説明

情報処理装置、管理システム、情報処理装置の制御方法、情報処理装置の制御プログラム、および情報処理装置の制御プログラムを記録した記録媒体

【課題】 所定位置を通過するRFIDタグの順番を精度よく特定することができる情報処理装置を実現することにある。
【解決手段】 本発明の管理装置10は、ゲートを通過する各RFIDタグ1の位置をそれぞれ算出するリーダライタ2から情報を受付け処理するものであり、リーダライタ2から、算出されたRFIDタグ1の距離情報をそれぞれ受付ける外部通信部11と、この外部通信部11によって受付けた距離情報それぞれを比較し、RFIDタグ1のゲートにおける通過順を特定する順序決定部15とを備えている。このため、ゲートにおけるRFIDタグ1の通過順を精度よく特定することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFIDタグの所定の領域における通過順を特定する、情報処理装置、管理システム、情報処理装置の制御方法、情報処理装置の制御プログラム、および情報処理装置の制御プログラムを記録した記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、RFID(Radio Frequency Identification)タグ(無線タグ)の利用が普及しつつある。RFIDタグは、バーコードを代替するものとして特に物流の分野において期待を集めており、例えば、搬送される荷物のRFIDタグを所定位置にて検知し、該荷物それぞれの管理を行うことが考えられている。このようなシステムとして例えば、以下に示す搬送システムが開示されている(特許文献1参照)。
【0003】
すなわち、特許文献1の搬送システムは、各搬送対象物に取り付けられたRFIDタグの識別IDを、搬送順序に応じて並べて記憶する順序情報ファイルを有している。そして、搬送ラインにおいて、搬送された各搬送対象物から識別IDを受信し、記憶されている順序情報ファイルを参照して、識別対象となる無線タグを選択する。
【0004】
この搬送システムでは、搬送対象物を、上記順序情報ファイルで確認することができるため、搬送されてきた搬送対象物の順番を確認しながら、各対象物の現在位置を確認することができる。
【0005】
ところで、リーダライタが備えるアンテナの指向性により、該リーダライタが検知可能な範囲が所定領域にわたって存在している。このため、複数のRFIDタグがこの検知範囲にある場合、上記リーダライタは、この検知可能な範囲にあるRFIDタグすべてから応答を得てしまい、搬送対象物の搬送順番を正確に把握することができないという問題が生じる。
【0006】
そこで、従来では例えば、所定の範囲のRFIDタグのみを検知できるように、電磁シールドをリーダライタのアンテナの前後に施したり、該アンテナの配置向きを調整したりするなど他の領域に電波がもれないように工夫されている。
【0007】
また、RFIDタグとリーダライタとの間で送受信される電波の広がりを抑え、散乱する電波を有効に利用するために、電波反射板を備え信号の散乱を防止する無線通信システムも提案されている(特許文献2)。
【特許文献1】特開2000−255716号公報(2000年9月19日公開)
【特許文献2】特開2003−249872号公報(2003年9月5日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来の構成では、搬送対象物自身もしくは該搬送対象物を搬送する搬送機材にリーダライタからの電波が反射され、検出対象外の対象物から誤った信号を受信するといった誤検出を十分に防ぐことができないという問題が生じる。
【0009】
より具体的には、上記従来に示す構成では、搬送対象物または搬送機材等により反射した電波によって、リーダライタの検出対象エリア外にある対象物の電波を受信するなど誤った電波を受信した場合を想定した構成となっていない。
【0010】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、所定位置を通過するRFIDタグの順番を精度よく特定することができる情報処理装置、管理システム、情報処理装置の制御方法、情報処理装置の制御プログラム、および情報処理装置の制御プログラムを記録した記録媒体を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る情報処理装置は、上記した課題を解決するために、一列に並んだ状態で所定位置を通過する対象物に取り付けられたRFIDタグと電波の送受信を行うための、互いに異なる位置に配置された複数のアンテナを備え、各アンテナにより受信したRFIDタグからの電波に基づき、アンテナとRFIDタグとの間の距離をそれぞれ算出するタグ通信装置から情報を受付け処理する情報処理装置であって、RFIDタグからの電波に基づき算出された上記距離の情報である距離情報それぞれを、該RFIDタグの情報と対応付けて、上記タグ通信装置から受付ける受付け手段と、受付けた上記距離情報の全てを比較し、所定位置におけるRFIDタグの通過順を特定する特定手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
ところで、上記タグ通信装置は、RFIDタグそれぞれから受信した電波に基づき、各RFIDタグと各アンテナとの間の距離を測定することができる。また、タグ通信装置が備える各アンテナは互いに異なる位置に配置されているため、ある位置に配されたアンテナでは障害物などによりRFIDタグからの電波が遮られる場合であっても、他の位置に配された別のアンテナによりこのRFIDタグからの電波を受信することができる。
【0013】
したがって、上記タグ通信装置は、一定方向に移動しているRFIDタグの電波を受信し損なうことなく、アンテナとRFIDタグとの距離を算出することができる。
【0014】
本発明に係る情報処理装置は、受付け手段を備えているため、上記タグ通信装置が備える複数のアンテナそれぞれから、各アンテナとRFIDタグとの間の距離情報をそれぞれ取得することができる。すなわち、一定方向に移動しているRFIDタグに対して、複数のアンテナのうちいずれかのアンテナからRFIDタグまでの距離情報をもれなく取得することができる。
【0015】
また、上記RFIDタグは一定方向に移動しているため、RFIDタグとアンテナとの距離に応じて、移動する各RFIDタグ同士の相対的な位置関係が特定されることとなる。つまり、本発明に係る情報処理装置では、上記特定手段が、上記距離情報それぞれを比較することで所定位置に対する各RFIDタグの位置関係を把握することができる。
【0016】
このため、例えば、タグ通信装置の通信可能な範囲に複数のRFIDタグが存在する場合であっても、所定位置を通過するRFIDタグの順番を特定することができる。
【0017】
したがって、本発明に係る情報処理装置は、例えば、電磁シールドなど別途部材を設けることなく、精度よくRFIDタグの所定位置における通過順を特定することができるという効果を奏する。
【0018】
また、本発明に係る情報処理装置は、上記した構成において、上記受付け手段によって受付けた距離情報それぞれが、上記タグ通信装置がRFIDタグと直接通信可能な範囲である規定範囲内にあるか否かを判定する判定手段を備え、上記特定手段は、上記判定手段により規定範囲内にないと判定された距離情報を、RFIDタグの所定位置における通過順を特定するための比較対象から除外するように構成されていることが好ましい。
【0019】
上記構成によると、判定手段を備えているため、受付け手段によって受付けた距離情報それぞれが上記規定範囲内であるか否かを判定することができる。
【0020】
例えば、上記距離が規定範囲内でない場合のRFIDタグとは、該RFIDタグからの電波が他の事物等によって反射しタグ通信装置のアンテナに受信されたものなどが含まれる。
【0021】
このように、本発明に係る情報処理装置は、上記規定範囲内でない距離情報を、所定位置における通過順を特定するための比較対象から除外することができるため、アンテナとRFIDタグとの間の直線距離だけを対象として、所定位置の通過順を確認することができる。
【0022】
このため、本発明に係る情報処理装置は、所定位置におけるRFIDタグの通過順を精度よく特定することができる。
【0023】
また、本発明に係る情報処理装置は、上記した構成において、上記複数のアンテナから一部のアンテナを選択し、選択したアンテナにおいて、RFIDタグとの電波の送受信が有効となるように上記タグ通信装置に指示する指示手段を備えるように構成されていてもよい。
【0024】
本発明に係る情報処理装置は、上記指示手段を備えているため、タグ通信装置において、複数のアンテナのうち、RFIDタグとの送受信が有効となるアンテナを選択して切り替えることができる。このため、複数のアンテナ間でRFIDタグと送受信する電波が干渉しあうことを防ぐことができる。
【0025】
したがって、タグ通信装置は、各アンテナによって取得した電波に基づき精度よく位置情報を算出することができるため、本発明に係る情報処理装置は、精度がよい位置情報に基づき所定位置を通過するRFIDタグの通過順を特定することができる。
【0026】
よって、本発明に係る情報処理装置は、精度よく所定位置を通過するRFIDタグの順番を特定することができる。
【0027】
また、本発明に係る情報処理装置は、上記した構成において、上記受付け手段が、所定期間、上記距離情報を上記タグ通信装置から受付けなかった場合、あるいは、電波を受信可能とするRFIDタグ全ての距離情報を受付けた場合、上記切り替え指示手段がアンテナの切り替えを指示するように構成されていることが好ましい。
【0028】
上記構成によると、所定期間、上記距離情報をタグ通信装置から受付けなかった場合にアンテナの切り替えを指示することができる。このため、一方のアンテナによってRFIDタグから電波を受信できない場合であっても、切り替えたアンテナによってRFIDタグの電波を受信することができる。また、RFIDタグ全ての距離情報を受付けたらアンテナを切り替えることができるため、電波を拾えず距離情報が得られないRFIDタグが生じることを防ぐことができる。
【0029】
