説明

情報処理装置、情報処理方法およびプログラム

【課題】手間が掛からず簡単な操作で開示制限できる情報処理装置を実現する。
【解決手段】ユーザ情報を保存する際には、保存しようとするユーザ情報を情報記憶部13に格納すると共に、秘匿記憶条件記憶部10に記憶される判別条件に基づき当該ユーザ情報の情報記憶状態(秘匿記憶状態または公開記憶状態)を判別し、判別した情報記憶状態を当該ユーザ情報に対応付けて情報記憶状態記憶部14に格納する。ユーザ情報を閲覧する際には、表示要求されたユーザ情報が公開閲覧条件記憶部15に記憶される判別条件に一致するかどうかを判別し、判別条件に一致する場合には、表示要求されたユーザ情報に対応付けられた情報記憶状態を情報記憶状態記憶部14から取得し、取得した情報記憶状態が「秘匿記憶状態」ならば、ユーザ情報に替えてダミー情報を表示する為、手間が掛からず簡単な操作で開示制限することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置に記憶されたユーザ情報を他者に対して開示制限する情報処理装置、情報処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
装置に記憶されたユーザ情報を他者に対して開示制限する技術が知られている。この種の技術として、例えば特許文献1には、ユーザ情報を閲覧する際に、カメラで撮影して特定した人物情報に基づき閲覧させて良い人物であるか否かを判別する機能を備えたデータ表示装置が開示されている。また、特許文献2や特許文献3には、ユーザ情報を他者に開示させるかどうかを、特定のユーザ操作(または外部機器からの指示)の有無で判別する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−322358号公報
【特許文献2】特許第3896740号公報
【特許文献3】特開2008−46173号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1乃至3に開示の技術では、開示制限する他者を特定するための人物情報を予め作成して登録する処理が必要になったり、他者に見せるかどうかの判断に特定のユーザ操作を必要としたりする為、その処理や操作に手間が掛かり煩わしいという問題がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、手間が掛からず簡単な操作で開示制限することができる情報処理装置、情報処理方法およびプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の情報処理装置は、ユーザ情報を記憶するユーザ情報記憶手段と、前記ユーザ情報の記憶状態を判別する状態判別手段と、前記状態判別手段により判別された記憶状態を、前記ユーザ情報記憶手段に記憶されたユーザ情報に対応付けて記憶する状態記憶手段と、表示要求されたユーザ情報の記憶状態を、前記状態記憶手段から取得する状態取得手段と、前記状態取得手段により取得された記憶状態が第1の記憶状態の場合には、表示要求されたユーザ情報を前記ユーザ情報記憶手段から読み出して表示し、一方、前記状態取得手段により取得された記憶状態が第2の記憶状態の場合には、表示要求されたユーザ情報に替えてダミー情報を表示する情報表示手段とを具備することを特徴とする。
【0007】
また、本発明の情報処理方法は、ユーザ情報を記憶するユーザ情報記憶過程と、前記ユーザ情報記憶過程により記憶されたユーザ情報の記憶状態を判別する状態判別過程と、前記状態判別過程により判別された記憶状態を、前記ユーザ情報記憶過程で記憶されたユーザ情報に対応付けて記憶する状態記憶過程と、前記状態記憶過程で記憶された記憶状態の内、表示要求されたユーザ情報の記憶状態を取得する状態取得過程と、前記状態取得過程により取得された記憶状態が第1の記憶状態の場合には、前記ユーザ情報記憶過程で記憶されたユーザ情報の内、表示要求されたユーザ情報を読み出して表示し、一方、前記状態取得過程により取得された記憶状態が第2の記憶状態の場合には、表示要求されたユーザ情報に替えてダミー情報を表示する情報表示過程とを具備することを特徴とする。
