説明

情報処理装置、画像処理方法、及びコンピュータプログラム

【課題】 印刷データの途中で印刷設定が切り替わることによって、ユーザが意図しない形で印刷データが出力されてしまうことを防止する。
【解決手段】 色判定部3009は、印刷データがカラーページかモノクロページかを判定する。色関連プリフライトチェック部3010は、現在のページにおけるカラープロファイルの設定が前のページから変更されたか否かを判定する。この判定の結果、カラープロファイルの設定が前のページから変更された場合には、現在のページにおける色判定の結果がモノクロであったか否かを判定する。この判定の結果、現在のページにおける色判定の結果がモノクロであれば、現在のページにおける色処理の指定の妥当性に疑いがあると判定する。そうすると、RIP処理が一旦中断され、操作部2012に設けられたLCDに、妥当性の疑われるジョブが投入された旨が警告表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、画像処理方法、及びコンピュータプログラムに関し、特に、印刷データの内容を確認してから、その印刷データを出力するために用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ページプリンタは、ページ記述言語(PDL:Page Description Language)で記述された印刷データをネットワーク等の通信媒体を介して受信する。そして、ページプリンタは、専用のインタプリタにより、受信した印刷データを解釈した後、画像を形成するRIP(Raster Image Processor)処理を行う。最後に、ページプリンタは、形成した画像を、電子写真等のプリントエンジンを用いて印字出力する。ページ記述言語で記述された印刷データは、アプリケーションとオペレーティングシステムと、ドライバとの連携により、元の電子ドキュメントから生成される。Canon社が開発したLIPS、HP社が開発したPCL、Adobe社が開発したPostScript、及びEpson社が開発したESC/P等が、ページ記述言語として広く知られている。前述したページプリンタの他に、Adobe社が開発したPDFのような電子ドキュメントそのものを受信し、受信した電子ドキュメントに対してRIP処理を行うプリンタも存在する。
【0003】
また、PDLデータ又は電子ドキュメントデータと共に印刷データを構成する要素としてジョブチケットがある。ジョブチケットは、RIP処理や後処理で使用される詳細なパラメータをプリンタに通知する手段として一般的に利用されている。ジョブチケットでは、メディアの設定、レイアウト処理、各種のフィニッシング処理、ICCプロファイルを用いたカラーマネージメント、及び各種色変換等の様々な処理内容を指定することができる。また、印刷対象のPDLデータ又は電子ドキュメントデータのページ毎又は任意のページ区間毎に、これらの処理内容を指定することも可能である。
【0004】
一方、プリントショップ等では、PDFやPS等の印刷データによる入稿を受け、これを印刷するサービスが普及している。このようなサービスでは、オペレータが印刷システムを用いて入稿された印刷データについてプリフライトチェックが行われる。プリフライトチェックは、本印刷前に印刷データが印刷ルールに則った状態になっているか否かをチェックする作業のことであり、本印刷時のミスプリントを防ぐ為に行われる。チェックする対象の項目としては、印刷データに含まれるフォントの種類、フォントの埋め込みの有無、イメージデータの色空間や解像度、及びカラープロファイルの指定といったものがある(例えば、特許文献1参照)。プリフライトチェックは、専用のアプリケーションソフトウェアにより行われることが多いが、近年ではプリフライトチェック機能を有するページプリンタも登場している。このように、プリフライトチェックでは、PDLデータ又は電子ドキュメントデータの不備をチェックすることができる。
【0005】
【特許文献1】特開2000−280435号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、これまでのプリフライトチェックでは、ジョブチケットと、PDLデータ又は電子ドキュメントとの間に発生しうるミスマッチ等の不備をチェックすることはできなかった。特に、印刷対象となるPDLデータ又は電子ドキュメントデータの各ページ又は任意のページ区間毎に、詳細な処理内容をジョブチケットにより指定した場合に、ジョブチケットと、PDLデータ又は電子ドキュメントとの間におけるミスマッチが発生しやすい。一般的なプリンタドライバやホットフォルダ等のジョブサブミッタでは、元原稿の各ページを見ながら処理内容を指定することが難しい。このため、ユーザが処理を指定したページと、ユーザが想定した元原稿のページとの間にズレが発生することが十分に予想される。
【0007】
以上のように従来の技術では、印刷データの途中で印刷設定が切り替わると、ユーザが意図しない形で印刷データが出力されてしまう虞があるという問題点があった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、印刷データの途中で印刷設定が切り替わることによって、ユーザが意図しない形で印刷データが出力されてしまうことを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の情報処理装置は、印刷データの途中でなされた印刷設定の切り替えと、前記印刷データとの関係に矛盾があるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により、印刷データの途中でなされた印刷設定の切り替えと、前記印刷データとの関係に矛盾があると判定されると、そのことをユーザに報知する報知手段とを有することを特徴とする。
【0009】
本発明の画像処理方法は、印刷データの途中でなされた印刷設定の切り替えと、前記印刷データとの関係に矛盾があるか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップにより、印刷データの途中でなされた印刷設定の切り替えと、前記印刷データとの関係に矛盾があると判定されると、そのことをユーザに報知する報知ステップとを有することを特徴とする。
【0010】
本発明のコンピュータプログラムは、印刷データの途中でなされた印刷設定の切り替えと、前記印刷データとの関係に矛盾があるか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップにより、印刷データの途中でなされた印刷設定の切り替えと、前記印刷データとの関係に矛盾があると判定されると、そのことをユーザに報知する報知ステップとコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、印刷データの途中でなされた印刷設定の切り替えと、前記印刷データとの関係に矛盾があるか否かを判定すると、そのことをユーザに報知するようにした。これにより、ユーザが意図しない形で印刷データが出力されてしまうことを、予めユーザに知らせることができる。したがって、ユーザが意図しない形で印刷データが出力されてしまうことを防止することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(第1の実施形態)
次に、図面を参照しながら、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、文書処理システムの全体の構成の一例を示したブロック図である。文書処理装置200は、画像入力デバイスであるスキャナ2070、画像出力デバイスであるプリンタ2095、コントローラユニット(Controller Unit)2000、及びユーザインターフェースである操作部2012を備えて構成される。
【0013】
スキャナ部2070、プリンタ部2095、及び操作部2012は、それぞれコントローラユニット2000に接続される。コントローラユニット2000は、LAN2011等のネットワーク伝送手段に接続される。また、LAN2011には、文書処理装置200と同様の機器構成をもつ他の文書処理装置220が接続されている。文書処理装置220は、それぞれスキャナ2270、プリンタ2295、及び操作部2212を備え、それらがコントローラユニット2200に接続されている。また、LAN2011には、ホストコンピュータ2100が接続されている。
【0014】
図2は、文書処理装置200の構成の一例を示したブロック図である。コントローラユニット2000は、画像入力デバイスであるスキャナ2070や、画像出力デバイスであるプリンタ2095に接続される。また、コントローラユニット2000は、LAN2011や公衆回線(WAN)2051に接続される。以上のような接続によって、コントローラユニット2000は、画像情報やデバイス情報の入出力を行うことができる。
【0015】
CPU2001は、システム全体を制御するコントローラである。RAM2002は、CPU2001が動作するためのワークメモリである。また、RAM2002は、画像データ等を一時的に記憶するための画像メモリでもある。ROM2003は、ブートROMであり、システムのブートプログラム等が格納されている。HDD(ハードディスクドライブ)2004は、システムソフトウェアや、画像データ等を格納する。操作部I/F2006は、操作部(UI)2012とコントローラユニット2000との間のインターフェース部であり、操作部2012に表示する画像データ等を操作部2012に対して出力する。また、操作部I/F2006は、文書処理装置200のユーザが操作部2012を操作して入力した情報を、CPU2001に伝えることも行う。
【0016】
ネットワーク(Network)部2010はLAN2011に接続され、外部装置との間で情報の入出力を行う。モデム(Modem)2050は、WAN(公衆回線)2051に接続され、外部装置との間で情報の入出力を行う。以上のデバイスがシステムバス2007上に配置される。
イメージバス(Image Bus)I/F2005は、システムバス2007と、画像データを高速で転送する画像バス2008とを相互に接続する。このイメージバスI/F2005は、入力したデータの構造を変換するバスブリッジである。画像バス2008は、PCIバス又はIEEE1394で構成される。画像バス2008には以下のデバイスが接続される。
