説明

情報処理装置、情報処理方法およびプログラム

【課題】無線チャンネルの変更が連鎖的に発生する玉突き状態を防止すること。
【解決手段】本発明に係る情報処理装置は、所定の周波数帯域内に含まれる複数のチャンネルを介して他の情報処理装置と双方向通信を行うものであって、他の情報処理装置との接続に利用される複数の識別子の中から一の識別子を選択する選択部と、複数のチャンネルの電波状態を監視する電波状態監視部と、電波状態の監視結果に基づき良好な電波状態にあるチャンネルを双方向通信に用いるチャンネルに設定するとともに、設定されているチャンネルよりも良好な電波状態にある他のチャンネルが存在する場合に、双方向通信に用いるチャンネルを、より良好な電波状態にある他のチャンネルへと変更するチャンネル制御部とを備え、所定期間内にチャンネルを所定回数変更した場合に、選択された識別子に関連付けられたチャンネルを用いて双方向通信を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、オフィスや家庭内において無線LAN(Local Area Network)を利用したネットワークが構築されるようになり、このような無線LANを用いて動画、静止画や音声などのAV(Audio Visual)関連のデータ伝送を行うシステムが広まりつつある。このようなシステムでは、無線を用いることによる様々な種類の干渉によってスループットが低下するおそれがある。
【0003】
通常、このようなシステムでは、複数の無線チャンネルを使用できるようにしておき、複数のシステムが互いの通信範囲内で共存する場合には、それぞれのシステムが、干渉を発生しないようなチャンネルを設定することによって、干渉の回避を行う必要がある。
【0004】
しかし、一般の利用者がそれぞれの無線チャンネルを認識して設定を行うことや、干渉要因を理解した上で適切な無線チャンネルを設定することは、実際には困難である。特に、上述の干渉は定常的に存在するものではなく、突如現れて消えるという特徴があり、予見し難いものとなっている。
【0005】
そこで、従来の無線LANを利用するシステムでは、無線通信を行う複数の無線LAN装置に別途接続されるチャンネル切替装置において、無線LAN装置間の回線状態を収集し、その回線状態に基づいてチャンネルの変更要求を発行するとともに、無線チャンネル切替のための通信を行う際に、データ伝送のための通信よりも高い優先度を与えることにより、通信状況に応じて速やかに無線チャンネルを切り替えて、画音の乱れや途切れを極力短くする方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)
【0006】
【特許文献1】特開2006−94394号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述の特許文献1の方法では、複数の装置が同時に回線状態の良い同一の無線チャンネルへと切り替えを行ってしまう可能性があり、かかる場合には、チャンネル切り替えの連鎖が発生して各装置のいずれもが結果的に通信ができなくなる、いわゆる玉突き状態が発生する可能性があるという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的は、複数の情報処理装置において無線チャンネルの変更が連鎖的に発生する、いわゆる玉突き状態を防止することが可能な、新規かつ改良された情報処理装置、情報処理方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、所定の周波数帯域内に含まれる複数のチャンネルを介して他の情報処理装置と情報の双方向通信を行う情報処理装置であって、前記他の情報処理装置との接続に利用される複数の識別子の中から一の前記識別子を選択する選択部と、前記複数のチャンネルの電波状態を監視する電波状態監視部と、前記電波状態監視部の監視結果に基づき、前記複数のチャンネルのうち良好な電波状態にある前記チャンネルを前記双方向通信に用いる前記チャンネルに設定するとともに、設定されている前記チャンネルよりも良好な電波状態にある他の前記チャンネルが存在する場合に、前記双方向通信に用いるチャンネルを、前記より良好な電波状態にある他のチャンネルへと変更するチャンネル制御部と、を備え、前記チャンネル制御部は、所定期間内に前記チャンネルを所定回数変更した場合には、前記選択部によって選択された前記識別子に関連付けられた前記チャンネルを前記双方向通信に用いるチャンネルとして設定する情報処理装置が提供される。
【0010】
前記チャンネル制御部は、前記他の情報処理装置との接続が解除された際に、前記識別子に対応付けられたチャンネルを用いた双方向通信を解除してもよい。
【0011】
前記チャンネル制御部は、前記識別子に対応付けられたチャンネルを用いた双方向通信が所定時間実施された際に、当該識別子に対応付けられたチャンネルを用いた双方向通信を解除してもよい。
【0012】
前記電波状態監視部は、少なくとも電波の干渉の有無に基づいて、前記複数のチャンネルの電波状態を監視してもよい。
【0013】
前記情報処理装置は、前記双方向通信を行う前記他の情報処理装置を特定するペアリング処理の制御を行うペアリング制御部を更に備え、前記ペアリング制御部は、前記双方向通信を行う前記他の情報処理装置と前記情報処理装置とを関連付けるペアリング識別子を、前記双方向通信を行う他の情報処理装置に対して通知してもよい。
【0014】
上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、所定の周波数帯域内に含まれる複数のチャンネルを介して他の情報処理装置と情報の双方向通信を行う情報処理方法であって、前記他の情報処理装置との接続に利用される複数の識別子の中から一の前記識別子を選択するステップと、前記複数のチャンネルの電波状態を監視するステップと、前記電波状態の監視結果に基づき、前記複数のチャンネルのうち良好な電波状態にある前記チャンネルを前記双方向通信に用いる前記チャンネルに設定するステップと、設定されている前記チャンネルよりも良好な電波状態にある他の前記チャンネルが存在する場合に、前記双方向通信に用いるチャンネルを、前記より良好な電波状態にある他のチャンネルへと変更するステップと、を含み、所定期間内に前記チャンネルを所定回数変更した場合には、前記双方向通信に用いるチャンネルを、選択された前記識別子に関連付けられた前記チャンネルに変更して、前記他の情報処理装置と前記双方向通信を行う情報処理方法が提供される。
【0015】
上記課題を解決するために、本発明の更に別の観点によれば、コンピュータを、所定の周波数帯域内に含まれる複数のチャンネルを介して他の情報処理装置と情報の双方向通信を行う情報処理装置として機能させるためのプログラムであって、前記他の情報処理装置との接続に利用される複数の識別子の中から一の前記識別子を選択する選択機能と、前記複数のチャンネルの電波状態を監視する電波状態監視機能と、電波状態の監視結果に基づき、前記複数のチャンネルのうち良好な電波状態にある前記チャンネルを前記双方向通信に用いる前記チャンネルに設定するとともに、設定されている前記チャンネルよりも良好な電波状態にある他の前記チャンネルが存在する場合に、前記双方向通信に用いるチャンネルを、前記より良好な電波状態にある他のチャンネルへと変更し、所定期間内に前記チャンネルを所定回数変更した場合には、選択された前記識別子に関連付けられた前記チャンネルを前記双方向通信に用いるチャンネルに設定するチャンネル制御機能と、をコンピュータに実現させるためのプログラムが提供される。
【0016】
かかる構成によれば、コンピュータプログラムは、コンピュータが備える記憶部に格納され、コンピュータが備えるCPUに読み込まれて実行されることにより、そのコンピュータを上記の情報処理装置として機能させる。また、コンピュータプログラムが記録された、コンピュータで読み取り可能な記録媒体も提供することができる。記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリなどである。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信してもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、情報処理装置は、所定期間内にチャンネルを所定回数変更した場合には、選択部によって選択された識別子に対応付けられたチャンネルを用いて、他の情報処理装置と双方向通信を行うため、複数の情報処理装置において無線チャンネルの変更が連鎖的に発生する玉突き状態が発生した場合に、チャンネル変更の連鎖的な発生を防止することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0019】
