説明

情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム

【課題】地図上における選択対象を選択する選択範囲を、ユーザの意思に沿って自動で設定できる方法を提案する。
【解決手段】ユーザの行動情報を取得する行動情報取得部と、現在地情報を取得する位置情報取得部と、取得された前記行動情報と、取得された前記現在地情報とに応じて、地図上における選択対象を選択するための選択範囲を設定する選択範囲設定部と、を備える、情報処理装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話等の情報処理装置は、多機能化している。このため、ユーザは、情報処理装置に搭載されている様々な機能を用いて多様な情報を得ることができる。例えば、ユーザは、情報処理装置の画面に地図を表示し、キーワード検索等によって特定の情報(例えば、キーワードが示す位置の周辺情報等)を得る。
【0003】
また、下記の特許文献1には、移動速度の変化に適応した経路表示、地図表示、その他の表示が可能なナビゲーション装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−150839号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記の技術においては、地図上の特定の情報等を選択する際に、ユーザは選択範囲の設定等の操作を行うことが求められる。このため、ユーザの利便性を向上すべく、選択範囲の設定等の操作を行わずに、ユーザの意思に沿って選択範囲を自動で設定できる方法の実現が要請されている。
【0006】
本開示は、地図上における選択対象を選択する選択範囲を、ユーザの意思に沿って自動で設定できる方法を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示によれば、ユーザの行動情報を取得する行動情報取得部と、現在地情報を取得する位置情報取得部と、取得された前記行動情報と、取得された前記現在地情報とに応じて、地図上における選択対象を選択するための選択範囲を設定する選択範囲設定部と、を備える、情報処理装置が提供される。
【0008】
また、本開示によれば、ユーザの行動情報を取得することと、現在地情報を取得することと、取得された前記行動情報と、取得された前記現在地情報とに応じて、地図上における選択対象を選択するための選択範囲を設定することと、を含む、情報処理方法が提供される。
【0009】
また、本開示によれば、コンピュータに、ユーザの行動情報を取得することと、現在地情報を取得することと、取得された前記行動情報と、取得された前記現在地情報とに応じて、地図上における選択対象を選択するための選択範囲を設定することと、を実行させるためのプログラムが提供される。
【0010】
そして、本開示によれば、取得された行動情報と、取得された現在地情報とに応じて、地図上における選択対象を選択するための選択範囲を設定する。これにより、ユーザによる選択範囲の設定等の操作が行われなくても、ユーザの置かれたコンテキスト(位置情報、行動情報等のユーザの意思を反映した情報)に対応した有用な選択範囲が設定される。従って、地図上における選択対象を選択する選択範囲を、ユーザの意思に沿って自動で設定することが可能となる。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように本開示によれば、地図上における選択対象を選択する選択範囲を、ユーザの意思に沿って自動で設定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本開示に係る情報処理装置の構成を示す図である。
【図2】表示中の地図において、キーワード検索で、画面に提示される情報を絞り込んだ様子を示す図である。
【図3】表示中の地図において、座標値や拡大縮小率を変更することで、画面に提示される情報を変更している様子を示す図である。
【図4】本開示に係る選択範囲の設定方法の概略を説明するための図である。
【図5】本開示に係る情報処理装置の機能構成を示すブロック図である。
【図6】対象範囲の設定の実施例1を示す模式図である。
【図7】実施例1の変形例を示す模式図である。
【図8】変形例に係る楕円形の対象範囲の調整方法を示す模式図である。
【図9】実施例1に係る行動の継続時間に応じた対象範囲の調整を説明するための模式図である。
【図10】対象範囲の設定の実施例2を示す模式図である。
【図11】実施例2に係る行動の継続時間に応じた対象範囲の調整を説明するための模式図である。
【図12】対象範囲の設定の実施例3を示す模式図である。
【図13】対象範囲の設定の実施例4を示す模式図である。
【図14】実施例4の変形例を示す模式図である。
【図15】対象範囲の設定の実施例5を示す模式図である。
【図16】実施例5の変形例を示す模式図である。
【図17】行動の種類に応じた対象範囲内の選択対象の絞り込みを説明するための模式図である。
【図18】対象範囲を設定して選択対象を絞り込む際の情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0014】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.情報処理装置の概要
2.地図情報の表示
3.本開示に係る情報処理装置の機能構成
4.選択範囲の設定例
5.情報処理装置の動作
6.まとめ
【0015】
<1.情報処理装置の概要>
図1を参照しながら、本開示に係る情報処理装置100の概要について説明する。図1は、本開示に係る情報処理装置100の構成を示す図である。
【0016】
情報処理装置100は、例えば、ユーザにより使用される携帯電話、PDA等の携帯端末である。情報処理装置100は、画面に地図情報を表示し、周辺情報等を選択する機能を有する。
