説明

情報処理装置、通信システムおよび情報処理装置の制御方法

【課題】ユーザ好みの通信サービスを容易に受ける。
【解決手段】情報処理装置200は、判定部240および制御部250を備える。判定部240は、サービス提供者に係る情報処理システムと無線通信装置との間で通信処理を行うための所定条件を満たすかを判定する。制御部250は、所定条件を満たす場合には、接続権を無線通信装置に設定してその設定された接続権に基づいて無線通信装置が所定のネットワークに接続して情報処理システムとの間で通信処理を行うように制御を行う。ここで、接続権は、無線通信を利用して所定のネットワークに接続するための権利である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、情報処理装置に関する。詳しくは、ネットワークに接続する情報処理装置、これを備える通信システムおよび情報処理装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、公衆無線通信ネットワークの技術仕様を策定している3GPP(3rd Generation Partnership Project)において機能拡張が検討されている(例えば、非特許文献1参照。)。
【0003】
この機能拡張(Machine to Machine Equipmentと称される)によれば、サービス利用可能であることを示す情報について柔軟な使い方が可能になる。このサービス利用可能であることを示す情報は、MCIM(Machine Communication Identity Module)である。例えば、MCIMをネットワークからダウンロードしたり、一時的に停止したり、再開することができるようになる。
【0004】
また、現在、このMCIMに相当する情報は、SIM(Subscriber Identity Module)カードと呼ばれる物理デバイスに保存する必要がある。しかしながら、MCIMをソフトウェアとして扱うことにより、保存方法も柔軟にすることができるようになる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】3GPP TR 33.812 V9.2.0(2010-06)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の機能拡張を利用することにより、従来とは異なるMCIMの使用方法が考えられるようになる。
【0007】
例えば、各種通信サービスを提供する事業者からの所望の通信サービスを、ユーザが所有する無線通信装置により容易に受けることができれば、そのユーザにとって便利である。また、その事業者にとっても各種通信サービスを提供する機会を増加させることができる。
【0008】
本技術はこのような状況に鑑みて生み出されたものであり、ユーザ好みの通信サービスを容易に受けることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本技術は、上述の問題点を解消するためになされたものであり、その第1の側面は、サービス提供者に係る情報処理システムと無線通信装置との間で通信処理を行うための所定条件を満たすかを判定する判定部と、上記所定条件を満たす場合には、無線通信を利用して所定のネットワークに接続するための接続権を上記無線通信装置に設定して当該設定された接続権に基づいて上記無線通信装置が上記ネットワークに接続して上記情報処理システムとの間で上記通信処理を行うように制御を行う制御部とを具備する情報処理装置およびその制御方法ならびに当該方法をコンピュータに実行させるプログラムである。これにより、所定条件を満たす場合には、接続権を無線通信装置に設定してその設定された接続権に基づいて無線通信装置がネットワークに接続して情報処理システムとの間で通信処理を行うという作用をもたらす。
【0010】
また、この第1の側面において、上記情報処理装置は、上記無線通信装置であり、上記判定部は、操作部により所定操作が受け付けられた場合に、上記所定条件を満たすと判定し、上記制御部は、上記所定条件を満たす場合には、上記接続権を上記無線通信装置に設定することを要求するための設定要求をRO(Registration Operator)に対して行い、上記設定要求に応じてSHO(Selected Home Operator)により設定された上記接続権に基づいて上記ネットワークに接続した後に上記情報処理システムとの間で上記通信処理を行うように制御を行うようにしてもよい。これにより、所定条件を満たす場合には、接続権の設定要求をROに対して行い、その設定要求に応じてSHOにより設定された接続権に基づいてネットワークに接続した後に情報処理システムとの間で通信処理を行うという作用をもたらす。
【0011】
また、この第1の側面において、上記ROは、上記無線通信装置に上記接続権が設定されて上記無線通信装置が上記ネットワークに接続された場合にその旨を上記情報処理システムに通知するようにしてもよい。これにより、ROは、無線通信装置に接続権が設定されて無線通信装置がネットワークに接続された場合に、その旨を情報処理システムに通知するという作用をもたらす。
【0012】
また、この第1の側面において、上記ROは、上記無線通信装置に設定された上記接続権が無効化された場合にその旨を上記情報処理システムに通知するようにしてもよい。これにより、ROは、無線通信装置に設定された接続権が無効化された場合に、その旨を情報処理システムに通知するという作用をもたらす。
【0013】
また、この第1の側面において、上記情報処理装置は、上記情報処理システムであり、上記判定部は、上記無線通信装置において所定操作が受け付けられた場合に、上記所定条件を満たすと判定し、上記制御部は、上記所定条件を満たす場合には、上記接続権を上記無線通信装置に設定することを要求するための設定要求をROに対して行い、上記設定要求に応じてSHOにより上記無線通信装置に設定された上記接続権に基づいて上記無線通信装置が上記ネットワークに接続された後に上記無線通信装置との間で上記通信処理を行うように制御を行うようにしてもよい。これにより、所定条件を満たす場合には、接続権の設定要求をROに対して行い、その設定要求に応じてSHOにより無線通信装置に設定された接続権に基づいて無線通信装置がネットワークに接続された後に無線通信装置との間で通信処理を行うという作用をもたらす。
【0014】
また、この第1の側面において、上記接続権を、上記サービス提供者が契約している通信事業者が運営する基地局に接続するための契約認証情報に基づいて上記基地局に接続する権利とするようにしてもよい。これにより、サービス提供者が契約している通信事業者が運営する基地局に接続するための契約認証情報に基づいて基地局に接続する権利を接続権として用いるという作用をもたらす。
【0015】
また、この第1の側面において、上記接続権に、上記情報処理システムと上記無線通信装置との間で上記通信処理のみを行うための制限を付すようにしてもよい。これにより、情報処理システムと無線通信装置との間で通信処理のみを行うための制限が付されている接続権を用いるという作用をもたらす。
【0016】
また、この第1の側面において、上記制御部は、上記情報処理システムから上記無線通信装置にコンテンツを提供するコンテンツ提供処理、上記無線通信装置から上記情報処理システムにコンテンツをアップロードするアップロード処理、または、上記情報処理システムから上記無線通信装置にコンテンツをダウンロードするダウンロード処理を上記通信処理として行うための制御を行うようにしてもよい。これにより、コンテンツ提供処理、アップロード処理、または、ダウンロード処理を通信処理として行うという作用をもたらす。
【0017】
また、この第1の側面において、上記判定部は、上記設定された上記接続権を無効化するための所定条件を満たすかを判定し、上記制御部は、上記無効化するための所定条件を満たすと判定された場合には、上記無線通信装置に設定された上記接続権を無効化するための制御を行うようにしてもよい。これにより、設定された接続権を無効化するための所定条件を満たすかを判定し、無効化するための所定条件を満たすと判定された場合には、無線通信装置に設定された接続権を無効化するという作用をもたらす。
