説明

情報処理装置、管理システム、情報処理装置の制御プログラム、および情報処理装置の制御プログラムを記録した記録媒体

【課題】 RFIDタグを備えた対象物の出入りを精度よく管理できる情報処理装置を実現する。
【解決手段】 本発明に係る管理装置5は、RFIDタグ2と自装置との間の距離情報を算出するリーダライタ4に、通信可能に接続されており、このリーダライタ4により算出された距離情報を受付ける外部通信部51および情報抽出部52と、受付けた距離情報の履歴である履歴情報57を記憶する情報格納部56と、この履歴情報57に基づき、物品の変位を監視する移動監視部53とを備えているので搬送される物品の入出庫を精度よく管理できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFIDタグが備えられた対象物の所定の領域への出入りを監視する、情報処理装置、管理システム、情報処理装置の制御プログラム、および、情報処理装置の制御プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、RFID(Radio Frequency Identification)タグ(無線タグ)の利用が普及しつつある。RFIDタグは、バーコードを代替するものとして特に物流の分野において期待を集めており、近い将来において広く普及することが予想されている。
【0003】
このようなRFIDタグの利用例として、例えば特許文献1に開示されている入出荷登録処理システムが挙げられる。
【0004】
この入出荷登録処理システムでは、RFIDタグを各物品(商品)に貼り付け積載して移送する際に、RFIDタグそれぞれから物品情報を読取ったり、該RFIDタグそれぞれに物品情報を書き込んだりすることにより物品の入出荷管理を行うことができる。
【特許文献1】特開2003−327331号公報(2003年11月19日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記入出荷登録処理システムでは、搬送される物品の入出庫を精度よく管理することができないといった問題が生じる。
【0006】
より具体的には、上記入出荷登録処理システムでは、物品の入出庫を管理するために通過ゲートを備えており、この通過ゲートが、物品を積載して配送するための配送用カート(配送用キャリア)の通過を2つの光学的な検知手段を利用して検知する構成である。
【0007】
この入出荷登録処理システムでは、上記通過ゲートが備える上記検知手段が配送用カートの通過を検知することはできるが、通過する配送用カートの進行方向を判断することはできない。このため、上記入出荷登録処理システムでは、物品を積載した配送用カートが搬入されているのか、あるいは搬出されているのかを判別することができないといった問題が生じる。
【0008】
また、この光学的な検知手段では、配送用カート以外のものがゲートを通過する場合であっても、配送用カートの通過と誤認識することがある。
【0009】
このように、上記入出荷登録処理システムでは、配送用カートに積載された物品の入庫または出庫を精度よく管理することができない。
【0010】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、RFIDタグを備えた対象物の所定の領域への出入りを精度よく管理できる、情報処理装置、管理システム、情報処理装置の制御プログラム、および情報処理装置の制御プログラムを記録した記録媒体を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る情報処理装置は、上記した課題を解決するために、RFIDタグの位置を算出するタグ通信装置から情報を受付け処理する情報処理装置であって、上記タグ通信装置から、上記算出された位置を示す位置情報を受付ける位置情報受付け手段と、上記位置情報受付け手段によって受付けた位置情報の履歴である履歴情報を記憶する履歴記憶装置と、上記履歴記憶装置に記憶された履歴情報に基づき、上記RFIDタグの所定の領域への出入りを監視する監視手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
上記構成によると、上記情報処理装置は、上記履歴記憶装置を備え履歴情報を保持しているため、この履歴情報に基づき上記RFIDタグの位置の時系列変化を把握することができる。また、監視手段を備えているため、上記位置の時系列変化に応じて、RFIDタグの移動方向など把握することができる。
【0013】
例えば、電波強度が閾値以上であるか否かでRFIDタグを備えた対象物の出入りを判定する構成の場合、該対象物が出入り可能な範囲とタグ通信装置との間の距離に幅があるので、RFIDタグの出入り時に得られる電波強度にばらつきが生じる。このため、正確なRFIDタグの出入りを把握することが困難となる。また、上記対象物が出入りしていないにもかかわらず、対象物とタグ通信装置との間の距離が、対象物が出入り可能な範囲とタグ通信装置との距離と同じとなる場合もある。この場合も、RFIDタグを備えた対象物が所定の領域を出入りしているのか否かを判断することができない。
【0014】
このため、上記したような構成ではRFIDタグの出入りを正確に判定することができない。
【0015】
これに対して本発明に係る情報処理装置では、RFIDタグの位置情報の履歴を記憶しているため、該RFIDタグの位置の時系列変化からRFIDタグを備えた対象物が所定の領域から出て行くのか、あるいは入ってくるのかを正確に判断することができる。
【0016】
したがって、本発明に係る情報処理装置は、RFIDタグが備えられた対象物の所定の領域への出入りを精度よく管理できるという効果を奏する。
【0017】
なお、上記RFIDタグが備えられる対象物とは、例えば物品、または人などであり能動的または受動的に移動するものである。
【0018】
また、本発明に係る情報処理装置は、上記した構成において、上記履歴情報に基づき、上記監視手段が所定の領域への出入りのタイミングを判定するように構成されていることが好ましい。
【0019】
すなわち、本発明に係る情報処理装置は、上記履歴情報を保持しているため、時系列的なRFIDタグの位置の変化を知ることができ、この位置の変化に応じて上記RFIDタグの所定領域への出入りのタイミングを精度よく知ることができる。
【0020】
したがって、本発明に係る情報処理装置は、上記RFIDタグが備えられた対象物の所定領域への出入りのタイミングを精度よく管理できる。
【0021】
また、本発明に係る情報処理装置は、上記した構成において、上記RFIDタグは、所定位置を経由して上記所定の領域への出入りを行っており、上記所定位置によって、上記所定の領域である第1の領域と、上記所定の領域外にある領域である第2の領域とに区分しており、上記タグ通信装置は、上記第1の領域にあるRFIDタグとのみ通信可能となっていることが好ましい。
【0022】
上記構成によると、上記タグ通信装置が、上記第1の領域にあるRFIDタグとのみ通信可能となっているため、位置情報の取得の有無により、RFIDタグが第1の領域または第2の領域にあるかを特定することができる。
【0023】
また、本発明に係る情報処理装置は、上記した構成において、上記監視手段は、上記履歴情報に基づき、上記RFIDタグが第1の領域から第2の領域に向かって上記所定位置を通過したか、あるいは第2の領域から第1の領域に向かって上記所定位置を通過したかを判定するように構成されていることが好ましい。
【0024】
ここで、上記タグ通信装置が上記第1の領域または第2の領域にあるRFIDタグとのみ通信可能であるため、上記履歴情報は、第1の領域から所定位置までの間、もしくは第2の領域から所定位置までの間の範囲における、RFIDタグの位置情報のみを示すこととなる。
【0025】
したがって、本発明に係る情報処理装置は、上記履歴情報に基づき、RFIDタグが例えば第1の領域から第2の領域に向かって移動しているのか、あるいは第1の領域において第2の領域の方向とは逆の離れる方向に移動しているのかなどの移動方向を知ることができる。
【0026】
また、本発明に係る情報処理装置は、上記した構成において、上記位置情報受付け手段が、タグ通信装置から位置情報として距離情報を受付けており、この距離情報の履歴の記録が、上記所定位置におけるRFIDタグの通過可能範囲とタグ通信装置との間の距離の範囲で途切れる場合、上記監視手段は上記RFIDタグが所定位置を第1の領域から第2の領域に向かって通過したと判定するように構成されていてもよい。
【0027】
また、本発明に係る情報処理装置は、上記した構成において、上記距離情報の履歴の記録が、上記所定位置におけるRFIDタグの通過可能範囲とタグ通信装置との間の距離の範囲で開始される場合、上記監視手段は上記RFIDタグが所定位置を第2の領域から第1の領域に向かって通過したと判定するように構成されていてもよい。
【0028】
すなわち、上記タグ通信装置が第1の領域にあるRFIDタグとのみ通信可能となっているため、第2の領域にあるRFIDタグとの通信が途切れ、位置情報としての距離情報の履歴の記録が途切れることとなる。
【0029】
そこで、上記距離情報の履歴の記録が、上記所定位置におけるタグ通信装置とRFIDタグとの通信可能範囲との間の距離の範囲で途切れる場合、上記監視手段は、RFIDタグが上記第1の領域から第2の領域に向かって上記所定位置を通過したと判定することができる。
【0030】
一方、上記距離情報の履歴の記録が、上記所定位置におけるRFIDタグの通過可能範囲とタグ通信装置との間の距離の範囲で開始される場合、上記監視手段は、RFIDタグが第2の領域から第1の領域に向かって上記所定位置を通過したと判定することができる。
【0031】
以上のように、本発明に係る情報処理装置では、監視手段が、上記RFIDタグが第1の領域から第2の領域に向かって上記所定位置を通過したか、あるいは第2の領域から第1の領域に向かって上記所定位置を通過したかを判定することができるため、このRFIDタグを備えた対象物の所定領域における出入りを精度よく管理できる。
【0032】