本願発明者は、上記課題を解決するために検討を行い、以下のような問題点に想到した。図16は、無線LAN(Local Area Network)の規格の一つであるIEEE802.11bの物理的な無線チャンネルを示した説明図である。図16に示したように、この規格の無線LANは、2400MHz〜2483.5MHzの周波数帯に5MH間隔で13チャンネル(CH)の中心周波数が設定されており、2471MHz〜2497MHzの周波数帯に1つのチャンネル(中心周波数2484MHz)が設定されている。また、CH1〜CH13は、中心周波数を中心として20MHzの帯域幅となっている。ここで、上記チャンネルとは、無線データをやりとりする際に用いられる通信路を意味する。
【0020】
このような無線チャンネルを利用して双方向データ通信を実現する際には、親機(アクセスポイント)は、図16に示した無線チャンネルの中から使用するチャンネルを一つ選択して、設定をおこなう。また、複数の親機を同一エリア内に設置する場合には、電波的な相互干渉が起こらないように、個々の親機に対して離れたチャンネルを意識して設定する必要がある。例えば、図16に示した例では、電波的な相互干渉を防止するために、3台の親機に対して、それぞれ中心周波数2412MHzのCH1と、中心周波数2437MHzのCH6と、中心周波数2462MHzのCH11とを設定することが行われる。
【0021】
またパーソナルコンピュータ(Personal Computer:PC)などの子機が親機に接続する場合には、任意の最大32文字の英数字(Service Set IDentifier:SSID)を親機と子機で同一に設定する必要があるが、GUI(Graphical User Interface)を持たないオーディオ機器等では、この設定が容易にできないという問題点があった。また、無線LANでは、第三者からの傍受を防ぐために、WEP(Wired Equivalent Privacy)キー等の暗号化キーを設定する必要があるが、この設定に関しても、GUIとキーボードのないオーディオ機器等では困難なものであった。
【0022】
さらに、上述のように、電波的な干渉等により電波状態が悪化したために複数の装置が同時に電波状態の良い同一の無線チャンネルへと切り替えを行う場合には、各装置のいずれもが結果的に通信ができなくなる、いわゆる玉突き状態が発生する可能性があるという問題があった。
【0023】
そこで、本願発明者は、上記問題点を解決するために鋭意研究を行い、以下で説明するような情報処理装置および情報処理方法に想到した。
【0024】
(第1の実施形態)
<本実施形態に係るオーディオ信号伝送システムについて>
まず、図1を参照しながら、本実施形態に係るオーディオ信号伝送システムについて、詳細に説明する。
【0025】
図1に示したように、本実施形態に係るオーディオ信号伝送システム1は、本実施形態に係る情報処理装置の一例であるオーディオ信号送信装置10と、オーディオ信号受信装置20と、を備える。
【0026】
本実施形態に係る情報処理装置の一例であるオーディオ信号送信装置10は、オーディオ信号受信装置20に対して、オーディオ信号を無線伝送するとともに、オーディオ信号受信装置20から送信される各種の情報を受信する。オーディオ信号送信装置10は、無線伝送するオーディオ信号を、例えばDVDプレーヤーやBlu−rayディスク(以下、BDと略記する。)プレーヤー等のオーディオ信号出力装置12から取得してもよく、オーディオ信号送信装置10自体が、上記のオーディオ信号出力装置の機能を有していてもよい。オーディオ信号送信装置10およびオーディオ信号受信装置20は、オーディオ信号の送信や各種情報の双方向データ通信を、例えばラジオ波の帯域を用いて行う。そのため、オーディオ信号送信装置10およびオーディオ信号受信装置20は、図1に示したように、同一の部屋の中に配置されていてもよく、異なる部屋に分かれて配置されていてもよい。
【0027】
オーディオ信号受信装置20は、オーディオ信号送信装置10が送信するオーディオ信号を受信するとともに、オーディオ信号送信装置10に対して、オーディオ信号受信装置20の接続に関する情報や、送信されるオーディオ信号の変更希望通知等の各種の情報を送信する。オーディオ信号受信装置20は、図1のMAIN ROOMに示したように、オーディオ信号送信装置10にワイヤレス接続されるサラウンドスピーカー群であってもよく、図1のROOM1に示したように、オーディオ信号送信装置10から送信されたオーディオ信号を出力するオーディオコンポ等のようなオーディオ信号出力装置であってもよい。また、オーディオ信号受信装置20は、例えばヘッドフォンやイヤフォンのようなオーディオ信号取得装置であってもよい。
【0028】
<オーディオ信号送信装置10のハードウェア構成について>
続いて、図2を参照しながら、本実施形態に係るオーディオ信号送信装置10のハードウェア構成について、詳細に説明する。図2は、本実施形態に係るオーディオ信号送信装置10のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。
【0029】
図2に示したように、本実施形態に係るオーディオ信号送信装置10は、CPU101と、ROM103と、RAM105と、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)107と、入力インターフェース(I/F)109と、表示インターフェース(I/F)113と、外部機器通信部121と、を備える。
【0030】
また、外部機器通信部121には、DSP123が接続される。
【0031】
CPU101は、演算処理装置および制御装置として機能し、ROM103、RAM105、EEPROM107等に記録された各種プログラムに従って、オーディオ信号送信装置10内の動作全般またはその一部を制御する。ROM103およびEEPROM107は、CPU101が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。RAM105は、CPU101の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を一次記憶する。これらはCPUバス等の内部バスにより構成されるホストバスおよびPCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バスから構成されるシステムバス117により、相互に接続されている。
【0032】
入力インターフェース109は、キー操作部111を用いてユーザにより入力された情報に基づいて入力信号を生成し、CPU101に出力する入力制御回路などから構成されているインターフェースである。オーディオ信号送信装置10のユーザは、以下で説明するキー操作部111を操作することにより、オーディオ信号送信装置10に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。
【0033】
キー操作部111は、オーディオ信号送信装置10に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりする操作部である。キー操作部111は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチおよびレバーなどユーザが操作する操作手段である。また、キー操作部111は、例えば、赤外線やその他の電波を利用したリモートコントロール手段(いわゆる、リモコン)であってもよいし、オーディオ信号送信装置10の操作に対応した携帯電話やPDA等の外部接続機器であってもよい。
【0034】
表示インターフェース113は、CPU101から出力された出力信号を、後述する表示部115へと伝送するためのインターフェースである。表示部115は、例えば、CRTディスプレイ装置、液晶ディスプレイ装置、プラズマディスプレイ装置、ELディスプレイ装置およびランプなどの表示装置など、各種情報をユーザに対して視覚的に通知することが可能な装置で構成される。
