情報処理装置、情報処理方法およびプログラム
【課題】携帯電話を用いる利用者のうち特定の複数の人が行動を共にした期間を推定することができる情報処理装置、情報処理方法およびプログラムを提供すること。
【解決手段】本発明の実施形態に係る情報提供システムは、サーバにおいて、各通信端末における動作履歴情報などを取得し、各通信端末の動作履歴情報を解析することにより得られる期間を、各通信端末の利用者同士が共に行動していた期間として特定する。したがって、共に行動していた複数の利用者の通信端末の全てにおいて移動履歴を残せなくても、各通信端末の動作の履歴から、その利用者同士が共に行動していた期間を特定することができる。
【解決手段】本発明の実施形態に係る情報提供システムは、サーバにおいて、各通信端末における動作履歴情報などを取得し、各通信端末の動作履歴情報を解析することにより得られる期間を、各通信端末の利用者同士が共に行動していた期間として特定する。したがって、共に行動していた複数の利用者の通信端末の全てにおいて移動履歴を残せなくても、各通信端末の動作の履歴から、その利用者同士が共に行動していた期間を特定することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の複数の人が共に行動した期間を推定する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、携帯電話などにおいて、その位置を測定するGPS(Global Positioning System)技術が用いられるようになってきている。これにより携帯電話の利用者は自らの位置を確認することができるが、未だGPS技術を用いることができない携帯電話も多数存在する。その場合においても自らの位置を確認したい場合もあるため、例えば、特許文献1に開示された技術を用いることにより、自らの携帯電話においてはGPS技術を用いることができなくても、間接的に自らの現在位置を確認することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−223436号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ショッピングなど友人と共に行動した後に、その行動をしたのがいつであったかを確認したくなる場合がある。このような場合、自らが用いる携帯電話と友人が用いる携帯電話においてGPS技術を使用できれば、それぞれにおいて測定された位置の履歴を比較することにより、共に行動した期間を知ることができる。一方、または双方の携帯電話においてGPS技術が使用できない、またはGPS技術が使用できるものの履歴を残しておけない場合には、その期間を知ることができなかった。
【0005】
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、携帯電話を用いる利用者のうち特定の複数の人が行動を共にした期間を推定することができる情報処理装置、情報処理方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決するため、本発明は、通信端末に対して情報サービスを提供するサービス提供端末によって前記通信端末に情報サービスが提供された時刻を表すサービス提供時刻、および当該サービス提供時刻における情報サービスを提供したサービス提供端末の設置場所を表すサービス提供場所を示すサービス提供情報を取得するとともに、当該サービス提供時刻における情報サービスが提供された通信端末を識別する情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段によって取得されたサービス提供情報のうち、一の通信端末を識別する情報とともに取得されたサービス提供情報と、他の通信端末を識別する情報とともに取得されたサービス提供情報とを比較する比較手段と、前記比較手段によって比較されたサービス提供情報が示すサービス提供時刻およびサービス提供場所についての関係が予め決められた条件を満たす場合は、前記条件を満たすサービス提供情報が示すサービス提供時刻に応じた期間を、当該一の通信端末の利用者が当該他の通信端末の利用者と共に行動していた期間として特定する特定手段とを具備することを特徴とする情報処理装置を提供する。
【0007】
また、別の好ましい態様において、前記特定手段は、前記比較手段によって比較されたサービス提供情報のうち、前記条件を満たす前記組が複数であり、各組の前記サービス提供情報が示すサービス提供時刻の関係が予め決められた第2条件を満たす場合には、これらのサービス提供時刻の間の期間を、当該一の通信端末の利用者が当該他の通信端末の利用者と共に行動していた期間として特定することを特徴とする。
【0008】
また、別の好ましい態様において、前記第2条件は、前記各組のサービス提供情報が示すサービス提供時刻の差が、当該各組のサービス提供情報が示すサービス提供場所の関係に応じて定められる時間未満となる条件であることを特徴とする。
【0009】
また、別の好ましい態様において、前記一の通信端末が、予め決められた範囲内の他の通信端末と通信可能な近距離通信手段によって通信をした履歴を示す近距離通信履歴を取得する近距離通信履歴取得手段をさらに具備し、前記特定手段は、近距離通信履歴取得手段によって取得された近距離通信履歴を参照し、当該近距離通信履歴が示す履歴に応じて、前記一の通信端末の利用者が前記近距離通信によって通信した他の端末の利用者と共に行動していた期間をさらに特定することを特徴とする。
【0010】
また、別の好ましい態様において、前記条件は、前記比較手段によって比較されたサービス提供情報が示すサービス提供場所が特定の関係であり、かつ当該サービス提供情報が示すサービス提供時刻の差が予め決められた時間内となる条件であることを特徴とする。
【0011】
また、別の好ましい態様において、前記一の通信端末が基地局を介して他の通信端末と通信を行った通信履歴を取得する通信履歴取得手段をさらに具備し、前記特定手段は、前記通信履歴取得手段によって取得された通信履歴を参照し、前記情報取得手段によって取得されたサービス提供情報のうち、前記一の通信端末が通信した他の通信端末を識別する情報とともに取得されたサービス提供情報であって、当該通信から予め決められた時間が経過するまでの期間内のサービスの提供時刻を示すサービス提供情報について、当該一の通信端末を識別する情報とともに取得されたサービス提供情報と比較するときには、前記条件を緩和させることを特徴とする。
【0012】
また、別の好ましい態様において、前記一の通信端末の利用者が、他の通信端末の利用者と行動を共にする予定の期間を指定するスケジュール情報を取得するスケジュール情報取得手段をさらに具備し、前記特定手段は、前記スケジュール情報取得手段によって取得されたスケジュール情報を参照し、前記情報取得手段によって取得されたサービス提供情報のうち、行動を共にする予定の各利用者の通信端末を識別する情報とともに取得されたサービス提供情報であって、前記予定の期間内のサービスの提供時刻を示すサービス提供情報について、当該一の通信端末を識別する情報とともに取得されたサービス提供情報と比較するときには、前記条件を緩和させることを特徴とする。
【0013】
また、別の好ましい態様において、前記通信端末が通信するときに接続する基地局であって、時刻の進行に伴って変化する接続先の基地局を示す基地局履歴情報を取得する基地局履歴情報取得手段をさらに具備し、前記比較手段は、前記基地局履歴情報取得手段によって取得された前記基地局履歴情報を参照し、前記情報取得手段によって取得されたサービス提供情報のうち、前記一の通信端末と前記他の通信端末とが同一の基地局に接続される期間内のサービスの提供時刻を示すサービス提供情報について比較対象とすることを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、通信端末に対して情報サービスを提供するサービス提供端末によって前記通信端末に情報サービスが提供された時刻を表すサービス提供時刻、および当該サービス提供時刻における情報サービスを提供したサービス提供端末の設置場所を表すサービス提供場所を示すサービス提供情報を取得するとともに、当該サービス提供時刻における情報サービスが提供された通信端末を識別する情報を取得する情報取得過程と、前記情報取得過程において取得されたサービス提供情報のうち、一の通信端末を識別する情報とともに取得されたサービス提供情報と、他の通信端末を識別する情報とともに取得されたサービス提供情報とを比較する比較過程と、前記比較過程において比較されたサービス提供情報が示すサービス提供時刻およびサービス提供場所についての関係が予め決められた条件を満たす場合は、前記条件を満たすサービス提供情報が示すサービス提供時刻に応じた期間を、当該一の通信端末の利用者が当該他の通信端末の利用者と共に行動していた期間として特定する特定過程とを備えることを特徴とする情報処理方法を提供する。
【0015】
また、本発明は、コンピュータを、通信端末に対して情報サービスを提供するサービス提供端末によって前記通信端末に情報サービスが提供された時刻を表すサービス提供時刻、および当該サービス提供時刻における情報サービスを提供したサービス提供端末の設置場所を表すサービス提供場所を示すサービス提供情報を取得するとともに、当該サービス提供時刻における情報サービスが提供された通信端末を識別する情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段によって取得されたサービス提供情報のうち、一の通信端末を識別する情報とともに取得されたサービス提供情報と、他の通信端末を識別する情報とともに取得されたサービス提供情報とを比較する比較手段と、前記比較手段によって比較されたサービス提供情報が示すサービス提供時刻およびサービス提供場所についての関係が予め決められた条件を満たす場合は、前記条件を満たすサービス提供情報が示すサービス提供時刻に応じた期間を、当該一の通信端末の利用者が当該他の通信端末の利用者と共に行動していた期間として特定する特定手段として機能させるためのプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、携帯電話を用いる利用者のうち特定の複数の人が行動を共にした期間を推定することができる情報処理装置、情報処理方法およびプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に係る情報提供システムを説明する図である。
【図2】本発明の実施形態に係る通信端末の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係るサーバの構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施形態に係るサービス履歴情報を説明する図である。
【図5】本発明の実施形態に係る特定期間情報を説明する図である。
【図6】本発明の実施形態に係るサーバの動作を説明するフローチャートである。
【図7】図6における解析処理の内容を説明するフローチャートである。
【図8】本発明の実施形態に係る通信端末Yのサービス履歴情報を説明する図である。
【図9】本発明の実施形態に係る通信端末Zのサービス履歴情報を説明する図である。
【図10】本発明の実施形態に係る比較処理の結果を説明する図である。
【図11】情報提供の要求をするときに、通信端末に表示される画面の一例を説明する図である。
【図12】情報提供の要求に対する応答をするときに、通信端末に表示される画面の一例を説明する図である。
【図13】情報が提供された通信端末に表示される画面の一例を説明する図である。
【図14】変形例1に係るサーバの動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態について説明する。
【0019】
<実施形態>
図1は、本発明の実施形態に係る情報提供システム1を説明する図である。情報提供システム1は、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)などの通信端末10、サーバ20、通信回線30、基地局40およびサービス提供端末50を有している。これらのうち、通信端末10、基地局40およびサービス提供端末50は、複数存在している。複数の基地局40の各々は、通信範囲内の通信端末10と無線により接続して通信を行うことにより各種情報を送受信し、通信回線30を介してサーバ20との間でも各種情報を送受信する。このように、通信端末10は、基地局40のいずれかと無線接続し、通信回線30を介して、他の通信端末10、サーバ20との間で各種情報の送受信を行う。
【0020】
サービス提供端末50は、後述する通信端末10の電子タグ部107を介した通信により、通信端末に対して情報サービスを提供する端末であって、様々な場所に設置される端末である。この情報サービスとは、例えば、電車などの交通機関における改札の入出場を管理するもの、電子通貨を用いた電子決済などの他、特定の店に関する情報(店の位置、特徴、クーポンなど)を示す店情報の提供などがある。なお、情報サービスは、このようなものに限られず、サービス提供端末50と通信端末10との間で電子タグ部107を介した通信により何らかの情報の送受信が行われることも含まれる。また、情報サービスを提供するときの通信は、電子タグ部107を介した通信に限られず、後述する近距離通信部108、赤外線通信部109、インターフェイス111を介した通信によるものであってもよい。
【0021】
次に、通信端末10、サーバ20について順に説明する。複数の通信端末10は、この例においては、3台の通信端末10があるものとして説明し、それぞれ通信端末X、Y、Zとする。そして、通信端末X、Y、Zは、それぞれ利用者X、Y、Zが利用しているものとする。なお、通信端末X、Y、Zをそれぞれ区別しない場合には、単に通信端末10という。まず、通信端末10の構成について図2を用いて説明する。
【0022】
図2は、実施形態に係る通信端末10の構成を示すブロック図である。通信端末10は、制御部101、記憶部102、操作部103、表示部104、音声処理部105、位置測定部106、電子タグ部107、近距離通信部108、赤外線通信部109、通信部110およびインターフェイス111を有し、バスを介して互いに接続されている。
【0023】
制御部101は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを有する。CPUは、ROMに記憶されている制御プログラムを読み出して、RAMにロードして実行することにより、通信端末10の各部について、バスを介して制御し、通話機能、通信機能、後述する処理を行う機能などの各種機能を実現する。また、RAMは、CPUが各データの加工などを行う際のワークエリアとして機能する。
【0024】
記憶部102は、例えば、不揮発性メモリなどの大容量記憶手段であって、以下に説明する各種情報を記憶する。なお、記憶部102は、外付けの不揮発性メモリなどの記録媒体を、接続インターフェイスなどを介して接続したものであってもよい。
【0025】
記憶部102に記憶されている情報は、アドレス帳情報、スケジュール情報、通信履歴情報、基地局履歴情報、移動履歴情報および動作履歴情報を有する。動作履歴情報は、基地局40を介さずに通信端末10間で直接行われる動作、通信端末10とサービス提供端末50との間で行われる動作に関する履歴を示す情報であって、この例においては、動作の種類に対応して、サービス履歴情報、近距離通信履歴情報および赤外線履歴情報を有している。これらの各種情報についての説明は後述する。なお、この例においては、通信端末Y、Zについては、後述するように位置測定部106を有しない構成であるため、移動履歴情報についても記憶されない。
【0026】
操作部103は、数字キーなどの操作ボタンなどを有し、利用者が操作ボタンを操作するとその操作内容を表すデータが制御部101へ出力される。利用者は、操作ボタンを操作することによって、後述する各種通信制御、通話、文字入力、各種設定などの様々な指示を行う。
【0027】
表示部104は、表示画面1040に画像を表示する液晶ディスプレイなどの表示デバイスである。表示部104は、制御部101の制御により、表示画面1040に画像を表示する。表示画面1040に表示される表示される画像は、操作に応じた表示、メニュー表示、後述する情報提供に係る表示などの各種表示である。
【0028】
音声処理部105は、マイクロフォン、スピーカ、およびDSP(Digital Signal Processor)などの音声処理回路を有し、マイクロフォンによる収音内容を示す収音信号を音声処理回路により生成して出力するとともに、制御部101の制御により入力される音声信号を音声処理回路により音声処理を行って、音声信号に係る音をスピーカから出力させる。
【0029】
位置測定部106は、例えば、GPS技術を用いて自端末の位置を測定し、測定した位置を示す情報、この例においては、北緯、東経により表される座標を出力する。この例においては、通信端末Xは位置測定部106を有しているが、通信端末Y、Zについては位置測定部106を有していないものとする。なお、自端末の位置の測定を行うことができるものであれば、GPS技術を用いたものに限られない。
【0030】