また、本発明に係る情報処理装置は、上記した構成において、上記RFIDタグには、当該RFIDタグが備えられる対象物に関する対象物情報が記憶されており、上記所定位置を通過する予定となっている対象物に関する予定対象物情報を記憶する予定対象物記憶装置と、上記タグ通信装置を介してRFIDタグから取得した上記対象物情報と、上記予定対象物記憶装置から取得した予定対象物情報とを比較し、上記所定位置を通過する対象物の適否を判断する対象物判定手段とを備え、上記監視手段により、上記対象物が所定位置を通過したと判定された場合、上記対象物判定手段は、該所定位置を通過したと判定された対象物の対象物情報と該対象物の予定対象物情報とが一致するか否かを判定するように構成されていることが好ましい。
【0033】
上記構成によると、対象物判定手段を備えているため、RFIDタグを備えた対象物が所定位置を経由して移動する際に、この対象物の内容を確認することができる。なお、この対象物情報とは、例えば対象物の種類、重量、個数、賞味期限など物品に関する各種情報である。
【0034】
したがって、本発明に係る情報処理装置は、誤った内容の対象物が所定領域に出入することを防ぐことができる。
【0035】
また、本発明に係る情報処理装置は、上記した構成において、上記監視手段および/または上記対象物判定手段による判定結果を出力する出力装置を備えるように構成されていることが好ましい。
【0036】
上記構成によると、出力装置を備えているため、監視手段および/または対象物判定手段による判定結果をユーザに通知することができる。
【0037】
また、本発明に係る情報処理装置は、上記した構成において、上記出力装置は表示装置であってもよい。
【0038】
上記構成によると、監視手段および/または対象物判定手段による判定結果を表示させてユーザに容易に確認させることができる。
【0039】
また本発明に係る管理システムは上記した課題を解決するために、上記した情報処理装置と、RFIDタグから受信した信号に基づき、該RFIDタグの位置情報を算出する位置測定手段、および算出した位置情報を上記情報処理装置に送信する送信手段を有するタグ通信装置とを備えることを特徴とする。
【0040】
上記構成によると、タグ通信装置が位置測定手段を備えているため、RFIDタグの位置情報を取得することができる。また、タグ通信装置が送信手段を備えているため、上記算出した位置情報を情報処理装置に送信することができる。
【0041】
一方、情報処理装置は、算出した位置情報をタグ通信装置から受信することができるため、上記位置情報を、履歴情報として記憶しておくことができる。
【0042】
このため、情報処理装置は、この履歴情報に基づきRFIDタグの所定領域における出入りを監視することができる。
【0043】
したがって、本発明に係る管理システムは、RFIDタグを備えた対象物の所定領域における出入りを精度よく管理できるという効果を奏する。
【0044】
また本発明に係る管理システムは、上記した課題を解決するために、RFIDタグから受信した信号に基づき、該RFIDタグの位置情報を算出する位置測定手段と、算出された位置情報の履歴である履歴情報を記憶する履歴記憶装置と、上記履歴記憶装置に記憶された履歴情報に基づき、上記RFIDタグの所定の領域への出入りを監視する監視手段とを備えることを特徴とする。
【0045】
上記構成によると、位置測定手段を備えているため、RFIDタグの位置情報を取得することができる。また、履歴記憶装置を備えているため、算出した位置情報を、履歴情報として記憶しておくことができる。
【0046】
このため、情報処理装置は、この履歴情報に基づきRFIDタグの所定の領域における出入りを監視することができる。
【0047】
したがって、本発明に係る管理システムは、RFIDタグを備えた対象物の所定領域における出入りを精度よく管理できるという効果を奏する。
【0048】
また本発明に係る管理システムは、上記した構成において、上記RFIDタグには、当該RFIDタグが備えられる対象物の内容を示す対象物情報が記憶されており、上記所定の領域に出入りする予定となっている対象物の内容を示す予定対象物情報を記憶する予定対象物記憶装置と、上記RFIDタグから取得した上記対象物情報と、上記予定対象物記憶装置から取得した予定対象物情報とを比較し、対象物の上記所定領域への出入りの適否を判定する対象物判定手段とを備え、上記監視手段により、上記対象物に備えられたRFIDタグの上記所定の領域に対する出入りがあったと判定された場合、上記対象物判定手段は、出入りがあったと判定されたRFIDタグを備えた対象物の対象物情報と該対象物の予定対象物情報とが一致するか否かを判定するように構成されていることが好ましい。
【0049】
上記構成によると、対象物判定手段を備えているため、上記監視手段により所定位置を通過したと判定された対象物の対象物情報が予定対象物情報と一致するか否かを判定することができる。
【0050】
したがって、本発明に係る入出庫管理システムは、誤った内容の対象物が所定領域に出入りすることを防ぐことができる
また、本発明に係る管理システムは、上記した構成において、上記RFIDタグは、所定位置を経由して上記所定の領域への出入りを行っており、上記所定位置によって、上記所定の領域である第1の領域と、上記所定の領域外にある領域である第2の領域とに区分しており、上記位置測定手段は、上記第1の領域または第2の領域にあるRFIDタグから受信した信号に基づき、該RFIDタグの位置情報を算出するように構成されていることが好ましい。
【0051】
上記構成によると、上記第1の領域または第2の領域にあるRFIDタグとのみ通信可能となっているため、位置情報の取得の有無により、RFIDタグが第1の領域または第2の領域にあるかを特定することができる。
【0052】
本発明に係る情報処理装置の制御方法は、上記した課題を解決するために、RFIDタグの位置を算出するタグ通信装置から情報を受付け処理する情報処理装置の制御方法であって、上記タグ通信装置から、上記算出された位置を示す位置情報を受付けるステップと、受付けた上記位置情報の履歴である履歴情報を記憶するステップと、記憶された上記履歴情報に基づき、上記RFIDタグの所定の領域への出入りを監視するステップを含むことを特徴とする。
【0053】
上記方法によると、履歴情報に基づき上記RFIDタグの位置の時系列変化を把握することができるため、該RFIDタグが備えられた対象物の所定領域における出入りを監視することができる。
【0054】
したがって、本発明に係る情報処理装置の制御方法は、RFIDタグが備えられた対象物の、所定の領域への出入りを精度よく管理できるという効果を奏する。
【0055】
なお、上記情報処理装置が備える各手段は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記情報処理装置をコンピュータにて実現させる情報処理装置の制御プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0056】
本発明に係る情報処理装置は、以上のように、RFIDタグの位置を算出するタグ通信装置から情報を受付け処理する情報処理装置であって、上記タグ通信装置から、上記算出された位置を示す位置情報を受付ける位置情報受付け手段と、上記位置情報受付け手段によって受付けた位置情報の履歴である履歴情報を記憶する履歴記憶装置と、上記履歴記憶装置に記憶された履歴情報に基づき、上記RFIDタグの所定の領域への出入りを監視する監視手段とを備えることを特徴とする。
【0057】
したがって、本発明に係る情報処理装置は、RFIDタグが備えられた対象物の所定の領域への出入りを精度よく管理できるという効果を奏する。
【0058】
また本発明に係る管理システムは、以上のように、上記した情報処理装置と、RFIDタグから受信した信号に基づき、該RFIDタグの位置情報を算出する位置測定手段、および算出した位置情報を上記情報処理装置に送信する送信手段を有するタグ通信装置とを備えることを特徴とする。
【0059】
したがって、本発明に係る管理システムは、RFIDタグを備えた対象物の所定領域における出入りを精度よく管理できるという効果を奏する。
【0060】
また本発明に係る管理システムは、以上のように、RFIDタグから受信した信号に基づき、該RFIDタグの位置情報を算出する位置測定手段と、算出された位置情報の履歴である履歴情報を記憶する履歴記憶装置と、上記履歴記憶装置に記憶された履歴情報に基づき、上記RFIDタグの所定の領域への出入りを監視する監視手段とを備えることを特徴とする。
【0061】
したがって、本発明に係る管理システムは、RFIDタグを備えた対象物の所定領域における出入りを精度よく管理できるという効果を奏する。
【0062】
本発明に係る情報処理装置の制御方法は、以上のように、RFIDタグの位置を算出するタグ通信装置から情報を受付け処理する情報処理装置の制御方法であって、上記タグ通信装置から、上記算出された位置を示す位置情報を受付けるステップと、受付けた上記位置情報の履歴である履歴情報を記憶するステップと、記憶された上記履歴情報に基づき、上記RFIDタグの所定の領域への出入りを監視するステップを含むことを特徴とする。
【0063】
したがって、本発明に係る情報処理装置の制御方法は、RFIDタグが備えられた対象物の、所定の領域への出入りを精度よく管理できるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0064】
本発明の一実施形態について図1ないし図13に基づいて説明すると以下の通りである。
【0065】
本実施の形態に係る入出庫管理システム1(管理システム)は、図2に示すように、複数の物品がカートに積載された状態で各物品の入庫または出庫を管理することができるものである。
【0066】
すなわち、この入出庫管理システム1は、上記カート80に積載された各物品それぞれにRFIDタグ2が備えられている。また、入庫領域(所定の領域、第1の領域)70と出庫領域(第2の領域)71との境界を示すゲート(所定位置)81上に送受信アンテナ41を備えたリーダライタ(タグ通信装置)4が設置されており、該リーダライタ4と管理装置(情報処理装置)5とが通信可能に接続されている。
【0067】
そして、この入出庫管理システム1は、物品を積載したカート80がゲート81を通過する際に、この物品の搬送が入庫であるのか出庫であるのかをRFIDタグ2から受信した信号に基づき判定する。また、RFIDタグ2に格納されている情報に基づき、入出庫管理システム1では、入庫または出庫された物品が、入庫または出庫予定の物品と一致するかものであるのか否かを検査する。なお、この図2は、本実施の形態に係る入出庫管理システム1の一例を示す図である。
