情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム
【課題】ユーザの使い勝手を損なうことなく安全に無線ネットワーク接続を行うことの可能な情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラムを提供する。
【解決手段】ユーザは、無線通信装置700の表示部750にメニューを表示させ、そのメニューの中から「QRコードでコンテンツ取得」というアイコンを選択する。すると、無線通信装置700のカメラ部730が起動し、QRコードを撮像可能な状態となる。ユーザは、無線通信装置700のカメラ部730を、デジタルTV500のモニタ530に表示されたQRコード(図7)の前にかざし、カメラ部730で、所望のQRコードを撮像する。すると、カメラ部730で撮像されたQRコードに含まれるネットワーク識別情報を利用した認証が行われるとともに鍵交換も行われ、無線通信装置700が有線ネットワーク100に接続され、有線ネットワーク100上のコンテンツが無線通信装置700に転送される。
【解決手段】ユーザは、無線通信装置700の表示部750にメニューを表示させ、そのメニューの中から「QRコードでコンテンツ取得」というアイコンを選択する。すると、無線通信装置700のカメラ部730が起動し、QRコードを撮像可能な状態となる。ユーザは、無線通信装置700のカメラ部730を、デジタルTV500のモニタ530に表示されたQRコード(図7)の前にかざし、カメラ部730で、所望のQRコードを撮像する。すると、カメラ部730で撮像されたQRコードに含まれるネットワーク識別情報を利用した認証が行われるとともに鍵交換も行われ、無線通信装置700が有線ネットワーク100に接続され、有線ネットワーク100上のコンテンツが無線通信装置700に転送される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク上のデバイスと通信可能な情報処理装置、ならびにそのような情報処理装置に好適な情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、LAN(Local Area Network)に接続可能なデジタル家電の普及に伴い、ビデオ、写真、音楽などのデジタルコンテンツを、LANを介して共有することが容易となってきている。LANを用いて、パーソナルコンピュータ、家電機器、携帯端末、デジタルカメラ、携帯電話機などのデバイスを相互に接続し、連携して利用するための技術仕様の一つに、DLNA(Digital Living Network Alliance)ガイドラインがある。
【0003】
DLNAガイドラインでは、UPnP(Universal Plug and Play)を用いて、LANに接続された機器を検索したり、コンテンツ一覧を取得したりすることが可能となっている。さらに、このガイドラインでは、LAN上のある機器に保存されているコンテンツを別の機器で再生することが可能となっている。
【0004】
LANの普及に伴い、無線LANも徐々に普及してきている。無線LANの普及に伴い、必然的に、無線LANの暗号化通信の設定に詳しくない人も増えてきている。その結果、例えば、電波が自分の家の外に漏れ、他人の機器が自身の無線LANに接続可能となっていることにユーザが気付かない間に、自身の所有コンテンツが他人に盗み見られる危険性がある。そこで、無線LANベンダーの業界団体であるWi−Fi Allianceは、無線LANの暗号通信を簡単に設定するための実装仕様としてWi−Fi Protected Setup(WPS)を策定した(なお、Wi−Fiのロゴは、Wi−Fi Allianceの登録商標である)。
【0005】
WPSの策定以前から、独自の仕様で、暗号鍵の設定手順をより簡単にする仕様が多くのメーカによって製品に実装されており、現在では、暗号通信に必要な暗号鍵を生成するための「PIN(Personal Identification Number)」と呼ぶパスワードをユーザが入力する必要の無いいくつかの方法が広く使われている。例えば、非特許文献1に記載されているように、アクセスポイントのAOSS(AirStation One-Touch Secure System)(株式会社バッファローの登録商標)ボタンを押してから、所定の時間内に、無線LANに接続する機器のAOSSボタンを押すことにより、認証を行う方法が簡易な設定方法として実用化されている。また、非特許文献2に記載されているように、アクセスポイントの所定のボタンを押すだけで、認証を行う方法も簡易な設定方法として実用化されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】http://buffalo.jp/aoss/
【非特許文献2】http://121ware.com/product/atermstation/special/ rakuraku_start/index.html
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記の方法は、アクセスポイントのボタンを必ず押すことが必要となるので、アクセスポイントが置かれている場所から離れた場所で機器を無線LANに接続する場合や、アクセスポイントが天井裏などの、人の手が届きにくい場所に設置されている場合に、極めて不便である。このように、従来の方法では、認証のためにユーザの使い勝手が損なわれているという問題があった。
【0008】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ユーザの使い勝手を損なうことなく安全に無線ネットワーク接続を行うことの可能な情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の情報処理装置は、ネットワーク上の他のデバイスと通信を行う通信部と、3つの情報を示す画像情報をコンテンツごとに生成する画像生成部とを備えたものである。上記の3つの情報とは、具体的には、(1)ネットワーク上の他のデバイスまたは自身が保有するコンテンツのアドレス情報、(2)ネットワーク上のアクセスポイントの無線ネットワークへの無線デバイスの参加を認証するためのネットワーク識別情報、(3)コンテンツごとに設定された処理指定情報を指している。第1の情報処理装置は、さらに、画像生成部によって生成された画像情報をコンテンツリストとともに画面に表示することを表示装置に要求する表示要求部を備えている。
【0010】
ここで、「デバイス」とは、ネットワーク環境内で他のデバイスと通信することができる独立した物理的または論理的な実体を指している。「コンテンツ」とは、例えば、ニュース、映画、ドラマ、テレビ番組、楽曲、画像、写真、ビデオ、ゲーム、アニメなど、人間が視聴により感じ取るひとまとまりの情報を指している。「認証」とは、ネットワークへのアクセスを認めるために無線デバイスを識別するプロセスを意味している。
【0011】
本発明の第1の情報処理装置において、通信部が、ネットワーク識別情報を、ネットワーク上のレジストラ機能実装デバイスから取得するようにしてもよい。レジストラ機能実装デバイスとして、例えば、アクセスポイントが挙げられる。アクセスポイントとは、無線デバイスをネットワークに接続するデバイスで、例えば、Wi−Fiルータを意味している。なお、レジストラとは、識別情報の発行および取り消しの権限を有する論理的実体を指しており、レジストラは、アクセスポイントを含め、あらゆるデバイスに統合することが可能なものである。また、ネットワーク上の他のデバイスがコンテンツを保有している場合には、通信部が、アドレス情報および処理指定情報をそのデバイスから取得するようにしてもよい。一方、本発明の第1の情報処理装置がコンテンツおよび処理指定情報を記憶領域に保有している場合には、画像生成部が、これらの情報を記憶領域から読み出すようにしてもよい。
【0012】
本発明の第1の情報処理装置において、ネットワーク識別情報は、例えば、無線ネットワークの名前と、無線ネットワークに接続するためのパスコードとを含んでいる。パスコードは、例えば、レジストラ機能実装デバイスによって生成されたものであり、コンテンツごとに生成されたものであることが好ましい。また、本発明の第1の情報処理装置において、画像情報は、例えば、QRコード(デンソーウェーブ社の登録商標)である。
【0013】
本発明の第1の情報処理方法は、ネットワーク上の他のデバイスと通信を行うことの可能な、ネットワーク上の一のデバイスにおける情報処理方法である。第1の情報処理方法は、以下の2つのステップを含むものである。
(A1)ネットワーク上の他のデバイスまたは自身が保有するコンテンツのアドレス情報と、ネットワーク上のアクセスポイントの無線ネットワークへの無線デバイスの参加を認証するためのネットワーク識別情報と、コンテンツごとに設定された処理指定情報とを用いて、これらの情報を示す画像情報をコンテンツごとに生成する画像生成ステップ
(A2)生成ステップによって生成された画像情報をコンテンツリストとともに画面に表示することを表示装置に要求する表示要求ステップ
【0014】
本発明の第1の情報処理プログラムは、ネットワーク上の他のデバイスと通信を行うことの可能な、ネットワーク上の一のデバイス用の情報処理プログラムである。第1の情報処理プログラムは、以下の2つのステップをデバイスに実行させるものである。
(B1)ネットワーク上の他のデバイスまたは自身が保有するコンテンツのアドレス情報と、ネットワーク上のアクセスポイントの無線ネットワークへの無線デバイスの参加を認証するためのネットワーク識別情報と、コンテンツごとに設定された処理指定情報とを用いて、これらの情報を示す画像情報をコンテンツごとに生成する画像生成ステップ
(B2)生成ステップによって生成された画像情報をコンテンツリストとともに画面に表示することを表示装置に要求する表示要求ステップ
【0015】
本発明の第1の情報処理装置、第1の情報処理方法および第1の情報処理プログラムでは、ネットワーク識別情報などを示す画像情報がコンテンツごとに生成され、生成された画像情報をコンテンツリストとともに画面に表示する要求が表示装置になされる。これにより、表示装置には、ネットワーク識別情報などを示す画像情報がコンテンツリストとともに画面に表示される。
【0016】
このとき、例えば、第1の情報処理装置のユーザ(以下、単に「ユーザ」とする)が、コンテンツリスト中の一のコンテンツを、自身が保有する無線デバイス(例えば、パーソナルコンピュータ、家電機器、携帯端末、デジタルカメラ、携帯電話機など)にコピーしたいと思っているとする。この場合に、ユーザは、例えば、そのコンテンツに対応して配置された画像情報を当該無線デバイスに設けられたカメラで撮像し、画像情報が示す情報を取得し、取得した情報を当該無線デバイスから無線ネットワークに出力することにより、そのコンテンツを取得することができる。このとき、ユーザは、無線デバイスのボタンを何回か押して、画像情報の撮像と、所望のコンテンツの取得を実行した程度の認識しかしていない。実際には、バックグラウンドでは、以下に説明するように、アクセスポイントと無線デバイスとの間で所定の登録プロトコルと、コンテンツの転送が実行されている。
【0017】
例えば、まず、無線デバイスから無線ネットワークに出力された情報がネットワーク上のアクセスポイントで受信されると、アクセスポイントにおいて、受信した情報に含まれるネットワーク識別情報などを用いた認証が行われる。認証が成功すると、アクセスポイントと無線デバイスとの間で鍵交換が行われ、無線パラメータなどの設定情報がアクセスポイントから無線デバイスに転送される。次に、無線デバイスが、取得した無線パラメータなどの設定情報を用いて、無線ネットワークに接続する。このような登録プロトコルに実行により、無線デバイスは、アクセスポイントと共通の暗号鍵を用いた通常のデータ通信を行うことが可能となる。その後、無線デバイスは、画像情報から既に取得しているアドレス情報および処理指定情報を無線ネットワークに出力する。すると、アドレス情報に対応する、ネットワーク上のデバイスが、無線デバイスからの情報を受信し、受信した情報に含まれる処理指定情報に従った処理を実行する。ここで、処理指定情報が、アドレス情報に対応するコンテンツのコピーの、無線デバイスへの転送である場合には、上記のデバイスは、アドレス情報に対応するコンテンツのコピーを無線デバイスに転送する。その結果、無線デバイスは、アドレス情報に対応するコンテンツのコピーを取得する。このようにして、コンテンツの転送が実行される。
【0018】
本発明の第2の情報処理装置は、無線デバイスをネットワークに接続する情報処理装置である。第2の情報処理装置は、3つの情報を含む無線信号を無線デバイスから受信する受信部と、ネットワーク上の他のデバイスから、前記無線ネットワークへの無線デバイスの参加を認証するための第2のネットワーク識別情報の要求があった場合に、第2のネットワーク識別情報を、第2のネットワーク識別情報を要求してきたデバイスに送信する送信部とを備えている。ここで、上記の3つの情報とは、具体的には、(1)ネットワーク上の第1のデバイスに格納された第1のコンテンツのアドレス情報、(2)ネットワーク上のアクセスポイントの無線ネットワークへの無線デバイスの参加を認証するための第1のネットワーク識別情報、(3)第1のコンテンツに対する処理指定情報を指している。また、送信部が送信する第2のネットワーク識別情報は、送信部が発行したものか、または、ネットワーク上のレジストラ機能実装デバイスから取得したものである。本発明の第2の情報処理装置は、さらに、第1のネットワーク識別情報が第2のネットワーク識別情報と一致するか、または所定の関係にある場合に、無線信号を送信してきた無線デバイスの、ネットワークへの接続を許可する認証部を備えている。
【0019】
本発明の第2の情報処理装置では、ネットワーク識別情報などを含む無線信号を無線デバイスから受信すると、受信した情報に含まれる第1のネットワーク識別情報が、過去にネットワーク上の他のデバイスに送信した第2のネットワーク識別情報と一致するか、または所定の関係にあるかが検証される。その結果、第1のネットワーク識別情報が第2のネットワーク識別情報と一致するか、または所定の関係にあると判明した場合には、無線信号を送信してきた無線デバイスの、ネットワークへの接続が許可される。
【0020】