電子タグ部107は、RFID(Radio Frequency IDentification)技術を用いて、通信距離(この例においては、数cm程度)内の近接したサービス提供端末50と無線通信を行う機能を有し、通信に利用されるアンテナおよび通信により送受信される情報、提供を受けたいサービスに応じたアプリケーション、提供された情報などを記憶する記憶領域、電子タグ部107の各機能を制御する制御回路を有している。
【0031】
電子タグ部107の記憶領域は、制御部101の制御により、記憶している情報が読み出されたり、情報が新たに書き込まれたりする。制御部101によって読み出される情報は、例えば、サービスが提供された時刻を示すサービス提供時刻、また、サービスを提供したサービス提供端末50が設置場所を示すサービス提供場所である。このサービス提供場所は、必ずしも座標などにより示されるものに限られず、サービスの提供内容(〇〇駅改札出場、××店電子決済など)によって示されるものであってもよいし、サービスを提供したサービス提供端末50の名称(端末識別IDなど)で示されるものであってもよく、サービスの提供を受けた場所を特定できる情報であればよい。サービス提供端末50から情報サービスの提供を受けると、電子タグ部107は、このようなサービス提供時刻、サービス提供場所を示す情報を、そのサービス提供端末50から取得し、電子タグ部107の記憶領域に記憶する。
【0032】
近距離通信部108は、例えば、Bluetooth(登録商標)などの技術を用いて、通信範囲(この例においては、数m程度)内の他の通信端末10との間で、基地局40を介さずに直接無線通信を行う。利用者の設定により、通信範囲内の他の通信端末10が存在するときには、通信端末10に対して特別な操作を行わなくても、その通信端末10と自動的に通信が行われるようにすることもできる。近距離通信部108により通信が行われる通信相手の通信端末10を特定する情報、またその通信端末10との通信が行われる期間については、制御部101によって取得されるようになっている。なお、ここでいう通信とは、利用者の指示により情報の送受信を行うだけでなく、無線により接続されている状態も含むものとする。
【0033】
赤外線通信部109は、赤外線を用いて、通信範囲(この例においては、数十cm程度)内の他の通信端末10との間で、基地局40を介さずに直接無線通信を行う。赤外線通信部109によって他の通信端末10との間で、情報の送受信を行った時刻については、制御部101によって取得されるようになっている。
【0034】
通信部110は、制御部101の制御に応じて、通信範囲内の基地局40と無線接続して通信を行う。この通信によって、通信端末10の利用者間による通話、電子メールの送受信、サーバ20との間で各種情報の送受信が行われる他、通信回線30からさらにインターネットなどのネットワークに接続して情報の遣り取りなどを行う。通信部110により通信が行われる通信相手の通信端末10を特定する情報、またその通信端末10との通信が行われる期間については、制御部101によって取得されるようになっている。また、通信部110によって無線接続している基地局40を特定する情報が、制御部101によって取得されるようになっている。
【0035】
インターフェイス111は、例えば、外部装置と有線接続する接続端子などであって、接続した外部装置と各種情報の送受信を行う。この送受信についても、相手の通信端末10を特定する情報、またその通信端末10との情報の送受信を行った時刻について、制御部101によって取得されるようになっていてもよい。以上が、通信端末10の構成についての説明である。次に、サーバ20の構成について図3を用いて説明する。
【0036】
図3は、実施形態に係るサーバ20の構成を示すブロック図である。サーバ20は、制御部201、記憶部202、操作部203、表示部204および通信部210を有し、バスを介して互いに接続されている。
【0037】
制御部201は、CPU、ROM、RAMなどを有する。CPUは、ROMに記憶されている制御プログラムを読み出して、RAMにロードして実行することにより、サーバ20の各部について、バスを介して制御し、複数の通信端末10から取得した各種情報を用いて複数の通信端末10の利用者が共に行動していた期間を特定するための解析処理、その期間における通信端末10の位置に応じた情報を提供する処理などを実現する。また、RAMは、CPUが各データの加工などを行う際のワークエリアとして機能する。
【0038】
記憶部202は、例えば、ハードディスク、不揮発性メモリなどの大容量記憶手段であって、後述するようにして通信部210により通信端末10から取得した各種情報(動作履歴情報、移動履歴情報などの記憶部102に記憶されている情報)を、取得した各通信端末10に対応して記憶する。なお、上述したように、通信端末Y、Zについては、位置測定部106を有していないため、移動履歴情報が記憶部102に記憶されることは無いから、通信端末Y、Zに対応する移動履歴情報は記憶部202にも記憶されない。
【0039】
また、記憶部202には、移動履歴情報を有する通信端末10(この例においては、通信端末X)に対応して、後述する解析処理により得られる特定期間情報についても各通信端末10に対応して記憶される。これらの各種情報についての説明は後述する。
【0040】
操作部203は、キーボード、マウスなどの操作子を有し、サーバ20の管理者が操作子を操作するとその操作内容を表すデータが制御部201へ出力される。管理者は、操作子を操作することによって、各種設定の指示などを行う。
【0041】
表示部204は、表示画面に画像を表示する液晶ディスプレイなどの表示デバイスである。表示部204は、制御部201の制御により、表示画面に画像を表示する。表示画面に表示される表示される画像は、操作に応じた表示、メニュー表示、設定画面表示などの各種表示である。
【0042】
通信部210は、制御部201の制御に応じて、通信回線30を介して各基地局40に無線接続される通信端末10との間で各種情報を送受信する。以上が、サーバ20の構成についての説明である。次に、通信端末10の記憶部102、サーバ20の記憶部202に記憶される各種情報について説明する。
【0043】
アドレス帳情報は、通信端末10を利用する利用者の名称、電話番号、電子メールアドレスなどが対応付けられた情報を有している。スケジュール情報は、通信端末10を利用する利用者の行動予定などを示す情報であって、例えば、時刻または時間帯と、行動予定とが対応付けられた情報を有している。行動予定には、例えば、行動場所、同行者などがあり、これにより、同行者と行動を共にする期間の予定を示すものとなる。この同行者についてはアドレス帳情報に含まれている利用者の名称と対応するものがあれば、これらは対応付けられたものとなる。なお、アドレス帳情報については、サーバ20の記憶部202に記憶されていなくてもよい。
【0044】
通信履歴情報は、通信端末10が通信部110を用いて他の通信端末10と通信を行った結果生成され、通信相手の通信端末10と、通信が行われた期間とが対応付けられた情報が履歴として記録されている。基地局履歴情報は、通信部110によって基地局40と無線接続することにより生成され、通信端末10が通信部110によって無線接続している基地局40と、その基地局40に無線接続している期間とが対応付けられた情報が履歴として記録されている。すなわち、基地局履歴情報は、時刻の進行に伴って変化する接続先の基地局40を示すものである。
【0045】
移動履歴情報は、位置測定部106により自端末の位置が測定された結果生成され、この自端末の位置と、測定された時刻とが対応付けられた情報が履歴として記録されている。移動履歴情報の内容により、携帯端末10の利用者がどの時刻にどの位置にいたか特定することができ、また時刻の進行に伴う位置の変化により移動経路についても特定することができる。
【0046】
近距離通信履歴情報は、通信端末10が近距離通信部108を用いて他の通信端末10と通信を行った結果生成され、通信相手の通信端末10と、通信が行われた期間とが対応付けられた通信情報が履歴として記録されている。赤外線通信履歴情報は、通信端末10が赤外線通信部109を用いて他の通信端末10と通信を行った結果生成され、通信相手の通信端末10と情報の送受信が行われた時刻を示す通信情報が履歴として記録されている。
【0047】
サービス履歴情報は、通信端末10が電子タグ部107を用いてサービス提供端末50から情報サービスの提供を受けることにより生成され、サービス提供時刻とサービス提供場所とが対応付けられたサービス提供情報が履歴として記録されている。サービス提供情報は、電子タグ部107の記憶領域に記憶されている情報から取得し、サービス提供場所が示す内容については、上述したように電子タグ部107の記憶領域に記憶されているものと同様である。サービス履歴情報は、例えば図4に示すような情報である。
【0048】
図4は、通信端末10(この例においては、通信端末X)の記憶部102に記憶されたサービス履歴情報を説明する図である。このようなサービス履歴情報が生成される過程について、説明する。
【0049】
通信端末Xの利用者Xは、4月1日の10:00において、サービス提供端末A(以下、特定のサービス提供端末50については、その名称としてサービス提供端末A、B、・・・(以降の図中においては、端末A、B・・・と記載)といい、それぞれを区別しない場合には、サービス提供端末50という)に通信端末Xを近接させてA駅の改札を出場する(情報サービスの提供を受ける)と、これらの情報が電子タグ部107の記憶領域に記憶される。
【0050】
そして、制御部101は、この記憶領域に記憶された情報から、サービス提供時刻(4/1 10:00)とサービス提供場所(A駅改札出場(端末A))とを対応付けたサービス提供情報を取得して、記憶部102に記憶されているサービス履歴情報に追加する。なお、この例においては、サービス提供端末50の名称についてもサービス提供場所を示す情報に含まれるものとしているが、上述したように、この名称については含まれていなくてもよい。
【0051】
次に、利用者Xは、4月1日の13:00において、サービス提供端末Bに通信端末Xを近接させてB店において、電子決済をする(情報サービスの提供を受ける)と、これらの情報が電子タグ部107の記憶領域に記憶される。そして、制御部101は、この記憶領域に記憶された情報から、サービス提供時刻(4/1 13:00)とサービス提供場所(B店決済(端末B))とを対応付けたサービス提供情報を取得して、記憶部102に記憶されているサービス履歴情報に追加する。以下、情報サービスの提供を受けると、サービス履歴情報にサービス提供情報が追加されていくように繰り返される。以上がサービス履歴情報の説明である。次に、特定期間情報について、図5を用いて説明する。
【0052】
図5は、サーバ20の記憶部202において記憶される特定期間情報を説明する図である。この特定期間情報は、後述する解析処理により得られる情報であり、特定期間情報に対応する通信端末10の利用者と行動を共にしていた利用者(以下、同行者ともいう)が利用する通信端末10と、行動を共にしていた期間とを対応付けた情報である。図5に示す例においては、通信端末Xに対応して記憶されている特定期間情報であり、4月1日の10:00から13:00までの期間は通信端末Y、Zの利用者Y、Zが利用者Xの同行者であることを示し、13:00から15:30までは同行者が無く、15:30から20:50まで利用者Xの同行者が利用者Yであることを示している。以上が、通信端末10の記憶部102、サーバ20の記憶部202に記憶される各種情報の説明である。
【0053】
次に、情報提供システム1の動作のうち、サーバ20の制御部201が制御プログラムを実行することによって実現される処理について図6、図7を用いて説明するが、この処理が行われる前の通信端末X、Y、Zの利用者X、Y、Zの行動を先に説明する。そして、その行動の結果、通信端末X、Y、Zにおいて生成される各種情報を例としながら、サーバ20に係る処理の説明をする。なお、以下に説明する処理については、説明を容易にするため、通信端末X、Y、Zとの関係として説明するが、実際には、複数の通信端末10における関係として処理が行われるものとしてもよいし、予め設定された特定の数の通信端末10に対して処理が行われるものとしてもよい。
【0054】
まず、利用者X、Y、Zの4月1日の行動について、時系列順に説明する。
(1)10:00頃、利用者X、Y、Zは、A駅の改札付近で待ち合わせる。
(2)10:40、赤外線通信部109を用いた赤外線通信により、通信端末Xから通信端末Y、Zに対して情報(写真のデータなど)の送信を行う。
(3)11:30から、利用者X、Y、Zは、B店において昼食をとる。食事中(11:30から12:50)において、通信端末X、Y、Zは、互いに1〜2m程度の範囲内に位置することになり、近距離通信部108における通信が開始される。一時的に利用者の1人が離席するなどして近距離通信部108による通信が切断される状況もある。
(4)13:00頃、利用者X、Y、Zは、B店において、それぞれ通信端末X、Y、Zを用い電子決済を行って店を出る。この後、利用者X、Y、Zは、別行動を開始する。
(5)13:30、利用者Zは、A駅の改札を通って帰宅の途につく。
(6)15:00、利用者Xは、別行動中のある施設内において、サービス提供端末CからC情報(例えば、E店に関する情報など)を取得する。同じ頃、利用者Yも、ある施設内におけるサービス提供端末FからF情報(例えば、F店における割引クーポンなど)を取得する。この例においては、サービス提供端末C、Fはそれぞれ、異なる施設内に設置されているものとする。その後、利用者X、Yは再会する。
(7)15:30、赤外線通信部109を用いた赤外線通信により、通信端末Xから通信端末Yに対して情報(C情報など)の送信を行う。
(8)15:50、赤外線通信部109を用いた赤外線通信により、通信端末Yから通信端末Xに対して情報(F情報など)の送信を行う。
(9)16:30、利用者X、Yは、A駅の改札から駅内に入場し、電車にてD駅に移動する。
(10)16:50、利用者X、Yは、D駅の改札から駅外に出場する。
(11)17:30から利用者X、Yは、E店において夕食をとる。食事中(17:30から19:50)において、通信端末X、Yは、互いに1〜2m程度の範囲内に位置することになり、近距離通信部108における通信が開始される。一時的に利用者の1人が離席するなどして近距離通信部108による通信が切断される状況もある。
(12)20:00頃、利用者X、Yは、E店において、それぞれ通信端末X、Yを用い電子決済を行って店を出る。
(13)20:50、利用者X、Yは、D駅の改札から駅内に入場し、それぞれ別れて電車に乗り帰宅の途につく。
【0055】
以上が、利用者X、Y、Zの4月1日の行動である。次に、サーバ20の制御部201が制御プログラムを実行することによって実現される処理を説明する。この処理の開始タイミングは、管理者による操作部203の操作などによって設定されたタイミング、予め設定された間隔、通信端末10の利用者が通信端末10の操作部103を操作して、サーバ20に対して処理開始の指示をしたタイミングなどである。
【0056】
図6は、サーバ20の動作を説明するフローチャートである。まず、サーバ20は、各通信端末10(通信端末X、Y、Z)の記憶部102に記憶されている各種情報を、各通信端末10から受信して取得し、取得元の通信端末10に対応させて記憶部202に記憶する処理、すなわち情報取得処理(ステップS100)を行う。
【0057】
このとき、各種情報を取得するとともに、取得元の通信端末10を識別する情報をあわせて取得することによって、取得元の通信端末10を特定する。このようにして取得された各種情報は、上述した利用者X、Y、Zの行動に基づいた情報であり、例えば、通信端末X、Y、Zからそれぞれ取得したサービス履歴情報については、それぞれ、図4、図8、図9に示すようなものとなっている。
【0058】
図8、図9は、それぞれ通信端末Y、Zの記憶部102に記憶されたサービス履歴情報の一例である。図4に示すような通信端末Xに係るサービス履歴情報、図8に示すような通信端末Yに係るサービス履歴情報、図9に示すような通信端末Zに係るサービス履歴情報は、それぞれ、上述のようにして利用者X、Y、Zの行動により生成されたサービス提供情報の履歴を示すものである。
【0059】
ここでは、サーバ20によって取得された通信端末X、Y、Zにおけるサービス履歴情報について説明したが、利用者X、Y、Zの行動により生成された動作履歴情報(近距離通信履歴情報および赤外線通信履歴情報)の他、移動履歴情報についても、サービス履歴情報と同様に取得する。この例においては、これらの情報以外のアドレス帳情報、スケジュール情報、通信履歴情報、基地局履歴情報についても取得する。次に、サーバ20は、解析処理(ステップS110)を行う。解析処理についての詳細について、図7を用いて説明する。
【0060】
図7は、解析処理(ステップS110)の内容を説明するフローチャートである。サーバ20の制御部201は、解析処理を行うときには、それぞれの通信端末10を基準として、基準となる通信端末10の利用者と、その他の通信端末10の利用者とが共に行動していた期間を特定するための解析を行う。この例においては、位置測定部106を有し、移動履歴情報を記憶する通信端末10(通信端末X)を基準として解析を行うものとする。すなわち、利用者Xが、その他の利用者Y、Zと共に行動していた期間を特定するための解析を行う。