よって、本発明に係る情報処理装置は、精度よく所定位置を通過するRFIDタグの順番を特定することができる。
【0030】
また、本発明に係る情報処理装置は、上記した構成において、上記特定手段により特定された、所定位置におけるRFIDタグの通過順を示す情報を出力する出力手段を備えていてもよい。
【0031】
上記構成によると出力手段を備えているため、特定手段によって特定されたRFIDタグの、上記所定位置における通過順を示す情報を活用することができる。
【0032】
本発明に係る管理システムは、上記した課題を解決するために、上記した情報処理装置と、一列に並んだ状態で所定位置を通過する対象物に取り付けられたRFIDタグからの電波を受信するための、互いに異なる位置に配置された複数のアンテナと、各アンテナにより受信したRFIDタグからの電波に基づき、アンテナとRFIDタグとの間の距離をそれぞれ算出する位置算出手段と、位置算出手段により算出された位置情報を上記情報処理装置に送信する送信手段とを有するタグ通信装置とを備えることを特徴とする。
【0033】
上記構成によると、タグ通信装置が互いに異なる位置に配置された複数のアンテナを備えているため、一列に並んだ状態で所定位置を通過する対象物に取り付けられたRFIDタグの電波を確実に受信することができる。
【0034】
また、位置算出手段と送信手段とを備えているため、算出された各RFIDタグまでの距離情報を上記情報処理装置に提供することができる。
【0035】
よって、本発明に係る管理システムは、所定位置を通過するRFIDタグの通過順を精度よく特定することができるという効果を奏する。
【0036】
本発明に係る情報処理装置の制御方法は、上記した課題を解決するために、一列に並んだ状態で所定位置を通過する対象物に取り付けられたRFIDタグと電波の送受信を行うための、互いに異なる位置に配置された複数のアンテナを備え、各アンテナにより受信したRFIDタグからの電波に基づき、アンテナとRFIDタグとの間の距離をそれぞれ算出するタグ通信装置から情報を受付け処理する情報処理装置の制御方法であって、RFIDタグからの電波に基づき算出された上記距離の情報である距離情報それぞれを、該RFIDタグの情報と対応付けて、上記タグ通信装置から受付けるステップと、受付けた上記距離情報の全てを比較し、所定位置におけるRFIDタグの通過順を特定するステップとを含むことを特徴とする。
【0037】
上記方法によると、本発明に係る情報処理装置の制御方法では、RFIDタグの距離情報を受付けるステップにより、タグ通信装置から各RFIDタグの距離情報をそれぞれ受付けることができる。また、所定位置の通過順を特定するステップにおいて、上記距離情報それぞれを比較することにより各RFIDタグの位置関係を比較し、所定位置におけるRFIDタグの通過順を特定することができる。
【0038】
したがって、上記情報処理装置の制御方法は、所定位置を通過するRFIDタグの通過順を精度よく特定することができるという効果を奏する。
【0039】
なお、上記情報処理装置が備える各手段は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記情報処理装置をコンピュータにて実現させる情報処理装置の制御プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0040】
本発明に係る情報処理装置は、上記した課題を解決するために、一列に並んだ状態で所定位置を通過する対象物に取り付けられたRFIDタグと電波の送受信を行うための、互いに異なる位置に配置された複数のアンテナを備え、各アンテナにより受信したRFIDタグからの電波に基づき、アンテナとRFIDタグとの間の距離をそれぞれ算出するタグ通信装置から情報を受付け処理する情報処理装置であって、RFIDタグからの電波に基づき算出された上記距離の情報である距離情報それぞれを、該RFIDタグの情報と対応付けて、上記タグ通信装置から受付ける受付け手段と、受付けた上記距離情報の全てを比較し、所定位置におけるRFIDタグの通過順を特定する特定手段とを備えることを特徴とする。
【0041】
したがって、本発明に係る情報処理装置は、例えば、電磁シールドなど別途部材を設けることなく、精度よくRFIDタグの所定位置における通過順を特定することができるという効果を奏する。
【0042】
本発明に係る管理システムは、上記した課題を解決するために、上記した情報処理装置と、一列に並んだ状態で所定位置を通過する対象物に取り付けられたRFIDタグからの電波を受信するための、互いに異なる位置に配置された複数のアンテナと、各アンテナにより受信したRFIDタグからの電波に基づき、アンテナとRFIDタグとの間の距離をそれぞれ算出する位置算出手段と、位置算出手段により算出された位置情報を上記情報処理装置に送信する送信手段とを有するタグ通信装置とを備えることを特徴とする。
【0043】
よって、本発明に係る管理システムは、所定位置を通過するRFIDタグの通過順を精度よく特定することができるという効果を奏する。
【0044】
本発明に係る情報処理装置の制御方法は、上記した課題を解決するために、一列に並んだ状態で所定位置を通過する対象物に取り付けられたRFIDタグと電波の送受信を行うための、互いに異なる位置に配置された複数のアンテナを備え、各アンテナにより受信したRFIDタグからの電波に基づき、アンテナとRFIDタグとの間の距離をそれぞれ算出するタグ通信装置から情報を受付け処理する情報処理装置の制御方法であって、RFIDタグからの電波に基づき算出された上記距離の情報である距離情報それぞれを、該RFIDタグの情報と対応付けて、上記タグ通信装置から受付けるステップと、受付けた上記距離情報の全てを比較し、所定位置におけるRFIDタグの通過順を特定するステップとを含むことを特徴とする。
【0045】
したがって、上記情報処理装置の制御方法は、所定位置を通過するRFIDタグの通過順を精度よく特定することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
本発明の一実施形態について図1ないし図10に基づいて説明すると以下の通りである。すなわち、本実施の形態に係る管理システム90は、搬送ベルトによって搬送される荷物の搬送順番を確認し、各荷物の管理を行うものである。この管理システム90では、図2に示すように、各荷物にRFIDタグ1がそれぞれ備えられており、この荷物それぞれは、搬送ベルト上に配置され、ゲート80を通過するようになっている。
【0047】
なお、上記ゲート80は、この搬送ベルトの幅方向における両端に配置された各ゲート脚81a・81bから構成されており、ゲート脚81aにはアンテナ30aが、ゲート脚81bにはアンテナ30bが設置されている。
【0048】
そして、本実施形態では、ゲート80近傍に進入してきた荷物のRFIDタグ1からのタグ応答信号を、アンテナ30aまたはアンテナ30bを介して読取り、荷物の搬送順番を判定するように構成されている。なお、搬送ベルトの幅方向とは、搬送方向に対して垂直となる方向である。
【0049】
以下図3を参照して本実施の形態に係る管理システム90の構成について説明する。この図3は、本実施の形態に係る管理システム90の要部構成を示すブロック図である。
【0050】
本実施の形態に係る管理システム90は、リーダライタ2と管理装置10と管理サーバ20とを備えてなる構成である。そして、上記リーダライタ2は、荷物に備えられたRFIDタグ1と通信を行うようになっている。
【0051】
上記RFIDタグ1は、各種物品に取り付けられるものであり、取り付けられている物品あるいはそれに関連する物や人に関する情報を記憶するものである。このRFIDタグ1は、無線通信用IC(Integrated Circuit)、例えばICチップなどの記憶部、およびタグ用アンテナなどを備えた構成となっている。本実施形態においては、RFIDタグ1として、電池などの電源を有しておらず、リーダライタ2から電波で送電された電力によって回路が動作し、リーダライタ2と無線通信を行うパッシブタイプのRFIDタグを用いることが想定されている。なお、本実施形態において用いられるRFIDタグは、上記のようなパッシブタイプのRFIDタグに限定されるものではなく、電池などの電源を有するアクティブタイプのRFIDタグであっても構わない。
【0052】
リーダライタ2は、各RFIDタグ1との間で無線通信を行い、RFIDタグ1に記憶されている情報の読み書きを行う装置である。なお、本実施形態では、リーダライタ2は、RFIDタグ1に記憶されている情報の読み書きを行うものとしているが、これに限定されるものではなく、RFIDタグ1に記憶されている情報の読み出しのみを行うRFIDリーダであってもよい。
【0053】
本実施形態では、リーダライタ2が送受信する電波の周波数帯域は、800MHz〜960MHz前後のいわゆるUHF帯としている。このような周波数帯域の電波を用いることにより、リーダライタ2は、数m〜数10m程度の距離範囲内に位置するRFIDタグ1と通信可能となる。なお、本実施形態においては、UHF帯を用いた通信を想定しているが、これに限定されるものではなく、RFIDタグ向けの周波数帯域としての、13.56MHz帯、2.45GHz帯などの周波数帯域を用いてもよく、さらには、無線による通信を行うことが可能なその他の周波数帯による通信が行われても構わない。
【0054】
また、このリーダライタ2が備える送信アンテナ3a・3bおよび受信アンテナ4a・4bはゲート80のゲート脚81a・81bにそれぞれ配置される。なお、送信アンテナ3aと受信アンテナ4aとの組み合わせによって構成されるアンテナを30a、一方、送信アンテナ3bと受信アンテナ4bとの組み合わせによって構成されるアンテナをアンテナ30bとする。また、特にアンテナ30aとアンテナ30bとに区別する必要がない場合はアンテナ30と称する。なお、このリーダライタ2の詳細な構成については後述する。
【0055】
また、上記管理装置10は、リーダライタ2によって算出された、RFIDタグ1までの距離に基づき、ゲート80を通過した荷物を特定するものである。この管理装置10の詳細な構成についても後述する。
【0056】
