説明

情報処理装置、情報提供方法及びプログラム

【課題】疲れ等の所持者の負荷に応じた移動情報を所持者に手間をかけさせることなく提供する。
【解決手段】取得した情報に基づいて情報処理装置の所持者の行動を割り出す行動割出部10と、行動割出部10にて割り出された所持者の行動に基づいて所持者の負荷を推定する負荷推定部20と、負荷推定部20にて推定された負荷に応じた移動情報を提供する移動情報提供部30とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機や携帯音楽プレーヤー、あるいは携帯ゲーム機等の情報処理装置を用いて情報を提供する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、携帯電話機は、情報交換や情報収集の面から、生活にはなくてはならないツールとなりつつある。このような携帯電話機は、世の中に登場した当時は、通話機能しか有していないものがほとんどであったが、近年では、一般のパーソナルコンピュータと同様に、電子メールを送信したり、インターネットに接続したりすることができるようになっている。そして、公共の交通機関の乗り換え案内を提供するサービスを受けることもでき、携帯電話機の所持者は、最寄り駅から目的の駅までのルート案内を容易に行うことができる。
【0003】
一般的に、このようなサービスにおいては、到着までの時間や料金等の順に携帯電話機にルートが表示されることになるが、携帯電話機の所持者が疲れている場合等、電車内で座って移動したい場合においても、そのような所持者の希望に応じた案内までは提供されない。疲れている携帯電話機の所持者にとっては、目的地までの時間や料金よりも座って寝ながら移動する方が重要な場合がある。
【0004】
ここで、携帯電話機に所持者の健康情報を入力すると、その健康情報に応じた経路を提供する技術が特許文献1に開示されている。この技術を用いれば、携帯電話機の所持者が疲れている場合にその旨を入力することで、電車内で座って移動できるような経路が所持者に提供されることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−51872号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示されたような技術においては、携帯電話機の所持者が疲れている等といった携帯電話機の所持者の健康状態を入力する必要があり、手間がかかってしまうという問題点がある。ましてや、携帯電話機の所持者がかなり疲れている場合、そのように健康状態を入力する等といった作業は面倒他ならない。
【0007】
本発明は、上述したような技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、疲れ等の所持者の負荷に応じた移動情報を所持者に手間をかけさせることなく提供することができる、情報処理装置、情報提供方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明は、
情報処理装置であって、
取得した情報に基づいて前記情報処理装置の所持者の行動を割り出す行動割出手段と、
前記行動割出手段にて割り出された前記所持者の行動に基づいて前記所持者の負荷を推定する負荷推定手段と、
前記負荷推定手段にて推定された負荷に応じた移動情報を提供する移動情報提供手段とを有する。
【0009】
また、情報処理装置にて情報を提供する情報提供方法であって、
前記情報処理装置が、取得した情報に基づいて前記情報処理装置の所持者の行動を割り出す行動割出処理と、
前記情報処理装置が、前記行動割出処理にて割り出された前記所持者の行動に基づいて前記所持者の負荷を推定する負荷推定処理と、
前記情報処理装置が、前記負荷推定処理にて推定された負荷に応じた移動情報を提供する移動情報提供処理とを有する。
【0010】
また、情報処理装置に実行させるためのプログラムであって、
取得した情報に基づいて前記情報処理装置の所持者の行動を割り出す手順と、
前記割り出された前記所持者の行動に基づいて前記所持者の負荷を推定する手順と、
前記推定された負荷に応じた移動情報を提供する手順とを有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、所持者が何ら情報を入力することなく、所持者の負荷に応じた移動情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の情報処理装置の概要を示す図である。
【図2】図1に示した情報処理装置の第1の実施の形態を示す図である。
【図3】図2に示した携帯電話機の動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】図1に示した情報処理装置の第2の実施の形態を示す図である。
【図5】図4に示した携帯電話機の動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】図1に示した情報処理装置の第3の実施の形態を示す図である。
