情報処理装置、情報処理方法、プログラム
【課題】 異常が含まれるデータと、異常が含まれないデータとに分別し、異常が含まれないデータの処理を実行するシステムを提供すること。
【解決手段】 受信したデータに異常があるか否かを判定し、異常があると判定されたデータと、異常がないと判定されたデータとを分別し、異常が無いと判定されたデータに対する管理者からの指示を受け付けると、当該指示を受けた異常がないデータについての処理を実行する。
【解決手段】 受信したデータに異常があるか否かを判定し、異常があると判定されたデータと、異常がないと判定されたデータとを分別し、異常が無いと判定されたデータに対する管理者からの指示を受け付けると、当該指示を受けた異常がないデータについての処理を実行する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法およびプログラムに関し、特に、Web−EDIシステムにおける基幹システムとの連携時の異常発生後の再実行処理に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、企業などにおいては、受発注業務における業務効率化のために、Web−EDIシステムが導入されている。通常、企業内で利用される基幹システムは、その企業が独自に決めた自社フォーマットで構築されているが、他の企業との間で電子商取引をする場合には、基幹システムが出力したファイルをWeb−EDIシステムが取り込み、取引先企業のフォーマットに適した形式に加工・編集し、取引先企業に公開する。
【0003】
Web−EDIシステムは、基幹システムが出力したファイルの取り込みを行う条件として、予め設定された日時条件を満たした場合にファイルの取り込み処理を実行するスケジュール起動や、予め定義されたファイルが基幹システムにおいて作成された場合に当該ファイルの取り込み処理を実行するディレクトリ起動や、登録済みの外部プロセスからのイベントが条件を満たした場合にファイルの取り込み処理を実行する外部プロセス起動等がある。
【0004】
しかしながら、これらの起動条件に合致したとしても取込処理が何かしらの理由で異常終了する場合がある。その場合には、取り込み処理を再実行することが必要になる。
【0005】
例えば、基幹システム側に手動で発注情報を作成するインタフェースがあり、担当者が発注情報を入力ミスすると、当該発注情報のファイルの取り込み処理は異常終了してしまう。
【0006】
このような場合、従来は、Web−EDIシステムの運用管理者がWeb−EDIシステムにリモートで接続し、異常終了した基幹システムが出力したファイルの内容と、ログを確認し、基幹システムが出力したファイルを修正して再度取り込み処理を行っていた。
【0007】
そのため夜間や休日に異常終了した場合は、リモート接続ができずに対応が遅れることがあった。さらに、ファイルの修正が必要なため、運用管理者に高度な技術が必要とされていた。
【0008】
そこで、このような問題を解決すべく、基幹システムとの連携時に異常が発生した場合に、処理の再実行を行う技術が提案されている。
【0009】
その1つとして、特許文献1には、再実行を行うURLを含む情報を管理者に送るシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2008−48154公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特許文献1に記載のシステムにおいては、処理の再実行が可能であるが、データを正常なデータと異常なデータとに分別することの記載はされていない。従って、ネットワークが一時的に切断されていたなど、データの内容以外に問題があった場合には対応が可能であるが、データの内容が原因で異常が発生した場合には対応することができない。すなわち、同じデータに対して処理を再実行するため、データの内容に異常がある場合には、再度異常終了することになってしまう。
【0012】
しかしながらEDIではネットワークが一時的に切断されていたといったデータ以外に原因があるケースよりも、データに原因があるために異常が発生するケースの方が多い。
【0013】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、異常が含まれるデータと、異常が含まれないデータとに分別し、異常が含まれないデータの処理を実行するシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、受信したデータに対して、設定されたジョブに従って処理を実行する情報処理装置であって、前記受信したデータに異常があるか否かを判定するための設定ファイルを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された設定ファイルを用いて、前記受信したデータに異常があるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により異常があると判定されたデータと、異常がないと判定されたデータとを分別する分別手段と、異常が無いと判定されたデータに対する管理者からの指示を受け付ける受付手段と、前記受付手段で指示を受け付けたデータに対して処理を実行する処理手段と、を備えることを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、受信したデータに対して、設定されたジョブに従って処理を実行し、前記受信したデータに異常があるか否かを判定するための設定ファイルを記憶する情報処理装置によって行われる情報処理方法であって、判定手段が、前記記憶された設定ファイルを用いて、前記受信したデータに異常があるか否かを判定する判定工程と、分別手段が、前記判定工程により異常があると判定されたデータと、異常がないと判定されたデータとを分別する分別工程と、受付手段が、異常が無いと判定されたデータに対する管理者からの指示を受け付ける受付工程と、処理手段が、前記受付工程で指示を受け付けたデータに対して処理を実行する処理工程と、を備えることを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、受信したデータに対して、設定されたジョブに従って処理を実行し、前記受信したデータに異常があるか否かを判定するための設定ファイルを記憶する情報処理装置で実行可能なプログラムであって、前記情報処理装置を、前記記憶された設定ファイルを用いて、前記受信したデータに異常があるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により異常があると判定されたデータと、異常がないと判定されたデータとを分別する分別手段と、異常が無いと判定されたデータに対する管理者からの指示を受け付ける受付手段と、前記受付手段で指示を受け付けたデータに対して処理を実行する処理手段として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、異常が含まれるデータと、異常が含まれないデータとに分別し、異常が含まれないデータの処理を実行することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明におけるシステム構成の一例を示すシステム構成図
【図2】図1に示す基幹システム101、DBサーバ102、Webサーバ103、メールサーバ104、管理者端末105に適用可能なハードウェア構成例を示すブロック図
【図3】基幹システムが出力したファイルに対する処理を示すフローチャート
【図4】基幹システム101から出力されたファイルを分割する処理(S305の処理)の詳細を示すフローチャート
