説明

情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、及び記録媒体

【課題】 画像形成装置等の情報処理装置におけるセキュリティの向上と複数のユーザの並行利用の実現とを両立させること。
【解決手段】 当該情報処理装置にログインして当該情報処理装置の画面を占有しているユーザに当該情報処理装置の操作を許すような情報処理装置であって、当該情報処理装置にログインして当該情報処理装置の画面を占有しているユーザのログインを維持したままで、新たなユーザを当該情報処理装置にログインさせて新たなユーザに当該情報処理装置の画面を占有させるようなログイン処理を実行するログイン処理手段を備えることを特徴とする情報処理装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主たる機能として情報処理機能を備える情報機器/従たる機能として情報処理機能を備える電気機器等の情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、CD−ROM等の記録媒体に関する。主たる機能として情報処理機能を備える情報機器の具体例としては、パーソナルコンピュータが挙げられる。従たる機能として情報処理機能を備える電気機器の具体例としては、近年、情報処理機能の高度化が目覚しいコピー/プリンタ/スキャナ/ファクシミリ/複合機/融合機等の画像形成装置が挙げられる。
【背景技術】
【0002】
近年、コピーとプリンタとスキャナとファクシミリとしての機能を備える複合機や融合機が市販されるようになった。複合機や融合機は、撮像部や印刷部や通信部や操作表示部等のハードウェアを備えると共に、コピーとプリンタとスキャナとファクシミリに対応する4種類のソフトウェアを備え、これらのソフトウェアが切り替わることにより、コピーやプリンタやスキャナやファクシミリとして機能する。複合機や融合機は、コピーやプリンタとして機能する場合、画像を印刷用紙等に印刷することになり、コピーやスキャナとして機能する場合、画像を読取原稿等から読み取ることになり、ファクシミリとして機能する場合、画像を電話回線等を介して他の機器と授受することになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
近年、画像形成装置のセキュリティを向上させるべく、ログイン/ログアウトの概念を導入した画像形成装置が増えている。画像形成装置にログインしているユーザにのみ画像形成装置の操作を許すのである。
【0004】
ところが、ログイン/ログアウトの概念を導入した画像形成装置では、ログイン/ログアウトの概念を導入したのと引き換えに、複数のユーザの並行利用や複数のジョブの並行実行ができなくなってしまっている。これにより例えば、ジョブ割り込みを実施することができない、ジョブ予約を実施することができない、次のジョブが待たされるなどの事態が生じる。特に、複合機や融合機において複数のユーザの並行利用や複数のジョブの並行実行ができないとなると、多彩な機能を備える複合機や融合機の真価を発揮できないことにもなる。だからと言って、画像形成装置のセキュリティを無視することもできない。
【0005】
したがって、本発明は、画像形成装置等の情報処理装置におけるセキュリティの向上と複数のユーザの並行利用の実現とを両立させることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明(情報処理装置)は、当該情報処理装置にログインして当該情報処理装置の画面を占有しているユーザに当該情報処理装置の操作を許すような情報処理装置であって、当該情報処理装置にログインして当該情報処理装置の画面を占有しているユーザのログインを維持したままで、新たなユーザを当該情報処理装置にログインさせて新たなユーザに当該情報処理装置の画面を占有させるようなログイン処理を実行するログイン処理手段を備えることを特徴とする情報処理装置である。
【0007】
請求項2記載の発明(情報処理装置)は、当該情報処理装置にログインして当該情報処理装置の画面を占有してないユーザのログインを維持したままで、当該情報処理装置にログインして当該情報処理装置の画面を占有しているユーザを当該情報処理装置からログアウトさせて、当該情報処理装置を認証情報の入力待ち状態にするようなログアウト処理を実行するログアウト処理手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置である。
【0008】
請求項3記載の発明(情報処理装置)は、当該情報処理装置の画面を占有しているログインユーザによるジョブで使用される当該情報処理装置のハードウェアと、当該情報処理装置の画面を占有してないログインユーザによるジョブで使用される当該情報処理装置のハードウェアとが重複しない場合に、当該情報処理装置の画面を占有しているログインユーザによるジョブと、当該情報処理装置の画面を占有してないログインユーザによるジョブとを並行して実行することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置である。
【0009】
請求項4記載の発明(情報処理装置)は、当該情報処理装置にログインするための認証情報の入力操作を、認証情報を表す文字の入力操作をもってすることが可能であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理装置である。
【0010】
請求項5記載の発明(情報処理装置)は、当該情報処理装置にログインするための認証情報の入力操作を、認証情報が記録された記録媒体のセット操作をもってすることが可能であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の情報処理装置である。
【0011】
請求項6記載の発明(情報処理装置)は、当該情報処理装置の画面を占有するログインユーザを切り替えるための切替操作画面を提供する切替操作画面提供手段を備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の情報処理装置である。
【0012】
請求項7記載の発明(情報処理装置)は、当該情報処理装置の画面を占有してないログインユーザをログアウトさせるためのログアウト操作画面を提供するログアウト操作画面提供手段を備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の情報処理装置である。
【0013】
請求項8記載の発明(情報処理装置)は、当該情報処理装置の画面を占有してないログインユーザが存在する場合、当該情報処理装置の画面上に当該ログインユーザを表す表示物を表示しておくことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の情報処理装置である。
【0014】
請求項9記載の発明(情報処理装置)は、当該情報処理装置の画面を占有してないログインユーザが存在する場合、所定の時間の経過後に当該ログインユーザを自動的にログアウトさせることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の情報処理装置である。
【0015】
請求項10記載の発明(情報処理装置)は、当該情報処理装置の画面を占有してないログインユーザのジョブのエラーを、当該情報処理装置の画面を占有しているログインユーザに当該情報処理装置の画面で通知する通知手段を備えることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の情報処理装置である。
【0016】
請求項11記載の発明(情報処理装置)は、当該情報処理装置の画面を占有してないログインユーザのジョブのエラーを、当該情報処理装置の画面を占有しているログインユーザに当該情報処理装置の画面で通知することにするかどうかを設定するための通知設定画面を提供する通知設定画面提供手段を備えることを特徴とする請求項10に記載の情報処理装置である。
【0017】
請求項12記載の発明(情報処理装置)は、当該情報処理装置の画面を占有してないログインユーザのジョブのエラーを、メールで通知する通知手段を備えることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の情報処理装置である。
【0018】
請求項13記載の発明(情報処理装置)は、当該情報処理装置の画面を占有してないログインユーザのジョブのエラーを、メールで通知することにするかどうかを設定するための通知設定画面を提供する通知設定画面提供手段を備えることを特徴とする請求項12に記載の情報処理装置である。
【0019】
請求項14記載の発明(情報処理装置)は、当該情報処理装置の画面を占有してないログインユーザのジョブのエラーを、ランプで通知する通知手段を備えることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の情報処理装置である。
【0020】
請求項15記載の発明(情報処理装置)は、当該情報処理装置の画面を占有してないログインユーザのジョブのエラーを、ランプで通知することにするかどうかを設定するための通知設定画面を提供する通知設定画面提供手段を備えることを特徴とする請求項14に記載の情報処理装置である。
【0021】
請求項16記載の発明(情報処理装置)は、当該情報処理装置の画面を占有しているログインユーザのジョブが終了した場合、当該情報処理装置の画面を占有している状態から当該情報処理装置の画面を占有してない状態に当該ログインユーザの状態を自動的に移行させることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項に記載の情報処理装置である。
【0022】
請求項17記載の発明(情報処理装置)は、当該情報処理装置の画面を占有しているログインユーザのジョブが終了した場合、当該情報処理装置の画面を占有している状態から当該情報処理装置の画面を占有してない状態に当該ログインユーザの状態を移行させるための移行操作画面を自動的に提供することを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項に記載の情報処理装置である。
【0023】
