説明

情報処理装置、移動体通信端末装置、救助支援システム、救助支援方法及びプログラム

【課題】携帯端末の携帯者の意思や操作に依らず、携帯者が危機的状況にあるかをより的確に判断できる情報処理装置、携帯端末装置、救助支援システム、救助支援方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】災害発生情報の登録を契機として携帯端末から取得した、最も新しい現在位置情報と次に新しい現在位置情報を比較し、携帯端末の携帯者が危機的状況にあるかを判定し、携帯者が危機的状況にあると判定した場合、予め設定された通知先へ携帯者が危機的状況にある旨を通知するとともに、携帯端末へ制御信号を送信することで携帯者に対して安否を登録するよう促し、携帯者により安否の登録が行われたことを示す信号を所定時間内に受信しなかった場合に、携帯者が携帯端末の操作を行えない状態にあると判定し、携帯者が携帯端末の操作を行えない状態にあると判定した場合、予め設定された通知先へ携帯者が携帯端末の操作を行えない状態にある旨を通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、災害や事故等により危機的状況に陥った移動体通信端末装置の所有者の救助を支援するための情報処理装置、移動体通信端末装置、救助支援システム、救助支援方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
災害(事故や犯罪等も含む)等の発生により危機的状況に陥った人の救助を支援するシステム、方法としては以下のものがある。例えば、携帯端末(移動体通信端末装置)の所有者が何らかの危機に陥ったかどうかを、携帯端末所有者が自ら携帯端末を操作することで第三者に連絡する技術がある。また、例えば、携帯端末にアラート音発生機能を搭載させ、危機的状況に陥った携帯端末所有者が自ら携帯端末を操作することでアラート音を発生させ、被災場所(自分の居場所)を周囲に知らせる技術がある。なお、以下では、「携帯端末の所有者」を「携帯端末所有者」というが、これは「自分自身が使用可能な携帯端末を携帯中である者」を意味する。
【0003】
上述した前者の技術例では、危機的状況に陥った携帯端末所有者自身が携帯端末の操作を行う必要があり、第三者は携帯端末所有者が操作を行うまで人的被災の有無を把握ができず、救助活動に遅れが出る可能性があった。また、上述した後者の技術でも、危機的状況に陥った携帯端末所有者自身が携帯端末の操作を行う必要があり、例えば意識を失った場合など、携帯端末所有者が操作を行える状態に無いときにはアラート音を発生させられず、救助の支援にならないという問題があった。
【0004】
そこで、携帯端末所有者の操作を必要とせずに、携帯端末が、予め設定された判断基準を基に、携帯端末所有者が何らかの危機に陥ったかどうかを自動的に判断を行い、第三者に通知する技術がある。これらの技術例として、特許文献1及び2を挙げる。
【0005】
特許文献1の発明では、携帯端末所有者が何らかの危機に陥ったかどうかを判断するための判断基準として、携帯端末の操作が一定期間行われない状態(不使用状態)になっているかどうかを基準としている。そして、特許文献1の発明では、この判断基準を基に携帯端末が不使用状態となっている時間を監視し、一定時間を経過した場合、監視結果を示す監視情報を、電話又は電子メール等を用いて第三者に通知する。
【0006】
しかし、特許文献1の発明では、携帯端末が一定期間以上使用されていないことのみを判定基準としているため、一定期間が短いと不必要な通知が増え、一定期間が長いと適切な監視が行えなくなるという問題がある。
【0007】
そこで、特許文献2の発明では、携帯端末の不使用状態をより効率的に把握するため、基本操作に対する携帯端末所有者の通常時の操作形態を基準にして、その基本操作が通常の操作と異なっている場合を判断基準に追加している。また、特許文献2の発明では、着信応答、メールの内容確認、アラート停止などの基本操作に対する携帯端末所有者の通常時の操作携帯を基準にして、操作状況を判断し通常時の操作状況と異なる場合を危機状態とみなして、第三者に通知する。
【0008】
しかし、特許文献2の発明では、着信やメールに気づかない場合や、アラートをオフとしていた場合などには携帯端末所有者の操作が行われず、危機状態との誤認を起こす可能性がある。一方で、このような誤認を回避するために、操作基準にあいまいさをもたせたり、判断するための無操作期間を長くしたりすると、今度は、適切な監視(判断)が行えなくなるという問題がある。
【特許文献1】特開2001−119498号公報
【特許文献2】特開2008−42447号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、携帯端末所有者の意思や操作に頼ることなく、携帯端末所有者が危機的状況にあるかをより的確に判断するための情報処理装置、移動体通信端末装置、救助支援システム、救助支援方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
かかる目的を達成するために、本発明の情報処理装置は、移動体通信端末装置に対してネットワークを介して移動体通信端末装置の現在位置情報を所定間隔で要求し、移動体通信端末装置から取得した現在位置情報を順次記憶する情報処理装置であって、災害の発生を示す災害発生情報の登録を契機として、移動体通信端末装置から取得した現在位置情報のうち、最も新しい現在位置情報と、その次に新しい現在位置情報とを比較し、比較した2つの現在位置情報が同一である場合、移動体通信端末装置の携帯者が危機的状況にあると判定する第1の判定手段と、第1の判定手段による判定の結果、携帯者が危機的状況にあると判定された場合に、予め設定された通知先に対し、携帯者が危機的状況にある旨を通知する第1の通知手段と、第1の判定手段による判定の結果、携帯者が危機的状況にあると判定された場合に、移動体通信端末装置へ制御信号を送信することで、携帯者に対して移動体通信端末装置を操作して安否の登録を行うよう促す安否登録要求手段と、携帯者の操作により安否の登録が行われたことを示す信号を所定時間内に受信しなかった場合に、携帯者が移動体通信端末装置の操作を行えない状態にあると判定する第2の判定手段と、第2の判定手段による判定の結果、携帯者が移動体通信端末装置の操作を行えない状態にあると判定された場合に、予め設定された通知先に対し、携帯者が移動体通信端末装置の操作を行えない状態にある旨を通知する第2の通知手段と、を有することを特徴とする。