【0068】
なお、本実施の形態に係る入出庫管理システム1では、ゲート81によって、入庫領域70と出庫領域71とに区分けしており、入庫領域70から出庫領域71に向かって物品が搬送される場合、この物品は出庫されているものとし、逆に出庫領域71から入庫領域70に向かって物品が搬送される場合、この物品は入庫されているものとする。また、入庫領域70とは、物品を保管するための領域であり、例えば倉庫内の空間が挙げられる。また、出庫領域71とは、搬送先に向かう領域であり、例えばトラックなどで物品が搬送される場合は、このトラックに物品を積載するための空間などが挙げられる。
【0069】
図2に示すように本実施の形態に係る入出庫管理システム1では、ゲート81上に送受信アンテナ41を備えたリーダライタ4が設置されており、該リーダライタ4と管理装置5とが通信可能に接続されている。同図では、このリーダライタ4と管理装置5との間の接続はケーブルなどの有線によって確立されているが、両者の接続は、無線によって確立されてもよい。
【0070】
ここで図1を参照して、本実施の形態に係る入出庫管理システム1の構成についてより詳細に説明する。この図1は、本実施の形態に係る入出庫管理システム1の要部構成を示すブロック図である。
【0071】
(入出庫管理システムの構成)
本実施の形態に係る入出庫管理システム1は、図1に示すように、1つ以上のRFIDタグ2…、リーダライタ4、管理装置5、および表示装置(出力装置)6を備えた構成となっている。
【0072】
RFIDタグ2は、各種物品に取り付けられるものであり、取り付けられている物品あるいはそれに関連する物や人に関する情報を記憶するものである。なお、本実施形態では、説明の便宜上1以上の物が梱包されている段ボール箱1つを1物品と定義する。
【0073】
また、RFIDタグ2は、図示しないが、無線通信用IC(Integrated Circuit)、記憶部、およびアンテナなどを備えた構成となっている。なお、本実施形態では、RFIDタグ2として、電池などの電源を有しておらず、リーダライタ4から電波で送電された電力によって回路が動作し、リーダライタ4と無線通信を行うパッシブタイプのRFIDタグ2を用いている。
【0074】
しかしながら、本実施形態において用いられるRFIDタグ2は、上記のようなパッシブタイプのRFIDタグに限定されるものではなく、電池などの電源を有するアクティブタイプのRFIDタグであっても構わない。
【0075】
リーダライタ4は、各RFIDタグ2との間で無線通信を行い、RFIDタグ2に記憶されている情報の読み書きを行う装置である。なお、本実施形態では、リーダライタ4は、RFIDタグ2に記憶されている情報の読み書きを行うものとしているが、これに限定されるものではなく、RFIDタグ2に記憶されている情報の読み出しのみを行うRFIDリーダであってもよい。
【0076】
本実施形態では、リーダライタ4が送受信する電波の周波数帯域は、800MHz〜960MHz前後のいわゆるUHF帯としている。このような周波数帯域の電波を用いることにより、リーダライタ4は、数m〜数10m程度の距離範囲内に位置するRFIDタグ2と通信可能となる。なお、本実施形態においては、UHF帯を用いた通信を想定しているが、これに限定されるものではなく、RFIDタグ向けの周波数帯域としての、13.56MHz帯、2.45GHz帯などの周波数帯域を用いてもよく、さらには、無線による通信を行うことが可能なその他の周波数帯による通信が行われても構わない。
【0077】
なお、上記リーダライタ4の詳細な構成の説明については後述する。
【0078】
上記管理装置5は、リーダライタ4を介してRFIDタグ2から読取った情報および/またはRFIDタグ2の距離情報に基づき、物品の入庫または出庫を判定したり、入庫または出庫された物品が、入庫または出庫予定の物品と一致するかを検査したりする。
【0079】
なお、この管理装置5の詳細な構成の説明については後述する。
【0080】
(リーダライタの構成)
まず、以下において図1を参照してリーダライタ4の構成について説明する。
【0081】
上記リーダライタ4は、送受信アンテナ41、通信処理部42、位置測定部(位置測定手段)43、および外部通信部(送信手段)44を備えた構成となっている。
【0082】
送受信アンテナ41は、RFIDタグ2…に対して電波を送信したり、RFIDタグ2…から送られてきた電波を受信したりするアンテナである。この送受信アンテナ41は、例えばパッチアンテナやアレーアンテナなどによって構成される。なお、本構成例では、上記電波の送受信を行う1つの送受信アンテナ41を用いる構成としたが、電波の送信用と受信用としてそれぞれ別々のアンテナを設けた構成としてもよい。
【0083】
通信処理部42は、本実施の形態に係るリーダライタ4とRFIDタグ2との間の通信に係る各種制御を行うブロックである。具体的には、通信処理部42は、送受信アンテナ41から送信される送信信号の変調、増幅などの処理を行ったり、送受信アンテナ41において受信された受信信号の増幅、復調などの処理を行ったりする。
【0084】
また、通信処理部42は、通信対象となるRFIDタグ2に対して、送受信アンテナ41を介して情報の読み出しおよび/または書き込み制御を行うブロックでもある。なお、このRFIDタグ2に対する、情報の読み出しおよび/または書き込み制御は、管理装置5から、外部通信部44を介して受信した指示に応じて実行される。
【0085】
位置測定部43は、RFIDタグ2から受信した受信信号に基づいて、該RFIDタグ2の位置を測定するブロックである。詳細は後述するが、RFIDタグ2の位置の測定としては、リーダライタ4とRFIDタグ2との距離の測定、リーダライタ4から見た際のRFIDタグ2の方向の測定、および、RFIDタグ2の空間的な位置の測定などが挙げられる。なお、リーダライタ4とRFIDタグ2との距離とは、厳密には、リーダライタ4における送受信アンテナ41とRFIDタグ2との距離に相当する。
【0086】
外部通信部44は、リーダライタ4において読み出されたRFIDタグ2の情報を管理装置5に送信したり、管理装置5からのRFIDタグ2に対する書き込み情報を受信したりするブロックである。管理装置5と外部通信部44との間は、有線によって通信接続されているが無線で接続される構成であってもよい。また、リーダライタ4によるRFIDタグ2に対する読み書き処理に基づいて動作する管理装置5が、該リーダライタ4を内蔵する構成であっても構わない。
【0087】
(距離測定に関する構成)
次に、上記リーダライタ4において、RFIDタグ2と当該リーダライタ4との距離を測定するための構成の一例について図3を参照しながら説明する。同図に示すように、通信処理部42は、周波数調整部としてのPLL(Phase Locked Loop)部42A、変調部42B、電力増幅部42C、増幅部42D、周波数変換部42E、周波数制御部42F、送信制御部42G、および受信制御部42Hを備えている。また、位置測定部43は、位相情報取得部43A、および距離算出部43Bを備えている。
【0088】
なお、この図3では、RFIDタグ2から信号を受信する処理と、RFIDタグ2に信号を送信する処理とを区別して説明するため、送受信アンテナ41を便宜上送信用と受信用との2つに分けて図示している。
【0089】
通信処理部42において、PLL部42Aは、送受信アンテナ41から送信される送信信号の搬送周波数を設定するブロックであり、PLL回路によって構成される。変調部42Bは、PLL部42Aによって生成された搬送信号に変調を加えて送信信号にデータを重畳させる処理を行う。
【0090】
本実施形態においては、変調部42Bは、ASK(Amplitude Shift Keying)変調によって送信信号を生成する。なお、送信信号の変調方式としては、上記のASK変調に限定されるものではなく、FSK(Frequency Shift Keying)変調、PSK(Phase Shift Keying)変調など、その他のデジタル変調方式を採用してもよい。電力増幅部42Cは、送信信号の増幅を行うブロックである。
【0091】
また、増幅部42Dは、送受信アンテナ41において受信された受信信号の増幅を行うブロックである。周波数変換部42Eは、増幅部42Dにおいて増幅された受信信号の周波数を変換して、より低周波の信号に変換する処理を行うブロックである。
【0092】
また、周波数制御部42Fは、PLL部42Aによって設定される搬送信号の周波数を制御するブロックである。送信制御部42Gは、変調部42Bに対して、送信信号を変調すべきデータを入力するブロックである。受信制御部42Hは、距離算出部43Bによって算出された距離情報を受信する処理を行うブロックである。
【0093】
また、位置測定部43において、位相情報取得部43Aは、周波数変換部42Eによって周波数変換された受信信号の位相の変化量を検出し、これを位相の変化量情報として取得するブロックである。なお、受信信号の位相の変化量とは、該受信信号が所定の距離を伝播することによって生じる位相の変化量を示している。
【0094】
距離算出部43Bは、位相情報取得部43Aによって取得された位相の変化量情報に基づいて、該当RFIDタグ2とリーダライタ4との距離を算出するブロックである。この距離の算出方法の一例について、以下に図4(a)〜図4(c)、および図5を参照して説明する。
【0095】
(距離測定の詳細)
本実施形態では、リーダライタ4がRFIDタグ2に対してR/W要求信号(要求信号)を送信し、RFIDタグ2がこれに応じてタグ応答信号を返信するようになっている。この様子を図4(a)〜図4(c)に示す。
【0096】
リーダライタ4は、常に特定の信号を送信している一方、RFIDタグ2に対してタグ応答信号を送信することを要求する時に、図4(b)に示すように、タグ応答信号の返信を要求するR/W要求信号を送信する。
【0097】
すなわち、リーダライタ4における送信制御部42Gは、定常状態では定常状態を示すデータを送信するように変調部42Bを制御し、タグ応答信号を要求する際には、R/W要求信号を構成するデータを送信するように変調部42Bを制御する。
【0098】
RFIDタグ2は、常にリーダライタ4から送られてくる信号を監視し、R/W要求信号を受信したことを検知すると、それに応答する形でタグ応答信号を送信する。
