説明

情報処理装置、画像形成装置、画像形成装置の動作方法及び情報処理装置の動作方法

【課題】装置の動作状態に応じて、読取速度又は印刷速度を低速にすることにより、消費電力のピーク値を抑えること。
【解決手段】読取動作を行うスキャナユニット130と画像形成を行う印刷ユニット120を有する複合機100において、スキャナユニット130の動作状態を保持するスキャナユニット状態管理部206と、スキャナユニット状態管理部206によるスキャナユニット130の動作状態が駆動中のとき、印刷ユニット120の印刷速度を低速に切り替える印刷速度切替部204と、スキャナユニット130の動作状態が駆動中のとき、印刷速度切替部204が切り替えた低速の印刷速度に基づき、印刷動作を制御する印刷ユニットコントロール部203を有すること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は原稿に対してスキャナ読取動作を行い、媒体に対して画像形成を行う画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、原稿に対してスキャナ読取動作を行うスキャナユニットと、媒体に対して画像形成を行う印刷ユニットを有する画像形成装置があった。これらの画像形成装置は、ファクシミリ装置、複写機、プリンタ、スキャナ等の機能を有することから複合機として使用されるものである。そして、複合機は複数の機能を有するため、当該複数の機能が同時に利用するときがあり、その場合消費電力のピーク値が大きくなる傾向があった。特に、各機能を高速にする要請があり、また、印刷後の後処理、即ちステープル処理やパンチ処理等の後処理ユニットを設ける要請があった。このような要請からもますます消費電力のピーク値の増加に対処する必要性が生じている。
【0003】
なお、特開2007−90570号公報(特許文献1)には、画像形成装置からユーザへの情報の伝達をユーザに適応する言語で迅速かつ簡便に実行する画像形成装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−90570号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の技術では、印刷処理中に別の動作を要求されたとき、消費電力のピーク値を抑えることができないという問題があった。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、装置の動作状態に応じて、消費電力のピーク値を抑えることができる情報処理装置を提供することを可能とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明に関する画像形成装置は、読取動作を行うスキャナユニットと画像形成を行う印刷ユニットを有する画像形成装置において、印刷動作の要求信号を受信する印刷動作要求受信部と、前記スキャナユニットの動作状態を保持するスキャナユニット状態管理部と、前記スキャナユニット状態管理部による前記スキャナユニットの動作状態が駆動中のとき、前記印刷ユニットの印刷速度を低速に切り替える印刷速度切替部と、前記スキャナユニットの動作状態が駆動中に、前記印刷動作要求受信部が前記印刷動作の前記要求信号を受信すると、前記印刷速度切替部が切り替えた低速の印刷速度に基づき、前記印刷動作を実行させる制御部を有することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
上記構成を有する本発明によれば、スキャナユニットの動作状態が駆動中に、印刷動作要求受信部が印刷動作の要求信号を受信すると、印刷速度切替部が切り替えた低速の印刷速度に基づき、印刷動作を実行させる制御部を有することとしたので、装置の動作状態に応じて、読取速度又は印刷速度を低速にすることにより、消費電力のピーク値を抑えることができる画像形成装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1の実施の形態に関する複合機の構成図である。
【図2】第1の実施の形態に関する複合機の機能を示すブロック図である。
【図3】第1の実施の形態に関する印刷動作の要求時の動作を示すフローチャートである。
【図4】第1の実施の形態に関するスキャナ読取動作の要求時の動作を示すフローチャートである。
【図5】第1の実施の形態の変形例に関する複合機の機能を示すブロック図である。
【図6】第1の実施の形態の変形例に関する動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第2の実施の形態に関する複合機の構成図である。
【図8】第2の実施の形態に関する複合機の機能を示すブロック図である
【図9】第2の実施の形態に関する印刷動作の要求時の動作を示すフローチャートである。
【図10】第2の実施の形態に関するスキャナ読取動作要求時の動作を示すフローチャートである。
【図11】第2の実施の形態の変形例に関する複合機の機能を示すブロック図である。
【図12】第2の実施の形態の変形例に関する動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態に関する複合機の構成図である。情報処理装置又は画像形成装置としての複合機100は、印刷媒体に印刷を行う印刷ユニット120及び原稿を読み取るスキャナユニット130によって構成される。下部に設けられた印刷ユニット120の上部には、複数の支持部材126が設けられ、上部に設けられたスキャナユニット130を支持している。
【0011】
印刷ユニット120において、用紙格納トレイ121は印刷媒体を格納し、画像形成部122へと印刷媒体を一枚毎に繰出す。画像形成部122は電子写真プロセスにより感光ドラム上に現像剤による画像を形成する。画像形成部122はカラー画像を形成するためブラック用画像形成部122−K、イエロー用画像形成部122−Y、マゼンタ用画像形成部122−M及びシアン用画像形成部122−Cからなる。転写部123は画像形成部122の感光ドラム上に形成された現像剤による画像を印刷媒体に転写する。転写部123は同じくカラー画像を形成するためブラック用転写部123−K、イエロー用転写部123−Y、マゼンタ用転写部123−M及びシアン用転写部123−Cからなる。定着部124は印刷媒体上に転写された現像剤による画像を熱により印刷媒体に定着させる。そして、印刷ユニット120の上部に設けられた本体スタッカ125は印刷された印刷媒体を排出し、堆積する。
【0012】
ここで印刷速度は、印刷ユニット120における印刷媒体の搬送速度である。印刷媒体の搬送速度は、印刷ユニット120内の印刷媒体の搬送ローラ127の駆動速度又は図示しない搬送ベルトの駆動速度である。これらの駆動速度が高速であると消費電力のピーク値も高くなる。また、定着部124においては、印刷媒体の搬送速度が高速である場合、定着温度を高くする必要がある。即ち、消費電力が高くなる。一方、印刷媒体の搬送速度が低速である場合、定着部124の定着温度は低くしてもよい。即ち、消費電力が低く済む。
【0013】