【0008】
さらに、本発明のプログラムは、コンピュータに、ユーザ情報を記憶するユーザ情報記憶ステップと、前記ユーザ情報記憶ステップにより記憶されたユーザ情報の記憶状態を判別する状態判別ステップと、前記状態判別ステップにより判別された記憶状態を、前記ユーザ情報記憶ステップで記憶されたユーザ情報に対応付けて記憶する状態記憶ステップと、前記状態記憶ステップで記憶された記憶状態の内、表示要求されたユーザ情報の記憶状態を取得する状態取得ステップと、前記状態取得ステップにより取得された記憶状態が第1の記憶状態の場合には、前記ユーザ情報記憶ステップで記憶されたユーザ情報の内、表示要求されたユーザ情報を読み出して表示し、一方、前記状態取得ステップにより取得された記憶状態が第2の記憶状態の場合には、表示要求されたユーザ情報に替えてダミー情報を表示する情報表示ステップとを実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明では、手間が掛からず簡単な操作で開示制限することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施の一形態による情報処理装置100の機能的構成を示すブロック図である。
【図2】秘匿記憶条件記憶部10の記憶内容の一例を示す図である。
【図3】情報記憶状態記憶部14の記憶内容の一例を示す図である。
【図4】公開閲覧条件記憶部17に記憶される公開閲覧条件の一例を示す図である。
【図5】ユーザ情報保存処理の動作を示すフローチャートである。
【図6】ユーザ情報閲覧処理の動作を示すフローチャートである。
【図7】変形例の機能的構成を示すブロック図である。
【図8】付記1記載の情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
A.構成
図1は、実施の一形態による情報処理装置100の機能的構成を示すブロック図である。この図に示す情報処理装置100は、秘匿記憶条件記憶部10、情報記憶手段11、情報記憶状態関連付け手段12、情報記憶部13、情報記憶状態記憶部14、公開閲覧条件記憶部15、情報表示手段16および情報記憶状態適用手段17から構成される。
【0012】
これら機能要素10〜17は、例えばCPU、書き込み/読み出し可能なRAM等のメモリおよびLCD等の表示部を備える端末装置において具現される。すなわち、CPUの機能が情報記憶手段11、情報記憶状態関連付け手段12および情報記憶状態適用手段17に相当し、メモリの機能が秘匿記憶条件記憶部10、情報記憶部13、情報記憶状態記憶部14および公開閲覧条件記憶部15に相当し、表示部の機能が情報表示手段16に相当する。
【0013】
図1において、秘匿記憶条件記憶部10には、保存しようとするユーザ情報(例えばブラウザの閲覧履歴やメール送受信、通話履歴等)を、端末所有ユーザ以外の他者に開示しない秘匿情報として扱うか否かを判別するための判別条件が記憶される。秘匿記憶条件記憶部10に記憶される判別条件の具体的な内容については追って述べる。情報記憶手段11は、保存しようとするユーザ情報(ブラウザの閲覧履歴やメール送受信、通話履歴等)を情報記憶状態関連付け手段12に送出する。
【0014】
情報記憶状態関連付け手段12は、情報記憶手段11から送出されるユーザ情報を取得し、取得したユーザ情報が秘匿記憶条件記憶部10に記憶される判別条件に一致するかどうかを判別し、判別条件に一致すると、当該ユーザ情報の記憶属性を表す情報記憶状態を、端末所有ユーザ以外の他者に開示しない秘匿記憶状態に設定し、一方、判別条件に一致しなければ、当該ユーザ情報の記憶属性を表す情報記憶状態を他者に開示可能な公開記憶状態に設定する。また、情報記憶状態関連付け手段12は、取得したユーザ情報を情報記憶部13に格納する一方、設定した情報記憶状態(秘匿記憶状態または公開記憶状態)を当該ユーザ情報に対応付けて情報記憶状態記憶部14に格納する。
【0015】
