情報処理装置、情報管理方法、及び情報管理プログラム
【課題】利用者カードの読み取り情報と利用者の管理情報とを動的に対応づけることができる情報処理装置、情報管理方法、及び情報管理プログラムを提供する。
【解決手段】情報処理装置100は、電子記録カードCを読み取る読み取り装置114bを備える装置であって、読み取り装置114bを介して、電子記録カードCを読み取り、読み取り情報を取得する読み取り手段11と、読み取り手段11により取得された読み取り情報に基づき、電子記録カードCを所有する利用者の利用者管理情報20Dを生成する生成手段12と、生成手段12により生成された利用者管理情報20Dを、所定の記憶領域に保持する保持手段20と、を有することを特徴とする。
【解決手段】情報処理装置100は、電子記録カードCを読み取る読み取り装置114bを備える装置であって、読み取り装置114bを介して、電子記録カードCを読み取り、読み取り情報を取得する読み取り手段11と、読み取り手段11により取得された読み取り情報に基づき、電子記録カードCを所有する利用者の利用者管理情報20Dを生成する生成手段12と、生成手段12により生成された利用者管理情報20Dを、所定の記憶領域に保持する保持手段20と、を有することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器利用における利用者の情報管理を制御する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年では、優れた携帯性や豊富な情報量を実現していることを背景に、ICカード(Integrated Circuit card)などの電子記録カードが普及している。
【0003】
このようなことから、画像処理装置などの電子機器を利用する環境にも、情報機密性の確保や利用制限などの機器運用を目的とし、上記電子記録カードを用いて、利用者を管理する仕組みが導入されるようになった。この仕組みが導入された環境では、例えば、利用者が、次のような方法により、電子機器を利用できる。利用者は、まず、利用しようとする電子機器が備える読み取り装置に、利用者に予め発行された電子記録カード(以下便宜上「利用者カード」という)をかざす。このとき、電子機器では、読み取り装置を介して、利用者カードから読み取った情報を、登録済みの利用者の管理情報と照合し、照合結果から利用許可を判断する。その結果、利用者は、利用許可された場合に、電子機器が利用できる。
【0004】
しかし、このような仕組みでは、利用者カードから読み取った情報と利用者の管理情報とを対応づけておく必要がある。現状、この対応づけ作業(以下「情報管理作業」という)は、管理者により手作業で行われており、その作業は、管理者にとって煩雑である。そこで、利用者自身が上記情報同士を対応づけることができる技術が提案されている。
【0005】
例えば、特許文献1には、利用者カードの初期読み取り時に、利用者に対して、利用者情報(例えば「ログイン情報」など)の入力を促し、情報が入力されたことを受けて、入力情報に基づき特定した利用者の管理情報と利用者カードから読み取った情報とを対応づけることで、情報管理作業の負担を軽減する技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の情報管理では、利用者が手動で情報入力を行わなければならず、その作業は、利用者にとって煩雑である。
【0007】
このようなことから、情報管理では、管理者や利用者が煩雑な作業を行わなくても、利用者カードから読み取った情報と利用者の管理情報とが、動的に対応づけられることが望ましい。
【0008】
本発明は上記従来技術の問題点を鑑み提案されたものであり、利用者カードの読み取り情報と利用者の管理情報とを動的に対応づけることができる情報処理装置、情報管理方法、及び情報管理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係る情報処理装置は、電子記録カードを読み取る読み取り装置を備える情報処理装置であって、前記読み取り装置を介して、前記電子記録カードを読み取り、読み取り情報を取得する読み取り手段と、前記読み取り手段により取得された読み取り情報に基づき、前記電子記録カードを所有する利用者の利用者管理情報を生成する生成手段と、前記生成手段により生成された利用者管理情報を、所定の記憶領域に保持する保持手段と、を有することを特徴とする。
【0010】
上記目的を達成するため、本発明に係る情報管理方法は、電子記録カードを読み取る読み取り装置を備える情報処理装置における情報管理方法であって、前記読み取り装置を介して、前記電子記録カードを読み取り、読み取り情報を取得する読み取り手順と、前記読み取り手順により取得された読み取り情報に基づき、前記電子記録カードを所有する利用者の利用者管理情報を生成する生成手順と、を有し、前記生成手順により生成された利用者管理情報を、所定の記憶領域に保持することを特徴とする。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明に係る情報管理プログラムは、電子記録カードを読み取る読み取り装置を備える情報処理装置における情報管理プログラムであって、コンピュータを、前記読み取り装置を介して、前記電子記録カードを読み取り、読み取り情報を取得する読み取り手段と、前記読み取り手段により取得された読み取り情報に基づき、前記電子記録カードを所有する利用者の利用者管理情報を生成する生成手段と、前記生成手段により生成された利用者管理情報を、所定の記憶領域に保持する保持手段として機能させる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、利用者カードの読み取り情報と利用者の管理情報とを動的に対応づける情報処理装置、情報管理方法、及び情報管理プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る情報管理の機能構成例を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る利用者カードのデータ構成例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る利用者管理情報のデータ例を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る情報管理の処理手順例を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る利用者管理情報のデータ遷移例を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る情報管理の機能構成例を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る制御情報のデータ例を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る利用者カードのデータ構成例を示す図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る情報管理の処理手順例を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第2の実施形態に係る利用者管理情報のデータ遷移例を示す図である。
【図12】本発明の第3の実施形態に係る情報管理の機能構成例を示す図である。
【図13】本発明の第3の実施形態に係る制御情報のデータ例を示す図である。
【図14】本発明の第3の実施形態に係る制限情報のデータ例を示す図である。
【図15】本発明の第3の実施形態に係る情報管理の処理手順例を示すフォローチャートである。
【図16】本発明の第3の実施形態に係る利用者管理情報のデータ遷移例を示す図である。
【図17】本発明の実施形態の変形例に係る利用者管理システムのシステム構成例を示す図である。
【図18】本発明の実施形態の変形例に係る情報管理の機能構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好適な実施の形態(以下「実施形態」という)について、図面を用いて詳細に説明する。
【0015】
[第1の実施形態]
<ハードウェア構成>
図1は、本実施形態に係る画像処理装置のハードウェア構成例を示す図である。なお、図1には、画像処理装置100がMFP(Multifunction Peripheral)であった場合の例が示されている。
【0016】
図1に示すように、画像処理装置100は、コントローラ110、操作パネル120、プロッタ130、及びスキャナ140などを備え、それぞれが相互にバスBで接続されている。
【0017】
操作パネル120は、表示部及び入力部を備えており、機器情報などの各種情報をユーザに提供したり、動作設定や動作指示などの各種ユーザ操作を受け付けたりする。プロッタ130は、画像形成部を備えており、用紙に出力画像を形成する。出力画像を形成する方式には、例えば、電子写真プロセスやインクジェット方式などがある。スキャナ140は、原稿を光学的に読み取り、読み取り画像を生成する。
【0018】
コントローラ110は、CPU(Central Processing Unit)111、記憶装置112、ネットワークI/F113、及び外部装置I/F114などを備えており、それぞれが相互にバスBで接続されている。
【0019】
CPU111は、プログラムを実行することで装置全体を制御する。また、記憶装置112は、上記プログラムや各種データ(例えば「画像データ」)を格納し保持する。記憶装置212には、例えば、揮発性のメモリであるRAM(Random Access Memory)、不揮発性のメモリであるROM(Read Only Memory)、及び大容量の記憶領域を備えたHDD(Hard Disk Drive)などがある。RAMは、CPU111のワークエリア(プログラムやデータが一時的に読み出される記憶エリア)として機能する。ROMやHDDは、プログラムや各種データの格納先として用いられる。これにより、画像処理装置100では、CPU111がROMに格納されたプログラムをRAM上に読み出し、プログラムを実行する。
【0020】
ネットワークI/F113は、画像処理装置100をネットワークなどの所定のデータ伝送路に接続するためのインタフェースである。これにより、画像処理装置100は、ネットワークI/F113を介して、他の機器(非表示)とデータ通信を行うことができる。
【0021】
外部装置I/F114は、外部装置に接続するためのインタフェースである。外部装置には、例えば、記録媒体114aなどがあり、記録媒体114aには、例えば、SDメモリカード(SD memory card)やUSBメモリ(Universal Serial Bus memory)などがある。これにより、画像処理装置100は、外部装置I/F114を介して、記録媒体114aの読み取り及び/又は書き込みを行うことができる。
【0022】
また、外部装置には、例えば、電子記録カードCを読み取る読み取り装置114bなどがあり、電子記録カードCには、例えば、接触/非接触のICカードなどがある。これにより、画像処理装置100は、外部装置I/F114に接続される読み取り装置114bを介して、電子記録カードCの読み取りを行うことができる。
【0023】
以上のように、本実施形態に係る画像処理装置100は、上記ハードウェア構成により、画像処理機能(画像処理サービス)を提供することができる。
【0024】
<情報管理機能>
本実施形態に係る情報管理機能について説明する。
本実施形態に係る画像処理装置100では、利用者カードCを最初に読み取った際に、読み取り情報に基づき、所定の規則(ルール)に従って、利用者の管理情報を生成し、所定の記憶領域に登録することで、利用者カードCの読み取り情報と利用者の管理情報とを動的に対応づける。その結果、画像処理装置100では、次回、同じ利用者カードCを読み取ると、対応づけて登録した(利用者カードに紐付けられた)利用者の管理情報に基づき、利用許可が判断される。本実施形態に係る画像処理装置100は、このような情報管理機能を有している。
【0025】
従来、利用者カードCを用いた機器利用環境における情報管理では、利用者カードCの読み取り情報と利用者の管理情報とを対応づける作業を、管理者又は利用者が手動で行わなければならず、その作業は煩雑なものであった。
【0026】
そこで、本実施形態に係る画像処理装置100では、利用者カードCの初期読み取り時に、読み取った情報に基づき、利用者の管理情報を生成する仕組みとした。
【0027】
これにより、本実施形態に係る画像処理装置100は、利用者カードCの読み取り情報と利用者の管理情報とが動的に対応づけられる環境を提供する。その結果、本実施形態に係る画像処理装置100では、情報管理における管理者や利用者の作業負担を軽減できる(情報の対応づけを手作業で行わなくてもよい)。
【0028】
以下に、本実施形態に係る情報管理機能の構成とその動作について説明する。
図2は、本実施形態に係る情報管理の機能構成例を示す図である。
図2に示すように、本実施形態に係る情報管理機能は、読み取り部11及び情報生成部12などを有している。
【0029】
読み取り部11は、利用者カードCの記録データを読み取る機能部である。読み取り部11は、外部装置I/F114を制御し、利用者カードCから記録データを読み取る。
【0030】
ここで、利用者カードC内のデータ構成について説明する。
図3は、本実施形態に係る利用者カードCのデータ構成例を示す図である。
図3に示すように、利用者カードCは、カード識別領域R1,システムコード領域R2,汎用領域R3などの記録データ領域Rを備えている。なお、以下には、利用者カードCがFelica(商標又は登録商標)である場合について説明する。
【0031】
カード識別領域R1には、利用者カードCを識別する情報(以下「カード識別情報」という)が記録されるデータ領域であり、記録データには、例えば、カード発行時にグローバルユニークに割り当てられた128ビット長のIDmデータ(ビット列)などがある。システムコード領域R2には、利用者カードCの発行目的を識別する(システムを識別する)情報(システムコード情報)が記録されるデータ領域であり、記録データには、例えば、カードベンダ(カード発行側)が、申請された利用目的に応じて決定したコードをエンコードして記録したデータなどがある。汎用領域R3には、汎用的な情報(以下「汎用情報」という)が記録されるデータ領域であり、記録データには、例えば、利用者や管理者(カード利用側)が設定したデータなどがある。
【0032】
読み取り部11は、外部装置I/F114に接続される読み取り装置114bを介して、該読み取り装置114bにかざされた利用者カードCから、上記データ領域Rへのアクセス先を示す所定のアドレスに基づき、各データ領域Rの記録データを読み取る。
【0033】
図2の説明に戻る。情報生成部12は、読み取り部11による読み取り情報(利用者カードCの記録データ)に基づき、利用者を管理する情報(以下「利用者管理情報」という)を生成し、利用者管理情報保持部20に登録する機能部である。なお、利用者管理情報保持部20は、例えば、画像処理装置100が備える記憶装置112の所定の記憶領域にあたる。
【0034】
ここで、利用者管理情報について説明する。
図4は、本実施形態に係る利用者管理情報20Dのデータ例を示す図である。
図4に示すように、利用者管理情報20Dは、[利用者識別]及び[管理]などの情報項目が、利用者単位で対応づけられている。この情報により、利用者が管理される。
【0035】
[利用者識別]項目は、利用者を識別する情報(以下「利用者識別情報」という)が設定される項目であり、項目値には、例えば、利用者にユニークに割り当てられたID値などがある。[管理]項目は、利用者に対する機器利用の管理情報(以下単に「管理情報」という)が設定される項目であり、項目値には、例えば、利用者の連絡先を示すメールアドレス値や、利用者に対する機器搭載機能の利用制限を示すアクセス制限値(利用許可/利用不許可を示す値)などがある。
【0036】
情報生成部12は、利用者カードCを最初に読み取った際に(利用者カードの初期読み取り時に)、読み取り情報に基づき、上記各項目値を設定することで、利用者に対応する利用者管理情報20Dを生成し、利用者管理情報保持部20に登録する。
【0037】
図2の説明に戻る。本実施形態では、情報生成部12が、次のように利用者管理情報20Dを生成する。まず、情報生成部12は、利用者カードCの読み取り情報に含まれるカード識別領域R1の記録データを、[利用者識別]項目の値として設定する。次に、情報生成部12は、予め用意しておいたデフォルト値を、[管理]項目の値として設定する。
【0038】
本実施形態では、上記情報生成動作を実現するため、カード識別情報を利用者識別情報に用いることや、デフォルト値を管理情報に用いることなどが、利用者管理情報20Dの生成規則として決められている。つまり、情報生成部12は、予め決まられた生成規則に従って、利用者管理情報20Dを生成する。
【0039】
このように、本実施形態では、利用者カードCの読み取り情報と対応付けられた利用者管理情報20Dが生成される。つまり、上記情報生成動作により、利用者カードCの読み取り情報と利用者管理情報20Dとが動的に対応づけられる。
【0040】
