説明

情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム

【課題】痛みが生じたときに、ユーザに負担をかけることなく、生活状況に関する情報とともに気象情報を取得して、痛みを誘発する要因を推定する。
【解決手段】生活記録取得部110は、痛みが生じたときの生活記録、及び痛みが生じたときの日時を取得する。気象情報取得部120は、生活記録取得部110が取得した日時に対応する気象情報を気象サーバ20から読み出す。原因記憶部140は、原因情報を予め記憶している。分析部130は、原因記憶部140から原因情報を読み出し、読み出した原因情報を、生活記録取得部110が取得した生活記録及び気象情報取得部120が読み出した気象情報に対してマッチング処理を行う。具体的には、分析部130は、生活記録及び気象情報のうち原因情報に一致する事象を選択する。そして分析部130は、マッチング処理結果をユーザ端末10に出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
原因を確定させることが難しい痛みの一つに、片頭痛がある。例えば特許文献1には、対象者の生体情報を生体情報測定装置で測定し、通信回線を介して生体情報管理サーバに記録することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−253229号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
片頭痛など、要因を確定させることが難しい痛みにおいて、痛みを誘発する要因を推定するためには、痛みが生じたときの生活状況に関する情報のみではなく、気象情報を考慮する必要がある。しかし、気象情報をユーザが逐一記録することは難しい。
【0005】
本発明の目的は、痛みが生じたときに、ユーザに負担をかけることなく、生活状況に関する情報とともに気象情報を取得して、痛みを誘発する要因を推定することができる情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、生活状況に関する記録である生活記録、及び痛みが生じたときの日付を取得する生活記録取得手段と、
前記生活記録取得手段が取得した前記日付に対応する気象情報を、気象情報を記憶する気象情報記憶手段から読み出す気象情報読出手段と、
痛みを誘発する要因となりうる複数の事象それぞれを示す原因情報を記憶した原因記憶手段から前記原因情報を読み出し、読み出した前記原因情報を、前記生活記録取得手段が取得した前記生活記録及び前記気象情報読出手段が読み出した前記気象情報に対してマッチング処理を行い、前記マッチング処理結果を出力する分析手段と、
を備える情報処理装置が提供される。
【0007】
本発明によれば、コンピュータが、痛みが生じたときの生活状況に関する記録である生活記録、及び痛みが生じたときの日付を取得し、
前記コンピュータが、前記生活記録とともに取得した前記日付に対応する気象情報を、気象情報を記憶する気象情報記憶手段から読み出し、
前記コンピュータが、痛みを誘発する要因となりうる複数の事象それぞれを示す原因情報を記録した原因記憶手段から前記原因情報を読み出し、読み出した前記原因情報を、前記生活記録取得手段が取得した前記生活記録及び前記気象情報読出手段が読み出した前記気象情報に対してマッチング処理を行い、前記マッチング処理結果を出力する情報処理方法が提供される。
【0008】
本発明によれば、コンピュータを、痛みを誘発する要因を分析するための情報処理装置として機能させるプログラムであって、
前記コンピュータに、
痛みが生じたときの生活状況に関する記録である生活記録、及び痛みが生じたときの日付を取得する機能と、
前記生活記録とともに取得した前記日付に対応する気象情報を、気象情報を記憶する気象情報記憶手段から読み出す機能と、
痛みを誘発する要因となりうる複数の事象それぞれを示す原因情報を記録した原因記憶手段から前記原因情報を読み出し、読み出した前記原因情報を、前記生活記録取得手段が取得した前記生活記録及び前記気象情報読出手段が読み出した前記気象情報に対してマッチング処理を行い、前記マッチング処理結果を出力する機能と、
を持たせるプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、痛みが生じたときに、ユーザに負担をかけることなく、生活状況に関する情報とともに気象情報を取得して、痛みを誘発する要因を推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1の実施形態に係る情報処理装置の使用環境を示す図である。