【0099】
タグ応答信号は、図4(c)に示すように、プリアンブル部とデータ部とによって構成されている。プリアンブル部は、タグ応答信号の始まりを示すデータを示しており、同一規格(例えばEPC(Electronic Product Code))内であれば、全てのRFIDタグ2に共通の所定のデータとなっている。データ部は、プリアンブル部に引き続いて送信されるものであり、RFIDタグ2から送信される実質的な情報を示すデータを示している。このデータ部に含まれる情報としては、例えば各RFIDタグ2に固有のID情報などが挙げられるが、RFIDタグ2から送信すべき情報、例えばRFIDタグ2内の記憶部に格納されている各種情報などを含んでいてもよい。
【0100】
そして、リーダライタ4は、R/W要求信号を2回送信するとともに、各R/W要求信号の送信における搬送周波数を互いに異ならせている。すなわち、リーダライタ4における周波数制御部42Gは、1回目のR/W要求信号の送信時には、第1の周波数fで搬送信号を出力するようにPLL部42Aを制御し、2回目のR/W要求信号の送信時には、第1の周波数fとは異なる第2の周波数fで搬送信号を出力するようにPLL部42Aを制御する。この状態を、図5に示す。
【0101】
同図に示すように、第1の周波数fで送信されたR/W要求信号をRFIDタグ2が受信すると、同じく第1の周波数fでタグ応答信号が返信される。そして、リーダライタ4では、位相情報取得部43Aが受信したタグ応答信号のプリアンブル部を解析することによって、タグ応答信号の位相の変化量を示すφを検出する。同様に、第2の周波数fで送信されたR/W要求信号をRFIDタグ2が受信すると、同じく第2の周波数fでタグ応答信号が返信される。そして、リーダライタ2では、位相情報取得部43Aが受信したタグ応答信号のプリアンブル部を解析することによって、タグ応答信号の位相の変化量を示すφを検出する。
【0102】
なお、上記の例では、タグ応答信号の位相の変化量は、プリアンブル部を解析することによって検出するようになっているが、これに限定されるものではなく、データ部をも含めて位相の変化量を検出してもよいし、データ部において位相の変化量を検出してもよい。ただし、変調方式がPSKである場合には、内容が変化しうるデータ部に基づいて、距離に伴う位相の変化量を検出することは困難となるので、内容が固定であるプリアンブル部において位相の変化量を検出することが好ましい。
【0103】
また、上記リーダライタ4は、この位相の変化量の検出を、本実施形態では50msecごとに行うように設定されている。すなわち、上記リーダライタ4は、50msec間隔でRFIDタグ2に対してR/W要求信号を2回送信するようになっている。なお、この位相の変化量の検出のタイミングは50msec間隔に限定されるものではなくもっと短い時間間隔であってもよいし、さらに長い時間間隔であてもよい。物品の移動速度に応じて適切に決められることが好ましい。
【0104】
また、この位相の変化量の検出時に、本実施形態ではRFIDタグ2に記憶されている物品に関する物品情報も取得するように構成されているが、物品情報の取得はこの位相の変化量の検出とは異なるタイミングで行われてもよい。
【0105】
以上のようにして、位相情報取得部43Aが位相の変化量φおよびφを検出すると、この位相の変化量の情報が距離算出部43Bに伝送される。距離算出部43Bは、φおよびφに基づいて、RFIDタグ2とリーダライタ4との距離を以下のように算出する。
【0106】
まず、送受信アンテナ41からRFIDタグ2までの距離を距離rとすると、第1の周波数fおよび第2の周波数fによって搬送される信号が往復2rの距離を伝搬することによって生じる位相の変化量φおよびφは、次の式で表される。
【0107】
【数1】

【0108】
上式において、cは光速を表している。上記の2つの式に基づいて、距離rは、次の式で求められる。
【0109】
【数2】

【0110】
以上のようにして、位相の変化量φおよびφに基づいて、送受信アンテナ41からRFIDタグ2までの距離rを求めることができる。なお、RFIDタグ2において、R/W要求信号を受信してからタグ応答信号を送信する間に、位相のずれが生じることが予想されるが、この位相のずれは、第1の周波数fおよび第2の周波数fによって搬送される信号のどちらにおいても同じ量となる。よって、RFIDタグ2における信号の送受信時に生じる位相のずれは、上記の距離の算出に影響を与えることはない。
【0111】
また、上記したように、リーダライタ4は、RFIDタグ2に対して50msec間隔でR/W要求信号を2回送信する構成である。このため、リーダライタ4は、RFIDタグ2と自装置との間の距離を50msecごとに測定することができる。
【0112】
なお、数2において、Δφが2π以上となっている場合には、距離rを的確に算出することができない。すなわち、測定可能な距離rの最大値rmaxは、Δφ=2πの時であり、次の式で表される。
【0113】
【数3】

【0114】
ここで、例えば第1の周波数fと第2の周波数fとの差を5MHzとした場合、数3より最大距離rmaxは30mとなる。また、同様に、第1の周波数fと第2の周波数fとの差を2MHzとした場合、数3より最大距離rmaxは75mとなる。UHF帯を利用した場合では、想定される最大通信距離は10m程度であるので、上記のような測定は実用上問題がないことがわかる。
【0115】
なお、運搬される物品が大きい、多数の物品が積層され大型のカート80によって搬送されるなどの理由により、ゲート81幅が大きくなり、上記の最大距離rmax以上の測定が必要となる場合は、例えば受信信号の受信強度の測定を併用することによって、距離rの測定を行うことが可能である。
【0116】
具体的には、Δφが2π以上となる可能性がある場合、距離rの候補r’は、r’=r+n・rmax(nは0以上の整数)となる。よって、受信信号の受信強度は、距離rが長くなる程小さくなることを利用することによって、上記のnの値を特定することが可能となる。
【0117】
なお、上記した「距離測定に関する構成」および「距離測定の詳細」に示す測定方法はリーダライタ4とRFIDタグ2との距離を測定するための一例であって、本実施の形態に係るリーダライタ4の構成はこれに限定されるものではない。すなわち、上記リーダライタ4は、自装置とRFIDタグ2との間の距離を、RFIDタグ2から受信した信号から測定することができる構成であればよい。
【0118】
また、アクティブタイプのRFIDタグを用いる場合には、リーダライタ2側からR/W要求信号を送信せずに、RFIDタグ側から能動的に送られるタグ応答信号に基づいて、距離の測定を行うようになっていてもよい。
【0119】
(管理装置の構成)
次に、本実施の形態に係る管理装置5の構成について、再度図1を参照して説明する。
【0120】
図1に示すように、上記管理装置5は、外部通信部(位置情報受付け手段)51、情報抽出部(位置情報受付け手段)52、移動監視部(監視手段)53、物品判定部(対象物判定手段)54、出力指示部55、および情報格納部(履歴記憶装置、予定対象物記憶装置)56を備えている。
【0121】
外部通信部51は、リーダライタ4において読み出されたRFIDタグ2の情報を受信したり、RFIDタグ2に対する書き込みをリーダライタ4に指示する情報を送信したりするブロックである。外部通信部51は、リーダライタ4から受信した情報を情報抽出部52に送信する。また、外部通信部51は、上記書き込み指示する情報を、指示部60からの指示に応じて行う。
【0122】
情報抽出部52は、外部通信部51を介してリーダライタ4から受信した情報の中から、RFIDタグ2の距離情報(RFIDタグ2とリーダライタ4との間の距離)とRFIDタグ2に記憶されている物品情報とを抽出するものである。この情報抽出部52は、抽出した距離情報を情報格納部56に記憶させる。
【0123】
すなわち、上述したように本実施形態では、リーダライタ4が、自装置とRFIDタグ2との間の距離を50msecごとに算出するように構成されている。また、RFIDタグ2から取得する応答信号には、上記したように各RFIDタグ2に固有のID情報が含まれている。
【0124】
そこで、情報抽出部52は、リーダライタ4から受信した距離情報とID情報とに基づき、図6に示すように、RFIDタグ2ごとの距離情報の履歴を記録したテーブルを、履歴情報57として情報格納部56に記憶する。この図6は、情報格納部56に記録される距離情報の履歴を記録したテーブルである履歴情報57の一例を示す図である。
【0125】
なお、上記外部通信部51と情報抽出部52とにより距離情報受付け手段を実現する。
【0126】
移動監視部53は、情報格納部56に記録された履歴情報57を参照して、カート80に積載された物品の変位を監視し、該物品が入庫されたか、あるいは出庫されたかを判定するものである。移動監視部53は、この判定した結果を物品判定部54に通知する。なお、この入出庫の判定処理については後述する。
【0127】
また、移動監視部53は、例えば履歴情報57に基づき、リーダライタ4の通信可能な範囲にあるRFIDタグ2を備えた物品の移動を継続して監視しておくこともできる。
【0128】
なお、距離情報を抽出するたびに情報抽出部52から移動監視部53に通知がなされるようになっており、この移動監視部53は、情報抽出部52からの通知に応じて情報格納部56の履歴情報57を参照し、カート80に積載された物品の変位を監視するように構成されている。
【0129】
物品判定部54は、移動監視部53から物品の入庫または出庫の判定の通知と、情報抽出部52から上記判定された物品の物品情報とを受付けると、情報格納部56の予定物品情報58の中から、この判定された物品に対応する予定物品情報を取得する。そして、物品判定部54は、取得した予定物品情報58と受付けた物品情報とを比較し、適切な物品の入庫または出庫がなされているかについて判定し、この判定結果を出力指示部55に通知する。さらにまた、物品判定部54は、指示部60に判定結果を通知し、この判定結果をRFIDタグ2の記憶部に記録するように指示する。
【0130】
なお、上記予定物品情報58は、入出庫される予定となっている物品に関する情報であり、予め情報格納部56に記憶されている。この予定物品情報58は、例えば、図7に示すように、物品名、タグID、物品情報が物品ごとに対応付けられて情報格納部56に格納されている。また、物品情報には、同図に示すように物品ごとに含まれる物の数、種別、物品の入庫予定日時、および出庫予定日時が含まれている。
