための着信である場合に、応答手段が「通話」であったとすると、通信部150は、発信端末200に応答信号を送信し、発信端末200とのセッションを確立する。また、応答手段が「通話拒否」であったとすると、通信部150は、通話拒否を通知する信号を発信端末200に送信する。また、応答手段が「保留」であったとすると、保留中であることを通知する信号を発信端末200に送信する。また、応答手段が「留守番電話」であったとすると、通信部150は、「通話」と同様の動作を行った上で、留守番電話メッセージの入力を通知する信号を発信端末200に送信する。また、通信部150は、受信する音声データを音声保存部187に出力するように音声処理部181に指示する。
【0065】
また、通信部150は、発信端末200へデータを送信し、発信端末200からデータを受信する。例えば、電話における音声データの送受信であれば、通信部150は、発信端末200から受信した音声データを音声処理部181へ出力し、音声処理部181により入力された音声データを発信端末200へ送信する。なお、通信部150は、必要に応じて、送信すべきデータをパケットに分解し、受信したパケットを組立てる。
【0066】
(呼出出力部160)
呼出出力部160は、着信端末100−1における着信時の呼出動作を行う。より具体的には、呼出出力部160は、着信があったことを通信部150から通知されると、呼出制御部140により判定された呼出動作を行う。呼出出力部160は、例えば、着信音を発生させ、着信端末100−1を振動させ、または着信端末100−1の画面上の表示を変更する。
【0067】
(応答入力部170)
応答入力部170は、着信時に応答手段を選択する。より具体的には、応答入力部170は、例えば、着信端末100−1への着信があった場合に、利用者10の操作に応じて、複数の応答手段からいずれかの応答手段を選択する。そして、応答入力部170は、選択された応答手段を通信部150に通知する。上記応答手段は、例えば、着信が通話のための着信である場合に、通話、通話拒否、保留、または留守番電話への録音を含む。
【0068】
(音声処理部181)
音声処理部181は、音声入力部183により入力される音声信号をアナログ/デジタル変換(A/D変換)し、必要に応じて符号化する。そして、音声処理部181は、処理後の音声データを通信部150に出力する。
【0069】
また、音声処理部181は、通信部150により入力された音声データを、必要に応じて復号し、音声データをデジタル/アナログ変換(D/A変換)する。そして、音声処理部181は、処理後の音声信号を音声出力部185に出力する。なお、音声処理部181は、通信部150による制御に応じて、通信部150から入力された音声データを音声保存部187に出力してもよい。
【0070】
(音声入力部183)
音声入力部183は、利用者10により発せられた音声から音声信号を取得し、音声処理部181に出力する。音声入力部183は、例えば、マイクロフォンである。
【0071】
(音声出力部185)
音声出力部185は、音声処理部181により入力された音声信号から音声を再生する。音声出力部185は、例えば、スピーカ、イヤフォン、またはヘッドフォンである。
【0072】
(音声保存部187)
音声保存部187は、音声処理部181により入力された音声データを記憶する。
【0073】
<2−2.発信信側の利用者端末の構成>
次に、図4を参照して、第1の実施形態に係る発信端末200の構成について説明する。図4は、第1の実施形態に係る発信端末200の構成の一例を示すブロック図である。図4を参照すると、発信端末200は、音声入力部210、音声出力部220、音声処理部230、操作入力部240および通信部250を備える。
【0074】
(音声入力部210)
音声入力部210は、利用者20により発せられた音声から音声信号を取得し、音声処理部230に出力する。音声入力部183は、例えば、マイクロフォンである。
【0075】
(音声出力部220)
音声出力部220は、音声処理部230により入力された音声信号から音声を再生する。音声出力部220は、例えば、スピーカ、イヤフォン、またはヘッドフォンである。
【0076】
(音声処理部230)
音声処理部230は、音声入力部210により入力される音声信号をアナログ/デジタル変換(A/D変換)し、必要に応じて符号化する。そして、音声処理部230は、処理後の音声データを通信部250に出力する。
【0077】
また、音声処理部230は、通信部250により入力された音声データを、必要に応じて復号し、音声データをデジタル/アナログ変換(D/A変換)する。そして、音声処理部230は、処理後の音声信号を音声出力部220に出力する。
【0078】
(操作入力部240)
操作入力部240は、利用者20の操作に応じた入力情報を取得する。より具体的には、操作入力部240は、例えば、利用者20の操作に応じて電話番号や利用者IDを発信先として取得し、当該電話番号や利用者IDを発信先とする発信を通信部250に依頼する。
【0079】
(通信部250)
通信部250は、他の通信装置と通信する。より具体的には、通信部250は、例えば、ネットワーク30を介して着信端末100と通信する。なお、通信部250も、着信端末100−1の通信部150と同様に動作する。
