説明

情報処理装置、文書管理システム、処理方法及びプログラム

【課題】最適なサムネイルに変更することで文書の特定を容易にする情報処理装置等を提供する。
【解決手段】文書の編集または閲覧が終了した際に、編集情報をもとに文書テーブル901とページテーブル1001を更新する。その後、ユーザが決定したサムネイルの優先条件をもとに、ページテーブル1001の各ページの重要度を算出し、重要度の最も高いページのサムネイルを当該文書のサムネイル画像として変更する。例えば、優先条件を編集時間だけに設定した場合、編集時間が長いページから順に最も大きな数値をページテーブル1001の重要度1019にセットする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数ページの文書データと該文書データのページに対応するサムネイルを表示可能な情報処理装置、サムネイルを管理する文書管理サーバと情報処理装置とで構成される文書管理システム、処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像や文書のページなどを表示する際には、視認性を高めるために縮小させた代表画像としてサムネイルが使われる。PC(パーソナルコンピュータ)内のフォルダや文書管理ソフトに保存されている文書についてファイル名などで内容が判断しづらい場合でも、サムネイルを見れば画像や文書の全体イメージを容易に掴むことができる。OS(オペレーティングシステム)や多くの画像編集ソフトにもサムネイル作成機能があり、ファイルの表示形式として、リスト表示とサムネイル表示を持っていることが多い。サムネイル画像は代表画像として1ファイルにつき1ページのみが抽出されるが、その文書の1ページ目の画像を縮小したものをサムネイル画像とすることが多い。サムネイルはユーザが文書データを識別するために表示されるため、文書データの特徴を表した画像であることが好ましい。
【0003】
しかしながら、複数ページが存在する文書の特徴的なページが1ページ目では無い場合、文書のサムネイルを閲覧した際にその1ページ目のサムネイル画像を見ただけでは文書の概要が掴めず、別のページのサムネイル画像を見るか、実画像を見なければ目的の文書を特定できないという問題が生じる。
【0004】
このような問題を解決するために、特許文献1には、画像データを識別可能とするサムネイルを生成するシステムが開示されている。特に、画像サイズ、データ量、他のページとの類似度をページごとの特性として特徴量を算出し、サムネイル画像を決定するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−78942
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載のシステムにおいては、画像データから図形または写真の表された候補画像を抽出している。複数の候補画像が抽出された場合は、以下の属性に基づいて代表画像を選択する。属性は、画像サイズ、データ量、類似する他の候補画像と数、類似する他のデータのサムネイル数である。
しかしながら、例えば、発注などを行う業務では、受注した伝票を確認しながら間違いがないか確認し、修正が必要な場合には、文書管理ソフトを用いてアノテーション(注釈)などでコメントを付加して、受注先にFAX(ファクシミリ装置)送信を行っている。
【0007】
この場合、実際に作業上注目するページと特許文献1の技術を用いたページとは一致しないことが考えられ、特許文献1の技術を用いて作成されたサムネイル画像が作業上注目するページのサムネイル画像ではないため、文書を特定することが容易でない場合が存在していた。
【0008】
そこで、本発明の目的は、最適なサムネイルに変更することで文書の特定を容易にする仕組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述した目的を達成するために、第1の発明は、複数ページの文書データと該文書データのページに対応するサムネイルを表示可能な情報処理装置であって、前記文書データのサムネイルを表示する表示手段と、前記文書データを表示または編集するために前記文書データを出力する出力手段と、表示するサムネイルを決定するためのサムネイル決定条件に従って、前記出力手段で出力した前記文書データの表示するサムネイルを変更する変更手段と、を備えることを特徴とする情報処理装置である。第1の発明に係る情報処理装置を使用することによって、実際に作業上注目するページのサムネイルを最適なサムネイルとして変更することが可能である。
【0010】
前記第1の発明は、前記サムネイル決定条件に従って前記文書データのサムネイルを表示するページを特定する特定手段と、を更に備え、前記変更手段は特定されたページのサムネイルに変更するものが望ましい。これにより、複数ページある文書データの中から最適なページをサムネイルに決定することができる。
【0011】
また、前記第1の発明は、前記サムネイル決定条件に従ってユーザの操作に応じた前記文書データのページごとの操作値を更新する更新手段と、を更に備え、前記特定手段は、前記操作値が最大のページをサムネイル表示するページとして特定するものが望ましい。これにより、客観的な数値をもとにサムネイルを決定することが可能である。
【0012】
また、前記第1の発明は、前記文書データを表示するウインドウがアクティブか否かを判定するアクティブ判定手段と、を更に備え、前記更新手段は、前記アクティブ判定手段でウインドウがアクティブである場合に更新するものが望ましい。これにより、実際のユーザの操作に応じた操作値を取得することが可能となる。
【0013】
また、前記第1の発明は、前記文書データがワークフロー登録されているか否かを判定する判定手段と、を更に備え、前記特定手段は、前記文書データがワークフロー登録されている場合、ワークフロー中の複数のユーザの操作値の累計をもとにページを特定するものが望ましい。ワークフロー中の複数のユーザの操作値の累計を基にサムネイルを変更することで、ワークフローの上流の作業者が注目したページをサムネイルとして表示することができる。
【0014】
また、前記特定手段は、前記文書データがワークフロー登録されていない場合、当該文書データを操作しているユーザの操作値に従いページを特定するものが望ましい。
【0015】
また、前記サムネイル決定条件は、前記文書データを表示したページの閲覧時間、前記文書データを編集したページの編集時間、もしくは前記文書データのページのアノテーション数の少なくとも一つを含む条件であるものが望ましい。これにより、より多く作業を行ったページをサムネイルとすることが可能となる。
【0016】
また、前記第1の発明は、前記文書データと前記サムネイルを管理する文書管理サーバとは別の筐体で構成されるものであっても良い。
【0017】
第2の発明は、複数ページの文書データと該文書データのページに対応するサムネイルを管理する文書管理サーバと、前記文書管理サーバとネットワークを介して接続され、前記文書データと前記サムネイルを表示可能な情報処理装置とで構成される文書管理システムであって、前記情報処理装置は、前記文書管理サーバから受信したサムネイルを表示する表示手段と、前記文書管理サーバから受信した文書データを表示または編集するために前記文書データを出力する出力手段と、前記文書管理サーバで決定された表示するサムネイルに従って、前記出力手段で出力した前記文書データのサムネイルを変更する変更手段と、を備え、前記文書管理サーバは、表示するサムネイルを決定するためのサムネイル決定条件に従って、前記出力手段で出力した前記文書データの表示するサムネイルを決定する決定手段と、を備えることを特徴とする文書管理システムである。第2の発明に係る文書管理システムを使用することによって、実際に作業上注目するページのサムネイルを最適なサムネイルに変更することが可能である。