【図7】図6に示した携帯電話機の動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0014】
図1は、本発明の情報処理装置の概要を示す図である。
【0015】
本発明の情報処理装置は図1に示すように、行動割出部10と、負荷推定部20と、移動情報提供部30とから構成されている。
【0016】
行動割出部10は、情報処理装置の一般的な機能を用いて取得した情報に基づいて情報処理装置の所持者の行動を割り出す。
【0017】
負荷推定部20は、行動割出部10にて割り出された所持者の行動に基づいて所持者の疲れ等の負荷を推定する。
【0018】
移動情報提供部30は、負荷推定部20にて推定された負荷に応じた交通機関の経路情報等の移動情報を提供する。
【0019】
以下に、上記のように構成された情報処理装置について具体的な例を挙げて説明する。
【0020】
(第1の実施の形態)
図2は、図1に示した情報処理装置の第1の実施の形態を示す図である。
【0021】
本形態は図2に示すように、位置情報取得部111と、制御部160と、入力部140と、表示部132と、記憶部150とを有する携帯電話機101である。制御部160は、移動割出部112と、負荷推定部120と、経路検索部131とからなり、位置情報取得部111と移動割出部112とから図1に示した行動割出部10が構成され、経路検索部131と表示部132とから図1に示した移動情報提供部30が構成されている。
【0022】
位置情報取得部111は、携帯電話機101の現在の位置情報を取得するものであって、その一例としてはGPSを用いることが考えられるが、その他に、基地局との間の情報の送受信に基づいて把握される基地局との位置関係を用いることも考えられる。
【0023】
入力部140は、情報を入力するためのキー等からなり、移動情報となる経路を検索する際に出発駅と到着駅とが入力される。
【0024】
記憶部150は、Walk time151と、経路情報152とが記憶されている。Walk time151は、携帯電話機101の所持者がその日に歩いた時間である。経路情報152は、携帯電話機101にて提供する移動情報となる移動経路を検索するための情報である。
【0025】
移動割出部112は、位置情報取得部111にて取得された携帯電話機101の位置情報に基づいて、携帯電話機101の所持者の移動状況を割り出すものであって、具体的には、位置情報取得部111にて取得された携帯電話機101の位置情報に基づいて、携帯電話機101の所持者の徒歩での移動時間を算出する。
【0026】
負荷推定部120は、移動割出部112にて割り出された携帯電話機101の所持者の移動状況に基づいて、携帯電話機101の所持者の負荷を推定するものであって、具体的には、移動割出部112にて算出された携帯電話機101の所持者の徒歩での移動時間に基づいて、携帯電話機101の所持者のその移動に応じた疲れを推定する。
【0027】
経路検索部131は、記憶部150に記憶された経路情報152を用いて、負荷推定部120にて推定された携帯電話機101の所持者の負荷となる疲れに応じた移動経路を検索する。
【0028】
表示部132は、経路検索部131にて検索された移動経路を用いて、携帯電話機101の所持者の疲れに応じた電車乗換案内を表示出力する。
【0029】
以下に、上記のように構成された携帯電話機101の動作について説明する。
【0030】
図3は、図2に示した携帯電話機101の動作を説明するためのフローチャートである。
【0031】
まず、携帯電話機101の所持者が、ルート検索を開始していない場合においては(ステップ1)、時刻が00:00になると(ステップ2)、記憶部150に記憶されたWalk time151がクリアされる(ステップ3)。なお、記憶部150に記憶されたWalk time151をクリアする時刻は、00:00であれば、その日の徒歩時間をWalk time151として記憶部150に記憶することができるが、00:00に限らず、携帯電話機101の所持者が任意の時刻に設定することができる。
【0032】
位置情報取得部111において携帯電話機101の位置情報が定期的に取得されており、移動割出部112は、位置情報取得部111にて取得されている携帯電話機101の位置情報に基づいて、携帯電話機101の所持者が徒歩で移動しているかどうかを判断する。具体的には、移動割出部112は、位置情報取得部111にて取得されている携帯電話機101の位置情報の変化に基づいて、携帯電話機101の位置の移動が1分あたりどのくらいかを算出し、80m程度であれば携帯電話機101の所持者が徒歩で移動していると判断する(ステップ4)。なお、携帯電話機101の所持者が徒歩で移動していると判断するための1分あたりの移動量の範囲は、適宜設定することができる。
【0033】