【図5】図3に示すフローチャートにおけるS306のメール送信処理の詳細を示すフローチャート
【図6】図5のフローチャートで示す処理により送信されたメールに記載されたURLが選択された場合の処理を示すフローチャート
【図7】基幹システム101が出力したファイルの一例を示す図
【図8】図7に示すファイルに対して、ファイル分割処理を実行した後の、正常ファイルの一例を示す図
【図9】図7に示すファイルに対して、ファイル分割処理を実行した後の、異常ファイルの一例を示す図
【図10】図5のフローチャートにおけるS504において管理者端末105に対して送信される電子メールの一例を示す図
【図11】基幹システム101から出力されたファイルを正常なデータのファイルと異常なデータのファイルとに分割する設定ファイルのサンプルを示す図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明を適用した好適な実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0020】
図1は、本実施形態におけるWeb−EDIシステムのシステム構成の一例を示す図である。
【0021】
本実施形態に係るシステムは、基幹システム101、DBサーバ102、Webサーバ103、メールサーバ104、運用管理者による指示を受け付ける管理者端末105がLAN等のネットワーク106を介して相互に通信可能に接続された構成となっている。
【0022】
次に、図2を用いて、図1に示した基幹システム101、DBサーバ102、Webサーバ103、メールサーバ104、管理者端末105のハードウェア構成について説明する。図2は、基幹システム101、DBサーバ102、Webサーバ103、メールサーバ104、管理者端末105に適用可能な情報処理装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【0023】
201はCPUで、RAM202やROM203に格納されるプログラムやデータを用いて基幹システム101、DBサーバ102、Webサーバ103、メールサーバ104、管理者端末105の制御、及び後述する各処理の実行を行う。
【0024】
202はRAMで、HDD204や記憶媒体ドライブ206からロードされたプログラムやデータ、ネットワークI/Fを介して受信したデータを一時的に記憶するための領域と、CPUが各種の処理を実行する際に使用する作業領域を備える。
【0025】
203はROMで、WEBサーバ103の設定データやブートプログラムなどを格納する。
【0026】
204はHDDで、オペレーティングシステムや、基幹システム101、DBサーバ102、Webサーバ103、メールサーバ104、管理者端末105が行う後述の各処理をCPU201に実行させるためのプログラムやデータが保存されており、これらの一部または全部はCPU201の指示に従ってRAM202にロードされ、これを用いてCPU201が処理を行うことで、基幹システム101、DBサーバ102、Webサーバ103、メールサーバ104、管理者端末105は後述する各処理を実行する。
【0027】
205はネットワークI/Fで、基幹システム101、DBサーバ102、Webサーバ103、メールサーバ104、管理者端末105をローカルエリアネットワーク109に接続させるためのものであり、このネットワークI/F205を介して基幹システム101、DBサーバ102、Webサーバ103、メールサーバ104、管理者端末105は外部機器と通信を行う。
【0028】
206は外部記憶ドライブで、CD−ROM、CD−R/RW、DVD−ROM、DVD−R/RW、DVD−RAMなどの記憶媒体に記録されたプログラムやデータを読み出し、RAM202に出力するものであり、この読み出し動作はCPU201によって制御される。
【0029】
207はキーボードで、各種の指示をCPU201に対して入力する。208はマウスなどのポインティングデバイスで、各種の指示をCPU201に対して入力する。
【0030】
209はビデオI/Fで、ディスプレイ装置210に表示すべき画像を信号としてディスプレイ装置210に供給するためのI/Fとして機能するものである。
【0031】
210はディスプレイ装置で、CRTや液晶などにより構成されており、CPU201による処理結果を画像や文字により表示するものである。
【0032】
211は周辺機器I/Fで、USBポートやIEEE1394ポートなどで構成されており、この周辺機器I/F211を介して周辺機器との接続することが可能である。周辺機器との接続形態は有線/無線を問わない。212は上述の各部を繋ぐバスである。
【0033】
なお、全ての装置がこれらの構成を備えているわけではなく、必要なものを夫々備えていればよい。
【0034】
次に、図3に示すフローチャートを用いて、基幹システム101が出力したファイルに対する処理の流れを説明する。
【0035】
なお、本処理は、DBサーバ102のCPU201が記憶領域に記録されているプログラムによる制御に従って行うものである。
【0036】
まず、ステップS301では、DBサーバ102のCPU201は、ファイル取込条件の発生を検知する。なお、基幹システム101が出力したファイルの取り込みを行う条件としては、予め設定された日時の到来や、基幹システム101における予め定義されたファイルの作成、登録済みの外部プロセスからのイベント発生などが考えられる。
【0037】
本実施例では、基幹システム101によるDBサーバ102の「C:¥webedi¥hachu.csv」に対するファイル出力を取り込みの条件として説明する。
【0038】
DBサーバ102は「C:¥webedi¥hachu.csv」にファイルが出力されたことを検知すると、処理をステップS302に移行する。基幹システム101から出力されるファイルの一例を図7に示す。
【0039】
ステップS302では、DBサーバ102のCPU201は、基幹システム101から出力されたファイルを記憶領域に取り込む。
【0040】
ステップS303では、取り込み処理が成功したか否かを判断する。
【0041】
取り込み処理が成功した場合(ステップS303:YES)は、処理をステップS307に移行する。
【0042】
なお、取り込み処理の成功とは、基幹システム101からファイルが出力されていて、かつ当該出力されたファイルを自己の記憶領域に取り込むことが出来たことを意味する。すなわち、異常なデータが含まれていないことを意味する。
【0043】
他方、取り込みに失敗した場合、すなわち、基幹システム101から出力されたファイルに異常データが含まれていた場合(ステップS303:NO)には、処理をステップS304に移行する。
【0044】
ステップS304では、ステップS302で取り込んだファイルをコピーをする。
【0045】
ステップS305では、DBサーバ102は、基幹システム101から出力されたファイルについて、ファイルの分割処理を行う。これにより図8に示す「C:¥webedi¥hachuOK.csv」と、図9に示す「C:¥webedi¥hachuNG.csv」の2つのファイルが作成される。
【0046】
なお、このファイル分割処理の詳細については、図4のフローチャートを用いて後述する。
【0047】
そして、ステップS305で、ステップS302でDBサーバ102が取り込んだファイルが「C:¥webedi¥hachuOK.csv」と「C:¥webedi¥hachuNG.csv」とに分割されると、処理をステップS306に移行する。
【0048】
ステップS306では、DBサーバ102は、ステップS305で生成された分割後異常ファイルである「C:¥webedi¥hachuNG.csv」を電子メールに添付し、管理者端末105に送信する。なお、ステップS306の処理の詳細については、図5に示すフローチャートを用いて後述する。