【0131】
ただし、予定物品情報58として記録する情報はこれらに限定されるものではなく、各物品の重量、物品中に含まれる物の賞味期限、割れ物か否かなどの情報などがさらに含まれていても良い。すなわち入出庫の管理対象である物品の特性、種類などに応じて適切に物品情報として含める情報を決定する。
【0132】
出力指示部55は、物品判定部54からの通知に基づき、表示装置6に該通知を表示するように制御するものである。なお、本実施形態では、物品判定部54または移動監視部53からの通知を表示装置6に表示させることにより、物品が適切に入出庫された、あるいは誤って入出庫されたことをユーザに示すことができる構成である。
【0133】
しかしユーザへの提示方法はこれに限定されるものではなく、例えば音声によってなされてもよいし、表示灯などの点灯によってなされる構成であってもよいし、これらの複合であってもよい。例えば、音声による提示方法の場合、入出庫管理システム1は、上記表示装置6の代わりにスピーカを備え、出力指示部55が音声としてユーザが認識できるように制御することで実現できる。
【0134】
指示部60は、リーダライタ4に対して、外部通信部51を介して各種指示を行うブロックであり、例えば、指示部60は、リーダライタ4に対して、RFIDタグ2への書き込み指示を行う。
【0135】
(入出庫判定処理)
次に、図8、図9、図10(a)〜図10(c)を参照して、本実施の形態に係る入出庫管理システム1における、物品の入出庫判定処理について説明する。
【0136】
まず、前提として本実施の形態に係る入出庫管理システム1では、送受信アンテナ41を、入庫方向のみに指向性を持つように配置しており、該送受信アンテナ41の取り付け位置は以下のように規定することができる。
【0137】
つまり、送受信アンテナ41は、図9に示すように、カート80を走らせる搬送面に垂直となる直線に対し、入庫領域70側の角度θが0°<θ<90°となる範囲で取り付けられる。なお、この角度は、送受信アンテナ41が有する指向性に応じて任意に選択される。このように、本実施形態に係る送受信アンテナ41は、入庫領域70側にあるRFIDタグ2とのみ信号の送受信が可能となるようになっている。
【0138】
なお、送受信アンテナ41の取り付け位置はこれに限定されるものではない。例えば、この送受信アンテナ41の取り付け位置を、上記垂直な直線に関し線対称となる位置としてもよい。このように送受信アンテナ41が取り付けられる場合、該送受信アンテナ41は、出庫領域71側にあるRFIDタグ2とのみ信号の送受信が可能となる。
【0139】
つまり、この送受信アンテナ41は、少なくとも入庫領域70側または出庫領域71側いずれか一方の領域に存在するRFIDタグ2とのみ信号の送受信が可能となっていればよい。
【0140】
このような前提において、図8に示す処理フローに従って、本実施の形態に係る入出庫管理システム1は、物品の入庫または出庫を判定する。
【0141】
まず、積載された物品に備えられたRFIDタグ2の検出処理を行う(ステップS11、これ以降ではS11と称する)。すなわち、RFIDタグ2を備えた物品が、ゲート81に向かって移動する。そして、この物品が、リーダライタ4と信号の送受信可能となる領域に達すると、該リーダライタ4は、この物品に備えられたRFIDタグ2を検出できる。本実施形態では、上述したように、リーダライタ4がRFIDタグ2に対してR/W要求信号(要求信号)を送信し、RFIDタグ2がこれに応じてタグ応答信号を返信するようになっている。このため、リーダライタ4は、要求信号を常時、所定時間間隔で送信することによりRFIDタグ2の検出処理を行うことができる。
【0142】
このように、リーダライタ4は、要求信号を常時送信しておき、RFIDタグ2から応答信号の返信を受信していない間は、RFIDタグ2の検出がなされていないということになる(S12において「NO」)。一方、リーダライタ4がこの要求信号に応じた応答信号の返信を受信した場合、RFIDタグ2を検出したと判定することができる(S12において「YES」)。
【0143】
リーダライタ4では、RFIDタグ2から応答信号を受信すると、通信処理部42がこの応答信号を解析し、RFIDタグ2の記憶部に記憶されている物品情報を読取る(S13)。そして、リーダライタ4は、読取った情報を、外部通信部44を介して管理装置5に送信する。
【0144】
また、リーダライタ4は、RFIDタグ2からの応答信号に基づき、自装置と検出したRFIDタグ2との間の距離を計算する(S14)。すなわち、上記したようにリーダライタ4は、RFIDタグ2に対して要求信号を互いに異なる搬送周波数で2回送信するように構成されている。そして、リーダライタ4では、これら要求信号それぞれに応じてRFIDタグ2から返信された応答信号の位相の変化量を検出し、この位相の変化量の情報に基づき、位置測定部43が、RFIDタグ2とリーダライタ4との距離を算出する。そして、位置測定部43によって算出された距離の情報(位置情報)は、外部通信部44を介して管理装置5に送信される。
【0145】
管理装置5では、リーダライタ4から受信した情報を、外部通信部51を介して受信し、情報抽出部52が受信した情報の中から距離情報を抽出し情報格納部56に履歴情報57として記録する。ここで、上記RFIDタグ2から既に距離情報が複数回にわたり取得されている場合、管理装置4では情報格納部56に履歴情報57が存在していることとなる(S15において「YES」)。
【0146】
このように既に履歴譲情報57が情報格納部56に記憶されている場合、情報抽出部52は、新たな履歴情報57として、今回取得した距離情報と過去に取得された距離情報とを対応づけて情報格納部56に記憶させる。そして、情報抽出部52は、移動監視部53に対して、このRFIDタグ2の移動方向を判定するように指示を出す。
【0147】
一方、管理装置5において、検出したRFIDタグ2に関する距離情報の取得が、今回が初めてである場合、このRFIDタグ2に関する履歴情報57が存在しないこととなる(S15において「NO」)。
【0148】
この場合、入出庫管理システム1では、再度このRFID2の検出処理を行い、該RFIDタグ2の情報を読取り、読取った情報に基づき、距離の計算を行うといったステップS11〜ステップS15までの処理を繰り返す。なお、ステップS15において「NO」の場合、情報抽出部52は、移動監視部53に対して、検出しているRFIDタグ2の距離の変化の判定を行うよう指示することはない。
【0149】
一方、ステップS15において「YES」の場合(情報格納部56に、リーダライタ4により検出されたRFIDタグ2に関する履歴情報57が存在している場合)、移動監視部53は、履歴情報57に基づき、時間の経過とともにRFIDタグ2との距離が単調減少しているか否かを判定する(S16)。
【0150】
ここで、ステップS16において「YES」の場合とは、時間の経過とともに、RFIDタグ2との距離が単調減少しかつ、該RFIDタグ2がゲート81を通過できる範囲とリーダライタ4との間の距離範囲(最小距離α)において、履歴情報57における距離情報の記録が途切れているという条件(条件1)を満たす場合となる。この場合、管理装置5では移動監視部53は、出庫方向に移動し、上記記録が途絶えた時点でこのRFIDタグ2を備えた物品がゲート81を通過したと判定する。すなわち、移動監視部53が、物品が出庫されたと判定する(S17)。
【0151】
上記したように、本実施形態では、送受信アンテナ41が、入庫領域70の限られた領域にあるRFIDタグ2に対してのみ電波の送受信を行うことができるようにゲート81に設置されている。したがって、入庫領域70から出庫領域71に向かって物品が移動する場合(物品の出庫の場合)、時間の経過とともに物品に備えられたRFIDタグ2は、ゲート81に設置されたリーダライタ4に接近することとなる。このため、物品の出庫時における時間と距離との関係は、例えば図10(a)に示すように、単調減少となる。そして、距離が最小となる位置で物品が略送受信アンテナ41の真下に位置することとなる。すなわち、本実施形態ではゲート81上に送受信アンテナ41が設置されているため、距離が最小となる位置(距離最小α)の時点で物品がゲート81を通過し出庫領域71に移動したことが分かる。
【0152】
なお、図10(a)〜図10(c)において示している通信可能範囲とは、リーダライタ4と、通信可能な範囲において、該リーダライタ4から最も遠隔にある地点との間の距離範囲を示している。
【0153】
また、図2に示すように物品が複数個、積層されている場合、カート80の底部にある物品に備えられたRFIDタグ2と一番上に積み上げられている物品に備えられたRFIDタグ2とでは、リーダライタ4までの距離が異なることとなる。このため、両者の間において図10(a)に示す最小距離αは異なることとなる。しかしながら、両者とも物品の出庫時における時間と距離との関係は、例えば図10(a)に示すように、単調減少となる。そして、距離が最小となる位置(最小距離α)に達すると距離情報の記録は途切れるという特徴は一致する。
【0154】
なお、この最小距離αは、ゲート81においてRFIDタグ2が通過可能な範囲であって、この最小距離αとして取り得る範囲が決まっている。そこで、上記管理装置5は、図示しないがこの距離範囲の情報を情報格納部56に予め記憶している。このため、管理装置5では、移動監視部53がこの距離範囲の情報を参照して、上記最小距離αに達して距離情報の記録が途絶えたか否かを判定することができる。
【0155】
したがって、ゲート81を通過する物品の高さが異なる場合であっても、距離と時間との関係が上記した特徴を示すとき、移動監視部53は、該物品が出庫されと判定することができる。
【0156】
そして、上記移動監視部53は、物品の出庫がなされたと判定した場合、この判定した結果を物品判定部54に通知する。物品判定部54は、移動監視部53からの通知に応じて、出庫された物品の適正を判定する。すなわち、物品判定部54は、情報抽出部52から受信した、検出されているRFIDタグ2に関する物品情報と、該RFIDタグ2に関するする予定物品情報58とを比較し一致するか否かを判定する。
【0157】