管理サーバ20は、ゲート80を通過した荷物を記録しているものである。すなわち、本実施の形態に係る管理システム90では、管理装置10が、ゲート80を通過した荷物を特定すると、この特定した荷物の情報を管理サーバ20に送信するように構成されている。なお、この管理サーバ20には、管理装置10から上記荷物の情報を、該荷物が搬送された順番に応じて送信するようになっている。このため、管理サーバ20は荷物に関する情報を該荷物の搬送順に記録し管理することができる。
【0057】
(リーダライタの構成)
まず、以下において図1を参照してリーダライタ2の構成について説明する。
【0058】
上記リーダライタ2は、送信アンテナ3a・3b、受信アンテナ4a・4b、通信処理部5、位置測定部(位置情報算出手段)6、および外部通信部7を備えた構成となっている。なお、送信アンテナ3aと送信アンテナ3bとを特に区別する必要がない場合、送信アンテナ3と称する。また、同様に、受信アンテナ4aと受信アンテナ4bとを特に区別する必要がない場合、受信アンテナ4と称する。
【0059】
送信アンテナ3は、RFIDタグ1に対して電波を送信するアンテナであり、受信アンテナ4は、RFIDタグ1から送られてきた電波を受信するアンテナである。この送信アンテナ3および受信アンテナ4は、例えばパッチアンテナやアレーアンテナなどによって構成される。
【0060】
通信処理部5は、本実施の形態に係るリーダライタ2とRFIDタグ1との間の通信に係る各種制御を行うブロックである。具体的には、通信処理部5は、送信アンテナ3から送信される送信信号の変調、増幅などの処理を行ったり、受信アンテナ4において受信された受信信号の増幅、復調などの処理を行ったりする。
【0061】
また、通信処理部5は、通信対象となるRFIDタグ1に対して、送信アンテナ3および受信アンテナ4を介して、情報の読出しおよび書き込み制御を行うブロックでもある。すなわち、通信処理部5は、送信アンテナ3を介して、RFIDタグ1に対して読出し書込みなどのコマンド指示を示す信号((R/W要求信号)の送信を行う。また、通信処理部5は、受信アンテナ4を介して、RFIDタグ1からの信号(タグ応答信号)を受信する。
【0062】
なお、このRFIDタグ1に対する、情報の読み出しおよび/または書き込み制御は、管理装置10から、外部通信部7を介して受信した指示に応じて実行される。
【0063】
また、この通信処理部5は、受信信号をI信号とQ信号とに分離して位置測定部6に入力することによって、位置測定部6における位相の検出処理を可能とさせるものとなっている。
【0064】
位置測定部6は、RFIDタグ1から受信した受信信号に基づいて、該RFIDタグ1の位置を測定するブロックである。詳細は後述するが、RFIDタグ1の位置の測定としては、リーダライタ2とRFIDタグ1との距離の測定、リーダライタ2から見た際のRFIDタグ1の方向の測定、および、RFIDタグ1の空間的な位置の測定などが挙げられる。
【0065】
なお、リーダライタ2とRFIDタグ1との距離とは、厳密には、リーダライタ2における送信アンテナ3とRFIDタグ1が備えるRFIDタグ用アンテナとの距離と、RFIDタグ1が備えるRFIDタグ用アンテナと受信アンテナ4との距離の加算平均に相当する。なお、RFIDタグ1がアクティブタイプの場合には、受信アンテナ4とRFIDタグ1が備えるRFIDタグ用アンテナとの距離に相当する。
【0066】
外部通信部7は、リーダライタ2において読み出されたRFIDタグ1の情報を管理装置10に送信したり、管理装置10からのRFIDタグ1に対する書き込み情報を受信したりするブロックである。管理装置10と外部通信部7との間は、有線によって通信接続されているが無線で接続される構成であってもよい。また、リーダライタ2によるRFIDタグ1に対する読み書き処理に基づいて動作する管理装置10が、該リーダライタ2を内蔵する構成であっても構わない。
【0067】
(距離測定に関する構成)
次に、上記リーダライタ2において、RFIDタグ1と当該リーダライタ2との間の距離を測定するための構成の一例について図4を参照しながら説明する。同図に示すように、通信処理部5は、周波数調整部としてのPLL(Phase Locked Loop)部5A、変調部5B、電力増幅部5C、増幅部5D(増幅部5D1、増幅部5D2)、周波数変換部5E(5E1、5E2、90°位相部5E3)、コントローラ部5F、アンテナスイッチ5H、および分配器5Iを備えている。また、位置測定部6は、位相情報取得部6A、および距離算出部6Bを備えている。
【0068】
通信処理部5において、PLL部5Aは、送信アンテナ3から送信される送信信号の搬送周波数を設定するブロックであり、PLL回路によって構成される。変調部5Bは、PLL部5Aによって生成された搬送信号に変調を加えて送信信号にデータを重畳させる処理を行う。
【0069】
本実施形態においては、変調部5Bは、ASK(Amplitude Shift Keying)変調によって送信信号を生成する。なお、送信信号の変調方式としては、上記のASK変調に限定されるものではなく、FSK(Frequency Shift Keying)変調、PSK(Phase Shift Keying)変調など、その他のデジタル変調方式を採用してもよい。電力増幅部5Cは、送信信号の増幅を行うブロックである。
【0070】
また、増幅部5Dは、受信アンテナ4において受信された受信信号の増幅を行うブロックである。周波数変換部5Eは、増幅部5Dにおいて増幅された受信信号の周波数を変換して、より低周波の信号に変換する処理を行うブロックである。なお、上記増幅部5Dは、増幅部5D1、および増幅部5D2を備えている。また、上記周波数変換部5Eは、ミキサ5E1・5E2および90°移相部5E3を備えている。
【0071】
すなわち、受信アンテナ4で受信された受信信号は、分配器5Iに送られ、該分配器5Iがこの受信信号を2つの経路に分岐する。そして、分岐された受信信号のうち、一方は増幅部5D1に入力され、他方は増幅部5D2に入力される。増幅部5D1は、入力された受信信号を増幅してミキサ5E1に入力する。増幅部5D2も同様に、入力された受信信号を増幅してミキサ5E2に入力する。
【0072】
ミキサ5E1は、増幅部5D1から入力された受信信号と、PLL部5Aから出力された搬送信号とを足し合わせることによってI信号を出力し、このI信号を位相情報取得部6Aに入力する。ミキサ5E2は、増幅部5D2から入力された受信信号と、PLL部5Aから出力され、90°移相部5E3を介して位相が90°変化させられた搬送信号とを足し合わせることによってQ信号を出力し、このQ信号を位相情報取得部6Aに入力する。
【0073】
コントローラ部5Fは、PLL部5Aによって設定される搬送信号の周波数を制御するブロックである。また、コントローラ部5Fは、変調部5Bに対して、送信信号を変調すべきデータを入力するブロックでもある。さらにまた、このコントローラ部5Fは、距離算出部6Bによって算出された距離情報を受信する処理を行うブロックでもある。
【0074】
アンテナスイッチ5Hは、送信アンテナ3aおよび受信アンテナ4aの組み合わせ(アンテナ30a)によってRFIDタグ1との通信を行うのか、あるいは、送信アンテナ3bおよび受信アンテナ4bの組あわせ(アンテナ30b)によってRFIDタグ1と通信を行うのか、通信を行うアンテナ30を切り替えるものである。このアンテナスイッチ5Hは、コントローラ部5Fからのアンテナ切り替え指示に応じて、RFIDタグ1と通信可能なアンテナ30を切り替える。
【0075】
分配器5Iは、受信信号を2つの回路に分配するためのものであり、この分配器5Iは、受信信号を増幅部5D1と増幅部5D2とに分配する。
【0076】
また、位置測定部6において、位相情報取得部6Aは、周波数変換部5Eによって周波数変換された受信信号の位相の変位量を検出し、これを位相の変位量の情報として取得するブロックである。距離算出部6Bは、位相情報取得部6Aによって取得された位相の変位量の情報に基づいて、当該RFIDタグ1とリーダライタ2と間の距離を算出するブロックである。この距離の算出方法の一例について、以下に図5(a)〜図5(c)、および図6を参照して説明する。
【0077】
なお、本実施形態に係るリーダライタ2では、送信アンテナ3と受信アンテナ4とをそれぞれ別に設けているが、1つのアンテナが送信アンテナ3および受信アンテナ4の両方の機能を有するものとして用いる構成としてもよい。
【0078】
1つのアンテナを送信アンテナ3および受信アンテナ4の両方の機能を有するものとして用いる構成の場合、図4において、電力増幅部5Cとアンテナスイッチ5Hとの間でかつ、分配器5Iとアンテナスイッチ5Hとの間にサーキュレータ(不図示)を設けることで実現できる。
【0079】
すなわち、上記サーキュレータは、UHFのRF信号の方向制御を行うものであり、電力増幅部5Cからの入力は、このサーキュレータを介してアンテナ30側に送信され、アンテナ側からの信号(タグ応答信号)は、このサーキュレータを介して分配器5Iに出力される。
【0080】
(距離測定の詳細)
本実施形態では、リーダライタ2がRFIDタグ1対してR/W要求信号(要求信号)を送信し、RFIDタグ1がこれに応じてタグ応答信号を返信するようになっている。この様子を図5(a)〜図5(c)に示す。
【0081】
リーダライタ2は、常に特定の信号を送信している一方、RFIDタグ1に対してタグ応答信号を送信することを要求する時に、図5(b)に示すように、タグ応答信号の返信を要求するR/W要求信号を送信する。
【0082】
すなわち、リーダライタ2おけるコントローラ部5Fは、定常状態では定常状態を示すデータを送信するように変調部5Bを制御し、タグ応答信号を要求する際には、R/W要求信号を構成するデータを送信するように変調部5Bを制御する。
【0083】
RFIDタグ1は、常にリーダライタ2から送られてくる信号を監視し、R/W要求信号を受信したことを検知すると、それに応答する形でタグ応答信号を送信する。
【0084】
