説明

情報処理装置、補正方法、及び補正プログラム

【課題】より適切な測位を実現すること。
【解決手段】アクセスポイントから得られる受信強度に基づいて測位を行う情報処理装置において、前記情報処理装置と誘電体との接触情報を検出する接触情報検出部と、前記接触情報に対応する利得データを含む利得テーブルを記録する記録部と、前記記録部の利得テーブルから、前記接触情報検出部により得られる前記接触情報に対応する利得データを抽出し、抽出した利得データを用いて利得を補正する補正部と、前記補正部により得られる利得と、前記受信強度とを用いて測位する測位部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信強度を用いて測位を補正するための情報処理装置、補正方法、及び補正プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来では、受信強度(Receive Signal Strength Indication(RSSI))を用いた測位システムが存在する。なお、測位する場合には、例えば3つのアクセスポイントの電波を端末で受信してRSSIを取得し、取得した各RSSIに基づいて、3点測位により位置を推定する技術が知られている。
【0003】
また、従来では、筐体の一方の部分と他方の部分のそれぞれにアンテナを配置して、使用者が装置本体の如何なる部位を保持しても高いアンテナ放射効率を確保する技術や、三角測量法、k−最近接近傍法、最小多角形法の複数の計算方法を用いて暫定的な予測位置を複数計算する技術が存在する(例えば、特許文献1及び2参照)。
【0004】
また、従来では、多数の無線タグを分散配置し、測位対象の移動端末が複数の無線タグと通信して現在位置を推定する技術や、無線基地局間の通信状況を監視し、不規則な外乱を検出した場合に、通信状況の変動量を用いて外乱がない状態の無線基地局と端末間の距離を推定する技術が存在する(例えば特許文献3及び4参照)。
【0005】
更に、従来では、無線信号の伝播遅延時間及び受信信号強度を求めて、基地局端末と、被測距端末又は他の基地局端末との間の移動体の有無を検知する技術やアンテナの偏波の一致・不一致により人体の姿勢を判断する技術が知られている(例えば、特許文献5及び6参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−179995号公報
【特許文献2】特開2004−215258号公報
【特許文献3】特開2010−175374号公報
【特許文献4】特開2009−200926号公報
【特許文献5】特開2010−223593号公報
【特許文献6】特開2009−250661号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、3点測位を行う場合には、端末等の情報処理装置の持ち方等による受信強度の変動により、より適切な3点測位ができない。ここで、アクセスポイント側から通信距離dだけ離れた端末への受信強度(RSSI)は、以下に示す式(1)で求められる。
RSSI=Ptx+Gtx−Loss_d+Grx ・・・(1)
【0008】
なお、上述した式(1)において、Ptxはアクセスポイントの送信電力を示し、Gtxはアクセスポイントの送信アンテナ利得を示し、Loss_dは通信距離dにおける空間ロスを示し、Grxは端末における受信アンテナ利得を示している。また、送信電力Ptx及び送信アンテナ利得Gtxはアクセスポイント装置固有のパラメータであり、空間ロスLoss_dは距離で決まるパラメータであり、受信アンテナ利得Grxは端末(情報処理装置)固有のパラメータである。
【0009】
つまり、端末は、RSSIを取得することで、上述した式(1)に、取得したRSSI、送信電力Ptx、送信アンテナ利得Gtx、受信アンテナ利得Grxを代入して空間ロスLoss_dを算出する。また、端末は、算出された空間ロスLoss_dの値によって、そのアクセスポイントとの距離を取得する。また、端末は、上述した距離の取得を3つの異なるアクセスポイントから行うことで、端末自体の測位を行う。
【0010】
しかしながら、上述した受信アンテナ利得Grxは、例えば人体等の誘電体との接触度等によっても変化し、端末が有する受信アンテナに人体等が近づくと、アンテナ利得(指向性等)が劣化する。また、アンテナ利得は、人体等の接触度によっても変化し、接触度が高いほど劣化が大きくなる。更に、アンテナ利得がずれると、適切な距離が出せなくなってしまう。
【0011】
ここで、上述した特許文献1〜5では、何れも人体等との接触度等を測定する手段を含んでいないため、より適切な3点測位を実現することができない。また、特許文献6では、3点測位の手法とは技術的に異なり、上述した課題を解決することはできない。
【0012】
開示の技術は、かかる問題を鑑み、より適切な測位を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
開示の一態様における情報処理装置は、アクセスポイントから得られる受信強度に基づいて測位を行う情報処理装置において、前記情報処理装置と誘電体との接触情報を検出する接触情報検出部と、前記接触情報に対応する利得データを含む利得テーブルを記録する記録部と、前記記録部の利得テーブルから、前記接触情報検出部により得られる前記接触情報に対応する利得データを抽出し、抽出した利得データを用いて利得を補正する補正部と、前記補正部により得られる利得と、前記受信強度とを用いて測位する測位部とを有する。
【発明の効果】
【0014】
開示の技術によれば、より適切な測位を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施例1における情報処理装置の概略構成の一例を示す図。
【図2】実施例1における情報処理装置のブロック構成の一例を示す図。
【図3】実施例1における測位補正処理手順の一例を示すフローチャート。
