説明

情報処理装置、情報処理方法及びプログラム

【課題】大量に氾濫している情報のうち、ユーザが必要な情報を効率良くユーザに届ける。
【解決手段】情報処理装置は、入力された元情報に関連する関連情報を取得する関連情報取得部と、前記関連情報について、流行性に関する情報を取得する流行性情報取得部と、前記関連情報の中から、前記元情報に対する関連の強さと、流行性の強さとに基づいて複数の出力情報を抽出する情報抽出部と、前記複数の出力情報を、前記元情報に対する関連の強さと流行性の強さとに基づいて配置して表示部に表示させる表示制御部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近時では、インターネット、携帯機器などのモバイル端末の普及等により、世の中に存在する情報は爆発的に増加し、且つ多様化している。このような中、下記の特許文献1には、情報要素間の関連度によって情報を抽出することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−138197号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ユーザが閲覧できるコンテンツの総量には限界があり、ユーザが全ての情報を閲覧することは不可能である。また、情報の関連性による情報の評価に基づきユーザに情報を提示あるいは推薦する際には情報に変化が乏しいため、ユーザの嗜好に合致しつつユーザにとって新鮮な情報を提示することが困難であった。このため、大量に氾濫している情報の中から、ユーザの嗜好に合致しつつユーザにとって新鮮な情報を視覚的に提示することが可能な仕組みが望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示によれば、入力された元情報に関連する関連情報を取得する関連情報取得部と、前記関連情報について、流行性に関する情報を取得する流行性情報取得部と、前記関連情報の中から、前記元情報に対する関連の強さと、流行性の強さとに基づいて複数の出力情報を抽出する情報抽出部と、前記複数の出力情報を、前記元情報に対する関連の強さと流行性の強さとに基づいて配置して表示部に表示させる表示制御部と、を備える、情報処理装置が提供される。
【0006】
また、本開示によれば、入力された元情報に関連する関連情報を取得することと、前記関連情報について、流行性に関する情報を取得することと、前記関連情報の中から、前記元情報に対する関連の強さと、流行性の強さとに基づいて複数の出力情報を抽出することと、前記複数の出力情報を、前記元情報に対する関連の強さと流行性の強さとに基づいて配置して表示部に表示させることと、を備える、情報処理方法。が提供される。
【0007】
また、本開示によれば、入力された元情報に関連する関連情報を取得する手段、前記関連情報について、流行性に関する情報を取得する手段、前記関連情報の中から、前記元情報に対する関連の強さと、流行性の強さとに基づいて複数の出力情報を抽出する手段、前記複数の出力情報を、前記元情報に対する関連の強さと流行性の強さとに基づいて配置して表示部に表示させる手段、としてコンピュータを機能させるためのプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、大量に氾濫している情報の中から、ユーザの嗜好に合致しつつユーザにとって新鮮な情報を視覚的に提示することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施形態に係るシステムの表示画面を示す模式図である。
【図2】ユーザが縦帯のコンテンツを選択した場合を示す模式図である。
【図3】ユーザが縦帯のコンテンツにフォーカスを当てた場合を示す模式図である。
【図4】横帯のコンテンツをフォーカスした状態を示す模式図である。
【図5】シードのコンテンツの周囲に図1の縦帯のコンテンツを放射状に配置した例を示す模式図である。
【図6】シードのコンテンツ、視聴中のコンテンツに関連するブーミングのコンテンツ、ユーザの嗜好に基づいたブーミングのコンテンツの配置のバリエーションを説明するための模式図である。
【図7】シードのコンテンツ、視聴中のコンテンツに関連するブーミングのコンテンツ、ユーザの嗜好に基づいたブーミングのコンテンツの配置のバリエーションを説明するための模式図である。
【図8】本実施形態のシステムの主要部を示す模式図である。
【図9】本実施形態の処理を示すフローチャートである。
【図10】本実施形態の構成の具体例を示す模式図である。
【図11】本実施形態の具体的な処理を示すフローチャートである。
【図12】スコア計算の手法を示す模式図である。
【図13】具体的なアルゴリズムを示す模式図である。
【図14】有名人Aに対してホップ数を増やして有名人B〜Dが取得される様子を示す模式図である。
【図15】スコアの計算例を示す模式図である。
【図16】計算したスコアに基づいて、各情報を配置する例を示す模式図である。
【図17】ユーザによるスコア計算方法の個人化を説明するための模式図である。
【図18】情報を得たい有名人をユーザが直接入力する例を示す模式図である。
【図19】ユーザが直接「有名人A」をテレビ受像機から入力する例を示す模式図である。
【図20】有名人以外の情報が入力部へ入力される例を示す模式図である。
【図21】情報間を補完する情報を提供する例を示す模式図である。
【図22】図21で説明した2つの情報間をつなぐ情報について詳細に説明するための模式図である。
【図23】図22において、コンテンツとコンテンツをつなぐコンテンツを抽出する手法を示す模式図である。
【図24】図10の更に他の例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0011】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.本実施形態に係るシステムのユーザインタフェースの構成例
2.本実施形態に係るシステムの構成例
3.本実施形態の構成の具体例
【0012】
1.本実施形態に係るシステムのユーザインタフェースの構成例
まず、図1を参照して、本開示の第1の実施形態に係るシステム100のユーザインタフェースの構成について説明する。図1〜図5は、本実施形態に係るシステム100の表示画面を示す模式図である。本実施形態に係るシステム100は、タッチ操作が可能な表示画面102(タッチパネル)を備えており、ここでは、テレビ放送波を受信することができ、ネットワークに接続可能な装置を例示する。なお、システム100は、表示画面102上でタッチ操作を行うものに限定されるものではなく、他の操作入力部(キーボード、マウス、赤外線などの各種認識技術、リモートコントローラ等を含む)による操作が入力されるものであっても良い。
【0013】