一方、スキャナユニット130において、オペレータパネル131はLCD等の表示機構とスイッチを有し、オペレータによる操作に従ってスキャンデータを受信する。スキャンデータは読取密度、原稿のサイズ、コピーの場合の部数、用紙のサイズ等である。コンタクトガラス132は読取対象となる原稿を一枚毎に載置可能とする。スキャナ133はスキャナユニット130の内部に設けられ、読取対象となる原稿の画像を読み取り読取データに変換する。オートフィーダ134は原稿が複数原稿の場合、複数の原稿を自動的に読取るために載置された原稿を一枚毎に繰出し、スキャナ133の読取可能位置へ搬送する。
【0014】
図2は第1の実施の形態に関する複合機100の機能を示すブロック図である。印刷ユニット120において、印刷動作要求受信部としての印刷ユニット送受信部202は印刷情報を送信するホストコンピュータ200と印刷動作の要求信号である印刷データに関する送受信を行う。
【0015】
更に、スキャナユニット130のスキャナ送受信部232とスキャンデータや読取データの送受信を行う。制御部としての印刷ユニットコントロール部203は印刷ユニット120の各部をコントロールする。印刷動作制御部205は印刷動作を制御するため画像形成部122、転写部123及び定着部124等の各部をコントロールする。スキャナユニット状態管理部206はスキャナユニット130の動作状態、即ち駆動中か待機中かの情報を保持する。印刷速度切替部204はスキャナユニット130の動作状態に基づいた印刷ユニットコントロール部203の制御により印刷速度を切り替えるよう構成される。ここで印刷速度が高速になると瞬間消費電力は高くなる。
【0016】
一方、スキャナユニット130において、オペレータパネル131はオペレータが操作するスキャナ読取動作の要求を受け付ける。読取動作要求受信部としてのスキャナ送受信部232は、スキャナ読取動作の要求を受け付けたオペレータパネル131と前記印刷ユニット送受信部202とのスキャンデータや読取データの送受信を行う。制御部としてのスキャナコントロール部233はスキャナ読取動作を行うためスキャナ133をコントロールするとともに、スキャナユニット130の各部をコントロールする。印刷ユニット状態管理部236は印刷ユニット120の動作状態、即ち駆動中か待機中かの情報を保持する。読取速度切替部234は印刷ユニット120の動作状態に基づいたスキャナコントロール部233の制御によりスキャナ133の読取速度を切り替えるよう構成される。ここで読取速度が高速になると瞬間消費電力は高くなる。
【0017】
以下、第1の実施の形態に関する動作について説明する。以下の説明は印刷動作の要求時及びスキャナ読取動作の要求時に分けて説明する。印刷動作の要求時とは印刷データの受信時である。図3は第1の実施の形態に関する印刷動作の要求時の動作を示すフローチャートである。
S301:印刷ユニット120の印刷ユニット送受信部202は、ホストコンピュータ200からの印刷動作の要求信号である印刷データを受信する。
S302:印刷データを受信した印刷ユニット送受信部202は、印刷ユニット120が駆動中になることを駆動状態情報としてスキャナユニット130のスキャナ送受信部232に通知する。
【0018】
S303:スキャナユニット130のスキャナ送受信部232は、通知された駆動状態情報をスキャナコントロール部233へ通知する。スキャナコントロール部233は印刷ユニット状態管理部236に対し、通知された駆動状態情報を格納するよう指示する。
【0019】
S304:印刷ユニット120の印刷ユニットコントロール部203はスキャナユニット状態管理部206に対し、スキャナユニット130の動作状態を通知するよう指示する。印刷ユニットコントロール部203はスキャナユニット130の動作状態を取得すると、スキャナユニット130が駆動中かどうか判定する。スキャナユニット130が駆動中であればS305へ進み、駆動中でなければ、即ち待機中であればS306へ移行する。
【0020】
S305:スキャナユニット130が駆動中であれば、印刷ユニットコントロール部203は印刷速度切替部204に対し、印刷速度を低速に変更するよう指示する。ここで印刷速度が低速になると瞬間消費電力は低くなる。
【0021】
S306:印刷ユニットコントロール部203は印刷動作制御部205に対し、印刷動作を行うよう指示する。印刷動作制御部205は画像形成部122、転写部123、定着部124を動作させる。その際、印刷動作制御部205は印刷速度切替部204によって切り替えられた印刷速度、即ち、スキャナユニット130が駆動中であれば変更された低速の印刷速度で、又はスキャナユニット130が待機中であれば高速の印刷速度で、印刷を行う。
【0022】
S307:印刷ユニットコントロール部203は印刷ユニット120による印刷動作中において、スキャナユニット状態管理部206に対し、スキャナユニット130の動作状態を通知するよう指示する。印刷ユニットコントロール部203はスキャナユニット130の動作状態を取得すると、スキャナユニット130が待機中に変更されたかどうか判定する。スキャナユニット130が待機中に変更になればS308へ進み、駆動中のまま又は待機中のままであればS310に移行する。
【0023】
S308:スキャナユニット130が待機中に変更されたとき、印刷ユニットコントロール部203は印刷動作制御部205に対し、前用紙が定着部124を抜けたかどうか監視を行うよう指示する。なお、この場合印刷ユニットコントロール部203は印刷動作制御部205に対し、前用紙が印刷動作を終了したかどうか監視するよう指示することでもよい。
【0024】
S309:前用紙が定着部124を抜けたとき、又は前用紙が印刷動作を終了したとき、印刷ユニットコントロール部203は印刷速度切替部204に対し、次用紙以降に対する印刷速度を高速に変更するよう指示する。
【0025】
S310:印刷ユニットコントロール部203は印刷データが終了かどうか判定する。印刷データが終了であればS311へ進み、印刷データが終了でなければS306へ戻り、高速又は低速の印刷速度で印刷動作を継続する。
【0026】
S311:印刷データが終了であれば、印刷ユニット送受信部202は印刷ユニット120が待機状態になったことを待機状態情報としてスキャナユニット130のスキャナ送受信部232に通知する。
【0027】
S312:スキャナユニット130のスキャナ送受信部232は、通知された待機状態情報をスキャナコントロール部233へ通知する。スキャナコントロール部233は印刷ユニット状態管理部236に対し、通知された待機状態情報を格納するよう指示する。
【0028】
以上第1の実施の形態に関する印刷動作の要求時の動作によれば、印刷ユニット120に印刷速度切替部204を設けたので、スキャナユニット130の読取処理の実行中に印刷ユニット120が印刷要求信号を受信したとき、より遅い印刷速度で印刷処理を実行可能となるので、印刷処理に要する消費電力のピーク値を抑えることが可能となる。更に、印刷ユニット120にスキャナユニット状態管理部206を設けたので、印刷実行中にスキャナ133が待機状態に変更されたとき、かつ前用紙が定着部124を抜けたとき、次用紙以降の印刷を高速印刷に変更することができる。
【0029】
図4は第1の実施の形態に関するスキャナ読取動作の要求時の動作を示すフローチャートである。