【図4】実施例1における接触度情報と利得テーブルとの関係を説明するための図。
【図5】実施例2における情報処理装置のブロック構成の一例を示す図。
【図6】接触度の判定手法について説明するための図。
【図7】実施例2における利得テーブルの一例を示す図。
【図8】実施例2における測位補正処理手順の一例を示すフローチャート。
【図9】実施例3における情報処理装置の概略構成の一例を示す図。
【図10】実施例3における情報処理装置のブロック構成の一例を示す図。
【図11】実施例3における利得テーブルの一例を示す図。
【図12】実施例3における補正演算部の補正演算例について説明するための図。
【図13】実施例1における測位補正処理手順の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照しながら実施例について詳細に説明する。なお、以下に示す情報処理装置としては、例えば、携帯電話、Personal Digital Assistant(PDA、携帯情報端末)、ノート型パーソナルコンピュータ、電子書籍端末、音楽再生装置、ゲーム機器、Point Of Sale(POS)端末、無線機等がある。また、以下に示す実施例では、誘電体の一例として人体を用いるが、これに限定されるものではない。
【0017】
<実施例1>
図1は、実施例1における情報処理装置の概略構成の一例を示す図である。図1に示す情報処理装置10は、無線通信部11と、人体接触情報検出部12と、記録部13と、アンテナ利得データ補正部14と、測位部15と、表示部16とを有する。
【0018】
無線通信部11は、例えばアクセスポイント(以下、「AP」という)1〜3からの信号を受信アンテナ21で受信し、受信強度を取得する。また、無線通信部11は、取得した受信強度を測位部15に出力する。
【0019】
人体接触情報検出部12は、一例として情報処理装置10と人体とがどの程度接触しているかの接触度情報を検出する。
【0020】
記録部13は、実施例1における受信アンテナ利得を補正するために必要な各種データを記録する。具体的には、記録部13は、人体接触情報検出部12にて検出された接触度情報等に対応する補正用の利得データを記録する。
【0021】
また、記録部13は、例えば上述した式(1)における各パラメータを記録する。具体的には、記録部13は、RSSI、各アクセスポイント装置固有のパラメータ(例えば送信電力Ptx、送信アンテナ利得Gtx)、距離で決まるパラメータ(例えば、空間ロスLoss_d)、端末装置固有のパラメータ(例えば、補正前の受信アンテナ利得Grx)等の各種データを記録する。
【0022】
アンテナ利得データ補正部14は、人体接触情報検出部12から得られる人体の接触度情報等、記録部13から得られる利得データ等に基づいて、情報処理装置10の固有のパラメータを補正する。なお、補正されるパラメータとしては、例えばアンテナ利得データ等である。また、アンテナ利得データ補正部14は、補正したアンテナ利得データを測位部15に出力する。
【0023】
測位部15は、アンテナ利得データ補正部14から得られる補正した利得データと、無線通信部11から得られる各AP1〜AP3からのそれぞれの受信強度とに基づいて3点測位を行う。また、測位部15は、測位結果として得られる場所の推定結果を表示部16に出力する。
【0024】
表示部16は、測位部15から得られたRSSIを利用した情報処理装置10の場所推定結果を、例えば液晶ディスプレイ等の表示画面に表示する。また、表示部16は、情報処理装置10の各機能を実行させるための操作画面を表示したり、記録部13に記録されている各種情報を表示することもできる。
【0025】
なお、実施例1において、上述した記録部13は、アンテナ利得データ補正部14内に設けられていてもよい。
【0026】
つまり、実施例1では、各AP1〜AP3からの受信強度を用いて測位を行う際、情報処理装置10と人体との接触情報を検出し、検出された接触情報に対応する利得データと、上記受信強度とを用いることで、より適切な測位を実現することができる。
【0027】
<実施例1におけるブロック構成例>
次に、実施例1におけるブロック構成例について図を用いて説明する。図2は、実施例1における情報処理装置のブロック構成の一例を示す図である。図2に示すブロック構成例では、上述した図1に示す情報処理装置10における人体接触情報検出部12、アンテナ利得データ補正部14、及び測位部15について具体的なブロック構成が示されている。
【0028】
人体接触情報検出部12は、センサ制御部121と、静電容量センサ122と、接触度判定部123とを有する。また、アンテナ利得データ補正部14は、接触情報検出制御部141と、補正演算部142とを有する。また、測位部15は、距離推定部15と、測位制御部151と、距離推定部152と、測位結果判定部153とを有する。
【0029】
人体接触情報検出部12におけるセンサ制御部121は、アンテナ利得データ補正部14における接触情報検出制御部141からの制御信号(例えば、Enable/Disable)に基づいて静電容量センサ122のON/OFFを制御する。
【0030】
静電容量センサ122は、センサ制御部121からの制御信号に基づいて周囲の静電容量データを取得する。また、静電容量センサ122は、取得した静電容量データを接触度判定部123に出力する。
【0031】
接触度判定部123は、静電容量センサ122から得られた静電容量データから接触度を判定し、判定した人体の接触度情報をアンテナ利得データ補正部14の補正演算部142に出力する。なお、接触度は、例えば静電容量センサにおいて得られる各周囲の静電容量の大きさに対応させて判定される。具体的には、接触度は、例えば静電容量が大きい場合には接触度が大きいと判定され、また静電容量が小さい場合には接触度が小さいと判定される。
【0032】
