説明

情報処理装置、情報処理装置のデータアクセス方法およびデータアクセスプログラム

【課題】他の装置上で認識されにくいフォーマットでデータを記録することができ、かつ、データアクセスの効率を落とさずにデータの記録および読み込みをすることができる情報処理装置、情報処理装置のデータアクセス方法およびデータアクセスプログラムを提供する。
【解決手段】記憶装置にアクセスするリードライト制御手段12を備えた情報処理装置であって、情報処理装置を特定可能な装置固有情報をもとにアドレスデータ変換値を生成する変換情報生成手段11を備え、リードライト制御手段12は、入力されたアドレスデータにおける連続アクセス許容範囲に対応するデータを除くデータをアドレスデータ変換値にもとづいて変換し、変換後のアドレスデータで記憶装置にアクセスする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理装置のデータアクセス方法およびデータアクセスプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
情報処理装置に内蔵または外付けされているハードディスクやコンパクトフラッシュ(登録商標)などの記憶装置が、情報処理装置から取り外されて、他の情報処理装置に接続された場合に、他の情報処理装置上で記憶装置として認識されてしまった場合には、第三者に記憶装置内の情報を読み取られてしまう可能性がある。
【0003】
記録媒体に記録するデータを、所定の数のセクタごとにブロック化して、ブロック内のセクタの順番を暗号鍵にもとづいて変更することにより、簡単かつ確実に、オリジナルデータをコピーしたり、改ざんすることを防止する方法がある(例えば、特許文献1参照。)。また、記録メディアのメディアIDまたはパーソナルコンピュータ(PC)固有のデバイスIDを用いて、各種デジタルコンテンツの暗号化または復号を行う方法がある(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−39220号公報
【特許文献2】特開2000−311114号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された方法では、セクタの置換の順序を示す暗号鍵を記録するための領域が必要である。また、記憶媒体に暗号鍵を記録しているので、他のデータ再生装置上で記録媒体に記録されたデータを再生されてしまう可能性がある。
【0006】
そこで、本発明は、他の装置上で認識されにくいフォーマットでデータを記録することができ、かつ、データアクセスの効率を落とさずにデータの記録および読み込みをすることができる情報処理装置、情報処理装置のデータアクセス方法およびデータアクセスプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による情報処理装置は、記憶装置にアクセスするリードライト制御手段を備えた情報処理装置であって、情報処理装置を特定可能な装置固有情報をもとにアドレスデータ変換値を生成する変換情報生成手段を備え、リードライト制御手段は、入力されたアドレスデータにおける連続アクセス許容範囲に対応するデータを除くデータをアドレスデータ変換値にもとづいて変換し、変換後のアドレスデータで記憶装置にアクセスすることを特徴とする。
【0008】
本発明によるデータアクセス方法は、記憶装置に対してデータアクセスを行う情報処理装置におけるデータアクセス方法であって、情報処理装置を特定可能な装置固有情報をもとにアドレスデータ変換値を生成し、入力されたアドレスデータにおける連続アクセス許容範囲に対応するデータを除くデータをアドレスデータ変換値にもとづいて変換し、変換後のアドレスデータで記憶装置にアクセスすることを特徴とする。
【0009】
本発明によるデータアクセスプログラムは、記憶装置に対してデータアクセスを行う情報処理装置におけるデータアクセスプログラムであって、コンピュータに、情報処理装置を特定可能な装置固有情報をもとにアドレスデータ変換値を生成する処理と、入力されたアドレスデータにおける連続アクセス許容範囲に対応するデータを除くデータをアドレスデータ変換値にもとづいて変換し、変換後のアドレスデータで記憶装置にアクセスする処理とを実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、他の装置上で認識されにくいフォーマットでデータを記録することができ、かつ、データアクセスの効率を落とさずにデータの記録および読み込みをすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明による情報処理装置の第1の実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明による情報処理装置の第1の実施形態の他の構成を示すブロック図である。
【図3】第1の実施形態における初期化部の動作を示すフローチャートである。
【図4】第1の実施形態におけるセクタ番号変換部およびリードライト制御部の動作を示すフローチャートである。
【図5】セクタ番号、シーケンシャル番号および変換後セクタ番号の対応を示す説明図である。
【図6】第2の実施形態における初期化部の動作を示すフローチャートである。
【図7】第2の実施形態におけるセクタ番号変換部およびリードライト制御部の動作を示すフローチャートである。
【図8】第3の実施形態における記憶装置の内部の構成を示す説明図である。
【図9】第3の実施形態における初期化部の動作を示すフローチャートである。
【図10】第3の実施形態におけるセクタ番号変換部およびリードライト制御部の動作を示すフローチャートである。
【図11】本発明による情報書類装置の主要部を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施形態1.
