情報処理装置、情報処理装置の制御方法、および情報処理装置の制御プログラム
【課題】ユーザにとって利便性の高い印刷設定を実行することが可能な情報処理装置を提供する。
【解決手段】ドライバコアは、ユーザによる印刷設定画面における印刷設定の変更操作があるかどうかを判断する(ステップS12)。変更操作が無い場合には、ステップS24にスキップする(ステップS12においてNO)。一方、ドライバコアは、マウス等あるいはキーボード等を指定入力することによって印刷設定の項目に関して変更操作を行なった場合には(ステップS12においてYES)、変更操作前の印刷設定情報を取得する(ステップS14)。そして、履歴データを作成する(ステップS16)。そして、ステップS18において、同一の履歴データがないと判断された場合には、履歴データを保存する(ステップS20)。
【解決手段】ドライバコアは、ユーザによる印刷設定画面における印刷設定の変更操作があるかどうかを判断する(ステップS12)。変更操作が無い場合には、ステップS24にスキップする(ステップS12においてNO)。一方、ドライバコアは、マウス等あるいはキーボード等を指定入力することによって印刷設定の項目に関して変更操作を行なった場合には(ステップS12においてYES)、変更操作前の印刷設定情報を取得する(ステップS14)。そして、履歴データを作成する(ステップS16)。そして、ステップS18において、同一の履歴データがないと判断された場合には、履歴データを保存する(ステップS20)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータ上で動作するアプリケーションソフト(ワープロなど)などからの出力情報を印刷する印刷技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の印刷システムでは、コンピュータの二次記憶装置などに保存されている印刷データ(アプリケーションで作成されたデータファイル)を印刷する場合、ユーザは次のような手順で印刷を実行していた。
【0003】
たとえば、コンピュータの基本ソフトウェア(OS)としてウインドウズ(R)を用いる場合について述べる。この基本ソフトウェア上では、印刷対象となるデータはファイルデータという形式で保存されている。
【0004】
ユーザは印刷対象のファイルデータを見つけてそしてそのファイルデータを作成したアプリケーション(たとえば、文書編集アプリケーションであるワープロソフト、表計算ソフトなど)を実行して、印刷対象となるファイルデータをオープンする。
【0005】
そして、そのアプリケーションのサービスとして備えられている印刷命令を実行することで、印刷を行なうことができる。
【0006】
より具体的には、コンピュータにおける印刷の処理は、コンピュータ上で文書編集アプリケーションを起動し、新規文書を作成したり、保存されている文書ファイルを開いて編集したりする等の処理を行なった後、文書編集アプリケーションの備えている印刷処理機能を起動させて、印刷処理を行なわせる。
【0007】
印刷処理が実行されると、文書編集アプリケーションがコンピュータ上のOSの管理下の中間モジュール(GDI(Graphical Device Interface))によってプリンタドライバを呼出し、呼出されたプリンタドライバは印刷を行なう画像形成装置のコントローラが解釈できるPDL(ページ記述言語)を作成する。
【0008】
ユーザが文書編集アプリケーション上で処理をしている際に、印刷メニューをクリックすると、印刷に関する印刷設定のためのユーザーインターフェイスが表示される。
【0009】
具体的には、印刷設定に関する項目として、用紙サイズ、解像度、用紙方向および印刷部数等のように種々の項目を設定するが可能であり、文書編集アプリケーションが設定項目を保持することができる。
【0010】
特開2001−256007号公報および特開2002−149365号公報においては、印刷装置において、印刷履歴として印刷ジョブ毎に印刷設定を残すことにより、文書編集アプリケーションで作成されて一旦印刷されたデータを簡単に再設定して再度印刷することができる方式が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2001−256007号公報
【特許文献2】特開2002−149365号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、文書編集アプリケーションに印刷設定が登録されている場合、印刷設定を変更して文書編集アプリケーションを保存すると、最初の印刷設定が失われてしまう可能性がある。
【0013】
すなわち、印刷処理実行後の履歴として印刷設定を残すことは可能であったが、印刷する前の印刷設定は履歴として保存されていないため、印刷処理前に印刷設定を複数回変更した場合には、前の印刷設定の状態に戻すことができなかった。また、印刷設定の変更履歴を残す場合には、印刷設定をメモ書きとして書き留めておく等の煩雑な作業が必要であった。
【0014】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、ユーザにとって利便性の高い印刷設定を実行することが可能な情報処理装置、情報処理装置の制御方法、情報処理装置の制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の一局面に従う情報処理装置は、コンピュータ上で動作するアプリケーションソフトで作成された画像データを印刷するために画像形成装置へ転送する情報処理装置であって、画像データの印刷を実行する際に、画像データに関連づけられて転送される、画像データの画像形成装置における印刷の態様を示す印刷設定情報を設定するための印刷設定画面を表示する印刷設定画面表示手段と、印刷設定画面において変更された印刷設定情報を設定する設定手段と、変更される前の印刷設定情報を取得する取得手段と、取得手段により取得された変更される前の前回の印刷設定情報を履歴として保存する保存手段とを備えた、情報処理装置。
【0016】
好ましくは、画像データの印刷を実行する際に設定された印刷設定情報は、画像データに関連づけられて格納され、印刷設定画面表示手段は、指示に応答して印刷設定画面を表示し、印刷設定画面が表示される際、取得手段は、画像データに関連づけられて格納されている印刷設定情報を取得し、保存手段は、画像データに関連づけられて格納されている印刷設定情報を保存する。
【0017】
好ましくは、取得手段は、印刷設定画面において保存指示がなされたことを検知して、変更される前の印刷設定情報を取得する。
【0018】
好ましくは、取得手段は、設定手段により前回の印刷設定情報から別の印刷設定情報に変更された場合には、変更される前の印刷設定情報を取得する。
【0019】
好ましくは、画像データの作成者の情報を取得する作成者取得手段と、コンピュータの使用者とを比較する手段と、比較手段における比較に基づいて作成者と使用者とが異なる時に、保存する。
【0020】
好ましくは、指示に応答して、保存手段により保存された印刷設定情報の履歴の一覧を表示させる履歴表示制御手段と、履歴表示制御手段により表示された印刷設定情報の履歴の一覧から印刷設定情報を選択する選択手段とを備え、設定手段は、選択手段により選択された印刷設定情報を設定する。
【0021】
特に、履歴表示制御手段は、履歴の古い順に昇順的に印刷設定情報の履歴の一覧を表示する。
【0022】
特に、画像データの作成者の情報を取得する作成者取得手段と、コンピュータの使用者とを比較する手段と、比較手段における比較に応じて、履歴表示制御手段は、異なる場合に履歴の古い順に昇順的に印刷設定情報の履歴の一覧を表示する。
【0023】
特に、画像データの作成者の情報を取得する作成者取得手段と、コンピュータの使用者とを比較する手段と、比較手段における比較に基づいて、同一の場合に、履歴の新しい順に昇順的に印刷設定情報の履歴の一覧を表示する。
【0024】
特に、画像データは、複数のアプリケーションソフトにそれぞれ対応する複数の識別子のうち、作成されたアプリケーションソフトを示す識別子とファイル名とを対応付けて管理される。保存手段は、印刷設定情報とともに、画像データに対応するファイル名と識別子とを対応付けて履歴として保存する。保存手段が、少なくとも1つ以上の画像データと異なる別の画像データについて、別の印刷設定情報とともに、画像データに対応するファイル名と同一のファイル名と画像データに対応する識別子と異なる別の識別子とを対応付けて履歴として保存している場合に、履歴表示制御手段は、同一のファイル名に対応する、保存手段により保存された全ての印刷設定情報の履歴の一覧を表示させる。
【0025】
本発明の別の局面に従う情報処理装置の制御方法は、コンピュータ上で動作するアプリケーションソフトで作成された画像データを印刷するために画像形成装置へ転送する情報処理装置の制御方法であって、画像データの印刷を実行する際に、画像データに関連づけられて転送される、画像データの画像形成装置における印刷の態様を示す印刷設定情報を設定するための印刷設定画面を表示するステップと、印刷設定画面において変更された印刷設定情報を設定するステップと、変更される前の印刷設定情報を取得するステップと、取得された変更される前の前回の印刷設定情報を履歴として保存するステップと備える。
【0026】
本発明のさらに別の局面に従う情報処理装置の制御プログラムであって、コンピュータ上で動作するアプリケーションソフトで作成された画像データを印刷するために画像形成装置へ転送する情報処理装置のコンピュータに、画像データの印刷を実行する際に、画像データに関連づけられて転送される、画像データの画像形成装置における印刷の態様を示す印刷設定情報を設定するための印刷設定画面を表示するステップと、印刷設定画面において変更された印刷設定情報を設定するステップと、変更される前の印刷設定情報を取得するステップと、取得された変更される前の前回の印刷設定情報を履歴として保存するステップとの処理を実行させる。
【発明の効果】
【0027】
上述の情報処理装置は、印刷設定画面において変更された印刷設定情報を設定する設定手段と、変更される前の印刷設定情報を取得する取得手段と、取得手段により取得された変更される前の前回の印刷設定情報を履歴として保存する保存手段とを含む。
【0028】
したがって、変更される前の前回の印刷設定情報を履歴として確認することが可能であるためユーザにとって利便性の高い印刷設定を実行することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施の形態1に従う印刷システムの構成について説明する図である。
【図2】本発明の実施の形態1に従うPCの概略ブロック図について説明する図である。
【図3】図2で示したPC100の本体部2000における印刷機能に係る処理構成を説明する機能ブロック図について説明する図である。
【図4】ドライバGUI2100の設定表示部2210によってディスプレイ部250に表示される印刷設定画面40を説明する。
【図5】本発明の実施の形態1に従う印刷設定履歴データ管理部2050の機能ブロック図について説明する図である。
【図6】履歴データベースに格納される印刷設定履歴データについて説明する図である。
【図7】本発明の実施の形態1に従うドライバGUIの処理手順について説明する図である。
【図8】本発明の実施の形態1に従う印刷実行指示が有った場合のプリンタドライバ2030の処理について説明する図である。
【図9】履歴データベース302に格納された履歴データに基づいて表示される履歴一覧テーブルを説明する図である。
【図10】印刷設定画面42において、履歴一覧テーブルが表示された場合について説明する図である。
【図11】本発明の実施の形態1に従う履歴項目の選択があった場合の処理を説明する。
【図12】本発明の実施の形態2に従う印刷設定画面44を説明する図である。
【図13】本発明の実施の形態2に従うドライバGUIの処理手順について説明する図である。
【図14】本発明の実施の形態3に従う印刷実行指示が有った場合のプリンタドライバ2030の処理について説明する図である。
【図15】本発明の実施の形態3に従うドライバGUIの処理手順について説明する図である。
【図16】印刷設定画面45において、履歴一覧テーブルが表示された場合について説明する図である。
【図17】本発明の実施の形態4に従う履歴一覧テーブルの表示を説明する図である。
【図18】本発明の実施の形態5に従う履歴一覧テーブルの表示を説明する図である。
【図19】印刷設定画面46において、履歴一覧テーブルが表示された場合について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。以下の説明において同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一であるものとする。
【0031】
(実施の形態1)
図1を用いて、本発明の実施の形態1に従う印刷システムの構成について説明する。
【0032】
図1を参照して、本発明の実施の形態1に従う情報処理システムは、画像形成装置10と、LAN20(Local Area Network)等のネットワークを介して接続された情報処理装置であるパーソナルコンピュータ(以下、単にPCとも称する)100〜102とで構成される。各PC100〜102と画像形成装置10とはLAN20を介して互いにデータの授受が可能なように接続されており、本発明においては各PC100〜102上で実行されるアプリケーション上で作成された画像データをプリントジョブとして画像形成装置10に出力し、各PC100〜102で作成された画像データを画像形成装置10において受信して印刷処理を実行する場合について説明する。
【0033】
なお、ここでは、情報処理装置として3台のPCがLAN20に接続されている構成について説明するが、これらの数は3個に限定されるものではなく、少なくとも1個以上あればよい。また、LANに限らずWAN(Wide Area Network)等であってもよい。
【0034】
図2を用いて本発明の実施の形態1に従うPCの概略ブロック図について説明する。
図2を参照して、本発明の実施の形態に従うPC100は、本体部2000と、表示手段であるディスプレイ部250と、入力手段として、キー入力手段であるキーボード260と、ポインティングデバイスであるマウス270とで構成される。これら、本体部2000と、ディスプレイ部250、入力手段として、キーボード260およびマウス270は、別体で構成されている場合について説明するが、各々が本体部2000と一体で構成されていても良い。
【0035】
なお、ディスプレイ部250は、液晶表示装置であっても良いし、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置であっても良いし、プラズマディスプレイ装置であっても良いし、表示することが可能な装置であれば何でも良い。
【0036】
本体部2000は、オペレーティングシステム(OS:Operating System)を含む各種プログラムを実行するためのCPU(Central Processing Unit)201と、CPU201のプログラム部分の実行に必要なデータを一時的に記憶するRAM212と、CPU201で実行されるプログラムやデータを不揮発的に記憶するハードディスク部(HDD:Hard Disk Drive)211と、CPU201で実行されるプログラムが予め格納されたROM213とを含む。ROM213あるいはHDD211には、予め基本ソフトウェア(OS)が格納されており、当該OSを実行することにより各種アプリケーションが実行されるものとする。
【0037】
また、HDD211には、画像形成装置10に対してプリントジョブを送信するためのソフトウェアプログラムであるプリンタドライバが記憶されており、当該プリンタドライバをCPU201が読込むことにより後述する機能が実現される。
【0038】
このようなプログラムは、FDドライブ217あるいはCD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory)ドライブ215によってそれぞれフレキシブルディスク317aまたはCD−ROM315aなどから読取られる。そして、読取られたプログラムは、HDD211に格納されて利用されるものとする。なお、本例においては、フレキシブルディスク317aまたはCD−ROM315aなどから読取られる場合について説明したが、特に、これらフレキシブルディスク317aまたはCD−ROM315aなどから読取られる場合に限らず、LAN20を介してプリンタドラバが格納されている図示しないサーバからダウンロードすることも可能である。また、本例においては、入力手段として、キーボード260、マウス270を例に挙げて説明するが、タッチパネルを設けてタッチパネルを介して入力を実行するようにしても良い。
【0039】
CPU201は、キーボード260あるいはマウス270と接続される入力制御部209を介してキーボード260あるいはマウス270の操作によるユーザからの指示を受取るとともにプログラムの実行によって生成される画面出力をディスプレイ制御部205に出力する。
【0040】
ディスプレイ制御部205は、画面出力をディスプレイ部250に出力する。
また、CPU201は、LANカード等からなるネットワークインターフェイスカード(NIC)207を介してLAN20(あるいはWAN等)に接続された画像形成装置10に対してプリントジョブを送信する。
【0041】
また、上述の各部は内部バス203を介して相互データを授受する。
