説明

情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラムおよび記録媒体

【課題】地図データにおける未開通の道路を外部からの情報によって使用可能な道路に変更すること。
【解決手段】取得部103によって開通情報を外部から取得する。そして、開通情報が取得された場合に、記憶部101に記憶されている使用可能な道路および未開通の道路を含む地図データのうちの、開通情報に対応する未開通の道路を、変更部104によって使用可能な道路に変更する。また、変更道路に対応する使用不可能な注記を使用可能な注記に変更してもよい。つぎに、処理部105によって、未開通の道路を用いず使用可能な道路を用いて、使用可能な道路を含む地図を表示部102に表示させる地図表示処理、使用可能な道路を対象とした経路を探索する経路探索処理、使用可能な高速道路施設の情報を表示部102に表示させる高速道路施設情報表示処理などの所定の処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、地図データにおける未開通の道路を外部からの情報によって使用可能な道路に変更する情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラムおよび記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、道路データとともに、開通予定道路とその開通予定日を記憶し、自装置の中に、時計機能をもたせる処理装置が提案されている(例えば、下記特許文献1参照。)。この処理装置によれば、利用者が、開通予定道路を使用する場合、開通予定日が過ぎていれば、地図データ全体を更新しなくとも、開通予定道路を移動経路計算等に使用することができる。
【0003】
また、使用できる道路データを、リアルタイムで把握しているので、道路地図上に現在位置を表示する場合、実際の位置からずれて表示される、というような誤作動を防止でき、高精度に車両位置を表示することができる。
【0004】
【特許文献1】特許第3462531号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1の技術では、あらかじめ開通予定日が処理装置内に記憶されているため、開通予定日が変更になった場合や、道路の開通区間が変更になった場合に、修正することができず、誤った情報を利用者に伝えてしまうという問題がある。また、開通予定道路が多数ある場合、各道路によって開通予定日が異なることもあり、処理装置に記憶されるデータ量が増大するという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明にかかる情報処理装置は、使用可能な道路および未開通の道路を含む地図データを記憶する記憶手段と、前記未開通の道路のうち開通した道路に関する情報(以下、「開通情報」という)を外部から取得する取得手段と、前記取得手段によって前記開通情報が取得された場合に、当該開通情報に対応する未開通の道路を使用可能な道路に変更する変更手段と、前記未開通の道路を用いず前記使用可能な道路を用いて所定の処理を実行する処理手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、請求項11の発明にかかる情報処理方法は、使用可能な道路および未開通の道路を含む地図データを記憶する記憶手段を備える情報処理装置における情報処理方法であって、前記未開通の道路のうち開通した道路に関する情報(以下、「開通情報」という)を外部から取得する取得工程と、前記取得工程で前記開通情報が取得された場合に、当該開通情報に対応する未開通の道路を使用可能な道路に変更する変更工程と、前記未開通の道路を用いず前記使用可能な道路を用いて所定の処理を実行する処理工程と、を含むことを特徴とする。
【0008】
また、請求項12の発明にかかる情報処理プログラムは、請求項11に記載の情報処理方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0009】
また、請求項13の発明にかかる記録媒体は、請求項12に記載の情報処理プログラムをコンピュータに読み取り可能な状態で記録したことを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、および記録媒体の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0011】
(実施の形態)
(情報処理装置の機能的構成)
まず、この発明の実施の形態にかかる情報処理装置100の機能的構成について説明する。図1は、本実施の形態にかかる情報処理装置の機能的構成を示すブロック図である。図1において、情報処理装置100は、記憶部101と、表示部102と、取得部103と、変更部104と、処理部105と、を備えている。
【0012】
記憶部101は、使用可能な道路および未開通の道路を含む地図データを記憶する。記憶部101は、具体的には、例えばHDD(ハードディスクドライブ)やフラッシュメモリである。また記憶部101は、HDDやフラッシュメモリから読み込んだデータを格納するメモリでもよい。
【0013】
ここで、地図データは、例えばノードおよびリンクからなる道路ネットワークデータと、施設や道路その他地形(山、川、土地)に関するフィーチャを用いて描画される背景データとを含んでいる。背景データは、具体的には、建物や施設の形状、鉄道の線路などの情報である。地図データは、さらに、文字情報、施設の名称や住所などの情報、道路や施設の画像などを含んでいてもよい。なお、背景データには、未開設の背景や使用不可能な背景に関するデータを含んでいてもよい。
【0014】
また、記憶部101に記憶された地図データの未開通の道路は、所定の区間で分割されていてもよい。さらに、地図データの各道路データに、使用可能な道路であるかどうかを示すフラグ情報を含んでいてもよい。また、記憶部101は、道路の他に、使用可能な注記および使用不可能な注記を含む注記データをさらに記憶していてもよい。注記データは、例えば道路の名称などである。
【0015】
記憶部101は、地図データに含まれる道路のうち第1エリアから第2エリアへの経路探索で必要な道路の情報のみを格納した経路計算用データを記憶していてもよい。なお、記憶部101には、第1エリアから第2エリアのみではなく、すべてのエリアの組み合わせごとに経路計算用データが記憶されていてもよい。例えば、東京−札幌、東京−大阪、東京−福岡、札幌−大阪、札幌−福岡、大阪−福岡、のそれぞれで経路計算用データが記憶されている。
【0016】
さらに、記憶部101には、未開通道路を無視した場合の経路と未開通道路が開通された場合の経路とを事前に計算して必要な道路すべての経路計算用データを記憶していてもよい。この場合、経路計算用データには、使用可能な道路のリンクと、未開通の道路のリンク(使用不可能な道路のリンク)が含まれている。したがって、後述する取得部103によって取得された情報に基づいて、後述する処理部105によって使用可能な道路のリンクと、使用不可能な道路のリンクとを判別し、経路計算用データの内の使用可能な道路のリンクを用いて計算された経路計算用データのみで、経路を探索する。このため、道路が開通したり、不通になったりする度に、経路計算用データを計算し直さなくてもよい。