以下、本発明の第1の実施形態を図面を参照して説明する。
【0013】
図1は、本発明による情報処理装置の第1の実施形態の構成を示すブロック図である。
【0014】
情報処理装置100は、アプリケーション110と、ドライバ120と、装置固有情報記憶部130と、記憶装置140とを含む。
【0015】
アプリケーション110は、情報処理装置100が備えるCPUによって実行されるプログラムである。
【0016】
アプリケーション110は、情報処理装置100の入力部(図示せず)に入力された指示内容にもとづいて、ドライバ120に対して、記憶装置140に対するデータのリード/ライト(読み書き)を指示する。
【0017】
ドライバ120は、初期化部121と、装置固有情報読み出し部122と、変換値記憶部123と、リードライト制御部124と、セクタ番号変換部125とを備える。初期化部121、装置固有情報読み出し部122、リードライト制御部124およびセクタ番号変換部125は、情報処理装置100が備えるCPUによって実行されるプログラムである。
【0018】
初期化部121は、装置固有情報読み出し部122から、装置固有情報記憶部130が記憶する装置固有情報を取得する。装置固有情報とは、例えば、MACアドレスや、情報処理装置100または情報処理装置100に含まれる部品などの製造番号や、任意の数値など情報処理装置100を特定可能な情報である。
【0019】
また、初期化部121は、装置固有情報をもとにセクタ番号を変換する値(以下、セクタ番号変換値という。)を生成して、セクタ番号変換値を変換値記憶部123に記憶する。
【0020】
装置固有情報読み出し部122は、装置固有情報記憶部130から装置固有情報を読み出す。
【0021】
変換値記憶部123は、セクタ番号変換値を記憶する。また、セクタ番号変換値をセクタ番号変換部125に出力する。
【0022】
リードライト制御部124は、アプリケーション110の指示にもとづいて、記憶装置140に対してデータの読み書きを行う。リードライト制御部124は、アプリケーション110から受信したアドレスデータ(セクタ番号)をセクタ番号変換部125に出力する。また、セクタ番号変換部125から変換されたセクタ番号(以下、変換後セクタ番号という。)を取得し、変換後セクタ番号で示される記憶装置140の領域に対してデータの読み書きを行う。
【0023】
セクタ番号変換部125は、リードライト制御部124から入力されたセクタ番号を、変換値記憶部123から入力されたセクタ番号変換値にもとづいて変換し、変換後のセクタ番号をリードライト制御部124に出力する。
【0024】
装置固有情報記憶部130は、装置固有情報を記憶する記憶媒体である。例えば、装置固有情報がMACアドレスである場合は、装置固有情報記憶部130は、ネットワークインターフェースカードが有するROMである。
【0025】
記憶装置140は、ハードディスクである。なお、記憶装置140は、フラッシュメモリなどの記憶媒体であってもよい。また、記憶装置140は、情報処理装置100の外部に設置されていてもよい。
【0026】
図2は、本発明による情報処理装置の第1の実施形態の他の構成を示すブロック図である。図2に示す例では、初期化部121および装置固有情報読み出し部122は、ドライバ120の外部に設置されている。初期化部121および装置固有情報読み出し部122は、例えば、ドライバ120とは別のドライバに含まれていてもよいし、情報処理装置100上で動作するOSに含まれていてもよい。
【0027】
次に、本実施形態の動作を説明する。ここでは、図1に示すように構成された情報処理装置100を例にする。
【0028】
図3は、第1の実施形態における初期化部の動作を示すフローチャートである。
【0029】
情報処理装置100が起動すると、初期化部121は、セクタ番号変換値を生成するために、装置固有情報読み出し部122を介して、装置固有情報記憶部130から装置固有情報を読み出す(ステップS301)。図3に示す例では、装置固有情報は000010000000(hex)である。
【0030】
次に、初期化部121は、セクタ番号変換値を生成する(ステップS302)。図3に示す例では、装置固有情報の上位24bitと下位24bitとを入れ替え、000000000010(hex)とする。なお、セクタ番号変換値は、装置固有情報を別の方法で変換して生成した値であってもよいし、装置固有情報をそのまま使用した値であってもよい。
【0031】
初期化部121は、ブロックのセクタ数を記憶装置140から取得する(ステップS303)。ブロックとは、リードライト制御部124が記憶装置140に対して連続アクセス可能なデータサイズ(セクタ数)である。ブロックのセクタ数を最適の値に設定することによって、データの読み書きの効率を上げることができる。図3に示す例では、ブロックのセクタ数は4である。なお、ブロックのセクタ数は、初期化部121が記憶してもよい。