【0011】
本発明の移動体通信端末装置は、第1の態様として、ネットワークを介して情報処理装置との通信が可能な移動体通信端末装置であって、情報処理装置から受信した制御信号に従って、移動体通信端末装置の携帯者に対し、安否の登録操作を促す安否登録手段と、携帯者の操作により安否の登録が完了した旨を情報処理装置へ通知する安否登録完了通知手段と、を有することを特徴とする。
【0012】
本発明の移動体通信端末装置は、第2の態様として、ネットワークを介して情報処理装置との通信が可能な移動体通信端末装置であって、情報処理装置から受信した制御信号に従って、アラート音を自装置外へ出力するアラート音発生手段と、携帯者の操作によりアラート音を停止させる操作が完了した旨を情報処理装置へ通知するアラート音停止完了通知手段と、を有することを特徴とする。
【0013】
本発明の救助支援システムは、本発明の情報処理装置、及び、本発明の移動体通信端末装置のうち、少なくとも一方を有することを特徴とする。
【0014】
本発明の救助支援方法は、第1の態様として、移動体通信端末装置に対してネットワークを介して移動体通信端末装置の現在位置情報を所定間隔で要求し、移動体通信端末装置から取得した現在位置情報を順次記憶する情報処理装置が行う救助支援方法であって、災害の発生を示す災害発生情報の登録を契機として、移動体通信端末装置から取得した現在位置情報のうち、最も新しい現在位置情報と、その次に新しい現在位置情報とを比較し、比較した2つの現在位置情報が同一である場合、移動体通信端末装置の携帯者が危機的状況にあると判定する第1の判定ステップと、第1の判定ステップによる判定の結果、携帯者が危機的状況にあると判定された場合に、予め設定された通知先に対し、携帯者が危機的状況にある旨を通知する第1の通知ステップと、第1の判定ステップによる判定の結果、携帯者が危機的状況にあると判定された場合に、移動体通信端末装置へ制御信号を送信することで、携帯者に対して移動体通信端末装置を操作して安否の登録を行うよう促す安否登録要求ステップと、携帯者の操作により安否の登録が行われたことを示す信号を所定時間内に受信しなかった場合に、携帯者が移動体通信端末装置の操作を行えない状態にあると判定する第2の判定ステップと、第2の判定ステップによる判定の結果、携帯者が移動体通信端末装置の操作を行えない状態にあると判定された場合に、予め設定された通知先に対し、携帯者が移動体通信端末装置の操作を行えない状態にある旨を通知する第2の通知ステップと、を有することを特徴とする。
【0015】
本発明の救助支援方法は、第2の態様として、ネットワークを介して情報処理装置との通信が可能な移動体通信端末装置が行う救助支援方法であって、情報処理装置から受信した制御信号に従って、移動体通信端末装置の携帯者に対し、安否の登録操作を促す安否登録ステップと、携帯者の操作により安否の登録が完了した旨を情報処理装置へ通知する安否登録完了通知ステップと、を有することを特徴とする。
【0016】
本発明の救助支援方法は、第3の態様として、ネットワークを介して情報処理装置との通信が可能な移動体通信端末装置が行う救助支援方法であって、情報処理装置から受信した制御信号に従って、アラート音を自装置外へ出力するアラート音発生ステップと、携帯者の操作によりアラート音を停止させる操作が完了した旨を情報処理装置へ通知するアラート音停止完了通知ステップと、を有することを特徴とする。
【0017】
本発明のプログラムは、第1の態様として、移動体通信端末装置に対してネットワークを介して移動体通信端末装置の現在位置情報を所定間隔で要求し、移動体通信端末装置から取得した現在位置情報を順次記憶するコンピュータに実行させるプログラムであって、災害の発生を示す災害発生情報の登録を契機として、移動体通信端末装置から取得した現在位置情報のうち、最も新しい現在位置情報と、その次に新しい現在位置情報とを比較し、比較した2つの現在位置情報が同一である場合、移動体通信端末装置の携帯者が危機的状況にあると判定する第1の判定処理と、第1の判定処理による判定の結果、携帯者が危機的状況にあると判定された場合に、予め設定された通知先に対し、携帯者が危機的状況にある旨を通知する第1の通知処理と、第1の判定処理による判定の結果、携帯者が危機的状況にあると判定された場合に、移動体通信端末装置へ制御信号を送信することで、携帯者に対して移動体通信端末装置を操作して安否の登録を行うよう促す安否登録要求処理と、携帯者の操作により安否の登録が行われたことを示す信号を所定時間内に受信しなかった場合に、携帯者が移動体通信端末装置の操作を行えない状態にあると判定する第2の判定処理と、第2の判定処理による判定の結果、携帯者が移動体通信端末装置の操作を行えない状態にあると判定された場合に、予め設定された通知先に対し、携帯者が移動体通信端末装置の操作を行えない状態にある旨を通知する第2の通知処理と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0018】
本発明のプログラムは、第2の態様として、ネットワークを介して情報処理装置との通信が可能なコンピュータに実行させるプログラムであって、情報処理装置から受信した制御信号に従って、移動体通信端末装置の携帯者に対し、安否の登録操作を促す安否登録処理と、携帯者の操作により安否の登録が完了した旨を情報処理装置へ通知する安否登録完了通知処理と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0019】