【0080】
<2−3.処理の流れ>
以下では、図5を参照して、第1の実施形態に係る情報処理の一例について説明する。図5は、第1の実施形態に係るにおける情報処理の概略的な流れの一例を示すフローチャートである。
【0081】
まず、ステップS401で、着信端末100−1の通信部150は、発信端末200からの電話、電子メール、インスタントメッセージ等を着信し、着信があったことを呼出出力部160および応答入力部170に通知する。
【0082】
次に、ステップS403で、センサ110は、着信端末100−1の環境に応じた入力情報を取得する。次に、ステップS405で、識別部120は、予め学習された識別モデルを用いて、センサ110からの入力情報から識別情報を識別する。そして、ステップS407で、呼出制御部140は、センサ110からの入力情報に対応する呼出動作を判定する。
【0083】
次に、ステップS409で、呼出制御部140は、呼出動作の判定結果を用いて、着信端末100−1における着信時の呼出動作を制御する。そして、呼出出力部160は、着信端末100−1における着信時の呼出動作を行う。そして、処理は終了する。
【0084】
以上、第1の実施形態について説明したが、当該第1の実施形態によれば、着信端末100に備えられるセンサからの入力情報を利用して、着信時の利用者10の状況に応じた適切な呼出動作を着信端末100−1が行うことが可能になる。
【0085】
<3.第2の実施形態>
上記第1の実施形態では、センサ110からの入力情報を用いて、利用者10の状況に応じた呼出動作を選択した。しかし、センサ110は、ハードウェアの故障、汚れ等により恒常的に誤った値を出力する可能性がある。この場合に、センサからの入力情報から望ましくない識別情報(例えば、着信端末100−1の位置)が識別され、当該識別情報に応じた不適切な呼出動作が選択される。そこで、第2の実施形態では、着信端末110−2における呼出動作への利用者10の応答パターンを利用して、センサ110からの入力情報と識別情報との対応関係を検証し、当該対応関係が不適切である場合に、識別モデルの再学習を行う。
【0086】
以下では、第2の実施形態を<3−1.着信側の利用者端末の構成>、<3−2.処理の流れ>という順序で説明する。
【0087】
<3−1.着信側の利用者端末の構成>
図6および図7を参照して、第2の実施形態に係る着信端末100−2の構成について説明する。図6は、第2の実施形態に係る着信端末100−2の構成の一例を示すブロック図である。図6を参照すると、着信端末100−2は、センサ110、識別部120、記憶部133、呼出制御部140、通信部150、呼出出力部160、応答入力部173、音声処理部181、音声入力部183、音声出力部185、音声保存部187および検証学習部190を備える。ここで、検証学習部190は、検出部、取得部およびカウント部の一例である。
【0088】
ここで、記憶部133、応答入力部173および検証学習部190以外の構成要素については、第1の実施形態との間に差異はない。よって、ここでは、新たに備えられる検証学習部190と、第1の実施形態の記憶部130および応答入力部170から一部変更された記憶部133および応答入力部173の変更部分とを説明する。
る。
【0089】
(記憶部133)
記憶部133は、識別部120により識別される識別情報と、当該識別情報に対応する呼出動作を行う場合の予測応答パターンとを対応して記憶する。ここで、予測応答パターンは、例えば、選択すると予測される応答手段、または、呼出動作の開始時点から応答までの予測時間を含む。また、応答手段は、上記のとおり、例えば、着信が通話のための着信である場合に、通話、通話拒否、保留、または留守番電話への録音を含む。以下、記憶部133のより具体的な内容について、図7を参照してより具体的に説明する。
【0090】
図7は、第2の実施形態に係る記憶部133に記憶される参照テーブル135の一例を説明する説明図である。図7を参照すると、参照テーブル135は、識別情報、呼出動作情報、予測応答手段、予測応答時間および不一致回数を対応して記憶する。ここで、識別情報および呼出動作情報は、図3で説明された参照テーブル131の識別情報および呼出動作情報と同じである。
【0091】
ここで、予測応答手段は、呼出動作情報に示される呼出動作が行われる場合に選択すると予測される応答手段である。図3の例では、当該予測応答手段は、「通話」、「保留」および「応答なし」のうちのいずれかである。「応答なし」は、利用者10により応答手段が選択されないことを示す。
【0092】
また、予測応答時間は、呼出動作情報に示される呼出動作が行われる場合の呼出動作の開始時点から応答までの予測時間である。図7の例では、当該予測応答時間は、「短」、「中」および「−」のいずれかである。図7の例には記載されていないが、予測応答時間は、さらに「長」であってもよい。これらの「短」、「中」および「長」は、応答時間の長さの分類である。一例として、「短」は5秒未満を示し、「中」は5秒以上かつ20秒未満を示し、「長」は20秒以上を示してもよい。なお、「−」は、応答がなかったため応答時間もないことを示す。
