説明

情報処理装置、情報処理方法、及び、プログラム

【課題】ドライブレコーダのシステムにおいて、ユーザが所望する任意の区間についての走行情報を取得することができる技術を提供する。
【解決手段】本発明の情報処理装置は、移動体の移動中に録画された画像情報と前記画像情報に関連づけられた付帯情報とを含む動画データにおいて、区間を設定する操作を受け付ける操作受付部(121)と、前記区間に含まれる画像情報に関連づけられた付帯情報に基づいて、前記区間における前記移動体の走行情報を取得する区間内走行情報取得部(122)と、前記区間と、前記区間内走行情報取得部により取得された前記区間についての走行情報とを表示する表示処理部(123)と、を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドライブレコーダによって録画された動画データから走行情報を取得する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ドライブレコーダのシステムは、カメラによって撮影された車両周辺の画像情報を記録媒体に記録し、当該記録媒体に記録された画像情報を再生する機能を有している。画像情報を記録する機能は、車両に搭載されるドライブレコーダにより実現され、画像情報を再生する機能は、PC(Personal Computer)によって実現される(例えば、特許文献1)
。尚、画像情報を再生する機能を備えたドライブレコーダもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−33822号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のドライブレコーダのシステムでは、ユーザが所望する任意の区間についての区間所要時間等の走行情報を取得することができないという問題点があった。
【0005】
そこで、本発明の課題は、このような問題点に鑑み、ドライブレコーダ等により移動体の移動中に録画された動画データから、ユーザが所望する任意の区間についての走行情報を取得することができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するために、以下の構成を採用する。
【0007】
すなわち、本発明の情報処理装置は、
移動体の移動中に録画された画像情報と前記画像情報に関連づけられた付帯情報とを含む動画データにおいて、区間を設定する操作を受け付ける操作受付部と、
前記区間に含まれる画像情報に関連づけられた付帯情報に基づいて、前記区間における前記移動体の走行情報を取得する区間内走行情報取得部と、
前記区間と、前記区間内走行情報取得部により取得された前記区間についての走行情報とを表示する表示処理部と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
ここで、付帯情報とは、移動体の走行状態を示す情報であり、例えば、該画像情報が取得された時刻、該時刻における移動体の走行速度(瞬間値)、加速度(瞬間値)、位置情報等である。また、区間における移動体の走行情報とは、例えば、区間所要時間、該区間における平均速度、最高速度、最低速度、走行距離、平均加速度(平均G値)、最高加速度(最高G値)、最低加速度(最低G値)等である。
【0009】
上記構成によれば、ユーザによる操作を受け付けることによって、移動体の移動中に録画された動画データに区間が設定される。そして、該区間に含まれる画像情報に関連付けられた付帯情報に基づいて、該区間における走行情報が取得される。
【0010】
したがって、上記構成によれば、移動体の移動中に録画された動画データから、ユーザ
による操作によって設定される区間についての走行情報が取得されるため、ユーザが所望する任意の区間についての走行情報を取得することが可能となる。
【0011】
また、本発明の別態様として、上記表示処理部は、動画データに設定された区間と、区間内走行情報取得部により取得された区間についての走行情報とをリスト表示してもよい。
【0012】
また、本発明の別態様として、上記付帯情報は、画像情報が取得された時刻を示す時刻情報を含み、上記操作受付部は、操作を受け付けた第1の時点において表示されている第1の画像情報および操作を受け付けた第2の時点において表示されている第2の画像情報を特定し、上記区間内走行情報取得部は、第1の画像情報に関連づけられた付帯情報に含まれる第1の時刻情報と、第2の画像情報に関連づけられた付帯情報に含まれる第2の時刻情報とに基づいて導出された区間所要時間情報を取得し、上記表示処理部は、区間所要時間情報を表示してもよい。
【0013】
また、本発明の別態様として、上記付帯情報は、画像情報が取得された時刻における移動体の速度情報を含み、上記操作受付部は、操作を受け付けた第1の時点において表示されている第1の画像情報と操作を受け付けた第2の時点において表示されている第2の画像情報とに基づいて区間を設定し、上記区間内走行情報取得部は、区間に含まれる複数の画像情報のそれぞれに関連づけられた付帯情報に含まれる速度情報に基づいて導出された平均速度情報を取得し、上記表示処理部は、平均速度情報を表示してもよい。
【0014】
なお、本発明の別態様としては、以上の各構成を実現する情報処理方法であってもよいし、プログラムであってもよいし、このようなプログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体であってもよい。また、本発明の別態様として、以上の各構成を実現する複数の装置が通信可能に構成された情報処理システムであってもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、移動体の移動中に録画された動画データから、ユーザが所望する任意の区間についての走行情報を取得することができる技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、実施の形態に係る動画データにおける区間を例示する図である。
【図2】図2は、実施の形態に係る情報処理装置を例示する図である。
【図3】図3は、実施の形態に係るドライブレコーダの構成例を示す図である。
【図4】図4は、実施の形態に係るドライブレコーダの動作例を示すフローチャートである。
【図5】図5は、実施の形態に係るメモリカードにおける記録データの格納状態を示す図である。
【図6】図6は、実施の形態に係る情報処理装置の動作例を示すフローチャートである。
【図7】図7は、実施の形態に係る情報処理装置の表示画面例を示す図である。
【図8】図8は、実施の形態に係る情報処理装置の表示画面例を示す図である。
【図9】図9は、実施の形態に係る情報処理装置の表示画面例を示す図である。
【図10】図10は、実施の形態に係る情報処理装置の表示画面例を示す図である。
【図11】図11は、実施の形態に係る情報処理装置の表示画面例を示す図である。
【図12】図12は、実施の形態に係る情報処理装置の表示画面の変形例を示す図である。
【図13】図13は、実施の形態に係る情報処理装置の表示画面の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一側面に係る情報処理装置等の実施の形態(以下、「本実施形態」とも表記する)を説明する。ただし、本実施形態は例示であり、本発明は本実施形態の構成に限定されない。
【0018】
なお、本実施形態において登場するデータを自然言語(日本語等)により説明しているが、より具体的には、コンピュータが認識可能な疑似言語、コマンド、パラメタ、マシン語等で指定される。
【0019】
§1 情報処理装置
本実施形態に係る情報処理装置は、移動体の移動中に録画された画像情報と該画像情報に関連付けられた付帯情報を含む動画データに区間を設定する。本実施形態に係る情報処理装置は、例えば、ユーザからの操作を受け付けることにより、又は、予め定められた設定に基づいて、動画データに区間を設定する。
【0020】
該区間の設定は、動画データに含まれる情報に対して実行される。区間の設定に係る情報は、区間が設定可能な情報であればよい。例えば、区間の設定に係る情報は、動画データの再生時間、速度、加速度、又は、位置情報等である。なお、速度、加速度、又は、位置情報等は、画像情報に関連付けられる付帯情報に含まれる。
【0021】
区間の設定に係る情報が動画データの再生時間である場合、本実施形態に係る情報処理装置は、例えば、動画データの再生時間軸上に区間を設定する。情報処理装置は、例えば、該再生に係る画像を表示中にユーザからの所定の操作を受け付ける、又は、動画データの再生に係るタイムライン上の位置(又は、範囲)を指定する所定の操作を受け付けることにより、該受け付けた動画データの再生時間軸上に区間を設定する。
【0022】