本発明のプログラムは、第3の態様として、ネットワークを介して情報処理装置との通信が可能なコンピュータに実行させるプログラムであって、情報処理装置から受信した制御信号に従って、アラート音を自装置外へ出力するアラート音発生処理と、携帯者の操作によりアラート音を停止させる操作が完了した旨を情報処理装置へ通知するアラート音停止完了通知処理と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、携帯端末所有者の意思や操作に頼ることなく、携帯端末所有者が危機的状況にあるかをより的確に判断することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明を実施するための最良の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0022】
本発明の一実施形態である救助支援システムの構成について図1を参照して説明する。図1を参照すると、本実施形態の救助支援システムは、管理サーバ10と、携帯端末20から構成されている。これらの管理サーバ10と携帯端末20は、プログラム制御により動作し、インターネット等のネットワーク100を介して相互に接続されている。
【0023】
管理サーバ10について説明する。管理サーバ10は、管理者によって管理、操作される情報処理装置であり、図2に示す情報及び機能を備えている。図2を参照すると、管理サーバ10は、携帯端末所有者情報11と、警報通知先情報12と、被災判定時間情報13と、人的被災判定時間情報14と、災害発生情報入力機能15と、電子メール送信機能16と、携帯端末接続機能17と、携帯端末現在位置情報格納部18と、を有する。
【0024】
携帯端末所有者情報11は、携帯端末20の携帯端末番号(携帯端末情報の一例)と、携帯端末20の所有者名(所有者情報の一例)を紐付けた、一覧情報が格納されている。図3に情報格納イメージを示す。図3に示す携帯端末所有者情報11の例では、複数の携帯端末毎に、携帯端末番号と、所有者名と、備考とが紐付けられて一覧となっている。なお、上述したように、本実施形態においても、「携帯端末の所有者」を「携帯端末所有者」というが、これは「携帯端末を携帯中である者(携帯者)」を意味する。
【0025】
警報通知先情報12は、携帯端末所有者に危機的状況的(被災)が発生したと想定される場合に警報情報(例えば、後述する被災情報や安否確認情報)を電子メールにて送信するための、警報情報通知先メールアドレスが格納されている。警報通知先情報12は、管理者により任意に設定が可能である。
【0026】
被災判定時間情報13は、後述する携帯端末20の現在位置情報を確認する際の時間間隔が格納されている。管理サーバ10は、この被災判定時間情報13の間隔で携帯端末20の現在位置情報を取得し、直近の2つの位置情報が同一の場合、携帯端末所有者が危機的状況にある状態(被災の発生)とみなす。これが被災判定(第1の判定手段)である。このように、被災判定時間情報13は、被災判定の基準時間として使用される。被災判定時間情報13は、管理者により任意に設定が可能である。
【0027】
人的被災判定時間情報14は、上記被災判定後に入力を促される安否情報を待ち受ける最大許容時間が格納されている。最大許容時間である人的被災判定時間情報14を超えても安否情報が登録されない場合、携帯端末所有者が危機的状況において携帯端末を使用できない状態(人的被災の発生)とみなす。これが人的被災判定(第2の判定手段)である。人的被災判定時間情報14は、管理者により任意に設定が可能である。
【0028】
災害発生情報入力機能15は、災害が発生した際に、管理サーバ10に携帯端末20の現在位置情報の取得を開始させるため、管理者が災害発生情報を管理サーバ10へ登録するための機能となる。なお、「災害」とは、上記危機的状況(被災)の原因となる現象を意味する。災害の例としては、地震や台風等の自然現象が挙げられる。
【0029】
電子メール送信機能16は、被災が発生したと判定された場合もしくは人的被災が発生したと判定された場合に、警報通知先情報13が示す通知先に向けて電子メールを送信するための機能となる。
【0030】
携帯端末接続機能17は、携帯端末20に対して、携帯端末20の現在位置情報等を要求する際に、携帯端末20へ接続を行うための機能となる。
【0031】
携帯端末現在位置情報格納部18は、携帯端末20に対して携帯端末20の現在位置情報を要求した後で、携帯端末20から返ってきた現在位置情報と、その現在位置情報を発信した携帯端末に関する携帯端末情報と、その現在位置情報を取得した時間を示す取得時間情報とを紐付けた、一覧情報を格納する機能となる。図4に情報格納イメージを示す。図4に示す携帯端末現在位置情報格納部18の例では、複数の携帯端末毎に、現在位置情報を発信した携帯端末の携帯端末番号(携帯端末情報の一例)と、その現在位置情報が示す現在位置と、その現在位置情報を取得した取得時間とが紐付けられて一覧となっている。
【0032】
携帯端末20について説明する。携帯端末20は、例えば携帯電話やカーナビゲーションシステムなどをはじめとする、GPS機能を有する移動体通信端末装置であり、図5に示す機能部で構成されている。図5を参照すると、携帯端末20は、無線装置部21、アラート音発生部22、制御部23、GPS部24、情報入力部25、情報保存部26、情報表示部27と、を有する。
【0033】
無線装置部21は、無線を介してネットワーク100を経由し、携帯端末20と管理サーバ10との相互接続を可能にする。
【0034】
制御部23は、管理サーバ10からの信号を受け、その信号の種類により様々な制御を行う。管理サーバ10からの信号が、例えば現在位置情報要求信号であれば、GPS部24より現在位置情報を得て、管理サーバ10へ現在位置情報を返答する。例えば安否情報登録機能起動信号(制御信号の一例)であれば、制御部23は、情報表示部27へ安否情報登録を促すメッセージを表示し、情報入力部25からの情報入力を待ち受ける。例えばアラート音発生信号(制御信号の一例)であれば、制御部23は、アラート音発生部22よりアラート音を発生させる。また、制御部23は、安否情報の登録を携帯端末所有者に促しているとき、及び、アラート音を発生させるときには、情報入力部25から入力された内容と、事前に情報保存部26へ格納された安否情報登録手順もしくはアラート音停止手順と等しいかどうかの判断を行う。
【0035】
情報保存部26は、予め設定される安否情報登録操作手順及びアラート音停止手順の情報を保存する。
【0036】