【0093】
また、不一致回数は、ある識別情報が識別された場合に、実際に観測された応答手段または応答時間と、当該識別情報に対応する予測応答手段または予測応答時間との不一致が検出された回数である。当該不一致の検出については、検証学習部190に関連して後に説明する。
【0094】
このように、識別情報と予測応答パターンとの対応関係を定めることで、実際の応答パターンと予測応答パターンとを比較することが可能になる。
【0095】
(応答入力部173)
応答入力部173は、着信時の応答パターンを観測する。当該応答パターンは、例えば、選択される応答手段または呼出動作の開始時点から応答までの時間を含む。例えば、電話の着信があり、呼出出力部160が着信音を発生させる場合に、利用者10が10秒後に保留を選択すれば、応答入力部173は、応答手段として「保留」を観測し、応答時間として「10秒」を観測する。または、利用者10が応答しなければ、応答入力部173は、例えば、応答手段として「応答なし」を観測し、応答時間を観測しない。そして、応答入力部173は、観測した応答パターンを検証学習部190に出力する。
【0096】
(検証学習部190)
検証学習部190は、センサ110からの第1の入力情報から第1の識別情報が識別される場合に、当該第1の識別情報に対応する呼出動作の結果観測される応答パターンと、上記第1の識別情報に対応して記憶される第1の予測応答パターンとが一致するか否かを検出する。図7を参照して具体例を説明すると、センサ110からの入力情報から、識別部120により「自席の机」が識別情報として識別されると、参照テーブル135に示されるとおり、呼出出力部160は着信音を発生させる。そして、応答入力部173は、例えば、応答手段として「通話」を観測し、応答時間として「3秒」を観測する。この場合に、検証学習部190は、観測された応答手段である「通話」および観測された応答時間である「3秒」と、識別情報「着信音の発生」に対応する予測応答手段である「通話」および予測応答時間である「短(5秒未満)」とを比較する。そして、検証学習部190は、観測された応答手段および応答時間と、予測応答手段および予測応答時間との一致を検出する。すなわち、センサ110の入力情報からの識別情報の識別が正しかったと判断される。
【0097】
図7を参照して別の具体例を説明する。上記具体例と同様に、センサ110からの入力情報から、識別部120により「自席の机」が識別情報として識別されると、参照テーブル135に示されるとおり、呼出出力部160は着信音を発生させる。ここで、応答入力部173は、例えば、応答手段として「保留」を観測し、応答時間として「10秒」を観測する。この場合に、検証学習部190は、観測された応答手段である「保留」および観測された応答時間である「10秒」と、識別情報「着信音の発生」に対応する予測応答手段である「通話」および予測応答時間である「短(5秒未満)」とを比較する。そして、検証学習部190は、観測された応答手段および応答時間と、予測応答手段および予測応答時間との不一致を検出する。すなわち、センサ110の入力情報からの識別情報の識別が正しくなかったと判断される。
【0098】
このように実際に観測された応答パターンと予測応答パターンとが一致するか否かを検出することにより、識別情報と予測応答パターンとの適切な対応付けを前提として、センサ110の入力情報からの識別情報の識別の正しさを検証することができる。すなわち、センサ110のメンテナンスまたは識別モデルの再学習が必要であることを知ることができる。その結果、不適切な呼出動作が継続して選択されることを回避できる。
【0099】
また、検証学習部190は、例えば、観測される上記応答パターンと上記第1の予測応答パターンとの不一致が検出された場合に、上記第1の入力情報と、観測された上記応答パターンに該当する第2の予測応答パターンに対応して記憶される第2の識別情報との組合せを、上記識別モデルの再学習用データとして取得する。図7を参照して具体例を説明する。例えば、上記のように、識別情報が「自席の机」である場合に、観測された応答手段および応答時間が「保留」および「10秒」であったとすると、応答手段および応答時間と、予測応答手段(通話)および予測応答時間(短(5秒未満))との不一致が検出される。この場合に、検証学習部190は、観測された応答手段である「保留」および応答時間である「10秒」の組合せに該当する予測応答手段および予測応答時間の組合せを、参照テーブル135から特定する。すなわち、検証学習部190は、予測応答時間および予測応答時間の組合せである「保留」および「中(5秒以上かつ20秒未満)」を特定する。次に、検証学習部190は、「保留」および「中(5秒以上かつ20秒未満)」の組合せに対応して、参照テーブル135に記憶される「胸ポケット」という識別情報を取得する。そして、検証学習部190は、この場合のセンサ110からの入力情報と、「胸ポケット」という識別情報との組合せを、識別モデルの再学習用の教師データとして取得する。
【0100】