【0018】
第3の発明は、複数ページの文書データと該文書データのページに対応するサムネイルを表示可能な情報処理装置の処理方法であって、前記文書データのサムネイルを表示するステップと、前記文書データを表示または編集するために前記文書データを出力するステップと、表示するサムネイルを決定するためのサムネイル決定条件に従って、前記出力手段で出力した前記文書データの表示するサムネイルを変更するステップと、を備えることを特徴とする情報処理装置の処理方法である。第3の発明に係る情報処理装置の処理方法を使用することによって、実際に作業上注目するページのサムネイルを最適なサムネイルに変更することが可能である。
【0019】
第4の発明は、複数ページの文書データと該文書データのページに対応するサムネイルを管理する文書管理サーバと、前記文書管理サーバとネットワークを介して接続され、前記文書データと前記サムネイルを表示可能な情報処理装置とで構成される文書管理システムの処理方法であって、前記情報処理装置が、前記文書管理サーバから受信したサムネイルを表示するステップと、前記情報処理装置が、前記文書管理サーバから受信した文書データを表示または編集するために前記文書データを出力するステップと、前記情報処理装置が、前記文書管理サーバで決定された表示するサムネイルに従って、前記出力手段で出力した前記文書データのサムネイルを変更するステップと、前記文書管理サーバが、表示するサムネイルを決定するためのサムネイル決定条件に従って、前記出力するステップで出力した前記文書データの表示するサムネイルを決定するステップと、を備えることを特徴とする文書管理システムの処理方法である。第4の発明に係る文書管理システムの処理方法を使用することによって、実際に作業上注目するページのサムネイルを最適なサムネイルに変更することが可能である。
【0020】
第5の発明は、複数ページの文書データと該文書データのページに対応するサムネイルを表示可能な情報処理装置として機能させるためのプログラムであって、前記文書データのサムネイルを表示する表示手段と、前記文書データを表示または編集するために前記文書データを出力する出力手段と、表示するサムネイルを決定するためのサムネイル決定条件に従って、記出力手段で出力した前記文書データの表示するサムネイルを変更する変更手段として機能させることを特徴とするプログラムである。第5の発明に係るプログラムを使用することによって、実際に作業上注目するページのサムネイルを最適なサムネイルに変更することが可能である。
【0021】
第6の発明は、複数ページの文書データと該文書データのページに対応するサムネイルを管理する文書管理サーバと、前記文書管理サーバとネットワークを介して接続され、前記文書データと前記サムネイルを表示可能な情報処理装置とで構成される文書管理システムとして機能させるためのプログラムであって、前記情報処理装置を、前記文書管理サーバから受信したサムネイルを表示する表示手段と、前記文書管理サーバから受信した文書データを表示または編集するために前記文書データを出力する出力手段と、前記文書管理サーバで決定された表示するサムネイルに従って、前記出力手段で出力した前記文書データのサムネイルを変更する変更手段と、して機能させ、前記文書管理サーバを、表示するサムネイルを決定するためのサムネイル決定条件に従って、前記出力手段で出力した前記文書データの表示するサムネイルを決定する決定手段として機能させることを特徴とするプログラムである。第6の発明に係るプログラムを使用することによって、実際に作業上注目するページのサムネイルを最適なサムネイルに変更することが可能である。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、最適なサムネイルに変更することで文書の特定することが容易になる。例えば、文書の最も特徴的なページを自動でサムネイルとすることができるので、使用者がサムネイルの変更や文書を開く操作をすること無く目的の文書を特定でき、文書の特定が容易となり、作業効率向上に繋がる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態の文書管理システムの構成を示す図
【図2】本発明の実施形態の各種端末のハードウエア構成を示す図
【図3】本発明の実施形態の文書管理システムのユーザインタフェースのメインウィンドウの概略構成を示す図
【図4】本発明の実施形態のメインウィンドウから開かれる編集用ビューワの概略構成を示す図
【図5】本発明の実施形態のメインウィンドウにおいて、表示されるポップアップメニュー501を示す図
【図6】本発明の実施形態のメインウィンドウから開かれる読取専用ビューワの概略構成を示す図
【図7】本発明の実施形態のアプリケーションビューワの一例を示す図
【図8】本発明の実施形態のサムネイル決定条件を指定する設定画面の一例を示す図
【図9】本発明の実施形態の文書テーブル901とページテーブル1001の一例を示す図
【図10】本発明の実施形態の文書管理システムで文書を登録する際の基本的な処理フローチャート
【図11】本発明の実施形態の文書管理システムに保存された文書をクライアント端末101から閲覧する際のフローチャート
【図12】本発明の実施形態における文書を編集モードで開く場合の処理フローチャート
【図13】本発明の実施形態における文書を読取モードで開く場合の処理フローチャート
【図14】文書を編集モードで開いた場合の重要度の算出処理フローチャート
【図15】文書を読取モードで開いた場合の重要度の算出処理フローチャート
【図16】変更後の文書テーブル901とページテーブル1001の一例を示す図
【図17】クライアント端末101とサーバ端末102のソフトウエア構成図
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下図面に基づいて、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0025】
図1は本発明の実施形態に係る情報処理装置としての文書管理システムの構成を示す図である。
尚、図1のネットワーク104上に接続される各種端末の構成は一例であり、用途や目的に応じて様々な構成例があることは言うまでもない。
【0026】
図1において、サーバ端末102とクライアント端末(情報処理装置)101とFAX105がLAN(ローカルエリアネットワーク)104のネットワークを介して通信可能に接続されている。サーバ端末102は、FAX105やスキャナ(不図示)やクライアント端末101から取得した文書(画像)データ及び文書データをクライアント端末101上でサムネイル表示させるサムネイル画像を登録したデータベース(記憶部)103と接続している。尚、登録した文書データ(登録文書)やサムネイル画像は別サーバ内の記憶部に登録されていても良い。
【0027】