【図2】情報処理装置の機能構成を示すブロック図である。
【図3】情報処理装置が行う処理を説明するフローチャートである。
【図4】ステップS10においてユーザが生活記録を入力するためのユーザインターフェースの一例を説明するための図である。
【図5】ステップS70においてユーザ端末に表示される分析結果の一例を示す図である。
【図6】第2の実施形態に係る情報処理装置の機能構成を示すブロック図である。
【図7】情報処理装置の分析部が警告処理を行うときの処理を示すフローチャートである。
【図8】第3の実施形態に係る情報処理装置が行う処理を示すフローチャートである
【図9】第4の実施形態に係る情報処理装置の使用環境を示す図である。
【図10】図9に示した情報処理装置の機能構成を示すブロック図である。
【図11】図10に示した情報処理装置の第1の動作を示すフローチャートである。
【図12】図10に示した情報処理装置の第2の動作を示すフローチャートである。
【図13】第5の実施形態に係る情報処理装置の機能構成を示すブロック図である。
【図14】入力画面生成部が入力画面データの初期データを生成する処理を示すフローチャートである。
【図15】入力画面生成部が入力画面データを更新する処理を示すフローチャートである。
【図16】図4の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0012】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る情報処理装置100の使用環境を示す図である。情報処理装置100は、通信網50を介してユーザ端末10及び気象サーバ20(気象情報記憶手段)と通信する。ユーザ端末10は、生活状況に関する記録である生活記録が入力される。この入力には、少なくとも生活記録から痛みに影響すると考えられる期間の記録が含まれる。ユーザ端末10は、例えば携帯通信端末であるが、固定通信端末(デスクトップ型又はノート型のパーソナルコンピュータを含む)であってもよい。
【0013】
片頭痛などの慢性の痛みは治療が困難であり、予防方法も無いと我慢している人が多い。それは痛みの要因を確定させることが難しいと思われているからである。痛みは突然襲ってくると思われがちであるが、痛みの原因や予兆は個人によって異なり、痛みを誘発する要因を推定するためには、個人別に痛みが生じる前の生活状況に関する情報のみではなく、気象情報も考慮する必要がある。なお、痛みの頻度が少ない場合には、長期間の生活情報を蓄積し大量の情報から痛みの影響要因を分析するのは非効率・不正確となり、さらに、気象情報をユーザが逐一記録することは難しい。
【0014】
本実施形態において、ユーザ端末10は、入力された生活記録を、痛みが生じた日時とともに情報処理装置100に送信する。気象サーバ20には、気象情報が記憶されている。気象サーバ20が記憶している気象情報は、日時別の気圧、気温、風力、及び天候を含んでいる。情報処理装置100は、ユーザ端末10から受信した日時に対応する気象情報を気象サーバ20から読み出す。
【0015】
また情報処理装置100は、痛みを誘発する要因となりうる複数の事象それぞれを示す原因情報を取得する。本実施形態において情報処理装置100は、原因情報を予め記憶している。そして情報処理装置100は、原因情報を、ユーザ端末10から取得した生活記録及び気象サーバ20から取得した気象情報に対してマッチングする。
【0016】
そして情報処理装置100は、マッチング処理の結果を出力する。本実施形態において、情報処理装置100は、ユーザ端末10にマッチング処理の結果を出力する。ユーザ端末10は、マッチング処理の結果を表示する。このため、ユーザは、ユーザ端末10に表示されたマッチング処理の結果を見ることにより、気象情報を含め、痛みを誘発する要因となる事象を認識することができる。
【0017】
なお、本実施形態における痛みは、例えば片頭痛などの慢性頭痛である。ただし痛みはこれに限定されるものではなく、筋骨格系及び結合組織の疾患に起因した痛み、内科的疾患に起因した痛み、並びにこれら以外の痛みであってもよい。筋骨格系及び結合組織の疾患に起因した痛みには、腰痛、変形性脊椎症、筋筋膜性疼痛、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、腰椎椎術後疼痛、肩関節周囲炎、及び胸郭出口症候群が含まれる。内科的疾患に起因した痛みには、慢性頭痛のほかに、リウマチ性疾患が含まれる。その他の痛みには、帯状疱疹・帯状疱疹後神経痛、閉塞性動脈硬化症、膠原病などによる難治性潰瘍、術後痛、複合性局所疼痛症候群、幻肢痛、引き抜き損傷後疼痛、及び心理的な痛みが含まれる。