【0017】
図1に示すように、情報処理装置100は、入力部110と、表示部120と、通信部130と、位置情報検出部140と、モーションセンサー142と、記憶部150と、制御部160と、を有する。
【0018】
入力部110は、ユーザ端末100のユーザからの操作情報の入力を受け付ける機能を有する。入力部110は、スイッチ、ボタン、タッチパネル、キーボード、マウス等の入力装置により構成される。
【0019】
表示部120は、制御部160による制御に基づいて、各種情報を表示する機能を有する。例えば、表示部120は、地図情報を表示する。表示部120は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等の表示装置により構成される。
【0020】
通信部130は、制御部160による制御に基づいて、外部機器と通信を行う送信部及び受信部としての機能を有する通信インタフェースである。通信部130は、有線又は無線LAN、Bluetooth用の通信カード、通信用ルータ、通信用モデム等の通信装置により構成される。
【0021】
位置情報検出部140は、例えばGPS(Global Positioning System)受信機であり、外部機器と無線通信を行うことで、情報処理装置100の位置情報(緯度や経度等の情報)を検出する。例えば、GPS受信機は、複数のGPS衛星から軌道情報や時刻情報などを示すデータを受信し、データで示される情報やデータの到着時間のずれ等を基に情報処理装置100の位置を検出する。なお、位置情報検出部140は、GPS受信機に限られない。例えば、位置情報検出部140は、RFID(Radio Frequency Identification)、Wi−Fiのアクセスポイントからの情報を受信し、情報処理装置100の位置を検出しても良い。また、位置情報検出部140は、情報処理装置100(携帯電話)の携帯電話網の基地局装置から情報処理装置100が在圏するセルに関する情報などを示すデータを受信し、情報処理装置100の位置を検出しても良い。
【0022】
モーションセンサー142は、情報処理装置100の動きや状態に関する情報を検出する。モーションセンサー142として、例えば、3軸加速度センサー(加速度センサー、重力検知センサー、落下検出センサー等を含む)や3軸ジャイロセンサー(角速度センサー、手ぶれ補正センサー、地磁気センサー等を含む)が用いられる。
【0023】
記憶部150は、制御部160により使用される各種情報を記憶する機能を有する。例えば、記憶部150は、位置情報検出部140により取得された位置情報、モーションセンサー142により取得された行動情報等を記憶する。記憶部150は、磁気記憶デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス等のストレージ装置により構成される。
【0024】
制御部160は、情報処理装置100の動作全体を制御する機能を有する。例えば、制御部160は、入力部110から出力された操作情報、位置情報検出部140により取得された位置情報、モーションセンサー142により取得された行動情報等に基づいて、情報処理装置100の動作を制御することが可能である。制御部160は、CPU、ROM、RAMにより構成される。
【0025】
<2.地図情報の表示>
情報処理装置100は、上述したように、地図情報を表示し、周辺情報等を選択する機能を有する。
【0026】
以下では、本開示に係る地図情報の表示について説明する前に、図2と図3を参照しながら、比較例に係る地図情報の表示について説明する。
【0027】
図2は、表示中の地図において、キーワード(例えば、特定の店を示すキーワード)検索で、画面に提示される情報を絞り込んだ様子を示す図である。キーワード検索による絞り込みは、ユーザが検索キーワードを入力することで行われる。図2に示すように、キーワード検索に応じて、特定の店(ここでは、ムーンバックス)の位置を示す情報(アイコンやピン等)が、地図に表示されている。
【0028】
図3は、表示中の地図において、座標値や拡大縮小率を変更することで、画面に提示される情報を変更している様子を示す図である。座標値や拡大縮小率の設定は、ユーザが操作を行うことで変更される。図3に示すように、座標値の変更や拡大縮小率の変更に応じて、提示される情報(アイコンやピン等)が変更されている。
【0029】
このように、図2や図3に示す比較例においては、地図上の特定の情報等を選択する際に、ユーザは各種の設定等の操作を行うことが求められる。このため、ユーザの利便性を向上すべく、ユーザが設定等の操作を行わなくても、ユーザの意思に沿って選択範囲を自動で設定できる方法の実現が要請されている。
【0030】
本開示に係る情報処理装置100は、上述の要請に応えるべく、モーションセンサー142により取得された行動情報と、位置情報検出部140により取得された現在地情報とに応じて、地図上における選択対象(周辺情報)を選択するための選択範囲を自動的に設定する。
【0031】
図4は、本開示に係る選択範囲の設定方法の概略を説明するための図である。情報処理装置100は、取得された行動情報と現在地情報(位置情報)とに応じて、地図中の選択範囲(図4における対象範囲)を自動で設定する。情報処理装置100は、ユーザが移動している際には、選択範囲を自動的に更新して、表示を切り替える。これにより、ユーザによる選択範囲の設定等の操作が行われなくても、ユーザの置かれたコンテキスト(位置情報、行動情報等のユーザの意思を反映した情報)に対応した有用な選択範囲が設定されることになる。
【0032】
<3.本開示に係る情報処理装置の機能構成>
図5を参照しながら、情報処理装置100の機能構成について説明する。図5は、本開示に係る情報処理装置100の機能構成を示すブロック図である。
【0033】