なお、情報生成部12は、上述したように、利用者カードCの初期読み取り時に、利用者管理情報20Dの生成・登録を行う。そこで、情報生成部12は、利用者管理情報20Dの利用者識別情報に基づき、かざされた利用者カードCが、既に取ったことのある利用者カードCか否かを判断する。具体的には、利用者カードCのカード識別情報に基づき、利用者管理情報20Dの[利用者識別]項目を検索し、検索結果から判断する。その結果、カード識別情報が、利用者情報として登録されていない場合に、読み取ったことのない利用者カードCと判断し、情報生成動作を実施する。一方、カード識別情報が、利用者情報として登録されていた場合に、既に読み取ったことのある利用者カードCと判断し、利用許可動作を実施する。
【0041】
以上のように、本実施形態に係る情報管理機能は、上記各機能部が連携動作することにより実現される。なお、上記各機能部は、画像処理装置100に搭載(インストール)されるプログラム(情報管理機能を実現するソフトウェア)が、演算装置(CPU)により、記憶装置(「HDD」や「ROM」)からメモリ(RAM)上に読み出され、以下の処理が実行されることで実現される。
【0042】
本実施形態に係る情報管理機能の詳細な動作(機能部群の連携動作)について、処理手順を示すフローチャートを用いて説明する。
【0043】
《情報管理の処理》
図5は、本実施形態に係る情報管理の処理手順例を示すフローチャートである。
図5に示すように、画像処理装置100は、読み取り部11が、利用者カードCから記録データを読み取る(ステップS101)。このとき、読み取り部11は、読み取り時に発生したエラー(読み取りエラー)を検知する。
【0044】
読み取り部11は、読み取りエラーが検知されなければ(ステップS102:NO)、情報生成部12に対し、読み取り情報(記録データ)が渡される。
【0045】
画像処理装置100は、情報生成部12が、利用者管理情報保持部20にアクセスし、読み取り情報に含まれるカード識別情報(カード識別領域の記録データ)をキーに、利用者管理情報20Dを検索する(ステップS103)。
【0046】
情報生成部12は、検索結果から、カード識別情報が、利用者管理情報20Dの利用者識別情報として登録済みか否かを判定する(ステップS104)。
【0047】
情報生成部12は、カード識別情報が登録済みでなかった(未登録の)場合(ステップS104:NO)、読み取り情報に基づき、利用者管理情報20Dを生成する(ステップS105)。このとき、情報生成部12は、読み取り情報に含まれるカード識別情報を、利用者管理情報20Dの[利用者識別]項目の値として設定する。また、情報生成部12は、利用者管理情報20Dの[管理]項目の値に、予め用意しておいたデフォルト値を設定する。つまり、情報生成部12は、利用者管理情報20Dに、利用者カードCをかいざした利用者に対応する新規データ([利用者識別]及び[管理]の項目値群)を追加する。
【0048】
これにより、画像処理装置100では、情報生成部12により、カード識別情報を含む利用者管理情報20Dが生成・登録され、利用者カードCの読み取り情報と該利用者管理情報20Dとが動的に対応づけられる。
【0049】
一方、情報生成部12は、カード識別情報が登録済みの場合(ステップS104:YES)、既に読み取ったことのある利用者カードCと判断(みなし認証)し、利用許可の処理を行う(ステップS106)。なお、利用許可の処理には、例えば、画像処理装置100が備える操作パネル120に、ログイン成功の旨を知らせる画面表示や、利用許可された機器搭載機能の画面表示などがある。
【0050】
また、読み取り部11は、読み取りエラーを検知すると(ステップS102:YES)、エラーの処理を行う(ステップS107)。なお、エラーの処理には、例えば、画像処理装置100が備える操作パネル120に、ログイン失敗の旨を知らせる画面表示や音声通知などがある。
【0051】
図6は、本実施形態に係る利用者管理情報20Dのデータ遷移例を示す図である。図6には、図5に示す処理手順が実行された場合のデータ遷移例が示されている。なお、図6では、まだ読み取ったことのない、カード識別情報:"C001"の利用者カードCが、画像処理装置100にかざされた場合を想定している。
【0052】
例えば、画像処理装置100では、利用者カードCがかざされる前の場合、利用者管理情報20Dの各情報項目が、図6(A)に示すように、空の状態(値:NULL)となっている。このとき、利用者カードCがかざされ、画像処理装置100において記録データが読み取られると、情報生成部12による処理(ステップS105の処理)により、利用者管理情報20Dの各情報項目に、図6(B)に示すような値([利用者識別]項目の値:"C001",[管理]項目の値:default値)が設定される。このように、画像処理装置100では、利用者カードCが、動的に紐付けられた新規データが利用者管理情報20Dに登録される。
【0053】
<まとめ>
以上のように、本実施形態に係る画像処理装置100によれば、読み取り部11が、利用者カードCを最初に読み取った際に、情報生成部12が、読み取り情報に基づき、所定の規則に従って、利用者管理情報20Dを生成・登録することで、利用者カードCの読み取り情報と利用者管理情報20Dとを動的に対応づける。その結果、画像処理装置100では、次回、同じ利用者カードCを読み取ると、対応づけて登録した利用者管理情報20Dに基づき、利用許可が判断される。
【0054】
これによって、本実施形態に係る画像処理装置100では、情報管理における管理者や利用者の作業負担を軽減できる(情報の対応づけを手作業で行わなくてもよい)。
【0055】
[第2の実施形態]
第1の実施形態では、利用者カードの読み取り情報に基づき、予め決められた生成規則に従って、利用者管理情報を生成する点について説明を行ったが、この限りでない。
【0056】
本実施形態では、情報生成動作を制御するための制御設定に従って、利用者管理情報を生成する技術を提案する。
【0057】
なお、以降では、第1の実施形態と異なる事項について説明し、同一事項については、同一参照符号を付し、その説明を省略する。
【0058】
<情報管理機能>
図7は、本実施形態に係る情報管理の機能構成例を示す図である。
図2に示した機能構成との違いは、情報生成部12が制御部121を有している点である。制御部121は、利用者管理情報20Dの生成を制御する機能部である。制御部121は、制御情報保持部30にアクセスし、制御情報に基づき、情報生成時の生成規則及び処理対象である記録データ(以下便宜上「処理対象データ」という)などを特定し、特定したこれらの情報に従って、情報生成動作を制御する。なお、制御情報保持部30は、例えば、画像処理装置100が備える記憶装置の所定の記憶領域にあたる。
【0059】
ここで、本実施形態に係る制御情報について説明する。
図8は、本実施形態に係る制御情報30Dのデータ例を示す図である。
図8に示すように、制御情報31Dは、[生成]及び[制御設定]などの情報項目が、生成される情報項目単位で対応づけられている。この情報により、利用者管理情報20Dの情報生成時に適用する制御設定が管理される。
【0060】
[生成]項目は、読み取り情報に基づき生成する利用者管理情報20Dの情報項目を示す情報(以下単に「生成項目情報」という)が設定される項目であり、項目値には、例えば、[利用者識別]項目や[管理]項目などを識別する値(識別子)などがある。[制御設定]項目は、情報生成動作を制御するための制御設定を示す情報(以下「制御設定情報」という)が設定される項目である。
【0061】
さらに、本実施形態では、[制御設定]項目が、[生成規則]及び[対象データ]などの情報項目を有している。[対象データ]項目は、情報生成時の処理対象データを特定する情報(対象データ特定情報)が設定される項目であり、項目値には、例えば、記録データへのアクセス先を示すアドレス値などがある。
【0062】
図9は、本実施形態に係る利用者カードCのデータ構成例を示す図である。
本実施形態では、例えば、図9に示すようなデータ構成を有する利用者カードCからの読み取り情報に基づく情報生成・登録を想定している。
【0063】
第1の実施形態において、上述したように、汎用領域R3には、カード利用側が所望するデータを記録可能である。
【0064】
そこで、利用者を管理する環境では、管理者が、この汎用領域R3に、利用者に関連する情報(以下便宜上「利用者情報」という)を記録しておき、該利用者情報に基づき、利用者管理情報20Dを生成できることが望ましい。なぜなら、利用者の管理方針(以下便宜上「情報管理方針」という)は、環境に応じて異なるため、管理者が、方針に応じた管理方法によって、利用者を管理したいからである。
【0065】
このように用いられる汎用領域R3は、複数の領域(領域A−N)で構成されている。よって、各領域の記録データは、記録データへのアクセス先を示すアドレス値(アドレスa−n)に基づき読み取ることができる。
【0066】
図8の説明に戻る。このようなことから[対象データ]項目には、上記アドレス値が項目値として設定される。
【0067】
[生成規則]項目は、情報生成時の生成規則が設定される項目であり、項目値には、例えば、図8(A)及び(B)に示すような値がある。図8(A)には、情報生成時に、処理対象データに付加する文字/文字列(付加データ)や、処理対象データにおける付加位置(位置データ)などの項目値例が示されている。一方、図8(B)には、情報生成時に、'%'文字(以下便宜上「置換文字」という)を処理対象データに置き換える(置換する)式(以下便宜上「情報生成式」という)などの項目値例が示されている。
【0068】
これら各項目値は、上述したように、管理者が所定のツールを介して、予め設定しておけばよい。その設定方法は、例えば、次の通りである。管理者は、LAN(Local Area Network)などのデータ伝送路を介して、画像処理装置100に接続される情報処理装置(PC:Personal Computer)で、予めインストールしておいた設定ツールを起動し、該ツールの設定画面上で、上記情報項目の項目値を遠隔設定する。なお、設定ツールがブラウザなどのWebベースの汎用アプリであった場合には、本実施形態に係る情報管理機能が、Webベースの制御設定機能(Webページを介した設定機能)を提供すればよい。
【0069】
図7の説明に戻る。本実施形態では、情報生成部12が、制御部121による情報生成動作の制御により、次のように利用者管理情報20Dを生成する。
【0070】
例えば、制御部121が、図8(A)に示す制御情報30Dに基づき、情報生成動作を制御する場合、次のように動作する。まず、制御部121は、読み取り部11による利用者カードCの読み取り結果(読み取りエラー検知の有無)を受けて、制御情報保持部30にアクセスする。制御部121は、制御情報30Dの生成項目情報及び制御設定情報に基づき、利用者管理情報20Dにおける生成項目、情報生成時の生成規則、及び処理対象データなどを特定する。
【0071】
具体的には、利用者管理情報20Dの[利用者識別]項目が生成項目の場合、利用者カードCの読み取り情報に含まれる記録データの中から、アドレスaに対応する処理対象データ(アドレスaによりアクセス可能な記録データ)を特定し、該処理対象データの先頭に文字列:("User")を付加する生成規則を特定する。また、利用者管理情報20Dの[管理]項目が生成項目の場合、利用者カードCの読み取り情報に含まれる記録データの中から、アドレスbに対応する処理対象データを特定し、該処理対象データの後方に文字列:("@XXX.com")を付加する生成規則を特定する。
【0072】
情報生成部12は、生成規則及び処理対象データの特定を受けて、利用者管理情報保持部20にアクセスする。情報生成部12は、処理対象データに基づき、生成規則に従って、利用者管理情報20Dを生成する。
【0073】
具体的には、利用者管理情報20Dの[利用者識別]項目が生成項目であって、特定された処理対象データが"001"の場合、生成規則に従って、処理対象データの先頭に付加データを連結する文字列操作を行い、"User001"の連結文字列を生成し、[利用者識別]項目の値として設定する。また、利用者管理情報20Dの[管理]項目(メールアドレス)が生成項目であって、特定された処理対象データが"abc"の場合、生成規則に従って、処理対象データの後方に付加データを連結する文字列操作を行い、"abc@XXX.com"の連結文字列を生成し、[管理]項目(メールアドレス)の値として設定する。
【0074】
なお、制御部121は、図8(B)に示す制御情報30Dに基づき、情報生成動作を制御する場合、次のように動作する。
【0075】
制御部121は、利用者管理情報20Dの[利用者識別]項目が生成項目の場合、利用者カードCの読み取り情報に含まれる、アドレスaに対応する処理対象データを特定し、情報生成式:("User%")の'%'文字を該処理対象データに置き換える生成規則を特定する。また、利用者管理情報20Dの[管理]項目が生成項目の場合、利用者カードCの読み取り情報に含まれる、アドレスbに対応する処理対象データを特定し、情報生成式:("%@XXX.com")の'%'文字を該処理対象データに置き換える生成規則を特定する。
【0076】
情報生成部12は、利用者管理情報20Dの[利用者識別]項目が生成項目であって、特定された処理対象データが"001"の場合、生成規則に従って、置換文字を処理対象データに置き換える文字列操作を行い、"User001"の置換文字列を生成し、[利用者識別]項目の値として設定する。また、利用者管理情報20Dの[管理]項目(メールアドレス)が生成項目であって、特定された処理対象データが"abc"の場合、生成規則に従って、置換文字を処理対象データに置き換える文字列操作を行い、"abc@XXX.com"の置換文字列を生成し、[管理]項目(メールアドレス)の値として設定する。
【0077】
このように、本実施形態では、利用者カードCの汎用領域R3に記録された利用者情報に基づき、情報管理方針に応じて設定された(カスタマイズされた)制御情報30Dの制御設定に従って、利用者管理情報20Dが生成される。
【0078】
以上のように、本実施形態に係る情報管理機能は、上記各機能部が連携動作することにより実現される。
【0079】
本実施形態に係る情報管理機能の詳細な動作(機能部群の連携動作)について、処理手順を示すフローチャートを用いて説明する。
【0080】
《情報管理の処理》
図10は、本実施形態に係る情報管理の処理手順例を示すフローチャートである。なお、図10に示す処理手順では、汎用領域R3の領域Aに"C001"及び領域Bに"abc"が設定された、まだ読み取ったことのない利用者カードCが、画像処理装置100にかざされた場合を想定している。
【0081】
図10に示すように、画像処理装置100は、読み取り部11が、利用者カードCから記録データを読み取る(ステップS201)。このとき、読み取り部11は、読み取り時に発生したエラー(読み取りエラー)を検知する。
【0082】
読み取り部11は、読み取りエラーが検知されなければ(ステップS202:NO)、情報生成部12に対し、読み取り情報(記録データ)が渡される。
【0083】
情報生成部12は、制御部121により、制御情報保持部30にアクセスし、制御情報30Dを参照する(ステップS203)。このとき、制御部121は、制御情報30Dの[生成]項目(利用者識別)対応付けて設定された[制御設定]項目の値に基づき、利用者識別情報の生成規則及び処理対象データなどを特定する。
【0084】
具体的に制御部121は、制御情報30Dの[生成]項目(利用者識別)に対応する[対象データ]項目に、アドレスaが設定されている場合、利用者カードCの読み取り情報に含まれる、アドレスaで特定される記録データ:(C001)を処理対象データとして特定する。また、制御部121は、制御情報30Dの[生成]項目(利用者識別)に対応する[生成規則]項目の値に基づき、付加データ:("User")及び位置データ:(先頭)を特定する。
【0085】
情報生成部12は、生成規則及び処理対象データの特定を受けて、処理対象データに基づき、生成規則に従って、利用者管理情報20Dの[利用者識別]項目の値を生成する(ステップS204)。このとき、情報生成部12は、処理対象データに対し、位置データに基づく位置に付加データを連結する文字列操作を行い、連結文字列:("UserC001")を、利用者識別情報として生成する。
【0086】
情報生成部12は、利用者管理情報保持部20にアクセスし、生成した利用者識別情報(連結文字列)をキーに、利用者管理情報20Dを検索する(ステップS205)。
【0087】
情報生成部12は、検索結果から、生成した利用者識別情報が、利用者管理情報20Dの利用者識別情報として登録済みか否かを判定する(ステップS206)。
【0088】
情報生成部12は、生成した利用者識別情報が登録済みでなかった(未登録の)場合(ステップS206:NO)、読み取り情報に基づき、利用者管理情報20Dを生成する(ステップS207)。このとき、情報生成部12は、先に生成した利用者識別情報を、利用者管理情報20Dの[利用者識別]項目の値として設定する。
【0089】
また、情報生成部12は、制御部121により、制御情報30Dの[生成]項目(メールアドレス)対応付けて設定された[制御設定]項目の値に基づき、メールアドレス値の生成規則及び処理対象データなどを特定し、利用者管理情報20Dの[管理]項目の値を生成・設定する。
【0090】
具体的に制御部121は、制御情報30Dの[生成]項目(メールアドレス)に対応する[対象データ]項目に、アドレスbが設定されている場合、利用者カードCの読み取り情報に含まれる、アドレスbで特定される記録データ:(abc)を処理対象データとして特定する。また、制御部121は、制御情報30Dの[生成]項目(メールアドレス)に対応する[生成規則]項目の値に基づき、付加データ:("@XXX.com")及び位置データ:(後方)を特定する。