【0017】
イメージプロセッサ(RIP)2060は、ディスプレイリストをラスタイメージに展開する。デバイスI/F2020は、画像入出力デバイスであるスキャナ2070やプリンタ2095と、コントローラユニット2000とを相互に接続する。このデバイスI/F2020は、同期系から非同期系へ画像データを変換したり、非同期系から同期系へ画像データを変換したりする。スキャナ画像処理部2080は、入力した画像データに対して、補正、加工、及び編集を行う。プリンタ画像処理部2090は、プリント出力する画像データに対して、プリンタの補正、解像度変換、及びハーフトーニング等を行う。画像回転部2030は画像データの回転を行う。画像圧縮部2040は、多値画像データを例えばJPEGにより圧縮伸張処理を行う。また、画像圧縮部2040は、2値画像画像データをJBIG、MMR、又はMHにより圧縮伸張する。
【0018】
図3は、文書処理装置200の外観構成の一例を示した図である。画像入力デバイスであるスキャナ2070は、原稿用紙上の画像を照明し、CCDラインセンサ(図示せず)を走査することで、原稿用紙上の画像をラスターイメージデータ(電気信号)2071に変換する。原稿用紙は、原稿フィーダ2072のトレイ2073にセットされる。文書処理装置200のユーザが、操作部2012を操作して原稿用紙上の画像を読み取るための処理の起動を指示すると、CPU2001から、スキャナ2070に対して、ラスターイメージデータ2071の生成指示が与えられる。フィーダ2072は、原稿用紙を1枚ずつフィードする。これによって、原稿用紙上の画像の読み取り動作が開始する。
【0019】
画像出力デバイスであるプリンタ2095は、ラスターイメージデータ2096を原稿用紙上の画像に変換する部分である。ラスターイメージデータ2096を原稿用紙上の画像に変換する方式としては、感光体ドラムや感光体ベルトを用いた電子写真方式や、微少ノズルアレイからインクを吐出して原稿用紙上に画像を直接印字するインクジェット方式等がある。ラスターイメージデータ2096を原稿用紙上の画像に変換する方式は、どの方式でも構わない。プリント動作の起動は、CPU2001からの画像変換指示によって開始する。プリンタ2095は、異なる用紙サイズ及び異なる用紙向きを選択できるように複数の給紙段を持ち、それら複数の給紙段に対応した用紙カセット2101、2102、2103がある。排紙トレイ2111は、印字し終わった用紙を受けるものである。
【0020】
図4は、文書処理装置200の操作部2012における構成の一例を示した図である。LCD表示部2013は、LCD(Liquid Crystal Display)と、そのLCD上に貼り付けられたタッチパネルシート2019とを備えている。LCD表示部2013は、システムの操作画面やソフトキーを表示すると共に、表示しているキーが押されるとその位置情報をCPU2001に伝える。スタートキー2014は、原稿画像の読み取り動作を開始する場合等に、文書処理装置200のユーザにより操作される。このスタートキー2014の中央部には、緑と赤の2色LED2018が設けられている。この2色LED2018の発光色によってスタートキー2014が使える状態にあるか否かを示す。ストップキー2015は、稼働中の動作を止める場合に、文書処理装置200のユーザにより操作される。IDキー2016は、ユーザIDを入力する場合に、文書処理装置200のユーザにより操作される。リセットキー2017は、操作部2012からの設定を初期化する場合に、文書処理装置200のユーザにより操作される。
【0021】
図5は、文書処理装置200のソフトウェアの構成の一例を示したブロック図である。
UI部1501は、ユーザインターフェースを司るものであり、ユーザが文書処理装置200の各種の操作や設定を行う際に、ユーザと文書処理装置200との仲介を行うモジュールである。UI部1501は、ユーザによる操作部2012の操作に従い、後述する各種モジュールに入力情報を転送して、処理の依頼や、データの設定等を行う。
アドレスブック(Address-Book)部1502は、データの送付先や通信先等を、Address-Bookを用いて管理するデータベースモジュールである。Address-Bookの内容は、UI部1501で入力した操作部2012の操作情報に従って、追加、削除、及び変更が行われる。また、アドレスブック(Address-Book)部1502は、操作部2012の操作情報に従って、データの送付や通信先情報の通知を後述する各モジュールに行うものである。
【0022】
ユニバーサル配信(Universal-Send)部1504は、データの配信を司るモジュールである。このユニバーサル配信部1504は、UI部1501から出力された入力情報(ユーザによる操作部2012の操作によって指示されたデータ)を、同様にユーザによる操作部2012の操作によって指示された通信(出力)先に配布するものである。ユニバーサル配信部1504は、ユーザによる操作部2012の操作により、スキャナ2070を用いてデータを生成することが指示された場合、コントロールAPI(Control-API)部1519を介して文書処理装置200を動作させデータを生成する。P550部1505は、ユニバーサル配信部1504内で、出力先としてプリンタ2095が指定された際に実行されるモジュールである。
【0023】
E-Mail部1506は、ユニバーサル配信部1504内で、通信先としてE-mailアドレスが指定された際に実行されるモジュールである。DB部1507は、ユニバーサル配信部1504内で、出力先としてデータベースが指定された際に実行されるモジュールである。DP部1508は、ユニバーサル配信部1504内で、出力先として、自機と同様の文書処理装置220が指定された際に実行されるモジュールである。
【0024】
PDL部1509は、外部から送信されたPDL(Page Description Language)で記述されたPDLデータを、文書処理装置200のプリント機能を使用してプリントする機能を実現するためのモジュールである。PDL部1509内のJob-Ticket-Parser部1531は、PDLデータと一緒に受信したジョブチケット(Job-Ticket)データを解釈するためのモジュールである。ジョブチケットでは、印刷メディア、部数、後処理、各種色処理、及び画像処理方法等の情報(印刷設定)が指定可能である。これら指定可能な情報は、Job-Ticket-Parser部1531で解析される。そして、コントロールAPI部1519を介して、ジョブマネージャ部1520、プリントマネージャ部1526、及びPDL解釈(PDL-Interpreter)部1527に伝達される。また、PDL部1509は、HTTP部1512を使用して外部のWebサーバに格納された電子文書を取り出してプリントする機能も提供するものである。
【0025】
コピー(Copy)部1510は、文書処理装置200のプリンタ2095の機能と、スキャナ2070の機能とを使用し、UI部1501からの指示に基づいてコピー動作を実行するためのモジュールである。
ボックス(Box)部1511は、スキャン画像やPDLプリント画像等の各種の画像をHDD2004に格納する。格納された画像は、プリンタ2095の機能を用いて印刷されたり、ユニバーサル配信部1504の機能を用いて送信されたりする。この他、ボックス(Box)部1511は、HDD2004に格納した文書の削除、グルーピング(個別ボックスへの格納)、ボックス間移動、及びボックス間コピー等の管理機能も提供する。
【0026】
HTTP部1512は、文書処理装置200がHTTP(HyperText Transfer Protocol)により通信する際に使用されるモジュールである。このHTTP部1512は、後述するTCP/IP部1517により、前述したPDL部1509に通信を提供する。lpr部1513は、後述するTCP/IP部1517により、前述したユニバーサル配信部1504内のP550部(プリンタモジュール)1505に通信を提供するモジュールである。SMTP部1514は、後述するTCP/IP部1517により、前述したユニバーサル配信部1504内のE-mail部1506に通信を提供するモジュールである。SLM(Salutation-Manager)部1515は、後述するTCP/IP1517部により、前述したユニバーサル配信部1504内のDB部1517、及びDP部1518に通信を提供するモジュールである。
【0027】
LPD部1516は、後述するTCP/IP部1517により、前述したPDL部1509に通信を提供するモジュールである。TCP/IP部1517は、前述した各種のモジュールに、後述するネットワークドライバ(Network-Driver)1518によりネットワーク通信を提供する通信モジュールである。ネットワークドライバ1518は、ネットワークに物理的に接続される部分を制御するものである。
【0028】
コントロールAPI部1519は、上位モジュールと、下位モジュールとの間のインターフェースを提供するモジュールであり、上位モジュールと、下位モジュールとの間の依存関係を軽減し、それぞれの流用性を高めるためのものである。ここで、上位モジュールとしては、例えば、前述したユニバーサル配信部1504、PDL部1509、コピー部1510、及びボックス部1511等が挙げられる。下位モジュールとしては、例えば、後述するジョブマネージャ(Job-Manager)部1520等が挙げられる。
【0029】
ジョブマネージャ部1520は、前述した各種モジュールよりコントロールAPI部1519を介して指示される処理を解釈し、解釈した処理の実行を、後述する各モジュールに指示するモジュールである。また、ジョブマネージャ部1520は、文書処理装置200内で実行されるハード的な処理を一元管理するものである。CODECマネージャ(CODEC-Manager)部1521は、ジョブマネージャ部1520により指示された処理に基づいて、データの各種圧縮や伸長を管理したり制御したりするものである。
【0030】