【0035】
外部機器通信部121は、例えば、オーディオ信号受信装置20や、各種のオーディオ信号出力装置等と通信するための通信デバイス等で構成された通信インターフェースである。この外部機器通信部121は、一般的なワイヤレスオーディオ伝送規格に則ったインターフェースであってもよく、特定のワイヤレスオーディオ伝送規格に則ったインターフェースであってもよい。本実施形態に係るオーディオ信号送信装置10は、この外部機器通信部121を介して、オーディオ信号受信装置20に対してオーディオ信号を送信するとともに、オーディオ信号受信装置20と双方向データ通信を行う。
【0036】
DSP123は、オーディオ信号や画像信号に対する各種処理に特化したCPUである。このDSP123には、送信に用いられるオーディオ信号が入力されるオーディオ信号入力部125と、取得したオーディオ信号が出力されるオーディオ信号出力部137とが接続される。
【0037】
オーディオ信号入力部125は、本実施形態に係るオーディオ信号送信装置10が送信に用いるオーディオ信号が入力される処理部である。オーディオ信号入力部125は、例えば、CD/DVD/BD127や、MD(Mini Disk)等のデジタル機器が接続されるデジタル入力129や、チューナー(TUNER)131や、カセットテープやレコード等のアナログ機器が接続されるアナログ入力133等から構成される。また、チューナー131およびアナログ入力133から入力されたオーディオ信号は、AD変換部135によりアナログ信号からデジタル信号へと変換される。かかるオーディオ信号入力部125より入力されたオーディオ信号が、DSP123および外部機器通信部121を介してオーディオ信号受信装置20へと送信される。
【0038】
オーディオ信号出力部137は、オーディオ信号入力部125から入力されたオーディオ信号を、オーディオ信号送信装置10の外部に出力する処理部である。オーディオ信号出力部137は、例えば、デジタル信号であるオーディオ信号をアナログ信号へと変換するDA変換部(図示せず。)と、アナログ信号に変換されたオーディオ信号を増幅する増幅部(図示せず。)と、増幅されたオーディオ信号が出力されるスピーカー(図示せず。)等から構成される。
【0039】
また、本実施形態に係るオーディオ信号送信装置10は、上記構成の他に、例えば、ストレージ装置(図示せず。)や、ドライブ(図示せず。)等を備えていてもよい。
【0040】
ストレージ装置は、本実施形態にかかるオーディオ信号送信装置10の記憶部の一例として構成されたデータ格納用の装置であり、例えば、HDD(Hard Disk Drive)等の磁気記憶部デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、または光磁気記憶デバイス等により構成される。このストレージ装置は、CPU101が実行するプログラムや各種データ、および外部から取得したオーディオ信号などを格納することが可能である。
【0041】
ドライブは、記憶媒体用リーダライタであり、オーディオ信号送信装置10に内蔵、あるいは外付けされる。ドライブは、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体に記録されている情報を読み出して、RAM105に出力する。また、ドライブは、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体に記録を書き込むことも可能である。リムーバブル記録媒体は、例えば、DVDメディア、HD−DVDメディア、Blu−rayメディア、コンパクトフラッシュ(登録商標)(CompactFlash:CF)、メモリースティック、または、SDメモリカード(Secure Digital memory card)等である。また、リムーバブル記録媒体は、例えば、非接触型ICチップを搭載したICカード(Integrated Circuit card)または電子機器等であってもよい。
【0042】
以上説明した構成により、オーディオ信号送信装置10は、多様なオーディオ信号出力源からオーディオ信号を取得し、外部機器通信部121を介して、オーディオ信号受信装置20に対してオーディオ信号を送信することが可能になるとともに、オーディオ信号受信装置20と双方向データ通信を行うことができる。
【0043】
以上、本実施形態に係るオーディオ信号送信装置10の機能を実現可能なハードウェア構成の一例を示した。上記の各構成要素は、汎用的な部材を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されていてもよい。従って、本実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用するハードウェア構成を変更することが可能である。
【0044】
<オーディオ信号受信装置20のハードウェア構成について>
続いて、図3を参照しながら、本実施形態に係るオーディオ信号受信装置20のハードウェア構成について、詳細に説明する。図3は、本実施形態に係るオーディオ信号受信装置20のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。
【0045】
図3に示したように、本実施形態に係るオーディオ信号受信装置20は、CPU201と、ROM203と、RAM205と、EEPROM207と、入力インターフェース(I/F)209と、表示インターフェース(I/F)213と、外部機器通信部221と、を備える。
【0046】
また、外部機器通信部221には、受信したオーディオ信号を出力するオーディオ信号出力部223が接続される。
【0047】
CPU201は、演算処理装置および制御装置として機能し、ROM203、RAM205、EEPROM207等に記録された各種プログラムに従って、オーディオ信号受信装置20内の動作全般またはその一部を制御する。ROM203およびEEPROM207は、CPU201が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。RAM205は、CPU201の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を一次記憶する。これらはCPUバス等の内部バスにより構成されるホストバスおよびPCIバスなどの外部バスから構成されるシステムバス217により、相互に接続されている。
【0048】
入力インターフェース209は、キー操作部211を用いてユーザにより入力された情報に基づいて入力信号を生成し、CPU201に出力する入力制御回路などから構成されているインターフェースである。オーディオ信号受信装置20のユーザは、以下で説明するキー操作部211を操作することにより、オーディオ信号受信装置20に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。
【0049】
キー操作部211は、オーディオ信号受信装置20に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりする操作部である。キー操作部211は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチおよびレバーなどユーザが操作する操作手段である。また、キー操作部211は、例えば、赤外線やその他の電波を利用したリモートコントロール手段(いわゆる、リモコン)であってもよいし、オーディオ信号受信装置20の操作に対応した携帯電話やPDA等の外部接続機器であってもよい。
【0050】
表示インターフェース213は、CPU201から出力された出力信号を、後述する表示部215へと伝送するためのインターフェースである。表示部215は、例えば、CRTディスプレイ装置、液晶ディスプレイ装置、プラズマディスプレイ装置、ELディスプレイ装置およびランプなどの表示装置など、各種情報をユーザに対して視覚的に通知することが可能な装置で構成される。
【0051】
