説明

情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム

【課題】従来と比して一段と、カラオケで歌うときに有用な情報をユーザに提供する。
【解決手段】再生部3が楽曲を再生しているときに、音声入力部2を介して入力される、当該楽曲を歌うユーザの声の音域と、当該楽曲の音域とのズレをもとに、キー変更量算出部4が、当該楽曲の音域がユーザの声の音域内となるように当該楽曲のキーを変更するためのキー変更量を算出するようにしたことにより、実際に楽曲を歌うときの声の音域に合ったキーの変更量をユーザに提示することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関し、例えば、例えばカラオケに関する情報を提供する際に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
現在、カラオケは、娯楽の1つとして広く親しまれている。また従来、カラオケで歌う楽曲を自動的に選択してくれる装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
この装置では、例えば、最初にユーザの声を入力して、この声をもとに、ユーザが発生可能な音域と音域幅を特定し、この音域と音域幅とで歌うことのできる楽曲のリストを表示するようになっている。このリストの中には、キーを変更しないで歌うことのできる楽曲にくわえて、キーを変更することで歌うことのできる楽曲も含まれ、さらにキーの変更量も記されている。
【0004】
ユーザは、このようなリストを参照することで、自分が発生し得る音域で歌える楽曲を知ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−32788公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、上述のリストに記されている楽曲を実際にカラオケで歌ってみると、リストに記されている通りにキーを変更したにもかかわらず、自分の声の音域に合わないことがある。このような状況は、例えば、楽曲の難易度が高く、最初に装置に入力したときの声の音域と、実際に楽曲を歌ってみたときの声の音域とにズレが生じてしまうような場合に起こり得る。
【0007】
この場合、ユーザは、実際に歌ってみたときの声の音域に合うように、再度、カラオケ機器に対してキーの変更を行わなくてはならない。
【0008】
このように、従来の装置では、必ずしも、各楽曲について、実際に歌うときの声の音域に合ったキーの変更量を提示することができなかった。
【0009】
換言すれば、実際に楽曲を歌うときの声の音域に合ったキーの変更量を提示することができれば、従来と比して一段と、カラオケで歌うときに有用な情報をユーザに提供することができると言える。
【0010】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、従来と比して一段と、カラオケで歌うときに有用な情報をユーザに提供することができる情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
かかる課題を解決するため本発明においては、音声を入力する音声入力部と、楽曲を再生する再生部と、再生部が楽曲を再生しているときに、音声入力部を介して入力される、当該楽曲を歌うユーザの声の音域と、当該楽曲の音域とのズレをもとに、当該楽曲の音域がユーザの声の音域内となるように当該楽曲のキーを変更するためのキー変更量を算出するキー変更量算出部とを設けるようにした。
【0012】
このように、実際に楽曲を歌っているときのユーザの声の音域をもとに、楽曲のキー変更量を算出するようにしたことで、実際に楽曲を歌うときの声の音域に合ったキーの変更量をユーザに提示することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、実際に楽曲を歌っているときのユーザの声の音域をもとに、楽曲のキー変更量を算出するようにしたことで、実際に楽曲を歌うときの声の音域に合ったキーの変更量をユーザに提示することができる。この結果、従来と比して一段と、カラオケで歌うときに有用な情報をユーザに提供することができる情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施の形態の概要となる情報処理装置の機能構成を示すブロック図である。
【図2】携帯端末の外観構成を示す略線図である。
【図3】携帯端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図4】メニュー画面の構成を示す略線図である。
【図5】カラオケ楽曲リスト画面の構成を示す略線図である。
【図6】曲音域幅とユーザ音域幅の説明にともなう略線図である。
【図7】カラオケ楽曲リストを示す略線図である。
【図8】絞込条件設定画面の構成を示す略線図である。
【図9】カラオケ練習画面の構成を示す略線図である。
【図10】音階と色の説明にともなう略線図である。
【図11】楽曲のメロディラインと実際にユーザが歌ったときの声の説明にともなう略線図である。
【図12】カラオケ楽曲リスト生成までの情報の流れの説明にともなう略線図である。
【図13】推奨キー設定処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、発明を実施するための最良の形態(以下実施の形態とする)について説明する。尚、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態の概要
2.実施の形態の具体例
3.変形例
【0016】
<1.実施の形態の概要>
まず、実施の形態の概要を説明する。この概要を説明した後、実施の形態の具体例の説明に移り、最後に変形例を説明する。尚、ここで説明する概要は、実施の形態の具体例容と変形例とを含めた内容の概要である。
【0017】
図1において1は、情報処理装置を示す。この情報処理装置1には、音声を入力する音声入力部2と、楽曲を再生する再生部3とが設けられている。またこの情報処理装置1には、再生部3が楽曲を再生しているときに、音声入力部2を介して入力される、当該楽曲を歌うユーザの声の音域と、当該楽曲の音域とのズレをもとに、当該楽曲の音域がユーザの声の音域内となるように当該楽曲のキーを変更するためのキー変更量を算出するキー変更量算出部4が設けられている。
【0018】
このように、情報処理装置1では、実際に楽曲を歌っているときのユーザの声の音域をもとに、楽曲のキー変更量を算出するようにしたことで、実際に楽曲を歌うときの声の音域に合ったキーの変更量をユーザに提示することができる。
【0019】
さらに情報処理装置1には、例えば、音声入力部2を介して入力されるユーザの声からユーザの声の音域と音域幅とを特定するユーザ音域特定部5と、複数の楽曲のうち、ユーザ音域特定部5により特定されたユーザの声の音域幅以下の音域幅を有する楽曲を検索する楽曲検索部6とが設けられている。
【0020】
ここで、キー変更量算出部4は、楽曲検索部6により検索された楽曲のそれぞれについて、楽曲の音域と、ユーザ音域特定部5により特定されたユーザの声の音域とのズレをもとに、楽曲の音域がユーザの声の音域内となるように当該楽曲のキーを変更するためのキー変更量を算出して、これを楽曲の参考キーに設定する。
【0021】
さらにキー変更量算出部4は、再生部3が参考キーに応じてキー変更した楽曲を再生しているときに、音声入力部2を介して入力される、当該楽曲を歌うユーザの声の音域と、当該楽曲の音域とのズレをもとに、当該楽曲の音域がユーザの声の音域内となるように当該楽曲のキーを変更するためのキー変更量を算出して、これを楽曲の推奨キーに設定する。
【0022】
さらに情報処理装置1には、例えば、楽曲検索部6により検索された楽曲のリストを生成して、これを表示部に表示させるリスト生成部7が設けられている。
【0023】
この場合、再生部3は、リスト生成部7により生成されたリストからユーザ操作により指定された楽曲を、キー変更量算出部4により設定された参考キーに応じてキー変更して再生する。
【0024】
また再生部3は、楽曲に、参考キーにくわえて推奨キーが設定されている場合、当該楽曲を当該推奨キーに応じてキー変更して再生する。
【0025】
さらに情報処理装置1には、例えば、ユーザ操作に応じて、リストに含まれる楽曲を絞り込むための絞込条件を設定する絞込条件設定部8が設けられている。
【0026】
この場合、楽曲検索部6は、絞込条件設定部8により設定された絞込条件により楽曲を絞り込んでから、ユーザ音域特定部5により特定されたユーザの声の音域幅以下の音域幅を有する楽曲を検索する。
【0027】
さらに絞込条件設定部8が、絞込条件としてユーザの体調を設定し、楽曲検索部6が、絞込条件として設定されたユーザの体調に応じて楽曲を絞り込むようにしてもよい。