【0017】
記憶部101は、使用可能な高速道路施設の情報および使用不可能な高速道路施設の情報を含む高速道路施設データをさらに記憶していてもよい。高速道路施設の情報は、例えばSA(サービスエリア)、PA(パーキングエリア)、JCT(ジャンクション:分岐点)等の情報である。
【0018】
表示部102は、地図データを表示する表示画面を備えている。具体的には、表示部102には、使用可能な道路および未開通の道路を含む地図データのうちの、使用可能な道路が含まれる地図が表示される。ここで、使用可能な道路が含まれる地図には、使用可能な経路を対象として探索された経路が重畳されて表示されてもよい。また、表示部102には、使用可能な道路および使用可能な注記が含まれる地図が表示されてもよい。さらに、表示部102には、使用可能な高速道路施設が表示されてもよい。なお、表示部102には、未開通の道路、不通になった道路、使用不可能な注記または使用不可能な高速道路施設が、識別可能な方法で表示されてもよい。具体的には、例えば、異なる色や異なる字体によって表示されてもよい。
【0019】
取得部103は、未開通の道路のうち開通した道路に関する情報(以下、「開通情報」という)を外部から取得する。外部とは、例えば通信によって接続される外部装置や、ネットワークを介して接続されるウェブサイト等である。例えば、利用者がウェブサイト等から開通情報を取得して、携帯メモリ(USBメモリや携帯電話のメモリ等)に記憶させ、さらに、この携帯メモリが自装置に接続された際に開通情報が取得される構成でもよい。
【0020】
開通情報とは、未開通の道路のうち開通した道路の区間に関する情報である。開通情報は、具体的には、例えば地点1〜地点5の区間の道路が未開通の道路で、そのうちの地点1〜地点3までの区間の道路が開通した場合、地点1〜地点3の区間が開通したことを示す情報である。この地点1〜地点3の区間が開通したことを示す情報は、例えば地点1〜地点2の区間が開通したことを示す情報と地点2〜地点3の区間が開通したことを示す情報に分かれていてもよい。
【0021】
また、取得部103は、使用可能な道路のうち不通になった道路に関する情報(以下、「不通情報」という)を外部から取得してもよい。さらに、取得部103は、開通情報と不通情報とのどちらか一方を取得してもよいし、両情報を取得してもよい。
【0022】
変更部104は、取得部103によって開通情報が取得された場合に、開通情報に対応する未開通の道路を使用可能な道路に変更する。具体的には、変更部104は、取得部103によって開通情報が取得された場合に、記憶部101に記憶されている開通情報に対応する区間の未開通の道路を使用可能な道路に変更する。さらに、具体的には、変更部104は、取得部103によって開通情報が取得された場合に、記憶部101に記憶されている開通情報に対応する未開通の道路のフラグ情報を使用可能な道路であることを示すフラグ情報に変更する。
【0023】
また、変更部104は、取得部103によって不通情報が取得された場合に、記憶部101に記憶されている不通情報に対応する使用可能な道路を不通になった道路に変更してもよい。具体的には、変更部104は、取得部103によって不通情報が取得された場合に、記憶部101に記憶されている不通情報に対応する使用可能な道路のフラグ情報を使用可能な道路でないことを示すフラグ情報に変更する。
【0024】
変更部104は、取得部103によって開通情報が取得された場合に、記憶部101に記憶されている開通情報に対応する未開通の道路を使用可能な道路に変更するとともに変更道路に対応する使用不可能な注記を使用可能な注記に変更してもよい。また、同様に、不通になった道路に対応する注記を使用不可能な注記に変更してもよい。
【0025】
変更部104は、取得部103によって開通情報が取得された場合に、記憶部101に記憶されている開通情報に対応する未開通の道路を使用可能な道路に変更するとともに使用不可能な高速道路施設のうち変更道路によって使用可能となった高速道路施設を使用可能な高速道路施設に変更してもよい。また、変更部104は、取得部103によって開通情報が取得された場合に、記憶部101に記憶されている開通情報に対応して使用可能となった背景を使用可能な背景に変更してもよいし、使用不可能になった背景を使用不可能な背景に変更してもよい。
【0026】
変更部104は、具体的には、例えば地点1〜地点5の区間の道路が未開通の道路で、そのうちの地点1〜地点3の区間の道路が開通したことを示す情報、もしくは地点1〜地点2の区間が開通したことを示す情報と地点2〜地点3の区間が開通したことを示す情報が、取得部103によって取得された場合、地点1〜地点3の区間の未開通の道路を使用可能な道路に変更する。
【0027】
処理部105は、未開通の道路、もしくは、未開通の道路および不通になった道路を用いず使用可能な道路を用いて所定の処理を実行する。具体的には、処理部105は、フラグ情報に基づいて使用可能な道路を判別し、未開通の道路、もしくは、未開通の道路および不通になった道路を用いず使用可能な道路を用いて所定の処理を実行してもよい。
【0028】
ここで、所定の処理は、例えば使用可能な道路が含まれる地図を表示部102に表示させる地図表示処理である。地図表示処理においては、使用可能な注記をともに表示させてもよい。また、所定の処理は、例えば使用可能な道路を対象とした経路を探索する経路探索処理でもよい。経路探索処理は、具体的には、例えば第1エリアから第2エリアへの経路を探索する場合に、経路計算用データのうち使用可能な道路を判別し、使用可能な道路のみを対象として経路を探索する。また、所定の処理は、例えば使用可能な高速道路施設を表示部102に表示させる高速道路施設表示処理でもよい。
【0029】
(情報処理装置の情報処理手順)
つぎに、情報処理装置100の情報処理手順について説明する。図2は、情報処理装置の情報処理手順を示すフローチャートである。図2のフローチャートにおいて、まず、取得部103によって開通情報を外部から取得する(ステップS201)。
【0030】
つぎに、ステップS201において開通情報が取得された場合に、変更部104によって開通情報に対応する未開通の道路を使用可能な道路に変更する(ステップS202)。ステップS202においては、記憶部101に記憶されている使用可能な道路および未開通の道路を含む地図データのうちの、ステップS201において取得された開通情報に対応する区間の未開通の道路を使用可能な道路に変更する。また、ステップS202においては、変更道路に対応する使用不可能な注記を使用可能な注記に変更してもよい。
【0031】