上記のようにして認証が成功した場合には、例えば、第2の情報処理装置と無線デバイスとの間で鍵交換が行われ、無線パラメータなどの設定情報が第2の情報処理装置から無線デバイスに転送される。次に、無線デバイスが、取得した無線パラメータなどの設定情報を用いて、無線ネットワークに接続する。このような設定プロトコルに実行により、無線デバイスは、第2の情報処理装置と共通の暗号鍵を用いた通常のデータ通信を行うことが可能となる。その後、無線デバイスは、画像情報から既に取得しているアドレス情報および処理指定情報を無線ネットワークに出力する。すると、アドレス情報に対応する、ネットワーク上のデバイスが、無線デバイスからの情報を第2の情報処理装置を介して受信し、受信した情報に含まれる処理指定情報に従った処理を実行する。ここで、処理指定情報が、アドレス情報に対応するコンテンツのコピーの、無線デバイスへの転送である場合には、上記のデバイスは、アドレス情報に対応するコンテンツのコピーを第2の情報処理装置を介して無線デバイスに転送する。その結果、無線デバイスは、アドレス情報に対応するコンテンツのコピーを取得する。このようにして、コンテンツの転送が実行される。
【発明の効果】
【0021】
本発明の第1の情報処理装置、第1の情報処理方法および第1の情報処理プログラムによれば、ネットワーク識別情報などを示す画像情報がコンテンツリストとともに画面に表示されるようにしたので、画像情報が表示された表示画面の傍にいる人だけがカメラ付きの無線デバイスで画像情報を撮像し、撮像した画像情報を利用して無線ネットワークに接続し、コンテンツを取得することが可能となる。ここで、無線デバイスは、無線ネットワークに接続する機能と、カメラを備えていればどのようなものであってもよく、事前の登録がなされているなどの、特定のものである必要はない。また、本発明では、アクセスポイントのボタンを押したり、アクセスポイントに対して何らかの設定操作を行ったりする必要がない。そのため、アクセスポイントが置かれている場所から離れた場所でも、無線デバイスを無線ネットワークに接続したり、アクセスポイントを天井裏などの、人の手が届きにくい場所に設置したりすることも可能である。したがって、本発明では、ユーザの使い勝手を損なうことなく安全に無線ネットワーク接続を行うことができる。
【0022】
本発明の第2の情報処理装置によれば、ネットワーク識別情報などを含む無線信号を無線デバイスから受信した場合に、受信した情報に含まれる第1のネットワーク識別情報が、過去にネットワーク上の他のデバイスに送信した第2のネットワーク識別情報と一致するか、または所定の関係にあると判明したときに、無線信号を送信してきた無線デバイスの、ネットワークへの接続を許可するようにしたので、例えば、ネットワーク識別情報などを示す画像情報をコンテンツリストとともにネットワーク上のデバイスの画面に表示させ、その画像情報を、その画像情報が表示された表示画面の傍にいる人が保有するカメラ付きの無線デバイスで撮像し、撮像した画像情報を利用して無線ネットワークに接続するだけで、コンテンツを取得することが可能となる。ここで、無線デバイスは、無線ネットワークに接続する機能と、カメラを備えていればどのようなものであってもよく、事前の登録がなされているなどの、特定のものである必要はない。また、本発明では、アクセスポイントのボタンを押したり、アクセスポイントに対して何らかの設定操作を行ったりする必要がない。そのため、アクセスポイントが置かれている場所から離れた場所でも、無線デバイスを無線ネットワークに接続したり、アクセスポイントを天井裏などの、人の手が届きにくい場所に設置したりすることも可能である。したがって、本発明は、ユーザの使い勝手を損なうことなく安全に無線ネットワーク接続を行うことを可能にしている。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施の形態に係るネットワークシステムの構成例を示す図である。
【図2】図1のレコーダの構成例を示す図である。
【図3】図1の、レコーダに接続されたデジタルTVの構成例を示す図である。
【図4】図1の、有線ネットワークに直接接続されたデジタルTVの構成例を示す図である。
【図5】図1のアクセスポイントの構成例を示す図である。
【図6】図1の無線通信装置の構成例を示す図である。
【図7】デジタルTV画面への表示の一例を表す図である。
【図8】無線通信装置の登録および無線通信装置へのコンテンツ転送を行う手順の一例を示す流れ図である。
【図9】無線通信装置の登録および無線通信装置へのコンテンツ転送を行う手順の他の例を示す流れ図である。
【図10】無線通信装置のネットワーク接続の一例を示す流れ図である。
【図11】図1のネットワークシステムの他の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態
システム構成(図1〜図7)
登録・コンテンツ転送(図8、図9)
ネットワーク接続(図10)
効果
2.変形例(図11)
【0025】
<1.実施の形態>
[システム構成]
図1は、本発明の一実施の形態に係るネットワークシステム1の構成例を示す図である。ネットワークシステム1は、例えば、有線ネットワーク100に接続されたレコーダ200、デジタルTV500およびアクセスポイント600を備えている。有線ネットワーク100には、必要に応じて、デジタルTV、パソコン、携帯情報端末などCE(Consumer Electronics)機器が接続され得る。ここで、有線ネットワーク100は、例えば、ケーブルを使って物理的に近接した領域内にあるデバイス同士を接続する有線LANである。レコーダ200には、インターフェースケーブル300を介してデジタルTV400が接続されており、アクセスポイント600には、無線ネットワーク800が構築されている。無線ネットワーク800は、例えば、Wi−Fiを使ってデバイス同士を接続する無線LANである。
【0026】
アクセスポイント600と無線ネットワーク800を介した通信が可能な領域(以下、「通信可能領域」とする)内には、無線ネットワーク800に接続する機能を有する無線通信装置700が配置されている。通信可能領域には、必要に応じて、他の無線通信装置が配置され得る。無線通信装置700は、以下で説明する登録プロトコルの実行前においては、無線ネットワーク800に未登録の状態であり、まだ、無線ネットワーク800に接続されていないものとする。
【0027】
なお、有線ネットワーク100は、本発明の「ネットワーク」の一具体例に相当する。また、レコーダ200およびデジタルTV500は、本発明の「第1の情報処理装置」の一具体例に相当し、アクセスポイント600は、本発明の「第2の情報処理装置」の一具体例に相当する。無線通信装置700が、本発明の「無線デバイス」の一具体例に相当する。
【0028】
(レコーダ200)
レコーダ200は、例えば、DVD(Digital Versatile Disc)やBD(Blu-ray Disc)などの光ディスクの情報を読み出したり、光ディスクに情報を記録したり、さらには、内蔵のHD(Hard Disk)に、光ディスクの情報や受信したテレビ番組などを記録したりすることの可能な据え置き型のデッキである。レコーダ200は、例えば、図2に示したように、記録再生部210、放送受信部220、記憶部230、映像・音声出力部240、リモコン受信部250、リモコン送信機260、ネットワーク接続部270、および制御部280を有している。なお、ネットワーク接続部270が本発明の「通信部」の一具体例に相当し、制御部280が、本発明の「画像生成部」「表示要求部」の一具体例に相当する。
【0029】
記録再生部210は、光ディスクの情報を読み出すものであり、例えば、光ピックアップを含んで構成されている。放送受信部220は、テレビ放送信号を受信し、受信したテレビ放送信号から映像信号および音声信号を得るものであり、例えば、デジタルチューナ、デマルチプレクサ、およびMPEGデコーダなどを含んで構成されている。記憶部230は、記録再生部210で読み出した情報や、放送受信部220で受信した情報などを記録するものであり、例えば、HD、フラッシュROM(Read Only Memory)、各種ソフトウェアのワークエリアを構成するDRAM(Dynamic Random Access Memory)などを含んで構成されている。記憶部230は、例えば、レコーダ200の各部の動作を制御したり、所定の機能を実行したりするソフトウェアを格納している。例えば、コンテンツリストの要求に応じてネットワーク識別情報を取得するとともに、QRコードを生成に必要な他の情報も取得し、取得した情報を、コンテンツリストを要求してきたデバイスに返送するソフトウェアが、記憶部230に格納されている。
【0030】
ここで、上述のソフトウェアは、後述の「レコーダ選択」がユーザによって実行されたときに実行されるプログラムである。なお、このソフトウェアの詳細については、後に詳述するものとする。また、上記のコンテンツリストとは、レコーダ200に格納されているコンテンツのリストである。コンテンツリストには、例えば、少なくとも、各コンテンツのタイトルが含まれている。なお、コンテンツリストに、各コンテンツに関係する画像情報(サムネイル)などが含まれていてもよい。
【0031】
また、ネットワーク識別情報とは、有線ネットワーク100上のアクセスポイント600の無線ネットワーク800への無線デバイス(例えば、無線通信装置700)の参加を認証するためのものである。ネットワーク識別情報は、例えば、無線ネットワーク800の名前(ネットワーク名)と、無線ネットワーク800に接続するためのパスコードとを含んでいる。ネットワーク名は、無線ネットワークを識別するための名称であり、例えば、無線基準規格では、SSID(service set identifier)と呼ばれるものである。パスコードは、無線ネットワーク800へ特定の無線デバイスを接続させるために必要な無作為に生成される複数桁の数字であり、例えば、Wi−fi Protected Setupプログラムの場合、4桁または8桁のPINコードである。
【0032】
映像・音声出力部240は、例えば、記録再生部210で読み出した信号や、放送受信部220で生成した信号、記憶部230から読み出した信号、または制御部280で生成した信号を、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)ケーブルなどからなるインターフェースケーブル300を介して、デジタルTV400に転送するようになっている。映像・音声出力部240は、デジタルTV400のモニタ430に所望の映像を表示することをデジタルTV400に要求するものともいえる。リモコン受信部250は、例えば、リモコン送信機260から赤外線などにより送信されてきたリモートコントロール信号を受信し、制御部280に供給するようになっている。
【0033】
ネットワーク接続部270は、有線ネットワーク100を介して他のデバイスと通信を行うものであり、例えば、有線ネットワーク100に接続するネットワーク端子、およびネットワーク・インターフェースを含んで構成されている。ここで、ネットワーク・インターフェースは、例えば、LANの規格の一種であるイーサネット(登録商標)に従って他のデバイスと通信を行うものである。なお、イーサネット(登録商標)は、富士ゼロックス株式会社の登録商標である。制御部280は、レコーダ200の各部の動作を制御するものであり、例えば、記憶部230から読み出したソフトウェアを記憶部230のワークエリアに展開してソフトウェアを起動させ、レコーダ200の各部を制御するようになっている。
【0034】
(デジタルTV400)
デジタルTV400は、例えば、デジタルチューナなどの放送受信機能を有しないテレビジョンであり、例えば、図3に示したように、映像・音声入力部410、信号処理部420、モニタ430、リモコン受信部440、リモコン送信機450、および制御部460を有している。なお、デジタルTV400が、デジタルチューナなどの放送受信機能を有していてもかまわない。
【0035】
映像・音声入力部410は、例えば、インターフェースケーブル300を介して転送されてきた信号を受信し、信号処理部420に転送するようになっている。信号処理部420は、転送されてきた映像データに対して、必要に応じてマルチ画像処理、グラフィックスデータの重畳処理等の信号処理を行うとともに、転送されてきた音声信号に対して、必要に応じて所定の信号処理を行うようになっている。信号処理部420は、さらに、映像信号および音声信号をモニタ430に出力するようになっている。モニタ430は、入力された映像信号に基づいて、モニタ430内の表示パネル(図示せず)を駆動するとともに、入力された音声信号を増幅して、モニタ430内のスピーカ(図示せず)を駆動するようになっている。
【0036】
リモコン受信部440は、例えば、リモコン送信機450から赤外線などにより送信されてきたリモートコントロール信号を受信し、制御部460に供給するようになっている。制御部460は、デジタルTV400の各部の動作を制御するものであり、例えば、記憶部(図示せず)から読み出したソフトウェアを記憶部のワークエリアに展開してソフトウェアを起動させ、デジタルTV400の各部を制御するようになっている。
【0037】
(デジタルTV500)
デジタルTV500は、例えば、デジタルチューナなどの放送受信機能と、有線ネットワーク100を介して他のデバイスと通信を行う機能を有するテレビジョンである。デジタルTV500は、例えば、図4に示したように、放送受信部510、信号処理部520、モニタ530、リモコン受信部540、リモコン送信機550、記憶部560、ネットワーク接続部570、および制御部580を有している。なお、ネットワーク接続部570が本発明の「通信部」の一具体例に相当し、制御部580が、本発明の「画像生成部」「表示要求部」の一具体例に相当する。
【0038】
放送受信部510は、テレビ放送信号を受信し、受信したテレビ放送信号から映像信号および音声信号を得るものであり、例えば、デジタルチューナ、デマルチプレクサ、およびMPEGデコーダなどを含んで構成されている。放送受信部510は、得られた信号(映像信号および音声信号)を信号処理部520に出力するようになっている。信号処理部520は、入力された映像データに対して、必要に応じてマルチ画像処理、グラフィックスデータの重畳処理等の信号処理を行うとともに、入力された音声信号に対して、必要に応じて所定の信号処理を行うようになっている。信号処理部520に入力される信号には、例えば、放送受信部510から出力された信号の他に、制御部580で生成された信号などが含まれ得る。信号処理部520は、さらに、映像信号および音声信号をモニタ530に出力するようになっている。信号処理部520は、モニタ530に所望の映像を表示することをモニタ530に要求するものともいえる。モニタ530は、入力された映像信号に基づいて、モニタ530内の表示パネル(図示せず)を駆動するとともに、入力された音声信号を増幅して、モニタ530内のスピーカ(図示せず)を駆動するようになっている。