このように、センサ110からの入力情報と、予測応答パターンから導かれる理想的な識別情報とを教師データとして取得することで、識別情報と予測応答パターンとの適切な対応付けを前提として、信頼性の高い教師データを自動的に取得し続けることができる。よって、当該教師データを用いて再度学習することで、より信頼性の高い識別モデルを得られる。
【0101】
また、検証学習部190は、例えば、上記第1の識別情報が識別された場合に、観測された上記応答パターンと上記第1の予測応答パターンとの不一致が検出された回数を、上記第1の識別情報についての不一致回数としてカウントする。そして、検証学習部190は、上記不一致回数が所定の回数に到達する場合に、上記第1の入力情報と上記第2の識別情報との組合せを上記再学習用データとして取得する。
【0102】
図7を参照して具体例を説明する。上記のように、識別情報が「自席の机」である場合に、応答手段および応答時間と、予測応答手段および予測応答時間との不一致が検出される。この場合に、検証学習部190は、参照テーブル135の不一致回数を1だけ増加させる。そして、検証学習部190は、例えば、当該不一致回数が5回に到達する場合に、不一致が検出された際のセンサ110からの入力情報と、予測応答手段および予測応答時間から導かれる理想的な識別情報(例えば、「胸ポケット」)との組合せを、再学習用の教師データとして取得する。
【0103】
このような不一致回数を設けることで、識別モデルの信頼性が本当に低い場合にのみ、再学習を行うことができる。すなわち、偶然に不一致が検出された場合に、不適切な再学習が行われることを回避できる。
【0104】
また、検証学習部190は、上記不一致回数が所定の回数に到達するまで、各検出についての上記第1の入力情報と観測された上記応答パターンとを、記憶部133に記憶させる。そして、検証学習部190は、上記所定の回数分の上記第1の入力情報と上記第2の識別情報との組合せを上記再学習用データとして取得する。より具体的には、例えば、当該所定の回数が5回である場合に、検証学習部190は、不一致が検出される度に、センサ110からの入力情報および観測された応答パターンを記憶部133に記憶する。そして、不一致回数が5回に到達すると、5回分の入力情報および観測された応答パターンとから、5つの教師データを取得する。このように、不一致が検出される度に教師データを取得しない場合であっても、不一致回数に応じた教師データを得ることができる。なお、不一致回数は、不一致が検出された通算の回数であってもよい。または、不一致回数は、所定の時間若しくは所定の回数あたりに不一致が検出された回数、すなわち不一致回数の頻度であってもよい。
【0105】
また、検証学習部190は、取得した再学習用の教師データを用いて、識別モデルの再学習を行う。なお、検証学習部190は、教師データが得られる度に学習を行ってもよく、または所定の数の教師データを取得する度に、または所定の時間が経過する度に、再学習を行ってもよい。
【0106】
<3−2.処理の流れ>
以下では、図8を参照して、第2の実施形態に係る情報処理の一例について説明する。図8は、第2の実施形態に係るにおける情報処理の概略的な流れの一例を示すフローチャートである。なお、ここでは、第1の実施形態に係る情報処理の一例と第2の実施形態に係る情報処理の一例との差分であるステップS411〜S423のみを説明する。
【0107】
ステップS411で、応答入力部173は、応答時間の計測を開始する。そして、ステップS413で、応答入力部173は、着信時の応答パターンを観測する。
【0108】
次に、ステップS415で、検証学習部190は、観測された応答パターンと、識別された識別情報に対応して記憶される予測応答パターンとが一致するか否かを検出する。その結果、不一致が検出される場合には、処理はステップS417に進む。一方、一致が検出される場合には、処理は終了する。
【0109】
ステップS417で、検証学習部190は、識別された識別情報についての不一致回数を1だけ増加させる。そして、ステップS419で、検証学習部190は、不一致回数が所定の回数に到達したか否かを判定する。その結果、不一致回数が所定の回数に到達する場合に、処理はステップS421に進む。一方、不一致回数が所定の回数に到達しない場合に、処理は終了する。
【0110】
ステップS421で、検証学習部190は、センサからの入力情報と、観測された応答パターンに該当する予測応答パターンに対応して記憶される識別情報との組合せを、再学習用の教師データとして取得する。
【0111】
次に、ステップS423で、検証学習部190は、取得した再学習用の教師データを用いて、識別モデルの再学習を行う。そして、処理は終了する。
【0112】
以上、第2の実施形態について説明したが、当該第2の実施形態によれば、応答パターンを利用することで、センサ110の入力情報からの識別情報の識別の正しさを検証することができる。これにより、センサ110のメンテナンスまたは識別モデルの再学習が必要であることを知ることができる。さらに、教師データを自動的に取得し続けることができるので、当該教師データを用いて再度学習することで、より信頼性の高い識別モデルを得られる。
【0113】
<4.第3の実施形態>