【0028】
さらに情報処理装置1では、例えば、リスト生成部7が、ユーザ操作によりカラオケに参加する人数と時間が指定されると、当該人数と時間に応じてユーザの持ち時間を算出し、当該持ち時間に歌える分の楽曲のプレイリストを生成する。
【0029】
さらに情報処理装置1には、例えば、楽曲検索部6により検索された楽曲のうち、ユーザ操作により指定された楽曲に関する情報を、当該楽曲に設定された参考キー及び推奨キーと共に、外部の機器に送信する送信部9が設けられている。
【0030】
このような構成でなる情報処理装置1の具体例について、以下、詳しく説明する。
【0031】
<2.実施の形態の具体例>
[2−1.携帯端末の外観構成]
次に、本実施の形態の具体例について説明する。まず図2を用いて、上述した情報処理装置1の具体例である携帯端末100の外観構成について説明する。
【0032】
携帯端末100は、所謂スマートフォンと呼ばれる端末であり、片手で把持し得る程度の大きさでなる略扁平矩形状の筐体101を有している。
【0033】
筐体101の前面の中央部には、長方形状のタッチスクリーン102が設けられている。タッチスクリーン102は、液晶パネルと、液晶パネルの表示面を覆う薄型透明のタッチパネルとで構成される。因みに、このタッチパネルは、例えば、静電容量式のタッチパネルである。
【0034】
携帯端末100は、このタッチスクリーン102に対する、指(静電容量式に対応するタッチペン等でも可)によるタッチ操作を、ユーザによる操作入力として受け付けるようになっている。
【0035】
さらにこの携帯端末100の筐体101の前面には、タッチスクリーン102の近傍に、操作ボタン103も設けられている。
【0036】
さらにこの携帯端末100の筐体101には、スピーカ104とマイクロホン105が設けられている。
【0037】
尚、この携帯端末100は、長方形状のタッチスクリーン102が縦長となる向き(これを縦向きとも呼ぶ)でも、横長となる向き(これを横向きとも呼ぶ)でも使用できるようになっている。
【0038】
[2−2.携帯端末のハードウェア構成]
次に図3を用いて、携帯端末100のハードウェア構成について説明する。この携帯端末100では、CPU110が、不揮発性メモリ111に格納されているアプリケーションプログラムをRAM112に展開して読み込み、このアプリケーションプログラムに従って各部を制御することで、各種機能を実現する。尚、CPUは、Central Processing Unitの略、RAMは、Random Access Memoryの略である。またアプリケーションのことを、以下、単にアプリとも呼ぶ。
【0039】
タッチスクリーン102は、各種情報を表示する表示デバイスとしての液晶パネル102Aと、操作入力を受け付ける操作入力デバイスとしてのタッチパネル102Bとで構成される。
【0040】
CPU110は、タッチスクリーン102に対するタッチ(触る)、タップ(触って離す)、ドラッグ(なぞる)、フリック(払う)等のタッチ操作を、操作入力として受け付け、この操作入力に応じた処理を実行するようになっている。
【0041】
さらにCPU110は、操作ボタン103に対する押下操作を認識すると、これをユーザによる操作入力として受け付け、この操作入力に応じた処理を実行するようにもなっている。
【0042】
さらにCPU110は、有線接続インタフェース113を介して、例えば、パーソナルコンピュータと有線接続することで、パーソナルコンピュータと通信できるようにもなっている。
【0043】
さらにCPU110は、無線接続インタフェース114を介して、例えば、携帯電話の基地局と無線接続することで、通話相手の携帯電話と通信したり、アクセスポイントと無線接続することで、インターネット上のサーバと通信したりできるようにもなっている。
【0044】
ここで、例えば、タッチスクリーン102または操作ボタン103を介して、楽曲再生アプリを起動する操作が行われたとする。
【0045】
すると、CPU110は、この操作に応じて、不揮発性メモリ111から楽曲再生アプリのプログラムを読み出して実行することで楽曲再生アプリを起動する。そしてCPU110は、この楽曲再生アプリのプログラムに従って、楽曲ファイルとして記憶されている楽曲のジャケット写真のサムネイル画像を、タッチスクリーン102に一覧表示させる。
【0046】
ここで、ユーザが、所望のサムネイル画像をタップしたとする。
【0047】
するとCPU110は、このタッチ操作を、楽曲を再生する操作入力として受け付け、不揮発性メモリ111から、タップされたサムネイル画像に対応する楽曲ファイルを読み出す。
【0048】
CPU110は、この楽曲ファイルから音声データを抽出して、さらにこの音声データに対して、デコード処理、デジタルアナログ変換処理、増幅処理など所定の再生処理を施すことで、音声信号を得、これをスピーカ104から出力する。また、ヘッドホン端子(図示せず)にヘッドホンが接続されている場合、この音声信号は、ヘッドホン端子を介してヘッドホンから出力される。
【0049】
このようにして、携帯端末100は、ユーザに指定された楽曲を再生するようになっている。
【0050】
またこのときCPU110は、読み出した楽曲ファイルから、ジャケット写真、楽曲のタイトル、アルバムのタイトル、アーティスト名等の関連情報を取得して、これらをタッチスクリーン102の液晶パネル102Aに表示させる。
【0051】
このようにして、携帯端末100は、ユーザに指定された楽曲を再生するとともに、この楽曲に関する情報を表示するようになっている。
【0052】
くわえてこの携帯端末100には、カラオケ練習用のカラオケ練習アプリがインストールされていて、このカラオケ練習アプリにより、カラオケ練習機能を実現している。
【0053】
このカラオケ練習アプリでは、ユーザの声に合う楽曲のリストを生成したり、このリストの楽曲を再生しながら、ユーザの声をマイクロホン105で集音して、楽曲と声とのズレをリアルタイムにタッチスクリーン102に表示するなどして、カラオケの練習ができるようになっている。
【0054】
以下、このカラオケ練習アプリについて詳しく説明する。
【0055】
因みに、実施の形態の概要で説明した情報処理装置1の音声入力部2の具体的なハードウェアの例が上述した携帯端末100のマイクロホン105である。また情報処理装置1の再生部3、キー変更量算出部4、ユーザ音域特定部5、楽曲検索部6、リスト生成部7、絞込条件設定部8の具体的なハードウェアの例が携帯端末100のCPU110である。さらに情報処理装置1の送信部9の具体的なハードウェアの例が携帯端末100の有線接続インタフェース113及び無線接続インタフェース114である。
【0056】
[2−3.カラオケ練習アプリ]
カラオケ練習アプリを起動すると、CPU110は、まずタッチスクリーン102に、図4に示すメニュー画面200を表示させる。
【0057】
このメニュー画面200には、カラオケ練習アプリの主な機能に対応する4つの項目ボタン200A〜200Dが表示されるようになっている。
【0058】
1つ目の項目ボタン200Aは、カラオケ練習アプリの1機能であるユーザの声の音域を登録する機能に対応する項目ボタンである。2つ目の項目ボタン200Bは、カラオケ用の楽曲リストを生成して表示する機能に対応する項目ボタンである。3つ目の項目ボタン200Cは、カラオケを練習する機能に対応する項目ボタンである。4つ目の項目ボタン200Dは、携帯端末100がカラオケ機器のリモートコントローラとなる機能に対応する項目ボタンである。
【0059】
ここで、ユーザが、例えば、項目ボタン200Aをタップしたとする。
【0060】
するとCPU110は、タッチスクリーン102の表示内容を、メニュー画面200から、音域登録画面(図示せず)に遷移させる。
【0061】
音域登録画面には、例えば、ユーザの声の音域(これをユーザ音域とも呼ぶ)を登録するための音域登録ボタンが表示されるようになっている。CPU110は、この音域登録ボタンがタップされると、例えば、音域登録画面に、「出せる範囲で最も高い声を出してください。」というメッセージを表示させ、マイクロホン105を介して入力されるユーザの声を数秒間録音する。
【0062】
実際、ユーザの声は、マイクロホン105で集音されて音声信号に変換され、RAM112に音声データとして記憶されることにより録音される。ここで、CPU110は、この音声信号を周波数解析することで、ユーザの声の音の高さ(すなわち音高)を数値化する。
【0063】
具体的には、周波数を、例えば、MIDIのノートナンバーに対応する「0」から「127」までの半音単位の数値に変換することで、ユーザの声の音の高さを数値化する。尚、この場合、例えば、ピアノの中央のドは「60」となる。
【0064】