外部機器通信部221は、例えば、オーディオ信号送信装置10や、各種のオーディオ信号出力装置等と通信するための通信デバイス等で構成された通信インターフェースである。この外部機器通信部221は、一般的なワイヤレスオーディオ伝送規格に則ったインターフェースであってもよく、特定のワイヤレスオーディオ伝送規格に則ったインターフェースであってもよい。本実施形態に係るオーディオ信号受信装置20は、この外部機器通信部221を介して、オーディオ信号送信装置10からオーディオ信号を受信するとともに、オーディオ信号送信装置10と双方向データ通信を行う。
【0052】
オーディオ信号出力部223は、オーディオ信号送信装置10から送信されたオーディオ信号を出力する処理部である。オーディオ信号出力部223は、図3に示したように、例えば、DA変換部225と、増幅部227と、スピーカー229と、から構成される。
【0053】
DA変換部225は、受信したオーディオ信号をデジタル信号からアナログ信号へと変換する。アナログ信号に変換されたオーディオ信号は、増幅部227により増幅され、スピーカー229から出力される。
【0054】
また、本実施形態に係るオーディオ信号受信装置20は、本実施形態に係るオーディオ信号送信装置10が備えるDSPやオーディオ信号入力部を備えていてもよい。更に、オーディオ信号受信装置20は、上記構成の他に、例えば、ストレージ装置(図示せず。)や、ドライブ(図示せず。)等を備えていてもよい。
【0055】
ストレージ装置は、本実施形態にかかるオーディオ信号受信装置20の記憶部の一例として構成されたデータ格納用の装置であり、例えば、HDD(Hard Disk Drive)等の磁気記憶部デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、または光磁気記憶デバイス等により構成される。このストレージ装置は、CPU201が実行するプログラムや各種データ、および外部から取得したオーディオ信号などを格納することが可能である。
【0056】
ドライブは、記憶媒体用リーダライタであり、オーディオ信号受信装置20に内蔵、あるいは外付けされる。ドライブは、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体に記録されている情報を読み出して、RAM205に出力する。また、ドライブは、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体に記録を書き込むことも可能である。リムーバブル記録媒体は、例えば、DVDメディア、HD−DVDメディア、Blu−rayメディア、コンパクトフラッシュ(登録商標)、メモリースティック、または、SDメモリカード等である。また、リムーバブル記録媒体は、例えば、非接触型ICチップを搭載したICカードまたは電子機器等であってもよい。
【0057】
以上説明した構成により、オーディオ信号受信装置20は、外部機器通信部221を介して、オーディオ信号送信装置10からオーディオ信号を取得することが可能になるとともに、オーディオ信号送信装置10と双方向データ通信を行うことができる。
【0058】
以上、本実施形態に係るオーディオ信号受信装置20の機能を実現可能なハードウェア構成の一例を示した。上記の各構成要素は、汎用的な部材を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されていてもよい。従って、本実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用するハードウェア構成を変更することが可能である。
【0059】
<オーディオ信号送信装置10の構成について>
次に、図4を参照しながら、本実施形態に係るオーディオ信号送信装置10の構成について、詳細に説明する。図4は、本実施形態に係るオーディオ信号送信装置10の構成について説明するためのブロック図である。
【0060】
本実施形態に係る情報処理装置の一例であるオーディオ信号送信装置10は、例えば図4に示したように、接続制御部151と、伝送制御部161と、オーディオ信号送信部163と、記憶部165と、を主に備える。
【0061】
接続制御部151は、例えば、CPU、ROM、RAM、EEPROM、外部機器通信部等から構成され、オーディオ信号送信装置10に接続されているオーディオ信号受信装置20等の外部接続機器の接続制御を行う。接続制御部151は、オーディオ信号受信装置20等の外部接続機器から送信された接続確立要求を受信すると、接続の可否を判断し、接続を確立してもよいと判断した場合には、外部接続機器との接続を確立する。また、接続制御部151は、オーディオ信号受信装置20等の外部接続機器から送信された接続解除要求を受信すると、そのオーディオ信号受信装置20との接続を解消する。また、接続制御部151は、受信装置の稼働状況に関する稼働状況情報に基づいて、オーディオ信号送信装置10に接続可能な外部接続機器の台数や稼働状況を把握し、接続管理を行う。
【0062】
具体的には、接続制御部151は、オーディオ信号送信装置10に接続可能な外部接続機器(例えば、本実施形態に係るオーディオ信号受信装置20や、オーディオ信号送信装置10及び/又はオーディオ信号受信装置20に接続されているヘッドフォン等の外部接続機器等)の有無や稼動状態に応じて、外部接続機器の接続を制御する。
【0063】
また、接続制御部151は、例えば図4に示したように、選択部153と、電波状態監視部155と、チャンネル制御部157と、ペアリング制御部159と、を更に備える。
【0064】
ユーザが、オーディオ信号送信装置10に設けられた識別子選択用スライドスイッチや、識別子選択用ボタン等を操作して、複数の識別子の中から他の情報処理装置であるオーディオ信号受信装置20との接続に用いられる識別子を選択した場合に、選択部153は、識別子選択用スライドスイッチや識別子選択用ボタン等による入力を所定の信号に変換するとともに、識別子選択用スライドスイッチや識別子選択用ボタン等によって指定された識別子を、選択された識別子として設定する。
【0065】
他の情報処理装置であるオーディオ信号受信装置20との接続に用いられる複数の識別子には、オーディオ信号受信装置20との双方向データ通信に用いられる無線チャンネルが個別に関連付けられている。識別子に対応付けられている無線チャンネルに関する情報は、例えば以下の表1に示すような形式のデータベースとして、後述する記憶部165に記録されている。
【0066】
【表1】

【0067】
ここで、上記表1では、他の情報処理装置であるオーディオ信号受信装置20との接続に用いられる識別子がA、B、Cの3種類存在し、それぞれに中心周波数2412MHz、中心周波数2437MHz、中心周波数2462MHzの無線チャンネルが対応付けられていることを示している。
【0068】
操作部151が選択した識別子と、この選択した識別子に対応付けられた無線チャンネルに関する情報は、後述するチャンネル制御部157およびペアリング制御部159に伝送される。また、操作部151は、選択した識別子に関する情報を、後述する記憶部167に記録してもよい。
【0069】
電波状態監視部155は、他の情報処理装置であるオーディオ信号受信装置20との双方向データ通信に用いられる無線チャンネル全ての電波状態を、常時監視する。電波状態監視部155は、全ての無線チャンネルそれぞれに関して、少なくとも干渉している電波が存在するか否かに基づいて、電波状態の良否を判断する。また、電波状態監視部155は、干渉している電波(干渉波)の有無だけではなく、各無線チャンネルの電波強度やスループットやCN比(Carrier to Noise ratio)等に基づいて、電波状態を監視していてもよい。
【0070】
電波状態監視部155は、各無線チャンネルの電波状態を、後述するチャンネル制御部157に出力する。なお、電波状態監視部155は、各無線チャンネルの電波状態をチャンネル制御部157にリアルタイムに出力してもよく、所定の時間間隔で出力してもよい。また、電波状態監視部155は、各無線チャンネルの電波状態の判定結果を、日付や時刻等と関連付けて履歴情報として記憶部165に記録してもよい。
【0071】
チャンネル制御部157は、電波状態監視部155から伝送される無線チャンネルの電波状態に基づいて、複数の無線チャンネルの中から良好な電波状態にある無線チャンネルを、オーディオ信号受信装置20との双方向データ通信に用いる無線チャンネルとして設定する。例えば、チャンネル制御部157は、電波状態監視部155から伝送される監視結果に基づいて、最も良い電波状態にある無線チャンネルを、双方向データ通信に用いる無線チャンネルとして設定する。