S401:スキャナユニット130のスキャナ送受信部232は、オペレータの操作したオペレータパネル131からスキャナ読取動作の要求であるスキャンデータを受信する。
【0030】
S402:スキャンデータを受信したスキャナ送受信部232は、スキャナユニット130が駆動中になることを駆動状態情報として印刷ユニット120の印刷ユニット送受信部202に通知する。
【0031】
S403:印刷ユニット120の印刷ユニット送受信部202は、通知されたスキャナユニット130の駆動状態情報を印刷ユニットコントロール部203へ通知する。印刷ユニットコントロール部203はスキャナユニット状態管理部206に対し、通知された駆動状態情報を格納するよう指示する。
【0032】
S404:スキャナユニット130のスキャナコントロール部233は印刷ユニット状態管理部236に対し、印刷ユニット120の動作状態を通知するよう指示する。スキャナコントロール部233は印刷ユニット120の動作状態を取得すると、印刷ユニット120が駆動中かどうか判定する。印刷ユニット120が駆動中であればS405へ進み、駆動中でなければ、即ち待機中であればS406へ移行する。
【0033】
S405:印刷ユニット120が駆動中であれば、スキャナコントロール部233は読取速度切替部234に対し、スキャナ読取速度を低速に変更するよう指示する。ここで読取速度が低速になると瞬間消費電力は低くなる。
【0034】
S406:スキャナコントロール部233はスキャナ133に対し、読取動作を行うよう指示する。その際、スキャナコントロール部233は読取速度切替部234によって切り替えられたスキャナ読取速度、即ち印刷ユニット120が駆動中であれば変更された低速のスキャナ読取速度で、印刷ユニット120が待機中であれば高速のスキャナ読取速度で読取動作を行うよう指示する。
【0035】
S407:スキャナコントロール部233はスキャナ133による読取動作中において、印刷ユニット状態管理部236に対し、印刷ユニット120の動作状態を通知するよう指示する。スキャナコントロール部233は印刷ユニット120の動作状態を取得すると、印刷ユニット120が待機中に変更されたかどうか判定する。印刷ユニット120が待機中に変更になればS408へ進み、駆動中のまま又は待機中のままであればS410に移行する。
【0036】
S408:印刷ユニット120が待機中に変更されたとき、スキャナコントロール部233はスキャナ133に対し、前原稿の1ページが読取完了したかどうか通知するよう指示する。スキャナコントロール部233は前原稿の1ページが読取完了したかどうか監視を行う。
【0037】
S409:前原稿の1ページが読取完了したとき、スキャナコントロール部233は読取速度切替部234に対し、次原稿のスキャナ133の読取速度を高速に変更するよう指示する。スキャナ133は次用紙から読取速度を高速で読取りを行う。
【0038】
S410:スキャナコントロール部233はスキャナ133による読取データが終了かどうか判定する。スキャナ133による読取データが最終ページを読み取ったのであればS411へ進み、読取データが終了でなければS406へ戻り、低速又は高速のスキャナ読取速度で読取動作を継続する。
【0039】
S411:スキャナ133による読取データが終了であるとき、スキャナ送受信部232はスキャナユニット130が待機状態になったことを待機状態情報として印刷ユニット120の印刷ユニット送受信部202に通知する。
【0040】
S412:印刷ユニット120の印刷ユニット送受信部202は、通知されたスキャナユニット130の待機状態情報を印刷ユニットコントロール部203へ通知する。印刷ユニットコントロール部203はスキャナユニット状態管理部206に対し、通知された待機状態情報を格納するよう指示する。
【0041】
以上第1の実施の形態に関するスキャナ読取動作の要求時の動作によれば、スキャナユニット130に読取速度切替部234を設けたので、印刷ユニット120の印刷処理実行中にスキャナユニット130に対する読取処理要求信号があるとき、より遅い読取速度で読取処理を実行可能となるので、読取処理に要する消費電力のピーク値を抑えることができる。更に、スキャナユニット130に印刷ユニット状態管理部236を設けたので、読取実行中に印刷ユニット120が待機状態に変更されたとき、かつ前原稿の1ページが読取完了したとき、次原稿以降のスキャナ133の読取速度を高速に変更することができる。
【0042】
以上のように第1の実施の形態によれば、複数機能を有する装置の各機能の動作状態に応じて、他の機能の動作速度を低速又は高速にすることにより、装置としての消費電力のピーク値を抑えることができるという効果が得られる。
【0043】
(変形例1)
前記第1の実施の形態では、印刷ユニット120による印刷動作がカラー印刷の場合を説明したが、カラー印刷が可能な印刷ユニット120において、モノクロ印刷のときには本発明を適用しないようにすることも可能である。以下詳細に説明する。
【0044】
図5は第1の実施の形態の変形例に関する複合機100の機能を示すブロック図である。前述の第1の実施の形態に関する複合機100の機能を示す図2と異なるところは、印刷ユニット120において、カラー印刷判定部251を有する点である。カラー印刷判定部251は、印刷ユニット120がカラー印刷を行うか、モノクロ印刷を行うか判定をする。また、スキャナユニット130において、印刷ユニット状態管理部236は、印刷ユニット120の動作状態が駆動中か待機中かの情報を保持するとともに、駆動中の場合は、カラー印刷かモノクロ印刷かの情報を保持する。図5における他の構成は、図2に示す第1の実施の形態に関する複合機100の機能と同じであるので説明を省略する。
【0045】
図6は第1の実施の形態の変形例に関する動作を示すフローチャートである。同図(a)は印刷動作の要求時の動作を示し、同図(b)はスキャナ読取動作の要求時の動作を示す。同図(a)において、S331:前記S301において、ホストコンピュータ200からの印刷データを受信し、S302において、印刷ユニット120が駆動中になることをスキャナユニット130に通知する。そして、S303の後、印刷ユニット120の印刷ユニットコントロール部203はカラー印刷判定部251に対し、カラー印刷を行うかどうか判定するよう指示する。カラー印刷を行うときはS304へ移行し、スキャナ駆動中かどうか判定の後、スキャナ駆動中であれば印刷速度低速に変更する。カラー印刷を行わないとき、即ちモノクロ印刷のときは、S332へ進む。
【0046】
S332:印刷ユニットコントロール部203は印刷動作制御部205に対し、印刷動作を行うよう指示する。印刷動作制御部205は画像形成部122、転写部123、定着部124を動作させる。その際、印刷動作制御部205は高速の印刷速度によって印刷する。
【0047】
S333:印刷ユニットコントロール部203は印刷データが終了かどうか判定する。印刷データが終了であればS311へ進み、印刷データが終了でなければS332へ戻り、高速の印刷速度で印刷動作を継続する。
【0048】