【0039】
リモコン受信部540は、例えば、リモコン送信機550から赤外線などにより送信されてきたリモートコントロール信号を受信し、制御部580に供給するようになっている。記憶部560は、例えば、デジタルTV500の各部の動作を制御したり、所定の機能を実行したりするソフトウェアを格納している。例えば、所定の情報を示すQRコード(登録商標)を生成するとともに、生成したQRコードをコンテンツリストとともに表示装置(モニタ530)に表示させる(図7参照)ソフトウェアが、記憶部560に格納されている。ここで、上述のソフトウェアは、後述の「レコーダ選択」がユーザによって実行されたときに実行されるプログラムである。なお、このソフトウェアの詳細については、後に詳述するものとする。
【0040】
ネットワーク接続部570は、有線ネットワーク100を介して他のデバイスと通信を行うものであり、例えば、有線ネットワーク100に接続するネットワーク端子、およびネットワーク・インターフェースを含んで構成されている。ここで、ネットワーク・インターフェースは、例えば、LANの規格の一種であるイーサネット(登録商標)に従って他のデバイスと通信を行うものである。制御部580は、デジタルTV500の各部の動作を制御するものであり、例えば、記憶部(図示せず)から読み出したソフトウェアを記憶部のワークエリアに展開してソフトウェアを起動させ、デジタルTV500の各部を制御するようになっている。
【0041】
(アクセスポイント600)
アクセスポイント600は、無線通信装置700などの無線デバイスをネットワーク(有線ネットワーク100)に接続するデバイスであり、例えば、図5に示したように、無線ネットワーク接続部610、アンテナ620、有線ネットワーク接続部630、記憶部640、および制御部650を有している。
【0042】
無線ネットワーク接続部610は、無線ネットワーク800を介して、無線通信装置700などの無線デバイスと通信を行うものであり、例えば、無線ネットワーク800に接続するネットワーク端子、およびネットワーク・インターフェースを含んで構成されている。ここで、ネットワーク・インターフェースは、例えば、無線LANの規格の一種であるIEEE802.11シリーズに従って他のデバイスと通信を行うものであり、Wi−Fi AllianceによってWi−Fiの認証が付されたものであることが好ましい。アンテナ620は、無線ネットワーク800を介した通信を行う際に使用する電波を発するものである。
【0043】
有線ネットワーク接続部630は、有線ネットワーク100を介して他のデバイスと通信を行うものであり、例えば、有線ネットワーク100に接続するネットワーク端子、およびネットワーク・インターフェースを含んで構成されている。ここで、ネットワーク・インターフェースは、例えば、LANの規格の一種であるイーサネット(登録商標)に従って他のデバイスと通信を行うものである。
【0044】
記憶部640は、例えば、アクセスポイント600の各部の動作を制御したり、所定の機能を実行したりするソフトウェアを格納している。例えば、後述の「無線通信装置700などの無線デバイスの登録」をアクセスポイント600に実行させるソフトウェアが、記憶部640に格納されている。ここで、上述のソフトウェアは、後述の「画像情報(QRコード)でコンテンツ取得」というアイコンが無線通信装置700において選択・実行されたときに実行されるプログラムである。なお、このソフトウェアの詳細については、後に詳述するものとする。制御部650は、アクセスポイント600の各部の動作を制御するものであり、例えば、記憶部640から読み出したソフトウェアを記憶部640のワークエリアに展開してソフトウェアを起動させ、アクセスポイント600の各部を制御するようになっている。
【0045】
アクセスポイント600は、さらに、レジストラ機能を実行するレジストラ部660を有している。レジストラとは、ネットワーク識別情報の発行および取り消しの権限を有する論理的実体を指すものであり、本実施の形態では、レジストラがアクセスポイント600に統合されている。なお、レジストラ機能の詳細については、後に詳述するものとする。
【0046】
(無線通信装置700)
無線通信装置700は、少なくとも、無線ネットワーク800に接続する機能と、カメラ機能を有するものであり、汎用的な無線デバイスである。そのような装置としては、例えば、パーソナルコンピュータ、家電機器、携帯端末、デジタルカメラ、携帯電話機などの、種々の無線通信装置が挙げられる。無線通信装置700は、例えば、図6に示したように、無線ネットワーク接続部710、アンテナ720、カメラ部730、手入力部740、表示部750、記憶部760、および制御部770を有している。
【0047】
無線ネットワーク接続部710は、無線ネットワーク800およびアクセスポイント600を介して他のデバイスと通信を行うものであり、例えば、無線ネットワーク800に接続するネットワーク端子、およびネットワーク・インターフェースを含んで構成されている。ここで、ネットワーク・インターフェースは、例えば、無線LANの規格の一種であるIEEE802.11シリーズに従って他のデバイスと通信を行うものであり、Wi−Fi AllianceによってWi−Fiの認証が付されたものであることが好ましい。
【0048】
アンテナ720は、無線ネットワーク800を介した通信を行う際に使用する電波を発するものである。カメラ部730は、映像を撮影するための装置であり、例えば、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサや、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどの、固体撮像素子を含んで構成されている。カメラ部730は、撮像した映像を制御部770に出力するようになっている。手入力部740は、例えば、人間の手によって、機械的なボタンを押したり、タッチパネルを触ったりすることにより、情報を入力するものである。手入力部740は、入力された情報を制御部770に出力するようになっている。表示部750は、例えば、カメラ部730で撮影している映像や、手入力部740で入力している情報などを表示するものである。
【0049】
記憶部760は、無線ネットワーク接続部710で受信した情報や、カメラ部730で取得した映像、手入力部740で入力した情報などを記録するものであり、例えば、HD、フラッシュROM、各種ソフトウェアのワークエリアを構成するDRAMなどを含んで構成されている。記憶部760は、例えば、無線通信装置700の各部の動作を制御したり、所定の機能を実行したりするソフトウェアを格納している。例えば、無線ネットワーク接続を簡易に実行したり、ほしいコンテンツの取得を簡易に実行したりするソフトウェアが、記憶部760に格納されている。ここで、上述のソフトウェアは、後述の「画像情報(QRコード)でコンテンツ取得」というアイコンがユーザによって選択されたときに実行されるプログラムである。なお、このソフトウェアの詳細については、後に詳述するものとする。
【0050】
[登録・コンテンツ転送]
次に、本実施の形態のネットワークシステム1における、無線通信装置700の登録と、無線通信装置700へのコンテンツ転送との手順の一例について説明する。以下では、レコーダ200、デジタルTV500、アクセスポイント600および無線通信装置700のそれぞれの記憶部に格納されているプログラムを実行したときの手順の一例について説明する。
【0051】
図8は、無線通信装置700の登録および無線通信装置700へのコンテンツ転送を行う手順の一例を示すものである。まず、ユーザ(図示せず)は、例えば、デジタルTV500の近傍におり、リモコン送信機550を用いて、レコーダ選択を行う(ステップS101)。例えば、ユーザは、レコーダ200を選択したとする。すると、デジタルTV500の制御部580は、レコーダ200に対して、レコーダ200に格納されているコンテンツのリスト(コンテンツリスト)を要求する(ステップS102)。レコーダ200の制御部280は、コンテンツリストの要求を受けると、アクセスポイント600に対して、ネットワーク識別情報を要求する(ステップS103)。具体的には、デジタルTV500の制御部580は、アクセスポイント600に対して、レコーダ200に格納されている各コンテンツのネットワーク識別情報を要求する。
【0052】
アクセスポイント600は、レジストラ機能を有しているので、レコーダ200からの要求に対して、ネットワーク識別情報を発行する(ステップS104)。具体的には、アクセスポイント600のレジストラ部660は、レコーダ200に格納されているコンテンツごとに、ネットワーク識別情報を発行する。このとき、アクセスポイント600のレジストラ部660は、発行したネットワーク識別情報をコンテンツごとに関連づけて記憶部に格納する。その後、アクセスポイント600のレジストラ部660は、発行したネットワーク識別情報をレコーダ200に返送する(ステップS105)。
【0053】
レコーダ200の制御部280は、アクセスポイント600からネットワーク識別情報を入手するとともに、レコーダ200の記憶部230に格納されているコンテンツのリスト(コンテンツリスト)と、コンテンツごとに設定された処理指定情報と、各コンテンツのアドレス情報とを入手する(ステップS106)。
【0054】
ここで、処理指定情報は、コンテンツに対する処理を指定する情報である。コンテンツが動画である場合には、処理指定情報は、例えば、動画の再生を指定するコマンドとなっている。また、アドレス情報は、有線ネットワーク100上にあるコンテンツの場所を指し示す情報であり、例えば、URI(Uniform Resource Identifier)である。
【0055】
次に、レコーダ200の制御部280は、入手したコンテンツリスト等(コンテンツリスト、アドレス情報、ネットワーク識別情報、処理指定情報)をデジタルTV500に返送する(ステップS107)。デジタルTV500の制御部580は、レコーダ200から取得したアドレス情報、ネットワーク識別情報および処理指定情報の3つ情報を用いて、これらの情報を示す画像情報をコンテンツごとに作成する。具体的には、デジタルTV500の制御部580は、上記の3つの情報を用いて、画像情報として、例えばQRコードをコンテンツごとに作成する(ステップS108)。QRコードとは、白と黒の格子状のパターンで情報を表したものである。
【0056】
続いて、デジタルTV500の制御部580は、作成した画像情報(QRコード)をコンテンツリストとともに画面に表示する(ステップS109)。具体的には、デジタルTV500の制御部580は、例えば、図7に示したように、作成した画像情報(QRコード)を、コンテンツごとに1つずつ割り当てた映像信号を作成し、その映像信号を信号処理部520に送信することにより、QRコードがコンテンツごとに1つずつ割り当てられた映像をモニタ530に表示させる。
【0057】
ユーザは、先のレコーダ選択の実行によってモニタ530に表示された映像を眺めながら、ほしいコンテンツを探す。ユーザは、ほしいコンテンツが見つかった場合には、ユーザが保有する無線通信装置700において、画像情報(QRコード)の読取り指示を実行する(ステップS110)。具体的には、ユーザは、無線通信装置700の表示部750にメニュー(図示せず)を表示させ、そのメニューの中から「画像情報(QRコード)でコンテンツ取得」というアイコン(図示せず)を選択する。すると、無線通信装置700のカメラ部730が起動し、画像情報(QRコード)を撮像可能な状態となる。ユーザは、無線通信装置700のカメラ部730を、モニタ530に表示された画像情報(QRコード)の前にかざし、カメラ部730で、所望の画像情報(QRコード)を撮像する(読取る)(ステップS111)。すると、カメラ部730で撮像された画像情報(QRコード)が無線通信装置700の制御部770に入力され、無線通信装置700の制御部770は、後に詳述するネットワーク接続を実行する(ステップS112)。
【0058】
以上のようにして、無線通信装置700を登録するプロトコル(登録プロトコル)が実行されることにより、無線通信装置700は、アクセスポイント600と共通の暗号鍵を用いた通常のデータ通信を行うことが可能となる。
【0059】
その後、無線通信装置700の制御部770は、所望のコンテンツをレコーダ200に要求する(ステップS113)。具体的には、無線通信装置700の制御部770は、画像情報(QRコード)から既に取得しているアドレス情報および処理指定情報を無線ネットワーク800に出力する。すると、アドレス情報に対応する、有線ネットワーク100上のデバイス(レコーダ200)が、無線通信装置700からの情報を受信し、受信した情報に含まれる処理指定情報に従った処理を実行する。ここで、処理指定情報が、アドレス情報に対応するコンテンツのコピーの、無線通信装置700への転送である場合には、レコーダ200は、アドレス情報に対応するコンテンツのコピーを無線通信装置700に転送する(ステップS114)。その結果、無線通信装置700は、アドレス情報に対応するコンテンツのコピーを取得する。このようにして、コンテンツの転送が実行される。
【0060】
なお、ユーザが、レコーダ200に接続されたデジタルTV400の近傍におり、リモコン送信機450を用いて、レコーダ選択を行う場合には、無線通信装置700の登録と、無線通信装置700へのコンテンツ転送との手順は、例えば、以下のようになる。
【0061】
図9は、無線通信装置700の登録および無線通信装置700へのコンテンツ転送を行う手順の他の例を示すものである。まず、ユーザ(図示せず)は、例えば、デジタルTV400の近傍におり、リモコン送信機450を用いて、レコーダ選択を行う(ステップS201)。例えば、ユーザは、レコーダ200を選択したとする。すると、デジタルTV400の制御部580は、レコーダ200に対して、ユーザがレコーダ200を選択したことを通知する。レコーダ200の制御部280は、その通知を受けると、アクセスポイント600に対して、ネットワーク識別情報を要求する(ステップS202)。具体的には、レコーダ200の制御部280は、アクセスポイント600に対して、レコーダ200に格納されている各コンテンツのネットワーク識別情報を要求する。ここで、ネットワーク識別情報は、無線ネットワーク名と、無線ネットワーク800に接続するためのパスコードとを含んでいる。
【0062】