【0032】
初期化部121は、ブロックのセクタ数からセクタ番号マスク値を生成する(ステップS304)。セクタ番号マスク値は、アプリケーション110から受信したセクタ番号のうち変換対象となる部分を抽出するための値である。例えば、4セクタを1ブロックとした場合は、セクタ番号の変換がブロック単位で行われるようにするために、セクタ番号の下位2ビットは変換対象から除外される。初期化部121は、セクタ番号の下位2ビットを変換対象から除外するために、下位2ビットをマスクする値FFFFFFFFFFFC(hex)をセクタ番号マスク値に設定する。
【0033】
初期化部121は、記憶装置140から最大セクタ数を取得する(ステップS305)。本実施形態では、記憶装置140の最大セクタ数を256とする。つまり、記憶装置140は、0〜255のセクタ番号を有する。
【0034】
初期化部121は、セクタ番号変換値、ブロックのセクタ数、セクタ番号マスク値および記憶装置140の最大セクタ数を変換値記憶部123に記憶する(ステップS306)。
【0035】
図4は、第1の実施形態におけるセクタ番号変換部およびリードライト制御部の動作を示すフローチャートである。
【0036】
リードライト制御部124は、アプリケーション110から受信したセクタ番号を、セクタ番号変換部125に出力する(ステップS401)。図4に示す例では、受信したセクタ番号は000000000023(hex)である。
【0037】
セクタ番号変換部125は、セクタ番号の変換対象部分を抽出する(ステップS402)。具体的には、セクタ番号変換部125は、変換値記憶部123からセクタ番号マスク値を取得し、セクタ番号マスク値と入力されたセクタ番号との論理積を計算する。図4に示す例では、セクタ番号の変換対象部分として、下位2ビットがマスクされたセクタ番号000000000020(hex)が得られる。
【0038】
セクタ番号変換部125は、セクタ番号の変換対象以外の部分(以下、シーケンシャル番号という。)を抽出する(ステップS403)。具体的には、セクタ番号変換部125は、入力されたセクタ番号からセクタ番号の変換対象部分の値を減算する。図4に示す例では、000000000023(hex)から000000000020(hex)が減算され、シーケンシャル番号として、000000000003(hex)が得られる。
【0039】
セクタ番号変換部125は、変換値記憶部123からセクタ番号変換値およびブロックのセクタ数を取得する。セクタ番号変換部125は、セクタ番号変換値にセクタ番号の変換対象部分を加算して、セクタ番号の変換対象部分を変換する(ステップS404)。このとき、セクタ番号の変換がブロック単位で行われるようにするために、すなわち、シーケンシャル番号の値を変化させないようにするために、セクタ番号変換値をセクタ番号の変換対象部分に加算するときに、セクタ番号変換値にブロックのセクタ数を乗算してから加算を行う。図4に示す例では、000000000020(hex)に000000000040(hex)(000000000010(hex)×4)が加算され、000000000060(hex)が算出される。
【0040】
セクタ番号変換部125は、ステップS404で算出した値に、ステップS403で算出した値を加算し、加算した値を変換後セクタ番号として、リードライト制御部124に出力する(ステップS405)。図4に示す例では、000000000060(hex)に000000000003(hex)が加算され、変換後セクタ番号として、000000000063(hex)が得られる。セクタ番号変換部125は、変換値記憶部123から記憶装置140の最大セクタ数を取得し、変換後セクタ番号が記憶装置140の最大セクタ数以上である場合には、変換後セクタ番号から記憶装置140の最大セクタ数を減算した値を、変換後セクタ番号にする。
【0041】
図5は、セクタ番号、シーケンシャル番号および変換後セクタ番号の対応を示す説明図である。
【0042】
リードライト制御部124は、入力された変換後セクタ番号をもとに、記憶装置140に対してデータの読み書きを行う(ステップS406)。
【0043】
以上に説明したように、本実施形態によれば、記録媒体などにデータの読み書きをするときに、アドレスデータであるセクタ番号を装置固有情報をもとに変換し、変換後のセクタ番号に対して読み書きをしているので、記憶装置が他の装置に接続されても、他の装置上で記録装置の内容を読み取られにくくすることができる。
【0044】
また、ブロックのセクタ数を考慮して、セクタ番号のアドレス変換を行っているため、記録媒体に対するデータの読み書きの効率を維持することができる。
【0045】
実施形態2.