このように変形例1の印刷動作の要求時の動作によれば、カラー印刷のときは本発明による印刷速度を低速に変更して消費電力のピーク値を抑えることができる。例えばスキャナユニット130の読取処理の実行中にプリンタがカラー印刷の印刷要求信号を受信すると、より遅いカラー印刷の印刷速度で印刷処理を実行するので、印刷処理に要する消費電力のピーク値を抑えることができる。モノクロ印刷の場合においては、カラー印刷の場合が、同時に稼動する画像形成部122−K、122−Y、122−M、122−Cの数が一般的に4個となるのに比較し、常に1個である。そして、モノクロ印刷はカラー印刷に比較して定着温度が低い。これらの理由からモノクロ印刷のときは、消費電力のピーク値が比較的低いので本発明を適用しないで、替わりに高速で印刷を行うことができる。
【0049】
また、同図(b)において、S431:S403の後、スキャナユニット130のスキャナコントロール部233は印刷ユニット状態管理部236に対し、印刷ユニット120の動作状態を通知するよう指示する。スキャナコントロール部233は印刷ユニット120の動作状態を取得すると、カラー印刷を行っているか、モノクロ印刷を行っているか判定する。カラー印刷を行っているときはS404へ移行し、モノクロ印刷を行っているときはS432へ進む。
【0050】
S432:スキャナコントロール部233はスキャナ133に対し、読取動作を行うよう指示する。その際、スキャナコントロール部233は高速のスキャナ読取速度で読取動作を行うよう指示する。
【0051】
S433:スキャナコントロール部233はスキャナ133による読取データが終了かどうか判定する。スキャナ133による読取データが最終ページを読み取ったのであればS411へ進み、読取データが終了でなければS432へ戻り、高速のスキャナ読取速度で読取動作を継続する。
【0052】
このように変形例1のスキャナ読取動作の要求時によれば、印刷ユニット120がカラー印刷のときは本発明によるスキャナユニット130のスキャナ読取速度を低速に変更して消費電力のピーク値を抑えることができる。例えばプリンタがカラー印刷での印刷処理実行中に、スキャナ133が読取処理要求信号を受信すると、より遅い読取速度で読取処理を実行するので、読取処理に要する消費電力のピーク値を抑えることができる。一方、印刷ユニット120がモノクロ印刷のときは消費電力のピーク値が比較的低いので、本発明を適用しないで、替わりに高速でスキャナ読取動作を行うことができる。
【0053】
(第2の実施の形態)
図7は本発明の第2の実施の形態に関する複合機の構成図である。情報処理装置又は画像形成装置としての複合機500は、印刷媒体に印刷を行う印刷ユニット520、原稿を読み取るスキャナユニット530及びステープル/パンチ処理を行う後処理ユニット540によって構成される。下部に設けられた印刷ユニット520の上部には、複数の支持部材526が設けられ、上部に設けられたスキャナユニット530を支持している。後処理ユニット540は、印刷ユニット520により印刷された印刷媒体の後処理を行うため印刷ユニット520の隣に配置される。
【0054】
印刷ユニット520において、用紙格納トレイ521は印刷媒体を格納し、画像形成部522へと印刷媒体を一枚毎に繰出す。画像形成部522は電子写真プロセスにより感光ドラム上に現像剤による画像を形成する。画像形成部522はカラー画像を形成するためブラック用画像形成部522−K、イエロー用画像形成部522−Y、マゼンタ用画像形成部522−M及びシアン用画像形成部522−Cからなる。転写部523は画像形成部522の感光ドラム上に形成された現像剤による画像を印刷媒体に転写する。転写部523は同じくカラー画像を形成するためブラック用転写部523−K、イエロー用転写部523−Y、マゼンタ用転写部523−M及びシアン用転写部523−Cからなる。定着部524は印刷媒体上に転写された現像剤による画像を熱により印刷媒体に定着させる。そして、印刷ユニット520の上部に設けられた本体スタッカ525は印刷された印刷媒体を排出し、堆積する。
【0055】
一方、スキャナユニット530において、オペレータパネル531はLCD等の表示機構とスイッチを有し、オペレータによる操作に従ってスキャンデータを受信する。スキャンデータは読取密度、原稿のサイズ、コピーの場合の部数、用紙のサイズ等である。コンタクトガラス532は読取対象となる原稿を一枚毎に載置可能とする。スキャナ533はスキャナユニット530の内部に設けられ、読取対象となる原稿の画像を読み取り読取データに変換する。オートフィーダ534は原稿が複数原稿の場合、複数の原稿を自動的に読取るために載置された原稿を一枚毎に繰出し、スキャナ533の読取可能位置へ搬送する。
【0056】
更に、後処理ユニット540において、第1搬送ローラ541は、後処理ユニット540の先頭に位置し、印刷ユニット520から印刷済みの印刷媒体を吸収し、パンチユニット543へ搬送する。給入センサ542は印刷媒体が後処理ユニット540に吸収されたことを検出する。パンチユニット543は搬送される印刷媒体に対し必要に応じてパンチを開ける。第2搬送ローラ544は印刷媒体をステープルスタッカ545へ搬送する。ステープルスタッカ545は所定の枚数の印刷媒体をステープル処理のために堆積する。ステープルユニット548はステープルスタッカ545内の印刷媒体に対し、一括してステープル処理を行う。排出ベルト546と排出ベルト546に固定された排出爪547はステープル処理された印刷媒体を排出スタッカ549へと搬送する。
【0057】
図8は第2の実施の形態に関する複合機500の機能を示すブロック図である。印刷ユニット520において、印刷動作要求受信部としての印刷ユニット送受信部602は印刷情報を送信するホストコンピュータ600と印刷動作の要求信号である印刷データに関する送受信を行う。更に、スキャナユニット530のスキャナ送受信部632とスキャンデータや読取データの送受信を行う。制御部としての印刷ユニットコントロール部603は印刷ユニット520の各部と、後処理ユニット540の後処理コントロール部612をコントロールする。印刷動作制御部605は印刷動作を制御するため画像形成部522、転写部523及び定着部524等の各部をコントロールする。スキャナユニット状態管理部606はスキャナユニット530の動作状態、即ち駆動中か待機中かの情報を保持する。印刷速度切替部604はスキャナユニット530の動作状態に基づいた印刷ユニットコントロール部603の制御により印刷速度を切り替えるよう構成される。
【0058】
一方、スキャナユニット530において、オペレータパネル531はオペレータが操作するスキャナ読取動作の要求を受け付ける。読取動作要求受信部としてのスキャナ送受信部632は、スキャナ読取動作の要求を受け付けたオペレータパネル531と前記印刷ユニット送受信部602とのスキャンデータや読取データの送受信を行う。制御部としてのスキャナコントロール部633はスキャナ読取動作を行うためスキャナ533をコントロールするとともに、スキャナユニット530の各部をコントロールする。印刷ユニット状態管理部636は印刷ユニット520の動作状態、即ち駆動中か待機中かの情報を保持する。読取速度切替部634は印刷ユニット520の動作状態に基づいたスキャナコントロール部633の制御によりスキャナ533の読取速度を切り替えるよう構成される。
【0059】