請求項18記載の発明(情報処理装置)は、当該情報処理装置は、画像形成装置であることを特徴とする請求項1乃至17のいずれか1項に記載の情報処理装置である。
【0024】
請求項19記載の発明(情報処理方法)は、当該情報処理装置にログインして当該情報処理装置の画面を占有しているユーザに当該情報処理装置の操作を許すような情報処理装置により実行される情報処理方法であって、当該情報処理装置にログインして当該情報処理装置の画面を占有しているユーザのログインを維持したままで、新たなユーザを当該情報処理装置にログインさせて新たなユーザに当該情報処理装置の画面を占有させるようなログイン処理を実行するログイン処理段階を備えることを特徴とする情報処理方法である。
【0025】
請求項20記載の発明(情報処理方法)は、当該情報処理装置にログインして当該情報処理装置の画面を占有してないユーザのログインを維持したままで、当該情報処理装置にログインして当該情報処理装置の画面を占有しているユーザを当該情報処理装置からログアウトさせて、当該情報処理装置を認証情報の入力待ち状態にするようなログアウト処理を実行するログアウト処理段階を備えることを特徴とする請求項19に記載の情報処理方法である。
【0026】
請求項21記載の発明(情報処理方法)は、当該情報処理装置の画面を占有しているログインユーザによるジョブで使用される当該情報処理装置のハードウェアと、当該情報処理装置の画面を占有してないログインユーザによるジョブで使用される当該情報処理装置のハードウェアとが重複しない場合に、当該情報処理装置の画面を占有しているログインユーザによるジョブと、当該情報処理装置の画面を占有してないログインユーザによるジョブとを並行して実行することを特徴とする請求項19又は20に記載の情報処理方法である。
【0027】
請求項22記載の発明(情報処理方法)は、当該情報処理装置は、画像形成装置であることを特徴とする請求項19乃至21のいずれか1項に記載の情報処理方法である。
【0028】
請求項23記載の発明(情報処理プログラム)は、請求項19乃至22のいずれか1項記載の情報処理方法をコンピュータに実行させる情報処理プログラムである。
【0029】
請求項24記載の発明(記録媒体)は、請求項19乃至22のいずれか1項記載の情報処理方法をコンピュータに実行させる情報処理プログラムが記録されたコンピュータ読取可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0030】
このように、本発明は、画像形成装置等の情報処理装置におけるセキュリティの向上と複数のユーザの並行利用の実現とを両立させることを可能にする。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図25は、本発明の実施例に該当する情報処理装置11を表す。図25の情報処理装置11は、種々のハードウェア21と、種々のソフトウェア22と、起動部23により構成される。
【0032】
情報処理装置11のハードウェア21としては、CPUやROMやRAMやHDD等により構成される情報処理部、MODEMやNIC等により構成される通信部、キーボードやマウスやディスプレイ等により構成される操作表示部が存在する。
【0033】
情報処理装置11のソフトウェア22としては、種々のアプリケーション31、種々のプラットフォーム32が存在する。プラットフォーム32としては、情報処理部に関する制御を行うモジュール、通信部に関する仲介を行うモジュール、操作表示部に関する制御を行うモジュール、ユーザ情報の管理に関する制御を行うモジュール、システムの管理に関する制御を行うモジュールが存在する。これらのプログラムは、UNIX(登録商標)等のOS(オペレーティングシステム)によりプロセス単位で並列的に実行される。
【0034】
起動部23は、情報処理装置11の電源投入時に最初に実行される。これにより、UNIX(登録商標)等のOSが起動され、アプリケーション31やプラットフォーム32が起動される。これらのプログラムは、HDDやメモリカードに蓄積されており、HDDやメモリカードから再生されて、RAMに起動されることになる。
【0035】
図25の情報処理装置11の例としては、主たる機能として情報処理機能を備える情報機器や、従たる機能として情報処理機能を備える電気機器等が挙げられる。主たる機能として情報処理機能を備える情報機器の具体例としては、パーソナルコンピュータが挙げられる。従たる機能として情報処理機能を備える電気機器の具体例としては、近年、情報処理機能の高度化が目覚しいコピー/プリンタ/スキャナ/ファクシミリ/複合機/融合機等の画像形成装置が挙げられる。以下、情報処理装置11の具体例である融合機101について説明する。
【0036】
図1は、本発明の実施例に該当する融合機101を表す。図1の融合機101は、種々のハードウェア111と、種々のソフトウェア112と、融合機起動部113により構成される。図1の融合機101は、コピーやプリンタやスキャナやファクシミリとして機能することができる。
【0037】
融合機101のハードウェア111としては、撮像部121と、印刷部122と、その他のハードウェア123が存在する。
【0038】
撮像部121は、原稿から画像(画像データ)を読み取るためのハードウェアであり、コピーやスキャナやファクシミリとして機能する際に使用される。撮像部121は、白黒画像用の物でもカラー画像用の物でもよい。撮像部121は、原稿に関する機構として、原稿セット部等を備える。
【0039】
印刷部122は、画像(画像データ)を印刷用紙等の印刷媒体に印刷するためのハードウェアであり、コピーやプリンタやファクシミリとして機能する際に使用される。印刷部122は、白黒画像用の物でもカラー画像用の物でもよい。印刷部122は、ここでは電子写真方式を採用しており、感光体、帯電機、露光機、現像機、転写機、定着機等を備える。印刷部122は、印刷用紙等に関する機構として、給紙部、排紙部、印刷用紙等搬送機構等を備える。
【0040】
その他のハードウェア123については、図2において説明する。
【0041】
融合機101のソフトウェア112としては、種々のアプリケーション131と、種々のプラットフォーム132が存在する。これらのプログラムは、UNIX(登録商標)等のOS(オペレーティングシステム)によりプロセス単位で並列的に実行される。
【0042】
アプリケーション131は、コピーやプリンタやスキャナやファクシミリ等の機能に固有な情報処理を実行するためのソフトウェアである。アプリケーション131としては、コピー用のアプリケーションであるコピーアプリ141と、プリンタ用のアプリケーションであるプリンタアプリ142と、スキャナ用のアプリケーションであるスキャナアプリ143と、ファクシミリ用のアプリケーションであるファクシミリアプリ144と、ネットワークファイル用のアプリケーションであるネットワークファイルアプリ145が存在する。ネットワークファイルアプリ145は、HTML文書等の閲覧用のWebブラウザや、HTML文書等の配信用のWebサーバソフトにより構成される。
【0043】
プラットフォーム132は、アプリケーション131からの処理要求に関する情報処理を実行するためのソフトウェアである。アプリケーション131からの処理要求の受信には、予め定義されている関数により処理要求を受信するアプリケーションプログラムインタフェース(API)133を利用して、要求内容の実施には、エンジンインタフェース134を利用する。プラットフォーム132としては、種々のコントロールサービス151と、システムリソースマネージャ152と、種々のハンドラ153が存在する。
【0044】
コントロールサービス151は、アプリケーション131からの処理要求を解釈して、解釈結果に応じてハードウェア111の獲得要求を発生させる。コントロールサービス151としては、ネットワークコントロールサービス(NCS)161と、ファクシミリコントロールサービス(FCS)162と、デリバリコントロールサービス(DCS)163と、エンジンコントロールサービス(ECS)164と、メモリコントロールサービス(MCS)165と、オペレーションパネルコントロールサービス(OCS)166と、サーティフィケーションコントロールサービス(CCS)167と、ユーザディレクトリコントロールサービス(UCS)168と、システムコントロールサービス(SCS)169が存在する。
【0045】
NCS161のプロセスは、ネットワーク等を介してデータ通信を行うための仲介を行う。FCS162のプロセスは、ファクシミリとして画像データ通信・画像データ読取・画像データ印刷等を行うためのAPIを提供する。DCS163のプロセスは、融合機101に蓄積された文書データの配信に関する制御を行う。ECS164のプロセスは、撮像部121や印刷部122等のエンジン部に関する制御を行う。MCS165のプロセスは、画像データ記憶・画像データ処理等のメモリやハードディスクドライブに関する制御を行う。OCS166のプロセスは、オペレーションパネルに関する制御を行う。CCS167のプロセスは、認証処理や課金処理に関する制御を行う。UCS168のプロセスは、ユーザ情報の管理に関する制御を行う。SCS169のプロセスは、システムの管理に関する制御を行う。
【0046】
システムリソースマネージャ(SRM)152は、ハードウェア111の獲得要求を調停して、調停結果に応じて要求内容を実施するための制御を行う。詳細に言うと、SRM152のプロセスは、獲得要求に係るハードウェア111が利用可能か否か(他の獲得要求と競合しないか否か)を判定して、利用可能である場合にはその旨をコントロールサービス151の各プロセスに通知する。さらに、獲得要求に係るハードウェア111の利用スケジュールを作成して、作成結果に応じて要求内容を実施するための制御を行う。
【0047】
ハンドラ153は、調停結果に応じてハードウェア111を管理する。ハンドラ153としては、ファクシミリコントロールユニットハンドラ(FCUH)171と、イメージメモリハンドラ(IMH)172が存在する。FCUH171は、ファクシミリコントロールユニットを管理する。IMH172は、各プロセスにメモリを割り振り、各プロセスに割り振ったメモリを管理する。
【0048】