FBEエンコーダ(FBE-Encoder)部1522は、ジョブマネージャ部1520や、スキャナマネージャ部1525により実行されるスキャン処理により読み込まれたデータをFBEフォーマットにより圧縮するものである。JPEGコーデック(JPEG-CODEC)部1523は、ジョブマネージャ部1520や、スキャナマネージャ部1525により実行されるスキャン処理において読み込まれたデータのJPEG圧縮と、印刷データのJPEG展開処理とを行うものである。また、JPEGコーデック部1523は、プリンタマネージャ部1526により実行される印刷処理において読み込まれたデータのJPEG圧縮と、印刷データのJPEG展開処理も行う。
MMRコーデック(MMR-CODEC)部1524は、ジョブマネージャ部1520や、スキャナマネージャ部1525により実行されるスキャン処理において読み込まれた印刷データのMMR圧縮と、印刷データのMMR伸長処理とを行うものである。プリンタマネージャ部1526により実行される印刷処理において読み込まれたデータのMMR圧縮と、印刷データのMMR伸長処理とを行うものである。
【0031】
スキャナマネージャ部1525は、ジョブマネージャ部1520により指示されるスキャン処理を管理したり制御したりするモジュールである。スキャナI/F(Scanner I/F)1528は、スキャナマネージャ1524と、スキャナ2070とのインターフェースを提供するものである。
プリンタマネージャ部1526は、ジョブマネージャ部1520により指示される印刷処理を管理したり制御したりするモジュールである。エンジンI/F(Engine-I/F)1529は、プリンタマネージャ1526と、プリンタ2095とのインターフェースを提供するものである。
【0032】
PDL解釈部1527は、ジョブマネージャ1520からの指示により、LIPS、PostScript、PCL、PDF、SVG等のPDL又は電子文書フォーマットを解釈するモジュールである。そして、PDL解釈部1527は、PDL又は電子文書フォーマットの種別によらない共通の表現形式であるディスプレイリストを生成する。
レンダ(Render)1530は、PDL解釈部1527により生成されたディスプレイリストを、プリンタマネージャ1526からの指示により、イメージプロセッサを用いてラスタイメージメモリに展開するものである。
【0033】
図6は、ページ記述言語を解釈して画像形成を行うRIP処理の流れを概念的に示した図である。
図6において、PostScriptインタプリタ3001は、図5に示したPDL解釈部1527の1つであり、PostScript言語で記述されたデータを解釈して中間言語データであるディスプレイリスト3017を生成する。
なお、PostScriptインタプリタ3001内の各モジュールはパイプラインで実行されるものである。すなわち、各モジュール3004〜3011が描画オブジェクト毎に繰り返し実行され、同一ページ内の全ての描画オブジェクトに対する処理が終了した時点で1ページ分のディスプレイリストが生成される。
【0034】
RIP詳細パラメータ3016は、ジョブチケット(Job Ticket)により指定された情報が、RIP処理の実行を示すものであるときに適用されるパラメータ群である。ここで与えられるRIP詳細パラメータ3016としては、例えば、出力カラーモード、RGBソースプロファイル、CMYKシミュレーションプロファイル、及び出力プロファイルがある。また、図7に例示するように、RIP詳細パラメータ3016は、ページ毎又は任意のページ区間毎に指定されることがある。
図8は、このRIP詳細パラメータ3016の元となったジョブチケットの一例を示した図である。ジョブチケットは、前述したように、図5に示したJob-Ticket-Parser部1531によって解釈される。
なお、図6に示すRIP処理の流れでは、各ページに含まれる描画オブジェクトの色によってページ全体がカラーかモノクロかを決定するモードである出力カラーモードの設定が「Auto」であることを前提に説明する。
【0035】
図6において、言語処理部3004は、PostScriptデータ3015を解釈し、解釈した内容に応じて文字処理部3005、グラフィックス処理部3006、及びイメージ処理部3007の少なくとも何れか1つの描画処理部へ描画要求を出すものである。
文字処理部3005は、指定されたフォントから文字ビットマップを生成するものである。グラフィックス処理部3006は、ベクタグラフィックス描画を制御するものである。イメージ処理部3007は、イメージデータを共通の内部データ形式に変換する処理等を行うものである。
【0036】
CMSエンジン3008は、カラーマネージメントを行うモジュールであり、入力色を絶対色空間に変換した後、プリンタエンジンに固有の出力色(CMYK)を生成するものである。PostScript言語では、Device色空間、CIEBased色空間、及び特殊色空間等、多様な色空間が規定されている。Device色空間で指定された入力色に関しては、RGBソースプロファイルや、CMYKシミュレーションプロファイル等の予め用意されたICCプロファイル群のうち指定されたものを用いて色変換を行う。CIEBased色空間で指定された入力色に関しては、その色空間で指定された変換テーブル、変換関数、又は変換マトリックスに従い色変換を行う。絶対色空間からプリンタエンジンに固有の色空間への変換は、出力プロファイル、又はPostScriptで規定されたColor Rendering Dictionaryを用いて行う。出力プロファイルに関しては、グレイスケールがK単色で表現されることを優先したグレイ補償プロファイルと、グレイスケールをCMYKの4色で表現するノーマルプロファイルとの2つが選択的に使用可能である。Separation色空間、又はDeviceN色空間などで指定された特色については、Named ICCプロファイルを用いてプロセスカラー(CMYK)に変換する。
【0037】
色判定部3009は、CMSエンジン3008の出力値である出力色(CMYK)を調べ、現在処理中のページがカラーページかモノクロページかを判定するものである。色判定は、RIP詳細パラメータ3016の出力カラーモードにより、出力カラーモードの設定として「Auto」が指定された場合にのみ実行される。出力カラーモードにはその他に、カラーとモノクロが指定可能であるが、カラー又はモノクロが指定された場合には色判定は実行されない。色判定方法の詳細に関しては後述する。
【0038】
色関連プリフライトチェック部3010は、RIP詳細パラメータ3016により指定されたプロファイルの設定が前ページから変更された場合に、ジョブチケットによる色処理の指定の妥当性を判定するものである。本実施形態においては、ジョブチケットによる色処理の指定の妥当性は、変更されたプロファイルの設定が、生成する画像に影響を与えるか否かを基準に行う。なお、ジョブチケットによる色処理の指定の妥当性の判定の方法と、その判定の根拠に関しては後述する。
色関連プリフライトチェック部3010において、ジョブチケットによる色処理の指定の妥当性が疑われると判定されると、RIP処理が一旦中断され、操作部2012に設けられたLCDに、妥当性の疑われるジョブが投入された旨が警告表示される。そして、処理を継続するか中止するかの何れかが、ユーザによる操作部2012の操作によって入力されるまで待機する。ユーザによる操作部2012の操作によって処理の継続が指示されると、中断した状態からRIP処理が再開する。一方、ユーザによる操作部2012の操作によって処理の中止が指示されると、ジョブがキャンセルされる。すなわち、以降のRIP処理は行われない。
【0039】
図9は、操作部2012に設けられたLCDに表示される警告表示の一例を示した図である。図9に示した例では、12ページ目の印刷データと、その12ページ目における印刷設定との関係が不適切であることがLCDに表示されている。なお、RIP処理の中断と、RIP処理を継続するか否かの問い合わせと、RIP処理の再開又は中止とを行うシーケンスは、図5に示したプリンタマネージャ1526と、ジョブマネージャ1520とを介してUI部1501を制御することにより実行される。また、色処理の指定の妥当性が疑われる結果となったジョブについては、プリフライトのチェック結果として、プリントジョブ履歴にNGが記録され、ログとして保存される。
【0040】
ディスプレイリストジェネレータ3011は、中間言語データであるディスプレイリスト3017を生成するものである。また、ディスプレイリスト3017内には、各オブジェクトの属性フラグが含まれている。この属性フラグによって、オブジェクトがグラフィックス、イメージ、及び文字の何れであるかが識別される。各属性は、文字処理部3007、グラフィックス処理部3008、及びイメージ処理部3009から通知されたものである。属性フラグは、レンダ3002を経て後段の画像処理プロセッサ3003で使用される。また、ディスプレイリスト3017には、各オブジェクトのラスタオペレーション情報が含まれている。このラスタオペレーション情報により、ラスタオペレーション処理が必要なオブジェクトか否かが識別される。
【0041】
レンダ3002は、ディスプレイリスト3017を解釈し、それぞれビット深度が(8×4)面のCMYKビットマップ3018を生成するものである。このレンダ3002では、図2に示したイメージプロセッサ(RIP)2060を使用して大半の処理が行われる。なお、レンダ3002は、図5に示したレンダ1530に対応するものである。
レンダ3002は、Mask(result = src & dest)、Copy(result = src)、及びMerge(result = src | dest)等のラスタオペレーションモードを備えている。そして、レンダ3002は、描画オブジェクト毎に指定されたラスタオペレーションモードに従い、既に描画済の描画オブジェクト(背景、dest)と、次に描画する描画オブジェクト(前景、src)との間でラスタオペレーション処理を実行する。そして、ラスタオペレーション処理を実行した結果である描画結果(result)をページメモリ上に展開する。
【0042】
また、レンダ3002は、ディスプレイリスト3017に含まれる属性フラグを元に、オブジェクト属性マップ3019を5枚目の版として生成する。ここで、オブジェクト属性マップ3019は、各デバイスのピクセル単位で属性を示すものであり、ピクセル毎にビット深度が2(グラフィックス01、イメージ10、文字11)の属性情報を持つ。
以上のようにして得られたCMYKビットマップ3018や、オブジェクト属性マップ3019は、画像処理プロセッサ3003に送られる。
