説明

情報処理装置、車載装置、および、情報処理方法

【課題】車両が走行する地点に応じた適切なタイミングでアドバイス情報を車両のユーザに通知する技術を提供する。
【解決手段】危険種別ごとに異なる、危険種別が設定された地点に車両が近づいた場合に前記車両のユーザに通知すべきアドバイス情報と、アドバイス情報を通知すべき地点からの車両の距離である通知距離とを危険種別に対応付けて記録する。これにより、危険種別に応じて各地点において車両のユーザにアドバイス情報を通知する適切な距離を設定できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両が走行する地点に応じたアドバイス情報を提供する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
車両のユーザーであるドライバーが車両を運転している際に、重大な災害や事故には至らないものの、直結してもおかしくない一歩手前の事例の発見をヒヤリハットという。これはそのような事例に直面した車両のユーザが「ヒヤリ」としたり「ハット」したりすることからそのように呼ばれている。
【0003】
このようなヒヤリハットの危険情報(急ブレーキ、急ハンドル、G検知、エアバック動作、空転、スリップ防止機能作動など)を車両から検出した場合に、その位置情報とともに危険情報を収集し、発生した地点をマップデータとして整備するサーバ装置を備えたセンターが提案されている。センターでは、危険発生地点の統計を取り、データベース化し、車両が危険地点に近づいた際に車両のユーザに危険地点であることなどを通知するアドバイス情報を車両に送信する。車両では、センターから受信したアドバイス情報が車両のユーザに通知される。車両のユーザは、アドバイス情報に基づいて車両を操作することで、事故の発生を防止できる。
【0004】
また、特許文献1では車外カメラを用いて危険事象発生直前の画像情報を解析して危険事象を特定する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−104531号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、車両が危険地点に接近した際に車両のユーザになされるアドバイス情報の通知は、当該地点の危険の種類である危険種別が異なる場合でも同じタイミングで車両のユーザに通知される。このため、危険地点に車両が到達する前に十分な時間的余裕をもって車両のユーザにアドバイス情報を通知する必要がある場合でも、車両のユーザが運転操作などを行うのに十分な時間的余裕がない状態で、車両に備えられた車載装置がアドバイス情報をユーザに通知する場合があった。例えば、車両が走行する車道の先の車線が減少することから車線変更を行う必要がある旨のアドバイス情報の通知である。
【0007】
また逆に、危険地点に車両が到達する直前に車両のユーザにアドバイス情報を通知する必要がある場合に、危険地点に到達する前の時間的に早すぎる段階で車両のユーザにアドバイス情報が通知される場合があった。例えば、車道への人の飛び出しを注意する必要がある旨のアドバイス情報の通知である。このように、危険地点のアドバイス情報の通知が車両のユーザに行われても、危険を回避するのに適切なタイミングでアドバイス情報がユーザに通知されていないため、車両のユーザが危険を回避するのに十分な効果が発揮されない可能性があった。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、車両が走行する地点に応じた適切なタイミングでアドバイス情報を車両のユーザに通知することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、車両に搭載される車載装置に、前記車両が走行する地点に応じたアドバイス情報を提供する情報処理装置であって、前記車両において所定のイベントが発生した時点における、前記車両の地点を示す位置情報と、前記車両に搭載される複数の種類のセンサが検知した内容を示す検知情報とを含む車両情報を、前記車両から取得する取得手段と、複数の車両から取得した前記車両情報に基づいて、複数の地点に、当該地点で検知された前記検知情報を対応付けて記録する第1記録手段と、前記複数の地点ごとに、当該地点に対応付けられた前記検知情報に基づいて当該地点の危険種別を設定する設定手段と、前記危険種別ごとに異なる、前記危険種別が設定された地点に車両が近づいた場合に前記車両のユーザに通知すべき前記アドバイス情報と、前記アドバイス情報を通知すべき前記地点からの前記車両の距離である通知距離とを前記危険種別に対応付けて記録する第2記録手段と、を備える。
【0010】
また、請求項2の発明は、車両に搭載される車載装置において、複数の地点ごとの危険種別と、前記危険種別ごとに異なる前記車両のユーザに通知すべきアドバイス情報及び前記アドバイス情報を通知すべき前記地点からの前記車両の距離である通知距離とを記録する情報処理装置から、前記複数の地点ごとの前記危険種別と、該危険種別に応じた前記アドバイス情報及び前記通知距離とを受信する受信手段と、前記アドバイス情報を表示する表示手段と、現時点の前記車両の位置を取得する取得手段と、前記車両の位置が前記危険種別が設定された地点から前記危険種別に応じた前記通知距離以内に含まれた場合に、前記表示手段に前記危険種別に応じた前記アドバイス情報を表示させる表示制御手段と、を備える。
【0011】
また、請求項3の発明は、請求項2に記載の車載装置において、前記表示手段は、地図画像を表示し、前記表示制御手段は、前記アドバイス情報を表示する場合は、前記表示手段の表示領域を複数に分割し、一の領域に前記地図画像、他の一の領域に前記アドバイス情報を表示させる。
【0012】
また、請求項4の発明は、請求項2または3に記載の車載装置において、前記表示制御手段は、前記危険種別が設定された前記地点の前記地図画像上の位置に、前記危険種別に応じたアドバイス情報を対応付けて表示させる。
【0013】
また、請求項5の発明は、車両のユーザへの通知方法であって、(a)複数の地点ごとの危険種別と、前記危険種別ごとに異なる前記車両のユーザに通知すべきアドバイス情報及び前記アドバイス情報を通知すべき前記地点からの前記車両の距離である通知距離とを記録する情報処理装置から、前記複数の地点ごとの前記危険種別と、該危険種別に応じた前記アドバイス情報及び前記通知距離とを受信する工程と、(b)現時点の前記車両の位置を取得する工程と、(c)前記車両の位置が前記危険種別が設定された地点から前記危険種別に応じた前記通知距離以内に含まれた場合に、前記危険種別に応じた前記アドバイス情報を表示する工程と、を備える。
【0014】