また、区間の設定に係る情報が、速度、加速度、又は、位置情報等である場合、本実施形態に係る情報処理装置は、例えば、速度、加速度、又は、位置情報等に範囲を設けることで、動画データに区間を設定する。
【0023】
情報処理装置は、例えば、速度又は加速度の上限値及び下限値を受け付ける。そして、情報処理装置は、受け付けた速度又は加速度の上限値及び下限値の範囲に係る速度又は加速度を含む付帯情報を特定して、特定した範囲に係る動画データに区間を設定する。
【0024】
また、情報処理装置は、例えば、区間の始点及び終点に係る位置情報の指定(例えば、地図上での指定)を受け付ける。そして、情報処理装置は、受け付けた区間の始点及び終点に係る位置情報の範囲に含まれる位置情報を含む付帯情報と特定して、特定した範囲に係る動画データに区間を設定する。
【0025】
本実施形態に係る情報処理装置は、上記のような方法で、動画データに区間を設定する。そして、本実施形態に係る情報処理装置は、上記のような方法で設定された区間に含まれる画像情報に関連付けられた付帯情報に基づいて、該区間における移動体の走行情報を取得する。なお、本実施形態では、区間設定の処理の一例として、動画データの再生時間軸上に区間が設定される例を詳細に説明する。ただし、上記のとおり、本発明における区間設定に係る処理は、以下で詳細に説明する再生時間に係る処理に限定される訳ではない。
【0026】
図1は、本実施形態に係る動画データにおいて設定される区間を例示する。図1に示される例では、動画データにおいてn個(nは自然数)の区間が設定されている。図1に示
されるように、動画データの再生時間軸上に設定される区間は、区切りと区切りの間に挟まれた領域である。すなわち、区間は、区切りによって特定される。
【0027】
このような区間が設定される本実施形態に係る動画データは、後述するドライブレコーダにより録画される。図1に示されるように、ドライブレコーダにより録画された動画データは、再生時間軸により整列可能な複数の画像情報及び付帯情報を含む。画像情報と付帯情報は関連付けられている。画像情報は、後述するとおり、ドライブレコーダに接続されたカメラにより撮像された画像データである。また、付帯情報は、関連付けに係る該画像情報が取得された時刻におけるドライブレコーダを搭載した車両の走行状態を示す情報である。
【0028】
本実施形態に係る情報処理装置は、ユーザからの操作を受け付けることにより、このような動画データの再生時間軸上に、図1に示されるような区間を設定する。具体的には、本実施形態に係る情報処理装置は、動画データを再生しつつ、ユーザから区切り設定の操作を受け付ける。ユーザにより区切り設定の操作がなされると、情報処理装置は、当該操作時点における動画データの再生位置を特定する。そして、情報処理装置は、特定した当該再生位置に、区間を特定するための区切りを設定する。本実施形態では、このような区切りが再生時間軸上に設定されていくことにより、区間が設定される。
【0029】
すなわち、ユーザは、本実施形態に係る情報処理装置によって再生される画像を見ながら、所望の再生位置に区切りを設定することができる。そして、ユーザは、所望の再生位置に区切りを設定していくことで、動画データの再生時間軸上に所望の区間を設定することができる。
【0030】
動画データの再生時間軸上に区間が設けられると、情報処理装置は、図1に示されるように、該区間に含まれる画像情報を特定することが可能となる。区間に含まれる画像情報が特定されると、画像情報と付帯情報とは関連付けられているため、該区間の時間領域における付帯情報が特定される。本実施形態では、情報処理装置は、この特定された付帯情報を解析することで、該区間についての走行情報を取得する。
【0031】
なお、動画データの再生時間軸上に設定される区間は、複数であってもよいし、1つであってもよい。ただし、本実施形態では、動画データの再生時間軸上に複数の区間が設定される場合、図1に示されるような時間軸上に連続する区間に係る時間領域が、区間が設定される1つの時間領域として扱われる。つまり、本実施形態では、時間軸上に間をあけて設定される区間、又は、時間軸上で重なりあうように設定される区間は、別の時間領域に係る区間として扱われる。本実施形態では、区間が設定される時間領域は、複数存在してもよい。この区間が設定される1つの時間領域に含まれる区間を形成する区切りのうち、時間軸上最初に存在する区切りを「最初の区切り」と呼び、時間軸上最後に存在する区切りを「最後の区切り」と呼ぶ。
【0032】
なお、区間が設定される時間領域が複数存在する場合の情報処理装置の動作は、図1に示されるような区間が設定される時間領域が1つである場合の情報処理装置の動作の繰り返しによって説明することができる。よって、以下では、図1に示されるような区間が設定される時間領域が1つである場合の情報処理装置の動作について説明する。
【0033】
なお、図1に示される各区間において、時間軸上手前にある区切りの時点が、本発明における「第1の時点」に相当する。そして、当該時点における画像情報が、「第1の画像情報」に相当する。また、図1に示される各区間において、時間軸上後ろにある区切りの時点が、本発明における「第2の時点」に相当する。そして、当該時点おける画像情報が、「第2の画像情報」に相当する。
【0034】
このように、本実施形態に係る情報処理装置は、ユーザによる操作を受け付けて、ドライブレコーダにより録画された動画データの再生時間軸上に、図1に示されるような区間を設定する。そして、本実施形態に係る情報処理装置は、図1に示されるような区間に含まれる画像情報に関連付けられた付帯情報を解析することで、該区間についての走行情報を取得する。
【0035】
図2は、このような処理を実現する本実施形態に係る情報処理装置1の構成例を示す。情報処理装置1は、図2に示されるように、そのハードウェア構成として、バス13で接続される、記憶部11、制御部12、入出力部14、カードスロット15等のハードウェアを有している。
【0036】
記憶部11は、制御部12で実行される処理で利用される各種データ及びプログラムを記憶する(不図示)。記憶部11は、例えば、ハードディスクによって実現される。記憶部11は、USBメモリ等の記録媒体により実現されてもよい。
【0037】
なお、記憶部11が格納する当該各種データ及びプログラムは、CD(Compact Disc)又はDVD(Digital Versatile Disc)等の記録媒体から取得されてもよい。
【0038】
制御部12は、マイクロプロセッサ又はCPU(Central Processing Unit)等の1又
は複数のプロセッサと、このプロセッサの処理に利用される周辺回路(ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、インタフェース回路等)と、を有する。制御部12は、記憶部11に格納されているプログラムを実行することにより、各種データについての演算と各構成の制御とを実行し、本実施形態における情報処理装置1の処理を実現する。
【0039】
制御部12は、図2に示されるとおり、操作受付部121、区間内走行情報取得部122、及び、表示処理部123を含む。操作受付部121、区間内走行情報取得部122、及び、表示処理部123は、例えば、記憶部11に格納されたプログラム等が制御部12の周辺回路であるRAM等に展開され、制御部12のプロセッサにより実行されることによって実現される。
【0040】
操作受付部121は、移動体の移動中に録画された画像情報と前記画像情報に関連づけられた付帯情報とを含む動画データにおいて、区間を設定する操作を受け付ける。これにより、本実施形態では、動画データの再生時間軸上において、区間が設定される。
【0041】
区間内走行情報取得部122は、前記区間に含まれる画像情報に関連づけられた付帯情報に基づいて、前記区間における前記移動体の走行情報を取得する。
【0042】
表示処理部123は、操作受付部121により受け付けた操作により設定された区間と、区間内走行情報取得部122により取得された該区間についての走行情報の表示を制御する。なお、制御部12は、当該表示処理部123を含まなくてもよい。
【0043】
入出力部14は、情報処理装置1の外部に存在する装置とデータの送受信を行うための1又は複数のインタフェースである。入出力部14は、例えば、LAN(Local Area Network)ケーブルを接続するためのインタフェース、ユーザインタフェースと接続するためのインタフェース、又はUSB(Universal Serial Bus)等のインタフェースである。
【0044】
入出力部14は、本実施形態において、タッチパネル、テンキー、キーボード、マウス等の操作装置5と接続する。また、入出力部14は、本実施形態において、ディスプレイ