移動割出部112は、携帯電話機101の所持者が徒歩で移動していると判断した場合、記憶部150に記憶されたWalk time151に、携帯電話機101の所持者が徒歩で移動している時間を加算することで、Walk time151を更新する(ステップ5)。このようにして、移動割出部112は、携帯電話機101の所持者が徒歩で移動している移動時間を算出することになる。
【0034】
携帯電話機101の所持者が、出発駅と到着駅を入力部140を介して入力することでルート検索を開始すると、負荷推定部120は、記憶部150に記憶されたWalk time151に基づいて、携帯電話機101の所持者の負荷となる疲労度を推定する。具体的には、負荷推定部120は、記憶部150に記憶されたWalk time151が240分以上であれば(ステップ6)、疲労度が最も大きいと推定する。
【0035】
そして、経路検索部131は、記憶部150に記憶された経路情報152のうち、入力部140を介して入力された出発駅と到着駅との間の経路について、負荷推定部120にて推定された疲労度に応じた経路を検索する。この場合、負荷推定部120にて推定された疲労度が最も大きなものであるため、費用が高くても確実に座れ、かつ、早く目的地に行くことができる新幹線(指定)のルートを検索する(ステップ7)。
【0036】
また、負荷推定部120は、記憶部150に記憶されたWalk time151が60分以上240分未満であれば(ステップ8)、携帯電話機101の所持者の疲労度が中程度と推定する。そして、この場合は、携帯電話機101の所持者はやや疲れているので、新幹線に乗るまではないが確実に座れた方が良いため、経路検索部131は、多少並んでも確実に座れる在来線始発駅を経由するルートを優先的に検索する(ステップ9)。
【0037】
また、負荷推定部120は、記憶部150に記憶されたWalk time151が60分未満の場合は、携帯電話機101の所持者は疲れていないと推定し、経路検索部131は、費用または時間優先の一般的なルートを検索する(ステップ10)。
【0038】
なお、このように、経路検索部131において、負荷推定部120にて推定した携帯電話機101の所持者の疲労度に応じたルートを検索するためには、経路検索部131において、記憶部150に記憶された経路情報152のそれぞれについて、携帯電話機101の所持者の疲労度に応じて検索する機能を設けたり、記憶部150に記憶された経路情報152を、負荷推定部120にて推定する疲労度の段階に応じて記憶しておいたりすることが考えられる。
【0039】
その後、経路検索部131にて検索されたルートを表示部132にて表示出力することで、携帯電話機101の所持者の疲労度に応じたルートを提供する(ステップ11)。なお、携帯電話機101の所持者の疲労度に応じて、上述したルート以外にも、乗り換え回数が少ないルートや、車内が空いているルートを提供することも考えられる。
【0040】
このように本形態においては、携帯電話機101の位置情報が取得され、この位置情報を用いて携帯電話機101の所持者の移動時間が算出され、この移動時間に基づいて、携帯電話機101の所持者の疲労度が推定され、この疲労度に応じた移動経路が検索、提供されるので、所持者が何ら情報を入力することなく、所持者の負荷に応じた移動情報を提供することができる。
【0041】
なお、本形態においては、負荷推定部120にて携帯電話機101の所持者の疲労度を推定するための条件として、記憶部150に記憶されたWalk time151が240分以上である場合、記憶部150に記憶されたWalk time151が60分以上240分未満である場合、記憶部150に記憶されたWalk time151が60分未満の場合としたが、これらの時間は一例であって、任意に設定することができる。また、携帯電話機101の所持者の疲労度が最も大きいと推定された場合に検索するルートとしては、新幹線(指定)以外に、特急や快速、あるいはグリーン車が設定された列車を用いるルートであってもよい。また、携帯電話機101の所持者の疲労度が中程度と推定された場合に検索するルートとしては、在来線始発駅を経由するルートに限らず、時間やその乗り継ぎ等の関係で座れるルートであってもよい。
【0042】
(第2の実施の形態)
図4は、図1に示した情報処理装置の第2の実施の形態を示す図である。
【0043】
本形態は図4に示すように、第1の実施の形態に示したものに対して、記憶部250にWalk time151の代わりに残業時間251が記憶されている点が異なるものであり、また、移動割出部212にて割り出す携帯電話機201の所持者の移動状況も異なるものである。
【0044】
本形態における移動割出部212は、位置情報取得部211にて取得された携帯電話機201の位置情報に基づいて、携帯電話機201の所持者の残業時間を算出する。
【0045】
負荷推定部220は、移動割出部212にて算出された携帯電話機201の所持者の会社における残業時間に基づいて、携帯電話機201の所持者の残業に応じた疲れを推定する。
【0046】
以下に、上記のように構成された携帯電話機201の動作について説明する。
【0047】
図5は、図4に示した携帯電話機201の動作を説明するためのフローチャートである。