【0061】
まず、サーバ20の制御部201は、まず、事前判定処理(ステップS111)を行う。事前判定処理とは、スケジュール情報、通信履歴情報、基地局履歴情報を参照し、それぞれの通信端末10の利用者が行動を共にしていた期間を特定するにあたり、行動を共にする可能性の程度を期間に応じて事前に判定する処理である。具体的には、以下のようにして行う。
【0062】
制御部201は、通信端末Xに対応するスケジュール情報を参照し、行動予定に、他の利用者Yと行動を共にする予定の期間が示されている場合には、その期間については、利用者Yと行動を共にする期間である可能性が高いものとして判定される。利用者Zに対しても同様である。このとき、通信端末Y、Zについてのスケジュール情報を参照して、利用者Xと行動を共にする予定の期間が示されているかについても可能性の程度についての判定の対象としてもよい。
【0063】
また、制御部201は、通信端末Xに対応する通信履歴情報を参照し、最後に通信部110に通信端末Yに対して通信が行われた時刻から予め決められた時間が経過するまでの期間については、その通信が行われた通信端末Yの利用者Yと行動を共にする期間である可能性が高いものとして判定される。利用者Zに対しても同様である。なお、電子メールなどの文字情報を用いた通信であった場合には、その文字情報を解析するなどして、これから行動を共にすることに関する内容であれば、行動を共にする期間である可能性が高いものとして判定されるようにしてもよい。同様に、通話などの音声情報を用いた通信であった場合には、その音声情報を解析するなどして、これから行動を共にすることに関する内容であれば、行動を共にする期間である可能性が高いものとして判定されるようにしてもよい。
【0064】
また、制御部201は、通信端末Xに対応する基地局履歴情報と、通信端末Yに対応する基地局履歴情報とを参照し、通信端末Xと通信端末Yとが同一の基地局40に無線接続する期間において、利用者Yと行動を共にする期間である可能性があるものとして判定される。したがって、異なる基地局40となる期間においては、共に行動していない期間となり、後述する特定処理において特定される期間の対象外の期間として扱われる。利用者Zに対しても同様である。この例においては、4月1日の9:30から21:30までは通信端末X、Y、Zともに、同一の基地局40と無線接続されているものとする。
【0065】
制御部201は、上述したような各判定結果を用いて予め決められた算出方法によって、様々な期間に対応して、利用者毎に共に行動していた可能性の程度を総合的に判定する。この判定結果については、後述する特定処理(ステップS113)において用いられるが、以下の説明においては、可能性の程度は期間、利用者によらず一定であるものとして説明する。以上が、事前判定処理の説明である。
【0066】
次に、制御部201は、比較処理(ステップS112)を行う。比較処理とは、各通信端末10に対応する動作履歴情報を動作の種類毎に比較して、各通信端末10の利用者が共に行動していた時刻(または期間)を解析して推定する処理である。具体的には、以下のようにして行う。
【0067】
まず、制御部201は、通信端末Xに対応するサービス履歴情報の各サービス提供情報と、通信端末Yに対応するサービス履歴情報の各サービス提供情報とを比較して、サービス提供時刻およびサービス提供場所についての関係が予め決められた条件を満たす組を抽出する。この条件とは、例えば、予め決められた特定の関係(この例においては、同一である関係)にあるサービス提供場所であり、そのサービス提供時刻の差が予め決められた時間内(この例においては、2分間)となる関係である。通信端末Zとの関係においても同様に処理する。
【0068】
例えば、通信端末Xのサービス履歴情報のうち、「4/1 10:00」「A駅改札出場(端末A)」を表すサービス提供情報について、通信端末Yのサービス履歴情報のうち条件を満たすサービス提供情報は、「10:01」「A駅改札出場(端末A)」であり、通信端末Zのサービス履歴情報のうち条件を満たすサービス提供情報は、「9:58」「A駅改札出場(端末A)」である。これらのサービス提供情報が組として抽出される。
【0069】
また、制御部201は、通信端末Xに対応する赤外線通信履歴情報の通信情報と、通信端末Yに対応する赤外線通信履歴情報の通信情報とを比較して、同一時刻(予め設定された時間差があってもよい)に送受信が行われている通信情報の組を抽出する。通信端末Zとの関係においても同様に処理する。
【0070】
また、制御部201は、通信端末Xに対応する近距離通信履歴情報から通信端末Yと通信を行っている期間を示す通信情報を抽出する。このとき、通信が切断されている期間があったとしても、その期間が予め決められた時間内(例えば、10分間)であれば、その期間については、一時的に通信が切断されただけであるものとして、通信が行われていた期間として扱うようにしてもよい。通信端末Zとの関係においても同様に処理する。
【0071】
このようにして、上述した利用者X、Y、Zの行動に応じて得られた動作履歴情報について、通信端末Xを基準として比較処理を行った結果抽出された情報をリスト化すると、図10に示すようなリストとなる。
【0072】
図10は、通信端末Xを基準とした比較処理の結果を説明する図である。リストの項目の「時刻」については、組として抽出された情報のうち通信端末Xに対応する情報に係る時刻(または期間)などを示し、「抽出内容」については、上述したようにして抽出した情報の内容を示し、「通信端末」については、比較対象とした動作履歴情報に対応する通信端末10を示している。そして、図10に示すリストは、これらについて、抽出された情報を時刻順に並べたものである。
【0073】
このリストにおける各時刻において、各時刻に対応する通信端末Y、Zの利用者Y、Zは、通信端末Xの利用者Xと同じ場所にいたものとして推定することができる。例えば、「10:40」には、通信端末X、Y、Zにおいて赤外線通信がなされていることから、利用者X、Y、Zが同じ場所にいたものとして推定され、また、「16:30」には、通信端末X、YにおいてA駅改札入場が行われていることから、利用者X、Yが同じ場所にいたものとして推定される。以上が比較処理についての説明である。
【0074】
次に、制御部201は、特定処理(ステップS113)を行う。特定処理とは、比較処理において抽出された情報の各組についての時刻の関係に応じて算出される期間を、基準となる利用者Xが利用者Y、Zと共に行動していた期間として特定する処理である。具体的には、以下のようにして行う。
【0075】
まず、制御部201は、比較処理において抽出された情報の各組の時刻の差を算出し、予め決められた条件(この例においては、1時間以内)を満たす場合には、その時刻間の期間については、共に行動していた期間として特定する。なお、予め決められた条件は、上述した事前判定処理において判定された可能性の程度に応じて変化するようにしてもよい。例えば、可能性の程度が高い期間が「10:00」から「13:00」だとした場合には、その期間については、予め決められた条件について、より共に行動していた期間とされやすいように緩和させ、元の条件である1時間以内より長い時間、例えば、2時間以内などとすればよい。
【0076】
このようにして、制御部201は、通信端末Xを利用する利用者Xは、通信端末Yを利用する利用者Yと、「10:00」から「13:00」まで、および「15:30」から「20:50」までの期間において、共に行動していた期間として特定する。また、制御部201は、通信端末Xを利用する利用者Xは、通信端末Zを利用する利用者Zと、「10:00」から「13:00」までの期間において、共に行動していた期間として特定する。
【0077】
そして、制御部201は、このようにして特定した期間およびその期間において、利用者Xと共に行動していた利用者が利用する通信端末10を示す同行者通信端末を対応付けた特定期間情報を生成し、基準となる利用者Xが利用する通信端末Xに対応させて記憶部202に記憶する。このようにして生成された特定期間情報は、上述した図5に示すようなものとなる。以上が特定処理について説明である。
【0078】
図6に戻って説明を続ける。上述のようにして解析処理(ステップS110)が終了すると、サーバ20は、要求情報の取得を待つ(ステップS120;No)。要求情報は、通信端末10から送信されるものであり、特定の利用者と共に行動をしていたときの移動履歴に関する情報の提供を要求する情報である。
【0079】
要求情報は、通常、位置測定部106を有しない通信端末Y、Zから送信され、位置測定部106を有する通信端末Xからは送信されることは稀である。通信端末Xの利用者Xは、自端末またはサーバ20に記憶された移動履歴情報を参照し、その移動履歴に関する情報を取得すればよいが、位置測定部106を有しない通信端末Y、Zの利用者Y、Zにおいては、自端末についての移動履歴情報が存在しないため、通信端末Xに係る移動履歴情報を参照しなければ、特定の時刻における位置を知ることができないからである。ここで、要求情報を送信する前に通信端末10の表示画面1040に表示される内容および設定について説明する。
【0080】
図11は、情報提供の要求をするときに、通信端末10に表示される画面の一例を説明する図である。利用者が通信端末10を操作して、情報提供の要求に係る処理を開始させると、通信端末10の表示画面1040には、行動を共にした「同行者」を指定する同行者選択ボックスSB1(アドレス帳情報に含まれる利用者の名称から選択)が表示される。なお、サーバ20から、記憶されている特定期間情報に対応する通信端末10を識別する情報を取得して、その通信端末10の利用者を同行者選択ボックスSB1における選択対象とされるようにしてもよい。
【0081】
また、表示画面1040には、行動を共にした期間として「日付」を選択する月選択ボックスSB2(1から12)、日選択ボックスSB3(1から31)、「時間」を選択する時間選択ボックスSB4(0から24、その他)が表示される。時間選択ボックスSB4においては、時間帯として期間の選択、または未設定(当日中全部の時間帯0時から24時)も可能となっている。
【0082】
また、表示画面1040には、情報の「提供内容」として、「位置」、「施設名」、「サービス内容」、「周辺情報」を選択するボタンB1、B2、B3、B4についても表示される。
【0083】
利用者は、通信端末10を操作して、それぞれの項目についての選択をした後、送信ボタンB5を操作すると、選択された内容の情報提供を要求する要求情報がサーバ20に送信される。このとき、同行者については、アドレス帳情報を参照して、同行者として選択された利用者が利用する通信端末を識別する情報に変換される。
【0084】
図10に戻って説明を続ける。これにより、サーバ20が通信端末10から要求情報を受信して取得する(ステップS120;Yes)と、制御部201は、取得した要求情報を参照して、要求情報が示す通信端末10に対応する特定期間情報を参照し、要求情報を送信してきた通信端末10が同行者通信端末に含まれている期間と、要求情報が示す期間とを比較し、重複する期間が存在するか否かにより情報提供が可能な範囲に該当するか否かを判定する(ステップS130)。
【0085】
比較した結果、重複する期間がない場合には、情報提供が可能な範囲ではないと判定(ステップS130;No)し、エラー処理を行う(ステップS170)。ここで、要求された情報提供に係る通信端末10に対応する特定期間情報が存在しない場合など、提供する情報が存在しない場合にも、情報提供が可能な範囲ではないと判定するようにしてもよい。エラー処理とは、サーバ20から要求情報を送信した通信端末10に対して、情報提供をすることができないことなどを示す情報の送信を行って、その通信端末10の利用者に通知する処理である。そして、エラー処理の後は、次の要求情報の取得に備える(ステップS120;No)。
【0086】
一方、比較した結果、重複する期間(以下、情報提供期間という)が存在する場合には、情報提供が可能な範囲であると判定(ステップS130;Yes)し、要求情報が示す通信端末10に対して、情報の提供許可を確認する処理を行う(ステップS140)。これにより、情報の提供許可の確認がされる通信端末10の表示画面1040には、許可するか否かの応答のための表示が行われる。これは、例えば、図12に示すような表示となる。
【0087】
図12は、情報提供の要求に対する応答をするときに、通信端末10に表示される画面の一例を説明する図である。この表示例は、通信端末Xの表示画面1040に表示される例であり、サーバ20において取得した要求情報は通信端末Yから送信されたものであり、要求情報が示す通信端末は「通信端末X」であり、期間としては「4月1日(時間は未設定)」である場合を示している。
【0088】
図12に示すように、表示画面1040には、情報提供についての許可を求める表示ウインドウW1、YesボタンB6、NoボタンB7が表示される。そして、利用者Xは、通信端末Xを操作して、YesボタンB6を操作すると、情報の提供を許可することを示す応答情報がサーバ20に送信される一方、NoボタンB7を操作すると、情報の提供を許可しないこと示す応答情報がサーバ20に送信される。
【0089】
図10に戻って説明を続ける。サーバ20は、情報の提供を許可しないことを示す応答情報を受信(ステップS150;No)すると、エラー処理(ステップS170)を行う。一方、情報の提供を許可することを示す応答情報を受信(ステップS150;Yes)すると、要求情報を送信してきた通信端末10に対して、情報提供期間について、要求情報が示す通信端末10(通信端末X)に対応する移動履歴情報に関する情報を送信(ステップS160)する。その後、次の要求情報の取得に備える(ステップS120;No)。
【0090】
移動履歴に関する情報とは、要求情報が示す情報提供内容に応じたものであり、「位置」であれば情報提供期間における移動経路を示す情報、「施設名」であれば情報提供期間において情報サービスの提供を受けた施設の情報(施設名、営業時間、URLなどをサービス提供場所から検索)、「サービス内容」であれば情報提供期間において提供された情報サービスの内容を示す情報、「周辺情報」であれば情報提供期間における移動経路付近における店舗、施設、提供されているサービスなどを示す情報である。
【0091】
これらの情報は、サーバ20の記憶部202に、位置を示す情報などに関連付けられて予め記憶されていてもよいし、サーバ20がインターネットなどのネットワークを介して、移動経路の各位置に関連する情報を検索するなどして取得するようにしてもよい。なお、これらの情報は一例であって、移動履歴を用いて得られる情報であればどのような情報も含まれる。
【0092】
ここで、通信端末Y、Zの利用者Y、Zが、「同行者」を通信端末Xの「利用者X」、「期間」を「4月1日(時間は未設定)」とし、「提供内容」を「位置」として選択して、情報の提供を要求した場合であって、それぞれの通信端末Y、Zに対して情報が提供されたときの表示画面1040に表示される例について説明する。
【0093】
図13は、情報が提供された通信端末10に表示される画面の一例を説明する図であり、図13(a)は通信端末Y、図13(b)は通信端末Zにおける表示例を示している。図13(a)、(b)に示すように、表示画面1040には、通信端末Xに対応する移動履歴情報のうち情報提供期間における移動履歴を地図上に表示する行動履歴ウインドウW2が表示される。この例においては、移動履歴は移動経路GLとして表示され、上述した比較処理(ステップS112)において抽出された情報に係る時刻(または期間)における移動経路GL上の位置Mとその時刻(または期間)についても表示される。
【0094】
そして、通信端末Yの操作によって、地図上に表示されるポインタPを移動経路GL上で移動させると、詳細情報ウインドウW3に、ポインタPの位置に関する情報が表示されるようになっている。この例においては、詳細表示ウインドウW3には、その位置にいた時刻(または時間帯)、その位置における施設名、その施設に関する情報、その時刻(または時間帯)における同行者が表示されている。なお、図13(a)と図13(b)とにおいて表示内容が異なるのは、特定期間情報の内容により情報提供期間が通信端末Yと通信端末Zとで異なることによる。以上が、サーバ20の動作についての説明である。
【0095】
このように、本発明の実施形態に係る情報提供システム1は、サーバ20において、各通信端末10における動作履歴情報などを取得し、各通信端末10の動作履歴情報を解析することにより得られる期間を、各通信端末10の利用者同士が共に行動していた期間として特定する。したがって、共に行動していた複数の利用者の通信端末10の全てにおいて移動履歴を残せなくても、各通信端末10の動作の履歴から、その利用者同士が共に行動していた期間を特定することができる。
【0096】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は以下のように、さまざまな態様で実施可能である。
【0097】
<変形例1>
上述した実施形態において、解析処理(ステップS110)は、要求情報が取得される前に行っていたが、図14に示すように、要求情報が取得された後に行ってもよい。
【0098】
