説明

情報処理装置、情報処理方法、情報処理システム、及びプログラム

【課題】位置情報に基づいて、進行中の道の候補が複数抽出される場合に、抽出される道の候補から進行中の道を選択することが可能な、情報処理装置、情報処理方法、情報処理システム、及びプログラムを提供する。
【解決手段】情報処理装置10は、ユーザの位置の測位結果に基づいて、上記ユーザの進行している道の候補を抽出するマップマッチング部154と、上記ユーザの進行方向の景色が撮影された映像中の標識内の文字認識による解析結果に基づいて、上記道の候補から上記ユーザの進行している道を選択する選択部158とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、情報処理システム、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えばGPS(Global Positioning System)などの位置情報を取得するための装置により取得されたユーザの現在位置を利用したサービスが普及している。このようなサービスは、従来、車両に搭載されたカーナビゲーションシステムとして、地図上にユーザの現在位置と目的地までの経路を提供するものが主流であった。ところが、現在、位置情報を取得するための装置は、携帯電話、携帯ゲーム機器、PDA(Personal Data Assistance)、ノートPC(Personal Computer)、カメラなどあらゆる携帯可能な装置に搭載されるようになってきている。そして、提供される情報は、目的地までの経路に限らず、位置情報に関連した様々な情報が提供されている。
【0003】
位置情報に関連する情報を提供する装置においては、正確な位置情報を提供するために、様々な手法が取られている。例えば、GPSで得られる絶対位置の情報と、センサなどを用いて得られる相対位置の情報とから、道路ネットワーク上の移動している経路を特定するマップマッチング技術が用いられている(例えば、特許文献1を参照)。近年は、GPSの精度の向上、及び、マップマッチング技術の向上等により位置情報の精度は向上してきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-74986号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、位置情報のうち高度に関する情報は未だ十分な精度ではなく、例えば高速道路と一般道路など複数の道路が上下に重なって並走している場合には、マップマッチングの結果、進行中の道の候補が複数抽出されてしまい、いずれの道を進行しているのかを特定することができないという問題があった。気圧計を用い、測定される気圧差から高度を判断する技術を用いても、同様にこの問題を解決することはできなかった。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、位置情報に基づいて、進行中の道の候補が複数抽出される場合に、抽出される道の候補から進行中の道を選択することが可能な、新規かつ改良された情報処理装置、情報処理方法、情報処理システム、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、ユーザの位置の測位結果に基づいて、上記ユーザの進行している道の候補を抽出するマップマッチング部と、上記ユーザの進行方向の景色が撮影された映像中の標識内の文字認識による解析結果に基づいて、上記道の候補から上記ユーザの進行している道を選択する選択部とを有する、情報処理装置が提供される。
【0008】
かかる構成によれば、情報処理装置は、マップマッチングの結果、ユーザの進行している道の候補が複数存在する場合であっても、ユーザの進行方向の景色が撮影された映像の解析結果に基づいて、いずれかの道をユーザの進行している道として選択することができる。ここで情報処理装置は、少なくとも測位情報及び解析結果に基づいて自身の位置を認識する機能を有する位置認識装置であり、例えばナビゲーション装置である。ここで、車載のナビゲーション装置の場合には、ユーザの位置は、ナビゲーション装置の位置であり、車両の位置を指すものとする。
【0009】
また、上記選択部は、上記解析結果において特定文字を有する標識の出現パターンに基づき上記ユーザの進行している道を選択してもよい。
【0010】
また、上記選択部は、上記道の候補のうちいずれかの道のみに出現すると想定される上記特定文字の出現の有無に基づき、上記ユーザの進行している道を選択してもよい。
【0011】
また、上記道の候補は、上下に重なり並走する一般道路及び高速道路であり、上記選択部は、上記一般道路又は上記高速道路のいずれかを上記ユーザの進行している道として選択してもよい。
【0012】
また、上記選択部は、上記高速道路に設置されている標識の位置情報及び上記標識に記載されている文字情報を含む標識情報を保持する記憶装置から取得された文字情報と、上記映像中の標識内の文字情報との照合結果である上記解析結果に基づいて、上記ユーザの進行している道を選択してもよい。
【0013】
また、上記情報処理装置は、上記標識情報を保持する記憶装置から取得された文字情報と、上記映像中の標識内の文字情報との照合結果に基づいて、上記記憶装置内の標識情報を更新する更新部をさらに有してもよい。