図5に示すように、情報処理装置100は、位置情報取得部の一例である位置データ取得部210と、動作データ取得部220と、移動情報取得部の一例である移動情報算出部230と、行動情報取得部の一例である行動認識処理部240と、を有する。更に、情報処理装置100は、選択範囲設定部の一例である対象範囲決定部250と、周辺情報取得部260と、選択部の一例である周辺情報選択部270と、周辺情報提示部280と、を有する。なお、これらの機能部は、図1に示す制御部160によって実現される。
【0034】
位置データ取得部210は、情報処理装置100(ユーザ)の位置データを取得する。位置データ取得部210は、位置情報検出部140により検出された位置情報に基づいて、情報処理装置100の位置データを取得する。例えば、位置データ取得部210は、情報処理装置100(ユーザ)の現在地情報を取得する。位置データ取得部210は、取得した位置データを、移動情報算出部230と行動認識処理部240に出力する。
【0035】
動作データ取得部220は、情報処理装置100の動きや状態に関する動作データを取得する。動作データ取得部220は、モーションセンサー142により検出された情報に基づいて、情報処理装置100の動きや状態に関する動作データを取得する。行動データ取得部220は、取得した動作データを行動認識処理部240に出力する。
【0036】
移動情報算出部230は、位置データ取得部210から入力された位置データに基づいて、情報処理装置100(ユーザ)の移動情報を算出する。具体的には、情報処理装置100を携帯するユーザが移動する際に、移動情報算出部230は、位置データに基づいて、ユーザの移動方向や移動速度(すなわち移動ベクトル)を算出する。移動情報算出部230は、算出した移動情報を、対象範囲決定部250に出力する。
【0037】
行動認識処理部240は、情報処理装置100を携帯するユーザの行動を認識する。行動認識処理部240は、位置データ取得部210から入力された位置データと、動作データ取得部220から入力された動作データとに基づいて、情報処理装置100のユーザの行動を認識して、ユーザの行動情報を取得する。行動認識処理部240は、取得した行動情報を、対象範囲決定部250や周辺情報選択部270に出力する。
【0038】
行動認識処理部240は、ユーザが複数の行動をする際に、各行動の種類を識別しうる。例えば、行動認識処理部240は、ユーザが歩いているか、走っているか、電車等の乗り物に乗っているかを識別する。また、行動認識処理部240は、ユーザの行動情報として、一の行動の継続時間を算出しうる。例えば、行動認識処理部240は、ユーザが歩いている時間を算出する。さらに、情報処理装置100を携帯するユーザが、複数フロアを有する建造物内をエレベータに乗って移動する際に、行動認識処理部240は、エレベータの上昇又は下降を認識して、エレベータの上昇又は下降に関する情報を取得しうる。
【0039】
対象範囲決定部250は、行動認識処理部240により取得された行動情報と、位置データ取得部210により取得された現在地情報とに応じて、地図上における選択対象を選択するための対象範囲(選択範囲に該当)を設定する。かかる場合には、ユーザの行動情報と現在地情報に基づいて、対象範囲が自動的に設定される。このため、ユーザによる対象範囲の設定等の操作が行われなくても、ユーザの置かれたコンテキスト(位置情報、行動情報等のユーザの意思を反映した情報)に対応した有用な対象範囲が設定されることになる。
【0040】
例えば、対象範囲決定部250は、対象範囲を設定する際に、対象範囲の領域を示す形状を変更しうる。かかる場合には、ユーザの行動に合わせて、対象範囲の領域を設定できる。
【0041】
また、対象範囲決定部250は、移動ベクトルに応じて対象範囲の領域を示す形状を変更しうる。これにより、ユーザの移動方向や移動速度に応じた対象範囲が設定されるので、ユーザの移動態様から外れた対象範囲が設定されることを防止できる。
【0042】
また、対象範囲決定部250は、取得された現在地情報における現在地と、対象範囲の中心とが異なる位置になるように、対象範囲を設定しうる。これにより、ユーザの移動速度が速い場合でも、移動速度に応じて移動先の地点を中心とした対象範囲を設定できる。
【0043】
また、対象範囲決定部250は、ユーザの行動の継続時間に応じて、対象範囲の領域を示す形状を変更しうる。これにより、ユーザの行動に応じて対象範囲の広さを変えることで、行動に適した対象範囲が設定される。
【0044】
例えば、対象範囲決定部250は、行動の継続時間が長くなると、対象範囲の領域を狭く設定する。これにより、ユーザがどこへも移動しない場合に周辺情報を少しずつ限定する(又は、除外する)ことで、ユーザの状態に適した情報を提示できる。
【0045】
例えば、対象範囲決定部250は、行動の継続時間が長くなると、対象範囲の領域を広く設定する。すなわち、行動の継続時間が長くなるまで対象範囲の領域を広げないことで、ユーザが少し移動しただけで対象範囲を広く設定する場合に比べて、ユーザが移動しても、遠くの周辺情報が選択されることを防止できる。
【0046】
また、対象範囲決定部250は、エレベータの上昇中はエレベータが位置するフロアよりも上階のフロアを対象範囲に設定し、エレベータの下降中はエレベータが位置するフロアよりも下階のフロアを対象範囲に設定しうる。かかる場合には、建物内のユーザの移動方向に対応したフロアの周辺情報がユーザに提示されるので、ユーザの移動方向とは逆のフロアの周辺情報が提示されることを防止できる。
【0047】
また、対象範囲決定部250は、取得された現在地情報における現在地が対象範囲に含まれないように、対象範囲を設定しうる。これにより、ユーザの移動速度が速い場合でも、移動速度に応じて移動先の地点を中心とした対象範囲を設定できる。
【0048】