【0018】
図2は、情報処理装置100の機能構成を示すブロック図である。情報処理装置100は、生活記録取得部110、気象情報取得部120、分析部130、及び原因記憶部140を備えている。生活記録取得部110は、痛みが生じたときの生活記録、及び痛みが生じたときの日時を取得する。気象情報取得部120は、生活記録取得部110が取得した日時に対応する気象情報を気象サーバ20から読み出す。原因記憶部140は、原因情報を予め記憶している。分析部130は、原因記憶部140から原因情報を読み出し、読み出した原因情報を、生活記録取得部110が取得した生活記録及び気象情報取得部120が読み出した気象情報に対してマッチング処理を行う。具体的には、分析部130は、生活記録及び気象情報のうち原因情報に一致する事象を選択する。そして分析部130は、マッチング処理結果をユーザ端末10に出力する。
【0019】
なお、図2に示した情報処理装置100の各構成要素は、ハードウエア単位の構成ではなく、機能単位のブロックを示している。情報処理装置100の各構成要素は、任意のコンピュータのCPU、メモリ、メモリにロードされた本図の構成要素を実現するプログラム、そのプログラムを格納するハードディスクなどの記憶ユニット、ネットワーク接続用インタフェースを中心にハードウエアとソフトウエアの任意の組合せによって実現される。そして、その実現方法、装置には様々な変形例がある。
【0020】
図3は、情報処理装置100が行う処理を説明するフローチャートである。まずユーザ端末10には、ユーザが痛みを感じたときの生活記録、及び痛みを感じたときの日時が入力される(ステップS10)。日時はユーザ端末10が自動的に取得しても良い。またユーザ端末10に入力される情報には、痛みの内容及びその部位、並びに痛みが治まった時間が含まれていても良い。この入力は、ユーザ端末10に表示された入力画面に対して行われる。次いでユーザ端末10は、入力された各種の情報、例えば生活記録及び日時を、情報処理装置100に送信する(ステップS20)。
【0021】
情報処理装置100の生活記録取得部110は、ユーザ端末10から、生活記録及び日時を含む情報を受信する。すると情報処理装置100の気象情報取得部120は、生活記録取得部110が受信した日時に対応する気象情報を、気象サーバ20に要求する(ステップS30)。気象サーバ20は、気象情報取得部120から要求された日時に対応する気象情報を、気象情報取得部120に送信する(ステップS40)。
【0022】
次いで分析部130は、原因記憶部140から原因情報を読み出し、読み出した原因情報を、生活記録取得部110が取得した生活記録及び気象情報取得部120が読み出した気象情報に対してマッチングする(ステップS50)。次いで分析部130は、マッチング処理の結果をユーザ端末10に送信する(ステップS60)。
【0023】
ユーザ端末10は、情報処理装置100からマッチング処理の結果を受信すると、受信したマッチング処理の結果を表示し、ユーザに認識させる(ステップS70)。
【0024】
図4は、ステップS10においてユーザが生活記録を入力するためのユーザインターフェースの一例を説明するための図である。本図に示す例において生活記録には、イベント(スケジュール)、起床時刻、就寝時刻、起床時刻及び就寝時刻から自動で算出される睡眠時間、気象情報、食事時間、嗜好品の取得時間、入浴時間、運動の有無、痛み前のサイン(光・音・匂い等への過敏な反応、首や肩のこり、生あくび、吐き気等の身体的な変化)、痛み情報(痛みが発生した時刻)、薬剤名、及び薬を服用した時刻が含まれている。なお痛み情報には、痛みが治まった時刻が含まれていてもよい。これらのうちイベントについては、ユーザ端末10ではなく、他のスケジュール管理システム(図示せず)から取得しても良い。
【0025】
そしてユーザ端末10に表示されるユーザインターフェースには、生活記録の各項目が予め表示されている。ユーザは、ユーザ端末10に対し、ある項目に該当する場合、その項目に対応する時刻情報を入力する。これにより、情報処理装置100の分析部130は、ユーザがその日はその項目に該当したことを認識できる。またユーザインターフェースには、各項目別に、自由入力欄が設けられている。