以下、本発明の第2の実施形態を図面を参照して説明する。
【0046】
第2の実施形態における情報処理装置100の構成は、第1の実施形態と同様なため説明を省略する。
【0047】
次に、本実施形態の動作を説明する。
【0048】
図6は、第2の実施形態における初期化部の動作を示すフローチャートである。
【0049】
ステップS601、S602、S603およびS605の処理は、第1の実施形態のステップS301、S302、S303およびS305の処理と同様なため説明を省略する。
【0050】
ステップS604において、初期化部121は、セクタ番号0を変換する値を生成する(ステップS604)。セクタ番号0を変換する値は、セクタ番号変換値にブロックのセクタ数を乗算した値である。図7に示す例では、000000000010(hex)に4が乗算され、セクタ番号0を変換する値として000000000040(hex)が算出される。
【0051】
初期化部121は、セクタ番号0を変換する値および記憶装置140の最大セクタ数を変換値記憶部123に記憶する(ステップS606)。
【0052】
図7は、第2の実施形態におけるセクタ番号変換部およびリードライト制御部の動作を示すフローチャートである。
【0053】
リードライト制御部124は、アプリケーション110から受信したセクタ番号を、セクタ番号変換部125に出力する(ステップS701)。図7に示す例では、受信したセクタ番号は000000000023(hex)である。
【0054】
セクタ番号変換部125は、変換値記憶部123からセクタ番号0を変換する値を取得し、セクタ番号とセクタ番号0を変換する値とを加算し、加算した値を変換後セクタ番号として、リードライト制御部124に出力する(ステップS702)。図7に示す例では、000000000023(hex)に000000000040(hex)が加算され、変換後セクタ番号として、000000000063(hex)が得られる。このとき、セクタ番号変換部125は、変換値記憶部123から記憶装置140の最大セクタ数を取得し、変換後セクタ番号が記憶装置140の最大セクタ数以上である場合には、変換後セクタ番号から記憶装置140の最大セクタ数を減算した値を、変換後セクタ番号にする。
【0055】
リードライト制御部124は、入力された変換後セクタ番号をもとに、記憶装置140の読み書きを行う(ステップS703)。
【0056】
以上に説明したように、本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができるとともに、セクタ番号の変換処理を簡単な計算方法で行っているので、記録媒体などに対するデータの読み書きをより高速に行うことができる。
【0057】
実施形態3.
以下、本発明の第3の実施形態を図面を参照して説明する。
【0058】
第3の実施形態における情報処理装置100の構成は、第1および第2の実施形態と同様なため説明を省略する。
【0059】
次に、本実施形態の動作を説明する。
【0060】
図8は、第3の実施形態における記憶装置140の内部の構成を示す説明図である。
【0061】
記憶装置140は、第1領域140から第n領域140までのn個の論理的に区切られた領域を有する。各領域は、複数のセクタを含む。また、領域に含まれるセクタ数は、ブロックのセクタ数の倍数である。また、領域に含まれるセクタ数は、領域ごとに異なっていてもよい。
【0062】
初期化部121は、記憶装置140が有する各領域の領域情報を記憶する。領域情報は、開始位置および終了位置のセクタ番号を含む情報である。なお、領域情報は、記憶装置140が記憶してもよい。本実施形態では、初期化部121に予め各領域の領域情報が記憶されている場合について説明する。
【0063】
図8に示す例では、記憶装置140は、開始位置のセクタ番号を0、終了位置のセクタ番号を255、領域の大きさを256セクタとする第1領域140と、開始位置のセクタ番号を3584、終了位置のセクタ番号を4095、領域の大きさを512セクタとする第n領域140とを含む。第2領域から第n−1領域までの各領域についての説明は省略する。
【0064】
図9は、第3の実施形態における初期化部の動作を示すフローチャートである。
【0065】
情報処理装置100が起動すると、初期化部121は、各領域の開始位置を変換する値を生成するために、装置固有情報読み出し部122を介して、装置固有情報記憶部130から装置固有情報を読み出す(ステップS901)。図9に示す例では、装置固有情報は000010000000(hex)である。
【0066】
初期化部121は、ステップS302と同様の処理を行って、セクタ番号変換値を生成する(ステップS902)。このとき、各領域ごとに違うセクタ番号変換値を生成するようにしてもよい。
【0067】
初期化部121は、ステップS303と同様の処理を行って、ブロックのセクタ数を取得する(ステップS903)。
【0068】