タグ応答信号は、図5(c)に示すように、プリアンブル部とデータ部とによって構成されている。プリアンブル部は、タグ応答信号の始まりを示すデータを示しており、同一規格(例えばEPC)内であれば、全てのRFIDタグ1に共通の所定のデータとなっている。データ部は、プリアンブル部に引き続いて送信されるものであり、RFIDタグ1から送信される実質的な情報を示すデータを示している。このデータ部に含まれる情報としては、例えば各RFIDタグ1に固有のID情報などが挙げられるが、RFIDタグ1から送信すべき情報、例えばRFIDタグ1内の記憶部に格納されている各種情報などを含んでいてもよい。
【0085】
そして、リーダライタ2は、R/W要求信号を2回送信するとともに、各R/W要求信号の送信における搬送周波数を互いに異ならせている。すなわち、リーダライタ2におけるコントローラ部5Fは、1回目のR/W要求信号の送信時には、第1の周波数fで搬送信号を出力するようにPLL部5Aを制御し、2回目のR/W要求信号の送信時には、第1の周波数fとは異なる第2の周波数fで搬送信号を出力するようにPLL部5Aを制御する。この状態を、図6に示す。
【0086】
同図に示すように、第1の周波数fで送信されたR/W要求信号をRFIDタグ1が受信すると、同じく第1の周波数fでタグ応答信号が返信される。そして、リーダライタ2では、位相情報取得部6Aが受信したタグ応答信号のプリアンブル部を解析することによって、タグ応答信号の位相の変化量を示すφを検出する。同様に、第2の周波数fで送信されたR/W要求信号をRFIDタグ1が受信すると、同じく第2の周波数fでタグ応答信号が返信される。そして、リーダライタ2では、位相情報取得部6Aが受信したタグ応答信号のプリアンブル部を解析することによって、タグ応答信号の位相の変化量を示すφを検出する。
【0087】
なお、上記の例では、タグ応答信号の位相の変化量は、プリアンブル部を解析することによって検出するようになっているが、これに限定されるものではなく、データ部をも含めて位相の変化量を検出してもよいし、データ部において位相の変化量を検出してもよい。ただし、変調方式がPSKである場合には、内容が変化しうるデータ部に基づいて、距離に伴う位相の変化量を検出することは困難となるので、内容が固定であるプリアンブル部において位相の変化量を検出することが好ましい。
【0088】
また、上記リーダライタ2は、この位相の変化量の検出を、本実施形態では50msecごとに行うように設定されている。すなわち、上記リーダライタ2は、50msec間隔でRFIDタグ2に対してR/W要求信号を2回送信するようになっている。なお、この位相の変化量の検出のタイミングは50msec間隔に限定されるものではなくもっと短い時間間隔であってもよいし、さらに長い時間間隔であてもよい。物品の移動速度とリーダライタ2の通信可能な範囲に応じて適切に決められることが好ましい。
【0089】
以上のようにして、位相情報取得部6Aが位相の変化量φおよびφを検出すると、この位相の変化量の情報が距離算出部6Bに伝送される。距離算出部6Bは、φおよびφに基づいて、RFIDタグ1とリーダライタ2との距離を以下のように算出する。
【0090】
まず、受信アンテナ4からRFIDタグ1までの距離を距離rとすると、第1の周波数fおよび第2の周波数fによって搬送される信号が往復2rの距離を伝搬することによって生じる位相の変化量φおよびφは、次の式で表される。
【0091】
【数1】

【0092】
上式において、cは光速を表している。上記の2つの式に基づいて、距離rは、次の式で求められる。
【0093】
【数2】

【0094】
以上のようにして、位相の変化量φおよびφに基づいて、受信アンテナ4からRFIDタグ1までの距離rを求めることができる。なお、RFIDタグ1において、R/W要求信号を受信してからタグ応答信号を送信する間に、位相のずれが生じることが予想されるが、この位相のずれは、第1の周波数fおよび第2の周波数fによって搬送される信号のどちらにおいても同じ量となる。よって、RFIDタグ1における信号の送受信時に生じる位相のずれは、上記の距離の算出に影響を与えることはない。
【0095】
また、上記したように、リーダライタ2は、RFIDタグ1に対して50msec間隔でR/W要求信号を2回送信する構成である。このため、リーダライタ2は、RFIDタグ1と自装置との間の距離を50msecごとに測定することができる。
【0096】
なお、数2において、Δφが2π以上となっている場合には、距離rを的確に算出することができない。すなわち、測定可能な距離rの最大値rmaxは、Δφ=2πの時であり、次の式で表される。
【0097】
【数3】

【0098】
ここで、例えば第1の周波数fと第2の周波数fとの差を5MHzとした場合、数3より最大距離rmaxは30mとなる。また、同様に、第1の周波数fと第2の周波数fとの差を2MHzとした場合、数3より最大距離rmaxは75mとなる。UHF帯を利用した場合では、想定される最大通信距離は10m程度であるので、上記のような測定は実用上問題がないことがわかる。
【0099】
なお、ユーザが出入りするゲート80の幅(ゲート脚81aとゲート脚81bとの間の距離)が大きくなり、上記の最大距離rmax以上の測定が必要となる場合は、例えば受信信号の受信強度の測定を併用することによって、距離rの測定を行うことが可能である。
【0100】
具体的には、Δφが2π以上となる可能性がある場合、距離rの候補r’は、r’=r+n・rmax(nは0以上の整数)となる。よって、受信信号の受信強度は、距離rが長くなる程小さくなることを利用することによって、上記のnの値を特定することが可能となる。
【0101】
なお、上記した「距離測定に関する構成」および「距離測定の詳細」に示す測定方法はリーダライタ2とRFIDタグ1との距離を測定するための一例であって、本実施の形態に係るリーダライタ2の構成はこれに限定されるものではない。すなわち、上記リーダライタ2は、自装置とRFIDタグ1との間の距離を、RFIDタグ1から受信した信号から測定することができる構成であればよい。
【0102】
また、アクティブタイプのRFIDタグを用いる場合には、リーダライタ2側からR/W要求信号を送信せずに、RFIDタグ1側から能動的に送られるタグ応答信号に基づいて、距離の測定を行うようになっていてもよい。
【0103】
以上の構成において行われる受信処理および距離rの算出処理の詳細について以下に説明する。
【0104】
往復2rの距離を伝搬してリーダライタ2において受信される信号は、搬送信号の周波数をfとすると、次の式で表される。
【0105】
【数4】

【0106】
上式において、tは時間、s(t)は周波数fの搬送信号によって伝送される信号の状態、D(t)は変調部5BにおいてASK変調が行われた場合のベースバンド信号、Aは搬送信号自体の振幅、φは往復2rの距離を伝搬することによる位相の変化量をそれぞれ示している。この場合、ミキサ5E1によって出力されるI信号の状態を示すI(t)、および、ミキサ5E2によって出力されるQ信号の状態を示すQ(t)は、次の式で表される。
【0107】
【数5】

【0108】
【数6】

【0109】
以上より、I信号およびQ信号に基づいて、周波数fの搬送信号による信号の位相の変化量φは、次の式で求められる。
【0110】
【数7】

【0111】
同様に、周波数fの搬送信号による信号の位相の変化量φは、次の式で求められる。
【0112】
【数8】

【0113】
以上のようにして、位相情報取得部6Aは、入力されたI信号およびQ信号に基づいて、位相の変化量φおよびφを取得する。そして、距離算出部6Bは、距離rを次の式によって算出する。
【0114】
【数9】

【0115】
(管理装置の構成)
次に再度図1を参照して管理装置10の構成について説明する。
【0116】
本実施の形態に係る管理装置10は、図1に示すように、外部通信部11、検出判定部12、切り替え指示部13、情報格納部14、順序決定部15、および出力部16を備えている。
【0117】
外部通信部11は、リーダライタ2との情報の送受信を行うためのブロックであり、例えば、リーダライタ2により読み出されたRFIDタグ1の情報を受信したり、リーダライタ2に対する指示を示す情報を送信したりする。外部通信部11は、リーダライタ2から受信した情報を検出判定部12に送信する。また、外部通信部11は、上記リーダライタ2に対して、アンテナ30の切り替えを指示する情報を、切り替え指示部13からの指示に応じて送信する。
【0118】
検出判定部12は、外部通信部11を介してリーダライタ2から受信した情報に基づき、RFIDタグ1の検出の有無を判定したり、検出が確認されたRFIDタグ1からアンテナ30までの距離rの情報を取得したりするものである。
【0119】
上記検出判定部12は、所定時間RFIDタグ1の検出を確認することが出来なかった場合、その旨、切り替え指示部13に通知する。また、上記検出判定部12は、検出が確認されたRFIDタグ1とアンテナ30との距離が、規定範囲内にない場合もまた、その旨、切り替え指示部13に通知する。
【0120】
なお、この検出規定範囲とは、ゲート80においてRFIDタグ1が通過可能な範囲からアンテナ30aまでの間の距離範囲において規定される範囲であり、本実施形態ではRFIDタグ1とリーダライタ2との間の最大通信可能距離をこの検出規定範囲としている。なお、この最大通信可能距離とは、例えば図10に示すようにアンテナ30がRFIDタグ1と通信可能とする範囲である。
【0121】
ただし、この検出規定範囲はこれに限定されるものではなく、リーダライタ2のアンテナ30の有する指向性、無線通信可能な最大距離、ゲート80におけるゲート脚81aとゲート脚81bとの間の距離などに応じて決められることが好ましい。
【0122】
上記切り替え指示部13は、外部通信部11を介してリーダライタ2に対して制御指示するブロックである。この切り替え支持部13は、検出判定部12からの上記した通知に応じて、リーダライタ2に対して、RFIDタグ1と通信可能なアンテナ30を選択し、選択したアンテナ30に切り替えるように指示する。
【0123】
情報格納部14は、読み書き可能な記憶媒体であって、第1タグ情報17および第2タグ情報18を記憶する。なお、この第1タグ情報17および第2タグ情報18は、検出されたRFIDタグ1のうち検出規定範囲内にあるRFIDタグ1の情報と、該RFIDタグ1とアンテナ30との間の距離rの情報とを対応づけた情報である。