CPU110は、このようにして得られた数値を、ユーザが発することのできる最も高い音(これをユーザ最高音とも呼ぶ)を示す数値とする。
【0065】
次に、CPU110は、「今度は、出せる範囲で最も低い声を出してください。」というメッセージを表示させ、再度、ユーザの声を数秒間録音する。
【0066】
この場合も、ユーザの声は、マイクロホン105で集音されて音声信号に変換され、RAM112に記憶されることにより録音される。CPU110は、この音声信号を周波数解析することで、ユーザの声の音の高さを数値化する。
【0067】
CPU110は、このようにして得られた数値を、ユーザが発することのできる最も低い音(これをユーザ最低音とも呼ぶ)を示す数値とする。
【0068】
そして、CPU110は、このようにして得られたユーザ最高音及びユーザ最低音を、ユーザ音域データとして、不揮発性メモリ111に保存する。
【0069】
ここで、ユーザ最高音からユーザ最低音までの範囲がユーザの声の音域(すなわちユーザ音域)となる。ゆえに、ユーザ最高音とユーザ最低音とを保存することで、ユーザ音域が登録されたことになる。
【0070】
さらに、CPU110は、ユーザ最高音とユーザ最低音との差分を取ることで、ユーザ音域の幅(これをユーザ音域幅とも呼ぶ)を数値化し、これもユーザ音域データとして不揮発性メモリ111に保存することで、ユーザ音域幅を登録する。
【0071】
このようにして、CPU110は、ユーザ音域とともにユーザ音域幅を登録する。
【0072】
その後、CPU110は、例えば、音域登録画面に、「音域の登録が完了しました。」というメッセージを表示させ、タッチスクリーン102の表示内容を、音域登録画面からメニュー画面200に遷移させる。
【0073】
尚、ユーザの声が小さすぎるなどして、正常にユーザ音域を登録できなかった場合、CPU110は、例えば、「音域の登録に失敗しました。もう一度、音域登録開始ボタンを押して登録してください。」というメッセージを表示させ、もう一度、ユーザの声を録音する。
【0074】
音域登録画面では、このようにしてユーザの声の音域を登録するようになっている。
【0075】
このようにしてユーザ音域の登録が完了した後、ユーザが、メニュー画面200の項目ボタン200Bをタップしたとする。
【0076】
するとCPU110は、タッチスクリーン102の表示内容を、メニュー画面200から、図5に示す、カラオケ楽曲リスト画面201に遷移させる。
【0077】
カラオケ楽曲リスト画面201には、例えば、不揮発性メモリ111に楽曲ファイルとして記憶されている楽曲を対象に、ユーザの声に合う楽曲を選択してカラオケ楽曲リストを生成して表示するためのカラオケ楽曲リストボタン201Aが表示されている。
【0078】
さらにこのカラオケ楽曲リスト画面201には、カラオケ楽曲リストに含まれる楽曲の絞り込み条件を設定するための絞条件設定込ボタン201Bも表示されている。
【0079】
さらにこのカラオケ楽曲リスト画面201には、ユーザが、他のユーザと一緒にカラオケパーティを行うときに、人数と時間とに合わせて、カラオケ楽曲リストをもとに、ユーザがカラオケパーティで歌う楽曲のリストを生成して表示するためのカラオケパーティ用リストボタン201Cも表示されている。
【0080】
尚、ユーザがカラオケパーティで歌う楽曲のリストを、ここでは、カラオケパーティ用リストとも呼ぶ。
【0081】
ここで、楽曲ファイルについて簡単に説明する。不揮発性メモリ111に記憶されている楽曲ファイルの各々には、楽曲の音声データと、楽曲の関連情報とが含まれている。
【0082】
楽曲の関連情報には、楽曲ID、楽曲名、アーティスト名、アーティストの性別、収録アルバム名、発売年、ジャンル、ムード、テンポ、ジャケット写真の画像データ、歌詞データ、メロディラインのMIDIデータなどにくわえて、楽曲の音域と音域幅とが含まれている。
【0083】
尚、楽曲の音域を楽曲音域とも呼び、楽曲の音域幅を楽曲音域幅とも呼ぶ。
【0084】
楽曲音域は、楽曲中で最も高い音(これを楽曲最高音とも呼ぶ)から、楽曲中で最も低い音(これを楽曲最低音とも呼ぶ)までの範囲であり、関連情報には、楽曲最高音を示す数値と楽曲最低音を示す数値とが、楽曲音域を示す数値として記されている。
【0085】
一方、楽曲音域幅は、楽曲最高音と楽曲最低音との差分であり、関連情報には、楽曲最高音を示す数値と楽曲最低音を示す数値との差分が、楽曲音域幅を示す数値として記されている。
【0086】
尚、これら楽曲音域及び楽曲音域幅の数値は、ユーザ音域及びユーザ音域幅と同様に例えば「0」から「127」までの数値として示されるようになっている。よって、例えば、ユーザ最高音を示す数値と楽曲最高音を示す数値とが同じであれば、それらの音の高さが同じであることを意味する。
【0087】
また、楽曲の音域と音域幅とが関連情報に記されていない場合、CPU110は、CPU110は、楽曲ファイルの関連情報に記されているメロディラインのMIDIデータを解析することで、楽曲の音域と音域幅とを得、これを関連情報に追記するようになっている。
【0088】
このように、楽曲ファイルには、関連情報として、楽曲音域と楽曲音域幅とが記されるようになっている。
【0089】
ここで、ユーザが、楽曲の絞り込み条件を設定することなく、カラオケ楽曲リスト画面201のカラオケ楽曲リストボタン201Aをタップしたとする。
【0090】
するとCPU110は、楽曲ファイルとして記憶されている全ての楽曲から、ユーザの声に合う楽曲を検索する。
【0091】
具体的に、CPU110は、先に登録したユーザ音域幅と、各楽曲の関連情報に記されている楽曲音域幅とをもとに、楽曲音域幅がユーザ音域幅以下の楽曲を検索する。この場合、楽曲音域幅の数値がユーザ音域幅の数値以下の楽曲を検索するようにすればよい。
【0092】
このようにして検索された楽曲(すなわち楽曲音域幅がユーザ音域幅以下の楽曲)には、楽曲音域がユーザ音域内に収まるものと、収まらないものとが存在する。
【0093】
例えば、図6(A)に示すように、ユーザ音域幅が「50」、ユーザ音域の最高音が「80」、最低音が「30」であるとする。ここで、例えば、楽曲音域幅が「30」、楽曲音域の最高音が「70」、最低音が「40」の楽曲が存在するとすれば、この楽曲は、楽曲音域幅がユーザ音域幅以下で、且つ楽曲音域がユーザ音域内に収まる。
【0094】
このような楽曲については、ユーザがカラオケで歌うときにキーを変更することなく原曲のまま歌えると楽曲と言える。
【0095】
これに対して、図6(B)に示すように、例えば、楽曲音域幅が「40」、楽曲音域の最高音が「81」、最低音が「41」の楽曲が存在するとすれば、この楽曲は、楽曲音域幅はユーザ音域幅以下であるが、楽曲音域がユーザ音域内に収まらない。
【0096】
このような楽曲については、ユーザがカラオケで歌うときに楽曲音域がユーザ音域内に収まるようにキーを変更することで歌える楽曲と言える。
【0097】
つまり、楽曲音域幅がユーザ音域幅以下の楽曲には、ユーザの声の音域で原曲のまま歌える楽曲と、原曲のままでは厳しいがキーを変更することで歌える楽曲との2種類が存在することになる。
【0098】
CPU110は、このような楽曲(すなわち楽曲音域幅がユーザ音域幅以下の楽曲)を、ユーザの声に合う楽曲として検索するようになっている。
【0099】
さらにCPU110は、キーを変更することで歌える楽曲(すなわち楽曲音域幅はユーザ音域幅以下であるが、楽曲音域がユーザ音域内に収まらない楽曲)に対して、楽曲音域をユーザ音域内に収まるようにするためのキーの変更量(これをキー変更量とも呼ぶ)を算出する。
【0100】
具体的に、CPU110は、楽曲音域の最高音又は最低音とユーザ音域の最高音又は最低音との差分をもとに、キー変更量を算出する。
【0101】
実際、図6(B)に示すように、楽曲音域幅が「40」、楽曲音域の最高音がユーザ音域の最高音より高い「81」、最低音が「41」の楽曲が存在するとする。この楽曲について、楽曲音域幅を変えずに、楽曲音域をユーザ音域に収まるようにするためには、例えば、楽曲音域の最高音を、ユーザ音域の最高音まで下げればよい。
【0102】
すなわち、ユーザ音域の最高音が「80」であるとすると、ユーザ音域の最高音から楽曲音域の最高音を引いて得られる数値(80−81=−1)が、楽曲音域をユーザ音域内に収めるようにするためのキー変更量となる。このキー変更量「−1」は、楽曲音域を半音下げることを意味する。
【0103】
一方で、図示はしないが、楽曲音域幅が「40」、楽曲音域の最高音が「69」、最低音がユーザ音域の最低音より低い「29」の楽曲が存在するとする。この楽曲について、楽曲音域幅を変えずに、楽曲音域をユーザ音域に収まるようにするためには、例えば、楽曲音域の最低音を、ユーザ音域の最低音まで上げればよい。
【0104】