【0043】
画像処理プロセッサ3003は、レンダ3002により生成されたCMYKビットマップ3018に対して画像処理を行うものである。この画像処理としては、例えば、濃度・カラーバランス調整部3012で行われる濃度やカラーバランスの調整、出力ガンマ補正部3013で行われるγ補正、及びハーフトーニング部3014によって行われるハーフとーニングが挙げられる。なお、この画像処理プロセッサ3003は、図5に示したプリンタマネージャ部1526により制御される。
【0044】
ハーフトーニング部3014は、オブジェクト属性マップ3019を参照してオブジェクトの属性毎に異なるハーフトーニングを適用するものである。具体的にハーフトーニング部3014は、グラフィックス属性の画像領域に対しては解像度優先の高線数スクリーンを適用する。また、イメージ属性の画像領域に対しては階調優先の低解像度スクリーンを適用する。また、文字属性の画像領域に対しては誤差拡散を適用する。
色判定部3009でモノクロページと判定された場合には、レンダ3002で作成されたCMYKビットマップ3018のうちK版のビットマップのみが画像処理プロセッサ3003に送られる。そして、最終出力で使用されるKビットマップ3021が画像処理プロセッサ3003で生成される。一方、色判定部3009でカラーページと判定された場合には、レンダ3002で生成されたCMYKビットマップ3018がそのまま画像処理プロセッサ3002に送られる。そして、最終出力で使用されるCMYKビットマップ3020が画像処理プロセッサ3003で生成される。
こうして、画像処理プロセッサ3003により生成されたCMYKビットマップ3020又はKビットマップ3021が、図5に示したエンジンI/F1529を介してプリンタエンジン(プリンタ2070)に転送される。そして、プリンタ2070で所望のメディアに印字出力される。
【0045】
次に、図10のフローチャートを参照しながら、色判定部3009の詳細な処理の一例について説明する。
本実施形態では、カラーマネージメント処理、色判定処理、色関連プリフライトチェック処理、及びディスプレイリスト生成処理が、描画オブジェクト毎に順番に実行される。このため、図10に示すフローチャートは、色判定ルーチンとして描画オブジェクト毎に呼び出される。
先ず、ステップS3101において、現在のページの色判定が未決定か否かを判定する。この判定の結果、現在のページがカラー又はモノクロであることが既に決定済の場合は、色判定を行わずに処理を終了する。一方、現在のページの色判定が未決定の場合は、ステップS3102に進む。ステップS3102では、現在選択されている出力プロファイルがグレイ補償プロファイルか否かを判定する。この判定の結果、現在選択されている出力プロファイルがグレイ補償プロファイルであればステップS3104へ進み、そうでなければステップS3103へ進む。
【0046】
ステップS3103では、色判定しきい値Tc、Tm、TyをTc=cLow、Tm=mLow、Ty=yLowに設定し、ステップS3105へ進む。
一方、ステップS3104では、色判定しきい値Tc、Tm、TyをTc=cHigh、Tm=mHigh、Ty=yHighに設定し、ステップS3105へ進む。
ここで、色判定しきい値cLow、mLow、yLow、cHigh、mHigh、yHighは、いずれも値域が0以上255以下の範囲において、比較的低濃度の値、例えば「16未満の値」で以下(1)式〜(3)式の関係が成り立つ定数である。
cLow<cHigh ・・・(1)式
mLow<mHigh ・・・(2)式
yLow<yHigh ・・・(3)式
【0047】
ここで、出力プロファイルがグレイ補償プロファイルである場合の色判定しきい値を、そうでない場合の色判定しきい値よりも大きくしている。グレイ補償プロファイルが存在するということは、灰色での記録を意図した可能性が高いので、後述する処理においてカラーであると判定され難くするためである。換言すれば、出力プロファイルがグレイ補償プロファイルでない場合には、カラーであると判断し易い条件を設定するとも言える。なお、ホストコンピュータ2100で印刷ジョブを発行する際に、ユーザからの指示によってその印刷ジョブ中にグレイ補償プロファイルが設定されるようにしても良い。また、文書処理装置200の操作部2012等を用いてユーザが予め設定しても良い。印刷ジョブ中にグレイ補償プロファイルを設定する場合は、ジョブチケットにより設定される。
【0048】
さて、ステップS3105に進むと、色判定するオブジェクトがイメージ(中間調イメージ)の属性であるか否か判定する。この判定の結果、色判定するオブジェクトが中間調イメージの属性である場合には、ステップS3106へ進む。一方、色判定するオブジェクトが中間調イメージ以外、すなわち、グラフィックスや文字である場合にはステップS3108へ進む。
ステップS3106では、中間調イメージのデータにおけるピクセルの色値C、M、Yが、色判定しきい値Tc、Tm、Tyよりも大きいか否かを判定する。具体的には、以下の(4)式〜(6)式の何れかが成立するか否かを判定する。
C>Tc ・・・(4)式
M>Tm ・・・(5)式
Y>Ty ・・・(6)式
この判定の結果、中間調イメージのデータにおけるピクセルの色値C、M、Yが、色判定しきい値Tc、Tm、Tyよりも大きい場合には、ステップS3109に進む。一方、中間調イメージのデータにおけるピクセルの色値C、M、Yが、色判定しきい値Tc、Tm、Tyよりも大きくない場合には、ステップS3107に進む。そして、注目オブジェクト(中間調イメージ)の全ピクセルに対して、色値C、M、Yが、色判定しきい値Tc、Tm、Tyよりも大きいか否かの判定を行ったか否かを判定する。この判定の結果、注目オブジェクト(中間調イメージ)の全ピクセルに対して、色値C、M、Yが、色判定しきい値Tc、Tm、Tyよりも大きいか否かを判定した場合には、ステップS3110に進む。一方、注目オブジェクト(中間調イメージ)の全ピクセルに対して、色値C、M、Yが、色判定しきい値Tc、Tm、Tyよりも大きいか否かの判定していない場合には、ステップS3106に戻る。
【0049】
色判定するオブジェクトが中間調イメージ以外であり、ステップS3108に進んだ場合、注目オブジェクトはグラフィックス、又は文字である。そこで、使用する色値C、M、Yが、色判定しきい値Tc、Tm、Tyよりも大きいか否かを判定する。具体的には、以下の(7)式〜(9)式の何れかが成立するか否かを判定する。
C>Tc ・・・(7)式
M>Tm ・・・(8)式
Y>Ty ・・・(9)式
この判定の結果、使用する色値C、M、Yが、色判定しきい値Tc、Tm、Tyよりも大きい場合には、ステップS3109へ進む。一方、使用する色値C、M、Yが、色判定しきい値Tc、Tm、Tyよりも大きくない場合には、ステップS3110へ進む。
【0050】
ステップS3110ではページ内の全てのオブジェクトに対して色判定を行ったか否かを判定する。この判定の結果、ページ内の全てのオブジェクトに対して色判定を行っていない場合には、ステップS3112へ進み、現在のページをカラー未決定(判定途中)と判定し処理を終了する。一方、ページ内の全てのオブジェクトに対して色判定を行っている場合には、ステップS3111へ進み、現在のページをモノクロと判定して処理を終了する。
また、ステップS3106、S3108において、色値C、M、Yが、色判定しきい値Tc、Tm、Tyよりも大きいと判定された場合には、ステップS3109に進み、現在のページをカラーと判定して処理を終了する。
なお、現在のページが、カラーページか、モノクロページかを判定した結果は、外部変数として、図2に示したRAM2002に保存される。この判定結果は、図6に示したレンダ3002により生成されたCMYKプレーンのビットマップのうち、Kプレーンのみを使うか、それともCMYKの各プレーンのビットマップを使うか判断するために、プリンタマネージャ1526により参照される。
【0051】
Kプレーンのみを使うと決定した場合には、ブラックのビットマップイメージデータについて、ブラックトナー、又はブラックインクを用いて印刷することで、高速な印刷を行うようになる。また、CMYKの4つのプレーンを使う場合には、Kプレーンだけを使って単色で印刷する場合と比較すると時間がかかるが、高い画質のカラー印刷を行うことになる。
【0052】
次に、図11のフローチャートを参照しながら、色関連プリフライトチェック部3010の詳細な処理の一例について説明する。
図11に示す色関連プリフライトチェック処理も、図10に示した色判定処理と同じく描画オブジェクト毎に実行されるものであり、色関連プリフライトチェックルーチンとして描画オブジェクト毎に呼び出される。
【0053】
先ず、ステップS3201において、現在のページにおける色処理の指定の妥当性を確認済か否かを判定する。この判定の結果、現在のページにおける色処理の指定の妥当性を確認既の場合には処理を終了する。一方、現在のページにおける色処理の指定の妥当性を確認済でない場合には、ステップS3202に進む。ステップS3202では、現在のページが色判定済か否かを判定する。現在のページが色判定済か否かは、現在処理中の描画オブジェクトに対して図10に示したフローチャートで行われた処理結果に基づいて判定される。この判定の結果、現在のページが色判定済の場合には、ステップS3203に進む。一方、現在のページが色判定済でない場合には処理を終了する。
【0054】
ステップS3203では、カラープロファイルの設定が前のページから変更されたか否かを判定する。この判定の結果、カラープロファイルの設定が前のページから変更されていない場合には、ステップS3206へ進み、現在のページにおける色処理の指定は妥当と判定する。つまり、カラープロファイルの設定が前ページの内容から変化しない場合には、ページ記述言語データ、すなわち文書本体の各ページの色がどのように変化しようとも妥当と判定される。
【0055】
一方、カラープロファイルの設定が前のページから変更された場合には、ステップS3204へ進む。ステップS3204では、現在のページにおける色判定の結果がモノクロであったか否かを判定する。この判定の結果、現在のページにおける色判定の結果がモノクロであった場合には、ステップS3205へ進み、現在のページにおける色処理の指定の妥当性に疑いがあると判定する。モノクロページに対してカラープロファイルの設定を変更しても、生成される画像には何の影響も与えない。つまり、カラープロファイルの設定が変更されるということは、文書処理装置200のユーザは、対象ページがカラーであるという想定を行っていると予想される。そこで、本実施形態では、このことをユーザに通知するために、印刷ジョブとして妥当性に疑いがあると判定するものである。