【0049】
ステップS306のメール送信プログラムの処理が実行されると、処理をステップS307へ移行する。
【0050】
ステップS307では、DBサーバ102は、ステップS302で取り込んだファイルの保存場所を「C:¥webedi¥hachu.csv」から「C:¥webedi¥backup¥<年月日>¥hachu.csv」に変更する。これにより以前に取り込み処理を行ったファイルの内容を確認することが容易となる。
【0051】
次に、図4のフローチャートを用いて、基幹システム101から出力されたファイルを分割する処理(S306の処理)の詳細を説明する。
【0052】
なお、本処理は、DBサーバ102のCPU201が記憶領域に記録されているファイル分割プログラムによる制御に従って行うものである。
【0053】
ステップS401では、異常データを判別するための設定ファイルを読み込む。なお、この設定ファイルの内容については、図11に具体例を示すが、図11はあくまでも一例であり、プログラムの実装方法等により異なるものである。
【0054】
ステップS402では、ステップS302で取り込んだファイルのデータを1行読み込む。
【0055】
ステップS403では、ステップS402で読み込んだデータを区切り文字で分割し、メモリに保持する。ここで区切り文字とは、例えば「,」のような文字を意味し、データを項目ごとに区切っている文字を意味する。
【0056】
ステップS404では、ステップS403でメモリに保持したデータについて、ステップS401で取り込んだ設定ファイルをもとに正しいデータであるか否かを判断する。なお、設定ファイルとの比較は区切り文字で区切られたデータ単位で行うが、ステップS404における正しいデータか否かの判断は、1行分のデータ全てが正しいデータで構成されているか否かを判断する。
【0057】
正しいデータであると判断されると(ステップS404:YES)、処理をステップS405に移行し、正しいデータではないと判断されると(ステップS405:NO)、処理をステップS406に移行する。
【0058】
ステップS405では、ステップS404で正しいデータであると判断されたデータを正常ファイルに出力する。なお、本実施例では正常ファイルとして「C:¥webedi¥hachuOK.csv」を作成する。
【0059】
ステップS406では、ステップS404で正しいデータではないと判断されたデータを異常ファイルに出力する。なおこの際に、異常である理由についても異常ファイルに対して出力を行う。なお、本実施例では、異常ファイルの一例として「C:¥webedi¥hachuOK.csv」を作成する。
【0060】
ステップS407では、ステップS404で正しいデータか否かの判断対象となったデータが、ステップ302で取り込んだファイルの最後のデータか否かを判断する。
【0061】
最後のデータであると判断されると(ステップS407:YES)、本フローチャートの処理を終了する。
【0062】
最後のデータではないと判断されると(ステップS407:NO)、処理をステップS402に移行し、次の行のデータを読み込む。
【0063】
以上の処理を実行することで、基幹システム101から出力されたファイルについて、正常なデータと異常なデータとに分割したファイルを作成することが可能となる。
【0064】
正常なデータと異常なデータとを分割して、別々のファイルを作成し、正常なデータのファイルについて再処理を実行することで、再処理の際に異常終了せず、処理を実行することが可能となる。
【0065】
次に、図5に示すフローチャートを用いて、ステップS306のメール送信処理の詳細について説明する。
【0066】
なお、本処理は、DBサーバ102のCPU201が記憶領域に記録されているメール送信プログラムによる制御に従って行うものである。
【0067】
ステップS501では、図4のフローチャートで示す処理で作成された正常ファイル「C:¥webedi¥hachuOK.csv」と異常ファイル「C:¥webedi¥hachuNG.csv」をそれぞれ読み込む。
【0068】
ステップS502では、管理者端末105に送信する電子メールを作成し、当該電子メールに異常ファイル「C:¥webedi¥hachuNG.csv」を添付する。
ステップS503では、正常ファイルの暗号化を行う。
【0069】
具体的な暗号化処理の例として、まず「C:¥webedi¥20100831063005aTx$ax」というフォルダを作成し、作成した「C:¥webedi¥20100831063005aTx$ax」の中に正常ファイル「C:¥webedi¥hachuOK.csv」を移動する。この処理により、正常ファイルは「C:¥webedi¥20100831063005aTx$ax¥hachuOK.csv」に保存されることになり、暗号化されたファイルのURLが記載されたメールを受信した本人以外はパラメータの内容がわからないようになる。
【0070】
ステップS504では、管理者端末105を送信先として、異常ファイル「C:¥webedi¥hachuNG.csv」が添付され、正常ファイルのファイルパス「C:¥webedi¥20100831063005aTx$ax¥hachuOK.csv」が記載されたメールを送信する。
【0071】
なお、運用管理者が複数人いる場合は、全ての運用管理者に対して当該メールを送信する。
【0072】
次に図6に示すフローチャートを用いて、管理者端末105により、図5のフローチャートで示す処理により送信されたメールに記載されたURLが選択(クリック)された場合の処理について説明する。
【0073】
なお、本処理は、103のCPU201が記憶領域に記録されているプログラムによる制御に従って行うものである。
【0074】
ステップS601では、105が管理者端末105によるURLの選択を受け付け、103がその旨の情報を取得する。
【0075】
管理者端末105によりメールに記載されたURLが選択されると、103は、処理をステップS602に移行し、管理者端末105宛に再実行処理を行う旨のメールを送信する。
【0076】
なお、運用管理者が複数人いる場合は、全ての運用管理者に対して再実行処理を行う旨のメールを送信する。
【0077】
ステップS603では、103は再実行処理を行う。再実行処理の具体的な内容について以下説明する。
【0078】
103はDBサーバ102の正常ファイルが保存されている場所を、URLの引数である「C:¥webedi¥20100831063005aTx$ax¥hachuOK.csv」から判断し、103に保存されている「C:¥webedi¥20100831063005aTx$ax¥hachuOK.csv」ファイルを「C:¥webedi¥hachu.csv」にコピーする。
【0079】
DBサーバ102は「C:¥webedi¥hachu.csv」ファイルが作成されたことにより、ステップS302のファイル取込み処理を実行する。
【0080】
以上の処理を実行することにより、正常データのみが分別されたファイルに対して再度、処理が実行される。以上データが含まれないファイルに対する処理であるため、再処理の際に異常終了することなく処理を実行することが可能となる。
【0081】
図7は、基幹システム101が出力したファイルの一例を示す図である。
【0082】
1行が1件の発注データを示してあり、「発注番号,発注日,納品日,仕入先,商品コード,発注数量,単価,納品場所」の順に並んでいる。
【0083】
また、図7に示す例では、発注データ702、発注データ703、発注データ704には異常があることを示している。
【0084】