アンテナ利得データ補正部14における接触情報検出制御部141は、測位部15における測位制御部151からのON/OFF制御信号に基づいて、センサ制御部121に対してON/OFF制御信号を出力する。具体的には、接触情報検出制御部141は、例えば人体接触情報の検出が必要なタイミングでセンサ制御部121に対してON制御を行い、また人体接触情報を検出後、センサ制御部121に対してOFF制御を行う。
【0033】
補正演算部142は、接触度判定部123から得られる人体の接触度情報に基づいて、記録部13に記録された利得テーブルを参照し、利得データの補正演算を行う。なお、補正演算の具体的な内容については、後述する。また、補正演算部142は、補正した利得データを測位部15における距離推定部152に出力する。
【0034】
測位部15における測位制御部151は、接触情報検出制御部141に対するON/OFFを制御する。具体的には、測位制御部151は、例えば測位処理を実行するタイミングで接触情報検出制御部141に対してON制御を行う。また、測位制御部151は、例えば測位結果判定部153における処理が終了した場合に、接触情報検出制御部141に対してOFF制御を行う。
【0035】
距離測定部152は、無線通信部11から得られる各AP1〜AP3からの受信強度(RSSI)に基づいて、各AP1〜AP3からの距離を推定する。なお、この場合、距離推定部152は、補正演算部142から得られる補正した利得データに基づいて受信強度(RSSI)を調整して距離の推定を行う。また、距離推定部152は、各AP1〜AP3からの距離推定結果を測位結果判定部153に出力する。
【0036】
測位結果判定部153は、各AP1〜AP3からの距離推定結果に基づいて測位を行い、その測位結果に基づく場所の推定を行う。なお、場所情報は、例えば各AP1〜AP3からの受信強度から、各APからの距離を取得し、その取得した情報に基づいて測位された位置情報(例えば、緯度・経度情報、3次元座標系等)である。また、測位結果判定部153は、測定結果を表示部16に出力し、表示部16の画面に表示する。
【0037】
<実施例1における測位部15の測位手法>
ここで、実施例1における測位部15の測位手法について、具体的に説明する。実施例1では、一例として各AP1〜AP3を用いた3点測位を行う。まず、各AP1〜AP3からの電波を情報処理装置10で受信し、RSSIを取得する。次に、上述した補正演算部で求めた補正後の利得データから、各AP1〜AP3毎の補正後の受信アンテナ利得データGrxを抽出する。また、各AP1〜AP3からの距離dを、上述した式(1)から算出する。つまり、実施例1では、上述した式(1)における空間ロスLoss_dを算出することで、各APの空間ロスLoss_dに対応する、各距離dを取得する。なお、上述した式(1)におけるPtx、Gtxは、予め設定された固定値を用いて計算される。更に、実施例1では、上述にて求めた各AP1〜AP3からの距離dを元に3点測位により位置を推定する。
【0038】
<実施例1における処理手順>
ここで、実施例1における補正処理手順についてフローチャートを用いて具体的に説明する。図3は、実施例1における測位補正処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、図3に示すフローチャートは、静電容量センサを1つ用いて、接触度判定により補正を行う例を示すものである。
【0039】
図3において、まず、測位制御部151は、接触情報検出制御部141をONにし、人体接触情報検出部12のセンサ制御部121に対してEnable制御を行い、人体接触検出処理を実行させる(S01)。次に、人体接触情報検出部12は、センサ制御部121が静電容量センサ122をONにし、静電容量データを取得する(S02)。
【0040】
次に、S02の処理から得られる静電容量データに基づいて接触度判定部123にて人体の接触度を判定し、結果を補正演算部へ142に出力する。
【0041】
次に、補正演算部142は、人体の接触度情報を元に、記録部13に記録された利得テーブルを読み出し、読み出した利得テーブルを用いて利得データの補正を行い、補正した利得データを測位部15に出力する(S04)。
【0042】
次に、距離推定部152は、各AP1〜AP3からの受信強度(RSSI)と、補正した利得データとを読み取り、各AP1〜AP3からの距離を推定する(S05)。
【0043】
次に、測位結果判定部153は、各AP1〜AP3に対応する距離情報を元に、情報処理端末10の位置を計算し(S06)、計算された結果を表示部16の画面等に表示する(S07)。
【0044】
ここで、測位制御部151は、実施例1における補正測位処理を終了するか否かを判断し(S08)、終了しない場合(S08において、NO)、S01に戻り後続の処理を繰り返し行う。また、測位制御部151は、S08の処理において、処理を終了する場合(S08において、YES)、実施例1における補正測位処理を終了する。
【0045】
<接触度情報に関する具体例>
次に、上述した実施例1に対する接触度情報と利得テーブルとの関係について図を用いて具体的に説明する。図4は、実施例1における接触度情報と利得テーブルとの関係を説明するための図である。ここで、図4(A)では、誘電体である人体との接触の様子を示し、図4(B)では、接触度とアンテナ利得の指向性データとの関係を示し、図4(C)では上述した利得テーブルの一例を示している。実施例1では、図4(A),(B)に示すように、人体31に接する情報処理装置10は、人体と接触面が強いほど、接触度は「大」となる。例えば、周りに何も無い場合(接触度「小」の場合)には受信感度が高く、人体31が情報処理装置10軽く触れている場合(接触度「中」の場合)には人によって電波が遮られる方向の受信感度が弱まり、人体が強く触れている場合(接触度「大」の場合)には人によって遮られる影響が更に高まって受信感度が更に弱まる。
【0046】
したがって、このような場合には、図4(C)に示す利得テーブルから接触度に対応する利得データを取得し、取得した利得データを用いて受信アンテナ利得の補正を行う。