図14は、変形例1に係るサーバの動作を説明するフローチャートである。実施形態における動作とは解析処理が行われるタイミングが入れ替わっただけであるから、変形例1における解析処理(ステップSA110)以外については、それぞれの詳細の説明は省略する。
【0099】
変形例1における解析処理(ステップSA110)は、要求情報が取得されてから行われる処理であるため、要求情報を送信した通信端末10と、要求情報が示す同行者が使用する通信端末10との関係において、事前判定処理、比較処理、特定処理を行えばよい。より具体的には、比較処理において、これらの通信端末10間において、動作履歴情報の比較を行うようにすればよい。例えば、通信端末Yから要求情報が送信され、要求情報が示す同行者が通信端末Xの利用者Xである場合には、通信端末X、Yの関係において各処理を行えばよい。
【0100】
また、上述した実施形態における解析処理(ステップS110)と、情報提供に係る処理(ステップS120〜ステップS170)とについては、処理順の前後関係を規定せず、並列して処理されていてもよい。サーバ20は、この場合であって、要求情報を取得したときに、解析処理が終了していないことなどにより、要求に係る特定期間情報が生成されていない場合には、エラー処理(ステップS170)としてもよいし、特定期間情報が生成されるまで待ってから後の処理を行うようにしてもよい。
【0101】
<変形例2>
上述した実施形態において、サーバ20は、各通信端末10から受信して取得する各種情報は、それぞれ履歴を示す履歴情報の態様として取得していたが、随時通信端末10から履歴を構成する各情報単位で取得して、記憶部202に記憶される履歴情報に追加していくようにしてもよい。この場合においても、実施形態における場合と同様、情報を送信する通信端末10は、自端末を識別する情報についても送信する。
【0102】
この場合、サービス履歴情報についての例を示すと、通信端末10は、情報サービスの提供を受けると、サービス提供情報としてサーバ20に送信し、サーバ20は、取得したサービス提供情報を、その通信端末10に対応して記憶部202に記憶されているサービス履歴情報に追加していくようにする。このような処理は、サービス履歴情報に限らず、その他の各種情報についても同様であり、例えば、移動履歴情報であれば、位置測定部106により位置が測定されると、その位置を示す情報と測定時刻を示す情報を通信端末10がサーバ20に対して送信する。なお、このような通信端末10からサーバ20への情報の送信は、全てリアルタイムに行われる必要は無く、一定時間毎に行われるようにしてもよい。この場合には、一定時間分の履歴情報として送信される。
【0103】
<変形例3>
上述した変形例2において、サーバ20は、通信端末10からサービス提供情報を受信することにより取得していたが、サービス提供端末50から受信して取得するようにしてもよい。この場合、サービス提供端末50は、通信回線30、ネットワークなどを介してサーバ20と通信可能な構成を有するようにし、通信端末10に情報サービスを提供すると、サーバ20に対して、サービス提供情報および情報サービスを提供した通信端末10を識別する情報を送信するようにすればよい。
【0104】
<変形例4>
上述した実施形態において、基地局履歴情報については、通信端末10において記憶されているものをサーバ20が取得するようにしていたが、サーバ20が基地局40に無線接続されている通信端末10の情報を取得するようにすれば、通信端末10から取得しなくてもよい。この場合には、通信端末10において基地局履歴情報が記憶されていないものとしてもよい。通信履歴情報についても同様に、通信端末10から取得するのではなく、通信を管理する通信管理装置などから取得してもよい。
【0105】
<変形例5>
上述した実施形態において、アドレス帳情報における情報に、情報提供を許可するか否かの設定情報をさらに対応付けたものとしてもよい。このようにすれば、ステップS140における情報の提供許可を確認する処理において、要求情報が示す通信端末10(通信端末X)に対して、この処理を行うのではなく、この通信端末10(通信端末X)に対応して記憶部202に記憶されているアドレス帳情報を参照して、要求情報を送信した通信端末10(通信端末Y、Z)の利用者に対応する設定情報の内容により、ステップS150における判定を行うようにすればよい。
【0106】
なお、この処理について、サーバ20においてアドレス帳情報を取得していない場合であっても、要求情報が示す通信端末10の制御部101が、記憶部102に記憶されているアドレス帳情報を参照して、サーバ20に対して自動的に応答を行うようにしてもよい。
【0107】
また、設定情報の内容が情報提供を許可しないものである場合に、要求情報が示す通信端末10に対しての処理を行わずにエラー処理(ステップS170)とし、情報提供を許可するものである場合に、実施形態と同様な処理、すなわち、要求情報が示す通信端末10(通信端末X)の利用者に確認する処理を行うようにしてもよい。この場合には、設定情報においては情報提供が許可されていても、利用者の判断により、情報提供が許可されない場合もあり得ることになる。
【0108】
<変形例6>
上述した実施形態において、特定処理(ステップS113)においては、比較処理において抽出された情報の各組についての時刻の関係に応じて算出される期間を、共に行動していた期間として特定していたが、例えば、抽出された情報の組が1つであった場合には、その組についての時刻に応じた期間(例えば、その時刻の前後10分間など)を、共に行動していた期間として特定してもよい。
【0109】
また、抽出された情報の組が複数であっても、一部の組についての時刻が、実施形態の処理において特定される期間に含まれない場合には、その組についての時刻に応じた期間についても共に行動していた期間として特定してもよい。
【0110】
<変形例7>
上述した実施形態において、特定処理(ステップS113)においては、比較処理において抽出された情報の各組の時刻の差を算出し、予め決められた条件を満たす場合には、その時刻間の期間については、共に行動していた期間として特定していたが、この条件については、時刻の差を算出した情報の関係に応じて変更されるようにしてもよい。
【0111】
例えば、時刻の差を算出した情報がともにサービス提供情報に係るものであった場合、これらのサービス提供情報が示すそれぞれのサービス提供場所の距離を算出し、その距離が長いほど、条件となる時間を長くするように変更すればよい。これによれば、サービス提供場所が離れていれば、移動時間がかかることにより、それぞれのサービス提供場所において情報サービスの提供を受ける間の時間についても長くなることが通常であるから、これを反映させることもできる。
【0112】
<変形例8>
上述した実施形態において、特定処理(ステップS113)において特定される期間の最初と最後のタイミングは、比較処理において抽出された情報の組のいずれかについての時刻に一致するようになっていたが、必ずしも一致しなくてもよく、例えば、数分間前後させたものとしてもよい。また、その前後させる時間については、期間の最初と最後で異なるものとしてもよいし、その時刻に対応する情報の内容により変化させるようにしてもよい。
【0113】
<変形例9>
上述した実施形態において、情報提供を要求するときに、通信端末10に表示される内容は、図11に示すようなものであり、それぞれの項目について選択を行っていたが、一部の項目については選択を行わないようにしてもよい。例えば、同行者を選択しない場合には、通信端末10は、選択した期間において同行者が誰であったかの情報の提供を要求する要求情報をサーバ20に送信するようにすればよい。そして、サーバ20は、その期間における同行者についての情報を提供するようにすればよい。
【0114】
このように、情報の提供については、情報提供期間において、記憶部202に記憶されている特定期間情報、移動履歴情報などから得られる情報を提供するものであれば、どのような内容であってもよく、各通信端末10における情報の要求にあっては、これらの様々な内容の情報を要求できるようにすればよい。
【0115】
<変形例10>
上述した実施形態における事前判定処理(ステップS111)については、解析処理において用いられなくてもよい。この場合には、可能性の程度については全期間について一定であるものとすればよい。そして、この判定に必要な各種情報についてもサーバ20は取得する必要が無い。
【0116】
<変形例11>
上述した実施形態において、通信端末Y、Zについては、位置測定部106を有しないものとしていたが、有するものとしてもよい。自端末において移動履歴を生成できれば、別の利用者の通信端末10の移動履歴を取得する必要はないのであるが、他の利用者と共に行動していた期間がいつであるかなどの情報を知りたいときには、自端末の移動履歴だけではわからないので有用なものである。この場合には、例えば、期間を特定せず、同行者を他の利用者として選択して要求情報を送信すればよい。また、同行者を自分自身として特定の期間を選択して要求情報を送信すれば、選択した特定の期間において同行者が誰であったかを確認できるようにしてもよい。
【0117】
<変形例12>
上述した実施形態において、動作履歴情報における全ての動作の種類についての情報(サービス履歴情報、近距離通信履歴情報、赤外線通信履歴情報)を用いて解析処理を行ったが、一部の種類の動作、例えばサービス履歴情報だけを用いて解析処理を行ってもよい。
【0118】
<変形例13>
上述した実施形態における制御プログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスクなど)、光記録媒体(光ディスクなど)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータ読取り可能な記録媒体に記憶した状態で提供し得る。ネットワーク経由でダウンロードさせることも可能である。
【符号の説明】
【0119】
1…情報提供システム、10…通信端末、20…サーバ、30…通信回線、40…基地局、50…サービス提供端末、101,201…制御部、102,202…記憶部、103,203…操作部、104,204…表示部、105…音声処理部、106…位置測定部、107…電子タグ部、108…近距離通信部、109…赤外線通信部、110,210…通信部、111…インターフェイス
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の複数の人が共に行動した期間を推定する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、携帯電話などにおいて、その位置を測定するGPS(Global Positioning System)技術が用いられるようになってきている。これにより携帯電話の利用者は自らの位置を確認することができるが、未だGPS技術を用いることができない携帯電話も多数存在する。その場合においても自らの位置を確認したい場合もあるため、例えば、特許文献1に開示された技術を用いることにより、自らの携帯電話においてはGPS技術を用いることができなくても、間接的に自らの現在位置を確認することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−223436号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ショッピングなど友人と共に行動した後に、その行動をしたのがいつであったかを確認したくなる場合がある。このような場合、自らが用いる携帯電話と友人が用いる携帯電話においてGPS技術を使用できれば、それぞれにおいて測定された位置の履歴を比較することにより、共に行動した期間を知ることができる。一方、または双方の携帯電話においてGPS技術が使用できない、またはGPS技術が使用できるものの履歴を残しておけない場合には、その期間を知ることができなかった。
【0005】
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、携帯電話を用いる利用者のうち特定の複数の人が行動を共にした期間を推定することができる情報処理装置、情報処理方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決するため、本発明は、通信端末に対して情報サービスを提供するサービス提供端末によって前記通信端末に情報サービスが提供された時刻を表すサービス提供時刻、および当該サービス提供時刻における情報サービスを提供したサービス提供端末の設置場所を表すサービス提供場所を示すサービス提供情報を取得するとともに、当該サービス提供時刻における情報サービスが提供された通信端末を識別する情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段によって取得されたサービス提供情報のうち、一の通信端末を識別する情報とともに取得されたサービス提供情報と、他の通信端末を識別する情報とともに取得されたサービス提供情報とを比較する比較手段と、前記比較手段によって比較されたサービス提供情報が示すサービス提供時刻およびサービス提供場所についての関係が予め決められた条件を満たす場合は、前記条件を満たすサービス提供情報が示すサービス提供時刻に応じた期間を、当該一の通信端末の利用者が当該他の通信端末の利用者と共に行動していた期間として特定する特定手段とを具備することを特徴とする情報処理装置を提供する。
【0007】
また、別の好ましい態様において、前記特定手段は、前記比較手段によって比較されたサービス提供情報のうち、前記条件を満たす前記組が複数であり、各組の前記サービス提供情報が示すサービス提供時刻の関係が予め決められた第2条件を満たす場合には、これらのサービス提供時刻の間の期間を、当該一の通信端末の利用者が当該他の通信端末の利用者と共に行動していた期間として特定することを特徴とする。
【0008】
また、別の好ましい態様において、前記第2条件は、前記各組のサービス提供情報が示すサービス提供時刻の差が、当該各組のサービス提供情報が示すサービス提供場所の関係に応じて定められる時間未満となる条件であることを特徴とする。
【0009】
また、別の好ましい態様において、前記一の通信端末が、予め決められた範囲内の他の通信端末と通信可能な近距離通信手段によって通信をした履歴を示す近距離通信履歴を取得する近距離通信履歴取得手段をさらに具備し、前記特定手段は、近距離通信履歴取得手段によって取得された近距離通信履歴を参照し、当該近距離通信履歴が示す履歴に応じて、前記一の通信端末の利用者が前記近距離通信によって通信した他の端末の利用者と共に行動していた期間をさらに特定することを特徴とする。
【0010】
また、別の好ましい態様において、前記条件は、前記比較手段によって比較されたサービス提供情報が示すサービス提供場所が特定の関係であり、かつ当該サービス提供情報が示すサービス提供時刻の差が予め決められた時間内となる条件であることを特徴とする。
【0011】
また、別の好ましい態様において、前記一の通信端末が基地局を介して他の通信端末と通信を行った通信履歴を取得する通信履歴取得手段をさらに具備し、前記特定手段は、前記通信履歴取得手段によって取得された通信履歴を参照し、前記情報取得手段によって取得されたサービス提供情報のうち、前記一の通信端末が通信した他の通信端末を識別する情報とともに取得されたサービス提供情報であって、当該通信から予め決められた時間が経過するまでの期間内のサービスの提供時刻を示すサービス提供情報について、当該一の通信端末を識別する情報とともに取得されたサービス提供情報と比較するときには、前記条件を緩和させることを特徴とする。
【0012】
また、別の好ましい態様において、前記一の通信端末の利用者が、他の通信端末の利用者と行動を共にする予定の期間を指定するスケジュール情報を取得するスケジュール情報取得手段をさらに具備し、前記特定手段は、前記スケジュール情報取得手段によって取得されたスケジュール情報を参照し、前記情報取得手段によって取得されたサービス提供情報のうち、行動を共にする予定の各利用者の通信端末を識別する情報とともに取得されたサービス提供情報であって、前記予定の期間内のサービスの提供時刻を示すサービス提供情報について、当該一の通信端末を識別する情報とともに取得されたサービス提供情報と比較するときには、前記条件を緩和させることを特徴とする。
【0013】
また、別の好ましい態様において、前記通信端末が通信するときに接続する基地局であって、時刻の進行に伴って変化する接続先の基地局を示す基地局履歴情報を取得する基地局履歴情報取得手段をさらに具備し、前記比較手段は、前記基地局履歴情報取得手段によって取得された前記基地局履歴情報を参照し、前記情報取得手段によって取得されたサービス提供情報のうち、前記一の通信端末と前記他の通信端末とが同一の基地局に接続される期間内のサービスの提供時刻を示すサービス提供情報について比較対象とすることを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、通信端末に対して情報サービスを提供するサービス提供端末によって前記通信端末に情報サービスが提供された時刻を表すサービス提供時刻、および当該サービス提供時刻における情報サービスを提供したサービス提供端末の設置場所を表すサービス提供場所を示すサービス提供情報を取得するとともに、当該サービス提供時刻における情報サービスが提供された通信端末を識別する情報を取得する情報取得過程と、前記情報取得過程において取得されたサービス提供情報のうち、一の通信端末を識別する情報とともに取得されたサービス提供情報と、他の通信端末を識別する情報とともに取得されたサービス提供情報とを比較する比較過程と、前記比較過程において比較されたサービス提供情報が示すサービス提供時刻およびサービス提供場所についての関係が予め決められた条件を満たす場合は、前記条件を満たすサービス提供情報が示すサービス提供時刻に応じた期間を、当該一の通信端末の利用者が当該他の通信端末の利用者と共に行動していた期間として特定する特定過程とを備えることを特徴とする情報処理方法を提供する。