初期化部121は、各領域の開始位置を変換する値を生成する(ステップS904)。各領域の開始位置を変換する値は、セクタ番号変換値にブロックのセクタ数を乗算した値である。図9に示す例では、各領域の開始位置を変換する値として000000000040(hex)が算出される。なお、ステップS902において各領域ごとに違うセクタ番号変換値が生成されている場合は、各領域の開始位置を変換する値は各領域ごとに違う値となる。
【0069】
初期化部121は、各領域の大きさ(セクタ数)を取得する(ステップS905)。各領域の大きさは、各領域の領域情報に含まれる開始位置および終了位置のセクタ番号から判断すればよい。
【0070】
初期化部121は、各領域の開始位置を変換する値と、ステップS905で取得した各領域の大きさとを各領域ごとに比較し、開始位置を変換する値が領域の大きさよりも大きい場合は、開始位置を変換する値を領域の大きさよりも小さい値に補正する(ステップS906)。例えば、開始位置を変換する値が、領域の大きさよりも小さくなるまで減算を繰り返せばよい。図9に示す例では、開始位置を変換する値が各領域の大きさよりも小さいので補正は行わない。
【0071】
初期化部121は、各領域の大きさと、各領域の開始位置を変換する値とを変換値記憶部123に記憶する(ステップS907)。
【0072】
図10は、第3の実施形態におけるセクタ番号変換部およびリードライト制御部の動作を示すフローチャートである。
【0073】
リードライト制御部124は、アプリケーション110から受信したセクタ番号を、セクタ番号変換部125に出力する(ステップS1001)。図10に示す例では、受信したセクタ番号は000000000E23(hex)である。
【0074】
セクタ番号変換部125は、変換値記憶部123から各領域の大きさを取得して、各領域の大きさの累計から、入力されたセクタ番号がどの領域に該当するかを判定する(ステップS1002)。図10の場合は、入力されたセクタ番号000000000E23(hex)は、第1領域から第n−1領域までの大きさの累計以上であるので、入力されたセクタ番号は第n領域に該当すると判定される。
【0075】
セクタ番号変換部125は、入力されたセクタ番号にステップS904で算出した開始位置を変換する値を加算した値を、変換後セクタ番号として、リードライト制御部124に出力する(ステップS1003)。図10に示す例では、000000000E23(hex)に000000000040(hex)が加算され、変換後セクタ番号として、000000000E63(hex)が得られる。変換後セクタ番号が第1領域から第n領域の大きさの累計以上である場合には、変換後セクタ番号から第n領域の大きさを減算した値を、変換後セクタ番号とする。
【0076】
リードライト制御部124は、入力された変換後セクタ番号をもとに、記憶装置140の読み書きを行う(ステップS1004)。
【0077】
以上に説明したように、本実施形態によれば、第2の実施形態と同様の効果を得ることができるとともに、記憶装置を論理的に複数の領域に分けて、各領域ごとにセクタ番号の変換を行っているので、第1および第2の実施形態よりも、他の装置上で記録装置の内容を読み取られにくくすることができる。
【0078】
なお、本実施形態では、第2の実施形態と同様の方法でセクタ番号を変換しているが、第1の実施形態の方法、つまり、セクタ番号マスク値を使用した方法でセクタ番号を変換してもよい。
【0079】
図11は、本発明による情報処理装置の主要部を示すブロック図である。図11に示すように、本発明による情報処理装置は、記憶装置にアクセスするリードライト制御手段12(図1に示すドライバ120におけるリードライト制御部124およびセクタ番号変換部125に相当。)を備えた情報処理装置(図1に示す情報処理装置100に相当。)であって、情報処理装置を特定可能な装置固有情報をもとにアドレスデータ変換値(セクタ番号変換値、セクタ番号0を変換する値または開始位置を変換する値に相当。)を生成する変換情報生成手段11(図1に示すドライバ120における初期化部121および装置固有情報読み出し部122に相当。)を備え、リードライト制御手段12は、入力されたアドレスデータにおける連続アクセス許容範囲に対応するデータを除くデータをアドレスデータ変換値にもとづいて変換し、変換後のアドレスデータで記憶装置にアクセスする。
【0080】
上記の実施形態には、以下のような情報処理装置も開示されている。
【0081】
(1)リードライト制御手段12は、アドレスデータ変換値を使用して、入力されたアドレスデータにおける連続アクセス許容範囲に対応するデータを除くデータに演算を施し、演算の結果に入力されたアドレスデータにおける連続アクセス許容範囲に対応するデータを加算する情報処理装置。
【0082】
(2)変換情報生成手段11は、アドレスデータにおける連続アクセス許容範囲に対応するデータを除くデータを変換するアドレスデータ変換値を生成し、リードライト制御手段12は、アドレスデータ変換値を使用して、入力されたアドレスデータに演算を施す情報処理装置。
【0083】