【0047】
なお、接触度の判定は、例えば上述した人体接触情報検出部12における静電容量センサ122によって検出された測定値が、例えば人体31の手に直接触れていた場合や、人体31が着用しているYシャツ等の胸ポケットに収納されていた場合、机の上等に置いて人体31から離れている場合等の各種所持条件等において、それぞれ測定した静電容量に応じて接触度が「大」、「中」、「小」の中から1つが判定される。また、「大」、「中」、「小」に相当する各静電容量の範囲は、予め設定されており、また設定された静電容量の範囲は、条件等に応じて変更することができる。また、接触度の識別は、上述した3つ(「大」、「中」、「小」)に限定されるものではなく、少なくとも2つの接触度の識別ができればよい。
【0048】
<実施例2>
次に、実施例2について説明する。図5は、実施例2における情報処理装置のブロック構成の一例を示す図である。なお、以下に示す実施例2では、上述した実施例1と同様の構成については、同様の符号を付するものとし、ここでの具体的な説明は省略する。
【0049】
図5に示す情報処理装置40は、無線通信部11と、人体接触情報検出部12と、記録部13と、アンテナ利得データ補正部14と、測位部15と、表示部16とを有する。なお、上述した記録部13は、アンテナ利得データ補正部14内に設けられていてもよい。
【0050】
人体接触情報検出部12は、センサ制御部121と、背面側静電容量センサ122−1と、前面側静電容量センサ122−2と、接触度判定部123とを有する。また、アンテナ利得データ補正部14は、接触情報検出制御部141と、補正演算部142とを有する。また、測位部15は、距離推定部15と、測位制御部151と、距離推定部152と、測位結果判定部153とを有する。
【0051】
つまり、実施例2は、実施例1と比較すると、人体接触情報検出部12には、複数の静電容量センサ(図5の例では、2つ)と、接触面判定部124とを有する。
【0052】
したがって、人体接触情報検出部12におけるセンサ制御部121は、アンテナ利得データ補正部14における接触情報検出制御部141からの制御信号(例えば、Enable/Disable)に基づいて、背面側静電容量センサ122−1及び前面側静電容量センサ122−2に対してON/OFFを制御する。
【0053】
なお、センサ制御部121は、背面側静電容量センサ122−1及び前面側静電容量センサ122−2の一方のみを用いてもよく、その場合には、何れかの静電容量センサに対してON/OFF制御を行うことができる。
【0054】
ここで、複数の静電容量センサ122は、情報処理装置40の離れた位置(図5の例では、背面と前面)に設ける。なお、実施例2では、背面や前面に限定されるものではなく、例えば側面等に設けてもよく、また背面、前面、及び側面のうち、少なくとも2箇所に設けられていてもよい。なお、実施例2では、一例として前面は液晶面(表示部16の表示面)とする。
【0055】
このように、実施例2では、情報処理装置40の各方向の静電容量をより適切に取得することができる。そのため、本実施形態によれば、測位補正をより適切に行うことができる。
【0056】
背面側静電容量センサ122−1及び前面側静電容量センサ122−2は、センサ制御部121からの制御信号に基づいて、それぞれが周囲の静電容量データを取得する。また、背面側静電容量センサ122−1及び前面側静電容量センサ122−2は、それぞれ取得した背面側静電容量データ及び前面側静電容量データを接触度判定部123及び接触面判定部124に出力する。
【0057】
接触度判定部123は、背面側静電容量センサ122−1及び前面側静電容量センサ122−2から得られた背面側静電容量データ及び前面側静電容量データから、接触度を判定する。また、接触度判定部123は、判定した人体の接触度情報をアンテナ利得データ補正部14における補正演算部142に出力する。
【0058】
接触面判定部124は、背面側静電容量センサ122−1及び前面側静電容量センサ122−2から得られる背面側静電容量データ及び前面側静電容量データの静電容量の大きさに基づいて、情報処理装置10のどちらの面が人体に接触しているかを判定する。つまり、実施例2では、人体に向いている面に設けられた静電容量センサからの静電容量の方が、他の静電容量センサからの静電容量よりも値が大きい。そのため、接触面判定部124は、最も値の大きい静電容量を取得した静電容量センサが設けられている面を、人体接触面として判定する。また、接触面判定部124は、判定された人体の接触面情報を補正演算部142に出力する。
【0059】
また、実施例2において、補正演算部142は、補正演算を行うために記録部13から利得テーブルを抽出する。このとき、補正演算部142は、背面用と前面用とに対する人体の接触度に対する利得データを取得し、その利得データに対応させて接触面補正、接触度補正における補正演算を行う。
【0060】
<実施例2における接触度判定手法>
ここで、実施例2における接触度判定手法について、図を用いて説明する。図6は、接触度の判定手法について説明するための図である。図6の例では、端末前面及び背面の静電容量センサ、液晶画面のON/OFF情報を元に持ち方を判定することができる。ここで、背面側静電容量センサ212−1及び前面側静電容量センサ212−2が共に「小」の場合には、液晶画面がON、OFF何れの状態であっても情報処理装置の周囲に何もない状態であることが判定できる。また、背面側静電容量センサ212−1が「大」で前面側静電容量センサ212−2が「小」の場合で、液晶画面がON状態である場合には、手持ちの状態であると判定できる。
【0061】
また、背面側静電容量センサ212−1が「小」、前面側静電容量センサ212−2が「大」の場合で、液晶画面がOFF状態である場合には、情報処理装置が、液晶面が人体側の向きで胸ポケット等に収納されていると判定することができる。