以上、本実施形態の救助支援システムの構成について説明した。次に、図6〜図10のフローチャートを参照して、本実施形態の救助支援システムにおける動作(本発明の一実施形態である救助支援方法)について説明する。
【0037】
図6は、携帯端末20において予め行われる事前設定の流れを示すフローチャートである。
携帯端末20(制御部21)は、例えば携帯端末所有者による情報入力部25の操作により、安否情報を登録するときの操作手順(安否情報登録操作手順)と、アラート音を停止するときの操作手順(アラート音停止操作手順)とが設定されると(ステップA1/YES)、それら安否情報登録操作手順及びアラート音停止操作手順を情報保存部26へ登録する(ステップA2〜A3)。これらはそれぞれ、安否登録操作手順設定手段及びアラート音停止操作手順設定手段と呼ぶことができる。
【0038】
図7は、管理サーバ10が携帯端末20の現在位置情報を取得するときの流れを示すフローチャート(シーケンスチャート)である。
【0039】
まず、管理サーバ10は、携帯端末20への接続を試みる(ステップB1)。携帯端末20は、管理サーバ10からの接続が正常に行われた場合、接続が完了したことを管理サーバ10へ知らせる(ステップB2)。
【0040】
管理サーバ10は、接続が正常に行われたことが分かると、携帯端末20の現在位置情報を要求する信号(現在位置情報要求信号)を携帯端末20へ送信する(ステップB3)。
【0041】
携帯端末20は、現在位置情報要求信号を受信すると、GPS部24から現在位置情報を取得し(ステップB4)、その現在位置情報を管理サーバ10へ送信する(ステップB5)。
【0042】
管理サーバ10は、携帯端末20の現在位置情報を受信すると(ステップB6)、携帯端末20の携帯端末情報(例えば、携帯端末番号)と、取得した現在位置情報が示す現在位置と、現在位置情報を取得した取得時間(日時)とをそれぞれ紐付けて、携帯端末現在位置情報格納部18へ格納する(ステップB7)。情報格納のイメージ例を図4に示す。
【0043】
図8は、災害が発生したとき、管理サーバ10において携帯端末所有者が危機的状況にあるかどうか(被災が発生したかどうか)を判定するときの流れを示すフローチャートである。
【0044】
まず、管理サーバ10は予め、図7に示すフローチャートの各処理、すなわち、携帯端末20への接続(ステップB1)、携帯端末20の現在位置情報の要求、取得、保存(ステップB3,B6,B7)を所定間隔で繰り返し行っておく(ステップC1)。
【0045】
その後何らかの災害が発生した際に、管理者が管理サーバ10に災害発生情報を登録する(ステップC2/YES)。この災害発生情報の登録を契機として、ステップC3以下の災害対応のフローがスタートすることとなる。なお、災害発生情報の登録は、管理者の操作によるものとしたが、これに限定されない。例えば、地震発生直前に発信される緊急地震速報の信号を管理サーバ10が受信した場合に、自動的に災害発生情報が登録されたものとしてもよい。
【0046】
災害発生情報が登録されると、管理サーバ10は、携帯端末20へ接続し、携帯端末20の現在位置情報を要求する(ステップC3)。このステップは、上述した図7のフローチャートで説明した通りである。
【0047】
現在位置情報を取得できなかった場合(ステップC4/NO)はステップC10へ進む。ステップC10については後述する。
【0048】
現在位置情報を取得できた場合(ステップC4/YES)、管理サーバ10は、予め被災判定時間情報13として設定された一定時間が経過した後、再度、携帯端末20へ接続し、携帯端末20の現在位置情報を要求する(ステップC5)。このステップも、上述した図7のフローチャートで説明した通りである。
【0049】
現在位置情報を取得できなかった場合(ステップC6/NO)はステップC10へ進む。ステップC10については後述する。
【0050】
現在位置情報を取得できた場合(ステップC6/YES)、管理サーバ10は、取得後に携帯端末現在位置情報格納部18に格納した携帯端末20の現在位置情報のうち、一番新しい現在位置情報と、その1つ前に取得した現在位置情報とを比較する(ステップC7)。これが上記被災判定(第1の判定手段)である。
【0051】
管理サーバ10は、上記比較の結果、2つの現在位置情報が同一である場合(ステップC8/YES)、携帯端末所有者が危機的状況にあり、移動が不可能になっている可能性があると判断し、図9に示すフローへ移行する。
【0052】
一方で、管理サーバ10は、上記比較の結果、2つの位置情報が異なっている場合は(ステップC5/NO)、携帯端末所有者が移動しているので、現時点では携帯端末所有者が健常であるとみなし、ステップC5へ戻り、携帯端末20の現在位置情報の要求、取得、比較を繰り返す。ただし、ステップC5へ戻る途中で、管理サーバ10の災害発生情報の登録が解除された場合(ステップC9/YES)、それ以降の携帯端末20の位置情報取得を中止し、一連の手順を終了する。
【0053】
最後に、ステップC10について説明する。管理サーバ10が、携帯端末20へ現在位置情報を要求したものの、携帯端末20から現在位置情報が送信されてこない場合がある(ステップC4/NO及びステップC6/NO)。例えば、災害発生時の故障や破損により、携帯端末20が作動しなくなる場合である。このように、災害発生情報の登録後に携帯端末2から現在位置情報の返信が無かった場合、管理サーバ10は、被災情報を電子メールにて、警報通知先情報12に登録された電子メールアドレス宛に送信する(ステップC10)。これは第5の通知手段と呼ぶことができる。この被災情報の例としては、携帯端末所有者が危機的状況にある旨のメッセージ、携帯端末所有者情報11として保存されている所有者名、図8のステップC1又はC3〜C4にて取得された最新の現在位置情報などを含む。
【0054】
図9は、管理サーバ10において、携帯端末所有者が危機的状況にある(被災が発生した)と判断した場合に、携帯端末所有者が危機的状況において携帯端末を操作できない状態かどうか(人的被災が発生したかどうか)を判定するときの流れを示すフローチャート(シーケンスチャート)である。
【0055】