クライアント端末101は、登録文書やサムネイル画像を表示させ、サーバ端末102はクライアント端末101からの要求に従って、クライアント端末101に登録文書やサムネイル画像の送信、文書の更新やサムネイルの更新などの各種処理を実行する。また、サーバ端末102やデータベース103には登録文書やサムネイル画像を管理するための管理情報を保持している。
尚、クライアント端末101は複数あるように構成してもよい。
【0028】
FAX105は電話回線を介して外部ネットワークのFAX(例えば取引先のFAX)と通信可能となるように接続され、受信したFAX画像をサーバ端末102へ送信することで、文書データが登録される。また、サーバ端末102で保存されている画像をクライアント端末101で編集し、クライアント端末101にインストールされているFAXドライバからLAN104のネットワークを介して電話回線で、外部ネットワークのFAXと通信することが可能である。
【0029】
図2は、図1におけるクライアント端末101とサーバ端末102のハードウエア構成を概略的に示すブロック図である。
【0030】
ハードウエア構成200は、クライアント端末101のハードウエア構成の概略図である。CPU(Central Prosessing Unit)201は、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。また、ROM(Read Only Memory)202あるいは外部メモリ211には、CPU201の制御プログラムであるBIOS(Basic Input/Output System)やOS(オペレーティングシステムプログラム)や、サーバの実行する機能を実現するために必要な図17に示す各種プログラム等が記憶されている。RAM(Random Access Memory)203は、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。
【0031】
CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をRAM203にロードして、プログラムを実行することで各種動作を実現するものである。 また、入力コントローラ(入力C)205は、キーボード209や不図示のマウス等のポインティングデバイスからの入力を制御する。ビデオコントローラ(VC)206は、CRT(Cathode Ray Tube)210等の表示器への表示を制御する。表示器はCRTだけでなく、液晶ディスプレイでも構わない。
【0032】
メモリコントローラ(MC)207は、ブートプログラム、ブラウザソフトウエア、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、各種データ等を記憶するハードディスク(HD)やフロッピー(登録商標)ディスク(FD)或いはPCMCIA(Personal Computer Memory Card International Association)カードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ等の外部メモリ211へのアクセスを制御する。
【0033】
通信I/Fコントローラ(通信I/FC)208は、ネットワークを介して外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)を用いたインターネット通信等が可能である。尚、CPU201は、例えばRAM203内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、CRT210上での表示を可能としている。また、CPU201は、CRT210上の不図示のマウスカーソル等でのユーザ指示を可能とする。
【0034】
本発明を実現するための文書管理アプリケーション及び関連プログラムで利用されるデータはサーバ端末102に記録されており、必要に応じてクライアントアプリ経由でRAM203にロードされることによりCPU201によって実行されるものである。
【0035】
ハードウエア構成220は、サーバ端末102のハードウエア構成の概略図である。ハードウエア構成220は、クライアント端末101のハードウエア構成200と同じである。CPU221は、システムバス224に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。また、ROM222あるいは外部メモリ231には、CPU221の制御プログラムであるBIOSやOSや、クライアントの実行する機能を実現するために必要な図17に示す各種プログラム等が記憶されている。RAM223は、CPU221の主メモリ、ワークエリア等として機能する。
【0036】
CPU221は、処理の実行に際して必要なプログラム等をRAM223にロードして、プログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
【0037】
また、入力コントローラ(入力C)225は、キーボード229や不図示のマウス等のポインティングデバイスからの入力を制御する。ビデオコントローラ(VC)226は、CRTディスプレイ(CRT)230等の表示器への表示を制御する。表示器はCRTだけでなく、液晶ディスプレイでも構わない。これらは必要に応じて管理者が使用するものである。本発明には直接関係があるものではない。
【0038】
メモリコントローラ(MC)227は、ブートプログラム、ブラウザソフトウエア、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、各種データ等を記憶するハードディスク(HD)やフロッピー(登録商標)ディスク(FD)或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ等の外部メモリ231へのアクセスを制御する。
【0039】
通信I/Fコントローラ(通信I/FC)228は、ネットワークを介して外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いたインターネット通信等が可能である。 尚、CPU221は、例えばRAM223内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、CRT230上での表示を可能としている。また、CPU221は、CRT230上の不図示のマウスカーソル等でのユーザ指示を可能とする。
【0040】
本発明を実現するための文書管理アプリケーション及び文書管理アプリケーションで利用されるデータは外部メモリ231に記録されており、必要に応じてRAM223にロードされることによりCPU221によって実行されるものである。
尚、外部メモリ231はデータベース103を含んでも良い。
【0041】
図17は、クライアント端末101とサーバ端末102のソフトウエア構成図である。
サーバ端末102には、文書管理サーバアプリ2001と文書管理のデータを保存しているデータベース103がインストールされている。サムネイル決定条件設定機能を実行するサムネイル決定条件設定モジュール2009、サムネイルの変更処理を実行するサムネイル変更モジュール2002もインストールされる。また、ワークフローアプリ2004は、文書管理サーバ内の文書がワークフロー実行中の場合に、ワークフローアプリ2004から文書管理サーバアプリ2001にワークフロー実行中を示す情報を送信する。サーバ端末102のアプリは、図2のサーバ端末102上に存在するハードウエア装置CPU221、RAM223、ROM222などを使用して稼働する。