6と接続する。操作装置5がタッチパネルである場合、操作装置5とディスプレイ6とは、一体の装置として構成されてもよい。
【0045】
なお、入出力部14は、CDドライブ、DVDドライブ等の着脱可能な記憶媒体の入出力装置と接続してもよい。また、入出力部14は、LANケーブルに接続されることで、インターネットに接続してもよい。
【0046】
カードスロット15は、可搬性の記録媒体であるメモリカード9を着脱可能に構成され、装着されたメモリカード9からのデータの読み取りや、メモリカード9へのデータの書き込みを行う。本実施形態において、後述するドライブレコーダにより録画された動画データは、メモリカード9に記録される。情報処理装置1は、カードスロット15を介して、メモリカード9から該動画データを取得する。ただし、本実施形態に係る情報処理装置1による動画データの取得方法は、このような方法に限定される訳ではない。例えば、本実施形態に係る情報処理装置1は、インターネット等の通信により、ドライブレコーダにより録画された動画データを格納する装置から該動画データを取得してもよい。
【0047】
なお、情報処理装置1は、例えば、PC等のような汎用コンピュータであってもよいし、ナビゲーション装置等の車載装置であってもよい。このような構成により情報処理装置1は、図1に示される動画データの区間設定処理、及び、区間内の走行情報取得処理を実現する。情報処理装置1における当該処理についての動作については、「§3 動作例」において説明する。
【0048】
§2 ドライブレコーダ
§2−1 ドライブレコーダの構成
本実施形態に係る情報処理装置1は、ドライブレコーダにより録画された動画データの処理を行う。ドライブレコーダは、車両の走行状態を記録するために設置される装置である。
【0049】
本実施形態に係るドライブレコーダ2は、車両の内部に設置され、車両の走行方向前方を録画するカメラ31と接続する。なお、ドライブレコーダ2は、車両のバッテリーと接続することにより、動作に必要な電力を取得する。この時、ドライブレコーダ2は、例えば、シガーソケットを介して、バッテリーに接続されてもよいし、バッテリーに直接接続されてもよい。また、カメラ31は、ドライブレコーダ2から動作に必要な電力を取得してもよい。
【0050】
図3は、本実施形態に係るドライブレコーダ2の構成例を示す。ドライブレコーダ2は、装置全体を制御する制御部としてマイクロコンピュータを備えている。具体的には、本実施形態に係るドライブレコーダ2は、演算処理を行うことで各種の制御機能を実現するCPU20、演算処理の作業領域となるRAM21、及び、各種データを記憶する不揮発性メモリ22を備えている。不揮発性メモリ22は、例えば、ハードディスクやフラッシュメモリなどで構成され、ファームウェアとしてのプログラム221や設定パラメタなどを記憶する。ドライブレコーダ2の各部を制御する機能は、不揮発性メモリ22に予め記憶されたプログラム221に従ってCPU20が演算処理を実行することにより実現される。
【0051】
<付帯情報の取得>
ドライブレコーダ2は、車両の付帯情報を取得するために、計時回路25、及び、加速度センサ26を備え、車両の車速センサ81と接続している。付帯情報は、車両の走行状態を示す情報である。
【0052】
計時回路25は、現在時刻に対応した信号を発生して、CPU20へ出力する。計時回路25は、例えば、内蔵電池を有することで、外部から電力供給を受けなくとも動作して正確な時刻を計時する。
【0053】
加速度センサ26は、車両に加わる衝撃の大きさを示す加速度を、重力加速度のGを単位として検出する。検出される加速度は、現在時刻における加速度の瞬間値を示し、例えば、互いに直行する3軸、又は、2軸に応じた向きに大きさを持つ。加速度センサ26は、このような加速度に対応した信号をCPU20へ出力する。
【0054】
車速センサ81は、車両の走行速度(km/h)を検出する。検出される走行速度は、現在時刻における車両の走行速度の瞬間値を示す。車速センサ81は、このような走行速度に対応した信号をCPU20へ出力する。
【0055】
これらの構成により、ドライブレコーダ2は、車両の付帯情報に含まれる情報として、現在時刻情報、現在時刻における加速度情報、現在時刻における速度情報を取得することができる。
【0056】
なお、ドライブレコーダ2は、現在時刻における車両の走行位置に係る情報を車両の付帯情報に含まれる情報の一つとして取得するために、GPS受信部を更に備えてもよい。GPS受信部は、複数のGPS衛星からの信号を受信して、現在時刻における車両の走行位置に関連する位置情報を取得する。取得される位置情報は、例えば、地球上における緯度経度で表現される。GPS受信部は、このような位置情報に対応した信号をCPU20に出力する。これにより、ドライブレコーダ2は、車両の付帯情報に含まれる情報の一つとして、現在時刻における車両の位置情報を取得することができる。
【0057】
取得された現在時刻情報、現在時刻における加速度情報、現在時刻における速度情報、現在時刻における位置情報等の付帯情報は、該付帯情報が取得された時刻において取得された画像情報と関連付けられてRAM21に記憶される。
【0058】
尚、付帯情報は、上述したような時刻情報、加速度情報、速度情報、位置情報等の各情報の全てを含むものに限定されない。少なくとも時刻情報が付帯情報に含まれていれば、この付帯情報と画像情報とを関連付けてRAM21に記憶することができる。
【0059】
<画像情報の取得>
ドライブレコーダ2は、画像情報を取得するためにカメラ31を備えている。カメラ31は、ドライブレコーダ2の本体部とは別に車両の内部の好適な位置、例えばルームミラーとフロントガラスの間に配置される。また、カメラ31は、レンズと撮像素子とを備えており、電子的に画像情報を取得することが可能である。本実施形態では、カメラ31は、その光軸が車両の前方に向けられた状態でフロントガラスの上部付近の車両の前方の領域についての画像情報を取得できる位置に配置される。
【0060】
なお、ドライブレコーダ2は、カメラ31に加えて、マイクを備えてもよい。このマイクは、ドライブレコーダ2の本体部とは別に車両の内部の好適な位置に配置される。これにより、ドライブレコーダ2は、マイクを介して、運転中の音を集音して音声情報を取得することが可能となる。本実施形態に係るドライブレコーダ2は、このように、画像情報とともに音声情報を取得してもよい。
【0061】
<動画データの記録>
ドライブレコーダ2は、図3に示されるように、カメラ31で取得された画像情報(画像データ)を処理する画像処理部23を備えている。画像処理部23は、カメラ31から
入力される画像情報の信号に対して、A/D変換、輝度補正、コントラスト補正などの所定の画像処理を行い、JPEG形式などの所定形式のデジタルの画像情報を生成する。画像処理部23において処理された画像情報は、RAM21に記憶される。
【0062】
RAM21の記憶領域のうちの一部はリングバッファとして利用される。このリングバッファが用いられて、画像処理部23において処理された画像情報が常時に記憶される。この時、計時回路25、加速度センサ26、車速センサ81等により取得された付帯情報も常時に記憶される。CPU20は、付帯情報と画像情報とを関連付けてRAM21に記憶する。すなわち、CPU20は、画像処理23において処理された画像情報と、該画像情報がカメラ31により取得された時刻における付帯情報とを関連付けて、RAM21のリングバッファの領域に格納する。
【0063】
なお、ドライブレコーダ2がマイクを備える場合、該マイクを介して取得される音声情報も、リングバッファが用いられて、常時に記憶される。CPU20は、該音声情報と画像情報と付帯情報とを関連付けてRAM21に記憶する。
【0064】
ここで、リングバッファでは、最後の領域までデータが記憶されると最初の領域に戻って新たなデータが記憶される。これにより、リングバッファでは、最も古いデータに対して新たなデータが順次に上書きされる。このため、RAM21には、過去一定時間分の画像情報と付帯情報とが関連付けられて記憶される。例えば、リングバッファの領域には、少なくとも40秒分の画像情報及び付帯情報が記憶される。該画像情報及び該付帯情報は、カードスロット24を介して、メモリカード9に記録される。また、ドライブレコーダ2がマイクを備える場合についても、RAM21に過去一定時間分の画像情報と付帯情報と音声情報とが関連付けられて記憶され、該画像情報及び該付帯情報、該音声情報は、カードスロット24を介してメモリカード9に記録される。
【0065】
カードスロット24は、メモリカード9を着脱可能に構成され、装着されたメモリカード9からのデータの読み取りや、メモリカード9へのデータの書き込みを行う。事故や危険挙動などの所定のイベントが生じたとき、CPU20は、RAM21のリングバッファに記憶された運転情報から動画データを生成する。そして、CPU20は、生成した動画データを、カードスロット24に装着されたメモリカード9に記録する。