【0072】
また、チャンネル制御部157は、電波状態監視部155から伝送される監視結果を参照し、現在オーディオ信号受信装置20との双方向データ通信に用いている無線チャンネルよりも良好な電波状態にある無線チャンネルが存在する場合には、双方向データ通信に用いる無線チャンネルを、より良好な電波状態にある無線チャンネルへと動的に変更する。
【0073】
また、チャンネル制御部157には、未図示のカウンタ部が設けられており、カウンタ部は、所定期間の間(例えば、1秒間)に、上述の良好な電波状態を有する無線チャンネルへのチャンネル変更が何回行われたかをカウントする。カウンタ部は、所定期間が経過するごとにカウント結果をチャンネル制御部157へと出力する。チャンネル制御部157は、カウンタ部から伝送されたカウント結果が所定の閾値(例えば、3回/秒)を超えている場合には、電波状態監視部155から伝送される電波状態の監視結果に関係なく、選択部153が選択した識別子に対応付けられている無線チャンネルを、オーディオ信号受信装置20との双方向データ通信に用いる無線チャンネルとして設定する。
【0074】
チャンネル制御部157は、双方向データ通信に用いる無線チャンネルに設定したチャンネルに関する情報を、後述する伝送制御部161およびオーディオ信号送信部163に随時出力する。伝送制御部161およびオーディオ信号送信部163は、チャンネル制御部157から伝送された無線チャンネル情報に基づいて、各種の情報や制御信号の送受信や、オーディオ信号の送信等を行う。
【0075】
なお、選択部153が選択した識別子に対応付けられている無線チャンネルが双方向データ通信に用いられる無線チャンネルに設定されている場合に、オーディオ信号受信装置20との接続が解除されると、チャンネル制御部157は、識別子に対応付けられた無線チャンネルを用いた双方向データ通信を解除し、電波状態監視部155から伝送された監視結果に基づいて、良好な電波状態にある無線チャンネルを双方向データ通信に用いる無線チャンネルと設定してもよい。
【0076】
また、選択部153が選択した識別子に対応付けられている無線チャンネルが双方向データ通信に用いられる無線チャンネルに設定されており、この無線チャンネルを用いた双方向データ通信が所定時間実施された場合には、チャンネル制御部157は、識別子に対応付けられた無線チャンネルを用いた双方向データ通信を解除し、電波状態監視部155から伝送された監視結果に基づいて、良好な電波状態にある無線チャンネルを双方向データ通信に用いる無線チャンネルと設定してもよい。
【0077】
ペアリング制御部159は、意図しないオーディオ信号受信装置20との接続(リンク)を防止するために特定のオーディオ信号受信装置20のみをオーディオ信号送信装置10と接続可能にするペアリング処理の制御を行う。ここで、オーディオ信号送信装置10とオーディオ信号受信装置20との接続(リンク)とは、親機であるオーディオ信号送信装置10と子機であるオーディオ信号受信装置20とが通信可能な状態となり、所定の手順を踏んで実際にオーディオ信号の伝送や再生が可能となる状態をいう。
【0078】
ユーザが、オーディオ信号送信装置10に設けられたペアリングボタン等を操作してペアリング処理の実行を要求すると、ユーザが行った操作がペアリング処理の開始を意味する所定の信号に変換され、ペアリング制御部159へと伝送される。ペアリング制御部159は、ペアリング処理の開始を意味する信号を受信すると、ペアリング処理を開始する。なお、このペアリング処理については、以下で改めて詳細に説明する。
【0079】
伝送制御部161は、例えば、CPU、ROM、RAM、EEPROM、外部機器通信部等から構成され、オーディオ信号送信装置10とオーディオ信号受信装置20との間におけるオーディオ信号の伝送を制御する。オーディオ信号の伝送に際して、伝送制御部161は、例えば後述する記憶部165に格納されている各種のデータベースや、接続制御部151から伝送される様々な情報等を参照しながら、外部接続機器であるオーディオ信号受信装置20の接続状況の変化や、オーディオ信号受信装置20からの様々な要求を反映するように、オーディオ信号の伝送制御に用いられる伝送制御情報を生成する。生成された伝送制御情報は、後述するオーディオ信号送信部163へと出力されるとともに、オーディオ信号受信装置20に向けて送信される。また、新たに生成された伝送制御情報は、記憶部165に記録されてもよい。
【0080】
オーディオ信号送信部163は、例えば、CPU、ROM、RAM、EEPROM、DSU、外部機器通信部等から構成され、伝送制御部161から伝送された伝送制御情報に基づいてオーディオ信号を各チャンネルに分配し、接続制御部151(より詳細には、チャンネル制御部157)から指定された周波数の無線チャンネルを利用して、オーディオ信号受信装置20へと送信する。
【0081】
オーディオ信号送信部163が送信するオーディオ信号は、オーディオ信号送信装置10に接続されているオーディオ信号出力装置12から取得してもよく、後述する記憶部165に記録されているオーディオ信号であってもよい。
【0082】
記憶部165は、本実施形態に係るオーディオ信号送信装置10が備えるストレージ装置であって、例えば、伝送制御情報を構成するオーディオ信号の種別等が記録されているデータベースや、オーディオ信号受信装置20に対して送信しうる各種送信情報や、本実施形態に係るオーディオ信号送信装置10が利用する各種プログラムや処理方法等が格納される。また、記憶部165には、オーディオ信号そのものが記録されてもよい。
【0083】
また、記憶部165には、オーディオ信号受信装置20との双方向データ通信に利用される無線チャンネルに関する情報や、表1に示したような識別子に対応付けられている無線チャンネルに関する情報等が記録されている。
【0084】
さらに、記憶部165は、上記データベースやプログラム以外にも、オーディオ信号送信装置10が、何らかの処理を行う際に保存する必要が生じた様々なパラメータや処理の途中経過等を、適宜記憶することが可能である。この記憶部165は、接続制御部151、伝送制御部161、オーディオ信号送信部163等のオーディオ信号送信装置10を構成する各処理部が、自由に読み書きを行うことが可能である。
【0085】
なお、オーディオ信号送信装置10は、上記処理部以外にも、ユーザに対して各種情報を提示するための表示部や、表示部を制御する表示制御部等の各種処理部が設けられていてもよい。
【0086】
以上、本実施形態に係るオーディオ信号送信装置10の機能の一例を示した。上記の各構成要素は、汎用的な部材や回路を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されていてもよい。また、各構成要素の機能を、CPU等が全て行ってもよい。従って、本実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用する構成を変更することが可能である。
【0087】
<オーディオ信号受信装置20の構成について>
続いて、図5を参照しながら、本実施形態に係るオーディオ信号受信装置20の構成について、詳細に説明する。図5は、本実施形態に係るオーディオ信号受信装置20の構成を説明するためのブロック図である。
【0088】
本実施形態に係るオーディオ信号受信装置20は、例えば図5に示したように、接続制御部251と、伝送制御部253と、オーディオ信号再生部255と、記憶部257と、を主に備える。
【0089】
接続制御部251は、CPU、ROM、RAM、EEPROM、外部機器通信部等から構成され、オーディオ信号受信装置20とオーディオ信号送信装置10との接続制御を行う。より具体的には、接続制御部251は、オーディオ信号受信装置20とオーディオ信号送信装置10との接続状態を変更するための接続情報を、オーディオ信号送信装置10に対して送信する。ここで、接続状態を変更するための接続情報として、例えば、オーディオ信号送信装置10に対するオーディオ信号受信装置20の接続確立要求や、オーディオ信号送信装置10に対するオーディオ信号受信装置20の接続解除要求や、オーディオ信号受信装置20の電源のON/OFF状態を通知する情報等を挙げることができる。
【0090】
また、接続情報送信部251は、上記接続情報をオーディオ信号送信装置10に送信する際に、オーディオ信号受信装置20を特定する識別子等をあわせて送信してもよい。