また、請求項6の発明は、車両に搭載される車載装置に、前記車両が走行する地点に応じたアドバイス情報を提供する情報処理装置であって、前記車両において所定のイベントが発生した時点における、前記車両の地点を示す位置情報と、前記車両に搭載される複数の種類のセンサが検知した内容を示す検知情報とを含む車両情報を、前記車両から取得する取得手段と、複数の車両から取得した前記車両情報に基づいて、前記地点で検知された前記検知情報を対応付けて記録する第1記録手段と、前記地点に対応付けられた前記検知情報に基づいて当該地点の危険種別を設定する設定手段と、前記危険種別ごとに異なる、前記危険種別が設定された地点に車両が近づいた場合に前記車両のユーザに通知すべき前記アドバイス情報と、前記アドバイス情報を通知すべき前記地点からの前記車両の距離である通知距離とを前記危険種別に対応付けて記録する第2記録手段と、を備える。
【0015】
さらに、請求項7の発明は、車両に搭載される車載装置において、前記車両が走行した地点ごとの危険種別と、前記危険種別ごとに異なる前記車両のユーザに通知すべきアドバイス情報及び前記アドバイス情報を通知すべき前記地点からの前記車両の距離である通知距離とを記録する情報処理装置から、前記地点ごとの前記危険種別と、該危険種別に応じた前記アドバイス情報及び前記通知距離とを受信する受信手段と、前記アドバイス情報を表示する表示手段と、現時点の前記車両の位置を取得する取得手段と、前記車両の位置が前記危険種別が設定された地点から前記危険種別に応じた前記通知距離以内に含まれた場合に、前記表示手段に前記危険種別に応じた前記アドバイス情報を表示させる表示制御手段と、を備える。
【発明の効果】
【0016】
請求項1ないし7の発明によれば、危険種別ごとに異なる、危険種別が設定された地点に車両が近づいた場合に車両のユーザに通知すべきアドバイス情報と、アドバイス情報を通知すべき地点からの車両の距離である通知距離とを危険種別に対応付けて記録することで、危険種別に応じて各地点において車両のユーザにアドバイス情報を通知する適切な距離を設定できる。
【0017】
また、特に請求項2の発明によれば、車両の位置が危険種別が設定された地点から危険種別に応じた通知距離以内に含まれた場合に、表示手段に危険種別に応じたアドバイス情報を表示させることで、車両のユーザが地点の危険に対して注意すべき適切なタイミングでアドバイス情報を表示できる。
【0018】
また、特に請求項3の発明によれば、表示制御手段は、アドバイス情報を表示する場合は、表示手段の表示領域を複数に分割し、一の領域に地図画像、他の一の領域にアドバイス情報を表示させることで、車両のユーザへ地点に対するアドバイス情報の表示を適切に行える。
【0019】
さらに、特に請求項4の発明によれば、表示制御手段は、地図画像に表示された地点に対応付けてアドバイス情報を表示させることで、車両のユーザは表示されているアドバイス情報が地図画像のどの地点に対応しているのかを判別できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、複数の車両と情報処理装置との間で情報の送受信を行う情報処理システムを示す図である。
【図2】図2は、情報処理システムのブロック図である。
【図3】図3は、ナビゲーション装置におけるデータ記録部の個人情報DBの一例を示す図である。
【図4】図4はナビゲーション装置におけるデータ記録部の車両情報DBの一例を示す図である。
【図5】図5は、センターにおけるデータ記録部の統計DBの一例を示す図である。
【図6】図6は、センターにおけるデータ記録部の危険種別判定DBの一例を示す図である。
【図7】図7は、センターにおけるデータ記録部のアドバイス情報DBの一例を示す図である。
【図8】図8は、ナビゲーション装置、及び、センターのアドバイスマップDBの一例を示す図である。
【図9】図9は、表示部14に表示されるアドバイス情報の一例を示した図である。
【図10】図10は、表示部14に表示されるアドバイス情報の別の例を示した図である。
【図11】図11は、車両の車両情報に関する処理を示すフローチャートである。
【図12】図12は、アドバイス情報に関する処理を示すフローチャートである。
【図13】図13は、ナビゲーション装置にアドバイス情報を表示する処理のフローチャートである。
【図14】図14は、表示部14に表示されるアドバイス情報の一例を示した図である。
【図15】図15は、表示部14に表示されるアドバイス情報の一例を示した図である。
【図16】図16は、地点にアドバイス情報を対応付けて表示する例を示す図である。
【図17】図17は、地点にアドバイス情報を対応付けて表示する例を示す図である。
【図18】図18は、地点にアドバイス情報を対応付けて表示する別の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下では、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、この説明では、データベースを「DB」と略称する。
【0022】
<1.構成>
<1−1.システム概要>
図1は、複数の車両1と情報処理装置31との間で情報の送受信を行う情報処理システム10を示す図である。情報処理システム10は、各車両1に搭載される車載用ナビゲーション装置(以下、「ナビゲーション装置」ともいう。)11と、サーバ装置である情報処理装置(以下、「センター」ともいう。)31との間で情報の送受信を行う。
【0023】
<1−2.システム構成>
図2は、情報処理システム10のブロック図である。図に示すように、情報処理システム10は、相互に情報の送受信を行う車両1とセンター31とを備えている。
【0024】
車両1は、ナビゲーション装置11、ドライブレコーダ装置21、速度センサ22、ステアリングセンサ23、視線センサ24、着座センサ25、及び、車外カメラ26を備えている。
【0025】
ナビゲーション装置11は、GPS(Global Positioning System)情報受信部17が受信した信号により、制御部12が車両1の現在位置を取得する。また、車両1の現在位置からユーザが設定する目的地までのルート案内を行う。そして、車両1の現在位置、及び、目的地などの情報を表示部14に表示される地図画像上に表示する。
【0026】
ナビゲーション装置11は、制御部12、データ記録部13、表示部14、音声出力部15、操作部16、GPS情報受信部17、通信部18を主に備えている。
【0027】