なお、PC100〜102の各々の構成については同様であるのでその詳細な説明は繰返さない。
【0042】
図3を用いて、図2で示したPC100の本体部2000における印刷機能に係る処理構成を説明する機能ブロック図について説明する。
【0043】
図3を参照して、矩形の破線上にOSと記されているのは、矩形内の各構成要素が基本ソフトウェア(以下、OSと称する(例えば、ウインドウズ(R)))の構成要素であることを意味するものではなく、矩形内の構成要素がOS上で動作するものであるという意味で記したものである。
【0044】
上述したようにPC100の本体部2000には、入力手段としてのキーボード260やポインティングデバイスとしてのマウス270と、表示手段としてのディスプレイ部250とが接続され、これにより1つのコンピュータシステムが実現されている。
【0045】
本体部2000は、ウインドウズ(R)等のOSの下で動作しているものとする。
本体部2000について、本発明に関する機能的な部分にのみ着目して、OS上での機能を大きく分類すると起動されたアプリケーションソフト2010、OSの一部であるグラフィックデバイスインターフェイス(以後、GDI)2020と、プリンタドライバ2030と、プリンタドライバ2030により生成されたデータを一時的に格納するプリントスプーラ2040とに分類される。
【0046】
なお、OSによってはこれらの名称や機能的な枠組は若干異なる場合があるが、たとえばGDIプリンタドライバと呼ばれるモジュールの名称はウインドウズ等の固有の名称であり、他のOSにおける同等の機能は、たとえば、グラフィックカーネルやプリントフィルタなどと呼ばれるモジュールで実現されている。また、プリントスプーラ2040においてもプリントキューと呼ばれるモジュールに処理を組込むことによって実現することが可能である。
【0047】
なお、一般的にこれらの構成要素からなる本体部2000は、図2に示したCPU201、HDD211、RAM212、ROM213等のハードウェアの下で基本ソフトと呼ばれるソフトウェア(BIOS)がその制御を司り、その基本ソフトの下で応用ソフト(アプリケーションソフト)が動作するような構成になっている。
【0048】
プリンタドライバ2030等もこの応用ソフトの1つとして位置付けられるものである。
【0049】
アプリケーションソフト2010は、たとえば、ワープロや表計算等の機能を実行するためのソフトウェアであり、基本ソフトウェア上で動作する応用ソフトウェアを指すものである。
【0050】
また、アプリケーションソフト2010は、任意のタイミングで複数起動することが可能でありこれらをアプリ2060として図示してある。
【0051】
次に、アプリケーションソフト2010として、任意の文章編集アプリケーションを使用した場合を例に説明する。
【0052】
アプリケーションソフト2010により文章あるいは図形等のイメージの編集作業を中心に行ない、そのイメージを印刷する場合には、ディスプレイ部250上に表示される印刷メニューをマウス270等によって選択して、印刷を実行することができる。
【0053】
次に、アプリケーションソフト2010は、基本ソフトの一部の機能であるGDI2020をコールする。このGDI2020は、画像表示や印刷出力等の表示デバイスや印刷デバイスを司る基本関数群であり、各社各様のアプリケーションソフトウェアはこの基本関数群を利用することで、機種(ハードウェア)に依存する部分を意識することなくアプリケーションソフトウェアを動作させることが可能である。
【0054】
そして、このGDI2020では、それぞれの印刷装置の機種に依存する情報を管理するプリンタドライバ2030から印刷デバイス(この場合は画像形成装置10)の持つ描画能力や印刷解像度などの情報を取込み、アプリケーションソフト2010からコールされたAPI(Application Program Interface)関数を処理し、その処理内容に応じてプリンタドライバ2030がGDI2020に対して提供する関数をコールする。
【0055】
この関数は予め決められたインターフェイス(Device Driver Interface(DDI))になっており、プリンタドライバの作成者は、このインターフェイスから実際の印刷装置へデータを出力するためのデータ変換を中心にしてプリンタドライバを作成することとなる。
【0056】
プリンタドライバ2030は、プリンタドライバ全体を統括するドライバコア2090と、ドライバGUI2100と、印刷データ生成部2070と、プリンタ制御コマンド生成部2080とで構成される。
【0057】
ドライバGUI2100は、設定表示部2110と、機能設定部2130と、印刷設定履歴データ管理部2050の各モジュールにより構成される。
【0058】
設定表示部2110は、印刷環境設定をユーザに表示するための印刷設定画面を表示手段としてのディスプレイ部250に対して出力する。機能設定部2130は、印刷設定画面が表示された場合に、入力手段としてのキーボード260やポインティングデバイスとしてのマウス270からのユーザからの入力指示に従って印刷環境設定(単に印刷設定とも称される)を実行する。また、印刷設定履歴データ管理部2050は、後述するが、印刷設定画面が表示された場合において、入力手段としてのキーボード260やポインティングデバイスとしてのマウス270からの入力指示に従って印刷環境設定の変更操作を実行した場合の履歴データを管理する。
【0059】
また、プリンタドライバ2030は、GDI2020から受取ったDDI情報と、ドライバGUI(Graphical User Interface)2100によって設定された印刷環境設定をもとに、印刷データ生成部2070において印刷データ(描画データ)の生成処理を実行するとともに、プリンタ制御コマンド生成部2080において、プリンタ制御コマンドの生成処理を行なう。
【0060】
そして、印刷実行指示に従い生成された印刷データ(描画データ)やプリンタ制御コマンドをプリントジョブとしてプリントスプーラ2040に対して出力する。
【0061】
そして、これら印刷データやプリンタ制御コマンドで構成されるプリントジョブは、プリントスプーラ2040からNIC207を介して画像形成装置10へと出力される。
【0062】
そして、画像形成装置10において、プリントジョブに含まれるプリンタ制御コマンドに従う所定の処理が実行され、例えば印刷データが記録用紙に印刷されることになる。
【0063】
図4を用いて、ドライバGUI2100の設定表示部2210によってディスプレイ部250に表示される印刷設定画面40を説明する。
【0064】
図4を参照して、印刷設定画面40においては、印刷環境設定に係る各種複数の設定項目を設定することが可能であり、具体的には、上部に設けられた設定項目毎に分類された複数のタブをポインティングデバイスであるマウス270あるいはキーボード260等により指定することにより各種の印刷環境に係る設定を実行することができる。
【0065】
本例においては、一例としてイメージデータの配置に関する「レイアウト」のタブが指定された場合の各種設定項目が表示されている。
【0066】
ユーザは、各種タブをマウス270等により指定することにより、たとえば印刷用紙の選択や画像品質あるいは印刷部数等を設定することが可能である。
【0067】
また、後述するが「その他」のタブを指定することにより、後述する印刷設定の履歴データの一覧を表示することが可能である。
【0068】
次に、本発明の実施の形態1に従う印刷設定履歴データ管理部2050について説明する。
【0069】
図5を用いて本発明の実施の形態1に従う印刷設定履歴データ管理部2050の機能ブロック図について説明する。
【0070】
図5に示されるように、ドライバコア2090からの指示のもと印刷設定履歴データ管理部2050が制御される。
【0071】
印刷設定履歴データ管理部2050は、具体的には、主に、履歴データ生成部300、履歴データUI制御部301と、履歴データベース302の各モジュールにより構成されている。
【0072】
履歴データベース302には、印刷設定の履歴データ(印刷設定履歴データ)が格納される。
【0073】
図6を用いて履歴データベースに格納される印刷設定履歴データについて説明する。
図6を参照して、印刷設定履歴データとしては、印刷設定の履歴ID、ファイル名、ファイル情報(作成者等)、アプリケーション名(拡張子等)、保存日時、各種の印刷設定情報等が1つの履歴データとして格納される。
【0074】
履歴データ生成部300は、ドライバコア2090からの指示に従って、必要に応じて印刷設定履歴データを生成し、履歴データベース302に登録、保存する。
【0075】
履歴データUI制御部301は、主に、印刷設定履歴データ管理部2050におけるユーザインターフェイスを制御するモジュールであり、上述した印刷設定画面において、印刷設定の履歴データの一覧をダイアログボックスに表示したり、印刷設定の履歴データの選択入力を受け付けたりする。
【0076】
図7を用いて本発明の実施の形態1に従うドライバGUIの処理手順について説明する。
【0077】
図7を参照して、まず、ドライバコア2090は、印刷設定の起動指示があるかどうかを判断する(ステップS2)。
【0078】
具体的には、文書編集アプリケーションを起動し、新規文書を作成したり、保存されている文書ファイルを開いて編集したりする等の処理を行なった後、文書編集アプリケーションの備えている印刷処理機能を起動させて、印刷環境設定を実行するための印刷設定画面の起動指示入力があるかどうかを判断する。なお、印刷設定の起動指示については、起動ボタンを設けてユーザの操作により起動させたり、あるいは、文書編集アプリケーションの起動に合わせて起動させることも可能であり、当該起動方法については限定されない。
【0079】
そして、ステップS2において、ドライバコア2090は、印刷設定の起動指示が実行された場合、次に印刷設定情報が格納済みであるかどうかを判断する(ステップS4)。ここで印刷設定情報は、後述するが、具体的には、文書編集アプリケーションを起動し、印刷処理が実行された場合には、その印刷処理の際に設定されていた印刷設定情報がHDD211等に格納されるものである。なお、本実施の形態1に従う方式においては、アプリケーション毎に印刷設定情報がHDD211等に格納されるものとする。また、本例においては、アプリケーション毎に印刷設定情報が更新されてHDD211等に格納されるとして説明するが、初期設定情報のみが保存されるようにして印刷設定情報については更新されないようにすることも可能である。
【0080】
ステップS4において、ドライバコア2090は、印刷設定情報が格納されていると判断した場合には、HDD211等に格納された印刷設定情報を取得する(ステップS6)。
【0081】
一方、ステップS4において、ドライバコア2090は、印刷設定情報が格納されていないと判断した場合には、初期設定情報を取得する(ステップS8)。具体的には、印刷データの印刷処理が実行されていない場合には、印刷設定情報が格納されていないため予めプリセットされた印刷設定情報である初期設定情報をHDD211等から取得する。
【0082】
そして、取得した印刷設定情報に基づいて印刷設定を実行する(ステップS10)。
具体的には、ドライバコア2090は、当該印刷設定情報を機能設定部2130に出力する。機能設定部2130は、ドライバコア2090から出力された印刷設定情報に基づいて前回、設定された印刷に係る環境設定を実行する。あるいは、初期の印刷に係る環境設定を実行する。そして、設定表示部2110は、ディスプレイ部250に上述した印刷設定画面を表示するものとする。
【0083】
次に、ドライバコア2090は、ユーザによる印刷設定画面における印刷設定の変更操作があるかどうかを判断する(ステップS12)。
【0084】
たとえば、図4で説明した印刷設定画面40において、ユーザがポインティングデバイスであるマウス270等で指定入力することにより印刷設定画面40において印刷設定の項目を変更することが可能である。
【0085】
ステップS12において、変更操作が無い場合には、ステップS24にスキップする(ステップS12においてNO)。
【0086】
一方、ドライバコア2090は、マウス等あるいはキーボード等を指定入力することによって印刷設定の項目に関して変更操作を行なった場合には(ステップS12においてYES)、変更操作前の印刷設定情報を取得する(ステップS14)。
【0087】
そして、履歴データを作成する(ステップS16)。
具体的には、ドライバコア2090は、取得した変更操作前の印刷設定情報を履歴データ生成部300に出力する。履歴データ生成部300は、取得した変更操作前の印刷設定情報に基づいて、履歴データを作成する。
【0088】
次に、同一の履歴データが有るかどうかを判断する(ステップS18)。
具体的には、履歴データ生成部300は、履歴データベース302にアクセスして、作成した履歴データと同一の印刷設定情報の内容を含む履歴データがあるかどうかを判断する。
【0089】
ステップS18において、同一の履歴データがないと判断された場合には、履歴データを保存する(ステップS20)。
【0090】
具体的には、履歴データ生成部300は、作成した履歴データを履歴データベース302に保存する。具体的には、図6に示されるような履歴データを履歴データベース302に保存する。
【0091】
そして、次に、変更操作に従って印刷設定を実行する(ステップS22)。具体的には、機能設定部2130は、ドライバコア2090から出力された変更操作に従う印刷設定情報に基づいて印刷に係る環境設定を実行する。
【0092】
そして、設定表示部2110は、ディスプレイ部250に上述した更新された印刷設定画面を表示するものとする。
【0093】
一方、ステップS18において、同一の履歴データが履歴データベース302に有ると判断された場合には、ステップS22にスキップする。すなわち、生成した履歴データは履歴データベース302に保存されることなく、機能設定部2130により変更操作に従う印刷設定情報に基づいて印刷に係る環境設定が実行される。
【0094】
そして、ドライバコア2090は、印刷実行指示が有るかどうかを判断する(ステップS24)。
【0095】
例えば、印刷実行指示は、例えば、印刷設定画面40において、ユーザが「OK」ボタンをマウス270等により指定したか否かで判断することが可能である。
【0096】
そして、ステップS24において、印刷実行指示があったと判断された場合には、ドライバGUI2100における処理を終了する(エンド)。具体的には、印刷設定画面40の表示を終了する。
【0097】
そして、印刷実行指示が有った場合、ドライバコア2090は、設定された印刷設定情報およびイメージデータを印刷データ生成部2070、プリンタ制御コマンド生成部2080に出力し、上述したようにプリントジョブとして、プリントスプーラ2040に対して出力される。そして、これら印刷データやプリンタ制御コマンドで構成されるプリントジョブは、プリントスプーラ2040からNIC207を介して画像形成装置10へと出力される。画像形成装置10において印刷処理が実行される。
【0098】
一方、ステップS24において、印刷実行指示が無いと判断された場合(ステップS24においてNO)には、再び、ステップS12に戻り、ユーザからの変更操作の指示の入力を受け付ける。
【0099】
そして、上述の処理を繰り返す。
したがって、印刷設定画面において、ユーザが印刷に係る環境設定を変更する操作をする毎に変更操作前の印刷設定情報である履歴データを作成して、履歴データベース302に格納することが可能である。
【0100】
それゆえ、ユーザは、印刷設定画面において、マウス270等を用いて印刷に係る環境設定を複数回、変更操作した場合であっても履歴データベース302に格納された履歴データから過去の変更操作前の印刷設定情報を取得することが可能であり、ユーザの利便性を高めることが可能である。
【0101】
また、同一の印刷設定情報である履歴データについては、履歴データベース302に重複して格納されないため印刷設定情報が異なる履歴データのみが格納されることになり、履歴データベース302の容量を小さくすることが可能である。
【0102】
図8を用いて本発明の実施の形態1に従う印刷実行指示が有った場合のプリンタドライバ2030の処理について説明する。
【0103】
図8を参照して、まず、ドライバコア2090は、印刷実行指示が有るかどうかを判断する(ステップS30)。ドライバコア2090は、上述したように、印刷実行指示が有ると判断された場合には、機能設定部2130により印刷設定画面において設定された印刷設定情報を取得する(ステップS32)。
【0104】
そして、次に、印刷設定情報を格納する(ステップS34)。具体的には、ドライバコア2090は、印刷処理を実行した際の印刷設定情報をHDD211等に格納するものとする。
【0105】
そして、次に、プリントジョブを生成する(ステップS36)。
具体的には、ドライバコア2090は、取得した印刷設定情報およびイメージデータを印刷データ生成部2070、プリンタ制御コマンド生成部2080に出力し、プリントジョブを生成する。
【0106】
そして、生成したプリントジョブを出力する(ステップS38)。
具体的には、ドライバコア2090は、生成したプリントジョブをプリントスプーラ2040に対して出力する。そして、これら印刷データやプリンタ制御コマンドで構成されるプリントジョブは、プリントスプーラ2040からNIC207を介して画像形成装置10へと出力される。画像形成装置10において印刷処理が実行される。
【0107】