【0018】
また、この第1の側面において、上記情報処理装置は、上記情報処理システムであり、上記制御部は、上記無効化するための所定条件を満たすと判定された場合には、上記無線通信装置に設定された上記接続権を無効化するための無効化要求をROに対して行うように制御を行うようにしてもよい。これにより、無効化するための所定条件を満たすと判定された場合には、無線通信装置に設定された接続権を無効化するための無効化要求をROに対して行うという作用をもたらす。
【0019】
また、この第1の側面において、上記制御部は、上記情報処理システムと上記無線通信装置との間で行われた上記通信処理が終了した場合には、上記無線通信装置に設定された上記接続権を無効化するための無効化処理を行うように制御を行うようにしてもよい。これにより、情報処理システムと無線通信装置との間で行われた通信処理が終了した場合には、無線通信装置に設定された接続権を無効化するための無効化処理を行うという作用をもたらす。
【0020】
また、本技術の第2の側面は、サービス提供者に係る情報処理システムと、無線通信を行う無線通信装置と、上記情報処理システムと上記無線通信装置との間で通信処理を行うための所定条件を満たすかを判定する判定部と、上記所定条件を満たす場合には、無線通信を利用して所定のネットワークに接続するための接続権を上記無線通信装置に設定して当該設定された接続権に基づいて上記無線通信装置が上記ネットワークに接続して上記情報処理システムとの間で上記通信処理を行うように制御を行う制御部とを具備する通信システムおよびその制御方法ならびに当該方法をコンピュータに実行させるプログラムである。これにより、所定条件を満たす場合には、接続権を無線通信装置に設定してその設定された接続権に基づいて無線通信装置がネットワークに接続して情報処理システムとの間で通信処理を行うという作用をもたらす。
【発明の効果】
【0021】
本技術によれば、ユーザ好みの通信サービスを容易に受けることができるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本技術の第1の実施の形態における通信システム10のシステム構成例を示すブロック図である。
【図2】本技術の第1の実施の形態における通信システム100のシステム構成例を示すブロック図である。
【図3】本技術の第1の実施の形態における情報処理装置200の機能構成例を示すブロック図である。
【図4】本技術の第1の実施の形態における無線通信装置300の内部構成例を示すブロック図である。
【図5】本技術の第1の実施の形態における無線通信装置300の表示部370に表示される表示画面例を示す図である。
【図6】本技術の第1の実施の形態における通信システム100を構成する各装置間における通信処理例を示すシーケンスチャートである。
【図7】本技術の第1の実施の形態における通信システム100を構成する各装置間における通信処理例を示すシーケンスチャートである。
【図8】本技術の第1の実施の形態における無線通信装置300による通信処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図9】本技術の第2の実施の形態における通信システム101のシステム構成例を示すブロック図である。
【図10】本技術の第2の実施の形態における無線通信装置300の表示部370に表示される表示画面例を示す図である。
【図11】本技術の第2の実施の形態における通信システム101を構成する各装置間における通信処理例を示すシーケンスチャートである。
【図12】本技術の第2の実施の形態における通信システム101を構成する各装置間における通信処理例を示すシーケンスチャートである。
【図13】本技術の第2の実施の形態における情報処理装置200による通信処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本技術を実施するための形態(以下、実施の形態と称する)について説明する。説明は以下の順序により行う。
1.第1の実施の形態(通信制御:MCIMを保持していない無線通信装置が、サービス提供会社が契約しているMCIMを用いて通信処理を行う例)
2.第2の実施の形態(通信制御:MCIMを保持する無線通信装置が、サービス提供会社が契約している他のMCIMを用いて通信処理を行う例)
3.変形例
【0024】
<1.第1の実施の形態>
[通信システムの構成例]
図1は、本技術の第1の実施の形態における通信システム10のシステム構成例を示すブロック図である。図1では、SHO(Selected Home Operator)およびRO(Registration Operator)から構成されるネットワーク構成を前提とする通信システムの構成例を示す(例えば、非特許文献1参照。)。
【0025】
図1(a)には、無線通信装置300が有効なMCIM(Machine Communication Identity Module)(MCIMの使用権)301を保持している場合における無線通信例を示す。また、図1(b)には、無線通信装置300が有効なMCIM(MCIMの使用権)301を保持していない場合における無線通信例を示す。
【0026】
ここで、MCIMは、契約認証情報の一例であり、契約認証情報は、電話の加入者(Subscriber)情報と、認証鍵(Authentication)の情報とを含む情報である。MCIMは、例えば、デバイス購入時には特定の通信事業者(例えば、携帯電話事業者)に限定されず、購入後に柔軟に通信事業者を設定することができる契約認証情報(いわゆる、ソフトSIM)である。また、MCIMをネットワーク上から書き換え可能とすることにより、携帯電話機の販売と通信事業者選択とを分離し易くなり、さらに、複数の無線通信装置間で契約認証情報を容易に共有することができる。また、MCIMの使用権を保持していない場合は、例えば、MCIM自体を保持していない場合、または、MCIMの無効化処理により無効とされたMCIMのみを保持している場合を意味する。
【0027】
また、例えば、MCIMの使用権は、無線通信を利用してネットワーク40に接続するための接続権(ネットワーク接続権)として把握することができる。すなわち、接続権は、通信事業者が運営する基地局に接続するためのMCIM(契約認証情報)に基づいて、その基地局に接続するための権利である。また、例えば、接続権の有無は、MCIMの使用権の有無に対応する。
【0028】
また、RO、SHOは、論理的な役割を示すものであり、異なる事業者により運営されることが想定されるが、同一の事業者により運営されることも想定される。また、RO、SHOは、それぞれ複数存在することも想定される。また、RO、SHOのそれぞれは、情報処理装置として一体として構成されるようにしてもよく、複数の装置により構成されるようにしてもよい。ここで、RO、SHOは、有効なMCIMを有する無線通信装置を基準とする場合における相対的な役割を意味するものである。このため、1つの無線通信装置についてROに相当するものが、他の無線通信装置についてはSHOに相当する可能性もある。
【0029】
通信システム10は、RO20と、SHO30と、基地局21、31と、ネットワーク40と、情報処理装置200と、無線通信装置300とを備える。
【0030】
無線通信装置300は、例えば、携帯電話装置(例えば、通話機能およびデータ通信機能を備えるスマートフォン)である。無線通信装置300は、ソフトウェアダウンローダブルSIM(Subscriber Identity Module)を利用することが可能な情報処理装置の一例である。また、ソフトウェアダウンローダブルSIMを利用することが可能な他の無線通信装置についても適用することができる。例えば、無線通信機能を備える撮像装置(例えば、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ(カメラ一体型レコーダ)、無線通信機能を備える音声出力装置(例えば、携帯型ミュージックプレーヤー)適用することができる。また、無線通信機能を備える表示装置(例えば、デジタルフォトフレーム)、無線通信機能を備える電子書籍表示装置に適用することができる。また、例えば、無線通信機能を備える無線通信機器を装着することにより、無線通信を行うことが可能な情報処理装置(例えば、無線通信機能を備えていないパーソナルコンピュータ)についても適用することができる。