発注データ702は、発注データ701と発注番号が重複している。
発注データ703は、発注日前に納品日が設定されている。
発注データ704は、仕入先のデータが設定されていない。
【0085】
図8は、図7に示すファイルに対して、ファイル分割処理を実行した後の、正常ファイルの一例を示す図である。
【0086】
すなわち、図7のファイルにおいて異常があった発注データ702、703、704について削除され、正常なデータのみが残っているファイルであり、本実施例における「C:¥webedi¥hachuOK.csv」にあたるファイルである。
【0087】
図9は、図7に示すファイルに対して、ファイル分割処理を実行した後の、異常ファイルの一例を示す図である。
【0088】
すなわち、図7のファイルにおいて異常があった発注データ702、703、704のみが残っているファイルであり、本実施例における「C:¥webedi¥hachuNG.csv」にあたるファイルである。
【0089】
図10は、ステップS504において管理者端末105に対して送信される電子メールの一例を示す図である。
【0090】
下部に記載されたURLを選択することで、図8に示す正常なデータのファイルが再度取り込まれ、処理が行われる。
【0091】
また、図9に示す異常データのファイルについては、図10に示す電子メールに添付ファイルとして添付される。なお、本実施例では異常データのファイルを電子メールに添付しているが、正常データのファイルも添付するようにしてもよい。
【0092】
図11は、基幹システム101から出力されたファイルを正常なデータのファイルと異常なデータのファイルとに分割する設定ファイルのサンプルを示す図である。
【0093】
例えば、図11の1101は、区切り文字で区切られたデータの最初のデータについては、必ず数値型の値が入り、同じ値がデータベース上に登録されていないことを示している。
【0094】
データベース上に同じ値が登録されている場合は、異常データとして判定され、図9に示す異常ファイルにあるように「列1が重複している」という異常となった理由が異常ファイルに出力される。
【0095】
図11の1102では、区切り文字で区切られたデータの3番目のデータについては、必ず8ケタの日付が入り、2番目のデータより値が大きいことを示している。
【0096】
2番目の項目よりも小さい値が入っていた場合は、図9に示す異常ファイルにあるように、「列3の値が不正」という異常となった理由が異常ファイルに出力される。
【0097】
図11の1103では、区切り文字で区切られたデータの4番目のデータについては、必ず数値型の値であり、かつデータベース上に登録された値が入ることを示している。
【0098】
例えば図7に示すファイルの704のように4番目のデータが空の場合は、図9に示す異常ファイルにあるように「列4が空」という異常となった理由が異常ファイルに出力される。
【0099】
以上、説明したように、異常となった理由が記載されたファイルが電子メールに添付されて管理者に送信されることで、管理者は異常となった原因を把握することができる。
【0100】
なお、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを、システム或いは装置に直接或いは遠隔から供給し、そのシステム或いは装置が、供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される。従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0101】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
【0102】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク(CD、DVD)、光磁気ディスク、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどがある。
【0103】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される。その他、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
【0104】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。
【符号の説明】
【0105】
101 基幹システム
102 DBサーバ
103 Webサーバ
104 メールサーバ
105 管理者端末
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法およびプログラムに関し、特に、Web−EDIシステムにおける基幹システムとの連携時の異常発生後の再実行処理に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、企業などにおいては、受発注業務における業務効率化のために、Web−EDIシステムが導入されている。通常、企業内で利用される基幹システムは、その企業が独自に決めた自社フォーマットで構築されているが、他の企業との間で電子商取引をする場合には、基幹システムが出力したファイルをWeb−EDIシステムが取り込み、取引先企業のフォーマットに適した形式に加工・編集し、取引先企業に公開する。
【0003】
Web−EDIシステムは、基幹システムが出力したファイルの取り込みを行う条件として、予め設定された日時条件を満たした場合にファイルの取り込み処理を実行するスケジュール起動や、予め定義されたファイルが基幹システムにおいて作成された場合に当該ファイルの取り込み処理を実行するディレクトリ起動や、登録済みの外部プロセスからのイベントが条件を満たした場合にファイルの取り込み処理を実行する外部プロセス起動等がある。
【0004】
しかしながら、これらの起動条件に合致したとしても取込処理が何かしらの理由で異常終了する場合がある。その場合には、取り込み処理を再実行することが必要になる。
【0005】
例えば、基幹システム側に手動で発注情報を作成するインタフェースがあり、担当者が発注情報を入力ミスすると、当該発注情報のファイルの取り込み処理は異常終了してしまう。
【0006】
このような場合、従来は、Web−EDIシステムの運用管理者がWeb−EDIシステムにリモートで接続し、異常終了した基幹システムが出力したファイルの内容と、ログを確認し、基幹システムが出力したファイルを修正して再度取り込み処理を行っていた。
【0007】
そのため夜間や休日に異常終了した場合は、リモート接続ができずに対応が遅れることがあった。さらに、ファイルの修正が必要なため、運用管理者に高度な技術が必要とされていた。
【0008】
そこで、このような問題を解決すべく、基幹システムとの連携時に異常が発生した場合に、処理の再実行を行う技術が提案されている。
【0009】
その1つとして、特許文献1には、再実行を行うURLを含む情報を管理者に送るシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2008−48154公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特許文献1に記載のシステムにおいては、処理の再実行が可能であるが、データを正常なデータと異常なデータとに分別することの記載はされていない。従って、ネットワークが一時的に切断されていたなど、データの内容以外に問題があった場合には対応が可能であるが、データの内容が原因で異常が発生した場合には対応することができない。すなわち、同じデータに対して処理を再実行するため、データの内容に異常がある場合には、再度異常終了することになってしまう。