【0042】
クライアント端末101には、文書管理クライアントアプリ2008がインストールされており、図11の文書表示フローでの操作の起点となる。イメージビューワ2007とPDFビューワ2006は、文書管理クライアントアプリ2008でイメージ文書やPDF(Portable Document Format)文書を編集、閲覧する際にそれぞれ起動されるビューワであり、図12と図13のフローで起動するアプリケーションである。他アプリケーションビューワ2010は他のアプリケーション文書の編集、閲覧時に起動するビューワで、各アプリケーションメーカーが提供する。他アプリケーションビューワ2010にはアドインソフト2005がアドインされており、ビューワの拡張機能として提供される。
【0043】
クライアント端末101の各アプリは、クライアント端末101上のハードウエア装置CPU201、RAM203、ROM202などを使用して稼働する。
【0044】
図3は、文書管理アプリケーションのユーザインタフェースの概略構成図である。 文書管理アプリケーションは、主として、メインウィンドウ301から構成される。メインウィンドウ301は、データベース103に格納されたファイルを扱うためのウインドウである。
【0045】
レポジトリ表示領域304は、文書管理アプリケーションで利用されるデータベース103内のキャビネット構成やフォルダ構成を表示するツリービューであり、文書表示領域305は、レポジトリ表示領域304で選択した領域の文書を、サムネイルモードやリストモードで表示する領域である。
キャビネットとは、文書管理の独立した単位で、ユーザが作成したフォルダをひとまとめにする保管単位であり、キャビネット毎にデータベースを管理する。
【0046】
クライアント端末101で使用者がレポジトリ表示領域304や文書表示領域305に文書やイメージの各種ファイルを追加したり削除したり(即ち、編集)することにより文書管理アプリケーションで利用されるデータベース103の編集が可能である。またこのとき、フォルダ内の各種ファイルの追加・変更(即ち、編集)も可能であり、さらにキャビネットやフォルダの追加や削除(即ち、編集)もできる。
【0047】
図3では、キャビネット「I−Fol1」内に3つの文書A,B,Cが格納されている例をサムネイル形式で示している。 文書Aはアプリケーション文書である。アプリケーションデータから入手した1ページ目のサムネイル画像の右下に、当該アプリケーションアイコンが表示されており、この例では、「Z」というアイコンが表示されている。文書Bと文書Cは、イメージ文書である。サムネイルの下の矢印は、頁めくりをあらわしており、矢印を変更すると、該当するページのサムネイルが表示できる。
【0048】
キャビネットボタン302はキャビネットを示すボタンであり、フォルダボタン303はフォルダを示すボタンである。表示ボタン306は、文書表示領域305に表示するフォルダや文書オブジェクトをサムネイル形式で表示するか、リスト(一覧)形式で表示するかを選択するボタンである。
【0049】
図4は、イメージ文書またはPDF文書を編集する際に利用する編集用ビューワを示す。文書を編集モードで開く場合は、図5に示すように、使用者は文書表示領域305において編集したい文書オブジェクトを選択し右クリックすることによってポップアップメニューを表示する。このポップアップメニューで「編集モードで開く」を選択すると、編集用ビューワが表示される。
【0050】
メニューバー402は、機能を起動するためのWindows(登録商標)標準のメニュー操作領域である。ツールバー403は、メニューバー402の特徴的な機能をボタンで「ツールボタン」として表示したものである。サムネイルビュー404は、閲覧中の登録文書(登録画像)のサムネイル画像をページ単位で表示する領域である。ページツールバー406は、ページビューに表示されているページを切り替えるアイコンである。アノテーションツール407は、文書にアノテーション(注釈画像)409を付与する時に使用するツールバーである。ステータスバー408は、Windows(登録商標)標準のものである。
【0051】
図5は、文書表示領域305にて、文書を選択し右クリックした時に表示されるポップアップメニュー501を示した図である。ポップアップメニュー501には、「編集モードで開く」メニューと「読取モードで開く」メニューが表示される。ポップアップメニュー501内には、この他の文書に対する操作メニューを組み込むこともできる。
【0052】
図6は、文書を読取専用として開き、閲覧する場合に起動する読取専用ビューワである。図5のポップアップメニュー501において、「読取モードで開く」を選択すると表示される。読取専用ビューワと図4の編集用ビューワとの相違点は、読取専用ビューワにはアノテーションツール407が存在せずアノテーションを新たに付与できない点、ページの削除、ページの入れ替えなどの編集操作を行うことができない点である。
【0053】
図7は、文書管理ソフトに保存されているアプリケーション文書を利用する際に起動されるアプリケーションビューワである。メニューバー702、ツールバー703は、編集用ビューワ、読取専用ビューワと同様で機能を起動するためのWindows(登録商標)標準のメニュー操作領域である。アドインバー704は、各アプリケーションがアドインしているツールが表示されるアイコン領域である。ページビュー705は、文書を表示する領域である。本実施例では、Microsoft Office(登録商標)の文書をアプリケーション文書として想定している。
【0054】
アドイン704は、アドインメニューから起動されるアドインアプリケーションであり、アプリケーションビューワ701の各ページが開いている時間を計測する。ストップウォッチ706は、任意のページが閉じるまでの時間を自動計測する機能を持っている。計測を終了するまでに集計した値はクライアント端末101のRAM203に記憶しておく。停止ボタン708はストップウォッチ706の計測を一旦停止する時に使用するボタンである。一旦停止された計測を再開するには、開始ボタン707をクリックすることにより、計測を継続できる。
【0055】
図8は、サーバ端末102上で表示されるサムネイル決定条件を管理者が指定する画面である。サムネイル決定条件画面801には優先順位ビュー802と項目選択ビュー803がある。優先順位ビュー802では優先順位の数値が小さいほうが重要度の高い条件となることを指す。この条件をもとに文書内の各ページの重要度を計測し、重要度が最も高いページがサムネイルに適したページと判断される。
【0056】
項目選択ビュー803には、あらかじめサムネイル決定条件に指定可能な項目が表示される。例えば、閲覧時間やアノテーション数、参照回数などである。管理者は、項目の中から重要度を高く設定したい順番に優先順位リスト802へ項目を移動する。管理者は、項目選択ビュー803から移動したい項目を選択し矢印ボタン804の左矢印をクリックすることにより、優先順位ビュー802に項目を移動することができる。逆に、優先順位ビュー802に設定されている項目を消去したい場合は、優先順位ビュー802から消去したい項目を選択し矢印ボタン804の右矢印をクリックすることにより、項目選択ビュー803に項目を移動できる。