図1に示すように、表示画面102の中央には、ユーザが視聴しているコンテンツ(動画)104が表示画面102の中央に表示されている。以下、表示画面102の中央に表示されているコンテンツをシードのコンテンツと称する場合がある。ここでは、一例として、ユーザが歌番組を視聴している場合を例示する。コンテンツ104の周囲には、コンテンツ104に関する、電子番組表の情報(コンテンツのタイトル、チャンネル情報、出演者の名前等)等が表示される。コンテンツ104の右側には、コンテンツに関するテキスト情報が表示されている。
【0014】
シードのコンテンツ104の周囲には、複数のコンテンツ(縦帯のコンテンツ106/横帯のコンテンツ108)が同時に表示される。縦帯のコンテンツ106は、シードのコンテンツ104の左側に上下方向に配列され、視聴中のコンテンツ104に関連する、ブーミングコンテンツ(SNS、VoD、放送等)として示される。横帯のコンテンツ108は、シードのコンテンツ104の下側に左右方向に配列され、ユーザの嗜好に基づいたコンテンツとして示されている(天気予報、好きなタレント、自分のSNS、等)。縦帯、横帯のコンテンツ106,108は、マルチソース(マルチメディア)のコンテンツであり、テレビ放送波で受信した情報に限らず、ウェブから取得した情報(You Tube,Twitter)など、様々な情報が含まれる。コンテンツ106は、後述するエンジンにより、テレビ放送波、ウェブなどからコンテンツ104と関係のあるものが抽出されて表示されている。
【0015】
コンテンツ104の左側に縦に並んでいるコンテンツ106は、コンテンツ104に対してトピックスとしてブーミングの値が高いものである。つまり、コンテンツ106は、コンテンツ104に関連するとともに、巷でブーム(人気)の高い情報に関する。コンテンツ106はブーミングの値の順で縦(上下)方向に配置されている。
【0016】
また、コンテンツ106は、ユーザの趣向に基づいて配置されている。上側に配置されたコンテンツ106ほどユーザの嗜好から離れた一般的なものであり、下側に配置されたコンテンツ106ほどユーザの嗜好により近いものである。つまり、上側に配置されたコンテンツ106ほど、ブーミング値は高いが、ユーザの嗜好とは無関係である。一方、下側に配置されたコンテンツ106ほど、上側に配置されたコンテンツ106に比べてブーミング値は低く、ユーザの嗜好に近いものとなる。
【0017】
縦帯のコンテンツ106は、スクロール操作によって上下に移動することができる。図1の画面を最初に表示した時点では、コンテンツ104の左側に位置するコンテンツ106aは、シードのコンテンツ104に対する関連が強く、且つブーミングの値が高いコンテンツである。
【0018】
コンテンツ106を下にスクロールするにつれて、ユーザの嗜好に「より近い」コンテンツ106が表示される。また、コンテンツ106を上にスクロールするにつれて、ユーザの嗜好に「より遠い」コンテンツ106が表示される。スクロールは、表示画面102上ではタッチ操作により行うことができる。
【0019】
横帯のコンテンツ108は、シードのコンテンツ104とは関係なく常に表示され、最もユーザの嗜好に合うものが複数表示されている。つまり、コンテンツ108は、常にユーザが見たい情報、チェックしておきたい情報であり、ユーザの「お気に入り」の情報である。例えば、コンテンツ108は、ユーザが登録したキーワードに基づいて、情報処理装置100によって抽出されて表示される。また、既にユーザの嗜好が外部サーバやネットワーク等に蓄積されている場合は、蓄積された嗜好に基づいて抽出されたコンテンツ108が表示される。また、情報処理装置100にネットワークに接続されていない場合においても、ユーザの操作に伴って情報処理装置100がユーザの嗜好情報を蓄積していき、蓄積した嗜好情報に基づいてアイコン108を抽出して表示するようにしても良い。
【0020】
なお、コンテンツ106,108の配置は、上述したものに限定されるものではなく、コンテンツ106を横帯に配置し、コンテンツ108を縦帯に配置しても良い。この場合においても、横帯のコンテンツ106は、縦帯のコンテンツ108に近づくほど、ユーザの嗜好性が高まるように配置することができる。
【0021】
ユーザは、表示画面102上に表示された各コンテンツ106,108を選択(ダブルタップ/enter key操作/決定)することによって、選択したコンテンツ106,108の詳細な情報を取得することができる。図2は、ユーザが縦帯のコンテンツ106を選択した場合を示す模式図である。図2に示すように、ユーザが縦帯のコンテンツ106の任意の1つを選択すると、そのコンテンツ106が表示画面102のセンター(=シード)に表示される。選択したコンテンツ106が表示画面102の1画面内に収まらない場合には、スクロールバーが表示され、コンテンツ106のレイアウトを保持した状態でスクロールしながらコンテンツ106の内容を確認することが可能である。
【0022】
図3は、ユーザが縦帯のコンテンツ106aにフォーカスを当てた場合、すなわち、ユーザがコンテンツ106aを選択することなく、操作している指をコンテンツ106a上に置いた場合を示している。この場合、図3に示すように、シードのコンテンツ104の右側に現在視聴中のコンテンツ104とコンテンツ106aとの関連理由109が表示される。また、フォーカスされたコンテンツ106aの周囲がハイライトされてコンテンツ106aが手前に浮き上がるように表示される。また、コンテンツ106aがフォーカスされたことにより、縦帯のコンテンツ106の下側の部分が横帯のコンテンツ108の上に重なった状態で表示される。この状態でハイライトされたコンテンツ106をダブルタップまたはenter keyを操作して決定すると、コンテンツ106を選択することができ、図2に示したように、コンテンツ106がシードとなって表示画面102の中央に表示される。
【0023】
図4は、横帯のコンテンツ108をフォーカスした状態を示している。縦帯のコンテンツ106と同様に、横帯のコンテンツ108の1つをフォーカスすると、フォーカスされたコンテンツ108の周囲がハイライトされ、手前に浮き上がるような表示が行われる。この状態でハイライトされたコンテンツ108をダブルタップまたはenter keyを操作して決定すると、コンテンツ108を選択することができ、コンテンツ108がシードとなる。図4に示すように、横帯のコンテンツ108をフォーカスすると、横帯のコンテンツ108の左側の部分が縦帯のコンテンツ106の上に重なった状態で表示される。
【0024】
図5は、シードのコンテンツ104の周囲に図1の縦帯のコンテンツ106を放射状に配置した例を示す模式図である。シードのコンテンツ104は表示画面102の中央に表示される。コンテンツ104の周囲には、図1に示した縦帯のコンテンツ106が放射状に表示されている。放射状に表示されたコンテンツ106とシードのコンテンツ104との距離に応じて、コンテンツ106とコンテンツ104の関係の強さが示される。また、ブーミングの強さは、コンテンツ106とコンテンツ104を結ぶ線110の太さ、コンテンツ106の表示画面102上での大きさによって表現される。例えば、ブーミング値の大きいコンテンツ106ほど、線110が太い線で表示される。また、ブーミング値の大きいコンテンツ106ほど、表示画面102上での大きさをより大きく表示しても良い。