一方、現在のページにおける色判定の結果がモノクロでない場合には、ステップS3206へ進み、現在のページにおける色処理の指定は妥当であると判定する。
【0056】
ステップS3205へ進んだ場合も、ステップS3206へ進んだ場合も、次にステップS3207へ進み、現在のページにおけるカラープロファイルの設定を前ページにおけるカラープロファイルの設定として記憶し、処理を終了する。
【0057】
図12は、色処理の指定の妥当性の判定結果の例を示した図である。
図12(a)〜図12(h)に示す8個の判定例は、ページ記述言語データ、すなわち文書の色とカラープロファイルの設定とが、連続する2ページで変化する場合の組み合わせを列挙したものである。
図12(a)に示す判定例では、1ページ目から2ページ目で、文書がカラーからモノクロに変化し、プロファイルの設定が変化しないことを示している。プロファイルの設定が変化しない場合は、色処理の指定の妥当性に問題はないと判定される。したがって、図12(a)に示す判定例では、色処理の指定は妥当となる。図12(c)、図12(e)、図12(g)の判定例も同様に、色処理の指定は妥当となる。図12(a)に示す判定例ではモノクロページに対して、カラープロファイルの設定がされているが、カラーで出力することが可能な装置に対してはデフォルトでカラープロファイルの設定がされる場合が多い。このため、色処理の指定を妥当としている。また、ユーザが指定したページに対してのみカラープロファイルの設定を行う場合でも、カラーとモノクロとが混在するような文書に対して一律にカラープロファイルの設定を行うことも十分考えられる。
【0058】
図12(b)、図12(d)、図12(f)、図12(h)の判定例では、カラープロファイルの設定が1ページ目から2ページ目で変更されているが、2ページ目がカラーの場合には、色処理の指定を妥当としている。一方、2ページ目がモノクロの場合には、色処理の指定の妥当性に疑いがあるとしている。図12(a)に示す判定例も、図12(b)に示す判定例も2ページ目において文書と設定とのミスマッチが発生していることは同様である。しかしながら、カラープロファイルの設定が変更されるということは、そこにはユーザの明確な意思があることを示しており、単に文書と設定のミスマッチ以上の嫌疑がかけられるものである。
【0059】
なお、以上のような判定を行うために、例えば、図13に示すようなテーブルを、ROM2003に記憶し、色関連プリフライトチェック部3010は、このテーブルを参照して色処理の指定の妥当性を判定する。
【0060】
以上のように本実施形態では、色判定部3009が、印刷データがカラーページかモノクロページかを判定する。色関連プリフライトチェック部3010は、現在のページにおけるカラープロファイルの設定が前のページから変更されたか否かを判定する。この判定の結果、カラープロファイルの設定が前のページから変更されていない場合には、現在のページにおける色処理の指定は妥当と判定する。
【0061】
一方、カラープロファイルの設定が前のページから変更された場合には、現在のページにおける色判定の結果がモノクロであったか否かを判定する。この判定の結果、現在のページにおける色判定の結果がモノクロであれば、現在のページにおける色処理の指定の妥当性に疑いがあると判定し、そうでなければ、現在のページにおける色処理の指定は妥当と判定する。
こうして、色処理の指定の妥当性が疑われると判定されると、RIP処理が一旦中断され、操作部2012に設けられたLCDに、妥当性の疑われるジョブが投入された旨を警告表示する。
以上のように、ページ間の印刷設定の切り替えと、ページ間の印刷データとの関係の検出結果に応じて、ページ間で意味のない設定の切り替えが指定されているか否かを判定し、ページ間で意味のない設定の切り替えが指定されている場合には、警告表示する。したがって、使用者が意図しない印刷出力がなされてしまうことを防止することができる。
【0062】
なお、本実施形態では、出力プロファイルの設定が変更される場合を例に挙げて説明を行った。しかしながら、RGB/CMYKの描画オブジェクトが存在しないページで、関連するRGBソースプロファイル設定/CMYKシミュレーションプロファイル設定が変更される場合にも同様の仕組みでチェックすることが可能である。
また、本実施形態では、色処理の指定の妥当性をページ毎に判定する場合を例に挙げて説明した。このため、複数ページからなるページ記述言語データのページの途中で妥当性に疑いがある場合、ジョブがキャンセルされた場合でも、そのページの途中までは印刷が行われる。これを回避する方法として、色処理の指定の妥当性を判定するための、印刷を伴わないRIP処理を最初に行い、問題が無かった場合に初めて印刷を開始する方法がある。このためには、RIP処理が済んでいる画像をHDD2004等の記憶媒体に一旦保持し、色処理の指定の妥当性を全ページで判定した段階、即ちRIP処理が終了した段階でHDD2004に保持した画像を用いて印刷を行う。
【0063】
また、別の方法として、まず、一旦ページ記述言語データを全てスプールし、色処理の指定の妥当性を判定するためのRIP処理を最初に行う。この際には生成したディスプレイリストを全て破棄して、レンダリング処理を行わないようにする。そして、色処理の指定が妥当であった場合に初めて、スプールしたページ記述言語データを用いて印刷のためのRIP処理を再び行い印刷する。RIP処理が済んだ画像をHDD2004に保持する方では、印刷時間は短くなるが大容量のHDDを必要とする。ページ記述言語データと比較して、RIP処理が済んだ画像は大容量だからである。このように、前述したどちらの方法も一長一短がある。このため、印刷用途に応じて選択的に適用することが好ましい。
【0064】
なお、本実施形態における手法は、プリンタを含む複数の機器(例えばホストコンピュータ、インターフェース機器、スキャナ、プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、プリンタ単体の装置に適用してもよい。
【0065】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
前述した第1の実施形態では、ジョブチケットによる色処理の指定(カラー設定)がページ間で変化したにも関わらず、RIP処理で生成する画像に変化が生じないことを基準に、ジョブの妥当性の検証を行った。しかしながら、RIP処理で生成する画像に変化が生じるにも関わらず、ジョブの妥当性が疑われる場合がある。
例えば、図14に示すパターンが該当する。図14に示す2個のパターンは、ページ記述言語データ、すなわち文書の色とカラーモードの設定とが、連続する2ページで変化する場合の組み合わせの例である。
【0066】
図14(a)に示す例は、文書がカラーページからモノクロページに変化するところで、カラーモードの設定がモノクロからカラーに変化する例である。この場合、文書のモノクロページに対してカラー処理を行うことにより、CMYKの4色のトナーを使用して再現することになる。そうすると、Kの1色のトナーで再現した場合よりも表現力が向上するのは確かである。しかしながら、カラーモードの設定をモノクロにして前ページのカラーページを処理していたこと考慮すると、意図的にこのような設定されるものとは予想し難い。
【0067】
図14(b)に示す例は、図14(a)に示す例とは反対で、文書がモノクロページからカラーページに変化するところで、カラーモードの設定がカラーからモノクロに変化する例である。この場合も、2ページとも見た目にはグレイ諧調で表現されるが、1ページ目は、CMYKの4色のトナーによる再現であるのに対し、2ページ目はKの1色のトナーによる再現になる。このため、1ページ目と2ページ目とを並べて見た際に違和感を生じさせる結果となる。
【0068】
前述した第1の実施形態では、RIP処理で生成する画像に違いが生じないような明らかに無意味な設定を検知するものであった。これに対し、図14に示すパターンは不自然な設定であることは確かであるものの、RIP処理で生成する画像に違いが生じるため、明らかに無意味とは言えないという差が存在する。そこで、本実施形態では、図14に示したように明らかに無意味とは言えないまでも、不自然と思われるページを検知する場合について説明する。このように、本実施形態と前述した第1の実施形態とは、ジョブの妥当性を判定する方法の一部が異なるだけである。したがって、本実施形態の説明において、前述した第1の実施形態と同一の部分については、図1〜図13に付した符号と同一の符号を付す等して詳細な説明を省略する。
【0069】
図15は、操作部2012に設けられたLCDに表示される画面の一例を示した図である。
この画面は、ジョブの妥当性を判定する際に検知すべきパターンを登録するための画面である。文書ペイン3501は、文書の1ページ目と2ページ目とに対して、カラー又はモノクロを登録するためのものである。カラーとモノクロはそれぞれラジオボタンにより、何れか1つのみを選択することが可能である。カラーモード設定ペイン3502は、カラーモードの設定の1ページ目と2ページ目とに対して、カラーかモノクロかを登録するためのものである。この画面によって登録された文書の連続する2ページの色とカラーモードの設定との組み合わせが、ジョブの妥当性が疑われる組み合わせとして判定される。事前に登録した場合にのみ、ジョブの妥当性の判定対象となるため、初期状態ではジョブの妥当性が判定されない。なお、この画面により登録された組み合わせは外部変数として、図2に示したRAM2002に保存され、後述するプリフライトチェックの実行モジュールによって参照される。
【0070】