【0014】
また、上記更新部は、上記照合結果の一部が一致しないことを示すときに、上記一致しない部分について上記記憶装置内の標識情報を更新してもよい。
【0015】
また、情報処理装置は、ユーザの入力に応じて目的地を設定する目的地設定部と、上記選択部により選択される道に基づいた上記ユーザの位置情報を用いて、上記目的地までの経路を案内する経路案内部とをさらに有するものであってもよい。
【0016】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、ユーザの位置を測定する測位ステップと、上記測位の結果に基づいて、上記ユーザの進行している道の候補を抽出する抽出ステップと、上記ユーザの進行方向の景色が撮影された映像中の標識内の文字を認識する解析ステップと、上記解析ステップによる解析結果に基づいて、上記道の候補から上記ユーザの進行している道を選択する選択ステップと、を含む、情報処理方法が提供される。
【0017】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、ユーザの進行方向の景色を撮影する撮像装置と、上記ユーザの位置の測位結果に基づいて、上記ユーザの進行している道の候補を抽出するマップマッチング部と、上記撮像装置により撮影された映像中の標識内の文字を認識する解析結果に基づいて、上記道の候補から上記ユーザの進行している道を選択する選択部と、を有する情報処理装置とを有する、情報処理システムが提供される。
【0018】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータを、ユーザの位置の測位結果に基づいて、上記ユーザの進行している道の候補を抽出するマップマッチング部と、上記ユーザの進行方向の景色が撮影された映像中の標識内の文字を認識する解析結果に基づいて、上記道の候補から上記ユーザの進行している道を選択する選択部と、を有する情報処理装置として機能させるための、プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように本発明によれば、進行中の道の候補が複数抽出される場合に、抽出される道の候補から進行中の道を選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る情報処理システムの構成図である。
【図2】同実施形態にかかるナビゲーション装置の外観図である。
【図3】撮像装置により取得される映像の一例を示す説明図である。
【図4】高速道路の標識の一例を示す説明図である。
【図5】ナビゲーション装置の位置決定動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る情報処理システムの構成図である。
【図7】標識情報の一例を示す表である。
【図8】同実施形態における解析及び選択処理について説明するための説明図である。
【図9】ナビゲーション装置が携帯電話である場合の外観図である。
【図10】携帯電話の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0022】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.第1の実施の形態(文字情報の出現ルールを用いる例)
2.第2の実施の形態(標識情報との照合結果を用いる例)
3.第3の実施の形態(携帯電話による実施例)
【0023】
<1.第1の実施形態>
[情報処理システムの構成]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施形態に係る情報処理システムの概略構成について説明する。
【0024】
情報処理システム1は、情報処理装置10と撮像装置20とを主に有する。情報処理装置10は、少なくとも測位情報及び解析情報に基づいて自身の位置を認識する機能を有する位置認識装置である。また、本実施形態においては、情報処理装置10は、認識される位置情報に基づいて目的地までの経路を案内するナビゲーション装置である。以下、この情報処理装置10をナビゲーション装置10aという。
【0025】
ナビゲーション装置10aは、例えば図2に示す外観を有するPND(Personal Navigation Device)である。図2は、ナビゲーション装置10の外観図である。ナビゲーション装置10aは、目的地までの経路を案内するとともに、位置情報に対応付けられた各種の情報をユーザに提供する機能を有する携帯型ナビゲーション装置である。ナビゲーション装置10は、表示部12を有し、車両のダッシュボード上に吸盤16を介して取付けられたクレードル14によって保持される。
【0026】
このナビゲーション装置10は、現在位置を取得する機能を有するとともに、地図データを記憶している。このため、地図上に現在位置の情報を重畳して表示部12に表示させることができる。
【0027】
撮像装置20は、レンズを介して静止画像又は動画像である映像を撮影する装置である。撮像装置20とナビゲーション装置10とは、ケーブルを介して接続され、撮像装置20は、撮影した映像をナビゲーション装置10に入力する。撮像装置20は、ナビゲーション装置10が設置される車両の進行方向の景色を撮影することができる位置に設置される。