融合機起動部113は、融合機101の電源投入時に最初に実行される。これにより、UNIX(登録商標)等のOSが起動され、アプリケーション131やプラットフォーム132が起動される。これらのプログラムは、ハードディスクドライブやメモリカードに蓄積されており、ハードディスクドライブやメモリカードから再生されて、メモリに起動されることになる。
【0049】
図2は、図1の融合機101に係るハードウェア構成図である。融合機101のハードウェア111としては、コントローラ201と、オペレーションパネル202と、ファクシミリコントロールユニット(FCU)203と、撮像部121と、印刷部122が存在する。撮像部121と印刷部122を除く各構成要素が、図1の「その他のハードウェア123」に該当する。
【0050】
コントローラ201は、CPU211と、ASIC212と、NB(ノースブリッジ)221と、SB(サウスブリッジ)222と、MEM−P(システムメモリ)231と、MEM−C(ローカルメモリ)232と、HDD(ハードディスクドライブ)233と、メモリカードスロット234と、NIC(ネットワークインタフェースコントローラ)241と、USBデバイス242と、IEEE1394デバイス243と、セントロニクスデバイス244と、ICカードリーダ245により構成される。
【0051】
CPU211は、種々の情報処理を実行するためのICであり、アプリケーション131やプラットフォーム132をUNIX(登録商標)等のOSによりプロセス単位で並列的に実行する。ASIC212は、画像処理用のICである。NB221は、CPU211とASIC212を接続するためのブリッジである。SB222は、NB221と周辺機器等を接続するためのブリッジである。ASIC212とNB221は、AGP(Accelerated Graphics Port)を介して接続されている。
【0052】
MEM−P231は、NB221に接続されたメモリである。MEM−C232は、ASIC212に接続されたメモリである。HDD233は、ASIC212に接続されたストレージであり、画像データ蓄積・文書データ蓄積・プログラム蓄積・フォントデータ蓄積・フォームデータ蓄積等を行うために使用される。メモリカードスロット234は、SB222に接続されたスロットであり、メモリカード235をセット(挿入)するために使用される。
【0053】
NIC241は、ネットワーク等を介してMACアドレス等を使用したデータ通信を行うためのコントローラである。USBデバイス242は、USB規格に準拠したシリアルポートを提供するためのデバイスである。IEEE1394デバイス243は、IEEE1394規格に準拠したシリアルポートを提供するためのデバイスである。セントロニクスデバイス244は、セントロニクス仕様に準拠したパラレルポートを提供するためのデバイスである。ICカードリーダ245は、ICカード246のカードリードを行うためのカードリーダである。NIC241と、USBデバイス242と、IEEE1394デバイス243と、セントロニクスデバイス244と、ICカードリーダ245は、PCI(Peripheral Component Interconect)バスを介してNB221とSB222に接続されている。
【0054】
オペレーションパネル202は、オペレータが融合機101に入力を行うためのハードウェア(操作部)であると共に、オペレータが融合機101から出力を得るためのハードウェア(表示部)である。オペレーションパネル202は、ASIC212に接続されている。FCU203と、撮像部121と、印刷部122は、PCI(Peripheral Component Interconect)バスを介してASIC212に接続されている。
【0055】
図3は、図1の融合機101に係る外観図である。図3には、撮像部121の位置と、印刷部122の位置と、オペレーションパネル202の位置が図示されている。図3にはまた、原稿をセットするための原稿セット部301と、印刷用紙等の給紙先となる給紙部302と、印刷用紙等の排紙先となる排紙部303が図示されている。原稿セット部301は、撮像部121の構成要素であり、給紙部302と排紙部303は、印刷部122の構成要素である。
【0056】
オペレーションパネル202には、図4のように、タッチパネル311と、テンキー312と、スタートボタン313と、リセットボタン314と、割り込みボタン315と、ログインボタン316と、ログアウトボタン317と、初期設定ボタン318、機能キー319と、パトランプ320が存在する。
【0057】
タッチパネル311は、タッチ操作で入力を行うためのハードウェア(タッチ操作部)であると共に、画面表示で出力を得るためのハードウェア(画面表示部)である。テンキー312は、キー操作で数字入力を行うためのハードウェアである。スタートボタン313は、ボタン操作でスタート操作を行うためのハードウェアである。リセットボタン314は、ボタン操作でリセット操作を行うためのハードウェアである。割り込みボタン315は、ボタン操作で割り込み操作を行うためのハードウェアである。ログインボタン316は、ボタン操作でログイン操作を行うためのハードウェアである。ログアウトボタン317は、ボタン操作でログアウト操作を行うためのハードウェアである。初期設定ボタン318は、ボタン操作で初期設定画面を表示させるためのハードウェアである。機能キー319は、キー操作でコピー操作画面やプリンタ操作画面やスキャナ操作画面やファクシミリ操作画面を表示させるためのハードウェアである。パトランプ320は、ランプ表示で警告出力を得るためのハードウェアである。
【0058】
融合機101は、原稿セット部301に原稿がセットされている場合、スタートボタン313が押されることで、撮像部121によりその原稿から画像を読み取る。融合機101は、コピーとして機能する場合、印刷部122によりその画像を印刷用紙等に印刷することになり、ファクシミリとして機能する場合、FCU203やNIC241によりその画像を電話回線やネットワーク等を介して他の機器に送信することになる。印刷用紙等の給紙先は給紙部302であり、印刷用紙等の排紙先は排紙部303である。
【0059】
原稿セット部301は、ADF(自動原稿搬送装置)321と、フラットベッド322と、フラットベッドカバー323により構成される。給紙部302は、4個の給紙トレイと1個の手差しトレイにより構成される。排紙部303は、1個の排紙トレイにより構成される。
【0060】
ADF321には、複数枚の原稿を重ねてセットすることができる。融合機101は、ADF321に原稿がセットされている場合、スタートボタン313が押されることで、撮像部121によりその原稿から画像を読み取る。詳細に言うと、ADF321に複数枚の原稿が重ねてセットされている場合、スタートボタン313が押されることで、ADF321が、図3の矢印のような経路で複数枚の原稿を1枚ずつ搬送し、撮像部121が、図3の矢印のような経路で1枚ずつ搬送される原稿から画像を読み取る。
【0061】
フラットベッド322には、原稿を下向きにセットする。融合機101は、フラットベッド322に原稿がセットされている場合、スタートボタン313が押されることで、撮像部121によりその原稿から画像を読み取る。詳細に言うと、フラットベッド322に原稿が下向きにセットされている場合、スタートボタン313が押されることで、撮像部121が、透明なフラットベッド322を介して対面する原稿から画像を読み取る。
【0062】
(ログイン処理/ログアウト処理)
図1の融合機101でのログイン処理/ログアウト処理について説明する。
【0063】
図1の融合機101は、融合機101にログインして融合機101の操作パネル(オペレーションパネル202)の画面(タッチパネル311)を占有しているユーザに、融合機101の操作パネル(オペレーションパネル202)の操作を許すような設定になっている。融合機101にログインして融合機101の操作パネルの画面を占有することで、融合機101の操作パネルの操作が有効扱いになるのである。あるユーザが融合機101にコピージョブを実行させるためには、そのユーザが融合機101にログインして融合機101の画面を占有してコピー操作画面でコピー操作を行う必要がある。
【0064】
図1の融合機101には複数のユーザがログインすることが可能であり、その内の1のユーザが融合機101の操作パネルの画面を占有することが可能である。融合機101にログインしていて融合機101の操作パネルの画面を占有しているユーザを「表ユーザ」と呼び、融合機101にログインしているが融合機101の操作パネルの画面を占有していないユーザを「裏ユーザ」と呼ぶ。あるログインユーザが裏ユーザから表ユーザになることを「表移行」と呼び、あるログインユーザが表ユーザから裏ユーザになることを「裏移行」と呼ぶ。
【0065】
図5は、図1の融合機101でのログイン処理/ログアウト処理の第1実施例に関する画面遷移図である。
【0066】
図5Aの画面上には「ログインユーザ:ユーザA」と表示されている。これは、融合機101にログインしているユーザAが融合機101の操作パネルの画面を占有している事を意味する。図5Aの画面上には「コピー中です」と表示されている。これは、ユーザAのコピージョブが実行中である事を意味する。この段階にてログインボタン316(図4参照)が押下されると、図5Bの画面に画面が移り、融合機101は認証情報の入力待ち状態になる。図5Bの画面でユーザBが認証情報を入力して実行ボタンにタッチすると、図5Cの画面に画面が移る。これにより、ユーザBが融合機101にログインしたことになる。
【0067】
図5Cの画面上には「ログインユーザ:ユーザB」と表示されている。これは、融合機101にログインしているユーザBが融合機101の操作パネルの画面を占有している事を意味する。この段階ではユーザAのコピージョブが実行中であるものとする。ユーザAのコピージョブが終了すると、図5Dの画面に画面が移る。図5Dの画面上には「コピーできます」と表示されている。これは、ユーザBのコピージョブが実行可能になった事を意味する。この段階にてログアウトボタン317(図4参照)が押下されると、図5Eの画面に画面が移り、融合機101は認証情報の入力待ち状態になる。これにより、ユーザBが融合機101からログアウトしたことになる。
【0068】