つぎに、処理部105によって、未開通の道路を用いず使用可能な道路を用いて所定の処理を実行して(ステップS203)、一連の処理を終了する。ステップS203においては、例えば使用可能な道路が含まれる地図、もしくは、使用可能な道路および使用可能な注記が含まれる地図を表示部102に表示させる地図表示処理を実行する。また、ステップS203においては、例えば使用可能な道路を対象とした経路を探索する経路探索処理を実行してもよい。さらに、ステップS203においては、使用可能な高速道路施設を表示部102に表示させる高速道路施設表示処理を実行してもよい。
【0032】
なお、図2のフローチャートにおいては、記憶部101に記憶された地図データの未開通の道路が所定の区間で分割されている場合、ステップS201において開通情報として未開通の道路のうち開通した道路の区間に関する情報を取得し、ステップS202において記憶部101に記憶されている開通情報に対応する区間の未開通の道路を使用可能な道路に変更してもよい。
【0033】
また、図2のフローチャートにおいては、記憶部101に記憶された地図データの各道路データに使用可能な道路であるかどうかを示すフラグ情報を含んでいる場合、ステップS202において記憶部101に記憶されている開通情報に対応する未開通の道路のフラグ情報を使用可能な道路であることを示すフラグ情報に変更し、ステップS203においてフラグ情報に基づいて使用可能な道路を判別し、未開通の道路を用いず使用可能な道路を用いて所定の処理を実行してもよい。
【0034】
また、図2のフローチャートにおいては、ステップS201において不通情報を外部から取得し、ステップS202において記憶部101に記憶されている不通情報に対応する使用可能な道路を不通になった道路に変更し、ステップS203において未開通の道路および不通になった道路を用いず使用可能な道路を用いて所定の処理を実行してもよい。また、この場合、ステップS202において、不通になった道路に対応する注記を使用不可能な注記に変更してもよい。
【0035】
上述したように、本実施の形態の情報処理装置100によれば、取得部103によって外部から開通情報を取得し、記憶部101に記憶されている開通情報に対応する未開通の道路を、変更部104によって使用可能な道路に変更することができる。そして、処理部105によって未開通の道路を用いず使用可能な道路を用いて所定の処理を実行することができる。したがって、自装置内ではなく外部からの情報によって、記憶部101に記憶された地図データのうちの未開通の道路を使用可能な道路に変更することができる。これによって、利用者は、開通予定日が変更になっても、実際に使用可能な道路のみを用いて所定の処理を実行させることができるため、正確な情報を得ることができる。また、記憶されるデータ量を減少させることができる。
【0036】
また、本実施の形態の情報処理装置100によれば、取得部103によって開通情報が取得された場合に、記憶部101に記憶されている開通情報に対応する区間の未開通の道路を、変更部104によって使用可能な道路に変更することができる。したがって、未開通の道路の一部のみが開通した場合にも対応することができる。これによって、利用者は、開通区間が変更になっても、実際に使用可能な道路のみを用いて所定の処理を実行させることができるため、正確な情報を得ることができる。
【0037】
また、本実施の形態の情報処理装置100によれば、取得部103によって開通情報が取得された場合に、記憶部101に記憶されている開通情報に対応する未開通の道路のフラグ情報を、変更部104によって使用可能な道路であることを示すフラグ情報に変更することができる。そして、処理部105によって、フラグ情報に基づいて使用可能な道路を判別し、未開通の道路を用いず使用可能な道路を用いて所定の処理を実行することができる。したがって、例えば未開通の道路のフラグ情報を変更するのみで、使用可能な道路に変更することができるため、道路情報を容易に管理することができる。
【0038】
また、本実施の形態の情報処理装置100によれば、取得部103によって不通情報を外部から取得し、変更部104によって、記憶部101に記憶されている不通情報に対応する使用可能な道路を不通になった道路に変更することができる。そして、処理部105によって、未開通の道路および不通になった道路を用いず使用可能な道路を用いて所定の処理を実行することができる。したがって、自装置内ではなく外部からの情報によって、記憶部101に記憶された地図データのうちの使用可能な道路を不通になった道路に変更することができる、これによって、利用者は、不通になる予定日が変更になっても、実際に使用可能な道路のみを用いて所定の処理を実行させることができるため、正確な情報を得ることができる。また、記憶されるデータ量を減少させることができる。
【0039】
また、本実施の形態の情報処理装置100によれば、取得部103によって不通情報が取得された場合に、記憶部101に記憶されている不通情報に対応する使用可能な道路のフラグ情報を、変更部104によって使用可能な道路でないことを示すフラグ情報に変更することができる。そして、処理部105によって、フラグ情報に基づいて使用可能な道路を判別し、未開通の道路および不通になった道路を用いず使用可能な道路を用いて所定の処理を実行することができる。したがって、例えば使用可能な道路のフラグ情報を変更するのみで、不通になった道路に変更することができるため、道路情報を容易に管理することができる。
【0040】
また、本実施の形態の情報処理装置100によれば、処理部105によって、使用可能な道路が含まれる地図を表示部102に表示させる地図表示処理を実行することができる。したがって、使用可能な道路のみを表示させることができる。これによって、利用者は、例えば開通予定日が変更になり、いまだに開通されていない道路が表示されないため、正確な地図を得ることができる。
【0041】
また、本実施の形態の情報処理装置100によれば、取得部103によって開通情報が取得された場合に、変更部104によって、記憶部101に記憶されている開通情報に対応する未開通の道路を使用可能な道路に変更するとともに変更道路に対応する使用不可能な注記を使用可能な注記に変更することができる。そして、処理部105によって、使用可能な道路および使用可能な注記が含まれる地図を表示部102に表示させることができる。したがって、新規に開通された道路に、道路の名称などを付して表示させることができる。これによって、利用者は、新規に開通された道路を確認することができる。
【0042】
また、本実施の形態の情報処理装置100によれば、処理部105によって、使用可能な道路を対象とした経路を探索する経路探索処理を実行することができる。すなわち、本実施の形態の情報処理装置100によれば、処理部105によって、第1エリアから第2エリアへの経路を探索する場合に、記憶部101に記憶された地図データに含まれる道路のうち第1エリアから第2エリアへの経路探索で必要な道路の情報のみを格納した経路計算用データにおいて、使用可能な道路を判別し、使用可能な道路のみを対象として経路を探索することができる。したがって、例えばあらかじめ未開通の道路を含む経路計算用データを計算しておき、取得部103によって取得された情報に応じて、経路探索に用いる経路計算用データを変更することができる。このため、道路が開通したり、閉鎖されたりする度に、経路計算用データを計算し直さなくてもよい。