【0062】
また、背面側静電容量センサ212−1が「大」、前面側静電容量センサ212−2が「小」の場合で、液晶画面がOFF状態である場合には、情報処理装置が、背面が人体側の向きで胸ポケット等に収納されていると判定することができる。
【0063】
更に、背面側静電容量センサ212−1及び前面側静電容量センサ212−2が共に「大」の場合であって、液晶画面がON状態である場合には、通話中であると判定することができる。このように、現時点での情報処理装置の使用状態を判定することで、より正確に測位を補正することができる。
【0064】
<実施例2における利得テーブル例>
図7は、実施例2における利得テーブルの一例を示す図である。図7に示す利得テーブルの項目としては、一例として「人体の接触面情報」、「人体の接触度情報」、「利得データ」とを有するが、これに限定されるものではない。
【0065】
人体の接触面情報では、例えば背面又は前面の情報が取得される。また、人体の接触度情報では、静電容量の強さ(例えば、最大値等)により、「小」、「中」、「大」等の所定数の分類のうち、何れか1つが選択される。これにより、人体の接触面情報及び人体の接触度情報から1つの利得データを取得することができる。補正演算部142は、取得した補正演算部の内容に基づいて、接触面補正、接触度補正による利得データにより補正することができる。なお、補正は、上述した式(1)の受信アンテナ利得Grxの値に対して、例えば利得テーブルの「利得データ」に所定の比率値を蓄積しておき、その比率値を用いて元の受信アンテナ利得(Grx)を増大又は減少させてもよい。また、補正は、例えば、「利得データ」に受信アンテナ利得Grxの値そのものをそのまま蓄積しておき、補正時に利得テーブルから取得した利得データに書き替えてもよい。
【0066】
<実施例2における処理手順>
ここで、実施例2における補正処理手順についてフローチャートを用いて具体的に説明する。図8は、実施例2における測位補正処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、図8に示すフローチャートは、一例として静電容量センサを2つ有して、接触度判定及び接触面判定により補正を行う。
【0067】
図8において、測位制御部151は、接触情報検出制御部141をONにし、人体接触情報検出部12のセンサ制御部121がDisableである場合に、Enableに設定する(S11)。次に、人体接触情報検出部12は、センサ制御部121が背面側静電容量センサ122−1及び前面側静電容量センサ122−2をONにし、静電容量データを取得する(S12)
次に、接触面判定部124は、人体の接触面を判定し、結果を補正演算部142に出力する(S13)。また、接触度判定部123は、人体の接触度を判定し、結果を補正演算部142に出力する(S14)。
【0068】
次に、補正演算部142は、人体の接触面及び接触度情報を元に、記録部13から読み出したデータの補正を行い、補正したデータを測位部15に出力する(S15)。
【0069】
次に、距離推定部152は、各AP1〜AP3からの受信強度(RSSI)及び補正した利得データを読み取り、各AP1〜AP3からの距離を推定する(S16)。また、測位結果判定部153は、各AP1〜AP3からの距離情報を元に位置を計算し結果を出力し(S17)、表示部16の画面等に場所推定結果を表示する(S18)。
【0070】
ここで、測位制御部151は、実施例2における補正測位処理を終了するか否かを判断し(S19)、終了しない場合(S19において、NO)、S11に戻り後続の処理を繰り返し行う。また、測位制御部151は、S19の処理において、処理を終了する場合(S19において、YES)、実施例2における補正測位処理を終了する。
【0071】
<実施例3>
次に、実施例3について説明する。図9は、実施例3における情報処理装置の概略構成の一例を示す図である。図9に示す情報処理装置50は、無線通信部11と、人体接触情報検出部12と、記録部13と、アンテナ利得データ補正部14と、測位部15と、表示部16と、姿勢検知部51とを有する。なお、上述した記録部13は、アンテナ利得データ補正部14内に設けられていてもよい。また、実施例3では、上述した実施例1及び2と同様の構成については、同様の符号を付するものとし、ここでの具体的な説明は省略する。
【0072】
実施例3は、実施例1及び2と比較すると、情報処理装置の方向を検知する姿勢検知部51を設けている。つまり、アンテナ利得データ補正部14は、人体接触情報検出部12から人体の接触面情報、人体の接触度情報を取得すると共に、姿勢検知部51から情報処理装置50の姿勢情報(例えば、方向、角度等)を取得する。
【0073】
したがって、アンテナ利得データ補正部14は、記録部13から上述した人体の接触面、人体の接触度情報、及び姿勢情報に対応する利得データを取得して、アンテナ利得/指向性の補正を行う。また、測位部15は、アンテナ利得データ補正部14から得られる補正した利得データに基づいて、無線通信部11から得られる各AP1〜AP3からの受信強度(RSSI)を用いた測位を行う。また、測位部15は、3点測位により推定した場所推定結果と表示部16に出力し、表示部16の画面等に表示される。
【0074】
<実施例3におけるブロック構成例>
次に、実施例3におけるブロック構成例について図を用いて説明する。図10は、実施例3における情報処理装置のブロック構成の一例を示す図である。なお、実施例3の説明において、上述した実施例1及び2と同様の構成については、同一の符号を付するものとし、個々での具体的な説明は省略する。また、図10に示す実施例3のブロック構成では、人体検出情報検出部12のブロック構成として、上述した実施例2のブロック構成を有しているが、例えば上述した実施例1に対応するブロック構成であってもよい。
【0075】