【0066】
ここで、運転情報は、画像情報及び付帯情報を含む情報のことである。また、上述した動画データは運転情報のみから生成されているが、他の実施形態では、動画データは運転情報および音声情報から生成されていてもよい。
【0067】
<ユーザによる操作>
また、ドライブレコーダ2は、ユーザから指示を受け付ける部材として、記録スイッチ32及び操作部33を備えている。これらは、ユーザが操作しやすいように、ドライブレコーダ2の本体部とは別に、ステアリングホイールの近傍などの車両の内部の好適な位置に配置される。なお、記録スイッチ32及び操作部33は、ドライブレコーダ2の本体部と別に配置される構成に限定されず、ドライブレコーダ2の本体部に設けられていてもよい。
【0068】
記録スイッチ32は、メモリカード9への記録指示を受け付けるスイッチである。ユーザは、この記録スイッチ32を押下することにより、衝突などの事故には至らなかったものの危険を感じた場合などの所望のタイミングで動画データをメモリカード9に記録することができる。
【0069】
操作部33は、複数のボタンを含んで構成され、ユーザから各種設定などの入力を受け
付ける。記録スイッチ32及び操作部33で受け付けたユーザの操作内容は、信号としてCPU20に入力される。
【0070】
<その他>
なお、不揮発性メモリ22に記憶されているプログラム221は、新たなプログラムが記憶されたメモリカード9をカードスロット24で読み取ることにより、更新することが可能となっていてもよい。
【0071】
また、ドライブレコーダ2は、車内LANと接続するための通信部を備えてもよい。通信部は、例えば、車内LANに接続し、車内LANに接続された他の装置と相互に通信する。この通信部により、ドライブレコーダ2は、他の装置とデータの送受信を行うことが可能となる。
【0072】
§2−2 ドライブレコーダの動作例
図4は、本実施形態に係るドライブレコーダ2がメモリカード9に動画データを記録する動作例を示す。本実施形態に係るドライブレコーダ2は、動画データを記録する動作として、イベントの発生を検知した場合に、このイベントが発生した時点の前後の所定時間分の動画データをメモリカード9に記録する通常記録と、イベントの発生を検知していない場合に、ユーザによる指示に応じて任意の時間分の動画データを連続してメモリカード9に記録する連続記録とを有している。この動作例の開始時点において、メモリカード9がカードスロット24に装着されているものとする。また、この動作例は、特に言及しない限りCPU20の制御により実行される。なお、図4及び後述する図6では、ステップを「S」と略称する。
【0073】
ドライブレコーダ2は、例えば、車両のイグニッションスイッチのオンにより起動する。ドライブレコーダ2は、起動を開始すると、所定のイニシャル処理を実行する。
【0074】
ドライブレコーダ2は、イニシャル処理が完了した直後から、カメラ31による車両の周辺の様子を示す画像情報の取得、及び、計時回路25、加速度センサ26、車速センサ81等による付帯情報の取得を開始する。取得された画像情報及び付帯情報は、RAM21のリングバッファの領域に記憶される(ステップ101)。これ以降、ドライブレコーダ2の起動中にわたって、画像情報及び付帯情報は、継続的にRAM21に記憶される。例えば、画像情報及び付帯情報は、毎秒30回の割合で、継続的にRAM21に記憶される。この時、画像情報は、30fps(毎秒30フレーム)のフレームレートで記憶されていることになる。なお、同一時刻に取得された画像情報と付帯情報とは関連付けられている。
【0075】
このように画像情報及び付帯情報が継続的に記憶される一方で、例えば、車両のイグニッションスイッチをオフにする等して、ドライブレコーダ2の動作を停止させるイベントが発生したか否かが監視される(ステップ102)。例えば、車両のイグニッションスイッチをオフにすると(ステップ102のYES)、ドライブレコーダ2は、動作を停止する。
【0076】
他方、ドライブレコーダ2の動作を停止させるイベントが発生していなければ(ステップ102のNO)、所定のイベントが発生したか否かが監視される(ステップ103)。例えば、所定のイベントが発生したと判断される条件は、下記の(A)〜(C)のいずれかの条件が満たされたことである。
【0077】
(A)加速度センサ26が、所定以上の加速度を、所定時間以上継続して検出した。例えば、加速度センサ26が、0.40G以上の加速度を100ミリ秒以上継続して検出し
た。
【0078】
(B)車両が所定以上の速度で走行中に、車速センサ81が、所定の期間内に所定以上の減速を検出した。例えば、車両が速度60km/h以上で走行中に、車速センサ81が検出した減速での1秒間の速度差が、14km/h以上となった。
【0079】
(C)記録スイッチ33がユーザにより押下された。
【0080】
なお、各条件における所定の値及び閾値は、それぞれユーザにより設定及び変更可能であってもよい。
【0081】
条件(A)は、比較的強い加速度が発生しており、車両の衝突事故発生の蓋然性が高い状況に関する条件である。当該条件(A)を満足するイベントは「G検知」と呼ばれる。
【0082】
条件(B)は、車両において比較的急激な減速が生じており、事故が急迫した蓋然性が高い状況に関する条件である。この条件(B)を満足するイベントは「急減速」と呼ばれる。
【0083】
条件(C)は、ユーザ(代表的には車両のドライバ)が動画データの記録を所望する状況に関する条件である。この条件(C)を満足するイベントは「スイッチ操作」と呼ばれる。
【0084】
いずれかのイベントが発生した場合(ステップ103のYES)には、例えば、G検知又は急減速の発生前の12秒間と発生後の8秒間との合計20秒分の運転情報が、RAM21のリングバッファから読み出される。また、例えば、スイッチ操作発生後、任意の時間分の運転情報が、RAM21のリングバッファから読み出される。この時、必要であれば、リングバッファ以外の領域から運転情報が読み出されてもよい。なお、該任意の時間は、不揮発性メモリ22に格納される設定値として予め設定された時間であってもよいし、情報処理装置において時間を指定し、メモリカードを介して設定されてもよい。
【0085】
そして、読み出された運転情報から動画データが生成される。この動画データは、イベントの発生時における車両の周辺の様子を示すものとなる。生成された動画データはメモリカード9に記録される(ステップ104)。この時、発生したイベントに係る情報も同時に格納されてもよい。
【0086】
一方、イベントが発生していない場合(ステップ103のNO)には、ユーザによる連続記録を開始する指示が入力されているか否かが監視される(ステップ105)。例えば、記録スイッチ32に対して通常操作とは異なる長押し等の特殊操作が行われたか否かが監視される。そして、連続記録を開始する指示を検知した場合(ステップ105のYES)、連続記録の指示を検知した時点の運転情報から所定のデータ量毎に、または所定の時間毎に、RAM21のリングバッファから運転情報がまとめて読み出され、動画データに変換されてメモリカード9に記録される(ステップ106)。このメモリカード9への記
録は、停止の指示が入力されるまで継続して繰り返し実行される(ステップ107のNO)。例えば、記録スイッチ32に対して通常操作とは異なる長押し等の特殊操作が行われた場合に、メモリカード9への記録を停止する(ステップ107のYES)。
【0087】
なお、本実施形態では、連続記録が行われているときに、連続記録を開始する指示と同じ操作が再度検知された場合に連続記録が停止される構成としたが、他の実施形態として、連続記録を開始する指示とは異なる操作が検知された場合に連続記録が停止される構成であってもよいし、連続記録が開始されてから予め設定された所定の時間が経過した場合
に自動的に連続記録が停止される構成であってもよい。なお、連続記録を停止する指示である所定の時間は、通常記録の場合にメモリカード9へ記録される時間分よりも長い時間
であることが好ましい。
【0088】
なお、ステップ102に係るドライブレコーダ2の動作を停止させるイベントの監視処理は実行されなくてもよい。この時、例えば、ユーザがイグニッションスイッチをオフにした時点でドライブレコーダ2の動作を停止させる処理が強制的に発生し、実行されることにより、ドライブレコーダ2の動作は停止する。
【0089】