【0043】
また、本実施の形態の情報処理装置100によれば、取得部103によって開通情報が取得された場合に、変更部104によって、記憶部101に記憶されている開通情報に対応する未開通の道路を使用可能な道路に変更するとともに使用不可能な高速道路施設のうち変更道路によって使用可能となった高速道路施設を使用可能な高速道路施設に変更することができる。そして、処理部105によって、使用可能な高速道路施設を表示部102に表示させる高速道路施設表示処理を実行することができる。したがって、高速道路において、地図表示ではなく、IC、SA、PA、JCTなどの高速道路施設の情報列を表示する場合にも対応することができる。これによって、利用者は、例えば高速道路に位置するときに、地図ではなく高速道路施設の情報列を表示させている際にも、使用可能な施設の正確な情報を得ることができる。
【実施例】
【0044】
以下に、本発明の実施例について説明する。本実施例では、例えば、車両(四輪車、二輪車を含む)などの移動体に搭載されるナビゲーション装置によって、本発明の情報処理装置を実施した場合の一例について説明する。
【0045】
(ナビゲーション装置のハードウェア構成)
つぎに、本実施例にかかるナビゲーション装置300のハードウェア構成について説明する。図3は、本実施例にかかるナビゲーション装置のハードウェア構成を示すブロック図である。図3において、ナビゲーション装置300は、CPU301と、ROM302と、RAM303と、磁気ディスクドライブ304と、磁気ディスク305と、光ディスクドライブ306と、光ディスク307と、音声I/F(インターフェース)308と、マイク309と、スピーカ310と、入力デバイス311と、映像I/F312と、ディスプレイ313と、通信I/F314と、GPSユニット315と、各種センサ316と、カメラ317と、を備えている。各構成部301〜317は、バス320によってそれぞれ接続されている。
【0046】
まず、CPU301は、ナビゲーション装置300の全体の制御を司る。ROM302は、ブートプログラム、データ更新プログラム、フラグ情報変更プログラム、高速道路判断プログラム、地図表示プログラム、経路計算用データ算出プログラムなどのプログラムを記録している。また、RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用される。すなわち、CPU301は、RAM303をワークエリアとして使用しながら、ROM302に記録された各種プログラムを実行することによって、ナビゲーション装置300の全体の制御を司る。
【0047】
フラグ情報変更プログラムは、外部から取得したフラグ情報に応じて、地図データに含まれる道路のフラグ情報を変更させる。具体的には、例えば、外部から道路が開通したことに関するフラグ情報(以下、「開通フラグ情報」とする)を取得した際に、この開通フラグ情報が示す道路に、あらかじめ未開通のフラグ情報が付されている場合、開通したことを示すフラグ情報に変更する。また、フラグ情報変更プログラムは、高速道路施設の開設または閉設に関するフラグ情報を取得した場合、地図データに含まれる高速道路施設のフラグ情報を変更させる。
【0048】
また、フラグ情報変更プログラムは、例えばHDDやフラッシュメモリに記憶された地図データのフラグ情報を変更させなくてもよい。具体的には、例えば、フラグ情報変更プログラムは、HDDやフラッシュメモリから地図データがRAM303に読み込まれた後に、RAM303上でフラグ情報を変更させてもよい。このようにすることで、書き換えにより地図データが破損することを防ぎ、また道路を誤って開通または不通にしてしまった場合、地図データを初期状態に戻すのが容易である。
【0049】
高速道路施設情報変更プログラムは、フラグ情報変更プログラムによって高速道路施設のフラグ情報が変更された場合、開設または閉設された高速道路施設に関する情報を、使用可または使用不可に変更させる。具体的には、例えば、既存の高速道路に新たなIC(インターチェンジ)やSA(サービスエリア)、PA(パーキングエリア)が開設された場合、新たなIC、SA、PAを使用可に変更させる。また、高速道路施設情報変更プログラムは、フラグ情報の変更された道路が高速道路の場合に、道路の開通または不通ともに開設または閉設された施設に関する情報を、使用可または使用不可に変更させる。例えば、新たに開通した道路が既存の道路とJCT(ジャンクション)にて接続される場合、既存の道路にこのJCTに関する情報を追加させてもよい。
【0050】
地図表示プログラムは、後述するディスプレイ313に、使用可能な道路を含む地図を表示させる。すなわち、未開通の道路および使用不可となった道路を地図に表示させない。地図表示プログラムは、具体的には、例えば、HDDやフラッシュメモリに記録された地図データを一時的にRAM303に読み込み、ディスプレイ313に表示させる。
【0051】
経路探索プログラムは、使用可能な道路を対象とした経路を探索させる。具体的には、例えば、未開通の道路を含まない経路と、未開通の道路を含む経路とに対して、使用可能な道路および未開通の道路を含む地図データから、経路探索で必要な道路の情報のみを格納した経路計算用データをあらかじめ計算させておく。そして、利用者から経路探索指示を受け付けた場合、フラグ情報変更プログラムを実行した後に使用可能な道路のみを含む経路計算用データを用いて、経路を探索する。
【0052】
磁気ディスクドライブ304は、CPU301の制御にしたがって磁気ディスク305に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。磁気ディスク305は、磁気ディスクドライブ304の制御で書き込まれたデータを記録する。磁気ディスク305としては、例えば、HD(ハードディスク)やFD(フレキシブルディスク)を用いることができる。
【0053】
また、光ディスクドライブ306は、CPU301の制御にしたがって光ディスク307に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。光ディスク307は、光ディスクドライブ306の制御にしたがってデータが読み出される着脱自在な記録媒体である。光ディスク307は、書き込み可能な記録媒体を利用することもできる。着脱可能な記録媒体として、光ディスク307のほか、MO、メモリカードなどであってもよい。
【0054】
磁気ディスク305および光ディスク307に記録される情報の一例としては、地図データや機能データが挙げられる。地図データは、建物、河川、地表面などの地物(フィーチャ)をあらわす背景データと、道路の形状をあらわす道路形状データとを含んでおり、地区ごとに分けられた複数のデータファイルによって構成されている。
【0055】