【0091】
伝送制御部253は、例えば、CPU、ROM、RAM、EEPROM、外部機器通信部等から構成され、オーディオ信号送信装置10から伝送されたオーディオ信号を受信する際の制御を行う。また、伝送制御部253は、オーディオ信号送信装置10をオーディオ信号受信装置20から制御する際に、オーディオ信号送信装置10に対して送信される各種の伝送コマンドの送信制御を行う。
【0092】
より詳細には、伝送制御部253は、親機であるオーディオ信号送信装置10から伝送された伝送制御情報に基づいて親機からオーディオ信号を受信するとともに、受信したオーディオ信号を後述するオーディオ信号再生部255へと出力する。
【0093】
オーディオ信号再生部255は、例えば、CPU、ROM、RAM、EEPROM、DSU、外部機器通信部等から構成され、CPU伝送制御部253が取得したオーディオ信号送信装置10から送信されているオーディオ信号を再生する。オーディオ信号を再生する際に、オーディオ信号255は、ボリュームの調整やオーディオ信号の走行制御を行うことが可能である。また、オーディオ信号を再生する際に、オーディオ信号再生部255は、後述する記憶部257に記録されている各種データベースを参照してもよい。
【0094】
記憶部257は、本実施形態に係るオーディオ信号受信装置20が備えるストレージ装置であって、例えば、伝送制御情報を構成するオーディオ信号の種別等が記録されているデータベースや、オーディオ信号送信装置10に対して送信しうる各種送信情報や、本実施形態に係るオーディオ信号受信装置20が利用する各種プログラムや処理方法等が格納される。
【0095】
さらに、記憶部257は、上記データベースやプログラム以外にも、オーディオ信号受信装置20が、何らかの処理を行う際に保存する必要が生じた様々なパラメータや処理の途中経過等を、適宜記憶することが可能である。この記憶部257は、接続制御部251、伝送制御部253、オーディオ信号再生部255等のオーディオ信号受信装置20を構成する各処理部が、自由に読み書きを行うことが可能である。
【0096】
以上、本実施形態に係るオーディオ信号受信装置20の機能の一例を示した。上記の各構成要素は、汎用的な部材や回路を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されていてもよい。また、各構成要素の機能を、CPU等が全て行ってもよい。従って、本実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用する構成を変更することが可能である。
【0097】
<本実施形態に係るオーディオ信号送信装置10のチャンネル変更方法について>
続いて、図6A〜図13を参照しながら、本実施形態に係るオーディオ信号送信装置10のチャンネル変更方法について、詳細に説明する。
【0098】
図6Aおよび図6Bは、本実施形態に係るオーディオ信号伝送システムにおける識別子の機能について説明するための説明図である。本実施形態に係るオーディオ信号伝送システム1では、同一エリア内で電波的な相互干渉を起こすことなく使用可能な無線チャンネル数と同じ個数の識別子(ID)が、親機であるオーディオ信号送信装置10と、子機であるオーディオ信号受信装置20とに実装されている。図6Aおよび図6Bに示した例では、識別子として、A、B、Cの3種類が設定されている。
【0099】
本実施形態に係るオーディオ信号伝送システム1では、例えば図6Aに示したように、親機−子機間で識別子を一致させる(図6Aの例では、親機および子機において識別子をAに設定する)ことで、親機−子機間の双方向データ通信が可能となる。また、同一の識別子が設定されていれば、図6Aに示したように、1台のオーディオ信号送信装置10に対して複数台のオーディオ信号受信装置20が接続可能である。
【0100】
また、例えば図6Bに示したように、同一エリア内に複数のオーディオ信号送信装置10およびオーディオ信号受信装置20が存在する場合であっても、それぞれの親機および子機が選択する識別子を異なるものとすることで、それぞれの親機および子機は共存することが可能である。図6Bに示した例では、識別子Aを選択しているオーディオ信号送信装置10には、識別子Aを選択したオーディオ信号受信装置20のみが接続可能であり、識別子Bを選択しているオーディオ信号送信装置10には、識別子Bを選択したオーディオ信号受信装置20のみが接続可能であり、識別子Cを選択しているオーディオ信号送信装置10には、識別子Cを選択したオーディオ信号受信装置20のみが接続可能である。
【0101】
ここで、双方向データ通信に用いられる無線チャンネルが、例えば図7に示したような2.4GHz帯301である場合には、チャンネルLow303、チャンネルMid305、チャンネルHigh307の3つの無線チャンネルが有効である。この場合に、オーディオ信号送信装置10の選択部153では、例えば、識別子AにチャンネルLowを対応付け、識別子BにチャンネルMidを対応付け、識別子CにチャンネルHighを対応付けることが可能である。この際、識別子のビット割当例を図8に示したように1バイトとすると、選択部153は、上記2ビットで識別子の設定を行うことが可能である。
【0102】
なお、2台のオーディオ信号送信装置10が同一の識別子を選択することも可能であるが、オーディオ信号受信装置20がどちらのオーディオ信号送信装置10に接続されるかは、オーディオ信号受信装置20から見たオーディオ信号送信装置10の電波状態に依存する。すなわち、同一の識別子が選択されたオーディオ信号送信装置10が複数台存在する場合には、オーディオ信号受信装置20は電波の強いオーディオ信号送信装置10に接続されることとなる。
【0103】
本実施形態に係るオーディオ信号送信装置10のチャンネル制御部157は、双方向データ通信に用いられる無線チャンネルCH Low、CH Mid、CH Highのうち、例えば最も電波状態の良い帯域を、通信用の無線チャンネルとして設定する。そのため、電波状態監視部155は、無線チャンネルの電波状態を常に監視する。例えば図9に示したように、親機であるオーディオ信号送信装置10がチャンネルLow303を用いている場合に、電波状態監視部155は、チャンネルLow303だけでなく、チャンネルMid305およびチャンネルHigh307の電波状態も監視しておき、別の無線システムや電子レンジ等による電波環境の悪化があった場合には、その旨をチャンネル制御部157に通知する。チャンネル制御部157では、電波状態監視部155から伝送された監視結果に基づいて、使用する無線チャンネルを動的に変更する。
【0104】
このような機能により、外乱による無線チャンネルの電波状態の悪化が少ない場合やオーディオ信号送信装置10が同一エリア内に1台しか存在しない場合には、良好な通信環境を実現することができる。また、識別子の数以下のオーディオ信号送信装置10が共存し、外乱による無線チャンネルの電波状態の悪化がない場合には、例えば図10に示したように、各オーディオ信号送信装置10が各無線チャンネルを選択することで、良好な通信環境が実現されることが期待できる。
【0105】
次に、図11および図12を参照しながら、ある無線チャンネルに電波干渉が発生した場合について説明する。図11および図12は、本実施形態に係るオーディオ信号伝送システムにおいて電波干渉が発生した場合の周波数割り当て例について説明するための説明図である。以下の説明では、親機(オーディオ信号送信装置)Aは識別子Aを選択しており、親機Bは識別子Bを選択しており、親機Cは識別子Cを選択しているものとする。
【0106】
図11に示したように、同一のエリア内に親機A〜親機Cの3台のオーディオ信号送信装置10が存在し、親機AがチャンネルMid305を使用し、親機BがチャンネルLow303を使用し、親機CがチャンネルHigh307を使用しているものとする。このような状態の際に、同一エリア内で電子レンジ等が使用されチャンネルLow303に電波干渉が発生してチャンネルLow303の電波状態が低下した場合を考える。
【0107】
この場合に、チャンネルLow303で通信を行っていた親機Bの電波状態監視部155は、電波状態(電波品質)が低下したことを検知し、チャンネルLow303の電波状態が悪化し、最も電波状態の良いチャンネルはチャンネルMid305である旨を、親機Bのチャンネル制御部157に通知する。すると、親機Bのチャンネル制御部157は、通信に利用するチャンネルをチャンネルMid305に変更しようとする。