すなわち、ユーザ音域の最低音が「30」であるとすると、ユーザ音域の最低音から楽曲音域の最低音を引いて得られる数値(30−29=+1)が、楽曲音域をユーザ音域内に収めるようにするためのキー変更量となる。このキー変更量「+1」は、楽曲音域を半音上げることを意味する。CPU110は、このようにして、キーを変更することで歌える楽曲のそれぞれについて、キー変更量を算出する。
【0105】
さらにCPU110は、このようにして算出したキー変更量を、カラオケで歌うときの参考となるキー変更量(これを参考キーとも呼ぶ)として、対応する楽曲の関連情報に追記して、楽曲ファイルを更新する。
【0106】
尚、キー変更量は、ユーザ音域が変更されない限り更新する必要はない。ゆえに、CPU110は、関連情報にキー変更量(すなわち参考キー)が既に記されている楽曲については、キー変更量の算出を省略する。
【0107】
そしてCPU110は、検索の結果得られた楽曲(すなわちユーザの声に合う楽曲)の関連情報をもとに、図7に示すようなカラオケ楽曲リストKLを生成する。
【0108】
カラオケ楽曲リストKLは、検索の結果得られた楽曲のリストであり、このリストには、楽曲ごとの情報として、関連情報から得られる楽曲名、楽曲の最高音及び最低音、参考キー、推奨キー、点数、送信回数などが記されるようになっている。
【0109】
最高音及び最低音については、関連情報に記されている数値で示すのではなく、音名と、基準のオクターブからの差を示す矢印とでなる文字列で示すようになっている。
【0110】
例えば、最低音の数値が、ピアノの中央のドより1オクターブ下のドを表す「48」であるとすると、CPU110は、この数値を、音名「ド」と、基準のオクターブより1オクターブ下であることを示す矢印「↓」とでなる文字列「ド↓」に変換する。
【0111】
音名については、「#」や「♭」が付される場合もある。また矢印については、基準のオクターブより何オクターブ離れているかを、その向きと数とで表すようになっている。つまり、基準のオクターブより2オクターブ下であれば、「↓↓」となり、基準のオクターブより1オクターブ上であれば「↑」となり、基準のオクターブであれば無しとなる。
【0112】
尚、不揮発性メモリ111には、最低音及び最高音の数値と、音名及び矢印でなる文字列との対応を示すデータが記憶されていて、CPU110は、このデータをもとに、最低音及び最高音の数値を、音名及び矢印でなる文字列に変換するようになっている。
【0113】
このように、最低音及び最高音を、数値ではなく、音名と基準のオクターブからの差を示す矢印とでなる文字列で示すことで、最低音及び最高音をユーザに容易に認識させることができる。
【0114】
推奨キーは、詳しくは後述するが、ユーザが実際に参考キーで楽曲を歌う練習をしたときの声の音域と、楽曲音域とのズレから得られた、キーの変更量である。
【0115】
点数は、詳しくは後述するが、カラオケ練習アプリでユーザが楽曲を歌ったときの採点結果である。
【0116】
送信回数は、詳しくは後述するが、携帯端末100のリモートコントローラ機能を利用して、楽曲の情報をカラオケ機器に送信した回数である。
【0117】
CPU110は、このようなカラオケ楽曲リストKLを生成して、カラオケ楽曲リスト画面201に表示させる。
【0118】
こうすることで、携帯端末100は、ユーザに、携帯端末100に保存されている楽曲の中で、どの楽曲が自分の声に合う楽曲であるのかを確認させることができる。
【0119】
尚、カラオケ楽曲リストKLは、上端部に、楽曲名、楽曲の最高音及び最低音、参考キー、推奨キー、点数、送信回数などの項目名が表示されるようになっていて、この項目名をタップすることで、カラオケ楽曲リストKL内の楽曲の情報を、項目ごとにソートできるようになっている。
【0120】
ここで、ユーザが、カラオケ楽曲リスト内の任意の楽曲の情報をタップしたとする。すると、CPU110は、この楽曲をカラオケ練習曲に指定するか否かをユーザに問い合わせるためのダイアログボックスを表示させる。
【0121】
ここで、ユーザにより、このダイアログボックスを介してこの楽曲をカラオケ練習曲に指定するよう指示されると、CPU110は、この楽曲をカラオケ練習曲に指定する。
【0122】
一方、ユーザが、カラオケ楽曲リスト画面201の絞込条件設定ボタン201Bをタップしたとする。
【0123】
するとCPU110は、図8に示すように、タッチスクリーン102の表示内容を、カラオケ楽曲リストKLに含まれる楽曲の絞込条件を設定するための絞込条件設定画面202に遷移させる。
【0124】
絞込条件設定画面202には、例えば、絞込条件として、ユーザの体調を選択するための体調リストボックス202Aと、楽曲の参考キーを選択するためのキーリストボックス202Bとが表示されている。
【0125】
またこの絞込条件設定画面202には、絞込条件として、アーティストの性別を選択するための性別リストボックス202Cと、楽曲の発売年を選択するための発売年リストボックス202Dとが表示されている。
【0126】
さらにこの絞込条件設定画面202には、絞込条件として、楽曲のテンポを選択するためのテンポリストボックス202Eと、楽曲のジャンルを選択するためのジャンルリストボックス202Fとが表示されている。
【0127】
さらにこの絞込条件設定画面202には、絞込条件の設定を完了するためのOKボタン202Gが表示されている。
【0128】
体調リストボックス202Aは、タップされることに応じて、体調のリストを表示するリストボックスである。体調のリストには、体調についての選択項目として、例えば、「良い」、「普通」、「悪い」などが記されるようになっている。
【0129】
ここで、ユーザが、体調リストボックス202Aをタップして、体調のリストを表示させた状態で、さらにこのリストに記されている選択項目の1つ(例えば「良い」)をタップしたとする。
【0130】
するとCPU110は、体調リストボックス202A内に、タップされた選択項目に対応する体調(例えば「良い」)のみを表示させる。この時点で、タップされた選択項目に対応する体調(例えば「良い」)が、絞込条件として選択されたことになる。
【0131】
尚、ユーザは、体調が良ければ、自分の出せる音域幅を目一杯に使って歌えるが、体調が悪いと、音域幅を目一杯に使って歌うことを辛く感じる。
【0132】
つまり、ユーザの体調と、音域幅とには、体調が悪いほど、音域幅が狭くなるという関係があると想定できる。
【0133】
したがって、絞込条件として体調を選択することは、ユーザの出せる音域幅を選択することと同義である。
【0134】
実際、CPU110は、体調「良い」が選択された場合、内部的に、絞込条件として、先に登録されたユーザ音域幅の数値がそのまま選択されたとするようになっている。また、体調「普通」が選択された場合には、ユーザ最高音の数値を−1、ユーザ最低音の数値を+1したユーザ音域幅−2の数値が選択されたとし、さらに体調「悪い」が選択された場合には、ユーザ最高音の数値を−2、ユーザ最低音の数値を+2したユーザ音域幅−4の数値が選択されたとするようになっている。尚、体調「良い」が選択された場合には、ユーザ音域幅×100%の数値、体調「普通」が選択された場合には、ユーザ音域幅×98%の数値、体調「悪い」が選択された場合には、ユーザ音域幅×96%の数値が選択されたとするなどしてもよい。
【0135】
キーリストボックス202Aは、タップされることに応じて、参考キーのリストを表示するリストボックスである。参考キーのリストには、参考キーについての選択項目として、例えば、「原曲」、「+−1以内」、「+−2以内」などが記されるようになっている。
【0136】
因みに、「原曲」とは、参考キーが「+−0」、すなわちキー変更しなくても歌える楽曲のみを意味する。
【0137】
ここで、ユーザが、キーリストボックス202Bをタップして、参考キーのリストを表示させた状態で、さらにこのリストに記されている選択項目の1つ(例えば「原曲」)をタップしたとする。
【0138】
するとCPU110は、キーリストボックス202B内に、タップされた選択項目に対応するキー(例えば「原曲」)のみを表示させる。この時点で、タップされた選択項目に対応するキー(例えば「原曲」)が、絞込条件として選択されたことになる。
【0139】
同様に、性別リストボックス202C、発売年リストボックス202D、テンポリストボックス202Eと、ジャンルリストボックス202Fについても、それぞれに対応するリストを表示して、そのリストから絞込条件を選択できるようになっている。
【0140】
このようなリストボックスを介して絞込条件を選択した後、ユーザが、OKボタン202Gをタップしたとする。
【0141】
するとCPU110は、このとき選択されている絞込条件を、絞込条件データとして、例えば、不揮発性メモリ11に保存することで、絞込条件の設定を完了する。そしてCPU110は、タッチスクリーン101の表示内容を、再びカラオケ楽曲リスト画面201に戻す。