【0025】
図5においても、コンテンツ106の上下方向の位置に応じて、ユーザの嗜好との関係が示される。上に配置されたコンテンツ106ほどユーザの嗜好からは離れており、下に配置されたコンテンツ106ほどユーザの嗜好に近いものとなる。コンテンツ106は、スクロールによって上下に移動することができる。従って、ユーザは、画面をスクロールすることによって、自身の嗜好に近いコンテンツ106から嗜好に遠いコンテンツ106までを表示画面102上で視認することができる。
【0026】
なお、図5において、横帯のコンテンツ108は図1と同様に画面下部の左右方向に配置されている。図5では、図1よりも多くの横帯のコンテンツ108が表示されている。
【0027】
表示画面102の下部の右側には日付、時刻が表示される。また、表示画面102の下部の左側には、ユーザの名前が表示される。上述したユーザの嗜好は、ユーザ毎に異なるため、情報処理装置100は、ユーザの名前に応じてユーザ毎に異なる表示を行う。
【0028】
図5の表示によれば、図1の表示に比べてより多くのコンテンツ106,108を表示することができるため、表示の一覧性をより高めることができる。また、コンテンツ106のコンテンツ104に対する関連性(繋がり)、ブーミング値を、コンテンツ104とコンテンツ106との距離、線110の太さ、コンテンツ106の大きさに基づいて視覚的に認識することができる。
【0029】
図3で説明したように、コンテンツ106の1つをフォーカスすると、コンテンツ104の右側には、コンテンツ104とフォーカスされたコンテンツ106の繋がりを示す関連理由109が表示される。この場合、フォーカスしたコンテンツ106に応じて、コンテンツ104の右側の関連理由109が変更されて表示される。
【0030】
また、他の例として、コンテンツ104の右側に電子番組表による番組情報が表示されている場合、番組情報のテキストのうち、フォーカスしたコンテンツ106に関係の深い部分がハイライトされる。この場合、他のコンテンツ106がフォーカスされると、フォーカスされたコンテンツ106とコンテンツ104との繋がりに応じて、番組情報のテキストのハイライト箇所が変化する。
【0031】
このような構成により、ユーザは、ハイライトされたコンテンツ106が何故コンテンツ104と繋がりがあるのかを知ることができる。これにより、ユーザがコンテンツ106を選択する際に、コンテンツ106に関するより多くの情報を与えることができる。
【0032】
図6及び図7は、シードのコンテンツ104、視聴中のコンテンツ104に関連するブーミングのコンテンツ106、ユーザの嗜好に基づいたブーミングのコンテンツ108の配置のバリエーションを説明するための模式図である。
【0033】
図6及び図7において、シードのコンテンツ104は“R”、視聴中のコンテンツ104に関連するブーミングのコンテンツ106は“P”、ユーザの嗜好に基づいたブーミングのコンテンツ108は“Q”で示している。
【0034】
図6は、図1と同様に、ユーザの嗜好に基づいたブーミングのコンテンツ108(“Q”)を表示画面102の下側に一列に配置し、コンテンツ106(“P”)を複数列(ここでは2列)に配置した例を示している。ここで、図6(A)では、シードのコンテンツ104の左側にコンテンツ106を2列配置している。これに伴い、シードのコンテンツ104は表示画面102の中央よりも少し右側に配置されている。また、図6(B)は、シードのコンテンツ104の左右にコンテンツ106を1列ずつ配置した例を示している。
【0035】
図7は、ユーザの嗜好に基づいたブーミングのコンテンツ108(“Q”)を非表示とした例を示している。このうち、図7(A)は、シードのコンテンツ104(“R”)を表示画面102の上下方向の中央に配置し、コンテンツ106(“P”)をシードのコンテンツ104(“R”)の上下に配置した例を示している。また、図7(B)は、シードのコンテンツ104(“R”)を表示画面102の左下の比較的狭い範囲に配置し、コンテンツ106(“P”)を表示画面102の比較的広い範囲に配置した例を示している。
【0036】
また、図7(C)は、シードのコンテンツ104(“R”)を表示画面102の中央上部の比較的狭い範囲に配置し、コンテンツ106(“P”)を表示画面102の比較的広い範囲に配置した例を示している。また、図7(D)は、図7(C)よりもシードのコンテンツ104(“R”)の表示範囲を拡げた例を示している。
【0037】
図6及び図7のいずれの例においても、コンテンツのエリアの形状は特に限定されるものではなく、正方形、長方形、多角形、円形など様々な形状とすることができる。また、コンテンツの配置についても、同心円状、ランダム配置など、様々な形態とすることができる。また、配置順についても、純粋にスコア順でなくても良く、ランダムな順番であっても構わない。
以上説明したようなユーザインタフェースによれば、映像コンテンツを視聴中の状態から、すぐに、世間でのブーミングや今現在の情報を確認できる。また、ユーザがいつも気にしている事柄(天気、交通情報など)をいつでも確認することができる。また、ユーザが更に深く知りたいときには、その場で調べることも可能である。
また、表示されたブーミングコンテンツから、自分の嗜好に近いほう/遠いほうのコンテンツを、画面を切り替えることなく、上下のスクロールのみで探して選ぶことができる。更に、特定の相手(有名人など)/事象についての、トピックや知識、関連する人/事象とのつながりを視覚的に認識することができる。
また、ワールドワイドウェブ(www)などの上に蓄積された膨大な情報のなかから、ユーザにとって意味のある情報を抽出することができ、かつ、ユーザの興味の幅を広げることが可能となる。
【0038】
2.本実施形態に係るシステムの構成例
次に、本実施形態に係るシステムの構成例について、コンテンツ106,108を抽出するアルゴリズムを中心として説明する。本実施形態では、世の中の「知識」、「流行(ブーミング)」を利用して、ユーザの興味を広げるための情報として、コンテンツ106,108(特にコンテンツ106)を提供する。コンテンツ104に関連するコンテンツ106は、「知識」に対応し、ブーミング値の高いコンテンツ106は、「流行」に対応する。
【0039】
今日では、現在、世の中にある情報は爆発的に増加、多様化している。特に、ウェブ(Web)の発達に伴い、一般人が情報を提供する場に回れるようになった。その一方、ユーザが見ることのできるコンテンツの総量には限界がある。このため、大量の情報を如何に効率良くユーザに届けるかが重要なテーマになっている。このような観点から、本実施形態では、情報の「繋がり(関連性)」を使ったアプローチと、情報の「ブーミング」を使ったアプローチを用いる。