【0028】
例えば、撮像装置20は、図3に示す映像1000を撮影する。この映像1000は、ナビゲーション装置10の有する解析部により解析されるが、本発明の一実施形態係るナビゲーション装置10aは、この映像1000中の文字認識結果である解析結果を用いる。このため、撮像装置20は、映像1000中の標識1010に記載された文字を認識することができるように、標識1010を撮影することができる可能性の高い位置に設置されることが望ましい。
【0029】
ナビゲーション装置10aは、表示部12と、記憶部102と、操作部104と、音声出力部106と、インタフェース部108と、ナビゲーション機能ユニット110とを主に有する。
【0030】
表示部12は、地図データに現在位置を示す情報を重畳した画面を出力する表示装置である。この表示部12は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機EL(Electroluminescence)ディスプレイなどの表示装置であってもよい。
【0031】
記憶部102は、ナビゲーション装置10aが動作するためのプログラムや、地図データなどを記憶する記憶媒体である。なお、この記憶部102は、例えば、Flash ROM(又はFlash Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)などの不揮発性メモリ、ハードディスクおよび円盤型磁性体ディスクなどの磁気ディスク、CD(Compact Disc)、DVD−R(Digital Versatile Disc Recordable)およびBD(Blu−Ray Disc(登録商標))などの光ディスク、並びに、MO(Magneto Optical)ディスクなどの記憶媒体であってもよい。
【0032】
操作部104は、ユーザによる操作指示を受付け、その操作内容をナビゲーション機能ユニット110に出力する。ユーザによる操作指示としては、例えば、目的地の設定、地図の拡大および縮小、音声案内設定、画面表示設定などが挙げられる。
【0033】
また、この操作部104は、表示部12と一体的に設けられるタッチスクリーンであってもよい。或いは、操作部104は、ボタン、スイッチ、およびレバーなど、表示部12と分離して設けられる物理的構成であってもよい。また、操作部104は、リモートコントローラから送信されたユーザによる操作指示を示す信号を検出する信号受信部であってもよい。
【0034】
音声出力部106は、音声データを出力する出力装置であり、例えば、スピーカなどであってよい。この音声出力部106は、例えば、ナビゲーションにかかる音声ガイダンスを出力する。ユーザは、この音声ガイダンスを聞くことにより表示部12を見なくても目的地までの経路を知ることができる。
【0035】
インタフェース部108は、外部の装置と接続するためのインタフェースである。本実施形態においては、撮像装置20とケーブルを介して接続するためのコネクタを含むインタフェースである。インタフェース部108は、撮像装置20が無線の通信機能を有する場合には、撮像装置20と無線リンクを介して接続するための通信インタフェースであってもよい。
【0036】
ナビゲーション機能ユニット110は、ナビゲーションの機能を実現するための構成であり、GPSアンテナ112と、制御部130とを主に有する。制御部130は、GPS処理部132とナビゲーション部150とを有する。ナビゲーション部150は、目的地設定部152と、マップマッチング部154と、解析部156と、選択部158と、経路案内部162との機能を主に有する。
【0037】
また、GPSアンテナ112とGPS処理部132とはGPSを用いた測位部としての機能を有する。GPSアンテナ112は、複数のGPS衛星からのGPS信号を受信することができ、受信したGPS信号をGPS処理部132に入力する。なお、ここで受信されるGPS信号には、GPS衛星の軌道を示す軌道データと、信号の送信時刻などの情報が含まれている。
【0038】
GPS処理部132は、GPSアンテナ112から入力された複数のGPS信号に基づいて当該PND10の現在位置を示す位置情報を算出し、算出した位置情報をナビゲーション部150に供給する。具体的には、GPS処理部132は、複数のGPS信号をそれぞれ復調することにより得られる軌道データから各GPS衛星の位置を算出し、GPS信号の送信時刻と受信時刻との差分から各GPS衛星から当該PND10との距離を算出する。そして、算出された各GPS衛星の位置と、各GPS衛星から当該PND10までの距離とに基づいて、現在の3次元位置を算出する。
【0039】
ナビゲーション部150は、測位部による測位結果に基づいてユーザにより設定される目的地までの経路を案内する機能を有する。具体的には、目的地設定部152は、例えばユーザが操作部104を用いて入力した操作情報から、ユーザが辿り着きたい場所である目的地を設定する。この目的地設定部152は、例えば目的地を住所、名称、電話番号、またはジャンルから検索する画面、或いは、目的地を予めユーザが登録した登録地点から選択する画面を生成して表示部12に表示させる。そしてこの画面表示に対してユーザが操作部104を用いて行う操作情報を取得して目的地を設定する。