【0142】
このようにして絞込条件を設定した後、ユーザが、カラオケ楽曲リスト画面201のリストボタン201Aをタップしたとする。
【0143】
するとCPU110は、楽曲ファイルとして記憶されている全ての楽曲を、絞込条件データをもとに、絞込条件の全てに合致する楽曲のみに絞り込み、そのうえで、絞り込んだ楽曲から、ユーザの声に合う楽曲を検索する。
【0144】
例えば、絞込条件として体調を「普通」、参考キーを「原曲」、アーティストの性別を「女性」、発売年を「1998」、テンポを「遅い」、ジャンルを「バラード」に設定していたとする。
【0145】
この場合、CPU110は、楽曲音域幅がユーザ音域幅−2以下で、参考キーが+−0、アーティストの性別が女性、発売年が1998、テンポが例えば80以下、ジャンルがバラードである楽曲を検索する。
【0146】
さらにCPU110は、このような検索の結果得られた楽曲から、ユーザの声に合う楽曲を検索して、カラオケ楽曲リストKLを生成し、これをカラオケ楽曲リスト画面201に表示させる。
【0147】
こうすることで、携帯端末100は、ユーザに、携帯端末100に保存されている楽曲のうち、好みの楽曲の中で、どの楽曲が自分の声に合う楽曲であるのかを確認させるようなことができる。
【0148】
その後、このカラオケ楽曲リストKL内の任意の楽曲の情報がタップされると、CPU110は、ダイアログボックス(図示せず)を表示させ、このダイアログボックス上で、この楽曲をカラオケ練習曲に指定するか否かをユーザに問い合わせる。
【0149】
そして、ユーザにより、このダイアログボックスを介してこの楽曲をカラオケ練習曲に指定するよう指示されると、CPU110は、この楽曲をカラオケ練習曲に指定する。
【0150】
このように携帯端末100は、ユーザの声に合う楽曲を示すカラオケ楽曲リストKLを生成し、このカラオケ楽曲リストKLに含まれる楽曲のうち、所望の楽曲をカラオケ練習曲に指定できるようになっている。
【0151】
また一方で、ユーザが、カラオケ楽曲リスト画面201のカラオケパーティ用リストボタン201Cをタップしたとする。
【0152】
するとCPU110は、ダイアログボックスを表示させ、このダイアログボックス上で、カラオケパーティに参加する人数と時間とをユーザに入力させる。
【0153】
カラオケパーティに参加する人数と時間とがユーザに入力されると、CPU110は、入力された人数と時間とをもとに、カラオケ楽曲リストKLから楽曲を選択して、カラオケパーティ用リストを生成する。
【0154】
具体的に、CPU110は、まず時間を人数で割って、ユーザ一人当たりの持ち時間を算出する。
【0155】
次に、CPU110は、先に生成したカラオケ楽曲リストKLから楽曲を例えばランダムに1つずつ選択して、カラオケパーティ用リストに追加していく。
【0156】
ここで、CPU110は、カラオケパーティ用リストに追加された楽曲の総再生時間を算出し、この総再生時間が持ち時間を越えるまで、楽曲を追加していく。
【0157】
そしてCPU110は、総再生時間が持ち時間を越えると、最後に追加した楽曲をカラオケパーティ用リストから削除することで、総再生時間が待ち時間内に収まるよう調整する。
【0158】
さらにCPU110は、カラオケパーティ用リストに含まれている楽曲の順番(すなわち歌う順番)を入れ替える。
【0159】
この場合、CPU110は、楽曲の関連情報に記されているジャンルやムードをもとに、例えば、最初に盛り上がる楽曲、途中で一息入れる楽曲、最後を締める楽曲がくるようにし、且つ同ジャンルの楽曲が連続しないように並び替える。
【0160】
尚、CPU110は、例えば、ムードが明るい楽曲を最初に盛り上がる楽曲として、ムードが落ち着いた楽曲を途中で一息入れる楽曲として、ムードがさわやかな楽曲を最後を締める楽曲として認識するようになっている。
【0161】
そしてCPU110は、楽曲を並び替えた後のカラオケパーティ用リストをカラオケ楽曲リスト画面201に表示させる。
【0162】
こうすることで、携帯端末100は、ユーザに、カラオケパーティのときに、どの楽曲をどのような順番で歌えばよいのかを確認させることができる。
【0163】
このカラオケパーティ用リストに含まれる楽曲についても、カラオケ楽曲リストの場合と同様にして、所望の楽曲をカラオケ練習曲に指定できるようになっている。
【0164】
ここで、実際にカラオケ練習曲に指定した楽曲のカラオケを練習するには、携帯端末100のカラオケ練習機能を利用すればよい。
【0165】
カラオケ練習機能を利用するには、メニュー画面200(図4)の項目ボタン200Cをタップする。
【0166】
実際、この項目ボタン200Cがタップされると、CPU110は、タッチスクリーン102の表示内容を、メニュー画面200から、カラオケ練習曲選択画面(図示せず)に遷移させる。
【0167】
このカラオケ練習曲選択画面には、カラオケ練習曲として指定された楽曲のリスト(これをカラオケ練習曲リストとも呼ぶ)が表示されるようになっている。尚、このカラオケ練習曲リストに記される楽曲ごとの情報は、例えば、カラオケ楽曲リストKLと同様であり、ここでは説明を省略する。
【0168】
ここで、ユーザが、このカラオケ練習曲リスト内の任意の楽曲を練習しようとして、この楽曲の情報をタップしたとする。
【0169】
すると、CPU110は、この楽曲の楽曲データを読み出すと共に、タッチスクリーン102の表示内容を、カラオケ練習曲選択画面から、図9に示す、カラオケ練習画面203に遷移させる。
【0170】
このカラオケ練習画面203は、楽曲の楽曲名及びアーティスト名が表示される楽曲情報表示領域203Aと、楽曲のメロディラインが視覚的に表示されるメロディライン表示領域203Bと、楽曲の歌詞が表示される歌詞表示領域203Cと、再生に関する各種情報が表示される再生関連情報表示領域203Dとで構成される。
【0171】
ここで、メロディライン表示領域203Bの横軸は再生時間、縦軸は音の高さを表しており、ユーザの声の音域内となる部分が、帯状の領域により示されるようになっている。
【0172】
さらにこのメロディライン表示領域203Bは、楽曲のメロディラインを構成する音符のそれぞれに対応する楽曲メロディマークMmが、その音の高さ及び再生時刻に対応する位置に、その音の長さに対応する長さで表示されるようになっている。尚、このときの楽曲の音の高さは、参考キーに基づいてキー変更されている。
【0173】
また、楽曲メロディマークMmのそれぞれは、図10に示すように、音階を構成する7つの音(ドレミファソラシ)ごとに異なる表示色で表示されるようになっている。
【0174】
この楽曲メロディマークMmは、楽曲の再生と共に表示され、楽曲の再生時間の経過に合わせて、右から左へスクロールするようになっている。
【0175】
またメロディライン表示領域203Bには、その中央に、現在の再生位置を示すプレイラインPLが表示されるようになっていて、このプレイラインPL上の楽曲メロディマークMmが現在再生中の音、このプレイラインPLより左側が再生済みの音、右側がこれから再生される音を示すようになっている。
【0176】
歌詞表示領域203Cには、楽曲の歌詞が、楽曲の再生時間の経過に合わせて表示されるようになっている。
【0177】
再生関連情報表示領域203Dには、一時停止/再生再開ボタン、再生停止ボタン、再生バー、キー変更ボタンなどの操作ボタンと、楽曲(カラオケ練習曲)に設定されている参考キー(または推奨キー)の値とが表示されている。
【0178】
キー変更ボタンには、#ボタンと、♭ボタンとがあり、#ボタンをタップすることで、楽曲のキーを半音上げることができ、♭ボタンをタップすることで、楽曲のキーを半音下げることができるようにもなっている。
【0179】
このようにして楽曲のキーを変更した場合、これに合わせて、メロディライン表示領域203Bに表示される楽曲メロディマークMmも上下するようになっている。
【0180】
CPU110は、このようなカラオケ練習画面203を表示させて、楽曲(すなわちカラオケ練習曲)の再生を開始する。
【0181】
このときCPU110は、楽曲の関連情報に記されている参考キーに基づいて、楽曲のキーを変更して再生するようになっている。
【0182】
ここで、ユーザは、スピーカ104から流れてくる楽曲の音と、カラオケ練習画面203のメロディライン表示領域203Bに表示されている楽曲のメロディラインとを参考に、楽曲のメロディラインに合うように歌うことでカラオケの練習をする。
【0183】
このときCPU110は、マイクロホン105を介して入力されるユーザの歌声を周波数解析して、ユーザの歌声の音の高さを数値化する。
【0184】
そしてCPU110は、図11に示すように、メロディライン表示領域203BのプレイラインPL上に、このとき発せられているユーザの歌声に対応するユーザ歌声マークUmを、その音の高さに対応する位置に表示させていく。