図5Aから図5Cまでの「ログイン処理」では、図1の融合機101は、融合機101にログインして融合機101の操作パネルの画面を占有している「ユーザA」のログインを維持したままで、新たに「ユーザB」を融合機101にログインさせて「ユーザB」に融合機101の操作パネルの画面を占有させている。これにより、ユーザAとユーザBの平行利用(多重ログイン)が実現されており、ユーザAのジョブを継続しつつユーザBのジョブの開始準備を許容することが可能となっているのである。
【0069】
図5Cから図5Eまでの「ログアウト処理」では、図1の融合機101は、融合機101にログインして融合機101の操作パネルの画面を占有していない「ユーザA」のログインを維持したままで、融合機101にログインして融合機101の操作パネルの画面を占有している「ユーザB」を融合機101からログアウトさせ、融合機101を認証情報の入力待ち状態にしている。ユーザBをログアウトさせた直後にユーザAに操作パネルの画面を占有させることにすると、ユーザBがユーザAに成りすましてしまうおそれがあるため、ユーザBをログアウトさせた直後は融合機101を認証情報の入力待ち状態にすることで、ユーザBがユーザAに成りすましてしまうのを防いでいるのである。ユーザAのログインは維持されてはいるものの、ユーザAが操作パネルの画面を占有するためには、ユーザAは改めて融合機101に認証情報を入力する必要がある。
【0070】
図6は、図1の融合機101でのログイン処理/ログアウト処理の第1実施例に関するシーケンス図である。
【0071】
融合機101にコピージョブを実行させるべくユーザAがスタートボタン313を押下すると、OCS166からSCS169に、スタートボタン313が押下された旨が通知(S101)される。これに応じて、SCS169からコピーアプリ141に、スタートボタン313が押下された旨が通知(S102)される。これに応じて、コピーアプリ141からECS164に、コピージョブの開始要求が送信(S103)される。これを受けて、ユーザAのコピージョブが開始されることになり、ADF321(図3)にセットされたコピー原稿の読取処理が次々と実行(S104)されることになる。
【0072】
これに続いて、融合機101にログインすべくユーザBがログインボタン316を押下すると、OCS166からSCS169に、ログインボタン316が押下された旨が通知(S111)される。これに応じて、SCS169からCCS167に、ログインボタン316が押下された旨が通知(S112)される。これに応じて、CCS167は、ユーザAの裏移行の一斉調停を実行(S113)して、ユーザAの裏移行がOK(S114)であれば、ユーザAの裏移行の一斉配布を実行(S115)する。これに続いて、CCS167からコピーアプリ141に、認証条件が通知(S116)される。これに応じて、コピーアプリ141からCCS167に、認証情報の入力待ち画面の表示要求が送信(S117)される。これに応じて、CCS167からSCS169に、認証情報の入力待ち画面の表示要求が送信(S118)される。これに応じて、SCS169からOCS166に、認証情報の入力待ち画面の表示要求が送信(S119)される。これを受け、認証情報の入力待ち画面(図5B)が表示されることになり、融合機101は認証情報の入力待ち状態になる。
【0073】
これに続いて、ユーザBが認証情報を入力して実行ボタンを押下すると、OCS166からSCS169に、上記実行ボタンが押下された旨が通知(S121)される。これに応じて、SCS169からCCS167に、上記実行ボタンが押下された旨が通知(S122)される。これに応じて、CCS167は、上記認証情報に係るユーザ「ユーザB」の存在確認をUCS168に要求(S123)して、上記認証情報に係るユーザ「ユーザB」の存在確認がOK(S124)であれば、上記認証情報に係るユーザ「ユーザB」のチケットの一斉配布を実行(S125)する。これに続いて、コピーアプリ141からOCS166に、ガイダンス「コピーできます」無のコピー操作画面の表示要求が送信(S126)される。これに続いて、コピーアプリ141からCCS167に、認証情報の入力待ち画面の表示解除要求が送信(S127)される。これに応じて、CCS167からSCS169に、認証情報の入力待ち画面の表示解除要求が送信(S128)される。これに応じて、SCS169からOCS166に、認証情報の入力待ち画面の表示解除要求が送信(S129)される。これを受け、ガイダンス「コピーできます」無のコピー操作画面(図5C)が表示されることになる。
【0074】
ここで、ADF321(図3)にセットされたコピー原稿の読取処理が次々と実行(S104)されて、ユーザAのコピージョブが終了すると、ECS164からコピーアプリ141に、コピージョブの終了応答が送信(S105)される。これに応じて、コピーアプリ141からOCS166に、ガイダンス「コピーできます」の表示要求が送信(S106)される。これを受けて、ガイダンス「コピーできます」有のコピー操作画面(図5D)が表示されることになる。
【0075】
なお、S111からS129までの処理の流れについては、ユーザBがジョブ割り込み操作やジョブ予約操作を行う場合であっても同様である。
【0076】
図7は、図1の融合機101でのログイン処理/ログアウト処理の第2実施例に関する画面遷移図である。
【0077】
図7Aの画面上には「ログインユーザ:ユーザA」と表示されている。これは、融合機101にログインしているユーザAが融合機101の操作パネルの画面を占有している事を意味する。図7Aの画面上には「コピー中です」と表示されている。これは、ユーザAのコピージョブが実行中である事を意味する。この段階にてユーザBがICカードリーダ245(図2参照)にICカード246(図2参照)をセットすると、図7Bの画面に画面が移り、図7Cの画面に画面が移る。これにより、ユーザBが融合機101にログインしたことになる。
【0078】
図7Cの画面上には「ログインユーザ:ユーザB」と表示されている。これは、融合機101にログインしているユーザBが融合機101の操作パネルの画面を占有している事を意味する。この段階ではユーザAのコピージョブが実行中であるものとする。ユーザAのコピージョブが終了すると、図7Dの画面に画面が移る。図7Dの画面上には「コピーできます」と表示されている。これは、ユーザBのコピージョブが実行可能になった事を意味する。この段階にてログアウトボタン317(図4参照)が押下されると、図7Eの画面に画面が移り、融合機101は認証情報の入力待ち状態になる。これにより、ユーザBが融合機101からログアウトしたことになる。
【0079】
第1実施例の「ログイン処理」では、認証情報を表す文字(単語)の入力操作をもって認証情報の入力操作としている。第1実施例の「ログイン処理」では、ユーザBは、自己の認証情報を表す文字(単語)をテンキー312などで入力することで、自己の認証情報を融合機101に入力しているのである。第2実施例の「ログイン処理」では、認証情報が記録されたICカード246のセット操作をもって認証情報の入力操作としている。第2実施例の「ログイン処理」では、ユーザBは、自己の認証情報が記録されたICカード246をICカードリーダ245にセットすることで、自己の認証情報を融合機101に入力しているのである。
【0080】
図8は、図1の融合機101でのログイン処理/ログアウト処理の第2実施例に関するシーケンス図である。
【0081】
融合機101にコピージョブを実行させるべくユーザAがスタートボタン313を押下すると、OCS166からSCS169に、スタートボタン313が押下された旨が通知(S201)される。これに応じて、SCS169からコピーアプリ141に、スタートボタン313が押下された旨が通知(S202)される。これに応じて、コピーアプリ141からECS164に、コピージョブの開始要求が送信(S203)される。これを受けて、ユーザAのコピージョブが開始されることになり、ADF321(図3)にセットされたコピー原稿の読取処理が次々と実行(S204)されることになる。
【0082】
これに続いて、融合機101にログインすべくユーザBがICカードリーダ245にICカード246をセットすると、ICカードリーダ245からSCS169に、ICカード246がセットされた旨が通知(S211)される。これに応じて、SCS169からCCS167に、ICカード246がセットされた旨が通知(S212)される。これに応じて、CCS167は、ICカード246に記録された認証情報に係るユーザ「ユーザB」の存在確認をUCS168に要求(S213)する。ICカード246に記録された認証情報に係るユーザ「ユーザB」の存在確認がOK(S214)ならば、CCS167は、ユーザAの裏移行の一斉調停を実行(S215)する。ユーザAの裏移行がOK(S216)ならば、CCS167は、ユーザAの裏移行の一斉配布を実行(S217)し、ICカード246に記録された認証情報に係るユーザ「ユーザB」のチケットの一斉配布を実行(S218)する。これに続いて、コピーアプリ141からOCS166に、ガイダンス「コピーできます」無のコピー操作画面の表示要求が送信(S219)される。これを受けて、ガイダンス「コピーできます」無のコピー操作画面(図7C)が表示されることになる。
【0083】
ここで、ADF321(図3)にセットされたコピー原稿の読取処理が次々と実行(S204)されて、ユーザAのコピージョブが終了すると、ECS164からコピーアプリ141に、コピージョブの終了応答が送信(S205)される。これに応じて、コピーアプリ141からOCS166に、ガイダンス「コピーできます」の表示要求が送信(S206)される。これを受けて、ガイダンス「コピーできます」有のコピー操作画面(図7D)が表示されることになる。
【0084】
なお、ICカード246のチャタリングを防止すべく、S212とS213との間で、ICカード246に記録された認証情報に係るユーザ「ユーザB」がログインユーザか否かをチェックするようにしてもよい。ログインユーザでない場合に限り、S213からの処理を実行するのである。上記のチェック処理は例えば、第1ステップで「ユーザB」が表ユーザであるか否かを表ユーザリストでチェックして、第2ステップで「ユーザB」が裏ユーザであるか否かを裏ユーザリストでチェックする、というようにして実行することができる。表ユーザでも裏ユーザでもない場合に限り、S213からの処理を実行するのである。