【0031】
図1(a)に示すように、無線通信装置300が有効なMCIM(MCIMの使用権)301を保持している場合には、無線通信装置300は、MCIM301に基づいて、基地局31を介してSHO30と接続することが可能となる。これに対して、図1(b)に示すように、無線通信装置300が有効なMCIM(MCIMの使用権)301を保持していない場合には、無線通信装置300は、SHO30と接続することができない。ただし、この場合には、無線通信装置300は、PCID(Provisional Connectivity Identity)に基づいて、基地局21を介してRO20と接続することが可能となる。
【0032】
ここで、PCIDは、ROに接続するための識別子であり、ソフトウェアダウンローダブルSIMの仕組みを有する全ての無線通信装置(デバイス)に付与される。
【0033】
ネットワーク40は、電話網、インターネット等のネットワーク(例えば、公衆回線網)である。また、ネットワーク40とSHO30とは、ゲートウェイ(図示せず)を介して接続される。同様に、ネットワーク40とRO20とは、ゲートウェイ(図示せず)を介して接続される。
【0034】
RO20は、初期接続登録等のサービスを提供する無線事業者により管理される通信制御装置である。RO20は、例えば、無線接続サービスを提供する無線事業者(例えば、携帯電話事業者)に対応する。また、RO20は、制御部(図示せず)を備える。
【0035】
RO20の制御部は、基地局21を介して接続される無線通信装置の認証制御を行うものである。例えば、RO20の制御部は、基地局21を介して接続される無線通信装置について、PCIDに基づく認証を行う。そして、RO20は、認証された無線通信装置について、初期接続登録等のサービスを提供する。また、RO20の制御部は、SHO30と接続され、SHO30との間で各種情報のやり取りを行う。
【0036】
基地局21は、無線回線を介して無線通信装置300およびRO20を接続する移動体通信基地局(NodeB)である。
【0037】
SHO30は、無線接続サービスを提供する無線事業者により管理される通信制御装置である。SHO30は、インターネット・サービス等を提供するものであり、例えば、無線接続サービスを提供する無線事業者(例えば、携帯電話事業者)に対応する。また、SHO30は、制御部(図示せず)を備える。
【0038】
SHO30の制御部は、基地局31を介して接続される無線通信装置の認証制御を行うものである。例えば、SHO30の制御部は、基地局31を介して接続される無線通信装置のうち、SHO30の有効なMCIM(契約認証情報)を保持する無線通信装置を認証する。そして、SHO30は、認証された無線通信装置をゲートウェイ(図示せず)を介してネットワーク40に接続する。
【0039】
また、SHO30の制御部は、RO20と接続され、RO20との間で各種情報のやり取りを行う。ここで、有効なMCIM(契約認証情報)を保持していない無線通信装置は、その無線通信装置のPCIDに基づいて、SHO30を介したRO20との接続(限定接続)が可能である。
【0040】
基地局31は、無線回線を介して無線通信装置300およびSHO30を接続する移動体通信基地局(NodeB)である。
【0041】
サービス提供会社50は、通信販売、オンラインゲーム、コンテンツ保存サービス、コンテンツ配信サービス等の各種通信サービスを提供する会社(SP(Service Provider))である。また、サービス提供会社50は、それらの通信サービスを提供するための情報処理装置200を備える。また、情報処理装置200は、ネットワーク40を介してRO20およびSHO30に接続される。ここで、各種通信サービスを行う事業者は、無線接続サービスを提供する通信事業者、MVNO(Mobile Virtual Network Operator)(いわゆる、仮想通信事業者と称される事業形態の事業者)等が想定される。
【0042】
情報処理装置200は、ネットワーク40を介して各種通信サービスを提供する情報処理装置であり、無線通信を利用して無線通信装置300に各種通信サービスを提供する。例えば、情報処理装置200は、Webサービス、データダウンロードサービス、データアップロードサービス、オンラインゲーム等の通信サービスを提供する。
【0043】
例えば、図1(a)に示すように、無線通信装置300が有効なMCIM301を保持する場合には、無線通信装置300は、MCIM301に基づいて、無線回線を介して基地局31と接続され、基地局31を介してSHO30と接続される。この場合には、無線通信装置300は、基地局31を介してSHO30と接続され、情報処理装置200からの各種サービスの提供(例えば、コンテンツのダウンロード)を受けることができる。また、有効なMCIM301を保持する無線通信装置300がRO20と接続する場合には、SHO30を介してRO20と接続される。
【0044】
また、図1(b)に示すように、無線通信装置300が有効なMCIM301を保持していない場合は、無線通信装置300は、保持されているPCIDに基づいて、基地局21を介してRO20との接続(限定接続)が可能である。この場合には、無線通信装置300は、基地局21を介してRO20と接続(限定接続)されるが、限定的な通信(例えば、MCIMのダウンロード、MCIMの有効化/無効化)のみを行うことができる。
【0045】
なお、無線通信装置300が有効なMCIM301を保持していない場合には、無線通信装置300は、使用されている位置に応じて、基地局21、31の何れについても接続が可能であり、これらの基地局を介してRO20と接続される。
【0046】
このように、有効なMCIM301を保持していない無線通信装置300については、情報処理装置200からの各種サービスの提供を受けることができない。すなわち、MCIMの使用権を保持していない無線通信装置は、サービス限定接続しているデバイス(RO Connected Device)として把握することができる。これに対して、MCIMの使用権を保持する無線通信装置は、サービス接続(通常接続)しているデバイス(SHO Connected Device)として把握することができる。なお、MCIMの使用権を保持していない無線通信装置は、MCIMの使用権をRO20経由で取得(例えば、MCIMのダウンロード、MCIMの有効化)することにより、SHO30への接続が可能となる。
【0047】
このように、無線通信装置300を所有するユーザが、SHO30を運営する通信事業者との間でMCIMの契約をしていない場合には、そのユーザは、情報処理装置200からの各種サービスの提供を受けることができない。
【0048】
しかしながら、SHO30を運営する通信事業者との間でMCIMの契約をしていない場合でも、無線通信装置300を所有するユーザが、情報処理装置200からの各種サービスの提供を一時的に受けたいと希望することも想定される。また、サービス提供会社50にとっては、情報処理装置200からの各種サービスの提供を受けることを希望するユーザに対して、そのサービスの提供に係る通信料金を負担してでも、そのサービスの提供を行うことを希望することも想定される。
【0049】
そこで、本技術の第1の実施の形態では、SHOを運営する通信事業者との間でMCIMの契約をしていないユーザが、情報処理装置200からの各種サービスの提供を容易に受けることができる例を示す。
【0050】
[通信システムの構成例]
図2は、本技術の第1の実施の形態における通信システム100のシステム構成例を示すブロック図である。
【0051】
通信システム100は、ネットワーク110と、基地局122、132と、通信制御装置(第1通信事業者)120と、通信制御装置(第2通信事業者)130と、情報処理装置200と、無線通信装置300とを備える。
【0052】
ここで、通信システム100は、図1に示す通信システム10に対応するシステムである。具体的には、通信制御装置(第2通信事業者)130は、図1に示すSHO30に対応し、通信制御装置(第1通信事業者)120は、図1に示すRO20に対応し、情報処理装置200は、図1に示す情報処理装置200に対応する。このため、この例では、図2に示す通信システム10と共通する部分についての説明の一部を省略する。