【0185】
CPU110は、このような処理を、楽曲の再生中、継続して行う。この結果、プレイラインPLの左側に、現時点までに発せられたユーザの歌声を示すユーザ歌声マークUmが、その音の高さと発生時間に対応する位置に、その音の長さに対応する長さで表示されていくことになる。
【0186】
こうすることで、携帯端末100は、ユーザに対して、楽曲のメロディラインとユーザの歌声との音程のズレやタイミングのズレを確認させながら、カラオケの練習をさせることができる。
【0187】
尚、CPU110は、各再生時刻でのユーザ歌声マークUmの音の高さ(すなわちユーザの声の音の高さ)を示すデータ(これをユーザ歌声データとも呼ぶ)を、不揮発性メモリ111に保存するようになっている。
【0188】
さらにCPU110は、楽曲の再生が終了すると、例えば、楽曲のメロディラインを示す楽曲メロディマークMmと、楽曲の再生中に得られたユーザ歌声マークUmとの位置及び長さのズレをもとに、楽曲に対してどれだけ忠実に歌えたのかを数値化して、これを採点結果とし、カラオケ練習画面203上に表示させる。
【0189】
このような採点結果を表示することで、携帯端末100は、ユーザに対して、どの程度うまく歌えたのかを認識させることができる。
【0190】
尚、このようにして得られた採点結果は、楽曲の関連情報に追記されるようにもなっている。
【0191】
さらにCPU110は、参考キーに基づいてキー変更された楽曲のメロディラインの中で、最高音となる部分の楽曲メロディマークMmと、このとき発せられたユーザの歌声に対応する歌声マークUmとの音の高さのズレをもとに、再度、キーの変更量を算出する。
【0192】
具体的には、参考キーを算出した場合と同様にして、最高音となる部分の楽曲メロディマークMmの音の高さと、このとき発せられたユーザの歌声に対応する歌声マークUmの音の高さとの差分をもとに、キー変更量を算出する。
【0193】
ここで、例えば、キー変更量が「−1」であるとする。このことは、実際に歌ってみたところユーザの歌声が楽曲の最高音に届かず、この楽曲が、参考キーよりもさらに楽曲音域を半音下げることで歌える楽曲であることを意味する。
【0194】
この場合、CPU110は、現在の参考キー−1の値を、楽曲をカラオケで歌うときに推奨するキー(すなわち推奨キー)に設定して、これをこの楽曲の関連情報に追記する。
【0195】
一方で、例えば、キー変更量が「+−0」であるとする。このことは、実際に歌ってみたところ、この楽曲が、参考キーのキー変更量で、十分歌える楽曲であったことを意味する。
【0196】
この場合、CPU110は、現在の参考キーを、そのまま楽曲の推奨キーに設定して、これをこの楽曲の関連情報に追記する。
【0197】
このように、CPU110は、参考キーに基づいてキー変更された楽曲を実際にユーザが歌ったときに、この楽曲の音域とユーザの音域とのズレをもとにキー変更量を再度算出して、これを推奨キーに設定するようにした。
【0198】
こうすることで、CPU110は、実際に楽曲を歌うときに適した、より正確なキーの変更量を得ることができる。
【0199】
さらにCPU110は、このようにして得られたキーの変更量(すなわち推奨キー)を、カラオケ練習画面203に、例えば、採点結果と共に表示することで、ユーザに対して、この楽曲を歌うときに最適なキーの変更量を認識させることができる。
【0200】
尚、CPU110は、推奨キーを設定した楽曲については、以降、カラオケ練習機能で再生するときに、参考キーではなく、この推奨キーに基づいてキーを変更するようになっている。
【0201】
こうすることで、携帯端末100は、ユーザに対して、実際に楽曲を歌うときに適したキーで、カラオケの練習を行わせることができる。
【0202】
さらに携帯端末100は、練習した楽曲を、実際に、カラオケボックスなどで歌う状況を想定して、カラオケ機器のリモートコントローラとなる機能(これをリモコン機能とも呼ぶ)を有している。
【0203】
このリモコン機能を利用するには、メニュー画面200(図4)の項目ボタン200Dをタップすればよい。
【0204】
実際、この項目ボタン200Dがタップされると、CPU110は、タッチスクリーン102の表示内容を、メニュー画面200から、リモコン画面(図示せず)に遷移させる。
【0205】
このリモコン画面では、カラオケ楽曲リストKL及びカラオケパーティ用リストのどちらを表示させるか選択できるようになっていて、ユーザ操作により選択されたリストを表示するようになっている。
【0206】
その後、表示されているリスト内の任意の楽曲の情報がタップされると、CPU110は、ダイアログボックス(図示せず)を表示させ、このダイアログボックス上で、この楽曲の情報をカラオケ機器に送信する否かをユーザに問い合わせる。
【0207】
そして、ユーザにより、このダイアログボックスを介してこの楽曲の情報をカラオケ機器に送信するよう指示されると、CPU110は、この楽曲の情報を、無線接続インタフェース114を介して、カラオケ機器に送信する。
【0208】
この結果、カラオケ機器で、この楽曲が再生楽曲として登録され、順に再生される。尚、携帯端末100からカラオケ機器に送信される楽曲の情報は、カラオケ機器側で楽曲を識別できる情報(例えば、楽曲ID、楽曲名+アーティスト名など)とする。
【0209】
また、カラオケ機器に送信する楽曲の情報には、推奨キー(推奨キーが未設定の場合は参考キー)も含まれるようにする。
【0210】
こうすることで、ユーザは、わざわざカラオケ機器に対してキーの変更量を設定することなく、自分の声に合ったキーで歌うことができる。
【0211】
[2−4.カラオケ楽曲リスト生成までの情報の流れ]
次に、図12を用いて、携帯端末100が、カラオケ楽曲リストKLを生成するまでの情報の流れについて簡単に説明する。
【0212】
携帯端末100のCPU110は、マイクロホン105で集音されたユーザの音声をもとに、ユーザの音域解析を行い、この結果得られたユーザの声の音域と音域幅とを示すユーザ音域データを不揮発性メモリ111に保存する。
【0213】
一方で、CPU110は、不揮発性メモリ111に記憶されている楽曲ファイルのメロディラインの解析を行い、この結果得られた楽曲の音域と音域幅とを、楽曲の関連情報に追記する。
【0214】
その後、CPU110は、楽曲の関連情報に記されている音域及び音域幅と、ユーザ音域データに示されているユーザの声の音域及び音域幅とをもとに、ユーザの声に合う楽曲を検索する。
【0215】
そしてCPU110は、検索の結果得られた楽曲の関連情報をもとに、カラオケ楽曲リストKLを生成する。
【0216】
[2−5.推奨キー設定処理手順]
次に、携帯端末100が、楽曲に対して推奨キーを設定するときの処理の手順(これを推奨キー設定処理手順とも呼ぶ)について、図13に示すフローチャートを用いて説明する。
【0217】
尚、図13に示す推奨キー設定処理手順RTは、携帯端末100のCPU110が、不揮発性メモリ111に格納されているプログラムにしたがって実行する処理の手順である。
【0218】
CPU110は、例えば、カラオケ練習機能でカラオケ練習曲に指定されている楽曲の再生を終了すると、この推奨キー設定処理手順RTを開始して、ステップSP1に移る。
【0219】
ステップSP1においてCPU110は、再生していた楽曲のメロディラインのMIDIデータを読み込んで、次のステップSP2に移る。
【0220】
ステップSP2においてCPU110は、この楽曲を歌ったユーザの歌声を示すユーザ歌声データを読み込み、このユーザ歌声データから、楽曲のメロディラインが最高音となるときに発せられた声の音の高さを得て、次のステップSP3に移る。
【0221】
ステップSP3においてCPU110は、ユーザの歌声と、楽曲のメロディラインとを比較する。すなわちCPU110は、楽曲のメロディラインの最高音と、このとき発せされたユーザの歌声の音の高さとを比較する。そしてCPU110は、次のステップSP4に移る。
【0222】
ステップSP4においてCPU110は、楽曲の最高音に、ユーザの歌声が届いていないか否かを判定する。
【0223】
楽曲の最高音に、ユーザの歌声が届いていないことにより、このステップSP4で肯定結果を得ると、CPU110は、ステップSP5に移る。
【0224】
ステップSP5においてCPU110は、楽曲の最高音と、ユーザの歌声の音の高さの差分から、推奨キーを算出し、これをこの楽曲の関連情報に追記して、この推奨キー設定処理手順RTを終了する。
【0225】
これに対して、楽曲の最高音に、ユーザの歌声が届いていることにより、上述のステップSP4で肯定結果を得た場合、CPU110は、楽曲の参考キーをそのまま推奨キーに設定して、この推奨キー設定処理手順RTを終了する。
【0226】