【0124】
なお、本実施形態では、第1タグ情報17を、アンテナ30aによって受信されたタグ応答信号に基づき算出された距離rの情報と、該タグ応答信号を送信したRFIDタグ1との情報とする。また、第2タグ情報18を、アンテナ30bによって受信されたタグ応答信号に基づき算出された距離rの情報と、該タグ応答信号を送信したRFIDタグ1との情報とする。
【0125】
順序決定部15は、情報格納部14に記憶されているRFIDタグ1の情報において、RFIDタグ1とアンテナ30との間の距離rの大きさを比較するブロックである。この順序決定部15は、検出判定部12からの指示に応じて、情報格納部14に記憶された第1タグ情報17および第2タグ情報18を読出し、上記距離rの大きさの比較を行う。そして順序決定部15は、比較した結果、距離rが小さくなる方から順にRFIDタグ1の情報を情報格納部14から読出し、出力部16に渡す。
【0126】
出力部16は、管理サーバ20に情報を出力するためのものであり、順序決定部15からRFIDタグ1の情報を受信すると、受信した順に管理サーバ20に送信する。
【0127】
(RFIDタグの受信タイミング)
ここで、本実施の形態に係る管理システム90におけるRFIDタグ1の、リーダライタ2による受信タイミングを図7(a)および図7(b)を参照して具体的に説明する。
【0128】
まず、前提として本実施形態では図7(a)または図7(b)に示すように、搬送ベルトによって荷物が搬送方向に1つずつ搬送されるようになっている。また、搬送される荷物には、該荷物の側部部分にRFIDタグ1が備えられているものとする。また、荷物の搬送経路における所定位置では、搬送ベルトの両端にゲート脚81a・81bが設けられこの各ゲート脚81a・81bそれぞれにはアンテナ30a・30bが各々備えられている。
【0129】
また、本実施形態では、アンテナ30aとアンテナ30bとにおいて、所定時間間隔で、RFIDタグ1と通信可能となるアンテナ30を切り替えるように設定されている。
【0130】
このような前提において、アンテナ30aおよびアンテナ30bの通信可能範囲にRFIDタグ1αおよびRFIDタグ1βが図7(a)に示すように、2つ連続して入ってきたとする。そして、この時点において、アンテナ30bが通信可能となっているとすると、アンテナ30bによりRFIDタグ1αが検出される。一方、RFIDタグ1βについては、搬送される荷物自体によってRFIDタグ1βとアンテナ30bとの通信が遮断されているため検出されないものとする。
【0131】
逆に、図7(a)に示す状態において、アンテナ30aが通信可能となっているとすると、アンテナ30aによりRFIDタグ1βが検出される。一方、RFIDタグ1αについては、搬送される荷物自体によってRFIDタグ1αとアンテナ30aとの通信が遮断されているため検出されないものとする。
【0132】
したがって、図7(a)に示す状態において、上記したようにアンテナ30bからアンテナ30aに通信可能なアンテナが切り換わった場合、RFIDタグ1α、RFIDタグ1βという順番でRFIDタグ1を検出することができる。
【0133】
一方、図7(a)に示す状態において、アンテナ30aが通信可能となっているとすると、アンテナ30aによりRFIDタグ1βが先に検出される。ここで、アンテナ30aからアンテナ30bに通信可能なアンテナが切り換わったとする。この場合、アンテナ30bによってRFIDタグ1αが検出されることとなる。したがって、このようにRFIDタグ1と通信可能となるアンテナがアンテナ30bからアンテナ30aに切り換わった場合、RFIDタグ1β、RFIDタグ1αという順番でRFIDタグ1を検出することになる。
【0134】
次に、図7(b)に示すように、アンテナ30aおよびアンテナ30bの通信可能な範囲に、RFIDタグ1が3つ(RFIDタグ1α・1β・1γ)連続して入ってきたとする。
【0135】
この時点において、アンテナ30bが通信可能となっているとすると、アンテナ30bによりRFIDタグ1αが検出される。一方、RFIDタグ1βおよびRFIDタグ1γについては、搬送される荷物自体によってRFIDタグ1βおよびRFIDタグ1γとアンテナ30bとの通信が遮断されているため検出されないものとする。
【0136】
逆に、図7(b)に示す状態において、アンテナ30aが通信可能となっているとすると、アンテナ30aによりRFIDタグ1βおよびRFIDタグ1γが検出される。一方、RFIDタグ1αについては、RFIDタグ1αを備える荷物自体によってRFIDタグ1αとアンテナ30aとの通信が遮断されているため、検出されないものとする。
【0137】
したがって、図7(b)に示す状態において、アンテナ30bからアンテナ30aに通信可能なアンテナが切り換わった場合、RFIDタグ1αを検出した後、RFIDタグ1βおよびRFIDタグ1γを検出することとなる。この場合、搬送される荷物の順番(RFIDタグ1α、RFIDタグ1β、RFIDタグ1γの順番)に対して、検出されるRFIDタグ1の順番は、RFIDタグ1αの後にRFIDタグ1βとRFIDタグ1γとが同時に検出される。
【0138】
一方、図7(b)に示す状態において、アンテナ30aが通信可能となっているとすると、アンテナ30aによりRFIDタグ1βおよびRFIDタグ1γが検出される。ここで、アンテナ30aからアンテナ30bに通信可能なアンテナが切り換わったとする。この場合、アンテナ30bによってRFIDタグ1αが検出されることとなる。したがって、このようにRFIDタグ1と通信可能となるアンテナがアンテナ30bからアンテナ30aに切り換わった場合、RFIDタグ1βおよびRFIDタグ1γを同時に検出した後に、RFIDタグ1αを検出することとなる。
【0139】
以上のように、RFIDタグ1と通信可能となっているアンテナ30と、通信可能な範囲に来た荷物のRFIDタグ1の貼り付け位置とにより検知されるRFIDタグ1の順番は搬送される荷物の順番とは異なることとなる。
【0140】
そこで図7(a)に示すように荷物が搬送される場合における、荷物の搬送順番を特定する処理(搬送順番特定処理)について、以下図8および図9を参照して説明する。
【0141】
(搬送順番特定処理)
まず本実施の形態に係る管理システム90におけるリーダライタ2は、上記したように、荷物が該リーダライタ2の通信可能範囲に入ってくるまで、RFIDタグ1と通信可能なアンテナ30が、アンテナ30aとアンテナ30bとの間で交互に切り替わるように構成されている。
【0142】
すなわち、管理装置10では、検出判定部12が、RFIDタグ1の情報(距離情報を含む)の受信の有無を監視している。そして、所定時間リーダライタ2からこの情報の受信がなかった場合、上記検出判定部12は、RFIDタグ1と通信を行うアンテナ30を切り替えるようにリーダライタ2に指示する。
【0143】
ここでまず、リーダライタ2においてアンテナ30aがRFIDタグ1と通信可能となるように切り替えられている状態で(ステップS11、これ以降S11のように称する)、管理装置10が所定時間内にRFIDタグ1の検出の有無を判定する(S12)。
【0144】
なお、上記所定時間とは、ユーザによって設定された時間などであり、荷物の搬送速度、搬送される荷物の大きさ、アンテナ30の通信可能な範囲などを考慮して適切に決められる。また、RFIDタグ1の検出の有無の判定は、上記所定時間に限定されるものではなく、R/W要求信号に応じた1シーケンスまたは所定回数シーケンス終了後であってもよい。R/W要求信号に応じたシーケンスとは、リーダライタ2からRFIDタグ1に向かって送信されるR/W要求信号に応じて該RFIDタグ1からの返信をリーダライタ2が受信するまでの一連の処理である。そして、この処理が1回終了するまでの間でRFIDタグ1の検出の有無が確認されてもよいし、あるいは所定回数この処理が終了するまでの間でRFIDタグ1の検出の有無が確認されてもよい。
【0145】
そして、このRFIDタグ1の検出の有無の判定において、管理装置10が所定時間内にRFIDタグ1の検出を確認した場合(S12において「YES」)、管理装置10は検出したRFIDタグ1が検出規定範囲内にあるか否かを判定する(S13)。
【0146】
なお、ここで検出したRFIDタグ1を説明の便宜上RFIDタグ1aと称する。また、アンテナ30aとこのRFIDタグ1aとの間の距離rを距離r1aと称する。
【0147】
すなわち、リーダライタ2において、位置測定部6が、RFIDタグ1aから受信したタグ応答信号に基づきアンテナ30aからRFIDタグ1aまでの距離r1aを測定する。そして測定した距離r1aの情報を含む、RFIDタグ1aの情報を、通信処理部5が外部通信部7を介して管理装置10に送信する。
【0148】
管理装置10では、リーダライタ2から上記RFIDタグ1aの情報を、外部通信部11を介して検出判定部12が受信すると、該検出判定部12は、RFIDタグ1の検出を確認する。
【0149】
一方、リーダライタ2から上記RFIDタグ1の情報を受信していない期間が所定時間継続すると(S12において「NO」の場合)、管理装置10では、検出判定部12が切り替え指示部13に対して所定時間継続してRFIDタグ1を検出していない旨通知する。そして、この通知に応じて、切り替え指示部13がリーダライタ2に対して、RFIDタグ1と通信可能なアンテナとしてアンテナ30bを選択し、アンテナ30aからこのアンテナ30bに切り替えるように指示する(「2」に進む、図9参照)。
【0150】
なお、例えば、この所定時間の代わりに上記1シーケンス終了後にアンテナが切り替えられるように設定されている場合は、リーダライタ2からのR/W要求信号に応じて、RFIDタグ1からタグ応答信号を受信することが出来なかった場合、すぐにアンテナ30の切り替えが行われることとなる。
【0151】
一方、所定時間内にRFIDタグ1aを検出した場合、上記検出判定部12は、リーダライタ2から受信したRFIDタグ1aの情報に基づき、このRFIDタグ1aまでの距離が検出規定範囲内にあるか否かを判定する。
【0152】