上記処理において、印刷設定情報がHDD211等に格納されるため再度、文書編集アプリケーションを起動して印刷処理を実行する際には、文書編集アプリケーションに対応付けられた印刷設定情報がHDD211から読み出される。そして、読み出された印刷設定情報に基づいて印刷設定が実行されることになる。
【0108】
したがって、前回設定した印刷設定情報に基づいて印刷に係る環境設定が実行されるため再度、印刷設定に関する操作をする必要がなくユーザにとって利便性が高い。
【0109】
次に、履歴一覧テーブルについて説明する。
図9を用いて、履歴データベース302に格納された履歴データに基づいて表示される履歴一覧テーブルを説明する図である。
【0110】
図9を参照して、「その他」のタブが押下されたかどうかを判断する(ステップS40)。
【0111】
具体的には、ドライバコア2090は、たとえばポインティングデバイスであるマウス270を用いて「その他」タブが押下(指示)されたかどうかを判断する(ステップS40)。
【0112】
ステップS40において、「その他」のタブが押下されたと判断した場合には、履歴データベース302に格納されている履歴データを取得する(ステップS42)。具体的には、履歴データUI制御部301は、履歴データベース302に格納されている文書ファイルに対応する履歴データを取得し、そして、履歴データUI制御部301は、取得した履歴データに基づいて履歴一覧テーブルを生成する(ステップS44)。
【0113】
そして、履歴一覧テーブルを表示する(ステップS46)。履歴データUI制御部301は、ディスプレイ部250に表示された印刷設定画面において、履歴一覧テーブルを表示する。そして処理を終了する(エンド)。
【0114】
なお、本例においては、「その他」のタブが押下された場合に履歴一覧テーブルが表示される場合について説明したが、特に、これに限られず、表示する起動ボタンを設けても良いし、他のタブが押下された場合に表示されるようにしても良い。
【0115】
図10を用いて印刷設定画面42において、履歴一覧テーブルが表示された場合について説明する。
【0116】
図10を参照して、マウス270等により、印刷設定画面42における「その他」タブを選択することによって、履歴一覧テーブルが表示される。
【0117】
履歴一覧テーブルにおいて、ユーザは、ポインティングデバイスであるマウス270等を用いて履歴IDに対応する項目を選択することにより、履歴IDに対応する項目に関連付けられた印刷設定情報を設定することができるものとする。
【0118】
本例においては、履歴項目として、印刷設定の履歴IDとして昇順的に付けられた履歴ID1〜5と、それぞれのファイル名と、作成者等のファイル情報と、アプリケーション名、保存日時が表示されている場合が示されている。なお、ここでは、表示していないが印刷環境設定に関する具体的な変更操作内容を表示するようにしても良い。
【0119】
図11を用いて本発明の実施の形態1に従う履歴項目の選択があった場合の処理を説明する。
【0120】
図11を参照して、まず、履歴項目の選択があったかどうかを判断する(ステップS50)。具体的には、ドライバコア2090は、マウス270等により、履歴項目の選択が有ったかどうかを判断する。なお、履歴項目の選択が無い場合には、ステップS50に待機し、選択入力受け付け状態とする。
【0121】
そして、次に、履歴項目の選択があった場合には選択された履歴項目の履歴データに基づいて印刷設定情報を取得する(ステップS52)。具体的には、ドライバコア2090は、履歴データUI制御部301に対して履歴IDに対応する印刷設定情報を取得するように指示する。
【0122】
履歴データUI制御部301は、履歴IDに対応する印刷設定情報を履歴データベース302から取得してドライバコア2090に出力する。
【0123】
そして、印刷設定情報に基づいて印刷設定を実行する(ステップS54)。
具体的には、ドライバコア2090は、取得した印刷設定情報を機能設定部2130に出力し、機能設定部2130は、取得した印刷設定情報に基づいて印刷に係る環境設定を実行する。
【0124】
そして、処理を終了する(エンド)。
当該処理により、ユーザは、「その他」タブをポインティングデバイスであるマウス270等により指定することにより過去にユーザが操作した印刷設定に係る履歴データの履歴一覧テーブルにより確認することができ、また、履歴一覧テーブルにおいて、履歴データを選択入力することにより、過去の印刷設定に容易に変更することが可能でありユーザの利便性が高い。
【0125】
(実施の形態2)
上記の実施の形態1においては印刷設定画面においてユーザがポインティングデバイス等のマウス等により印刷設定の項目を変更操作した際に、履歴データとして変更操作前の印刷設定情報が格納される場合の方式について説明した。
【0126】
本発明の実施の形態2においてはユーザが指示する所定のタイミングで印刷設定画面において設定されている印刷設定情報を履歴データとして格納する方式について説明する。
【0127】
図12を用いて本発明の実施の形態2に従う印刷設定画面44を説明する。
図12を参照して、ここでは保存ボタン44#が印刷設定画面44において新たに設けられている場合が示されている。
【0128】
ユーザは、当該保存ボタン44#をポインティングデバイスであるマウス270等により選択(押下)することにより、ユーザの任意のタイミングで印刷設定画面で設定されている印刷設定情報を履歴データとして格納することが可能である。
【0129】
図13を用いて本発明の実施の形態2に従うドライバGUIの処理手順について説明する。
【0130】
図13を参照して、図7の処理手順と比較して、ステップS10の後、ステップS60,62の処理がさらに実行される。
【0131】
具体的には、取得した印刷設定情報に基づいて印刷設定を実行(ステップS10)した後、次に、印刷設定情報の履歴データを作成する(ステップS60)。
【0132】
具体的には、ドライバコア2090は、取得した印刷設定情報を履歴データ生成部300に出力する。履歴データ生成部300は、取得した印刷設定情報に基づいて、履歴データを作成する。
【0133】
そして、履歴データを保存する(ステップS62)。
具体的には、履歴データ生成部300は、履歴データベース302に対して、作成した履歴データを保存する。
【0134】
したがって、本発明の実施の形態2に従う方式においては、印刷設定画面が起動された場合に、まず履歴データが保存されるものとする。
【0135】
具体的には、既に印刷処理が実行された際の文書編集アプリケーションに対応付けられて格納されている印刷設定情報がまず履歴データとして保存される。あるいは、初期設定情報である印刷設定情報がまず履歴データとして保存される。
【0136】
次に、ドライバコア2090は、ユーザによる印刷設定画面における印刷設定の変更操作があるかどうかを判断する(ステップS12)。
【0137】
ステップS12において、変更操作が無い場合には、ステップS66にスキップする(ステップS12においてNO)。
【0138】
一方、ドライバコア2090は、マウス等あるいはキーボード等を指定入力することによって印刷設定の項目に関して変更操作を行なった場合には(ステップS12においてYES)、変更操作に従って印刷設定を実行する(ステップS64)。具体的には、機能設定部2130は、ドライバコア2090から出力された変更操作に従う印刷設定情報に基づいて印刷に係る環境設定を実行する。
【0139】
これに伴い、設定表示部2110は、ディスプレイ部250に上述した更新された印刷設定画面を表示するものとする。
【0140】
次に、保存ボタンが押下されたかどうかを判断する(ステップS66)。
具体的には、ドライバコア2090は、マウス270等により印刷設定画面44における保存ボタン44#が押下されたか否かを判断する。
【0141】
そして、保存ボタンが押下された場合には、印刷設定情報を取得する(ステップS68)。
【0142】
具体的には、ドライバコア2090は、保存ボタン44#が押下された場合には、機能設定部2130で設定されている印刷設定情報を取得する。
【0143】
そして、履歴データを作成する(ステップS69)。
具体的には、ドライバコア2090は、マウス等により印刷設定画面44における保存ボタン44#が押下されたと判断した場合には、取得した印刷設定情報を履歴データ生成部300に出力する。履歴データ生成部300は、取得した印刷設定情報に基づいて、履歴データを作成する。
【0144】
次に、同一の履歴データが有るかどうかを判断する(ステップS18)。
具体的には、履歴データ生成部300は、履歴データベース302にアクセスして、作成した履歴データと同一の印刷設定情報の内容を含む履歴データがあるかどうかを判断する。
【0145】
ステップS18において、同一の履歴データがないと判断された場合には、履歴データを保存する(ステップS20)。
【0146】
具体的には、履歴データ生成部300は、作成した履歴データを履歴データベース302に保存する。具体的には、図6に示されるような履歴データを履歴データベース302に保存する。
【0147】
そして、ドライバコア2090は、印刷実行指示が有るかどうかを判断する(ステップS24)。
【0148】
例えば、印刷実行指示は、例えば、印刷設定画面44において、ユーザが「OK」ボタンをマウス270等により指定したか否かで判断することが可能である。
【0149】
そして、ステップS24において、印刷実行指示があったと判断された場合には、ドライバGUI2100における処理を終了する(エンド)。具体的には、印刷設定画面44の表示を終了する。
【0150】
そして、印刷実行指示が有った場合、ドライバコア2090は、設定された印刷設定情報およびイメージデータを印刷データ生成部2070、プリンタ制御コマンド生成部2080に出力し、上述したようにプリントジョブとして、プリントスプーラ2040に対して出力される。そして、これら印刷データやプリンタ制御コマンドで構成されるプリントジョブは、プリントスプーラ2040からNIC207を介して画像形成装置10へと出力される。画像形成装置10において印刷処理が実行される。
【0151】
一方、ステップS24において、印刷実行指示が無いと判断された場合(ステップS24においてNO)には、再び、ステップS12に戻り、ユーザからの変更操作の指示の入力を受け付ける。
【0152】
そして、上述の処理を繰り返す。
したがって、本発明の実施の形態2に従う方式においては、まず、印刷設定画面の起動指示が有った場合に、まず、履歴データが保存されるため、初期設定としてプリセットされている印刷設定情報を履歴データとして保存することが可能である。あるいは、文書編集アプリケーションに対応付けられている印刷設定情報がHDD211等に格納されている場合には、当該格納された印刷設定情報を履歴データとして保存することが可能である。
【0153】
そして、ユーザが、印刷設定画面において印刷に係る環境設定を変更する操作をし、そして、保存ボタン44#を任意のタイミングで押下する毎に当該、印刷に係る環境設定を変更した際の印刷設定情報を履歴データとして作成して、履歴データベース302に格納することが可能である。
【0154】
それゆえ、ユーザは、印刷設定画面において、マウス270等を用いて印刷に係る環境設定を複数回、変更操作した場合であっても履歴データベース302に格納された履歴データから過去の印刷設定情報を取得することが可能であり、ユーザの利便性を高めることが可能である。
【0155】
また、ユーザの任意のタイミングで保存ボタン44#を押下して、押下された際における印刷設定情報を履歴データとして格納することが可能であるため、ユーザが望む印刷設定情報を履歴として保存しておくことが可能である。したがって、履歴として保存しておく必要が無い印刷設定情報が格納されないため履歴データベースの容量を小さくすることが可能であるとともに、履歴一覧で表示される履歴データの選択が容易になる。また、上述したように、印刷設定の起動指示があった場合に履歴データが保存されるため、ユーザはすぐに初期の印刷設定状態に復帰させることが可能である。
【0156】
(実施の形態3)
上記の実施の形態1および2においては、印刷設定情報はアプリケーションに対応して格納される方式について説明したが、以降の実施の形態においては、アプリケーションと関連付けられている文書ファイル(ファイルデータ)ごとに印刷設定情報を格納する場合について説明する。
【0157】
図14を用いて本発明の実施の形態3に従う印刷実行指示が有った場合のプリンタドライバ2030の処理について説明する。
【0158】
図14を参照して、図8と比較して、ステップS34をステップS34#に置換した点が異なる。その他の点については、図8で説明したのと同様であるのでその詳細な説明は繰り返さない。
具体的には、まず、ドライバコア2090は、印刷実行指示が有るかどうかを判断する(ステップS30)。ドライバコア2090は、上述したように、印刷実行指示が有ると判断された場合には、機能設定部2130により印刷設定画面において設定された印刷設定情報を取得する(ステップS32)。
【0159】
そして、次に、印刷設定情報を文書ファイル(ファイルデータ)に対応付けて格納する(ステップS34#)。具体的には、ドライバコア2090は、印刷処理を実行した際の文書ファイル(ファイルデータ)と印刷設定情報とを対応付けてHDD211等に格納するものとする。
【0160】
図15を用いて本発明の実施の形態3に従うドライバGUIの処理手順について説明する。
【0161】
図15を参照して、まず、ドライバコア2090は、印刷設定の起動指示があるかどうかを判断する(ステップS2)。
【0162】
具体的には、文書編集アプリケーションを起動し、新規文書を作成したり、あるいは、保存されている文書ファイルを開いて編集したりする等の処理を行なった後、文書編集アプリケーションの備えている印刷処理機能を起動させて、印刷環境設定を実行するための印刷設定画面の起動指示入力があるかどうかを判断する。
【0163】
そして、ステップS2において、ドライバコア2090は、印刷設定の起動指示が実行された場合、次に、文書ファイル(ファイルデータ)に対応付けられた印刷設定情報が格納済みであるかどうかを判断する(ステップS72)。具体的には、上記で説明したように、印刷処理が実行された場合には、文書ファイル(ファイルデータ)に対応付けられて、その印刷処理の際に設定されていた印刷設定情報がHDD211等に格納されるものである。なお、本実施の形態3に従う方式においては、ファイルデータ毎に印刷設定情報がHDD211等に格納されているものとする。
【0164】
ステップS72において、ドライバコア2090は、印刷設定情報が格納されていると判断した場合には、HDD211等に格納された印刷設定情報を取得する(ステップS74)。
【0165】
一方、ステップS72において、ドライバコア2090は、印刷設定情報が格納されていないと判断した場合には、初期設定情報を取得する(ステップS8)。具体的には、印刷データの印刷処理が実行されていない場合には、印刷設定情報が格納されていないため予めプリセットされた印刷設定情報である初期設定情報をHDD211等から取得する。
【0166】
そして、取得した印刷設定情報に基づいて印刷設定を実行する(ステップS10)。
具体的には、ドライバコア2090は、当該印刷設定情報を機能設定部2130に出力する。機能設定部2130は、ドライバコア2090から出力された印刷設定情報に基づいて前回、設定された印刷に係る環境設定を実行する。あるいは、初期の印刷に係る環境設定を実行する。そして、設定表示部2110は、ディスプレイ部250に上述した印刷設定画面を表示するものとする。
【0167】
次に、ドライバコア2090は、取得した印刷設定情報を履歴データ生成部300に出力する。履歴データ生成部300は、取得した印刷設定情報に基づいて、履歴データを作成する(ステップS60)。
【0168】
次に、文書ファイル(ファイルデータ)の作成者と使用者とが一致するかどうかを判断する(ステップS80)。
【0169】
具体的には、ドライバコア2090は、文書ファイル(ファイルデータ)のファイル情報に格納されているユーザ情報と、現在、PCを操作しているユーザ情報とが一致するかどうかを判断する。
【0170】
ファイルデータの作成者と使用者とが一致する場合には履歴データを保存せず、次のステップS12に進み、ファイルデータの作成者と使用者とが不一致の場合すなわち作成されたファイルデータの作成者と使用者とが異なる場合には履歴データを保存する(ステップS82)。そして、次のステップS12に進む。
【0171】
以降の処理については、図7で説明したのと同様であるのでその詳細な説明は繰り返さない。
【0172】
当該処理によりたとえば他人が作成したファイルデータを印刷処理する場合には、他人が設定した印刷設定情報が履歴データとして保存されるため、変更操作を行なった場合においてもすぐに初期に設定された印刷設定にすることが可能である。
【0173】
図16を用いて印刷設定画面45において、履歴一覧テーブルが表示された場合について説明する。
【0174】
図16を参照して、マウス270等により、印刷設定画面45における「その他」タブを選択することによって、履歴一覧テーブルが表示される。
【0175】
また、履歴一覧テーブルにおいて、ユーザは、ポインティングデバイスであるマウス270等を用いて履歴IDに対応する項目を選択することにより、履歴IDに対応する項目に関連付けられた印刷設定情報を設定することができるものとする。
【0176】