道路形状データは、開通予定の道路などの未開通の道路に関するデータを有する。さらに道路形状データに含まれる各道路の情報には、それぞれ開通または不通を示すフラグ情報が関連付けられていてもよい。したがって、フラグ情報に開通を示すフラグ情報が関連付けられている道路が、所定の処理(地図表示プログラムや経路探索プログラム)に使用可能な道路である。また、道路形状データは、交通条件データを有する。交通条件データには、例えば、各ノードについて、信号や横断歩道などの有無、高速道路の出入り口やジャンクションの有無、各リンクについての長さ(距離)、道幅、進行方向、道路種別(高速道路、有料道路、一般道路など)などの情報が含まれている。また、道路形状データは、注記データを有していてもよい。注記データは、後述するディスプレイ313に表示されるデータであり、例えば道路の名称などである。
【0056】
機能データは、地図上の施設の形状をあらわす3次元データ、当該施設の説明をあらわす文字データ、その他地図データ以外の各種のデータである。地図データや機能データは、地区ごとあるいは機能ごとにブロック分けされた状態で記録されている。具体的には、例えば、地図データは、各々が、表示画面に表示された地図において所定の地区をあらわすように、地区ごとにブロック分けすることができる状態で記録されている。また、例えば、機能データは、各々が、1つの機能を実現するように、機能ごとに複数にブロック分けすることができる状態で記録されている。
【0057】
また、機能データは、上述した3次元データや文字データに加えて、経路探索、所要時間の算出、経路誘導などを実現するプログラムデータなどの機能を実現するためのデータである。地図データおよび機能データは、それぞれ、地区ごとあるいは機能ごとに分けられた複数のデータファイルによって構成されている。
【0058】
音声I/F308は、音声入力用のマイク309および音声出力用のスピーカ310に接続される。マイク309に受音された音声は、音声I/F308内でA/D変換される。マイク309は、例えば、車両のサンバイザー付近に設置され、その数は単数でも複数でもよい。スピーカ310からは、所定の音声信号を音声I/F308内でD/A変換した音声が出力される。なお、マイク309から入力された音声は、音声データとして磁気ディスク305あるいは光ディスク307に記録可能である。
【0059】
入力デバイス311は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたリモコン、キーボード、タッチパネルなどが挙げられる。入力デバイス311は、リモコン、キーボード、タッチパネルのうちいずれか1つの形態によって実現されてもよいが、複数の形態によって実現することも可能である。
【0060】
映像I/F312は、ディスプレイ313に接続される。映像I/F312は、具体的には、例えば、ディスプレイ313全体を制御するグラフィックコントローラと、即時表示可能な画像情報を一時的に記録するVRAM(Video RAM)などのバッファメモリと、グラフィックコントローラから出力される画像データに基づいてディスプレイ313を制御する制御ICなどによって構成される。
【0061】
ディスプレイ313には、アイコン、カーソル、メニュー、ウインドウ、あるいは文字や画像などの各種データが表示される。ディスプレイ313には、上述した地図データが、2次元または3次元に描画される。ディスプレイ313に表示された地図データには、ナビゲーション装置300を搭載した車両の現在位置をあらわすマークなどを重ねて表示することができる。車両の現在位置は、CPU301によって算出される。
【0062】
ディスプレイ313としては、例えば、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどを用いることができる。ディスプレイ313は、例えば、車両のダッシュボード付近に設置される。ディスプレイ313は、車両のダッシュボード付近のほか、車両の後部座席周辺などに設置するなどして、車両において複数設置されていてもよい。
【0063】
通信I/F314は、無線を介してネットワークに接続され、ナビゲーション装置300とCPU301とのインターフェースとして機能する。通信I/F314は、さらに、無線を介してインターネットなどの通信網に接続され、この通信網とCPU301とのインターフェースとしても機能する。
【0064】
通信網には、LAN、WAN、公衆回線網や携帯電話網などがある。具体的には、通信I/F314は、例えば、FMチューナー、VICS(Vehicle Information and Communication System)/ビーコンレシーバ、無線ナビゲーション装置、およびその他のナビゲーション装置によって構成され、VICSセンターから配信される渋滞や交通規制などの道路交通情報を取得する。なお、VICSは登録商標である。また、通信I/F314は、例えば、DSRC(Dedicated Short Range Communication)を用いた場合は、路側に設置された無線装置と双方向の無線通信をおこなう車載無線装置によって構成され、交通情報や地図情報など各種情報を取得する。なお、DSRCの具体例としては、ETC(ノンストップ自動料金支払いシステム)が挙げられる。
【0065】
GPSユニット315は、GPS衛星からの電波を受信し、車両の現在位置を示す情報を出力する。GPSユニット315の出力情報は、後述する各種センサ316の出力値とともに、CPU301による車両の現在位置の算出に際して利用される。現在位置を示す情報は、例えば緯度・経度、高度などの、地図データ上の1点を特定する情報である。
【0066】
各種センサ316は、車速センサ、加速度センサ、角速度センサなどの、車両の位置や挙動を判断するための情報を出力する。各種センサ316の出力値は、CPU301による車両の現在位置の算出や、速度や方位の変化量の算出に用いられる。
【0067】
カメラ317は、車両内部あるいは外部の映像を撮影する。映像は静止画あるいは動画のどちらでもよく、例えば、カメラ317によって車両内部の搭乗者の挙動を撮影し、撮影した映像を映像I/F312を介して磁気ディスク305や光ディスク307などの記録媒体に出力する。また、カメラ317によって車両外部の状況を撮影し、撮影した映像を映像I/F312を介して磁気ディスク305や光ディスク307などの記録媒体に出力する。また、カメラ317は、赤外線カメラ機能を有しており、赤外線カメラ機能を用いて撮影された映像情報に基づいて車両内部に存在する物体の表面温度の分布を相対的に比較することができる。また、記録媒体に出力された映像は、上書き記録や保存がおこなわれる。
【0068】
図1に示した情報処理装置100が備える記憶部101、表示部102、取得部103、変更部104、処理部105は、図3に示したナビゲーション装置300におけるROM302、RAM303、磁気ディスク305、光ディスク307などに記録されたプログラムやデータを用いて、CPU301が所定のプログラムを実行し、ナビゲーション装置300における各部を制御することによってその機能を実現する。
【0069】
すなわち、実施例のナビゲーション装置300は、ナビゲーション装置300における記録媒体としてのROM302に記録されている情報処理プログラムを実行することにより、図1に示した情報処理装置が備える機能を、図2に示した情報処理手順で実行することができる。