まず、図8のフローチャートにて携帯端末所有者が危機的状況にあると判断した場合(ステップC5/YES)、管理サーバ10は、被災情報を電子メールにて、警報通知先情報12に登録された電子メールアドレス宛に送信する(ステップD1)。これは第1の通知手段と呼ぶことができる。この被災情報は、図8のステップC10のものと同様である。すなわち、この被災情報の例としては、携帯端末所有者が危機的状況にある旨のメッセージ、携帯端末所有者情報11として保存されている所有者名、図8のステップC5〜C6にて取得された最新の現在位置情報などを含む。
【0056】
管理サーバ10は、携帯端末20との接続を試みる(ステップD2)。携帯端末20は、管理サーバ10からの接続が正常に行われた場合、接続が完了したことを管理サーバ10へ知らせる(ステップD3)。
【0057】
管理サーバ10は、接続が正常に行われたことが分かると、携帯端末20に対し、安否情報の登録機能を起動させるための信号(安否情報登録機能起動信号)を送信する(ステップD4)。これは安否登録要求手段と呼ぶことができる。安否情報とは、危機的状況にある携帯端末所有者が、自身の安否を管理サーバ10へ通知するための情報である。
【0058】
携帯端末20は、安否情報登録機能起動信号を受信すると(ステップD5)、情報表示部27へ安否情報登録操作を行うよう携帯端末所有者に促すメッセージを表示し、携帯端末所有者により安否情報登録操作が行われるのを待ち受ける(ステップD6)。これは安否登録手段と呼ぶことができる。
【0059】
携帯端末20は、安否情報登録操作がない場合はそのまま待ち受けるが(ステップD7/NO)、安否情報登録操作が行われ、その登録操作が事前に情報保存部26に保存された安否情報登録操作手順と等しい場合は(ステップD7/YES)、管理サーバ10に対し、安否情報登録が完了したことを示す信号(安否情報登録完了信号)を送出し、一連の動作を終了する(ステップD8)。これは安否登録完了通知手段と呼ぶことができる。
【0060】
管理サーバ10は、ステップD4の後、携帯端末20からの安否情報登録完了信号を待ち受けている。このとき、管理サーバ10は、人的被災判定時間情報14として予め設定された時間内に安否情報登録完了信号を受信するかどうかを判断する。これが人的被災判定(第2の判定手段)である。管理サーバ10は、人的被災判定時間情報14として予め設定された時間を過ぎても安否情報登録完了信号を受信できなかった場合(ステップD9/NO)、危機的状況にある携帯端末所有者が携帯端末20を操作できない状態に陥っている(人的被災が発生した)と判断し、図10に示す人的被災発生フローへ移行する(ステップD9)。
【0061】
一方、管理サーバ10は、人的被災判定時間情報14として予め設定された時間以内に安否情報登録完了信号を受信した場合(ステップD9/YES)、安否確認情報を電子メールにて、警報通知先情報12に登録された電子メールアドレス宛に送信し、一連の手順を終了する(ステップD10)。これは第3の通知手段と呼ぶことができる。この安否確認情報の例としては、携帯端末所有者の安否が確認できた旨のメッセージ、携帯端末所有者情報11として保存されている所有者名、図8のステップC5〜C6にて取得された最新の現在位置情報などを含む。
【0062】
図10は、管理サーバ10において、携帯端末所有者が危機的状況において携帯端末20を操作できない状態であると判断した場合に、携帯端末よりアラート音を発生させるときの流れを示すフローチャート(シーケンスチャート)である。
【0063】
まず、図9のフローチャートにて携帯端末所有者が危機的状況において携帯端末20を操作できない状態であると判断した場合(ステップD9/NO)、管理サーバ10は、人的被災発生情報を電子メールにて、警報通知先情報12に登録された電子メールアドレス宛に送信する(ステップE1)。これは第2の通知手段と呼ぶことができる。この人的被災発生情報の例としては、人的被災が発生した(携帯端末所有者が危機的状況において携帯端末20を操作できない状態である)旨のメッセージ、携帯端末所有者情報11として保存されている所有者名、図8のステップC5〜C6にて取得された最新の現在位置情報などを含む。
【0064】
管理サーバ10は、携帯端末20との接続を試みる(ステップE2)。携帯端末20は、管理サーバ10からの接続が正常に行われた場合、接続が完了したことを管理サーバ10へ知らせる(ステップE3)。
【0065】
管理サーバ10は、接続が正常に行われたことが分かると、携帯端末20へアラート音を発生させるための信号(アラート音発生信号)を送出する(ステップE4)。これはアラート音発生制御手段と呼ぶことができる。
【0066】
携帯端末20は、アラート音発生信号を受信すると(ステップE5)、アラート音発生部22よりアラート音を発生させ、携帯端末所有者によりアラート音停止操作が行われるのを待ち受ける(ステップE6)。これはアラート音発生手段と呼ぶことができる。
【0067】
携帯端末20は、アラート音停止操作がない場合はアラート音を鳴らし続けそのまま待ち受ける(ステップE7/NO)。一方で、携帯端末20は、アラート音停止操作が行われ、その操作が事前に情報保存部26に保存されたアラート音停止操作手順と等しい場合は(ステップE7/YES)、管理サーバ10に対し、アラート音停止操作が行われたことを示す信号(アラート音停止操作完了信号)を送出し(ステップE8)、アラート音を停止し一連の動作を終了する(ステップE9)。これはアラート音停止完了通知手段と呼ぶことができる。
【0068】
管理サーバ10は、携帯端末20からアラート音停止操作完了信号を受信すると(ステップE10)、アラート音停止情報を電子メールにて、警報通知先情報12に登録された電子メールアドレス宛に送信し、一連の手順を終了する(ステップE11)。これは第4の通知手段と呼ぶことができる。このアラート音停止情報の例としては、携帯端末所有者がアラート停止操作を行った旨のメッセージ、携帯端末所有者情報11として保存されている所有者名、図8のステップC5〜C6にて取得された最新の現在位置情報などを含む。
【0069】
以上説明したように、本実施形態によれば、管理サーバとGPS機能付携帯端末を用い、地震等の災害が発生したとき、一定時間内における携帯端末の移動の有無及び携帯端末の操作の有無を元に、携帯端末所有者が危機的状況にあるか、さらには、携帯端末所有者が危機的状況において携帯端末を操作できない状態であるかを判断することで、携帯端末所有者の救助支援を行うことを特徴とする。