ここで、上記物品判定部54が受信した物品情報と上記予定物品情報58とが一致しないと判定した場合、予定されている物品とは異なる内容の物品が出庫されていると判定することができる。そして、上記物品判定部54は、出力指示部55に対して、誤った物品が出庫されている旨示すように指示する。出力指示部55は、物品判定部54からの指示に応じて、表示装置6に誤った物品が出庫された旨を表示させるように制御する。
【0158】
一方、物品判定部54が、受信した物品情報と上記予定物品情報58とが一致すると判定した場合、適正な物品が出庫されたと判定する。そして、物品判定部54は、出力指示部55に対して、物品の出庫が適正である旨提示するように指示する。出力指示部55は、物品判定部54からの指示に応じて、表示装置6に物品の出庫が適正になされたことを示す情報を表示するように制御する。
【0159】
一方、ステップS16において「NO」の場合、移動監視部53は、時間の経過とともにRFIDタグ2との距離が増加しており、RFIDタグ2がゲート81を通過できる範囲とリーダライタ4との間の距離範囲(最小距離β)において、この増加が開始されるという条件(条件2)を満たすか否かを判定する(S18)。
【0160】
このステップS18の判定において「YES」の場合、移動監視部53は、検出しているRFIDタグ2を備えた物品が入庫方向に移動しており、上記増加の開始時点においてゲート81を通過して出庫領域71から入庫領域70に移動したと判定する。すなわち、移動監視部53は、このRFIDタグ2を備えた物品が入庫されたと判定する(S19)。
【0161】
つまり物品が出庫領域71から入庫領域70に物品が移動する場合(物品の入庫の場合)、時間の経過とともに物品に備えられたRFIDタグ2は、リーダライタ4から遠ざかることとなる。このため、物品の入庫時における時間と距離との関係は、例えば図10(b)に示すように単調増加となる。
【0162】
また、送受信アンテナ41は、本実施形態では入庫領域70内にあるRFIDタグ2とのみ通信可能となるように設置されていた。このため、この時間と距離との関係において、距離が最小となる最小距離β(単調増加の開始位置)の時点で物品がゲート81を通過し入庫領域70に移動したと判定することができる。
【0163】
なお、図2に示すように物品が複数個、積層され該物品に備えられたRFIDタグ2と、リーダライタ4との間の距離が異なる場合、図10(b)に示す最小距離βは異なることとなる。しかしながら、物品の出庫時における時間と距離との関係は、図10(b)に示すように、単調増加となる。そして、距離が最小となる位置(最小距離β)がリーダライタ4とRFIDタグ2との間の通信可能な範囲に含まれており、この最小距離βとなる位置から単調増加が開始するという特徴は一致する。
【0164】
なお、この最小距離βとして取り得る距離範囲は本実施形態では上記最小距離αとして取り得る距離範囲と同じである。このため、管理装置5では、移動監視部53がこの距離範囲の情報を参照して、上記最小距離βから、単調増加となる距離情報の記録が開始されたか否かを判定することができる。
【0165】
したがって、ゲート81を通過する物品の高さが異なる場合であっても、距離と時間との関係が上記した特徴を示すとき、移動監視部53は、該物品が入庫されと判定することができる。
【0166】
このように、物品の入庫がなされたと判定された場合、上記移動監視部53はこの判定した結果を物品判定部54に通知する。物品判定部54は、移動監視部53からの通知に応じて、入庫された物品の適正を判定する。すなわち、物品判定部54は、情報抽出部52から受信した、検出されているRFIDタグ2に関する物品情報と、該RFIDタグ2に関するする予定物品情報58とを比較し一致するか否かを判定する。
【0167】
ここで、上記物品判定部54が受信した物品情報と上記予定物品情報58とが一致しないと判定した場合、予定されている物品とは異なる内容の物品が入庫されていないこととなる。この場合、上記物品判定部54は、出力指示部55に対して、誤った物品が入庫されている旨示すように指示する。出力指示部55は、物品判定部54からの指示に応じて、表示装置6に誤った物品が入庫された旨を表示させるように制御する。
【0168】
一方、物品判定部54が、受信した物品情報と上記予定物品情報58とが一致すると判定した場合、適正な物品が入庫されたと判定する。そして、物品判定部54は、出力指示部55に対して、物品の入庫が適正である旨提示するように指示する。出力指示部55は、物品判定部54からの指示に応じて、表示装置6に物品の入庫が適正になされたことを示す情報を表示するように制御する。
【0169】
一方、ステップS18において「NO」の場合、移動監視部53は、ステップS11に戻りRFIDタグ2の検出処理から繰り返す。つまり、ステップS18において「NO」の場合とは、図10(c)に示す区間γ−δのように増加および減少が生じる場合であり、入庫領域70においてRFIDタグ2を備えた物品がゲート周辺をうろうろしている状態と考えられる。そこで、継続してRFIDタグ2とリーダライタ4との間の距離を測定し該RFIDタグ2の変位を移動監視部53が監視を続けるためステップS11に戻る。
【0170】
以上のように、本実施の形態に係る入出庫管理システム1では、RFIDタグ2とリーダライタ4との間の距離を時系列に記録した履歴情報57に基づき、管理装置5の移動監視部53が該RFIDタグ2の変位を監視することができる。
【0171】
すなわち、本実施の形態に係る入出庫管理システム1では、上記移動監視部53が、時間の経過とともに、リーダライタ4とRFIDタグ2との間の距離が大きくなるのか、あるいは小さくなるのかに応じて、物品が入庫方向に移動しているのか、あるいは出庫方向に移動しているのかを判定することができる。
【0172】
また、上記入出庫管理システム1では、入庫領域70と出庫領域71との境界を区切るゲート81にリーダライタ4が設置されている。また、管理装置5は、リーダライタ4の真下、すなわちゲート81を通過する位置にRFIDタグ2がある場合における、該RFIDタグ2とリーダライタ4との間の距離の情報を予め保持している。
【0173】
このため、リーダライタ4とRFIDタグ2との間の距離がこの予め保持されている距離の情報と一致した場合、上記移動監視部53は、RFIDタグ2を備えた物品がゲート81を通過している時点を判定することができる。
【0174】
このように、本実施の形態に係る入出庫管理システム1では、物品がゲート81を通過した時点を判定することができるため、入庫された物品が誤って出庫されるなどの誤った搬送を認識することができる。
【0175】
また、物品が入庫または出庫されたという移動監視部53からの指示に応じて、物品判定部54が、この入庫または出庫された物品の情報が、入庫または出庫が予定されていた物品の情報と一致するかを判定することができる。すなわち、本実施の形態に係る入出庫管理システム1では、物品の入庫または出庫の適正を判定することができる。
【0176】
なお、上記したように本実施の形態に係る入出庫管理システム1では、管理装置5が備える移動監視部53が、履歴情報57を参照して、検出されたRFIDタグ2を備えた物品が入庫されているのか、あるいは出庫されているのかを判定する構成であった。しかしながら履歴情報57として図6に示すような複数個の距離情報が時系列に記録されたものではなく、もっとも最新の距離情報のみを情報格納部56に記憶させておき、この最新の距離情報と、現在リーダライタ4により算出された距離情報とを比較することで上記移動監視部53が物品の移動方向を判断する構成とすることもできる。
【0177】
このように構成されている場合、本実施の形態に係る入出庫管理システム1では、図11に示す処理ステップによって物品の移動方向を判断することができる。図11は本発明における別の実施形態である移動方向を判定する処理を示すフローチャートである。
【0178】
すなわち、同図に示すように、入出庫管理システム1では、RFIDタグ2の検出処理を行い(S31)、RFIDタグ2を検出するまで(S32において「YES」)この検出処理を継続する。そして、RFIDタグ2を検出した場合、入出庫管理システム1では、リーダライタ4がRFIDタグ2の情報を読取るとともに(S33)、検出されたRFIDタグ2から受信した情報に基づき該RFIDタグ2との距離を算出する(S34)。すなわち、ステップS31〜ステップS34までの処理工程は、上記した図8に示すステップS11〜S14までの処理と同様であるため詳細な説明は省略する。
【0179】
ステップS34において、リーダライタ4の位置測定部43により算出された距離情報を、外部通信部44を介して管理装置5に送信されると、管理装置5側では、外部通信部51がこの情報を受信する。
【0180】
管理装置5では、リーダライタ4から受信した情報から情報抽出部51が距離情報を抽出すると、検出されたRFIDタグ2の前回の距離情報と対応づけて記録する。なお、この前回の距離情報とは、上記したように本実施形態では、リーダライタ4が50msecごとにRFIDタグ2までの距離を算出する構成であるため、50msec前に算出された最新の距離情報である。
【0181】
ここで、情報抽出部51により距離情報が抽出されたRFIDタグ2について、前回の距離情報が情報格納部56に記憶されていない場合(S35において「NO」の場合)、情報抽出部51は、抽出した距離情報を情報格納部56に記憶させるが、移動監視部53にRFIDタグ2の移動方向を判定するように指示はしない。
【0182】
したがって、入出庫管理システム1では、検出されているRFIDタグ2の移動方向の判定を行わず、50msec後に再度このRFID2タグの距離情報を算出する。すなわち、図11におけるステップS31〜ステップS35までの処理を再度行う。
【0183】
一方、情報抽出部51により距離情報が抽出されたRFIDタグ2について、すでに前回の距離情報が情報格納部56に記憶されている場合(S35において「YES」の場合)、移動監視部53にRFIDタグ2の移動方向を判定するように指示をする。そして、この指示を受けて、移動監視部53は、前回算出された距離情報と、今回算出された距離情報とを比較し、前回よりも今回の方が、距離が小さくなったか否かを判定する(S36)。
【0184】
この判定において、距離が小さくなると判定された場合(S36において「YES」)、移動監視部53は、この検出されているRFIDタグ2を備えた物品が出庫方向に移動していると判定できる。