【0108】
すると、チャンネルMid305で通信を行っていた親機Aは、親機BがチャンネルMid305にチャンネル変更を行ったために生じる電波状態の低下によって、通信に利用するチャンネルを電波状態の良いチャンネルHigh307に変更しようとする。
【0109】
同様に、チャンネルHigh307で通信を行っていた親機Cは、親機AがチャンネルHigh307にチャンネル変更を行ったために生じる電波状態の低下によって、通信に利用するチャンネルをチャンネルMid305に変更しようとする。
【0110】
このように、ある無線チャンネルに電波干渉が生じた場合には、各オーディオ信号送信装置10において、上述のようなチャンネル変更が連鎖的に行われることとなるため、結果的にどの親機も通信を行うことができない、いわゆる玉突き状態が発生する。
【0111】
このような玉突き状態の発生を防止するために、本実施形態に係るオーディオ信号送信装置10のチャンネル制御部157では、ある期間内に所定回数のチャンネル変更を既に行っている場合(例えば、1秒間に3回のチャンネル変更を既に行っている場合)には、上述の玉突き状態が発生していると判断し、選択部153によって選択された識別子に予め対応付けられている無線チャンネルにチャンネル変更を行って玉突き状態を回避する。
【0112】
例えば図12に示したように、玉突き状態が発生していると判断した場合には、電波状態監視部155から伝送される監視結果に関係なく、親機Aのチャンネル制御部157はチャンネルLow303にチャンネル変更を行い、親機Bのチャンネル制御部157はチャンネルMid305にチャンネル変更を行い、親機Cのチャンネル制御部157はチャンネルHigh307にチャンネル変更を行う。この場合、チャンネルLow303を利用している親機Aは、電子レンジによる外乱の影響のために音とぎれ等が発生する可能性があるが、チャンネルMid305を利用している親機Bと、チャンネルHigh307を利用している親機Cとは外乱の影響を受けず、どの親機も通信ができないという状況を回避することができる。
【0113】
図13は、本実施形態に係るオーディオ信号送信装置10におけるチャンネル変更処理について説明するための流れ図である。
【0114】
オーディオ信号送信装置10の電波状態監視部155は、通信に用いられる無線チャンネルの電波状態を監視し、監視結果をチャンネル制御部157に通知する(ステップS101)。監視結果が伝送されたチャンネル制御部157は、監視結果に基づいて、通信に利用していない他のチャンネルの電波状態について判定を行い、より良い電波状態にあるチャンネルの有無を判断する(ステップS103)。
【0115】
通信に利用しているチャンネルよりも良い電波状態にある他のチャンネルが存在しない場合には、チャンネル制御部157はチャンネル変更を行わない。また、通信に利用しているチャンネルよりも良い電波状態にある他のチャンネルが存在する場合には、チャンネル制御部157は、カウンタ部(図示せず)から通知されたカウント結果に基づいて、1秒間にn回既にチャンネル変更を行っているか否かを判断する(ステップS105)。
【0116】
カウント結果が閾値であるn回以上である場合には、チャンネル制御部157は、玉突き状態が発生していると判断し、電波状態の監視結果に関係なく、識別子に対応付けられたチャンネルにチャンネル変更を行う(ステップS107)。また、カウント結果が閾値であるn回未満である場合には、チャンネル制御部157は、通信に利用する無線チャンネルを変更する(ステップS109)。
【0117】
このように、本実施形態に係るオーディオ信号伝送システムでは、使用する無線チャンネルをユーザに意識させることなく、最適な通信環境を構築することが可能である。また、複数のオーディオ信号送信装置10を併用する場合であっても、オーディオ信号送信装置10およびオーディオ信号受信装置20の識別子を一致させるだけの操作で、送信装置−受信装置間の接続を確立することができる。
【0118】
また、本実施形態に係るオーディオ信号送信装置10は、電波状態の低下によりいわゆる玉突き状態が発生していると判断される場合には、通信に利用する無線チャンネルを選択された識別子に対応付けられた無線チャンネルに自動的にチャンネル変更を行うため、チャンネル変更が連鎖的に行われて通信が不可能となる状態を回避することができる。
【0119】
<ペアリング処理について>
続いて、図14A〜図15を参照しながら、本実施形態に係るオーディオ信号送信装置10で実施されるペアリング処理について、詳細に説明する。
【0120】
本実施形態に係るオーディオ信号伝送システム1では、例えば図14Aに示したように、オーディオ信号送信装置10とオーディオ信号受信装置20Aとの間で識別子を一致させることにより、容易に接続を行うことが可能である。しかしながら、オーディオ信号送信装置10が通信可能な範囲内に、識別子が一致している他のオーディオ信号受信装置20Bが存在する場合には、オーディオ信号送信装置10とオーディオ信号受信装置20Bとの間で、意図しない接続が確立してしまう場合がある。
【0121】
そこで、本実施形態に係るオーディオ信号伝送システム1では、例えば図14Bに示したように、意図しないオーディオ信号受信装置20Bとの接続(リンク)を防止するために特定のオーディオ信号受信装置20Aのみをオーディオ信号送信装置10と接続可能にするペアリング処理を実行することで、上述のような問題の発生を防止する。
【0122】
ペアリング処理では、オーディオ信号送信装置10とオーディオ信号受信装置20との間で、特定のペアリング識別子(ペアリングID)を共有する。例えば、図8に示した識別子のビット割り当て例において、下位の6ビットをペアリング識別子に割り当てることで、同一の識別子を設定した送信装置10と受信装置20との間で、所望しない機器との接続を防ぐためのペアリング状態を容易に構築することができる。
【0123】
ペアリング処理は、例えば、親機であるオーディオ信号送信装置10と、子機であるオーディオ信号受信装置20とで、識別子を一致させるステップと、親機でペアリング処理を開始するステップと、子機でペアリング処理を開始するステップと、の少なくとも3つのステップを経ることで行われる。
【0124】
また、ペアリング状態は、親機および子機それぞれの識別子を変更することで解除される。また、親機の識別子が変更された場合には、この親機とペアリング状態にある子機は、一括してペアリング状態が解除される。また、子機の識別子が変更されると、識別子が変更された子機のみ親機とのペアリング状態が解除となる。そのため、煩雑な手順を経ることなく、ペアリング状態の解除を行うことが可能である。
【0125】
以下に、図15を参照しながら、本実施形態に係るオーディオ信号伝送システムにおけるペアリング処理の流れについて説明する。
【0126】
まず、親機であるオーディオ信号送信装置10に実装されたペアリングボタン等の入力部がユーザによって操作され、ペアリング処理が開始すると(ステップS201)、親機のペアリング制御部159は、他の子機と既にペアリングしているか否かについて判断を行う(ステップS203)。他の子機とペアリングをしていない場合には、親機のペアリング制御部159は、ペアリング識別子(ペアリングID)をランダムに作成して(ステップS205)、記憶部165に作成したペアリング識別子を記録する。また、既に他の子機とペアリングを行っている場合には、ペアリング制御部159は、後述するステップS207を実行する。
【0127】
次に、親機のペアリング制御部159は、子機においてペアリング処理が開始されたことを表す信号が子機の接続制御部251から受信したか否かを判断する(ステップS207)。子機がペアリング処理を開始した旨の信号が所定の時間内に受信されない場合には、ペアリング制御部159は、親機のペアリング待機状態を解除する(ステップS211)。また、所定の時間内に子機がペアリング処理を開始した旨の信号を受信した場合には、ペアリング制御部159は、他の子機とのペアリングに用いられているペアリング識別子を記憶部165から取得し、ペアリング処理を実行している子機に対して、取得したペアリング識別子を送信する(ステップS209)。子機の接続制御部251では、親機から送信されたペアリング識別子を利用して親機とのペアリングを確立し、ペアリング処理が完了となる(ステップS213)。