ここで、図2を参照して秘匿記憶条件記憶部10に記憶される判別条件の具体的な一例と、その判別条件に基づきユーザ情報の情報記憶状態を設定する情報記憶状態関連付け手段12の設定例とについて説明する。秘匿記憶条件記憶部10に記憶される判別条件は、図2に図示する通り、情報種別および秘匿記憶条件から構成される。
【0016】
図2に図示する一例において、情報種別が「位置情報」ならば、秘匿記憶条件は「緯度・経度で指定される位置範囲」あるいは「地名(駅名)」となり、この場合、ユーザ情報中に秘匿記憶条件(「緯度・経度で指定される位置範囲」あるいは「地名(駅名)」)に該当する「位置情報」が含まれると、情報記憶状態関連付け手段12では、当該ユーザ情報を端末所有ユーザ以外の他者に開示しない秘匿記憶状態に設定する。
【0017】
また、情報種別が「ネットワーク」ならば、秘匿記憶条件は「ドメイン名」や「IPアドレス」となり、この場合、ユーザ情報中に秘匿記憶条件(「ドメイン名」や「IPアドレス」)に該当する「ネットワーク」の記述が含まれると、情報記憶状態関連付け手段12では、当該ユーザ情報を端末所有ユーザ以外の他者に開示しない秘匿記憶状態に設定する。
【0018】
さらに、情報種別が「キーワード」ならば、秘匿記憶条件は「プライベート」となり、この場合、ユーザ情報中に秘匿記憶条件「プライベート」という「キーワード」が含まれていると、情報記憶状態関連付け手段12では、当該ユーザ情報を端末所有ユーザ以外の他者に開示しない秘匿記憶状態に設定する。
【0019】
情報記憶部13には、情報記憶状態関連付け手段12が情報記憶手段11から取得したユーザ情報が格納される。情報記憶状態記憶部14には、図3に図示するように、情報記憶部13に格納したユーザ情報を識別するチェックサム(ハッシュ値)と、そのユーザ情報について情報記憶状態関連付け手段12により設定された情報記憶状態(秘匿記憶状態または公開記憶状態)とを対応付けて格納される。
【0020】
公開閲覧条件記憶部15は、情報記憶部13に記憶されたユーザ情報を端末所有ユーザ以外の他者にも閲覧可能にする公開閲覧情報として扱うか否かを判別するための判別条件を記憶する。ここで、図4を参照して公開閲覧条件記憶部15に記憶される判別条件の一例について説明する。公開閲覧条件記憶部15に記憶される判別条件は、情報種別および公開閲覧条件から構成される。図4に図示する一例において、情報種別が「位置情報」ならば、公開閲覧条件は「緯度・経度で指定される位置範囲」あるいは「地名(駅名)」となる。また、情報種別が「ネットワーク」ならば、秘匿記憶条件は「ドメイン名」となる。
【0021】
情報表示手段16は、ユーザ情報の表示(閲覧)を情報記憶状態適用手段17に要求すると共に、その表示要求に応じて情報記憶状態適用手段17が情報記憶部13から取得したユーザ情報を表示する。
【0022】
情報記憶状態適用手段17は、情報表示手段16から表示要求されたユーザ情報が公開閲覧条件記憶部15に記憶される判別条件に一致するかどうかを判別し、一致しなければ、当該ユーザ情報を情報記憶部13から取得して情報表示手段16に送出する。一方、情報表示手段16から表示要求されたユーザ情報が公開閲覧条件記憶部15に記憶される判別条件に一致すると、情報記憶状態適用手段17は、当該ユーザ情報に対応付けられた情報記憶状態を情報記憶状態記憶部14から取得し、取得した情報記憶状態が秘匿記憶状態または公開記憶状態の何れであるかを判別し、公開記憶状態であったならば、当該ユーザ情報を情報記憶部13から取得して情報表示手段16へ送出する。
【0023】
これに対し、情報記憶状態記憶部14から取得した情報記憶状態が秘匿記憶状態であると、情報記憶状態適用手段17は、予め情報記憶部13に記憶されるダミー情報を読み出して情報表示手段16へ送出する。これにより、表示要求されたユーザ情報が閲覧不可となり、手間が掛からず簡単な操作で開示制限することが可能になる。
【0024】
B.動作
次に、図5〜図6を参照して上記構成による情報処理装置100の動作を説明する。以下では、情報記憶手段11および情報記憶状態関連付け手段12が実行するユーザ情報保存処理の動作と、情報表示手段16および情報記憶状態適用手段17が実行するユーザ情報閲覧処理の動作とについて述べる。