【0053】
ネットワーク110は、電話網、インターネット等のネットワーク(例えば、公衆回線網)である。また、ネットワーク110と通信制御装置(第2通信事業者)130とは、ゲートウェイ(図示せず)を介して接続される。同様に、ネットワーク110と通信制御装置(第1通信事業者)120とは、ゲートウェイ(図示せず)を介して接続される。
【0054】
通信制御装置(第2通信事業者)130は、無線接続サービスを提供する無線事業者により管理される通信制御装置であり、図1に示すSHO30に対応する。すなわち、通信制御装置(第2通信事業者)130は、インターネット・サービス等を提供するものであり、例えば、無線接続サービスを提供する無線事業者(例えば、携帯電話事業者)に対応する。また、通信制御装置(第2通信事業者)130は、制御部131を備える。
【0055】
制御部131は、基地局132を介して接続される無線通信装置の認証制御を行うものである。例えば、制御部131は、基地局132を介して接続される無線通信装置のうち、通信制御装置(第2通信事業者)130の有効なMCIM(契約認証情報)を保持する無線通信装置を認証する。そして、通信制御装置120は、認証された無線通信装置をゲートウェイ(図示せず)を介してネットワーク110に接続する。
【0056】
また、制御部131は、通信制御装置(第1通信事業者)120と接続され、通信制御装置(第1通信事業者)120との間で各種情報のやり取りを行う。ここで、有効なMCIM(契約認証情報)を保持していない無線通信装置は、その無線通信装置のPCIDに基づいて、通信制御装置(第2通信事業者)130を介した通信制御装置(第1通信事業者)120との接続(限定接続)が可能である。また、制御部131は、MCIMの設定要求を無線通信装置300、情報処理装置200から受信した場合には、それに応じた設定指示を通信制御装置(第1通信事業者)120に送信する。
【0057】
基地局132は、無線通信装置300と、通信制御装置(第2通信事業者)130とを無線回線を介して接続する移動体通信基地局(NodeB)である。
【0058】
通信制御装置(第1通信事業者)120は、初期接続登録等のサービスを提供する無線事業者により管理される通信制御装置であり、図1に示すRO20に対応する。通信制御装置(第1通信事業者)120は、例えば、無線接続サービスを提供する無線事業者(例えば、携帯電話事業者)に対応する。また、通信制御装置(第1通信事業者)120は、制御部121を備える。
【0059】
制御部121は、直接、または、通信制御装置(第2通信事業者)130を介して接続される無線通信装置に関する各種制御を行うものである。例えば、制御部121は、基地局122を介して接続される無線通信装置の認証制御を行うものである。例えば、制御部121は、基地局122を介して接続される無線通信装置について、PCIDに基づく認証を行う。そして、制御部121は、認証された無線通信装置について、初期接続登録等のサービスを提供する。また、制御部121は、通信制御装置(第2通信事業者)130と接続され、通信制御装置(第2通信事業者)130との間で各種情報のやり取りを行う。
【0060】
例えば、通信システム100において、有効なMCIMを保持する無線通信装置は、無線回線を介して基地局132と接続され、基地局132を介して通信制御装置(第2通信事業者)130と接続される。また、有効なMCIMを保持する無線通信装置が通信制御装置(第1通信事業者)120と接続する場合には、通信制御装置(第2通信事業者)130を介して通信制御装置(第1通信事業者)120と接続される。
【0061】
また、有効なMCIMを保持していない無線通信装置は、その無線通信装置のPCIDに基づいて、基地局122を介して通信制御装置(第1通信事業者)120との接続(限定接続)が可能である。なお、有効なMCIMを保持しない無線通信装置は、使用されている位置に応じて、基地局122、132の何れについても接続が可能であり、これらの基地局を介して通信制御装置(第1通信事業者)120と接続される。
【0062】
ここで、通信システム100において、有効なMCIM(MCIMの使用権)を設定する例(ネットワーク接続権の設定例)について説明する。例えば、各無線通信装置にMCIMを保持させておく。そして、制御部121からの指示に基づいて、通信制御装置(第2通信事業者)130が各無線通信装置に保持されているMCIMの有効化/無効化を行うことにより、MCIMの使用権を設定することができる。なお、各無線通信装置に保持されているMCIMの有効化/無効化については、通信制御装置(第1通信事業者)120側で行うことも可能である。このため、制御部121が、各無線通信装置に保持されているMCIMの有効化/無効化を行うことにより、MCIMの使用権を設定するようにしてもよい。
【0063】
また、各無線通信装置にMCIMを保持させる代わりに、MCIMそのものを送信することにより、MCIMの使用権を設定するようにしてもよい。例えば、制御部121を介して通信制御装置(第2通信事業者)130から無線通信装置に設定情報(MCIMを含む)が送信される。この設定情報に含まれるMCIMを無線通信装置に保持させることにより、無線通信装置に有効なMCIMが設定される。なお、各無線通信装置への設定情報(MCIMを含む)の送信については、通信制御装置(第1通信事業者)120側で行うことも可能である。このため、制御部121が、各無線通信装置に設定情報(MCIMを含む)を送信することにより、MCIMの使用権を設定するようにしてもよい。
【0064】
情報処理装置200は、ネットワーク110を介して各種通信サービスを提供する情報処理装置(例えば、コンテンツサーバ)であり、無線通信を利用して各無線通信装置に各種通信サービスを提供する。なお、これらの各種通信サービスについては、図5乃至図7等を参照して詳細に説明する。
【0065】
このように、通信システム100は、契約認証情報をネットワーク経由で書き換え可能な無線通信装置(デバイス)を有する無線通信システムである。
【0066】
[情報処理装置の構成例]
図3は、本技術の第1の実施の形態における情報処理装置200の機能構成例を示すブロック図である。
【0067】
情報処理装置200は、通信部210と、サービス提供部220と、記憶部230と、判定部240と、制御部250とを備える。なお、情報処理装置200は、特許請求の範囲に記載の情報処理システムの一例である。
【0068】
通信部210は、ネットワーク110と接続され、制御部250の制御に基づいて、ネットワーク110を介して接続される各無線通信装置との間で行われる通信を行うものである。例えば、通信部210は、各無線通信装置から送信される各情報(例えば、各種通知)を、ネットワーク110を介して受け付け、その受け付けられた各情報を制御部250に出力する。また、通信部210は、サービス提供部220から出力された各種コンテンツを各無線通信装置に、ネットワーク110を介して送信する。
【0069】
サービス提供部220は、制御部250の制御に基づいて、ネットワーク110を介して接続される無線通信装置からの要求に応じて、各種サービスをその無線通信装置に提供するものである。また、サービス提供部220は、各種通信サービスを提供する際に記憶部230に格納されている各種データを用いる。例えば、無線通信装置300からコンテンツのダウンロード要求が受け付けられた場合には、サービス提供部220は、その要求に係るコンテンツ(例えば、ゲームコンテンツ)を記憶部230から取得する。そして、サービス提供部220は、その取得されたコンテンツを、通信部210を介して無線通信装置300に送信する。
【0070】
記憶部230は、サービス提供部220が各種通信サービスを提供する際における各種データや、無線通信装置から送信されたデータを格納する記憶部である。記憶部230には、例えば、無線通信装置からアップロードされたコンテンツ(例えば、画像コンテンツ)や、ダウンロード対象となるコンテンツ(例えば、ゲームコンテンツ、Webサイト)を提供するためのコンテンツ等が格納される。