【0128】
このように、本実施形態に係るオーディオ信号伝送システムでは、ボタン等の入力部を操作することで、特定の親機−子機間の接続の確立や解除を行うことが可能となるため、GUIやキーボードが実装されていないシステムであっても、容易に親機−子機間のペアリング処理を実行することが可能である。
【0129】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【図面の簡単な説明】
【0130】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るオーディオ信号伝送システムについて説明するための説明図である。
【図2】同実施形態に係るオーディオ信号送信装置のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。
【図3】同実施形態に係るオーディオ信号受信装置のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。
【図4】同実施形態に係るオーディオ信号送信装置の構成を説明するためのブロック図である。
【図5】同実施形態に係るオーディオ信号受信装置の構成を説明するためのブロック図である。
【図6A】同実施形態に係るオーディオ信号伝送システムにおける識別子の機能について説明するための説明図である。
【図6B】同実施形態に係るオーディオ信号伝送システムにおける識別子の機能について説明するための説明図である。
【図7】同実施形態に係るオーディオ信号伝送システムにおける周波数の割り当て例について説明するための説明図である。
【図8】同実施形態に係るオーディオ信号伝送システムにおける識別子のビット割り当て例について説明するための説明図である。
【図9】同実施形態に係るオーディオ信号送信装置の電波状態監視機能について説明するための説明図である。
【図10】同実施形態に係るオーディオ信号送信装置の周波数割り当て例について説明するための説明図である。
【図11】同実施形態に係るオーディオ信号伝送システムにおいて電波干渉が発生した場合の周波数割り当て例について説明するための説明図である。
【図12】同実施形態に係るオーディオ信号伝送システムにおいて電波干渉が発生した場合の周波数割り当て例について説明するための説明図である。
【図13】同実施形態に係るチャンネル変更処理について説明するための流れ図である。
【図14A】同実施形態に係るオーディオ信号伝送システムにおけるペアリング機能について説明するための説明図である。
【図14B】同実施形態に係るオーディオ信号伝送システムにおけるペアリング機能について説明するための説明図である。
【図15】同実施形態に係るペアリング処理について説明するための流れ図である。
【図16】IEEE802.11bの物理的な無線チャンネルを示した説明図である。
【符号の説明】
【0131】
1 オーディオ信号伝送システム
10 オーディオ信号送信装置
12 オーディオ信号出力装置
20 オーディオ信号受信装置
151 接続制御部
153 選択部
155 電波状態監視部
157 チャンネル制御部
159 ペアリング制御部
161 伝送制御部
163 オーディオ信号送信部
165 記憶部
251 接続制御部
253 伝送制御部
255 オーディオ信号再生部
257 記憶部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の周波数帯域内に含まれる複数のチャンネルを介して他の情報処理装置と情報の双方向通信を行う情報処理装置であって、
前記他の情報処理装置との接続に利用される複数の識別子の中から一の前記識別子を選択する選択部と、
前記複数のチャンネルの電波状態を監視する電波状態監視部と、
前記電波状態監視部の監視結果に基づき、前記複数のチャンネルのうち良好な電波状態にある前記チャンネルを前記双方向通信に用いる前記チャンネルに設定するとともに、設定されている前記チャンネルよりも良好な電波状態にある他の前記チャンネルが存在する場合に、前記双方向通信に用いるチャンネルを、前記より良好な電波状態にある他のチャンネルへと変更するチャンネル制御部と、
を備え、
前記チャンネル制御部は、所定期間内に前記チャンネルを所定回数変更した場合には、前記選択部によって選択された前記識別子に関連付けられた前記チャンネルを前記双方向通信に用いるチャンネルとして設定する
ことを特徴とする、情報処理装置。
【請求項2】
前記チャンネル制御部は、
前記他の情報処理装置との接続が解除された際に、前記識別子に対応付けられたチャンネルを用いた双方向通信を解除する
ことを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記チャンネル制御部は、
前記識別子に対応付けられたチャンネルを用いた双方向通信が所定時間実施された際に、当該識別子に対応付けられたチャンネルを用いた双方向通信を解除する
ことを特項とする、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記電波状態監視部は、
少なくとも電波の干渉の有無に基づいて、前記複数のチャンネルの電波状態を監視する
ことを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記情報処理装置は、前記双方向通信を行う前記他の情報処理装置を特定するペアリング処理の制御を行うペアリング制御部を更に備え、
前記ペアリング制御部は、前記双方向通信を行う前記他の情報処理装置と前記情報処理装置とを関連付けるペアリング識別子を、前記双方向通信を行う他の情報処理装置に対して通知する
ことを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
所定の周波数帯域内に含まれる複数のチャンネルを介して他の情報処理装置と情報の双方向通信を行う情報処理方法であって、
前記他の情報処理装置との接続に利用される複数の識別子の中から一の前記識別子を選択するステップと、
前記複数のチャンネルの電波状態を監視するステップと、
前記電波状態の監視結果に基づき、前記複数のチャンネルのうち良好な電波状態にある前記チャンネルを前記双方向通信に用いる前記チャンネルに設定するステップと、
設定されている前記チャンネルよりも良好な電波状態にある他の前記チャンネルが存在する場合に、前記双方向通信に用いるチャンネルを、前記より良好な電波状態にある他のチャンネルへと変更するステップと、
を含み、
所定期間内に前記チャンネルを所定回数変更した場合には、前記双方向通信に用いるチャンネルを、選択された前記識別子に関連付けられた前記チャンネルに変更して、前記他の情報処理装置と前記双方向通信を行う
ことを特徴とする、情報処理方法。
【請求項7】
コンピュータを、所定の周波数帯域内に含まれる複数のチャンネルを介して他の情報処理装置と情報の双方向通信を行う情報処理装置として機能させるためのプログラムであって、
前記他の情報処理装置との接続に利用される複数の識別子の中から一の前記識別子を選択する選択機能と、
前記複数のチャンネルの電波状態を監視する電波状態監視機能と、
電波状態の監視結果に基づき、前記複数のチャンネルのうち良好な電波状態にある前記チャンネルを前記双方向通信に用いる前記チャンネルに設定するとともに、設定されている前記チャンネルよりも良好な電波状態にある他の前記チャンネルが存在する場合に、前記双方向通信に用いるチャンネルを、前記より良好な電波状態にある他のチャンネルへと変更し、所定期間内に前記チャンネルを所定回数変更した場合には、選択された前記識別子に関連付けられた前記チャンネルを前記双方向通信に用いるチャンネルに設定するチャンネル制御機能と、
をコンピュータに実現させるためのプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−188649(P2009−188649A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−25457(P2008−25457)
【出願日】平成20年2月5日(2008.2.5)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】