(3)変換情報生成手段11は、予め記憶装置を複数の領域に分割し、情報処理装置を特定可能な装置固有情報をもとに各領域毎のアドレスデータ変換値を生成し、リードライト制御手段12は、入力されたアドレスデータにおける連続アクセス許容範囲に対応するデータを除くデータを各領域毎のアドレスデータ変換値にもとづいて変換し、変換後のアドレスデータで記憶装置における各領域にアクセスする情報処理装置。
【符号の説明】
【0084】
11 変換情報生成手段
12 リードライト制御手段
100 情報処理装置
110 アプリケーション
120 ドライバ
121 初期化部
122 装置固有情報読み出し部
123 変換値記憶部
124 リードライト制御部
125 セクタ番号変換部
130 装置固有情報記憶部
140 記憶装置
140〜140 第1領域〜第n領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶装置にアクセスするリードライト制御手段を備えた情報処理装置であって、
情報処理装置を特定可能な装置固有情報をもとにアドレスデータ変換値を生成する変換情報生成手段を備え、
前記リードライト制御手段は、入力されたアドレスデータにおける連続アクセス許容範囲に対応するデータを除くデータを前記アドレスデータ変換値にもとづいて変換し、変換後のアドレスデータで前記記憶装置にアクセスする
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
リードライト制御手段は、アドレスデータ変換値を使用して、入力されたアドレスデータにおける連続アクセス許容範囲に対応するデータを除くデータに演算を施し、前記演算の結果に入力された前記アドレスデータにおける連続アクセス許容範囲に対応するデータを加算する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
変換情報生成手段は、アドレスデータにおける連続アクセス許容範囲に対応するデータを除くデータを変換するアドレスデータ変換値を生成し、
リードライト制御手段は、前記アドレスデータ変換値を使用して、入力されたアドレスデータに演算を施す
請求項1または請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
変換情報生成手段は、予め記憶装置を複数の領域に分割し、情報処理装置を特定可能な装置固有情報をもとに各領域毎のアドレスデータ変換値を生成し、
リードライト制御手段は、入力されたアドレスデータにおける連続アクセス許容範囲に対応するデータを除くデータを前記各領域毎の前記アドレスデータ変換値にもとづいて変換し、変換後のアドレスデータで前記記憶装置における各領域にアクセスする
請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
記憶装置に対してデータアクセスを行う情報処理装置におけるデータアクセス方法であって、
情報処理装置を特定可能な装置固有情報をもとにアドレスデータ変換値を生成し、
入力されたアドレスデータにおける連続アクセス許容範囲に対応するデータを除くデータを前記アドレスデータ変換値にもとづいて変換し、変換後のアドレスデータで前記記憶装置にアクセスする
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項6】
アドレスデータ変換値を使用して、入力されたアドレスデータにおける連続アクセス許容範囲に対応するデータを除くデータに演算を施し、前記演算の結果に入力された前記アドレスデータにおける連続アクセス許容範囲に対応するデータを加算する
請求項5に記載の情報処理方法。
【請求項7】
記憶装置に対してデータアクセスを行う情報処理装置におけるデータアクセスプログラムであって、
コンピュータに、
情報処理装置を特定可能な装置固有情報をもとにアドレスデータ変換値を生成する処理と、
入力されたアドレスデータにおける連続アクセス許容範囲に対応するデータを除くデータを前記アドレスデータ変換値にもとづいて変換し、変換後のアドレスデータで前記記憶装置にアクセスする処理とを実行させる
ための情報処理プログラム。
【請求項8】
コンピュータに、
アドレスデータ変換値を使用して、入力されたアドレスデータにおける連続アクセス許容範囲に対応するデータを除くデータに演算を施し、前記演算の結果に入力された前記アドレスデータにおける連続アクセス許容範囲に対応するデータを加算する処理を実行させる
請求項7に記載の情報処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−221413(P2012−221413A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−89326(P2011−89326)
【出願日】平成23年4月13日(2011.4.13)
【出願人】(000197366)NECアクセステクニカ株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】