【0071】
判定部240は、情報処理装置200と無線通信装置300との間で通信処理を行うための所定条件を満たすかを判定するものであり、その判定結果を制御部250に出力する。また、判定部240は、無線通信装置300に設定された接続権(MCIMの使用権)を無効化するための所定条件を満たすかを判定し、その判定結果を制御部250に出力する。なお、判定部240による判定については、図11および図12を参照して詳細に説明する。
【0072】
制御部250は、ネットワーク110を介して接続される各無線通信装置との間で行われる通信に関する制御を行うものである。例えば、制御部250は、コンテンツ提供処理、アップロード処理、または、ダウンロード処理(通信処理)を行うための制御を行う。なお、コンテンツ提供処理は、情報処理装置200から無線通信装置300にコンテンツを提供する通信処理である。また、アップロード処理は、無線通信装置300から情報処理装置200にコンテンツをアップロードする通信処理であり、ダウンロード処理は、情報処理装置200から無線通信装置300にコンテンツをダウンロードする通信処理である。
【0073】
[無線通信装置の構成例]
図4は、本技術の第1の実施の形態における無線通信装置300の内部構成例を示すブロック図である。
【0074】
無線通信装置300は、アンテナ311と、アンテナ共用部312と、変調部321と、復調部322と、制御部330と、メモリ340と、MCIM情報記憶部350とを備える。また、無線通信装置300は、操作部360と、表示部370と、位置情報取得部380と、マイクロフォン391と、スピーカ392とを備える。また、各部がバス331により接続される。なお、無線通信装置300は、特許請求の範囲に記載の情報処理装置の一例である。
【0075】
例えば、受信処理が行われる場合には、アンテナ311により受信された電波が、アンテナ共用部312を経由して復調部322により復調され、この復調された受信データが制御部330に供給される。その受信処理が受話処理である場合には、その復調された受信データ(音声データ)が制御部330を経由してスピーカ392から音声として出力される。
【0076】
また、例えば、送信処理が行われる場合には、制御部330により出力された送信データが変調部321により変調され、変調された送信データがアンテナ共用部312を経由してアンテナ311から送信される。その送信処理が送話処理である場合には、マイクロフォン391から入力された音声データが制御部330を経由して変調部321により変調され、変調された送信データ(音声データ)がアンテナ共用部312を経由してアンテナ311から送信される。
【0077】
制御部330は、メモリ340に格納されている制御プログラムに基づいて各種の制御を行うものである。制御部330は、例えば、マイクロプロセッサにより構成される。例えば、制御部330は、変調部321および復調部322と接続され、基地局132を介して接続される通信制御装置(第2通信事業者)130との間で行われる各種データの送受信を行う。また、制御部330は、例えば、MCIMを用いずにPCIDに基づく限定接続により無線回線を介して通信制御装置(第1通信事業者)120と接続する接続処理を行う。なお、制御部330は、特許請求の範囲に記載の判定部および制御部の一例である。
【0078】
メモリ340は、制御部330が各種制御を行うための制御プログラム、送信データ、受信データ等を格納するメモリである。メモリ340は、例えば、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)により構成される。また、メモリ340には、無線通信装置300を特定するための端末識別情報(IMEI(International Mobile Equipment Identity)#01)が記憶されている。
【0079】
MCIM情報記憶部350は、MCIM(契約認証情報)を保持するメモリである。MCIM情報記憶部350として、例えば、UICC(Universal Integrated Circuit)カードを用いるようにしてもよく、MCIMをセキュアに保つための専用メモリを用いるようにしてもよい。なお、MCIM情報記憶部350としてUICCカードを用いる場合には、MCIMが固定的に書き込まれているものではなく、MCIMの有効化処理および無効化処理が可能なものを用いる。すなわち、アンテナ311から受信して復調された情報(設定情報、無効化情報)に基づいて制御部330がMCIMの有効化処理および無効化処理が可能なものを用いる。また、MCIMの書換処理が可能なものを用いる。なお、MCIMの有効化処理および無効化処理については、3GPP(Third Generation Partnership Project)に規定されている有効化処理および無効化処理により行うことができる。また、メモリ340にセキュアな領域を確保することにより、MCIM情報記憶部350をメモリ340内に設けるようにしてもよい。
【0080】
操作部360は、ユーザにより操作された操作入力を受け付ける操作受付部であり、受け付けられた操作入力に応じた信号を制御部330に出力する。操作部360は、数字キーやアルファベットキー等の各種キーを備える。また、操作部360は、情報処理装置200との間で各種通信サービスを行うための操作を受け付ける。
【0081】
表示部370は、制御部330の制御に基づいて、各種情報(文字情報や時刻情報等)を表示する表示部である。表示部370は、例えば、情報処理装置200との間で各種通信サービスを行うための各情報(例えば、図5に示す表示画面)を表示する。なお、表示部370として、例えば、有機EL(Electro Luminescence)パネル、LCD(Liquid Crystal Display)パネル等の表示パネルを用いることができる。なお、操作部360および表示部370については、使用者がその指を表示面に接触または近接することにより操作入力を行うことが可能なタッチパネルを用いて一体で構成することができる。
【0082】
ここで、例えば、制御部330は、情報処理装置200と無線通信装置300との間で通信処理を行うための所定条件を満たすかを判定する。具体的には、制御部330は、操作部360により所定操作が受け付けられた場合に、所定条件を満たすと判定する。ここで、所定操作は、例えば、図6に示すサービス利用開始操作(502)である。
【0083】
また、制御部330は、所定条件を満たす場合には、接続権(MCIMの使用権)を無線通信装置300に設定してその接続権に基づいて無線通信装置300がネットワーク110に接続して情報処理装置200との間で通信処理を行うように制御を行う。具体的には、制御部330は、その接続権を無線通信装置300に設定することを要求するためのMCIMの設定要求を通信制御装置(第1通信事業者)120に対して行う。そして、制御部330は、その設定要求に応じて通信制御装置(第2通信事業者)130により設定された接続権に基づいてネットワーク110に接続した後に情報処理装置200との間で通信処理を行うように制御を行う。例えば、制御部330は、上述したように、コンテンツ提供処理、アップロード処理、または、ダウンロード処理を行うための制御を行う。
【0084】
ここで、接続権(ネットワーク接続権)は、サービス提供会社50が契約している通信事業者(例えば、第2通信事業者)が運営する基地局に接続するための契約認証情報(例えば、MCIM)に基づいて基地局に接続する権利である。また、接続権として、情報処理装置200と無線通信装置300との間で特定の通信処理のみを行うための制限を付した接続権を設定するようにしてもよい。例えば、情報処理装置200のドメイン内しかアクセスすることができないようにする等の制限を付することができる。
【0085】
また、通信制御装置(第1通信事業者)120は、無線通信装置300に接続権が設定されて無線通信装置300がネットワーク110に接続された場合には、その旨を情報処理装置200に通知する。
【0086】
また、制御部330は、設定された接続権を無効化するための所定条件(例えば、図7に示すサービス利用終了操作(520))を満たすかを判定する。そして、制御部330は、無効化するための所定条件を満たすと判定された場合には、無線通信装置300に設定された接続権を無効化するための制御を行う。