図16は、ページ記述言語を解釈して画像形成を行うRIP処理の流れを概念的に示した図である。色判定部と、色関連プリフライトチェック部と、CMSエンジンの順序が、図6に示したものと異なるだけであり、それ以外は第1の実施形態による文書処理装置200における処理の流れと同一である。順序が異なるのは、カラーモードの設定がモノクロの場合、CMSエンジン3606により全ての色がKの一色に色変換されてしまい、カラーモード設定がカラーの場合は、全ての色がCMYKの4色に色変換されてしまうためである。したがって、CMSエンジン3606の後に色判定を行っても、ページ記述言語データ、すなわち元の文書の各ページの色を判定することができない。そこで、CMSエンジン3606による色変換を行う前に色判定部3604で各ページの色判定を行い、その結果を受けて色関連プリフライトチェック部3606が色処理の指定の妥当性を判定する構成となる。
【0071】
次に、図17のフローチャートを参照しながら、色判定部3604の詳細な処理の一例について説明する。
先ず、ステップS3701において、現在のページの色判定が未決定か否かを判定する。この判定の結果、現在のページがカラー又はモノクロであることが既に決定済の場合は、色判定を行わずに処理を終了する。一方、現在のページの色判定が未決定の場合は、ステップS3702に進む。ステップS3702では、色判定する描画オブジェクトがCIEBased色空間で色指定されているか否かを判定する。この判定の結果、色判定する描画オブジェクトがCIEbased色空間で色指定されていれば、ステップS3709に進む。一方、色判定する描画オブジェクトがCIEbased色空間で色指定されていなければ、ステップS3703に進む。
【0072】
ステップS3703では、色判定する描画オブジェクトがDeviceGray色空間で色指定されているか否かを判定する。この判定の結果、色判定する描画オブジェクトがDeviceGray色空間で色指定されていれば、ステップS3708に進む。一方、色判定する描画オブジェクトがDeviceGray色空間で色指定されていなければ、ステップS3704に進む。
ステップS3704では、色判定する描画オブジェクトがイメージ(中間調イメージ)の属性であるか否かを判定する。この判定の結果、色判定する描画オブジェクトが中間調イメージの属性である場合には、ステップS3705へ進み。一方、色判定するオブジェクトが中間調イメージ以外、すなわち、グラフィックスや文字である場合にはステップS3707へ進む。
【0073】
ステップS3705では、中間調イメージのデータにおけるピクセルの色値C、M、Yが0よりも大きいか否かということと、又はR信号、G信号、及びB信号が全て等しくないか否かということとを判定する。具体的には、以下の(10)式〜(15)式の何れかが成立するか否かを判定する。
C>0 ・・・(10)式
M>0 ・・・(11)式
Y>0 ・・・(12)式
R≠G ・・・(13)式
R≠B ・・・(14)式
G≠B ・・・(15)式
【0074】
この判定の結果、中間調イメージのデータにおけるピクセルの色値C、M、Yが0よりも大きいか、又はR信号、G信号、及びB信号が全て等しくない場合には、ステップS3709に進む。一方、中間調イメージのデータにおけるピクセルの色値C、M、Yが0よりも大きくないか、又はR信号、G信号、及びB信号が全て等しい場合には、ステップS3706に進む。そして、注目オブジェクト(中間調イメージ)の全ピクセルに対して、色値C、M、Yが0よりも大きいか否かということと、R信号、G信号、及びB信号が全て等しくないか否かということとを判定したか否かを判定する。この判定の結果、注目オブジェクト(中間調イメージ)の全ピクセルに対して、色値C、M、Yが0よりも大きいか否かということと、R信号、G信号、及びB信号が全て等しくないか否かということとを判定した場合には、ステップS3108に進む。一方、注目オブジェクト(中間調イメージ)の全ピクセルに対して、色値C、M、Yが0よりも大きいか否かということと、R信号、G信号、及びB信号が全て等しくないか否かということとを判定していない場合には、ステップS3705に戻る。
【0075】
また、色判定するオブジェクトが中間調イメージ以外であり、ステップS3707に進んだ場合、注目オブジェクトはグラフィックス、又は文字である。したがって、使用する色値C、M、Yが0よりも大きいか否かということと、又はR信号、G信号、及びB信号が全て等しくないか否かということとを判定する。具体的には、以下の(16)式〜(21)式の何れかが成立するか否かを判定する。
C>0 ・・・(16)式
M>0 ・・・(17)式
Y>0 ・・・(18)式
R≠G ・・・(19)式
R≠B ・・・(20)式
G≠B ・・・(21)式
【0076】
この判定の結果、使用する色値C、M、Yが0よりも大きいか、又はR信号、G信号、及びB信号が全て等しくない場合には、ステップS3709に進む。一方、中間調イメージのデータにおけるピクセルの色値C、M、Yが0よりも大きくないか、又はR信号、G信号、及びB信号が全て等しい場合には、ステップS3708に進む。
【0077】
ステップS3708ではページ内の全てのオブジェクトに対して色判定を行ったか否かを判定する。この判定の結果、ページ内の全てのオブジェクトに対して色判定を行っていない場合には、ステップS3710へ進み、現在のページをカラー未決定(判定途中)と判定し処理を終了する。一方、ページ内の全てのオブジェクトに対して色判定を行っている場合には、ステップS3711へ進み、現在のページをモノクロと判定して処理を終了する。
また、ステップS3705、S3707において、色値C、M、Yが0よりも大きいか、又はR信号、G信号、及びB信号が全て等しくないと判定された場合には、ステップS3709に進み、現在のページをカラーと判定して終了する。
【0078】
次に図18のフローチャートを参照しながら、色関連プリフライトチェック部3605の詳細な処理の一例について説明する。
先ず、ステップS3801において、現在のページにおける色処理の指定の妥当性を確認済か否かを判定する。この判定の結果、現在のページにおける色処理の指定の妥当性を確認既に確認済の場合には処理を終了する。一方、現在のページにおける色処理の指定の妥当性を確認済でない場合には、ステップS3802に進む。ステップS3802では、現在のページが色判定済か否かを判定する。現在のページが色判定済か否かは、現在処理中の描画オブジェクトに対して図17に示したフローチャートで行われた処理結果に基づいて判定される。この判定の結果、現在のページが色判定済の場合には、ステップS3803に進む。一方、現在のページが色判定済でない場合には処理を終了する。
【0079】
ステップS3803では、前ページと現在ページとのカラーモードの設定が、図15に示した画面で登録された組み合わせと一致するか否かを判定する。この判定の結果、前ページと現在ページとのカラーモードの設定が、図15に示した画面で登録された組み合わせと一致する場合には、ステップS3804へ進む。一方、前ページと現在ページとのカラーモードの設定が、図15に示した画面で登録された組み合わせと一致しない場合には、ステップS3806へ進み、現在のページを妥当と判定する。
【0080】
ステップS3804では、前ページと現在ページとの色判定の結果が、図15に示した画面で登録された組み合わせと一致するか否かを判定する。この判定の結果、前ページと現在ページとの色判定の結果が、図15に示した画面で登録された組み合わせと一致する場合には、ステップS3805へ進み、現在のページを妥当性に疑いありと判定する。一方、前ページと現在ページとの色判定の結果が、図15に示した画面で登録された組み合わせと一致しない場合には、ステップS3806へ進み、現在のページを妥当と判定する。
ステップS3805へ進んだ場合も、ステップS3806へ進んだ場合も、次にステップS3807へ進み、現在のページにおけるカラープロファイルの設定を前ページにおけるカラープロファイルの設定として記憶し、処理を終了する。
【0081】
なお、本実施形態では、前のページと、現在のページとでカラープロファイルの変更があったか否かを判定する場合を例に挙げて説明した。しかし、ページ間で意味のない設定が指定されている(ユーザが意図していないと思われる設定が指定されている)か否かを判定し、ページ間で意味のない設定が指定される場合には、ユーザにその旨を報知するようにしていればどのような構成であってもよい。例えば、前のページと、現在のページとでページサイズが例えばA4サイズからA3サイズに変更されたのにも関わらず、現在のページにおいて両面印刷の設定が指示されている場合に、その旨を報知するようにしてもよい。また、例えば、前のページと、現在のページとでページサイズが変更されたのにも関わらず、ナンバーアップ(N−up)印刷の設定が指示されている場合に、その旨を報知するようにしてもよい。
【0082】
この場合、図17における色判定の代わりに、現在のページのページサイズを判定する。そして、図18におけるプリフライトチェックの代わりに、まず、現在のページにおける印刷設定に矛盾がないか否かの確認が済んでいるか否かを判定する。次に、現在のページのページサイズを判定する。次に、両面印刷又はN−up印刷が設定されたか否かを判定する。この判定の結果、両面印刷又はN−up印刷が設定された場合には、現在のページにおける印刷設定に矛盾がある可能性があると判定する。一方、両面印刷が設定されていない場合には、現在のページにおける印刷設定に矛盾がないと判定する。なお、この場合においてもジョブの妥当性を判定するためのテーブルを予め作成し、このテーブルを参照してジョブの妥当性を判定するのが好ましい。
【0083】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。前述した第1及び第2の実施形態では、文書処理装置側(プリンタ側)で、色処理の指定の妥当性(色関連プリフライトチェック)を行うようにした。これに対し、本実施形態では、色処理の指定の妥当性をホストコンピュータに設定されたプリンタドライバにて実行するようにする。このように、本実施形態と前述した第1及び第2の実施形態とは、処理を行う装置が異なるだけである。したがって、本実施形態の説明において、前述した第1及び第2の実施形態と異なる部分については、図1〜図18に付した符号と同一の符号を付す等して詳細な説明を省略する。なお、本実施形態では、プリンタドライバとしてPostScriptプリンタドライバを用いた場合を例に挙げて説明する。
【0084】