【0012】
しかしながらEDIではネットワークが一時的に切断されていたといったデータ以外に原因があるケースよりも、データに原因があるために異常が発生するケースの方が多い。
【0013】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、異常が含まれるデータと、異常が含まれないデータとに分別し、異常が含まれないデータの処理を実行するシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、受信したデータに対して、設定されたジョブに従って処理を実行する情報処理装置であって、前記受信したデータに異常があるか否かを判定するための設定ファイルを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された設定ファイルを用いて、前記受信したデータに異常があるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により異常があると判定されたデータと、異常がないと判定されたデータとを分別する分別手段と、異常が無いと判定されたデータに対する管理者からの指示を受け付ける受付手段と、前記受付手段で指示を受け付けたデータに対して処理を実行する処理手段と、を備えることを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、受信したデータに対して、設定されたジョブに従って処理を実行し、前記受信したデータに異常があるか否かを判定するための設定ファイルを記憶する情報処理装置によって行われる情報処理方法であって、判定手段が、前記記憶された設定ファイルを用いて、前記受信したデータに異常があるか否かを判定する判定工程と、分別手段が、前記判定工程により異常があると判定されたデータと、異常がないと判定されたデータとを分別する分別工程と、受付手段が、異常が無いと判定されたデータに対する管理者からの指示を受け付ける受付工程と、処理手段が、前記受付工程で指示を受け付けたデータに対して処理を実行する処理工程と、を備えることを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、受信したデータに対して、設定されたジョブに従って処理を実行し、前記受信したデータに異常があるか否かを判定するための設定ファイルを記憶する情報処理装置で実行可能なプログラムであって、前記情報処理装置を、前記記憶された設定ファイルを用いて、前記受信したデータに異常があるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により異常があると判定されたデータと、異常がないと判定されたデータとを分別する分別手段と、異常が無いと判定されたデータに対する管理者からの指示を受け付ける受付手段と、前記受付手段で指示を受け付けたデータに対して処理を実行する処理手段として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、異常が含まれるデータと、異常が含まれないデータとに分別し、異常が含まれないデータの処理を実行することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明におけるシステム構成の一例を示すシステム構成図
【図2】図1に示す基幹システム101、DBサーバ102、Webサーバ103、メールサーバ104、管理者端末105に適用可能なハードウェア構成例を示すブロック図
【図3】基幹システムが出力したファイルに対する処理を示すフローチャート
【図4】基幹システム101から出力されたファイルを分割する処理(S305の処理)の詳細を示すフローチャート
【図5】図3に示すフローチャートにおけるS306のメール送信処理の詳細を示すフローチャート
【図6】図5のフローチャートで示す処理により送信されたメールに記載されたURLが選択された場合の処理を示すフローチャート
【図7】基幹システム101が出力したファイルの一例を示す図
【図8】図7に示すファイルに対して、ファイル分割処理を実行した後の、正常ファイルの一例を示す図
【図9】図7に示すファイルに対して、ファイル分割処理を実行した後の、異常ファイルの一例を示す図
【図10】図5のフローチャートにおけるS504において管理者端末105に対して送信される電子メールの一例を示す図
【図11】基幹システム101から出力されたファイルを正常なデータのファイルと異常なデータのファイルとに分割する設定ファイルのサンプルを示す図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明を適用した好適な実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0020】
図1は、本実施形態におけるWeb−EDIシステムのシステム構成の一例を示す図である。
【0021】
本実施形態に係るシステムは、基幹システム101、DBサーバ102、Webサーバ103、メールサーバ104、運用管理者による指示を受け付ける管理者端末105がLAN等のネットワーク106を介して相互に通信可能に接続された構成となっている。
【0022】
次に、図2を用いて、図1に示した基幹システム101、DBサーバ102、Webサーバ103、メールサーバ104、管理者端末105のハードウェア構成について説明する。図2は、基幹システム101、DBサーバ102、Webサーバ103、メールサーバ104、管理者端末105に適用可能な情報処理装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【0023】
201はCPUで、RAM202やROM203に格納されるプログラムやデータを用いて基幹システム101、DBサーバ102、Webサーバ103、メールサーバ104、管理者端末105の制御、及び後述する各処理の実行を行う。
【0024】
202はRAMで、HDD204や記憶媒体ドライブ206からロードされたプログラムやデータ、ネットワークI/Fを介して受信したデータを一時的に記憶するための領域と、CPUが各種の処理を実行する際に使用する作業領域を備える。
【0025】
203はROMで、WEBサーバ103の設定データやブートプログラムなどを格納する。
【0026】
204はHDDで、オペレーティングシステムや、基幹システム101、DBサーバ102、Webサーバ103、メールサーバ104、管理者端末105が行う後述の各処理をCPU201に実行させるためのプログラムやデータが保存されており、これらの一部または全部はCPU201の指示に従ってRAM202にロードされ、これを用いてCPU201が処理を行うことで、基幹システム101、DBサーバ102、Webサーバ103、メールサーバ104、管理者端末105は後述する各処理を実行する。
【0027】
205はネットワークI/Fで、基幹システム101、DBサーバ102、Webサーバ103、メールサーバ104、管理者端末105をローカルエリアネットワーク109に接続させるためのものであり、このネットワークI/F205を介して基幹システム101、DBサーバ102、Webサーバ103、メールサーバ104、管理者端末105は外部機器と通信を行う。
【0028】
206は外部記憶ドライブで、CD−ROM、CD−R/RW、DVD−ROM、DVD−R/RW、DVD−RAMなどの記憶媒体に記録されたプログラムやデータを読み出し、RAM202に出力するものであり、この読み出し動作はCPU201によって制御される。
【0029】
207はキーボードで、各種の指示をCPU201に対して入力する。208はマウスなどのポインティングデバイスで、各種の指示をCPU201に対して入力する。
