説明

情報処理装置、情報処理方法、プログラム格納媒体、およびプログラム

【課題】撮像画像に撮像場所の地名を付加することができるようにする。
【解決手段】ステップS42において、携帯電話機は、装着されているメモリカードからPOIデータを読み出し、内部に記憶する。ステップS45において、携帯電話機は、ユーザの操作によって撮像対象を撮像した場合、ステップS46に進み、メモリカードが新しいGPS受信データを算出したか否かを判定する。そして、新しいGPS受信データが算出された場合、携帯電話機は、ステップS47において、メモリカードから緯度経度情報を取得し、ステップS48において、撮像された画像データに、緯度経度情報を付加して記録する。これにより、表示処理において、付加されている緯度経度情報に対応するPOIデータが読み出され、画像とともに撮像場所の地名または施設名が表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法、プログラム格納媒体、およびプログラムに関し、特に、メモリカードを用いて、既存の電子機器にGPS機能を追加し、かつ、そのメモリカードに地図データまたは地名データを記録するようにした情報処理装置、情報処理方法、プログラム格納媒体、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、フラッシュメモリをベースにしたメモリカードは、例えば、音楽、映像、コンピュータプログラムソフト、または、その他のコンテンツを記憶することが可能である。
【0003】
近年、このメモリカードに、GPS(Global Positioning System)などといった機能を有したデバイスを搭載した複合型のメモリカードも提案されている。このGPS機能を搭載したメモリカードは、複数個のGPS衛星から地上に放射される電波を利用して、現在位置(緯度、軽度、高度)などのGPS信号を受信し、そのGPS信号を、PDA(Personal Digital Assistant)や携帯電話機、あるいはデジタルスチルカメラ(DSC:Digital Still Camera)などに送出することにより、情報家電分野の商品に対して、拡張性を持たせている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、PDAや携帯電話機、あるいはデジタルスチルカメラなどは、GPS機能付きメモリカードより取得したGPS信号から、現在位置を知ることができるに過ぎなかった。
【0005】
したがって、デジタルスチルカメラを用いて撮像された画像データを、ユーザが、後日、閲覧したり、あるいは、編集などを行う場合、記憶されている画像データが、それぞれ、どの場所で撮影されたものであるのか、GPS信号に基づく位置(緯度、経度、高度)以外には分からなかった。
【0006】
本開示はこのような状況に鑑みてなされたものであり、既存の電子機器に、撮像された画像に撮像場所の地名を付加して表示させることができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一側面である情報処理装置は、GPS(Global Positioning System)機能を有するメモリカードが装着される情報処理装置において、前記メモリカードに記録されている画像データの再生に際し、再生する前記画像データおよび前記画像データに対応付けて記録されている位置情報を前記メモリカードから読み出す読み出し手段と、読み出された前記位置情報に対応する地域名または施設名を、前記メモリカードに記録されているPOI(Point of Interest)データから取得する取得手段と、読み出された前記画像データに基づく画像に、対応する前記地域名または前記施設名を重畳表示させる表示制御手段とを備える。
【0008】
本開示の一側面である情報処理装置は、撮像対象を撮像して画像データを生成する撮像手段と、前記メモリカードがGPS信号に基づいて生成した位置情報を取得する取得手段と、撮像の結果得られた前記画像データに前記位置情報を対応付けて前記メモリカードに記録する記録手段とをさらに備えることができる。
【0009】
前記位置情報は、緯度、経度、高度、または時刻を含む情報とすることができる。
【0010】
本開示の一側面である情報処理方法は、GPS(Global Positioning System)機能を有するメモリカードが装着される情報処理装置の情報処理方法において、前記メモリカードに記録されている画像データの再生に際し、再生する前記画像データおよび前記画像データに対応付けて記録されている位置情報を前記メモリカードから読み出す読み出しステップと、読み出された前記位置情報に対応する地域名または施設名を、前記メモリカードに記録されているPOI(Point of Interest)データから取得する取得ステップと、読み出された前記画像データに基づく画像に、対応する前記地域名または前記施設名を重畳表示させる表示制御ステップとを含む。
【0011】
本開示の一側面であるプログラム格納媒体は、GPS(Global Positioning System)機能を有するメモリカードが装着される情報処理装置を制御するためのプログラムであって、前記メモリカードに記録されている画像データの再生に際し、再生する前記画像データおよび前記画像データに対応付けて記録されている位置情報を前記メモリカードから読み出す読み出しステップと、読み出された前記位置情報に対応する地域名または施設名を、前記メモリカードに記録されているPOI(Point of Interest)データから取得する取得ステップと、読み出された前記画像データに基づく画像に、対応する前記地域名または前記施設名を重畳表示させる表示制御ステップとを含む処理を情報処理装置のコンピュータに実行させるプログラムが格納されている。
【0012】
本開示の一側面であるプログラムは、GPS(Global Positioning System)機能を有するメモリカードが装着されるコンピュータに、前記メモリカードに記録されている画像データの再生に際し、再生する前記画像データおよび前記画像データに対応付けて記録されている位置情報を前記メモリカードから読み出す読み出しステップと、読み出された前記位置情報に対応する地域名または施設名を、前記メモリカードに記録されているPOI(Point of Interest)データから取得する取得ステップと、読み出された前記画像データに基づく画像に、対応する前記地域名または前記施設名を重畳表示させる表示制御ステップとを含む処理を実行させる。
【0013】
本開示の一側面においては、メモリカードに記録されている画像データの再生に際し、再生する画像データおよび画像データに対応付けて記録されている位置情報がメモリカードから読み出され、読み出された前記位置情報に対応する地域名または施設名が、メモリカードに記録されているPOI(Point of Interest)データから取得され、読み出された前記画像データに基づく画像に、対応する前記地域名または前記施設名が重畳表示される。
【発明の効果】
【0014】
本開示の一側面によれば、既存の電子機器に、撮像された画像に撮像場所の地名または施設名を付加して表示させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本開示に係るGPS受信機能付きメモリカードの構成例を示す外観図である。
【図2】図1のメモリカードの構成例を示している。
【図3】メモリースティックの仕様を説明するための図である。
【図4】GPS受信機能付きメモリカードが電子機器に装着された様子を示す図である。
【図5】図4のGPS受信機能付きメモリカードと電子機器の内部の構成例を示す図である。