【0040】
マップマッチング部154は、測位部により取得される測位情報に基づいて、ユーザの地図上の位置を取得する。具体的には、マップマッチング部154は、測位部による測位情報の履歴から、道路ネットワーク上の移動している経路を特定する。すなわち、マップマッチング部154は、ユーザの位置の測位結果に基づいて、ユーザの進行している道の候補を抽出する。かかる構成により、ユーザの位置が補正される。
【0041】
マップマッチング部154は、測位情報に基づいて、ユーザの位置の候補が複数存在する場合には、撮像装置20に映像を取得させるとともに、解析部156に取得される映像の解析を実行させる。ユーザの位置の候補が複数存在する場合の例としては、一般道路及び高速道路が上下に重なり並走している場合が挙げられる。上述の通り、高度に関する情報の精度が十分でないために、従来のナビゲーション装置10aは、上下に重なり並走している一般道路と高速道路とのいずれを走行しているのかを区別することが苦手である。このため、本実施形態に係るナビゲーション装置10aは、以下に説明する解析部156及び選択部158の機能を有する。
【0042】
解析部156は、撮像装置20により取得される映像を解析する機能を有する。解析部156は、例えば、映像中の標識を認識し、標識について解析した解析結果を出力する。例えば、解析部156は、認識した標識の色の情報を解析結果として取得する。また、解析部156は、標識中に含まれる文字情報を文字認識により解析結果として取得する。また、解析部156は、標識のみならず、映像中から認識することのできる文字情報を解析結果として取得してもよい。
【0043】
選択部158は、マップマッチング部154により抽出される、ユーザの進行している道の候補の中から、解析部156による解析結果に基づいて、ユーザの進行している道を選択する。選択部158は、解析結果において、特定文字を有する標識の出現パターンに基づき、道を選択する。例えば、本実施形態においては、選択部158は、標識の出現パターンのルールに基づいて道を選択する。標識の出現パターンのルールとしては、例えば、高速道路のみにしか出現しないと想定される特定文字の出現の有無などが挙げられる。
【0044】
選択部158は、例えば、高速道路のみにしか出現しないと想定される特定文字の出現の有無に基づいて、ユーザの進行している道の候補である一般道路と高速道路とのうち、ユーザの進行している道がいずれであるかを選択する。高速道路に設置される標識の一例が図4に示される。図4は、高速道路の標識の一例を示す説明図である。
【0045】
標識602は、高速道路上の車線のうち、本線を示す標識である。また、標識604は、パーキングエリアの存在を知らせるための標識である。標識606は、料金所までの距離を示す標識である。標識608は、出口の存在を知らせるための標識である。標識610は、料金所のうち、ETC(Electronic Toll Collection System)を利用可能なレーンを知らせるための標識である。標識612は、ジャンクション名とジャンクションまでの距離を知らせるための標識である。
【0046】
これらの標識は、基本的には高速道路においてしか用いられない。そこで、選択部158は、予め高速道路においてのみ出現すると想定される特定文字を記憶しておき、解析結果からこれらの特定文字を見つけると、ユーザが進行している道が高速道路であると判断してもよい。例えば、特定文字としては、「料金所」、「本線」、「ETC車」、「JCT(又は、ジャンクション)」などが挙げられる。ところで、高速道路において設置される標識は、緑地に白字で記されているという特徴を有する。これに対して、一般道路に設置される標識は、青地に白字で記されたものが多い。そこで、選択部158は、この色に関する情報も参酌してユーザの進行している道を選択してもよい。
【0047】
また、選択部158は、特定文字を一度認識するとユーザの進行している道を選択してもよいし、複数回特定文字を認識するまでは選択処理を継続してもよい。一度のみであれば、一般道路を走行中に偶然同様の文字情報が映りこんでしまうことも考えられるが、複数回認識できるまで継続することにより、選択の精度を高めることができる。
【0048】
また、選択部158は、所定時間の間特定文字を認識しない場合には、ユーザが進行している道として一般道路を選択してもよい。かかる場合には、精度向上のために、一旦選択した後にも、解析及び選択処理が継続されることが望ましい。
【0049】
経路案内部162は、マップマッチング部154により抽出されるユーザの位置の情報、又は、選択部158により選択されるユーザの位置の情報を現在位置として地図上に重畳して表示部12に表示させると共に、目的地への経路を探索し、当該目的地への経路を案内する機能を有する。例えば、経路案内部162は、目的地設定部152により目的地が設定されている場合には、目的地への経路を表示及び音声等により示す。ここで、目的地への経路を示す方法としては様々考えられるが、例えば、表示部12に表示された地図上に目的地の位置が含まれている場合には、経路案内部162は、その位置に目的地を示すアイコンなどを表示することで目的地の位置を示す。或いは、道路が複数に分岐している地点においては、経路案内部162は、目的地への経路の方向を示す矢印を地図上に重畳して表示部12に表示させる。