本例においては、履歴項目として、印刷設定の履歴IDとして昇順的に付けられた履歴ID1,2と、それぞれのファイル名と、作成者等のファイル情報と、アプリケーション名、保存日時が表示されている場合が示されている。
【0177】
本例においては、文書ファイルの作成者が「田中」であった場合に、使用者が「山田」である場合の履歴一覧テーブルが示されている。
【0178】
文書ファイルの作成者である「田中」のファイルデータに印刷設定情報aが対応付けられてHDD211等に格納されている場合において、使用者である「山田」が当該ファイルデータにアクセスして、印刷に係る環境設定に関して変更操作を行なった場合が一例として示されている。
【0179】
具体的には、一例としては、例えば、図1の印刷システムを参照して、ユーザ毎にPCが割り当てられている環境において、「田中」がPC101に割り当てられ、「山田」がPC100に割り当てられているような場合において、例えばLAN20を介して「田中」に割り当てられているPC101に格納されている文書ファイルを「山田」に割り当てられているPC100に移動させた場合等の状況が考えられる。なお、特にこの状況に限られるものではなく、種々の状況が想定される。
【0180】
図15のフロー図を用いて説明すると、「田中」のファイルデータに対応付けられていた印刷設定情報aに基づいて印刷設定が実行された後(ステップS10)、ファイルデータの作成者と、PCの使用者とが一致するか否かが判断される(ステップS80)。そして、本例においては、ファイルデータの作成者と、PCの使用者とが不一致であるため作成された履歴データが保存される(ステップS82)。そして、本例においては、使用者である「山田」がさらに、印刷設定画面において印刷設定情報bに変更操作した後、さらに変更操作した場合において、印刷設定情報bに係る履歴データが保存されている場合が示されている。
【0181】
なお、ここでは、表示していないが、備考欄に示されるような印刷環境設定に関する具体的な変更操作内容を表示するようにしても良い。
【0182】
したがって、使用者である「山田」は、印刷環境設定を変更操作した場合であっても、初期の印刷設定情報aに対応する履歴ID1に対応する項目を選択することにより簡易に初期の印刷環境設定に戻すことが可能である。
【0183】
(実施の形態4)
本実施の形態4に従う方式においては、印刷設定画面において履歴一覧テーブルを表示する表示の仕方について説明する。
【0184】
図17を用いて本発明の実施の形態4に従う履歴一覧テーブルの表示を説明する。
図17を参照して、まず、「その他」のタブが押下されたかどうかを判断する(ステップS40)。
【0185】
ステップS40において、「その他」のタブが押下されたと判断した場合には、履歴データベース302に格納されている履歴データを取得する(ステップS42)。具体的には、履歴データUI制御部301は、履歴データベース302に格納されている履歴データを取得する。
【0186】
そして、次に、ファイルデータの作成者と使用者とが一致するかどうかを判断する(ステップS90)。具体的には、上述したようにドライバコア2090は、文書ファイル(ファイルデータ)のファイル情報に格納されているユーザ情報と、現在、PCを操作しているユーザ情報とが一致するかどうかを判断する。
【0187】
ドライバコア2090は、ファイルデータの作成者と使用者とが一致しているかあるいは不一致であるかを履歴データUI制御部301に出力する。
【0188】
履歴データUI制御部301は、ドライバコア2090から指示される出力に従って、ファイルデータの作成者と使用者とが一致している場合には、新しい履歴データの順番となるように履歴一覧テーブルを生成する(ステップS92)。
【0189】
一方、履歴データUI制御部301は、ドライバコア2090から指示される出力に従って、ファイルデータの作成者と使用者とが不一致である場合には、古い履歴データの順番となるように履歴一覧テーブルを生成する(ステップS94)。
【0190】
そして、生成された履歴一覧テーブルを表示する(ステップS96)。履歴データUI制御部301は、ディスプレイ部250に表示された印刷設定画面において、履歴一覧テーブルを表示する。そして処理を終了する(エンド)。
【0191】
当該処理によりユーザの利便性を考慮して履歴一覧テーブルの表示の仕方を変更することができる。
【0192】
具体的には、ファイルデータの作成者と使用者とが一致している場合には、新しい履歴データの順番となるように配列されていることにより直近で変更した履歴データをすぐに確認することが可能であり、すぐに前の印刷環境設定に戻すことが可能である。
【0193】
一方、ファイルデータの作成者と使用者とが異なる場合には、印刷環境設定を変更操作した場合であってもファイルデータの作成者が設定していた最初の印刷環境設定にすぐに合わせることが可能であるため利便性が高いと考えられる。
【0194】
なお、本例においては、ファイルデータの作成者と使用者とが一致するか否かに応じて、履歴一覧テーブルの表示形式を変更させる方式について説明したが、ユーザの利便性を考慮して例えば、その配列をユーザ側の指示に従って変更することも可能である。例えば、保存日時順あるいはその反対に配列するラジオボタンをそれぞれ設けることも可能である。
【0195】
また、ファイルデータの作成者と使用者とが一致するか否かに応じて、配列を変更する方式について説明したが、作成者と使用者とが異なる場合には、色付けして視覚により履歴データの確認を容易にすることも可能である。あるいは、ファイルデータの作成者と使用者とが異なる場合には、履歴データ一覧を別々に表示するようにしても良い。
【0196】
(実施の形態5)
本実施の形態5に従う方式においては、印刷設定画面において履歴一覧テーブルを表示するさらに別の方式について説明する。
【0197】
図18を用いて、本発明の実施の形態5に従う履歴一覧テーブルの表示を説明する。
図18を参照して、まず、「その他」のタブが押下されたかどうかを判断する(ステップS40)。
【0198】
ステップS40において、「その他」のタブが押下されたと判断した場合には、同一ファイル名の履歴データを検索する(ステップS41)。具体的には、履歴データUI制御部301は、履歴データベース302に格納されている同一ファイル名の履歴データを検索する。
【0199】
そして、次に、検索された履歴データベース302に格納されている同一ファイル名の履歴データを取得する(ステップS42)。具体的には、履歴データUI制御部301は、履歴データベース302に格納されている同一ファイル名で検索してヒットした履歴データを取得する。
【0200】
そして、取得した履歴データに基づいて履歴一覧テーブルを生成する(ステップS44)。履歴データUI制御部301は、取得した履歴データに基づいて履歴一覧テーブルを生成する。
【0201】
そして、生成された履歴一覧テーブルを表示する(ステップS46)。履歴データUI制御部301は、ディスプレイ部250に表示された印刷設定画面において、履歴一覧テーブルを表示する。そして処理を終了する(エンド)。
【0202】
一般的に、コンピュータ上で動作するアプリケーションソフトについて、たとえば1つのあるアプリケーションソフトで作成されたファイルデータについて、他のアプリケーションソフトのファイルデータと区別するためにファイル名とともに、識別子が付与される。
【0203】
例えば、たとえば一例としてMicrosoft(R)社のOfficeに含まれているアプリケーションソフトである「ワード」であれば識別子として「DOC」、「エクセル」であれば識別子として「XLS」、パワーポイントであれば「TPT」の識別子が付加されて格納される。また、テキスト文書に変更した場合には、「メモ帳」のアプリケーションソフトであれば、識別子として「TXT」が付加されて格納されることになる。
【0204】
これら識別子は互いに異なるアプリケーション名であるため、ファイル名を同一ファイルとすることも可能である。
【0205】
ユーザは、1つの事案に対して、各アプリケーションソフトを使用してファイルデータを作成する場合、同一ファイル名を指定する可能性が高い。
【0206】
したがって、HDD211には、ファイル名が同一であり、識別子が異なる複数のファイルデータが存在する可能性がある。
【0207】
ユーザとしては、識別子はそれぞれ異なるが同一ファイル名であるため、それらのファイルデータを一括して管理することが可能であれば利便性が高い。
【0208】
図19を用いて印刷設定画面46において、履歴一覧テーブルが表示された場合について説明する。
【0209】
図19を参照して、マウス270等により、印刷設定画面45における「その他」タブを選択することによって、履歴一覧テーブルが表示される。
【0210】
また、履歴一覧テーブルにおいて、ユーザは、ポインティングデバイスであるマウス270等を用いて履歴IDに対応する項目を選択することにより、履歴IDに対応する項目に関連付けられた印刷設定情報を設定することができるものとする。
【0211】
本例においては、履歴項目として、印刷設定の履歴IDとして昇順的に付けられた履歴ID1〜5と、それぞれのファイル名と、作成者等のファイル情報と、アプリケーション名、保存日時が表示されている場合が示されている。
【0212】
本例においては、同一のファイル名「営業報告書」の履歴一覧テーブルが示されている。
【0213】
文書ファイルの作成者である「山田」のファイルデータとして、「ワード」で作成されたファイル名「営業報告書」のファイルデータの履歴データと、「エクセル」で作成されたファイル名「営業報告書」のファイルデータの履歴データと、「メモ帳」で作成されたファイル名「営業報告書」のファイルデータの履歴データと、「パワーポイント」で作成されたファイル名「営業報告書」のファイルデータの履歴データの一覧が一例として示されている。
【0214】
したがって、ユーザは、他のアプリケーションソフトに関連づけられたファイルデータの履歴データを参照することが可能となり、他のアプリケーションソフトで設定した履歴データに基づいて簡易に印刷環境設定を設定することが可能である。
【0215】
なお、ここでは、表示していないが、備考欄に示されるような印刷環境設定に関する具体的な変更操作内容を表示するようにしても良い。
【0216】
なお、コンピュータを機能させて、上述のフローで説明したような制御を実行させるプログラムを提供することもできる。このようなプログラムは、コンピュータに付属するフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびメモリカードなどのコンピュータ読取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。あるいは、コンピュータに内蔵するハードディスクなどの記録媒体にて記録させて、プログラムを提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
【0217】
なお、プログラムは、コンピュータのオペレーションシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0218】
また、本発明にかかるプログラムは他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には上記他のプログラムに含まれるモジュールが含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。このような他のプログラムに組込まれたプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0219】
提供されるプログラム製品は、ハードディスクなどのプログラム格納部にインストールされて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記録された記録媒体とを含む。
【0220】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0221】
10 画像形成装置、20 LAN、100〜102 PC、201 CPU、203 内部バス、205 ディスプレイ制御部、207 NIC、209 入力制御部、211 HDD、212 RAM、213 ROM、215 CD−ROMドライブ、217 FDDドライブ、250 ディスプレイ部、260 キーボード、270 マウス。
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータ上で動作するアプリケーションソフト(ワープロなど)などからの出力情報を印刷する印刷技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の印刷システムでは、コンピュータの二次記憶装置などに保存されている印刷データ(アプリケーションで作成されたデータファイル)を印刷する場合、ユーザは次のような手順で印刷を実行していた。
【0003】
たとえば、コンピュータの基本ソフトウェア(OS)としてウインドウズ(R)を用いる場合について述べる。この基本ソフトウェア上では、印刷対象となるデータはファイルデータという形式で保存されている。
【0004】
ユーザは印刷対象のファイルデータを見つけてそしてそのファイルデータを作成したアプリケーション(たとえば、文書編集アプリケーションであるワープロソフト、表計算ソフトなど)を実行して、印刷対象となるファイルデータをオープンする。
【0005】
そして、そのアプリケーションのサービスとして備えられている印刷命令を実行することで、印刷を行なうことができる。
【0006】
より具体的には、コンピュータにおける印刷の処理は、コンピュータ上で文書編集アプリケーションを起動し、新規文書を作成したり、保存されている文書ファイルを開いて編集したりする等の処理を行なった後、文書編集アプリケーションの備えている印刷処理機能を起動させて、印刷処理を行なわせる。
【0007】
印刷処理が実行されると、文書編集アプリケーションがコンピュータ上のOSの管理下の中間モジュール(GDI(Graphical Device Interface))によってプリンタドライバを呼出し、呼出されたプリンタドライバは印刷を行なう画像形成装置のコントローラが解釈できるPDL(ページ記述言語)を作成する。
【0008】
ユーザが文書編集アプリケーション上で処理をしている際に、印刷メニューをクリックすると、印刷に関する印刷設定のためのユーザーインターフェイスが表示される。
【0009】
具体的には、印刷設定に関する項目として、用紙サイズ、解像度、用紙方向および印刷部数等のように種々の項目を設定するが可能であり、文書編集アプリケーションが設定項目を保持することができる。
【0010】
特開2001−256007号公報および特開2002−149365号公報においては、印刷装置において、印刷履歴として印刷ジョブ毎に印刷設定を残すことにより、文書編集アプリケーションで作成されて一旦印刷されたデータを簡単に再設定して再度印刷することができる方式が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2001−256007号公報
【特許文献2】特開2002−149365号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、文書編集アプリケーションに印刷設定が登録されている場合、印刷設定を変更して文書編集アプリケーションを保存すると、最初の印刷設定が失われてしまう可能性がある。
【0013】
すなわち、印刷処理実行後の履歴として印刷設定を残すことは可能であったが、印刷する前の印刷設定は履歴として保存されていないため、印刷処理前に印刷設定を複数回変更した場合には、前の印刷設定の状態に戻すことができなかった。また、印刷設定の変更履歴を残す場合には、印刷設定をメモ書きとして書き留めておく等の煩雑な作業が必要であった。
【0014】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、ユーザにとって利便性の高い印刷設定を実行することが可能な情報処理装置、情報処理装置の制御方法、情報処理装置の制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の一局面に従う情報処理装置は、コンピュータ上で動作するアプリケーションソフトで作成された画像データを印刷するために画像形成装置へ転送する情報処理装置であって、画像データの印刷を実行する際に、画像データに関連づけられて転送される、画像データの画像形成装置における印刷の態様を示す印刷設定情報を設定するための印刷設定画面を表示する印刷設定画面表示手段と、印刷設定画面において変更された印刷設定情報を設定する設定手段と、変更される前の印刷設定情報を取得する取得手段と、取得手段により取得された変更される前の前回の印刷設定情報を履歴として保存する保存手段とを備えた、情報処理装置。
【0016】
好ましくは、画像データの印刷を実行する際に設定された印刷設定情報は、画像データに関連づけられて格納され、印刷設定画面表示手段は、指示に応答して印刷設定画面を表示し、印刷設定画面が表示される際、取得手段は、画像データに関連づけられて格納されている印刷設定情報を取得し、保存手段は、画像データに関連づけられて格納されている印刷設定情報を保存する。
【0017】
好ましくは、取得手段は、印刷設定画面において保存指示がなされたことを検知して、変更される前の印刷設定情報を取得する。
【0018】
好ましくは、取得手段は、設定手段により前回の印刷設定情報から別の印刷設定情報に変更された場合には、変更される前の印刷設定情報を取得する。