【0026】
図5は、ステップS70においてユーザ端末10に表示される分析結果の一例を示す図である。本図に示す例において、分析結果には、痛みを誘発した要因のほかに、痛みの実績、及びそのときの服薬情報が含まれている。さらに分析結果は、アドバイス情報を含んでいる。このアドバイス情報は、痛みを誘発した要因、及び痛みを早期に鎮める服薬方法を、文章で示している。本結果はユーザ端末10に接続された機器から印刷することもでき、これにより診療時に医師に示すこともできる。
【0027】
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。本実施形態によれば、情報処理装置100の分析部130は、生活記録及び気象情報のうち原因情報に一致する事象を選択し、選択した結果をユーザ端末10に送信する。このため、ユーザは、自分の痛みを誘発する要因を認識することができる。また本実施形態では、ユーザは、気象情報を逐一入力する必要はなく、その代わりに痛みが生じた日時を入力するのみでよい。従って、ユーザにかける負担を少なくすることができる。また、痛みを抑制する薬の服薬は、痛みが起きた場合に極力早く行うことが必要である。本実施形態のシステムを用いると、痛みの予兆を捉え、服薬の準備を行うことで、痛みをうまく制御して質の高い生活を営むことが可能となる。
【0028】
(第2の実施形態)
図6は、第2の実施形態に係る情報処理装置100の機能構成を示すブロック図である。本実施形態に係る情報処理装置100は、分析結果記憶部150を備えている点、及び分析部130が警告処理を行う機能を有している点を除いて、第1の実施形態に係る情報処理装置100と同様の構成である。すなわち本実施形態にかかる情報処理装置100は、第1の実施形態に示した機能と、警告処理を行う機能の双方を有している。
【0029】
分析結果記憶部150は、分析部130による分析結果、すなわちそのユーザにとって痛みを誘発する要因(つまり図3のマッチング処理の結果によって選択された要因)を記憶している。通常、この要因は、一人のユーザに対して複数である。本実施形態では、生活記録取得部110は、ユーザ端末10から、痛みを生じていないときの生活記録及びその日付を取得する。そして分析部130は、痛みが生じていないときの生活記録と、分析結果記憶部150が記憶している情報のマッチング処理を行い、このマッチング処理に基づいて警告処理を行う。具体的には、痛みが生じていないときの生活記録に、分析結果記憶部150が記憶している情報のうち一定割合以上の要因が含まれていた場合、痛みが生じる可能性があると判断して警告処理を行う。
【0030】
図7は、情報処理装置100の分析部130が警告処理を行うときの処理を示すフローチャートである。まずユーザ端末10には、ユーザが痛みを感じていないときを含め、生活記録及び日付が、毎日入力される(ステップS110)。次いでユーザ端末10は、入力された生活記録及び日付を、情報処理装置100に送信する(ステップS120)。
【0031】
情報処理装置100の生活記録取得部110は、ユーザ端末10から、生活記録及び日付を受信する。すると情報処理装置100の気象情報取得部120は、生活記録取得部110が受信した日付に対応する気象情報を、気象サーバ20に要求する(ステップS130)。気象サーバ20は、気象情報取得部120から要求された日付に対応する気象情報を、気象情報取得部120に送信する(ステップS140)。
【0032】
次いで分析部130は、原因記憶部140から原因情報を読み出し、読み出した原因情報を、生活記録取得部110が取得した生活記録及び気象情報取得部120が読み出した気象情報に対してマッチング処理を行う(ステップS150)。次いで分析部130は、痛みが生じていないときの生活記録に、分析結果記憶部150が記憶している情報のうち一定割合以上の要因が含まれていた場合、痛みが生じる可能性があると判断し(ステップS160:Yes)、警告情報を送信する(ステップS170)。
【0033】
ユーザ端末10は、情報処理装置100から警告情報を受信すると、受信した警告情報を表示し、ユーザに認識させる(ステップS180)。
【0034】
なお本実施形態に係るユーザ端末10は、図3のステップS30に示した処理において、生活記録から痛みに影響すると考えられる期間(例えば痛みが生じたときを起点とした一定前の期間:例えば3日間)の記録だけを選別して送信する。