また、対象範囲決定部250は、ユーザの行動先の位置が対象範囲の中心となるように、対象範囲を設定しうる。ユーザが乗り物等に乗って移動速度が速い場合には、移動先の位置を対象範囲の中心とすることで、よりユーザの意図にマッチした地点の周囲情報を含むように設定できる。
【0049】
例えば、対象範囲決定部250は、ユーザの移動速度が大きくなると対象範囲の領域を広く設定し、ユーザの移動速度が小さくなると対象範囲の領域を狭く設定しうる。これにより、ユーザの移動速度に応じて対象範囲を臨機応変に設定できるので、よりユーザの意図にマッチした地点の周囲情報を含むように設定できる。
【0050】
周辺情報取得部260は、表示部120の画面に表示される地図における周辺情報を取得する。例えば、周辺情報取得部260は、通信部130を介して、外部機器(サーバ)等から周辺情報に関するデータを取得する。周辺情報取得部260は、取得した周辺情報を周辺情報選択部270に出力する。
【0051】
周辺情報選択部270は、対象範囲決定部250により設定された対象範囲の中から、選択対象を選択する。周辺情報選択部270は、ユーザの行動の種類に対応した選択対象を選択しうる。例えば、周辺情報選択部270は、対象範囲の中から、ユーザの行動のカテゴリと同一の周辺情報を絞り込むように、選択する。周辺情報選択部270は、絞り込んだ周辺情報を、周辺情報提示部280に出力する。
【0052】
周辺情報提示部280は、周辺情報選択部270から入力された選択情報に基づいて、表示部120に表示されうる選択対象の中からユーザの意思に沿った選択対象を、画面に提示する。また、ユーザが移動している際には、周辺情報提示部280は、対象範囲を自動的に更新して、表示を切り替えうる。
【0053】
<4.対象範囲の設定の実施例>
次に、対象範囲決定部250による対象範囲の設定の具体的な例として、以下の実施例を用いながら説明する。
【0054】
(実施例1)
図6を参照しながら、対象範囲の設定の実施例1について説明する。図6は、対象範囲の設定の実施例1を示す模式図である。
【0055】
実施例1では、ユーザの行動に応じて、対象範囲の広さが異なる。図6に示すように、対象範囲決定部250は、行動認識処理部240によりユーザが歩いていると認識された場合には、特定の半径R1の円形の対象範囲310を設定する。一方で、対象範囲決定部250は、行動認識処理部240によりユーザが走っていると認識された場合には、特定の半径R2(半径R2は、半径R1よりも大きい)の円形の対象範囲320を設定する。対象範囲決定部250は、半径R1と半径R2を、例えばユーザの移動可能な距離を考慮して、設定する。すなわち、ユーザの移動速度が大きいと、対象範囲の半径が大きく設定される。
【0056】
対象範囲決定部250は、ユーザが歩いたり走ったりしている時は、ユーザはどの方向にも進む可能性があるので、対象範囲の形状を中心から均等に広がる円形に設定する。ここで、中心は、ユーザの現在地Pに対応する。このため、ユーザの行動から外れた対象範囲が設定されることを防止できる。
【0057】
上述した実施例1によれば、ユーザの行動に応じて対象範囲の広さを変えることで、行動に適した対象範囲が設定され、ユーザは、行動に適して周辺情報を知覚することが可能となる。
【0058】
ところで、上記では、対象範囲の領域を円形の形状であるものとしたが、これに限定されない。対象範囲決定部250は、ユーザの行動に応じて、対象範囲の領域を多様な形状として設定可能である。
【0059】
図7は、実施例1の変形例を示す模式図である。この変形例においては、楕円形の対象範囲330、340が設定されている。対象範囲決定部250は、例えばユーザの移動方向と移動速度を認識できる場合に、楕円形の対象範囲330、340を設定する。すなわち、対象範囲決定部250は、ユーザの移動方向と移動速度(移動ベクトルV)が分かる場合には、楕円形の中心、長径、短径、傾きを移動ベクトルVに応じて調整する。なお、ユーザの現在地Pは、図6とは異なり、楕円形の中心から離れた位置である。
【0060】
図8を参照しながら、変形例に係る楕円形の対象範囲340の調整方法について説明する。図8は、変形例に係る楕円形の対象範囲の調整方法を示す模式図である。図8に示す楕円形の対象範囲は、下記の数式(1)〜(5)により決定される。
【0061】
【数1】

なお、aは楕円の短径、bは長径、θは傾きを示す。また、ベクトルPはユーザの現在位置を示し、ベクトルQは対象範囲の中心を示す。
【0062】
これにより、現在位置を含みながらも、ユーザの移動方向や移動速度に合わせた対象範囲が計算できる。
【0063】
また、対象範囲決定部250は、一の行動の継続時間に応じて、対象範囲の広さを調整しても良い。
【0064】
図9は、実施例1に係る行動の継続時間に応じた対象範囲350の調整を説明するための模式図である。例えば、対象範囲決定部250は、ユーザが歩いていると認識された場合に、時刻t1までは半径R1(t1)の対象範囲351とする。その後、対象範囲決定部250は、時刻t1以降で時刻t2までは半径R1(t2)の対象範囲352とし、時刻t2以降時刻t3までは半径R1(t3)の対象範囲353としても良い。すなわち、対象範囲決定部250は、行動の継続時間が長くなるほど、対象範囲350を広くする。なお、対象範囲351〜353はユーザの現在地に応じて移動するが、図9では説明の便宜上、対象範囲351〜353の中心が同じ位置に描かれている。
【0065】
このように行動の継続時間に応じて対象範囲を調整することは、以下の点で効果的である。すなわち、ユーザが少し移動しただけで対象範囲を広く設定する場合に比べて、ユーザが移動しても、一定時刻を経過するまで対象範囲を広くしないので、より遠くの周辺情報が選択されることを防止できる。この結果、ユーザに、過多な情報が提示されることを防止できる。
【0066】
(実施例2)