【0087】
また、制御部330は、情報処理装置200と無線通信装置300との間で行われた通信処理が終了した場合には、無線通信装置300に設定された接続権を無効化するための無効化処理を行うように制御を行う。
【0088】
また、通信制御装置(第1通信事業者)120は、無線通信装置300に設定された接続権が無効化された場合には、その旨を情報処理装置200に通知する。
【0089】
位置情報取得部380は、無線通信装置300が存在する位置を示す位置情報を取得するものであり、この取得された位置情報を制御部330に出力する。位置情報取得部380は、例えば、GPS(Global Positioning System)信号受信アンテナ(図示せず)により受信されたGPS信号に基づいて位置情報を算出するGPSユニットにより実現することができる。この算出された位置情報には、GPS信号の受信時における緯度、経度、高度等の位置に関する各データが含まれる。また、他の位置情報の取得方法により位置情報を取得する位置情報取得装置を用いるようにしてもよい。例えば、周囲に存在する無線LAN(Local Area Network)によるアクセスポイント情報を用いて位置情報を導き出し、この位置情報を取得する位置情報取得装置を用いるようにしてもよい。
【0090】
[サービスの利用開始操作画面および利用終了操作画面の表示例]
図5は、本技術の第1の実施の形態における無線通信装置300の表示部370に表示される表示画面例を示す図である。
【0091】
図5(a)には、情報処理装置200との間で行われる通信サービスの利用を開始するための利用開始操作画面400を示す。図5(a)では、電子メール形式の利用開始操作画面400を一例として示す。この利用開始操作画面400は、例えば、MCIMを保持していた期間(過去)において、電子メールの受信処理により取得され、メモリ340に格納されたものとする。
【0092】
利用開始操作画面400は、情報処理装置200が提供するWebサイト(例えば、オンラインショッピングサイト)にアクセスするための操作画面であり、ヘッダ情報表示領域401および本文表示領域402が設けられている。なお、説明の容易のため、利用開始操作画面400に表示される他の情報の図示および説明を省略する。
【0093】
ヘッダ情報表示領域401は、送信者、日時、宛先、件名等の電子メールに表示されるヘッダ情報を表示する領域である。
【0094】
本文表示領域402は、送信者により入力されたメッセージ等が表示される領域である。例えば、情報処理装置200との間で行われる通信サービスを利用する場合には、MCIMの契約が不要であり、かつ、通信費用が無料である旨のメッセージが表示される。
【0095】
また、本文表示領域402には、サービス提供会社50の情報処理装置200にアクセスするためのURL(Uniform Resource Locator)403が表示される。URL403は、いわゆる、広告メールに記載されている商品案内URLに相当するものである。
【0096】
例えば、無線通信装置300のユーザが、表示部370に利用開始操作画面400を表示させ、操作部360からの操作入力により、URL403のクリック操作を行う。このクリック操作が受け付けられた場合には、制御部330は、通信処理を開始するための制御を行う。この処理については、図6および図7を参照して詳細に説明する。
【0097】
図5(b)には、情報処理装置200との間で行われている通信サービスの利用を終了するための利用終了操作画面を示す。図5(b)では、その通信サービスを利用している場合に表示される商品購入操作画面410を一例として示す。この商品購入操作画面410は、例えば、ユーザ操作に応じて、または、自動で表示部370に表示されるものとする。
【0098】
商品購入操作画面410は、通信サービスを利用している表示画面(情報処理装置200が提供するWebサイト(例えば、オンラインショッピングサイト))において、通信サービスの利用終了操作ボタン(通信サービス終了ボタン411)が設けられている。なお、説明の容易のため、商品購入操作画面410に表示される他の情報の図示および説明を省略する。
【0099】
通信サービス終了ボタン411は、情報処理装置200との間で行われている通信サービスの利用を終了する場合に押下されるボタンである。
【0100】
例えば、無線通信装置300のユーザが、通信サービス終了ボタン411が表示部370に表示されている状態で、操作部360からの操作入力により、通信サービス終了ボタン411の押下操作を行う。この押下操作が受け付けられた場合には、制御部330は、通信処理を終了させるための制御を行う。この処理については、図6および図7を参照して詳細に説明する。
【0101】
[通信サービスを利用する場合における通信例]
図6および図7は、本技術の第1の実施の形態における通信システム100を構成する各装置間における通信処理例を示すシーケンスチャートである。
【0102】
図6および図7では、無線通信装置300がMCIM(ユーザ契約によるMCIM)を保持していない場合において、サービス提供会社50により契約されているMCIMを用いて通信制御装置(第2通信事業者)130に接続する例について説明する。なお、ユーザ契約によるMCIMと区別するため、サービス提供会社50により契約されているMCIMを、以下では、SP MCIMと称して説明する。また、図6および図7では、無線通信装置300が通信制御装置(第1通信事業者)120と接続状態(501)とされているものとする。また、図6および図7では、無線通信装置300を操作することにより、情報処理装置200から提供される通信サービス(例えば、オンラインショッピングサイト)を利用する場合における通信処理例を示す。
【0103】
最初に、ユーザ操作により、情報処理装置200との間で通信サービスを開始するためのサービス利用開始操作を行うための表示画面を無線通信装置300の表示部370に表示させる。例えば、無線通信装置300の表示部370には、図5(a)に示す利用開始操作画面400が表示される。
【0104】
ここで、図5(a)に示す利用開始操作画面400において、URL403のクリック操作が行われる(502)。このように、無線通信装置300においてサービス利用開始操作が受け付けられた場合には(502)、SP MCIMの設定要求が無線通信装置300から通信制御装置(第1通信事業者)120に送信される(503、504)。この場合に、無線通信装置300が通信制御装置(第1通信事業者)120と接続状態(501)とされているため、SP MCIMの設定要求は、無線通信装置300から通信制御装置(第1通信事業者)120に直接送信される(503、504)。
【0105】
SP MCIMの設定要求は、サービス提供会社50により予め用意(契約)されているMCIM(SP MCIM)を取得するための要求であり、URL403に基づいて送信される。このSP MCIMの設定要求には、無線通信装置300を識別するための識別情報と、無線通信装置の種類を特定するための種類情報(例えば、携帯電話装置)とが含まれる。ここで、識別情報は、例えば、無線通信装置300の固有ID(例えば、メモリ340に記憶されているIMEI#01)である。
【0106】
SP MCIMの設定要求を受信すると(504)、通信制御装置(第1通信事業者)120の制御部121は、SP MCIMの設定指示を通信制御装置(第2通信事業者)130に送信する(505、506)。このSP MCIMの設定指示は、SP MCIMの設定要求に係る送信元の無線通信装置(無線通信装置300)に有効なMCIM(サービス提供会社50により契約されているMCIM)を設定するための指示である。
【0107】