更に、後処理ユニット540において、後処理コントロール部612は印刷ユニットコントロール部603のコントロールにより、パンチ/ステープル処理を行うためパンチユニット543とステープルユニット548の動作を制御する。パンチユニット543は、印刷媒体に対して一枚毎に穴あけ処理を行う。ステープルユニット548は複数に揃えられた印刷媒体に対してステープル処理を行う。
【0060】
以下、第2の実施の形態に関する動作について説明する。以下の説明は印刷動作の要求時及びスキャナ読取動作の要求時に分けて説明する。図9は第2の実施の形態に関する印刷動作の要求時の動作を示すフローチャートである。
【0061】
S701:印刷ユニット520の印刷ユニット送受信部602は、ホストコンピュータ600からの印刷動作の要求信号である印刷データを受信する。
【0062】
S702:印刷データを受信した印刷ユニット送受信部602は、印刷データに後処理要求が含まれているかどうか判定する。後処理要求が含まれている印刷の場合はS703へ進み、後処理要求が含まれていない通常の印刷である場合はS704へ移行する。
【0063】
S703:印刷データに後処理要求が含まれている場合、印刷ユニット送受信部602は印刷ユニット520が印刷中及び後処理中になることを駆動状態情報としてスキャナユニット530のスキャナ送受信部632に通知する。
【0064】
S704:通常の印刷である場合、印刷ユニット送受信部602は印刷ユニット520が印刷中になることを駆動状態情報としてスキャナ送受信部632に通知する。
【0065】
S705:スキャナユニット530のスキャナ送受信部632は、通知された駆動状態情報をスキャナコントロール部633へ通知する。スキャナコントロール部633は印刷ユニット状態管理部636に対し、通知された駆動状態情報を格納するよう指示する。
【0066】
S706:印刷ユニット520の印刷ユニットコントロール部603は、スキャナユニット状態管理部606に対し、スキャナユニット530の動作状態を通知するよう指示する。印刷ユニットコントロール部603はスキャナユニット530の動作状態を取得すると、スキャナユニット530が駆動中かどうか判定する。スキャナユニット530が駆動中であればS707へ進み、駆動中でなければ、即ち待機中であればS710へ移行する。
【0067】
S707:スキャナユニット530が駆動中であれば、続いて印刷ユニットコントロール部603は後処理要求が含まれているかどうか再度判定する。後処理要求が含まれていればS708進み、後処理要求が含まれていなければS709へ移行する。
【0068】
S708:スキャナユニット530が駆動中で、かつ後処理要求が含まれていれば、印刷ユニットコントロール部603は印刷速度切替部604に対し、印刷速度を低速に変更するよう指示する。
【0069】
S709:スキャナユニット530が駆動中で、かつ後処理要求が含まれていなければ、印刷ユニットコントロール部603は印刷速度切替部604に対し、印刷速度を中速に変更するよう指示する。
【0070】
S710:印刷ユニットコントロール部603は印刷動作制御部605に対し、印刷動作を行うよう指示する。印刷動作制御部605は画像形成部522、転写部523、定着部524を動作させる。その際、印刷動作制御部605は印刷速度切替部604によって切り替えられた印刷速度、即ちスキャナユニット530が駆動中であれば低速若しくは中速の印刷速度で、又はスキャナユニット530が待機中であれば高速の印刷速度で印刷を行う。更に、後処理要求があれば、印刷ユニットコントロール部603は後処理コントロール部612に対し、パンチユニット543又はステープルユニット548を動作させるよう指示する。
【0071】
S711:印刷ユニットコントロール部603は印刷ユニット520による印刷動作中において、スキャナユニット状態管理部606に対し、スキャナユニット530の動作状態を通知するよう指示する。印刷ユニットコントロール部603はスキャナユニット530の動作状態を取得すると、スキャナユニット530が待機中に変更されたかどうか判定する。スキャナユニット530が待機中に変更されればS712へ進み、駆動中のまま又は待機中のままであればS714へ移行する。
【0072】
S712:スキャナユニット530が待機中に変更されたとき、印刷ユニットコントロール部603は印刷動作制御部605及び後処理ユニット540の後処理ユニットコントロール部612に対し、前用紙が印刷動作及び後処理が完了したかどうか監視するよう指示する。
【0073】
S713:前用紙の印刷動作及び後処理が完了したとき、印刷ユニットコントロール部603は印刷速度切替部604に対し、次用紙以降の印刷速度を高速に変更するよう指示する。
【0074】
S714:印刷ユニットコントロール部603は印刷データが終了かどうか判定する。印刷データが終了であればS715へ進み、印刷データが終了でなければS710へ戻り、印刷動作を継続する。
【0075】
S715:印刷データが終了であれば、印刷ユニット送受信部602は印刷ユニット520が待機状態になったことを待機状態情報としてスキャナユニット530のスキャナ送受信部632に通知する。
【0076】
S716:スキャナユニット530のスキャナ送受信部632は、通知された待機状態情報をスキャナコントロール部633へ通知する。スキャナコントロール部633は印刷ユニット状態管理部636に対し、通知された待機状態情報を格納するよう指示する。
【0077】
以上第2の実施の形態に関する印刷動作の要求時の動作によれば、印刷ユニット520に印刷速度切替部604を設けたので、スキャナユニット530の読取処理の実行中かつ後処理要求ありのときに印刷ユニット520が印刷要求信号を受信したとき、より遅い印刷速度で印刷処理を実行可能となるので、印刷処理に要する消費電力のピーク値を抑えることが可能となる。特に、印刷媒体に画像の形成処理を行った後のステープルやパンチ等の後処理の実行中にプリンタの印刷処理要求信号を受信すると、同様により遅い処理速度で印刷を行うので、消費電力のピーク値を抑えることができる。更に、印刷ユニット520にスキャナユニット状態管理部606を設けたので、印刷実行中にスキャナユニット530が待機状態に変更されたとき、かつ前用紙が印刷動作及び後処理が完了したとき、次用紙以降の印刷を高速印刷に変更することができる。
【0078】
図10は第2の実施の形態に関するスキャナ読取動作要求時の動作を示すフローチャートである。
S801:スキャンユニット530のスキャナ送受信部632は、オペレータの操作したオペレータパネル531からスキャナ読取動作の要求であるスキャンデータを受信する。
【0079】
S802:スキャンデータを受信したスキャナ送受信部632は、スキャナユニット530が駆動中になることを駆動状態情報として印刷ユニット520の印刷ユニット送受信部602に通知する。
【0080】
S803:印刷ユニット520の印刷ユニット送受信部602は、通知されたスキャナユニット530の駆動状態情報を印刷ユニットコントロール部603へ通知する。印刷ユニットコントロール部603はスキャナユニット状態管理部606に対し、通知された駆動状態情報を格納するよう指示する。
【0081】