図5は、このようなドライブレコーダ2の動作により格納される動画データのメモリカード9における格納状態を例示する。メモリカード9内のデータ格納構造は、例えば、図5に示されるように、階層フォルダ構造(階層ディレクトリ構造)が採用される。ドライブレコーダ2により録画された動画データは、該階層フォルダ構造のいずれかのフォルダ内に格納される。階層フォルダ構造の最上層には、ルートフォルダF0が設けられている。ルートフォルダF0の直下には子フォルダとして、動画フォルダF1が設けられている。
【0090】
動画フォルダF1には、イベントが発生したときに得られる動画データD1が格納される。例えば、各動画データD1は、イベントが発生した時刻等がそのファイル名に用いられ、識別される。
【0091】
§3 動作例
次に、図6を用いて、本実施形態における動作例を説明する。図6は、本実施形態に係る情報処理装置1によって実行される処理を例示する。以下によって例示される当該処理は、ドライブレコーダ2により録画された動画データを再生する処理の一部として実現される。ただし、本実施形態に係る情報処理装置1によって実行される処理は、このような実現方法に限定されない。
【0092】
なお、この動作例の開始時点において、ドライブレコーダ2により録画された動画データが記憶部11に格納されている、又は、該動画データを格納するメモリカード9がカードスロット15に装着されているものとする。つまり、この動作例の開始時点において、ドライブレコーダ2により録画された動画データが、制御部12により再生可能な状態であるものとする。
【0093】
ユーザによって操作装置5が操作されることで、記憶部11又はメモリカード9に格納されるドライブレコーダ2により録画された動画データのうち、再生に係る動画データが選択される。本実施形態に係る情報処理装置1は、当該選択に応じて、本処理に係るプログラムを実行し、本実施形態に係る情報処理を開始する。
【0094】
まず、ステップ201において、制御部12は、選択された動画データを再生しつつ、動画データの再生時間軸上に区間を設定することについての開始操作を受け付ける。
【0095】
図7は、この時点において、ディスプレイ6に表示される画面例を示す。図7に示されるように、本実施形態に係るディスプレイ6には、画像再生部50、時刻表示部51、速度表示部52、区間内走行情報表示部53、ボタン54、ボタン55、ボタン56、加速度表示部57、音量調整バー58、明るさ調整バー59、データ選択開始部60、再生バー61、動画操作部62、及び、グラフ表示部63が表示される。制御部12は、これらの構成を含む画像を生成し、生成した画像をディスプレイ6に表示させる。
【0096】
画像再生部50には、再生に係る動画データに含まれる画像情報が表示される。動画デ
ータに含まれる複数の画像情報は、再生時間軸により整列可能である。そのため、再生位置(再生時間全体における再生時点)が特定されると、動画データに含まれる再生に係る画像情報が特定される。制御部12は、このように特定される画像情報を復号する。そして、制御部12は、該復号により得られる画像を画像再生部50に表示する画像を生成する。
【0097】
時刻表示部51には、動画データの再生位置によって特定される再生対象の画像情報が取得されたときの時刻(日時)が表示される。制御部12は、再生対象の画像情報に関連付けられた付帯情報から、計時回路25によって得られた時刻情報を取得する。そして、制御部12は、取得した時刻情報に基づいて時刻表示部51に表示する時刻画像を生成する。なお、制御部12は、動画データの再生時間軸において先頭となる画像情報に関連付けられた付帯情報から取得される時刻情報と再生位置における時間情報とを加算することにより、時刻表示部51に表示するための時刻情報を算出してもよい。
【0098】
速度表示部52には、時刻表示部51に表示される時刻における車両の走行速度が表示される。制御部12は、再生対象の画像情報に関連付けられる付帯情報から、車速センサ81により得られる車両の速度情報を取得する。そして、制御部12は、取得した速度情報を速度表示部52に表示する速度画像を生成する。
【0099】
区間内走行情報表示部53には、ユーザによる操作によって生成された区間についての走行情報が表示される。
【0100】
例えば、区間内走行情報表示部53の上段には、設定される区間における全体時間が表示される。設定される区間における全体時間は、最初の区切りの再生位置と最後の区切りの再生位置との間の時間を示す。
【0101】
また、例えば、区間内走行情報表示部53の下段には、表示対象となる区間についての走行情報のうちの2つが表示される。例えば、区間内走行情報表示部53の下段には、区間所要時間、及び、平均速度が表示される。また、他の表示では、例えば、区間内走行情報表示部53の下段には、区間所要時間、及び、平均加速度(G値)が表示される。なお、該区間についての走行情報の取得については、後述する。制御部12は、後述する処理により区間についての走行情報を取得し、取得した該区間についての走行情報を区間内走行情報表示部53に表示する画像を生成する。
【0102】
ボタン54及びボタン55は、再生に係る動画データの再生時間軸上において、区切りを設定するためのボタンである。つまり、これらのボタンが押下されると、制御部12は、該押下を認識した時点における動画データの再生位置を特定し、特定した再生位置に区切りを設定する。すなわち、ユーザは、画像再生部50に表示される画像を見ながら、所望のタイミングに、操作装置5を操作してボタン54又はボタン55を押下することで、動画データの再生時間軸上に、区間を特定するための区切りを設定することができる。図1に示されるとおり、このような区切りが複数設定されることで、制御部12は、区間を特定することが可能となる。
【0103】
ボタン54は、動画データの再生時間軸上に、最初の区切り、及び、最後の区切りを設定するためのボタンである。制御部12は、ボタン54に対する1度目の押下に応じて、該押下を認識した時点における再生時間上に最初の区切りを設定する。また、制御部12は、ボタン54に対する2度目の押下に応じて、該押下を認識した時点における再生時間上に最後の区切りを設定する。
【0104】
なお、最初の区切りを設定するための操作(ボタン54に対する1度目の押下)は、区
間を設定する処理を開始することについての開始操作に該当する。すなわち、ステップ201では、制御部12は、動画データを再生しつつ、ボタン54の1度目の押下が行われるのを待っている。他方、最後の区切りを設定するための操作(ボタン54に対する2度目の押下)は、区間を設定する処理を終了することについての終了操作に該当する。
【0105】
また、ボタン55は、最初の区切りと最後の区切りの間に位置する区切りを設定するためのボタンである。区間を設定するための処理中に、ボタン55が押下されると、制御部12は、該押下を認識した時点における再生時間軸上に区切りを設定する。言い換えると、ボタン54が1度だけ押下された状態で、ボタン55が押下されると、制御部12は、該押下を認識した時点における再生時間軸上に区切りを設定する。この区間を設定するための処理中に行われる、ボタン55の押下操作を、以下、「区切り作成操作」と呼ぶ。
【0106】
なお、それ以外の状態、すなわち、ボタン54が1度も押下されていない状態、又は、ボタン54が2度押下された状態で、ボタン55が押下されると、制御部12は、それまでに設定した区切りをリセットする。つまり、ボタン54が1度も押下されていない状態、又は、ボタン54が2度押下された状態では、ボタン55は、リセットボタンである。
【0107】
ボタン56は、区間と、該区間についての走行情報とをリスト表示するためのボタンである。当該ボタン56については後述する。
【0108】
加速度表示部57には、時刻表示部51に表示される時刻における車両の加速度の大きさが画像によって表示される。制御部12は、再生対象の画像情報に関連付けられた付帯情報(再生位置に係る付帯情報)から、加速度センサ26により得られた車両の加速度を取得する。そして、制御部12は、取得した加速度を加速度表示部57に表示する画像を生成する。
【0109】
なお、図7に示される画面例では、原点と丸印との距離によって該加速度の大きさが表現されている。また、丸印の位置によって加速度の向きが表現されている。更に、図7に示される画面例では、加速度表示部57において、一度表示した加速度の軌跡が表現されている。
【0110】
音量調節バー58は、再生に係る動画データに含まれる音声データの音量を調節するためのバーである。音量調節バー58は、動画データに音声データが含まれる場合に活用される。ユーザは、操作装置5を操作して、音量調節バー58に存在するスライダを移動させることにより、音量を調節することができる。
【0111】
明るさ調節バー59は、画像再生部50に表示される画像の明るさを調節するためのバーである。ユーザは、操作装置5を操作することで、明るさ調節バー59に存在するスライダを移動させることにより、画像再生部50に表示される画像の明るさを調節することができる。