【図6】GPS受信機能付きメモリカードが実行する受信処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】電子機器が実行する受信処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】第1の実施の形態のPDAの外観の構成例を示す図である。
【図9】図8のPDAの内部の構成例を示すブロック図である。
【図10】地図の表示処理を説明するフローチャートである。
【図11】地図の画像の表示例を示す図である。
【図12】第2の実施の形態のカメラ付きデジタル携帯電話機の外観の構成例を示す図である。
【図13】図12のカメラ付きデジタル携帯電話機の表示部の外観の構成例を示す図である。
【図14】図12のカメラ付きデジタル携帯電話機にGPS受信機能付きメモリカードが装着された様子を示す図である。
【図15】図12の携帯電話機の内部の構成例を示すブロック図である。
【図16】撮像処理を説明するフローチャートである。
【図17】表示処理を説明するフローチャートである。
【図18】画像の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図を参照して、本開示の実施の形態について説明する。
【0017】
図1は、本開示に係るGPS受信機能付きメモリカードの構成例を示す外観図である。
【0018】
GPS受信機能付きメモリカード1は、メモリカード11、メモリアダプタ12、RF(Radio Frequency)モジュール13、およびGPSアンテナ14で構成されている。RFモジュール13は、ヒンジ部31によりGPSアンテナ14を回動自在に支持している。これにより、GPSアンテナ14は、図示せぬGPS衛星から送信されてくるGPS信号を受信できるような位置でRFモジュール13により支持される。
【0019】
図2は、図1のメモリカード11の構成例を示している。
【0020】
同図に示されるメモリカード11は、10ピンの端子21で構成されており、各ピンには、1乃至10の番号が割り振られている。すなわち、グラウンド(GND)に接地される番号1および番号10のピン(VSS)、シリアルプロトコルバスステート信号が供給される番号2のピン(BS:Bus State)、電源電圧が供給される番号3および番号9のピン(VCC)、シリアルプロトコルデータ信号が授受される番号4のピン(SDIO:Serial Data In/Out)、予備用として設けられている番号5および番号7のピン、カード挿入・抜去検出用の番号6のピン(INS:Interrupted Status)、および、シリアルプロトコルクロック信号が供給される番号8のピンから構成される。また、メモリカード11には、そこに記録されているデータの誤消去を防止するための誤消去防止スイッチ22が設けられている。
【0021】
同図に示されるメモリカードは、例えば、メモリースティックDuo(商標)と呼ばれる、本出願人によって開発されたフラッシュメモリカードである。このメモリースティックDuoは、縦31×横20×厚さ1.6mmの小型薄型形状のプラスチックケース内に、電気的に書換えや消去が可能な不揮発性メモリであるEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)の一種であるフラッシュメモリ素子を格納したものであり、10ピンの端子21を介して画像や音声、音楽等の各種データの書き込みおよび読み出しが可能となっている。
【0022】
また、メモリースティックDuoは、大容量化等による内蔵フラッシュメモリの仕様変更に対しても、使用する機器で互換性を確保することができる独自のシリアルプロトコルを採用し、最大書込速度1.8MB/S、最大読出速度2.45MB/Sの高速性能を実現していると共に、誤消去防止スイッチ22を設けて高い信頼性を確保している。
【0023】
なお、この10ピンの端子21は、本出願人によって先に開発されたメモリースティック(商標)と同様のピン配置になされており、このメモリカード11(すなわち、メモリースティックDuo)をメモリアダプタ12に装着することにより、メモリースティックの形状(縦50mm,横21.5mm,厚さ2.8mm)と物理的に同一サイズとなり、完全な互換性を確保している。
【0024】
また、メモリースティックDuoは、図3に示されるように、現在普及しているA社製のメモリカードの形状(縦32mm,横24mm,厚さ2.1mm)、またはB社製のメモリカードの形状(縦32mm,横24mm,厚さ1.4mm)より、さらに小さくなっており、今後、情報家電分野の電子機器に搭載する超小型メディアとして展開可能である。
【0025】
図4は、上述したGPS受信機能付きメモリカード1が電子機器41に装着された様子を示す図である。
【0026】
電子機器41は、メモリカードスロット54にGPS受信機能付きメモリカード1が装着されると、GPS受信機能付きメモリカード1に記録されているGPS受信データを取り込むことができる。同図に示されるように、GPS受信機能付きメモリカード1が完全にメモリカードスロット54に装着された状態であっても、GPSアンテナ14は、GPS信号を受信しやすいように電子機器41から露出されている。
【0027】
電子機器41は、GPS受信機能付きメモリカード1から取り込んだGPS受信データに基づいて、表示部51に所定の画像を出力し、表示させたり、あるいは、スピーカ52に所定の音声を出力し、再生させたりする。操作部53は、ユーザによって操作され、表示部51に表示される画像の色調調整を行うとともに、スピーカ52から再生される音声の音量を調整する。
【0028】
図5は、図4に示したGPS受信機能付きメモリカード1と電子機器41の内部の構成例を示している。
【0029】
GPS受信機能付きメモリカード1のGPSアンテナ14は、図示せぬGPS衛星から送信されてくるGPS信号を受信する。
【0030】
RFモジュール13のGPS信号処理部51は、GPSアンテナ14で受信されたGPS信号から、電子機器41が使用されている現在の場所の緯度、経度、高度、時刻、スピード、およびヘディング方向などのGPS受信データを算出し、記憶部61に記録(記憶)させる。GPS信号処理部51はまた、算出されたGPS受信データのうちの時刻データに基づいて、クロック52の内部時計を正確な時刻に調整する。GPS信号処理部51はさらに、算出されたGPS受信データ(位置データおよび時刻データ)を過去の軌跡データとして記憶部61に記録させる。
【0031】
この過去の軌跡データは、遮蔽物などによってGPSアンテナ14がGPS信号を受信することができないときに、利用されるデータである。
【0032】
クロック52は、電子機器41からインターフェース(I/F)62を介して供給される電源電圧により駆動し、GPS信号処理部51により調整された内部時計を記憶する。クロック52はまた、GPS機能付きメモリカード1が電子機器41に装着されていない場合(すなわち、電源供給がない場合)、内部電池53より供給される電源電圧により駆動し、GPS信号処理部51により調整された内部時計を維持する。
【0033】
記憶部61は、例えば、不揮発性メモリで構成され、メモリカード11の内部に設けられている。この記憶部61には、GPS受信機能駆動用ドライバソフト、およびインターフェースプロトコルデータなどの、電子機器41とGPS受信機能付きメモリカード1が相互通信するための通信データが記憶されている。記憶部61はまた、GPS信号処理部51より供給されるGPS受信データおよび過去の軌跡データを記録する。
【0034】
記憶部61に記憶されているGPS受信データおよび過去の軌跡データ、並びに、クロック52の時刻データは、インターフェース62を介して、電子機器41に送出される。