【0091】
情報生成部12は、処理対象データに対し、位置データに基づく位置に付加データを連結する文字列操作を行い、連結文字列:("abc@XXX.com")を、メールアドレス値として生成し、利用者管理情報20Dの[管理]項目(メールアドレス)の値に、生成したメールアドレス値を設定する。
【0092】
つまり、情報生成部12は、利用者管理情報20Dに、利用者カードCをかいざした利用者に対応する新規データ([利用者識別]及び[管理]の項目値群)を追加する。
【0093】
これにより、画像処理装置100では、情報生成部12により、利用者カードCの読み取り情報から生成した情報:("UserC001","abc@XXX.com")を含む利用者管理情報20Dが生成・登録され、利用者カードCの読み取り情報と該利用者管理情報20Dとが動的に対応づけられる。
【0094】
一方、情報生成部12は、利用者識別情報が登録済みの場合(ステップS206:YES)、既に読み取ったことのある利用者カードCと判断(みなし認証)し、利用許可の処理を行う(ステップS208)。
【0095】
また、読み取り部11は、読み取りエラーを検知すると(ステップS202:YES)、エラーの処理を行う(ステップS209)。
【0096】
図11は、本実施形態に係る利用者管理情報20Dのデータ遷移例を示す図である。図11には、図10に示す処理手順が実行された場合のデータ遷移例が示されている。
【0097】
例えば、画像処理装置100では、利用者カードCがかざされる前の場合、利用者管理情報20Dの各情報項目が、図11(A)に示すように、空の状態(値:NULL)となっている。
【0098】
このとき、利用者カードCがかざされ、画像処理装置100において記録データが読み取られると、情報生成部12による処理(ステップS207の処理)により、利用者管理情報20Dの各情報項目に、図11(B)に示すような値が設定される。具体的には、[利用者識別]項目に"UserC001",[管理]項目(メールアドレス)に"abc@XXX.com"が設定される。
【0099】
つまり、利用者カードCに記録された利用者情報に基づき生成された情報が設定される。このように、画像処理装置100では、利用者カードCが、動的に紐付けられた新規データが利用者管理情報20Dに登録される。
【0100】
<まとめ>
以上のように、本実施形態に係る画像処理装置100によれば、読み取り部11が、利用者カードCを最初に読み取った際に、情報生成部12が、読み取り情報に基づき、所定の規則に従って、利用者管理情報20Dを生成・登録することで、利用者カードCの読み取り情報と利用者管理情報20Dとを動的に対応づける。
【0101】
このとき、情報生成部12は、制御部121により、予め設定しておいた制御情報30Dの生成項目情報及び制御設定情報に基づき、利用者管理情報20Dにおける生成項目、情報生成時の生成規則、及び、読み取り情報内の処理対象データ(汎用領域の記録データ)などを特定する。情報生成部12は、生成規則及び処理対象データの特定を受けて、処理対象データに対し、生成規則に従ったデータ操作(文字列操作)を行い、利用者管理情報20Dの情報項目値を生成する。
【0102】
その結果、画像処理装置100では、次回、同じ利用者カードCを読み取ると、対応づけて登録した利用者管理情報20Dに基づき、利用許可が判断される。
【0103】
これによって、本実施形態に係る画像処理装置100では、第1の実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0104】
また、画像処理装置100は、情報生成部12が、利用者カードCの汎用領域R3に記録された利用者情報に基づき、情報管理方針に応じて設定された(カスタマイズされた)制御情報30Dの制御設定に従って、利用者管理情報20Dを生成する。
【0105】
これによって、本実施形態に係る画像処理装置100では、柔軟な情報管理が可能な環境を提供できる。
【0106】
[第3の実施形態]
第2の実施形態では、情報生成動作を制御するための制御設定に従って、利用者管理情報を生成する点について説明を行ったが、この限りでない。
【0107】
本実施形態では、情報生成動作を制御するための制御設定に従って、利用者カードの読み取り情報を解析し、解析結果に基づき、利用者管理情報を生成する技術を提案する。
【0108】
なお、以降では、第2の実施形態と異なる事項について説明し、同一事項については、同一参照符号を付し、その説明を省略する。
【0109】
<情報管理機能>
図12は、本実施形態に係る情報管理の機能構成例を示す図である。
図7に示した機能構成との違いは、情報生成部12が解析部122を有している点である。解析部122は、利用者カードCの読み取り情報を解析する機能部である。
【0110】
ここで、本実施形態に係る制御情報30Dについて説明する。
図13は、本実施形態に係る制御情報30Dのデータ例を示す図である。
図13に示すように、本実施形態では、制御情報30Dの[生成規則]項目に、読み取り情報を、所定の条件(以下便宜上「解析条件」という)に従って解析した結果(以下単に「解析結果」という)ごとに、処理対象データに適用する生成規則が設定されている。
【0111】
本実施形態では、上記生成規則が、正規表現(regular expression)により設定されている。例えば、利用者管理情報20Dの[利用者識別]項目が生成項目の場合、正規表現:("0[w*]? U%:P%")が設定されている。また、利用者管理情報20Dの[管理]項目(メールアドレス)が生成項目の場合、正規表現:("[¥w¥d._−]? %@XXX.com:none")が設定されている。両設定に共通する正規表現:("A? B:C")の記述は、「条件Aが満たされればデータ操作Bを適用し、条件Aが満たされなければデータ操作Cを適用する」ことを意味している。つまり、条件Aが解析条件にあたり、データ操作B又はCが生成規則にあたり、解析結果(条件を満たしているか否か)に基づき、データ操作が切り替わる。
【0112】
これにより、図13に示す制御情報30Dの[生成規則]項目には、生成項目ごとに、次のような生成規則が設定されていることになる。
【0113】
例えば、利用者管理情報20Dの[利用者識別]項目が生成項目の場合、アドレスaに対応する処理対象データ(読み取り情報からアドレスaで特定される記録データ)の解析結果「データの先頭が'0'か否かの結果」ごとに、'%'文字を処理対象データに置き換え(置換し)、異なる文字列(「先頭が'U'の置換文字列」又は「先頭が'P'の置換文字列」)を生成する生成規則が設定されている。
【0114】
また、利用者管理情報20Dの[管理]項目(メールアドレス)が生成項目の場合、アドレスbに対応する処理対象データ(読み取り情報の中からアドレスbで特定される記録データ)の解析結果「A−Z,a−z,0−9,'.'(ドット),'_'(アンダーバー),'―'(ハイフン)のいずれかで構成されるデータか否かの結果」ごとに、異なる文字列(「後方が"@XXX.com"の置換文字列」又は「"none"」)を生成する生成規則が設定されている。
【0115】
解析部122は、上記制御情報30Dに設定された解析条件に従って、読み取り情報を解析する。
【0116】
図12の説明に戻る。本実施形態では、情報生成部12が、制御部121による情報生成動作の制御及び解析部122による読み取り情報の解析により、次のように利用者管理情報20Dを生成する。
【0117】
例えば、制御部121が、図11に示す制御情報30Dに基づき、情報生成動作を制御する場合、次のように動作する。まず、制御部121は、読み取り部11による利用者カードCの読み取り結果を受けて、制御情報保持部30にアクセスする。制御部121は、制御情報30Dの生成項目情報及び制御設定情報に基づき、利用者管理情報20Dにおける生成項目、情報生成時の解析条件を含む生成規則(正規表現データ)、及び処理対象データなどを特定する。
【0118】
具体的には、利用者管理情報20Dの[利用者識別]項目が生成項目の場合、利用者カードCの読み取り情報に含まれる記録データの中から、アドレスaに対応する処理対象データを特定し、該処理対象データの解析結果「データの先頭が'0'か否かの結果」ごとに、情報生成式:("U%")又は情報生成式:("P%")の'%'文字を処理対象データに置き換え、異なる文字列を生成する生成規則を特定する。また、利用者管理情報20Dの[管理]項目(メールアドレス)が生成項目の場合、利用者カードCの読み取り情報に含まれる記録データの中から、アドレスbに対応する処理対象データを特定し、情報生成式:("%@XXX.com")の'%'文字を処理対象データに置き換える、又は、文字列:("none")を用いて、異なる文字列を生成する生成規則を特定する。
【0119】
また、解析部122は、制御部121が上記生成規則(正規表現データ)及び上記処理対象データを特定した場合、次のように動作する。解析部122は、処理対象データを、該処理対象データに対応する生成規則内の解析条件に従って解析する。
【0120】
具体的には、利用者管理情報20Dの[利用者識別]項目が生成項目の場合、正規表現:("0[w*]"?)により設定された解析条件に従って、アドレスaに対応する処理対象データを解析し、解析結果「データの先頭が'0'か否かの結果」を得る。また、利用者管理情報20Dの[管理]項目(メールアドレス)が生成項目の場合、正規表現:("[¥w¥d._−]"?)により設定された解析条件に従って、処理対象データを解析し、解析結果「A−Z,a−z,0−9,'.'(ドット),'_'(アンダーバー),'―'(ハイフン)のいずれかで構成されるデータか否かの結果」を得る。
【0121】
情報生成部12は、生成規則の特定及び処理対象データの解析結果を受けて、利用者管理情報保持部20にアクセスする。情報生成部12は、解析部122による解析結果に対応する生成規則に従って、利用者管理情報20Dを生成する。
【0122】
具体的には、利用者管理情報20Dの[利用者識別]項目が生成項目であって、特定された処理対象データが"001"の場合、解析結果「データの先頭が'0'」に対応する生成規則に従って、情報生成式:("U%")の'%'文字を処理対象データに置き換える文字列操作を行い、"U001"の置換文字列を生成し、[利用者識別]項目の値として設定する。なお、解析部122で、「データの先頭が'0'」でない解析結果を得た場合、情報生成式:("P%")の'%'文字を処理対象データに置き換える文字列操作を行い、"P001"の置換文字列を生成する。
【0123】
また、利用者管理情報20Dの[管理]項目(メールアドレス)が生成項目であって、特定された処理対象データが"abc"の場合、解析結果「A−Z,a−z,0−9,'.'(ドット),'_'(アンダーバー),'―'(ハイフン)のいずれかで構成されるデータ」に対応する生成規則に従って、'%'文字を処理対象データに置き換える文字列操作を行い、"abc@XXX.com"の置換文字列を生成し、[管理]項目(メールアドレス)の値として設定する。なお、解析部122で、「A−Z,a−z,0−9,'.'(ドット),'_'(アンダーバー),'―'(ハイフン)のいずれかで構成されるデータ」でない解析結果を得た場合、"none"の置換文字列を生成する。
【0124】
さらに、情報生成部12は、解析部122による読み取り情報の解析により、次のように利用者管理情報20Dを生成するようにしてもよい。
【0125】
情報生成部12は、読み取り情報の解析から、利用者カードCをかざした利用者(情報を読み取ったカードの所有者)の種別(以下単に「利用者種別」という)を判断し、利用者種別ごとに予め設定しておいた情報に基づき、利用者管理情報20Dを生成する。
【0126】
本実施形態では、機器搭載機能のアクセス制限に関する情報(以下単に「制限情報」という)を、利用者種別ごとに予め設定しておいた情報の一例とする。
【0127】
図14は、本実施形態に係る制限情報40Dのデータ例を示す図である。
図14に示すように、制限情報40Dは、[利用者種別]及び[制限設定]などの情報項目が、利用者種別単位で対応づけられている。この情報により、利用者に対するアクセス制限設定が管理される。
【0128】
[利用者種別]項目は、利用者種別を示す情報(以下「利用者種別情報」という)が設定される項目であり、項目値には、例えば、正規利用者や非正規利用者(例えば「ゲストユーザ」)を識別する値(識別子)などがある。[制限設定]項目は、アクセス制限を行うための制限設定を示す情報(以下「制限設定情報」という)が設定される項目である。
【0129】
さらに、本実施形態では、[制限設定]項目が、制限対象機能ごとの情報項目を有している。これらの情報項目は、機能のアクセス制限(利用制限)を示す情報(利用制限情報:アクセス制限値)が設定される項目であり、項目値には、例えば、機能の利用制限を示す値(利用許可/利用不許可を示す値)などがある。
【0130】
これら各項目値は、例えば、管理者が所定のツールを介して、予め設定しておけばよい。その設定方法は、制御情報30Dの設定方法と同様である。このようにして設定された制御情報40Dは、制限情報保持部40で保持される。なお、制限情報保持部40は、例えば、画像処理装置100が備える記憶装置の所定の記憶領域にあたる。
【0131】
図12の説明に戻る。本実施形態では、情報生成部12が、利用者カードCをかざした利用者の種別に従って、次のように利用者管理情報20Dを生成する。なお、本実施形態では、解析部122が、アドレスaに対応する処理対象データの解析で「データの先頭が'0'」の解析結果を得た場合、利用者カードCをかざした利用者が正規利用者であると判断する。一方、アドレスaに対応する処理対象データの解析で「データの先頭が'0'」でないの解析結果を得た場合、利用者カードCをかざした利用者が非正規利用者であると判断する。
【0132】
情報生成部12は、利用者種別の判断結果を受けて、制限情報保持部40にアクセスする。情報生成部12は、制限情報40Dの利用者種別情報及び制限設定情報に基づき、判断された利用者種別に対応する各機器搭載機能の制御設定を特定する。情報生成部12は、特定した制限設定の各アクセス制限値(設定値)を、[管理]項目(アクセス制御)の値として設定する。
【0133】
このように、本実施形態では、解析条件を含む生成規則が設定された制御情報30Dの制御設定に従って、利用者カードCの汎用領域R3に記録された利用者情報を解析し、その解析結果に基づき、利用者管理情報20Dが生成される。さらに、本実施形態では、利用者種別ごとに機器搭載機能の利用制限が設定された制限情報40Dの制限設定に従って、利用者種別ごとに利用者管理情報20Dが生成される。
【0134】
以上のように、本実施形態に係る情報管理機能は、上記各機能部が連携動作することにより実現される。
【0135】
本実施形態に係る情報管理機能の詳細な動作(機能部群の連携動作)について、処理手順を示すフローチャートを用いて説明する。
【0136】
《情報管理の処理》
図15は、本実施形態に係る情報管理の処理手順例を示すフォローチャートである。
図15に示すように、画像処理装置100は、読み取り部11が、利用者カードCから記録データを読み取る(ステップS301)。
【0137】
読み取り部11は、読み取りエラーが検知されなければ(ステップS302:NO)、情報生成部12に対し、読み取り情報(記録データ)が渡される。
【0138】
情報生成部12は、制御部121により、制御情報保持部30にアクセスし、制御情報30Dを参照する(ステップS303)。このとき、制御部121は、制御情報30Dの[生成]項目(利用者識別)対応付けて設定された[制御設定]項目の値に基づき、利用者識別情報の生成規則及び処理対象データなどを特定する。
【0139】
具体的に制御部121は、制御情報30Dの[生成]項目(利用者識別)に対応する[対象データ]項目に、アドレスaが設定されている場合、利用者カードCの読み取り情報に含まれる、アドレスaで特定される記録データ:(001)を処理対象データとして特定する。また、制御部121は、制御情報30Dの[生成]項目(利用者識別)に対応する[生成規則]項目の値に基づき、情報生成時の解析条件を含む生成規則(正規表現データ:"0[w*]? U%:P%")を特定する。
【0140】
情報生成部12は、処理対象データに基づき、解析部122による処理対象データの解析結果に対応する生成規則に従って、利用者管理情報20Dの[利用者識別]項目の値を生成する(ステップS304)。このとき、解析部122は、生成規則内の解析条件:("0[w*]?")に従って、処理対象データを解析し、該処理対象データが解析条件を満たしているか否かの解析結果「データの先頭が'0'か否かの結果」を得る。
【0141】
その結果、情報生成部12は、条件を満たす解析結果が得られた場合、情報生成式:("U%")に従って、置換文字を処理対象データに置き換える文字列操作を行い、置換文字列:("U001")を、利用者識別情報として生成する。
【0142】
情報生成部12は、利用者管理情報保持部20にアクセスし、生成した利用者識別情報(連結文字列)をキーに、利用者管理情報20Dを検索する(ステップ305)。
【0143】
情報生成部12は、検索結果から、生成した利用者識別情報が、利用者管理情報20Dの利用者識別情報として登録済みか否かを判定する(ステップS306)。
【0144】
情報生成部12は、生成した利用者識別情報が登録済みでなかった(未登録の)場合(ステップS306:NO)、読み取り情報に基づき、利用者管理情報20Dを生成する(ステップS307)。このとき、情報生成部12は、先に生成した利用者識別情報を、利用者管理情報20Dの[利用者識別]項目の値として設定する。