【0112】
データ選択開始部60は、記憶部11又はメモリカード9に格納されるドライブレコーダ2により録画された動画データの中から所望する動画データを選択する画面をディスプレイ6上に表示させるためのボタンである。例えば、ユーザが、再生に係る動画データを変更したい場合に活用される。
【0113】
再生バー61は、再生に係る動画データの再生位置を表示するためのバーである。再生バー61は、シークバーとも呼ばれる。再生バー61におけるスライダの位置が、再生に係る動画データの再生位置を示す。なお、ユーザは、操作装置5を操作することで、該スライダを移動させることにより、動画データの再生位置を変更することができる。
【0114】
動画操作部62は、動画データの再生を操作するために用いられる。ユーザは、操作装置5を操作して、動画操作部62に存在するボタンを押下することにより、動画データの再生、一時停止、及び、停止などを実行することができる。
【0115】
グラフ表示部63は、車両の加速度及び走行速度をグラフ表示する。図中左の縦軸は、加速度の大きさを表す。また、図中右の縦軸は、走行速度を表す。また、横軸は、時間(秒)を表す。該時間は、画像情報の取得時刻を示す。よって、例えば、図7におけるグラフ表示部63には、2011年3月21日の14時53分43秒から14時54分43秒までの間における車両の加速度と走行速度が表示されている。これらの加速度及び走行速度は、該取得時刻に係る付帯情報から取得される。
【0116】
ステップ201において、制御部12は、図7に示されるような画面をディスプレイ6に表示しつつ、ユーザによる操作装置5の操作によって、ボタン54に対する1度目の押下がなされるのを待つ。そして、ボタン54に対する1度目の押下がなされると、制御部12は、次のステップ202に処理を進める。
【0117】
次に、ステップ202において、制御部12は、ステップ201におけるボタン54に対する1度目の押下が実行された時点において再生している動画データの再生位置を特定する。そして、制御部12は、特定した再生位置に、最初の区切りを設定する。制御部12は、最初の区切りを設定すると、次のステップ203に処理を進める。すなわち、ボタン54に対する1度目の押下が実行された時点において画像再生部50に表示されている画像情報を特定し、特定された画像情報と該画像情報に関連する付帯情報を区切り情報(第1の区切り情報)として設定する。
【0118】
図8は、この時点において、ディスプレイ6に表示される画面例を示す。図8に示されるように、本実施形態では、制御部12は、動画データの再生時間軸上に設定される区間を表示するために、再生バー61上の区切りが設定された再生位置にアイコンを表示した画像を生成する。なお、図8において、最初の区切りに係るアイコンは、「S」である。ユーザは、再生バー61上で該アイコンの位置を変更することにより、該アイコンに係る区切りの再生位置を変更することができる。後述するその他のアイコンについても同様である。また、再生バー61上のアイコンを選択することによって、区切り情報が読み出され、画像再生部50、時刻表示部51、速度表示部52等に表示される。
【0119】
次に、ステップ203において、制御部12は、動画データの再生時間軸上に区間を設定することについての終了操作が行われたか否かを監視する。すなわち、制御部12は、ボタン54に対する2度目の押下がなされたか否かを監視する。
【0120】
ボタン54に対する2度目の押下が実行された場合、制御部12は、ステップ207に処理を進める。他方、ボタン54に対する2度目の押下が実行されていない場合、制御部12は、次のステップ204に処理を進める。
【0121】
次に、ステップ204において、制御部12は、区切り作成操作が行われたか否かを監視する。すなわち、制御部12は、ボタン55に対する押下がなされたか否かを監視する。
【0122】
ボタン55に対する押下が実行された場合、制御部12は、次のステップ205に処理を進める。他方、ボタン55に対する押下が実行されていない場合、制御部12は、ステップ203に処理を戻す。
【0123】
次に、ステップ205において、ステップ204におけるボタン55に対する押下が実行された時間において再生している動画データの再生位置を特定する。そして、制御部12は、特定した再生位置に区切りを設定し、次のステップ206に処理を進める。すなわち、ボタン55に対する押下が実行された時点において画像再生部50に表示されている画像情報を特定し、特定された画像情報と該画像情報に関連する付帯情報を新たな区切り情報(第2の区切り情報)として設定する。
【0124】
ここで、動画データの再生時間軸上、この時に設定される区切りの前に必ず別の区切りが設定されている。例えば、本ステップ204の処理が、ボタン55に対する1回目の押下に係る処理であるならば、動画データの再生時間軸上、この時に設定される区切りの前に、ステップ202において設定された最初の区切りが存在する。また、例えば、本ステップ204の処理が、ボタン55に対する2回目の押下に係る処理であるとする。この場合、動画データの再生時間軸上、この時に設定される区切りの前に、当該処理の前に実行されたステップ204において設定された、ボタン55に対する1回目の押下に係る区切りが存在する。
【0125】
したがって、この処理により、動画データ上の再生時間軸上に区間が生成される。なお、本ステップ204の処理が、ボタン55に対する1回目の押下に係る処理であるならば、生成される区間は、図1における第1の区間である。また、本ステップ204の処理が、ボタン55に対する2回目の押下に係る処理であるならば、生成される区間は、図1における第2の区間である。
【0126】
次に、ステップ206において、制御部12は、ステップ205の区切り設定により生成された区間に含まれる画像情報に関連付けられた付帯情報を解析する。そして、制御部12は、当該解析により、該生成された区間についての走行情報を取得する。
【0127】
区間に含まれる画像情報及び付帯情報は、本実施形態では、図1に示されるように、区間の開始を示す区切りの再生位置から、該区間の終了を示す区切りの再生位置の1つ手前の再生位置までに存在する画像情報及び付帯情報である。すなわち、区間における走行情報は、第1の区切り情報に含まれる画像情報から第2の区切り情報に含まれる画像情報の1つ前の画像情報と、これらの画像情報に関連する付帯情報とに基づいて生成される。区間の終了を示す区切りの再生位置に存在する画像情報及び付帯情報は、当該区間に含まれてもよいし、本実施形態のように含まれなくてもよい。
【0128】
ここで、本処理における区間の開始を示す区切りは、上述した、本処理により設定される区切りの再生時間軸上1つ前に設定された区切りである。また、区間の終了を示す区切りは、本処理により設定される区切りである。つまり、制御部12は、本処理により設定された区切りの1つ手前に設定されている区切りの再生位置から、本処理により設定された区切りの再生位置の1つ手前の再生位置までに存在する画像情報及び付帯情報を、本処理により生成された区間に含まれる画像情報及び付帯情報として特定する。
【0129】
制御部12は、このように特定される画像情報に関連付けられた付帯情報を解析し、生成された区間についての走行情報を取得する。この取得される区間についての走行情報とは、車両の移動特性を含むものであり、例えば、区間所要時間、該区間における平均速度、最高速度、最低速度、走行距離、平均加速度(平均G値)、最高加速度(最高G値)、最低加速度(最低G値)等である。なお、制御部12は、該区間についての走行情報として、これら全ての情報を取得する構成であってもよいし、所定の情報のみを取得する構成であってもよい。
【0130】
制御部12は、例えば、生成された区間に含まれる画像情報に関連付けられた付帯情報
のうち、再生位置が最も手前にある画像情報に関連付けられた付帯情報と、再生位置が最も後ろにある画像情報に関連付けられた付帯情報から、区間所要時間を求める。具体的には、制御部12は、これら2つの付帯情報に含まれる計時回路25により得られた時刻の差分を求めることにより、区間所要時間を求める。なお、本処理における、生成された区間に含まれる画像情報のうち、再生位置が最も手前にある画像情報は、本処理により設定される区切りの再生時間軸上1つ手前に設定された区切りの再生位置に存在する画像情報である。そして、再生位置が最も後ろにある画像情報は、本処理により設定される区切りの再生位置の1つ手前の再生位置に存在する画像情報である。すなわち、区間所要時間は、第1の区切り情報に含まれる画像情報に関連付けられた付帯情報に含まれている時刻情報と、第2の区切り情報に含まれる画像情報に関連付けられた付帯情報に含まれている時刻情報との差分により求められる。