【0035】
電子機器41のCPU(Central Processing Unit)72は、GPS受信機能付きメモリカード1よりインターフェース(I/F)71を介して、GPS受信データ、過去の軌跡データ、および時刻データを取得する。CPU72はまた、取得された時刻データに基づいて、クロック74の内部時計を正確な時刻に調整する。CPU72はさらに、GPS受信機能付きメモリカード1よりインターフェース71を介して、GPS受信機能駆動用ドライバソフトやインターフェースプロトコルデータなどの通信に必要な通信ソフトを読み出し、実行する。
【0036】
クロック74は、CPU72により調整された内部時計を記憶する。クロック74はまた、GPS受信機能付きメモリカード1が電子機器に装着されていない場合(すなわち、時刻データが供給されない場合)、内部電池75より供給される電源電圧により駆動し、CPU72により調整された内部時計を維持する。
【0037】
記憶部73には、使用地域データ(電子機器41が使用されている現在の地域に関する情報)が記憶されており、GPS受信機能付きメモリカード1より取得されたGPS受信データに基づいて、CPU72によって記憶内容が更新される。なお、遮蔽物などによりGPS受信データが取得できないとき、CPU72は、GPS受信機能付きメモリカード1の記憶部61に記憶されている過去の軌跡データを取得して、使用地域データを推定し、記憶部73の記憶内容を更新させる。記憶部73には、他の機器より取得した画像データおよび音声データも記憶されている。
【0038】
LCD(Liquid Crystal Display)表示部76は、記憶部73から読み出された所定の画像データに基づく画像をLCD51に表示させる。オーディオ部77は、記憶部73から読み出された所定の音声データに基づく音声をスピーカ52に出力させる。
【0039】
次に、図6のフローチャートを参照して、GPS受信機能付きメモリカード1が実行する受信処理について説明する。この処理を開始するにあたって、GPS受信機能付きメモリカード1は、電子機器41に装着されている状態であるとする。
【0040】
ステップS1において、GPSアンテナ14は、図示せぬGPS衛星よりGPS信号を受信したか否かを判定し、GPS信号を受信するまで待機する。ステップS1において、GPS信号を受信したと判定された場合、ステップS2に進み、GPS信号処理部51は、GPSアンテナ14で受信されたGPS信号に基づいて、電子機器41が使用されている現在の場所の緯度、経度、高度、時刻、スピード、およびヘディング方向などのGPS受信データを算出する。
【0041】
ステップS3において、GPS信号処理部51は、ステップS2の処理で算出された緯度、経度、高度、時刻、スピード、およびヘディング方向などのGPS受信データを、記憶部61に記録させる。ステップS4において、GPS信号処理部51は、ステップS2の処理で算出されたGPS受信データのうちの時刻データに基づいて、クロック52の内部時計を正確な時刻に調整する。
【0042】
ステップS5において、GPS信号処理部51は、GPS受信履歴を残すために、ステップS2の処理で算出された緯度、経度、および時刻などのGPS受信データを、過去の軌跡データとして記憶部61に記録させる。
【0043】
ステップS6において、GPS信号処理部51は、GPS受信機能付きメモリカード1が電子機器41から抜去されたか否かを判定し、GPS受信機能付きメモリカード1が電子機器41から抜去されていないと判定した場合、ステップS1に戻り、上述したそれ以降の処理を繰り返す。すなわち、GPS受信機能付きメモリカード1が電子機器41から抜去されるまで、GPS信号の受信、GPS受信データの算出、および、過去の軌跡データを含むGPS受信データの記録が繰り返し行われる。
【0044】
ステップS6において、GPS受信機能付きメモリカード1が電子機器41から抜去されたと判定された場合、ステップS7に進み、クロック52は、内部電池53より供給される電源電圧により駆動し、正確な時刻を維持し続ける。ステップS8において、GPS信号処理部51は、GPS受信機能付きメモリカード1が電子機器41に再び装着されたか否かを判定し、GPS受信機能付きメモリカード1が電子機器41に装着されていないと判定した場合、ステップS7に戻り、上述した処理を繰り返す。すなわち、クロック52は、GPS受信機能付きメモリカード1が電子機器41に装着され、その電子機器41より電源電圧が供給されるようになるまで、内部電池53を利用して内部時計の時刻を維持しつづける。
【0045】
そして、ステップS8において、GPS受信機能付きメモリカード1が再び電子機器41に装着されたと判定された場合、ステップS1に戻り、上述した処理を繰り返す。すなわち、再び、GPS信号の受信、GPS受信データの算出、および、GPS受信データの記録が行われる。
【0046】
このように、GPS受信機能付きメモリカード1は、電子機器41から抜去され、電源電圧が供給されなくなった場合にも、常に正確な時刻を維持することができる。
【0047】
次に、図7のフローチャートを参照して、電子機器41が実行する受信処理について説明する。この処理を開始するにあたって、GPS受信機能付きメモリカード1は、電子機器41に装着されている状態であるとする。
【0048】
ステップS11において、CPU72は、GPS受信機能付きメモリカード1の記憶部61に記憶されているGPS受信機能駆動用ドライバソフト、およびインターフェースプロトコルデータなどの通信に必要な通信ソフトを、インターフェース71を介して読み出す。CPU72は、GPSアンテナ14がGPS信号を受信し、GPS信号処理部51がGPS受信データを算出することができるように、GPS受信機能駆動用ドライバソフトを駆動するとともに、GPS信号処理部51が算出したGPS受信データを、インターフェース71を介して取得することができるように、インターフェースプロトコルデータを用いて、GPS受信機能付きメモリカード1と電子機器41を相互通信状態にする。
【0049】
ステップS12において、CPU72は、GPS受信機能付きメモリカード1のGPS信号処理部51が新しいGPS受信データを算出したか否かを判定し、新しいGPS受信データを算出したと判定するまで待機する。ステップS12において、GPS信号処理部51が新しいGPS受信データを算出したと判定された場合、ステップS13に進み、CPU72は、GPS信号処理部51で算出された緯度、経度、高度、時刻、スピード、およびヘディング方向などのGPS受信データ、および、クロック52から正確な時刻データを、インターフェース71を介して取得し、記憶部73に記録させる。
【0050】
ステップS14において、CPU72は、ステップS13の処理で取得された時刻データに基づいて、クロック74の内部時計を正確な時刻に調整する。ステップS15において、CPU72は、ステップS13の処理で取得されたGPS受信データのうちの緯度情報および経度情報に基づいて、記憶部73に記憶されている使用地域データを更新させる。
【0051】
ステップS16において、CPU72は、GPS受信機能付きメモリカード1が電子機器41から抜去されたか否かを判定し、GPS受信機能付きメモリカード1が電子機器41から抜去されていないと判定した場合、ステップS12に戻り、上述したそれ以降の処理を繰り返す。すなわち、GPS受信機能付きメモリカード1が電子機器41から抜去されるまで、GPS受信データの取得および記録、並びに、使用地域データの更新が繰り返し行われる。
【0052】
そして、ステップS16において、GPS受信機能付きメモリカード1が電子機器41から抜去されたと判定された場合、処理は終了される。