【0015】
また、本発明は、コンピュータを、通信端末に対して情報サービスを提供するサービス提供端末によって前記通信端末に情報サービスが提供された時刻を表すサービス提供時刻、および当該サービス提供時刻における情報サービスを提供したサービス提供端末の設置場所を表すサービス提供場所を示すサービス提供情報を取得するとともに、当該サービス提供時刻における情報サービスが提供された通信端末を識別する情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段によって取得されたサービス提供情報のうち、一の通信端末を識別する情報とともに取得されたサービス提供情報と、他の通信端末を識別する情報とともに取得されたサービス提供情報とを比較する比較手段と、前記比較手段によって比較されたサービス提供情報が示すサービス提供時刻およびサービス提供場所についての関係が予め決められた条件を満たす場合は、前記条件を満たすサービス提供情報が示すサービス提供時刻に応じた期間を、当該一の通信端末の利用者が当該他の通信端末の利用者と共に行動していた期間として特定する特定手段として機能させるためのプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、携帯電話を用いる利用者のうち特定の複数の人が行動を共にした期間を推定することができる情報処理装置、情報処理方法およびプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に係る情報提供システムを説明する図である。
【図2】本発明の実施形態に係る通信端末の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係るサーバの構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施形態に係るサービス履歴情報を説明する図である。
【図5】本発明の実施形態に係る特定期間情報を説明する図である。
【図6】本発明の実施形態に係るサーバの動作を説明するフローチャートである。
【図7】図6における解析処理の内容を説明するフローチャートである。
【図8】本発明の実施形態に係る通信端末Yのサービス履歴情報を説明する図である。
【図9】本発明の実施形態に係る通信端末Zのサービス履歴情報を説明する図である。
【図10】本発明の実施形態に係る比較処理の結果を説明する図である。
【図11】情報提供の要求をするときに、通信端末に表示される画面の一例を説明する図である。
【図12】情報提供の要求に対する応答をするときに、通信端末に表示される画面の一例を説明する図である。
【図13】情報が提供された通信端末に表示される画面の一例を説明する図である。
【図14】変形例1に係るサーバの動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態について説明する。
【0019】
<実施形態>
図1は、本発明の実施形態に係る情報提供システム1を説明する図である。情報提供システム1は、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)などの通信端末10、サーバ20、通信回線30、基地局40およびサービス提供端末50を有している。これらのうち、通信端末10、基地局40およびサービス提供端末50は、複数存在している。複数の基地局40の各々は、通信範囲内の通信端末10と無線により接続して通信を行うことにより各種情報を送受信し、通信回線30を介してサーバ20との間でも各種情報を送受信する。このように、通信端末10は、基地局40のいずれかと無線接続し、通信回線30を介して、他の通信端末10、サーバ20との間で各種情報の送受信を行う。
【0020】
サービス提供端末50は、後述する通信端末10の電子タグ部107を介した通信により、通信端末に対して情報サービスを提供する端末であって、様々な場所に設置される端末である。この情報サービスとは、例えば、電車などの交通機関における改札の入出場を管理するもの、電子通貨を用いた電子決済などの他、特定の店に関する情報(店の位置、特徴、クーポンなど)を示す店情報の提供などがある。なお、情報サービスは、このようなものに限られず、サービス提供端末50と通信端末10との間で電子タグ部107を介した通信により何らかの情報の送受信が行われることも含まれる。また、情報サービスを提供するときの通信は、電子タグ部107を介した通信に限られず、後述する近距離通信部108、赤外線通信部109、インターフェイス111を介した通信によるものであってもよい。
【0021】
次に、通信端末10、サーバ20について順に説明する。複数の通信端末10は、この例においては、3台の通信端末10があるものとして説明し、それぞれ通信端末X、Y、Zとする。そして、通信端末X、Y、Zは、それぞれ利用者X、Y、Zが利用しているものとする。なお、通信端末X、Y、Zをそれぞれ区別しない場合には、単に通信端末10という。まず、通信端末10の構成について図2を用いて説明する。
【0022】
図2は、実施形態に係る通信端末10の構成を示すブロック図である。通信端末10は、制御部101、記憶部102、操作部103、表示部104、音声処理部105、位置測定部106、電子タグ部107、近距離通信部108、赤外線通信部109、通信部110およびインターフェイス111を有し、バスを介して互いに接続されている。
【0023】
制御部101は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを有する。CPUは、ROMに記憶されている制御プログラムを読み出して、RAMにロードして実行することにより、通信端末10の各部について、バスを介して制御し、通話機能、通信機能、後述する処理を行う機能などの各種機能を実現する。また、RAMは、CPUが各データの加工などを行う際のワークエリアとして機能する。
【0024】
記憶部102は、例えば、不揮発性メモリなどの大容量記憶手段であって、以下に説明する各種情報を記憶する。なお、記憶部102は、外付けの不揮発性メモリなどの記録媒体を、接続インターフェイスなどを介して接続したものであってもよい。
【0025】
記憶部102に記憶されている情報は、アドレス帳情報、スケジュール情報、通信履歴情報、基地局履歴情報、移動履歴情報および動作履歴情報を有する。動作履歴情報は、基地局40を介さずに通信端末10間で直接行われる動作、通信端末10とサービス提供端末50との間で行われる動作に関する履歴を示す情報であって、この例においては、動作の種類に対応して、サービス履歴情報、近距離通信履歴情報および赤外線履歴情報を有している。これらの各種情報についての説明は後述する。なお、この例においては、通信端末Y、Zについては、後述するように位置測定部106を有しない構成であるため、移動履歴情報についても記憶されない。
【0026】
操作部103は、数字キーなどの操作ボタンなどを有し、利用者が操作ボタンを操作するとその操作内容を表すデータが制御部101へ出力される。利用者は、操作ボタンを操作することによって、後述する各種通信制御、通話、文字入力、各種設定などの様々な指示を行う。
【0027】
表示部104は、表示画面1040に画像を表示する液晶ディスプレイなどの表示デバイスである。表示部104は、制御部101の制御により、表示画面1040に画像を表示する。表示画面1040に表示される表示される画像は、操作に応じた表示、メニュー表示、後述する情報提供に係る表示などの各種表示である。
【0028】
音声処理部105は、マイクロフォン、スピーカ、およびDSP(Digital Signal Processor)などの音声処理回路を有し、マイクロフォンによる収音内容を示す収音信号を音声処理回路により生成して出力するとともに、制御部101の制御により入力される音声信号を音声処理回路により音声処理を行って、音声信号に係る音をスピーカから出力させる。
【0029】
位置測定部106は、例えば、GPS技術を用いて自端末の位置を測定し、測定した位置を示す情報、この例においては、北緯、東経により表される座標を出力する。この例においては、通信端末Xは位置測定部106を有しているが、通信端末Y、Zについては位置測定部106を有していないものとする。なお、自端末の位置の測定を行うことができるものであれば、GPS技術を用いたものに限られない。
【0030】
電子タグ部107は、RFID(Radio Frequency IDentification)技術を用いて、通信距離(この例においては、数cm程度)内の近接したサービス提供端末50と無線通信を行う機能を有し、通信に利用されるアンテナおよび通信により送受信される情報、提供を受けたいサービスに応じたアプリケーション、提供された情報などを記憶する記憶領域、電子タグ部107の各機能を制御する制御回路を有している。
【0031】
電子タグ部107の記憶領域は、制御部101の制御により、記憶している情報が読み出されたり、情報が新たに書き込まれたりする。制御部101によって読み出される情報は、例えば、サービスが提供された時刻を示すサービス提供時刻、また、サービスを提供したサービス提供端末50が設置場所を示すサービス提供場所である。このサービス提供場所は、必ずしも座標などにより示されるものに限られず、サービスの提供内容(〇〇駅改札出場、××店電子決済など)によって示されるものであってもよいし、サービスを提供したサービス提供端末50の名称(端末識別IDなど)で示されるものであってもよく、サービスの提供を受けた場所を特定できる情報であればよい。サービス提供端末50から情報サービスの提供を受けると、電子タグ部107は、このようなサービス提供時刻、サービス提供場所を示す情報を、そのサービス提供端末50から取得し、電子タグ部107の記憶領域に記憶する。
【0032】
近距離通信部108は、例えば、Bluetooth(登録商標)などの技術を用いて、通信範囲(この例においては、数m程度)内の他の通信端末10との間で、基地局40を介さずに直接無線通信を行う。利用者の設定により、通信範囲内の他の通信端末10が存在するときには、通信端末10に対して特別な操作を行わなくても、その通信端末10と自動的に通信が行われるようにすることもできる。近距離通信部108により通信が行われる通信相手の通信端末10を特定する情報、またその通信端末10との通信が行われる期間については、制御部101によって取得されるようになっている。なお、ここでいう通信とは、利用者の指示により情報の送受信を行うだけでなく、無線により接続されている状態も含むものとする。
【0033】
赤外線通信部109は、赤外線を用いて、通信範囲(この例においては、数十cm程度)内の他の通信端末10との間で、基地局40を介さずに直接無線通信を行う。赤外線通信部109によって他の通信端末10との間で、情報の送受信を行った時刻については、制御部101によって取得されるようになっている。
【0034】
通信部110は、制御部101の制御に応じて、通信範囲内の基地局40と無線接続して通信を行う。この通信によって、通信端末10の利用者間による通話、電子メールの送受信、サーバ20との間で各種情報の送受信が行われる他、通信回線30からさらにインターネットなどのネットワークに接続して情報の遣り取りなどを行う。通信部110により通信が行われる通信相手の通信端末10を特定する情報、またその通信端末10との通信が行われる期間については、制御部101によって取得されるようになっている。また、通信部110によって無線接続している基地局40を特定する情報が、制御部101によって取得されるようになっている。
【0035】
インターフェイス111は、例えば、外部装置と有線接続する接続端子などであって、接続した外部装置と各種情報の送受信を行う。この送受信についても、相手の通信端末10を特定する情報、またその通信端末10との情報の送受信を行った時刻について、制御部101によって取得されるようになっていてもよい。以上が、通信端末10の構成についての説明である。次に、サーバ20の構成について図3を用いて説明する。
【0036】
図3は、実施形態に係るサーバ20の構成を示すブロック図である。サーバ20は、制御部201、記憶部202、操作部203、表示部204および通信部210を有し、バスを介して互いに接続されている。
【0037】
制御部201は、CPU、ROM、RAMなどを有する。CPUは、ROMに記憶されている制御プログラムを読み出して、RAMにロードして実行することにより、サーバ20の各部について、バスを介して制御し、複数の通信端末10から取得した各種情報を用いて複数の通信端末10の利用者が共に行動していた期間を特定するための解析処理、その期間における通信端末10の位置に応じた情報を提供する処理などを実現する。また、RAMは、CPUが各データの加工などを行う際のワークエリアとして機能する。
【0038】
記憶部202は、例えば、ハードディスク、不揮発性メモリなどの大容量記憶手段であって、後述するようにして通信部210により通信端末10から取得した各種情報(動作履歴情報、移動履歴情報などの記憶部102に記憶されている情報)を、取得した各通信端末10に対応して記憶する。なお、上述したように、通信端末Y、Zについては、位置測定部106を有していないため、移動履歴情報が記憶部102に記憶されることは無いから、通信端末Y、Zに対応する移動履歴情報は記憶部202にも記憶されない。
【0039】
また、記憶部202には、移動履歴情報を有する通信端末10(この例においては、通信端末X)に対応して、後述する解析処理により得られる特定期間情報についても各通信端末10に対応して記憶される。これらの各種情報についての説明は後述する。
【0040】
操作部203は、キーボード、マウスなどの操作子を有し、サーバ20の管理者が操作子を操作するとその操作内容を表すデータが制御部201へ出力される。管理者は、操作子を操作することによって、各種設定の指示などを行う。
【0041】
表示部204は、表示画面に画像を表示する液晶ディスプレイなどの表示デバイスである。表示部204は、制御部201の制御により、表示画面に画像を表示する。表示画面に表示される表示される画像は、操作に応じた表示、メニュー表示、設定画面表示などの各種表示である。
【0042】
通信部210は、制御部201の制御に応じて、通信回線30を介して各基地局40に無線接続される通信端末10との間で各種情報を送受信する。以上が、サーバ20の構成についての説明である。次に、通信端末10の記憶部102、サーバ20の記憶部202に記憶される各種情報について説明する。
【0043】
アドレス帳情報は、通信端末10を利用する利用者の名称、電話番号、電子メールアドレスなどが対応付けられた情報を有している。スケジュール情報は、通信端末10を利用する利用者の行動予定などを示す情報であって、例えば、時刻または時間帯と、行動予定とが対応付けられた情報を有している。行動予定には、例えば、行動場所、同行者などがあり、これにより、同行者と行動を共にする期間の予定を示すものとなる。この同行者についてはアドレス帳情報に含まれている利用者の名称と対応するものがあれば、これらは対応付けられたものとなる。なお、アドレス帳情報については、サーバ20の記憶部202に記憶されていなくてもよい。
【0044】
通信履歴情報は、通信端末10が通信部110を用いて他の通信端末10と通信を行った結果生成され、通信相手の通信端末10と、通信が行われた期間とが対応付けられた情報が履歴として記録されている。基地局履歴情報は、通信部110によって基地局40と無線接続することにより生成され、通信端末10が通信部110によって無線接続している基地局40と、その基地局40に無線接続している期間とが対応付けられた情報が履歴として記録されている。すなわち、基地局履歴情報は、時刻の進行に伴って変化する接続先の基地局40を示すものである。
【0045】
移動履歴情報は、位置測定部106により自端末の位置が測定された結果生成され、この自端末の位置と、測定された時刻とが対応付けられた情報が履歴として記録されている。移動履歴情報の内容により、携帯端末10の利用者がどの時刻にどの位置にいたか特定することができ、また時刻の進行に伴う位置の変化により移動経路についても特定することができる。
【0046】
近距離通信履歴情報は、通信端末10が近距離通信部108を用いて他の通信端末10と通信を行った結果生成され、通信相手の通信端末10と、通信が行われた期間とが対応付けられた通信情報が履歴として記録されている。赤外線通信履歴情報は、通信端末10が赤外線通信部109を用いて他の通信端末10と通信を行った結果生成され、通信相手の通信端末10と情報の送受信が行われた時刻を示す通信情報が履歴として記録されている。
【0047】