【0145】
また、情報生成部12は、制御部121により、制御情報30Dの[生成]項目(メールアドレス)対応付けて設定された[制御設定]項目の値に基づき、メールアドレス値の生成規則及び処理対象データなどを特定し、利用者管理情報20Dの[管理]項目の値を生成・設定する。
【0146】
具体的に制御部121は、制御情報30Dの[生成]項目(メールアドレス)に対応する[対象データ]項目に、アドレスbが設定されている場合、利用者カードCの読み取り情報に含まれる、アドレスbで特定される記録データ:(abc)を処理対象データとして特定する。また、制御部121は、制御情報30Dの[生成]項目(メールアドレス)に対応する[生成規則]項目の値に基づき、情報生成時の解析条件を含む生成規則(正規表現データ:"[¥w¥d._−]? %@XXX.com:none")を特定する。
【0147】
情報生成部12は、処理対象データに対し、解析部122による処理対象データの解析結果に対応する生成規則に従って、利用者管理情報20Dの[管理]項目(メールアドレス)の値を生成する。このとき、解析部122は、生成規則内の解析条件:("[¥w¥d._−]?")に従って、処理対象データを解析し、該処理対象データが解析条件を満たしているか否かの解析結果「A−Z,a−z,0−9,'.'(ドット),'_'(アンダーバー),'―'(ハイフン)のいずれかで構成されるデータか否かの結果」を得る。
【0148】
その結果、情報生成部12は、条件を満たす解析結果が得られた場合、情報生成式:("%@XXX.com")に従って、置換文字を処理対象データに置き換える文字列操作を行い、置換文字列:("abc@XXX.com")を、利用者識別情報として生成する。メールアドレス値として生成し、利用者管理情報20Dの[管理]項目(メールアドレス)の値に、生成したメールアドレス値を設定する。
【0149】
つまり、情報生成部12は、利用者管理情報20Dに、利用者カードCをかいざした利用者に対応する新規データ([利用者識別]及び[管理]の項目値群)を追加する。
【0150】
これにより、画像処理装置100では、情報生成部12により、利用者カードCの読み取り情報から生成した情報:("U001","abc@XXX.com")を含む利用者管理情報20Dが生成・登録され、利用者カードCの読み取り情報と該利用者管理情報20Dとが動的に対応づけられる。
【0151】
次に、情報生成部12は、解析部122による、アドレスaに対応する処理対象データの解析(上記S304の処理結果)から、利用者カードCをかざした利用者の利用者種別「正規利用者/非正規利用者」を判定する(ステップS308)。このとき、情報生成部12では、処理対象データの先頭が'0'の場合、利用者種別「正規利用者」と判定する。
【0152】
情報生成部12は、利用者種別「正規利用者」の場合、制限情報保持部40にアクセスし、制限情報40Dを参照する(ステップS309)。
【0153】
情報生成部12は、制限情報40Dに基づき、利用者管理情報20Dを生成する(ステップS310)。このとき、情報生成部12は、制限情報40Dの制限設定情報(利用許可された機能A,B,C)を、利用者管理情報20Dの[管理]項目(アクセス制御)の値として設定する(ステップS310)。
【0154】
一方、情報生成部12は、利用者種別「非正規利用者」の場合、制限情報保持部40にアクセスし、制限情報40Dを参照し(ステップS311)、制限情報40Dの制限設定情報(利用許可された機能A)を、利用者管理情報20Dの[管理]項目(アクセス制御)の値として設定する(ステップS312)。
【0155】
なお、情報生成部12は、利用者識別情報が登録済みの場合(ステップS306:YES)、既に読み取ったことのある利用者カードCと判断(みなし認証)し、利用許可の処理を行う(ステップS313)。
【0156】
また、読み取り部11は、読み取りエラーを検知すると(ステップS302:YES)、エラーの処理を行う(ステップS314)。
【0157】
図16は、本実施形態に係る利用者管理情報20Dのデータ遷移例を示す図である。図16には、図15に示す処理手順が実行された場合のデータ遷移例が示されている。
【0158】
例えば、画像処理装置100では、利用者カードCがかざされる前の場合、利用者管理情報20Dの各情報項目が、図16(A)に示すように、空の状態(値:NULL)となっている。
【0159】
このとき、正規利用者により利用者カードCがかざされ、画像処理装置100において記録データが読み取られると、情報生成部12による処理(ステップS307,S310の処理)により、利用者管理情報20Dの各情報項目に、図11(B)に示すような値が設定される。具体的には、[利用者識別]項目に"U001",[管理]項目(メールアドレス)に"abc@XXX.com",[管理]項目(アクセス制限)に"機能A,B,C"(利用許可機能リスト)が設定される。
【0160】
また、正規利用者により利用者カードCがかざされ、画像処理装置100において記録データが読み取られると、情報生成部12による処理(ステップS307,S312の処理)により、利用者管理情報20Dの各情報項目に、図11(C)に示すような値が設定される。具体的には、[利用者識別]項目に"P1101",[管理]項目(メールアドレス)に"none",[管理]項目(アクセス制限)に"機能A"(利用許可機能リスト)が設定される。
【0161】
つまり、利用者カードCに記録された利用者情報に基づき、解析結果により切り替えられた生成規則に従って生成された情報が設定される。このように、画像処理装置100では、利用者カードCが、動的に紐付けられた新規データが利用者管理情報20Dに登録される。
【0162】
<まとめ>
以上のように、本実施形態に係る画像処理装置100によれば、読み取り部11が、利用者カードCを最初に読み取った際に、情報生成部12が、読み取り情報に基づき、所定の規則に従って、利用者管理情報20Dを生成・登録することで、利用者カードCの読み取り情報と利用者管理情報20Dとを動的に対応づける。
【0163】
このとき、情報生成部12は、制御部121により、予め設定しておいた制御情報30Dの生成項目情報及び制御設定情報に基づき、利用者管理情報20Dにおける生成項目、情報生成時の解析条件を含む生成規則(正規表現データ)、及び、読み取り情報内の処理対象データ(汎用領域の記録データ)などを特定する。情報生成部12は、生成規則及び処理対象データの特定を受けて、解析部122により、解析条件に従って、処理対象データの解析を行う。情報生成部12は、解析結果を受けて、処理対象データに対し、解析結果に対応する生成規則に従ったデータ操作(文字列操作)を行い、利用者管理情報20Dの情報項目値を生成する。
【0164】
その結果、画像処理装置100では、次回、同じ利用者カードCを読み取ると、対応づけて登録した利用者管理情報20Dに基づき、利用許可が判断される。
【0165】
これによって、本実施形態に係る画像処理装置100では、第1の実施形態と同様の効果を奏することができる。さらに、読み取り情報の解析結果に応じて、情報生成時に適用する生成規則を切り替えられ、同一の生成項目であっても、異なる値の利用者管理情報20Dを生成することができる。
【0166】
また、画像処理装置100は、情報生成部12が、解析部122の解析結果に基づき、利用者識別を判断し、利用者種別ごとに機器搭載機能の利用制限が設定された(カスタマイズされた)制限情報40Dの制限設定を、情報項目の値をして設定し、利用者管理情報20Dを生成する。
【0167】
これによって、本実施形態に係る画像処理装置100では、柔軟な情報管理が可能な環境を提供できる。さらに、読み取り情報の解析結果から判断された利用者種別に応じて、同一の生成項目であっても、異なる値の利用者管理情報20Dを生成することができる。
【0168】
ここまで、上記実施形態の説明を行ってきたが、上記実施形態に係る「情報管理機能」は、図を用いて説明を行った各処理手順を、動作環境(プラットフォーム)にあったプログラミング言語でコード化したプログラムが、画像処理装置100の演算装置(CPU)により実行されることで実現される。
【0169】
上記プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体104aに格納することができる。これにより、例えば、上記プログラムは、ドライブ装置104を介して、画像処理装置100にインストールすることができる。また、画像処理装置100は、装置107を備えていることから、電気通信回線を用いて上記プログラムをダウンロードし、インストールすることもできる。
【0170】
また、上記実施形態では、情報管理機能を有する画像処理装置100を例に説明を行ったが、この限りでない。上記実施形態に係る情報管理機能は、電子記録カードの読み取り動作により機能利用の提供を開始する電子機器(情報処理装置)であれば適用可能である。
【0171】
[変形例]
上記実施形態では、画像処理装置100単体が、情報管理機能を有する構成について説明を行ったが、この限りでない。例えば、図17に示すように、複数の機器が連携することで、情報管理機能を実現するシステム1であってもよい。
【0172】
図17は、本実施形態の変形例に係る利用者管理システム1のシステム構成例を示す図である。
図17には、管理サーバ200と複数の画像処理装置1001〜100nとが、例えば、LANなどの所定のデータ伝送路Nで接続されるシステム構成例が示されている。
【0173】
管理サーバ200は、情報管理機能を有する機器である。管理サーバ200は、例えば、PC(Personal Computer)などの情報処理装置であり、利用者管理情報20Dの生成処理や利用許可の通知処理などを行う。
【0174】
このような利用者管理システム1では、例えば、図18に示すような機能構成により情報管理機能を実現する。
【0175】
図18は、本変形例に係る情報管理の機能構成例を示す図である。
図18に示すように、本変形例に係る情報管理機能では、管理サーバ200が情報生成部12及び利用者管理情報保持部20を有しており、画像処理装置100が有する読み取り部11と連携動作する。具体的には、次の通りである。
【0176】
画像処理装置100は、管理サーバ200に対し、読み取り部11の読み取り情報を送信する。なお、画像処理装置100には、管理サーバ200のネットワーク識別情報(例えば「IPアドレス:Internet Protocol address」)が、予め設定されているものとする。
【0177】
管理サーバ200は、画像処理装置100からの受信データ(読み取り情報)に基づき、利用者管理情報20Dを生成し、利用者管理情報保持部20に登録する。その後、管理サーバ200は、画像処理装置100に対し、利用許可を通知する。
【0178】
なお、管理サーバ200は、受信データに基づき生成された情報が、利用者管理情報保持部20に登録済みの場合、利用者管理情報20Dの生成を行わず、画像処理装置100に対し、利用許可のみを通知する。
【0179】
このように、本変形例に係る利用者管理システム1では、管理サーバ200と画像処理装置100とが有する各機能部の連携動作により、情報管理機能を実現できる。
【0180】
最後に、上記実施形態に挙げた形状や構成に、その他の要素との組み合わせなど、ここで示した要件に、本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0181】
11 読み取り部
12 情報生成部
121 制御部
122 解析部
20 利用者管理情報保持部(D:利用者管理情報)
30 制御情報保持部(D:制御情報)
40 制限情報保持部(D:制限情報)
100 画像処理装置(情報処理装置
110 コントローラ(制御基板)
111 CPU(演算装置)
112 記憶装置(揮発性・不揮発性の半導体メモリ、大容量記憶装置など)
113 ネットワークI/F(NIC:Network I/F Card)
114 外部装置I/F(a:記録媒体,b:読み取り装置)
120 操作パネル(表示装置)
130 プロッタ
140 スキャナ
200 利用者管理サーバ(情報処理装置)
B バス
C 電子記録カード(利用者カード)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0182】
【特許文献1】特開2007−128323号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器利用における利用者の情報管理を制御する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年では、優れた携帯性や豊富な情報量を実現していることを背景に、ICカード(Integrated Circuit card)などの電子記録カードが普及している。
【0003】
このようなことから、画像処理装置などの電子機器を利用する環境にも、情報機密性の確保や利用制限などの機器運用を目的とし、上記電子記録カードを用いて、利用者を管理する仕組みが導入されるようになった。この仕組みが導入された環境では、例えば、利用者が、次のような方法により、電子機器を利用できる。利用者は、まず、利用しようとする電子機器が備える読み取り装置に、利用者に予め発行された電子記録カード(以下便宜上「利用者カード」という)をかざす。このとき、電子機器では、読み取り装置を介して、利用者カードから読み取った情報を、登録済みの利用者の管理情報と照合し、照合結果から利用許可を判断する。その結果、利用者は、利用許可された場合に、電子機器が利用できる。
【0004】
しかし、このような仕組みでは、利用者カードから読み取った情報と利用者の管理情報とを対応づけておく必要がある。現状、この対応づけ作業(以下「情報管理作業」という)は、管理者により手作業で行われており、その作業は、管理者にとって煩雑である。そこで、利用者自身が上記情報同士を対応づけることができる技術が提案されている。
【0005】
例えば、特許文献1には、利用者カードの初期読み取り時に、利用者に対して、利用者情報(例えば「ログイン情報」など)の入力を促し、情報が入力されたことを受けて、入力情報に基づき特定した利用者の管理情報と利用者カードから読み取った情報とを対応づけることで、情報管理作業の負担を軽減する技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の情報管理では、利用者が手動で情報入力を行わなければならず、その作業は、利用者にとって煩雑である。
【0007】
このようなことから、情報管理では、管理者や利用者が煩雑な作業を行わなくても、利用者カードから読み取った情報と利用者の管理情報とが、動的に対応づけられることが望ましい。
【0008】
本発明は上記従来技術の問題点を鑑み提案されたものであり、利用者カードの読み取り情報と利用者の管理情報とを動的に対応づけることができる情報処理装置、情報管理方法、及び情報管理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係る情報処理装置は、電子記録カードを読み取る読み取り装置を備える情報処理装置であって、前記読み取り装置を介して、前記電子記録カードを読み取り、読み取り情報を取得する読み取り手段と、前記読み取り手段により取得された読み取り情報に基づき、前記電子記録カードを所有する利用者の利用者管理情報を生成する生成手段と、前記生成手段により生成された利用者管理情報を、所定の記憶領域に保持する保持手段と、を有することを特徴とする。
【0010】
上記目的を達成するため、本発明に係る情報管理方法は、電子記録カードを読み取る読み取り装置を備える情報処理装置における情報管理方法であって、前記読み取り装置を介して、前記電子記録カードを読み取り、読み取り情報を取得する読み取り手順と、前記読み取り手順により取得された読み取り情報に基づき、前記電子記録カードを所有する利用者の利用者管理情報を生成する生成手順と、を有し、前記生成手順により生成された利用者管理情報を、所定の記憶領域に保持することを特徴とする。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明に係る情報管理プログラムは、電子記録カードを読み取る読み取り装置を備える情報処理装置における情報管理プログラムであって、コンピュータを、前記読み取り装置を介して、前記電子記録カードを読み取り、読み取り情報を取得する読み取り手段と、前記読み取り手段により取得された読み取り情報に基づき、前記電子記録カードを所有する利用者の利用者管理情報を生成する生成手段と、前記生成手段により生成された利用者管理情報を、所定の記憶領域に保持する保持手段として機能させる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、利用者カードの読み取り情報と利用者の管理情報とを動的に対応づける情報処理装置、情報管理方法、及び情報管理プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る情報管理の機能構成例を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る利用者カードのデータ構成例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る利用者管理情報のデータ例を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る情報管理の処理手順例を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る利用者管理情報のデータ遷移例を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る情報管理の機能構成例を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る制御情報のデータ例を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る利用者カードのデータ構成例を示す図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る情報管理の処理手順例を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第2の実施形態に係る利用者管理情報のデータ遷移例を示す図である。