ここで、検出判定部12が、上記RFIDタグ1aが検出規定範囲内にないと判定した場合(S13において「NO」の場合)、管理装置10では、検出判定部12が切り替え指示部13に対して検出したRFIDタグ1aまでの距離が検出規定内にない旨通知する。そして、この通知に応じて、切り替え指示部13がリーダライタ2に対して、RFIDタグ1と通信可能なアンテナをアンテナ30aからアンテナ30bに切り替えるように指示する(「2」に進む、図9参照)。
【0153】
すなわち、上記検出判定部12が、所定時間継続して上記RFIDタグ1aが検出範囲内にないと判定した場合、このRFIDタグ1aに関する情報を情報格納部14に格納せず、切り替え指示部13に対して検出したRFIDタグ1aまでの距離が検出規定内にない旨通知する。
【0154】
なお、リーダライタ2により検出されるが、検出規定範囲内に無いRFIDタグ1とは、例えば、ゲート80など周囲の機材等、あるいは搬送対象である荷物自体に反射してタグ応答信号がアンテナ30aに届くRFIDタグ1であり、搬送ベルト上においてゲート80からかなり離れたところにあるRFIDタグ1、あるいは他の搬送ベルト上にあるRFIDタグ1などである。
【0155】
このため、本実施形態では、距離情報rが検出規定範囲内となるRFIDタグ1、すなわち反射されたものではなく直接アンテナ30aにタグ応答信号が送信されたRFIDタグ1の情報以外は搬送順番の特定に用いないように構成されている。
【0156】
一方、検出判定部12が、上記RFIDタグ1aまでの距離r1aが検出規定範囲内であると判定した場合(S13において「YES」)、この距離r1aとRFIDタグ1aとの情報を対応づけて、第1タグ情報17として情報格納部14に記憶する(S14)。
【0157】
検出判定部12は、情報格納部14に距離r1aとRFIDタグ1aとの情報を対応付けて第1タグ情報17として記憶すると、切り替え指示部13に対して、RFIDタグ1と通信可能なアンテナを、アンテナ30aからアンテナ30bに切り替える旨の通知を行う。切り替え指示部13は、検出判定部12からのこの通知に応じて、外部通信部11を介してリーダライタ2に対してアンテナの切り替えを指示する。
【0158】
一方、リーダライタ2では、この管理装置10からの指示を、外部通信部7を介して受信すると、通信処理部5が、RFIDタグ1と通信可能なアンテナを、アンテナ30aからアンテナ30bに切り替えるように制御する。
【0159】
このようにして、RFIDタグ1と通信可能なアンテナをアンテナ30aからアンテナ30bに切り替える(S15)。
【0160】
アンテナ30bがRFIDタグ1と通信可能な状態において、管理装置10における検出判定部12が、所定時間内に他のRFIDタグ1の検出の有無について判定を行う(S16)。すなわち、検出判定部12は、上記ステップS12において検出したRFIDタグ1aとは異なる他のRFIDタグ1の検出の有無を判定する。ここで検出判定部12が、所定時間内に、他のRFIDタグ1の検出がなかったと判定した場合(S16において「NO」)、順序決定部15にその旨通知する。
【0161】
この順序決定部15は、検出判定部12からの通知に応じて、情報格納部14に記憶している第1タグデータ17、すなわちRFIDタグ1aの情報を読出し、出力部16を介して管理サーバ20に出力する(S21)。
【0162】
一方、ステップS16において「YES」の場合、検出判定部12は、検出したRFIDタグ1までの距離rが検出規定範囲内であるか否かを判定する(S17)。なお、ここで検出されたRFIDタグ1を説明の便宜上RFIDタグ1bと称する。また、このRFIDタグ1bとアンテナ30bとの間の距離rを距離r1bと称する。
【0163】
上記検出判定部12が検出規定範囲内にRFIDタグ1bがないと判定した場合(S17において「NO」の場合)、ステップS21に進みRFIDタグ1aの情報を管理サーバ20に出力する。
【0164】
ステップS17において「YES」の場合、検出判定部12は、RFIDタグ1bまでの距離r1bと該RFIDタグ1bとの情報を対応付けて情報格納部14に、第2タグ情報18として記憶させる。そして、検出判定部12は、順序決定部15に対して検出されたRFIDタグ1aとRFIDタグ1bとにおける、搬送順番の判定を行うように指示する。
【0165】
この検出判定部12からの指示に応じて、順序決定部15は、第1タグ情報17と第2タグ情報18とを比較し、RFIDタグ1aの距離r1aの方が、RFIDタグ1bの距離r1bよりも大きいか否かを判定する(S19)。
【0166】
ここで、距離r1aの方が、距離が大きくなると判定した場合(S19において「YES」)、順序決定部15は、まずRFIDタグ1bの情報を、出力部16を介して管理サーバ20に出力する(S20)。次に、順序決定部15は、RFIDタグ1aの情報を、出力部16を介して管理サーバ20に出力する(S21)。そして、再度通信可能なアンテナをアンテナ30aに切り替えてステップS11からの処理を繰り返す。
【0167】
逆に、距離r1aの方が、距離が小さくなると判定した場合(S19において「NO」)、順序決定部15は、先ずRFIDタグ1aの情報を、出力部16を介して管理サーバ20に出力する(S22)。そして、順序決定部15は、次に、RFIDタグ1bの情報を、出力部16を介して管理サーバ20に出力する(S23)。
【0168】
すなわち、本実施形態では、搬送ベルトによって一定方向に移動する荷物に備えられたRFIDタグ1のゲート80の通過順を特定している。このように一定方向にRFIDタグ1が移動しゲート80を通過する構成であるため、該RFIDタグ1とアンテナ30との間の距離によってアンテナ30の通信可能な範囲におけるRFIDタグ1それぞれの相対的な位置関係を決定することができる。
【0169】
また、上記アンテナ30はゲート80に備えられているため、アンテナ30とゲート80との間の距離rが小さくなればなるほどRFIDタグ1がよりゲート80に接近しているといえる。
【0170】
したがって、本実施の形態に係る管理装置10は、上記距離rが小さくなる順にRFIDタグ1がゲート80を通過するものと特定することができる。
【0171】
以上のように、搬送される荷物に備えられたRFIDタグ1の順番を特定すると、再度ステップS11に戻って、RFIDタグ1と通信可能となるアンテナをアンテナ30bからアンテナ30aに切り替えて上記した処理を繰り返す。
【0172】
一方、上記ステップS12またはステップS13において「NO」の場合は、図9に示す「2」の処理に進み、RFIDタグ1と通信可能なアンテナ30をアンテナ30aからアンテナ30bに切り替える(S31)。そして、切り替えたアンテナ30bによって、所定時間内にRFIDタグ1の検出の有無を判定する(S32)。ここで、所定時間内にRFIDタグ1の検出がなかったと判定された場合(S32において「NO」)、RFIDタグ1と通信可能となるアンテナを再度アンテナ30aに切り替える(処理「1」に進む、図8参照)。
【0173】
なお、この所定時間として上記1シーケンス分の時間が設定されている場合は、リーダライタ2からのR/W要求信号に応じて、RFIDタグ1からタグ応答信号を受信することが出来なかった場合、すぐにアンテナ30の切り替えが行われることとなる。
【0174】
また、所定時間内にRFIDタグ1の検出があったと判定された場合(S32において「YES」)、アンテナ30bから検出されたRFIDタグ1までの距離が検出規定範囲内にあるか否かを判定する(S33)。なお、ここで検出されたRFIDタグ1をRFIDタグ1bとし、アンテナ30bからRFIDタグ1bまでの距離を距離rb1とする。
【0175】
ステップS33において、検出されたRFIDタグ1bまでの距離rb1が検出規定範囲内にない場合(S33において「NO」)、「1」の処理に進んでRFIDタグと通信可能なアンテナをアンテナ30aに切り替える(図8参照)。
【0176】
一方検出されたRFIDタグ1bまでの距離r1bが検出規定範囲内にある場合(ステップS33において「YES」)、検出判定部12は、このRFIDタグ1bと距離r1bとの情報を対応づけて第2タグ情報18として情報格納部14に記憶させる(S34)。このようにRFIDタグ1bと該RFIDタグ1bまでの距離rb1との情報を対応付けて情報格納部18に記憶させると、検出判定部12は、切り替え指示部13に対して、アンテナの切り替えを行うように通知する。この検出判定部12からの通知に応じて、切り替え指示部13は、外部通信部11を介して、リーダライタ2にRFIDタグ1と通信可能なアンテナとしてアンテナ30aを選択し、アンテナ30bからこの選択したアンテナ30aに切り替えるように指示する。
【0177】
この管理装置10の切り替え指示部13からの指示に応じて、リーダライタ2では、通信処理部5が、RFIDタグ1と通信可能となるアンテナをアンテナ30aに切り替えるように制御する。このようにして、RFIDタグ1と通信可能なアンテナがアンテナ30aに切り替えられる(S35)。
【0178】
RFIDタグ1と通信可能なアンテナがアンテナ30aに切り替えられると、検出判定部12は、所定時間内に他のRFIDタグ1の検出があったか否かを判定する(S36)。すなわち、検出判定部12は、上記ステップS32において検出したRFIDタグ1bとは異なる他のRFIDタグ(RFIDタグ1aと称する)の検出の有無を判定する。
【0179】
ここで検出判定部12が、所定時間内に、他のRFIDタグ1aの検出がなかった場合(S36において「NO」)、順序決定部15にその旨通知する。そして、順序決定部15は、この検出判定部12からの通知に応じて、情報格納部14から第2タグ情報18を読み出し、RFIDタグ1aの情報を、出力部16を介して管理サーバ20に出力する(S43)。
【0180】
一方ステップS36において「YES」の場合、検出判定部12は、この検出したRFIDタグ1aまでの距離ra1が規定範囲内であるか否かを判定する(S37)。この判定において、上記距離ra1が規定範囲内にないと判定した場合(S37において「NO」)検出判定部12は、順序決定部15に第2タグ情報18を読出し、RFIDタグ1bの情報を管理サーバ20に送信するように指示する。
【0181】