【0035】
本実施形態によっても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、ユーザ端末10のユーザに対し、痛みが生じる可能性が高くなったときに、その旨を伝えることができる。従って、ユーザは、生活に気をつけることにより、痛みが発生することを未然に防ぐことができる。
【0036】
(第3の実施形態)
図8は、第3の実施形態に係る情報処理装置100が行う処理を示すフローチャートである。本実施形態において、気象サーバ20は、気象情報を、位置情報に対応付けて記憶している。ユーザ端末10は、日時及び生活記録とともに、ユーザがその日にいた位置を示す位置情報を情報処理装置100に送信する。そして情報処理装置100は、ユーザ端末10から受信した位置情報に対応する気象情報を、気象サーバ20から取得する。以下、詳細に説明する。
【0037】
本実施形態において、ユーザ端末10は携帯型の端末である。ユーザ端末10は、例えばGPS情報を用いてユーザ端末10の位置情報を生成しておく(ステップS2)。この位置情報は、ユーザ端末10のユーザがその日にいた場所を示していると考えられる。
【0038】
次いでユーザ端末10には、ユーザが痛みを感じたときの生活記録、及び痛みを感じたときの日時が入力される(ステップS10)。次いでユーザ端末10は、入力された生活記録及び日時を、ステップS2で生成した位置情報とともに情報処理装置100に送信する(ステップS22)。
【0039】
情報処理装置100の生活記録取得部110は、ユーザ端末10から、生活記録、日時、及び位置情報を受信する。すると情報処理装置100の気象情報取得部120は、生活記録取得部110が受信した日時に対応する気象情報を気象サーバ20に要求するとともに、ステップS22で送信された位置情報を気象サーバ20に送信する(ステップS32)。気象サーバ20は、気象情報取得部120から送信された日時及び位置情報に対応する気象情報を、気象情報取得部120に送信する(ステップS40)。
【0040】
その後の処理(ステップS50〜ステップS70)は、図3に示した処理と同様である。
【0041】
本実施形態によっても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、情報処理装置100は、ユーザ端末10のユーザがいた場所に対応する気象情報を気象サーバ20から取得することができるため、さらに高い精度で、そのユーザにおいて痛みを誘発する要因を認識することができる。
【0042】
(第4の実施形態)
図9は、第4の実施形態に係る情報処理装置100の使用環境を示す図である。本実施形態において情報処理装置100は、通信網50を介してEHR(Electronic Helth Record)サーバ30にも接続する。そして情報処理装置100は、ユーザのヘルスケア情報をEHRサーバ30から読み出し、生活記録及び気象情報とともに原因情報に対してマッチング処理を行う。ヘルスケア情報には、既往歴、薬の処方履歴、食事及び嗜好品の摂取量及び摂取時間、及び運動習慣などの生活上のイベントが含まれている。
【0043】
図10は、図9に示した情報処理装置100の機能構成を示すブロック図である。本実施形態において情報処理装置100は、EHR読出部160を備えている点を除いて、第2の実施形態に係る情報処理装置100と同様の構成である。EHR読出部160は、EHRサーバ30からユーザのヘルスケア情報を読み出す。
【0044】
図11は、図10に示した情報処理装置100の第1の動作を示すフローチャートである。本図に示す処理は、ユーザが痛みを感じたときの処理であり、ステップS40に示す処理までは、ユーザ端末10が日時及び生活記録とともにユーザ識別情報を送信する(ステップS20)点を除いて、図3に示したフローチャートと同様である。ユーザ識別情報は、情報処理装置100の生活記録取得部110によって取得される。
【0045】
情報処理装置100の気象情報取得部120が気象サーバ20から気象情報を受信する(ステップS40)と、EHR読出部160は、生活記録取得部110が取得したユーザ識別情報に対応するヘルスケア情報を、EHRサーバ30に要求する(ステップS42)。EHRサーバ30は、要求されたヘルスケア情報を情報処理装置100に送信する(ステップS44)。そして分析部130は、原因記憶部140から原因情報を読み出し、読み出した原因情報を、生活記録、気象情報、及びヘルスケア情報に対してマッチング処理を行う(ステップS50)。このマッチング処理の詳細は、第1の実施形態で説明した通りである。