【図12】本発明の第3の実施形態に係る情報管理の機能構成例を示す図である。
【図13】本発明の第3の実施形態に係る制御情報のデータ例を示す図である。
【図14】本発明の第3の実施形態に係る制限情報のデータ例を示す図である。
【図15】本発明の第3の実施形態に係る情報管理の処理手順例を示すフォローチャートである。
【図16】本発明の第3の実施形態に係る利用者管理情報のデータ遷移例を示す図である。
【図17】本発明の実施形態の変形例に係る利用者管理システムのシステム構成例を示す図である。
【図18】本発明の実施形態の変形例に係る情報管理の機能構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好適な実施の形態(以下「実施形態」という)について、図面を用いて詳細に説明する。
【0015】
[第1の実施形態]
<ハードウェア構成>
図1は、本実施形態に係る画像処理装置のハードウェア構成例を示す図である。なお、図1には、画像処理装置100がMFP(Multifunction Peripheral)であった場合の例が示されている。
【0016】
図1に示すように、画像処理装置100は、コントローラ110、操作パネル120、プロッタ130、及びスキャナ140などを備え、それぞれが相互にバスBで接続されている。
【0017】
操作パネル120は、表示部及び入力部を備えており、機器情報などの各種情報をユーザに提供したり、動作設定や動作指示などの各種ユーザ操作を受け付けたりする。プロッタ130は、画像形成部を備えており、用紙に出力画像を形成する。出力画像を形成する方式には、例えば、電子写真プロセスやインクジェット方式などがある。スキャナ140は、原稿を光学的に読み取り、読み取り画像を生成する。
【0018】
コントローラ110は、CPU(Central Processing Unit)111、記憶装置112、ネットワークI/F113、及び外部装置I/F114などを備えており、それぞれが相互にバスBで接続されている。
【0019】
CPU111は、プログラムを実行することで装置全体を制御する。また、記憶装置112は、上記プログラムや各種データ(例えば「画像データ」)を格納し保持する。記憶装置212には、例えば、揮発性のメモリであるRAM(Random Access Memory)、不揮発性のメモリであるROM(Read Only Memory)、及び大容量の記憶領域を備えたHDD(Hard Disk Drive)などがある。RAMは、CPU111のワークエリア(プログラムやデータが一時的に読み出される記憶エリア)として機能する。ROMやHDDは、プログラムや各種データの格納先として用いられる。これにより、画像処理装置100では、CPU111がROMに格納されたプログラムをRAM上に読み出し、プログラムを実行する。
【0020】
ネットワークI/F113は、画像処理装置100をネットワークなどの所定のデータ伝送路に接続するためのインタフェースである。これにより、画像処理装置100は、ネットワークI/F113を介して、他の機器(非表示)とデータ通信を行うことができる。
【0021】
外部装置I/F114は、外部装置に接続するためのインタフェースである。外部装置には、例えば、記録媒体114aなどがあり、記録媒体114aには、例えば、SDメモリカード(SD memory card)やUSBメモリ(Universal Serial Bus memory)などがある。これにより、画像処理装置100は、外部装置I/F114を介して、記録媒体114aの読み取り及び/又は書き込みを行うことができる。
【0022】
また、外部装置には、例えば、電子記録カードCを読み取る読み取り装置114bなどがあり、電子記録カードCには、例えば、接触/非接触のICカードなどがある。これにより、画像処理装置100は、外部装置I/F114に接続される読み取り装置114bを介して、電子記録カードCの読み取りを行うことができる。
【0023】
以上のように、本実施形態に係る画像処理装置100は、上記ハードウェア構成により、画像処理機能(画像処理サービス)を提供することができる。
【0024】
<情報管理機能>
本実施形態に係る情報管理機能について説明する。
本実施形態に係る画像処理装置100では、利用者カードCを最初に読み取った際に、読み取り情報に基づき、所定の規則(ルール)に従って、利用者の管理情報を生成し、所定の記憶領域に登録することで、利用者カードCの読み取り情報と利用者の管理情報とを動的に対応づける。その結果、画像処理装置100では、次回、同じ利用者カードCを読み取ると、対応づけて登録した(利用者カードに紐付けられた)利用者の管理情報に基づき、利用許可が判断される。本実施形態に係る画像処理装置100は、このような情報管理機能を有している。
【0025】
従来、利用者カードCを用いた機器利用環境における情報管理では、利用者カードCの読み取り情報と利用者の管理情報とを対応づける作業を、管理者又は利用者が手動で行わなければならず、その作業は煩雑なものであった。
【0026】
そこで、本実施形態に係る画像処理装置100では、利用者カードCの初期読み取り時に、読み取った情報に基づき、利用者の管理情報を生成する仕組みとした。
【0027】
これにより、本実施形態に係る画像処理装置100は、利用者カードCの読み取り情報と利用者の管理情報とが動的に対応づけられる環境を提供する。その結果、本実施形態に係る画像処理装置100では、情報管理における管理者や利用者の作業負担を軽減できる(情報の対応づけを手作業で行わなくてもよい)。
【0028】
以下に、本実施形態に係る情報管理機能の構成とその動作について説明する。
図2は、本実施形態に係る情報管理の機能構成例を示す図である。
図2に示すように、本実施形態に係る情報管理機能は、読み取り部11及び情報生成部12などを有している。
【0029】
読み取り部11は、利用者カードCの記録データを読み取る機能部である。読み取り部11は、外部装置I/F114を制御し、利用者カードCから記録データを読み取る。
【0030】
ここで、利用者カードC内のデータ構成について説明する。
図3は、本実施形態に係る利用者カードCのデータ構成例を示す図である。
図3に示すように、利用者カードCは、カード識別領域R1,システムコード領域R2,汎用領域R3などの記録データ領域Rを備えている。なお、以下には、利用者カードCがFelica(商標又は登録商標)である場合について説明する。
【0031】
カード識別領域R1には、利用者カードCを識別する情報(以下「カード識別情報」という)が記録されるデータ領域であり、記録データには、例えば、カード発行時にグローバルユニークに割り当てられた128ビット長のIDmデータ(ビット列)などがある。システムコード領域R2には、利用者カードCの発行目的を識別する(システムを識別する)情報(システムコード情報)が記録されるデータ領域であり、記録データには、例えば、カードベンダ(カード発行側)が、申請された利用目的に応じて決定したコードをエンコードして記録したデータなどがある。汎用領域R3には、汎用的な情報(以下「汎用情報」という)が記録されるデータ領域であり、記録データには、例えば、利用者や管理者(カード利用側)が設定したデータなどがある。
【0032】
読み取り部11は、外部装置I/F114に接続される読み取り装置114bを介して、該読み取り装置114bにかざされた利用者カードCから、上記データ領域Rへのアクセス先を示す所定のアドレスに基づき、各データ領域Rの記録データを読み取る。
【0033】
図2の説明に戻る。情報生成部12は、読み取り部11による読み取り情報(利用者カードCの記録データ)に基づき、利用者を管理する情報(以下「利用者管理情報」という)を生成し、利用者管理情報保持部20に登録する機能部である。なお、利用者管理情報保持部20は、例えば、画像処理装置100が備える記憶装置112の所定の記憶領域にあたる。
【0034】
ここで、利用者管理情報について説明する。
図4は、本実施形態に係る利用者管理情報20Dのデータ例を示す図である。
図4に示すように、利用者管理情報20Dは、[利用者識別]及び[管理]などの情報項目が、利用者単位で対応づけられている。この情報により、利用者が管理される。
【0035】
[利用者識別]項目は、利用者を識別する情報(以下「利用者識別情報」という)が設定される項目であり、項目値には、例えば、利用者にユニークに割り当てられたID値などがある。[管理]項目は、利用者に対する機器利用の管理情報(以下単に「管理情報」という)が設定される項目であり、項目値には、例えば、利用者の連絡先を示すメールアドレス値や、利用者に対する機器搭載機能の利用制限を示すアクセス制限値(利用許可/利用不許可を示す値)などがある。
【0036】
情報生成部12は、利用者カードCを最初に読み取った際に(利用者カードの初期読み取り時に)、読み取り情報に基づき、上記各項目値を設定することで、利用者に対応する利用者管理情報20Dを生成し、利用者管理情報保持部20に登録する。
【0037】
図2の説明に戻る。本実施形態では、情報生成部12が、次のように利用者管理情報20Dを生成する。まず、情報生成部12は、利用者カードCの読み取り情報に含まれるカード識別領域R1の記録データを、[利用者識別]項目の値として設定する。次に、情報生成部12は、予め用意しておいたデフォルト値を、[管理]項目の値として設定する。
【0038】
本実施形態では、上記情報生成動作を実現するため、カード識別情報を利用者識別情報に用いることや、デフォルト値を管理情報に用いることなどが、利用者管理情報20Dの生成規則として決められている。つまり、情報生成部12は、予め決まられた生成規則に従って、利用者管理情報20Dを生成する。
【0039】
このように、本実施形態では、利用者カードCの読み取り情報と対応付けられた利用者管理情報20Dが生成される。つまり、上記情報生成動作により、利用者カードCの読み取り情報と利用者管理情報20Dとが動的に対応づけられる。
【0040】
なお、情報生成部12は、上述したように、利用者カードCの初期読み取り時に、利用者管理情報20Dの生成・登録を行う。そこで、情報生成部12は、利用者管理情報20Dの利用者識別情報に基づき、かざされた利用者カードCが、既に取ったことのある利用者カードCか否かを判断する。具体的には、利用者カードCのカード識別情報に基づき、利用者管理情報20Dの[利用者識別]項目を検索し、検索結果から判断する。その結果、カード識別情報が、利用者情報として登録されていない場合に、読み取ったことのない利用者カードCと判断し、情報生成動作を実施する。一方、カード識別情報が、利用者情報として登録されていた場合に、既に読み取ったことのある利用者カードCと判断し、利用許可動作を実施する。
【0041】
以上のように、本実施形態に係る情報管理機能は、上記各機能部が連携動作することにより実現される。なお、上記各機能部は、画像処理装置100に搭載(インストール)されるプログラム(情報管理機能を実現するソフトウェア)が、演算装置(CPU)により、記憶装置(「HDD」や「ROM」)からメモリ(RAM)上に読み出され、以下の処理が実行されることで実現される。
【0042】
本実施形態に係る情報管理機能の詳細な動作(機能部群の連携動作)について、処理手順を示すフローチャートを用いて説明する。
【0043】
《情報管理の処理》
図5は、本実施形態に係る情報管理の処理手順例を示すフローチャートである。
図5に示すように、画像処理装置100は、読み取り部11が、利用者カードCから記録データを読み取る(ステップS101)。このとき、読み取り部11は、読み取り時に発生したエラー(読み取りエラー)を検知する。
【0044】
読み取り部11は、読み取りエラーが検知されなければ(ステップS102:NO)、情報生成部12に対し、読み取り情報(記録データ)が渡される。
【0045】
画像処理装置100は、情報生成部12が、利用者管理情報保持部20にアクセスし、読み取り情報に含まれるカード識別情報(カード識別領域の記録データ)をキーに、利用者管理情報20Dを検索する(ステップS103)。
【0046】
情報生成部12は、検索結果から、カード識別情報が、利用者管理情報20Dの利用者識別情報として登録済みか否かを判定する(ステップS104)。
【0047】
情報生成部12は、カード識別情報が登録済みでなかった(未登録の)場合(ステップS104:NO)、読み取り情報に基づき、利用者管理情報20Dを生成する(ステップS105)。このとき、情報生成部12は、読み取り情報に含まれるカード識別情報を、利用者管理情報20Dの[利用者識別]項目の値として設定する。また、情報生成部12は、利用者管理情報20Dの[管理]項目の値に、予め用意しておいたデフォルト値を設定する。つまり、情報生成部12は、利用者管理情報20Dに、利用者カードCをかいざした利用者に対応する新規データ([利用者識別]及び[管理]の項目値群)を追加する。
【0048】
これにより、画像処理装置100では、情報生成部12により、カード識別情報を含む利用者管理情報20Dが生成・登録され、利用者カードCの読み取り情報と該利用者管理情報20Dとが動的に対応づけられる。
【0049】
一方、情報生成部12は、カード識別情報が登録済みの場合(ステップS104:YES)、既に読み取ったことのある利用者カードCと判断(みなし認証)し、利用許可の処理を行う(ステップS106)。なお、利用許可の処理には、例えば、画像処理装置100が備える操作パネル120に、ログイン成功の旨を知らせる画面表示や、利用許可された機器搭載機能の画面表示などがある。
【0050】
また、読み取り部11は、読み取りエラーを検知すると(ステップS102:YES)、エラーの処理を行う(ステップS107)。なお、エラーの処理には、例えば、画像処理装置100が備える操作パネル120に、ログイン失敗の旨を知らせる画面表示や音声通知などがある。
【0051】
図6は、本実施形態に係る利用者管理情報20Dのデータ遷移例を示す図である。図6には、図5に示す処理手順が実行された場合のデータ遷移例が示されている。なお、図6では、まだ読み取ったことのない、カード識別情報:"C001"の利用者カードCが、画像処理装置100にかざされた場合を想定している。
【0052】
例えば、画像処理装置100では、利用者カードCがかざされる前の場合、利用者管理情報20Dの各情報項目が、図6(A)に示すように、空の状態(値:NULL)となっている。このとき、利用者カードCがかざされ、画像処理装置100において記録データが読み取られると、情報生成部12による処理(ステップS105の処理)により、利用者管理情報20Dの各情報項目に、図6(B)に示すような値([利用者識別]項目の値:"C001",[管理]項目の値:default値)が設定される。このように、画像処理装置100では、利用者カードCが、動的に紐付けられた新規データが利用者管理情報20Dに登録される。
【0053】
<まとめ>
以上のように、本実施形態に係る画像処理装置100によれば、読み取り部11が、利用者カードCを最初に読み取った際に、情報生成部12が、読み取り情報に基づき、所定の規則に従って、利用者管理情報20Dを生成・登録することで、利用者カードCの読み取り情報と利用者管理情報20Dとを動的に対応づける。その結果、画像処理装置100では、次回、同じ利用者カードCを読み取ると、対応づけて登録した利用者管理情報20Dに基づき、利用許可が判断される。
【0054】
これによって、本実施形態に係る画像処理装置100では、情報管理における管理者や利用者の作業負担を軽減できる(情報の対応づけを手作業で行わなくてもよい)。
【0055】
[第2の実施形態]
第1の実施形態では、利用者カードの読み取り情報に基づき、予め決められた生成規則に従って、利用者管理情報を生成する点について説明を行ったが、この限りでない。
【0056】
本実施形態では、情報生成動作を制御するための制御設定に従って、利用者管理情報を生成する技術を提案する。
【0057】
なお、以降では、第1の実施形態と異なる事項について説明し、同一事項については、同一参照符号を付し、その説明を省略する。
【0058】
<情報管理機能>
図7は、本実施形態に係る情報管理の機能構成例を示す図である。
図2に示した機能構成との違いは、情報生成部12が制御部121を有している点である。制御部121は、利用者管理情報20Dの生成を制御する機能部である。制御部121は、制御情報保持部30にアクセスし、制御情報に基づき、情報生成時の生成規則及び処理対象である記録データ(以下便宜上「処理対象データ」という)などを特定し、特定したこれらの情報に従って、情報生成動作を制御する。なお、制御情報保持部30は、例えば、画像処理装置100が備える記憶装置の所定の記憶領域にあたる。