図10を参照しながら、対象範囲の設定の実施例2について説明する。図10は、対象範囲の設定の実施例2を示す模式図である。
【0067】
実施例2でも、ユーザの行動に応じて、対象範囲の広さが異なる。ただし、実施例1では、ユーザが移動中の対象範囲について説明したが、実施例2では、ユーザが止まっている間の対象範囲に説明する。図10に示すように、対象範囲決定部250は、行動認識処理部240によりユーザが座っていると認識された場合には、特定の半径R3の円形の対象範囲を設定する。一方で、対象範囲決定部250は、行動認識処理部240によりユーザが立っていると認識された場合には、特定の半径R4の円形の対象範囲を設定する。
【0068】
このように、実施例2でユーザが止まっていても特定の半径の対象範囲を設定する理由は、止まっているユーザがその後にどこかに移動する意思を考慮したためである。なお、ユーザは、立っている場合の方が座っている場合に比べて、移動する可能性が高いので、半径R3が半径R4(半径R4は、図6に示す半径R1よりも小さい)よりも小さく設定される。また、ユーザが座ったり立ったりしている時は、ユーザはどの方向にも進む可能性があるので、対象範囲の形状を中心から均等に広がる円形に設定されている。
【0069】
上述した実施例2においても、ユーザの行動に応じて対象範囲の広さを変えることで、行動に適した対象範囲が設定され、ユーザは、行動に適して周辺情報を知覚することが可能となる。
【0070】
ところで、実施例2においても、対象範囲決定部250は、一の行動の継続時間に応じて、対象範囲の広さを調整しても良い。
【0071】
図11は、実施例2に係る行動の継続時間に応じた対象範囲380の調整を説明するための模式図である。対象範囲決定部250は、実施例1では、行動の継続時間が長くなるほど対象範囲を広くしたが、実施例2では、行動の継続時間が長くなるほど対象範囲を狭くする。
【0072】
すなわち、図11に示すように、対象範囲決定部250は、ユーザが座っていると認識された場合に、時刻t1までは半径R3(t1)の対象範囲381とする。その後、対象範囲決定部250は、時刻t1以降で時刻t2までは半径R3(t2)の対象範囲382とし、時刻t2以降時刻t3までは半径R3(t3)の対象範囲383とする。
【0073】
このように行動の継続時間が長くなるほど対象範囲を狭くすることにより、ユーザが止まっていてどこへも移動しない場合に周辺情報を少しずつ限定する(又は、除外する)ことで、ユーザの状態に適した情報を提示できる。
【0074】
(実施例3)
図12を参照しながら、対象範囲の設定の実施例3について説明する。図12は、対象範囲の設定の実施例3を示す模式図である。
【0075】
実施例3では、ユーザが昇降体の一例であるエレベータに乗って建物内を上昇又は下降する場合の、対象範囲の設定について説明する。ここで、建物は、1階(1F)〜9階(9F)のフロアを有するものとする。
【0076】
対象範囲決定部250は、行動認識処理部240によりユーザがエレベータで建物内を上がっている(上昇中である)と認識された場合には、エレベータが位置するフロアよりも上のフロア全体を対象範囲410と設定する。例えば、図12に示すように、エレベータ411が6F付近である場合には、対象範囲決定部250は、7F〜9Fのフロア全体を対象範囲410と設定する。
【0077】
一方で、対象範囲決定部250は、行動認識処理部240によりユーザがエレベータで建物内を下がっている(下降中である)と認識された場合には、エレベータが位置するフロアよりも下のフロア全体を対象範囲420と設定する。例えば、図12に示すように、エレベータ421が6F付近である場合には、対象範囲決定部250は、1F〜5Fのフロア全体を対象範囲420と設定する。
【0078】
対象範囲決定部250は、移動中のエレベータの位置に応じて、対象範囲を更新しうる。これにより、ユーザは、エレベータの位置に適した周辺情報がリアルタイムに知覚することが可能となる。
【0079】
上述した実施例3によれば、建物内においてユーザが乗った昇降体の昇降方向に対応したフロアの周辺情報がユーザに提示されるので、ユーザの移動方向とは逆のフロアの周辺情報が提示されることを防止できる。この結果、ユーザの意思に沿った、周辺情報が提示されることとなる。なお、上記では、昇降体としてエレベータを例に挙げて説明したが、昇降体がエスカレーターである場合にも、同様な効果が奏される。
【0080】
(実施例4)
図13を参照しながら、対象範囲の設定の実施例4について説明する。図13は、対象範囲の設定の実施例4を示す模式図である。
【0081】
実施例4では、ユーザが電車に乗って移動する場合の、対象範囲の設定について説明する。例えば、対象範囲決定部250は、行動認識処理部240によりユーザが電車Tに乗って移動していると認識された場合には、図13の左図に示すように、路線における次の停車駅S1を中心とする半径R5の円形の対象範囲510を設定する。これにより、ユーザは、停車駅S1の周辺情報を予め知覚できる。
【0082】
上記では電車Tの移動方向を特定できる場合の例であったが、電車Tの移動方向が特定できない場合には、図13の真ん中の図に示すように、両隣の停車駅S2、S3を中心とした半径R5の円形の対象範囲520を設定しても良い。
【0083】
ところで、速度が一定して大きい場合には、電車が新幹線、特急、急行である可能性が高く、このような電車が停車する駅は比較的大きな都市となり、ユーザが必要な周辺情報も広範囲に及ぶ可能性がある。そこで、かかる場合には、対象範囲決定部250は、図13の右図に示すように、次の停車駅S4を中心と対象範囲530の半径を大きく設定しても良い。これにより、停車駅S4の地域全体の周辺情報を知覚することができる。
【0084】
上述した実施例4の対象範囲の設定は、ユーザが乗っている電車Tが特定の停車駅に停車することが分かっている場合に効果的であり、停車駅周辺の周辺情報をユーザが適切に知覚できる。