アクセスポイント600は、レジストラ機能を有しているので、レコーダ200からの要求に対して、ネットワーク識別情報を発行する(ステップS203)。具体的には、アクセスポイント600のレジストラ部660は、レコーダ200に格納されているコンテンツごとに、ネットワーク識別情報を発行する。このとき、アクセスポイント600のレジストラ部660は、発行したネットワーク識別情報をコンテンツごとに関連づけて記憶部に格納する。その後、アクセスポイント600のレジストラ部660は、発行したネットワーク識別情報をレコーダ200に返送する(ステップS204)。
【0063】
レコーダ200の制御部280は、アクセスポイント600からネットワーク識別情報を入手するとともに、レコーダ200の記憶部230に格納されているコンテンツのリスト(コンテンツリスト)と、コンテンツごとに設定された処理指定情報と、各コンテンツのアドレス情報とをレコーダ200の記憶部230から入手する(ステップS205)。
【0064】
次に、レコーダ200の制御部280は、入手したアドレス情報、ネットワーク識別情報および処理指定情報の3つ情報を用いて、これらの情報を示す画像情報をコンテンツごとに作成する。具体的には、レコーダ200の制御部280は、上記の3つの情報を用いて、画像情報として、例えばQRコードをコンテンツごとに作成する(ステップS206)。
【0065】
続いて、レコーダ200の制御部280は、作成した画像情報(QRコード)をコンテンツリストとともに画面に表示する(ステップS207)。具体的には、レコーダ200の制御部280は、例えば、図7に示したように、作成した画像情報(QRコード)を、コンテンツごとに1つずつ割り当てた映像信号を作成し、その映像信号をデジタルTV400に送信することにより、QRコードがコンテンツごとに1つずつ割り当てられた映像をモニタ430に表示させる。
【0066】
ユーザは、先のレコーダ選択の実行によってモニタ430に表示された映像を眺めながら、ほしいコンテンツを探す。ユーザは、ほしいコンテンツが見つかった場合には、ユーザが保有する無線通信装置700において、画像情報(QRコード)の読取り指示を実行する(ステップS208)。具体的には、ユーザは、無線通信装置700の表示部750にメニュー(図示せず)を表示させ、そのメニューの中から「画像情報(QRコード)でコンテンツ取得」というアイコン(図示せず)を選択する。すると、無線通信装置700のカメラ部730が起動し、画像情報(QRコード)を撮像可能な状態となる。ユーザは、無線通信装置700のカメラ部730を、モニタ430に表示された画像情報(QRコード)の前にかざし、カメラ部730で、所望の画像情報(QRコード)を撮像する(読取る)(ステップS209)。すると、カメラ部730で撮像された画像情報(QRコード)が無線通信装置700の制御部770に入力され、無線通信装置700の制御部770は、後に詳述するネットワーク接続を実行する(ステップS112)。
【0067】
以上のようにして、無線通信装置700を登録するプロトコル(登録プロトコル)が実行されることにより、無線通信装置700は、アクセスポイント600と共通の暗号鍵を用いた通常のデータ通信を行うことが可能となる。その後、上記の例と同様のプロセスを経ることにより、無線通信装置700へのコンテンツの転送が実行される。
【0068】
[ネットワーク接続]
次に、本実施の形態のネットワークシステム1におけるネットワーク接続(上記のステップS112,S210)の手順の一例について説明する。以下では、アクセスポイント600および無線通信装置700の双方の記憶部に格納されているプログラムを実行したときの手順の一例について説明する。
【0069】
図10は、ネットワーク接続(上記のステップS112,S210)を行う手順の一例を示すものである。まず、無線通信装置700の制御部770は、アクセスポイント600に対して、登録リクエストを送信する(ステップS301)。具体的には、無線通信装置700の制御部770は、アクセスポイント600に対して、QRコードの読み取りにより得られた3つの情報(アドレス情報、ネットワーク識別情報および処理指定情報)を送信する。アクセスポイント600の制御部650は、無線通信装置700から3つの情報が入力されると、登録開始を示す信号を送信する(ステップS302)。具体的には、アクセスポイント600の制御部650は、無線通信装置700から入力されたアドレス情報に対応するネットワーク識別情報を含む信号をアクセスポイント600に対して送信する。
【0070】
なお、上記のステップにおいて、無線通信装置700からアクセスポイント600に入力されたネットワーク識別情報が、本発明の「第1のネットワーク識別情報」の一具体例に相当する。また、上記のステップにおいて、アクセスポイント600が、登録開始を示す信号として無線通信装置700に送信した信号に含まれるネットワーク識別情報が、本発明の「第2のネットワーク識別情報」の一具体例に相当する。
【0071】
次に、アクセスポイント600および無線通信装置700は、相互に識別情報の認証を行う(ステップS303)。具体的には、まず、アクセスポイント600の制御部650は、無線通信装置700からアクセスポイント600に入力されたネットワーク識別情報(第1のネットワーク識別情報)と、無線通信装置700から入力されたアドレス情報に対応するネットワーク識別情報(過去に有線ネットワーク100上の他のデバイス(上記の例ではレコーダ200)に送信したネットワーク識別情報)(第2のネットワーク識別情報)とを対比する。その結果、アクセスポイント600の制御部650は、第1のネットワーク識別情報が第2のネットワーク識別情報と一致するか、または所定の関係にある場合に、認証が成功したと認定する。一方、無線通信装置700の制御部770は、QRコードの読み取りにより得られたネットワーク識別情報(第1のネットワーク識別情報)と、登録開始を示す信号として無線通信装置700に送信した信号に含まれるネットワーク識別情報(第2のネットワーク識別情報)とを対比する。その結果、無線通信装置700の制御部770は、第1のネットワーク識別情報が第2のネットワーク識別情報と一致するか、または所定の関係にある場合に、認証が成功したと認定する。
【0072】
このようにして、双方が「認証が成功した」と認定した場合には、アクセスポイント600と無線通信装置700の間で鍵交換が行われる(ステップS303)。さらに、無線パラメータなどの設定情報がアクセスポイント600から無線通信装置700に転送される(ステップS304)。
【0073】
ここで、無線パラメータは、無線ネットワーク800への接続に際して必要となる情報であり、例えば、ネットワーク名、周波数チャネル、暗号方式、暗号鍵、認証方法、パスコードなどを含むものである。なお、上記のステップにおいてアクセスポイント600から無線通信装置700に転送される無線パラメータとしては、少なくとも、暗号鍵が挙げられる。暗号鍵は、例えば、Diffie−Hellman公開鍵である。
【0074】
最後に、無線通信装置700の制御部770が、取得した無線パラメータなどの設定情報を用いて、無線ネットワーク800に接続する(ステップS305)。このような登録プロトコルに実行により、無線通信装置700は、アクセスポイント600と共通の暗号鍵を用いた通常のデータ通信を行うことが可能となる。
【0075】
[効果]
本実施の形態では、ネットワーク識別情報などを示す画像情報(QRコード)がコンテンツリストとともに画面に表示されるようにしたので、画像情報(QRコード)が表示された表示画面の傍にいる人だけがカメラ付きの無線通信装置700で画像情報を撮像し、撮像した画像情報(QRコード)を利用して無線ネットワーク800に接続し、コンテンツを取得することが可能となる。ここで、無線通信装置700は、無線ネットワーク800に接続する機能と、カメラを備えていればどのようなものであってもよく、事前の登録がなされているなどの、特定のものである必要はない。また、本実施の形態では、アクセスポイント600のボタンを押したり、アクセスポイント600に対して何らかの設定操作を行ったりする必要がない。そのため、アクセスポイント600が置かれている場所から離れた場所でも、無線通信装置700を無線ネットワーク800に接続したり、アクセスポイント600を天井裏などの、人の手が届きにくい場所に設置したりすることも可能である。したがって、本実施の形態では、ユーザの使い勝手を損なうことなく安全に無線ネットワーク接続を行うことができる。
【0076】
<2.変形例>
以上、実施の形態および変形例を挙げて本発明を説明したが、本発明はこれらに限定されず、種々の変形が可能である。
【0077】
例えば、上記実施の形態等では、レコーダ200、デジタルTV500、アクセスポイント600および無線通信装置700のそれぞれの記憶部に、無線通信装置700の登録および無線通信装置700へのコンテンツ転送のためのプログラムが格納されていたが、そのようなプログラムの代わりに、無線通信装置700の登録および無線通信装置700へのコンテンツ転送を実行する回路がレコーダ200、アクセスポイント600および無線通信装置700に組み込まれていてもよい。
【0078】
また、上記実施の形態等では、アクセスポイント600は、レジストラ機能を有していたが、レジストラ機能を有していなくてもよい。ただし、その場合には、例えば、図11に示したように、アクセスポイント600とは別体で形成されたレジストラ900を、有線ネットワーク100に接続しておくことが必要である。なお、レジストラ900は、レジストラ機能を有するものであり、上記実施の形態等におけるレジストラ部660と同様の機能を有している。
【符号の説明】
【0079】
1…ネットワークシステム、100…有線ネットワーク、200…レコーダ、210…記録再生部、220,510…放送受信部、230,560,760…記憶部、240…映像・音声出力部、250,440,540…リモコン受信部、260,450,550…リモコン送信機、270,570…ネットワーク接続部、280,460,580,770…制御部、300…インターフェースケーブル、400,500…デジタルTV、410…映像・音声入力部、420,520…信号処理部、430,530…モニタ、600…アクセスポイント、700…無線通信装置、710…無線ネットワーク接続部、720…アンテナ、730…カメラ、740…手入力部、750…表示部、800…無線ネットワーク、900…レジストラ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク上のデバイスと通信可能な情報処理装置、ならびにそのような情報処理装置に好適な情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、LAN(Local Area Network)に接続可能なデジタル家電の普及に伴い、ビデオ、写真、音楽などのデジタルコンテンツを、LANを介して共有することが容易となってきている。LANを用いて、パーソナルコンピュータ、家電機器、携帯端末、デジタルカメラ、携帯電話機などのデバイスを相互に接続し、連携して利用するための技術仕様の一つに、DLNA(Digital Living Network Alliance)ガイドラインがある。
【0003】
DLNAガイドラインでは、UPnP(Universal Plug and Play)を用いて、LANに接続された機器を検索したり、コンテンツ一覧を取得したりすることが可能となっている。さらに、このガイドラインでは、LAN上のある機器に保存されているコンテンツを別の機器で再生することが可能となっている。
【0004】
LANの普及に伴い、無線LANも徐々に普及してきている。無線LANの普及に伴い、必然的に、無線LANの暗号化通信の設定に詳しくない人も増えてきている。その結果、例えば、電波が自分の家の外に漏れ、他人の機器が自身の無線LANに接続可能となっていることにユーザが気付かない間に、自身の所有コンテンツが他人に盗み見られる危険性がある。そこで、無線LANベンダーの業界団体であるWi−Fi Allianceは、無線LANの暗号通信を簡単に設定するための実装仕様としてWi−Fi Protected Setup(WPS)を策定した(なお、Wi−Fiのロゴは、Wi−Fi Allianceの登録商標である)。
【0005】
WPSの策定以前から、独自の仕様で、暗号鍵の設定手順をより簡単にする仕様が多くのメーカによって製品に実装されており、現在では、暗号通信に必要な暗号鍵を生成するための「PIN(Personal Identification Number)」と呼ぶパスワードをユーザが入力する必要の無いいくつかの方法が広く使われている。例えば、非特許文献1に記載されているように、アクセスポイントのAOSS(AirStation One-Touch Secure System)(株式会社バッファローの登録商標)ボタンを押してから、所定の時間内に、無線LANに接続する機器のAOSSボタンを押すことにより、認証を行う方法が簡易な設定方法として実用化されている。また、非特許文献2に記載されているように、アクセスポイントの所定のボタンを押すだけで、認証を行う方法も簡易な設定方法として実用化されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】http://buffalo.jp/aoss/
【非特許文献2】http://121ware.com/product/atermstation/special/ rakuraku_start/index.html
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記の方法は、アクセスポイントのボタンを必ず押すことが必要となるので、アクセスポイントが置かれている場所から離れた場所で機器を無線LANに接続する場合や、アクセスポイントが天井裏などの、人の手が届きにくい場所に設置されている場合に、極めて不便である。このように、従来の方法では、認証のためにユーザの使い勝手が損なわれているという問題があった。
【0008】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ユーザの使い勝手を損なうことなく安全に無線ネットワーク接続を行うことの可能な情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の情報処理装置は、ネットワーク上の他のデバイスと通信を行う通信部と、3つの情報を示す画像情報をコンテンツごとに生成する画像生成部とを備えたものである。上記の3つの情報とは、具体的には、(1)ネットワーク上の他のデバイスまたは自身が保有するコンテンツのアドレス情報、(2)ネットワーク上のアクセスポイントの無線ネットワークへの無線デバイスの参加を認証するためのネットワーク識別情報、(3)コンテンツごとに設定された処理指定情報を指している。第1の情報処理装置は、さらに、画像生成部によって生成された画像情報をコンテンツリストとともに画面に表示することを表示装置に要求する表示要求部を備えている。