図19は、使用者がアプリケーションに対して印刷を指示してから印刷出力がなされるまでの流れの一例を示した図である。図19において、PostScriptプリンタ4006を除く全てのモジュールは、図1に示したホストコンピュータ2100上で動作する。一方、PostScriptプリンタ4006は、図1に示した文書処理装置200に相当する。
先ず、ホストコンピュータ2100に設けられたキーボードやマウスの操作等によって使用者が印刷指示を行う。そうすると、タイミングT1において、PostScriptアプリケーション4001はプリンタドライバ4004が、PostScriptに対応したプリンタドライバであるか否かを判別するために、オペレーティングシステム4002に問い合わせを行う。オペレーティングシステム4002は、PostScriptアプリケーション4001からの問い合わせに応じて、タイミングT2において、プリンタドライバ4004に問い合わせを行う。
【0085】
ここで、プリンタドライバ4004は、タイミングT3において、PostScriptプリンタドライバであると返答する。オペレーティングシステム4002は、タイミングT4において、PostScriptアプリケーション4001に対して、プリンタドライバ4004の種類は、PostScriptプリンタドライバであると返答する。
次に、PostScriptアプリケーション4001は、プリンタドライバ4004がPostScriptプリンタドライバであることを認識したため、タイミングT5において、自らPostScriptデータを生成する。そのPostScriptデータは、タイミングT6、T7において、オペレーティングシステム4002と、ディスパッチャ4003とを経由して、プリンタドライバ4004に送られる。
通常、このPostScriptデータは、PostScriptプリンタ4006に直接送られる。しかしながら、本実施形態のプリンタドライバ4004では、プリフライトモジュール4005により、色処理の指定の妥当性の判定が行われる。
【0086】
図20は、色処理の指定の妥当性を判定するためのプリフライトモジュール4005の詳細な構成の一例を示す図である。本実施形態では、色処理の指定の妥当性を判定する対象となるデータはPostScriptデータである。このため、前述した第1の実施形態と同様に、PostScriptインタプリタ4101を用いて、色処理の指定の妥当性を判定する。ここで、第1の実施形態と異なる点は2つある。第1に、プリンタドライバのUI(ユーザインターフェース)にて設定された値が、RIP詳細パラメータ4111としてそのままPostScriptインタプリタ4101に渡される点が第1の実施形態と異なる。第2に、ディスプレイリストジェネレータ4109がディスプレイリストの出力処理を行わない点が第1の実施形態と異なる。言語処理部4102、文字処理部4103、グラフィックス処理部4104、イメージ処理部4105、CMSエンジン4106、色判定部4107、色関連プリフライトチェック部4108は、図6、図10、図11等を用いて説明した処理と全く同じ処理を行う。したがって、詳細な説明を省略する。
【0087】
以上のようなプリフライトモジュール4005にて、色処理の指定の妥当性に疑いがあると判定された場合、プリンタドライバ4004のUIに、図9と同様のダイアログを表示してユーザの指示を待つこと等も第1の実施形態と同様である。
また、PostScriptプリンタドライバに類似する形態のアプリケーションとして、共有フォルダを用いてジョブを送信するホットフォルダがある。このホットフォルダを用いた場合にも、前述したのと全く同様の方法で、色処理の指定と、印刷データとの間のミスマッチを検出するプリフライトチェックを行うことが可能である。
【0088】
なお、前述した第1〜第3の実施形態において、ホストコンピュータ2100は、例えば図21に示すような構成を有する。
図21において、CPU1101と、ROM1102と、RAM1103と、キーボード(KB)1104のキーボードコントローラ(KBC)1105とが、システムバス1113に接続されている。また、表示部としてのCRTディスプレイ(CRT)1106のCRTコントローラ(CRTC)1107と、ハードディスク(HD)1108及び記録媒体(MC)1009のコントローラ(DKC)1110も、システムバス1113に接続されている。さらに、ネットワーク4000との接続のためのネットワークインターフェースコントローラ(NIC)1112も、システムバス1113に接続されている。このように、図21に示す各部は、システムバス1113を介して互いに通信可能に接続された構成としている。
【0089】
CPU1101は、ROM1102或いはHD1108に記憶されたソフトウェアを実行することで、システムバス1103に接続された各構成部を総括的に制御する。
すなわち、CPU1101は、所定の処理シーケンスに従った処理プログラムやデータを、ROM1102、或いはHD1108、或いは記録媒体(MC)1009から読み出して実行することで、前述した動作を実現するための制御を行う。
【0090】
RAM1103は、CPU1101の主メモリ或いはワークエリア等として機能する。
KBC1105は、KB1104やマウス等のポインティングデバイス等のユーザインターフェースからの指示入力を制御する。
【0091】
CRTC1107は、グラフィックユーザインターフェースとしての機能を有するCRT1106の表示を制御する。
DKC1110は、ブートプログラム、種々のアプリケーション、編集ファイル、ユーザファイル、及びネットワーク管理プログラムを実行する所定の処理プログラム等を記憶するHD1108や、記録媒体(MC)5000のアクセスを制御する。
NIC1112は、LAN2011上の装置或いはシステムと双方向にデータをやりとりする。
【0092】
(本発明の他の実施形態)
なお、前述した実施形態の機能を実現するべく各種のデバイスを動作させるように、該各種デバイスと接続された装置あるいはシステム内のコンピュータに対し、前記実施形態の機能を実現するためのソフトウェアのプログラムコードを供給する。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(CPUあるいはMPU)に格納されたプログラムに従って前記各種デバイスを動作させることによって実施したものも、本発明の範疇に含まれる。
【0093】
また、この場合、前記ソフトウェアのプログラムコード自体が上述した実施形態の機能を実現することになる。そして、そのプログラムコード自体、及びそのプログラムコードをコンピュータに供給するための手段、例えば、かかるプログラムコードを格納した記録媒体は本発明を構成する。かかるプログラムコードを記憶する記録媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
【0094】
また、プログラムコードがコンピュータにおいて稼働しているOS(オペレーティングシステム)あるいは他のアプリケーションソフト等と共同して上述の実施形態の機能が実現される場合にもかかるプログラムコードは本発明の実施形態に含まれる。
【0095】
さらに、供給されたプログラムコードをコンピュータの機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに格納する。その後、そのプログラムコードの指示に基づいてその機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって上述した実施形態の機能が実現される場合にも本発明に含まれることは言うまでもない。
【0096】
なお、前述した実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明の第1の実施形態を示し、文書処理システムの全体の構成の一例を示したブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態を示し、文書処理装置の構成の一例を示したブロック図である
【図3】本発明の第1の実施形態を示し、文書処理装置の外観構成の一例を示した図である。
【図4】本発明の第1の実施形態を示し、文書処理装置の操作部における構成の一例を示した図である。
【図5】本発明の第1の実施形態を示し、文書処理装置のソフトウェアの構成の一例を示したブロック図である。
【図6】本発明の第1の実施形態を示し、ページ記述言語を解釈して画像形成を行うRIP処理の流れを概念的に示した図である。
【図7】本発明の第1の実施形態を示し、RIP詳細パラメータの一例を示した図である。
【図8】本発明の第1の実施形態を示し、RIP詳細パラメータの元となったジョブチケットの一例を示した図である。
【図9】本発明の第1の実施形態を示し、操作部に設けられたLCDに表示される警告表示の一例を示した図である。
【図10】本発明の第1の実施形態を示し、色判定部の詳細な処理の一例について説明するフローチャートである。
【図11】本発明の第1の実施形態を示し、色関連プリフライトチェック部の詳細な処理の一例について説明するフローチャートである。
【図12】本発明の第1の実施形態を示し、色処理の指定の妥当性の判定結果の例を示した図である。
【図13】本発明の第1の実施形態を示し、色処理の指定の妥当性を判定するためのテーブルの一例を示した図である。
【図14】本発明の第2の実施形態を示し、RIP処理で生成する画像に変化が生じるにも関わらず、ジョブの妥当性が疑われる場合の例を示した図である。
【図15】本発明の第2の実施形態を示し、操作部に設けられたLCDに表示される画面の一例を示した図である。
【図16】本発明の第2の実施形態を示し、ページ記述言語を解釈して画像形成を行うRIP処理の流れを概念的に示した図である。
【図17】本発明の第2の実施形態を示し、色判定部の詳細な処理の一例について説明するフローチャートである。
【図18】本発明の第2の実施形態を示し、色関連プリフライトチェック部の詳細な処理の一例について説明するフローチャートである。
【図19】本発明の第3の実施形態を示し、使用者がアプリケーションに対して印刷を指示してから印刷出力がなされるまでの流れの一例を示した図である。
【図20】本発明の第3の実施形態を示し、色処理の指定の妥当性を判定するためのプリフライトモジュールの詳細な構成の一例を示す図である。
【図21】本発明の実施形態を示し、ホストコンピュータの構成の一例を示したブロック図である。
【符号の説明】