【0059】
ここで、本実施形態に係る制御情報について説明する。
図8は、本実施形態に係る制御情報30Dのデータ例を示す図である。
図8に示すように、制御情報31Dは、[生成]及び[制御設定]などの情報項目が、生成される情報項目単位で対応づけられている。この情報により、利用者管理情報20Dの情報生成時に適用する制御設定が管理される。
【0060】
[生成]項目は、読み取り情報に基づき生成する利用者管理情報20Dの情報項目を示す情報(以下単に「生成項目情報」という)が設定される項目であり、項目値には、例えば、[利用者識別]項目や[管理]項目などを識別する値(識別子)などがある。[制御設定]項目は、情報生成動作を制御するための制御設定を示す情報(以下「制御設定情報」という)が設定される項目である。
【0061】
さらに、本実施形態では、[制御設定]項目が、[生成規則]及び[対象データ]などの情報項目を有している。[対象データ]項目は、情報生成時の処理対象データを特定する情報(対象データ特定情報)が設定される項目であり、項目値には、例えば、記録データへのアクセス先を示すアドレス値などがある。
【0062】
図9は、本実施形態に係る利用者カードCのデータ構成例を示す図である。
本実施形態では、例えば、図9に示すようなデータ構成を有する利用者カードCからの読み取り情報に基づく情報生成・登録を想定している。
【0063】
第1の実施形態において、上述したように、汎用領域R3には、カード利用側が所望するデータを記録可能である。
【0064】
そこで、利用者を管理する環境では、管理者が、この汎用領域R3に、利用者に関連する情報(以下便宜上「利用者情報」という)を記録しておき、該利用者情報に基づき、利用者管理情報20Dを生成できることが望ましい。なぜなら、利用者の管理方針(以下便宜上「情報管理方針」という)は、環境に応じて異なるため、管理者が、方針に応じた管理方法によって、利用者を管理したいからである。
【0065】
このように用いられる汎用領域R3は、複数の領域(領域A−N)で構成されている。よって、各領域の記録データは、記録データへのアクセス先を示すアドレス値(アドレスa−n)に基づき読み取ることができる。
【0066】
図8の説明に戻る。このようなことから[対象データ]項目には、上記アドレス値が項目値として設定される。
【0067】
[生成規則]項目は、情報生成時の生成規則が設定される項目であり、項目値には、例えば、図8(A)及び(B)に示すような値がある。図8(A)には、情報生成時に、処理対象データに付加する文字/文字列(付加データ)や、処理対象データにおける付加位置(位置データ)などの項目値例が示されている。一方、図8(B)には、情報生成時に、'%'文字(以下便宜上「置換文字」という)を処理対象データに置き換える(置換する)式(以下便宜上「情報生成式」という)などの項目値例が示されている。
【0068】
これら各項目値は、上述したように、管理者が所定のツールを介して、予め設定しておけばよい。その設定方法は、例えば、次の通りである。管理者は、LAN(Local Area Network)などのデータ伝送路を介して、画像処理装置100に接続される情報処理装置(PC:Personal Computer)で、予めインストールしておいた設定ツールを起動し、該ツールの設定画面上で、上記情報項目の項目値を遠隔設定する。なお、設定ツールがブラウザなどのWebベースの汎用アプリであった場合には、本実施形態に係る情報管理機能が、Webベースの制御設定機能(Webページを介した設定機能)を提供すればよい。
【0069】
図7の説明に戻る。本実施形態では、情報生成部12が、制御部121による情報生成動作の制御により、次のように利用者管理情報20Dを生成する。
【0070】
例えば、制御部121が、図8(A)に示す制御情報30Dに基づき、情報生成動作を制御する場合、次のように動作する。まず、制御部121は、読み取り部11による利用者カードCの読み取り結果(読み取りエラー検知の有無)を受けて、制御情報保持部30にアクセスする。制御部121は、制御情報30Dの生成項目情報及び制御設定情報に基づき、利用者管理情報20Dにおける生成項目、情報生成時の生成規則、及び処理対象データなどを特定する。
【0071】
具体的には、利用者管理情報20Dの[利用者識別]項目が生成項目の場合、利用者カードCの読み取り情報に含まれる記録データの中から、アドレスaに対応する処理対象データ(アドレスaによりアクセス可能な記録データ)を特定し、該処理対象データの先頭に文字列:("User")を付加する生成規則を特定する。また、利用者管理情報20Dの[管理]項目が生成項目の場合、利用者カードCの読み取り情報に含まれる記録データの中から、アドレスbに対応する処理対象データを特定し、該処理対象データの後方に文字列:("@XXX.com")を付加する生成規則を特定する。
【0072】
情報生成部12は、生成規則及び処理対象データの特定を受けて、利用者管理情報保持部20にアクセスする。情報生成部12は、処理対象データに基づき、生成規則に従って、利用者管理情報20Dを生成する。
【0073】
具体的には、利用者管理情報20Dの[利用者識別]項目が生成項目であって、特定された処理対象データが"001"の場合、生成規則に従って、処理対象データの先頭に付加データを連結する文字列操作を行い、"User001"の連結文字列を生成し、[利用者識別]項目の値として設定する。また、利用者管理情報20Dの[管理]項目(メールアドレス)が生成項目であって、特定された処理対象データが"abc"の場合、生成規則に従って、処理対象データの後方に付加データを連結する文字列操作を行い、"abc@XXX.com"の連結文字列を生成し、[管理]項目(メールアドレス)の値として設定する。
【0074】
なお、制御部121は、図8(B)に示す制御情報30Dに基づき、情報生成動作を制御する場合、次のように動作する。
【0075】
制御部121は、利用者管理情報20Dの[利用者識別]項目が生成項目の場合、利用者カードCの読み取り情報に含まれる、アドレスaに対応する処理対象データを特定し、情報生成式:("User%")の'%'文字を該処理対象データに置き換える生成規則を特定する。また、利用者管理情報20Dの[管理]項目が生成項目の場合、利用者カードCの読み取り情報に含まれる、アドレスbに対応する処理対象データを特定し、情報生成式:("%@XXX.com")の'%'文字を該処理対象データに置き換える生成規則を特定する。
【0076】
情報生成部12は、利用者管理情報20Dの[利用者識別]項目が生成項目であって、特定された処理対象データが"001"の場合、生成規則に従って、置換文字を処理対象データに置き換える文字列操作を行い、"User001"の置換文字列を生成し、[利用者識別]項目の値として設定する。また、利用者管理情報20Dの[管理]項目(メールアドレス)が生成項目であって、特定された処理対象データが"abc"の場合、生成規則に従って、置換文字を処理対象データに置き換える文字列操作を行い、"abc@XXX.com"の置換文字列を生成し、[管理]項目(メールアドレス)の値として設定する。
【0077】
このように、本実施形態では、利用者カードCの汎用領域R3に記録された利用者情報に基づき、情報管理方針に応じて設定された(カスタマイズされた)制御情報30Dの制御設定に従って、利用者管理情報20Dが生成される。
【0078】
以上のように、本実施形態に係る情報管理機能は、上記各機能部が連携動作することにより実現される。
【0079】
本実施形態に係る情報管理機能の詳細な動作(機能部群の連携動作)について、処理手順を示すフローチャートを用いて説明する。
【0080】
《情報管理の処理》
図10は、本実施形態に係る情報管理の処理手順例を示すフローチャートである。なお、図10に示す処理手順では、汎用領域R3の領域Aに"C001"及び領域Bに"abc"が設定された、まだ読み取ったことのない利用者カードCが、画像処理装置100にかざされた場合を想定している。
【0081】
図10に示すように、画像処理装置100は、読み取り部11が、利用者カードCから記録データを読み取る(ステップS201)。このとき、読み取り部11は、読み取り時に発生したエラー(読み取りエラー)を検知する。
【0082】
読み取り部11は、読み取りエラーが検知されなければ(ステップS202:NO)、情報生成部12に対し、読み取り情報(記録データ)が渡される。
【0083】
情報生成部12は、制御部121により、制御情報保持部30にアクセスし、制御情報30Dを参照する(ステップS203)。このとき、制御部121は、制御情報30Dの[生成]項目(利用者識別)対応付けて設定された[制御設定]項目の値に基づき、利用者識別情報の生成規則及び処理対象データなどを特定する。
【0084】
具体的に制御部121は、制御情報30Dの[生成]項目(利用者識別)に対応する[対象データ]項目に、アドレスaが設定されている場合、利用者カードCの読み取り情報に含まれる、アドレスaで特定される記録データ:(C001)を処理対象データとして特定する。また、制御部121は、制御情報30Dの[生成]項目(利用者識別)に対応する[生成規則]項目の値に基づき、付加データ:("User")及び位置データ:(先頭)を特定する。
【0085】
情報生成部12は、生成規則及び処理対象データの特定を受けて、処理対象データに基づき、生成規則に従って、利用者管理情報20Dの[利用者識別]項目の値を生成する(ステップS204)。このとき、情報生成部12は、処理対象データに対し、位置データに基づく位置に付加データを連結する文字列操作を行い、連結文字列:("UserC001")を、利用者識別情報として生成する。
【0086】
情報生成部12は、利用者管理情報保持部20にアクセスし、生成した利用者識別情報(連結文字列)をキーに、利用者管理情報20Dを検索する(ステップS205)。
【0087】
情報生成部12は、検索結果から、生成した利用者識別情報が、利用者管理情報20Dの利用者識別情報として登録済みか否かを判定する(ステップS206)。
【0088】
情報生成部12は、生成した利用者識別情報が登録済みでなかった(未登録の)場合(ステップS206:NO)、読み取り情報に基づき、利用者管理情報20Dを生成する(ステップS207)。このとき、情報生成部12は、先に生成した利用者識別情報を、利用者管理情報20Dの[利用者識別]項目の値として設定する。
【0089】
また、情報生成部12は、制御部121により、制御情報30Dの[生成]項目(メールアドレス)対応付けて設定された[制御設定]項目の値に基づき、メールアドレス値の生成規則及び処理対象データなどを特定し、利用者管理情報20Dの[管理]項目の値を生成・設定する。
【0090】
具体的に制御部121は、制御情報30Dの[生成]項目(メールアドレス)に対応する[対象データ]項目に、アドレスbが設定されている場合、利用者カードCの読み取り情報に含まれる、アドレスbで特定される記録データ:(abc)を処理対象データとして特定する。また、制御部121は、制御情報30Dの[生成]項目(メールアドレス)に対応する[生成規則]項目の値に基づき、付加データ:("@XXX.com")及び位置データ:(後方)を特定する。
【0091】
情報生成部12は、処理対象データに対し、位置データに基づく位置に付加データを連結する文字列操作を行い、連結文字列:("abc@XXX.com")を、メールアドレス値として生成し、利用者管理情報20Dの[管理]項目(メールアドレス)の値に、生成したメールアドレス値を設定する。
【0092】
つまり、情報生成部12は、利用者管理情報20Dに、利用者カードCをかいざした利用者に対応する新規データ([利用者識別]及び[管理]の項目値群)を追加する。
【0093】
これにより、画像処理装置100では、情報生成部12により、利用者カードCの読み取り情報から生成した情報:("UserC001","abc@XXX.com")を含む利用者管理情報20Dが生成・登録され、利用者カードCの読み取り情報と該利用者管理情報20Dとが動的に対応づけられる。
【0094】
一方、情報生成部12は、利用者識別情報が登録済みの場合(ステップS206:YES)、既に読み取ったことのある利用者カードCと判断(みなし認証)し、利用許可の処理を行う(ステップS208)。
【0095】
また、読み取り部11は、読み取りエラーを検知すると(ステップS202:YES)、エラーの処理を行う(ステップS209)。
【0096】
図11は、本実施形態に係る利用者管理情報20Dのデータ遷移例を示す図である。図11には、図10に示す処理手順が実行された場合のデータ遷移例が示されている。
【0097】
例えば、画像処理装置100では、利用者カードCがかざされる前の場合、利用者管理情報20Dの各情報項目が、図11(A)に示すように、空の状態(値:NULL)となっている。
【0098】
このとき、利用者カードCがかざされ、画像処理装置100において記録データが読み取られると、情報生成部12による処理(ステップS207の処理)により、利用者管理情報20Dの各情報項目に、図11(B)に示すような値が設定される。具体的には、[利用者識別]項目に"UserC001",[管理]項目(メールアドレス)に"abc@XXX.com"が設定される。
【0099】
つまり、利用者カードCに記録された利用者情報に基づき生成された情報が設定される。このように、画像処理装置100では、利用者カードCが、動的に紐付けられた新規データが利用者管理情報20Dに登録される。
【0100】
<まとめ>
以上のように、本実施形態に係る画像処理装置100によれば、読み取り部11が、利用者カードCを最初に読み取った際に、情報生成部12が、読み取り情報に基づき、所定の規則に従って、利用者管理情報20Dを生成・登録することで、利用者カードCの読み取り情報と利用者管理情報20Dとを動的に対応づける。
【0101】
このとき、情報生成部12は、制御部121により、予め設定しておいた制御情報30Dの生成項目情報及び制御設定情報に基づき、利用者管理情報20Dにおける生成項目、情報生成時の生成規則、及び、読み取り情報内の処理対象データ(汎用領域の記録データ)などを特定する。情報生成部12は、生成規則及び処理対象データの特定を受けて、処理対象データに対し、生成規則に従ったデータ操作(文字列操作)を行い、利用者管理情報20Dの情報項目値を生成する。
【0102】
その結果、画像処理装置100では、次回、同じ利用者カードCを読み取ると、対応づけて登録した利用者管理情報20Dに基づき、利用許可が判断される。
【0103】
これによって、本実施形態に係る画像処理装置100では、第1の実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0104】
また、画像処理装置100は、情報生成部12が、利用者カードCの汎用領域R3に記録された利用者情報に基づき、情報管理方針に応じて設定された(カスタマイズされた)制御情報30Dの制御設定に従って、利用者管理情報20Dを生成する。
【0105】
これによって、本実施形態に係る画像処理装置100では、柔軟な情報管理が可能な環境を提供できる。
【0106】
[第3の実施形態]
第2の実施形態では、情報生成動作を制御するための制御設定に従って、利用者管理情報を生成する点について説明を行ったが、この限りでない。
【0107】
本実施形態では、情報生成動作を制御するための制御設定に従って、利用者カードの読み取り情報を解析し、解析結果に基づき、利用者管理情報を生成する技術を提案する。
【0108】
なお、以降では、第2の実施形態と異なる事項について説明し、同一事項については、同一参照符号を付し、その説明を省略する。
【0109】
<情報管理機能>
図12は、本実施形態に係る情報管理の機能構成例を示す図である。
図7に示した機能構成との違いは、情報生成部12が解析部122を有している点である。解析部122は、利用者カードCの読み取り情報を解析する機能部である。
【0110】
ここで、本実施形態に係る制御情報30Dについて説明する。
図13は、本実施形態に係る制御情報30Dのデータ例を示す図である。
図13に示すように、本実施形態では、制御情報30Dの[生成規則]項目に、読み取り情報を、所定の条件(以下便宜上「解析条件」という)に従って解析した結果(以下単に「解析結果」という)ごとに、処理対象データに適用する生成規則が設定されている。
【0111】
本実施形態では、上記生成規則が、正規表現(regular expression)により設定されている。例えば、利用者管理情報20Dの[利用者識別]項目が生成項目の場合、正規表現:("0[w*]? U%:P%")が設定されている。また、利用者管理情報20Dの[管理]項目(メールアドレス)が生成項目の場合、正規表現:("[¥w¥d._−]? %@XXX.com:none")が設定されている。両設定に共通する正規表現:("A? B:C")の記述は、「条件Aが満たされればデータ操作Bを適用し、条件Aが満たされなければデータ操作Cを適用する」ことを意味している。つまり、条件Aが解析条件にあたり、データ操作B又はCが生成規則にあたり、解析結果(条件を満たしているか否か)に基づき、データ操作が切り替わる。
【0112】
これにより、図13に示す制御情報30Dの[生成規則]項目には、生成項目ごとに、次のような生成規則が設定されていることになる。
【0113】