【0019】
好ましくは、画像データの作成者の情報を取得する作成者取得手段と、コンピュータの使用者とを比較する手段と、比較手段における比較に基づいて作成者と使用者とが異なる時に、保存する。
【0020】
好ましくは、指示に応答して、保存手段により保存された印刷設定情報の履歴の一覧を表示させる履歴表示制御手段と、履歴表示制御手段により表示された印刷設定情報の履歴の一覧から印刷設定情報を選択する選択手段とを備え、設定手段は、選択手段により選択された印刷設定情報を設定する。
【0021】
特に、履歴表示制御手段は、履歴の古い順に昇順的に印刷設定情報の履歴の一覧を表示する。
【0022】
特に、画像データの作成者の情報を取得する作成者取得手段と、コンピュータの使用者とを比較する手段と、比較手段における比較に応じて、履歴表示制御手段は、異なる場合に履歴の古い順に昇順的に印刷設定情報の履歴の一覧を表示する。
【0023】
特に、画像データの作成者の情報を取得する作成者取得手段と、コンピュータの使用者とを比較する手段と、比較手段における比較に基づいて、同一の場合に、履歴の新しい順に昇順的に印刷設定情報の履歴の一覧を表示する。
【0024】
特に、画像データは、複数のアプリケーションソフトにそれぞれ対応する複数の識別子のうち、作成されたアプリケーションソフトを示す識別子とファイル名とを対応付けて管理される。保存手段は、印刷設定情報とともに、画像データに対応するファイル名と識別子とを対応付けて履歴として保存する。保存手段が、少なくとも1つ以上の画像データと異なる別の画像データについて、別の印刷設定情報とともに、画像データに対応するファイル名と同一のファイル名と画像データに対応する識別子と異なる別の識別子とを対応付けて履歴として保存している場合に、履歴表示制御手段は、同一のファイル名に対応する、保存手段により保存された全ての印刷設定情報の履歴の一覧を表示させる。
【0025】
本発明の別の局面に従う情報処理装置の制御方法は、コンピュータ上で動作するアプリケーションソフトで作成された画像データを印刷するために画像形成装置へ転送する情報処理装置の制御方法であって、画像データの印刷を実行する際に、画像データに関連づけられて転送される、画像データの画像形成装置における印刷の態様を示す印刷設定情報を設定するための印刷設定画面を表示するステップと、印刷設定画面において変更された印刷設定情報を設定するステップと、変更される前の印刷設定情報を取得するステップと、取得された変更される前の前回の印刷設定情報を履歴として保存するステップと備える。
【0026】
本発明のさらに別の局面に従う情報処理装置の制御プログラムであって、コンピュータ上で動作するアプリケーションソフトで作成された画像データを印刷するために画像形成装置へ転送する情報処理装置のコンピュータに、画像データの印刷を実行する際に、画像データに関連づけられて転送される、画像データの画像形成装置における印刷の態様を示す印刷設定情報を設定するための印刷設定画面を表示するステップと、印刷設定画面において変更された印刷設定情報を設定するステップと、変更される前の印刷設定情報を取得するステップと、取得された変更される前の前回の印刷設定情報を履歴として保存するステップとの処理を実行させる。
【発明の効果】
【0027】
上述の情報処理装置は、印刷設定画面において変更された印刷設定情報を設定する設定手段と、変更される前の印刷設定情報を取得する取得手段と、取得手段により取得された変更される前の前回の印刷設定情報を履歴として保存する保存手段とを含む。
【0028】
したがって、変更される前の前回の印刷設定情報を履歴として確認することが可能であるためユーザにとって利便性の高い印刷設定を実行することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施の形態1に従う印刷システムの構成について説明する図である。
【図2】本発明の実施の形態1に従うPCの概略ブロック図について説明する図である。
【図3】図2で示したPC100の本体部2000における印刷機能に係る処理構成を説明する機能ブロック図について説明する図である。
【図4】ドライバGUI2100の設定表示部2210によってディスプレイ部250に表示される印刷設定画面40を説明する。
【図5】本発明の実施の形態1に従う印刷設定履歴データ管理部2050の機能ブロック図について説明する図である。
【図6】履歴データベースに格納される印刷設定履歴データについて説明する図である。
【図7】本発明の実施の形態1に従うドライバGUIの処理手順について説明する図である。
【図8】本発明の実施の形態1に従う印刷実行指示が有った場合のプリンタドライバ2030の処理について説明する図である。
【図9】履歴データベース302に格納された履歴データに基づいて表示される履歴一覧テーブルを説明する図である。
【図10】印刷設定画面42において、履歴一覧テーブルが表示された場合について説明する図である。
【図11】本発明の実施の形態1に従う履歴項目の選択があった場合の処理を説明する。
【図12】本発明の実施の形態2に従う印刷設定画面44を説明する図である。
【図13】本発明の実施の形態2に従うドライバGUIの処理手順について説明する図である。
【図14】本発明の実施の形態3に従う印刷実行指示が有った場合のプリンタドライバ2030の処理について説明する図である。
【図15】本発明の実施の形態3に従うドライバGUIの処理手順について説明する図である。
【図16】印刷設定画面45において、履歴一覧テーブルが表示された場合について説明する図である。
【図17】本発明の実施の形態4に従う履歴一覧テーブルの表示を説明する図である。
【図18】本発明の実施の形態5に従う履歴一覧テーブルの表示を説明する図である。
【図19】印刷設定画面46において、履歴一覧テーブルが表示された場合について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。以下の説明において同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一であるものとする。
【0031】
(実施の形態1)
図1を用いて、本発明の実施の形態1に従う印刷システムの構成について説明する。
【0032】
図1を参照して、本発明の実施の形態1に従う情報処理システムは、画像形成装置10と、LAN20(Local Area Network)等のネットワークを介して接続された情報処理装置であるパーソナルコンピュータ(以下、単にPCとも称する)100〜102とで構成される。各PC100〜102と画像形成装置10とはLAN20を介して互いにデータの授受が可能なように接続されており、本発明においては各PC100〜102上で実行されるアプリケーション上で作成された画像データをプリントジョブとして画像形成装置10に出力し、各PC100〜102で作成された画像データを画像形成装置10において受信して印刷処理を実行する場合について説明する。
【0033】
なお、ここでは、情報処理装置として3台のPCがLAN20に接続されている構成について説明するが、これらの数は3個に限定されるものではなく、少なくとも1個以上あればよい。また、LANに限らずWAN(Wide Area Network)等であってもよい。
【0034】
図2を用いて本発明の実施の形態1に従うPCの概略ブロック図について説明する。
図2を参照して、本発明の実施の形態に従うPC100は、本体部2000と、表示手段であるディスプレイ部250と、入力手段として、キー入力手段であるキーボード260と、ポインティングデバイスであるマウス270とで構成される。これら、本体部2000と、ディスプレイ部250、入力手段として、キーボード260およびマウス270は、別体で構成されている場合について説明するが、各々が本体部2000と一体で構成されていても良い。
【0035】
なお、ディスプレイ部250は、液晶表示装置であっても良いし、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置であっても良いし、プラズマディスプレイ装置であっても良いし、表示することが可能な装置であれば何でも良い。
【0036】
本体部2000は、オペレーティングシステム(OS:Operating System)を含む各種プログラムを実行するためのCPU(Central Processing Unit)201と、CPU201のプログラム部分の実行に必要なデータを一時的に記憶するRAM212と、CPU201で実行されるプログラムやデータを不揮発的に記憶するハードディスク部(HDD:Hard Disk Drive)211と、CPU201で実行されるプログラムが予め格納されたROM213とを含む。ROM213あるいはHDD211には、予め基本ソフトウェア(OS)が格納されており、当該OSを実行することにより各種アプリケーションが実行されるものとする。
【0037】
また、HDD211には、画像形成装置10に対してプリントジョブを送信するためのソフトウェアプログラムであるプリンタドライバが記憶されており、当該プリンタドライバをCPU201が読込むことにより後述する機能が実現される。
【0038】
このようなプログラムは、FDドライブ217あるいはCD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory)ドライブ215によってそれぞれフレキシブルディスク317aまたはCD−ROM315aなどから読取られる。そして、読取られたプログラムは、HDD211に格納されて利用されるものとする。なお、本例においては、フレキシブルディスク317aまたはCD−ROM315aなどから読取られる場合について説明したが、特に、これらフレキシブルディスク317aまたはCD−ROM315aなどから読取られる場合に限らず、LAN20を介してプリンタドラバが格納されている図示しないサーバからダウンロードすることも可能である。また、本例においては、入力手段として、キーボード260、マウス270を例に挙げて説明するが、タッチパネルを設けてタッチパネルを介して入力を実行するようにしても良い。
【0039】
CPU201は、キーボード260あるいはマウス270と接続される入力制御部209を介してキーボード260あるいはマウス270の操作によるユーザからの指示を受取るとともにプログラムの実行によって生成される画面出力をディスプレイ制御部205に出力する。
【0040】
ディスプレイ制御部205は、画面出力をディスプレイ部250に出力する。
また、CPU201は、LANカード等からなるネットワークインターフェイスカード(NIC)207を介してLAN20(あるいはWAN等)に接続された画像形成装置10に対してプリントジョブを送信する。
【0041】
また、上述の各部は内部バス203を介して相互データを授受する。
なお、PC100〜102の各々の構成については同様であるのでその詳細な説明は繰返さない。
【0042】
図3を用いて、図2で示したPC100の本体部2000における印刷機能に係る処理構成を説明する機能ブロック図について説明する。
【0043】
図3を参照して、矩形の破線上にOSと記されているのは、矩形内の各構成要素が基本ソフトウェア(以下、OSと称する(例えば、ウインドウズ(R)))の構成要素であることを意味するものではなく、矩形内の構成要素がOS上で動作するものであるという意味で記したものである。
【0044】
上述したようにPC100の本体部2000には、入力手段としてのキーボード260やポインティングデバイスとしてのマウス270と、表示手段としてのディスプレイ部250とが接続され、これにより1つのコンピュータシステムが実現されている。
【0045】
本体部2000は、ウインドウズ(R)等のOSの下で動作しているものとする。
本体部2000について、本発明に関する機能的な部分にのみ着目して、OS上での機能を大きく分類すると起動されたアプリケーションソフト2010、OSの一部であるグラフィックデバイスインターフェイス(以後、GDI)2020と、プリンタドライバ2030と、プリンタドライバ2030により生成されたデータを一時的に格納するプリントスプーラ2040とに分類される。
【0046】
なお、OSによってはこれらの名称や機能的な枠組は若干異なる場合があるが、たとえばGDIプリンタドライバと呼ばれるモジュールの名称はウインドウズ等の固有の名称であり、他のOSにおける同等の機能は、たとえば、グラフィックカーネルやプリントフィルタなどと呼ばれるモジュールで実現されている。また、プリントスプーラ2040においてもプリントキューと呼ばれるモジュールに処理を組込むことによって実現することが可能である。
【0047】
なお、一般的にこれらの構成要素からなる本体部2000は、図2に示したCPU201、HDD211、RAM212、ROM213等のハードウェアの下で基本ソフトと呼ばれるソフトウェア(BIOS)がその制御を司り、その基本ソフトの下で応用ソフト(アプリケーションソフト)が動作するような構成になっている。
【0048】
プリンタドライバ2030等もこの応用ソフトの1つとして位置付けられるものである。
【0049】
アプリケーションソフト2010は、たとえば、ワープロや表計算等の機能を実行するためのソフトウェアであり、基本ソフトウェア上で動作する応用ソフトウェアを指すものである。
【0050】
また、アプリケーションソフト2010は、任意のタイミングで複数起動することが可能でありこれらをアプリ2060として図示してある。
【0051】
次に、アプリケーションソフト2010として、任意の文章編集アプリケーションを使用した場合を例に説明する。
【0052】
アプリケーションソフト2010により文章あるいは図形等のイメージの編集作業を中心に行ない、そのイメージを印刷する場合には、ディスプレイ部250上に表示される印刷メニューをマウス270等によって選択して、印刷を実行することができる。
【0053】
次に、アプリケーションソフト2010は、基本ソフトの一部の機能であるGDI2020をコールする。このGDI2020は、画像表示や印刷出力等の表示デバイスや印刷デバイスを司る基本関数群であり、各社各様のアプリケーションソフトウェアはこの基本関数群を利用することで、機種(ハードウェア)に依存する部分を意識することなくアプリケーションソフトウェアを動作させることが可能である。
【0054】
そして、このGDI2020では、それぞれの印刷装置の機種に依存する情報を管理するプリンタドライバ2030から印刷デバイス(この場合は画像形成装置10)の持つ描画能力や印刷解像度などの情報を取込み、アプリケーションソフト2010からコールされたAPI(Application Program Interface)関数を処理し、その処理内容に応じてプリンタドライバ2030がGDI2020に対して提供する関数をコールする。
【0055】
この関数は予め決められたインターフェイス(Device Driver Interface(DDI))になっており、プリンタドライバの作成者は、このインターフェイスから実際の印刷装置へデータを出力するためのデータ変換を中心にしてプリンタドライバを作成することとなる。
【0056】
プリンタドライバ2030は、プリンタドライバ全体を統括するドライバコア2090と、ドライバGUI2100と、印刷データ生成部2070と、プリンタ制御コマンド生成部2080とで構成される。
【0057】
ドライバGUI2100は、設定表示部2110と、機能設定部2130と、印刷設定履歴データ管理部2050の各モジュールにより構成される。
【0058】
設定表示部2110は、印刷環境設定をユーザに表示するための印刷設定画面を表示手段としてのディスプレイ部250に対して出力する。機能設定部2130は、印刷設定画面が表示された場合に、入力手段としてのキーボード260やポインティングデバイスとしてのマウス270からのユーザからの入力指示に従って印刷環境設定(単に印刷設定とも称される)を実行する。また、印刷設定履歴データ管理部2050は、後述するが、印刷設定画面が表示された場合において、入力手段としてのキーボード260やポインティングデバイスとしてのマウス270からの入力指示に従って印刷環境設定の変更操作を実行した場合の履歴データを管理する。
【0059】
また、プリンタドライバ2030は、GDI2020から受取ったDDI情報と、ドライバGUI(Graphical User Interface)2100によって設定された印刷環境設定をもとに、印刷データ生成部2070において印刷データ(描画データ)の生成処理を実行するとともに、プリンタ制御コマンド生成部2080において、プリンタ制御コマンドの生成処理を行なう。
【0060】
そして、印刷実行指示に従い生成された印刷データ(描画データ)やプリンタ制御コマンドをプリントジョブとしてプリントスプーラ2040に対して出力する。
【0061】
そして、これら印刷データやプリンタ制御コマンドで構成されるプリントジョブは、プリントスプーラ2040からNIC207を介して画像形成装置10へと出力される。
【0062】
そして、画像形成装置10において、プリントジョブに含まれるプリンタ制御コマンドに従う所定の処理が実行され、例えば印刷データが記録用紙に印刷されることになる。
【0063】
図4を用いて、ドライバGUI2100の設定表示部2210によってディスプレイ部250に表示される印刷設定画面40を説明する。
【0064】
図4を参照して、印刷設定画面40においては、印刷環境設定に係る各種複数の設定項目を設定することが可能であり、具体的には、上部に設けられた設定項目毎に分類された複数のタブをポインティングデバイスであるマウス270あるいはキーボード260等により指定することにより各種の印刷環境に係る設定を実行することができる。