【0025】
(1)ユーザ情報保存処理の動作
図5に図示するフローチャートを参照してユーザ情報保存処理の動作を説明する。ステップS101では、情報記憶手段11が保存しようとするユーザ情報(例えばブラウザの閲覧履歴やメール送受信、通話履歴等)を情報記憶状態関連付け手段12に送出する。すると、ステップS102において、情報記憶状態関連付け手段12が情報記憶手段11から送出されるユーザ情報を取得する。
【0026】
続いて、ステップS103では、情報記憶状態関連付け手段12が秘匿記憶条件記憶部10から「情報種別」および「秘匿記憶条件」からなる判別条件を読み出し、続くステップS104では、上記ステップS102で取得したユーザ情報が、読み出した判別条件に一致するかどうかを判別する。ユーザ情報が判別条件に一致した場合、すなわちユーザ情報中に「秘匿記憶条件」に該当する「情報種別」が含まれていると、判断結果は「YES」になり、ステップS105に進む。
【0027】
そして、ステップS105〜S106では、情報記憶状態関連付け手段12がユーザ情報を情報記憶部13に格納すると共に、当該ユーザ情報の情報記憶状態を端末所有ユーザ以外の他者に開示しない秘匿記憶状態に設定し、設定した情報記憶状態(秘匿記憶状態)を当該ユーザ情報に対応付けて情報記憶状態記憶部14に格納して本処理を終える。
【0028】
これに対し、上記ステップS102にて取得したユーザ情報が判別条件に一致しない場合、すなわちユーザ情報中に「秘匿記憶条件」に該当する「情報種別」が含まれていなければ、上記ステップS104の判断結果は「NO」になり、ステップS107に進む。ステップS107〜S108では、情報記憶状態関連付け手段12がユーザ情報を情報記憶部13に格納すると共に、当該ユーザ情報の情報記憶状態を端末所有ユーザ以外の他者に閲覧可能にする公開記憶状態に設定し、設定した情報記憶状態(公開記憶状態)を当該ユーザ情報に対応付けて情報記憶状態記憶部14に格納して本処理を終える。
【0029】
このように、ユーザ情報保存処理では、保存しようとするユーザ情報を取得して情報記憶部13に格納すると共に、秘匿記憶条件記憶部10に記憶される判別条件に基づき当該ユーザ情報の情報記憶状態(秘匿記憶状態または公開記憶状態)を判別し、判別した情報記憶状態を当該ユーザ情報に対応付けて情報記憶状態記憶部14に格納する。
【0030】
(2)ユーザ情報閲覧処理の動作
図6に図示するフローチャートを参照してユーザ情報閲覧処理の動作を説明する。ステップS201では、情報表示手段16がユーザ情報の表示(閲覧)を情報記憶状態適用手段17に要求する。続いて、ステップS202〜S203では、情報表示手段16からの表示要求を取得した情報記憶状態適用手段17が、情報記憶部13に記憶されたユーザ情報を端末所有ユーザ以外の他者にも閲覧可能にする公開閲覧情報として扱うか否かを判別するための判別条件を公開閲覧条件記憶部15から読み出す。
【0031】
次いで、ステップS204に進むと、表示要求されたユーザ情報が上記ステップS203で公開閲覧条件記憶部15から読み出した判別条件に一致するかどうかを情報記憶状態適用手段17が判別する。そして、表示要求されたユーザ情報が判別条件に一致した場合、すなわちユーザ情報中に「公開閲覧条件」に該当する「情報種別」が含まれていると、判断結果は「YES」になり、ステップS205に進む。
【0032】
ステップS205〜S206では、情報記憶状態適用手段17が、表示要求されたユーザ情報に対応付けられた情報記憶状態を情報記憶状態記憶部14から取得し、取得した情報記憶状態が「秘匿記憶状態」または「公開記憶状態」の何れであるかを判別する。そして、取得した情報記憶状態が「秘匿記憶状態」であると、ステップS207に進む。ステップS207では、情報記憶状態適用手段17が、予め情報記憶部13に記憶されるダミー情報を読み出して情報表示手段16へ送出する。そして、ステップS208では、情報表示手段16が情報記憶状態適用手段17から取得したダミー情報を表示して本処理を終える。