【0098】
200、220 文書処理装置
2000、2200 コントローラユニット
2011 LAN
2012、2212 操作部
2070、2270 スキャナ
2095、2295 プリンタ
2100 ホストコンピュータ
3001 PostScriptインタプリタ
3002 レンダ
3003 画像処理プロセッサ
3004、4102 言語処理部
3005、4103 文字処理部
3006、4104 グラフィックス処理部
3007、4105 イメージ処理部
3008、3606、4106 CMSエンジン
3009、3604、4107 色判定部
3010、3605、4108 色関連プリフライトチェック部
3011、4109 ディスプレイリストジェネレータ
3012 濃度・カラーバランス調整部
3013 出力ガンマ補正部
3014 ハーフトーニング部
3015 PostScriptデータ
3016 RIP詳細パラメータ
3017 ディスプレイリスト
3018 CMYKビットマップ
3019 オブジェクト属性情報
3020 CMYKビットマップ
3021 Kビットマップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷データの途中でなされた印刷設定の切り替えと、前記印刷データとの関係に矛盾があるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により、印刷データの途中でなされた印刷設定の切り替えと、前記印刷データとの関係に矛盾があると判定されると、そのことをユーザに報知する報知手段とを有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記報知手段により、前記印刷データの途中でなされた印刷設定の切り替えと、前記印刷データとの関係に矛盾があることがユーザに報知された後に、前記印刷データを出力するための処理を続行するか否かのユーザからの指示を受け付ける受け付け手段を有することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記印刷データを出力するための処理を行う出力手段を有し、
前記出力手段は、前記受け付け手段により、前記印刷データを出力するための処理を続行しない指示が受け付けられると、前記印刷データを出力するための処理を中止することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記判定手段は、前記印刷設定が切り替わることにより、前記印刷データの出力結果が変化する場合に、前記印刷データの途中でなされた印刷設定の切り替えと、前記印刷データとの関係に矛盾がないと判定し、そうでない場合に、前記印刷データの途中でなされた印刷設定の切り替えと、前記印刷データとの関係に矛盾があると判定することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記判定手段は、印刷データのページ間における印刷設定の切り替えと、そのページ間における印刷データの変化との関係に基づいて、前記印刷データの途中でなされた印刷設定の切り替えと、前記印刷データとの関係に矛盾があるか否かを判定することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
連続する2ページにおける印刷設定に関する情報と、連続する2ページにおける印刷データに関する情報とが対応付けられて記憶媒体に記憶されたテーブルを有し、
前記判定手段は、前記記テーブルを用いて、前記印刷データの途中でなされた印刷設定の切り替えと、前記印刷データとの関係に矛盾があるか否かを判定することを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記印刷データの途中でなされた印刷設定の切り替えに関する情報と、その印刷設定の切り替え前後における印刷データに関する情報とが対応付けられて記憶媒体に記憶されたテーブルを有し、
前記判定手段は、前記テーブルを用いて、前記印刷データの途中でなされた印刷設定の切り替えと、前記印刷データとの関係に矛盾があるか否かを判定することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記印刷データは、複数ページからなる電子ドキュメント、又は複数ページからなるページ記述言語データを含むことを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記印刷設定に関する情報を含むジョブチケットを外部装置から取得する取得手段と、
前記取得手段により取得されたジョブチケットに含まれる前記印刷設定に関する情報に基づいて、前記印刷データの途中でなされた印刷設定の切り替えを検出する検出手段とを有し、
前記判定手段は、前記検出手段により検出された印刷設定の切り替えと、前記印刷データとの関係に基づいて、前記印刷データの途中でなされた印刷設定の切り替えと、前記印刷データとの関係に矛盾があるか否かを判定することを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記判定手段により、前記印刷データの途中でなされた印刷設定の切り替えと、前記印刷データとの関係に矛盾があると判定されると、その判定された結果の履歴を記憶媒体に記憶する第2の記憶手段を有することを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
印刷データの途中でなされた印刷設定の切り替えと、前記印刷データとの関係に矛盾があるか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにより、印刷データの途中でなされた印刷設定の切り替えと、前記印刷データとの関係に矛盾があると判定されると、そのことをユーザに報知する報知ステップとを有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項12】
前記報知ステップにより、前記印刷データの途中でなされた印刷設定の切り替えと、前記印刷データとの関係に矛盾があることがユーザに報知された後に、前記印刷データを出力するための処理を続行するか否かのユーザからの指示を受け付ける受け付けステップを有することを特徴とする請求項11に記載の画像処理方法。
【請求項13】
前記印刷データを出力するための処理を行う出力ステップを有し、
前記出力ステップは、前記受け付けステップにより、前記印刷データを出力するための処理を続行しない指示が受け付けられると、前記印刷データを出力するための処理を中止することを特徴とする請求項12に記載の画像処理方法。
【請求項14】
前記判定ステップは、前記印刷設定が切り替わることにより、前記印刷データの出力結果が変化する場合に、前記印刷データの途中でなされた印刷設定の切り替えと、前記印刷データとの関係に矛盾がないと判定し、そうでない場合に、前記印刷データの途中でなされた印刷設定の切り替えと、前記印刷データとの関係に矛盾があると判定することを特徴とする請求項11〜13の何れか1項に記載の画像処理方法。
【請求項15】
前記判定ステップは、印刷データのページ間における印刷設定の切り替えと、そのページ間における印刷データの変化との関係に基づいて、前記印刷データの途中でなされた印刷設定の切り替えと、前記印刷データとの関係に矛盾があるか否かを判定することを特徴とする請求項11〜14の何れか1項に記載の画像処理方法。
【請求項16】
前記判定ステップは、連続する2ページにおける印刷設定に関する情報と、連続する2ページにおける印刷データに関する情報とが対応付けられて記憶媒体に記憶されたテーブルを用いて、前記印刷データの途中でなされた印刷設定の切り替えと、前記印刷データとの関係に矛盾があるか否かを判定することを特徴とする請求項15に記載の画像処理方法。
【請求項17】
前記判定ステップは、前記印刷データの途中でなされた印刷設定の切り替えに関する情報と、その印刷設定の切り替え前後における印刷データに関する情報とが対応付けられて記憶媒体に記憶されたテーブルを用いて、前記印刷データの途中でなされた印刷設定の切り替えと、前記印刷データとの関係に矛盾があるか否かを判定することを特徴とする請求項11〜15の何れか1項に記載の画像処理方法。
【請求項18】
前記印刷データは、複数ページからなる電子ドキュメント、又は複数ページからなるページ記述言語データを含むことを特徴とする請求項11〜17の何れか1項に記載の画像処理方法。
【請求項19】
前記印刷設定に関する情報を含むジョブチケットを外部装置から取得する取得ステップと、
前記取得ステップにより取得されたジョブチケットに含まれる前記印刷設定に関する情報に基づいて、前記印刷データの途中でなされた印刷設定の切り替えを検出する検出ステップとを有し、
前記判定ステップは、前記検出ステップにより検出された印刷設定の切り替えと、前記印刷データとの関係に基づいて、前記印刷データの途中でなされた印刷設定の切り替えと、前記印刷データとの関係に矛盾があるか否かを判定することを特徴とする請求項11〜18の何れか1項に記載の画像処理方法。
【請求項20】
前記判定ステップにより、前記印刷データの途中でなされた印刷設定の切り替えと、前記印刷データとの関係に矛盾があると判定されると、その判定された結果の履歴を記憶媒体に記憶する第2の記憶ステップを有することを特徴とする請求項11〜19の何れか1項に記載の画像処理方法。
【請求項21】
印刷データの途中でなされた印刷設定の切り替えと、前記印刷データとの関係に矛盾があるか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにより、印刷データの途中でなされた印刷設定の切り替えと、前記印刷データとの関係に矛盾があると判定されると、そのことをユーザに報知する報知ステップとコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2007−106047(P2007−106047A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−300782(P2005−300782)
【出願日】平成17年10月14日(2005.10.14)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】