サービス履歴情報は、通信端末10が電子タグ部107を用いてサービス提供端末50から情報サービスの提供を受けることにより生成され、サービス提供時刻とサービス提供場所とが対応付けられたサービス提供情報が履歴として記録されている。サービス提供情報は、電子タグ部107の記憶領域に記憶されている情報から取得し、サービス提供場所が示す内容については、上述したように電子タグ部107の記憶領域に記憶されているものと同様である。サービス履歴情報は、例えば図4に示すような情報である。
【0048】
図4は、通信端末10(この例においては、通信端末X)の記憶部102に記憶されたサービス履歴情報を説明する図である。このようなサービス履歴情報が生成される過程について、説明する。
【0049】
通信端末Xの利用者Xは、4月1日の10:00において、サービス提供端末A(以下、特定のサービス提供端末50については、その名称としてサービス提供端末A、B、・・・(以降の図中においては、端末A、B・・・と記載)といい、それぞれを区別しない場合には、サービス提供端末50という)に通信端末Xを近接させてA駅の改札を出場する(情報サービスの提供を受ける)と、これらの情報が電子タグ部107の記憶領域に記憶される。
【0050】
そして、制御部101は、この記憶領域に記憶された情報から、サービス提供時刻(4/1 10:00)とサービス提供場所(A駅改札出場(端末A))とを対応付けたサービス提供情報を取得して、記憶部102に記憶されているサービス履歴情報に追加する。なお、この例においては、サービス提供端末50の名称についてもサービス提供場所を示す情報に含まれるものとしているが、上述したように、この名称については含まれていなくてもよい。
【0051】
次に、利用者Xは、4月1日の13:00において、サービス提供端末Bに通信端末Xを近接させてB店において、電子決済をする(情報サービスの提供を受ける)と、これらの情報が電子タグ部107の記憶領域に記憶される。そして、制御部101は、この記憶領域に記憶された情報から、サービス提供時刻(4/1 13:00)とサービス提供場所(B店決済(端末B))とを対応付けたサービス提供情報を取得して、記憶部102に記憶されているサービス履歴情報に追加する。以下、情報サービスの提供を受けると、サービス履歴情報にサービス提供情報が追加されていくように繰り返される。以上がサービス履歴情報の説明である。次に、特定期間情報について、図5を用いて説明する。
【0052】
図5は、サーバ20の記憶部202において記憶される特定期間情報を説明する図である。この特定期間情報は、後述する解析処理により得られる情報であり、特定期間情報に対応する通信端末10の利用者と行動を共にしていた利用者(以下、同行者ともいう)が利用する通信端末10と、行動を共にしていた期間とを対応付けた情報である。図5に示す例においては、通信端末Xに対応して記憶されている特定期間情報であり、4月1日の10:00から13:00までの期間は通信端末Y、Zの利用者Y、Zが利用者Xの同行者であることを示し、13:00から15:30までは同行者が無く、15:30から20:50まで利用者Xの同行者が利用者Yであることを示している。以上が、通信端末10の記憶部102、サーバ20の記憶部202に記憶される各種情報の説明である。
【0053】
次に、情報提供システム1の動作のうち、サーバ20の制御部201が制御プログラムを実行することによって実現される処理について図6、図7を用いて説明するが、この処理が行われる前の通信端末X、Y、Zの利用者X、Y、Zの行動を先に説明する。そして、その行動の結果、通信端末X、Y、Zにおいて生成される各種情報を例としながら、サーバ20に係る処理の説明をする。なお、以下に説明する処理については、説明を容易にするため、通信端末X、Y、Zとの関係として説明するが、実際には、複数の通信端末10における関係として処理が行われるものとしてもよいし、予め設定された特定の数の通信端末10に対して処理が行われるものとしてもよい。
【0054】
まず、利用者X、Y、Zの4月1日の行動について、時系列順に説明する。
(1)10:00頃、利用者X、Y、Zは、A駅の改札付近で待ち合わせる。
(2)10:40、赤外線通信部109を用いた赤外線通信により、通信端末Xから通信端末Y、Zに対して情報(写真のデータなど)の送信を行う。
(3)11:30から、利用者X、Y、Zは、B店において昼食をとる。食事中(11:30から12:50)において、通信端末X、Y、Zは、互いに1〜2m程度の範囲内に位置することになり、近距離通信部108における通信が開始される。一時的に利用者の1人が離席するなどして近距離通信部108による通信が切断される状況もある。
(4)13:00頃、利用者X、Y、Zは、B店において、それぞれ通信端末X、Y、Zを用い電子決済を行って店を出る。この後、利用者X、Y、Zは、別行動を開始する。
(5)13:30、利用者Zは、A駅の改札を通って帰宅の途につく。
(6)15:00、利用者Xは、別行動中のある施設内において、サービス提供端末CからC情報(例えば、E店に関する情報など)を取得する。同じ頃、利用者Yも、ある施設内におけるサービス提供端末FからF情報(例えば、F店における割引クーポンなど)を取得する。この例においては、サービス提供端末C、Fはそれぞれ、異なる施設内に設置されているものとする。その後、利用者X、Yは再会する。
(7)15:30、赤外線通信部109を用いた赤外線通信により、通信端末Xから通信端末Yに対して情報(C情報など)の送信を行う。
(8)15:50、赤外線通信部109を用いた赤外線通信により、通信端末Yから通信端末Xに対して情報(F情報など)の送信を行う。
(9)16:30、利用者X、Yは、A駅の改札から駅内に入場し、電車にてD駅に移動する。
(10)16:50、利用者X、Yは、D駅の改札から駅外に出場する。
(11)17:30から利用者X、Yは、E店において夕食をとる。食事中(17:30から19:50)において、通信端末X、Yは、互いに1〜2m程度の範囲内に位置することになり、近距離通信部108における通信が開始される。一時的に利用者の1人が離席するなどして近距離通信部108による通信が切断される状況もある。
(12)20:00頃、利用者X、Yは、E店において、それぞれ通信端末X、Yを用い電子決済を行って店を出る。
(13)20:50、利用者X、Yは、D駅の改札から駅内に入場し、それぞれ別れて電車に乗り帰宅の途につく。
【0055】
以上が、利用者X、Y、Zの4月1日の行動である。次に、サーバ20の制御部201が制御プログラムを実行することによって実現される処理を説明する。この処理の開始タイミングは、管理者による操作部203の操作などによって設定されたタイミング、予め設定された間隔、通信端末10の利用者が通信端末10の操作部103を操作して、サーバ20に対して処理開始の指示をしたタイミングなどである。
【0056】
図6は、サーバ20の動作を説明するフローチャートである。まず、サーバ20は、各通信端末10(通信端末X、Y、Z)の記憶部102に記憶されている各種情報を、各通信端末10から受信して取得し、取得元の通信端末10に対応させて記憶部202に記憶する処理、すなわち情報取得処理(ステップS100)を行う。
【0057】
このとき、各種情報を取得するとともに、取得元の通信端末10を識別する情報をあわせて取得することによって、取得元の通信端末10を特定する。このようにして取得された各種情報は、上述した利用者X、Y、Zの行動に基づいた情報であり、例えば、通信端末X、Y、Zからそれぞれ取得したサービス履歴情報については、それぞれ、図4、図8、図9に示すようなものとなっている。
【0058】
図8、図9は、それぞれ通信端末Y、Zの記憶部102に記憶されたサービス履歴情報の一例である。図4に示すような通信端末Xに係るサービス履歴情報、図8に示すような通信端末Yに係るサービス履歴情報、図9に示すような通信端末Zに係るサービス履歴情報は、それぞれ、上述のようにして利用者X、Y、Zの行動により生成されたサービス提供情報の履歴を示すものである。
【0059】
ここでは、サーバ20によって取得された通信端末X、Y、Zにおけるサービス履歴情報について説明したが、利用者X、Y、Zの行動により生成された動作履歴情報(近距離通信履歴情報および赤外線通信履歴情報)の他、移動履歴情報についても、サービス履歴情報と同様に取得する。この例においては、これらの情報以外のアドレス帳情報、スケジュール情報、通信履歴情報、基地局履歴情報についても取得する。次に、サーバ20は、解析処理(ステップS110)を行う。解析処理についての詳細について、図7を用いて説明する。
【0060】
図7は、解析処理(ステップS110)の内容を説明するフローチャートである。サーバ20の制御部201は、解析処理を行うときには、それぞれの通信端末10を基準として、基準となる通信端末10の利用者と、その他の通信端末10の利用者とが共に行動していた期間を特定するための解析を行う。この例においては、位置測定部106を有し、移動履歴情報を記憶する通信端末10(通信端末X)を基準として解析を行うものとする。すなわち、利用者Xが、その他の利用者Y、Zと共に行動していた期間を特定するための解析を行う。
【0061】
まず、サーバ20の制御部201は、まず、事前判定処理(ステップS111)を行う。事前判定処理とは、スケジュール情報、通信履歴情報、基地局履歴情報を参照し、それぞれの通信端末10の利用者が行動を共にしていた期間を特定するにあたり、行動を共にする可能性の程度を期間に応じて事前に判定する処理である。具体的には、以下のようにして行う。
【0062】
制御部201は、通信端末Xに対応するスケジュール情報を参照し、行動予定に、他の利用者Yと行動を共にする予定の期間が示されている場合には、その期間については、利用者Yと行動を共にする期間である可能性が高いものとして判定される。利用者Zに対しても同様である。このとき、通信端末Y、Zについてのスケジュール情報を参照して、利用者Xと行動を共にする予定の期間が示されているかについても可能性の程度についての判定の対象としてもよい。
【0063】
また、制御部201は、通信端末Xに対応する通信履歴情報を参照し、最後に通信部110に通信端末Yに対して通信が行われた時刻から予め決められた時間が経過するまでの期間については、その通信が行われた通信端末Yの利用者Yと行動を共にする期間である可能性が高いものとして判定される。利用者Zに対しても同様である。なお、電子メールなどの文字情報を用いた通信であった場合には、その文字情報を解析するなどして、これから行動を共にすることに関する内容であれば、行動を共にする期間である可能性が高いものとして判定されるようにしてもよい。同様に、通話などの音声情報を用いた通信であった場合には、その音声情報を解析するなどして、これから行動を共にすることに関する内容であれば、行動を共にする期間である可能性が高いものとして判定されるようにしてもよい。
【0064】
また、制御部201は、通信端末Xに対応する基地局履歴情報と、通信端末Yに対応する基地局履歴情報とを参照し、通信端末Xと通信端末Yとが同一の基地局40に無線接続する期間において、利用者Yと行動を共にする期間である可能性があるものとして判定される。したがって、異なる基地局40となる期間においては、共に行動していない期間となり、後述する特定処理において特定される期間の対象外の期間として扱われる。利用者Zに対しても同様である。この例においては、4月1日の9:30から21:30までは通信端末X、Y、Zともに、同一の基地局40と無線接続されているものとする。
【0065】
制御部201は、上述したような各判定結果を用いて予め決められた算出方法によって、様々な期間に対応して、利用者毎に共に行動していた可能性の程度を総合的に判定する。この判定結果については、後述する特定処理(ステップS113)において用いられるが、以下の説明においては、可能性の程度は期間、利用者によらず一定であるものとして説明する。以上が、事前判定処理の説明である。
【0066】
次に、制御部201は、比較処理(ステップS112)を行う。比較処理とは、各通信端末10に対応する動作履歴情報を動作の種類毎に比較して、各通信端末10の利用者が共に行動していた時刻(または期間)を解析して推定する処理である。具体的には、以下のようにして行う。
【0067】
まず、制御部201は、通信端末Xに対応するサービス履歴情報の各サービス提供情報と、通信端末Yに対応するサービス履歴情報の各サービス提供情報とを比較して、サービス提供時刻およびサービス提供場所についての関係が予め決められた条件を満たす組を抽出する。この条件とは、例えば、予め決められた特定の関係(この例においては、同一である関係)にあるサービス提供場所であり、そのサービス提供時刻の差が予め決められた時間内(この例においては、2分間)となる関係である。通信端末Zとの関係においても同様に処理する。
【0068】
例えば、通信端末Xのサービス履歴情報のうち、「4/1 10:00」「A駅改札出場(端末A)」を表すサービス提供情報について、通信端末Yのサービス履歴情報のうち条件を満たすサービス提供情報は、「10:01」「A駅改札出場(端末A)」であり、通信端末Zのサービス履歴情報のうち条件を満たすサービス提供情報は、「9:58」「A駅改札出場(端末A)」である。これらのサービス提供情報が組として抽出される。
【0069】
また、制御部201は、通信端末Xに対応する赤外線通信履歴情報の通信情報と、通信端末Yに対応する赤外線通信履歴情報の通信情報とを比較して、同一時刻(予め設定された時間差があってもよい)に送受信が行われている通信情報の組を抽出する。通信端末Zとの関係においても同様に処理する。
【0070】
また、制御部201は、通信端末Xに対応する近距離通信履歴情報から通信端末Yと通信を行っている期間を示す通信情報を抽出する。このとき、通信が切断されている期間があったとしても、その期間が予め決められた時間内(例えば、10分間)であれば、その期間については、一時的に通信が切断されただけであるものとして、通信が行われていた期間として扱うようにしてもよい。通信端末Zとの関係においても同様に処理する。
【0071】
このようにして、上述した利用者X、Y、Zの行動に応じて得られた動作履歴情報について、通信端末Xを基準として比較処理を行った結果抽出された情報をリスト化すると、図10に示すようなリストとなる。
【0072】
図10は、通信端末Xを基準とした比較処理の結果を説明する図である。リストの項目の「時刻」については、組として抽出された情報のうち通信端末Xに対応する情報に係る時刻(または期間)などを示し、「抽出内容」については、上述したようにして抽出した情報の内容を示し、「通信端末」については、比較対象とした動作履歴情報に対応する通信端末10を示している。そして、図10に示すリストは、これらについて、抽出された情報を時刻順に並べたものである。
【0073】
このリストにおける各時刻において、各時刻に対応する通信端末Y、Zの利用者Y、Zは、通信端末Xの利用者Xと同じ場所にいたものとして推定することができる。例えば、「10:40」には、通信端末X、Y、Zにおいて赤外線通信がなされていることから、利用者X、Y、Zが同じ場所にいたものとして推定され、また、「16:30」には、通信端末X、YにおいてA駅改札入場が行われていることから、利用者X、Yが同じ場所にいたものとして推定される。以上が比較処理についての説明である。
【0074】
次に、制御部201は、特定処理(ステップS113)を行う。特定処理とは、比較処理において抽出された情報の各組についての時刻の関係に応じて算出される期間を、基準となる利用者Xが利用者Y、Zと共に行動していた期間として特定する処理である。具体的には、以下のようにして行う。
【0075】
まず、制御部201は、比較処理において抽出された情報の各組の時刻の差を算出し、予め決められた条件(この例においては、1時間以内)を満たす場合には、その時刻間の期間については、共に行動していた期間として特定する。なお、予め決められた条件は、上述した事前判定処理において判定された可能性の程度に応じて変化するようにしてもよい。例えば、可能性の程度が高い期間が「10:00」から「13:00」だとした場合には、その期間については、予め決められた条件について、より共に行動していた期間とされやすいように緩和させ、元の条件である1時間以内より長い時間、例えば、2時間以内などとすればよい。
【0076】
このようにして、制御部201は、通信端末Xを利用する利用者Xは、通信端末Yを利用する利用者Yと、「10:00」から「13:00」まで、および「15:30」から「20:50」までの期間において、共に行動していた期間として特定する。また、制御部201は、通信端末Xを利用する利用者Xは、通信端末Zを利用する利用者Zと、「10:00」から「13:00」までの期間において、共に行動していた期間として特定する。
【0077】
そして、制御部201は、このようにして特定した期間およびその期間において、利用者Xと共に行動していた利用者が利用する通信端末10を示す同行者通信端末を対応付けた特定期間情報を生成し、基準となる利用者Xが利用する通信端末Xに対応させて記憶部202に記憶する。このようにして生成された特定期間情報は、上述した図5に示すようなものとなる。以上が特定処理について説明である。
【0078】