【0053】
このように、電子機器41は、GPS受信機能付きメモリカード1から取得されるGPS受信データに基づいて、電子機器41が使用されている現在の位置を特定することができ、かつ、GPS受信機能付きメモリカード1から取得される時刻データに基づいて、正確な時刻を維持することができる。
【0054】
以上のように、GPS受信機能付きメモリカード1を電子機器41に装着することによって、電子機器41にGPS機能を拡張することができる。また、GPS受信機能付きメモリカード1が超小型で構成されているため、例えば、PDAや携帯電話機などに装着することにより、携帯型のナビゲーションシステムとして利用することが可能になる。
【0055】
次に、本開示の第1の実施の形態について説明する。
【0056】
第1の実施の形態においては、PDAにGPS受信機能付きメモリカード1が装着された場合の携帯型ナビゲーションシステムについて説明する。
【0057】
図8は、本開示に係る第1の実施の形態の携帯型ナビゲーションシステムを構成するPDAの外観の構成例を示している。
【0058】
PDA80は、片手で把持および操作が可能な大きさに、その筐体が形成されている。PDA80の上部には、GPS受信機能付きメモリカード1が装着されるメモリカードスロット84が設けられている。
【0059】
PDA80の下面には、公衆回線網と接続するための図示せぬモデムおよび各種データを授受するUSB(Universal Serial Bus)ポート(図示せず)等が設けられている。また、PDA80には、表示部81、キー82、およびジョグダイヤル83などが設けられている。
【0060】
表示部81は、液晶表示装置などの薄型の表示装置で構成され、アイコン、サムネイル、またはテキストなどの画像を表示する。表示部81の下側には、タッチパッド81aが設けられている。そのタッチパッド81aがユーザにより指またはペンなどで押圧されることにより、CPU91(図9)に所定のデータまたは動作指示が入力される。
【0061】
また、キー82が、ユーザにより操作されることにより、CPU91に所定のデータまたは動作指示が入力される。
【0062】
ジョグダイヤル83は、表示部81に表示されたアイコンまたはサムネイルを選択するときなどにおいて、回転操作または本体側への押圧操作がなされる。
【0063】
図9は、PDA80の電気的な構成例を示すブロック図である。
【0064】
CPU91は、発振器92から供給されるクロック信号に同期して、Flash ROM(Read-only Memory)93またはEDO DRAM(Extended Data Out Dynamic Random-Access Memory)94に格納されているオペレーティングシステム、またはアプリケーションプログラムなどの各種のプログラムを実行する。
【0065】
Flash ROM93は、EEPROMの一種であるフラッシュメモリで構成され、一般的には、CPU91が使用するプログラムや演算用のパラメータのうちの基本的に固定のデータを格納する。EDO DRAM94は、CPU91が実行するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータを格納する。
【0066】
メモリカードインターフェース(I/F)95は、PDA80に装着されているGPS受信機能付きメモリカード1からデータを読み出すとともに、CPU91から供給されたデータをGPS受信機能付きメモリカード1に書き込む。
【0067】
USBインターフェース(I/F)96は、発振器97から供給されるクロック信号に同期して、接続されているUSB機器であるドライブ111からデータまたはプログラムを入力するとともに、CPU91から供給されたデータをドライブ111に供給する。
【0068】
ドライブ111は、必要に応じて装着される磁気ディスク121、光ディスク122、または光磁気ディスク123に記録されているデータまたはプログラムを読み出して、そのデータまたはプログラムを、USBインターフェース96を介して、CPU91またはEDO DRAM94に供給する。また、ドライブ111は、装着されている磁気ディスク121、光ディスク122、または光磁気ディスク123に、データまたはプログラムを記録させる。
【0069】
Flash ROM93,EDO DRAM94、メモリカードインターフェース95、およびUSBインターフェース96は、アドレスバスおよびデータバスを介して、CPU91に接続されている。
【0070】
表示部81は、LCDバスを介して、CPU91からデータを受信し、受信したデータに対応する画像または文字などを表示する。タッチパッド制御部98は、表示部81の下側に設けられたタッチパッド81aが操作されたとき、操作に対応したデータ(例えば、タッチされた座標を示す)を表示部81から受信し、受信したデータに対応する信号を、シリアルバスを介してCPU91に供給する。
【0071】
EL(Electroluminescence)ドライバ99は、表示部81の液晶表示部の裏側に設けられている電界発光素子を動作させ、表示部81の表示の明るさを制御する。
【0072】
赤外線通信部100は、UART(Universal asynchronous receiver-transmitter)を介して、CPU91から受信したデータを赤外線信号として、図示せぬ他の機器に送信するとともに、他の機器から送信された赤外線信号を受信して、CPU91に供給する。PDA80はまた、UARTを介して、他の機器と通信することができる。
【0073】
音声再生部102は、スピーカ、および音声のデータの復号回路などから構成され、予め記憶している音声のデータ、または他の機器から受信した音声のデータなどを復号して、再生し、音声を出力する。例えば、音声再生部102は、バッファ101を介して、CPU91から供給された音声のデータを再生して、データに対応する音声を出力する。
【0074】
電源回路103は、装着されているバッテリ112または接続されているAC(Alternating current)アダプタ113から供給される電源の電圧を変換して、必要な電力をCPU91乃至音声再生部102に、それぞれ供給する。
【0075】
通信部104は、インターネットなどと接続し、CPU91から供給されたデータ(例えば、電子メールなど)を、所定の方式のパケットに格納して、インターネットを介して、他の機器に送信する。また、通信部104は、インターネットを介して、他の機器から受信したパケットに格納されているデータまたはプログラムをCPU91に出力する。
【0076】
GPS受信機能付きメモリカード1には、PDA80が携帯型ナビゲーションシステムを実現するための地図データが記録される。地図データとは、PDA80が使用される地域周辺(例えば、関東地方など)のベクトルデータである。
【0077】
ここで、GPS受信機能付きメモリカード1に地図データを記録させる処理について説明する。例えば、以下に示すような方法により、地図データが記録される。
【0078】
(1)パーソナルコンピュータのメモリカードスロットにGPS受信機能付きメモリカード1を装着するとともに、パーソナルコンピュータのドライブに地図データが記録されているCD-ROMを装着し、CD-ROMからGPS受信機能付きメモリカード1に地図データをコピー(記録)する。
【0079】
(2)パーソナルコンピュータのメモリカードスロットにGPS受信機能付きメモリカード1を装着し、インターネットより地図データをダウンロードし、GPS受信機能付きメモリカード1に記録する。
【0080】