【0033】
一方、上記ステップS204において判断結果が「NO」の場合、つまり表示要求されたユーザ情報が判別条件に一致しない場合や、上記ステップS206において取得した情報記憶状態が「公開記憶状態」と判別された場合には、ステップS209に進む。そして、ステップS209〜S210では、情報記憶状態適用手段17が、表示要求されたユーザ情報を情報記憶部13から取得して情報表示手段16に送出する。この後、ステップS208に進み、情報表示手段16が情報記憶状態適用手段17から取得したユーザ情報を表示して本処理を終える。
【0034】
このように、ユーザ情報閲覧処理では、ユーザ情報の表示を要求すると、表示要求されたユーザ情報が公開閲覧条件記憶部15に記憶される判別条件に一致するかどうか、すなわちユーザ情報中に「公開閲覧条件」に該当する「情報種別」が含まれているか否かを判別し、判別条件に一致した場合には、表示要求されたユーザ情報に対応付けられた情報記憶状態を情報記憶状態記憶部14から取得し、取得した情報記憶状態が「秘匿記憶状態」であると、予め情報記憶部13に記憶されるダミー情報を読み出して表示する。
【0035】
以上のように、本実施形態では、ユーザ情報を保存する際には、保存しようとするユーザ情報を情報記憶部13に格納すると共に、秘匿記憶条件記憶部10に記憶される判別条件に基づき当該ユーザ情報の情報記憶状態(秘匿記憶状態または公開記憶状態)を判別し、判別した情報記憶状態を当該ユーザ情報に対応付けて情報記憶状態記憶部14に格納する。
【0036】
そして、ユーザ情報を閲覧する際には、表示要求されたユーザ情報が公開閲覧条件記憶部15に記憶される判別条件に一致するかどうかを判別し、判別条件に一致する場合には、表示要求されたユーザ情報に対応付けられた情報記憶状態を情報記憶状態記憶部14から取得し、取得した情報記憶状態が「秘匿記憶状態」ならば、ユーザ情報に替えてダミー情報を表示する為、手間が掛からず簡単な操作で開示制限することができる。
【0037】
C.変形例
次に、図7を参照して変形例による情報処理装置300について説明する。図7に図示する変形例が図1に図示した実施形態による情報処理装置100と相違する点は、通信手段30を備え、ユーザ情報を保存する際に情報記憶状態関連付け手段12が通信手段30からユーザ情報保存時のネットワーク状態(「ドメイン名」や「IPアドレス」)を取得することにある。
【0038】
こうした変形例において、秘匿記憶条件記憶部10に記憶される判別条件の情報種別が「ネットワーク」であると、秘匿記憶条件は「ドメイン名」や「IPアドレス」となり、通信手段30を介して取得したネットワーク状態(「ドメイン名」や「IPアドレス」)が秘匿記憶条件に一致すると、情報記憶状態関連付け手段12が当該ユーザ情報を端末所有ユーザ以外の他者に開示しない秘匿記憶状態に設定することができる。
【0039】
本発明は、上述した実施形態や変形例に限定されるものではなく、本発明の範囲で種々変形することが可能である。一例として挙げれば、本実施形態は、携帯電話やスマートフォン等の端末装置に限らず、他の装置(ゲーム装置、タブレットPC、ラップトップ/ノートPCなど)にも適用可能である。
【0040】
また、上述した実施形態では、秘匿記憶条件記憶部10に記憶される判別条件(情報種別および秘匿記憶条件)として、情報種別が「位置情報」ならば、秘匿記憶条件は「緯度・経度で指定される位置範囲」あるいは「地名(駅名)」、情報種別が「ネットワーク」ならば、秘匿記憶条件は「ドメイン名」や「IPアドレス」、情報種別が「キーワード」ならば、秘匿記憶条件は「プライベート」としたが、これらに限定されず、例えば日付や日時などユーザ所望の情報種別および秘匿記憶条件を任意に定義できる態様であって構わない。これは公開閲覧条件記憶部17に記憶される判別条件(情報種別および秘匿記憶条件)についても同様である。
【0041】
D.付記1記載の通信制御装置と実施形態との対応関係