【0131】
また、画像情報が所定の時間間隔(一定の同じ時間間隔)で取得された場合、区間所要時間は、区間に含まれる画像情報の個数に比例しうる。よって、この場合、制御部12は、生成された区間に含まれた画像情報の個数から該区間所要時間を算出してもよい。
【0132】
また、制御部12は、例えば、区間に含まれる全ての画像情報に関連付けられた付帯情報を用いて、該区間における平均速度を求める。例えば、制御部12は、区間に含まれる各画像情報に関連付けられた付帯情報からそれぞれ車速センサ81によって得られた速度情報を取得する。そして、制御部12は、取得された走行速度の平均を求めることによって、該区間における平均速度を算出する。具体的には、制御部12は、取得された速度情報の和と、取得された速度情報の数(画像情報の数)で割ることにより、該区間における速度情報の平均値である平均速度情報を算出する。該区間における平均加速度も同様に説明可能である。
【0133】
また、制御部12は、例えば、生成された区間に含まれる画像情報に関連付けられた速度情報(付帯情報)の中から、最も値の大きな速度情報を特定することにより、該区間における最高速度を求める。該区間における最高加速度(最高G値)も同様に説明可能である。
【0134】
また、制御部12は、例えば、生成された区間に含まれる画像情報に関連付けられた速度情報(付帯情報)の中から、最も値の小さい速度情報を特定することにより、該区間における最低速度を求める。該区間における最低加速度(最低G値)も同様に説明可能である。
【0135】
また、例えば、制御部12は、区間に含まれる全ての画像情報に関連付けられた付帯情報を用いて、該区間における走行距離を求める。例えば、制御部12は、区間に含まれる各画像情報に関連付けられた付帯情報からそれぞれ車速センサ81によって得られた速度情報を取得する。そして、制御部12は、取得された速度情報の和を求める。更に、制御部12は、当該和に、画像情報の取得頻度によって定まる比例定数を掛け合わせる。これにより、制御部12は、走行距離を算出することができる。
【0136】
なお、走行情報として走行位置が取得されている場合がある。この場合、制御部12は、例えば、生成された区間に含まれる画像情報に関連付けられた付帯情報のうち、再生位置が最も手前にある画像情報に関連付けられた付帯情報と、再生位置が最も後ろにある画像情報に関連付けられた付帯情報から、走行距離を算出してもよい。具体的には、制御部12は、これら2つの付帯情報に含まれる走行位置の差分を求めることにより、走行距離を算出してもよい。
【0137】
制御部12は、このようにして、生成された区間についての走行情報を取得する。そし
て、制御部12は、該区間についての走行情報を取得すると、図6に示されるように、ステップ203に処理を戻す。
【0138】
制御部12は、図6に示されるとおり、ボタン54に対する2度目の押下が実行されるまで、ステップ203〜ステップ206の処理を繰り返す。これにより、最初の区切りと最後の区切りの間に、区切りが設定されうる。そして、ステップ203において、ボタン54に対する2度目の押下が実行されると、制御部12は、該繰り返しを終了し、ステップ207に処理を進める。
【0139】
図9は、ボタン54に対する1度目の押下が実行された後(図8)、ボタン54に対する2度目の押下が実行される前に、ボタン55に対する押下が5回実行された時点におい
て、ディスプレイ6に表示される画面例を示す。図9に示されるとおり、ボタン55に対するi回目(i=1、2、3、4,5)の押下に係る区切りの再生位置は、アイコン「i」によって表示されている。なお、アイコン「S」と「1」により挟まれる区間が、図1に示される第1の区間である。この時点において、「S」と「1」の間、「1」と「2」の間、「2」と「3」の間、「3」と「4」の間、及び、「4」と「5」の間の計5つの区間が生成されている。
【0140】
次に、ステップ207において、制御部12は、ステップ203におけるボタン54に対する2回目の押下が実行された時点で再生されている動画データの再生位置を特定する。そして、制御部12は、特定した再生位置に、最後の区切りを設定し、次のステップ208に処理を進める。
【0141】
本ステップ207の処理が実行されると、ステップ205と同様の理由により、動画データ上の再生時間軸上に区間が生成される。具体的には、最初の区切り、又は、ボタン55が押下されることにより設定された区切りと、最後の区切りとの間に、区間が生成される。
【0142】
最後に、ステップ208において、制御部12は、ステップ207の区切り設定により生成された区間に含まれる画像情報に関連付けられた付帯情報を解析する。そして、制御部12は、当該解析により、該生成された区間についての走行情報を取得する。すなわち、ボタン54に対する2度目の押下が実行された時点において画像再生部50に表示されている画像情報を特定し、特定された画像情報と該画像情報に関連する付帯情報を区切り情報(第nの区切り情報)として設定する。なお、本実施形態では、n=7となる。当該処理は、ステップ206と同様である。
【0143】
また、この時、制御部12は、区間が設定された時間領域における全体時間を取得する。区間が設定された時間領域における全体時間は、最初の区切りが設定された再生位置と、最後の区切りが設定された再生位置との間の時間である。制御部12は、最初の区切りが設定された再生位置に存在する画像情報に関連付けられた付帯情報に含まれる計時回路25により得られた時刻情報と、最後の区切りが設定された再生位置に存在する画像情報に関連付けられた付帯情報に含まれる計時回路25により得られた時刻情報の差分を求めることにより、当該全体時間を取得する。すなわち、全体時間は、第1の区切り情報に含まれる画像情報に関連付けられた付帯情報に含まれている時刻情報と、第nの区切り情報に含まれる画像情報に関連付けられた付帯情報に含まれている時刻情報との差分により求められる。なお、本実施形態では、n=7となる。
【0144】
これにより、情報処理装置1は、区間設定、及び、該区間についての走行情報取得についての処理を終了する。
【0145】
図10は、ステップ208の処理が実行された時点においてディスプレイ6に表示される画面例を示す。図9の時点において5つの区間が生成されていた。図10は、図9の後に、ボタン54に対する2回目の押下が実行された例を示す。
【0146】
図10に示される画面例では、ボタン54に対する2回目の押下により設定された最後の区切りの再生位置は、「E」のアイコンによって示されている。また、この時点において、動画データの再生時間軸上に生成されたすべての区間において、該区間についての走行情報が取得されている。また、区間が設定された時間領域における全体時間も取得されている。よって、図10に示される画面例では、区間内走行情報表示部53において、該全体時間と区間についての走行情報が表示されている。なお、図10に示される画面例では、区間についての走行情報として、6番目の区間における区間所要時間と平均速度が表示されている。
【0147】
この時、ユーザによる操作装置5の操作により、ボタン56が押下されると、動画データの再生時間軸上に再生されたすべての区間において取得された該区間についての走行情報がリスト表示される。図11は、図10に示される時点の後に、ボタン56が押下された時にディスプレイ6に表示される画面例を示す。図11に示されるとおり、リスト表示部64において、動画データの再生時間軸上に再生されたすべての区間において取得された該区間についての走行情報がリスト表示される。なお、図11に示される画面例では、区間についての走行情報の例として、該区間における区間所要時間と平均速度が表示されている。
【0148】
なお、ステップ201、203、204において、制御部12が、ボタン54又はボタン55の押下を受け付ける、又は、監視する等区間設定に係るユーザ操作を受け付ける動作は、操作受付部121の動作に相当する。また、ステップ206及び208において、制御部12による生成された区間の付帯情報についての解析処理の動作は、区間内走行情報取得部122の動作に相当する。更に、ステップ202以降において、制御部12が、図7〜図11に示される表示画像を生成する動作は、表示処理部123の動作に相当する。
【0149】
§4 実施の形態に係る作用及び効果
以上によれば、本実施形態に係る情報処理装置1では、ユーザによる操作を受け付けることによって、ドライブレコーダ2によって録画された動画データの再生時間軸上に区間が設定される。そして、該区間に含まれる画像情報に関連付けられた付帯情報に基づいて、該区間についての走行情報が取得される。
【0150】