図6に戻って説明を続ける。上述のようにして解析処理(ステップS110)が終了すると、サーバ20は、要求情報の取得を待つ(ステップS120;No)。要求情報は、通信端末10から送信されるものであり、特定の利用者と共に行動をしていたときの移動履歴に関する情報の提供を要求する情報である。
【0079】
要求情報は、通常、位置測定部106を有しない通信端末Y、Zから送信され、位置測定部106を有する通信端末Xからは送信されることは稀である。通信端末Xの利用者Xは、自端末またはサーバ20に記憶された移動履歴情報を参照し、その移動履歴に関する情報を取得すればよいが、位置測定部106を有しない通信端末Y、Zの利用者Y、Zにおいては、自端末についての移動履歴情報が存在しないため、通信端末Xに係る移動履歴情報を参照しなければ、特定の時刻における位置を知ることができないからである。ここで、要求情報を送信する前に通信端末10の表示画面1040に表示される内容および設定について説明する。
【0080】
図11は、情報提供の要求をするときに、通信端末10に表示される画面の一例を説明する図である。利用者が通信端末10を操作して、情報提供の要求に係る処理を開始させると、通信端末10の表示画面1040には、行動を共にした「同行者」を指定する同行者選択ボックスSB1(アドレス帳情報に含まれる利用者の名称から選択)が表示される。なお、サーバ20から、記憶されている特定期間情報に対応する通信端末10を識別する情報を取得して、その通信端末10の利用者を同行者選択ボックスSB1における選択対象とされるようにしてもよい。
【0081】
また、表示画面1040には、行動を共にした期間として「日付」を選択する月選択ボックスSB2(1から12)、日選択ボックスSB3(1から31)、「時間」を選択する時間選択ボックスSB4(0から24、その他)が表示される。時間選択ボックスSB4においては、時間帯として期間の選択、または未設定(当日中全部の時間帯0時から24時)も可能となっている。
【0082】
また、表示画面1040には、情報の「提供内容」として、「位置」、「施設名」、「サービス内容」、「周辺情報」を選択するボタンB1、B2、B3、B4についても表示される。
【0083】
利用者は、通信端末10を操作して、それぞれの項目についての選択をした後、送信ボタンB5を操作すると、選択された内容の情報提供を要求する要求情報がサーバ20に送信される。このとき、同行者については、アドレス帳情報を参照して、同行者として選択された利用者が利用する通信端末を識別する情報に変換される。
【0084】
図10に戻って説明を続ける。これにより、サーバ20が通信端末10から要求情報を受信して取得する(ステップS120;Yes)と、制御部201は、取得した要求情報を参照して、要求情報が示す通信端末10に対応する特定期間情報を参照し、要求情報を送信してきた通信端末10が同行者通信端末に含まれている期間と、要求情報が示す期間とを比較し、重複する期間が存在するか否かにより情報提供が可能な範囲に該当するか否かを判定する(ステップS130)。
【0085】
比較した結果、重複する期間がない場合には、情報提供が可能な範囲ではないと判定(ステップS130;No)し、エラー処理を行う(ステップS170)。ここで、要求された情報提供に係る通信端末10に対応する特定期間情報が存在しない場合など、提供する情報が存在しない場合にも、情報提供が可能な範囲ではないと判定するようにしてもよい。エラー処理とは、サーバ20から要求情報を送信した通信端末10に対して、情報提供をすることができないことなどを示す情報の送信を行って、その通信端末10の利用者に通知する処理である。そして、エラー処理の後は、次の要求情報の取得に備える(ステップS120;No)。
【0086】
一方、比較した結果、重複する期間(以下、情報提供期間という)が存在する場合には、情報提供が可能な範囲であると判定(ステップS130;Yes)し、要求情報が示す通信端末10に対して、情報の提供許可を確認する処理を行う(ステップS140)。これにより、情報の提供許可の確認がされる通信端末10の表示画面1040には、許可するか否かの応答のための表示が行われる。これは、例えば、図12に示すような表示となる。
【0087】
図12は、情報提供の要求に対する応答をするときに、通信端末10に表示される画面の一例を説明する図である。この表示例は、通信端末Xの表示画面1040に表示される例であり、サーバ20において取得した要求情報は通信端末Yから送信されたものであり、要求情報が示す通信端末は「通信端末X」であり、期間としては「4月1日(時間は未設定)」である場合を示している。
【0088】
図12に示すように、表示画面1040には、情報提供についての許可を求める表示ウインドウW1、YesボタンB6、NoボタンB7が表示される。そして、利用者Xは、通信端末Xを操作して、YesボタンB6を操作すると、情報の提供を許可することを示す応答情報がサーバ20に送信される一方、NoボタンB7を操作すると、情報の提供を許可しないこと示す応答情報がサーバ20に送信される。
【0089】
図10に戻って説明を続ける。サーバ20は、情報の提供を許可しないことを示す応答情報を受信(ステップS150;No)すると、エラー処理(ステップS170)を行う。一方、情報の提供を許可することを示す応答情報を受信(ステップS150;Yes)すると、要求情報を送信してきた通信端末10に対して、情報提供期間について、要求情報が示す通信端末10(通信端末X)に対応する移動履歴情報に関する情報を送信(ステップS160)する。その後、次の要求情報の取得に備える(ステップS120;No)。
【0090】
移動履歴に関する情報とは、要求情報が示す情報提供内容に応じたものであり、「位置」であれば情報提供期間における移動経路を示す情報、「施設名」であれば情報提供期間において情報サービスの提供を受けた施設の情報(施設名、営業時間、URLなどをサービス提供場所から検索)、「サービス内容」であれば情報提供期間において提供された情報サービスの内容を示す情報、「周辺情報」であれば情報提供期間における移動経路付近における店舗、施設、提供されているサービスなどを示す情報である。
【0091】
これらの情報は、サーバ20の記憶部202に、位置を示す情報などに関連付けられて予め記憶されていてもよいし、サーバ20がインターネットなどのネットワークを介して、移動経路の各位置に関連する情報を検索するなどして取得するようにしてもよい。なお、これらの情報は一例であって、移動履歴を用いて得られる情報であればどのような情報も含まれる。
【0092】
ここで、通信端末Y、Zの利用者Y、Zが、「同行者」を通信端末Xの「利用者X」、「期間」を「4月1日(時間は未設定)」とし、「提供内容」を「位置」として選択して、情報の提供を要求した場合であって、それぞれの通信端末Y、Zに対して情報が提供されたときの表示画面1040に表示される例について説明する。
【0093】
図13は、情報が提供された通信端末10に表示される画面の一例を説明する図であり、図13(a)は通信端末Y、図13(b)は通信端末Zにおける表示例を示している。図13(a)、(b)に示すように、表示画面1040には、通信端末Xに対応する移動履歴情報のうち情報提供期間における移動履歴を地図上に表示する行動履歴ウインドウW2が表示される。この例においては、移動履歴は移動経路GLとして表示され、上述した比較処理(ステップS112)において抽出された情報に係る時刻(または期間)における移動経路GL上の位置Mとその時刻(または期間)についても表示される。
【0094】
そして、通信端末Yの操作によって、地図上に表示されるポインタPを移動経路GL上で移動させると、詳細情報ウインドウW3に、ポインタPの位置に関する情報が表示されるようになっている。この例においては、詳細表示ウインドウW3には、その位置にいた時刻(または時間帯)、その位置における施設名、その施設に関する情報、その時刻(または時間帯)における同行者が表示されている。なお、図13(a)と図13(b)とにおいて表示内容が異なるのは、特定期間情報の内容により情報提供期間が通信端末Yと通信端末Zとで異なることによる。以上が、サーバ20の動作についての説明である。
【0095】
このように、本発明の実施形態に係る情報提供システム1は、サーバ20において、各通信端末10における動作履歴情報などを取得し、各通信端末10の動作履歴情報を解析することにより得られる期間を、各通信端末10の利用者同士が共に行動していた期間として特定する。したがって、共に行動していた複数の利用者の通信端末10の全てにおいて移動履歴を残せなくても、各通信端末10の動作の履歴から、その利用者同士が共に行動していた期間を特定することができる。
【0096】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は以下のように、さまざまな態様で実施可能である。
【0097】
<変形例1>
上述した実施形態において、解析処理(ステップS110)は、要求情報が取得される前に行っていたが、図14に示すように、要求情報が取得された後に行ってもよい。
【0098】
図14は、変形例1に係るサーバの動作を説明するフローチャートである。実施形態における動作とは解析処理が行われるタイミングが入れ替わっただけであるから、変形例1における解析処理(ステップSA110)以外については、それぞれの詳細の説明は省略する。
【0099】
変形例1における解析処理(ステップSA110)は、要求情報が取得されてから行われる処理であるため、要求情報を送信した通信端末10と、要求情報が示す同行者が使用する通信端末10との関係において、事前判定処理、比較処理、特定処理を行えばよい。より具体的には、比較処理において、これらの通信端末10間において、動作履歴情報の比較を行うようにすればよい。例えば、通信端末Yから要求情報が送信され、要求情報が示す同行者が通信端末Xの利用者Xである場合には、通信端末X、Yの関係において各処理を行えばよい。
【0100】
また、上述した実施形態における解析処理(ステップS110)と、情報提供に係る処理(ステップS120〜ステップS170)とについては、処理順の前後関係を規定せず、並列して処理されていてもよい。サーバ20は、この場合であって、要求情報を取得したときに、解析処理が終了していないことなどにより、要求に係る特定期間情報が生成されていない場合には、エラー処理(ステップS170)としてもよいし、特定期間情報が生成されるまで待ってから後の処理を行うようにしてもよい。
【0101】
<変形例2>
上述した実施形態において、サーバ20は、各通信端末10から受信して取得する各種情報は、それぞれ履歴を示す履歴情報の態様として取得していたが、随時通信端末10から履歴を構成する各情報単位で取得して、記憶部202に記憶される履歴情報に追加していくようにしてもよい。この場合においても、実施形態における場合と同様、情報を送信する通信端末10は、自端末を識別する情報についても送信する。
【0102】
この場合、サービス履歴情報についての例を示すと、通信端末10は、情報サービスの提供を受けると、サービス提供情報としてサーバ20に送信し、サーバ20は、取得したサービス提供情報を、その通信端末10に対応して記憶部202に記憶されているサービス履歴情報に追加していくようにする。このような処理は、サービス履歴情報に限らず、その他の各種情報についても同様であり、例えば、移動履歴情報であれば、位置測定部106により位置が測定されると、その位置を示す情報と測定時刻を示す情報を通信端末10がサーバ20に対して送信する。なお、このような通信端末10からサーバ20への情報の送信は、全てリアルタイムに行われる必要は無く、一定時間毎に行われるようにしてもよい。この場合には、一定時間分の履歴情報として送信される。
【0103】
<変形例3>
上述した変形例2において、サーバ20は、通信端末10からサービス提供情報を受信することにより取得していたが、サービス提供端末50から受信して取得するようにしてもよい。この場合、サービス提供端末50は、通信回線30、ネットワークなどを介してサーバ20と通信可能な構成を有するようにし、通信端末10に情報サービスを提供すると、サーバ20に対して、サービス提供情報および情報サービスを提供した通信端末10を識別する情報を送信するようにすればよい。
【0104】
<変形例4>
上述した実施形態において、基地局履歴情報については、通信端末10において記憶されているものをサーバ20が取得するようにしていたが、サーバ20が基地局40に無線接続されている通信端末10の情報を取得するようにすれば、通信端末10から取得しなくてもよい。この場合には、通信端末10において基地局履歴情報が記憶されていないものとしてもよい。通信履歴情報についても同様に、通信端末10から取得するのではなく、通信を管理する通信管理装置などから取得してもよい。
【0105】
<変形例5>
上述した実施形態において、アドレス帳情報における情報に、情報提供を許可するか否かの設定情報をさらに対応付けたものとしてもよい。このようにすれば、ステップS140における情報の提供許可を確認する処理において、要求情報が示す通信端末10(通信端末X)に対して、この処理を行うのではなく、この通信端末10(通信端末X)に対応して記憶部202に記憶されているアドレス帳情報を参照して、要求情報を送信した通信端末10(通信端末Y、Z)の利用者に対応する設定情報の内容により、ステップS150における判定を行うようにすればよい。
【0106】
なお、この処理について、サーバ20においてアドレス帳情報を取得していない場合であっても、要求情報が示す通信端末10の制御部101が、記憶部102に記憶されているアドレス帳情報を参照して、サーバ20に対して自動的に応答を行うようにしてもよい。
【0107】
また、設定情報の内容が情報提供を許可しないものである場合に、要求情報が示す通信端末10に対しての処理を行わずにエラー処理(ステップS170)とし、情報提供を許可するものである場合に、実施形態と同様な処理、すなわち、要求情報が示す通信端末10(通信端末X)の利用者に確認する処理を行うようにしてもよい。この場合には、設定情報においては情報提供が許可されていても、利用者の判断により、情報提供が許可されない場合もあり得ることになる。
【0108】
<変形例6>
上述した実施形態において、特定処理(ステップS113)においては、比較処理において抽出された情報の各組についての時刻の関係に応じて算出される期間を、共に行動していた期間として特定していたが、例えば、抽出された情報の組が1つであった場合には、その組についての時刻に応じた期間(例えば、その時刻の前後10分間など)を、共に行動していた期間として特定してもよい。
【0109】
また、抽出された情報の組が複数であっても、一部の組についての時刻が、実施形態の処理において特定される期間に含まれない場合には、その組についての時刻に応じた期間についても共に行動していた期間として特定してもよい。
【0110】
<変形例7>
上述した実施形態において、特定処理(ステップS113)においては、比較処理において抽出された情報の各組の時刻の差を算出し、予め決められた条件を満たす場合には、その時刻間の期間については、共に行動していた期間として特定していたが、この条件については、時刻の差を算出した情報の関係に応じて変更されるようにしてもよい。
【0111】
例えば、時刻の差を算出した情報がともにサービス提供情報に係るものであった場合、これらのサービス提供情報が示すそれぞれのサービス提供場所の距離を算出し、その距離が長いほど、条件となる時間を長くするように変更すればよい。これによれば、サービス提供場所が離れていれば、移動時間がかかることにより、それぞれのサービス提供場所において情報サービスの提供を受ける間の時間についても長くなることが通常であるから、これを反映させることもできる。
【0112】
<変形例8>
上述した実施形態において、特定処理(ステップS113)において特定される期間の最初と最後のタイミングは、比較処理において抽出された情報の組のいずれかについての時刻に一致するようになっていたが、必ずしも一致しなくてもよく、例えば、数分間前後させたものとしてもよい。また、その前後させる時間については、期間の最初と最後で異なるものとしてもよいし、その時刻に対応する情報の内容により変化させるようにしてもよい。
【0113】
<変形例9>
上述した実施形態において、情報提供を要求するときに、通信端末10に表示される内容は、図11に示すようなものであり、それぞれの項目について選択を行っていたが、一部の項目については選択を行わないようにしてもよい。例えば、同行者を選択しない場合には、通信端末10は、選択した期間において同行者が誰であったかの情報の提供を要求する要求情報をサーバ20に送信するようにすればよい。そして、サーバ20は、その期間における同行者についての情報を提供するようにすればよい。
【0114】
このように、情報の提供については、情報提供期間において、記憶部202に記憶されている特定期間情報、移動履歴情報などから得られる情報を提供するものであれば、どのような内容であってもよく、各通信端末10における情報の要求にあっては、これらの様々な内容の情報を要求できるようにすればよい。
【0115】
<変形例10>
上述した実施形態における事前判定処理(ステップS111)については、解析処理において用いられなくてもよい。この場合には、可能性の程度については全期間について一定であるものとすればよい。そして、この判定に必要な各種情報についてもサーバ20は取得する必要が無い。