次に、図8を参照して付記1記載の情報処理装置と実施形態との対応関係について説明する。図8は、付記1記載の情報処理装置の構成を示すブロック図である。この図において、ユーザ情報を記憶するユーザ情報記憶手段40は、実施形態における情報記憶手段11および情報記憶部13の各機能に相当する。ユーザ情報記憶手段40に記憶されるユーザ情報の記憶状態を判別する状態判別手段50は、実施形態における秘匿記憶条件記憶部10、情報記憶手段11および情報記憶状態関連付け手段12の各機能に相当する。
【0042】
状態判別手段50により判別された記憶状態を、ユーザ情報記憶手段40に記憶されたユーザ情報に対応付けて記憶する状態記憶手段60は、実施形態における情報記憶状態関連付け手段12および情報記憶状態記憶部14の各機能に相当する。表示要求されたユーザ情報の記憶状態を状態記憶手段60から取得する状態取得手段70は、実施形態における情報表示手段16および情報記憶状態適用手段17の各機能に相当する。
【0043】
状態取得手段70により取得された記憶状態が第1の記憶状態の場合には、表示要求されたユーザ情報をユーザ情報記憶手段40から読み出して表示し、一方、状態取得手段70により取得された記憶状態が第2の記憶状態の場合には、表示要求されたユーザ情報に替えてダミー情報を表示する情報表示手段80は、実施形態における公開閲覧条件記憶部15、情報表示手段16および情報記憶状態適用手段17の各機能に相当する。
【0044】
上記構成によれば、ユーザ情報記憶手段40に記憶されるユーザ情報の記憶状態を判別し、判別された記憶状態を、ユーザ情報記憶手段40に記憶されたユーザ情報に対応付けて状態記憶手段60に記憶しておき、表示要求されたユーザ情報の記憶状態を状態記憶手段60から取得し、取得された記憶状態が第1の記憶状態ならば、表示要求されたユーザ情報をユーザ情報記憶手段40から読み出して表示し、一方、取得された記憶状態が第2の記憶状態ならば、表示要求されたユーザ情報に替えてダミー情報を表示するので、手間が掛からず簡単な操作で開示制限することができる。
【0045】
E.付記
次に、本発明の特徴を付記する。なお、上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のように記載され得るが、その記載に限定されるものではない。
【0046】
(付記1)
ユーザ情報を記憶するユーザ情報記憶手段と、
前記ユーザ情報の記憶状態を判別する状態判別手段と、
前記状態判別手段により判別された記憶状態を、前記ユーザ情報記憶手段に記憶されたユーザ情報に対応付けて記憶する状態記憶手段と、
表示要求されたユーザ情報の記憶状態を、前記状態記憶手段から取得する状態取得手段と、
前記状態取得手段により取得された記憶状態が第1の記憶状態の場合には、表示要求されたユーザ情報を前記ユーザ情報記憶手段から読み出して表示し、一方、前記状態取得手段により取得された記憶状態が第2の記憶状態の場合には、表示要求されたユーザ情報に替えてダミー情報を表示する情報表示手段と
を具備することを特徴とする情報処理装置。
【0047】
(付記2)
前記状態判別手段は、前記ユーザ情報を他者に開示可能な情報として扱う第1の記憶状態又は他者に開示しない情報として扱う第2の記憶状態の何れであるかを判別することを特徴とする付記1記載の情報処理装置。
【0048】
(付記3)
前記状態判別手段は、情報種別および秘匿記憶条件を記憶する秘匿記憶条件記憶手段を備え、この秘匿記憶条件記憶手段に記憶される秘匿記憶条件に該当する情報種別が前記ユーザ情報中に含まれるか否かに応じて、第1の記憶状態又は第2の記憶状態の何れであるかを判別することを特徴とする付記1乃至2の何れかに記載の情報処理装置。
【0049】
(付記4)
ユーザ情報を記憶するユーザ情報記憶過程と、
前記ユーザ情報記憶過程により記憶されたユーザ情報の記憶状態を判別する状態判別過程と、
前記状態判別過程により判別された記憶状態を、前記ユーザ情報記憶過程で記憶されたユーザ情報に対応付けて記憶する状態記憶過程と、
前記状態記憶過程で記憶された記憶状態の内、表示要求されたユーザ情報の記憶状態を取得する状態取得過程と、