【0050】
[動作]
次に、図5を参照しながら、本発明の第1の実施形態に係るナビゲーション装置の位置決定動作について説明する。図5は、本発明の一実施形態に係るナビゲーション装置の位置決定動作を示すフローチャートである。
【0051】
まず、ナビゲーション装置10aのマップマッチング部154は、GPS処理部132から、測位による絶対位置情報を取得する(S102)。そして、マップマッチング部154は、取得した絶対位置情報に基づいて、マップマッチング処理を実行する(S104)。即ち、マップマッチング部154は、取得した絶対位置情報から道路ネットワーク上におけるユーザが進行している道の候補を抽出する。
【0052】
そして、マップマッチング部154により抽出された道の候補位置が複数あるか否かが判定される(S106)。ステップS106において道の候補が複数ない場合、即ち、道の候補が1つである場合には、ユーザが進行している道は抽出された道であると特定し、処理は終了する。
【0053】
一方、ステップS106において、道の候補が複数であると判断された場合には、解析部156は、撮像装置20から映像を取得する(S108)。そして、解析部156は、取得した映像の解析処理を実行する(S110)。ステップS108の映像の取得と、ステップS110の映像解析処理とは、走行中の道が特定されるまで継続的に行われる。
【0054】
そして、解析部156による解析結果に基づいて、選択部158は、マップマッチング部154により抽出される道の候補の中から、ユーザが進行している道を選択する(S112)。ここで、選択部158による選択の方法は上述した通りである。
【0055】
[効果の例]
以上説明したように、本発明の第1の実施形態に係る情報処理システム1は、マップマッチング処理の結果、ユーザの進行している道の候補が複数存在する場合に、撮像装置の撮影する映像の解析結果に基づいていずれかの道を選択することができる。例えば、一般道路と高速道路とが上下に重なって並走している場合に、ユーザがいずれの道を走行しているのかを選択することができる。特に、映像の解析においては、文字認識の結果を用いることにより、特定文字の出現パターンに基づいてユーザの進行している道が選択される。高速道路の標識にのみ出現すると想定される特定文字についての情報に基づくと、選択部158は、特定文字の出現の有無に従って、走行中の道が高速道路であるか一般道路であるかを判断することができる。
【0056】
<2.第2の実施形態>
[情報処理システムの構成]
次に、本発明の第2の実施形態に係る情報処理システムの概略構成について図6を参照しながら説明する。図6は、第2の実施形態に係る情報処理システムの構成図である。なお、以下の説明中において第1の実施形態に係る情報処理システム1と同様の構成については説明を省略し、主に相違点についてのみ説明する。
【0057】
情報処理システム2は、ナビゲーション装置10bと、撮像装置20と、標識情報提供サーバ40とを主に有する。すなわち、情報処理システム2は、第1の実施形態に係る情報処理システム1の構成に加えて、標識情報提供サーバ40を有する。ナビゲーション装置10bは、道の候補のうちのいずれかの道に設置されている標識の情報と、撮影装置20により取得する映像中の標識の情報との照合結果に基づいて、ユーザの進行している道を選択する。この照合に用いるために、標識情報提供サーバ40は、高速道路に設置されている標識に関する情報(以下、標識情報という。)を保持する標識情報DB(データベース)402を有する。
【0058】
標識情報データベース402は、例えば、図7に示されるように、標識の位置情報802と文字情報804とを有する。位置情報802は、例えば、東経、北緯、及び高度の値を有する。文字情報804は、位置情報802により示される位置に設置される標識内の文字情報を有する。図7において示される標識情報の例は、図8に示されるポイントP1及びポイントP2において設置されている標識の情報である。
【0059】
図8に示すように、ある高速道路において、ポイントP2においては映像1200が取得され、ポイントP1においては、映像1100が取得される。ここで取得される映像から認識することができる標識内の文字情報は、同じ位置においては、標識の設置及び取り外し等がない限り同じはずである。そこで、標識情報データベース402は、この標識情報を保持し、ナビゲーション装置10bに提供する。
【0060】
ナビゲーション装置10bは、表示部12と、記憶部102と、操作部104と、音声出力部106と、インタフェース部108と、通信部114と、ナビゲーション機能ユニット110とを主に有する。即ち、ナビゲーション装置10bは、第1の実施形態に係るナビゲーション装置10aと比較して、通信部114の構成をさらに有する点において相違する。また、解析部156の出力する解析結果と、選択部158がユーザの走行している道を選択する基準とが、ナビゲーション装置10aと比較して相違する。
【0061】