【0085】
ところで、上記では、電車を例に挙げて説明したが、これに限定されない。特定の場所に停車する乗り物であれば、どのような乗り物でも良く、例えば図14に示すように、ユーザがバスに乗っていると認識された場合にも、同様に対象範囲を設定できる。
【0086】
図14は、実施例4の変形例を示す模式図であり、ユーザがバスに乗っている場合を示している。対象範囲決定部250は、行動認識処理部240によりユーザがバスBに乗って移動していると認識された場合には、図14に示すように、路線における次の停留所S5を中心とする半径R5の円形の対象範囲540を設定する。なお、ユーザが、速度が一定して大きい高速バスに乗っている場合には、対象範囲決定部250は、対象範囲の半径を大きくしても良い。
【0087】
(実施例5)
図15を参照しながら、対象範囲の設定の実施例5について説明する。図15は、対象範囲の設定の実施例5を示す模式図である。
【0088】
実施例5では、ユーザが自動車に乗って移動する場合の、対象範囲の設定について説明する。例えば、対象範囲決定部250は、行動認識処理部240によりユーザが自動車Cに乗って移動していると認識された場合には、図15の左図に示すように、自動車Cの移動方向の前方に長い長方形の対象範囲550を設定する。
【0089】
ここで、対象範囲550の設定方法は、前述した図8の対象範囲340の設定方法と同様である。ただし、自動車は急には止まれない性質を有するので、前述した数式(4)の制約は満たさなくても良い。
【0090】
なお、上記では長方形の対象範囲が設定されることとしたが、自動車の移動方向が特定できない場合には、対象範囲決定部250は、正方形の対象範囲を設定しても良い。また、図15の右図に示すように、主要な交差点を中心とした矩形の対象範囲560が設定されても良い。なお、自動車の速度が大きい場合には高速道路を走行している可能性が高いので、主要なインターチェンジやパーキングエリアを中心とした矩形の対象範囲が設定されても良い。
【0091】
上述した実施例5の対象範囲の設定は、ユーザが乗っている自動車が特定の場所のみ移動することを分かっている場合に効果的であり、特定の地点周辺の周辺情報をユーザが適切に知覚できる。
【0092】
ところで、上記では、自動車を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば図16に示すように、ユーザが自転車に乗っていると認識された場合にも、同様に対象範囲を設定できる。
【0093】
図16は、実施例5の変形例を示す模式図であり、ユーザが自転車に乗っている場合を示している。対象範囲決定部250は、行動認識処理部240によりユーザが自転車Yに乗って移動していると認識された場合には、図16に示すように、自転車Yの移動方向の前方に長い長方形の対象範囲570を設定する。また、対象範囲決定部250は、移動方向の前方の交差点を中心として矩形の対象範囲を追加しても良い。
【0094】
(行動の種類に応じた対象範囲内の選択対象の絞り込み)
上記では、行動認識処理部240が行動認識としてユーザが移動又は止まっていると認識した場合(このような行動認識を、説明の便宜上、低レベルの行動認識と呼ぶ)の、対象範囲の設定について説明した。以下においては、行動認識処理部240がより高レベルの行動認識を行うことで、設定された対象範囲内の選択対象の絞り込みについて説明する。
【0095】
図17は、行動の種類に応じた対象範囲内の選択対象の絞り込みを説明するための模式図である。ここでは、低レベルの行動認識により、対象範囲610が設定されたものとして説明する。また、対象範囲610内には、食事関連施設(□で示す)と、買物関連施設(△で示す)が含まれているものとする。
【0096】
例えば、行動認識処理部240による高レベルの行動認識により、ユーザが食事中であると認識された場合には、図17の左図に示すように、周辺情報選択部270は、対象範囲610内の食事関連施設を選択して、強調して表示させる。なお、強調して表示する代わりに、他の施設を表示せずに食事関連施設のみを表示しても良い。同様に、ユーザが買物中であると認識された場合には、図17の右図に示すように、周辺情報選択部270は、対象範囲610内の買物関連施設を選択して、強調して表示させる。
【0097】
このように、対象範囲内で、ユーザの行動の種類に関連した周辺情報のみを選択することで、ユーザの行動の意図を反映した周辺情報の提示が可能となる。すなわち、低レベルの行動認識で設定された対象範囲内には、多数の周辺情報が含まれている可能性があるので、高レベルの行動認識により周辺情報を絞り込むことで、ユーザに過多な情報が提示されることを防止できる。
【0098】
<5.情報処理装置の動作>
図18を参照しながら、対象範囲を設定して選択対象を絞り込む際の情報処理装置100の動作について説明する。
【0099】
図18は、対象範囲を設定して選択対象を絞り込む際の情報処理装置100の動作を示すフローチャートである。本フローチャートは、例えば、ユーザが表示部120に地図を表示しているところから開始される。
【0100】
本処理は、制御部160のCPUがROMに格納されているプログラムを実行することによって、実現される。なお、実行されるプログラムは、CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、メモリカード等の記録媒体に記憶されても良く、インターネットを介してサーバ等からダウンロードされても良い。
【0101】
まず、行動認識処理部240は、低レベルの行動認識処理を実行する(ステップS102)。例えば、行動認識処理部240は、位置データ取得部210から入力された位置データと、動作データ取得部220から入力された動作データとに基づいて、ユーザが移動しているか、止まっているか等を認識する。