前記状態取得過程により取得された記憶状態が第1の記憶状態の場合には、前記ユーザ情報記憶過程で記憶されたユーザ情報の内、表示要求されたユーザ情報を読み出して表示し、一方、前記状態取得過程により取得された記憶状態が第2の記憶状態の場合には、表示要求されたユーザ情報に替えてダミー情報を表示する情報表示過程と
を具備することを特徴とする情報処理方法。
【0050】
(付記5)
前記状態判別過程は、前記ユーザ情報を他者に開示可能な情報として扱う第1の記憶状態又は他者に開示しない情報として扱う第2の記憶状態の何れであるかを判別することを特徴とする付記4記載の情報処理方法。
【0051】
(付記6)
前記状態判別過程は、情報種別および秘匿記憶条件を記憶する秘匿記憶条件記憶部を備え、この秘匿記憶条件記憶部に記憶される秘匿記憶条件に該当する情報種別が前記ユーザ情報中に含まれるか否かに応じて、第1の記憶状態又は第2の記憶状態の何れであるかを判別することを特徴とする付記4乃至5の何れかに記載の情報処理方法。
【0052】
(付記7)
コンピュータに、
ユーザ情報を記憶するユーザ情報記憶ステップと、
前記ユーザ情報記憶ステップにより記憶されたユーザ情報の記憶状態を判別する状態判別ステップと、
前記状態判別ステップにより判別された記憶状態を、前記ユーザ情報記憶ステップで記憶されたユーザ情報に対応付けて記憶する状態記憶ステップと、
前記状態記憶ステップで記憶された記憶状態の内、表示要求されたユーザ情報の記憶状態を取得する状態取得ステップと、
前記状態取得ステップにより取得された記憶状態が第1の記憶状態の場合には、前記ユーザ情報記憶ステップで記憶されたユーザ情報の内、表示要求されたユーザ情報を読み出して表示し、一方、前記状態取得ステップにより取得された記憶状態が第2の記憶状態の場合には、表示要求されたユーザ情報に替えてダミー情報を表示する情報表示ステップと
を実行させることを特徴とするプログラム。
【0053】
(付記8)
前記状態判別ステップは、前記ユーザ情報を他者に開示可能な情報として扱う第1の記憶状態又は他者に開示しない情報として扱う第2の記憶状態の何れであるかを判別することを特徴とする付記7記載のプログラム。
【0054】
(付記9)
前記状態判別ステップは、情報種別および秘匿記憶条件を記憶する秘匿記憶条件記憶部を備え、この秘匿記憶条件記憶部に記憶される秘匿記憶条件に該当する情報種別が前記ユーザ情報中に含まれるか否かに応じて、第1の記憶状態又は第2の記憶状態の何れであるかを判別することを特徴とする付記7乃至8の何れかに記載のプログラム。
【符号の説明】
【0055】
10 秘匿記憶条件記憶部
11 情報記憶手段
12 情報記憶状態関連付け手段
13 情報記憶部
14 情報記憶状態記憶部
15 公開閲覧条件記憶部
16 情報表示手段
17 情報記憶状態適用手段
30 通信手段
40 ユーザ情報記憶手段
50 状態判別手段
60 状態記憶手段
70 状態取得手段
80 情報表示手段
100、300 情報処理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ情報を記憶するユーザ情報記憶手段と、
前記ユーザ情報の記憶状態を判別する状態判別手段と、
前記状態判別手段により判別された記憶状態を、前記ユーザ情報記憶手段に記憶されたユーザ情報に対応付けて記憶する状態記憶手段と、
表示要求されたユーザ情報の記憶状態を、前記状態記憶手段から取得する状態取得手段と、
前記状態取得手段により取得された記憶状態が第1の記憶状態の場合には、表示要求されたユーザ情報を前記ユーザ情報記憶手段から読み出して表示し、一方、前記状態取得手段により取得された記憶状態が第2の記憶状態の場合には、表示要求されたユーザ情報に替えてダミー情報を表示する情報表示手段と