制御部12は、ナビゲーション装置11の各部からの信号を受信して各種の制御処理を行う。また、制御部12は、後述するセンター31から送信される地点に関する情報を受信して、表示部14に当該地点に関する車両1のユーザへのアドバイス情報を表示する。ここで、アドバイス情報とは、過去に複数の車両のユーザが当該地点において危険を感じたデータをセンター31で蓄積し、蓄積されたデータに基づいて車両1のユーザに当該地点の危険の内容を通知する情報である。
【0028】
データ記録部13は、例えば、ハードディスクであり、ナビゲーション装置11を制御する各種情報を含むデータベースを記録している。データ記録部13には、個人情報DB13a、車両情報DB13b、アドバイスマップDB33d、及び、地図DB13cが主なデータベースとして記録されている。
個人情報DB13aは、車両1のユーザの生体情報の基準値を記録するDBである。詳細には、後述する車両情報DB13bに記録された車両1のユーザの生体情報の状態変化を判定するために用いられる基準値を記録したDBである。
【0029】
車両情報DB13bは、車両1に備えられた複数の種類のセンサが検知した内容を示す検知情報と当該検知情報を取得した地点の位置情報とを対応付けて記録するDBである。ここで、車両情報DB13bに情報が記録されるタイミングは、車両1において所定のイベントが発生した時点である。より具体的には、車両1に備えられた複数の種類のセンサのうち速度センサ22、及び、ステアリングセンサ23の少なくとも一つのセンサ(以下、「トリガセンサ」ともいう。)により検出される値が所定の条件を満足した時点である。また、以下では検知情報及び位置情報を含む情報を車両情報ともいう。
【0030】
そして、車両情報DB13bには、トリガセンサが所定の条件を満足した時点(所定のイベントが発生した時点)における車両1の地点を示す位置情報と、その時点にける複数の種類のセンサが検知した内容を示す検知情報とを含む車両情報が記録される。ここで、複数の種類のセンサとはトリガセンサ以外にも、ドライブレコーダ装置21、視線センサ24、着座センサ25、及び、車外カメラ26などの車両1に備えられた各種センサをいう。
【0031】
アドバイスマップDB33dは、危険種別が設定された地点ごとのアドバイス情報を記録するDBである。アドバイスマップDB33dに記録されるアドバイス情報は地点に対応する危険種別に応じて設定される。また、アドバイスマップDB33dには、危険種別が設定された地点に車両1が近づいた場合にアドバイス情報を通知すべき当該地点からの車両1の距離が記録される。つまり、危険種別が設定された地点とユーザにアドバイス情報を通知すべき地点との間の距離の値が記録される。
【0032】
地図DB13cは、表示部14に表示される地図画像を記録するDBである。また、地図DB13cには各地点ごとの緯度、及び、経度の情報が記録されている。
【0033】
表示部14は、ナビゲーション装置11に備えられたディスプレイであり、制御部12の処理により地図DB13cに記録されている地図画像、及び、車両1の現在位置を示す画像を表示する。また、表示部14は、危険種別が設定された地点に車両1が近づいた場合に、車両1のユーザに通知すべきアドバイス情報を表示する。
【0034】
なお、表示部14はタッチパネルとしても用いられ、ユーザの指などが表示部14に接触することで制御部12に信号が出力され、ナビゲーション装置11の各種機能の操作が可能となる。
【0035】
音声出力部15は、制御部12の処理によるルート案内を行う場合、及び、アドバイス情報をユーザに通知する場合の音声出力を行う。また、音声出力部15は、オーディオ機能による音響情報の出力などを行う。
【0036】
操作部16はナビゲーション装置11に設けられたハードスイッチ、及び、リモコンなどであり、ユーザの操作により制御部12に信号が出力され、ナビゲーション装置11の各種機能が実行される。
【0037】
GPS情報受信部17は、GPS衛星からの電波の信号を受信し、受信した信号を制御部12へ出力する。GPSは、地球を周回する多数のGPS衛星のうち少なくとも3つ以上の衛星からの電波に基づいて車両の位置を測位するシステムである。
【0038】
通信部18はナビゲーション装置11とセンター31との双方向の通信を実施する際の信号の送受信を行う。
【0039】
ドライブレコーダ装置21は、所定の閾値を超えるG値を検地した場合に、画像情報を図示しないメモリに保存する。たとえば、重力加速度を1Gの基本単位として、加速度の変化量をこの基本単位に換算した値を加速度情報とする。この加速度情報が閾値0.5Gを超えている場合は常時記録している画像情報のうちの所定の閾値を超えるG値を検出した時点から前後合計20秒間の画像情報をメモリーカードなどの記憶媒体に記録する。そして、この所定の閾値を超えるG値を検出した情報を後述するナビゲーション装置11の制御部12に出力する。
【0040】
速度センサ22は、車両1の速度を検知して、制御部12へ情報を出力する。なお、この速度センサ22により、たとえば、1秒間あたりに10km/h以上の急加速、及び、急減速のいずれかを制御部12が検知した場合、車両1に備えられた速度センサ22の検知した内容が所定の条件を満足したこととなり、車両情報DB13bに速度センサ22が検知した情報と共に、車両1の他のセンサが検知した情報が記録される。
【0041】
また、速度センサ22の検知した内容が所定の条件を満足した時点における、車両1の地点を示す位置情報が、車両情報DB13bに記録される。
【0042】
ステアリングセンサ23は、ステアリングの回転角速度を検出して、制御部12へ情報を出力する。なお、ステアリングセンサ23により、ステアリングの回転角速度が所定値を超えた場合は、車両1に備えられたステアリングセンサ23が検知した内容が所定の条件を満足したこととなり、車両情報DB13bにステアリングセンサ23が検知した情報と共に、車両1の他のセンサが検知した情報が記録される。
【0043】
また、ステアリングセンサ23が検知した内容が所定の条件を満足した時点における、車両1の地点を示す位置情報が、車両情報DB13bに記録される。
【0044】
視線センサ24は、ドライバーの顔を撮影し、制御部12へ情報を送信する。なお、制御部12は図示しない画像解析装置により撮影画像のドライバーの目の部分の画像解析を行い、ドライバーの視線方向を検出する。
【0045】
着座センサ25は、車両1のシートに着座するユーザの心拍値を検知するセンサであり、シートの背部に設けられたセンサからユーザの心拍値を検知する。そして、着座センサ25は検知した情報を制御部12に出力する。
【0046】
車外カメラ26は、車両1外部の周辺を撮影するカメラであり、撮影した情報が制御部12に出力される。
【0047】
センター31は、CPU、RAM、ROM、ハードディスク等を備えた一般的なコンピュータである。また、センター31は、ナビゲーション装置11から通信部18を介して送信される車両1からの各種情報を通信部34を介して受信する。