上記第2の実施形態では、識別モデルの検証および再学習用の教師データの取得のために、応答パターンを利用した。しかし、利用者10が突発的に忙しくなり、または利用者10が偶然にも着信に応答できることに起因して、観測された応答パターンと予測応答パターンとが異なることもある。その場合に、センサ110の入力情報からの識別情報の識別が正しいにも関わらず、識別の誤りとして再学習用の教師データが取得される。その結果、不適切な教師データを用いた再学習により、識別モデルの信頼性が損なわれる可能性がある。そこで、第3の実施形態では、推定される利用者10の割込み拒否度を関連機器300から取得し、応答パターンに加えて当該割込み拒否度を利用することにより、不適切な教師データを用いた再学習を回避する。
【0114】
以下では、第3の実施形態を<4−1.関連機器の構成>、<4−2.着信側の利用者端末の構成>、<4−3.処理の流れ>という順序で説明する。
【0115】
<4−1.関連機器の構成>
関連機器300は、利用者10の割込み拒否度を推定する。当該割込み拒否度は、利用者10が作業中に割り込まれることをどの程度拒否したいかを示す情報である。当該割込み拒否度は、例えば、「小」、「中」または「大」のように、複数の段階により表される。
【0116】
より具体的には、関連機器300は、例えば、関連機器300の使用状況から、利用者10の割込み拒否度を推定する。一例として、関連機器300は、キーボードの打鍵速度、マウスの操作量、ソフトウェアの切り替えのタイミング等から、割込み拒否度を推定する。例えば、キーボードの打鍵速度が速い場合、利用者10は作業に集中していると考えられる。すなわち、利用者10は割込みを拒否したいと考えられる。よって、この場合に、関連機器300は、割込み拒否度を「大」と推定する。また、ソフトウェアが切り替えられた直後であれば、利用者10はある作業から別の作業に切り替えたと考えられる。すなわち、利用者10は割込みを許容すると考えられる。よって、この場合に、関連機器300は、割込み拒否度を「小」と推定する。
【0117】
また、関連機器300は、例えば、利用者10の頭部運動の測定結果から、利用者10の割込み拒否度を推定してもよい。一例として、関連機器300は、利用者10の頭部をカメラにより撮影し、当該カメラの映像を解析することにより、頭部運動を測定することができる。
【0118】
なお、割込み拒否度の推定手法は、文献「HAIシンポジウム2010 3B−4 ユーザの割込み拒否度推定に基づくインタラクション仲介エージェント 田中貴紘 藤田欣也」においてより詳細に記載されている。
【0119】
そして、関連機器300は、通信機能を用いて、推定される割込み拒否度を着信端末100に送信する。
【0120】
<4−2.着信側の利用者端末の構成>
図9および図10を参照して、第3の実施形態に係る着信端末100−3の構成について説明する。図9は、第3の実施形態に係る着信端末100−3の構成の一例を示すブロック図である。図9を参照すると、着信端末100−3は、センサ110、識別部120、記憶部137、呼出制御部140、通信部153、呼出出力部160、応答入力部173、音声処理部181、音声入力部183、音声出力部185、音声保存部187および検証学習部193を備える。
【0121】
ここで、記憶部137、通信部153および検証学習部193以外の構成要素については、第2の実施形態との間に差異はない。よって、ここでは、第2の実施形態の記憶部133、通信部150および検証学習部190から一部変更された記憶部137、通信部153および検証学習部193の変更部分のみを説明する。
る。
【0122】
(記憶部137)
記憶部137は、識別部120により識別される識別情報と、当該識別情報が識別される場合における利用者10の予測割込み拒否度とを対応して記憶する。ここで、予測割込み拒否度は、例えば、関連機器300により推定されることが予測される割込み拒否度である。以下、記憶部137のより具体的な内容について、図10を参照してより具体的に説明する。
【0123】
図10は、第3の実施形態に係る記憶部137に記憶される参照テーブル139の一例を説明する説明図である。図10を参照すると、参照テーブル139は、識別情報、呼出動作情報、予測応答手段、予測応答時間、予測割込み拒否度および不一致回数を対応して記憶する。ここで、予測割込み拒否度を除く、識別情報、呼出動作情報、予測応答手段、予測応答時間および不一致回数は、図7で説明された参照テーブル135のものと同じである。
【0124】
ここで、予測割込み拒否度は、対応する識別情報が識別される場合に関連機器300により推定されることが予測される割込み拒否度である。図10の例では、予測割込み拒否度は、「小」、「中」および「大」のうちのいずれかである。
【0125】
このように、識別情報と予測割込み拒否度との対応関係を定めることで、実際に推定される割込み拒否度と予測割込み拒否度とを比較することが可能になる。
【0126】
(通信部153)
通信部153は、利用者10の推定される割込み拒否度を関連機器300から受信し、検証学習部193に出力する。
【0127】
(検証学習部193)