【0070】
(ナビゲーション装置の処理の内容)
つぎに、ナビゲーション装置の処理の内容について説明する。図4は、ナビゲーション装置の処理の内容を示すフローチャートである。図4のフローチャートにおいて、まず、開通/不通の制御情報を取得するまで待機する(ステップS401:Noのループ)。開通/不通の制御情報は、例えば開通を示すフラグ情報や不通を示すフラグ情報などのフラグ情報を含んでいる。なお、開通/不通の制御情報の取得は、例えば通信I/F314における通信によって他の装置から取得してもよいし、例えば利用者がフラグ情報を格納する専用のウェブサイトからフラグ情報を取得し、USBメモリや携帯電話のメモリなどの携帯メモリに記憶させたものが、ナビゲーション装置300に接続されることで取得してもよい。また、開通/不通の制御情報は、開通/不通となった道路全体の情報でもよいし、開通/不通となった道路を所定区間ごとに区切った区間情報でもよい。
【0071】
ステップS401において開通/不通の制御情報を取得した場合(ステップS401:Yes)、ステップS401において取得された開通/不通の制御情報に対応する道路のフラグ情報を変更する(ステップS402)。また、ステップS402においてフラグ情報の変更された変更道路に対応する注記データをフラグ情報に合わせて使用可能または使用不可に変更する(ステップS403)。
【0072】
つぎに、変更道路が高速道路か否かを判断して(ステップS404)、変更道路が高速道路ではないと判断された場合(ステップS404:No)、ディスプレイ313に使用可能な道路および使用可能な注記が含まれる地図を表示して(ステップS405)、ステップS408に進む。
【0073】
一方、ステップS404において変更道路が高速道路であると判断された場合(ステップS404:Yes)、高速道路施設の情報をフラグ情報に合わせて使用可能または使用不可に変更する(ステップS406)。そして、ディスプレイ313に使用可能な高速道路施設を表示して(ステップS407)、ステップS408に進む。
【0074】
ステップS408においては、経路探索指示を受け付けるまで待って(ステップS408:Noのループ)、経路探索指示を受け付けた場合(ステップS408:Yes)、フラグ情報に基づいて、経路探索処理を実行して(ステップS409)、一連の処理を終了する。
【0075】
なお、図4のフローチャートにおいては、道路の開通状態または不通状態を示す情報として、フラグ情報を用いたが、これに限るものではない。具体的には、例えば、道路の開通状態または不通状態を示すことのできる情報であれば、フラグ情報でなくてもよい。
【0076】
また、図4のフローチャートにおいては、ステップS404において変更道路が高速道路か否かを判断して、変更道路が高速道路であると判断された場合、ステップS406に進む構成としているが、これに限るものではない。具体的には、例えば、ステップS401において高速道路施設の開設/閉設を示す情報を取得した場合、ステップS402〜ステップS404を省略して、ステップS406に進む構成としてもよい。
【0077】
また、図4のフローチャートにおいては、ステップS401において開通/不通の制御情報を取得するとしているが、これに限るものではない。具体的には、例えば、開通/不通の制御情報があらかじめ取得されており、この開通/不通の制御情報を有効にするか否かの情報を外部から制御するようにしてもよい。
【0078】
(道路形状データの内容と、それを用いた地図表示処理の内容)
本実施例にかかる地図データに含まれる道路形状データと、それを用いてディスプレイ313に表示される地図について説明する。図5は、道路形状データの内容と、それを用いた地図表示処理の内容と、について示す説明図である。本実施例において、道路形状データは、開通予定の道路の情報(道路BのリンクB0〜リンクB3)を含んでいる。
【0079】
図5に示すように、例えばディスプレイ313には、第1地図500、すなわち道路A501と、道路C503と、道路D504と、道路Aの注記511と、道路Cの注記513と、道路Dの注記514と、が表示されている。また、第1道路形状データ520は、アドレス521と、道路名522と、フラグ情報523と、詳細情報524と、を含んでいる。
【0080】
アドレス521は、地図上の位置を示す情報である。また、道路名522は、地図上の各道路の名称に関する情報である。フラグ情報523は、各道路の所定区間が開通状態か不通状態かを示す情報である。本実施例においては、「0」が開通を示すフラグ情報であり、「1」が不通を示すフラグ情報である。詳細情報524は、各道路の所定区間ごとの詳細な情報である。
【0081】
第1道路形状データ520においては、道路Bの全ての区間(リンクB0〜リンクB3)において、フラグ情報523が「1」、すなわち不通状態である。このため、第1地図500においては、道路B502(図中、点線の部分)および道路Bの注記が表示されていない。
【0082】
(道路形状データの変更処理および地図表示処理の一例)
つぎに、図4のステップS401〜ステップS403、ステップS405の処理について詳細に説明する。図6は、道路形状データの変更処理および地図表示処理の一例について示す説明図である。
【0083】
図6においては、外部から開通を示す制御情報630および不通を示す制御情報640を取得している。開通を示す制御情報630および不通を示す制御情報640には、アドレス631、641とフラグ情報632、642が含まれている。開通を示す制御情報630に含まれるアドレス631は、「60」、「68」、「74」、「82」であり、フラグ情報632はそれぞれ「0」である。
【0084】
ここで、第2道路形状データ620において、アドレス521が「60」、「68」、「74」、「82」であるのは、道路BのリンクB0、リンクB1、リンクB2、リンクB3である。したがって、道路BのリンクB0〜リンクB3のフラグ情報623を「1」から「0」に変更する。これによって、第2地図600には、図5に示す第1地図500では表示されていなかった道路B502が表示されることとなる。また、道路Bの注記512もともに表示されてもよい。
【0085】
不通を示す制御情報640に含まれるアドレス641は、「126」、「134」であり、フラグ情報642はそれぞれ「1」である。ここで、第2道路形状データ620においては、アドレス521が「126」、「134」であるのは、道路DのリンクD0、リンクD1である。したがって、道路DのリンクD0、リンクD1のフラグ情報623を「0」から「1」に変更する。これによって、第2地図600では、図5に示す第1地図500では表示されていた道路D504が表示されないこととなる。また、道路Dの注記もともに表示されなくてもよい。
【0086】
なお、図6においては、開通を示す制御情報630と、不通を示す制御情報640とを、別の情報として説明したが、これに限るものではない。具体的には、1つの制御情報内に、開通を示すフラグ情報(「0」)と、不通を示すフラグ情報(「1」)と、をともに含んでいてもよい。