具体的には、車両1に備えられたセンサが検知した内容が所定の条件を満足した時点における車両1の位置情報と、当該地点で各種センサが検知した検知情報とを含む車両情報が、ナビゲーション装置11の通信部18を介してセンター31に送信される。そして、センター31が通信部34を介して車両情報を受信し、地点ごとの危険種別、及び、アドバイス情報などを設定する。
【0048】
センター31は制御部32、データ記録部33、及び、通信部34を主に備えている。制御部32は、ナビゲーション装置11から受信した車両情報に基づいて、車両情報が検出された地点の危険種別、及び、アドバイス情報の設定などの各種処理を行う。
【0049】
データ記録部33は、例えば、ハードディスクであり、統計DB33a、危険種別判定DB33b、アドバイス情報DB33c、アドバイスマップDB33d、及び、地図DB33eを主なデータベースとして記録している。
【0050】
統計DB33aは、複数の車両から取得された車両情報に基づいて、複数の地点に、当該地点で検知された検知情報を対応付けて記録するDBである。
【0051】
危険種別判定DB33bは、車両1の各種センサで検知された検知内容に対応する危険種別を記録するDBである。
【0052】
アドバイス情報DB33cは、危険種別と危険種別に対応付けられたアドバイス情報とを記録するDBである。また、アドバイス情報DB33cは、アドバイス情報を通知すべき地点からの車両の距離である通知距離を危険種別に対応付けて記録したDBである。つまり、危険種別が設定された地点と車両のユーザにアドバイス情報を通知すべき地点との距離の値を記録したDBである。
【0053】
アドバイスマップDB33dは、センター31から通信部34を介してナビゲーション装置11に送信される地点ごとのアドバイス情報を記録するDBである。アドバイスマップDB33dは、通信部18を介してナビゲーション装置11に受信され、データ記録部13に記録される。
【0054】
地図DB33eは、危険種別が設定された各地点を含む地図画像を記録したDBである。また、地図DB33eには各地点ごとの緯度、及び、経度の情報が記録されている。
【0055】
通信部34はセンター31とナビゲーション装置11との双方向の通信を実施する際の信号の送受信を行う。
【0056】
<2.データベース>
以下に、ナビゲーション装置11のデータ記録部13、及び、センター31のデータ記録部33が備える各種DBのうち主要なDBについて詳細に説明する。
【0057】
図3は、ナビゲーション装置11におけるデータ記録部13の個人情報DB13aの一例を示す図である。個人情報DB13aは、車両1に備えられた着座センサ25から取得されるユーザの生体情報である心拍情報の基準値が記録されたDBである。
【0058】
<2−1.個人情報DB>
図3に示す個人情報DB13aには、次のように2つの項目がある。(1)車両1のユーザを識別する情報を示す「ユーザID」の項目。(2)ユーザの生体情報である心拍値の基準情報を示す「基準心拍値(bpm)」の項目。個人情報DB13aには「ユーザID」123、及び、「基準心拍値(bpm)」80が記録されている。
【0059】
このように個人情報DB13aに記録されている情報は、車両1に備えられたトリガセンサが検知した内容が所定の条件を満足した時点における地点で、着座センサ25の信号により制御部12が検知した車両1のユーザの心拍値の状態変化を判定するための基準値となるものである。
【0060】
<2−2.車両情報DB>
図4はナビゲーション装置11におけるデータ記録部13の車両情報DB13bの一例を示す図である。車両情報DB13bには、車両1の複数の種類のセンサが検知した内容を示す検知情報と当該検知情報を取得した地点の位置情報とが対応付けて記録されている。
【0061】
車両情報DB13bには、次の7つの項目がある。(1)車両1のユーザを識別する情報を示す「ユーザID」の項目。(2)車両情報を取得した車両1の地点を示す「地点」の項目。(3)所定の条件を満足したトリガセンサを示す「トリガ情報」の項目。(4)車両1の運転中のユーザの視線方向を示す「視線方向」の項目。(5)車両1の速度を示す「車速(km/h)」の項目。(6)車両1の外部の情報を撮影した情報を示す「画像情報」の項目。(7)ユーザの心拍数を示す「心拍値(bpm)」の項目。
【0062】
車両DB13bには、「ユーザID」123、「地点」A、「トリガ情報」急ハンドル、「視線方向」左前方向、「車速(km/h)」80、「画像情報」あり、「心拍値(bpm)」100の情報が記録されている。
【0063】
このように車両情報DB13bは、車両に備えられた速度センサ22及びステアリングセンサ23の少なくともいずれかのセンサ(トリガセンサ)が検知した内容が所定の条件を満足した時点における、車両1の地点を示す位置情報を記録する。また、車両情報DB13bは、トリガセンサを含む車両1に備えられた複数の種類のセンサが検知した内容を示す検知情報を記録する。そして、位置情報と検知情報とを含む車両情報が、通信部18及び通信部34を介してナビゲーション装置11からセンター31に送信される。
【0064】
<2−3.統計DB>
図5は、センター31におけるデータ記録部33の統計DB33aの一例を示す図である。統計DB33aは、複数の車両1から取得された車両情報が蓄積されたDBである。統計DB33aで示される数値は、各項目が示す条件下で取得された車内情報の数(検知情報数)を示している。
【0065】
統計DB33aには、所定の条件を満足したトリガセンサを示す「トリガ情報」が示されている。「トリガ情報」としては、「急減速」、「急加速」、及び「急ハンドル」の項目がある。また、各トリガ情報の項目(急減速、急加速、及び、急ハンドル)には、複数の種類のセンサから取得した情報である「車速」、「視線方向」、「生体情報」および、「画像情報」の項目が対応している。
【0066】
例えば、地点Aでは、「急減速」の検知情報数が10、「急加速」の検知情報数が0、「急ハンドル」の検知情報数が99である。その結果、全ての検知情報数のうちの8割を超える「急ハンドル」がA地点の代表的なトリガ情報となる。なお、この例では検知情報数の8割の値が代表トリガ情報を決定する閾値となっている。
【0067】
次にA地点の代表トリガ情報の「急ハンドル」に対する「車速」は「法定速度より遅い」が5、「法定速度+10km/h」が10、「法定速度+20km/h」が12、「法定速度+30km/h」が72である。その結果、検知情報数が閾値(検知情報数全体の8割の値)を超える「法定速度+30km/h」が「車速」の主要項目となる。