【0010】
ここで、「デバイス」とは、ネットワーク環境内で他のデバイスと通信することができる独立した物理的または論理的な実体を指している。「コンテンツ」とは、例えば、ニュース、映画、ドラマ、テレビ番組、楽曲、画像、写真、ビデオ、ゲーム、アニメなど、人間が視聴により感じ取るひとまとまりの情報を指している。「認証」とは、ネットワークへのアクセスを認めるために無線デバイスを識別するプロセスを意味している。
【0011】
本発明の第1の情報処理装置において、通信部が、ネットワーク識別情報を、ネットワーク上のレジストラ機能実装デバイスから取得するようにしてもよい。レジストラ機能実装デバイスとして、例えば、アクセスポイントが挙げられる。アクセスポイントとは、無線デバイスをネットワークに接続するデバイスで、例えば、Wi−Fiルータを意味している。なお、レジストラとは、識別情報の発行および取り消しの権限を有する論理的実体を指しており、レジストラは、アクセスポイントを含め、あらゆるデバイスに統合することが可能なものである。また、ネットワーク上の他のデバイスがコンテンツを保有している場合には、通信部が、アドレス情報および処理指定情報をそのデバイスから取得するようにしてもよい。一方、本発明の第1の情報処理装置がコンテンツおよび処理指定情報を記憶領域に保有している場合には、画像生成部が、これらの情報を記憶領域から読み出すようにしてもよい。
【0012】
本発明の第1の情報処理装置において、ネットワーク識別情報は、例えば、無線ネットワークの名前と、無線ネットワークに接続するためのパスコードとを含んでいる。パスコードは、例えば、レジストラ機能実装デバイスによって生成されたものであり、コンテンツごとに生成されたものであることが好ましい。また、本発明の第1の情報処理装置において、画像情報は、例えば、QRコード(デンソーウェーブ社の登録商標)である。
【0013】
本発明の第1の情報処理方法は、ネットワーク上の他のデバイスと通信を行うことの可能な、ネットワーク上の一のデバイスにおける情報処理方法である。第1の情報処理方法は、以下の2つのステップを含むものである。
(A1)ネットワーク上の他のデバイスまたは自身が保有するコンテンツのアドレス情報と、ネットワーク上のアクセスポイントの無線ネットワークへの無線デバイスの参加を認証するためのネットワーク識別情報と、コンテンツごとに設定された処理指定情報とを用いて、これらの情報を示す画像情報をコンテンツごとに生成する画像生成ステップ
(A2)生成ステップによって生成された画像情報をコンテンツリストとともに画面に表示することを表示装置に要求する表示要求ステップ
【0014】
本発明の第1の情報処理プログラムは、ネットワーク上の他のデバイスと通信を行うことの可能な、ネットワーク上の一のデバイス用の情報処理プログラムである。第1の情報処理プログラムは、以下の2つのステップをデバイスに実行させるものである。
(B1)ネットワーク上の他のデバイスまたは自身が保有するコンテンツのアドレス情報と、ネットワーク上のアクセスポイントの無線ネットワークへの無線デバイスの参加を認証するためのネットワーク識別情報と、コンテンツごとに設定された処理指定情報とを用いて、これらの情報を示す画像情報をコンテンツごとに生成する画像生成ステップ
(B2)生成ステップによって生成された画像情報をコンテンツリストとともに画面に表示することを表示装置に要求する表示要求ステップ
【0015】
本発明の第1の情報処理装置、第1の情報処理方法および第1の情報処理プログラムでは、ネットワーク識別情報などを示す画像情報がコンテンツごとに生成され、生成された画像情報をコンテンツリストとともに画面に表示する要求が表示装置になされる。これにより、表示装置には、ネットワーク識別情報などを示す画像情報がコンテンツリストとともに画面に表示される。
【0016】
このとき、例えば、第1の情報処理装置のユーザ(以下、単に「ユーザ」とする)が、コンテンツリスト中の一のコンテンツを、自身が保有する無線デバイス(例えば、パーソナルコンピュータ、家電機器、携帯端末、デジタルカメラ、携帯電話機など)にコピーしたいと思っているとする。この場合に、ユーザは、例えば、そのコンテンツに対応して配置された画像情報を当該無線デバイスに設けられたカメラで撮像し、画像情報が示す情報を取得し、取得した情報を当該無線デバイスから無線ネットワークに出力することにより、そのコンテンツを取得することができる。このとき、ユーザは、無線デバイスのボタンを何回か押して、画像情報の撮像と、所望のコンテンツの取得を実行した程度の認識しかしていない。実際には、バックグラウンドでは、以下に説明するように、アクセスポイントと無線デバイスとの間で所定の登録プロトコルと、コンテンツの転送が実行されている。
【0017】
例えば、まず、無線デバイスから無線ネットワークに出力された情報がネットワーク上のアクセスポイントで受信されると、アクセスポイントにおいて、受信した情報に含まれるネットワーク識別情報などを用いた認証が行われる。認証が成功すると、アクセスポイントと無線デバイスとの間で鍵交換が行われ、無線パラメータなどの設定情報がアクセスポイントから無線デバイスに転送される。次に、無線デバイスが、取得した無線パラメータなどの設定情報を用いて、無線ネットワークに接続する。このような登録プロトコルに実行により、無線デバイスは、アクセスポイントと共通の暗号鍵を用いた通常のデータ通信を行うことが可能となる。その後、無線デバイスは、画像情報から既に取得しているアドレス情報および処理指定情報を無線ネットワークに出力する。すると、アドレス情報に対応する、ネットワーク上のデバイスが、無線デバイスからの情報を受信し、受信した情報に含まれる処理指定情報に従った処理を実行する。ここで、処理指定情報が、アドレス情報に対応するコンテンツのコピーの、無線デバイスへの転送である場合には、上記のデバイスは、アドレス情報に対応するコンテンツのコピーを無線デバイスに転送する。その結果、無線デバイスは、アドレス情報に対応するコンテンツのコピーを取得する。このようにして、コンテンツの転送が実行される。
【0018】
本発明の第2の情報処理装置は、無線デバイスをネットワークに接続する情報処理装置である。第2の情報処理装置は、3つの情報を含む無線信号を無線デバイスから受信する受信部と、ネットワーク上の他のデバイスから、前記無線ネットワークへの無線デバイスの参加を認証するための第2のネットワーク識別情報の要求があった場合に、第2のネットワーク識別情報を、第2のネットワーク識別情報を要求してきたデバイスに送信する送信部とを備えている。ここで、上記の3つの情報とは、具体的には、(1)ネットワーク上の第1のデバイスに格納された第1のコンテンツのアドレス情報、(2)ネットワーク上のアクセスポイントの無線ネットワークへの無線デバイスの参加を認証するための第1のネットワーク識別情報、(3)第1のコンテンツに対する処理指定情報を指している。また、送信部が送信する第2のネットワーク識別情報は、送信部が発行したものか、または、ネットワーク上のレジストラ機能実装デバイスから取得したものである。本発明の第2の情報処理装置は、さらに、第1のネットワーク識別情報が第2のネットワーク識別情報と一致するか、または所定の関係にある場合に、無線信号を送信してきた無線デバイスの、ネットワークへの接続を許可する認証部を備えている。
【0019】
本発明の第2の情報処理装置では、ネットワーク識別情報などを含む無線信号を無線デバイスから受信すると、受信した情報に含まれる第1のネットワーク識別情報が、過去にネットワーク上の他のデバイスに送信した第2のネットワーク識別情報と一致するか、または所定の関係にあるかが検証される。その結果、第1のネットワーク識別情報が第2のネットワーク識別情報と一致するか、または所定の関係にあると判明した場合には、無線信号を送信してきた無線デバイスの、ネットワークへの接続が許可される。
【0020】
上記のようにして認証が成功した場合には、例えば、第2の情報処理装置と無線デバイスとの間で鍵交換が行われ、無線パラメータなどの設定情報が第2の情報処理装置から無線デバイスに転送される。次に、無線デバイスが、取得した無線パラメータなどの設定情報を用いて、無線ネットワークに接続する。このような設定プロトコルに実行により、無線デバイスは、第2の情報処理装置と共通の暗号鍵を用いた通常のデータ通信を行うことが可能となる。その後、無線デバイスは、画像情報から既に取得しているアドレス情報および処理指定情報を無線ネットワークに出力する。すると、アドレス情報に対応する、ネットワーク上のデバイスが、無線デバイスからの情報を第2の情報処理装置を介して受信し、受信した情報に含まれる処理指定情報に従った処理を実行する。ここで、処理指定情報が、アドレス情報に対応するコンテンツのコピーの、無線デバイスへの転送である場合には、上記のデバイスは、アドレス情報に対応するコンテンツのコピーを第2の情報処理装置を介して無線デバイスに転送する。その結果、無線デバイスは、アドレス情報に対応するコンテンツのコピーを取得する。このようにして、コンテンツの転送が実行される。
【発明の効果】
【0021】
本発明の第1の情報処理装置、第1の情報処理方法および第1の情報処理プログラムによれば、ネットワーク識別情報などを示す画像情報がコンテンツリストとともに画面に表示されるようにしたので、画像情報が表示された表示画面の傍にいる人だけがカメラ付きの無線デバイスで画像情報を撮像し、撮像した画像情報を利用して無線ネットワークに接続し、コンテンツを取得することが可能となる。ここで、無線デバイスは、無線ネットワークに接続する機能と、カメラを備えていればどのようなものであってもよく、事前の登録がなされているなどの、特定のものである必要はない。また、本発明では、アクセスポイントのボタンを押したり、アクセスポイントに対して何らかの設定操作を行ったりする必要がない。そのため、アクセスポイントが置かれている場所から離れた場所でも、無線デバイスを無線ネットワークに接続したり、アクセスポイントを天井裏などの、人の手が届きにくい場所に設置したりすることも可能である。したがって、本発明では、ユーザの使い勝手を損なうことなく安全に無線ネットワーク接続を行うことができる。
【0022】
本発明の第2の情報処理装置によれば、ネットワーク識別情報などを含む無線信号を無線デバイスから受信した場合に、受信した情報に含まれる第1のネットワーク識別情報が、過去にネットワーク上の他のデバイスに送信した第2のネットワーク識別情報と一致するか、または所定の関係にあると判明したときに、無線信号を送信してきた無線デバイスの、ネットワークへの接続を許可するようにしたので、例えば、ネットワーク識別情報などを示す画像情報をコンテンツリストとともにネットワーク上のデバイスの画面に表示させ、その画像情報を、その画像情報が表示された表示画面の傍にいる人が保有するカメラ付きの無線デバイスで撮像し、撮像した画像情報を利用して無線ネットワークに接続するだけで、コンテンツを取得することが可能となる。ここで、無線デバイスは、無線ネットワークに接続する機能と、カメラを備えていればどのようなものであってもよく、事前の登録がなされているなどの、特定のものである必要はない。また、本発明では、アクセスポイントのボタンを押したり、アクセスポイントに対して何らかの設定操作を行ったりする必要がない。そのため、アクセスポイントが置かれている場所から離れた場所でも、無線デバイスを無線ネットワークに接続したり、アクセスポイントを天井裏などの、人の手が届きにくい場所に設置したりすることも可能である。したがって、本発明は、ユーザの使い勝手を損なうことなく安全に無線ネットワーク接続を行うことを可能にしている。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施の形態に係るネットワークシステムの構成例を示す図である。
【図2】図1のレコーダの構成例を示す図である。
【図3】図1の、レコーダに接続されたデジタルTVの構成例を示す図である。
【図4】図1の、有線ネットワークに直接接続されたデジタルTVの構成例を示す図である。
【図5】図1のアクセスポイントの構成例を示す図である。
【図6】図1の無線通信装置の構成例を示す図である。
【図7】デジタルTV画面への表示の一例を表す図である。
【図8】無線通信装置の登録および無線通信装置へのコンテンツ転送を行う手順の一例を示す流れ図である。
【図9】無線通信装置の登録および無線通信装置へのコンテンツ転送を行う手順の他の例を示す流れ図である。
【図10】無線通信装置のネットワーク接続の一例を示す流れ図である。
【図11】図1のネットワークシステムの他の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態
システム構成(図1〜図7)
登録・コンテンツ転送(図8、図9)
ネットワーク接続(図10)
効果
2.変形例(図11)
【0025】
<1.実施の形態>
[システム構成]
図1は、本発明の一実施の形態に係るネットワークシステム1の構成例を示す図である。ネットワークシステム1は、例えば、有線ネットワーク100に接続されたレコーダ200、デジタルTV500およびアクセスポイント600を備えている。有線ネットワーク100には、必要に応じて、デジタルTV、パソコン、携帯情報端末などCE(Consumer Electronics)機器が接続され得る。ここで、有線ネットワーク100は、例えば、ケーブルを使って物理的に近接した領域内にあるデバイス同士を接続する有線LANである。レコーダ200には、インターフェースケーブル300を介してデジタルTV400が接続されており、アクセスポイント600には、無線ネットワーク800が構築されている。無線ネットワーク800は、例えば、Wi−Fiを使ってデバイス同士を接続する無線LANである。
【0026】
アクセスポイント600と無線ネットワーク800を介した通信が可能な領域(以下、「通信可能領域」とする)内には、無線ネットワーク800に接続する機能を有する無線通信装置700が配置されている。通信可能領域には、必要に応じて、他の無線通信装置が配置され得る。無線通信装置700は、以下で説明する登録プロトコルの実行前においては、無線ネットワーク800に未登録の状態であり、まだ、無線ネットワーク800に接続されていないものとする。
【0027】