【0185】
一方、前回算出された距離情報と、今回算出された距離情報とを比較し、前回よりも今回の方が、距離が小さくならなかったと移動監視部53が判定した場合(S36において「NO」の場合)、移動監視部53は、前回よりも今回の方が、距離が大きくなったか否かを判定する(S38)。この判定において、距離が大きくなると判定された場合(S38において「YES」)、移動監視部53は、この検出されているRFIDタグ2を備えた物品が入庫方向に移動していると判定できる(S39)。
【0186】
一方、前回算出された距離の距離情報が最小距離でないと判定した場合(S38において「NO」の場合)、このRFIDタグ2を備えた物品は、入庫領域70内で静止しているか、あるいは距離が変化しないような移動(例えば、リーダライタ4の送受信アンテナ41を中心とした一定の半径の円周上を移動)をしていると判定できる。このため、ステップS31に戻り、この物品の移動状態を継続して監視する。
【0187】
なお、上記移動監視部53は、上記ステップS36、またはステップS38に示す処理を終えると、今回算出した距離情報を前回算出した距離情報に上書きする。
【0188】
以上のように、前回算出された距離情報だけを情報格納部56に記憶しておく構成であっても、入出庫管理システム1における管理装置5は、RFIDタグ2を備えた物品の移動方向を判定することができる。
【0189】
なお、物品の移動方向のみを判定したい場合は、このように前回算出された距離情報だけを情報格納部56に記憶しておく構成の方が、距離情報を経時的に記録した履歴情報57を保持する構成よりも、情報格納部56において記憶させておく情報量を低減させることができる点で有利である。
【0190】
なお、本実施の形態に係る入出庫管理システム1では、入出庫を管理する対象となる物品は、ゲート81を通過させるようになっている。そして、入出庫管理システム1は、このゲート81にリーダライタ4を設置する構成であった。
【0191】
しかしながら、このリーダライタ4の設置はこれに限定されるものではなく、例えば図12(a)に示すように、このリーダライタ4が吊り下げバー81aなどによって吊り下げられている構成であってもよい。さらには、図12(b)に示すように、このリーダライタ4がポール81bに取り付けられている構成であってもよい。
【0192】
すなわち、本実施の形態に係る入出庫管理システム1では、RFIDタグ2から受信した信号に応じて、該RFIDタグ2とリーダライタ4との距離情報を得ることとができる。そして、この得た距離情報に基づきRFIDタグ2を備える物品の移動を監視することができる構成である。このため、物品の移動を監視するにあたり本実施形態に示すリーダライタ4を設置するだけでよく設置場所の自由度が大きい。したがって、図12(a)または図12(b)に示すような取り付け方法であってもRFIDタグ2を備えた物品の移動を監視することができる。
【0193】
例えば図12(a)に示すようにリーダライタ4が吊り下げられている構成である場合、ゲート81のような障害物がないため、物品の入庫または出庫をスムーズに行うことができるという利点がある。また、図12(b)の構成の場合も、ポール81bが設置され、このポール81bにリーダライタ4が取り付けられる構成であるため、ゲート81を通過する構成よりも物品の入庫または出庫をスムーズに行うことができる。
【0194】
ただし、本実施の形態に係る入出庫管理システム1のようにゲート81を設置し、このゲート81を物品が通過する構成である場合、物品の入庫または出庫を行うために通過すべき範囲を限定することができる。このため、入庫または出庫時、搬送される物品は確実に限定された所定領域を通過することとなるため、RFIDタグ2を備えた物品の入庫または出庫の管理を確度良く行うことができる。
【0195】
これに対して、図12(a)または図12(b)のようにリーダライタ4が取り付けられる場合、ゲート81のように入庫または出庫を行う際に通過すべき範囲を限定することができない。このため、通過すべき位置を通過させず物品の入出庫が行われることがあり、本実施形態のようにゲート81を用いる構成と比較して確度よく物品の入出庫を確認することができないという不利点もある。
【0196】
したがって、リーダライタ4の取り付け方法は、搬送する物品の種類、搬送作業を行う領域の形状、搬送に関わる作業員数などを考慮して適切な方法でリーダライタ4が取り付けられることが好ましい。
【0197】
なお、図12(a)に示すようにリーダライタ4を設置し、該リーダライタ4が通信可能な範囲を所定領域とした場合、本実施の形態に係る入出庫管理システム1を、RFIDタグ2との通信が途絶えたか否かに応じて物品が上記所定領域を出たか否かを判定する、いわゆるゲートレスの構成とすることもできる。
【0198】
また、本実施形態では、ゲート81、吊り下げバー81a、あるいはポール81bにリーダライタ4が設置される構成であったが、管理装置5および表示装置6もこのリーダライタ4とともに設置される構成であってもよい。
【0199】
また、本実施形態では、複数の物品がカート80に積載され運搬される構成であるがこれに限定されるものではなく、例えば図13に示すように、複数物品がパレットに積載されフォークリフトなどによって運搬される構成であってもよいし、運搬される物品が単数であってもよい。なお、図13は、本実施の形態に係る入出庫管理システムにおける物品の運搬方法の別形態を示す図である。
【0200】
また、本実施の形態に係るリーダライタ4は、RFIDタグ2と自装置との間の距離を測定する構成である。そして、この測定した距離情報を管理装置5において履歴情報57として記憶させる構成であった。
【0201】
しかしながら、リーダライタ4を例えば3台以上備え、RFIDタグ2が存在する3次元座標を算出し、管理装置5において履歴情報57として記録する構成であってもよい。
【0202】
また、リーダライタ4を例えば2台以上備え、2つのリーダライタ4とRFIDタグ2とによってなす角度と、リーダライタ4とRFIDタグとの間の距離から該RFIDタグ2の2次元座標を算出する。そして、この算出した座標情報を管理装置5において履歴情報57として記録する構成であってもよい。
【0203】
また、本実施の形態に係る入出庫管理システム1では、検出したRFIDタグ2とリーダライタ4との距離を該リーダライタ4が備える位置測定部43が算出する構成であったが、この位置測定部43を管理装置5が備え、上記距離を算出する構成であってもよい。
【0204】
また、本実施形態では、入庫および出庫という双方向に物品が移動する場合について説明したが、一方向への移動しかない場合、(例えば常に入庫または出庫のみがなされるような場合)であっても利用できる。
【0205】
このように一方向にしか物品が移動しない場合は、移動方向の判定は必要なくゲート81を通過したか否かの判定のみでよい。したがって、この場合は、上記送受信アンテナ41を入庫領域70または出庫領域71のいずれか一方にあるRFIDタグ2とのみ送受信可能とするように設置に工夫する必要がなく、ゲート81周辺にあるRFIDタグ2と送受信可能となっていればよい。
【0206】
つまりこの場合では、リーダライタ4とRFIDタグ2との間の距離の時系列的な変化が単調減少している間は、ゲート81にこのRFIDタグ2を備えた物品が接近し、単調増加に切り換わる位置でこの物品はゲート81を通過したと判定することができる。
【0207】
ただし、上記した一方向にしか物品が移動しない場合であっても、ゲート81における通過の有無とともに、通過する物品の移動方向も判定するように構成されていることが好ましい。すなわち、ゲート81における通過の有無とともに、通過する物品の移動方向も判定することができるように構成されている場合、正規の移動方向と異なる方向に物品が移動する、例えば不正持ち出し等の監視もできる。
【0208】
また、本実施の形態に係る入出庫管理システム1は、物品の入出庫を管理する構成であったが、管理する対象はこれに限定されるものではない。例えば、本実施の形態に係るRFIDタグ2を人に備え、人の出入の管理を行う構成であってもよい。
【0209】
なお、上記リーダライタ4が備える通信処理部42、位置測定部43、および外部通信部44と、上記管理装置5が備える外部通信部51、情報抽出部52、移動監視部53、物品判定部54、出力指示部55、および指示部60とは、ハードウェアロジックによって構成されていてもよいし、CPUなどの演算手段が、ROM(Read Only Memory)やRAMなどの記憶手段に記憶されたプログラムを実行することにより実現する構成となっていてもよい。
【0210】
CPUなどの演算手段および記憶手段によって上記の各構成を構成する場合、これらの手段を有するコンピュータが、上記プログラムを記録した記録媒体を読取り、当該プログラムを実行することによって、上記リーダライタ4が備える通信処理部42、位置測定部43、および外部通信部44と、上記管理装置5が備える外部通信部51、情報抽出部52、移動監視部53、物品判定部54、出力指示部55、および指示部60とを実現することができる。また、上記プログラムをリムーバブルな記録媒体に記録することにより、任意のコンピュータ上で上記の各種機能および各種処理を実現することができる。
【0211】
この記録媒体としては、コンピュータで処理を行うために図示しないメモリ、例えばROMのようなものがプログラムメディアであっても良いし、また、図示していないが外部記憶装置としてプログラム読取り装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することにより読取り可能なプログラムメディアであっても良い。
【0212】
また、何れの場合でも、格納されているプログラムは、マイクロプロセッサがアクセスして実行される構成であることが好ましい。さらに、プログラムを読み出し、読み出されたプログラムは、マイクロコンピュータのプログラム記憶エリアにダウンロードされて、そのプログラムが実行される方式であることが好ましい。なお、このダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
【0213】