【0040】
情報の「繋がり」を使ったアプローチと、情報の「ブーミング」を使ったアプローチは、一長一短を有している。情報の「繋がり」を使ったアプローチは、ユーザの興味のあるものに繋がった情報を与えて、ユーザが興味を抱きやすい情報を提供する。この場合、情報に変化が乏しく、飽きやすいという欠点がある。これは、繋がりの関連性は、ある程度静的な情報であり、ユーザの興味の対象が固定的であることに起因する。
【0041】
ブーミングを使ったアプローチは、ブーミングを考慮した最新の情報を与え、ユーザがまだ知らず、かつ見る価値の高い情報を与える。この場合、ブーミングは一般的なもののため、ユーザが個人的に興味を持つとは限らないという欠点がある。
【0042】
このため、本実施形態では、ユーザが興味のある特定の情報をキーとして、それに対する繋がりの情報とブーミングの情報を利用してユーザに情報を提供する。この際、提供する情報のスコア(重要度)を用いてユーザに情報を提供する。提供する情報のスコア(重要度)は、つながりのスコア(つながりの強さ)と、ブーミングのスコアをミックスさせて用いる。
なお、「流行性」、「ブーミング」とは、所定の集団の中における、所定のトピックに対する人気または関心の状態をいう。また、「ブーミングデータ」「ブーミングスコア(ブーミング値」とは、所定の集団の中で、所定のトピックに対する人気または関心の強さの程度を表す。たとえば、インターネット、放送などにおいて所定の期間におけるトピックに関する情報の量が多い状態をから評価することが出来る。具体的には、直近でトピックに関連する語句が所定のホームページで記載されていることを検出する。例えばTwitterなどで関連する語句を含むページが多いことにより、ブーミングスコアが高いと評価することが出来る。また、直近でトピックに関連する語句がインターネットで検索されている量に基づき評価することができ、関連する語句が検索されていることが多い場合にブーミングスコアを高いと評価することができる。そのほか、検索されている回数の上昇率からブーミングスコアを評価することも可能であり、上昇率が高い場合はブーミングスコアが高いと判断することができる。そのほか、マーケティングに関する情報に基づきブーミングスコアを評価することも可能である。たとえば、トピックに関連する商品が多く売れていることにもとづきブーミングスコアが高いと評価することができる。
【0043】
図8は、本実施形態のシステムの主要部を示す模式図である。本実施形態のシステムは、入力部202、出力部204、出力情報計算部206、表示制御部207、ブーミングデータ(データベース)208、つながりデータ(データベース)210、操作入力部211を有して構成される。入力部202には、取得したい情報が入力される。図1の例では、コンテンツ104の情報が入力部202に入力される。入力部202に入力された情報(入力情報)は、出力情報計算部206に送られる。出力情報計算部206の関連性情報取得部206aは、コンテンツ104に関連する(つながっている)関連情報をつながりデータ210から抽出する。
【0044】
また、出力情報計算部206の流行性情報取得部206bは、つながりデータ210から抽出された関連情報に関して、ブーミングデータ208からブーミングが強い情報を取得する。出力情報計算部206の情報抽出部206cは、関連性の強さとブーミングの強さを元に抽出した情報を出力部204へ出力する。出力部204は、一例として液晶表示部(LCD)などのディスプレイである。表示制御部207は、関連性の強さとブーミングの強さを元に抽出した情報を表示するための制御を行う。具体的には、表示制御部207は、上述した図1〜7で説明した表示を表示部(出力部204)に表示するための制御を行う。また、操作入力部211は、タッチパッド(タッチパネル)、マウス、キーボード等の構成要素であって、ユーザによる操作が入力される。表示制御部207は、操作入力部211に入力されたユーザの操作に応じて表示を制御する。
【0045】
なお、図8に示す構成要素は、回路(ハードウェア)、またはCPUなどの中央演算処理装置と、これを機能させるためのプログラム(ソフトウェア)から構成することができる。この場合において、そのプログラムは、ハードディスク、各種メモリ、あるいは外部から挿入されるディスク状記録媒体などの各種記録媒体に格納されることができる。また、そのプログラムは、インターネットなどの通信回線網を介してダウンロードすることにより、上記各種メモリ、記録媒体等に格納することができる。
【0046】
図9は、本実施形態の処理を示すフローチャートである。先ず、ステップS10では、入力部202に情報が入力される。次に、ステップS12では、つながりデータ210を使用して、入力情報と繋がっている関連情報が取得される。次のステップS14では、ブーミングデータ208を使用して、取得した関連情報に関する流行の情報が取得される。次のステップS16では、情報が出力部204から出力される。
【0047】
3.本実施形態の構成の具体例
図10は、本実施形態の構成の具体例を示す模式図である。図10に示す例では、サーバ300とテレビ受像機400によってシステム100が構成された例を示している。
【0048】
入力部202には、ユーザが視聴しているシードのコンテンツ104が入力される。コンテンツ104には、出演者、番組名などの情報が含まれている。ここで、出演者を関連者群Aと称する。出力情報計算部206は、有名人のつながりデータ210aから、関連者群Aと繋がっている有名人群Bを抽出する。ここで、図10に示す有名人つながり演算部220は、任意の外部サーバの情報から、有名人のつながりを事前計算して有名人のつながりデータ210aに反映させる。ここでは、有名人つながり演算部220は、一例としてウィキペディア(Wikipedia)を元に有名人のつながりを事前計算し、有名人のつながりデータ210aに反映させる。
【0049】
また、ブーミング情報抽出部230は、有名人に関するブーミングデータを取得し、ブーミングデータ208aに格納された有名人に関する情報にブーミングスコアを反映させる。ここでは、ブーミング情報抽出部230は、一例としてツイッター(twitter)から有名人に関するブーミングデータを取得し、ブーミングデータ208aに格納された有名人に関する情報にブーミングスコアを反映させる。出力情報計算部206は、有名人のつながりデータ210aから抽出した有名人群Bに関してブーミングが強い情報をブーミングデータ208aから取得する。そして、出力情報計算部206は、関連性の強さとブーミングの強さに基づいて情報を出力部204へ出力する。
【0050】