【0030】
209はビデオI/Fで、ディスプレイ装置210に表示すべき画像を信号としてディスプレイ装置210に供給するためのI/Fとして機能するものである。
【0031】
210はディスプレイ装置で、CRTや液晶などにより構成されており、CPU201による処理結果を画像や文字により表示するものである。
【0032】
211は周辺機器I/Fで、USBポートやIEEE1394ポートなどで構成されており、この周辺機器I/F211を介して周辺機器との接続することが可能である。周辺機器との接続形態は有線/無線を問わない。212は上述の各部を繋ぐバスである。
【0033】
なお、全ての装置がこれらの構成を備えているわけではなく、必要なものを夫々備えていればよい。
【0034】
次に、図3に示すフローチャートを用いて、基幹システム101が出力したファイルに対する処理の流れを説明する。
【0035】
なお、本処理は、DBサーバ102のCPU201が記憶領域に記録されているプログラムによる制御に従って行うものである。
【0036】
まず、ステップS301では、DBサーバ102のCPU201は、ファイル取込条件の発生を検知する。なお、基幹システム101が出力したファイルの取り込みを行う条件としては、予め設定された日時の到来や、基幹システム101における予め定義されたファイルの作成、登録済みの外部プロセスからのイベント発生などが考えられる。
【0037】
本実施例では、基幹システム101によるDBサーバ102の「C:¥webedi¥hachu.csv」に対するファイル出力を取り込みの条件として説明する。
【0038】
DBサーバ102は「C:¥webedi¥hachu.csv」にファイルが出力されたことを検知すると、処理をステップS302に移行する。基幹システム101から出力されるファイルの一例を図7に示す。
【0039】
ステップS302では、DBサーバ102のCPU201は、基幹システム101から出力されたファイルを記憶領域に取り込む。
【0040】
ステップS303では、取り込み処理が成功したか否かを判断する。
【0041】
取り込み処理が成功した場合(ステップS303:YES)は、処理をステップS307に移行する。
【0042】
なお、取り込み処理の成功とは、基幹システム101からファイルが出力されていて、かつ当該出力されたファイルを自己の記憶領域に取り込むことが出来たことを意味する。すなわち、異常なデータが含まれていないことを意味する。
【0043】
他方、取り込みに失敗した場合、すなわち、基幹システム101から出力されたファイルに異常データが含まれていた場合(ステップS303:NO)には、処理をステップS304に移行する。
【0044】
ステップS304では、ステップS302で取り込んだファイルをコピーをする。
【0045】
ステップS305では、DBサーバ102は、基幹システム101から出力されたファイルについて、ファイルの分割処理を行う。これにより図8に示す「C:¥webedi¥hachuOK.csv」と、図9に示す「C:¥webedi¥hachuNG.csv」の2つのファイルが作成される。
【0046】
なお、このファイル分割処理の詳細については、図4のフローチャートを用いて後述する。
【0047】
そして、ステップS305で、ステップS302でDBサーバ102が取り込んだファイルが「C:¥webedi¥hachuOK.csv」と「C:¥webedi¥hachuNG.csv」とに分割されると、処理をステップS306に移行する。
【0048】
ステップS306では、DBサーバ102は、ステップS305で生成された分割後異常ファイルである「C:¥webedi¥hachuNG.csv」を電子メールに添付し、管理者端末105に送信する。なお、ステップS306の処理の詳細については、図5に示すフローチャートを用いて後述する。
【0049】
ステップS306のメール送信プログラムの処理が実行されると、処理をステップS307へ移行する。
【0050】
ステップS307では、DBサーバ102は、ステップS302で取り込んだファイルの保存場所を「C:¥webedi¥hachu.csv」から「C:¥webedi¥backup¥<年月日>¥hachu.csv」に変更する。これにより以前に取り込み処理を行ったファイルの内容を確認することが容易となる。
【0051】
次に、図4のフローチャートを用いて、基幹システム101から出力されたファイルを分割する処理(S306の処理)の詳細を説明する。
【0052】
なお、本処理は、DBサーバ102のCPU201が記憶領域に記録されているファイル分割プログラムによる制御に従って行うものである。
【0053】
ステップS401では、異常データを判別するための設定ファイルを読み込む。なお、この設定ファイルの内容については、図11に具体例を示すが、図11はあくまでも一例であり、プログラムの実装方法等により異なるものである。
【0054】
ステップS402では、ステップS302で取り込んだファイルのデータを1行読み込む。
【0055】
ステップS403では、ステップS402で読み込んだデータを区切り文字で分割し、メモリに保持する。ここで区切り文字とは、例えば「,」のような文字を意味し、データを項目ごとに区切っている文字を意味する。
【0056】
ステップS404では、ステップS403でメモリに保持したデータについて、ステップS401で取り込んだ設定ファイルをもとに正しいデータであるか否かを判断する。なお、設定ファイルとの比較は区切り文字で区切られたデータ単位で行うが、ステップS404における正しいデータか否かの判断は、1行分のデータ全てが正しいデータで構成されているか否かを判断する。
【0057】
正しいデータであると判断されると(ステップS404:YES)、処理をステップS405に移行し、正しいデータではないと判断されると(ステップS405:NO)、処理をステップS406に移行する。
【0058】
ステップS405では、ステップS404で正しいデータであると判断されたデータを正常ファイルに出力する。なお、本実施例では正常ファイルとして「C:¥webedi¥hachuOK.csv」を作成する。
【0059】
ステップS406では、ステップS404で正しいデータではないと判断されたデータを異常ファイルに出力する。なおこの際に、異常である理由についても異常ファイルに対して出力を行う。なお、本実施例では、異常ファイルの一例として「C:¥webedi¥hachuOK.csv」を作成する。
【0060】
ステップS407では、ステップS404で正しいデータか否かの判断対象となったデータが、ステップ302で取り込んだファイルの最後のデータか否かを判断する。
【0061】
最後のデータであると判断されると(ステップS407:YES)、本フローチャートの処理を終了する。
【0062】
最後のデータではないと判断されると(ステップS407:NO)、処理をステップS402に移行し、次の行のデータを読み込む。
【0063】
以上の処理を実行することで、基幹システム101から出力されたファイルについて、正常なデータと異常なデータとに分割したファイルを作成することが可能となる。
【0064】
正常なデータと異常なデータとを分割して、別々のファイルを作成し、正常なデータのファイルについて再処理を実行することで、再処理の際に異常終了せず、処理を実行することが可能となる。
【0065】
次に、図5に示すフローチャートを用いて、ステップS306のメール送信処理の詳細について説明する。
【0066】
なお、本処理は、DBサーバ102のCPU201が記憶領域に記録されているメール送信プログラムによる制御に従って行うものである。
【0067】