S804:スキャナユニット530のスキャナコントロール部633は印刷ユニット状態管理部636に対し、印刷ユニット520の動作状態を通知するよう指示する。スキャナコントロール部633は印刷ユニット520の動作状態を取得すると、印刷ユニット520が駆動中かどうか判定する。印刷ユニット520が駆動中であればS805へ進み、駆動中でなければ、即ち待機中であればS808へ移行する。
【0082】
S805:印刷ユニット520が駆動中であれば、続いてスキャナコントロール部633は後処理要求が含まれているかどうか判定する。後処理要求が含まれていればS806進み、後処理要求が含まれていなければS807へ移行する。
【0083】
S806:印刷ユニット520が駆動中で、かつ後処理要求が含まれていれば、スキャナコントロール部633は読取速度切替部634に対し、スキャナ読取速度を低速に変更するよう指示する。その後、スキャナ533は低速で読取りを行う。
【0084】
S807:印刷ユニット520が駆動中で、かつ後処理要求が含まれていなければ、スキャナコントロール部633は読取速度切替部634に対し、スキャナ読取速度を中速に変更するよう指示する。その後、スキャナ533は中速で読取りを行う。
【0085】
S808:スキャナコントロール部633はスキャナ533に対し、読取動作を行うよう指示する。その際、スキャナコントロール部633は読取速度切替部634によって切り替えられたスキャナ読取速度、即ち印刷ユニット520が駆動中であれば変更された低速若しくは中速のスキャナ読取速度で、印刷ユニット520が待機中であれば高速のスキャナ読取速度で読取動作を行うよう指示する。
【0086】
S809:スキャナコントロール部633はスキャナ533による読取動作中において、印刷ユニット状態管理部636に対し、印刷ユニット520の動作状態を通知するよう指示する。スキャナコントロール部633は印刷ユニット520の動作状態を取得すると、印刷ユニット520が待機中に変更されたかどうか判定する。印刷ユニット520が待機中に変更されればS810へ進み、駆動中のまま又は待機中のままであればS812へ移行する。
【0087】
S810:印刷ユニット520が待機中に変更されたとき、スキャナコントロール部633はスキャナ533に対し、前原稿の1ページが読取完了したかどうか通知するよう指示する。スキャナコントロール部633は前原稿の1ページが読取完了したかどうか監視を行う。
【0088】
S811:前原稿の1ページ読取完了のとき、スキャナコントロール部633は読取速度切替部634に対し、スキャナ533の読取速度を高速に変更するよう指示する。スキャナ533は次原稿以降から読取速度を高速で読取りを行う。
【0089】
S812:スキャナコントロール部633はスキャナ533による読取データが終了かどうか判定する。スキャナ533による読取データが終了であればS813へ進み、読取データが終了でなければS808へ戻り、低速若しくは中速又は高速のスキャナ読取速度で読取動作を継続する。
【0090】
S813:スキャナ533による読取データが終了であるとき、スキャナ送受信部632はスキャナユニット530が待機状態になったことを待機状態情報として印刷ユニット520の印刷ユニット送受信部602に通知する。
【0091】
S814:印刷ユニット520の印刷ユニット送受信部602は、通知されたスキャナユニット530の待機状態情報を印刷ユニットコントロール部603へ通知する。印刷ユニットコントロール部603はスキャナユニット状態管理部606に対し、通知された待機状態情報を格納するよう指示する。
【0092】
以上第2の実施の形態に関するスキャナ読取動作の要求時の動作によれば、スキャナユニット530に読取速度切替部634を設けたので、印刷ユニット520の印刷処理実行中かつ後処理要求ありでスキャナユニット530に対する読取処理要求信号があるとき、より遅い読取速度で読取処理を実行可能となるので、読取処理に要する消費電力のピーク値を抑えることができる。特に、印刷媒体に画像の形成処理を行った後のステープルやパンチ等の後処理の実行中にスキャナユニット530の読取処理要求信号を受信すると、より遅い処理速度で読取を行うので、消費電力のピーク値を抑えることができる。更に、スキャナユニット530に印刷ユニット状態管理部636を設けたので、読取実行中に印刷ユニット520が待機状態に変更され、かつ前原稿の1ページが読取及び後処理が完了したとき、次原稿以降のスキャナ533の読取速度を高速に変更することができる。
【0093】
以上のように、第2の実施の形態によれば、後処理ユニット540を含めた複数機能を有する装置の各機能の動作状態に応じて、他の機能の動作速度を低速又は高速にすることにより、パフォーマンスの低下を極力維持し、消費電力のピーク値を抑えるという効果が得られる。
【0094】
(変形例2)
前記第2の実施の形態では、印刷ユニット520による印刷動作がカラー印刷の場合を説明したが、カラー印刷が可能な印刷ユニット520において、モノクロ印刷の場合には本発明を適用しないようにすることも可能である。以下詳細に説明する。図11は第2の実施の形態の変形例に関する複合機500の機能を示すブロック図である。前述の第2の実施の形態に関する複合機500の機能を示す図8と異なるところは、印刷ユニット520において、カラー印刷判定部651を有する点である。カラー印刷判定部651は、印刷ユニット520がカラー印刷を行うか、モノクロ印刷を行うか判定をする。また、スキャナユニット530において、印刷ユニット状態管理部636は、印刷ユニット520の動作状態が駆動中か待機中かの情報を保持するとともに、駆動中の場合は、カラー印刷かモノクロ印刷かの情報を保持する。図11における他の構成は、図8に示す第2の実施の形態に関する複合機500の機能と同じであるので説明を省略する。
【0095】
図12は第2の実施の形態の変形例に関する動作を示すフローチャートである。同図(a)は印刷動作の要求時の動作を示し、同図(b)はスキャナ読取動作の要求時の動作を示す。同図(a)において、S731:S705の後、印刷ユニット520の印刷ユニットコントロール部603はカラー印刷判定部651に対し、カラー印刷を行うかどうか判定するよう指示する。カラー印刷を行うときはS706へ移行し、カラー印刷を行わないとき、即ちモノクロ印刷のときは、S732へ進む。
【0096】
S732:印刷ユニットコントロール部603は印刷動作制御部605に対し、印刷動作を行うよう指示する。印刷動作制御部605は画像形成部522、転写部523、定着部524を動作させる。その際、印刷動作制御部605は高速の印刷速度によって印刷する。
【0097】
S733:印刷ユニットコントロール部603は印刷データが終了かどうか判定する。印刷データが終了であればS715へ進み、印刷データが終了でなければS732へ戻り、高速の印刷速度で印刷動作を継続する。
【0098】
このように変形例2によれば、カラー印刷のとき、かつ後処理要求があるときは本発明による印刷速度を低速に変更して消費電力のピーク値を抑えることができる。例えばスキャナユニット530の読取処理の実行中にプリンタがカラー印刷の印刷要求信号を受信すると、より遅いカラー印刷の印刷速度で印刷処理を実行するので、印刷処理に要する消費電力のピーク値を抑えることができる。モノクロ印刷のときは、消費電力のピーク値が比較的低いので本発明を適用しないで、替わりに高速で印刷を行うことができる。