図10に示すブロック構成例では、上述した図1に示す情報処理装置10における人体接触情報検出部12、アンテナ利得データ補正部14、測位部15、及び方向検出部51について具体的なブロック構成例が示されている。
【0076】
人体接触情報検出部12は、センサ制御部121と、静電容量センサ122と、接触度判定部123とを有する。また、アンテナ利得データ補正部14は、接触・方向情報検出制御部143と、補正演算部142とを有する。また、測位部15は、距離推定部15と、測位制御部151と、距離推定部152と、測位結果判定部153とを有する。また、方向検出部51は、センサ制御部511と、電子コンパスとしての地磁気センサ512と、姿勢判定部513とを有する。
【0077】
人体接触情報検出部12におけるセンサ制御部121は、接触・方向情報検出制御部143からの制御信号(例えば、Enable/Disable)に基づいて背面側静電容量センサ122−1及び前面側静電容量センサ122−2のON/OFFを制御する。
【0078】
背面側静電容量センサ122−1及び前面側静電容量センサ122−2は、センサ制御部121からの制御信号に基づいてそれぞれが周囲の静電容量データを取得する。また、背面側静電容量センサ122−1及び前面側静電容量センサ122−2は、取得した静電容量データを接触度判定部123及び接触面判定部124に出力する。
【0079】
また、接触度判定部123及び接触面判定部124は、上述したように、人体の接触度情報及び人体の接触面情報を補正演算部142に出力する。
【0080】
また、方向検出部51の地磁気センサ512は、センサ制御部511からの制御により地磁気データを取得し、姿勢判定部513に出力する。また、姿勢判定部513は、地磁気センサ512からの地磁気データにより情報処理装置50の姿勢(方向・角度等)を判定し、その得られた結果を補正演算部142に出力する。
【0081】
補正演算部142は、人体接触情報検出部12から得られる人体の接触面情報及び人体の接触度情報、並びに方向検出部51から得られる情報処理装置50の姿勢情報に基づいて補正演算を行う。このとき、補正演算部142は、記録部13により得られる利得テーブルを用い、上記情報に対応する補正用の利得データを取得し、取得した利得データに基づいて、上述した式(1)における受信アンテナ利得(Grx)を補正する。また、補正演算部142は、補正した利得データを距離推定部152に出力する。
【0082】
距離推定部152では、無線通信部11が受信アンテナ21から受信した各AP1〜AP3からの受信強度(RSSI)に基づいて距離推定を行い、その推定結果を出力する。
【0083】
<実施例3における利得テーブル>
ここで、実施例3における利得テーブルの一例について説明する。図11は、実施例3における利得テーブルの一例を示す図である。なお、図11(A)は、情報処理装置50と、人体31との関係を示し、図11(B)は、図11(A)に対応する利得テーブルの一例を示している。図11(A)では、角度の定義として人体31のお腹側と正対する側を0°とし、人体31と反対側(背中側)は180°とする。また、情報処理装置50は、人体と接触するのが液晶面の場合は、前面と判定し、接触(静電容量)が強いほど、接触度が大きいとする。
【0084】
また、図11(B)に示す利得テーブルの項目は、例えば「角度」、「人体の接触面情報」、「人体の接触度情報」、「利得データ」を含む。なお、角度は、例えばある特定の方角(例えば真北を基準(0°)として設定する。つまり、各角度における人体の接触面情報及び接触度情報毎に利得データを設定する。これにより、情報処理装置50の姿勢に応じてより適切な補正を行うことができる。
【0085】
<実施例3における補正演算部142の補正演算例>
次に、実施例3における補正演算部142における補正演算例について、図を用いて説明する。図12は、実施例3における補正演算部の補正演算例について説明するための図である。なお、図12(A)は、補正演算例を説明するための人体31と情報処理装置50との位置関係を示し、図12(B)は、補正演算部142による補正後の利得テーブルを示している。
【0086】
ここで、図12の例では、情報処理装置の姿勢(方向、角度)情報が、真北に対する情報処理装置50の角度として「45°」であり、人体の接触面情報が「前面(液晶面)」であり、人体の接触度情報が「大」である場合、記録部13に予め記録されている利得テーブルのデータを45°シフトする。つまり、図12(B)に示すように、補正後の利得テーブルは、角度を0°〜359°で一度毎に45°ずらした利得テーブルが設定される。したがって、例えば角度が0°の場合には、利得データは、45°ずれた315°の利得データ(図12(B)における“G_315_f_l”)を取得する。また同様に、例えば角度が1°の場合には、316°の利得データ(図12(B)における“G_316_f_l”)を取得する。
【0087】
このように、第3の実施例では、記録部13に記録されている利得データを、情報処理装置50の方向に基づいて各AP1〜AP3毎に補正することで、より適切に補正を行うことができ、各AP1〜AP3に対する補正後の利得データを用いて適切な3点測位を実現することができる。
【0088】
<実施例3における測位部15の測位手法>
ここで、実施例3における測位部15の測位手法について、具体的に説明する。実施例3では、一例として3点測位を行う。まず、各AP1〜AP3の電波を端末で受信し、RSSIを取得する。次に、各APからの距離dを上述した式(1)から算出する。なお、Ptx、Gtx、Grxは、固定値で計算する。次に、上述にて求めた各AP1〜AP3からの距離を元に3点測位により位置を推定する。
【0089】
上述の処理では、補正前の利得データを元にラフな端末位置を推定したが、実施例3では、その後に補正後の利得データを元に適切な端末位置を推定する。
【0090】