【0048】
位置情報取得部211において携帯電話機201の位置情報が定期的に取得されており、携帯電話機201の所持者が勤務する会社の定時後において、携帯電話機201の所持者がルート検索を開始していない場合(ステップ101)、移動割出部212は、位置情報取得部211にて取得されている携帯電話機201の位置情報に基づいて、携帯電話機201の所持者が所定地点となる会社に滞在しているかどうかを判断する。すなわち、携帯電話機201の所持者が残業しているかどうかを判断する。具体的には、移動割出部212は、位置情報取得部211にて取得されている携帯電話機201の位置と、携帯電話機201の所持者が勤務する会社の所在地との距離が、例えば10m等というように予め決められた値以上であるかどうかを検出することで、携帯電話機201の所持者が残業しているかどうかを判断する。
【0049】
移動割出部212は、位置情報取得部211にて取得されている携帯電話機201の位置と、携帯電話機201の所持者が勤務する会社の所在地との距離が、例えば10m未満であることで、携帯電話機201の所持者が残業していると判断した場合は(ステップ102)、記憶部250に記憶された残業時間251に、携帯電話機201の所持者が会社に滞在している時間を加算することで、残業時間251を更新する(ステップ103)。また、携帯電話機201の所持者が勤務する会社の所在地との距離が10m以上となった場合は、携帯電話機201の所持者が帰宅したと判断する。このようにして、移動割出部212は、携帯電話機201の所持者の残業時間を算出することになる。
【0050】
携帯電話機201の所持者が、出発駅と到着駅を入力部240を介して入力することでルート検索を開始すると、負荷推定部220は、記憶部250に記憶された残業時間251に基づいて、携帯電話機201の所持者の負荷となる疲労度を推定する。具体的には、負荷推定部220は、記憶部250に記憶された残業時間251が3時間以上であれば(ステップ104)、疲労度が大きいと推定する。
【0051】
そして、経路検索部231は、記憶部250に記憶された経路情報252のうち、入力部240を介して入力された出発駅と到着駅との間の経路について、負荷推定部220にて推定された疲労度に応じた経路を検索する。この場合、負荷推定部220にて推定された疲労度が大きなものであるため、多少並んでも確実に座れる在来線始発駅を経由するルートを優先的に検索する(ステップ105)。
【0052】
また、負荷推定部220は、記憶部250に記憶された残業時間251が3時間未満の場合は、携帯電話機201の所持者は疲れていないと推定し、経路検索部231は、費用または時間優先の一般的なルートを検索する(ステップ106)。なお、このルートは、携帯電話機201の所持者が所有する定期券を用いて通勤する経路である。
【0053】
その後、経路検索部231にて検索されたルートを表示部232にて表示出力することで、携帯電話機201の所持者の疲労度に応じたルートを提供する(ステップ107)。
【0054】
このように本形態においては、携帯電話機201の位置情報が取得され、この位置情報を用いて携帯電話機201の所持者の残業時間が算出され、この残業時間に基づいて、携帯電話機201の所持者の疲労度が推定され、この疲労度に応じた移動経路が検索、提供されるので、所持者が何ら情報を入力することなく、所持者の負荷に応じた移動情報を提供することができる。
【0055】
(第3の実施の形態)
図6は、図1に示した情報処理装置の第3の実施の形態を示す図である。
【0056】
本形態は図6に示すように、第1の実施の形態に示したものに対して、アラーム報知を行う報知部370が設けられており、また、行動割出手段である位置情報取得部111及び移動割出部112が設けられておらず、その代わりに、行動割出手段として制御部360内に時刻取得部311及び睡眠時間算出部312が設けられている点が異なるものである。また、記憶部350には、Walk time151の代わりに睡眠時間351が記憶されている。
【0057】
本形態における時刻取得部311は、報知部370にてアラーム報知時刻が設定された時刻と、アラーム報知時刻とを報知部370から取得する。
【0058】
睡眠時間算出部312は、時刻取得部311にて取得された時刻に基づいて、携帯電話機301の所持者の睡眠時間を算出する。
【0059】
負荷推定部320は、睡眠時間算出部312にて算出された携帯電話機201の所持者の睡眠時間に基づいて、携帯電話機301の所持者の残業に応じた疲れを推定する。
【0060】
以下に、上記のように構成された携帯電話機301の動作について説明する。
【0061】
図7は、図6に示した携帯電話機301の動作を説明するためのフローチャートである。
【0062】
携帯電話機301の所持者がルート検索を開始していない場合において(ステップ201)、携帯電話機301の所持者が報知部370にて所望の時刻にアラーム報知を行う設定を行うと(ステップ202)、時刻取得部311は、アラーム報知時刻が設定された時刻と、アラーム報知時刻とを取得する(ステップ203)。