ステップS501では、図4のフローチャートで示す処理で作成された正常ファイル「C:¥webedi¥hachuOK.csv」と異常ファイル「C:¥webedi¥hachuNG.csv」をそれぞれ読み込む。
【0068】
ステップS502では、管理者端末105に送信する電子メールを作成し、当該電子メールに異常ファイル「C:¥webedi¥hachuNG.csv」を添付する。
ステップS503では、正常ファイルの暗号化を行う。
【0069】
具体的な暗号化処理の例として、まず「C:¥webedi¥20100831063005aTx$ax」というフォルダを作成し、作成した「C:¥webedi¥20100831063005aTx$ax」の中に正常ファイル「C:¥webedi¥hachuOK.csv」を移動する。この処理により、正常ファイルは「C:¥webedi¥20100831063005aTx$ax¥hachuOK.csv」に保存されることになり、暗号化されたファイルのURLが記載されたメールを受信した本人以外はパラメータの内容がわからないようになる。
【0070】
ステップS504では、管理者端末105を送信先として、異常ファイル「C:¥webedi¥hachuNG.csv」が添付され、正常ファイルのファイルパス「C:¥webedi¥20100831063005aTx$ax¥hachuOK.csv」が記載されたメールを送信する。
【0071】
なお、運用管理者が複数人いる場合は、全ての運用管理者に対して当該メールを送信する。
【0072】
次に図6に示すフローチャートを用いて、管理者端末105により、図5のフローチャートで示す処理により送信されたメールに記載されたURLが選択(クリック)された場合の処理について説明する。
【0073】
なお、本処理は、103のCPU201が記憶領域に記録されているプログラムによる制御に従って行うものである。
【0074】
ステップS601では、105が管理者端末105によるURLの選択を受け付け、103がその旨の情報を取得する。
【0075】
管理者端末105によりメールに記載されたURLが選択されると、103は、処理をステップS602に移行し、管理者端末105宛に再実行処理を行う旨のメールを送信する。
【0076】
なお、運用管理者が複数人いる場合は、全ての運用管理者に対して再実行処理を行う旨のメールを送信する。
【0077】
ステップS603では、103は再実行処理を行う。再実行処理の具体的な内容について以下説明する。
【0078】
103はDBサーバ102の正常ファイルが保存されている場所を、URLの引数である「C:¥webedi¥20100831063005aTx$ax¥hachuOK.csv」から判断し、103に保存されている「C:¥webedi¥20100831063005aTx$ax¥hachuOK.csv」ファイルを「C:¥webedi¥hachu.csv」にコピーする。
【0079】
DBサーバ102は「C:¥webedi¥hachu.csv」ファイルが作成されたことにより、ステップS302のファイル取込み処理を実行する。
【0080】
以上の処理を実行することにより、正常データのみが分別されたファイルに対して再度、処理が実行される。以上データが含まれないファイルに対する処理であるため、再処理の際に異常終了することなく処理を実行することが可能となる。
【0081】
図7は、基幹システム101が出力したファイルの一例を示す図である。
【0082】
1行が1件の発注データを示してあり、「発注番号,発注日,納品日,仕入先,商品コード,発注数量,単価,納品場所」の順に並んでいる。
【0083】
また、図7に示す例では、発注データ702、発注データ703、発注データ704には異常があることを示している。
【0084】
発注データ702は、発注データ701と発注番号が重複している。
発注データ703は、発注日前に納品日が設定されている。
発注データ704は、仕入先のデータが設定されていない。
【0085】
図8は、図7に示すファイルに対して、ファイル分割処理を実行した後の、正常ファイルの一例を示す図である。
【0086】
すなわち、図7のファイルにおいて異常があった発注データ702、703、704について削除され、正常なデータのみが残っているファイルであり、本実施例における「C:¥webedi¥hachuOK.csv」にあたるファイルである。
【0087】
図9は、図7に示すファイルに対して、ファイル分割処理を実行した後の、異常ファイルの一例を示す図である。
【0088】
すなわち、図7のファイルにおいて異常があった発注データ702、703、704のみが残っているファイルであり、本実施例における「C:¥webedi¥hachuNG.csv」にあたるファイルである。
【0089】
図10は、ステップS504において管理者端末105に対して送信される電子メールの一例を示す図である。
【0090】
下部に記載されたURLを選択することで、図8に示す正常なデータのファイルが再度取り込まれ、処理が行われる。
【0091】
また、図9に示す異常データのファイルについては、図10に示す電子メールに添付ファイルとして添付される。なお、本実施例では異常データのファイルを電子メールに添付しているが、正常データのファイルも添付するようにしてもよい。
【0092】
図11は、基幹システム101から出力されたファイルを正常なデータのファイルと異常なデータのファイルとに分割する設定ファイルのサンプルを示す図である。
【0093】
例えば、図11の1101は、区切り文字で区切られたデータの最初のデータについては、必ず数値型の値が入り、同じ値がデータベース上に登録されていないことを示している。
【0094】
データベース上に同じ値が登録されている場合は、異常データとして判定され、図9に示す異常ファイルにあるように「列1が重複している」という異常となった理由が異常ファイルに出力される。
【0095】
図11の1102では、区切り文字で区切られたデータの3番目のデータについては、必ず8ケタの日付が入り、2番目のデータより値が大きいことを示している。
【0096】
2番目の項目よりも小さい値が入っていた場合は、図9に示す異常ファイルにあるように、「列3の値が不正」という異常となった理由が異常ファイルに出力される。
【0097】
図11の1103では、区切り文字で区切られたデータの4番目のデータについては、必ず数値型の値であり、かつデータベース上に登録された値が入ることを示している。
【0098】
例えば図7に示すファイルの704のように4番目のデータが空の場合は、図9に示す異常ファイルにあるように「列4が空」という異常となった理由が異常ファイルに出力される。
【0099】
以上、説明したように、異常となった理由が記載されたファイルが電子メールに添付されて管理者に送信されることで、管理者は異常となった原因を把握することができる。
【0100】
なお、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを、システム或いは装置に直接或いは遠隔から供給し、そのシステム或いは装置が、供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される。従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0101】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
【0102】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク(CD、DVD)、光磁気ディスク、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどがある。