このような推奨キー設定処理手順RTにしたがって、CPU110は、楽曲の推奨キーを設定するようになっている。
【0227】
[2−6.動作及び効果]
以上の構成において、携帯端末100のCPU110は、マイクロホン105を介して入力された、ユーザの声の最高音と最低音とをもとに、ユーザ音域とユーザ音域幅とを得、これらをユーザ音域データとして不揮発性メモリ111に保存する。
【0228】
その後、CPU110は、ユーザ操作によりカラオケ楽曲リストKLを生成するよう指示されると、不揮発性メモリ111に保存されている楽曲の中から、楽曲音域幅が、ユーザ音域データに示されているユーザ音域幅以下の楽曲を検索する。
【0229】
さらにCPU110は、このようにして検索した楽曲のうち、楽曲音域がユーザ音域内に収まっていない楽曲については、楽曲音域とユーザ音域とのズレをもとに、キー変更量を算出し、これをこの楽曲の参考キーとして関連情報に追記する。
【0230】
そしてCPU110は、検索した楽曲の関連情報をリスト化することでカラオケ楽曲リストKLを生成し、これをタッチスクリーン102に表示させる。
【0231】
こうすることで、携帯端末100は、ユーザに対して、携帯端末100に保存されている楽曲の中で、どの楽曲が自分の声に合う楽曲であるのかを確認させることができる。
【0232】
さらにCPU110は、ユーザ操作に応じて、カラオケ楽曲リストKLの中からカラオケ練習曲に指定された楽曲を、参考キーをもとにキー変更して再生すると共に、このときユーザが発する歌声をマイクロホン105を介して集音する。
【0233】
そしてCPU110は、参考キーをもとにキー変更した楽曲の音域と、実際にユーザがこの楽曲を歌ったときの声の音域とのズレをもとに、再度、キー変更量を算出し、これをこの楽曲の推奨キーとして関連情報に追記する。
【0234】
このように、カラオケ楽曲リストKLに含まれる楽曲のうち、実際にユーザが練習した楽曲については、練習時の歌声をもとに推奨キーが設定され、以降、この推奨キーがカラオケ楽曲リストKLにも表示されるようになる。
【0235】
こうすることで、携帯端末100は、携帯端末100に保存されている楽曲の中で、どの楽曲が自分の声に合う楽曲であるのかだけでなく、実際にその楽曲を歌うときの声の音域に合ったキーの変更量をユーザに提示することができる。
【0236】
またCPU110は、ユーザにより指定された検索条件をもとに、カラオケ楽曲リストKLに含まれる楽曲を絞り込むようにした。
【0237】
この検索条件の1つとして、ユーザの体調を指定でき、携帯端末100は、ユーザにより指定された体調に応じて楽曲を絞り込むことで、ユーザの体調に合った楽曲のみが含まれるカラオケ楽曲リストKLを生成するようなこともできる。
【0238】
さらにCPU110は、カラオケパーティに参加する人数と時間とがユーザにより入力されると、これらをもとに、カラオケ楽曲リストKLから楽曲を選択して、ユーザがカラオケパーティで歌う楽曲と歌う順番を示す、カラオケパーティ用リストを生成するようにした。
【0239】
こうすることで、携帯端末100は、ユーザに対して、カラオケパーティでどの楽曲をどのような順場で歌えばよいのかを提示することができる。
【0240】
さらにCPU110は、カラオケ楽曲リストKLなどからユーザにより指定された楽曲の情報を、無線接続インタフェース114を介してカラオケ機器に送信するようにした。
【0241】
このとき、CPU110は、カラオケ機器に対して、楽曲の推奨キー(推奨キーが未設定の場合は参考キー)も送信するようにした。
【0242】
こうすることで携帯端末100は、ユーザに、わざわざカラオケ機器に対してキーの変更を行わせることなく、自分の声に合ったキーで歌わせることができる。
【0243】
以上の構成によれば、携帯端末100は、自分の声の音域に合う楽曲と共に、実際にその楽曲を歌うときの声の音域に合ったキーの変更量をユーザに提示することができる。この結果、従来と比して一段と、カラオケで歌うときに有用な情報をユーザに提供することができる。
【0244】
<3.変形例>
[3−1.変形例1]
尚、上述した実施の形態では、楽曲音域の最高音又は最低音と、ユーザ音域の最高音又は最低音との差分をもとに、キー変更量(すなわち参考キー)を算出するようにした。
【0245】
これに限らず、例えば、楽曲音域の最高音及び最低音の中間値と、ユーザ音域の最高音及び最低音の中間値との差分をもとに、キー変更量(すなわち参考キー)を算出するようにしてもよい。
【0246】
実際、ユーザ音域の最高音が「80」、最低音が「30」で、ユーザ音域幅が「50」であるとすると、ユーザ音域の中間値は、「55」となる。ここで、例えば、楽曲音域の最高音が「81」、最低音が「41」で、楽曲音域幅が「40」の楽曲が存在するとすると、楽曲音域の中間値は、「60」となる。
【0247】
この場合、ユーザ音域の中間値から楽曲音域の中間値を引いて得られる数値(55−60=−5)を、楽曲音域をユーザ音域内に収めるようにするためのキー変更量(すなわち)とするようにすればよい。
【0248】
[3−2.変形例2]
また、上述した実施の形態では、参考キーに応じてキー変更して再生した楽曲の最高音と、この楽曲のメロディラインが最高音となるときに実際にユーザが発した歌声の音の高さとの差分をもとに、キー変更量(すなわち推奨キー)を算出するようにした。
【0249】
これに限らず、例えば、参考キーに応じてキー変更して再生した楽曲の最低音と、この楽曲のメロディラインが最低音となるときに実際にユーザが発した歌声の音の高さとの差分をもとに、キー変更量(すなわち推奨キー)を算出するようにしてもよい。
【0250】
また最高音のときの差分と、最低音のときの差分とのうち、値が大きい方の差分をもとに、キー変更量(すなわち推奨キー)を算出するなどしてもよい。
【0251】
因みに、上述した実施の形態では、低い声が出ない状況よりも、高い声が出ない状況の方が起こり易いと想定して、最高音のときの差分をもとに、キー変更量(すなわち推奨キー)を算出するようになっている。
【0252】
[3−3.変形例3]
さらに、上述した実施の形態では、形態端末100の不揮発性メモリ111に保存されている楽曲を対象として、カラオケ楽曲リストKLを生成するようにした。
【0253】
これに限らず、例えば、携帯端末100が、無線接続インタフェース114を介して、ネットワーク上の楽曲配信サーバにアクセスし、この楽曲配信サーバから、配信可能な楽曲の関連情報のリストを受信して、このリストに含まれる楽曲を対象に、カラオケ楽曲リストKLを生成するなどしてもよい。
【0254】
この場合、当然のことながら、カラオケ楽曲リストKLには、携帯端末100の不揮発性メモリ111に保存されていない楽曲も含まれることになる。
【0255】
そこで、このような楽曲を練習する場合には、楽曲配信サーバからこの楽曲の楽曲データを受信するようにする。この場合、有料でダウンロードするようにし、無料でストリーミングするなどしてもよい。
【0256】
このようにすれば、携帯端末100は、ユーザが知らない楽曲の中にも、ユーザの声に合う楽曲があることをユーザに認識させることができ、またこの楽曲を購入する契機に結びつけることもできる。
【0257】
またこれに限らず、CPU110が、不揮発性メモリ111に保存されている楽曲の関連情報から、例えば、点数の高い楽曲や送信回数の多い楽曲のジャンル、テンポ、ムードなどの統計を取り、この統計から、ユーザの好きなジャンル、テンポ、ムードを特定するようにしてもよい。
【0258】
そしてCPU110が、このようにして特定したジャンル、テンポ、ムードをもとに、不揮発性メモリ111に保存されていない楽曲を、楽曲配信サーバから受信したリストから検索し、画面に表示するなどして、ユーザに提示するようにしてもよい。
【0259】
[3−4.変形例4]
さらに、上述した実施の形態では、まずユーザ音域データに示されているユーザの音域と、各楽曲の関連情報に記されている楽曲の音域とをもとに参考キーを算出したうえで、実際に楽曲を歌っているときのユーザの声の音域をもとに、推奨キーを算出するようにした。
【0260】
これに限らず、例えば、ユーザ音域の登録及び参考キーの算出は省略して、楽曲をキー変更せずに再生し、この楽曲を歌っているときのユーザの声の音域をもとに、推奨キーのみを算出するようにしてもよい。
【0261】
この場合、CPU110は、楽曲を歌ったときの各再生時刻でのユーザの声の音の高さを示すユーザ歌声データを解析する。
【0262】
ここで、そもそもユーザの声が、楽曲の最高音にも最低音にも届いていない場合、CPU110は、この楽曲をユーザが歌うのに適していない楽曲として扱うようにする。
【0263】
一方で、少なくともどちらか一方が届いている場合、CPU110は、楽曲の最高音または最低音のうち、届いていない方と、届いていない方の音のときに発しているユーザの声の音の高さとのズレをもとに、推奨キーを算出するようにする。