(3)携帯電話機のメモリカードスロットにGPS受信機能付きメモリカード1を装着し、サーバより地図データをダンロードし、GPS受信機能付きメモリカード1に記録する。
【0081】
(4)PDA80のメモリカードスロット84にGPS受信機能付きメモリカード1を装着し、PDA80と携帯電話機を接続し、携帯電話機を介してサーバより地図データをダンロードし、GPS受信機能付きメモリカード1に記録する。
【0082】
(5)PDA80のメモリカードスロット84にGPS受信機能付きメモリカード1を装着し、店頭に設置されている端末にPDA80を接続し、端末を介してサーバより地図データをダンロードし、GPS受信機能付きメモリカード1に記録する。
【0083】
このようにして、GPS受信機能付きメモリカード1には、PDA80が使用される地域の地図データが予め記録される。
【0084】
次に、図10のフローチャートを参照して、上述したようにして地図データが記録されたGPS受信機能付きメモリカード1がPDA80に装着された場合の地図の表示処理について説明する。
【0085】
ステップS21において、CPU91は、メモリカードインターフェース95にGPS受信機能付きメモリカード1が装着されたか否かを判定し、GPS受信機能付きメモリカード1が装着されるまで待機する。
【0086】
ステップS21において、メモリカードインターフェース95にGPS受信機能付きメモリカード1が装着されたと判定された場合、ステップS22に進み、CPU91は、GPS受信機能付きメモリカード1に地図データが記録されているか否かを判定する。
【0087】
ステップS22において、地図データが記録されていると判定された場合、CPU91は、GPS受信機能付きメモリカード1に記録されている地図データを読み出し、Flash ROM93に記憶させる。
【0088】
一方、ステップS22において、地図データが記録されていないと判定された場合、ステップS23に進み、上述した方法などにより、地図データが取得(記録)される。
【0089】
なお、GPS受信機能付きメモリカード1に地図データを一旦記録した後、そこから地図データを読み出し、Flash ROM93に記憶させるようにしてもよいし、インターネットまたはサーバからダウンロードして地図データを取得する場合には、直接、Flash ROM93に記録(記憶)させるようにしてもよい。
【0090】
ステップS24において、CPU91は、Flash ROM93に記憶された地図データを読み出し、LCDバスを介して所定の地図の画像を表示部81に表示させる。これにより、例えば、図11に示されるような地図の画像131が表示される。
【0091】
図11に示す地図の画像131には、道路、交差点の名称、施設の名称、および、バス停留所の名称などが表示されている。
【0092】
ステップS25において、CPU91は、GPSデータが受信されたか否か、すなわち、GPS受信機能付きメモリカード1のGPS信号処理部51が新しいGPS受信データを算出したか否かを判定し、GPS信号処理部51が新しいGPS受信データを算出したと判定するまで待機する。
【0093】
ステップS25において、GPS信号処理部51が新しいGPS受信データを算出したと判定された場合、ステップS26に進み、CPU91は、GPS信号処理部51で算出された緯度情報および経度情報などのGPS受信データを取得し、Flash ROM93に記憶させる。このとき、算出された緯度情報および経度情報に基づいて、PDA80が使用されている現在の位置が特定されるため、表示部81に表示されている地図の画像131は、PDA80が使用されている現在の位置の周辺地域が表示されるような画像131に更新される。
【0094】
ステップS27において、CPU91は、ステップS26の処理で取得された緯度情報および経度情報に基づいて、PDA80が使用されている現在の位置を示すマーク132を表示部81に表示させる。
【0095】
ステップS28において、CPU91は、GPS受信機能付きメモリカード1がメモリカードインターフェース95から抜去されたか否かを判定し、GPS受信機能付きメモリカード1が抜去されていないと判定した場合、ステップS25に戻り、上述したそれ以降の処理を繰り返す。すなわち、GPS受信機能付きメモリカード1がPDA80から抜去されるまで、地図の画像131とともに現在位置を示すマーク132の表示が行われる。
【0096】
ステップS28において、GPS受信機能付きメモリカード1がPDA80から抜去されたと判定された場合、処理は終了される。
【0097】
このように、PDA80に、GPS受信機能付きメモリカード1を装着することにより、携帯型ナビゲーションシステムを実現することが可能になる。
【0098】
次に、本開示の第2の実施の形態について説明する。
【0099】
第2の実施の形態においては、携帯電話機にGPS受信機能付きメモリカード1が装着された場合の携帯型ナビゲーションシステムについて説明する。
【0100】
図12は、本開示に係る第2の実施の形態の携帯型ナビゲーションシステムを構成するカメラ付きデジタル携帯電話機140(以下、単に携帯電話機140と称する)の外観の構成例を示している。
【0101】
同図に示されるように携帯電話機140は、表示部142および本体143で構成され、中央のヒンジ部141により折り畳み可能に形成されている。
【0102】
表示部142は、上端左部に、引出しまたは収納可能な送受信用のアンテナ151を有する。携帯電話機1は、アンテナ151を介して、固定無線端末である基地局との間で電波を送受信する。
【0103】
また、表示部142は、上端中央部にほぼ180度の角度範囲で回動自在なカメラ部152を有する。カメラ付デジタル携帯電話機1は、カメラ部152のCCD(Charge Coupled Device)カメラ153によって所望の撮像対象を撮像する。
【0104】
カメラ部152がユーザによってほぼ180度回動されて位置決めされた場合、図13に示されるように、表示部142は、カメラ部152の背面側中央に設けられたスピーカ154が正面側に位置する状態となる。これにより、携帯電話機140は、通常の音声通話状態に切り換わる。
【0105】
さらに、表示部142の正面に液晶ディスプレイ155が設けられている。液晶ディスプレイ155は、電波の受信状態、電池残量、電話帳として登録されている相手先名や電話番号および発信履歴等の他、電子メールの内容、簡易ホームページ、カメラ部152のCCDカメラ153で撮像した画像などを表示する。
【0106】
一方、本体143には、その表面に「0」乃至「9」の数字キー、発呼キー、リダイヤルキー、終話および電源キー、クリアキーおよび電子メールキー等の操作キー161が設けられている。操作キー161の操作に対応した各種指示が、カメラ付デジタル携帯電話機140に入力される。
【0107】
また、本体143の操作キー161の下部にメモボタン162およびマイクロフォン163が設けられている。携帯電話機140は、メモボタン162が操作されたとき、通話中の相手の音声を録音する。携帯電話機140は、マイクロフォン163によって通話時のユーザの音声を集音する。
【0108】
さらに、本体143の操作キー161の上部に回動自在なジョグダイヤル164が、本体143の表面から僅かに突出した状態で設けられている。携帯電話機140は、ジョグダイヤル164に対する回動操作に応じて、液晶ディスプレイ155に表示されている電話帳リストもしくは電子メールのスクロール動作、簡易ホームページのページ捲り動作、または画像の送り動作等の種々の動作を実行する。
【0109】
例えば、本体143は、ユーザによるジョグダイヤル164の回動操作に応じて液晶ディスプレイ155に表示された電話帳リストの複数の電話番号の中から所望の電話番号を選択し、ジョグダイヤル164が本体143の内部方向に押圧されたとき、選択されている電話番号を確定して、確定された電話番号に対して自動的に発呼処理を行う。