【0063】
そして、睡眠時間算出部312は、時刻取得部311にて取得された、アラーム報知時刻が設定された時刻と、アラーム報知時刻とに基づいて、携帯電話機301の所持者の睡眠時間を算出し(ステップ204)、記憶部350にその睡眠時間351を記憶する。
【0064】
携帯電話機301の所持者が、出発駅と到着駅を入力部340を介して入力することでルート検索を開始すると、負荷推定部320は、記憶部350に記憶された睡眠時間351に基づいて、携帯電話機301の所持者の負荷となる疲労度を推定する。具体的には、負荷推定部320は、記憶部350に記憶された睡眠時間351が5時間以下であれば(ステップ205)、疲労度が大きいと推定する。
【0065】
そして、経路検索部331は、記憶部350に記憶された経路情報352のうち、入力部340を介して入力された出発駅と到着駅との間の経路について、負荷推定部320にて推定された疲労度に応じた経路を検索する。この場合、負荷推定部220にて推定された疲労度が大きなものであるため、多少並んでも確実に座れる在来線始発駅を経由するルートを優先的に検索する(ステップ206)。
【0066】
また、負荷推定部320は、記憶部350に記憶された睡眠時間351が5時間を超えている場合は、携帯電話機301の所持者は疲れていないと推定し、経路検索部331は、費用または時間優先の一般的なルートを検索する(ステップ207)。
【0067】
その後、経路検索部331にて検索されたルートを表示部332にて表示出力することで、携帯電話機301の所持者の疲労度に応じたルートを提供する(ステップ208)。
【0068】
このように本形態においては、携帯電話機301にてアラーム報知時刻が設定された時刻と、アラーム報知時刻とが取得され、これらの時刻を用いて携帯電話機301の所持者の睡眠時間が算出され、この睡眠時間に基づいて、携帯電話機301の所持者の疲労度が推定され、この疲労度に応じた移動経路が検索、提供されるので、所持者が何ら情報を入力することなく、所持者の負荷に応じた移動情報を提供することができる。
【0069】
なお、上述した3つの実施の形態においては、携帯電話機101,201,301の所持者が出発駅と到着駅を、入力部140,240,340を介して入力することでルート検索が開始されているが、通勤等においては出発駅と到着駅とが決まっているため、これらの情報を携帯電話機101,201,301の記憶部150,250,350に記憶させておき、出発駅と到着駅を入力することなく、ルート検索を行う構成としてもよい。
【0070】
また、上述した3つの実施の形態に示したものを組み合わせた構成としてもよい。例えば、第1の実施の形態にて示した移動割出部112において、位置情報取得部111にて取得された携帯電話機101の位置情報に基づいて所持者の残業時間を算出し、負荷推定部120において、移動割出部112にて算出された残業時間に基づいて所持者の負荷を推定する構成としてもよい。また、第2の実施の形態にて示した移動割出部212において、位置情報取得部211にて取得された携帯電話機201の位置情報に基づいて所持者の徒歩時間を算出し、負荷推定部220において、移動割出部212にて算出された徒歩時間に基づいて所持者の負荷を推定する構成としてもよい。また、第3の実施の形態に示したものに、第1または第2の実施の形態にて示した位置情報取得部111,211を加えるとともに、第1または第2の実施の形態にて示した移動割出部112,212を制御部360の構成要素とし、負荷推定部320において、移動割出部112,212にて算出された徒歩時間や残業時間に基づいて所持者の負荷を推定する構成としてもよい。
【0071】
また、本発明の情報処理装置は、上述したような携帯電話機に限らず、携帯音楽プレーヤーや携帯ゲーム機等であってもよく、また、自動車での移動においては、カーナビであってもよい。例えば、カーナビに適用した場合について、以下に説明する。
【0072】
カーナビを利用して自動車で移動する場合においても、ルート検索を行うと、上述したような徒歩時間や残業時間、あるいは睡眠時間等の条件に基づいて、携帯電話機の所持者の疲労度が推定され、その疲労度に応じたルートが提供されることになる。例えば、経路情報として、混雑しやすいものの誰もが迷いにくい国道等を利用するルート、慣れていないと迷いやすいもののほとんど混雑しない農道等を利用するルート、さらには遠距離となった場合は高速道路を利用するルートが記憶部に記憶されている。そして、携帯電話機の所持者の疲労度が大きな場合は、高速道路を利用するルートが経路情報として提供され、また、携帯電話機の所持者の疲労度が中程度の場合は、慣れていないと迷いやすいもののほとんど混雑しない農道等を利用するルートが経路情報として提供され、また、携帯電話機の所持者の疲労度が小さな場合は、混雑しやすいものの誰もが迷いにくい国道等を利用するルートが経路情報として提供されることが考えられる。このようなカーナビにて提供される経路情報は、このような条件、あるいは種類に限らず、様々なものが適用可能であることは言うまでもない。