【0099】
また、同図(b)において、S831:S803の後、スキャナユニット530のスキャナコントロール部633は印刷ユニット状態管理部636に対し、印刷ユニット520の動作状態を通知するよう指示する。スキャナコントロール部633は印刷ユニット520の動作状態を取得すると、カラー印刷を行っているか、モノクロ印刷を行っているか判定する。カラー印刷を行っているときはS804へ移行し、モノクロ印刷を行っているときはS832へ進む。
【0100】
S832:スキャナコントロール部633はスキャナ533に対し、読取動作を行うよう指示する。その際、スキャナコントロール部633は高速のスキャナ読取速度で読取動作を行うよう指示する。
【0101】
S833:スキャナコントロール部633はスキャナ533による読取データが終了かどうか判定する。スキャナ533による読取データが最終ページを読み取ったのであればS813へ進み、読取データが終了でなければS832へ戻り、高速のスキャナ読取速度で読取動作を継続する。
【0102】
このように変形例2によれば、印刷ユニット520がカラー印刷のとき、かつ後処理要求があるときは本発明によるスキャナユニット530のスキャナ読取速度を低速に変更して消費電力のピーク値を抑えることができる。一方、印刷ユニット520がモノクロ印刷のときは消費電力のピーク値が比較的低いので、本発明を適用しないで、替わりに高速でスキャナ読取動作を行うことができる。前述の第1、第2の実施の形態の説明は印刷機能及びスキャナ機能を有する情報処理装置又は画像形成装置としての複合機に適用した例を説明したが、プリンタ、ファクシミリ、複写機或いはコピー機能を有する情報処理装置又は画像形成装置としての複合機についても適用可能である。
【符号の説明】
【0103】
100 500 複合機
120 520 印刷ユニット
122 522 画像形成部
123 523 転写部
124 524 定着部
130 530 スキャナユニット
133 533 スキャナ
200 600 ホストコンピュータ
202 602 印刷ユニット送受信部
203 603 印刷ユニットコントロール部
204 604 印刷速度切替部
205 605 印刷動作制御部
206 606 スキャナユニット状態管理部
232 632 スキャナ送受信部
233 633 スキャナコントロール部
236 636 印刷ユニット状態管理部
234 634 読取速度切替部
540 後処理ユニット



【特許請求の範囲】
【請求項1】
読取動作を行うスキャナユニットと画像形成を行う印刷ユニットを有する画像形成装置において、
印刷動作の要求信号を受信する印刷動作要求受信部と、
前記スキャナユニットの動作状態を保持するスキャナユニット状態管理部と、
前記スキャナユニット状態管理部による前記スキャナユニットの動作状態が駆動中のとき、前記印刷ユニットの印刷速度を低速に切り替える印刷速度切替部と、
前記スキャナユニットの動作状態が駆動中に、前記印刷動作要求受信部が前記印刷動作の前記要求信号を受信すると、前記印刷速度切替部が切り替えた低速の印刷速度に基づき、前記印刷動作を実行させる制御部を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記印刷ユニットにカラー印刷を行うかどうか判定するカラー印刷判定部を設け、
前記制御部は、前記カラー印刷判定部による前記カラー印刷の判定があるときに、前記印刷動作を実行させることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
読取動作を行うスキャナユニットと画像形成を行う印刷ユニットを有する画像形成装置において、
読取動作の要求信号を受信する読取動作要求受信部と、
前記印刷ユニットの動作状態を保持する印刷ユニット状態管理部と、
前記印刷ユニット状態管理部による前記印刷ユニットの動作状態が駆動中のとき、前記スキャナユニットの読取速度を低速に切り替える読取速度切替部と、
前記印刷ユニットの動作状態が駆動中に、前記読取動作要求受信部が前記読取動作の前記要求信号を受信すると、前記読取速度切替部が切り替えた低速の読取速度に基づき、前記読取動作を実行させる制御部を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
前記印刷ユニットにカラー印刷を行うかどうか判定するカラー印刷判定部を設け、
前記制御部は、前記カラー印刷判定部による前記カラー印刷の判定があるときに、前記印刷動作を実行させることを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
原稿に対する読取動作を行うスキャナユニットと、媒体へ画像形成を行う印刷ユニットと、画像形成を行った媒体の後処理を行う後処理ユニットを有する画像形成装置において、
前記印刷ユニットに、
印刷動作の要求信号を受信する印刷動作要求受信部と、
前記スキャナユニットの動作状態を保持するスキャナユニット状態管理部と、
前記スキャナユニット状態管理部による前記スキャナユニットの動作状態が駆動中で、かつ前記後処理ユニットに対する前記後処理の要求があるとき、前記印刷ユニットの印刷速度を低速に切り替える印刷速度切替部と、
スキャナユニットの動作状態が駆動中で、かつ前記後処理の要求があるとき、前記印刷動作要求受信部が前記印刷動作の前記要求信号を受信すると、前記印刷速度切替部が切り替えた低速の印刷速度に基づき、印刷動作を実行させる制御部を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
前記印刷ユニット状態管理部が保持する前記印刷ユニットの動作状態にカラー印刷の動作状態を含むものとし、
前記制御部は、前記印刷ユニット状態管理部による前記印刷ユニットの前記動作状態が前記カラー印刷の駆動中に、前記印刷動作を実行させることを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
【請求項7】
原稿に対する読取動作を行うスキャナユニットと、媒体へ画像形成を行う印刷ユニットと、画像形成を行った媒体の後処理を行う後処理ユニットを有する画像形成装置において、
前記スキャナユニットに、
読取動作の要求信号を受信する読取動作要求受信部と、
前記印刷ユニットの動作状態を保持する印刷ユニット状態管理部と、
前記印刷ユニット状態管理部による前記印刷ユニットの動作状態が駆動中で、かつ前記後処理ユニットに対する前記後処理の要求があるとき、前記スキャナユニットの読取速度を低速に切り替える読取速度切替部と、
前記印刷ユニットの動作状態が駆動中で、かつ前記後処理の要求があるとき、前記読取動作要求受信部が前記読取動作の前記要求信号を受信すると、前記読取速度切替部が切り替えた低速の印刷速度に基づき、読取動作を実行させる制御部を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
前記印刷ユニット状態管理部が保持する前記印刷ユニットの動作状態にカラー印刷の動作状態を含むものとし、
前記制御部は、前記印刷ユニット状態管理部による前記印刷ユニットの前記動作状態が前記カラー印刷の駆動中に、前記印刷動作を実行させることを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