【0046】
その後の処理(ステップS60及びステップS70)については、図3と同様である。
【0047】
図12は、図10に示した情報処理装置100の第2の動作を示すフローチャートである。本図に示す処理は、ユーザが痛みを感じていないときの処理であり、ステップS140に示す処理までは、ユーザ端末10が日時及び生活記録とともにユーザ識別情報を送信する(ステップS120)点を除いて、図7に示したフローチャートと同様である。このユーザ識別情報は、ユーザ端末10が予め記憶していても良いし、ステップS110においてユーザによって入力されても良い。ユーザ識別情報は、情報処理装置100の生活記録取得部110によって取得される。
【0048】
気象情報取得部120が気象サーバ20から気象情報を受信する(ステップS140)と、EHR読出部160は、生活記録取得部110が取得したユーザ識別情報に対応するヘルスケア情報を、EHRサーバ30に要求する(ステップS142)。EHRサーバ30は、EHR読出部160が送信したユーザ識別情報に対応するヘルスケア情報を、EHR読出部160に送信する(ステップS144)。そして分析部130は、原因記憶部140から原因情報を読み出し、読み出した原因情報を、生活記録、気象情報、及びヘルスケア情報に対してマッチングする(ステップS150)。このマッチング処理の詳細は、第1の実施形態で説明したとおりである。
【0049】
その後の処理(ステップS160,S170)については、図7と同様である。
【0050】
本実施形態によっても、第3の実施形態と同様の効果を得ることができる。またヘルスケア情報も参照しているため、さらに高い精度で痛みを誘発する要因のマッチング処理を行うことができる。
【0051】
(第5の実施形態)
図13は、第5の実施形態に係る情報処理装置100の機能構成を示すブロック図である。本実施形態における情報処理装置100は、入力画面記憶部115、分析結果記憶部150、及び入力画面生成部170を備えている点を除いて、第4の実施形態に係る情報処理装置100と同様の構成である。
【0052】
入力画面記憶部115は、生活記録を入力するための入力画面をユーザ端末10に表示させるための入力画面データを記憶している。入力画面記憶部115が記憶している入力画面データは、生活記録取得部110によってユーザ端末10に送信される。
【0053】
分析結果記憶部150は、分析部130のマッチング処理結果、具体的には分析部130によって選択された要因を記憶している。そして入力画面生成部170は、入力画面データを生成する。また入力画面生成部170は、分析結果記憶部150が記憶しているマッチング処理結果に基づいて、入力画面記憶部115が記憶している入力画面データを更新する。具体的には、入力画面生成部170は、原因記憶部140が記憶している要因に基づいて、入力画面に表示させるべき複数の入力項目それぞれに対して表示の優先度を更新する処理を行う。そして入力画面生成部170は、優先度が高い入力項目から順に表示が行われるように、入力画面データを更新する。
【0054】
また入力画面生成部170は、EHR読出部160が取得したヘルスケア情報を用いて、入力画面データの初期データを生成する。
【0055】
図14は、入力画面生成部170が入力画面データの初期データを生成する処理を示すフローチャートである。まず生活記録取得部110は、ユーザ端末10に対し、登録画面データを送信する(ステップS200)。ユーザ端末10は、受信した登録画面データを用いて登録画面を表示する。ユーザ端末10のユーザは、ユーザ端末10に表示された登録画面に対して入力を行う(ステップS210)。ここで行う入力には、EHRにおけるユーザ識別情報、及び登録情報である。登録情報には、例えば登録画面に表示された質問項目に対する回答も含まれる。次いでユーザ端末10は、登録画面に入力されたユーザ識別情報及び登録情報を情報処理装置100に送信する(ステップS220)。送信された情報は、情報処理装置100の生活記録取得部110が取得する。
【0056】
次いでEHR読出部160は、生活記録取得部110が取得したユーザ識別情報に対応するヘルスケア情報をEHRサーバ30に要求する(ステップS230)。EHRサーバ30は、EHR読出部160が送信したユーザ識別情報に対応するヘルスケア情報を、EHR読出部160に送信する(ステップS240)。