順序決定部15は、この検出判定部12からの指示に応じて、情報格納部14から第2タグ情報18を読出しRFIDタグ1bの情報を、出力部16を介して管理サーバ20に出力する(S43)。
【0182】
一方、上記ステップS37において「YES」の場合、検出判定部12は、この検出しているRFIDタグ1aと該RFIDタグ1aまでの距離r1aとを情報格納部14に第1タグ情報17として記憶させる(S38)。
【0183】
検出判定部12は、以上のように情報格納部14に第1タグ情報17と第2タグ情報18とを記憶すると、順序決定部15に対して、RFIDタグ1aまでの距離ra1とRFIDタグ1bまでの距離rb1とを比較するように指示する。この検出判定部12からの指示に応じて、順序決定武部15が距離r1aの方がr1bよりも大きいか否かを判定する(S39)。
【0184】
ここで、順序決定部15が、距離r1aの方がr1bよりも大きいと判定した場合(S39において「YES」)、順序決定部15は、第2タグ情報を読出し、RFIDタグ1bを管理サーバ20に出力する(S40)。
【0185】
そして、順序決定部15は、次に第1タグ情報17を読出し、RFIDタグ1aの情報を、出力部16を介して管理サーバ20に出力する(S41)。そして、ステップS31に戻り、アンテナ30aからアンテナ30bに通信可能なアンテナを切り替え上記した処理を繰り返す(「2」に戻る)。
【0186】
一方、距離r1aの方がr1bよりも小さい場合(S39において「NO」)、順序決定部15は、第1タグ情報17を読出し、RFIDタグ1aの情報を管理サーバ20に出力する(S42)。そして次いで、順序決定部15は、第2タグ情報18を読出し、RFIDタグ1bの情報を管理サーバ20に出力する(S43)。そして、ステップS31に戻りアンテナ30aからアンテナ30bに通信可能なアンテナを切り替え上記した処理を繰り返す(「2」に戻る)。
【0187】
以上のように、本実施の形態に係る管理システム90では、リーダライタ2においてRFIDタグ1を検知するまでの間、該リーダライタ2が備えるアンテナ30のうちRFIDタグ1と通信可能なアンテナを切り替えて待機している。このように、本実施の形態に係る管理システム90では所定時間経過後にアンテナを切り替えている。あるいは所定回数分の上記シーケンスの終了ごとにアンテナを切り替える構成であってもよい。
【0188】
このため、本実施の形態に係る管理システム90では、RFIDタグ1が一方のアンテナ側とは通信を行うことができないような位置に貼り付けられているような場合であっても、RFIDタグ1を他方のアンテナによって検出することができるため、RFIDタグ1を検出し損なうことを防ぐことができる。
【0189】
また、上記管理システム90ではアンテナ30aとアンテナ30bとのうち、常に一方のアンテナ30だけがRFIDタグ1と通信可能となるように構成されている。このため、アンテナ30ごとにRFIDタグ1の検知を確認することができ、アンテナ30からRFIDタグ1までの距離rの情報を取得することができる。
【0190】
また、RFIDタグ1の検知タイミングをアンテナ30ごとに分けているため、アンテナ30から送信される電波が互いに干渉しあうことを防ぐことができる。
【0191】
なお、各RFIDタグ1から送信される電波の周波数を異ならせる場合は、各RFIDタグ1の検知タイミングをずらして別々とする必要がなく同時に検知できるように構成されていてもよい。
【0192】
また、上記したRFIDタグ1の「搬送順番特定処理」では、図7(a)に示すように、アンテナ30aおよびアンテナ30bの最大通信可能距離の範囲にRFIDタグ1を備えた荷物が2つ入ってくる場合について説明した。しかしながら、上記した「搬送順番特定処理」は、図7(b)に示すようにアンテナ30aおよびアンテナ30bの最大通信可能距離の範囲にRFIDタグ1を備えた荷物が3つ入ってくる場合についても適用できる。
【0193】
すなわち、上記した「搬送順番特定処理」と同様に、所定時間内にアンテナ30aあるいはアンテナ30bによって検出され、かつアンテナ30aまたはアンテナ30bからRFIDタグ1までの距離が検出規定範囲内であるRFIDタグ1の情報を距離情報とともに対応付けて情報格納部14に記憶させる。
【0194】
例えば、図7(b)のように、最大通信可能距離内にRFIDタグ1α・1β・1γそれぞれが存在する場合、RFIDタグ1αの距離と、RFIDタグ1βの距離と、RFIDタグ1γの距離とをそれぞれ情報格納部17に記憶する。そして順序決定部15がこれらの距離を比較し、距離が短い順に、荷物の搬送順番として特定することができる。
【0195】
また、本実施形態に係る管理システム90では、RFIDタグ1を検出するアンテナ30の数はアンテナ30aとアンテナ30bの2つであるがこれに限定されるものではない。例えば、搬送ベルトの幅方向における両端のみならず、搬送ベルトが設置されている搬送面と対向する向きにアンテナ30がさらに設けられていてもよい。このように、アンテナ30がさらに設けられている場合、搬送される荷物の上面にRFIDタグ1が備えられている場合であってもRFIDタグ1の読取りを行うことができる。
【0196】
すなわち、管理システム90においてリーダライタ2が備えるアンテナ30の数は、搬送される荷物に備えられたRFIDタグ1を確実に読取れるように適切に決定されることが好ましい。
【0197】
また、このように2つ以上アンテナ30が設けられている場合、上記した「搬送順番特定処理」を以下のようにすることで適用できる。
【0198】
すなわち、上記した「搬送順番特定処理」では、所定時間内でRFIDタグ1の検出が無かった場合、あるいは検出規定範囲外のRFIDタグ1を検出した場合、アンテナ30aとアンテナ30bとの間で、RFIDタグ1と通信可能となるアンテナ30が切り替えられるようになっていた。
【0199】
また、上記した「搬送順番特定処理」では、アンテナ30とRFIDタグ1との間の距離rが検出規定範囲内となる、RFIDタグ1の情報と該RFIDタグ1までの距離rの情報とを情報格納部14に記憶した後、アンテナ30を切り替えるように構成されていた。
【0200】
ここで、アンテナ30が2以上備えられている場合(例えばアンテナ30a、アンテナ30b、アンテナ30cが備えられている場合)、上記した条件でのアンテナ30の切り替えを次のように行う。
【0201】
例えば、アンテナ30aがRFIDタグ1と通信可能となっている場合では、アンテナ30aからアンテナ30bに切り替える。また、アンテナ30bがRFIDタグ1と通信可能となっている場合では、アンテナ30bからアンテナ30cに切り替える。またアンテナ30cがRFIDタグ1と通信可能となっている場合では、アンテナ30cからアンテナ30aに切り替える。そしてこのように切り替えて得られた距離rの情報に基づき、距離rが小さい順に管理装置10から管理サーバ20に出力するようにする。
【0202】
また、上記したRFIDタグ1の「搬送順番特定処理」では、図7(a)に示すような以下の構成を前提に説明した。すなわち、ゲート脚81a側の荷物の側部に備えられたRFIDタグは、アンテナ30aによってのみ通信可能となり、逆にゲート脚81b側の荷物の側部に備えられたRFIDタグ1は、アンテナ30bによってのみ通信可能となる構成であった。
【0203】
このため、同一のRFIDタグ1からアンテナ30aとアンテナ30bとの両方が電波を受信し、それぞれのアンテナ30によって受信した電波(タグ応答信号)に基づき、距離情報を算出してしまうことはない。
【0204】
しかしながら、本実施形態に係る管理装置10は、アンテナ30aとアンテナ30bとの両者によって同一のRFIDタグ1に対する距離が別々に測定される場合も想定できる。このような場合は、以下のような判定によりゲート80を通過するRFIDタグ1の順番を特定する。
【0205】
すなわち、図7(a)に示すようにアンテナ30aおよびアンテナ30bの通信可能な範囲に2つのRFIDタグ1αおよびRFIDタグ1βが搬送されてきた場合、アンテナ30aおよびアンテナ30bの両方によってそれぞれのRFIDタグ1α、RFIDタグ1βの距離が測定されたとする。
【0206】
この場合、第1タグ情報17としては、アンテナ30aによって測定されたRFIDタグ1αまでの距離とRFIDタグ1βまでの距離がそれぞれ記憶される。また第2タグ情報としては、アンテナ30bによって測定されたRFIDタグ1αおよびRFIDタグ1βまでの距離がそれぞれ記憶される。
【0207】
このような場合、まず、第1タグ情報として記憶されたRFIDタグαと第2タグ情報として記憶されたRFIDタグαとの距離情報を比較し、距離rが小さい方を有効とする(ここで有効となった距離情報を距離r1αと称する)。
【0208】
同様に、第1タグ情報として記憶されたRFIDタグβと第2タグ情報として記憶されたRFIDタグβとの距離情報を比較し、距離rが小さい方を有効とする(ここで有効となった距離rを距離r1βと称する)。そして有効とされた距離r1αと距離r1βとを比較することによりゲートを通過するRFIDタグの通過順を特定することができる。
【0209】
また、本実施の形態に係る管理装置10からのRFIDタグ1の情報は、管理サーバ20に出力されるように構成されているが、出力先はこれに限定されるものではない。
【0210】
例えば、上記管理サーバ20の代わりに表示装置が備えられ、該表示装置にRFIDタグ1の搬送順場を示す情報を出力するように構成されていてもよい。この場合、出力部16は、順序決定部15から受信した情報を上記表示可能なデータ形式に変換し、表示装置において表示可能となるように制御する。
【0211】
また、本実施の形態に係る管理システム90では、管理装置10が、RFIDタグ1とリーダライタ2のアンテナ30との間の距離rに基づき、RFIDタグ1を備えた荷物がゲート80を通過する順番を特定する構成であった。しかしながらこれに限定されるものではなく、例えば、ゲート脚81aおよびゲート脚81bそれぞれに2つまたは3つのアンテナを備え、RFIDタグ1の2次元座標または3次元座標を算出し、この2次元座標または3次元座標で示される位置情報に基づき、RFIDタグ1の搬送順番を特定する構成であってもよい。