【0264】
[3−5.変形例5]
さらに上述した実施の形態では、形態端末100が、ユーザにより指定された楽曲の情報を、カラオケ機器に送信するようにした。
【0265】
これに限らず、カラオケ機器が楽曲データの受信に対応しているならば、携帯端末100が、楽曲データや歌詞データなどを楽曲の情報と共にカラオケ機器に送信するようにしてもよい。
【0266】
これにより、例えば、カラオケ機器に登録されていない楽曲でも、カラオケ機器で再生して、カラオケを楽しむようなことができる。
【0267】
[3−6.変形例6]
さらに、上述した実施の形態では、楽曲の関連情報に、歌詞データやメロディラインのMIDIデータが含まれているとした。
【0268】
これに限らず、これらを、例えば、ネットワーク上の配信サーバから受信し、楽曲ファイルと対応付けて不揮発性メモリ111に保存するようにしてもよい。
【0269】
[3−7.変形例7]
さらに、上述した実施の形態では、各画面の構成について説明したが、これは一例であり、本願発明においては、各画面の構成について、上述した実施の形態で説明した構成に、限定されるものではない。
【0270】
[3−8.変形例8]
さらに、上述した実施の形態では、本発明を、所謂スマートフォン型の携帯端末100に適用するようにした。
【0271】
これに限らず、携帯型のゲーム機や、ノートブック型のコンピュータなど、この他種々の情報処理装置に適用するようにしてもよく、また適用することができる。
【0272】
[3−9.変形例9]
さらに上述した実施の形態では、情報処理装置としての携帯端末100に、音声入力部としてのマイクロホン105を設けるようにした。また携帯端末100に、再生部、キー変更量算出部、ユーザ音域特定部、楽曲検索部、リスト生成部、絞込条件設定部としてのCPU110を設けるようにした。さらに携帯端末100に、送信部としての有線接続インタフェース113及び無線接続インタフェース114を設けるようにした。
【0273】
本発明はこれに限らず、同様の機能を有するのであれば、上述した携帯端末100の各機能部(音声入力部、再生部、キー変更量算出部、ユーザ音域特定部、楽曲検索部、リスト生成部、絞込条件設定部、送信部)を、他の種々のハードウェアにより構成するようにしてもよい。
【0274】
[3−10.変形例10]
さらに上述した実施の形態では、各種処理を実行するためのプログラムを、携帯端末100の不揮発性メモリ111に書き込んでおくようにした。
【0275】
これに限らず、例えば、携帯端末100にメモリカードなどの記憶媒体のスロットを設け、CPU110が、このスロットに差し込まれた記憶媒体からプログラムを読み出して実行するようにしてもよい。またCPU110が、この記憶媒体から読み出したプログラムを、不揮発性メモリ111にインストールするようにしてもよい。さらにCPU110が、このプログラムを、有線接続インタフェース113または無線接続インタフェース115を介して、ネットワーク上の機器からダウンロードして、不揮発性メモリ111にインストールするようにしてもよい。
【0276】
[3−11.変形例11]
さらに、本発明は、上述した実施の形態と変形例とに限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した実施の形態と変形例の一部または全部を任意に組み合わせた形態、もしくは一部を抽出した形態にもその適用範囲が及ぶものである。
【産業上の利用可能性】
【0277】
本発明は、カラオケに関する情報を提供可能な情報処理装置等で広く利用することができる。
【符号の説明】
【0278】
1……情報処理装置、2……操作部、3……制御部、4……表示部、100……携帯端末、101……筐体、102……タッチスクリーン、104…スピーカ、105……マイクロホン、KL……カラオケ楽曲リスト。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声を入力する音声入力部と、
楽曲を再生する再生部と、
上記再生部が楽曲を再生しているときに、上記音声入力部を介して入力される、当該楽曲を歌うユーザの声の音域と、当該楽曲の音域とのズレをもとに、当該楽曲の音域がユーザの声の音域内となるように当該楽曲のキーを変更するためのキー変更量を算出するキー変更量算出部と
を具える情報処理装置。
【請求項2】
上記音声入力部を介して入力されるユーザの声からユーザの声の音域と音域幅とを特定するユーザ音域特定部と、
複数の楽曲のうち、上記ユーザ音域特定部により特定されたユーザの声の音域幅以下の音域幅を有する楽曲を検索する楽曲検索部と
をさらに具え、
上記キー変更量算出部は、
上記楽曲検索部により検索された楽曲のそれぞれについて、楽曲の音域と、上記ユーザ音域特定部により特定されたユーザの声の音域とのズレをもとに、楽曲の音域がユーザの声の音域内となるように当該楽曲のキーを変更するためのキー変更量を算出して、これを楽曲の参考キーに設定し、
さらに上記キー変更量算出部は、上記再生部が上記参考キーに応じてキー変更した楽曲を再生しているときに、上記音声入力部を介して入力される、当該楽曲を歌うユーザの声の音域と、当該楽曲の音域とのズレをもとに、当該楽曲の音域がユーザの声の音域内となるように当該楽曲のキーを変更するためのキー変更量を算出して、これを楽曲の推奨キーに設定する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
上記楽曲検索部により検索された楽曲のリストを生成して、これを表示部に表示させるリスト生成部をさらに具える
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
上記再生部は、
上記リスト生成部により生成されたリストからユーザ操作により指定された楽曲を、上記キー変更量算出部により設定された上記参考キーに応じてキー変更して再生する
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
上記再生部は、
上記楽曲に、上記参考キーにくわえて上記推奨キーが設定されている場合、当該楽曲を当該推奨キーに応じてキー変更して再生する
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
ユーザ操作に応じて、上記リストに含まれる楽曲を絞り込むための絞込条件を設定する絞込条件設定部をさらに具え、
上記楽曲検索部は、上記絞込条件設定部により設定された絞込条件により楽曲を絞り込んでから、上記ユーザ音域特定部により特定されたユーザの声の音域幅以下の音域幅を有する楽曲を検索する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
上記絞込条件設定部は、
上記絞込条件としてユーザの体調を設定し、
上記楽曲検索部は、
上記絞込条件として設定されたユーザの体調に応じて楽曲を絞り込む
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
上記リスト生成部は、
ユーザ操作によりカラオケに参加する人数と時間が指定されると、当該人数と時間に応じてユーザの持ち時間を算出し、当該持ち時間に歌える分の楽曲のプレイリストを生成する
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項9】
上記楽曲検索部により検索された楽曲のうち、ユーザ操作により指定された楽曲に関する情報を、当該楽曲に設定された参考キー及び推奨キーと共に、外部の機器に送信する送信部をさらに具える
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項10】
再生部が楽曲を再生しているときに、音声入力部を介して入力される、当該楽曲を歌うユーザの声の音域と、当該楽曲の音域とのズレをもとに、キー変更量算出部が、当該楽曲の音域がユーザの声の音域内となるように当該楽曲のキーを変更するためのキー変更量を算出する
情報処理方法。
【請求項11】
情報処理装置に対し、
再生部が楽曲を再生しているときに、音声入力部を介して入力される、当該楽曲を歌うユーザの声の音域と、当該楽曲の音域とのズレをもとに、キー変更量算出部が、当該楽曲の音域がユーザの声の音域内となるように当該楽曲のキーを変更するためのキー変更量を算出する処理を
実行させるための情報処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−247558(P2012−247558A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−118178(P2011−118178)
【出願日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】