【0065】
本例においては、一例としてイメージデータの配置に関する「レイアウト」のタブが指定された場合の各種設定項目が表示されている。
【0066】
ユーザは、各種タブをマウス270等により指定することにより、たとえば印刷用紙の選択や画像品質あるいは印刷部数等を設定することが可能である。
【0067】
また、後述するが「その他」のタブを指定することにより、後述する印刷設定の履歴データの一覧を表示することが可能である。
【0068】
次に、本発明の実施の形態1に従う印刷設定履歴データ管理部2050について説明する。
【0069】
図5を用いて本発明の実施の形態1に従う印刷設定履歴データ管理部2050の機能ブロック図について説明する。
【0070】
図5に示されるように、ドライバコア2090からの指示のもと印刷設定履歴データ管理部2050が制御される。
【0071】
印刷設定履歴データ管理部2050は、具体的には、主に、履歴データ生成部300、履歴データUI制御部301と、履歴データベース302の各モジュールにより構成されている。
【0072】
履歴データベース302には、印刷設定の履歴データ(印刷設定履歴データ)が格納される。
【0073】
図6を用いて履歴データベースに格納される印刷設定履歴データについて説明する。
図6を参照して、印刷設定履歴データとしては、印刷設定の履歴ID、ファイル名、ファイル情報(作成者等)、アプリケーション名(拡張子等)、保存日時、各種の印刷設定情報等が1つの履歴データとして格納される。
【0074】
履歴データ生成部300は、ドライバコア2090からの指示に従って、必要に応じて印刷設定履歴データを生成し、履歴データベース302に登録、保存する。
【0075】
履歴データUI制御部301は、主に、印刷設定履歴データ管理部2050におけるユーザインターフェイスを制御するモジュールであり、上述した印刷設定画面において、印刷設定の履歴データの一覧をダイアログボックスに表示したり、印刷設定の履歴データの選択入力を受け付けたりする。
【0076】
図7を用いて本発明の実施の形態1に従うドライバGUIの処理手順について説明する。
【0077】
図7を参照して、まず、ドライバコア2090は、印刷設定の起動指示があるかどうかを判断する(ステップS2)。
【0078】
具体的には、文書編集アプリケーションを起動し、新規文書を作成したり、保存されている文書ファイルを開いて編集したりする等の処理を行なった後、文書編集アプリケーションの備えている印刷処理機能を起動させて、印刷環境設定を実行するための印刷設定画面の起動指示入力があるかどうかを判断する。なお、印刷設定の起動指示については、起動ボタンを設けてユーザの操作により起動させたり、あるいは、文書編集アプリケーションの起動に合わせて起動させることも可能であり、当該起動方法については限定されない。
【0079】
そして、ステップS2において、ドライバコア2090は、印刷設定の起動指示が実行された場合、次に印刷設定情報が格納済みであるかどうかを判断する(ステップS4)。ここで印刷設定情報は、後述するが、具体的には、文書編集アプリケーションを起動し、印刷処理が実行された場合には、その印刷処理の際に設定されていた印刷設定情報がHDD211等に格納されるものである。なお、本実施の形態1に従う方式においては、アプリケーション毎に印刷設定情報がHDD211等に格納されるものとする。また、本例においては、アプリケーション毎に印刷設定情報が更新されてHDD211等に格納されるとして説明するが、初期設定情報のみが保存されるようにして印刷設定情報については更新されないようにすることも可能である。
【0080】
ステップS4において、ドライバコア2090は、印刷設定情報が格納されていると判断した場合には、HDD211等に格納された印刷設定情報を取得する(ステップS6)。
【0081】
一方、ステップS4において、ドライバコア2090は、印刷設定情報が格納されていないと判断した場合には、初期設定情報を取得する(ステップS8)。具体的には、印刷データの印刷処理が実行されていない場合には、印刷設定情報が格納されていないため予めプリセットされた印刷設定情報である初期設定情報をHDD211等から取得する。
【0082】
そして、取得した印刷設定情報に基づいて印刷設定を実行する(ステップS10)。
具体的には、ドライバコア2090は、当該印刷設定情報を機能設定部2130に出力する。機能設定部2130は、ドライバコア2090から出力された印刷設定情報に基づいて前回、設定された印刷に係る環境設定を実行する。あるいは、初期の印刷に係る環境設定を実行する。そして、設定表示部2110は、ディスプレイ部250に上述した印刷設定画面を表示するものとする。
【0083】
次に、ドライバコア2090は、ユーザによる印刷設定画面における印刷設定の変更操作があるかどうかを判断する(ステップS12)。
【0084】
たとえば、図4で説明した印刷設定画面40において、ユーザがポインティングデバイスであるマウス270等で指定入力することにより印刷設定画面40において印刷設定の項目を変更することが可能である。
【0085】
ステップS12において、変更操作が無い場合には、ステップS24にスキップする(ステップS12においてNO)。
【0086】
一方、ドライバコア2090は、マウス等あるいはキーボード等を指定入力することによって印刷設定の項目に関して変更操作を行なった場合には(ステップS12においてYES)、変更操作前の印刷設定情報を取得する(ステップS14)。
【0087】
そして、履歴データを作成する(ステップS16)。
具体的には、ドライバコア2090は、取得した変更操作前の印刷設定情報を履歴データ生成部300に出力する。履歴データ生成部300は、取得した変更操作前の印刷設定情報に基づいて、履歴データを作成する。
【0088】
次に、同一の履歴データが有るかどうかを判断する(ステップS18)。
具体的には、履歴データ生成部300は、履歴データベース302にアクセスして、作成した履歴データと同一の印刷設定情報の内容を含む履歴データがあるかどうかを判断する。
【0089】
ステップS18において、同一の履歴データがないと判断された場合には、履歴データを保存する(ステップS20)。
【0090】
具体的には、履歴データ生成部300は、作成した履歴データを履歴データベース302に保存する。具体的には、図6に示されるような履歴データを履歴データベース302に保存する。
【0091】
そして、次に、変更操作に従って印刷設定を実行する(ステップS22)。具体的には、機能設定部2130は、ドライバコア2090から出力された変更操作に従う印刷設定情報に基づいて印刷に係る環境設定を実行する。
【0092】
そして、設定表示部2110は、ディスプレイ部250に上述した更新された印刷設定画面を表示するものとする。
【0093】
一方、ステップS18において、同一の履歴データが履歴データベース302に有ると判断された場合には、ステップS22にスキップする。すなわち、生成した履歴データは履歴データベース302に保存されることなく、機能設定部2130により変更操作に従う印刷設定情報に基づいて印刷に係る環境設定が実行される。
【0094】
そして、ドライバコア2090は、印刷実行指示が有るかどうかを判断する(ステップS24)。
【0095】
例えば、印刷実行指示は、例えば、印刷設定画面40において、ユーザが「OK」ボタンをマウス270等により指定したか否かで判断することが可能である。
【0096】
そして、ステップS24において、印刷実行指示があったと判断された場合には、ドライバGUI2100における処理を終了する(エンド)。具体的には、印刷設定画面40の表示を終了する。
【0097】
そして、印刷実行指示が有った場合、ドライバコア2090は、設定された印刷設定情報およびイメージデータを印刷データ生成部2070、プリンタ制御コマンド生成部2080に出力し、上述したようにプリントジョブとして、プリントスプーラ2040に対して出力される。そして、これら印刷データやプリンタ制御コマンドで構成されるプリントジョブは、プリントスプーラ2040からNIC207を介して画像形成装置10へと出力される。画像形成装置10において印刷処理が実行される。
【0098】
一方、ステップS24において、印刷実行指示が無いと判断された場合(ステップS24においてNO)には、再び、ステップS12に戻り、ユーザからの変更操作の指示の入力を受け付ける。
【0099】
そして、上述の処理を繰り返す。
したがって、印刷設定画面において、ユーザが印刷に係る環境設定を変更する操作をする毎に変更操作前の印刷設定情報である履歴データを作成して、履歴データベース302に格納することが可能である。
【0100】
それゆえ、ユーザは、印刷設定画面において、マウス270等を用いて印刷に係る環境設定を複数回、変更操作した場合であっても履歴データベース302に格納された履歴データから過去の変更操作前の印刷設定情報を取得することが可能であり、ユーザの利便性を高めることが可能である。
【0101】
また、同一の印刷設定情報である履歴データについては、履歴データベース302に重複して格納されないため印刷設定情報が異なる履歴データのみが格納されることになり、履歴データベース302の容量を小さくすることが可能である。
【0102】
図8を用いて本発明の実施の形態1に従う印刷実行指示が有った場合のプリンタドライバ2030の処理について説明する。
【0103】
図8を参照して、まず、ドライバコア2090は、印刷実行指示が有るかどうかを判断する(ステップS30)。ドライバコア2090は、上述したように、印刷実行指示が有ると判断された場合には、機能設定部2130により印刷設定画面において設定された印刷設定情報を取得する(ステップS32)。
【0104】
そして、次に、印刷設定情報を格納する(ステップS34)。具体的には、ドライバコア2090は、印刷処理を実行した際の印刷設定情報をHDD211等に格納するものとする。
【0105】
そして、次に、プリントジョブを生成する(ステップS36)。
具体的には、ドライバコア2090は、取得した印刷設定情報およびイメージデータを印刷データ生成部2070、プリンタ制御コマンド生成部2080に出力し、プリントジョブを生成する。
【0106】
そして、生成したプリントジョブを出力する(ステップS38)。
具体的には、ドライバコア2090は、生成したプリントジョブをプリントスプーラ2040に対して出力する。そして、これら印刷データやプリンタ制御コマンドで構成されるプリントジョブは、プリントスプーラ2040からNIC207を介して画像形成装置10へと出力される。画像形成装置10において印刷処理が実行される。
【0107】
上記処理において、印刷設定情報がHDD211等に格納されるため再度、文書編集アプリケーションを起動して印刷処理を実行する際には、文書編集アプリケーションに対応付けられた印刷設定情報がHDD211から読み出される。そして、読み出された印刷設定情報に基づいて印刷設定が実行されることになる。
【0108】
したがって、前回設定した印刷設定情報に基づいて印刷に係る環境設定が実行されるため再度、印刷設定に関する操作をする必要がなくユーザにとって利便性が高い。
【0109】
次に、履歴一覧テーブルについて説明する。
図9を用いて、履歴データベース302に格納された履歴データに基づいて表示される履歴一覧テーブルを説明する図である。
【0110】
図9を参照して、「その他」のタブが押下されたかどうかを判断する(ステップS40)。
【0111】
具体的には、ドライバコア2090は、たとえばポインティングデバイスであるマウス270を用いて「その他」タブが押下(指示)されたかどうかを判断する(ステップS40)。
【0112】
ステップS40において、「その他」のタブが押下されたと判断した場合には、履歴データベース302に格納されている履歴データを取得する(ステップS42)。具体的には、履歴データUI制御部301は、履歴データベース302に格納されている文書ファイルに対応する履歴データを取得し、そして、履歴データUI制御部301は、取得した履歴データに基づいて履歴一覧テーブルを生成する(ステップS44)。
【0113】
そして、履歴一覧テーブルを表示する(ステップS46)。履歴データUI制御部301は、ディスプレイ部250に表示された印刷設定画面において、履歴一覧テーブルを表示する。そして処理を終了する(エンド)。
【0114】
なお、本例においては、「その他」のタブが押下された場合に履歴一覧テーブルが表示される場合について説明したが、特に、これに限られず、表示する起動ボタンを設けても良いし、他のタブが押下された場合に表示されるようにしても良い。
【0115】
図10を用いて印刷設定画面42において、履歴一覧テーブルが表示された場合について説明する。
【0116】
図10を参照して、マウス270等により、印刷設定画面42における「その他」タブを選択することによって、履歴一覧テーブルが表示される。
【0117】
履歴一覧テーブルにおいて、ユーザは、ポインティングデバイスであるマウス270等を用いて履歴IDに対応する項目を選択することにより、履歴IDに対応する項目に関連付けられた印刷設定情報を設定することができるものとする。
【0118】
本例においては、履歴項目として、印刷設定の履歴IDとして昇順的に付けられた履歴ID1〜5と、それぞれのファイル名と、作成者等のファイル情報と、アプリケーション名、保存日時が表示されている場合が示されている。なお、ここでは、表示していないが印刷環境設定に関する具体的な変更操作内容を表示するようにしても良い。
【0119】
図11を用いて本発明の実施の形態1に従う履歴項目の選択があった場合の処理を説明する。
【0120】
図11を参照して、まず、履歴項目の選択があったかどうかを判断する(ステップS50)。具体的には、ドライバコア2090は、マウス270等により、履歴項目の選択が有ったかどうかを判断する。なお、履歴項目の選択が無い場合には、ステップS50に待機し、選択入力受け付け状態とする。
【0121】
そして、次に、履歴項目の選択があった場合には選択された履歴項目の履歴データに基づいて印刷設定情報を取得する(ステップS52)。具体的には、ドライバコア2090は、履歴データUI制御部301に対して履歴IDに対応する印刷設定情報を取得するように指示する。
【0122】
履歴データUI制御部301は、履歴IDに対応する印刷設定情報を履歴データベース302から取得してドライバコア2090に出力する。
【0123】
そして、印刷設定情報に基づいて印刷設定を実行する(ステップS54)。
具体的には、ドライバコア2090は、取得した印刷設定情報を機能設定部2130に出力し、機能設定部2130は、取得した印刷設定情報に基づいて印刷に係る環境設定を実行する。
【0124】
そして、処理を終了する(エンド)。
当該処理により、ユーザは、「その他」タブをポインティングデバイスであるマウス270等により指定することにより過去にユーザが操作した印刷設定に係る履歴データの履歴一覧テーブルにより確認することができ、また、履歴一覧テーブルにおいて、履歴データを選択入力することにより、過去の印刷設定に容易に変更することが可能でありユーザの利便性が高い。
【0125】
(実施の形態2)
上記の実施の形態1においては印刷設定画面においてユーザがポインティングデバイス等のマウス等により印刷設定の項目を変更操作した際に、履歴データとして変更操作前の印刷設定情報が格納される場合の方式について説明した。
【0126】
本発明の実施の形態2においてはユーザが指示する所定のタイミングで印刷設定画面において設定されている印刷設定情報を履歴データとして格納する方式について説明する。
【0127】
図12を用いて本発明の実施の形態2に従う印刷設定画面44を説明する。
図12を参照して、ここでは保存ボタン44#が印刷設定画面44において新たに設けられている場合が示されている。
【0128】
ユーザは、当該保存ボタン44#をポインティングデバイスであるマウス270等により選択(押下)することにより、ユーザの任意のタイミングで印刷設定画面で設定されている印刷設定情報を履歴データとして格納することが可能である。
【0129】
図13を用いて本発明の実施の形態2に従うドライバGUIの処理手順について説明する。
【0130】
図13を参照して、図7の処理手順と比較して、ステップS10の後、ステップS60,62の処理がさらに実行される。
【0131】
具体的には、取得した印刷設定情報に基づいて印刷設定を実行(ステップS10)した後、次に、印刷設定情報の履歴データを作成する(ステップS60)。
【0132】
具体的には、ドライバコア2090は、取得した印刷設定情報を履歴データ生成部300に出力する。履歴データ生成部300は、取得した印刷設定情報に基づいて、履歴データを作成する。
【0133】
そして、履歴データを保存する(ステップS62)。
具体的には、履歴データ生成部300は、履歴データベース302に対して、作成した履歴データを保存する。
【0134】
したがって、本発明の実施の形態2に従う方式においては、印刷設定画面が起動された場合に、まず履歴データが保存されるものとする。
【0135】
具体的には、既に印刷処理が実行された際の文書編集アプリケーションに対応付けられて格納されている印刷設定情報がまず履歴データとして保存される。あるいは、初期設定情報である印刷設定情報がまず履歴データとして保存される。
【0136】