【0212】
また、本実施形態では、RFIDタグ1が備えられる対象が荷物であったがこれに限定されるものではなく例えば、製造ラインにおける部品などの物であってもよいし、所定位置を通過する人や動物であってもよい。
【0213】
なお、上記リーダライタ2が備える通信処理部5、位置測定部6、および外部通信部7と、上記管理装置10が備える外部通信部11、検出判定部12、切り替え指示部13、順序決定部15、および出力部16とは、ハードウェアロジックによって構成されていてもよいし、CPUなどの演算手段が、ROM(Read Only Memory)やRAMなどの記憶手段に記憶されたプログラムを実行することにより実現する構成となっていてもよい。
【0214】
CPUなどの演算手段および記憶手段によって上記の各構成を構成する場合、これらの手段を有するコンピュータが、上記プログラムを記録した記録媒体を読取り、当該プログラムを実行することによって、上記リーダライタ2が備える通信処理部5、位置測定部6、および外部通信部7と、上記管理装置10が備える外部通信部11、検出判定部12、切り替え指示部13、順序決定部15、および出力部16とを実現することができる。また、上記プログラムをリムーバブルな記録媒体に記録することにより、任意のコンピュータ上で上記の各種機能および各種処理を実現することができる。
【0215】
この記録媒体としては、コンピュータで処理を行うために図示しないメモリ、例えばROMのようなものがプログラムメディアであっても良いし、また、図示していないが外部記憶装置としてプログラム読取り装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することにより読取り可能なプログラムメディアであっても良い。
【0216】
また、何れの場合でも、格納されているプログラムは、マイクロプロセッサがアクセスして実行される構成であることが好ましい。さらに、プログラムを読み出し、読み出されたプログラムは、マイクロコンピュータのプログラム記憶エリアにダウンロードされて、そのプログラムが実行される方式であることが好ましい。なお、このダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
【0217】
また、インターネットを含む通信ネットワークを接続可能なシステム構成であれば、通信ネットワークからプログラムをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する記録媒体であることが好ましい。
【0218】
さらに、このように通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納しておくか、あるいは別の記録媒体からインストールされるものであることが好ましい。
【0219】
なお、本実施形態に係る管理システム90では、リーダライタ2と管理装置10とが別々に構成されていたが、これに限定されるものではなく、リーダライタ2と管理装置10とが一体に構成されていてもよい。
【0220】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0221】
本発明に係る入出庫管理システムでは、RFIDタグの所定位置における通過順を特定することができるため、本実施形態のようにRFIDタグを備えた対象物が移動するような、例えば、物流、小売、製造ラインなど広範な分野で適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0222】
【図1】本発明の実施形態を示すものであり、管理システムの要部構成を示すブロック図である。
【図2】本実施の形態に係る管理システムの一例を示す図である。
【図3】本発明の実施形態を示すものであり、管理システムの概略構成を示すブロック図である。
【図4】本実施形態に係る管理システムが備えるリーダライタにおいて、RFIDタグと当該リーダライタとの距離を測定するための構成の概略を示すブロック図である。
【図5】同図(a)は、リーダライタとRFIDタグとの間でR/W要求信号およびタグ応答信号の送受信が行われる状態を示す図であり、同図(b)は、R/W要求信号の送信状態を示す図であり、同図(c)は、タグ応答信号の送信状態を示す図である。
【図6】2つの異なる周波数によるR/W要求信号およびタグ応答信号の送受信が行われた際の位相の変化量を示す図である。
【図7】本実施形態に係る管理システムにおける、RFIDタグのアンテナによる読取り状態を示す図であり、同図(a)は、アンテナの通信可能範囲内に2つのRFIDタグが存在する場合を示し、同図(b)は、アンテナの通信可能範囲内に3つのRFIDタグが存在する場合を示す図である。
【図8】搬送順番特定処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】搬送順番特定処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】本実施形態に係る管理システムが備えるリーダライタのアンテナによる通信可能な範囲の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0223】
1 RFIDタグ
2 リーダライタ(タグ通信装置)
6 位置測定部(位置算出手段)
7 外部通信部(送信手段)
10 管理装置(情報処理装置)
11 外部通信部(受付け手段)
12 検出判定部(判定手段)
13 切り替え指示部(切り替え指示手段)
15 順序決定部(特定手段)
16 出力部(出力手段)
17 第1タグ情報(距離情報)
18 第2タグ情報(距離情報)
30a アンテナ
30b アンテナ
80 ゲート(所定位置)
90 管理システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一列に並んだ状態で所定位置を通過する対象物に取り付けられたRFIDタグと電波の送受信を行うための、互いに異なる位置に配置された複数のアンテナを備え、各アンテナにより受信したRFIDタグからの電波に基づき、アンテナとRFIDタグとの間の距離をそれぞれ算出するタグ通信装置から情報を受付け処理する情報処理装置であって、
RFIDタグからの電波に基づき算出された上記距離の情報である距離情報それぞれを、該RFIDタグの情報と対応付けて、上記タグ通信装置から受付ける受付け手段と、
受付けた上記距離情報の全てを比較し、所定位置におけるRFIDタグの通過順を特定する特定手段とを備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
上記受付け手段によって受付けた距離情報それぞれが、上記タグ通信装置がRFIDタグと直接通信可能な範囲である規定範囲内にあるか否かを判定する判定手段を備え、
上記特定手段は、上記判定手段により規定範囲内にないと判定された距離情報を、所定位置におけるRFIDタグの通過順を特定するための比較対象から除外することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
上記複数のアンテナから一部のアンテナを選択し、選択したアンテナにおいて、RFIDタグとの電波の送受信が有効となるように上記タグ通信装置に指示する指示手段を備えていることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項4】
上記受付け手段が、所定期間、上記距離情報を上記タグ通信装置から受付けなかった場合、あるいは、電波を受信可能とするRFIDタグ全ての距離情報を受付けた場合、上記指示手段がアンテナの切り替えを指示することを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
上記特定手段により特定された、所定位置におけるRFIDタグの通過順を示す情報を出力する出力手段を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
上記請求項1〜5のいずれか1項に記載の情報処理装置と、
一列に並んだ状態で所定位置を通過する対象物に取り付けられたRFIDタグからの電波を受信するための、互いに異なる位置に配置された複数のアンテナと、各アンテナにより受信したRFIDタグからの電波に基づき、アンテナとRFIDタグとの間の距離をそれぞれ算出する位置算出手段と、位置算出手段により算出された位置情報を上記情報処理装置に送信する送信手段とを有するタグ通信装置とを備えることを特徴とする管理システム。
【請求項7】
一列に並んだ状態で所定位置を通過する対象物に取り付けられたRFIDタグと電波の送受信を行うための、互いに異なる位置に配置された複数のアンテナを備え、各アンテナにより受信したRFIDタグからの電波に基づき、アンテナとRFIDタグとの間の距離をそれぞれ算出するタグ通信装置から情報を受付け処理する情報処理装置の制御方法であって、
RFIDタグからの電波に基づき算出された上記距離の情報である距離情報それぞれを、該RFIDタグの情報と対応付けて、上記タグ通信装置から受付けるステップと、
受付けた上記距離情報の全てを比較し、所定位置におけるRFIDタグの通過順を特定するステップとを含むことを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項8】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の情報処理装置を動作させるための制御プログラムであって、コンピュータを上記各手段として機能させるための情報処理装置の制御プログラム。
【請求項9】
請求項8に記載の情報処理装置の制御プログラムを記録したコンピュータの読取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−295414(P2006−295414A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−111443(P2005−111443)
【出願日】平成17年4月7日(2005.4.7)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】