通信部114は、外部の装置と接続するための通信インタフェースである。通信部114は、標識情報提供サーバ40と接続し、標識情報データベース402に対して、データ取得要求メッセージを送信し、標識情報提供サーバ40から、標識に関する所望の情報を取得する。
【0062】
解析部156は、撮像装置20により取得されるユーザの進行方向の景色が撮影された映像を解析する機能を有する。解析部156は、標識内の文字認識による解析結果を出力する。具体的には、解析部156は、映像中の標識内の文字を認識し、この映像から抽出した標識の文字情報と、標識情報提供サーバ40から取得する標識情報中の文字情報との照合結果を解析結果として出力する。
【0063】
選択部158は、解析部156による照合結果に基づいて、マッチング部により抽出される道の候補の中から、ユーザの進行している道を選択する。具体的には、標識情報データベース402が高速道路に設置されている標識の位置情報及び文字情報を有する場合には、照合結果が、映像から取得された標識内の文字情報と、標識情報データベース402内の文字情報とが一致することを示すとき、ユーザの進行している道として高速道路を選択する。
【0064】
上記実施形態においては、標識情報データベース402は、高速道路の標識に関する情報を有するものとしたが、高速道路と一般道路との双方の標識情報を有していても良い。この場合、解析部156は、それぞれの標識情報との照合結果を解析結果として出力する。或いは、マップマッチング部154により抽出される道の候補が3つ以上ある場合には、3つ以上のそれぞれの道の候補に対応する標識情報が保持されていてもよい。
【0065】
かかる構成により、予め保持された標識情報との照合結果に基づいて、ユーザの進行している道が選択される。第1の実施形態においては、いずれかに道にしか存在しないと「想定される」標識に関する情報に基づいて、ユーザの進行している道が選択されたが、本実施形態によれば、それぞれの道に存在している可能性のより高い標識情報に基づいて、ユーザの進行している道が選択される。このため、選択の精度が向上することが期待される。
【0066】
ところが、標識情報も変化することが考えられる。そこで、標識情報提供サーバ40は、更新部404の構成を有する。この更新部404は、それぞれのナビゲーション装置10の解析部156の解析結果を収集および分析する。そして、分析の結果、ある道から抽出される標識情報の結果が所定の回数一致し、かつ、データベースの内容と相違している場合には、抽出された標識情報を正しい情報であると判断し、データベース内の標識情報を更新する。かかる構成により、人手により特別の調査及びメンテナンスを必要とせず、標識情報を新しい情報に更新することのできる、自動データベース更新システムが実現できる。
【0067】
<3.第3の実施の形態(携帯電話)>
ここまで第1の実施形態及び第2の実施形態としてナビゲーション装置はPNDである場合について説明してきたが、ナビゲーション装置はかかる例に限定されない。例えば、以下に第2の実施形態として説明する携帯電話30であってもよい。
【0068】
図9は、第3の実施形態にかかる携帯電話30の外観図である。図9に示したように、第3の実施形態による携帯電話30は、表示部302と、操作部304と、スピーカ324とを有する。また、携帯電話30は、第1の実施形態及び第2の実施形態にかかるPNDと同様、クレードル303を介して、吸盤306により車両に取り付けるようになされていてもよい。
【0069】
図10は、第2の実施形態にかかる携帯電話30の機能構成を示したブロック図である。図10に示したように、第2の実施形態に係る携帯電話30は、ナビゲーション機能ユニット110と、表示部302と、操作部304と、記憶部308と、携帯電話機能ユニット310と、統括制御部334とを有する。
【0070】
携帯電話機能ユニット110は、表示部302、操作部304、および記憶部308と接続されている。因みに、図10では表示を簡略化しているが、表示部302、操作部304、および記憶部308は、ナビゲーション機能ユニット110にもそれぞれ接続されている。なお、ナビゲーション機能ユニット110の詳細な構成については、図1を用いて第1の実施形態において詳述したためここでは説明を省略する。
【0071】
携帯電話機能ユニット110は、通話機能や電子メール機能などを実現するための構成であり、通信アンテナ312と、マイクロホン314と、エンコーダ316と、送受信部320と、スピーカ324と、デコーダ326と、携帯電話制御部330と、を有する。
【0072】
マイクロホン314は、音声を集音し、音声信号として出力する。エンコーダ316は、携帯電話制御部330による制御に従い、マイクロホン314から入力される音声信号のデジタル変換およびエンコードなどを行い、音声データを送受信部320に出力する。
【0073】
送受信部320は、エンコーダ316から入力される音声データを所定の方式に従って変調し、通信アンテナ312から無線で携帯電話30の基地局へ送信する。また、送受信部320は、通信アンテナ312により無線信号を復調して音声データを取得し、デコーダ326に出力する。
【0074】
デコーダ326は、携帯電話制御部330による制御に従い、送受信部320から入力される音声データのデコードおよびアナログ変換などを行い、音声信号をスピーカ324に出力する。スピーカ324は、デコーダ326から供給される音声信号に基づいて音声を出力する。