具体的には、まず、上述にて求めたラフな端末位置情報を元に、各AP1〜AP3の角度(例えば、真北に対する角度)を算出する。次に、補正演算部で求めた補正後の利得データから各AP1〜AP3毎の補正利得データを抽出する。次に、各AP1〜AP3からの距離dを上述した式(1)から算出する。その際、上述した式(1)におけるPtx、Gtxは、予め設定された固定値とし、Grxは上述した各AP1〜AP3毎の補正された利得データで求めた値を用いる。次に、上述して求めた各APからの距離を元に3点測位により位置を推定する。
【0091】
<実施例3における処理手順>
ここで、実施例3における補正処理手順についてフローチャートを用いて具体的に説明する。図13は、実施例1における測位補正処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、図13に示すフローチャートは、一例として静電容量センサを2つ有し、更に地磁気センサを有して、人体との接触度判定結果、接触面判定結果、及び情報により補正を行う。
【0092】
図13において、測位制御部151は、接触・方向検出制御部143をONにし、人体接触情報検出部12、及び方向検出部51のセンサ制御部をEnableに設定する(S21)。次に、方向検出部51は、センサ制御部511が地磁気センサ512をONにし、データを取得する(S22)。また、S22の処理で得られた結果に基づいて姿勢判定部513により情報処理装置50の姿勢(方向・角度等)を判定し、得られた結果を補正演算部142に出力する(S23)。
【0093】
また、人体接触情報検出部12は、上述したようにセンサ制御部121が静電容量センサ(図10の例では、背面静電容量センサ122−1,前面静電容量センサ122−2)をONにし、データを取得する(S24)ここで、S24の処理が終了後、接触面判定部124にて人体の接触面を判定し、結果を補正演算部142に出力する(S25)。また、接触度判定部123にて人体の接触度を判定し、結果を補正演算部142に出力する(S26)。
【0094】
補正演算部142は、人体の接触面、接触度情報、端末の方向情報を元に、記録部13から読み出したデータの補正を行い、補正したデータを測位部15に出力する(S27)。
【0095】
その後、距離推定部152は、各AP1〜AP3からの受信強度(RSSI)及びS27により得られた補正前の利得情報を用いて受信アンテナ利得を補正し、各APからの距離を推定する、また、測位結果判定部153は、各AP1〜AP3からの距離情報を元に3点測位により位置を計算する(S29)。
【0096】
次に、測位結果判定部153は、求めたラフな端末位置情報を元に、各APの角度(真北に対する角度)を算出し、補正演算部142で求めた補正後の利得データから各APの補正利得データを抽出する(S30)
また、距離推定部152は、各AP1〜AP3からの受信強度(RSSI)、補正した利得データを元に各APからの距離を推定し(S31)、測位結果判定部153にて、各AP1〜AP3からの距離情報を元に3点測位により位置を計算して(S32)、表示部16に結果を表示する(S33)。
【0097】
ここで、測位制御部151は、実施例3における補正測位処理を終了するか否かを判断し(S34)、終了しない場合(S34において、NO)、S21に戻り後続の処理を繰り返し行う。また、測位制御部151は、S34の処理において、処理を終了する場合(S34において、YES)、実施例3における補正測位処理を終了する。
【0098】
なお、上述した実施例で説明した測位補正処理は、コンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよい。このプログラムをサーバ等からインストールしてコンピュータに実行させることで、上述した測位補正処理を実現することができる。
【0099】
また、このプログラムを記録媒体に記録し、このプログラムが記録された記録媒体をコンピュータや携帯端末に読み取らせて、上述した測位補正処理を実現させることも可能である。なお、記録媒体は、CD−ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスク等のように情報を光学的、電気的或いは磁気的に記録する記録媒体、ROM、フラッシュメモリ等のように情報を電気的に記録する半導体メモリ等、様々なタイプの記録媒体を用いることができる。また、上述した各実施例で説明した測位補正処理は、1つ又は複数の集積回路に実装してもよい。
【0100】
以上、各実施例について詳述したが、特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、上記変形例以外にも種々の変形及び変更が可能である。
【0101】
なお、以上の実施例に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
アクセスポイントから得られる受信強度に基づいて測位を行う情報処理装置において、
前記情報処理装置と誘電体との接触情報を検出する接触情報検出部と、
前記接触情報に対応する利得データを含む利得テーブルを記録する記録部と、
前記記録部の利得テーブルから、前記接触情報検出部により得られる前記接触情報に対応する利得データを抽出し、抽出した利得データを用いて利得を補正する補正部と、
前記補正部により得られる利得と、前記受信強度とを用いて測位を推定する測位部とを有することを特徴とする情報処理装置。
(付記2)
前記利得データは、受信アンテナ利得データを含むことを特徴とする付記1に記載の情報処理装置。
(付記3)
前記接触情報検出部は、
前記誘電体からの静電容量を測定する静電容量センサを有することを特徴とする付記2に記載の情報処理装置。
(付記4)
前記静電容量センサから得られる静電容量に基づいて前記誘電体との接触度を判定する接触度判定部を有することを特徴とする付記3に記載の情報処理装置。
(付記5)
前記利得テーブルは、前記接触度に対応付けた前記受信アンテナ利得データを含むことを特徴とする付記4に記載の情報処理装置。
(付記6)