【0085】
図9は、図1の融合機101でのログイン処理/ログアウト処理の第3実施例に関する画面遷移図である。第3実施例では、ユーザAは融合機101の原稿読取機能を利用するものとし、ユーザBは融合機101の文書送信機能を利用するものとする。
【0086】
図9Aの画面上には「ログインユーザ:ユーザA」と表示されている。これは、融合機101にログインしているユーザAが融合機101の操作パネルの画面を占有している事を意味する。図9Aの画面上には「読取中です」と表示されている。これは、ユーザAの原稿読取ジョブが実行中である事を意味する。この段階にてログインボタン316(図4参照)が押下されると、図9Bの画面に画面が移り、融合機101は認証情報の入力待ち状態になる。図9Bの画面でユーザBが認証情報を入力して実行ボタンにタッチすると、図9Cの画面に画面が移る。これにより、ユーザBが融合機101にログインしたことになる。
【0087】
図9Cの画面上には「ログインユーザ:ユーザB」と表示されている。これは、融合機101にログインしているユーザBが融合機101の操作パネルの画面を占有している事を意味する。この段階ではユーザAの原稿読取ジョブが実行中であるものとする。図9Cの画面でユーザBが蓄積文書指定ボタンにタッチすると、図9Dの画面に画面が移る。図9Dの画面でユーザBが蓄積文書を指定してスタートボタン313を押下すると、図9Eの画面に画面が移る。図9Eの画面上には「送信中です」と表示されている。これは、ユーザBの文書送信ジョブが実行中である事を意味する。ユーザBの文書送信ジョブが終了すると、図9Cの画面に画面が戻る。この段階でもユーザAの原稿読取ジョブが実行中であるものとする。この段階にてログアウトボタン317(図4参照)が押下されると、図9Fの画面に画面が移り、融合機101は認証情報の入力待ち状態になる。これにより、ユーザBが融合機101からログアウトしたことになる。図9Fの画面でユーザAが認証情報を入力して実行ボタンにタッチすると、図9Aの画面に画面が戻る。
【0088】
図9Aの画面上には「ログインユーザ:ユーザA」と表示されている。これは、融合機101にログインしているユーザAが融合機101の操作パネルの画面を占有している事を意味する。図9Aの画面上には「読取中です」と表示されている。これは、ユーザAの原稿読取ジョブがまだ実行中である事を意味する。
【0089】
第3実施例では、ユーザAは融合機101の原稿読取機能を利用しており、ユーザBは融合機101の文書送信機能を利用している。原稿読取ジョブで使用される融合機101のハードウェア111は「撮像部121」等であり、文書送信ジョブで使用される融合機101のハードウェア111は「NIC241」等であり、原稿読取ジョブで使用される融合機101のハードウェア111と文書送信ジョブで使用される融合機101のハードウェア111とは重複(バッティング)しない。これにより、第3実施例では、ユーザAの原稿読取ジョブとユーザBの文書送信ジョブとが平行実行されており、ユーザAの原稿読取ジョブの実行中にユーザBの文書送信ジョブが開始して終了しているのである。
【0090】
このように、図1の融合機101は、融合機101の操作パネルの画面を占有しているログインユーザによるジョブで使用される融合機101のハードウェア111と、融合機101の操作パネルの画面を占有していないログインユーザによるジョブで使用される融合機101のハードウェア111とが重複しない場合、融合機101の操作パネルの画面を占有しているログインユーザによるジョブと、融合機101の操作パネルの画面を占有していないログインユーザによるジョブとを並行して実行するものとする。
【0091】
図10は、図1の融合機101でのログイン処理/ログアウト処理の第3実施例に関するシーケンス図である。第3実施例では、ユーザAは融合機101の原稿読取機能を利用するものとし、ユーザBは融合機101の文書送信機能を利用するものとする。
【0092】
融合機101に原稿読取ジョブを実行させるべくユーザAがスタートボタン313を押下すると、OCS166からSCS169に、スタートボタン313が押下された旨が通知(S301)される。これに応じて、SCS169からスキャナアプリ143に、スタートボタン313が押下された旨が通知(S302)される。これに応じて、スキャナアプリ143からECS164に、原稿読取ジョブの開始要求が送信(S303)される。これを受け、ユーザAの原稿読取ジョブが開始されることになり、ADF321(図3)にセットされた原稿の読取処理が次々と実行(S304)されることになる。
【0093】
これに続いて、融合機101にログインすべくユーザBがログインボタン316を押下すると、S111からS119までの処理(ただしコピーアプリ141をスキャナアプリ143に置換する)が実行されて、認証情報の入力待ち画面(図9B)が表示されることになり、融合機101は認証情報の入力待ち状態になる。
【0094】
これに続いて、ユーザBが認証情報を入力して実行ボタンを押下すると、S121からS129までの処理(ただしコピーアプリ141をスキャナアプリ143に置換する)が実行されて、ガイダンス「読取できます」無のスキャナ操作画面(図9C)が表示されることになる。
【0095】
これに続いて、ユーザBが蓄積文書指定ボタンを押下すると、OCS166からSCS169に、蓄積文書指定ボタンが押下された旨が通知(S311)される。これに応じて、SCS169からスキャナアプリ143に、蓄積文書指定画面の表示要求が送信(S312)される。これに応じて、スキャナアプリ143からOCS166に、蓄積文書指定画面の表示要求が送信(S313)される。これを受けて、蓄積文書指定画面(図9D)が表示されることになる。
【0096】
これに続いて、融合機101に文書送信ジョブを実行させるべくユーザBが蓄積文書を指定してスタートボタン313を押下すると、OCS166からSCS169に、スタートボタン313が押下された旨が通知(S321)される。これに応じて、SCS169からスキャナアプリ143に、スタートボタン313が押下された旨が通知(S322)される。これに応じて、スキャナアプリ143からDCS163に、文書送信ジョブの開始要求が送信(S323)される。これを受け、ユーザBの文書送信ジョブが開始されることになり、蓄積文書指定画面で指定された蓄積文書の送信処理が実行(S324)されることになる。蓄積文書指定画面で指定された蓄積文書の送信処理が実行(S324)されて、ユーザBの文書送信ジョブが終了すると、DCS163からスキャナアプリ143に、文書送信ジョブの終了応答が送信(S325)される。
【0097】
これに続いて、融合機101からログアウトすべくユーザBがログアウトボタン317を押下すると、OCS166からSCS169に、ログアウトボタン317が押下された旨が通知(S331)される。これに応じて、SCS169からCCS167に、ログアウトボタン317が押下された旨が通知(S332)される。これに応じて、CCS167は、ユーザBのログアウトの一斉調停を実行(S333)し、ユーザBのログアウトがOK(S334)であれば、ユーザBのログアウトの一斉配布を実行(S335)する。これに続いて、CCS167からスキャナアプリ143に、認証条件が通知(S336)される。これに応じて、スキャナアプリ143からCCS167に、認証情報の入力待ち画面の表示要求が送信(S337)される。これに応じて、CCS167からSCS169に、認証情報の入力待ち画面の表示要求が送信(S338)される。これに応じて、SCS169からOCS166に、認証情報の入力待ち画面の表示要求が送信(S339)される。これを受けて、認証情報の入力待ち画面(図9F)が表示されることになり、融合機101は認証情報の入力待ち状態になる。
【0098】
これに続いて、ユーザAが認証情報を入力して実行ボタンを押下すると、S121からS129までの処理(ただしコピーアプリ141をスキャナアプリ143に置換する)が実行されて、ガイダンス「読取中」有のスキャナ操作画面(図9A)が表示されることになる。
【0099】
図1の融合機101では、CCS167により、第1実施例,第2実施例,第3実施例のようなログイン処理/ログアウト処理が実行される。以下、ログイン処理/ログアウト処理に関連する種々の処理について説明する。
【0100】
図11は、表ユーザの切替操作画面に係る画面遷移図である。図中の切替操作画面は、融合機101の操作パネルの画面を占有するログインユーザ(表ユーザ)を切り替えるための操作画面であり、CCS167が管理する裏ユーザリストを元にしてSCS169により提供される。
【0101】
図11Aの画面上には「ログインユーザ:ユーザA」と表示されている。これは、融合機101にログインしているユーザAが融合機101の操作パネルの画面を占有している事を意味する。この段階にてログインボタン316が押下されるとここでは、図11Bの画面に画面が移る。図11Bの画面(切替操作画面)には、表ユーザである「ユーザA」が薄色で表示されて、裏ユーザである「ユーザB」と「ユーザC」が濃色で表示される。図11Bの画面で「ユーザB」がタッチされると、図11Cの画面に画面が移り、融合機101は認証情報の入力待ち状態になる。図11Cの画面の入力欄には、図11Bの画面でタッチされた「ユーザB」を表ユーザにすべく「ユーザB」のユーザ名がデフォルトで入力されている。
【0102】
なお、図11Bの画面には、表ユーザである「ユーザA」は表示されないようにしても構わない。また、図11Cの画面に係る認証処理は、正規認証でもパスワードだけの簡易認証でも構わない。
【0103】
図12は、表ユーザの切替操作画面に係るシーケンス図である。
【0104】
ログインボタン316が押下されると、OCS166からSCS169に、ログインボタン316が押下された旨が通知(S401)される。これに応じて、SCS169からCCS167に、裏ユーザリストの提供要求が送信(S402)される。これに応じて、CCS167からSCS169に、裏ユーザリストが提供(S403)される。これに応じて、SCS169からOCS166に、表ユーザの切替操作画面の表示要求が送信(S404)される。これを受けて、表ユーザの切替操作画面(図11B)が表示されることになる。
【0105】