なお、つながり、およびブーミングを取得する際に、情報源をフィルタリングすることもできる。例えば、ユーザがツイッターは利用しておらず、日常的にフェイスブックを利用している場合は、情報源としてフェイスブックを使用する。例えば、テレビ受像機400400からサーバ300へユーザがフェイスブックを利用していることを示す情報を送ることで、サーバ300側ではこれを認識することができ、情報源としてツイッターの代わりにフェイスブックを使用することができる。
【0051】
次に、出力情報計算部206における具体的な処理について説明する。図11は、本実施形態の具体的な処理を示すフローチャートである。最初に、関連者群Aに対して探索する関連の深さD、及び取得する情報数Nが与えられているものとする。先ず、ステップS20において、視聴しているコンテンツ104としてコンテンツCが取得される。次のステップS22では、関連を取得するためのシード群Rs、話題を取得するためのシード群Bs、探索している深さKの初期値を設定する。ステップS24では、K≦Dであるか否かを判定し、K≦Dの場合はステップS24〜S26のループに入る。
【0052】
ステップS26では、関連を取得するためのシード群Rsと話題を取得するためのシード群Bsとを含むシード群が取得され、新たにBsの値とされる(Bs←Rs∪Bs)。これにより、Rsによって有名人群Bsが拡張される。これにより、今までのRsにつながる有名人群が探索され、新たなRsが設定される。同時に、フラグKの値が1つ増加する(K←K+1)。これにより、1ホップ進んだ関連するシード群Bsが得られる。ステップS24〜S26のループを繰り返すことにより、より関連性の少ない、広範囲のシード群Bsが探索されていく。
【0053】
ステップS24において、K>Dの場合は、ステップS28へ進む。ステップS28では、探索結果Bsに関するブーミングの情報群Bを取得する。情報群Bは、多数取得されるので、ステップS30において、情報群Bをスコアに従ってソートする。ステップS32では、スコアを鑑みて、情報群Bの中からN件を取得して出力する。ここでは、一例として、情報群Bから上位N件を出力する。
【0054】
図12はスコア計算の手法を示す模式図である。ここでは、つながりの強さとブーミングの強さをマッチングさせる。一例として、(1)つながりスコアaとブーミングスコアbの積、または(2)つながりスコアaとブーミングスコアbの和に基づいてソートを行う。または、(3)つながりスコアとブーミングスコアのログ(log)をとって、これに基づいてソートを行う。いずれにおいても、つながりが強ければ強いほどスコアが高くなり、ブーミングがつよければ強いほどスコアが高くなる方法であれば、他の方法であっても良い。
【0055】
図13は、具体的なアルゴリズムを示す模式図である。取得する情報数を3個(N=3)、探索するホップ数を2回(K=2)、視聴中のコンテンツに有名人Aが紐づいている場合を想定する。この場合に、有名人A,B,C,Dのつながり関係は、図13(A)のつながりスコアで示されるものとする。また、各有名人A,B,C,Dに対する情報a’,a”,b’,b”,
c’,c”, d’,d”のブーミングスコアは、図13(B)のスコアで示されるものとする。
【0056】
図14は、有名人Aに対してホップ数を増やして有名人B〜Dが取得される様子を示す模式図である。先ず、視聴しているシードのコンテンツ104に基づく有名人Aが取得される。ここで、有名人Aは、コンテンツ104に実際に出演している有名人である。次に、1ホップ先の有名人として有名人B,Cが取得される。次に、2ホップ先の有名人として有名人Dが取得される。
【0057】
図15は、スコアの計算例を示す模式図である。ここでは、図12の(1)の方法により、つながりスコアとブーミングスコアの積からスコアを計算する。図13(B)及び図15において、情報a’,a”は、有名人Aに関連する情報である。また、情報b’,b”
は有名人Bに関連する情報であり、情報c’,c” は有名人Cに関連する情報であり、情報d’,d” は有名人Dに関連する情報である。
【0058】
例えば、有名人Aに対する情報a’,a”は、有名人Aに直接関連するため、つながりスコアは1である。また、図13(B)に示すように、ブーミングスコアは、情報a’が0.8であり、情報a”が0.5である。従って、図15に示すように、情報a’のスコアは、1*0.8=0.8となる。また、情報a”のスコアは、1*0.5=0.5となる。
【0059】
有名人Bに対する情報b’,b”は、有名人Bに関連するため、図13(A)に示すように、つながりスコアは0.6である。また、ブーミングスコアは、図13(B)に示すように、情報b’が0.8であり、情報b”が0.4である。従って、図15に示すように、情報b’のスコアは、0.6*0.8=0.48となる。また、情報b”のスコアは、0.6*0.4=0.24となる。
【0060】
以上の方法により、図15に示すように、情報a’,a”,b’,b”,
c’,c”, d’,d”のそれぞれについてスコアを計算する。このように、つながりスコアとブーミングスコアに基づいてスコアを計算することによって、スコアに基づいて各情報のランク付けをすることができる。そして、スコアに基づいて上位3件を抽出し、図11のステップS32の結果として出力する。
【0061】
スコア計算は、つながりスコア、ブーミングスコア、及び双方を混ぜあわせたスコア(マッチングスコア)の幾つかを組み合わせて行う。例えば、N件の取得方法として例として下記のようなバリエーションが考えられる。
・マッチングスコアの高いものN件
・つながりスコアの高いものN人の有名人それぞれでブーミングスコア(マッチングスコア)が最大の情報。
・有名人をN/n件、それぞれn件でも可
・ブーミングスコア(つながりスコア)が一定値以上のもののみを対象に、上記方法を利用する。
【0062】
例えば、第1の方法では、マッチングスコアの上位3件を抽出する(図15中の○印)。第2の方法では、つながりスコアの上位3件を抽出し、その中でブーミングスコアが最も高いものを抽出する(図15中の□印)。また、第3の方法では、ブーミングスコアが0.7以上を条件にして、マッチングスコアの上位3件を抽出する(図15中の△印)。
【0063】
第1の方法の場合、有名人Aに直接関連する情報a’,a”は、つながりスコア(=1)が高いため、ブーミングスコアが比較的小さくてもステップS32の結果として出力される。また、第2の方法の場合、ブーミングスコアの高い情報a’,b’,c’を抽出することができる。また、第3の方法の場合、つながりスコアが比較的低いがブーミングスコアの高い情報b’,d’を抽出することができる。
【0064】
このように、つながりとブーミングを組み合わせることにより、入力情報と関連の高い情報のみならず、入力情報と比較的関連が小さくても流行性のある情報を抽出して出力することができる。
【0065】