【請求項9】
第1要求信号に基づいて、第1の処理を実行する第1処理部と、
第2要求信号に基づいて、第1の処理速度又は第1の処理速度より遅い第2の処理速度のいずれかを選択し、選択した処理速度で第2の処理を実行する第2処理部と、
前記第1処理部が前記第1の処理を実行中に前記第2処理部が前記第2要求信号を検知すると、前記第2処理部に前記第2の処理速度で前記第2の処理を実行させる制御部とを備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項10】
前記第1処理部が原稿の読取処理を行うスキャナであり、前記第2処理部が媒体に画像の形成処理を行うプリンタであることを特徴とする請求項9記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記第1処理部が媒体に画像の形成処理を行うプリンタであり、前記第2処理部が原稿の読取処理を行うスキャナであることを特徴とする請求項9記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記第1処理部が媒体に画像の形成処理を行った後の後処理を行う後処理ユニットであり、前記第2処理部が媒体に画像の形成処理を行うプリンタ又は原稿の読取処理を行うスキャナであることを特徴とする請求項9記載の情報処理装置。
【請求項13】
媒体へ画像形成を行う印刷ユニットが印刷動作の要求信号を受信する印刷動作要求受信工程と、
原稿に対する読取動作を行うスキャナユニットの駆動状態を保持するスキャナ駆動保持工程と、
前記スキャナ駆動保持工程により前記スキャナユニットが駆動中のとき、前記印刷ユニットの印刷速度を低速に変更する印刷速度変更工程と、
前記印刷ユニットが前記印刷速度変更工程により変更された印刷速度で印刷を行う印刷工程を含むことを特徴とする画像形成装置の動作方法。
【請求項14】
更に、前記印刷工程による印刷中に、前記スキャナ駆動保持工程により前記スキャナユニットが待機中に変更になると、前用紙が前記印刷ユニットの定着部を抜けたかどうか監視する定着部監視工程と、
前記定着部監視工程により監視する前記前用紙が前記印刷ユニットの前記定着部を抜けたとき、次用紙に対する前記印刷ユニットの印刷速度を高速に変更する第2の印刷速度変更工程を含むことを特徴とする請求項13記載の画像形成装置の動作方法。
【請求項15】
原稿に対する読取動作を行うスキャナユニットが読取動作の要求信号を受信する読取動作要求受信工程と、
媒体へ画像形成を行う印刷ユニットの駆動状態を保持する印刷駆動保持工程と、
前記印刷駆動保持工程により前記印刷ユニットが駆動中のとき、前記スキャナユニットの読取速度を低速に変更するスキャナ読取速度変更工程と、
前記スキャナユニットが前記スキャナ読取速度変更工程により変更された読取速度でスキャナ読取を行うスキャナ読取工程を含むことを特徴とする画像形成装置の動作方法。
【請求項16】
更に、前記スキャナ読取工程によるスキャナ読取中に、前記印刷駆動保持工程により前記印刷ユニットが待機中に変更になると、前原稿が前記スキャナユニットの読取を完了したかどうか監視する読取監視工程と、
前記読取監視工程により監視する前記前原稿が前記スキャナユニットの読取を完了したとき、次原稿に対する前記スキャナユニットの読取速度を高速に変更する第2の読取速度変更工程を含むことを特徴とする請求項15記載の画像形成装置の動作方法。
【請求項17】
媒体へ画像形成を行う印刷ユニットが印刷動作の要求信号を受信する印刷動作要求受信工程と、
原稿に対する読取動作を行うスキャナユニットの駆動状態を保持するスキャナ駆動保持工程と、
画像形成を行った媒体に対して後処理を行う後処理ユニットへの要求を判定する後処理要求判定工程と、
前記スキャナ駆動保持工程により前記スキャナユニットが駆動中のとき、前記後処理要求判定工程による判定結果に応じて前記印刷ユニットの印刷速度を低速又は中速に変更させる印刷速度変更工程と、
前記印刷ユニットが前記印刷速度変更工程により変更された印刷速度で印刷を行う印刷工程を含むことを特徴とする画像形成装置の動作方法。
【請求項18】
更に、前記印刷工程による印刷中に、前記スキャナ駆動保持工程により前記スキャナユニットが待機中に変更になると、前用紙が印刷完了及び後処理完了を監視する完了監視工程と、
前記完了監視工程により監視する前記前用紙が前記印刷完了及び後処理完了したとき、次用紙に対する前記印刷ユニットの印刷速度を高速に変更する第2の印刷速度変更工程を含むことを特徴とする請求項17記載の画像形成装置の動作方法。
【請求項19】
原稿に対する読取動作を行うスキャナユニットが読取動作の要求信号を受信する読取動作要求受信工程と、
媒体へ画像形成を行う印刷ユニットの駆動状態を保持する印刷駆動保持工程と、
画像形成を行った媒体に対して後処理を行う後処理ユニットへの要求を判定する後処理要求判定工程と、
前記印刷駆動保持工程により前記印刷ユニットが駆動中のとき、前記後処理要求判定工程による判定結果に応じて前記スキャナユニットの読取速度を低速又は中速に変更するスキャナ読取速度変更工程と、
前記スキャナユニットが前記スキャナ読取速度変更工程により変更された読取速度でスキャナ読取を行うスキャナ読取工程を含むことを特徴とする画像形成装置の動作方法。
【請求項20】
更に、前記スキャナ読取工程によるスキャナ読取中に、前記印刷駆動保持工程により前記印刷ユニットが待機中に変更になると、前原稿の1ページのスキャナ読取完了を監視する完了監視工程と、
前記完了監視工程により監視する前記前原稿の前記1ページのスキャナ読取が完了したとき、次原稿に対する前記スキャナユニットの読取速度を高速に変更する第2のスキャナ読取速度変更工程を含むことを特徴とする請求項19記載の画像形成装置の動作方法。
【請求項21】
前記印刷データにカラー印刷を行うことを含むかどうか判定するカラー印刷判定工程を含み、
前記カラー印刷判定工程による前記カラー印刷の判定があるときに、前記印刷工程で印刷を行うことを特徴とする請求項13、14、17及び18いずれか一に記載の画像形成装置の動作方法。
【請求項22】
前記印刷駆動保持工程で保持する印刷ユニットの駆動状態にカラー印刷の動作状態を含むものとし、
前記スキャナ読取速度変更工程における前記印刷ユニットが駆動中のときとは、前記カラー印刷の動作状態であることを特徴とする請求項15、16、19及び20いずれか一に記載の画像形成装置の動作方法。
【請求項23】
第1要求信号に基づき、第1処理部において第1の処理を実行する第1処理工程と、
前記第1処理部が前記第1の処理を実行中に第2処理部が第2要求信号を受信する第2要求信号受信工程と、
前記第2要求信号に基づき、前記第2処理部において第1の処理速度又は第1の処理速度より遅い第2の処理速度のいずれかを選択する処理速度選択工程と、
選択した前記第1又は第2の処理速度で前記第2処理部において第2の処理を実行する第2処理工程を含むことを特徴とする情報処理装置の動作方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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