これに続いて、裏ユーザである「ユーザB」が押下されると、OCS166からSCS169に、裏ユーザである「ユーザB」が押下された旨が通知(S411)される。これに応じて、SCS169からCCS167に、裏ユーザである「ユーザB」が押下された旨が通知(S412)される。これに応じて、CCS167は、表ユーザである「ユーザA」の裏移行の一斉調停を実行(S413)し、表ユーザである「ユーザA」の裏移行がOK(S414)であれば、表ユーザである「ユーザA」の裏移行の一斉配布を実行(S415)する。これに続いて、CCS167からコピーアプリ141に、認証条件が通知(S416)される。これに応じて、コピーアプリ141からCCS167に、認証情報の入力待ち画面の表示要求が送信(S417)される。これに応じて、CCS167からSCS169に、認証情報の入力待ち画面の表示要求が送信(S418)される。これに応じて、SCS169からOCS166に、認証情報の入力待ち画面の表示要求が送信(S419)される。これを受け、認証情報の入力待ち画面(図11C)が表示されることになり、融合機101は認証情報の入力待ち状態になる。
【0106】
図13は、裏ユーザのログアウト操作画面に係る画面遷移図である。図中のログアウト操作画面は、融合機101の操作パネルの画面を占有していないログインユーザ(裏ユーザ)をログアウトさせるための操作画面であり、CCS167が管理する裏ユーザリストを元にしてSCS169により提供される。
【0107】
図13Aの画面は、認証情報の入力待ち画面である。この段階にてログアウトボタン317が押下されるとここでは、図13Bの画面に画面が移る。図13Bの画面(ログアウト操作画面)には、裏ユーザである「ユーザB」と「ユーザC」が濃色で表示される。図13Bの画面で「ユーザB」がタッチされると、図13Cの画面に画面が移り、図13Bの画面でタッチされた「ユーザB」がログアウトしたことになる。図13Cの画面で確認ボタンがタッチされると、図13Aの画面に画面が戻り、融合機101は認証情報の入力待ち状態になる。
【0108】
図14は、裏ユーザのログアウト操作画面に係るシーケンス図である。
【0109】
ログアウトボタン317が押下されると、OCS166からSCS169に、ログアウトボタン317が押下された旨が通知(S501)される。これに応じて、SCS169からCCS167に、裏ユーザリストの提供要求が送信(S502)される。これに応じて、CCS167からSCS169に、裏ユーザリストが提供(S503)される。これに応じて、SCS169からOCS166に、裏ユーザのログアウト操作画面の表示要求が送信(S504)される。これを受けて、裏ユーザのログアウト操作画面(図13B)が表示されることになる。
【0110】
これに続いて、裏ユーザである「ユーザB」が押下されると、OCS166からSCS169に、裏ユーザである「ユーザB」が押下された旨が通知(S511)される。これに応じて、SCS169からCCS167に、裏ユーザである「ユーザB」が押下された旨が通知(S512)される。これに応じて、CCS167は、裏ユーザである「ユーザB」のログアウトの一斉調停を実行(S513)し、裏ユーザである「ユーザB」のログアウトがOK(S514)であれば、裏ユーザである「ユーザB」のログアウトの一斉配布を実行(S515)する。これに続いて、CCS167からコピーアプリ141に、認証条件が通知(S516)される。これに応じて、コピーアプリ141からCCS167に、確認画面の表示要求が送信(S517)される。これに応じて、CCS167からSCS169に、確認画面の表示要求が送信(S518)される。これに応じて、SCS169からOCS166に、確認画面の表示要求が送信(S519)される。これを受け、確認画面(図13C)が表示されることになる。
【0111】
これに続いて、確認ボタンが押下されると、OCS166からSCS169に、確認ボタンが押下された旨が通知(S521)される。これに応じて、SCS169からCCS167に、確認ボタンが押下された旨が通知(S522)される。これに応じて、CCS167からSCS169に、認証情報の入力待ち画面の表示要求が送信(S523)される。これに応じて、SCS169からOCS166に、認証情報の入力待ち画面の表示要求が送信(S524)される。これを受け、認証情報の入力待ち画面(図13A)が表示されることになり、融合機101は認証情報の入力待ち状態になる。
【0112】
図15は、裏ユーザのアイコンについて説明するための図である。裏ユーザが存在する場合には、図15Aの画面上の丸で囲んだ領域内のように、融合機101の操作パネルの画面上に裏ユーザの存在を表すアイコンを表示しておくようにしてもよい。アイコンは、2以上のユーザに共通のものでもよいし、各ユーザに固有のものでもよい。図15B,Cのアイコンは、2以上のユーザに共通のアイコンの例であり、図15D,E,F,G,Hは、各ユーザに固有のアイコンの例である。図15Gは、各ユーザの名前入りのアイコンの例であり、図15Hは、各ユーザのイニシャル入りのアイコンの例である。各ユーザに割り振るアイコンは例えば、事前に設定しておくものとする。
【0113】
図16は、裏ユーザのタイムアウトについて説明するための図である。各裏ユーザは、図16のように、所定の時間の経過後に自動的にログアウト(タイムアウト)させられるようにしておいてもよい。図16は、裏ユーザである「ユーザC」が所定の時間の経過後に自動的にログアウト(タイムアウト)させられる様子を表しており、図16Aがタイムアウト前の図に相当し、図16Bがタイムアウト後の図に相当する。各裏ユーザのタイムアウトは例えば、各裏ユーザの裏移行から所定時間(例えば1時間)が経過した際に実行されるようにする。この場合には例えば、裏移行の際にCCS167からSCS169にタイマの開始要求を送信して、所定時間が経過した際にSCS169からCCS167にその旨を通知するようにする。
【0114】
図17は、裏ユーザのジョブエラー通知について説明するための図である。裏ユーザのジョブでエラーが発生した場合には、図17A,B,C,Dのように、裏ユーザのジョブのエラーを、融合機101の操作パネルの画面で表ユーザに通知するようにしてもよい。図17Aは、ウィンドウで通知する例であり、図17Bは、メッセージバーで通知する例である。メッセージバーで通知する場合には、図17Cのように、表ユーザ「ユーザA」のユーザ名を交互に表示するようにしてもよいし、図17Dのように、裏ユーザ「ユーザB」のユーザ名を共に表示するようにしてもよい。裏ユーザのジョブでエラーが発生した場合には、裏ユーザのジョブのエラーを、電子メールやパトランプ320(図4参照)で通知するようにしてもよい。電子メールで通知する場合には、図17Eのように、その旨をメッセージバーで通知するようにしてもよい。
【0115】
裏ユーザのジョブのエラーを通知することにするか否かを、図17Fの通知設定画面で設定できるようにしてもよい。図17Fの通知設定画面では、裏ユーザのジョブのエラーを通知することにするか否かを一括で設定できるだけでなく、裏ユーザのジョブのエラーを「画面で通知することにするか否か」「電子メールで通知することにするか否か」「パトランプで通知するか否か」を個別に設定できる。設定欄F1が一括設定欄であり、設定欄F2,F3,F4が個別設定欄である。通知設定画面はSCS169によって提供され、通知設定画面で設定された通知設定はSCS169によって管理される。
【0116】
裏ユーザのジョブのエラーとして例えば「ジャム」が発生した場合には、ジャムが発生した旨は、撮像部121や印刷部122等のエンジン部からECS164に通知され、ECS164からアプリケーション131に通知され、アプリケーション131からSCS169に通知される。裏ユーザのジョブのエラーが発生した旨は、SCS169により、画面,電子メール,パトランプで通知される。
【0117】
図18は、表ユーザのジョブ終了後の表ユーザの裏移行(第1例)に関する画面遷移図である。
【0118】
図18Aの画面上には「ログインユーザ:ユーザA」と表示されている。これは、融合機101にログインしているユーザAが融合機101の操作パネルの画面を占有している事を意味する。図18Aの画面上には「コピー中です」と表示されている。これは、ユーザAのコピージョブが実行中である事を意味する。ユーザAのコピージョブが終了するとここでは、ユーザAは自動的に裏移行させられて、図18Bの画面に画面が移り、融合機101は認証情報の入力待ち状態になる。
【0119】
図19は、表ユーザのジョブ終了後の表ユーザの裏移行(第1例)に関するシーケンス図である。
【0120】
融合機101にコピージョブを実行させるべくユーザAがスタートボタン313を押下すると、OCS166からSCS169に、スタートボタン313が押下された旨が通知(S601)される。これに応じて、SCS169からコピーアプリ141に、スタートボタン313が押下された旨が通知(S602)される。これに応じて、コピーアプリ141からECS164に、コピージョブの開始要求が送信(S603)される。これを受けて、ユーザAのコピージョブが開始されることになり、ADF321(図3)にセットされたコピー原稿の読取処理が次々と実行(S604)されることになる。ADF321(図3)にセットされたコピー原稿の読取処理が次々と実行(S604)されて、ユーザAのコピージョブが終了すると、ECS164からコピーアプリ141に、コピージョブの終了応答が送信(S605)される。これに応じて、コピーアプリ141からCCS167に、ユーザAの裏移行要求が送信(S606)される。これに応じて、S113からS119までの処理(ユーザAの裏移行処理)が実行され、認証情報の入力待ち画面(図18B)が表示されることになる。
【0121】
図20は、表ユーザのジョブ終了後の表ユーザの裏移行(第2例)に関する画面遷移図である。
【0122】
図20Aの画面上には「ログインユーザ:ユーザA」と表示されている。これは、融合機101にログインしているユーザAが融合機101の操作パネルの画面を占有している事を意味する。図20Aの画面上には「コピー中です」と表示されている。これは、ユーザAのコピージョブが実行中である事を意味する。ユーザAのコピージョブが終了するとここでは、図20Bの画面に画面が自動的に移る。図20Bの画面でユーザAが「はい」にタッチすると、ユーザAは裏移行させられず、図20Cの画面に画面が移る。図20Bの画面でユーザAが「いいえ」にタッチすると、ユーザAは裏移行させられて、図20Dの画面に画面が移り、融合機101は認証情報の入力待ち状態になる。このように図20Bは、ユーザAを裏移行させるための裏移行操作画面(裏移行操作ウィンドウ)となっている。