【0103】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される。その他、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
【0104】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。
【符号の説明】
【0105】
101 基幹システム
102 DBサーバ
103 Webサーバ
104 メールサーバ
105 管理者端末
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信したデータに対して、設定されたジョブに従って処理を実行する情報処理装置であって、
前記受信したデータに異常があるか否かを判定するための設定ファイルを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された設定ファイルを用いて、前記受信したデータに異常があるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により異常があると判定されたデータと、異常がないと判定されたデータとを分別する分別手段と、
異常が無いと判定されたデータに対する管理者からの指示を受け付ける受付手段と、
前記受付手段で指示を受け付けたデータに対して処理を実行する処理手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記判定手段により前記受信したデータに異常があると判定された場合、異常があるデータが存在する旨を管理者に通知する異常通知手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記異常通知手段は、異常があるデータが存在する旨を電子メールを用いて管理者に通知することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
受信したデータに対して、設定されたジョブに従って処理を実行し、前記受信したデータに異常があるか否かを判定するための設定ファイルを記憶する情報処理装置によって行われる情報処理方法であって、
判定手段が、前記記憶された設定ファイルを用いて、前記受信したデータに異常があるか否かを判定する判定工程と、
分別手段が、前記判定工程により異常があると判定されたデータと、異常がないと判定されたデータとを分別する分別工程と、
受付手段が、異常が無いと判定されたデータに対する管理者からの指示を受け付ける受付工程と、
処理手段が、前記受付工程で指示を受け付けたデータに対して処理を実行する処理工程と、
を備えることを特徴とする情報処理方法。
【請求項5】
受信したデータに対して、設定されたジョブに従って処理を実行し、前記受信したデータに異常があるか否かを判定するための設定ファイルを記憶する情報処理装置で実行可能なプログラムであって、
前記情報処理装置を、
前記記憶された設定ファイルを用いて、前記受信したデータに異常があるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により異常があると判定されたデータと、異常がないと判定されたデータとを分別する分別手段と、
異常が無いと判定されたデータに対する管理者からの指示を受け付ける受付手段と、
前記受付手段で指示を受け付けたデータに対して処理を実行する処理手段として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項1】
受信したデータに対して、設定されたジョブに従って処理を実行する情報処理装置であって、
前記受信したデータに異常があるか否かを判定するための設定ファイルを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された設定ファイルを用いて、前記受信したデータに異常があるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により異常があると判定されたデータと、異常がないと判定されたデータとを分別する分別手段と、
異常が無いと判定されたデータに対する管理者からの指示を受け付ける受付手段と、
前記受付手段で指示を受け付けたデータに対して処理を実行する処理手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記判定手段により前記受信したデータに異常があると判定された場合、異常があるデータが存在する旨を管理者に通知する異常通知手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記異常通知手段は、異常があるデータが存在する旨を電子メールを用いて管理者に通知することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
受信したデータに対して、設定されたジョブに従って処理を実行し、前記受信したデータに異常があるか否かを判定するための設定ファイルを記憶する情報処理装置によって行われる情報処理方法であって、
判定手段が、前記記憶された設定ファイルを用いて、前記受信したデータに異常があるか否かを判定する判定工程と、
分別手段が、前記判定工程により異常があると判定されたデータと、異常がないと判定されたデータとを分別する分別工程と、
受付手段が、異常が無いと判定されたデータに対する管理者からの指示を受け付ける受付工程と、
処理手段が、前記受付工程で指示を受け付けたデータに対して処理を実行する処理工程と、
を備えることを特徴とする情報処理方法。
【請求項5】
受信したデータに対して、設定されたジョブに従って処理を実行し、前記受信したデータに異常があるか否かを判定するための設定ファイルを記憶する情報処理装置で実行可能なプログラムであって、
前記情報処理装置を、
前記記憶された設定ファイルを用いて、前記受信したデータに異常があるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により異常があると判定されたデータと、異常がないと判定されたデータとを分別する分別手段と、
異常が無いと判定されたデータに対する管理者からの指示を受け付ける受付手段と、
前記受付手段で指示を受け付けたデータに対して処理を実行する処理手段として機能させることを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−93959(P2012−93959A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−240780(P2010−240780)
【出願日】平成22年10月27日(2010.10.27)
【出願人】(390002761)キヤノンマーケティングジャパン株式会社 (656)
【出願人】(312000206)キヤノンMJアイティグループホールディングス株式会社 (259)
【出願人】(592135203)キヤノンITソリューションズ株式会社 (528)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月27日(2010.10.27)
【出願人】(390002761)キヤノンマーケティングジャパン株式会社 (656)
【出願人】(312000206)キヤノンMJアイティグループホールディングス株式会社 (259)
【出願人】(592135203)キヤノンITソリューションズ株式会社 (528)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]