SP MCIMの設定要求を受信すると(506)、通信制御装置(第2通信事業者)130の制御部131は、SP MCIMの設定情報を、通信制御装置(第1通信事業者)120を介して無線通信装置300に送信する(507乃至510)。このSP MCIMの設定情報は、SP MCIMを無線通信装置300に設定するための情報であり、SP MCIMを含む。すなわち、この例では、通信制御装置(第1通信事業者)120を介して、通信制御装置(第2通信事業者)130から無線通信装置300にSP MCIMがダウンロードされる例を示す。ただし、無線通信装置300にSP MCIMを保持させておき、この保持されているSP MCIMの有効化/無効化を行うことにより、SP MCIMを無線通信装置300に設定するようにしてもよい。この場合には、MCIMの設定情報には、無線通信装置300に保持されているSP MCIMを有効化するための情報が含まれる。また、無線通信装置300にSP MCIMを保持させておく場合でも、通常時には、SP MCIMが無効とされているため、ユーザは使用することができない。
【0108】
ここで、SP MCIMには、例えば、一定の制限を設けるようにしてもよい。この一定の制限として、例えば、情報処理装置200のドメイン内しかアクセスすることができないようにする等の制限を設けることができる。
【0109】
SP MCIMの設定情報を無線通信装置300が受信すると(510)、無線通信装置300において有効なMCIM(SP MCIM)が設定される(511)。具体的には、ダウンロードされたSP MCIMが無線通信装置300のMCIM情報記憶部350に書き込まれる(511)。これにより、無線通信装置300に有効なMCIM(SP MCIM)が保持され、無線通信装置300が通信制御装置(第2通信事業者)130と接続状態(512)とされる。すなわち、無線通信装置300に通信制御装置(第2通信事業者)130の接続権が設定される。この接続処理時には、無線通信装置300の識別情報を通信制御装置(第2通信事業者)130に通知するようにしてもよい。これにより、通信制御装置(第2通信事業者)130は、無線通信装置300との接続が完了したことを容易に検出することができる。
【0110】
無線通信装置300が通信制御装置(第2通信事業者)130と接続状態(512)とされた場合には、通信制御装置(第2通信事業者)130は、接続完了通知を通信制御装置(第1通信事業者)120に送信する(513、514)。この接続完了通知は、無線通信装置300が接続されたことを通知するための情報である。また、その接続完了通知を受信した場合には(514)、通信制御装置(第1通信事業者)120の制御部121は、その接続完了通知を情報処理装置200に送信する(515、516)。
【0111】
なお、上述した接続処理時において(512)、無線通信装置300の識別情報が通信制御装置(第2通信事業者)130に通知されている場合には、それらを通信制御装置(第1通信事業者)120に通知するようにしてもよい(513、514)。この場合には、同様に、無線通信装置300の識別情報を情報処理装置200に通知するようにしてもよい(515、516)。これにより、通信制御装置(第1通信事業者)120、情報処理装置200は、通信制御装置(第2通信事業者)130および無線通信装置300の接続が完了したことを容易に検出することができる。
【0112】
ここで、無線通信装置300が通信制御装置(第2通信事業者)130と接続状態(512)とされている。このため、無線通信装置300は、通信制御装置(第2通信事業者)130を介して情報処理装置200と接続し、情報処理装置200との間で通信処理を行うことができる(517乃至519)。すなわち、ネットワーク(例えば、インターネット)110を介して通信サービスを利用することができる状態となる(517乃至519)。
【0113】
例えば、ユーザ操作に基づいて、図5(b)に示す商品購入操作画面410を表示部370に表示させることができる。商品購入操作画面410は、情報処理装置200から提供されるWebサイトである。無線通信装置300のユーザは、商品購入操作画面410において、商品の閲覧や購買を行うことができる。例えば、ペンギンのぬいぐるみや蟹の閲覧および購買を行うことができる。
【0114】
ここで、SP MCIMに基づく接続により行われている通信サービスの利用を終了する場合について説明する。例えば、図5(b)に示す商品購入操作画面410における通信サービス終了ボタン411の押下操作をユーザが行うことにより、その通信サービスの利用を終了することができる(520)。
【0115】
このように、サービス利用終了操作が行われた場合には(520)、無線通信装置300および通信制御装置(第2通信事業者)130間において切断処理が行われる(521、522)。この切断処理が行われた後に(521、522)、無線通信装置300において、MCIMの無効化処理が行われる(523)。すなわち、MCIM情報記憶部350に書き込まれたMCIM(SP MCIM)が消去される(523)。これにより、無線通信装置300が通信制御装置(第1通信事業者)120と接続状態(524)とされる。
【0116】
また、切断処理が行われた後に(521、522)、通信制御装置(第2通信事業者)130は、無線通信装置300との接続が切断された旨を通知するための切断完了通知を通信制御装置(第1通信事業者)120に送信する(525、526)。また、切断完了通知を受信した場合には(526)、通信制御装置(第1通信事業者)120の制御部121は、その切断完了通知(無効化通知)を情報処理装置200に送信する(527、528)。
【0117】
なお、これらの通知を行う場合において(525乃至528)、無線通信装置300の識別情報が通知された場合には、それらを次の送信対象となる通知に含めて送信するようにしてもよい(525乃至528)。これにより、通知を受けた通信制御装置(第1通信事業者)120、情報処理装置200は、通信制御装置(第2通信事業者)130および無線通信装置300の接続が切断されたことを容易に検出することができる。
【0118】
なお、この例では、通信サービス終了ボタン411の押下操作により、SP MCIMに基づく接続により行われている通信サービスの利用を終了する例について説明したが、他の条件を終了処理の条件(無効化処理の所定条件)とするようにしてもよい。例えば、利用しているアプリケーション(例えば、ブラウザ)を閉じる操作が行われた場合、SP MCIMをダウンロードしてから一定時間(例えば、1時間)が経過した場合を、終了処理の条件とすることができる。また、サービス利用時の通信量が一定値を超えた場合、閲覧または購入した商品(例えば、数量限定の商品)の数が一定値を超えた場合を、終了処理の条件とすることができる。
【0119】
また、この例では、無線通信装置300が通信制御装置(第2通信事業者)130と接続状態(512)とされた場合に、接続完了通知の送信が行われる(513乃至516)例を示すが、接続完了通知の送信を省略するようにしてもよい。また、この例では、切断処理が行われた後に(521、522)、切断完了通知の送信を行う例(525乃至528)を示すが、切断完了通知の送信を省略するようにしてもよい。
【0120】
また、この例では、無線通信装置300が通信制御装置(第2通信事業者)130と接続状態(512)とされた場合に、情報処理装置200から無線通信装置300にコンテンツ(例えば、Webサイト)を提供するコンテンツ提供処理の例を示した。ただし、無線通信装置300から情報処理装置200にコンテンツをアップロードするアップロード処理、または、情報処理装置200から無線通信装置300にコンテンツをダウンロードするダウンロード処理を行うようにしてもよい。
【0121】
ここで、一般に、ユーザが通信サービスを利用する場合には、予め契約を行った通信事業者を利用して、その通信サービスを利用している。しかしながら、ユーザが自ら通信事業者との間で契約を結ぶことを前提としているため、サービス提供者が結んだ契約(例えば、フリーダイヤルのような契約)をユーザが利用することはできない。
【0122】
これに対して、本技術の第1の実施の形態では、通信制御装置(第2通信事業者)130のMCIMを契約していないユーザでも、サービス提供会社50の各種通信サービスを容易に受けることができる。具体的には、サービス提供会社50のMCIM(SP MCIM)を用いて、サービス提供会社50の各種通信サービスを受けることができる。すなわち、通信制御装置(第2通信事業者)130のMCIMを契約していないユーザが、MCIMを保持していない無線通信装置300を用いても、サービス提供会社50の各種通信サービスを容易に受けることができる。