【0057】
なお、本実施例では優先条件として複数の条件を設定し優先順位をつけるように構成したが、複数の条件を登録せずに1つの条件を登録させるように構成することも可能である。例えば閲覧時間のみを登録させた場合、閲覧時間の最も長いページがサムネイル表示するページとして決定される。つまり、図6の画面で文書を表示し文書表示を終了して図3の画面に戻るまでの時間(閲覧時間)の最も長かったページのサムネイルが、文書表示領域305に表示される。
【0058】
また、本実施例では、サムネイル決定条件を文書管理システム内のすべての文書に適用することとしたが、文書ごとにサムネイル決定条件を設定してもよい。
【0059】
図9の文書テーブル901、ページテーブル1001について説明する。
文書テーブル901には、データベース103に保存される文書管理システムの文書情報が1文書1レコードで記述されている。テーブルの項目は、文書テーブル901で一意な「文書ID」903、「文書名」905、その文書のファイル形式を示す「ファイル形式」907、文書のサムネイルであるページ番号を示す「サムネイルページ」909、その文書がワークフローシステムにより処理中か否かを示すフラグである「ワークフロー実行状態」911、前回閲覧したページを示す「最終閲覧ページ」913が存在する。
【0060】
ワークフローは、サーバ端末102上で稼働するワークフローアプリにより実行される。文書管理サーバ内の文書に対して、ワークフロー処理が実行されると、ワークフローアプリから文書管理システムに、ワークフロー実行中というステータスが渡される。サーバ端末102では、文書テーブル901に、ワークフロー実行中というステータスが保持される。補足として、ワークフロー実行中の場合、その文書のワークフローが終了または棄却されなければ別ワークフローを流すことはできない。
【0061】
文書のサムネイルの実体は、ページテーブル1001に保存しており、文書テーブル901ではどのページが表示されるサムネイルページなのかを示すサムネイルページ909情報のみ保存されている。
【0062】
ページテーブル1001には、文書テーブル901へのレコード書き込みと同時に、ページごとのレコードが書き込まれる。ページテーブル1001の構成は、文書との関連を示す「文書ID」1003と、その文書内の「ページ番号」1005、そのページを閲覧した経過時間が保存される「閲覧時間」1007、編集した時間が保存される「編集時間」1009、また、ページに付与されているアノテーションの数が保持される「アノテーション数」1011、アノテーションのフォントサイズを示す「フォントサイズ」1013、当該ページを閲覧もしくは編集した回数を示す「参照回数」1015、サムネイル画像ファイル名を保持する「サムネイル画像」1017、ページの重要度を数値化した「重要度」1019からなる。
【0063】
「閲覧時間」1007と「編集時間」1009項目は、時分秒形式で定義される。また、「重要度」1019は、数字が大きい方が重要なページであることを示す。「アノテーション数」1011は、アノテーションツール407を用いて付与されたアノテーション409の数を示す。サムネイル実体はサーバ端末102の外部メモリ231に記憶しておき、サムネイル実体と関連付けるサムネイル画像のファイル名を保持するように構成しても良い。この場合、ファイル名に従って、サーバ端末102のサムネイル画像を検索し、取得してサムネイル表示するように構成する。
なお、これらの各種テーブルの構成及びその内容は限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
【0064】
次に、文書管理システムで文書を登録する際の基本的な処理フローについて、図10を用いて説明する。
【0065】
文書管理システムに文書が登録される際に、サーバ端末102において文書登録フローが実行される。
文書管理システムに登録する画像を取り込み(S1201)、取り込んだ画像の初期サムネイルの作成をする(S1202)。画像の取り込み方法には、スキャナで取り込む方法や、Windows(登録商標)上に保存されている文書をサーバ端末102上のGUI(Graphical User Interface)を通して取り込む方法があげられる。
【0066】
取り込まれた文書をデータベース103に登録し、文書テーブル901に文書情報を1レコード追加する(S1203)。この時、文書ID903は文書テーブル901内で一意になるようにサーバ端末102が自動採番する。また、取り込んだ画像のファイル形式を拡張子から判断し、文書テーブル901の項目「ファイル形式」907に保存する。また、取り込んだ画像のページごとのレコードをページテーブル1001に追加する。各ページのサムネイル画像をページテーブル1001の「サムネイル画像」1017に保存し、取り込んだ画像の1ページ目のサムネイル画像を文書の初期サムネイルとしてデータベース103に登録する。
【0067】
文書を文書管理システムに登録する際に取り込んだ画像の全てのページのサムネイルを作成する。また、文書データが変更(編集、アノテーション付与)された場合には、そのページのサムネイルを再作成する。
【0068】
なお、本実施例では、文書登録時に全てのページのサムネイルを作成するように構成したが、文書登録時にデフォルト表示するサムネイル(文書の1ページ目のサムネイル)のみを作成し、サムネイルページ切り替えボタン307が押下された際にサムネイルを作成したり、文書データが変更された場合に、変更された(表示対象となる)ページのサムネイルを作成したりするように構成しても良い。
【0069】
文書管理システムに保存された文書をクライアント端末101から閲覧する際のフローを図11で説明する。
【0070】
使用者は文書を選択するために、クライアント端末101に表示されている図3に示す画面で、ボタン302により文書が保存されているキャビネットを選択し、ボタン303によりキャビネット内のフォルダを指定する。クライアント端末101はサムネイル一覧のデータを要求するためにキャビネット情報とフォルダ情報をサーバ端末102に送信する(S1301)。
【0071】
サーバ端末102は、クライアント端末101からのサムネイル一覧要求とレポジトリ表示領域304で選択されているフォルダ情報を受信し(S1302)、そのフォルダ配下のサムネイル一覧をデータベース103の文書テーブル901とページテーブル1001から取得し、クライアント端末101へ送信する(S1303)。サーバ端末102から取得したサムネイル一覧を図3に示す文書表示領域305へ表示する(S1304)。
【0072】
使用者は文書表示領域305のサムネイル一覧の中から閲覧する文書を選択し、右クリックによりポップアップメニュー501を表示させる。使用者がポップアップメニュー501から「編集モードで開く」または「読取モードで開く」のいずれかを選択すると、クライアント端末101はその文書データを取得するために(S1305)、選択された文書の文書IDをサーバ端末102へ送信する(S1306)。サーバ端末102は文書IDを受信し(S1307)、取得した文書IDをキーにして、文書テーブル901の中から文書情報を取得し、文書データをデータベース103から取得する(S1308)。
【0073】