【0057】
そして入力画面生成部170は、EHR読出部160が受信したヘルスケア情報を用いて、入力画面データの初期データを生成する(ステップS250)。例えば入力画面生成部170は、ヘルスケア情報に含まれる処方済みの医薬品や、薬局で購入した一般医薬品、及び薬局が入力した服薬説明を用いて、図4に示した薬に関連する項目を生成する。
【0058】
次いで入力画面生成部170は、入力画面データの初期データを入力画面記憶部115に記憶させる(ステップS260)。
【0059】
図15は、入力画面生成部170が入力画面データを更新する処理を示すフローチャートである。まず情報処理装置100の生活記録取得部110は、入力画面記憶部115から入力画面データを読み出し、読み出した入力画面データをユーザ端末10に送信する(ステップS4)。
【0060】
ステップS10〜ステップS70までの処理は、図11と同様であるため、説明を省略する。
【0061】
情報処理装置100の分析部130は、マッチング処理結果をユーザ端末10に送信する(ステップS60)とともに、マッチング処理結果を、ステップS20で受信した、痛みを感じた日時に対応付けて分析結果記憶部150に記憶させる(ステップS80)。このようにして、分析結果記憶部150には、ユーザ端末10のユーザが痛みを感じたときのマッチング処理結果が蓄積されていく。
【0062】
次いで入力画面生成部170は、分析結果記憶部150に新たに記憶されたマッチング処理結果を用いて、入力画面データを更新する(ステップS82)。例えば入力画面生成部170は、分析結果記憶部150に記憶されているマッチング処理結果を統計処理し、出現頻度の高い順に、入力画面における入力項目を並べ替える。
【0063】
またステップS82で示した統計処理結果、又はこの統計処理結果を複数段階評価に置き換えた結果は、そのユーザにおける痛みの要因(項目)の影響度を示している。このため、図16に示すように、入力画面生成部170は、入力画面において、要因の影響度がその要因に対応付けて表示されるようにしても良い。
【0064】
以上、本実施形態によれば、第4の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、入力画面生成部170は、分析結果記憶部150に新たに記憶されたマッチング処理結果を用いて、入力画面における入力項目を並べ替える。従って、ユーザ端末10のユーザは、時間が無いときなどにおいて、重要な項目から順に生活記録を入力することができる。
【0065】
また図16に示すように、入力画面において、要因の影響度がその要因に対応付けて表示されると、ユーザ端末10のユーザは、時間が無いときなどにおいて、重要な項目から順に生活記録を入力しやすくなる。
【0066】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。例えば情報処理装置100は、気象サーバ20が記憶している気象情報を記憶していても良い。この場合、気象情報取得部120は、気象サーバ20ではなく情報処理装置100の内部から、必要な気象情報を読み出す。
【符号の説明】
【0067】
10 ユーザ端末
20 気象サーバ
30 EHRサーバ
50 通信網
100 情報処理装置
110 生活記録取得部
115 入力画面記憶部
120 気象情報取得部
130 分析部
140 原因記憶部
150 分析結果記憶部
160 EHR読出部
170 入力画面生成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生活状況に関する記録である生活記録、及び痛みが生じたときの日付を取得する生活記録取得手段と、
前記生活記録取得手段が取得した前記日付に対応する気象情報を、気象情報を記憶する気象情報記憶手段から読み出す気象情報読出手段と、
痛みを誘発する要因となりうる複数の事象それぞれを示す原因情報を記憶した原因記憶手段から前記原因情報を読み出し、読み出した前記原因情報を、前記生活記録取得手段が取得した前記生活記録及び前記気象情報読出手段が読み出した前記気象情報に対してマッチング処理を行い、前記マッチング処理結果を出力する分析手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置において、
前記気象情報記憶手段は、前記情報処理装置の外部に設けられており、