したがって、本実施形態によれば、ユーザによる操作によって設定される区間についての走行情報が取得されるため、移動体の移動中に録画された動画データから、ユーザが所望する任意の区間についての走行情報を取得することが可能となる。
【0151】
ユーザは、本実施形態に係る情報処理装置1を様々な場面で活用することができる。
【0152】
例えば、ユーザが、車両を運転し、サーキット等の同一の経路を複数回走行する周回走行を行ったとする。そして、ユーザは、ドライブレコーダ2によって周回走行の模様を録画したとする。この時、ユーザは、本実施形態に係る情報処理装置1を用いることによって、周回走行の各周における、ラップタイム(区間所要時間)、走行速度のばらつき、走行距離、発生G値等を把握することが可能となる。これにより、ユーザは、周回走行の各周における運転の良し悪しを判断することが可能となる。
【0153】
また、例えば、ユーザは、本実施形態に係る情報処理装置1を用いることによって、直
線、コーナー、ヘアピンカーブを走行時における、区間所要時間、発生G値等を把握することが可能となる。これらの情報は、走行の仕方やメンテナンスの仕方に有益である。
【0154】
また、例えば、ユーザが、車両を運転し、異なる経路を利用して、同一の出発地と同一の目的地の間を走行したとする。そして、ユーザは、ドライブレコーダ2によって各径路を利用したときの走行模様を録画したとする。この時、ユーザは、本実施形態に係る情報処理装置1を用いることによって、各径路における、最高速度、最高加速度等を把握することが可能となる。これにより、ユーザは、これらの情報に基づいて、各径路の良し悪しを判断することが可能となる。
【0155】
§5 変形例
以上、本発明の実施の形態を詳細に説明してきたが、前述までの説明はあらゆる点において本発明の例示に過ぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。
【0156】
例えば、図7〜図11の表示画面例では、動画データの再生時間軸上に設定される区切り及び区間は、再生バー61上に表示される。しかし、例えば、図12の表示画面例のように、グラフ表示部63に表示されてもよい。図12は、動画データの再生時間軸上に設定される区切り及び区間がグラフ表示部63に表示される例を示す。
【0157】
また、例えば、付帯情報には、該付帯情報が取得された時刻における位置情報が含まれている場合がある。この場合、例えば、制御部12は、当該位置情報を利用することにより、動画データの再生時間軸上に設定された区切りの再生位置に存在する画像情報が取得された時刻における車両の位置を表示する地図を生成し、ディスプレイ6に表示してもよい。図13は、動画データの再生時間軸上に設定された区切りの再生位置に存在する画像情報が取得された時刻における車両の位置を表示する地図画像の例を示す。
【0158】
なお、この時、地図を生成するためのマップ情報が必要となる。制御部12は、例えば、記憶部11に格納された、又は、ネットワークを介して取得されたマップ情報を用いて、図13に示されるような表示画面を生成する。
【0159】
また、例えば、動画データにおける区間の設定は、再生時間軸上ではなく、速度、加速度、又は、位置情報等に範囲を設けることにより実現されてもよい。なお、速度、加速度、又は、位置情報等に範囲を設けることは、再生時間軸上に区間(範囲)を設定することと同じように説明することができる。
【0160】
§6 補足
当業者は、上記本実施形態の記載から、特許請求の範囲の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができる。また、本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられる。したがって、他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての専門用語および技術用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解される意味と同じ意味を有する。両者が矛盾する場合、本明細書において使用される用語は、本明細書(定義を含めて)に記載された意味において理解される。
【符号の説明】
【0161】
1 情報処理装置
2 ドライブレコーダ
5 操作装置
6 ディスプレイ
9 メモリカード
11 記憶部
12 制御部
13 バス
14 入出力部
15 カードスロット
20 CPU
21 RAM
22 不揮発性メモリ
23 画像処理部
24 カードスロット
25 計時回路
26 加速度センサ
31 カメラ
32 記録スイッチ
33 操作部
50 画像再生部
51 時刻表示部
52 速度表示部
53 区間内走行情報表示部
54 ボタン
55 ボタン
56 ボタン
57 加速度表示部
58 音量調整バー
59 明るさ調整バー
60 データ選択開始部
61 再生バー
62 動画操作部
63 グラフ表示部
64 リスト表示部
81 車速センサ
121 操作受付部
122 区間内走行情報取得部
123 表示処理部
221 プログラム
D1 動画データ
F0 ルートフォルダ
F1 動画フォルダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体の移動中に録画された画像情報と前記画像情報に関連づけられた付帯情報とを含む動画データにおいて、区間を設定する操作を受け付ける操作受付部と、
前記区間に含まれる画像情報に関連づけられた付帯情報に基づいて、前記区間における前記移動体の走行情報を取得する区間内走行情報取得部と、
前記区間と、前記区間内走行情報取得部により取得された前記区間についての走行情報とを表示する表示処理部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記表示処理部は、前記動画データに設定された前記区間と、前記区間内走行情報取得部により取得された前記区間についての走行情報とをリスト表示することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記付帯情報は、前記画像情報が取得された時刻を示す時刻情報を含み、
前記操作受付部は、前記操作を受け付けた第1の時点において表示されている第1の画像情報および前記操作を受け付けた第2の時点において表示されている第2の画像情報を特定し、
前記区間内走行情報取得部は、前記第1の画像情報に関連づけられた付帯情報に含まれる第1の時刻情報と、前記第2の画像情報に関連づけられた付帯情報に含まれる第2の時刻情報とに基づいて導出された区間所要時間情報を取得し、
前記表示処理部は、前記区間所要時間情報を表示することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記付帯情報は、前記画像情報が取得された時刻における前記移動体の速度情報を含み、
前記操作受付部は、前記操作を受け付けた第1の時点において表示されている第1の画像情報と前記操作を受け付けた第2の時点において表示されている第2の画像情報とに基づいて区間を設定し、
前記区間内走行情報取得部は、前記区間に含まれる複数の画像情報のそれぞれに関連づけられた付帯情報に含まれる速度情報に基づいて導出された平均速度情報を取得し、
前記表示処理部は、前記平均速度情報を表示することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
コンピュータが、
移動体の移動中に録画された画像情報と前記画像情報に関連づけられた付帯情報とを含む動画データの再生時間軸上において、区間を設定する操作を受け付けるステップと、
前記区間に含まれる画像情報に関連づけられた付帯情報に基づいて、前記区間における前記移動体の走行情報を取得するステップと、
前記区間と、前記区間内走行情報取得部により取得された前記区間についての走行情報とを表示するステップと、
を実行することを特徴とする情報処理方法。
【請求項6】
コンピュータに、
移動体の移動中に録画された画像情報と前記画像情報に関連づけられた付帯情報とを含む動画データの再生時間軸上において、区間を設定する操作を受け付けるステップと、
前記区間に含まれる画像情報に関連づけられた付帯情報に基づいて、前記区間における前記移動体の走行情報を取得するステップと、
前記区間と、前記区間内走行情報取得部により取得された前記区間についての走行情報とを表示するステップと、
を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−207998(P2012−207998A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−73480(P2011−73480)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】