サーバ端末102は取得した文書データをクライアント端末101へ送信する(S1309)。クライアント端末は文書データを受信し(S1310)、メモリ211に保存する。クライアント端末101は使用者が選択した閲覧モードをもとにモードを判断し(S1311)、読取モードの場合は文書データを読取モードで開き(S1312)、編集モードの場合は、編集モードで開く(S1313)。
【0074】
文書の閲覧モードの指定方法は、ポップアップメニュー501以外に、Windows(登録商標)の標準のメニューバーで指定することも可能であり、一旦文書を開いた後に閲覧モードを切り替えることもできる。
【0075】
また、サーバ端末102からクライアント端末101へ送信するサムネイル情報は、文書のサムネイル1ページ分だけを送信しても良いし、全ページのサムネイルを一度に送信しても良い。1ページ分だけのサムネイルを取得する場合は、サムネイルページ切り替えボタン307やビューワにおいて、ページ切り替えの要求が発生したタイミングでサーバ端末102からクライアント端末101に、サムネイルを送信する。
【0076】
さらに、サーバ端末102からクライアント端末101へ送信するサムネイル情報は、サムネイル決定条件に基づいて、例えば重要度の高い3ページ分のサムネイルを抽出して送信してもよい。また、クライアント端末101に表示するサムネイルは、重要度の高い3ページ分のみとしてもよい。これによって、クライアント端末101とサーバ端末102との通信時間を短縮しながら、文書の特定に最適なサムネイルを送信することができる。
【0077】
次に、編集モードで文書を開く場合の処理フローを図12で説明する。 クライアント端末101は、メモリ211に保存している文書情報から、文書のファイル形式を取得する(S1401)。ファイル形式がJPEG(Joint Photographic Experts Group)、TIFF(Tagged Image File Format)、BMP(Bit MaP)などのイメージ文書である場合、図4の文書管理システムの編集用ビューワを起動する(S1408)。PDF文書である場合も、図4の編集用ビューワを起動する(S1405)。その後、編集用ビューワのページビューに、サムネイルに指定されているページが初期ページとして表示される(S1406)。この時、図4の編集用ビューワのサムネイルビュー領域では、ページビューに表示されているページのサムネイルが強調表示される。文書が開かれた時点から、文書のページごとに編集時間をカウントアップする(S1407)。
【0078】
文書のファイル形式がイメージまたはPDFではなく他のアプリケーション形式の場合、アプリケーション専用のビューワを起動する(S1402)。例えば、Microsoft Office Word(登録商標)文書の場合、Microsoft Office Wordを起動し、文書を開く(S1403)。Microsoft Office(登録商標)のようにアドイン機能(ソフトウエアに後付けで追加できる拡張機能)がある場合は、図7に示すアドインツール704を追加することによりアプリケーションビューワで文書を閲覧している時間を計測する(S1404)。
【0079】
また、特定のページを初期ページとして開くAPI(Application Programming Interface)を提供しているアプリケーションであれば、サムネイルに指定されているページを初期ページとして表示させることができる。
【0080】
計測中のビューワがアクティブウィンドウになっているかを判定し(S1409)、アクティブウィンドウの場合は、編集中のページ情報を取得し、編集時間をカウントアップする(S1410)。編集中のページの取得やアクティブウィンドウの取得は、Microsoft Officeの場合はVBA(Visual Basic for Applications)マクロを使うことにより実現可能である。編集用ビューワがアクティブウィンドウになっておらず、他のウインドウがアクティブの場合は、編集時間としてカウントアップしない。編集が終了するまでアクティブウィンドウの判定を繰り返す(S1411)。編集が終了となった場合、編集時間の取得は終了する(S1412)。更新した文書データの実体と編集時間をサーバ端末102へ送信する(1413)。クライアント端末101は、開いていた編集用ビューワを閉じる(S1414)。サーバ端末102は、更新された文書データを受信し(S1415)、後述する重要度の算出1を実行する(S1416)。ページテーブル1001を参照し、文書の中で最も重要度の大きな数値のページをサムネイル画像として、ページテーブル1001の「サムネイル画像」1017に指定する(S1417)。更新されたサムネイルデータをクライアント端末101へ送信する(S1418)。クライアント端末は、更新されたサムネイルデータを受信し(S1419)、図3の文書表示領域305において、更新したサムネイルを表示する。
【0081】
なお、本実施例では、重要度の算出とサムネイル変更手段をサーバ端末102で実行したが、クライアント端末101で実行しても良い。この場合は、編集時間の取得終了後、クライアント端末101が重要度の算出とサムネイルの変更を行い、サーバ端末102へ変更した文書の実体とテーブル情報、文書のサムネイルを送信する。
【0082】
次に、読取モードで文書を開く場合の処理フローを図13で説明する。 メモリ211に保存している文書情報から、文書のファイル形式を取得する(S1501)。ファイル形式がJPEG、TIFF、BMPなどのイメージ文書である場合、図6の文書管理システムの読取専用ビューワを起動する(S1504)。PDF文書である場合、イメージ文書と同様に、図6の読取専用ビューワを起動する(S1503)。
【0083】
その後、読取専用ビューワのページビューに、サムネイルに指定されているページが初期ページとして表示される(S1505)。この時に、図6の読取専用ビューワのサムネイルビュー領域では、ページビューに表示されているページのサムネイルが強調表示される。文書が開かれた時点から、文書のページごとに閲覧時間をカウントアップする(S1506)。
【0084】
文書のファイル形式がイメージまたはPDFではなく他のアプリケーション形式の場合、アプリケーション専用のビューワを起動する(S1502)。アプリケーションの機能において、読取専用形式で文書を開くことができる場合は、読取専用形式で文書を開く。例えば、Microsoft Office Word(登録商標)文書の場合、Microsoft Office Wordを起動し、文書を開く(S1518)。Microsoft Officeのように、アドイン機能(ソフトウエアに後付けで追加できる拡張機能)がある場合は、図7に示すアドインツール704を追加することによりアプリケーションビューワで文書を閲覧している時間を計測する(S1519)。
【0085】
読取専用ビューワがアクティブウィンドウになっているかを判定する(S1507)。アクティブウィンドウの場合は、閲覧中のページ情報を取得し、編集時間をカウントアップする(S1508)。閲覧中のページ情報の取得やアクティブウィンドウの取得は、閲覧モードのフローと同じで、Officeの場合はVBAマクロを使うことにより実現可能である。これにより編集時間が更新される。
【0086】