なお、スコア計算の際の計算量を削減するため、ブーミングデータ208の情報を取得するときにブーミングスコアが所定のフィルタリングしきい値よりも低いものは無条件で取得しないようにしても良い。これは、ブーミングスコアの低いものは、ユーザにとって利用価値が低いと考えられるためである。これにより、計算量を削減することができる。また、この際に、ブーミングスコアによるフィルタリングのしきい値を、つながりスコアを元に算出しても良い。つまり、つながりスコアが高く、入力された情報に対してつながりが強い情報は、ブーミングのフィルタリングを弱くする。これにより、つながりが強い情報については、よりニッチな情報も抽出することができ、ユーザの欲求に沿った探索が可能となる。
【0066】
図16は、計算したスコアに基づいて、各情報を配置する例を示す模式図である。図16(A)は、マッチングスコアの値に基づいて各情報をソートして配置する例を示している。この場合、マッチングスコアの高い情報から順に上から表示される。
【0067】
また、図16(B)は、つながりスコアの値に基づいて情報をソートし、つながりスコアの高い情報から順に上から表示するとともに(つながりスコアの値が同じであれば、左右に並べて配置する)、ブーミングスコアの値に基づいてソートし、ブーミングスコアの高い情報を左側に表示した例を示している。
【0068】
また、図16(C)は、つながりスコアとブーミングスコアを用いて、2次元にマッピングした例を示している。図16(B)と同様に、つながりスコアの値に基づいて情報をソートし、つながりスコアの高い情報から順に上から表示する(つながりスコアの値が同じであれば、左右に並べて配置する)。また、ブーミングスコアの値に基づいてソートし、ブーミングスコアの高い情報をより右側に表示した例を示している。
【0069】
図16(A)〜(C)に示すような配置をすることにより、図1の縦帯のコンテンツ106のように、シードのコンテンツ104とのつながりと、ブーミングの値に応じて情報を配置することが可能となる。
【0070】
つながりスコア、ブーミングスコアの計算の際には、全てのユーザに対して画一的な計算方法を用いなくても良く、個々のユーザに応じてスコア計算方法の個人化を行っても良い。図17は、ユーザによるスコア計算方法の個人化を説明するための模式図である。図17(A)は、ユーザによってつながりスコア、ブーミングスコアの使用する割合を使い分けた例を示す模式図である。図17(A)に示す例では、ユーザAは、つながり20%、ブーミング80%の割合である。また、ユーザBは、つながり80%、ブーミング20%の割合である。図15の例に従ってスコアを計算と、つながりスコア、ブーミングスコアに上述した比率を乗算して、マッチングスコアを求める。例えば、ユーザAの場合、情報a’のマッチングスコアは、(1×20%)×(0.8×80%)=0.128となる。
【0071】
図17(A)に示した割合は、図17(B)に示すように、ユーザのコンテンツの視聴の履歴のフィードバック結果に応じて変更しても良い。図17(B)に示すように、あるユーザの割合が、当初はつながり50%、ブーミング50%の割合であった場合に(図17(B)の中央)、ユーザが、つながりスコアが強いコンテンツを多く視聴した場合は、図17(B)の左側に示すように、つながり60%、ブーミング40%の割合に変更する。また、ユーザが、ブーミングスコアが強いコンテンツを視聴した場合は、図17(B)の右側に示すように、つながり40%、ブーミング60%の割合に変更する。
【0072】
次に、図面に基づいて本実施形態のバリエーションについて説明する。上述した例では、ユーザがテレビ受像機にて現在視聴しているコンテンツ104の情報が入力部202へ入力されるものとしたが、これに限定されるものではない。図18は、情報を得たい有名人をユーザが直接入力する例を示す模式図である。図18に示す例では、入力部202にユーザの嗜好に合った「有名人群A」が入力され、有名人群Aについての情報を出力情報計算部206が取得する例を示している。この場合、例えば図1の横帯のコンテンツ108の中から、ユーザの嗜好に合った有名人群Aが入力部202へ入力される。また、テレビ受像機において、ユーザの操作履歴に基づいてユーザの嗜好情報を取得しておき、取得した嗜好情報が入力部202へ入力されるようにしても良い。その後の処理は図10と同様であり、図8の「関連者群A」を「有名人群A」として同様の処理が行われる。
【0073】
また、図10、図18では、つながりデータ210a、ブーミングデータ208aの情報源として、ウィキペディア(Wikipedia)、ツイッター(twitter)を用いたが、ウィキペディアの代わりにIMDb、flickrなどの情報源を用いても良い。また、ツイッターの代わりに、フェイスブック(facebook)などの情報源、RSS、ニュース記事を用いても良い。更に、一般的なウェブから情報を取得することもできる。
【0074】
図19は、ユーザが直接「有名人A」をテレビ受像機から入力する例を示している。この場合においても、その後の処理は図10と同様であり、図10の「関連者群A」を「有名人A」として同様の処理が行われる。
【0075】
図20は、有名人以外の情報が入力部202へ入力される例を示す模式図である。図20に示す例では、視聴しているコンテンツの場所群A(ロケ地など)が入力される。出力情報計算部206は、場所のつながりデータ210bから、場所群Aと繋がっている場所群Bを抽出する。ここで、図20に示す場所つながり演算部220は、一例としてflickrを元に場所のつながりを事前計算し、つながりスコアとして場所のつながりデータ210bに格納された各場所に反映させる。
【0076】
また、ブーミング情報抽出部230は、一例としてツイッター(twitter)から場所群に関するブーミングデータを取得し、ブーミングデータ208bに格納された場所に関する情報にブーミングスコアを反映させる。出力情報計算部206は、つながりデータ210bから抽出した場所群Bに関するブーミングが強い情報をブーミングデータ208bから取得する。そして、出力情報計算部206は、関連性の強さとブーミングの強さに基づいて情報を出力する。
【0077】
図21は、情報間を補完する情報を提供する例を示す模式図である。図21に示す例では、視聴しているコンテンツの関連者群A(出演者など)と、ユーザの嗜好情報とが入力部202へ入力される。出力情報計算部206は、関連者群Aとユーザの嗜好情報との間にいる有名人群Bを抽出する。すなわち、出力情報計算部206は、関連者群Aとユーザの嗜好情報との間をつなぐ有名人群Bを抽出する。有名人群Bは、関連者群Aとユーザの嗜好情報との間に位置する情報群である。その後の処理は、図10と同様である。
【0078】