を具備することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記状態判別手段は、前記ユーザ情報を他者に開示可能な情報として扱う第1の記憶状態又は他者に開示しない情報として扱う第2の記憶状態の何れであるかを判別することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記状態判別手段は、情報種別および秘匿記憶条件を記憶する秘匿記憶条件記憶手段を備え、この秘匿記憶条件記憶手段に記憶される秘匿記憶条件に該当する情報種別が前記ユーザ情報中に含まれるか否かに応じて、第1の記憶状態又は第2の記憶状態の何れであるかを判別することを特徴とする請求項1乃至2の何れかに記載の情報処理装置。
【請求項4】
ユーザ情報を記憶するユーザ情報記憶過程と、
前記ユーザ情報記憶過程により記憶されたユーザ情報の記憶状態を判別する状態判別過程と、
前記状態判別過程により判別された記憶状態を、前記ユーザ情報記憶過程で記憶されたユーザ情報に対応付けて記憶する状態記憶過程と、
前記状態記憶過程で記憶された記憶状態の内、表示要求されたユーザ情報の記憶状態を取得する状態取得過程と、
前記状態取得過程により取得された記憶状態が第1の記憶状態の場合には、前記ユーザ情報記憶過程で記憶されたユーザ情報の内、表示要求されたユーザ情報を読み出して表示し、一方、前記状態取得過程により取得された記憶状態が第2の記憶状態の場合には、表示要求されたユーザ情報に替えてダミー情報を表示する情報表示過程と
を具備することを特徴とする情報処理方法。
【請求項5】
前記状態判別過程は、前記ユーザ情報を他者に開示可能な情報として扱う第1の記憶状態又は他者に開示しない情報として扱う第2の記憶状態の何れであるかを判別することを特徴とする請求項4記載の情報処理方法。
【請求項6】
前記状態判別過程は、情報種別および秘匿記憶条件を記憶する秘匿記憶条件記憶部を備え、この秘匿記憶条件記憶部に記憶される秘匿記憶条件に該当する情報種別が前記ユーザ情報中に含まれるか否かに応じて、第1の記憶状態又は第2の記憶状態の何れであるかを判別することを特徴とする請求項4乃至5の何れかに記載の情報処理方法。
【請求項7】
コンピュータに、
ユーザ情報を記憶するユーザ情報記憶ステップと、
前記ユーザ情報記憶ステップにより記憶されたユーザ情報の記憶状態を判別する状態判別ステップと、
前記状態判別ステップにより判別された記憶状態を、前記ユーザ情報記憶ステップで記憶されたユーザ情報に対応付けて記憶する状態記憶ステップと、
前記状態記憶ステップで記憶された記憶状態の内、表示要求されたユーザ情報の記憶状態を取得する状態取得ステップと、
前記状態取得ステップにより取得された記憶状態が第1の記憶状態の場合には、前記ユーザ情報記憶ステップで記憶されたユーザ情報の内、表示要求されたユーザ情報を読み出して表示し、一方、前記状態取得ステップにより取得された記憶状態が第2の記憶状態の場合には、表示要求されたユーザ情報に替えてダミー情報を表示する情報表示ステップと
を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項8】
前記状態判別ステップは、前記ユーザ情報を他者に開示可能な情報として扱う第1の記憶状態又は他者に開示しない情報として扱う第2の記憶状態の何れであるかを判別することを特徴とする請求項7記載のプログラム。
【請求項9】
前記状態判別ステップは、情報種別および秘匿記憶条件を記憶する秘匿記憶条件記憶部を備え、この秘匿記憶条件記憶部に記憶される秘匿記憶条件に該当する情報種別が前記ユーザ情報中に含まれるか否かに応じて、第1の記憶状態又は第2の記憶状態の何れであるかを判別することを特徴とする請求項7乃至8の何れかに記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−65230(P2013−65230A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−204155(P2011−204155)
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【公序良俗違反の表示】
特許法第64条第2項第4号の規定により図面の一部または全部を不掲載とする。
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)