【0068】
また、「車速」と同様に「視線方向」、「生体情報」、及び、「画像情報」についても検出情報数に基づき主要項目を導出する。その結果、「視線方向」は「左前方向」、「生体情報」は「心拍」、「画像情報」は「情報なし」、となる。なお、「生体情報」は「心拍」の項目のみであることから、例えば、トリガ情報の検出情報数の半分を超える値が検出されている場合に「生体情報」の主要項目とする。
【0069】
上記A地点における代表トリガ情報、及び、各項目の主要項目の導出と同様の手法で、B地点について代表トリガ情報、及び、各項目の主要項目を導出する。その結果、B地点の「代表トリガ情報」は急減速となる。また、各項目の主要項目は「車速」が「法定速度+10km/h」、及び、「法定速度+20km/h]、「視線方向」は「正面」、「生体情報」が「心拍」、「画像情報」が「標識が見えにくい」となる。
【0070】
ここで、「車速」が2つの項目を主要項目としているのは、最も多い検知回数の項目で全体の検知情報数の8割を超えない場合に2番目に検知回数の多い項目を合わせて、全体の8割を超える場合は、2つの項目を主要項目とするためである。さらに、画像情報の項目は、撮影された画像情報を分析した結果を示すものである。
【0071】
このように、統計DB33aは複数の車両から取得した車両情報に基づいて、複数の地点に、当該地点で検知された検知情報を対応付けて記録する。また、統計DB33aは次に説明する各地点の危険種別を判定するための情報となる。
【0072】
<2−4.危険種別判定DB>
図6は、センター31におけるデータ記録部33の危険種別判定DB33bの一例を示す図である。危険種別判定DB33bは、統計DB33aにおいて複数の地点ごとに、当該地点に対応付けられた検知情報に基づいて、当該地点の危険種別を判定する場合に用いられるDBである。
【0073】
危険種別判定DB33bには、次の6つの項目があり、「危険種別」に対して5つの条件が対応付けられている。(1)地点の危険の種類を示す「危険種別」の項目。(2)所定の条件を満足したトリガセンサを示す「トリガ情報」の項目。(3)速度センサ22により検知される「車速」の項目。(4)視線センサ24により検知される「視線方向」の項目。(5)着座センサ25により検知される「生体情報」の項目。(6)車外カメラ26により検知される「画像情報」の項目。
【0074】
危険種別判定DB33bでは、「危険種別」「飛び出し」に関して、「代表トリガ情報」急減速、「車速」法定速度+20km/h、「視線方向」条件なし、「生体情報」心拍値の基準値超え、「画像」有りの条件が対応付けられている。その結果、統計DB33aに記録されたB地点については、これらの条件を満足することから「危険種別」は「飛び出し」と設定される。
【0075】
また、危険種別」「合流」に関して、「代表トリガ情報」急ハンドル、「車速」法定速度+30km/h以上、「視線方向」条件なし、「生体情報」心拍値の基準値超えあり、「画像」条件なしの条件が対応付けられている。その結果、統計DB33aに記録されたA地点については、これらの条件を満足することから「危険種別」は、「合流」と設置される。
【0076】
ここで、項目における条件なしとは、当該項目の検知情報の有無、及び、検知内容にかかわらず条件を満たすことを示す。
【0077】
このように複数の地点ごとに、当該地点に対応付けられ、統計DB33aに蓄積された検知情報と危険種別判定DB33bに記録された情報とに基づいて各地点の危険種別を制御部32が設定する。
【0078】
<2−5.アドバイス情報DB>
図7は、センター31におけるデータ記録部33のアドバイス情報DB33cの一例を示す図である。アドバイス情報DB33cは、危険種別に対応して表示部14に表示されるアドバイス情報を記録するDBである。また、アドバイス情報DB33cは、アドバイス情報をユーザへ通知する地点からの車両1の距離である通知距離を記録したDBである。
【0079】
アドバイス情報DB33cには、次の3つの項目がある。(1)地点の危険の種類を示す「危険種別」の項目。(2)危険種別が設定された地点に車両が近づいた場合にユーザに通知され、危険種別ごとに内容が異なる「アドバイス情報」の項目。(3)アドバイス情報を通知すべき地点からの車両1の距離である「通知距離(m)」の項目。
【0080】
アドバイス情報DB33cには、「危険種別」飛び出し、「アドバイス情報」AD1、「通知距離(m)」30の情報が記録されている。また、「危険種別」合流、「アドバイス情報」AD2、「通知距離(m)」300の情報が記録されている。
【0081】
このようにアドバイス情報DB33には、飛び出し、及び、合流などの危険種別に対応した異なるアドバイス情報(AD1、及び、AD2)が記録されている。また、飛び出し、及び、合流などの危険種別に対応して異なる通知距離(30m、及び、300m)が記録されている。
【0082】
<2−6.アドバイスマップDB>
図8は、ナビゲーション装置11、及び、センター31のアドバイスマップDB33dの一例を示す図である。アドバイスマップDB33dは、危険種別が設定された地点ごとのアドバイス情報を記録するDBである。また、アドバイスマップDB33dには、危険種別が設定された地点に車両1が近づいた場合にアドバイス情報を通知すべき危険種別が設定された地点からの距離が記録される。つまり、アドバイスマップDB33dには、複数の地点ごとの危険種別と、危険種別に対応付けて記録されたアドバイス情報、及び、通知距離とが記録されている。
【0083】
アドバイスマップDB33dには、次の4つの項目がある。(1)危険種別が設定された位置を示す「地点」の項目。(2)各地点の危険の種類を示す「危険種別」の項目。(3)危険種別が設定された地点に車両が近づいた場合にユーザに通知され、危険種別ごとに内容が異なる「アドバイス情報」の項目。(4)アドバイス情報を通知すべき地点からの車両1の距離である「通知距離(m)」の項目。
【0084】
アドバイスマップ33dには、「地点」B、「危険種別」飛び出し、「アドバイス情報」AD1、「通知距離(m)」30が記録されている。また「地点」A、「危険種別」合流、「アドバイス情報」AD2、「通知距離(m)」300が記録されている。
【0085】
このように、アドバイスマップDB33dは、危険種別が設定された地点ごとにアドバイス情報と通知距離とを当該地点の危険種別に対応付けて記録する。これにより、危険種別に応じて各地点において車両1のユーザにアドバイス情報を通知する適切な距離を設定できる。
【0086】
<3.表示画像>