【0123】
図21は、表ユーザのジョブ終了後の表ユーザの裏移行(第2例)に関するシーケンス図である。
【0124】
融合機101にコピージョブを実行させるべくユーザAがスタートボタン313を押下すると、OCS166からSCS169に、スタートボタン313が押下された旨が通知(S701)される。これに応じて、SCS169からコピーアプリ141に、スタートボタン313が押下された旨が通知(S702)される。これに応じて、コピーアプリ141からECS164に、コピージョブの開始要求が送信(S703)される。これを受けて、ユーザAのコピージョブが開始されることになり、ADF321(図3)にセットされたコピー原稿の読取処理が次々と実行(S704)されることになる。ADF321(図3)にセットされたコピー原稿の読取処理が次々と実行(S704)されて、ユーザAのコピージョブが終了すると、ECS164からコピーアプリ141に、コピージョブの終了応答が送信(S705)される。これに応じて、コピーアプリ141からOCS166に、ユーザAの裏移行操作画面の表示要求が送信(S706)される。これを受け、ユーザAの裏移行操作画面(図20B)が表示されることになる。
【0125】
これに続いて、ユーザAがいいえを押下すると、OCS166からSCS169に、いいえが押下された旨が通知(S711)される。これに応じて、SCS169からコピーアプリ141に、いいえが押下された旨が通知(S712)される。これに応じて、コピーアプリ141からCCS167に、ユーザAの裏移行要求が送信(S713)される。これに応じて、S113からS119までの処理(ユーザAの裏移行処理)が実行され、認証情報の入力待ち画面(図20D)が表示されることになる。
【0126】
図22は、表ユーザのジョブ終了後の表ユーザの裏移行(第3例)に関する画面遷移図である。
【0127】
図22Aの画面上には「ログインユーザ:ユーザA」と表示されている。これは、融合機101にログインしているユーザAが融合機101の操作パネルの画面を占有している事を意味する。図22Aの画面上には「コピー中です」と表示されている。これは、ユーザAのコピージョブが実行中である事を意味する。ユーザAのコピージョブが終了するとここでは図22Bの画面に画面が移る。図22Bの画面上には「ログインユーザ:ユーザA」と表示されている。これは、融合機101にログインしているユーザAが融合機101の操作パネルの画面を占有している事を意味する。図22Bの画面上には「コピーできます」と表示されている。これは、ユーザAのコピージョブが実行可能になった事を意味する。この段階にてログアウトボタン317が押下されるとここでは図22Cの画面に画面が移る。図22Cの画面でユーザAが「はい」にタッチすると、ユーザAは裏移行させられて、図22Cの画面でユーザAが「いいえ」にタッチすると、ユーザAはログアウトさせられる。
【0128】
図23は、表ユーザのジョブ終了後の表ユーザの裏移行(第3例)に関するシーケンス図である。
【0129】
融合機101にコピージョブを実行させるべくユーザAがスタートボタン313を押下すると、OCS166からSCS169に、スタートボタン313が押下された旨が通知(S801)される。これに応じて、SCS169からコピーアプリ141に、スタートボタン313が押下された旨が通知(S802)される。これに応じて、コピーアプリ141からECS164に、コピージョブの開始要求が送信(S803)される。これを受けて、ユーザAのコピージョブが開始されることになり、ADF321(図3)にセットされたコピー原稿の読取処理が次々と実行(S804)されることになる。ADF321(図3)にセットされたコピー原稿の読取処理が次々と実行(S804)されて、ユーザAのコピージョブが終了すると、ECS164からコピーアプリ141に、コピージョブの終了応答が送信(S805)される。これに応じて、コピーアプリ141からOCS166に、ガイダンス「コピーできます」有りのコピー操作画面の表示要求が送信(S806)される。これを受け、ガイダンス「コピーできます」有りのコピー操作画面(図22B)が表示されることになる。
【0130】
これに続いて、融合機101からログアウトすべくユーザAがログアウトボタン317を押下すると、OCS166からSCS169に、ログアウトボタン317が押下された旨が通知(S811)される。これに応じて、SCS169からCCS167に、ログアウトボタン317が押下された旨が通知(S812)される。これに応じて、CCS167からSCS169に、ユーザAのログアウト操作画面の表示要求が送信(S813)される。これに応じて、SCS169からOCS166に、ユーザAのログアウト操作画面の表示要求が送信(S814)される。これを受け、ユーザAのログアウト操作画面(図22C)が表示されることになる。
【0131】
これに続いて、ユーザAがいいえを押下すると、OCS166からSCS169に、いいえが押下された旨が通知(S821)される。これに応じて、SCS169からCCS167に、いいえが押下された旨が通知(S822)される。これに応じて、S113からS119までの処理(ユーザAの裏移行処理)が実行され、認証情報の入力待ち画面が表示されることになる。
【0132】
図1の融合機101を、第1例,第2例,第3例のような移行方式で、表ユーザ(融合機101の操作パネルの画面を占有している状態のログインユーザ)を裏ユーザ(融合機101の操作パネルの画面を占有していない状態のログインユーザ)に移行させるような設定にしておいてもよい。この場合、ユーザAの裏移行後の「認証情報の入力待ち画面」でユーザBが認証情報を入力することで、融合機101の操作パネルの画面を占有する表ユーザがユーザAからユーザBに切り替わることになるのである。
【0133】
なお、表ユーザから裏ユーザに移行させられるユーザの設定値については、アプリケーション131が管理しておくものとする。ユーザの裏移行の際には、そのユーザの裏移行配布(S115)に応じて、そのユーザの設定値がアプリケーション131によって保持されることになり、ユーザの表移行の際には、そのユーザのチケット配布(S125)に応じて、そのユーザの設定値がアプリケーション131によって検索されることになる。表ユーザから裏ユーザに移行させられるユーザの設定値の保持については、ユーザの意思とは無関係に自動的に実行されるようにしてもよいし、図24のような意思確認画面での意思に応じて実行されるようにしてもよい。
【0134】
(変形例)
図1の融合機101は、本発明「情報処理装置」の実施例に該当して、図1の融合機101によって実行される情報処理は、本発明「情報処理方法」の実施例に該当する。当該情報処理をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムは、本発明「情報処理プログラム」の実施例に該当し、当該情報処理をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムが記録されたCD−ROMは、本発明「記録媒体」の実施例に該当する。
【図面の簡単な説明】
【0135】
【図1】本発明の実施例に該当する融合機を表す。
【図2】図1の融合機に係るハードウェア構成図である。
【図3】図1の融合機に係る外観図である。
【図4】オペレーションパネルを表す。
【図5】ログイン処理/ログアウト処理の第1実施例に関する画面遷移図である。
【図6】ログイン処理/ログアウト処理の第1実施例に関するシーケンス図である。
【図7】ログイン処理/ログアウト処理の第2実施例に関する画面遷移図である。
【図8】ログイン処理/ログアウト処理の第2実施例に関するシーケンス図である。
【図9】ログイン処理/ログアウト処理の第3実施例に関する画面遷移図である。
【図10】ログイン処理/ログアウト処理の第3実施例に関するシーケンス図である。
【図11】表ユーザの切替操作画面に係る画面遷移図である。
【図12】表ユーザの切替操作画面に係るシーケンス図である。
【図13】裏ユーザのログアウト操作画面に係る画面遷移図である。
【図14】裏ユーザのログアウト操作画面に係るシーケンス図である。
【図15】裏ユーザのアイコンについて説明するための図である。
【図16】裏ユーザのタイムアウトについて説明するための図である。
【図17】裏ユーザのジョブエラー通知について説明するための図である。
【図18】表ユーザのジョブ終了後の表ユーザの裏移行(第1例)に関する画面遷移図である。
【図19】表ユーザのジョブ終了後の表ユーザの裏移行(第1例)に関するシーケンス図である。
【図20】表ユーザのジョブ終了後の表ユーザの裏移行(第2例)に関する画面遷移図である。
【図21】表ユーザのジョブ終了後の表ユーザの裏移行(第2例)に関するシーケンス図である。
【図22】表ユーザのジョブ終了後の表ユーザの裏移行(第3例)に関する画面遷移図である。
【図23】表ユーザのジョブ終了後の表ユーザの裏移行(第3例)に関するシーケンス図である。
【図24】設定値の保持に係る意思確認画面を表す。
【図25】本発明の実施例に該当する情報処理装置を表す。
【符号の説明】
【0136】
11 情報処理装置
21 ハードウェア
22 ソフトウェア
23 起動部
31 アプリケーション
32 プラットフォーム
101 融合機
111 ハードウェア
112 ソフトウェア
113 融合機起動部
121 撮像部
122 印刷部
123 その他のハードウェア
131 アプリケーション
132 プラットフォーム
133 アプリケーションプログラムインタフェース
134 エンジンインタフェース
141 コピーアプリ
142 プリンタアプリ
143 スキャナアプリ
144 ファクシミリアプリ
145 ネットワークファイルアプリ
151 コントロールサービス
152 システムリソースマネージャ
153 ハンドラ
161 ネットワークコントロールサービス
162 ファクシミリコントロールサービス