図21に示す例によれば、ユーザは、視聴しているコンテンツ104に関連する情報、ブーミングが高い情報のみならず、自身の嗜好に合ったコンテンツを取得することができる。これにより、視聴しているコンテンツ104に関連するとともに、巷で流行になっており、且つ自身の嗜好にも合った情報を取得することが可能となる。なお、ここで取得される情報は、図1の縦帯のコンテンツ106に対応し、特に、コンテンツ106aよりも下側に配置され、コンテンツ108に向かって配列されたコンテンツ106に対応する。コンテンツ106をスクロールすることにより、流行のコンテンツから徐々に、自分の嗜好にマッチするところまで取捨選択して取得することが可能となる。
【0079】
ここで、図22に基づいて、図21で説明した2つの情報間をつなぐ情報について詳細に説明する。図22に示す例では、視聴コンテンツ104とユーザの嗜好との間をつなぐコンテンツ109(有名人群B)を示している。視聴コンテンツ104に対して関連の強いコンテンツ106aが抽出され、コンテンツ106aとユーザの嗜好が強いコンテンツ108との間をつなぐ情報として有名人群Bが抽出される。有名人群Bは、図1の縦帯のコンテンツ104のうち、コンテンツ104aよりも下側に配置されたコンテンツに対応する。このように、現在視聴しているコンテンツ104と、ユーザの嗜好に合ったコンテンツ108を両端に配置し、その間に位置する情報(有名人群B)を配置し、視聴コンテンツ104とユーザの嗜好コンテンツ106との間をつなぐ情報を提示することができる。従って、ユーザに対して、視聴コンテンツ104からユーザの嗜好コンテンツ108に近づいていくような情報を提供することができる。図22に示すように、コンテンツ109のそれぞれには、ブーミングスコアに従って更にコンテンツが並べられている。従って、隣接するコンテンツ109間にブーミングスコアに従ったコンテンツを配置することで、コンテンツ104とコンテンツ108の間に、嗜好とブーミングに従って遷移する複数のコンテンツ(図1の縦帯のコンテンツ106に対応)を配置することができる。
【0080】
図22において、視聴コンテンツ104により近い位置(図22中の左側)に配置された有名人群Bほど、視聴コンテンツ104に関連が強く、嗜好コンテンツ106に関連が弱いコンテンツである。一方、嗜好コンテンツ106により近い位置(図22中の右側)に配置された有名人群Bほど、嗜好コンテンツ106に関連が強く、視聴コンテンツ104に関連が弱いコンテンツである。図1の縦帯のコンテンツ106をこのように配列することで、ユーザは、視聴コンテンツ104に関連の強いコンテンツ106から嗜好コンテンツに関連の強いコンテンツ106を自由に閲覧することができ、所望のコンテンツを選択することが可能である。
【0081】
また、図22において、コンテンツ106aからコンテンツ108へ進むパスと反対の方向に向かって情報を取得することで、図1の縦帯のコンテンツ106において、コンテンツ106aよりも上に配置されるコンテンツを取得することができる。
【0082】
なお、図21、図22の例では、視聴コンテンツ104と嗜好コンテンツ108の間をつなぐ情報を取得したが、本実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、試聴コンテンツと録画済みコンテンツを図22の両端に配置し、2つのコンテンツを結びつける情報をその間に配置しても良い。更に、2人の異なるユーザの嗜好コンテンツを図22の両端に配置し、2つのコンテンツをつなぐコンテンツをその間に配置しても良い。
【0083】
また、周囲の状況を加味して取得情報を変更させることも可能である。例えば、一緒にいる人の嗜好コンテンツを使って、自分の嗜好コンテンツとつながるような情報を取得することができる。また、ユーザの現在位置の場所を判断して、場所に準じた情報と、ユーザの嗜好コンテンツとをつなぐ情報を取得することもできる。
【0084】
図23は、図22において、コンテンツ106aとコンテンツ108をつなぐコンテンツ109を抽出する手法を示す模式図である。2情報間(コンテンツ106aとコンテンツ108との間)を繋ぐ情報の生成は、全つながりデータの中から2者(コンテンツ106aとコンテンツ108)をつなぐ最適なパスを求めることで生成する。図23に示す数値は、隣接するコンテンツ間のつながりスコアを示している。この際、ダイクストラ法、Aアルゴリズムなどのグラフ探索アルゴリズムを使用することができる。
【0085】
図23(A)に示す例では、コンテンツ106aとコンテンツ108との間でつながりのあるコンテンツを抽出し、コンテンツ106aとコンテンツ108との間で最もホップ数が少ないパス300を求めた例を示している。この場合、パス300に沿って位置するコンテンツ109a、コンテンツ109bが2つのコンテンツ106a,108間の情報として抽出される。
【0086】
また、図23(B)に示す例では、コンテンツ106aとコンテンツ108との間でつながりのあるコンテンツを抽出し、コンテンツ106aとコンテンツ108との間で最もつながりスコアの高いパス310を求めた例を示している。この場合、パス310に沿って位置するコンテンツ109c〜eが2つのコンテンツ106a,108間の情報として抽出される。
【0087】
図24は、図10の更に他の例を示す模式図である。図24に示す例では、ユーザが毎朝チェックしたいキーワード群Aを予め登録しておく。そして、毎朝特定の時刻になった場合、あるいはユーザがコンテンツの取得を要求した場合に、キーワード群Aが出力情報計算部206に送られる。その後の処理は図10と同様であり、図10の「関連者群A」を「キーワード群A」とし、「関連者群B」を「キーワード群B」として同様の処理が行われる。
【0088】
図24の構成によれば、ユーザがキーワード群Aを予め登録しておくことにより、キーワード群Aに関連が強いキーワード群Bのうち、ブーミングが強い情報を取得することが可能となる。
【0089】
以上説明したように本実施形態によれば、情報のつながりに基づいて、ユーザにとって興味がありそうな情報を抽出して出力することが可能となる。また、ブーミングスに基づいて、ユーザが知らないフレッシュな情報を抽出して出力することが可能となる。従って、ユーザが欲しい情報を大量に氾濫している情報の中から効率良く抽出することが可能となる。
【0090】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0091】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)入力された元情報に関連する関連情報を取得する関連情報取得部と、
前記関連情報について、流行性に関する情報を取得する流行性情報取得部と、
前記関連情報の中から、前記元情報に対する関連の強さと、流行性の強さとに基づいて複数の出力情報を抽出する情報抽出部と、
前記複数の出力情報を、前記元情報に対する関連の強さと流行性の強さとに基づいて配置して表示部に表示させる表示制御部と、
を備える、情報処理装置。
【0092】
(2)前記表示制御部は、前記元情報とともに前記複数の出力情報を表示させる、前記(1)に記載の情報処理装置。