【0110】
なお、本体143は、背面側に図示せぬバッテリパックが装着されており、終話/電源キーがオン状態になると、バッテリパックから各回路部に対して電力が供給されて動作可能な状態に起動する。
【0111】
また、本体143の背面側には、図14に示されるように、抜差自在なGPS受信機能付きメモリカード1を装着するためのメモリカードスロット156が設けられている。携帯電話機140は、メモボタン162が押下されると、通話中の相手の音声を装着されているGPS受信機能付きメモリカード1に記録する。携帯電話機1は、ユーザの操作に応じて、電子メール、簡易ホームページ、CCDカメラ153で撮像した画像を、装着されているGPS受信機能付きメモリカード1に記録する。
【0112】
なお、図14では、携帯電話機140が折り畳まれた状態でGPS受信機能付きメモリカード1が装着されているが、勿論、携帯電話機140を開いた状態で、GPS受信機能付きメモリカード1を装着することも可能である。
【0113】
図15は、携帯電話機140の内部の構成例を示している。
【0114】
表示部142および本体143の各部を統括的に制御する主制御部171に対して、電源回路部175、操作入力制御部172、画像エンコーダ173、カメラインターフェース(I/F)部174、LCD制御部176、多重分離部178、変復調回路部179、および音声コーデック180がメインバス181を介して互いに接続されるとともに、画像エンコーダ173、画像デコーダ177、多重分離部178、記憶再生部183、変復調回路部179、および音声コーデック180が同期バス182を介して互いに接続されて構成されている。
【0115】
電源回路部175は、ユーザの操作により終話/電源キーがオン状態にされると、バッテリパックから各部に対して電力を供給することにより携帯電話機140を動作可能な状態に起動する。
【0116】
携帯電話機140は、CPU、ROMおよびRAM等でなる主制御部171の制御に基づいて、音声通話モードにおいて、マイクロフォン163で集音した音声信号を音声コーデック180によってデジタル音声データに変換する。携帯電話機140は、デジタル音声データを変復調回路部179でスペクトラム拡散処理し、送受信回路部184でデジタルアナログ変換処理および周波数変換処理を施した後、アンテナ151を介して送信する。
【0117】
また、携帯電話機140は、音声通話モードにおいて、アンテナ151で受信した受信信号を増幅して周波数変換処理およびアナログデジタル変換処理を施し、変復調回路部179でスペクトラム逆拡散処理し、音声コーデック180によってアナログ音声信号に変換する。携帯電話機140は、アナログ音声信号に対応する音声をスピーカ154に出力させる。
【0118】
さらに、携帯電話機140は、データ通信モードにおいて、電子メールを送信する場合、操作キー161およびジョグダイヤル164の操作によって入力されたテキストデータを、操作入力制御部172を介して主制御部171に送出する。
【0119】
主制御部171は、テキストデータを変復調回路部179でスペクトラム拡散処理し、送受信回路部184でデジタルアナログ変換処理および周波数変換処理を施した後、アンテナ151を介して基地局へ送信する。
【0120】
これに対して、携帯電話機140は、データ通信モードにおいて、電子メールを受信する場合、アンテナ151を介して基地局から受信した受信信号を変復調回路部179でスペクトラム逆拡散処理して、元のテキストデータを復元した後、LCD制御部176を介して液晶ディスプレイ155に電子メールとして表示する。
【0121】
この後、携帯電話機140は、ユーザの操作に応じて受信した電子メールを、記憶再生部183を介してGPS受信機能付きメモリカード1に記録することも可能である。
【0122】
携帯電話機140は、データ通信モードにおいて画像データを送信する場合、CCDカメラ153で撮像された画像データを、カメラインターフェース部174を介して画像エンコーダ173に供給する。
【0123】
因みに、携帯電話機140は、画像データを送信しない場合には、CCDカメラ153で撮像した画像データを、カメラインターフェース部174およびLCD制御部176を介して、液晶ディスプレイ155に直接表示することも可能である。
【0124】
画像エンコーダ173は、CCDカメラ153から供給された画像データを、例えば、MPEG(Moving Picture Experts Group)2またはMPEG4等の所定の符号化方式によって圧縮符号化することにより符号化画像データに変換し、これを多重分離部178に送出する。
【0125】
このとき同時に、携帯電話機140は、CCDカメラ153で撮像中にマイクロフォン163で集音した音声を、音声コーデック180を介してデジタルの音声データとして多重分離部178に送出する。
【0126】
多重分離部178は、画像エンコーダ173から供給された符号化画像データと音声コーデック180から供給された音声データとを所定の方式で多重化し、その結果得られる多重化データを変復調回路部179でスペクトラム拡散処理し、送受信回路部184でデジタルアナログ変換処理および周波数変換処理を施した後、アンテナ151を介して送信する。
【0127】
これに対して、携帯電話機140は、データ通信モードにおいて、例えば、簡易ホームページ等にリンクされた動画像ファイルのデータを受信する場合、アンテナ151を介して基地局から受信した受信信号を変復調回路部179でスペクトラム逆拡散処理し、その結果得られる多重化データを多重分離部178に送出する。
【0128】
多重分離部178は、多重化データを符号化画像データと音声データとに分離し、同期バス182を介して、符号化画像データを画像デコーダ177に供給するとともに、音声データを音声コーデック180に供給する。
【0129】
画像デコーダ177は、符号化画像データをMPEG2またはMPEG4等の所定の符号化方式に対応した復号方式でデコードすることにより再生動画像データを生成し、これを、LCD制御部176を介して液晶ディスプレイ155に供給する。これにより、携帯電話機140は、例えば、簡易ホームページにリンクされた動画像ファイルに含まれる動画データを表示する。
【0130】
このとき同時に、音声コーデック180は、音声データをアナログ音声信号に変換した後、これをスピーカ154に供給する。これにより、携帯電話機140は、例えば、簡易ホームページにリンクされた動画像ファイルに含まる音声データを再生する。
【0131】
この場合も電子メールの場合と同様に、携帯電話機140は、受信した簡易ホームページ等にリンクされたデータを、ユーザの操作により、記憶再生部183を介してGPS受信機能付きメモリカード1に記録することが可能である。
【0132】
GPS受信機能付きメモリカード1には、携帯電話機140が携帯型ナビゲーションシステムを実現するための上述した地図データ、またはPOI(Point of Interest)データが記録される。POIデータとは、地名または施設名などのテキストデータである。
【0133】
GPS受信機能付きメモリカード1にPOIデータを記録させる処理は、上述した地図データの記録処理と同様であるため、その説明は省略する。
【0134】
次に、図16のフローチャートを参照して、上述したようにしてPOIデータが記録されたGSP受信機能付きメモリカード1が携帯電話機140に装着された場合の撮像処理について説明する。
【0135】