読取専用ビューワがアクティブウィンドウになっておらず、他のウインドウがアクティブの場合は、閲覧時間をカウントアップしない。閲覧が終了となるまでアクティブウィンドウの判断を繰り返す(S1509)。閲覧が終了となった場合、閲覧時間の取得は終了する(S1510)。クライアント端末101は閲覧時刻をサーバ端末102へ送信する(S1511)。クライアント端末は、開いていた読取専用ビューワを閉じる(S1512)。サーバ端末102は文書データを受信し(S1513)、後述する重要度の算出2を実行する(S1514)。サーバ端末102はページテーブル1001を参照し、文書の中で最も重要度の大きな数値のページをサムネイル画像として、ページテーブル1001の「サムネイル画像」1017に指定する(S1515)。更新されたサムネイルデータをクライアント端末101へ送信する(S1516)。クライアント端末101は更新されたサムネイルデータを受信し(S1517)、文書表示領域305において、更新したサムネイルを表示する。
【0087】
文書を編集モードで開いたときの重要度の算出1のフローを図14を用いて説明する。
編集した文書がワークフロー実行中(登録)の文書かを判断する(S1601)。
文書テーブル901のワークフロー実行状態911の項目に「実行中」を意味する値が保存されていれば、ワークフロー実行中である。逆に何の値も保存されていなければ、ワークフロー未実行である。
【0088】
ワークフロー実行中の場合、クライアント端末101から取得した編集時間をページごとにページテーブル1001に加算する(S1602)。例えば、文書ID1003「00001」の1ページを2分編集し、3ページを30秒編集した場合、その該当テーブルの「編集時間」項目に編集時間を加算し、図16のようにテーブルを変更する。ワークフロー実行中の文書は一連のフローを継続しているので、どのページが重要であるかもそのワークフロー全体で判断されるべきであるため、ワークフロー実行中は「編集時間」を累計することとなる。また、編集時間はワークフローを実行する複数のユーザが操作することによって決定(更新)される値(操作値)である。なお、時間の加算については、29秒編集していても、30秒として加算するように構成しても良い。つまり、加算するという累計処理では秒数に誤差が生じることがあってもよい。
【0089】
編集した文書がワークフロー実行中の文書か否かの判断において、ワークフローが実行中で無ければ、該当文書のページテーブル1001の編集時間1009をリセットし0に戻す(S1603)。つまり、編集時間は現在文書を編集しているユーザの操作した値によってのみ決定(更新)される値(操作値)である。リセットされたページテーブル1001に対して、クライアント端末101が取得した編集時間をページごとに保存する(S1604)。サーバ端末102はデータベース103に保持されている優先条件を取得する(S1605)。優先条件は、予めサムネイル決定条件画面801にて設定されており、データベース103に保存されている。優先順位の数値の小さいほうから順に予め定められた重要度倍率をもとに重要度の計算を行う(S1606)。
すべての優先順位が終了するまで優先条件の取得と重要度の算出を繰り返す(S1607)。
【0090】
重要度の決定方法として、例えば、優先条件を編集時間だけに設定した場合、編集時間が長いページから順に最も大きな数値をページテーブル1001の重要度1019にセットする。要するに、最も編集時間が長いページがサムネイルとなる。
【0091】
また、別の例として、優先条件を3つ指定した場合、優先順位の高いほうから倍率を3、2、1として重要度を計算する。また、1文書の中でどのページが重要かを示す値を重要度係数と定義する。閲覧時間や編集時間は、より長いページのほうが使用者がより注目しているページであり特徴的な文書であると判断し、重要度係数は大きくなる。アノテーション数は、アノテーションの数が多いほど、その文書を他の担当者に見せたり、自分が見たり、メモ書きとして利用したりするということにより、より重要なページと判断できるため、重要度係数は大きくなる。
【0092】
すべての優先順位の処理が終了したら、重要度係数と重要度倍率を乗算した値を合算して重要度総数を求め、ページテーブル1001の重要度1019を更新する(S1608)。重要度1019が一番大きなページが、その文書の中で最も特徴的なページと判断し、そのページをサムネイルと判断する。
【0093】
文書を読み取りモードで開いたときの重要度の算出2のフローを図15を用いて説明する。
閲覧した文書がワークフロー実行中の文書かを判断する(S1701)。ワークフロー実行中の場合、クライアント端末101から取得した閲覧時間をページごとにページテーブル1001に加算する(S1702)。重要度の算出1と同様に、ワークフロー実行中の文書は一連のフローを継続しているので、「閲覧時間」を加算する。ワークフローが実行中で無ければ、該当文書のページテーブル1001の閲覧時間1007をリセットし、0に戻す(S1703)。リセットされたページテーブル1001の閲覧時間1007に、クライアント端末101から取得した閲覧時間をページごとに保存する(S1704)。なお、閲覧時間はユーザが操作することによって決定される操作値である。
【0094】
サーバ端末102で保持されている優先条件を取得し(S1705)、重要度の計算を行い(S1706)、この処理を全優先順位が終了するまで繰り返す(S1707)フローは、編集モードの処理と同じなので説明を省く。
【0095】
すべての優先順位の処理が終了したら、重要度1019の更新を行い(S1708)、重要度総数が一番大きなページが、その文書の中で最も特徴的なページと判断し、そのページをサムネイルと判断する。
【0096】
以上説明したように、本実施形態によれば、文書の最も特徴的なページを自動でサムネイルとすることができるので、使用者がサムネイルの変更や文書を開く操作をすること無く目的の文書を特定でき、文書の特定が容易となり、作業効率向上に繋がる。
また、サーバ/クライアント間のデータ通信を行う際に、文書の全ページのサムネイル情報を送信せず、重要度の高いページ分のみ送信することで、ネットワークを流れるデータ量も減らせる。サーバ上に作成するサムネイルのページを重要度の高いページにすることにより、サーバのデータ容量も減らすことができる。
【0097】
以上、実施形態例を詳述したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0098】
以上、添付図面を参照しながら、本発明に係る文書管理システム等の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0099】
101………クライアント端末
102………サーバ端末
103………データベース
104………LAN
105………FAX
801………サムネイル決定条件画面
802………優先順位ビュー
803………項目選択ビュー
804………矢印ボタン
901………文書テーブル
903………文書ID
905………文書名
907………ファイル形式
909………サムネイルページ
911………ワークフロー実行状態
913………最終閲覧ページ
1001………ページテーブル
1003………文書ID
1005………ページ番号
1007………閲覧時間
1009………編集時間
1011………アノテーション数
1013………フォントサイズ
1015………参照回数
1017………サムネイル画像