前記気象情報読出手段は、通信回線を介して前記気象情報記憶手段から前記気象情報を読み出す情報処理装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の情報処理装置において、
前記マッチング処理結果は、前記生活記録及び前記気象情報のうち前記原因情報に一致する前記事象を選択する処理であり、
前記選択された事象を記憶する分析結果記憶手段をさらに備える情報処理装置。
【請求項4】
請求項3に記載の情報処理装置において、
前記生活記録取得手段は、痛みが生じていないときの前記生活状況及びその日付の入力を取得し、
前記分析手段は、前記分析結果記憶手段が記憶している前記選択された事象と、痛みが生じていないときの前記生活記録とのマッチング処理を行い、このマッチング処理の結果に基づいて警告処理を行う情報処理装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記気象情報記憶手段は、位置情報別に前記気象情報を記憶しており、
前記生活記録取得手段は、前記生活記録及び前記日付とともに、位置情報の入力を取得し、
前記気象情報読出手段は、前記生活記録取得手段が取得した前記位置情報に対応する前記気象情報を読み出す情報処理装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記生活記録取得手段は、通信回線を介して前記生活記録及び前記日付の入力を取得する情報処理装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記生活記録取得手段は、ユーザ識別情報の入力をさらに取得し、
EHR(Electronic Helth Record)に前記ユーザ識別情報に対応付けて記憶されているヘルスケア情報を読み出すEHR読出手段をさらに備え、
前記分析手段は、さらに、前記マッチング処理において、前記EHR情報読出手段が読み出した前記ヘルスケア情報と、前記原因情報とのマッチング処理も行う情報処理装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記生活記録取得手段は、痛みが生じていなかったときの前記生活記録の入力を行うための入力画面を表示し、
前記分析手段のマッチング処理結果に基づいて、前記入力画面に表示させるべき複数の入力項目それぞれに対して表示の優先度を定める処理を行う入力画面生成手段をさらに備える情報処理装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記痛みは頭痛である情報処理装置。
【請求項10】
コンピュータが、痛みが生じたときの生活状況に関する記録である生活記録、及び痛みが生じたときの日付を取得し、
前記コンピュータが、前記生活記録とともに取得した前記日付に対応する気象情報を、気象情報を記憶する気象情報記憶手段から読み出し、
前記コンピュータが、痛みを誘発する要因となりうる複数の事象それぞれを示す原因情報を記録した原因記憶手段から前記原因情報を読み出し、読み出した前記原因情報を、前記生活記録取得手段が取得した前記生活記録及び前記気象情報読出手段が読み出した前記気象情報に対してマッチング処理を行い、前記マッチング処理結果を出力する情報処理方法。
【請求項11】
コンピュータを、痛みを誘発する要因を分析するための情報処理装置として機能させるプログラムであって、
前記コンピュータに、
痛みが生じたときの生活状況に関する記録である生活記録、及び痛みが生じたときの日付を取得する機能と、
前記生活記録とともに取得した前記日付に対応する気象情報を、気象情報を記憶する気象情報記憶手段から読み出す機能と、
痛みを誘発する要因となりうる複数の事象それぞれを示す原因情報を記録した原因記憶手段から前記原因情報を読み出し、読み出した前記原因情報を、前記生活記録取得手段が取得した前記生活記録及び前記気象情報読出手段が読み出した前記気象情報に対してマッチング処理を行い、前記マッチング処理結果を出力する機能と、
を持たせるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−198860(P2012−198860A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−64101(P2011−64101)
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】