次に、ドライバコア2090は、ユーザによる印刷設定画面における印刷設定の変更操作があるかどうかを判断する(ステップS12)。
【0137】
ステップS12において、変更操作が無い場合には、ステップS66にスキップする(ステップS12においてNO)。
【0138】
一方、ドライバコア2090は、マウス等あるいはキーボード等を指定入力することによって印刷設定の項目に関して変更操作を行なった場合には(ステップS12においてYES)、変更操作に従って印刷設定を実行する(ステップS64)。具体的には、機能設定部2130は、ドライバコア2090から出力された変更操作に従う印刷設定情報に基づいて印刷に係る環境設定を実行する。
【0139】
これに伴い、設定表示部2110は、ディスプレイ部250に上述した更新された印刷設定画面を表示するものとする。
【0140】
次に、保存ボタンが押下されたかどうかを判断する(ステップS66)。
具体的には、ドライバコア2090は、マウス270等により印刷設定画面44における保存ボタン44#が押下されたか否かを判断する。
【0141】
そして、保存ボタンが押下された場合には、印刷設定情報を取得する(ステップS68)。
【0142】
具体的には、ドライバコア2090は、保存ボタン44#が押下された場合には、機能設定部2130で設定されている印刷設定情報を取得する。
【0143】
そして、履歴データを作成する(ステップS69)。
具体的には、ドライバコア2090は、マウス等により印刷設定画面44における保存ボタン44#が押下されたと判断した場合には、取得した印刷設定情報を履歴データ生成部300に出力する。履歴データ生成部300は、取得した印刷設定情報に基づいて、履歴データを作成する。
【0144】
次に、同一の履歴データが有るかどうかを判断する(ステップS18)。
具体的には、履歴データ生成部300は、履歴データベース302にアクセスして、作成した履歴データと同一の印刷設定情報の内容を含む履歴データがあるかどうかを判断する。
【0145】
ステップS18において、同一の履歴データがないと判断された場合には、履歴データを保存する(ステップS20)。
【0146】
具体的には、履歴データ生成部300は、作成した履歴データを履歴データベース302に保存する。具体的には、図6に示されるような履歴データを履歴データベース302に保存する。
【0147】
そして、ドライバコア2090は、印刷実行指示が有るかどうかを判断する(ステップS24)。
【0148】
例えば、印刷実行指示は、例えば、印刷設定画面44において、ユーザが「OK」ボタンをマウス270等により指定したか否かで判断することが可能である。
【0149】
そして、ステップS24において、印刷実行指示があったと判断された場合には、ドライバGUI2100における処理を終了する(エンド)。具体的には、印刷設定画面44の表示を終了する。
【0150】
そして、印刷実行指示が有った場合、ドライバコア2090は、設定された印刷設定情報およびイメージデータを印刷データ生成部2070、プリンタ制御コマンド生成部2080に出力し、上述したようにプリントジョブとして、プリントスプーラ2040に対して出力される。そして、これら印刷データやプリンタ制御コマンドで構成されるプリントジョブは、プリントスプーラ2040からNIC207を介して画像形成装置10へと出力される。画像形成装置10において印刷処理が実行される。
【0151】
一方、ステップS24において、印刷実行指示が無いと判断された場合(ステップS24においてNO)には、再び、ステップS12に戻り、ユーザからの変更操作の指示の入力を受け付ける。
【0152】
そして、上述の処理を繰り返す。
したがって、本発明の実施の形態2に従う方式においては、まず、印刷設定画面の起動指示が有った場合に、まず、履歴データが保存されるため、初期設定としてプリセットされている印刷設定情報を履歴データとして保存することが可能である。あるいは、文書編集アプリケーションに対応付けられている印刷設定情報がHDD211等に格納されている場合には、当該格納された印刷設定情報を履歴データとして保存することが可能である。
【0153】
そして、ユーザが、印刷設定画面において印刷に係る環境設定を変更する操作をし、そして、保存ボタン44#を任意のタイミングで押下する毎に当該、印刷に係る環境設定を変更した際の印刷設定情報を履歴データとして作成して、履歴データベース302に格納することが可能である。
【0154】
それゆえ、ユーザは、印刷設定画面において、マウス270等を用いて印刷に係る環境設定を複数回、変更操作した場合であっても履歴データベース302に格納された履歴データから過去の印刷設定情報を取得することが可能であり、ユーザの利便性を高めることが可能である。
【0155】
また、ユーザの任意のタイミングで保存ボタン44#を押下して、押下された際における印刷設定情報を履歴データとして格納することが可能であるため、ユーザが望む印刷設定情報を履歴として保存しておくことが可能である。したがって、履歴として保存しておく必要が無い印刷設定情報が格納されないため履歴データベースの容量を小さくすることが可能であるとともに、履歴一覧で表示される履歴データの選択が容易になる。また、上述したように、印刷設定の起動指示があった場合に履歴データが保存されるため、ユーザはすぐに初期の印刷設定状態に復帰させることが可能である。
【0156】
(実施の形態3)
上記の実施の形態1および2においては、印刷設定情報はアプリケーションに対応して格納される方式について説明したが、以降の実施の形態においては、アプリケーションと関連付けられている文書ファイル(ファイルデータ)ごとに印刷設定情報を格納する場合について説明する。
【0157】
図14を用いて本発明の実施の形態3に従う印刷実行指示が有った場合のプリンタドライバ2030の処理について説明する。
【0158】
図14を参照して、図8と比較して、ステップS34をステップS34#に置換した点が異なる。その他の点については、図8で説明したのと同様であるのでその詳細な説明は繰り返さない。
具体的には、まず、ドライバコア2090は、印刷実行指示が有るかどうかを判断する(ステップS30)。ドライバコア2090は、上述したように、印刷実行指示が有ると判断された場合には、機能設定部2130により印刷設定画面において設定された印刷設定情報を取得する(ステップS32)。
【0159】
そして、次に、印刷設定情報を文書ファイル(ファイルデータ)に対応付けて格納する(ステップS34#)。具体的には、ドライバコア2090は、印刷処理を実行した際の文書ファイル(ファイルデータ)と印刷設定情報とを対応付けてHDD211等に格納するものとする。
【0160】
図15を用いて本発明の実施の形態3に従うドライバGUIの処理手順について説明する。
【0161】
図15を参照して、まず、ドライバコア2090は、印刷設定の起動指示があるかどうかを判断する(ステップS2)。
【0162】
具体的には、文書編集アプリケーションを起動し、新規文書を作成したり、あるいは、保存されている文書ファイルを開いて編集したりする等の処理を行なった後、文書編集アプリケーションの備えている印刷処理機能を起動させて、印刷環境設定を実行するための印刷設定画面の起動指示入力があるかどうかを判断する。
【0163】
そして、ステップS2において、ドライバコア2090は、印刷設定の起動指示が実行された場合、次に、文書ファイル(ファイルデータ)に対応付けられた印刷設定情報が格納済みであるかどうかを判断する(ステップS72)。具体的には、上記で説明したように、印刷処理が実行された場合には、文書ファイル(ファイルデータ)に対応付けられて、その印刷処理の際に設定されていた印刷設定情報がHDD211等に格納されるものである。なお、本実施の形態3に従う方式においては、ファイルデータ毎に印刷設定情報がHDD211等に格納されているものとする。
【0164】
ステップS72において、ドライバコア2090は、印刷設定情報が格納されていると判断した場合には、HDD211等に格納された印刷設定情報を取得する(ステップS74)。
【0165】
一方、ステップS72において、ドライバコア2090は、印刷設定情報が格納されていないと判断した場合には、初期設定情報を取得する(ステップS8)。具体的には、印刷データの印刷処理が実行されていない場合には、印刷設定情報が格納されていないため予めプリセットされた印刷設定情報である初期設定情報をHDD211等から取得する。
【0166】
そして、取得した印刷設定情報に基づいて印刷設定を実行する(ステップS10)。
具体的には、ドライバコア2090は、当該印刷設定情報を機能設定部2130に出力する。機能設定部2130は、ドライバコア2090から出力された印刷設定情報に基づいて前回、設定された印刷に係る環境設定を実行する。あるいは、初期の印刷に係る環境設定を実行する。そして、設定表示部2110は、ディスプレイ部250に上述した印刷設定画面を表示するものとする。
【0167】
次に、ドライバコア2090は、取得した印刷設定情報を履歴データ生成部300に出力する。履歴データ生成部300は、取得した印刷設定情報に基づいて、履歴データを作成する(ステップS60)。
【0168】
次に、文書ファイル(ファイルデータ)の作成者と使用者とが一致するかどうかを判断する(ステップS80)。
【0169】
具体的には、ドライバコア2090は、文書ファイル(ファイルデータ)のファイル情報に格納されているユーザ情報と、現在、PCを操作しているユーザ情報とが一致するかどうかを判断する。
【0170】
ファイルデータの作成者と使用者とが一致する場合には履歴データを保存せず、次のステップS12に進み、ファイルデータの作成者と使用者とが不一致の場合すなわち作成されたファイルデータの作成者と使用者とが異なる場合には履歴データを保存する(ステップS82)。そして、次のステップS12に進む。
【0171】
以降の処理については、図7で説明したのと同様であるのでその詳細な説明は繰り返さない。
【0172】
当該処理によりたとえば他人が作成したファイルデータを印刷処理する場合には、他人が設定した印刷設定情報が履歴データとして保存されるため、変更操作を行なった場合においてもすぐに初期に設定された印刷設定にすることが可能である。
【0173】
図16を用いて印刷設定画面45において、履歴一覧テーブルが表示された場合について説明する。
【0174】
図16を参照して、マウス270等により、印刷設定画面45における「その他」タブを選択することによって、履歴一覧テーブルが表示される。
【0175】
また、履歴一覧テーブルにおいて、ユーザは、ポインティングデバイスであるマウス270等を用いて履歴IDに対応する項目を選択することにより、履歴IDに対応する項目に関連付けられた印刷設定情報を設定することができるものとする。
【0176】
本例においては、履歴項目として、印刷設定の履歴IDとして昇順的に付けられた履歴ID1,2と、それぞれのファイル名と、作成者等のファイル情報と、アプリケーション名、保存日時が表示されている場合が示されている。
【0177】
本例においては、文書ファイルの作成者が「田中」であった場合に、使用者が「山田」である場合の履歴一覧テーブルが示されている。
【0178】
文書ファイルの作成者である「田中」のファイルデータに印刷設定情報aが対応付けられてHDD211等に格納されている場合において、使用者である「山田」が当該ファイルデータにアクセスして、印刷に係る環境設定に関して変更操作を行なった場合が一例として示されている。
【0179】
具体的には、一例としては、例えば、図1の印刷システムを参照して、ユーザ毎にPCが割り当てられている環境において、「田中」がPC101に割り当てられ、「山田」がPC100に割り当てられているような場合において、例えばLAN20を介して「田中」に割り当てられているPC101に格納されている文書ファイルを「山田」に割り当てられているPC100に移動させた場合等の状況が考えられる。なお、特にこの状況に限られるものではなく、種々の状況が想定される。
【0180】
図15のフロー図を用いて説明すると、「田中」のファイルデータに対応付けられていた印刷設定情報aに基づいて印刷設定が実行された後(ステップS10)、ファイルデータの作成者と、PCの使用者とが一致するか否かが判断される(ステップS80)。そして、本例においては、ファイルデータの作成者と、PCの使用者とが不一致であるため作成された履歴データが保存される(ステップS82)。そして、本例においては、使用者である「山田」がさらに、印刷設定画面において印刷設定情報bに変更操作した後、さらに変更操作した場合において、印刷設定情報bに係る履歴データが保存されている場合が示されている。
【0181】
なお、ここでは、表示していないが、備考欄に示されるような印刷環境設定に関する具体的な変更操作内容を表示するようにしても良い。
【0182】
したがって、使用者である「山田」は、印刷環境設定を変更操作した場合であっても、初期の印刷設定情報aに対応する履歴ID1に対応する項目を選択することにより簡易に初期の印刷環境設定に戻すことが可能である。
【0183】
(実施の形態4)
本実施の形態4に従う方式においては、印刷設定画面において履歴一覧テーブルを表示する表示の仕方について説明する。
【0184】
図17を用いて本発明の実施の形態4に従う履歴一覧テーブルの表示を説明する。
図17を参照して、まず、「その他」のタブが押下されたかどうかを判断する(ステップS40)。
【0185】
ステップS40において、「その他」のタブが押下されたと判断した場合には、履歴データベース302に格納されている履歴データを取得する(ステップS42)。具体的には、履歴データUI制御部301は、履歴データベース302に格納されている履歴データを取得する。
【0186】
そして、次に、ファイルデータの作成者と使用者とが一致するかどうかを判断する(ステップS90)。具体的には、上述したようにドライバコア2090は、文書ファイル(ファイルデータ)のファイル情報に格納されているユーザ情報と、現在、PCを操作しているユーザ情報とが一致するかどうかを判断する。
【0187】
ドライバコア2090は、ファイルデータの作成者と使用者とが一致しているかあるいは不一致であるかを履歴データUI制御部301に出力する。
【0188】
履歴データUI制御部301は、ドライバコア2090から指示される出力に従って、ファイルデータの作成者と使用者とが一致している場合には、新しい履歴データの順番となるように履歴一覧テーブルを生成する(ステップS92)。
【0189】
一方、履歴データUI制御部301は、ドライバコア2090から指示される出力に従って、ファイルデータの作成者と使用者とが不一致である場合には、古い履歴データの順番となるように履歴一覧テーブルを生成する(ステップS94)。
【0190】
そして、生成された履歴一覧テーブルを表示する(ステップS96)。履歴データUI制御部301は、ディスプレイ部250に表示された印刷設定画面において、履歴一覧テーブルを表示する。そして処理を終了する(エンド)。
【0191】
当該処理によりユーザの利便性を考慮して履歴一覧テーブルの表示の仕方を変更することができる。
【0192】
具体的には、ファイルデータの作成者と使用者とが一致している場合には、新しい履歴データの順番となるように配列されていることにより直近で変更した履歴データをすぐに確認することが可能であり、すぐに前の印刷環境設定に戻すことが可能である。
【0193】
一方、ファイルデータの作成者と使用者とが異なる場合には、印刷環境設定を変更操作した場合であってもファイルデータの作成者が設定していた最初の印刷環境設定にすぐに合わせることが可能であるため利便性が高いと考えられる。
【0194】
なお、本例においては、ファイルデータの作成者と使用者とが一致するか否かに応じて、履歴一覧テーブルの表示形式を変更させる方式について説明したが、ユーザの利便性を考慮して例えば、その配列をユーザ側の指示に従って変更することも可能である。例えば、保存日時順あるいはその反対に配列するラジオボタンをそれぞれ設けることも可能である。
【0195】
また、ファイルデータの作成者と使用者とが一致するか否かに応じて、配列を変更する方式について説明したが、作成者と使用者とが異なる場合には、色付けして視覚により履歴データの確認を容易にすることも可能である。あるいは、ファイルデータの作成者と使用者とが異なる場合には、履歴データ一覧を別々に表示するようにしても良い。
【0196】
(実施の形態5)
本実施の形態5に従う方式においては、印刷設定画面において履歴一覧テーブルを表示するさらに別の方式について説明する。
【0197】
図18を用いて、本発明の実施の形態5に従う履歴一覧テーブルの表示を説明する。
図18を参照して、まず、「その他」のタブが押下されたかどうかを判断する(ステップS40)。
【0198】
ステップS40において、「その他」のタブが押下されたと判断した場合には、同一ファイル名の履歴データを検索する(ステップS41)。具体的には、履歴データUI制御部301は、履歴データベース302に格納されている同一ファイル名の履歴データを検索する。
【0199】
そして、次に、検索された履歴データベース302に格納されている同一ファイル名の履歴データを取得する(ステップS42)。具体的には、履歴データUI制御部301は、履歴データベース302に格納されている同一ファイル名で検索してヒットした履歴データを取得する。
【0200】
そして、取得した履歴データに基づいて履歴一覧テーブルを生成する(ステップS44)。履歴データUI制御部301は、取得した履歴データに基づいて履歴一覧テーブルを生成する。