図9は、表示部14に表示されるアドバイス情報の一例を示した図である。表示部14には、地図DB13cから読み出された地図画像DP1を制御部12が表示する。そして、地図画像上には、車両1の現在位置を示す車両指標P101(以下、「指標P101」ともいう。)と、危険種別が設定された地点を示す危険指標M11(以下、「指標M11」ともいう。)とが主に表示される。
【0087】
指標M11は、車両1が近づいた場合に表示部14にアドバイス情報を表示する地点を示す。通知距離d1は地点を中心とする略円形の領域AR1として指標M11の地点の周囲に設定されている。なお、指標M11の地点はアドバイスマップDB33dに記録されている地点Bに対応する。その結果、指標M11の地点のアドバイス情報はAD1、通知距離(d1)は30mとなる。
【0088】
そして、車両1の指標P101の位置が指標M11の地点から30m通知距離d1)以内に含まれた場合に、危険種別(飛び出し)に対応したアドバイス情報(AD1)を表示部14に表示する。
【0089】
詳細には、図9に示すように、車両1の現時点の位置を示す指標P101の位置が通知距離30m以内となったことで、表示部14の地図画像DP1が表示されている領域を複数に分割し、一の領域に地図画像DP1の略半分の大きさの領域である地図画像DP1aを制御部12が表示する。また、地図画像DP1を表示していた他の一の領域に地点の危険種別に対応付けられたアドバイス情報AD1を制御部12が表示する。本実施の形態では左右の2つの領域に分割し、左側の領域に地図画像、右側の領域にアドバイス情報が表示される。これにより、車両のユーザへ危険種別が設定された地点に対するアドバイス情報の表示を適切に行える。
【0090】
図10は、表示部14に表示されるアドバイス情報の別の例を示した図である。表示部14には、地図DB13cから読み出された地図画像DP2を制御部12が表示する。そして、地図画像上には、車両1の現在位置を示す車両指標P201(以下、「指標P201」ともいう。)と、危険種別が設定された地点を示す危険指標M21(以下、「指標M21」ともいう。)とが主に表示されている。
【0091】
指標M21は、車両1が近づいた場合に表示部14にアドバイス情報を表示する地点を示す。通知距離d2は地点を中心とする略円形の領域AR2として指標M21の地点の周囲に設定されている。なお、指標M21の地点はアドバイスマップDB33dに記録されている地点Aに対応する。その結果、指標M21の地点のアドバイス情報はAD2、通知距離(d2)は300mとなる。
【0092】
そして、車両1の指標P201の位置が指標M21の地点から300m(通知距離d2)以内に含まれた場合に、危険種別(合流)に対応したアドバイス情報(AD2)を表示部14に表示する。
【0093】
詳細には、図10に示すように、車両1の現時点の位置を示す指標P201の位置が通知距離300m以内となったことで、表示部14の地図画像DP2が表示されている領域を複数に分割し、一の領域に地図画像DP2の略半分の大きさの領域である地図画像DP2aを制御部12が表示する。また地図画像DP2を表示していた他の一の領域にアドバイス情報AD2を制御部12が表示する。
【0094】
上記の図9及び図10で説明したように、飛び出し、及び、合流の危険種別に応じてアドバイス情報を通知する距離を異ならせることで、車両1のユーザが地点の危険に対して注意すべき適切なタイミングでアドバイス情報を表示できる。
【0095】
<4.処理フローチャート>
<4−1.車両における車両情報検知>
図11は、車両1の車両情報に関する処理を示すフローチャートである。車両1のトリガセンサの検知内容が所定の条件を満足している場合(すなわち所定のイベントが発生した場合)(ステップS101がYes)は、ステップS102の処理へ進む。なお、トリガセンサの検知内容が所定の条件を満足していない場合(ステップS101がNo)は、処理を終了する。
【0096】
ステップS102では、車両1の位置情報と車両に備えられた複数の種類のセンサの検知情報とを含む車両情報を車両情報DB13bに制御部12が記録して(ステップS102)、ステップS103の処理へ進む。
【0097】
ステップS103では、車両DB13bの車両情報を制御部12が通信部18を介してセンター31に送信する(ステップS103)。
【0098】
センター31では、ナビゲーション装置11から送信された車両情報を通信部34を介して受信し(ステップS201)、ステップS202の処理へ進む。
【0099】
ステップS202では、車両情報に画像情報が含まれている場合(ステップS202がYes)は、制御部32が画像情報を解析して(ステップS203)、ステップS204の処理へ進む。なお、ステップS202において車両情報に画像情報が含まれていない場合(ステップS202がNo)は、ステップS203の処理を行わずにステップS204の処理へ進む。
【0100】
ステップS204では、車両情報をデータ記録部33の統計DB33aに制御部32が記録する(ステップS204)。
【0101】
<4−2.センターにおけるアドバイス情報の設定>
図12は、アドバイス情報に関する処理を示すフローチャートである。センター31の制御部32は統計DB33aを読み出して(ステップS301)、統計DB33aに記録されている複数の地点ごとの危険種別の設定を制御部32が行い(ステップS302)、ステップS303の処理へ進む。危険種別の設定は、危険種別判定DB33bに記録されている情報に基づいて行われ、地点に対応付けられた検知情報に応じて地点ごとの危険種別が設定される。
【0102】
ステップS303では、地点の危険種別に応じたアドバイス情報の設定を制御部32が行い(ステップS303)、ステップS304の処理へ進む。アドバイス情報の設定は、アドバイス情報DB33cに記録されている情報に基づいて行われ、地点に対応付けられた危険情報に応じて地点ごとのアドバイス情報、及び、アドバイス情報を通知する通知距離を制御部32が設定する。
【0103】
ステップS304では、地点に設定された危険種別に対応付けられたアドバイス情報、及び、通知距離情報をアドバイスマップDB33dに制御部32が記録する(ステップS304)。これにより、危険種別に応じて車両のユーザにアドバイス情報を通知する適切な距離を設定できる。
【0104】
<4−3.ナビゲーション装置おけるアドバイス情報の表示>
図13は、ナビゲーション装置11にアドバイス情報を表示する処理のフローチャートである。センター31では、通信部34を介してナビゲーション装置11にアドバイスマップDB33dの情報を制御部32が送信する(ステップS401)。
【0105】
ナビゲーション装置11では、センター31からのアドバイスマップDB33dの情報を通信部18を介して制御部12が受信し(ステップS501)、ステップS502の処理へ進む。