なお、有線ネットワーク100は、本発明の「ネットワーク」の一具体例に相当する。また、レコーダ200およびデジタルTV500は、本発明の「第1の情報処理装置」の一具体例に相当し、アクセスポイント600は、本発明の「第2の情報処理装置」の一具体例に相当する。無線通信装置700が、本発明の「無線デバイス」の一具体例に相当する。
【0028】
(レコーダ200)
レコーダ200は、例えば、DVD(Digital Versatile Disc)やBD(Blu-ray Disc)などの光ディスクの情報を読み出したり、光ディスクに情報を記録したり、さらには、内蔵のHD(Hard Disk)に、光ディスクの情報や受信したテレビ番組などを記録したりすることの可能な据え置き型のデッキである。レコーダ200は、例えば、図2に示したように、記録再生部210、放送受信部220、記憶部230、映像・音声出力部240、リモコン受信部250、リモコン送信機260、ネットワーク接続部270、および制御部280を有している。なお、ネットワーク接続部270が本発明の「通信部」の一具体例に相当し、制御部280が、本発明の「画像生成部」「表示要求部」の一具体例に相当する。
【0029】
記録再生部210は、光ディスクの情報を読み出すものであり、例えば、光ピックアップを含んで構成されている。放送受信部220は、テレビ放送信号を受信し、受信したテレビ放送信号から映像信号および音声信号を得るものであり、例えば、デジタルチューナ、デマルチプレクサ、およびMPEGデコーダなどを含んで構成されている。記憶部230は、記録再生部210で読み出した情報や、放送受信部220で受信した情報などを記録するものであり、例えば、HD、フラッシュROM(Read Only Memory)、各種ソフトウェアのワークエリアを構成するDRAM(Dynamic Random Access Memory)などを含んで構成されている。記憶部230は、例えば、レコーダ200の各部の動作を制御したり、所定の機能を実行したりするソフトウェアを格納している。例えば、コンテンツリストの要求に応じてネットワーク識別情報を取得するとともに、QRコードを生成に必要な他の情報も取得し、取得した情報を、コンテンツリストを要求してきたデバイスに返送するソフトウェアが、記憶部230に格納されている。
【0030】
ここで、上述のソフトウェアは、後述の「レコーダ選択」がユーザによって実行されたときに実行されるプログラムである。なお、このソフトウェアの詳細については、後に詳述するものとする。また、上記のコンテンツリストとは、レコーダ200に格納されているコンテンツのリストである。コンテンツリストには、例えば、少なくとも、各コンテンツのタイトルが含まれている。なお、コンテンツリストに、各コンテンツに関係する画像情報(サムネイル)などが含まれていてもよい。
【0031】
また、ネットワーク識別情報とは、有線ネットワーク100上のアクセスポイント600の無線ネットワーク800への無線デバイス(例えば、無線通信装置700)の参加を認証するためのものである。ネットワーク識別情報は、例えば、無線ネットワーク800の名前(ネットワーク名)と、無線ネットワーク800に接続するためのパスコードとを含んでいる。ネットワーク名は、無線ネットワークを識別するための名称であり、例えば、無線基準規格では、SSID(service set identifier)と呼ばれるものである。パスコードは、無線ネットワーク800へ特定の無線デバイスを接続させるために必要な無作為に生成される複数桁の数字であり、例えば、Wi−fi Protected Setupプログラムの場合、4桁または8桁のPINコードである。
【0032】
映像・音声出力部240は、例えば、記録再生部210で読み出した信号や、放送受信部220で生成した信号、記憶部230から読み出した信号、または制御部280で生成した信号を、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)ケーブルなどからなるインターフェースケーブル300を介して、デジタルTV400に転送するようになっている。映像・音声出力部240は、デジタルTV400のモニタ430に所望の映像を表示することをデジタルTV400に要求するものともいえる。リモコン受信部250は、例えば、リモコン送信機260から赤外線などにより送信されてきたリモートコントロール信号を受信し、制御部280に供給するようになっている。
【0033】
ネットワーク接続部270は、有線ネットワーク100を介して他のデバイスと通信を行うものであり、例えば、有線ネットワーク100に接続するネットワーク端子、およびネットワーク・インターフェースを含んで構成されている。ここで、ネットワーク・インターフェースは、例えば、LANの規格の一種であるイーサネット(登録商標)に従って他のデバイスと通信を行うものである。なお、イーサネット(登録商標)は、富士ゼロックス株式会社の登録商標である。制御部280は、レコーダ200の各部の動作を制御するものであり、例えば、記憶部230から読み出したソフトウェアを記憶部230のワークエリアに展開してソフトウェアを起動させ、レコーダ200の各部を制御するようになっている。
【0034】
(デジタルTV400)
デジタルTV400は、例えば、デジタルチューナなどの放送受信機能を有しないテレビジョンであり、例えば、図3に示したように、映像・音声入力部410、信号処理部420、モニタ430、リモコン受信部440、リモコン送信機450、および制御部460を有している。なお、デジタルTV400が、デジタルチューナなどの放送受信機能を有していてもかまわない。
【0035】
映像・音声入力部410は、例えば、インターフェースケーブル300を介して転送されてきた信号を受信し、信号処理部420に転送するようになっている。信号処理部420は、転送されてきた映像データに対して、必要に応じてマルチ画像処理、グラフィックスデータの重畳処理等の信号処理を行うとともに、転送されてきた音声信号に対して、必要に応じて所定の信号処理を行うようになっている。信号処理部420は、さらに、映像信号および音声信号をモニタ430に出力するようになっている。モニタ430は、入力された映像信号に基づいて、モニタ430内の表示パネル(図示せず)を駆動するとともに、入力された音声信号を増幅して、モニタ430内のスピーカ(図示せず)を駆動するようになっている。
【0036】
リモコン受信部440は、例えば、リモコン送信機450から赤外線などにより送信されてきたリモートコントロール信号を受信し、制御部460に供給するようになっている。制御部460は、デジタルTV400の各部の動作を制御するものであり、例えば、記憶部(図示せず)から読み出したソフトウェアを記憶部のワークエリアに展開してソフトウェアを起動させ、デジタルTV400の各部を制御するようになっている。
【0037】
(デジタルTV500)
デジタルTV500は、例えば、デジタルチューナなどの放送受信機能と、有線ネットワーク100を介して他のデバイスと通信を行う機能を有するテレビジョンである。デジタルTV500は、例えば、図4に示したように、放送受信部510、信号処理部520、モニタ530、リモコン受信部540、リモコン送信機550、記憶部560、ネットワーク接続部570、および制御部580を有している。なお、ネットワーク接続部570が本発明の「通信部」の一具体例に相当し、制御部580が、本発明の「画像生成部」「表示要求部」の一具体例に相当する。
【0038】
放送受信部510は、テレビ放送信号を受信し、受信したテレビ放送信号から映像信号および音声信号を得るものであり、例えば、デジタルチューナ、デマルチプレクサ、およびMPEGデコーダなどを含んで構成されている。放送受信部510は、得られた信号(映像信号および音声信号)を信号処理部520に出力するようになっている。信号処理部520は、入力された映像データに対して、必要に応じてマルチ画像処理、グラフィックスデータの重畳処理等の信号処理を行うとともに、入力された音声信号に対して、必要に応じて所定の信号処理を行うようになっている。信号処理部520に入力される信号には、例えば、放送受信部510から出力された信号の他に、制御部580で生成された信号などが含まれ得る。信号処理部520は、さらに、映像信号および音声信号をモニタ530に出力するようになっている。信号処理部520は、モニタ530に所望の映像を表示することをモニタ530に要求するものともいえる。モニタ530は、入力された映像信号に基づいて、モニタ530内の表示パネル(図示せず)を駆動するとともに、入力された音声信号を増幅して、モニタ530内のスピーカ(図示せず)を駆動するようになっている。
【0039】
リモコン受信部540は、例えば、リモコン送信機550から赤外線などにより送信されてきたリモートコントロール信号を受信し、制御部580に供給するようになっている。記憶部560は、例えば、デジタルTV500の各部の動作を制御したり、所定の機能を実行したりするソフトウェアを格納している。例えば、所定の情報を示すQRコード(登録商標)を生成するとともに、生成したQRコードをコンテンツリストとともに表示装置(モニタ530)に表示させる(図7参照)ソフトウェアが、記憶部560に格納されている。ここで、上述のソフトウェアは、後述の「レコーダ選択」がユーザによって実行されたときに実行されるプログラムである。なお、このソフトウェアの詳細については、後に詳述するものとする。
【0040】
ネットワーク接続部570は、有線ネットワーク100を介して他のデバイスと通信を行うものであり、例えば、有線ネットワーク100に接続するネットワーク端子、およびネットワーク・インターフェースを含んで構成されている。ここで、ネットワーク・インターフェースは、例えば、LANの規格の一種であるイーサネット(登録商標)に従って他のデバイスと通信を行うものである。制御部580は、デジタルTV500の各部の動作を制御するものであり、例えば、記憶部(図示せず)から読み出したソフトウェアを記憶部のワークエリアに展開してソフトウェアを起動させ、デジタルTV500の各部を制御するようになっている。
【0041】
(アクセスポイント600)
アクセスポイント600は、無線通信装置700などの無線デバイスをネットワーク(有線ネットワーク100)に接続するデバイスであり、例えば、図5に示したように、無線ネットワーク接続部610、アンテナ620、有線ネットワーク接続部630、記憶部640、および制御部650を有している。
【0042】
無線ネットワーク接続部610は、無線ネットワーク800を介して、無線通信装置700などの無線デバイスと通信を行うものであり、例えば、無線ネットワーク800に接続するネットワーク端子、およびネットワーク・インターフェースを含んで構成されている。ここで、ネットワーク・インターフェースは、例えば、無線LANの規格の一種であるIEEE802.11シリーズに従って他のデバイスと通信を行うものであり、Wi−Fi AllianceによってWi−Fiの認証が付されたものであることが好ましい。アンテナ620は、無線ネットワーク800を介した通信を行う際に使用する電波を発するものである。
【0043】
有線ネットワーク接続部630は、有線ネットワーク100を介して他のデバイスと通信を行うものであり、例えば、有線ネットワーク100に接続するネットワーク端子、およびネットワーク・インターフェースを含んで構成されている。ここで、ネットワーク・インターフェースは、例えば、LANの規格の一種であるイーサネット(登録商標)に従って他のデバイスと通信を行うものである。
【0044】
記憶部640は、例えば、アクセスポイント600の各部の動作を制御したり、所定の機能を実行したりするソフトウェアを格納している。例えば、後述の「無線通信装置700などの無線デバイスの登録」をアクセスポイント600に実行させるソフトウェアが、記憶部640に格納されている。ここで、上述のソフトウェアは、後述の「画像情報(QRコード)でコンテンツ取得」というアイコンが無線通信装置700において選択・実行されたときに実行されるプログラムである。なお、このソフトウェアの詳細については、後に詳述するものとする。制御部650は、アクセスポイント600の各部の動作を制御するものであり、例えば、記憶部640から読み出したソフトウェアを記憶部640のワークエリアに展開してソフトウェアを起動させ、アクセスポイント600の各部を制御するようになっている。
【0045】
アクセスポイント600は、さらに、レジストラ機能を実行するレジストラ部660を有している。レジストラとは、ネットワーク識別情報の発行および取り消しの権限を有する論理的実体を指すものであり、本実施の形態では、レジストラがアクセスポイント600に統合されている。なお、レジストラ機能の詳細については、後に詳述するものとする。
【0046】
(無線通信装置700)
無線通信装置700は、少なくとも、無線ネットワーク800に接続する機能と、カメラ機能を有するものであり、汎用的な無線デバイスである。そのような装置としては、例えば、パーソナルコンピュータ、家電機器、携帯端末、デジタルカメラ、携帯電話機などの、種々の無線通信装置が挙げられる。無線通信装置700は、例えば、図6に示したように、無線ネットワーク接続部710、アンテナ720、カメラ部730、手入力部740、表示部750、記憶部760、および制御部770を有している。
【0047】
無線ネットワーク接続部710は、無線ネットワーク800およびアクセスポイント600を介して他のデバイスと通信を行うものであり、例えば、無線ネットワーク800に接続するネットワーク端子、およびネットワーク・インターフェースを含んで構成されている。ここで、ネットワーク・インターフェースは、例えば、無線LANの規格の一種であるIEEE802.11シリーズに従って他のデバイスと通信を行うものであり、Wi−Fi AllianceによってWi−Fiの認証が付されたものであることが好ましい。
【0048】
アンテナ720は、無線ネットワーク800を介した通信を行う際に使用する電波を発するものである。カメラ部730は、映像を撮影するための装置であり、例えば、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサや、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどの、固体撮像素子を含んで構成されている。カメラ部730は、撮像した映像を制御部770に出力するようになっている。手入力部740は、例えば、人間の手によって、機械的なボタンを押したり、タッチパネルを触ったりすることにより、情報を入力するものである。手入力部740は、入力された情報を制御部770に出力するようになっている。表示部750は、例えば、カメラ部730で撮影している映像や、手入力部740で入力している情報などを表示するものである。