【0075】
また、携帯電話制御部330は、電子メールを受信する場合、送受信部320からデコーダ326に受信データを供給し、デコーダ326に受信データをデコードさせる。そして、携帯電話制御部330は、デコードにより得られた電子メールデータを表示部302に出力して表示部302に表示させる共に、記憶部308に電子メールデータを記録する。
【0076】
また、携帯電話制御部330は、電子メールを送信する場合、操作部304を介して入力された電子メールデータをエンコーダ316にエンコードさせ、送受信部320および通信アンテナ312を介して無線送信する。
【0077】
総括制御部334は、上述した携帯電話ユニット310およびナビゲーション機能ユニット210を制御する。例えば、総括制御部334は、ナビゲーション機能ユニット210によりナビゲーション機能を実行している間に電話がかかってきた場合、ナビゲーション機能を携帯電話ユニット310による通話機能に一時的に切替え、通話終了後、ナビゲーション機能ユニット210にナビゲーション機能を再開させてもよい。
【0078】
ナビゲーション装置が携帯電話である場合には、第2の実施形態における通信部114の構成は、通信アンテナ312及び送受信部320により実現されてよい。
【0079】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0080】
例えば、上記実施形態では、撮像装置はナビゲーション装置と別の筐体であることとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、撮像装置は、ナビゲーション装置と一体に形成されてもよい。この場合には、ナビゲーション装置の一部に形成された撮像装置のレンズが、車両の進行方向の景色を捉えることのできる位置に設置されることが望ましい。
【0081】
また、上記実施形態では、撮像装置とナビゲーション装置との間はケーブルにより接続されることとしたが、本発明はかかる例に限定されない。撮像装置とナビゲーション装置とが無線の通信部を有し、無線通信路により撮影された映像を送受信してもよい。
【0082】
また、上記実施形態では、マップマッチングによりユーザの進行している道の候補が複数ある場合にのみ映像の解析処理を行うこととしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、解析は常に実行されており、道の候補が複数存在する場合にのみ選択部が解析結果を取得してもよい。
【0083】
また、上記実施形態では、ナビゲーション装置が解析部を有することとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、撮像装置が撮像した映像をインターネット上の解析サーバに送信し、ナビゲーション装置は、解析サーバによる解析結果を取得してユーザが進行中の道を選択してもよい。
【0084】
また、上記実施形態では、ナビゲーション装置は、GPSによる測位機能を有することとしたが、これに加えてセンサなどを用いた自律航法の機能を有していても良い。この場合、マップマッチング部は、GPSによる測位情報及び自律航法による測位情報の少なくともいずれかに基づいて、マップマッチング処理を行い、ユーザの走行している道の候補を抽出する。
【0085】
また、上記実施形態では、ナビゲーション装置は、高速道路の標識に関するルールに基づいて道を選択することとしたが、本発明はこれに限られない。例えば、一般道路において撮影される映像中に出現すると想定される認識物のパターンに基づいて道が選択されてもよい。例えば、信号は一般的に高速道路には存在せず一般道路のみに出現すると想定される。また、高速道路において出現すると想定される認識物のパターンと一般道路において出現すると想定される認識物のパターンとが合わせて用いられても良い。
【0086】
また、上記第2の実施形態では、インターネット上のサーバの有する標識情報データベースから標識情報を都度取得する構成としたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、ナビゲーション装置が標識情報データベースを有していても良い。この場合に、ナビゲーション装置は、日本全国の標識情報を保有していてもよいし、測位情報に基づいて、付近の標識情報を定期的に取得してもよい。
【0087】
また、上記第2の実施形態においては、標識情報データベースは、標識の位置情報と文字情報とを有することとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、標識情報データベースは、標識の文字情報に代えて、或いは、文字情報に加えて、標識の画像情報を有しても良い。
【0088】
また、上記第2の実施形態においては、更新部は標識情報提供サーバが有することとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、ナビゲーション装置が内部に有する記憶装置に標識情報を有する場合には、ナビゲーション装置が更新部の機能を有していても良い。
【0089】