検証学習部193は、センサ110からの上記第1の入力情報から上記第1の識別情報が識別される場合に、利用者10の推定される割込み拒否度と、上記第1の識別情報に対応して記憶される第1の予測割込み拒否度とが一致するか否かを検出する。図10を参照して具体例を説明すると、センサ110からの入力情報から、識別部120により「自席の机」が識別情報として識別されると、検証学習部193は、「自席の机」に対応する予測割込み拒否度として「小」を特定する。また、検証学習部193は、通信部153により、利用者10の推定される割込み拒否度として「大」を入力される。そして、検証学習部193は、利用者10の推定される割込み拒否度である「大」と、予測割込み拒否度である「小」との不一致を検出する。
【0128】
このように実際に推定される割込み拒否度と予測割込み拒否度とが一致するか否かを検出することにより、利用者10が突発的に忙しくなった、利用者10が偶然にも着信に応答できるようになった等、利用者10が例外的な状況にあったことを知ることができる。
【0129】
また、検証学習部193は、観測される上記応答パターンと上記第1の予測応答パターンとの不一致が検出され、かつ推定される上記割込み拒否度と上記第1の予測割込み拒否度との一致が検出された場合に、上記第1の入力情報と、観測された上記応答パターンに該当する第2の予測応答パターンに対応して記憶される第2の識別情報との組合せを、上記識別モデルの再学習用データとして取得する。すなわち、観測された応答パターンと予測応答パターンとの不一致が検出されても、推定される割込み拒否度と予測割込み拒否度とが不一致であれば、利用者10が例外的な状況にあったとして、検証学習部193は、再学習用の教師データを取得しない。
【0130】
図10を参照して具体例を説明する。例えば、識別部120により識別された識別情報が、「自席机」であるとする。この場合に、予測応答手段および予測応答時間は、「通話」および「短(5秒未満)」であり、「予測割込み拒否度」は「小」である。ここで、例えば、観測された応答手段および予測応答時間が「保留」および「10秒」であったとすると、検証学習部193は、観測された応答手段および応答時間と予測応答手段および予測応答時間との不一致を検出する。さらに、関連機器300から受信した、利用者10の推定される割込み拒否度が「大」であったとすると、検証学習部193は、推定される割込み拒否度と予測割込み拒否度との不一致を検出する。すなわち、利用者10は例外的な状況にあったと考えられる。したがって、検証学習部193は、再学習用の教師データを取得しない。
【0131】
このように、割込み拒否度による検証も加えることにより、利用者10が例外的な状況にある場合が考慮されるため、センサ110の入力情報からの識別情報の識別が正しいにも関わらず教師データが取得されることを回避できる。その結果、識別モデルの再学習では適切な教師データが用いられるため、識別モデルの信頼性を維持することができる。
【0132】
<4−3.処理の流れ>
以下では、図11を参照して、第3の実施形態に係る情報処理の一例について説明する。図11は、第3の実施形態に係るにおける情報処理の概略的な流れの一例を示すフローチャートである。なお、ここでは、第2の実施形態に係る情報処理の一例と第3の実施形態に係る情報処理の一例との差分であるステップS425およびS427のみを説明する。
【0133】
ステップS423では、通信部153は、利用者10の推定される割込み拒否度を関連機器300から受信し、検証学習部193に出力する。
【0134】
また、ステップS427では、検証学習部193は、推定される割込み拒否度と、識別された識別情報に対応して記憶される予測割込み拒否度とが一致するか否かを検出する。その結果、一致が検出される場合には、処理はステップS417に進む。一方、不一致が検出される場合には、処理は終了する。
【0135】
以上、第3の実施形態について説明したが、当該第3の実施形態によれば、センサ110の入力情報からの識別情報の識別が正しいにも関わらず教師データが取得されることを回避できる。その結果、識別モデルの再学習では適切な教師データが用いられるため、識別モデルの信頼性を維持することができる。
【0136】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0137】
例えば、情報処理装置は、着信側の利用者端末でなくてもよい。情報処理装置は、着信側の利用者端末の呼出動作を制御する別の装置であってもよい。この場合に、情報処理装置は、呼出制御部(判定部、制御部)および記憶部を備え、必要に応じて、識別部または検証学習部(検出部、取得部、カウント部)も備えてもよい。一例として、情報処理装置は、例えば、PBX(Private Branch eXchange)であってもよい。
【0138】
また、呼出動作は、主として電話の着信時の呼出動作について説明されたが、当然のことながらこれに限定されない。呼出動作は、電子メール、インスタントメッセージ等の他の通信の呼出動作であってもよい。
【0139】