【0049】
記憶部760は、無線ネットワーク接続部710で受信した情報や、カメラ部730で取得した映像、手入力部740で入力した情報などを記録するものであり、例えば、HD、フラッシュROM、各種ソフトウェアのワークエリアを構成するDRAMなどを含んで構成されている。記憶部760は、例えば、無線通信装置700の各部の動作を制御したり、所定の機能を実行したりするソフトウェアを格納している。例えば、無線ネットワーク接続を簡易に実行したり、ほしいコンテンツの取得を簡易に実行したりするソフトウェアが、記憶部760に格納されている。ここで、上述のソフトウェアは、後述の「画像情報(QRコード)でコンテンツ取得」というアイコンがユーザによって選択されたときに実行されるプログラムである。なお、このソフトウェアの詳細については、後に詳述するものとする。
【0050】
[登録・コンテンツ転送]
次に、本実施の形態のネットワークシステム1における、無線通信装置700の登録と、無線通信装置700へのコンテンツ転送との手順の一例について説明する。以下では、レコーダ200、デジタルTV500、アクセスポイント600および無線通信装置700のそれぞれの記憶部に格納されているプログラムを実行したときの手順の一例について説明する。
【0051】
図8は、無線通信装置700の登録および無線通信装置700へのコンテンツ転送を行う手順の一例を示すものである。まず、ユーザ(図示せず)は、例えば、デジタルTV500の近傍におり、リモコン送信機550を用いて、レコーダ選択を行う(ステップS101)。例えば、ユーザは、レコーダ200を選択したとする。すると、デジタルTV500の制御部580は、レコーダ200に対して、レコーダ200に格納されているコンテンツのリスト(コンテンツリスト)を要求する(ステップS102)。レコーダ200の制御部280は、コンテンツリストの要求を受けると、アクセスポイント600に対して、ネットワーク識別情報を要求する(ステップS103)。具体的には、デジタルTV500の制御部580は、アクセスポイント600に対して、レコーダ200に格納されている各コンテンツのネットワーク識別情報を要求する。
【0052】
アクセスポイント600は、レジストラ機能を有しているので、レコーダ200からの要求に対して、ネットワーク識別情報を発行する(ステップS104)。具体的には、アクセスポイント600のレジストラ部660は、レコーダ200に格納されているコンテンツごとに、ネットワーク識別情報を発行する。このとき、アクセスポイント600のレジストラ部660は、発行したネットワーク識別情報をコンテンツごとに関連づけて記憶部に格納する。その後、アクセスポイント600のレジストラ部660は、発行したネットワーク識別情報をレコーダ200に返送する(ステップS105)。
【0053】
レコーダ200の制御部280は、アクセスポイント600からネットワーク識別情報を入手するとともに、レコーダ200の記憶部230に格納されているコンテンツのリスト(コンテンツリスト)と、コンテンツごとに設定された処理指定情報と、各コンテンツのアドレス情報とを入手する(ステップS106)。
【0054】
ここで、処理指定情報は、コンテンツに対する処理を指定する情報である。コンテンツが動画である場合には、処理指定情報は、例えば、動画の再生を指定するコマンドとなっている。また、アドレス情報は、有線ネットワーク100上にあるコンテンツの場所を指し示す情報であり、例えば、URI(Uniform Resource Identifier)である。
【0055】
次に、レコーダ200の制御部280は、入手したコンテンツリスト等(コンテンツリスト、アドレス情報、ネットワーク識別情報、処理指定情報)をデジタルTV500に返送する(ステップS107)。デジタルTV500の制御部580は、レコーダ200から取得したアドレス情報、ネットワーク識別情報および処理指定情報の3つ情報を用いて、これらの情報を示す画像情報をコンテンツごとに作成する。具体的には、デジタルTV500の制御部580は、上記の3つの情報を用いて、画像情報として、例えばQRコードをコンテンツごとに作成する(ステップS108)。QRコードとは、白と黒の格子状のパターンで情報を表したものである。
【0056】
続いて、デジタルTV500の制御部580は、作成した画像情報(QRコード)をコンテンツリストとともに画面に表示する(ステップS109)。具体的には、デジタルTV500の制御部580は、例えば、図7に示したように、作成した画像情報(QRコード)を、コンテンツごとに1つずつ割り当てた映像信号を作成し、その映像信号を信号処理部520に送信することにより、QRコードがコンテンツごとに1つずつ割り当てられた映像をモニタ530に表示させる。
【0057】
ユーザは、先のレコーダ選択の実行によってモニタ530に表示された映像を眺めながら、ほしいコンテンツを探す。ユーザは、ほしいコンテンツが見つかった場合には、ユーザが保有する無線通信装置700において、画像情報(QRコード)の読取り指示を実行する(ステップS110)。具体的には、ユーザは、無線通信装置700の表示部750にメニュー(図示せず)を表示させ、そのメニューの中から「画像情報(QRコード)でコンテンツ取得」というアイコン(図示せず)を選択する。すると、無線通信装置700のカメラ部730が起動し、画像情報(QRコード)を撮像可能な状態となる。ユーザは、無線通信装置700のカメラ部730を、モニタ530に表示された画像情報(QRコード)の前にかざし、カメラ部730で、所望の画像情報(QRコード)を撮像する(読取る)(ステップS111)。すると、カメラ部730で撮像された画像情報(QRコード)が無線通信装置700の制御部770に入力され、無線通信装置700の制御部770は、後に詳述するネットワーク接続を実行する(ステップS112)。
【0058】
以上のようにして、無線通信装置700を登録するプロトコル(登録プロトコル)が実行されることにより、無線通信装置700は、アクセスポイント600と共通の暗号鍵を用いた通常のデータ通信を行うことが可能となる。
【0059】
その後、無線通信装置700の制御部770は、所望のコンテンツをレコーダ200に要求する(ステップS113)。具体的には、無線通信装置700の制御部770は、画像情報(QRコード)から既に取得しているアドレス情報および処理指定情報を無線ネットワーク800に出力する。すると、アドレス情報に対応する、有線ネットワーク100上のデバイス(レコーダ200)が、無線通信装置700からの情報を受信し、受信した情報に含まれる処理指定情報に従った処理を実行する。ここで、処理指定情報が、アドレス情報に対応するコンテンツのコピーの、無線通信装置700への転送である場合には、レコーダ200は、アドレス情報に対応するコンテンツのコピーを無線通信装置700に転送する(ステップS114)。その結果、無線通信装置700は、アドレス情報に対応するコンテンツのコピーを取得する。このようにして、コンテンツの転送が実行される。
【0060】
なお、ユーザが、レコーダ200に接続されたデジタルTV400の近傍におり、リモコン送信機450を用いて、レコーダ選択を行う場合には、無線通信装置700の登録と、無線通信装置700へのコンテンツ転送との手順は、例えば、以下のようになる。
【0061】
図9は、無線通信装置700の登録および無線通信装置700へのコンテンツ転送を行う手順の他の例を示すものである。まず、ユーザ(図示せず)は、例えば、デジタルTV400の近傍におり、リモコン送信機450を用いて、レコーダ選択を行う(ステップS201)。例えば、ユーザは、レコーダ200を選択したとする。すると、デジタルTV400の制御部580は、レコーダ200に対して、ユーザがレコーダ200を選択したことを通知する。レコーダ200の制御部280は、その通知を受けると、アクセスポイント600に対して、ネットワーク識別情報を要求する(ステップS202)。具体的には、レコーダ200の制御部280は、アクセスポイント600に対して、レコーダ200に格納されている各コンテンツのネットワーク識別情報を要求する。ここで、ネットワーク識別情報は、無線ネットワーク名と、無線ネットワーク800に接続するためのパスコードとを含んでいる。
【0062】
アクセスポイント600は、レジストラ機能を有しているので、レコーダ200からの要求に対して、ネットワーク識別情報を発行する(ステップS203)。具体的には、アクセスポイント600のレジストラ部660は、レコーダ200に格納されているコンテンツごとに、ネットワーク識別情報を発行する。このとき、アクセスポイント600のレジストラ部660は、発行したネットワーク識別情報をコンテンツごとに関連づけて記憶部に格納する。その後、アクセスポイント600のレジストラ部660は、発行したネットワーク識別情報をレコーダ200に返送する(ステップS204)。
【0063】
レコーダ200の制御部280は、アクセスポイント600からネットワーク識別情報を入手するとともに、レコーダ200の記憶部230に格納されているコンテンツのリスト(コンテンツリスト)と、コンテンツごとに設定された処理指定情報と、各コンテンツのアドレス情報とをレコーダ200の記憶部230から入手する(ステップS205)。
【0064】
次に、レコーダ200の制御部280は、入手したアドレス情報、ネットワーク識別情報および処理指定情報の3つ情報を用いて、これらの情報を示す画像情報をコンテンツごとに作成する。具体的には、レコーダ200の制御部280は、上記の3つの情報を用いて、画像情報として、例えばQRコードをコンテンツごとに作成する(ステップS206)。
【0065】
続いて、レコーダ200の制御部280は、作成した画像情報(QRコード)をコンテンツリストとともに画面に表示する(ステップS207)。具体的には、レコーダ200の制御部280は、例えば、図7に示したように、作成した画像情報(QRコード)を、コンテンツごとに1つずつ割り当てた映像信号を作成し、その映像信号をデジタルTV400に送信することにより、QRコードがコンテンツごとに1つずつ割り当てられた映像をモニタ430に表示させる。
【0066】
ユーザは、先のレコーダ選択の実行によってモニタ430に表示された映像を眺めながら、ほしいコンテンツを探す。ユーザは、ほしいコンテンツが見つかった場合には、ユーザが保有する無線通信装置700において、画像情報(QRコード)の読取り指示を実行する(ステップS208)。具体的には、ユーザは、無線通信装置700の表示部750にメニュー(図示せず)を表示させ、そのメニューの中から「画像情報(QRコード)でコンテンツ取得」というアイコン(図示せず)を選択する。すると、無線通信装置700のカメラ部730が起動し、画像情報(QRコード)を撮像可能な状態となる。ユーザは、無線通信装置700のカメラ部730を、モニタ430に表示された画像情報(QRコード)の前にかざし、カメラ部730で、所望の画像情報(QRコード)を撮像する(読取る)(ステップS209)。すると、カメラ部730で撮像された画像情報(QRコード)が無線通信装置700の制御部770に入力され、無線通信装置700の制御部770は、後に詳述するネットワーク接続を実行する(ステップS112)。
【0067】
以上のようにして、無線通信装置700を登録するプロトコル(登録プロトコル)が実行されることにより、無線通信装置700は、アクセスポイント600と共通の暗号鍵を用いた通常のデータ通信を行うことが可能となる。その後、上記の例と同様のプロセスを経ることにより、無線通信装置700へのコンテンツの転送が実行される。
【0068】
[ネットワーク接続]
次に、本実施の形態のネットワークシステム1におけるネットワーク接続(上記のステップS112,S210)の手順の一例について説明する。以下では、アクセスポイント600および無線通信装置700の双方の記憶部に格納されているプログラムを実行したときの手順の一例について説明する。
【0069】
図10は、ネットワーク接続(上記のステップS112,S210)を行う手順の一例を示すものである。まず、無線通信装置700の制御部770は、アクセスポイント600に対して、登録リクエストを送信する(ステップS301)。具体的には、無線通信装置700の制御部770は、アクセスポイント600に対して、QRコードの読み取りにより得られた3つの情報(アドレス情報、ネットワーク識別情報および処理指定情報)を送信する。アクセスポイント600の制御部650は、無線通信装置700から3つの情報が入力されると、登録開始を示す信号を送信する(ステップS302)。具体的には、アクセスポイント600の制御部650は、無線通信装置700から入力されたアドレス情報に対応するネットワーク識別情報を含む信号をアクセスポイント600に対して送信する。
【0070】
なお、上記のステップにおいて、無線通信装置700からアクセスポイント600に入力されたネットワーク識別情報が、本発明の「第1のネットワーク識別情報」の一具体例に相当する。また、上記のステップにおいて、アクセスポイント600が、登録開始を示す信号として無線通信装置700に送信した信号に含まれるネットワーク識別情報が、本発明の「第2のネットワーク識別情報」の一具体例に相当する。
【0071】
次に、アクセスポイント600および無線通信装置700は、相互に識別情報の認証を行う(ステップS303)。具体的には、まず、アクセスポイント600の制御部650は、無線通信装置700からアクセスポイント600に入力されたネットワーク識別情報(第1のネットワーク識別情報)と、無線通信装置700から入力されたアドレス情報に対応するネットワーク識別情報(過去に有線ネットワーク100上の他のデバイス(上記の例ではレコーダ200)に送信したネットワーク識別情報)(第2のネットワーク識別情報)とを対比する。その結果、アクセスポイント600の制御部650は、第1のネットワーク識別情報が第2のネットワーク識別情報と一致するか、または所定の関係にある場合に、認証が成功したと認定する。一方、無線通信装置700の制御部770は、QRコードの読み取りにより得られたネットワーク識別情報(第1のネットワーク識別情報)と、登録開始を示す信号として無線通信装置700に送信した信号に含まれるネットワーク識別情報(第2のネットワーク識別情報)とを対比する。その結果、無線通信装置700の制御部770は、第1のネットワーク識別情報が第2のネットワーク識別情報と一致するか、または所定の関係にある場合に、認証が成功したと認定する。
【0072】
このようにして、双方が「認証が成功した」と認定した場合には、アクセスポイント600と無線通信装置700の間で鍵交換が行われる(ステップS303)。さらに、無線パラメータなどの設定情報がアクセスポイント600から無線通信装置700に転送される(ステップS304)。