ステップS41において、主制御部171は、GPS受信機能付きメモリカード1がメモリカードスロット156に装着されたか否かを判定し、GPS受信機能付きメモリカード1が装着されるまで待機する。
【0136】
ステップS41において、GPS受信機能付きメモリカード1が装着されたと判定された場合、ステップS42に進み、主制御部171は、GPS受信機能付きメモリカード1にPOIデータが記録されているか否かを判定する。
【0137】
ステップS42において、POIデータが記録されていると判定された場合、主制御部171は、GPS受信機能付きメモリカード1に記録されているPOIデータを読み出し、内部に記録した後、ステップS45に進む。
【0138】
一方、ステップS42において、POIデータが記録されていないと判定された場合、ステップS43に進み、主制御部171は、さらに、POIデータが必要であるか否かを判定する。具体的には、ユーザが、携帯電話機140のCCDカメラ153で撮像した画像データに、その撮影場所の地名あるいは施設名などを関連付けて記録しておきたいか否かを指定することにより、POIデータが必要であるか否かが判定される。
【0139】
ステップS43において、POIデータが必要であると判定された場合、ステップS44に進み、主制御部171は、上述した方法などにより、POIデータを取得(記録)する。
【0140】
なお、GPS受信機能付きメモリカード1にPOIデータを一旦記録した後、そこからPOIデータを読み出し、主制御部171の内部に記録させるようにしてもよいし、インターネットまたはサーバからダウンロードしてPOIデータを取得する場合には、直接、主制御部171の内部に記録させるようにしてもよい。
【0141】
ステップS45において、主制御部171は、ユーザによって操作キー161またはジョグダイヤル164が操作されることにより、カメラ部152のCCDカメラ153が所望の撮像対象を撮像したか否かを判定し、CCDカメラ153が所望の撮影対象を撮像するまで待機する。
【0142】
ステップS45において、CCDカメラ153が所望の撮影対象を撮像したと判定された場合、ステップS46に進み、主制御部171は、GPS受信機能付きメモリカード1のGPS信号処理部51が新しいGPS受信データを算出したか否かを判定し、新しいGPS受信データを算出したと判定されるまで待機する。
【0143】
そして、ステップS46において、GPS信号処理部51が新しいGPS受信データを算出したと判定された場合、ステップS47に進み、主制御部171は、GPS信号処理部51で算出された緯度情報および経度情報などのGPS受信データを取得する。
【0144】
ステップS48において、主制御部171は、CCDカメラ153によって撮像された画像データにステップS47の処理で取得された緯度情報および経度情報を付加して、記憶再生部183を制御し、GPS受信機能付きメモリカード1に記録させる。
【0145】
ステップS49において、主制御部171は、ユーザによって操作キー161またはジョグダイヤル164が操作され、撮像終了を示すコマンドが入力されたか否かを判定し、撮像終了ではないと判定した場合、ステップS45に戻り、上述した処理を繰り返す。すなわち、撮像処理が終了されるまで、所望の撮像対象の撮像、GPS受信データの取得、および、GPS受信データが付加された画像データの記録が行われる。
【0146】
ステップS43において、POIデータが必要ではないと判定された場合、ステップS50に進み、主制御部171は、ユーザによって操作キー161またはジョグダイヤル164が操作されることにより、カメラ部152のCCDカメラ153が所望の撮像対象を撮像したか否かを判定し、CCDカメラ153が所望の撮影対象を撮像するまで待機する。
【0147】
ステップS50において、CCDカメラ153が所望の撮影対象を撮像したと判定された場合、ステップS51に進み、主制御部171は、記憶再生部183を制御し、CCDカメラ153によって撮像された画像データをGPS受信機能付きメモリカード1に記録させる。
【0148】
ステップS52において、主制御部171は、ユーザによって操作キー161またはジョグダイヤル164が操作され、撮像終了を示すコマンドが入力されたか否かを判定し、撮像終了ではないと判定した場合、ステップS50に戻り、上述した処理を繰り返す。すなわち、撮像処理が終了されるまで、所望の撮像対象の撮像、および、画像データの記録が行われる。
【0149】
そして、ステップS49またはステップS52において、撮像終了と判定された場合、処理は終了される。
【0150】
このように、撮像された場所の緯度情報および経度情報を、撮像された画像データとともに記録しておくことにより、後述する表示処理において、記録された画像データを、その画像が撮像された地名や施設名などとともに表示させることができる。
【0151】
次に、図17のフローチャートを参照して、図16に示した撮像処理によって画像データが記録されたGPS受信機能付きメモリカード1が携帯電話機140に装着された場合の表示処理について説明する。
【0152】
ステップS61において、主制御部171は、ユーザの操作によって操作キー161またはジョグダイヤル164が操作され、撮像された画像の表示を示すコマンドが入力されると、記憶再生部183を制御し、GPS受信機能付きメモリカード1に記録されている画像データを読み出させる。
【0153】
ステップS62において、主制御部171は、読み出された画像データに緯度情報および経度情報が付加されているか否かを判定し、読み出された画像データに緯度情報および経度情報が付加されていると判定した場合、ステップS63に進み、読み出された画像データに付加されている緯度情報および経度情報に基づいて、対応するPOIデータを内部から読み出す。
【0154】
ステップS64において、主制御部171は、読み出された画像データに対応するPOIデータを付加して、メインバス181を介してLCD制御部176に出力する。LCD制御部176は、供給された画像データとともにPOIデータを液晶ディスプレイ155に表示させる。これにより、例えば、図18(A)に示されるように、地名211が付加された画像201が表示される。
【0155】
図18(A)に示す画像201には、地名211として“Lake Tahoe”が表示されている。
【0156】
ステップS66において、主制御部171は、GPS受信機能付きメモリカード1から全ての画像データを読み出したか否かを判定し、未だ全ての画像データを読み出していないと判定した場合、ステップS61に戻り、上述した処理を繰り返す。
【0157】
すなわち、ユーザによって、次の画像データの表示を示すコマンドが入力されたときに、GPS受信機能付きメモリカード1にまだ読み出されていない画像データがあった場合、それが読み出され、液晶ディスプレイ155に表示される。これにより、例えば、図18(B)に示されるように、地名212が付加された画像202が表示される。また、ユーザによって、次の画像データの表示を示すコマンドが入力されたとき、例えば、図18(C)に示されるように、地名213が付加された画像203が表示される。さらにまた、ユーザによって、次の画像データの表示を示すコマンドが入力されたとき、例えば、図18(D)に示されるように、地名214が付加された画像204が表示される。
【0158】
図18(B)に示す画像202には、地名212として“New York City”が表示されており、図18(C)に示す画像203には、地名213として“Nice Beach”が表示されており、図18(D)に示す画像204には、地名214として“Central Park”が表示されている。
【0159】
なお、携帯電話機140が実行する地図の画像の表示処理は、図10のフローチャートを参照して説明した処理と同様であるため、その説明は省略する。