【0070】
より具体的に言えば、本実施形態では、災害発生時に、管理サーバが、携帯端末の現在位置情報を一定時間間隔で受信し、直近の2つの現在位置情報同士をその都度比較する。管理サーバは、比較の結果、2つの現在位置情報に変化がなかった場合には、被災が発生した可能性ありと判断する。そして、被災が発生した可能性ありと判断した場合、管理サーバは、携帯端末所有者に対し、携帯端末を操作することで安否を登録するように自動で連絡を行うと同時に、予め登録されたメールアドレスへ携帯端末所有者の現在位置情報等を連絡する。さらに、管理サーバは、一定時間の間に、携帯端末所有者により安否の登録操作が行われなかった場合は、携帯端末からアラート音を自動的に発生させる。
【0071】
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
第1の効果は、第三者が、携帯端末所有者の操作や意思に関わらず、携帯端末所有者が危機的状況にあるかをより的確に判断することができることにある。その理由は、管理サーバが、第1段階として、携帯端末の現在位置情報を時系列的に比較することで携帯端末所有者の動きを把握し、動きがない場合は携帯端末所有者が危機的状況にある(被災の発生)と判定し、さらに、第2段階として、危機的状況にある携帯端末所有者に安否の登録を促し、返答がない場合は危機的状況にある携帯端末所有者が携帯端末の操作を行えない状態にある(人的被災の発生)と判定するためである。
【0072】
第2の効果は、携帯端末所有者が危機的状況において携帯端末を操作できない状況下において、携帯端末からアラート音を自動発音することにより、携帯端末所有者の居場所を周囲に知らせることができるとともに、携帯端末所有者が意識を失っている場合にはその覚醒を促すことができることにある。その理由は、危機的状況にある携帯端末所有者に安否の登録を促し、その返答がない場合を、携帯端末所有者に身体的被害が及んでいると判断することで、アラート音発生の判断を行うためである。
【0073】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。
【0074】
例えば、上述した実施形態における動作(各フローチャートに示す動作)は、ハードウェア、または、ソフトウェア、あるいは、両者の複合構成によって実行することも可能である。
【0075】
ソフトウェアによる処理を実行する場合には、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ内のメモリにインストールして実行させてもよい。あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させてもよい。
【0076】
例えば、プログラムは、記録媒体としてのハードディスクやROM(Read Only Memory)に予め記録しておくことが可能である。あるいは、プログラムは、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory),MO(Magneto optical)ディスク,DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体に、一時的、あるいは、永続的に格納(記録)しておくことが可能である。このようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することが可能である。
【0077】
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体からコンピュータにインストールする他、ダウンロードサイトから、コンピュータに無線転送してもよい。または、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介して、コンピュータに有線で転送してもよい。コンピュータでは、転送されてきたプログラムを受信し、内蔵するハードディスク等の記録媒体にインストールすることが可能である。
【0078】
また、上記実施形態で説明した処理動作に従って時系列的に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力、あるいは、必要に応じて並列的にあるいは個別に実行するように構築することも可能である。
【0079】
また、上記実施形態で説明したシステムは、複数の装置の論理的集合構成にしたり、各装置の機能を混在させたりするように構築することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明は、災害時における自動安否確認といった用途に適用できる。また、災害時の人的被害を受けた際の救助支援といった用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の一実施形態である救助支援システムの構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態である管理サーバの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態である管理サーバが有する携帯端末所有者情報の一例を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態である管理サーバが有する携帯端末現在位置情報格納部の一例を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態である携帯端末の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の一実施形態である携帯端末において予め行われる事前設定の流れを示すフローチャートである。
【図7】本発明の一実施形態である管理サーバが携帯端末の現在位置情報を取得するときの流れを示すフローチャートである。
【図8】災害が発生したとき、本発明の一実施形態である管理サーバにおいて、被災が発生したかを判定するときの流れを示すフローチャートである。