また、インターネットを含む通信ネットワークを接続可能なシステム構成であれば、通信ネットワークからプログラムをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する記録媒体であることが好ましい。
【0214】
さらに、このように通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納しておくか、あるいは別の記録媒体からインストールされるものであることが好ましい。
【0215】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0216】
本発明に係る入出庫管理システムでは、RFIDタグの移動を監視することができるため、本実施形態のようにRFIDタグを備えた対象物が移動するような、例えば、物流、小売、製造ラインなど広範な分野で適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0217】
【図1】本発明の実施形態を示すものであり、入出庫管理システムの要部構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態を示すものであり、入出庫管理システムの一例を示す図である。
【図3】本実施形態に係る入出庫管理システムが備えるリーダライタにおいて、RFIDタグと当該リーダライタとの距離を測定するための構成の概略を示すブロック図である。
【図4】同図(a)は、リーダライタとRFIDタグとの間でR/W要求信号およびタグ応答信号の送受信が行われる状態を示す図であり、同図(b)は、R/W要求信号の送信状態を示す図であり、同図(c)は、タグ応答信号の送信状態を示す図である。
【図5】2つの異なる周波数によるR/W要求信号およびタグ応答信号の送受信が行われた際の位相の変化量を示す図である。
【図6】本実施形態に係る情報格納部に記憶される履歴情報の一例を示す図である。
【図7】本実施形態に係る情報格納部に記憶される予定物品情報の一例を示す図である。
【図8】本実施形態に係る入出庫管理システムにおける、入出庫判定処理方法を示すフローチャートである。
【図9】本実施形態に係るリーダライタが備える送受信アンテナの取り付け位置の一例を示す図である。
【図10】同図(a)〜(c)は、本実施形態に係るリーダライタとRFIDタグとの間の距離と時間との関係の一例を示すグラフである。
【図11】本発明の実施形態に係る別の入出庫判定処理方法を示すフローチャートである。
【図12】同図(a)および(b)は、本実施形態に係るリーダライタの別の設置方法の一例を示す図である。
【図13】本発明の実施形態に係る物品の別の搬送形態の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0218】
1 入出庫管理システム(管理システム)
2 RFIDタグ
4 リーダライタ(タグ通信装置)
5 管理装置(情報処理装置)
6 表示装置(出力装置)
41 送受信アンテナ
42 通信処理部
43 位置測定部(位置測定手段)
44 外部通信部(送信手段)
51 外部通信部(位置情報受付け手段)
52 情報抽出部(位置情報受付け手段)
53 移動監視部(監視手段)
54 物品判定部(対象物判定手段)
55 出力指示部
56 情報格納部(履歴記憶装置、予定対象物記憶装置)
57 履歴情報
58 予定物品情報(予定対象物情報)
70 入庫領域(第1の領域、所定の領域)
71 出庫領域(第2の領域)
81 ゲート(所定位置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
RFIDタグの位置を算出するタグ通信装置から情報を受付け処理する情報処理装置であって、
上記タグ通信装置から、上記算出された位置を示す位置情報を受付ける位置情報受付け手段と、
上記位置情報受付け手段によって受付けた位置情報の履歴である履歴情報を記憶する履歴記憶装置と、
上記履歴記憶装置に記憶された履歴情報に基づき、上記RFIDタグの所定の領域への出入りを監視する監視手段とを備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
上記履歴情報に基づき、上記監視手段が、所定の領域への出入りのタイミングを判定することを特徴とすることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
上記RFIDタグは、所定位置を経由して上記所定の領域への出入りを行っており、
上記所定位置によって、上記所定の領域である第1の領域と、上記所定の領域外にある領域である第2の領域とに区分しており、
上記タグ通信装置は、上記第1の領域にあるRFIDタグとのみ通信可能となっていることを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
上記監視手段は、上記履歴情報に基づき、上記RFIDタグが第1の領域から第2の領域に向かって上記所定位置を通過したか、あるいは第2の領域から第1の領域に向かって上記所定位置を通過したかを判定することを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
上記位置情報受付け手段が、タグ通信装置から位置情報として距離情報を受付けており、
この距離情報の履歴の記録が、上記所定位置におけるRFIDタグの通過可能範囲とタグ通信装置との間の距離の範囲で途切れる場合、上記監視手段は上記RFIDタグが所定位置を第1の領域から第2の領域に向かって通過したと判定することを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
上記距離情報の履歴の記録が、上記所定位置におけるRFIDタグの通過可能範囲とタグ通信装置との間の距離の範囲で開始される場合、上記監視手段は上記RFIDタグが所定位置を第2の領域から第1の領域に向かって通過したと判定することを特徴とする請求項4または5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
上記RFIDタグには、当該RFIDタグが備えられる対象物に関する対象物情報が記憶されており、
上記所定位置を通過する予定となっている対象物に関する予定対象物情報を記憶する予定対象物記憶装置と、
上記タグ通信装置を介してRFIDタグから取得した上記対象物情報と、上記予定対象物記憶装置から取得した予定対象物情報とを比較し、上記所定位置を通過する対象物の適否を判断する対象物判定手段とを備え、
上記監視手段により、上記対象物が所定位置を通過したと判定された場合、上記対象物判定手段は、該所定位置を通過したと判定された対象物の対象物情報と該対象物の予定対象物情報とが一致するか否かを判定することを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
上記監視手段および/または上記対象物判定手段による判定結果を出力する出力装置を備えていることを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
上記出力装置は表示装置であることを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の情報処理装置と、
RFIDタグから受信した信号に基づき、該RFIDタグの位置情報を算出する位置測定手段、および算出した位置情報を上記情報処理装置に送信する送信手段を有するタグ通信装置とを備えることを特徴とする管理システム。
【請求項11】
RFIDタグから受信した信号に基づき、該RFIDタグの位置情報を算出する位置測定手段と、
算出された位置情報の履歴である履歴情報を記憶する履歴記憶装置と、
上記履歴記憶装置に記憶された履歴情報に基づき、上記RFIDタグの所定の領域への出入りを監視する監視手段とを備えることを特徴とする入出庫管理システム。
【請求項12】
上記RFIDタグには、当該RFIDタグが備えられる対象物の内容を示す対象物情報が記憶されており、
上記所定の領域に出入りする予定となっている対象物の内容を示す予定対象物情報を記憶する予定対象物記憶装置と、
上記RFIDタグから取得した上記対象物情報と、上記予定対象物記憶装置から取得した予定対象物情報とを比較し、対象物の上記所定領域への出入りの適否を判定する対象物判定手段とを備え、
上記監視手段により、上記対象物に備えられたRFIDタグの上記所定の領域に対する出入りがあったと判定された場合、上記対象物判定手段は、出入りがあったと判定されたRFIDタグを備えた対象物の対象物情報と該対象物の予定対象物情報とが一致するか否かを判定することを特徴とする請求項11に記載の管理システム。
【請求項13】
上記RFIDタグは、所定位置を経由して上記所定の領域への出入りを行っており、
上記所定位置によって、上記所定の領域である第1の領域と、上記所定の領域外にある領域である第2の領域とに区分しており、
上記位置測定手段は、上記第1の領域または第2の領域にあるRFIDタグから受信した信号に基づき、該RFIDタグの位置情報を算出することを特徴とする請求項10〜12いずれか1項に記載の管理システム。
【請求項14】
RFIDタグの位置を算出するタグ通信装置から情報を受付け処理する情報処理装置の制御方法であって、
上記タグ通信装置から、上記算出された位置を示す位置情報を受付けるステップと、
受付けた上記位置情報の履歴である履歴情報を記憶するステップと、
記憶された上記履歴情報に基づき、上記RFIDタグの所定の領域への出入りを監視するステップを含むことを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項15】
請求項1〜9いずれか1項に記載の情報処理装置を動作させるための制御プログラムであって、コンピュータを上記各手段として機能させるための情報処理装置の制御プログラム。
【請求項16】
請求項15に記載の情報処理装置の制御プログラムを記録したコンピュータの読取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−260062(P2006−260062A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−75586(P2005−75586)
【出願日】平成17年3月16日(2005.3.16)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】