例えば、利用者管理情報20Dの[利用者識別]項目が生成項目の場合、アドレスaに対応する処理対象データ(読み取り情報からアドレスaで特定される記録データ)の解析結果「データの先頭が'0'か否かの結果」ごとに、'%'文字を処理対象データに置き換え(置換し)、異なる文字列(「先頭が'U'の置換文字列」又は「先頭が'P'の置換文字列」)を生成する生成規則が設定されている。
【0114】
また、利用者管理情報20Dの[管理]項目(メールアドレス)が生成項目の場合、アドレスbに対応する処理対象データ(読み取り情報の中からアドレスbで特定される記録データ)の解析結果「A−Z,a−z,0−9,'.'(ドット),'_'(アンダーバー),'―'(ハイフン)のいずれかで構成されるデータか否かの結果」ごとに、異なる文字列(「後方が"@XXX.com"の置換文字列」又は「"none"」)を生成する生成規則が設定されている。
【0115】
解析部122は、上記制御情報30Dに設定された解析条件に従って、読み取り情報を解析する。
【0116】
図12の説明に戻る。本実施形態では、情報生成部12が、制御部121による情報生成動作の制御及び解析部122による読み取り情報の解析により、次のように利用者管理情報20Dを生成する。
【0117】
例えば、制御部121が、図11に示す制御情報30Dに基づき、情報生成動作を制御する場合、次のように動作する。まず、制御部121は、読み取り部11による利用者カードCの読み取り結果を受けて、制御情報保持部30にアクセスする。制御部121は、制御情報30Dの生成項目情報及び制御設定情報に基づき、利用者管理情報20Dにおける生成項目、情報生成時の解析条件を含む生成規則(正規表現データ)、及び処理対象データなどを特定する。
【0118】
具体的には、利用者管理情報20Dの[利用者識別]項目が生成項目の場合、利用者カードCの読み取り情報に含まれる記録データの中から、アドレスaに対応する処理対象データを特定し、該処理対象データの解析結果「データの先頭が'0'か否かの結果」ごとに、情報生成式:("U%")又は情報生成式:("P%")の'%'文字を処理対象データに置き換え、異なる文字列を生成する生成規則を特定する。また、利用者管理情報20Dの[管理]項目(メールアドレス)が生成項目の場合、利用者カードCの読み取り情報に含まれる記録データの中から、アドレスbに対応する処理対象データを特定し、情報生成式:("%@XXX.com")の'%'文字を処理対象データに置き換える、又は、文字列:("none")を用いて、異なる文字列を生成する生成規則を特定する。
【0119】
また、解析部122は、制御部121が上記生成規則(正規表現データ)及び上記処理対象データを特定した場合、次のように動作する。解析部122は、処理対象データを、該処理対象データに対応する生成規則内の解析条件に従って解析する。
【0120】
具体的には、利用者管理情報20Dの[利用者識別]項目が生成項目の場合、正規表現:("0[w*]"?)により設定された解析条件に従って、アドレスaに対応する処理対象データを解析し、解析結果「データの先頭が'0'か否かの結果」を得る。また、利用者管理情報20Dの[管理]項目(メールアドレス)が生成項目の場合、正規表現:("[¥w¥d._−]"?)により設定された解析条件に従って、処理対象データを解析し、解析結果「A−Z,a−z,0−9,'.'(ドット),'_'(アンダーバー),'―'(ハイフン)のいずれかで構成されるデータか否かの結果」を得る。
【0121】
情報生成部12は、生成規則の特定及び処理対象データの解析結果を受けて、利用者管理情報保持部20にアクセスする。情報生成部12は、解析部122による解析結果に対応する生成規則に従って、利用者管理情報20Dを生成する。
【0122】
具体的には、利用者管理情報20Dの[利用者識別]項目が生成項目であって、特定された処理対象データが"001"の場合、解析結果「データの先頭が'0'」に対応する生成規則に従って、情報生成式:("U%")の'%'文字を処理対象データに置き換える文字列操作を行い、"U001"の置換文字列を生成し、[利用者識別]項目の値として設定する。なお、解析部122で、「データの先頭が'0'」でない解析結果を得た場合、情報生成式:("P%")の'%'文字を処理対象データに置き換える文字列操作を行い、"P001"の置換文字列を生成する。
【0123】
また、利用者管理情報20Dの[管理]項目(メールアドレス)が生成項目であって、特定された処理対象データが"abc"の場合、解析結果「A−Z,a−z,0−9,'.'(ドット),'_'(アンダーバー),'―'(ハイフン)のいずれかで構成されるデータ」に対応する生成規則に従って、'%'文字を処理対象データに置き換える文字列操作を行い、"abc@XXX.com"の置換文字列を生成し、[管理]項目(メールアドレス)の値として設定する。なお、解析部122で、「A−Z,a−z,0−9,'.'(ドット),'_'(アンダーバー),'―'(ハイフン)のいずれかで構成されるデータ」でない解析結果を得た場合、"none"の置換文字列を生成する。
【0124】
さらに、情報生成部12は、解析部122による読み取り情報の解析により、次のように利用者管理情報20Dを生成するようにしてもよい。
【0125】
情報生成部12は、読み取り情報の解析から、利用者カードCをかざした利用者(情報を読み取ったカードの所有者)の種別(以下単に「利用者種別」という)を判断し、利用者種別ごとに予め設定しておいた情報に基づき、利用者管理情報20Dを生成する。
【0126】
本実施形態では、機器搭載機能のアクセス制限に関する情報(以下単に「制限情報」という)を、利用者種別ごとに予め設定しておいた情報の一例とする。
【0127】
図14は、本実施形態に係る制限情報40Dのデータ例を示す図である。
図14に示すように、制限情報40Dは、[利用者種別]及び[制限設定]などの情報項目が、利用者種別単位で対応づけられている。この情報により、利用者に対するアクセス制限設定が管理される。
【0128】
[利用者種別]項目は、利用者種別を示す情報(以下「利用者種別情報」という)が設定される項目であり、項目値には、例えば、正規利用者や非正規利用者(例えば「ゲストユーザ」)を識別する値(識別子)などがある。[制限設定]項目は、アクセス制限を行うための制限設定を示す情報(以下「制限設定情報」という)が設定される項目である。
【0129】
さらに、本実施形態では、[制限設定]項目が、制限対象機能ごとの情報項目を有している。これらの情報項目は、機能のアクセス制限(利用制限)を示す情報(利用制限情報:アクセス制限値)が設定される項目であり、項目値には、例えば、機能の利用制限を示す値(利用許可/利用不許可を示す値)などがある。
【0130】
これら各項目値は、例えば、管理者が所定のツールを介して、予め設定しておけばよい。その設定方法は、制御情報30Dの設定方法と同様である。このようにして設定された制御情報40Dは、制限情報保持部40で保持される。なお、制限情報保持部40は、例えば、画像処理装置100が備える記憶装置の所定の記憶領域にあたる。
【0131】
図12の説明に戻る。本実施形態では、情報生成部12が、利用者カードCをかざした利用者の種別に従って、次のように利用者管理情報20Dを生成する。なお、本実施形態では、解析部122が、アドレスaに対応する処理対象データの解析で「データの先頭が'0'」の解析結果を得た場合、利用者カードCをかざした利用者が正規利用者であると判断する。一方、アドレスaに対応する処理対象データの解析で「データの先頭が'0'」でないの解析結果を得た場合、利用者カードCをかざした利用者が非正規利用者であると判断する。
【0132】
情報生成部12は、利用者種別の判断結果を受けて、制限情報保持部40にアクセスする。情報生成部12は、制限情報40Dの利用者種別情報及び制限設定情報に基づき、判断された利用者種別に対応する各機器搭載機能の制御設定を特定する。情報生成部12は、特定した制限設定の各アクセス制限値(設定値)を、[管理]項目(アクセス制御)の値として設定する。
【0133】
このように、本実施形態では、解析条件を含む生成規則が設定された制御情報30Dの制御設定に従って、利用者カードCの汎用領域R3に記録された利用者情報を解析し、その解析結果に基づき、利用者管理情報20Dが生成される。さらに、本実施形態では、利用者種別ごとに機器搭載機能の利用制限が設定された制限情報40Dの制限設定に従って、利用者種別ごとに利用者管理情報20Dが生成される。
【0134】
以上のように、本実施形態に係る情報管理機能は、上記各機能部が連携動作することにより実現される。
【0135】
本実施形態に係る情報管理機能の詳細な動作(機能部群の連携動作)について、処理手順を示すフローチャートを用いて説明する。
【0136】
《情報管理の処理》
図15は、本実施形態に係る情報管理の処理手順例を示すフォローチャートである。
図15に示すように、画像処理装置100は、読み取り部11が、利用者カードCから記録データを読み取る(ステップS301)。
【0137】
読み取り部11は、読み取りエラーが検知されなければ(ステップS302:NO)、情報生成部12に対し、読み取り情報(記録データ)が渡される。
【0138】
情報生成部12は、制御部121により、制御情報保持部30にアクセスし、制御情報30Dを参照する(ステップS303)。このとき、制御部121は、制御情報30Dの[生成]項目(利用者識別)対応付けて設定された[制御設定]項目の値に基づき、利用者識別情報の生成規則及び処理対象データなどを特定する。
【0139】
具体的に制御部121は、制御情報30Dの[生成]項目(利用者識別)に対応する[対象データ]項目に、アドレスaが設定されている場合、利用者カードCの読み取り情報に含まれる、アドレスaで特定される記録データ:(001)を処理対象データとして特定する。また、制御部121は、制御情報30Dの[生成]項目(利用者識別)に対応する[生成規則]項目の値に基づき、情報生成時の解析条件を含む生成規則(正規表現データ:"0[w*]? U%:P%")を特定する。
【0140】
情報生成部12は、処理対象データに基づき、解析部122による処理対象データの解析結果に対応する生成規則に従って、利用者管理情報20Dの[利用者識別]項目の値を生成する(ステップS304)。このとき、解析部122は、生成規則内の解析条件:("0[w*]?")に従って、処理対象データを解析し、該処理対象データが解析条件を満たしているか否かの解析結果「データの先頭が'0'か否かの結果」を得る。
【0141】
その結果、情報生成部12は、条件を満たす解析結果が得られた場合、情報生成式:("U%")に従って、置換文字を処理対象データに置き換える文字列操作を行い、置換文字列:("U001")を、利用者識別情報として生成する。
【0142】
情報生成部12は、利用者管理情報保持部20にアクセスし、生成した利用者識別情報(連結文字列)をキーに、利用者管理情報20Dを検索する(ステップ305)。
【0143】
情報生成部12は、検索結果から、生成した利用者識別情報が、利用者管理情報20Dの利用者識別情報として登録済みか否かを判定する(ステップS306)。
【0144】
情報生成部12は、生成した利用者識別情報が登録済みでなかった(未登録の)場合(ステップS306:NO)、読み取り情報に基づき、利用者管理情報20Dを生成する(ステップS307)。このとき、情報生成部12は、先に生成した利用者識別情報を、利用者管理情報20Dの[利用者識別]項目の値として設定する。
【0145】
また、情報生成部12は、制御部121により、制御情報30Dの[生成]項目(メールアドレス)対応付けて設定された[制御設定]項目の値に基づき、メールアドレス値の生成規則及び処理対象データなどを特定し、利用者管理情報20Dの[管理]項目の値を生成・設定する。
【0146】
具体的に制御部121は、制御情報30Dの[生成]項目(メールアドレス)に対応する[対象データ]項目に、アドレスbが設定されている場合、利用者カードCの読み取り情報に含まれる、アドレスbで特定される記録データ:(abc)を処理対象データとして特定する。また、制御部121は、制御情報30Dの[生成]項目(メールアドレス)に対応する[生成規則]項目の値に基づき、情報生成時の解析条件を含む生成規則(正規表現データ:"[¥w¥d._−]? %@XXX.com:none")を特定する。
【0147】
情報生成部12は、処理対象データに対し、解析部122による処理対象データの解析結果に対応する生成規則に従って、利用者管理情報20Dの[管理]項目(メールアドレス)の値を生成する。このとき、解析部122は、生成規則内の解析条件:("[¥w¥d._−]?")に従って、処理対象データを解析し、該処理対象データが解析条件を満たしているか否かの解析結果「A−Z,a−z,0−9,'.'(ドット),'_'(アンダーバー),'―'(ハイフン)のいずれかで構成されるデータか否かの結果」を得る。
【0148】
その結果、情報生成部12は、条件を満たす解析結果が得られた場合、情報生成式:("%@XXX.com")に従って、置換文字を処理対象データに置き換える文字列操作を行い、置換文字列:("abc@XXX.com")を、利用者識別情報として生成する。メールアドレス値として生成し、利用者管理情報20Dの[管理]項目(メールアドレス)の値に、生成したメールアドレス値を設定する。
【0149】
つまり、情報生成部12は、利用者管理情報20Dに、利用者カードCをかいざした利用者に対応する新規データ([利用者識別]及び[管理]の項目値群)を追加する。
【0150】
これにより、画像処理装置100では、情報生成部12により、利用者カードCの読み取り情報から生成した情報:("U001","abc@XXX.com")を含む利用者管理情報20Dが生成・登録され、利用者カードCの読み取り情報と該利用者管理情報20Dとが動的に対応づけられる。
【0151】
次に、情報生成部12は、解析部122による、アドレスaに対応する処理対象データの解析(上記S304の処理結果)から、利用者カードCをかざした利用者の利用者種別「正規利用者/非正規利用者」を判定する(ステップS308)。このとき、情報生成部12では、処理対象データの先頭が'0'の場合、利用者種別「正規利用者」と判定する。
【0152】
情報生成部12は、利用者種別「正規利用者」の場合、制限情報保持部40にアクセスし、制限情報40Dを参照する(ステップS309)。
【0153】
情報生成部12は、制限情報40Dに基づき、利用者管理情報20Dを生成する(ステップS310)。このとき、情報生成部12は、制限情報40Dの制限設定情報(利用許可された機能A,B,C)を、利用者管理情報20Dの[管理]項目(アクセス制御)の値として設定する(ステップS310)。
【0154】
一方、情報生成部12は、利用者種別「非正規利用者」の場合、制限情報保持部40にアクセスし、制限情報40Dを参照し(ステップS311)、制限情報40Dの制限設定情報(利用許可された機能A)を、利用者管理情報20Dの[管理]項目(アクセス制御)の値として設定する(ステップS312)。
【0155】
なお、情報生成部12は、利用者識別情報が登録済みの場合(ステップS306:YES)、既に読み取ったことのある利用者カードCと判断(みなし認証)し、利用許可の処理を行う(ステップS313)。
【0156】
また、読み取り部11は、読み取りエラーを検知すると(ステップS302:YES)、エラーの処理を行う(ステップS314)。
【0157】
図16は、本実施形態に係る利用者管理情報20Dのデータ遷移例を示す図である。図16には、図15に示す処理手順が実行された場合のデータ遷移例が示されている。
【0158】
例えば、画像処理装置100では、利用者カードCがかざされる前の場合、利用者管理情報20Dの各情報項目が、図16(A)に示すように、空の状態(値:NULL)となっている。
【0159】
このとき、正規利用者により利用者カードCがかざされ、画像処理装置100において記録データが読み取られると、情報生成部12による処理(ステップS307,S310の処理)により、利用者管理情報20Dの各情報項目に、図11(B)に示すような値が設定される。具体的には、[利用者識別]項目に"U001",[管理]項目(メールアドレス)に"abc@XXX.com",[管理]項目(アクセス制限)に"機能A,B,C"(利用許可機能リスト)が設定される。
【0160】
また、正規利用者により利用者カードCがかざされ、画像処理装置100において記録データが読み取られると、情報生成部12による処理(ステップS307,S312の処理)により、利用者管理情報20Dの各情報項目に、図11(C)に示すような値が設定される。具体的には、[利用者識別]項目に"P1101",[管理]項目(メールアドレス)に"none",[管理]項目(アクセス制限)に"機能A"(利用許可機能リスト)が設定される。
【0161】
つまり、利用者カードCに記録された利用者情報に基づき、解析結果により切り替えられた生成規則に従って生成された情報が設定される。このように、画像処理装置100では、利用者カードCが、動的に紐付けられた新規データが利用者管理情報20Dに登録される。
【0162】
<まとめ>
以上のように、本実施形態に係る画像処理装置100によれば、読み取り部11が、利用者カードCを最初に読み取った際に、情報生成部12が、読み取り情報に基づき、所定の規則に従って、利用者管理情報20Dを生成・登録することで、利用者カードCの読み取り情報と利用者管理情報20Dとを動的に対応づける。
【0163】