【0106】
ステップS502では、GPS情報受信部17からの信号により制御部12が車両1の現時点の位置を検知し(ステップS502)、ステップS503の処理へ進む。
【0107】
ステップS503では、車両1の現時点の位置がアドバイス情報を通知する通知距離以内の場合(ステップS503がYes)の場合は、ステップS504の処理へ進む。なお、車両1の現時点の位置がアドバイス情報と通知する通知距離以外の場合(ステップS503がNo)は、ステップS502に戻って、車両1の現時点の位置の検知を行う。
【0108】
ステップS504では、表示部14に車両1が近づいている危険種別が設定された地点に対応付けられたアドバイス情報を制御部12が表示させる(ステップS504)。
【0109】
<第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態の情報処理システム10の構成及び処理は第1の実施の形態とほぼ同様であるが、表示部14に表示される危険種別が設定された地点が複数であることが、第1の実施の形態で説明した内容と相違する。このため以下、相違点を中心に説明する。
【0110】
図14、及び、図15は、表示部14に表示されるアドバイス情報の一例を示した図である。表示部14には、地図DB13cから読み出された地図画像DP3を制御部12が表示する。そして、地図画像上には、車両1の現在位置を示す車両指標P301(以下、「指標P301」ともいう。)と、危険種別が設定された地点を示す指標M21、及び、危険指標M31(以下、「指標M31」ともいう。)が表示される。
【0111】
指標M21は、車両1が近づいた場合に表示部14にアドバイス情報を表示する地点を示す。通知距離d3は地点を中心とする略円形の領域AR3として指標M21の地点の周囲に設定されている。ここで、通知距離d2は通知距離d3よりも大きい値である。例えば、通知距離d2が300mで通知距離d3が50mである。
【0112】
そのため、車両1の指標301が指標M21及びM31に近づいた場合に、図14に示すように、車両1との距離が近い指標M31よりも車両1との距離が遠い指標M21の通知距離が大きいため、車両1の表示部14には指標M31の危険種別に対応付けられたアドバイス情報よりも先に指標M21の危険種別に対応付けられたアドバイス情報が表示される。
【0113】
つまり、図14に示すように、車両1の現在位置を示す指標P301の位置が指標M21の地点の通知距離300m以内となったことで、表示部14の地図画像DP3が表示されている領域を複数に分割し、一の領域に地図画像DP1の略半分の大きさの領域である地図画像DP3aを表示する。また、地図画像DP1を表示していた他の一の領域にアドバイス情報AD2を制御部12が表示する。
【0114】
次に、図15に示すように、車両1の現時点の位置を示す指標P301bの位置が指標M31の地点の通知距離30m以内となったことで、表示部14の一の領域に地図画像DP1の略半分の大きさの領域である地図画像DP3bを制御部12が表示する。また、アドバイス情報AD2を表示していた他の一の領域に指標M31の危険種別の対応付けられたアドバイス情報AD3を制御部12が表示する。
【0115】
<第3の実施の形態>
次に、第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態の情報処理システム10の構成及び処理は第2の実施の形態とほぼ同様であるが、表示部14に表示されるアドバイス情報が危険種別の設定された地点に対応付けられている点が相違する。このため以下、相違点を中心に説明する。
【0116】
図16、及び、図17は地点にアドバイス情報を対応付けて表示する例を示す図である。車両1の現在位置を示す指標P301の位置が指標M21の地点の通知距離300m以内となったことで、表示部14の地図画像DP3が表示されている領域を複数に分割し、一の領域に地図画像DP1の略半分の大きさの領域である地図画像DP3aを表示する。
【0117】
また、地図画像DP1を表示していた他の一の領域にアドバイス情報AD2を表示する。そして、他の一の領域に表示されるアドバイス情報AD2aは、対応付けられた地点である指標M21の位置を指し示す。このように危険種別が設定された指標M21の地点の地図画像上の位置に危険種別に応じたアドバイス情報AD2aを対応付けて制御部12が表示する。
【0118】
さらに、車両1の現時点の位置を示す指標P301bの位置が指標M31の地点の通知距離30m以内となったことで、表示部14の一の領域に地図画像DP1の略半分の大きさの領域である地図画像DP3bを表示する。また、アドバイス情報AD2aを表示していた他の一の領域に指標M31の危険種別の対応付けられたアドバイス情報AD3bを表示する。そして、他の一の領域に表示されるアドバイス情報AD3bは、対応付けられた地点である指標M31の位置を指し示す。このように危険種別が設定された指標M31の地点の地図画像上の位置に危険種別に応じたアドバイス情報AD3bを対応付けて制御部12が表示する。これにより、車両1のユーザは表示されているアドバイス情報が地図画像のどの地点に対応しているのかを判別できる。
【0119】
<第4の実施の形態>
次に、第4の実施の形態について説明する。第4の実施の形態の情報処理システム10の構成及び処理は第3の実施の形態とほぼ同様であるが、表示部14に表示されるアドバイス情報の表示方法が相違する。このため以下、相違点を中心に説明する。
【0120】
図18は地点にアドバイス情報を対応付けて表示する別の例を示す図である。車両1の現在位置を示す指標P301の位置が指標M21の地点の通知距離300m以内となったことで、表示部14の地図画像DP3が表示されている地図画像上の一部の領域にアドバイス情報AD2bを制御部12が表示する。そして、アドバイス情報AD2bは、対応付けられた地点である指標M21の位置を指し示す。このように危険種別が設定された指標M21の地点を示す地図画像DP3上に危険種別に応じたアドバイス情報AD2bを対応付けて制御部12が表示する。
【0121】
<変形例>
以下、変形例について説明する。なお、上記の実施の形態、及び、下記で説明する形態を含む全ての形態は適宜に組み合わせ可能である。
【0122】
上記実施の形態では、アドバイス情報が表示されるのは、ナビゲーション装置11の表示部14であると説明したが、これ以外にも車両1に搭載される装置で表示部を備えた装置であれば適用できる。例えば、車外に持ち運び可能なナビゲーション機能を備えた携帯端末の表示部が車両1の各種センサから取得した情報に基づいて、アドバイス情報を表示するようにしてもよい。