また、入力情報を取得するセンサは、光学式センサに限られない。当該センサは、例えば、GPSセンサ、加速度センサ、ジャイロセンサ、地磁気センサ等の他のセンサであってもよい。例えば、GPSセンサが位置情報を入力情報として取得し、当該位置情報に応じて、着信側の利用者端末の呼出動作が制御されてもよい。また、上記センサは、着信側の利用者端末に内蔵されてもよく、または着信側の利用者端末に着脱可能であってもよい。
【0140】
また、識別情報は、着信側の利用者端末の位置に限られず、呼出動作に対応する任意の情報であってもよい。例えば、識別情報は、「A」、「B」「C」等、明示的な意味を有しない記号であってもよい。さらに、識別情報は、呼出動作を直接的に示す情報であってもよい。すなわち、センサからの入力情報と呼出動作情報との間に何らかの情報を介在させず、識別情報が呼出動作情報そのものであってもよい。逆に、識別情報と呼出動作情報との間に何らかの情報を介在させてもよい。
【0141】
また、応答パターンによる検証および学習において、センサの入力情報からの識別情報の識別が高い信頼性を有するという前提で、応答パターンにより、識別情報と呼出情報との対応関係の正しさを検証してもよい。
【0142】
また、割込み拒否度は、関連機器により推定されずに、利用者端末または情報処理装置により推定されてもよい。この場合に、関連機器は、割込み拒否度の推定に用いる情報を、利用者端末または情報処理装置に送信してもよい。また、割込み拒否度を、応答パターンと同様に、センサの入力情報から識別情報の識別を検証するために利用するのではなく、識別情報と同様に、呼出動作を決定するために利用してもよい。すなわち、センサからの入力情報および利用者の推定される割込み拒否度に対応する呼出動作が判定されてもよい。
【0143】
また、情報処理システム1は、発信側の利用者端末の代わりに、電話、電子メール、インスタントメッセージ等を自動発信する通信装置を含んでもよい。
【0144】
また、本明細書の情報処理における各ステップは、必ずしもフローチャートに記載された順序に沿って時系列に処理する必要はない。例えば、情報処理における各ステップは、フローチャートとして記載した順序と異なる順序で処理されても、並列的に処理されてもよい。
【0145】
また、利用者端末または情報処理装置に内蔵されるCPU、ROMおよびRAM等のハードウェアを、上記利用者端末または情報処理装置の各構成と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。また、当該コンピュータプログラムを記憶させた記憶媒体も提供される。
【符号の説明】
【0146】
1 情報処理システム
10、20 利用者
30 ネットワーク
100 着信側の利用者端末(着信端末)
110 センサ
120 識別部
130、133、137 記憶部
140 呼出制御部
150、153 通信部
160 呼出出力部
170、173 応答入力部
181 音声処理部
183 音声入力部
185 音声出力部
187 音声保存部
190 検証学習部
200 発信側の利用者端末(発信端末)
300 関連機器


【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサからの入力情報に対応する呼出動作を判定する判定部と、
前記判定部による判定結果を用いて、前記センサを備える装置における着信時の呼出動作を制御する制御部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記判定部は、予め学習された識別モデルを用いて前記入力情報から識別される識別情報に対応する呼出動作を判定する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記識別情報と、当該識別情報に対応する呼出動作を行う場合の予測応答パターンとを対応して記憶する記憶部と、
前記センサからの第1の入力情報から第1の識別情報が識別される場合に、当該第1の識別情報に対応する呼出動作の結果観測される応答パターンと、前記第1の識別情報に対応して記憶される第1の予測応答パターンとが一致するか否かを検出する検出部と、
をさらに備える、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
観測される前記応答パターンと前記第1の予測応答パターンとの不一致が検出された場合に、前記第1の入力情報と、観測された前記応答パターンに該当する第2の予測応答パターンに対応して記憶される第2の識別情報との組合せを、前記識別モデルの再学習用データとして取得する取得部、をさらに備える、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第1の識別情報が識別された場合に、観測された前記応答パターンと前記第1の予測応答パターンとの不一致が検出された回数を、前記第1の識別情報についての不一致回数としてカウントするカウント部をさらに備え、
前記取得部は、前記不一致回数が所定の回数に到達する場合に、前記第1の入力情報と前記第2の識別情報との組合せを前記再学習用データとして取得する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記記憶部は、前記不一致回数が所定の回数に到達するまで、各検出についての前記第1の入力情報と観測された前記応答パターンとを記憶し、