163 デリバリコントロールサービス
164 エンジンコントロールサービス
165 メモリコントロールサービス
166 オペレーションパネルコントロールサービス
167 サーティフィケーションコントロールサービス
168 ユーザディレクトリコントロールサービス
169 システムコントロールサービス
171 ファクシミリコントロールユニットハンドラ
172 イメージメモリハンドラ
201 コントローラ
202 オペレーションパネル
203 ファクシミリコントロールユニット
211 CPU
212 ASIC
221 NB
222 SB
231 MEM−P
232 MEM−C
233 HDD
234 メモリカードスロット
235 メモリカード
241 NIC
242 USBデバイス
243 IEEE1394デバイス
244 セントロニクスデバイス
245 ICカードリーダ
246 ICカード
301 原稿セット部
302 給紙部
303 排紙部
311 タッチパネル
312 テンキー
313 スタートボタン
314 リセットボタン
315 割り込みボタン
316 ログインボタン
317 ログアウトボタン
318 初期設定ボタン
319 機能キー
320 パトランプ
321 ADF
322 フラットベッド
323 フラットベッドカバー
【先行技術文献】
【特許文献】
【0137】
【特許文献1】特開2002−84383号公報
【特許文献2】特開2001−202208号公報
【特許文献3】特開平9−130532号公報
【特許文献4】特開平7−319646号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
当該情報処理装置にログインして当該情報処理装置の画面を占有しているユーザに当該情報処理装置の操作を許すような情報処理装置であって、
当該情報処理装置にログインして当該情報処理装置の画面を占有しているユーザのログインを維持したままで、新たなユーザを当該情報処理装置にログインさせて新たなユーザに当該情報処理装置の画面を占有させるようなログイン処理を実行するログイン処理手段を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
当該情報処理装置にログインして当該情報処理装置の画面を占有してないユーザのログインを維持したままで、当該情報処理装置にログインして当該情報処理装置の画面を占有しているユーザを当該情報処理装置からログアウトさせて、当該情報処理装置を認証情報の入力待ち状態にするようなログアウト処理を実行するログアウト処理手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
当該情報処理装置の画面を占有しているログインユーザによるジョブで使用される当該情報処理装置のハードウェアと、当該情報処理装置の画面を占有してないログインユーザによるジョブで使用される当該情報処理装置のハードウェアとが重複しない場合に、当該情報処理装置の画面を占有しているログインユーザによるジョブと、当該情報処理装置の画面を占有してないログインユーザによるジョブとを並行して実行することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
当該情報処理装置にログインするための認証情報の入力操作を、認証情報を表す文字の入力操作をもってすることが可能であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
当該情報処理装置にログインするための認証情報の入力操作を、認証情報が記録された記録媒体のセット操作をもってすることが可能であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
当該情報処理装置の画面を占有するログインユーザを切り替えるための切替操作画面を提供する切替操作画面提供手段を備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
当該情報処理装置の画面を占有してないログインユーザをログアウトさせるためのログアウト操作画面を提供するログアウト操作画面提供手段を備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
当該情報処理装置の画面を占有してないログインユーザが存在する場合、当該情報処理装置の画面上に当該ログインユーザを表す表示物を表示しておくことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
当該情報処理装置の画面を占有してないログインユーザが存在する場合、所定の時間の経過後に当該ログインユーザを自動的にログアウトさせることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
当該情報処理装置の画面を占有してないログインユーザのジョブのエラーを、当該情報処理装置の画面を占有しているログインユーザに当該情報処理装置の画面で通知する通知手段を備えることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
当該情報処理装置の画面を占有してないログインユーザのジョブのエラーを、当該情報処理装置の画面を占有しているログインユーザに当該情報処理装置の画面で通知することにするかどうかを設定するための通知設定画面を提供する通知設定画面提供手段を備えることを特徴とする請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
当該情報処理装置の画面を占有してないログインユーザのジョブのエラーを、メールで通知する通知手段を備えることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項13】
当該情報処理装置の画面を占有してないログインユーザのジョブのエラーを、メールで通知することにするかどうかを設定するための通知設定画面を提供する通知設定画面提供手段を備えることを特徴とする請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項14】
当該情報処理装置の画面を占有してないログインユーザのジョブのエラーを、ランプで通知する通知手段を備えることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項15】
当該情報処理装置の画面を占有してないログインユーザのジョブのエラーを、ランプで通知することにするかどうかを設定するための通知設定画面を提供する通知設定画面提供手段を備えることを特徴とする請求項14に記載の情報処理装置。
【請求項16】
当該情報処理装置の画面を占有しているログインユーザのジョブが終了した場合、当該情報処理装置の画面を占有している状態から当該情報処理装置の画面を占有してない状態に当該ログインユーザの状態を自動的に移行させることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項17】
当該情報処理装置の画面を占有しているログインユーザのジョブが終了した場合、当該情報処理装置の画面を占有している状態から当該情報処理装置の画面を占有してない状態に当該ログインユーザの状態を移行させるための移行操作画面を自動的に提供することを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項18】
当該情報処理装置は、画像形成装置であることを特徴とする請求項1乃至17のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項19】
当該情報処理装置にログインして当該情報処理装置の画面を占有しているユーザに当該情報処理装置の操作を許すような情報処理装置により実行される情報処理方法であって、
当該情報処理装置にログインして当該情報処理装置の画面を占有しているユーザのログインを維持したままで、新たなユーザを当該情報処理装置にログインさせて新たなユーザに当該情報処理装置の画面を占有させるようなログイン処理を実行するログイン処理段階を備えることを特徴とする情報処理方法。
【請求項20】
当該情報処理装置にログインして当該情報処理装置の画面を占有してないユーザのログインを維持したままで、当該情報処理装置にログインして当該情報処理装置の画面を占有しているユーザを当該情報処理装置からログアウトさせて、当該情報処理装置を認証情報の入力待ち状態にするようなログアウト処理を実行するログアウト処理段階を備えることを特徴とする請求項19に記載の情報処理方法。
【請求項21】
当該情報処理装置の画面を占有しているログインユーザによるジョブで使用される当該情報処理装置のハードウェアと、当該情報処理装置の画面を占有してないログインユーザによるジョブで使用される当該情報処理装置のハードウェアとが重複しない場合に、当該情報処理装置の画面を占有しているログインユーザによるジョブと、当該情報処理装置の画面を占有してないログインユーザによるジョブとを並行して実行することを特徴とする請求項19又は20に記載の情報処理方法。
【請求項22】
当該情報処理装置は、画像形成装置であることを特徴とする請求項19乃至21のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項23】
請求項19乃至22のいずれか1項に記載の情報処理方法をコンピュータに実行させる情報処理プログラム。
【請求項24】
請求項19乃至22のいずれか1項に記載の情報処理方法をコンピュータに実行させる情報処理プログラムが記録されたコンピュータ読取可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2010−68542(P2010−68542A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−282847(P2009−282847)
【出願日】平成21年12月14日(2009.12.14)
【分割の表示】特願2004−115836(P2004−115836)の分割
【原出願日】平成16年4月9日(2004.4.9)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】