【0073】
また、本発明においては、情報処理装置内の処理は上述の専用のハードウェアに基づいて実現されるもの以外に、その機能を実現するためのプログラムを情報処理装置にて読取可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムを情報処理装置に読み込ませ、実行するものであっても良い。情報処理装置にて読取可能な記録媒体とは、ICカードやメモリカード、あるいは、フロッピーディスク(登録商標)、光磁気ディスク、DVD、CD等の移設可能な記録媒体の他、情報処理装置に内蔵されたHDD等を指す。この記録媒体に記録されたプログラムは、例えば、制御ブロックにて読み込まれ、制御ブロックの制御に基づいて、上述したものと同様の処理が行われる。
【符号の説明】
【0074】
10 行動割出部
20,120,320 負荷推定部
30 移動情報提供部
111,211 位置情報取得部
112,212 移動割出部
131,231,331 経路検索部
132,232,332 表示部
140,240,340 入力部
150,250,350 記憶部
151 Walk time
152,252,352 経路情報
160,260 制御部
251 残業時間
311 時刻取得部
312 睡眠時間算出部
351 睡眠時間
370 報知部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置であって、
取得した情報に基づいて前記情報処理装置の所持者の行動を割り出す行動割出手段と、
前記行動割出手段にて割り出された前記所持者の行動に基づいて前記所持者の負荷を推定する負荷推定手段と、
前記負荷推定手段にて推定された負荷に応じた移動情報を提供する移動情報提供手段とを有する情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置において、
前記行動割出手段は、
前記情報処理装置の位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記位置情報取得手段にて取得された位置情報に基づいて前記所持者の移動状況を割り出す移動割出手段とを有し、
前記負荷推定手段は、前記移動割出手段にて算出された前記所持者の移動状況に基づいて前記所持者の負荷を推定する情報処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理装置において、
前記移動割出手段は、前記位置情報取得手段にて取得された位置情報に基づいて前記所持者の移動時間を算出し、
前記負荷推定手段は、前記移動割出手段にて算出された前記所持者の移動時間に基づいて前記所持者の負荷を推定する情報処理装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の情報処理装置において、
前記移動割出手段は、前記位置情報取得手段にて取得された位置情報に基づいて前記所持者の所定地点における滞在時間を算出し、
前記負荷推定手段は、前記移動割出手段にて算出された前記所持者の滞在時間に基づいて前記所持者の負荷を推定する情報処理装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
アラーム報知を行う報知手段を有し、
前記行動割出手段は、
前記報知手段にてアラーム報知時刻が設定された時刻と前記アラーム報知時刻とを取得する時刻取得手段と、
前記時刻取得手段にて取得された時刻に基づいて前記所持者の睡眠時間を算出する睡眠時間算出手段とを有し、
前記負荷推定手段は、前記睡眠時間算出手段にて算出された前記所持者の睡眠時間に基づいて前記所持者の負荷を推定する情報処理装置。
【請求項6】
情報処理装置にて情報を提供する情報提供方法であって、
前記情報処理装置が、取得した情報に基づいて前記情報処理装置の所持者の行動を割り出す行動割出処理と、
前記情報処理装置が、前記行動割出処理にて割り出された前記所持者の行動に基づいて前記所持者の負荷を推定する負荷推定処理と、
前記情報処理装置が、前記負荷推定処理にて推定された負荷に応じた移動情報を提供する移動情報提供処理とを有する情報提供方法。
【請求項7】
情報処理装置に、
取得した情報に基づいて前記情報処理装置の所持者の行動を割り出す手順と、
前記割り出された前記所持者の行動に基づいて前記所持者の負荷を推定する手順と、
前記推定された負荷に応じた移動情報を提供する手順とを実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−225820(P2012−225820A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−94955(P2011−94955)
【出願日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】