1019………重要度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数ページの文書データと該文書データのページに対応するサムネイルを表示可能な情報処理装置であって、
前記文書データのサムネイルを表示する表示手段と、
前記文書データを表示または編集するために前記文書データを出力する出力手段と、
表示するサムネイルを決定するためのサムネイル決定条件に従って、前記出力手段で出力した前記文書データの表示するサムネイルを変更する変更手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記サムネイル決定条件に従って前記サムネイルを表示するページを特定する特定手段と、
を更に備え、
前記変更手段は特定されたページのサムネイルに変更することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記サムネイル決定条件に従ってユーザの操作に応じた前記文書データのページごとの操作値を更新する更新手段と、
を更に備え、
前記特定手段は、前記操作値が最大のページをサムネイル表示するページとして特定することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記文書データを表示するウインドウがアクティブか否かを判定するアクティブ判定手段と、
を更に備え、
前記更新手段は、前記アクティブ判定手段でウインドウがアクティブである場合に更新することを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記文書データがワークフロー登録されているか否かを判定する判定手段と、
を更に備え、
前記特定手段は、前記文書データがワークフロー登録されている場合、ワークフロー中の複数のユーザの操作値の累計をもとにページを特定することを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記特定手段は、前記文書データがワークフロー登録されていない場合、当該文書データを操作しているユーザの操作値に従いページを特定することを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記サムネイル決定条件は、前記文書データを表示したページの閲覧時間、前記文書データを編集したページの編集時間、もしくは前記文書データのページのアノテーション数の少なくとも一つを含む条件であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記文書データと前記サムネイルを管理する文書管理サーバとは別の筐体で構成されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
複数ページの文書データと該文書データのページに対応するサムネイルを管理する文書管理サーバと、前記文書管理サーバとネットワークを介して接続され、前記文書データと前記サムネイルを表示可能な情報処理装置とで構成される文書管理システムであって、
前記情報処理装置は、
前記文書管理サーバから受信したサムネイルを表示する表示手段と、
前記文書管理サーバから受信した文書データを表示または編集するために前記文書データを出力する出力手段と、
前記文書管理サーバで決定された表示するサムネイルに従って、前記出力手段で出力した前記文書データのサムネイルを変更する変更手段と、を備え、
前記文書管理サーバは、
表示するサムネイルを決定するためのサムネイル決定条件に従って、前記出力手段で出力した前記文書データの表示するサムネイルを決定する決定手段と、
を備えることを特徴とする文書管理システム。
【請求項10】
複数ページの文書データと該文書データのページに対応するサムネイルを表示可能な情報処理装置の処理方法であって、
前記文書データのサムネイルを表示するステップと、
前記文書データを表示または編集するために前記文書データを出力するステップと、
表示するサムネイルを決定するためのサムネイル決定条件に従って、前記出力手段で出力した前記文書データの表示するサムネイルを変更するステップと、
を備えることを特徴とする情報処理装置の処理方法。
【請求項11】
複数ページの文書データと該文書データのページに対応するサムネイルを管理する文書管理サーバと、前記文書管理サーバとネットワークを介して接続され、前記文書データと前記サムネイルを表示可能な情報処理装置とで構成される文書管理システムの処理方法であって、
前記情報処理装置が、前記文書管理サーバから受信したサムネイルを表示するステップと、
前記情報処理装置が、前記文書管理サーバから受信した文書データを表示または編集するために前記文書データを出力するステップと、
前記情報処理装置が、前記文書管理サーバで決定された表示するサムネイルに従って、前記出力手段で出力した前記文書データのサムネイルを変更するステップと、
前記文書管理サーバが、表示するサムネイルを決定するためのサムネイル決定条件に従って、前記出力するステップで出力した前記文書データの表示するサムネイルを決定するステップと、
を備えることを特徴とする文書管理システムの処理方法。
【請求項12】
複数ページの文書データと該文書データのページに対応するサムネイルを表示可能な情報処理装置として機能させるためのプログラムであって、
前記文書データのサムネイルを表示する表示手段と、
前記文書データを表示または編集するために前記文書データを出力する出力手段と、
表示するサムネイルを決定するためのサムネイル決定条件に従って、前記出力手段で出力した前記文書データの表示するサムネイルを変更する変更手段として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項13】
複数ページの文書データと該文書データのページに対応するサムネイルを管理する文書管理サーバと、前記文書管理サーバとネットワークを介して接続され、前記文書データと前記サムネイルを表示可能な情報処理装置とで構成される文書管理システムとして機能させるためのプログラムであって、
前記情報処理装置を、
前記文書管理サーバから受信したサムネイルを表示する表示手段と、
前記文書管理サーバから受信した文書データを表示または編集するために前記文書データを出力する出力手段と、
前記文書管理サーバで決定された表示するサムネイルに従って、前記出力手段で出力した前記文書データのサムネイルを変更する変更手段として機能させ、
前記文書管理サーバを、
表示するサムネイルを決定するためのサムネイル決定条件に従って、前記出力手段で出力した前記文書データの表示するサムネイルを決定する決定手段として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−50979(P2013−50979A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−246530(P2012−246530)
【出願日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【分割の表示】特願2008−298989(P2008−298989)の分割
【原出願日】平成20年11月25日(2008.11.25)
【出願人】(301015956)キヤノンソフトウェア株式会社 (364)