【0160】
このように、携帯電話機140に、GPS受信機能付きメモリカード1を装着することにより、携帯型ナビゲーションシステムを実現することが可能になるとともに、ユーザに対して、CCDカメラ153で撮像された画像データがどの場所で撮像されたものかを容易に知らしめることができる。
【0161】
以上においては、メモリースティックDuoにGPSアンテナ14を搭載することにより、GPS受信を行う場合について説明したが、本開示はこれに限らず、他の記憶メディアに適用することも勿論可能である。
【0162】
以上においては、本開示をPDA80または携帯電話機140に適用した例について説明したが、本開示はこれに限らず、GPS受信機能付きメモリカード1を装着することが可能なスロットが設けられている各種の装置に広く適用することができる。
【0163】
上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行させることもできるが、ソフトウエアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行させる場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、プログラム格納媒体からインストールされる。
【0164】
コンピュータにインストールされ、コンピュータによって実行可能な状態とされるプログラムを格納するプログラム格納媒体は、図9に示すように、磁気ディスク121(フロッピディスクを含む)、光ディスク122(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)を含む)、光磁気ディスク123(MD(Mini-Disk)を含む)、もしくはメモリカード11などよりなるパッケージメディアなどにより構成される。プログラム格納媒体へのプログラムの格納は、必要に応じて通信部104などのインターフェースを介して、ローカルエリアネットワークまたはインターネットなどのネットワーク、デジタル衛星放送といった、有線または無線の通信媒体を利用して行われる。
【0165】
なお、本明細書において、プログラム格納媒体に格納されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0166】
なお、本明細書において、プログラム格納媒体に格納されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0167】
また、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
【0168】
なお、本開示の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0169】
1 GPS受信機能付きメモリカード, 11 メモリカード, 12 メモリアダプタ, 13 RFモジュール, 14 GPSアンテナ, 21 端子, 41 電子機器, 54 メモリカードスロット, 51 GPS信号処理部, 61 記憶部, 72 CPU, 80 PDA, 84 メモリカードスロット, 91 CPU, 131 画像, 132 マーク, 140 カメラ付きデジタル携帯電話機, 153 CCDカメラ, 155 液晶ディスプレイ, 156 メモリカードスロット, 171 主制御部, 183 記憶再生部, 201乃至204 画像, 211乃至214 地名

【特許請求の範囲】
【請求項1】
GPS(Global Positioning System)機能を有するメモリカードが装着される情報処理装置において、
前記メモリカードに記録されている画像データの再生に際し、再生する前記画像データおよび前記画像データに対応付けて記録されている位置情報を前記メモリカードから読み出す読み出し手段と、
読み出された前記位置情報に対応する地域名または施設名を、前記メモリカードに記録されているPOI(Point of Interest)データから取得する取得手段と、
読み出された前記画像データに基づく画像に、対応する前記地域名または前記施設名を重畳表示させる表示制御手段と
を備える情報処理装置。
【請求項2】
撮像対象を撮像して画像データを生成する撮像手段と、
前記メモリカードがGPS信号に基づいて生成した位置情報を取得する取得手段と、
撮像の結果得られた前記画像データに前記位置情報を対応付けて前記メモリカードに記録する記録手段と
をさらに備える請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記位置情報は、緯度、経度、高度、または時刻を含む情報である
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
GPS(Global Positioning System)機能を有するメモリカードが装着される情報処理装置の情報処理方法において、
前記メモリカードに記録されている画像データの再生に際し、再生する前記画像データおよび前記画像データに対応付けて記録されている位置情報を前記メモリカードから読み出す読み出しステップと、
読み出された前記位置情報に対応する地域名または施設名を、前記メモリカードに記録されているPOI(Point of Interest)データから取得する取得ステップと、
読み出された前記画像データに基づく画像に、対応する前記地域名または前記施設名を重畳表示させる表示制御ステップと
を含む情報処理方法。
【請求項5】
GPS(Global Positioning System)機能を有するメモリカードが装着される情報処理装置を制御するためのプログラムであって、
前記メモリカードに記録されている画像データの再生に際し、再生する前記画像データおよび前記画像データに対応付けて記録されている位置情報を前記メモリカードから読み出す読み出しステップと、
読み出された前記位置情報に対応する地域名または施設名を、前記メモリカードに記録されているPOI(Point of Interest)データから取得する取得ステップと、
読み出された前記画像データに基づく画像に、対応する前記地域名または前記施設名を重畳表示させる表示制御ステップと
を含む処理を情報処理装置のコンピュータに実行させるプログラムが格納されているプログラム格納媒体。
【請求項6】
GPS(Global Positioning System)機能を有するメモリカードが装着されるコンピュータに、
前記メモリカードに記録されている画像データの再生に際し、再生する前記画像データおよび前記画像データに対応付けて記録されている位置情報を前記メモリカードから読み出す読み出しステップと、
読み出された前記位置情報に対応する地域名または施設名を、前記メモリカードに記録されているPOI(Point of Interest)データから取得する取得ステップと、
読み出された前記画像データに基づく画像に、対応する前記地域名または前記施設名を重畳表示させる表示制御ステップと
を含む処理を実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−193532(P2011−193532A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−126957(P2011−126957)
【出願日】平成23年6月7日(2011.6.7)
【分割の表示】特願2001−58844(P2001−58844)の分割
【原出願日】平成13年3月2日(2001.3.2)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】