【図9】本発明の一実施形態である管理サーバにおいて、被災が発生したと判断した場合に、人的被災が発生したかを判定するときの流れを示すフローチャートである。
【図10】本発明の一実施形態である管理サーバにおいて、人的被災が発生したと判断した場合に、携帯端末よりアラート音を発生させるときの流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0082】
10 管理サーバ
11 携帯端末所有者情報
12 警報通知先情報
13 被災判定時間情報
14 人的被災判定時間情報
15 災害発生情報入力機能
16 電子メール送信機能
17 携帯端末接続機能
18 携帯端末現在位置情報格納部
20 携帯端末
21 無線装置部
22 アラート音発生部
23 制御部
24 GPS部
25 情報入力部
26 情報保存部
27 情報表示部
100 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体通信端末装置に対してネットワークを介して前記移動体通信端末装置の現在位置情報を所定間隔で要求し、前記移動体通信端末装置から取得した現在位置情報を順次記憶する情報処理装置であって、
災害の発生を示す災害発生情報の登録を契機として、前記移動体通信端末装置から取得した現在位置情報のうち、最も新しい現在位置情報と、その次に新しい現在位置情報とを比較し、比較した2つの現在位置情報が同一である場合、前記移動体通信端末の携帯者が危機的状況にあると判定する第1の判定手段と、
前記第1の判定手段による判定の結果、前記携帯者が危機的状況にあると判定された場合に、予め設定された通知先に対し、前記携帯者が危機的状況にある旨を通知する第1の通知手段と、
前記第1の判定手段による判定の結果、前記携帯者が危機的状況にあると判定された場合に、前記移動体通信端末へ制御信号を送信することで、前記携帯者に対して前記移動体通信端末を操作して安否の登録を行うよう促す安否登録要求手段と、
前記携帯者の操作により前記安否の登録が行われたことを示す信号を所定時間内に受信しなかった場合に、前記携帯者が前記移動体通信端末の操作を行えない状態にあると判定する第2の判定手段と、
前記第2の判定手段による判定の結果、前記携帯者が前記移動体通信端末の操作を行えない状態にあると判定された場合に、予め設定された通知先に対し、前記携帯者が前記移動体通信端末の操作を行えない状態にある旨を通知する第2の通知手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記第2の判定手段による判定の結果、前記携帯者の操作により前記安否の登録が行われたことを示す信号を所定時間内に受信し、前記携帯者が前記移動体通信端末の操作を行える状態にあると判定された場合に、予め設定された通知先に対し、前記携帯者が前記移動体通信端末の操作を行える状態にある旨を通知する第3の通知手段を有することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第2の判定手段による判定の結果、前記携帯者が前記移動体通信端末の操作を行えない状態にあると判定された場合に、前記移動体通信端末へ制御信号を送信することで、前記移動体通信端末からアラート音を発生させるアラート音発生制御手段を有することを特徴とする請求項1又は2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記携帯者の操作により前記アラート音が停止させられたことを示す信号を受信した場合に、予め設定された通知先に対し、前記携帯者が前記アラート音を停止させる操作を行った旨を通知する第4の通知手段を有することを特徴とする請求項3記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第1の判定手段は、
前記比較した2つの現在位置情報が同一ではなく、前記携帯者が危機的状況にはないと判定した場合、所定時間経過後に再度、前記移動体通信端末装置に対して、前記移動体通信端末装置の現在位置情報を要求し、
前記移動体通信端末装置から取得した最も新しい現在位置情報と、その次に新しい現在位置情報とを比較することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記災害発生情報の登録を契機として、前記移動体通信端末装置に対し前記現在位置情報を要求し、前記移動体通信端末から前記現在位置情報を取得できなかった場合に、予め設定された通知先に対し、前記携帯者が危機的状況にある旨を通知する第5の通知手段を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記災害発生情報の登録以前にも、前記移動体通信端末装置に対してネットワークを介して前記移動体通信端末装置の現在位置情報を所定間隔で要求し、前記移動体通信端末装置から取得した現在位置情報を順次記憶することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
ネットワークを介して情報処理装置との通信が可能な移動体通信端末装置であって、
前記情報処理装置から受信した制御信号に従って、前記移動体通信端末装置の携帯者に対し、安否の登録操作を促す安否登録手段と、
前記携帯者の操作により前記安否の登録が完了した旨を前記情報処理装置へ通知する安否登録完了通知手段と、
を有することを特徴とする移動体通信端末装置。
【請求項9】
前記安否の登録操作の手順を予め設定しておく安否登録操作手順設定手段を有し、
前記安否登録完了通知手段は、
前記携帯者により行われた操作手順が、前記安否登録操作手順設定手段により予め設定された操作手順と同一である場合に、前記携帯者の操作により前記安否の登録が完了した旨を前記情報処理装置へ通知することを特徴とする請求項8記載の移動体通信端末装置。
【請求項10】
ネットワークを介して情報処理装置との通信が可能な移動体通信端末装置であって、
前記情報処理装置から受信した制御信号に従って、アラート音を自装置外へ出力するアラート音発生手段と、
前記携帯者の操作により前記アラート音を停止させる操作が完了した旨を前記情報処理装置へ通知するアラート音停止完了通知手段と、
を有することを特徴とする移動体通信端末装置。
【請求項11】