【0102】
次に、行動認識処理部240は、既知の行動へ変化したか否かを判定する(ステップS104)。そして、ステップS104で既知の行動へ変化したと判定した場合には(Yes)、対象範囲決定部250は、対象範囲を再計算する(ステップS106)。すなわち、対象範囲決定部250は、対象範囲の半径の大きさを変更等する。
【0103】
次に、周辺情報取得部260は、周辺情報を取得する(ステップS108)。周辺情報取得部260は、通信部130を介して、外部機器(サーバ)等から周辺情報に関するデータを取得する。
【0104】
なお、ステップS104で既知の行動へ変化していないと判定した場合には(No)、対象範囲決定部250は、前回設定した対象範囲を維持する。その後、ステップS108の処理が実行される。
【0105】
ステップS108の処理後、行動認識処理部240は、高レベルの行動認識処理を実行する(ステップS110)。例えば、行動認識処理部240は、ユーザが食事中か買物中か等のユーザの詳細な行動を認識する。
【0106】
次に、周辺情報選択部270は、周辺情報を絞り込む(ステップS112)。周辺情報選択部270は、設定された対象範囲内で、高レベルの行動認識処理により識別された行動に対応する周辺情報を選択する。例えば、ユーザが買物中である場合には、対象範囲内で買物関連施設を選択する。
【0107】
周辺情報提示部280は、周辺情報選択部270により絞りこまれた周辺情報を、画面の地図上に表示させる。これにより、ユーザは、対象範囲内でユーザの行動を反映した周辺情報を分別して知覚することができる。
【0108】
<6.まとめ>
上述したように、情報処理装置100は、ユーザの行動情報を取得し、現在地情報を取得する。そして、情報処理装置100は、取得された前記行動情報と、取得された前記現在地情報とに応じて、地図上における選択対象を選択するための対象範囲を設定する。
【0109】
かかる構成によれば、ユーザの行動情報と現在地情報に基づいて、対象範囲が自動的に設定される。このため、ユーザによる対象範囲の設定等の操作が行われなくても、ユーザの置かれたコンテキスト(位置情報、行動情報等のユーザの意思を反映した情報)に対応した有用な対象範囲が設定されることになる。
【0110】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0111】
また、上記の実施形態のフローチャートに示されたステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的に又は個別的に実行される処理をも含む。また時系列的に処理されるステップでも、場合によっては適宜順序を変更することが可能であることは言うまでもない。
【0112】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)ユーザの行動情報を取得する行動情報取得部と、
現在地情報を取得する位置情報取得部と、
取得された前記行動情報と、取得された前記現在地情報とに応じて、地図上における選択対象を選択するための選択範囲を設定する選択範囲設定部と、
を備える、情報処理装置。
(2)前記選択範囲設定部は、前記選択範囲を設定する際に、前記選択範囲の領域を示す形状を変更する、前記(1)に記載の情報処理装置。
(3)前記情報処理装置は、前記ユーザの行動の移動ベクトルに関する情報を取得する移動情報取得部を更に備え、
前記選択範囲設定部は、前記移動ベクトルに応じて前記選択範囲の領域を示す形状を変更する、前記(2)に記載の情報処理装置。
(4)前記選択範囲設定部は、取得された前記現在地情報における現在地と、前記選択範囲の中心とが異なる位置になるように、前記選択範囲を設定する、前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(5)前記行動情報は、前記ユーザの行動の継続時間に関する情報を含み、
前記選択範囲設定部は、前記継続時間に応じて前記選択範囲の領域を示す形状を変更する、前記(2)に記載の情報処理装置。
(6)前記選択範囲設定部は、前記継続時間が長くなると、前記選択範囲の領域を狭く設定する、前記(5)に記載の情報処理装置。
(7)前記選択範囲設定部は、前記継続時間が長くなると、前記選択範囲の領域を広く設定する、前記(5)に記載の情報処理装置。
(8)前記行動情報取得部は、複数フロアを有する建造物内で前記ユーザが乗っている昇降体の上昇又は下降に関する情報を取得し、
前記選択範囲設定部は、
前記昇降体の上昇中は前記昇降体の現在位置よりも上方のフロアを選択範囲に設定し、
前記昇降体の下降中は前記昇降体の現在位置よりも下方のフロアを選択範囲に設定する、前記(1)に記載の情報処理装置。
(9)前記選択範囲設定部は、取得された前記現在地情報における現在地が前記選択範囲に含まれないように、前記選択範囲を設定する、前記(1)〜(8)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(10)前記選択範囲設定部は、前記ユーザの行動先の位置が前記選択範囲の中心となるように、前記選択範囲を設定する、前記(9)に記載の情報処理装置。
(11)前記情報処理装置は、前記ユーザの行動の移動速度に関する情報を取得する移動情報取得部を更に備え、
前記選択範囲設定部は、
前記移動速度が大きくなると前記選択範囲の領域を広く設定し、
前記移動速度が小さくなると前記選択範囲の領域を狭く設定する、前記(1)〜(10)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(12)前記情報処理装置は、設定された前記選択範囲の中から選択対象を選択する選択部を更に備え、