【0073】
ここで、無線パラメータは、無線ネットワーク800への接続に際して必要となる情報であり、例えば、ネットワーク名、周波数チャネル、暗号方式、暗号鍵、認証方法、パスコードなどを含むものである。なお、上記のステップにおいてアクセスポイント600から無線通信装置700に転送される無線パラメータとしては、少なくとも、暗号鍵が挙げられる。暗号鍵は、例えば、Diffie−Hellman公開鍵である。
【0074】
最後に、無線通信装置700の制御部770が、取得した無線パラメータなどの設定情報を用いて、無線ネットワーク800に接続する(ステップS305)。このような登録プロトコルに実行により、無線通信装置700は、アクセスポイント600と共通の暗号鍵を用いた通常のデータ通信を行うことが可能となる。
【0075】
[効果]
本実施の形態では、ネットワーク識別情報などを示す画像情報(QRコード)がコンテンツリストとともに画面に表示されるようにしたので、画像情報(QRコード)が表示された表示画面の傍にいる人だけがカメラ付きの無線通信装置700で画像情報を撮像し、撮像した画像情報(QRコード)を利用して無線ネットワーク800に接続し、コンテンツを取得することが可能となる。ここで、無線通信装置700は、無線ネットワーク800に接続する機能と、カメラを備えていればどのようなものであってもよく、事前の登録がなされているなどの、特定のものである必要はない。また、本実施の形態では、アクセスポイント600のボタンを押したり、アクセスポイント600に対して何らかの設定操作を行ったりする必要がない。そのため、アクセスポイント600が置かれている場所から離れた場所でも、無線通信装置700を無線ネットワーク800に接続したり、アクセスポイント600を天井裏などの、人の手が届きにくい場所に設置したりすることも可能である。したがって、本実施の形態では、ユーザの使い勝手を損なうことなく安全に無線ネットワーク接続を行うことができる。
【0076】
<2.変形例>
以上、実施の形態および変形例を挙げて本発明を説明したが、本発明はこれらに限定されず、種々の変形が可能である。
【0077】
例えば、上記実施の形態等では、レコーダ200、デジタルTV500、アクセスポイント600および無線通信装置700のそれぞれの記憶部に、無線通信装置700の登録および無線通信装置700へのコンテンツ転送のためのプログラムが格納されていたが、そのようなプログラムの代わりに、無線通信装置700の登録および無線通信装置700へのコンテンツ転送を実行する回路がレコーダ200、アクセスポイント600および無線通信装置700に組み込まれていてもよい。
【0078】
また、上記実施の形態等では、アクセスポイント600は、レジストラ機能を有していたが、レジストラ機能を有していなくてもよい。ただし、その場合には、例えば、図11に示したように、アクセスポイント600とは別体で形成されたレジストラ900を、有線ネットワーク100に接続しておくことが必要である。なお、レジストラ900は、レジストラ機能を有するものであり、上記実施の形態等におけるレジストラ部660と同様の機能を有している。
【符号の説明】
【0079】
1…ネットワークシステム、100…有線ネットワーク、200…レコーダ、210…記録再生部、220,510…放送受信部、230,560,760…記憶部、240…映像・音声出力部、250,440,540…リモコン受信部、260,450,550…リモコン送信機、270,570…ネットワーク接続部、280,460,580,770…制御部、300…インターフェースケーブル、400,500…デジタルTV、410…映像・音声入力部、420,520…信号処理部、430,530…モニタ、600…アクセスポイント、700…無線通信装置、710…無線ネットワーク接続部、720…アンテナ、730…カメラ、740…手入力部、750…表示部、800…無線ネットワーク、900…レジストラ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク上の他のデバイスと通信を行う通信部と、
前記ネットワーク上の他のデバイスまたは自身が保有するコンテンツのアドレス情報と、前記ネットワーク上のアクセスポイントの無線ネットワークへの無線デバイスの参加を認証するためのネットワーク識別情報と、コンテンツごとに設定された処理指定情報とを用いて、これらの情報を示す画像情報をコンテンツごとに生成する画像生成部と、
前記画像生成部によって生成された画像情報をコンテンツリストとともに画面に表示することを表示装置に要求する表示要求部と
を備えた情報処理装置。
【請求項2】
前記通信部は、前記ネットワーク識別情報を、前記ネットワーク上のレジストラ機能実装デバイスから取得する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記ネットワーク上の他のデバイスが前記コンテンツを保有している場合には、前記通信部が、前記アドレス情報および前記処理指定情報をそのデバイスから取得し、
当該情報処理装置が前記コンテンツおよび前記処理指定情報を記憶領域に保有している場合には、前記画像生成部が、これらの情報を前記記憶領域から読み出す
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記ネットワーク識別情報は、前記無線ネットワークの名前と、前記無線ネットワークに接続するためのパスコードとを含む
請求項2または請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記パスコードは、前記レジストラ機能実装デバイスによってコンテンツごとに生成されたものである
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記画像情報は、QRコードである
請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記ネットワーク上の他のデバイスが前記コンテンツを保有している場合には、前記通信部が、前記コンテンツリストをそのデバイスから取得し、
当該情報処理装置が前記コンテンツおよび前記コンテンツリストを記憶領域に保有している場合には、前記画像生成部が、前記コンテンツリストを前記記憶領域から読み出す
請求項2または請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項8】
無線デバイスをネットワークに接続する情報処理装置であって、
前記ネットワーク上の第1のデバイスに格納された第1のコンテンツのアドレス情報と、前記ネットワーク上のアクセスポイントの無線ネットワークへの無線デバイスの参加を認証するための第1のネットワーク識別情報と、前記第1のコンテンツに対する処理指定情報とを含む無線信号を無線デバイスから受信する受信部と、
前記ネットワーク上の他のデバイスから、前記無線ネットワークへの無線デバイスの参加を認証するための第2のネットワーク識別情報の要求があった場合に、前記第2のネットワーク識別情報を発行するか、または前記ネットワーク上のレジストラ機能実装デバイスから取得したのち、発行または取得した第2のネットワーク識別情報を、前記第2のネットワーク識別情報を要求してきたデバイスに送信する送信部と、
前記第1のネットワーク識別情報が前記第2のネットワーク識別情報と一致するか、または所定の関係にある場合に、前記無線信号を送信してきた無線デバイスの、前記ネットワークへの接続を許可する認証部と
を備えた情報処理装置。
【請求項9】
ネットワーク上の他のデバイスと通信を行うことの可能な、前記ネットワーク上の一のデバイスにおける情報処理方法であって、
前記ネットワーク上の他のデバイスまたは自身が保有するコンテンツのアドレス情報と、前記ネットワーク上のアクセスポイントの無線ネットワークへの無線デバイスの参加を認証するためのネットワーク識別情報と、コンテンツごとに設定された処理指定情報とを用いて、これらの情報を示す画像情報をコンテンツごとに生成する画像生成ステップと、
前記生成ステップによって生成された画像情報をコンテンツリストとともに画面に表示することを表示装置に要求する表示要求ステップと
を含む情報処理方法。
【請求項10】
ネットワーク上の他のデバイスと通信を行うことの可能な、前記ネットワーク上の一のデバイス用の情報処理プログラムであって、
前記ネットワーク上の他のデバイスまたは自身が保有するコンテンツのアドレス情報と、前記ネットワーク上のアクセスポイントの無線ネットワークへの無線デバイスの参加を認証するためのネットワーク識別情報と、コンテンツごとに設定された処理指定情報とを用いて、これらの情報を示す画像情報をコンテンツごとに生成する画像生成ステップと、
前記生成ステップによって生成された画像情報をコンテンツリストとともに画面に表示することを表示装置に要求する表示要求ステップと
をデバイスに実行させる情報処理プログラム。
【請求項1】
ネットワーク上の他のデバイスと通信を行う通信部と、
前記ネットワーク上の他のデバイスまたは自身が保有するコンテンツのアドレス情報と、前記ネットワーク上のアクセスポイントの無線ネットワークへの無線デバイスの参加を認証するためのネットワーク識別情報と、コンテンツごとに設定された処理指定情報とを用いて、これらの情報を示す画像情報をコンテンツごとに生成する画像生成部と、
前記画像生成部によって生成された画像情報をコンテンツリストとともに画面に表示することを表示装置に要求する表示要求部と
を備えた情報処理装置。
【請求項2】
前記通信部は、前記ネットワーク識別情報を、前記ネットワーク上のレジストラ機能実装デバイスから取得する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記ネットワーク上の他のデバイスが前記コンテンツを保有している場合には、前記通信部が、前記アドレス情報および前記処理指定情報をそのデバイスから取得し、
当該情報処理装置が前記コンテンツおよび前記処理指定情報を記憶領域に保有している場合には、前記画像生成部が、これらの情報を前記記憶領域から読み出す
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記ネットワーク識別情報は、前記無線ネットワークの名前と、前記無線ネットワークに接続するためのパスコードとを含む
請求項2または請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記パスコードは、前記レジストラ機能実装デバイスによってコンテンツごとに生成されたものである
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記画像情報は、QRコードである
請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記ネットワーク上の他のデバイスが前記コンテンツを保有している場合には、前記通信部が、前記コンテンツリストをそのデバイスから取得し、
当該情報処理装置が前記コンテンツおよび前記コンテンツリストを記憶領域に保有している場合には、前記画像生成部が、前記コンテンツリストを前記記憶領域から読み出す
請求項2または請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項8】
無線デバイスをネットワークに接続する情報処理装置であって、
前記ネットワーク上の第1のデバイスに格納された第1のコンテンツのアドレス情報と、前記ネットワーク上のアクセスポイントの無線ネットワークへの無線デバイスの参加を認証するための第1のネットワーク識別情報と、前記第1のコンテンツに対する処理指定情報とを含む無線信号を無線デバイスから受信する受信部と、
前記ネットワーク上の他のデバイスから、前記無線ネットワークへの無線デバイスの参加を認証するための第2のネットワーク識別情報の要求があった場合に、前記第2のネットワーク識別情報を発行するか、または前記ネットワーク上のレジストラ機能実装デバイスから取得したのち、発行または取得した第2のネットワーク識別情報を、前記第2のネットワーク識別情報を要求してきたデバイスに送信する送信部と、
前記第1のネットワーク識別情報が前記第2のネットワーク識別情報と一致するか、または所定の関係にある場合に、前記無線信号を送信してきた無線デバイスの、前記ネットワークへの接続を許可する認証部と
を備えた情報処理装置。
【請求項9】
ネットワーク上の他のデバイスと通信を行うことの可能な、前記ネットワーク上の一のデバイスにおける情報処理方法であって、
前記ネットワーク上の他のデバイスまたは自身が保有するコンテンツのアドレス情報と、前記ネットワーク上のアクセスポイントの無線ネットワークへの無線デバイスの参加を認証するためのネットワーク識別情報と、コンテンツごとに設定された処理指定情報とを用いて、これらの情報を示す画像情報をコンテンツごとに生成する画像生成ステップと、
前記生成ステップによって生成された画像情報をコンテンツリストとともに画面に表示することを表示装置に要求する表示要求ステップと
を含む情報処理方法。
【請求項10】
ネットワーク上の他のデバイスと通信を行うことの可能な、前記ネットワーク上の一のデバイス用の情報処理プログラムであって、
前記ネットワーク上の他のデバイスまたは自身が保有するコンテンツのアドレス情報と、前記ネットワーク上のアクセスポイントの無線ネットワークへの無線デバイスの参加を認証するためのネットワーク識別情報と、コンテンツごとに設定された処理指定情報とを用いて、これらの情報を示す画像情報をコンテンツごとに生成する画像生成ステップと、
前記生成ステップによって生成された画像情報をコンテンツリストとともに画面に表示することを表示装置に要求する表示要求ステップと
をデバイスに実行させる情報処理プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−259372(P2011−259372A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−134178(P2010−134178)
【出願日】平成22年6月11日(2010.6.11)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月11日(2010.6.11)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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