前記アラート音を停止させる操作の手順を予め設定しておくアラート音停止操作手順設定手段を有し、
前記アラート音停止完了通知手段は、
前記携帯者により行われた操作手順が、前記アラート音停止操作手順設定手段により予め設定された操作手順と同一である場合に、前記携帯者の操作により前記アラート音を停止させる操作が完了した旨を前記情報処理装置へ通知することを特徴とする請求項10記載の移動体通信端末装置。
【請求項12】
請求項1から7のいずれか1項に記載の情報処理装置、及び、請求項8から11のいずれか1項に記載の移動体通信端末装置のうち、少なくとも一方を有することを特徴とする救助支援システム。
【請求項13】
移動体通信端末装置に対してネットワークを介して前記移動体通信端末装置の現在位置情報を所定間隔で要求し、前記移動体通信端末装置から取得した現在位置情報を順次記憶する情報処理装置が行う救助支援方法であって、
災害の発生を示す災害発生情報の登録を契機として、前記移動体通信端末装置から取得した現在位置情報のうち、最も新しい現在位置情報と、その次に新しい現在位置情報とを比較し、比較した2つの現在位置情報が同一である場合、前記移動体通信端末の携帯者が危機的状況にあると判定する第1の判定ステップと、
前記第1の判定ステップによる判定の結果、前記携帯者が危機的状況にあると判定された場合に、予め設定された通知先に対し、前記携帯者が危機的状況にある旨を通知する第1の通知ステップと、
前記第1の判定ステップによる判定の結果、前記携帯者が危機的状況にあると判定された場合に、前記移動体通信端末へ制御信号を送信することで、前記携帯者に対して前記移動体通信端末を操作して安否の登録を行うよう促す安否登録要求ステップと、
前記携帯者の操作により前記安否の登録が行われたことを示す信号を所定時間内に受信しなかった場合に、前記携帯者が前記移動体通信端末の操作を行えない状態にあると判定する第2の判定ステップと、
前記第2の判定ステップによる判定の結果、前記携帯者が前記移動体通信端末の操作を行えない状態にあると判定された場合に、予め設定された通知先に対し、前記携帯者が前記移動体通信端末の操作を行えない状態にある旨を通知する第2の通知ステップと、
を有することを特徴とする救助支援方法。
【請求項14】
ネットワークを介して情報処理装置との通信が可能な移動体通信端末装置が行う救助支援方法であって、
前記情報処理装置から受信した制御信号に従って、前記移動体通信端末装置の携帯者に対し、安否の登録操作を促す安否登録ステップと、
前記携帯者の操作により前記安否の登録が完了した旨を前記情報処理装置へ通知する安否登録完了通知ステップと、
を有することを特徴とする救助支援方法。
【請求項15】
ネットワークを介して情報処理装置との通信が可能な移動体通信端末装置が行う救助支援方法であって、
前記情報処理装置から受信した制御信号に従って、アラート音を自装置外へ出力するアラート音発生ステップと、
前記携帯者の操作により前記アラート音を停止させる操作が完了した旨を前記情報処理装置へ通知するアラート音停止完了通知ステップと、
を有することを特徴とする救助支援方法。
【請求項16】
移動体通信端末装置に対してネットワークを介して前記移動体通信端末装置の現在位置情報を所定間隔で要求し、前記移動体通信端末装置から取得した現在位置情報を順次記憶するコンピュータに実行させるプログラムであって、
災害の発生を示す災害発生情報の登録を契機として、前記移動体通信端末装置から取得した現在位置情報のうち、最も新しい現在位置情報と、その次に新しい現在位置情報とを比較し、比較した2つの現在位置情報が同一である場合、前記移動体通信端末の携帯者が危機的状況にあると判定する第1の判定処理と、
前記第1の判定処理による判定の結果、前記携帯者が危機的状況にあると判定された場合に、予め設定された通知先に対し、前記携帯者が危機的状況にある旨を通知する第1の通知処理と、
前記第1の判定処理による判定の結果、前記携帯者が危機的状況にあると判定された場合に、前記移動体通信端末へ制御信号を送信することで、前記携帯者に対して前記移動体通信端末を操作して安否の登録を行うよう促す安否登録要求処理と、
前記携帯者の操作により前記安否の登録が行われたことを示す信号を所定時間内に受信しなかった場合に、前記携帯者が前記移動体通信端末の操作を行えない状態にあると判定する第2の判定処理と、
前記第2の判定処理による判定の結果、前記携帯者が前記移動体通信端末の操作を行えない状態にあると判定された場合に、予め設定された通知先に対し、前記携帯者が前記移動体通信端末の操作を行えない状態にある旨を通知する第2の通知処理と、
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項17】
ネットワークを介して情報処理装置との通信が可能なコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記情報処理装置から受信した制御信号に従って、前記移動体通信端末装置の携帯者に対し、安否の登録操作を促す安否登録処理と、
前記携帯者の操作により前記安否の登録が完了した旨を前記情報処理装置へ通知する安否登録完了通知処理と、
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項18】
ネットワークを介して情報処理装置との通信が可能なコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記情報処理装置から受信した制御信号に従って、アラート音を自装置外へ出力するアラート音発生処理と、
前記携帯者の操作により前記アラート音を停止させる操作が完了した旨を前記情報処理装置へ通知するアラート音停止完了通知処理と、
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−118728(P2010−118728A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−288592(P2008−288592)
【出願日】平成20年11月11日(2008.11.11)
【出願人】(000232140)NECフィールディング株式会社 (373)
【Fターム(参考)】