前記選択部は、前記ユーザの行動の種類に対応した前記選択対象を選択する、前記(1)〜(11)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(13)ユーザの行動情報を取得することと、
現在地情報を取得することと、
取得された前記行動情報と、取得された前記現在地情報とに応じて、地図上における選択対象を選択するための選択範囲を設定することと、
を含む、情報処理方法。
(14)コンピュータに、
ユーザの行動情報を取得することと、
現在地情報を取得することと、
取得された前記行動情報と、取得された前記現在地情報とに応じて、地図上における選択対象を選択するための選択範囲を設定することと、
を実行させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0113】
100 情報処理装置
110 入力部
120 表示部
130 通信部
140 位置情報検出部
142 モーションセンサー
150 記憶部
160 制御部
210 位置データ取得部
220 動作データ取得部
230 移動情報算出部
240 行動認識処理部
250 対象範囲決定部
260 周辺情報取得部
270 周辺情報選択部
280 周辺情報提示部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの行動情報を取得する行動情報取得部と、
現在地情報を取得する位置情報取得部と、
取得された前記行動情報と、取得された前記現在地情報とに応じて、地図上における選択対象を選択するための選択範囲を設定する選択範囲設定部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記選択範囲設定部は、前記選択範囲を設定する際に、前記選択範囲の領域を示す形状を変更する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記情報処理装置は、前記ユーザの行動の移動ベクトルに関する情報を取得する移動情報取得部を更に備え、
前記選択範囲設定部は、前記移動ベクトルに応じて前記選択範囲の領域を示す形状を変更する、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記選択範囲設定部は、取得された前記現在地情報における現在地と、前記選択範囲の中心とが異なる位置になるように、前記選択範囲を設定する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記行動情報は、前記ユーザの行動の継続時間に関する情報を含み、
前記選択範囲設定部は、前記継続時間に応じて前記選択範囲の領域を示す形状を変更する、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記選択範囲設定部は、前記継続時間が長くなると、前記選択範囲の領域を狭く設定する、請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記選択範囲設定部は、前記継続時間が長くなると、前記選択範囲の領域を広く設定する、請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記行動情報取得部は、複数フロアを有する建造物内で前記ユーザが乗っている昇降体の上昇又は下降に関する情報を取得し、
前記選択範囲設定部は、
前記昇降体の上昇中は前記昇降体の現在位置よりも上方のフロアを選択範囲に設定し、
前記昇降体の下降中は前記昇降体の現在位置よりも下方のフロアを選択範囲に設定する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記選択範囲設定部は、取得された前記現在地情報における現在地が前記選択範囲に含まれないように、前記選択範囲を設定する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記選択範囲設定部は、前記ユーザの行動先の位置が前記選択範囲の中心となるように、前記選択範囲を設定する、請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記情報処理装置は、前記ユーザの行動の移動速度に関する情報を取得する移動情報取得部を更に備え、
前記選択範囲設定部は、
前記移動速度が大きくなると前記選択範囲の領域を広く設定し、
前記移動速度が小さくなると前記選択範囲の領域を狭く設定する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記情報処理装置は、設定された前記選択範囲の中から選択対象を選択する選択部を更に備え、
前記選択部は、前記ユーザの行動の種類に対応した前記選択対象を選択する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項13】
ユーザの行動情報を取得することと、
現在地情報を取得することと、
取得された前記行動情報と、取得された前記現在地情報とに応じて、地図上における選択対象を選択するための選択範囲を設定することと、
を含む、情報処理方法。
【請求項14】
コンピュータに、
ユーザの行動情報を取得することと、
現在地情報を取得することと、
取得された前記行動情報と、取得された前記現在地情報とに応じて、地図上における選択対象を選択するための選択範囲を設定することと、
を実行させるためのプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2013−83553(P2013−83553A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−223848(P2011−223848)
【出願日】平成23年10月11日(2011.10.11)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】