【0087】
(道路形状データの変更処理および地図表示の他の一例)
つぎに、道路形状データの変更処理および地図表示の他の一例について説明する。図7は、道路形状データの変更処理および地図表示の他の一例について示す説明図である。
【0088】
図7においては、例えば開通区間の変更があった場合について説明する。例えば、図6に示すように、道路BのリンクB0〜リンクB3が開通する全線開通の予定から、道路BのリンクB0およびリンクB1のみ開通する一部開通に変更になった場合、図6に示す開通を示す制御情報630が分割された、一部開通を示す制御情報730を取得する。
【0089】
図7においては、外部から一部開通を示す制御情報730を取得している。一部開通を示す制御情報730に含まれるアドレス731は、「60」、「68」であり、フラグ情報732はそれぞれ「0」である。ここで、第3道路形状データ720においては、アドレス521が「60」、「68」であるのは、道路BのリンクB0およびリンクB1である。したがって、道路BのリンクB0およびリンクB1のフラグ情報723を「1」から「0」に変更する。これによって、第3地図700には、図5に示す第1地図500では表示されていなかった道路B502の一部が表示されることとなる。また、道路Bの注記512もともに表示されてもよい。
【0090】
(使用可能な高速道路施設を表示する処理の一例)
つぎに、図4のステップS406およびステップS407の処理について詳細に説明する。図8は、使用可能な高速道路施設を表示する処理の一例について示す説明図である。ナビゲーション装置300においては、例えば車両が高速道路に存在する場合、ディスプレイ313には、地図ではなくIC、SA、PA、JCTなどの高速道路施設の情報列を表示することが一般的である。
【0091】
図8の左図800においては、具体的には、例えば、車両から近い順に、八王子IC801、相模湖IC802、談合坂SA803が表示されている。ここで、八王子JCT811が開設した情報と、八王子JCT811から接続される圏央道812が開通した情報を取得したとする。八王子JCT811は、例えば車両から15km先の地点に開設されている。したがって、八王子JCT811は、車両から10km先の八王子IC801と、車両から30km先の相模湖IC802との間に、開設されたこととなる。
【0092】
このため、図8の右図810に示すように、八王子IC801と相模湖IC802との間に、八王子JCT811が位置することを示す情報と、この八王子JCT811から圏央道812に分岐することを示す情報が、ディスプレイ313に表示される。
【0093】
(経路計算用データの一例)
つぎに、図4のステップS409において経路探索処理を実行する際に用いる経路計算用データの一例について説明する。図9は、経路計算用データの一例について示す説明図である。図9に示すように、例えばHDDやフラッシュメモリには、特に遠距離の経路計算の高速化のため、所定のエリア同士の経路を事前に計算して、経路探索で必要な道路の情報のみを格納した経路計算用データ900が記録されている。
【0094】
本実施例においては、地図データに未開通の道路を含んでおり、経路計算用データ900についても、第1エリア901から第2エリア902までの、未開通の道路を含まない経路903と、未開通の道路を含んだ経路904が計算されている。したがって、例えば未開通の道路を含んだ経路904の中の未開通の道路が開通した場合、この未開通の道路を含んだ経路904と未開通の道路を含まない経路903とをともに用いて、経路探索処理を実行する。
【0095】
上述したように、実施例にかかるナビゲーション装置300によれば、外部から取得した開通/不通の制御情報によって、HDDやフラッシュメモリに記憶された地図データに含まれる道路形状データを変更することができる。そして、この道路形状データに基づいて、ディスプレイに地図を表示させることができる。したがって、利用者は、開通予定日や開通区間が変更されても、実際に開通している道路のみを表示させることができるため、道に迷ったり、引き返したりすることがなく、快適に車両を運転することができる。
【0096】
また、実施例にかかるナビゲーション装置300によれば、例えば高速道路に新たにJCTが開設されたり、開設されたJCTに接続される道路が開通した場合、高速道路施設の情報を表示させることができる。これによって、利用者は、車両が高速道路に位置する場合にも、新たな高速道路施設を表示させることができるため、JCTで分岐し損ねたり、ICから降り損ねたりすることなく、快適に車両を運転することができる。
【0097】
また、実施例にかかるナビゲーション装置300によれば、遠距離の経路計算の高速化のため、所定のエリア同士の経路を事前に計算する際に、未開通の道路を含む経路についても計算しておくことができる。そして、経路計算用データの中の未開通の道路が開通した場合、新たに経路計算用のデータを計算し直さなくても、未開通の道路を含む経路を用いて経路を探索することができる。これによって、利用者は、実際に使用可能な道路のみを用いた経路しか表示されないため、道に迷うことが無く、快適に車両を運転することができる。
【0098】
以上説明したように、本発明の情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、および記録媒体によれば、外部から開通情報を取得し、自装置内に記憶されている地図データの開通情報に対応する未開通の道路を、使用可能な道路に変更することができる。そして、未開通の道路を用いず使用可能な道路を用いて所定の処理を実行することができる。したがって、自装置内ではなく外部からの情報によって、地図データのうちの未開通の道路を使用可能な道路に変更することができる、これによって、利用者は、開通予定日が変更になっても、実際に使用可能な道路のみを用いて所定の処理を実行させることができるため、正確な情報を得ることができる。また、記憶されるデータ量を減少させることができる。
【0099】
なお、本実施の形態で説明した情報処理方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータ、ワークステーション、携帯端末装置(携帯電話)などのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】本実施の形態にかかる情報処理装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図2】情報処理装置の情報処理手順を示すフローチャートである。
【図3】本実施例にかかるナビゲーション装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図4】ナビゲーション装置の処理の内容を示すフローチャートである。
【図5】道路形状データの内容と、それを用いた地図表示処理の内容と、について示す説明図である。
【図6】道路形状データの変更処理および地図表示処理の一例について示す説明図である。