【0123】
また、上記実施の形態では、アドバイス情報は表示部14に表示される画像情報として説明したが、画像情報以外の音声出力部15から出力される音響情報であってもよい。
【0124】
さらに、上記実施の形態では、車両1に備えられたセンサが検知した内容が所定の条件を満たした場合に車両情報を検知して車両情報DB13bに記録する。そして、車両情報を検知するトリガとなるセンサは速度センサ22、及び、ステアリングセンサ23の少なくともいずれかのセンサであるとして説明したが、それ以外のセンサであってもよい。例えば、着座センサ25を車両情報を検知するトリガとなるセンサとしてもよい。この場合、着座センサ25により所定のタイミングで検知しているユーザの心拍値が個人情報DB13aに記録している基準心拍値を超えた場合に所定の条件を満たしたとして、車両情報を検知するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0125】
1・・・・・車両
10・・・・情報処理システム
11・・・・ナビゲーション装置
12・・・・制御部
13・・・・データ記憶部
14・・・・表示部
15・・・・音声出力部
16・・・・操作部
17・・・・GPS情報受信部
31・・・・センター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される車載装置に、前記車両が走行する地点に応じたアドバイス情報を提供する情報処理装置であって、
前記車両において所定のイベントが発生した時点における、前記車両の地点を示す位置情報と、前記車両に搭載される複数の種類のセンサが検知した内容を示す検知情報とを含む車両情報を、前記車両から取得する取得手段と、
複数の車両から取得した前記車両情報に基づいて、複数の地点に、当該地点で検知された前記検知情報を対応付けて記録する第1記録手段と、
前記複数の地点ごとに、当該地点に対応付けられた前記検知情報に基づいて当該地点の危険種別を設定する設定手段と、
前記危険種別ごとに異なる、前記危険種別が設定された地点に車両が近づいた場合に前記車両のユーザに通知すべき前記アドバイス情報と、前記アドバイス情報を通知すべき前記地点からの前記車両の距離である通知距離とを前記危険種別に対応付けて記録する第2記録手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
車両に搭載される車載装置において、
複数の地点ごとの危険種別と、前記危険種別ごとに異なる前記車両のユーザに通知すべきアドバイス情報及び前記アドバイス情報を通知すべき前記地点からの前記車両の距離である通知距離とを記録する情報処理装置から、前記複数の地点ごとの前記危険種別と、該危険種別に応じた前記アドバイス情報及び前記通知距離とを受信する受信手段と、
前記アドバイス情報を表示する表示手段と、
現時点の前記車両の位置を取得する取得手段と、
前記車両の位置が前記危険種別が設定された地点から前記危険種別に応じた前記通知距離以内に含まれた場合に、前記表示手段に前記危険種別に応じた前記アドバイス情報を表示させる表示制御手段と、
を備えることを特徴とする車載装置。
【請求項3】
請求項2に記載の車載装置において、
前記表示手段は、地図画像を表示し、
前記表示制御手段は、前記アドバイス情報を表示する場合は、前記表示手段の表示領域を複数に分割し、一の領域に前記地図画像、他の一の領域に前記アドバイス情報を表示させることを特徴とする車載装置。
【請求項4】
請求項2または3に記載の車載装置において、
前記表示制御手段は、前記危険種別が設定された前記地点の前記地図画像上の位置に、前記危険種別に応じたアドバイス情報を対応付けて表示させること、
を特徴とする車載装置。
【請求項5】
車両のユーザへの通知方法であって、
(a)複数の地点ごとの危険種別と、前記危険種別ごとに異なる前記車両のユーザに通知すべきアドバイス情報及び前記アドバイス情報を通知すべき前記地点からの前記車両の距離である通知距離とを記録する情報処理装置から、前記複数の地点ごとの前記危険種別と、該危険種別に応じた前記アドバイス情報及び前記通知距離とを受信する工程と、
(b)現時点の前記車両の位置を取得する工程と、
(c)前記車両の位置が前記危険種別が設定された地点から前記危険種別に応じた前記通知距離以内に含まれた場合に、前記危険種別に応じた前記アドバイス情報を表示する工程と、
を備えることを特徴とする通知方法。
【請求項6】
車両に搭載される車載装置に、前記車両が走行する地点に応じたアドバイス情報を提供する情報処理装置であって、
前記車両において所定のイベントが発生した時点における、前記車両の地点を示す位置情報と、前記車両に搭載される複数の種類のセンサが検知した内容を示す検知情報とを含む車両情報を、前記車両から取得する取得手段と、
複数の車両から取得した前記車両情報に基づいて、前記地点で検知された前記検知情報を対応付けて記録する第1記録手段と、
前記地点に対応付けられた前記検知情報に基づいて当該地点の危険種別を設定する設定手段と、
前記危険種別ごとに異なる、前記危険種別が設定された地点に車両が近づいた場合に前記車両のユーザに通知すべき前記アドバイス情報と、前記アドバイス情報を通知すべき前記地点からの前記車両の距離である通知距離とを前記危険種別に対応付けて記録する第2記録手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
車両に搭載される車載装置において、
前記車両が走行した地点ごとの危険種別と、前記危険種別ごとに異なる前記車両のユーザに通知すべきアドバイス情報及び前記アドバイス情報を通知すべき前記地点からの前記車両の距離である通知距離とを記録する情報処理装置から、前記地点ごとの前記危険種別と、該危険種別に応じた前記アドバイス情報及び前記通知距離とを受信する受信手段と、
前記アドバイス情報を表示する表示手段と、
現時点の前記車両の位置を取得する取得手段と、
前記車両の位置が前記危険種別が設定された地点から前記危険種別に応じた前記通知距離以内に含まれた場合に、前記表示手段に前記危険種別に応じた前記アドバイス情報を表示させる表示制御手段と、
を備えることを特徴とする車載装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−118011(P2012−118011A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−270322(P2010−270322)
【出願日】平成22年12月3日(2010.12.3)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】