前記取得部は、前記所定の回数分の前記第1の入力情報と前記第2の識別情報との組合せを前記再学習用データとして取得する、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記記憶部は、前記識別情報と、当該識別情報が識別される場合における前記装置の利用者の予測割込み拒否度とを対応して記憶し、
前記検出部は、前記第1の識別情報が識別される場合に、前記装置の利用者の推定される割込み拒否度と、前記第1の識別情報に対応して記憶される第1の予測割込み拒否度とが一致するか否かを検出する、
請求項3から6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
観測される前記応答パターンと前記第1の予測応答パターンとの不一致が検出され、かつ推定される前記割込み拒否度と前記第1の予測割込み拒否度との一致が検出された場合に、前記第1の入力情報と、観測された前記応答パターンに該当する第2の予測応答パターンに対応して記憶される第2の識別情報との組合せを、前記識別モデルの再学習用データとして取得する取得部、をさらに備える、請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
推定される前記割込み拒否度は、前記装置に関連付けられる所定の機器の使用状況から推定される、請求項7または8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記応答パターンは、選択される応答手段または呼出動作の開始時点から応答までの時間を含む、請求項3から9のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記応答手段は、前記着信が通話のための着信である場合に、通話、通話拒否、保留、または留守番電話への録音を含む、請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記判定部は、前記入力情報と前記装置の利用者の推定される割込み拒否度とに対応する呼出動作を判定する、請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記センサは、当該センサに近接する物質の種類に応じた入力情報を取得し、
前記識別情報は、物質の種類に対応する情報である、
請求項1から12のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記呼出動作は、着信音の発生、振動、または画面上の表示の変更を含む、請求項1から13のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項15】
センサからの入力情報に対応する呼出動作を判定するステップと、
前記判定部による判定結果を用いて、前記センサを備える装置における着信時の呼出動作を制御するステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項16】
コンピュータを、
センサからの入力情報に対応する呼出動作を判定する判定部と、
前記判定部による判定結果を用いて、前記センサを備える装置における着信時の呼出動作を制御する制御部と、
として機能させるためのプログラム。
【請求項17】
情報処理装置および関連機器を含む情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
予め学習された識別モデルを用いてセンサからの入力情報から識別される識別情報に対応する呼出動作を判定する判定部と、
前記判定部による判定結果を用いて、前記センサを備える装置における着信時の呼出動作を制御する制御部と、
前記識別情報と、当該識別情報に対応する呼出動作を行う場合の予測応答パターンとを対応して記憶する記憶部と、
前記センサからの第1の入力情報から第1の識別情報が識別される場合に、当該第1の識別情報に対応する呼出動作の結果観測される応答パターンと、前記第1の識別情報に対応して記憶される第1の予測応答パターンとが一致するか否かを検出する検出部と、
を備え、
前記関連機器は、前記装置の利用者の割込み拒否度を推定し、
前記記憶部は、前記識別情報と、当該識別情報が識別される場合における前記装置の利用者の予測割込み拒否度とを対応して記憶し、
前記検出部は、前記第1の識別情報が識別される場合に、前記装置の利用者の推定される割込み拒否度と、前記第1の識別情報に対応して記憶される第1の予測割込み拒否度とが一致するか否かを検出する、
情報処理システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−77969(P2013−77969A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−216471(P2011−216471)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
2.ZIGBEE
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】