前記静電容量センサは、異なる位置に複数設けられることを特徴とする付記4又は5に記載の情報処理装置。
(付記7)
複数の静電容量センサから得られる静電容量の大きさの違いから前記誘電体との接触面を判定する接触面判定部を有することを特徴とする付記6に記載の情報処理装置。
(付記8)
前記利得テーブルは、前記接触度と前記接触面とに対応付けた前記受信アンテナ利得データを含むことを特徴とする付記7に記載の情報処理装置。
(付記9)
前記情報処理装置の姿勢情報を検知する姿勢検知部を有することを特徴とする付記8に記載の情報処理装置。
(付記10)
前記利得テーブルは、前記接触度と、前記接触面と、前記姿勢情報とを対応付けた前記受信アンテナ利得データを含むことを特徴とする付記9に記載の情報処理装置。
(付記11)
アクセスポイントから得られる受信強度に基づいて測位を補正する補正方法において、
前記測位を行う情報処理装置と誘電体との接触情報を検出し、
記録部に予め記録された利得テーブルから、検出された前記接触情報に対応する利得データを抽出し、抽出した利得データを用いて利得を補正し、
補正された利得と、前記受信強度とを用いて測位する、
処理を有することを特徴とする補正方法。
(付記12)
アクセスポイントから得られる受信強度に基づいて測位を補正する補正プログラムにおいて、
前記測位を行う情報処理装置と誘電体との接触情報を検出し、
記録部に予め記録された利得テーブルから、検出された前記接触情報に対応する利得データを抽出し、抽出した利得データを用いて利得を補正し、
補正された利得と、前記受信強度とを用いて測位する、
処理をコンピュータに実行させるための補正プログラム。
【符号の説明】
【0102】
10,40,50 情報処理装置
11 無線通信部
12 人体接触情報検出部
13 記録部
14 アンテナ利得データ補正部
15 測位部
16 表示部
21 受信アンテナ
31 人体
51 姿勢検知部
121,511 センサ制御部
122 静電容量センサ
123 接触度判定部
141 接触情報検出制御部
142 補正演算部
151 測位制御部
152 距離推定部
153 測位結果判定部
512 地磁気センサ
513 姿勢判定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクセスポイントから得られる受信強度に基づいて測位を行う情報処理装置において、
前記情報処理装置と誘電体との接触情報を検出する接触情報検出部と、
前記接触情報に対応する利得データを含む利得テーブルを記録する記録部と、
前記記録部の利得テーブルから、前記接触情報検出部により得られる前記接触情報に対応する利得データを抽出し、抽出した利得データを用いて利得を補正する補正部と、
前記補正部により得られる利得と、前記受信強度とを用いて測位する測位部とを有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記利得データは、受信アンテナ利得データを含むことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記接触情報検出部は、
前記誘電体からの静電容量を測定する静電容量センサを有することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記静電容量センサから得られる静電容量に基づいて前記誘電体との接触度を判定する接触度判定部を有することを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記利得テーブルは、前記接触度に対応付けた前記受信アンテナ利得データを含むことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記静電容量センサは、異なる位置に複数設けられることを特徴とする請求項4又は5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
複数の静電容量センサから得られる静電容量の大きさの違いから前記誘電体との接触面を判定する接触面判定部を有することを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記利得テーブルは、前記接触度と前記接触面とに対応付けた前記受信アンテナ利得データを含むことを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記情報処理装置の姿勢情報を検知する姿勢検知部を有することを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記利得テーブルは、前記接触度と、前記接触面と、前記姿勢情報とを対応付けた前記受信アンテナ利得データを含むことを特徴とする請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
アクセスポイントから得られる受信強度に基づいて測位を補正する補正方法において、
前記測位を行う情報処理装置と誘電体との接触情報を検出し、
記録部に予め記録された利得テーブルから、検出された前記接触情報に対応する利得データを抽出し、抽出した利得データを用いて利得を補正し、
補正された利得と、前記受信強度とを用いて測位する、
処理を有することを特徴とする補正方法。
【請求項12】
アクセスポイントから得られる受信強度に基づいて測位を補正する補正プログラムにおいて、
前記測位を行う情報処理装置と誘電体との接触情報を検出し、
記録部に予め記録された利得テーブルから、検出された前記接触情報に対応する利得データを抽出し、抽出した利得データを用いて利得を補正し、
補正された利得と、前記受信強度とを用いて測位する、
処理をコンピュータに実行させるための補正プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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