尚、本明細書において、フローチャートに記述されたステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的に又は個別的に実行される処理をも含む。また時系列的に処理されるステップでも、場合によっては適宜順序を変更することが可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0090】
1,2 情報処理システム
10 ナビゲーション装置
12 表示部
102 記憶部
104 操作部
106 音声出力部
108 インタフェース部
110 ナビゲーション機能ユニット
112 GPSアンテナ
130 制御部
132 GPS処理部
150 ナビゲーション部
152 目的地設定部
154 マップマッチング部
156 解析部
158 選択部
162 経路案内部
20 撮像装置
40 標識情報提供サーバ
402 標識情報データベース
404 更新部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの位置の測位結果に基づいて、前記ユーザの進行している道の候補を抽出するマップマッチング部と、
前記ユーザの進行方向の景色が撮影された映像中の標識内の文字認識による解析結果に基づいて、前記道の候補から前記ユーザの進行している道を選択する選択部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記選択部は、前記解析結果において特定文字を有する標識の出現パターンに基づき前記ユーザの進行している道を選択する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記選択部は、前記道の候補のうちいずれかの道のみに出現すると想定される前記特定文字の出現の有無に基づき、前記ユーザの進行している道を選択する、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記道の候補は、上下に重なり並走する一般道路及び高速道路であり、
前記選択部は、前記一般道路又は前記高速道路のいずれかを前記ユーザの進行している道として選択する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記選択部は、前記高速道路に設置されている標識の位置情報及び前記標識に記載されている文字情報を含む標識情報を保持する記憶装置から取得された文字情報と、前記映像中の標識内の文字情報との照合結果である前記解析結果に基づいて、前記ユーザの進行している道を選択する、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記標識情報を保持する記憶装置から取得された文字情報と、前記映像中の標識内の文字情報との照合結果に基づいて、前記記憶装置内の標識情報を更新する更新部をさらに備える、請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記更新部は、前記照合結果の一部が一致しないことを示すときに、前記一致しない部分について前記記憶装置内の標識情報を更新する、請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
ユーザの入力に応じて目的地を設定する目的地設定部と、
前記選択部により選択される道に基づいた前記ユーザの位置情報を用いて、前記目的地までの経路を案内する経路案内部と、
をさらに備える、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
ユーザの位置を測定する測位ステップと、
前記測位の結果に基づいて、前記ユーザの進行している道の候補を抽出する抽出ステップと、
前記ユーザの進行方向の景色が撮影された映像中の標識内の文字を認識する解析ステップと、
前記解析ステップによる解析結果に基づいて、前記道の候補から前記ユーザの進行している道を選択する選択ステップと、
を含む、情報処理方法。
【請求項10】
ユーザの進行方向の景色を撮影する撮像装置と、
前記ユーザの位置の測位結果に基づいて、前記ユーザの進行している道の候補を抽出するマップマッチング部と、前記撮像装置により撮影された映像中の標識内の文字を認識する解析結果に基づいて、前記道の候補から前記ユーザの進行している道を選択する選択部と、を有する情報処理装置と、
を備える、情報処理システム。
【請求項11】
コンピュータを、
ユーザの位置の測位結果に基づいて、前記ユーザの進行している道の候補を抽出するマップマッチング部と、
前記ユーザの進行方向の景色が撮影された映像中の標識内の文字を認識する解析結果に基づいて、前記道の候補から前記ユーザの進行している道を選択する選択部と、
を有する情報処理装置として機能させるための、プログラム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−2595(P2012−2595A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−136306(P2010−136306)
【出願日】平成22年6月15日(2010.6.15)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】