【0093】
(3)前記表示制御部は、前記複数の出力情報の1つが選択された場合に、選択された前記出力情報と前記元情報との関連理由を前記表示部に表示させる、前記(2)に記載の情報処理装置。
【0094】
(4)前記表示制御部は、前記複数の出力情報の1つが選択された場合に、選択された前記出力情報の明度をより明るくして前記表示部に表示させる、前記(2)に記載の情報処理装置。
【0095】
(5)前記表示制御部は、前記複数の出力情報の他に、ユーザの嗜好が強い嗜好情報を前記表示部に表示させる、前記(1)に記載の情報処理装置。
【0096】
(6)前記表示制御部は、複数の前記出力情報のうち、ユーザの嗜好が強い出力情報ほど前記嗜好情報の近くに配置して表示させる、前記(5)に記載の情報処理装置。
【0097】
(7)前記表示制御部は、前記複数の出力情報の1つが選択された場合に、前記複数の出力情報を前記嗜好情報の上に重ねて表示する、前記(5)に記載の情報処理装置。
【0098】
(8)前記表示制御部は、前記出力情報を、前記元情報を中心として放射状に配置して表示させる、前記(2)に記載の情報処理装置。
【0099】
(9)前記表示制御部は、前記出力情報の前記元画像に対する関連の強さ、または流行性の強さに応じて、前記出力情報の表示の大きさ、または前記出力情報と前記元画像を結ぶ線の太さを変化させて前記表示部に表示させる、前記(2)に記載の情報処理装置。
【0100】
(10)前記表示制御部は、ユーザの操作に応じて前記複数の出力情報を前記表示部上でスクロールさせる、前記(1)に記載の情報処理装置。
【0101】
(11)入力された元情報に関連する関連情報を取得することと、
前記関連情報について、流行性に関する情報を取得することと、
前記関連情報の中から、前記元情報に対する関連の強さと、流行性の強さとに基づいて複数の出力情報を抽出することと、
前記複数の出力情報を、前記元情報に対する関連の強さと流行性の強さとに基づいて配置して表示部に表示させることと、
を備える、情報処理方法。
【0102】
(12)入力された元情報に関連する関連情報を取得する手段、
前記関連情報について、流行性に関する情報を取得する手段、
前記関連情報の中から、前記元情報に対する関連の強さと、流行性の強さとに基づいて複数の出力情報を抽出する手段、
前記複数の出力情報を、前記元情報に対する関連の強さと流行性の強さとに基づいて配置して表示部に表示させる手段、
としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0103】
100 システム
202 入力部
206 出力情報計算部
206a 関連情報取得部
206b 流行性情報取得部
206c 情報抽出部
207 表示制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された元情報に関連する関連情報を取得する関連情報取得部と、
前記関連情報について、流行性に関する情報を取得する流行性情報取得部と、
前記関連情報の中から、前記元情報に対する関連の強さと、流行性の強さとに基づいて複数の出力情報を抽出する情報抽出部と、
前記複数の出力情報を、前記元情報に対する関連の強さと流行性の強さとに基づいて配置して表示部に表示させる表示制御部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記元情報とともに前記複数の出力情報を表示させる、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記複数の出力情報の1つが選択された場合に、選択された前記出力情報と前記元情報との関連理由を前記表示部に表示させる、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記複数の出力情報の1つが選択された場合に、選択された前記出力情報の明度をより明るくして前記表示部に表示させる、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記複数の出力情報の他に、ユーザの嗜好が強い嗜好情報を前記表示部に表示させる、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、複数の前記出力情報のうち、ユーザの嗜好が強い出力情報ほど前記嗜好情報の近くに配置して表示させる、請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記表示制御部は、前記複数の出力情報の1つが選択された場合に、前記複数の出力情報を前記嗜好情報の上に重ねて表示する、請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記表示制御部は、前記出力情報を、前記元情報を中心として放射状に配置して表示させる、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記表示制御部は、前記出力情報の前記元画像に対する関連の強さ、または流行性の強さに応じて、前記出力情報の表示の大きさ、または前記出力情報と前記元画像を結ぶ線の太さを変化させて前記表示部に表示させる、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記表示制御部は、ユーザの操作に応じて前記複数の出力情報を前記表示部上でスクロールさせる、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項11】
入力された元情報に関連する関連情報を取得することと、
前記関連情報について、流行性に関する情報を取得することと、
前記関連情報の中から、前記元情報に対する関連の強さと、流行性の強さとに基づいて複数の出力情報を抽出することと、
前記複数の出力情報を、前記元情報に対する関連の強さと流行性の強さとに基づいて配置して表示部に表示させることと、
を備える、情報処理方法。
【請求項12】
入力された元情報に関連する関連情報を取得する手段、
前記関連情報について、流行性に関する情報を取得する手段、
前記関連情報の中から、前記元情報に対する関連の強さと、流行性の強さとに基づいて複数の出力情報を抽出する手段、
前記複数の出力情報を、前記元情報に対する関連の強さと流行性の強さとに基づいて配置して表示部に表示させる手段、
としてコンピュータを機能させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate


【公開番号】特開2013−97700(P2013−97700A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−242025(P2011−242025)
【出願日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】