このとき、情報生成部12は、制御部121により、予め設定しておいた制御情報30Dの生成項目情報及び制御設定情報に基づき、利用者管理情報20Dにおける生成項目、情報生成時の解析条件を含む生成規則(正規表現データ)、及び、読み取り情報内の処理対象データ(汎用領域の記録データ)などを特定する。情報生成部12は、生成規則及び処理対象データの特定を受けて、解析部122により、解析条件に従って、処理対象データの解析を行う。情報生成部12は、解析結果を受けて、処理対象データに対し、解析結果に対応する生成規則に従ったデータ操作(文字列操作)を行い、利用者管理情報20Dの情報項目値を生成する。
【0164】
その結果、画像処理装置100では、次回、同じ利用者カードCを読み取ると、対応づけて登録した利用者管理情報20Dに基づき、利用許可が判断される。
【0165】
これによって、本実施形態に係る画像処理装置100では、第1の実施形態と同様の効果を奏することができる。さらに、読み取り情報の解析結果に応じて、情報生成時に適用する生成規則を切り替えられ、同一の生成項目であっても、異なる値の利用者管理情報20Dを生成することができる。
【0166】
また、画像処理装置100は、情報生成部12が、解析部122の解析結果に基づき、利用者識別を判断し、利用者種別ごとに機器搭載機能の利用制限が設定された(カスタマイズされた)制限情報40Dの制限設定を、情報項目の値をして設定し、利用者管理情報20Dを生成する。
【0167】
これによって、本実施形態に係る画像処理装置100では、柔軟な情報管理が可能な環境を提供できる。さらに、読み取り情報の解析結果から判断された利用者種別に応じて、同一の生成項目であっても、異なる値の利用者管理情報20Dを生成することができる。
【0168】
ここまで、上記実施形態の説明を行ってきたが、上記実施形態に係る「情報管理機能」は、図を用いて説明を行った各処理手順を、動作環境(プラットフォーム)にあったプログラミング言語でコード化したプログラムが、画像処理装置100の演算装置(CPU)により実行されることで実現される。
【0169】
上記プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体104aに格納することができる。これにより、例えば、上記プログラムは、ドライブ装置104を介して、画像処理装置100にインストールすることができる。また、画像処理装置100は、装置107を備えていることから、電気通信回線を用いて上記プログラムをダウンロードし、インストールすることもできる。
【0170】
また、上記実施形態では、情報管理機能を有する画像処理装置100を例に説明を行ったが、この限りでない。上記実施形態に係る情報管理機能は、電子記録カードの読み取り動作により機能利用の提供を開始する電子機器(情報処理装置)であれば適用可能である。
【0171】
[変形例]
上記実施形態では、画像処理装置100単体が、情報管理機能を有する構成について説明を行ったが、この限りでない。例えば、図17に示すように、複数の機器が連携することで、情報管理機能を実現するシステム1であってもよい。
【0172】
図17は、本実施形態の変形例に係る利用者管理システム1のシステム構成例を示す図である。
図17には、管理サーバ200と複数の画像処理装置1001〜100nとが、例えば、LANなどの所定のデータ伝送路Nで接続されるシステム構成例が示されている。
【0173】
管理サーバ200は、情報管理機能を有する機器である。管理サーバ200は、例えば、PC(Personal Computer)などの情報処理装置であり、利用者管理情報20Dの生成処理や利用許可の通知処理などを行う。
【0174】
このような利用者管理システム1では、例えば、図18に示すような機能構成により情報管理機能を実現する。
【0175】
図18は、本変形例に係る情報管理の機能構成例を示す図である。
図18に示すように、本変形例に係る情報管理機能では、管理サーバ200が情報生成部12及び利用者管理情報保持部20を有しており、画像処理装置100が有する読み取り部11と連携動作する。具体的には、次の通りである。
【0176】
画像処理装置100は、管理サーバ200に対し、読み取り部11の読み取り情報を送信する。なお、画像処理装置100には、管理サーバ200のネットワーク識別情報(例えば「IPアドレス:Internet Protocol address」)が、予め設定されているものとする。
【0177】
管理サーバ200は、画像処理装置100からの受信データ(読み取り情報)に基づき、利用者管理情報20Dを生成し、利用者管理情報保持部20に登録する。その後、管理サーバ200は、画像処理装置100に対し、利用許可を通知する。
【0178】
なお、管理サーバ200は、受信データに基づき生成された情報が、利用者管理情報保持部20に登録済みの場合、利用者管理情報20Dの生成を行わず、画像処理装置100に対し、利用許可のみを通知する。
【0179】
このように、本変形例に係る利用者管理システム1では、管理サーバ200と画像処理装置100とが有する各機能部の連携動作により、情報管理機能を実現できる。
【0180】
最後に、上記実施形態に挙げた形状や構成に、その他の要素との組み合わせなど、ここで示した要件に、本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0181】
11 読み取り部
12 情報生成部
121 制御部
122 解析部
20 利用者管理情報保持部(D:利用者管理情報)
30 制御情報保持部(D:制御情報)
40 制限情報保持部(D:制限情報)
100 画像処理装置(情報処理装置
110 コントローラ(制御基板)
111 CPU(演算装置)
112 記憶装置(揮発性・不揮発性の半導体メモリ、大容量記憶装置など)
113 ネットワークI/F(NIC:Network I/F Card)
114 外部装置I/F(a:記録媒体,b:読み取り装置)
120 操作パネル(表示装置)
130 プロッタ
140 スキャナ
200 利用者管理サーバ(情報処理装置)
B バス
C 電子記録カード(利用者カード)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0182】
【特許文献1】特開2007−128323号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子記録カードを読み取る読み取り装置を備える情報処理装置であって、
前記読み取り装置を介して、前記電子記録カードを読み取り、読み取り情報を取得する読み取り手段と、
前記読み取り手段により取得された読み取り情報に基づき、前記電子記録カードを所有する利用者の利用者管理情報を生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された利用者管理情報を、所定の記憶領域に保持する保持手段と、を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記生成手段は、
前記読み取り情報に基づき、所定の生成規則に従って、利用者を識別する利用者識別情報と該利用者を管理するための管理情報とが利用者ごとに対応づけられた前記利用者管理情報を生成することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記生成手段は、
予め設定された生成規則に従って、前記利用者識別情報に、前記読み取り情報に含まれる前記電子記録カードを識別するカード識別情報を設定し、前記利用者管理情報を生成することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記読み取り情報に基づき生成される前記利用者管理情報の情報項目を示す生成項目情報と情報生成時の生成規則及び処理対象データにあたる前記読み取り情報へのアクセス先を含む制御設定情報とが生成情報ごとに対応づけられた制御情報に基づき、前記生成手段による情報生成動作を制御する制御手段を有し、
前記制御手段は、
前記生成項目情報に基づき、前記生成項目を特定し、前記制御設定情報に基づき、前記生成規則及び前記処理対象データを特定し、
前記生成手段は、
前記制御手段により特定された生成項目ごとに、該生成項目に対応する前記処理対象データに対し、前記生成規則に従ったデータ操作を行い、操作後のデータを生成項目の項目値として設定し、前記利用者管理情報を生成することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記生成手段は、
前記制御手段により、前記処理対象データへの付加文字列と付加位置に基づく生成規則が特定された場合、前記処理対象データにおける前記付加位置に前記付加文字列を連結する文字列操作を行い、連結した文字列を生成項目の項目値として設定し、前記利用者管理情報を生成することを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記生成手段は、
前記制御手段により、置換文字を含む文字列により示される所定の情報生成式に基づく生成規則が特定された場合、前記情報生成式の前記置換文字を前記処理対象データに置き換える文字列操作を行い、置換した文字列を生成項目の項目値として設定し、前記利用者管理情報を生成することを特徴とする請求項4又は5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記処理対象データを解析する解析手段を有し、
前記解析手段は、
前記制御手段により、所定の解析条件に従った前記処理対象データの解析結果に基づく生成規則が特定された場合、前記解析条件に従って、前記処理対象データを解析し、
前記生成手段は、
前記制御手段により特定された生成項目ごとに、該生成項目に対応する前記処理対象データに対し、前記解析手段による解析結果に対応する生成規則に従ったデータ操作を行い、操作後のデータを生成項目の項目値として設定し、前記利用者管理情報を生成することを特徴とする請求項4ないし6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記生成手段は、
前記解析手段による解析結果に基づき判定した前記電子記録カードを所有する利用者の利用者種別に応じて、異なる情報項目値を設定した前記利用者管理情報を生成することを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
電子記録カードを読み取る読み取り装置を備える情報処理装置における情報管理方法であって、
前記読み取り装置を介して、前記電子記録カードを読み取り、読み取り情報を取得する読み取り手順と、
前記読み取り手順により取得された読み取り情報に基づき、前記電子記録カードを所有する利用者の利用者管理情報を生成する生成手順と、を有し、
前記生成手順により生成された利用者管理情報を、所定の記憶領域に保持することを特徴とする情報管理方法。
【請求項10】
電子記録カードを読み取る読み取り装置を備える情報処理装置における情報管理プログラムであって、
コンピュータを、
前記読み取り装置を介して、前記電子記録カードを読み取り、読み取り情報を取得する読み取り手段と、
前記読み取り手段により取得された読み取り情報に基づき、前記電子記録カードを所有する利用者の利用者管理情報を生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された利用者管理情報を、所定の記憶領域に保持する保持手段として機能させる情報管理プログラム。
【請求項1】
電子記録カードを読み取る読み取り装置を備える情報処理装置であって、
前記読み取り装置を介して、前記電子記録カードを読み取り、読み取り情報を取得する読み取り手段と、
前記読み取り手段により取得された読み取り情報に基づき、前記電子記録カードを所有する利用者の利用者管理情報を生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された利用者管理情報を、所定の記憶領域に保持する保持手段と、を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記生成手段は、
前記読み取り情報に基づき、所定の生成規則に従って、利用者を識別する利用者識別情報と該利用者を管理するための管理情報とが利用者ごとに対応づけられた前記利用者管理情報を生成することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記生成手段は、
予め設定された生成規則に従って、前記利用者識別情報に、前記読み取り情報に含まれる前記電子記録カードを識別するカード識別情報を設定し、前記利用者管理情報を生成することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記読み取り情報に基づき生成される前記利用者管理情報の情報項目を示す生成項目情報と情報生成時の生成規則及び処理対象データにあたる前記読み取り情報へのアクセス先を含む制御設定情報とが生成情報ごとに対応づけられた制御情報に基づき、前記生成手段による情報生成動作を制御する制御手段を有し、
前記制御手段は、
前記生成項目情報に基づき、前記生成項目を特定し、前記制御設定情報に基づき、前記生成規則及び前記処理対象データを特定し、
前記生成手段は、
前記制御手段により特定された生成項目ごとに、該生成項目に対応する前記処理対象データに対し、前記生成規則に従ったデータ操作を行い、操作後のデータを生成項目の項目値として設定し、前記利用者管理情報を生成することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記生成手段は、
前記制御手段により、前記処理対象データへの付加文字列と付加位置に基づく生成規則が特定された場合、前記処理対象データにおける前記付加位置に前記付加文字列を連結する文字列操作を行い、連結した文字列を生成項目の項目値として設定し、前記利用者管理情報を生成することを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記生成手段は、
前記制御手段により、置換文字を含む文字列により示される所定の情報生成式に基づく生成規則が特定された場合、前記情報生成式の前記置換文字を前記処理対象データに置き換える文字列操作を行い、置換した文字列を生成項目の項目値として設定し、前記利用者管理情報を生成することを特徴とする請求項4又は5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記処理対象データを解析する解析手段を有し、
前記解析手段は、
前記制御手段により、所定の解析条件に従った前記処理対象データの解析結果に基づく生成規則が特定された場合、前記解析条件に従って、前記処理対象データを解析し、
前記生成手段は、
前記制御手段により特定された生成項目ごとに、該生成項目に対応する前記処理対象データに対し、前記解析手段による解析結果に対応する生成規則に従ったデータ操作を行い、操作後のデータを生成項目の項目値として設定し、前記利用者管理情報を生成することを特徴とする請求項4ないし6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記生成手段は、
前記解析手段による解析結果に基づき判定した前記電子記録カードを所有する利用者の利用者種別に応じて、異なる情報項目値を設定した前記利用者管理情報を生成することを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
電子記録カードを読み取る読み取り装置を備える情報処理装置における情報管理方法であって、
前記読み取り装置を介して、前記電子記録カードを読み取り、読み取り情報を取得する読み取り手順と、
前記読み取り手順により取得された読み取り情報に基づき、前記電子記録カードを所有する利用者の利用者管理情報を生成する生成手順と、を有し、
前記生成手順により生成された利用者管理情報を、所定の記憶領域に保持することを特徴とする情報管理方法。
【請求項10】
電子記録カードを読み取る読み取り装置を備える情報処理装置における情報管理プログラムであって、
コンピュータを、
前記読み取り装置を介して、前記電子記録カードを読み取り、読み取り情報を取得する読み取り手段と、
前記読み取り手段により取得された読み取り情報に基づき、前記電子記録カードを所有する利用者の利用者管理情報を生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された利用者管理情報を、所定の記憶領域に保持する保持手段として機能させる情報管理プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
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【図11】
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【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2012−248006(P2012−248006A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−119341(P2011−119341)
【出願日】平成23年5月27日(2011.5.27)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月27日(2011.5.27)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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