【図7】道路形状データの変更処理および地図表示の他の一例について示す説明図である。
【図8】使用可能な高速道路施設を表示する処理の一例について示す説明図である。
【図9】経路計算用データの一例について示す説明図である。
【符号の説明】
【0101】
100 情報処理装置
101 記憶部
102 表示部
103 取得部
104 変更部
105 処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用可能な道路および未開通の道路を含む地図データを記憶する記憶手段と、
前記未開通の道路のうち開通した道路に関する情報(以下、「開通情報」という)を外部から取得する取得手段と、
前記取得手段によって前記開通情報が取得された場合に、当該開通情報に対応する未開通の道路を使用可能な道路に変更する変更手段と、
前記未開通の道路を用いず前記使用可能な道路を用いて所定の処理を実行する処理手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記地図データの未開通の道路は所定の区間で分割されており、
前記開通情報は前記未開通の道路のうち開通した道路の区間に関する情報であり、
前記変更手段は、前記取得手段によって前記開通情報が取得された場合に、前記記憶手段に記憶されている当該開通情報に対応する区間の未開通の道路を使用可能な道路に変更することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記地図データの各道路データには使用可能な道路であるかどうかを示すフラグ情報を含んでおり、
前記変更手段は、前記取得手段によって前記開通情報が取得された場合に、前記記憶手段に記憶されている当該開通情報に対応する未開通の道路のフラグ情報を使用可能な道路であることを示すフラグ情報に変更し、
前記処理手段は、前記フラグ情報に基づいて使用可能な道路を判別し、前記未開通の道路を用いず前記使用可能な道路を用いて所定の処理を実行することを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記取得手段は、前記使用可能な道路のうち不通になった道路に関する情報(以下、「不通情報」という)を外部から取得し、
前記変更手段は、前記取得手段によって前記不通情報が取得された場合に、前記記憶手段に記憶されている当該不通情報に対応する使用可能な道路を不通になった道路に変更し、
前記処理手段は、前記未開通の道路および前記不通になった道路を用いず前記使用可能な道路を用いて所定の処理を実行することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記地図データの各道路データには使用可能な道路であるかどうかを示すフラグ情報を含んでおり、
前記変更手段は、前記取得手段によって前記不通情報が取得された場合に、前記記憶手段に記憶されている当該不通情報に対応する使用可能な道路のフラグ情報を使用可能な道路でないことを示すフラグ情報に変更し、
前記処理手段は、前記フラグ情報に基づいて使用可能な道路を判別し、前記未開通の道路および前記不通になった道路を用いず前記使用可能な道路を用いて所定の処理を実行することを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記処理手段は、前記使用可能な道路が含まれる地図を表示手段に表示させる地図表示処理を実行することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記記憶手段は、使用可能な注記および使用不可能な注記を含む注記データをさらに記憶し、
前記変更手段は、前記取得手段によって前記開通情報が取得された場合に、前記記憶手段に記憶されている当該開通情報に対応する未開通の道路を使用可能な道路に変更するとともに当該変更道路に対応する使用不可能な注記を使用可能な注記に変更し、
前記処理手段は、前記使用可能な道路および前記使用可能な注記が含まれる地図を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記処理手段は、前記使用可能な道路を対象とした経路を探索する経路探索処理を実行することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記記憶手段は、前記地図データに含まれる道路のうち第1エリアから第2エリアへの経路探索で必要な道路の情報のみを格納した経路計算用データを記憶し、
前記処理手段は、前記第1エリアから前記第2エリアへの経路を探索する場合に、前記経路計算用データのうち使用可能な道路を判別し、使用可能な道路のみを対象として経路を探索することを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記記憶手段は、使用可能な高速道路施設の情報および使用不可能な高速道路施設の情報を含む高速道路施設データをさらに記憶し、
前記変更手段は、前記取得手段によって前記開通情報が取得された場合に、前記記憶手段に記憶されている当該開通情報に対応する未開通の道路を使用可能な道路に変更するとともに使用不可能な高速道路施設のうち当該変更道路によって使用可能となった高速道路施設を使用可能な高速道路施設に変更し、
前記処理手段は、前記使用可能な高速道路施設を表示手段に表示させる高速道路施設表示処理を実行することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載の情報処理装置。
【請求項11】
使用可能な道路および未開通の道路を含む地図データを記憶する記憶手段を備える情報処理装置における情報処理方法であって、
前記未開通の道路のうち開通した道路に関する情報(以下、「開通情報」という)を外部から取得する取得工程と、
前記取得工程で前記開通情報が取得された場合に、当該開通情報に対応する未開通の道路を使用可能な道路に変更する変更工程と、
前記未開通の道路を用いず前記使用可能な道路を用いて所定の処理を実行する処理工程と、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項12】
請求項11に記載の情報処理方法をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【請求項13】
請求項12に記載の情報処理プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータに読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−8344(P2010−8344A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−170694(P2008−170694)
【出願日】平成20年6月30日(2008.6.30)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【出願人】(595105515)インクリメント・ピー株式会社 (197)
【Fターム(参考)】