【0116】
<変形例11>
上述した実施形態において、通信端末Y、Zについては、位置測定部106を有しないものとしていたが、有するものとしてもよい。自端末において移動履歴を生成できれば、別の利用者の通信端末10の移動履歴を取得する必要はないのであるが、他の利用者と共に行動していた期間がいつであるかなどの情報を知りたいときには、自端末の移動履歴だけではわからないので有用なものである。この場合には、例えば、期間を特定せず、同行者を他の利用者として選択して要求情報を送信すればよい。また、同行者を自分自身として特定の期間を選択して要求情報を送信すれば、選択した特定の期間において同行者が誰であったかを確認できるようにしてもよい。
【0117】
<変形例12>
上述した実施形態において、動作履歴情報における全ての動作の種類についての情報(サービス履歴情報、近距離通信履歴情報、赤外線通信履歴情報)を用いて解析処理を行ったが、一部の種類の動作、例えばサービス履歴情報だけを用いて解析処理を行ってもよい。
【0118】
<変形例13>
上述した実施形態における制御プログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスクなど)、光記録媒体(光ディスクなど)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータ読取り可能な記録媒体に記憶した状態で提供し得る。ネットワーク経由でダウンロードさせることも可能である。
【符号の説明】
【0119】
1…情報提供システム、10…通信端末、20…サーバ、30…通信回線、40…基地局、50…サービス提供端末、101,201…制御部、102,202…記憶部、103,203…操作部、104,204…表示部、105…音声処理部、106…位置測定部、107…電子タグ部、108…近距離通信部、109…赤外線通信部、110,210…通信部、111…インターフェイス
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信端末に対して情報サービスを提供するサービス提供端末によって前記通信端末に情報サービスが提供された時刻を表すサービス提供時刻、および当該サービス提供時刻における情報サービスを提供したサービス提供端末の設置場所を表すサービス提供場所を示すサービス提供情報を取得するとともに、当該サービス提供時刻における情報サービスが提供された通信端末を識別する情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段によって取得されたサービス提供情報のうち、一の通信端末を識別する情報とともに取得されたサービス提供情報と、他の通信端末を識別する情報とともに取得されたサービス提供情報とを比較する比較手段と、
前記比較手段によって比較されたサービス提供情報が示すサービス提供時刻およびサービス提供場所についての関係が予め決められた条件を満たす場合は、前記条件を満たすサービス提供情報が示すサービス提供時刻に応じた期間を、当該一の通信端末の利用者が当該他の通信端末の利用者と共に行動していた期間として特定する特定手段と
を具備することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記特定手段は、前記比較手段によって比較されたサービス提供情報のうち、前記条件を満たす前記組が複数であり、各組の前記サービス提供情報が示すサービス提供時刻の関係が予め決められた第2条件を満たす場合には、これらのサービス提供時刻の間の期間を、当該一の通信端末の利用者が当該他の通信端末の利用者と共に行動していた期間として特定する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第2条件は、前記各組のサービス提供情報が示すサービス提供時刻の差が、当該各組のサービス提供情報が示すサービス提供場所の関係に応じて定められる時間未満となる条件である
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記一の通信端末が、予め決められた範囲内の他の通信端末と通信可能な近距離通信手段によって通信をした履歴を示す近距離通信履歴を取得する近距離通信履歴取得手段をさらに具備し、
前記特定手段は、近距離通信履歴取得手段によって取得された近距離通信履歴を参照し、当該近距離通信履歴が示す履歴に応じて、前記一の通信端末の利用者が前記近距離通信によって通信した他の端末の利用者と共に行動していた期間をさらに特定する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記条件は、前記比較手段によって比較されたサービス提供情報が示すサービス提供場所が特定の関係であり、かつ当該サービス提供情報が示すサービス提供時刻の差が予め決められた時間内となる条件である
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記一の通信端末が基地局を介して他の通信端末と通信を行った通信履歴を取得する通信履歴取得手段をさらに具備し、
前記特定手段は、前記通信履歴取得手段によって取得された通信履歴を参照し、前記情報取得手段によって取得されたサービス提供情報のうち、前記一の通信端末が通信した他の通信端末を識別する情報とともに取得されたサービス提供情報であって、当該通信から予め決められた時間が経過するまでの期間内のサービスの提供時刻を示すサービス提供情報について、当該一の通信端末を識別する情報とともに取得されたサービス提供情報と比較するときには、前記条件を緩和させる
ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記一の通信端末の利用者が、他の通信端末の利用者と行動を共にする予定の期間を指定するスケジュール情報を取得するスケジュール情報取得手段をさらに具備し、
前記特定手段は、前記スケジュール情報取得手段によって取得されたスケジュール情報を参照し、前記情報取得手段によって取得されたサービス提供情報のうち、行動を共にする予定の各利用者の通信端末を識別する情報とともに取得されたサービス提供情報であって、前記予定の期間内のサービスの提供時刻を示すサービス提供情報について、当該一の通信端末を識別する情報とともに取得されたサービス提供情報と比較するときには、前記条件を緩和させる
ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記通信端末が通信するときに接続する基地局であって、時刻の進行に伴って変化する接続先の基地局を示す基地局履歴情報を取得する基地局履歴情報取得手段をさらに具備し、
前記比較手段は、前記基地局履歴情報取得手段によって取得された前記基地局履歴情報を参照し、前記情報取得手段によって取得されたサービス提供情報のうち、前記一の通信端末と前記他の通信端末とが同一の基地局に接続される期間内のサービスの提供時刻を示すサービス提供情報について比較対象とする
ことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項9】
通信端末に対して情報サービスを提供するサービス提供端末によって前記通信端末に情報サービスが提供された時刻を表すサービス提供時刻、および当該サービス提供時刻における情報サービスを提供したサービス提供端末の設置場所を表すサービス提供場所を示すサービス提供情報を取得するとともに、当該サービス提供時刻における情報サービスが提供された通信端末を識別する情報を取得する情報取得過程と、
前記情報取得過程において取得されたサービス提供情報のうち、一の通信端末を識別する情報とともに取得されたサービス提供情報と、他の通信端末を識別する情報とともに取得されたサービス提供情報とを比較する比較過程と、
前記比較過程において比較されたサービス提供情報が示すサービス提供時刻およびサービス提供場所についての関係が予め決められた条件を満たす場合は、前記条件を満たすサービス提供情報が示すサービス提供時刻に応じた期間を、当該一の通信端末の利用者が当該他の通信端末の利用者と共に行動していた期間として特定する特定過程と
を備えることを特徴とする情報処理方法。
【請求項10】
コンピュータを、
通信端末に対して情報サービスを提供するサービス提供端末によって前記通信端末に情報サービスが提供された時刻を表すサービス提供時刻、および当該サービス提供時刻における情報サービスを提供したサービス提供端末の設置場所を表すサービス提供場所を示すサービス提供情報を取得するとともに、当該サービス提供時刻における情報サービスが提供された通信端末を識別する情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段によって取得されたサービス提供情報のうち、一の通信端末を識別する情報とともに取得されたサービス提供情報と、他の通信端末を識別する情報とともに取得されたサービス提供情報とを比較する比較手段と、
前記比較手段によって比較されたサービス提供情報が示すサービス提供時刻およびサービス提供場所についての関係が予め決められた条件を満たす場合は、前記条件を満たすサービス提供情報が示すサービス提供時刻に応じた期間を、当該一の通信端末の利用者が当該他の通信端末の利用者と共に行動していた期間として特定する特定手段
として機能させるためのプログラム。
【請求項1】
通信端末に対して情報サービスを提供するサービス提供端末によって前記通信端末に情報サービスが提供された時刻を表すサービス提供時刻、および当該サービス提供時刻における情報サービスを提供したサービス提供端末の設置場所を表すサービス提供場所を示すサービス提供情報を取得するとともに、当該サービス提供時刻における情報サービスが提供された通信端末を識別する情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段によって取得されたサービス提供情報のうち、一の通信端末を識別する情報とともに取得されたサービス提供情報と、他の通信端末を識別する情報とともに取得されたサービス提供情報とを比較する比較手段と、
前記比較手段によって比較されたサービス提供情報が示すサービス提供時刻およびサービス提供場所についての関係が予め決められた条件を満たす場合は、前記条件を満たすサービス提供情報が示すサービス提供時刻に応じた期間を、当該一の通信端末の利用者が当該他の通信端末の利用者と共に行動していた期間として特定する特定手段と
を具備することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記特定手段は、前記比較手段によって比較されたサービス提供情報のうち、前記条件を満たす前記組が複数であり、各組の前記サービス提供情報が示すサービス提供時刻の関係が予め決められた第2条件を満たす場合には、これらのサービス提供時刻の間の期間を、当該一の通信端末の利用者が当該他の通信端末の利用者と共に行動していた期間として特定する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第2条件は、前記各組のサービス提供情報が示すサービス提供時刻の差が、当該各組のサービス提供情報が示すサービス提供場所の関係に応じて定められる時間未満となる条件である
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記一の通信端末が、予め決められた範囲内の他の通信端末と通信可能な近距離通信手段によって通信をした履歴を示す近距離通信履歴を取得する近距離通信履歴取得手段をさらに具備し、
前記特定手段は、近距離通信履歴取得手段によって取得された近距離通信履歴を参照し、当該近距離通信履歴が示す履歴に応じて、前記一の通信端末の利用者が前記近距離通信によって通信した他の端末の利用者と共に行動していた期間をさらに特定する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記条件は、前記比較手段によって比較されたサービス提供情報が示すサービス提供場所が特定の関係であり、かつ当該サービス提供情報が示すサービス提供時刻の差が予め決められた時間内となる条件である
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記一の通信端末が基地局を介して他の通信端末と通信を行った通信履歴を取得する通信履歴取得手段をさらに具備し、
前記特定手段は、前記通信履歴取得手段によって取得された通信履歴を参照し、前記情報取得手段によって取得されたサービス提供情報のうち、前記一の通信端末が通信した他の通信端末を識別する情報とともに取得されたサービス提供情報であって、当該通信から予め決められた時間が経過するまでの期間内のサービスの提供時刻を示すサービス提供情報について、当該一の通信端末を識別する情報とともに取得されたサービス提供情報と比較するときには、前記条件を緩和させる
ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記一の通信端末の利用者が、他の通信端末の利用者と行動を共にする予定の期間を指定するスケジュール情報を取得するスケジュール情報取得手段をさらに具備し、
前記特定手段は、前記スケジュール情報取得手段によって取得されたスケジュール情報を参照し、前記情報取得手段によって取得されたサービス提供情報のうち、行動を共にする予定の各利用者の通信端末を識別する情報とともに取得されたサービス提供情報であって、前記予定の期間内のサービスの提供時刻を示すサービス提供情報について、当該一の通信端末を識別する情報とともに取得されたサービス提供情報と比較するときには、前記条件を緩和させる
ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記通信端末が通信するときに接続する基地局であって、時刻の進行に伴って変化する接続先の基地局を示す基地局履歴情報を取得する基地局履歴情報取得手段をさらに具備し、
前記比較手段は、前記基地局履歴情報取得手段によって取得された前記基地局履歴情報を参照し、前記情報取得手段によって取得されたサービス提供情報のうち、前記一の通信端末と前記他の通信端末とが同一の基地局に接続される期間内のサービスの提供時刻を示すサービス提供情報について比較対象とする
ことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項9】
通信端末に対して情報サービスを提供するサービス提供端末によって前記通信端末に情報サービスが提供された時刻を表すサービス提供時刻、および当該サービス提供時刻における情報サービスを提供したサービス提供端末の設置場所を表すサービス提供場所を示すサービス提供情報を取得するとともに、当該サービス提供時刻における情報サービスが提供された通信端末を識別する情報を取得する情報取得過程と、
前記情報取得過程において取得されたサービス提供情報のうち、一の通信端末を識別する情報とともに取得されたサービス提供情報と、他の通信端末を識別する情報とともに取得されたサービス提供情報とを比較する比較過程と、
前記比較過程において比較されたサービス提供情報が示すサービス提供時刻およびサービス提供場所についての関係が予め決められた条件を満たす場合は、前記条件を満たすサービス提供情報が示すサービス提供時刻に応じた期間を、当該一の通信端末の利用者が当該他の通信端末の利用者と共に行動していた期間として特定する特定過程と
を備えることを特徴とする情報処理方法。
【請求項10】
コンピュータを、
通信端末に対して情報サービスを提供するサービス提供端末によって前記通信端末に情報サービスが提供された時刻を表すサービス提供時刻、および当該サービス提供時刻における情報サービスを提供したサービス提供端末の設置場所を表すサービス提供場所を示すサービス提供情報を取得するとともに、当該サービス提供時刻における情報サービスが提供された通信端末を識別する情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段によって取得されたサービス提供情報のうち、一の通信端末を識別する情報とともに取得されたサービス提供情報と、他の通信端末を識別する情報とともに取得されたサービス提供情報とを比較する比較手段と、
前記比較手段によって比較されたサービス提供情報が示すサービス提供時刻およびサービス提供場所についての関係が予め決められた条件を満たす場合は、前記条件を満たすサービス提供情報が示すサービス提供時刻に応じた期間を、当該一の通信端末の利用者が当該他の通信端末の利用者と共に行動していた期間として特定する特定手段
として機能させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−15308(P2011−15308A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−159212(P2009−159212)
【出願日】平成21年7月3日(2009.7.3)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月3日(2009.7.3)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】
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