【0201】
そして、生成された履歴一覧テーブルを表示する(ステップS46)。履歴データUI制御部301は、ディスプレイ部250に表示された印刷設定画面において、履歴一覧テーブルを表示する。そして処理を終了する(エンド)。
【0202】
一般的に、コンピュータ上で動作するアプリケーションソフトについて、たとえば1つのあるアプリケーションソフトで作成されたファイルデータについて、他のアプリケーションソフトのファイルデータと区別するためにファイル名とともに、識別子が付与される。
【0203】
例えば、たとえば一例としてMicrosoft(R)社のOfficeに含まれているアプリケーションソフトである「ワード」であれば識別子として「DOC」、「エクセル」であれば識別子として「XLS」、パワーポイントであれば「TPT」の識別子が付加されて格納される。また、テキスト文書に変更した場合には、「メモ帳」のアプリケーションソフトであれば、識別子として「TXT」が付加されて格納されることになる。
【0204】
これら識別子は互いに異なるアプリケーション名であるため、ファイル名を同一ファイルとすることも可能である。
【0205】
ユーザは、1つの事案に対して、各アプリケーションソフトを使用してファイルデータを作成する場合、同一ファイル名を指定する可能性が高い。
【0206】
したがって、HDD211には、ファイル名が同一であり、識別子が異なる複数のファイルデータが存在する可能性がある。
【0207】
ユーザとしては、識別子はそれぞれ異なるが同一ファイル名であるため、それらのファイルデータを一括して管理することが可能であれば利便性が高い。
【0208】
図19を用いて印刷設定画面46において、履歴一覧テーブルが表示された場合について説明する。
【0209】
図19を参照して、マウス270等により、印刷設定画面45における「その他」タブを選択することによって、履歴一覧テーブルが表示される。
【0210】
また、履歴一覧テーブルにおいて、ユーザは、ポインティングデバイスであるマウス270等を用いて履歴IDに対応する項目を選択することにより、履歴IDに対応する項目に関連付けられた印刷設定情報を設定することができるものとする。
【0211】
本例においては、履歴項目として、印刷設定の履歴IDとして昇順的に付けられた履歴ID1〜5と、それぞれのファイル名と、作成者等のファイル情報と、アプリケーション名、保存日時が表示されている場合が示されている。
【0212】
本例においては、同一のファイル名「営業報告書」の履歴一覧テーブルが示されている。
【0213】
文書ファイルの作成者である「山田」のファイルデータとして、「ワード」で作成されたファイル名「営業報告書」のファイルデータの履歴データと、「エクセル」で作成されたファイル名「営業報告書」のファイルデータの履歴データと、「メモ帳」で作成されたファイル名「営業報告書」のファイルデータの履歴データと、「パワーポイント」で作成されたファイル名「営業報告書」のファイルデータの履歴データの一覧が一例として示されている。
【0214】
したがって、ユーザは、他のアプリケーションソフトに関連づけられたファイルデータの履歴データを参照することが可能となり、他のアプリケーションソフトで設定した履歴データに基づいて簡易に印刷環境設定を設定することが可能である。
【0215】
なお、ここでは、表示していないが、備考欄に示されるような印刷環境設定に関する具体的な変更操作内容を表示するようにしても良い。
【0216】
なお、コンピュータを機能させて、上述のフローで説明したような制御を実行させるプログラムを提供することもできる。このようなプログラムは、コンピュータに付属するフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびメモリカードなどのコンピュータ読取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。あるいは、コンピュータに内蔵するハードディスクなどの記録媒体にて記録させて、プログラムを提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
【0217】
なお、プログラムは、コンピュータのオペレーションシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0218】
また、本発明にかかるプログラムは他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には上記他のプログラムに含まれるモジュールが含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。このような他のプログラムに組込まれたプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0219】
提供されるプログラム製品は、ハードディスクなどのプログラム格納部にインストールされて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記録された記録媒体とを含む。
【0220】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0221】
10 画像形成装置、20 LAN、100〜102 PC、201 CPU、203 内部バス、205 ディスプレイ制御部、207 NIC、209 入力制御部、211 HDD、212 RAM、213 ROM、215 CD−ROMドライブ、217 FDDドライブ、250 ディスプレイ部、260 キーボード、270 マウス。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ上で動作するアプリケーションソフトで作成された画像データを印刷するために画像形成装置へ転送する情報処理装置であって、
前記画像データの印刷を実行する際に、前記画像データに関連づけられて転送される、前記画像データの前記画像形成装置における印刷の態様を示す印刷設定情報を設定するための印刷設定画面を表示する印刷設定画面表示手段と、
前記印刷設定画面において変更された前記印刷設定情報を設定する設定手段と、
変更される前の印刷設定情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された変更される前の前回の印刷設定情報を履歴として保存する保存手段とを備えた、情報処理装置。
【請求項2】
前記画像データの印刷を実行する際に設定された印刷設定情報は、前記画像データに関連づけられて格納され、
前記印刷設定画面表示手段は、指示に応答して前記印刷設定画面を表示し、
前記印刷設定画面が表示される際、前記取得手段は、前記画像データに関連づけられて格納されている印刷設定情報を取得し、
前記保存手段は、前記画像データに関連づけられて格納されている印刷設定情報を保存する、請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記取得手段は、前記印刷設定画面において保存指示がなされたことを検知して、変更される前の印刷設定情報を取得する、請求項1記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記取得手段は、前記設定手段により前回の印刷設定情報から別の印刷設定情報に変更された場合には、変更される前の印刷設定情報を取得する、請求項1記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記画像データの作成者の情報を取得する作成者取得手段と、
前記コンピュータの使用者とを比較する手段と、
前記比較手段における比較に基づいて作成者と使用者とが異なる時に、保存する、請求項1記載の情報処理装置。
【請求項6】
指示に応答して、前記保存手段により保存された印刷設定情報の履歴の一覧を表示させる履歴表示制御手段と、
前記履歴表示制御手段により表示された印刷設定情報の履歴の一覧から印刷設定情報を選択する選択手段とを備え、
前記設定手段は、前記選択手段により選択された印刷設定情報を設定する、請求項1記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記履歴表示制御手段は、履歴の古い順に昇順的に印刷設定情報の履歴の一覧を表示する、請求項6記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記画像データの作成者の情報を取得する作成者取得手段と、
前記コンピュータの使用者とを比較する手段と、
前記比較手段における比較に応じて、前記履歴表示制御手段は、異なる場合に履歴の古い順に昇順的に印刷設定情報の履歴の一覧を表示する、請求項7記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記画像データの作成者の情報を取得する作成者取得手段と、
前記コンピュータの使用者とを比較する手段と、
前記比較手段における比較に基づいて、同一の場合に、履歴の新しい順に昇順的に印刷設定情報の履歴の一覧を表示する、請求項6記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記画像データは、複数のアプリケーションソフトにそれぞれ対応する複数の識別子のうち、作成されたアプリケーションソフトを示す識別子とファイル名とを対応付けて管理され、
前記保存手段は、前記印刷設定情報とともに、前記画像データに対応する前記ファイル名と前記識別子とを対応付けて履歴として保存し、
前記保存手段が、少なくとも1つ以上の前記画像データと異なる別の画像データについて、別の前記印刷設定情報とともに、前記画像データに対応する前記ファイル名と同一のファイル名と前記画像データに対応する識別子と異なる別の識別子とを対応付けて履歴として保存している場合に、前記履歴表示制御手段は、同一の前記ファイル名に対応する、前記保存手段により保存された全ての印刷設定情報の履歴の一覧を表示させる、請求項6記載の情報処理装置。
【請求項11】
コンピュータ上で動作するアプリケーションソフトで作成された画像データを印刷するために画像形成装置へ転送する情報処理装置の制御方法であって、
画像データの印刷を実行する際に、前記画像データに関連づけられて転送される、前記画像データの前記画像形成装置における印刷の態様を示す印刷設定情報を設定するための印刷設定画面を表示するステップと、
前記印刷設定画面において変更された前記印刷設定情報を設定するステップと、
変更される前の印刷設定情報を取得するステップと、
取得された変更される前の前回の印刷設定情報を履歴として保存するステップと備えた、情報処理装置の制御方法。
【請求項12】
コンピュータ上で動作するアプリケーションソフトで作成された画像データを印刷するために画像形成装置へ転送する情報処理装置の前記コンピュータに、
画像データの印刷を実行する際に、前記画像データに関連づけられて転送される、前記画像データの前記画像形成装置における印刷の態様を示す印刷設定情報を設定するための印刷設定画面を表示するステップと、
前記印刷設定画面において変更された前記印刷設定情報を設定するステップと、
変更される前の印刷設定情報を取得するステップと、
取得された変更される前の前回の印刷設定情報を履歴として保存するステップとの処理を実行させる、情報処理装置の制御プログラム。
【請求項1】
コンピュータ上で動作するアプリケーションソフトで作成された画像データを印刷するために画像形成装置へ転送する情報処理装置であって、
前記画像データの印刷を実行する際に、前記画像データに関連づけられて転送される、前記画像データの前記画像形成装置における印刷の態様を示す印刷設定情報を設定するための印刷設定画面を表示する印刷設定画面表示手段と、
前記印刷設定画面において変更された前記印刷設定情報を設定する設定手段と、
変更される前の印刷設定情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された変更される前の前回の印刷設定情報を履歴として保存する保存手段とを備えた、情報処理装置。
【請求項2】
前記画像データの印刷を実行する際に設定された印刷設定情報は、前記画像データに関連づけられて格納され、
前記印刷設定画面表示手段は、指示に応答して前記印刷設定画面を表示し、
前記印刷設定画面が表示される際、前記取得手段は、前記画像データに関連づけられて格納されている印刷設定情報を取得し、
前記保存手段は、前記画像データに関連づけられて格納されている印刷設定情報を保存する、請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記取得手段は、前記印刷設定画面において保存指示がなされたことを検知して、変更される前の印刷設定情報を取得する、請求項1記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記取得手段は、前記設定手段により前回の印刷設定情報から別の印刷設定情報に変更された場合には、変更される前の印刷設定情報を取得する、請求項1記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記画像データの作成者の情報を取得する作成者取得手段と、
前記コンピュータの使用者とを比較する手段と、
前記比較手段における比較に基づいて作成者と使用者とが異なる時に、保存する、請求項1記載の情報処理装置。
【請求項6】
指示に応答して、前記保存手段により保存された印刷設定情報の履歴の一覧を表示させる履歴表示制御手段と、
前記履歴表示制御手段により表示された印刷設定情報の履歴の一覧から印刷設定情報を選択する選択手段とを備え、
前記設定手段は、前記選択手段により選択された印刷設定情報を設定する、請求項1記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記履歴表示制御手段は、履歴の古い順に昇順的に印刷設定情報の履歴の一覧を表示する、請求項6記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記画像データの作成者の情報を取得する作成者取得手段と、
前記コンピュータの使用者とを比較する手段と、
前記比較手段における比較に応じて、前記履歴表示制御手段は、異なる場合に履歴の古い順に昇順的に印刷設定情報の履歴の一覧を表示する、請求項7記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記画像データの作成者の情報を取得する作成者取得手段と、
前記コンピュータの使用者とを比較する手段と、
前記比較手段における比較に基づいて、同一の場合に、履歴の新しい順に昇順的に印刷設定情報の履歴の一覧を表示する、請求項6記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記画像データは、複数のアプリケーションソフトにそれぞれ対応する複数の識別子のうち、作成されたアプリケーションソフトを示す識別子とファイル名とを対応付けて管理され、
前記保存手段は、前記印刷設定情報とともに、前記画像データに対応する前記ファイル名と前記識別子とを対応付けて履歴として保存し、
前記保存手段が、少なくとも1つ以上の前記画像データと異なる別の画像データについて、別の前記印刷設定情報とともに、前記画像データに対応する前記ファイル名と同一のファイル名と前記画像データに対応する識別子と異なる別の識別子とを対応付けて履歴として保存している場合に、前記履歴表示制御手段は、同一の前記ファイル名に対応する、前記保存手段により保存された全ての印刷設定情報の履歴の一覧を表示させる、請求項6記載の情報処理装置。
【請求項11】
コンピュータ上で動作するアプリケーションソフトで作成された画像データを印刷するために画像形成装置へ転送する情報処理装置の制御方法であって、
画像データの印刷を実行する際に、前記画像データに関連づけられて転送される、前記画像データの前記画像形成装置における印刷の態様を示す印刷設定情報を設定するための印刷設定画面を表示するステップと、
前記印刷設定画面において変更された前記印刷設定情報を設定するステップと、
変更される前の印刷設定情報を取得するステップと、
取得された変更される前の前回の印刷設定情報を履歴として保存するステップと備えた、情報処理装置の制御方法。
【請求項12】
コンピュータ上で動作するアプリケーションソフトで作成された画像データを印刷するために画像形成装置へ転送する情報処理装置の前記コンピュータに、
画像データの印刷を実行する際に、前記画像データに関連づけられて転送される、前記画像データの前記画像形成装置における印刷の態様を示す印刷設定情報を設定するための印刷設定画面を表示するステップと、
前記印刷設定画面において変更された前記印刷設定情報を設定するステップと、
変更される前の印刷設定情報を取得するステップと、
取得された変更される前の前回の印刷設定情報を履歴として保存するステップとの処理を実行させる、情報処理装置の制御プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2010−224591(P2010−224591A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−67841(P2009−67841)
【出願日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
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