【0123】
また、サービス提供会社50は、予め契約しているMCIM(SP MCIM)を無線通信装置300にダウンロードさせ、所定期間(例えば、1時間)だけ、無線通信装置300に使用させることができる。これにより、無線通信装置300のユーザに、サービス提供会社50のWebサイトを見せる機会を増加させることができる。
【0124】
また、サービス提供会社50のMCIM(SP MCIM)を用いた通信が行われている場合には、その通信に係る通信費用は、サービス提供会社50に課金される。このため、サービス提供会社50の各種通信サービスを受けているユーザは、その通信サービスに係る通信料を支払う心配がないため、その分だけその通信サービスをユーザがじっくりと楽しむことができる。また、そのようにユーザに楽しんでもらうことにより、ユーザとの関係性が強化され、サービス提供会社50は、そのユーザによる継続した利用により安定した収益を確保することが可能となる。
【0125】
すなわち、ユーザ自身の契約認証情報がない状態であっても、ユーザは好みの通信サービスを容易に享受することが可能となる。また、サービス提供者側にとっては、ユーザに通信サービスを利用してもらう機会を増加させることができる。
【0126】
[通信システムの動作例]
次に、本技術の第1の実施の形態における通信システム100の動作について図面を参照して説明する。
【0127】
[無線通信装置の動作例]
図8は、本技術の第1の実施の形態における無線通信装置300による通信処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0128】
最初に、制御部330が、サービス利用開始操作が受け付けられたか否かを判断し(ステップS901)、サービス利用開始操作が受け付けられていない場合には、監視を継続して行う。一方、サービス利用開始操作が受け付けられた場合には(ステップS901)、制御部330は、SP MCIMの設定要求を通信制御装置(第1通信事業者)120に送信する(ステップS902)。なお、ステップS901は、特許請求の範囲に記載の判定手順の一例である。
【0129】
続いて、制御部330は、SP MCIMの設定情報を受信したか否かを判断し(ステップS903)、SP MCIMの設定情報を受信していない場合には、監視を継続して行う。一方、SP MCIMの設定情報を受信した場合には(ステップS903)、制御部330は、SP MCIMの設定処理を行う(ステップS904)。具体的には、制御部330は、ダウンロードされたSP MCIMをMCIM情報記憶部350に書き込む。
【0130】
続いて、制御部330は、設定されたSP MCIMに基づいて、通信制御装置(第2通信事業者)130との間で接続処理を行う(ステップS905)。これにより、無線通信装置300が通信制御装置(第2通信事業者)130と接続状態とされる。
【0131】
続いて、制御部330は、通信制御装置(第2通信事業者)130を介して情報処理装置200と接続し、情報処理装置200との間で通信処理を行う(ステップS906)。続いて、制御部330は、サービス利用終了操作が行われたか否かを判断し(ステップS907)、サービス利用終了操作が行われていない場合には、ステップS906に戻る。一方、サービス利用終了操作が行われた場合には(ステップS907)、制御部330は、通信制御装置(第2通信事業者)130との間で切断処理を行う(ステップS908)。
【0132】
続いて、制御部330は、SP MCIMの無効化処理を行われる(ステップS909)。なお、ステップS902乃至S909は、特許請求の範囲に記載の制御手順の一例である。
【0133】
<2.第2の実施の形態>
本技術の第1の実施の形態では、MCIMを保持していない無線通信装置からSP MCIMの設定要求を行い、これにより取得されたSP MCIMに基づいてSHOに接続する例を示した。ただし、MCIMを有する無線通信装置からSP MCIMの設定要求を行い、これにより取得されたSP MCIMに基づいてSHOに新たに接続するようにしてもよい。
【0134】
そこで、本技術の第2の実施の形態では、MCIMを有する無線通信装置からSP MCIMの設定要求を行い、これにより取得されたSP MCIMに基づいてSHOに新たに接続する例を示す。なお、本技術の第2の実施の形態における通信システムの構成については、図2等に示す例と略同様である。このため、本技術の第1の実施の形態と共通する部分については、その説明の一部を省略する。
【0135】
[通信システムの構成例]
図9は、本技術の第2の実施の形態における通信システム101のシステム構成例を示すブロック図である。
【0136】
通信システム101は、図2に示す通信システム100において、通信制御装置(第3通信事業者)140および基地局142を追加した点のみが異なる。そこで、以下では、主に、通信制御装置(第3通信事業者)140および基地局142について説明し、通信システム100と共通する部分については、その説明の一部を省略する。
【0137】
通信制御装置(第3通信事業者)140は、無線接続サービスを提供する無線事業者(第2通信事業者とは異なる)により管理される通信制御装置であり、図1に示すSHO30に対応する。すなわち、通信制御装置(第3通信事業者)140は、インターネット・サービス等を提供するものであり、例えば、無線接続サービスを提供する無線事業者(例えば、携帯電話事業者)に対応する。また、通信制御装置(第3通信事業者)140は、制御部141を備える。
【0138】
制御部141は、基地局142を介して接続される無線通信装置の認証制御を行うものである。例えば、制御部141は、基地局142を介して接続される無線通信装置のうち、通信制御装置(第3通信事業者)140の有効なMCIM(契約認証情報)を保持する無線通信装置を認証する。MCIM(契約認証情報)は、第2通信事業者のMCIMとは異なるものである。
【0139】
なお、管理する通信事業者およびMCIM以外については、通信制御装置(第3通信事業者)140および基地局142は、通信制御装置(第2通信事業者)130および基地局132と略同様であるため、ここでの説明を省略する。
【0140】
また、本技術の第2の実施の形態では、オンラインゲームサイトにおいて、ユーザが所望するゲームを行う場合を例にして説明する。具体的には、オンラインゲームサイトにおいて、ユーザが所望する無料体験版ゲームを選択することにより、そのオンラインゲームを提供するサービス提供会社50のMCIM(SP MCIM)を利用してゲームを行う例を示す。
【0141】
また、本技術の第2の実施の形態では、初期状態において、ユーザの操作する無線通信装置300には、ユーザ自身が契約したMCIMが保持され、このMCIMを利用してオンラインゲームサイトを閲覧しているものとする。
【0142】
[ゲーム選択操作画面およびゲーム終了画面の表示例]
図10は、本技術の第2の実施の形態における無線通信装置300の表示部370に表示される表示画面例を示す図である。
【0143】
図10(a)には、情報処理装置200との間で通信サービスが行われている場合におけるゲーム選択操作画面420を示す。このゲーム選択操作画面420は、例えば、サービス提供会社50が提供するオンラインゲームサイトに無線通信装置300が接続している状態で表示される操作画面の一例である。
【0144】
ゲーム選択操作画面420には、ゲームアイコン421乃至423と、開始ボタン424と、戻るボタン425とが設けられている。なお、説明の容易のため、ゲーム選択操作画面420に表示される他の情報の図示および説明を省略する。
【0145】
ゲームアイコン421乃至423は、サービス提供会社50が提供するオンラインゲームを表すアイコンである。ユーザは、これらのアイコンを選択する選択操作を行うことにより、所望のオンラインゲームを選択することができる。
【0146】
開始ボタン424は、ゲームアイコン421乃至423の何れかを選択する選択操作が行われた後に、その操作されたオンラインゲームを開始する際に押下されるボタンである。
【0147】
戻るボタン425は、例えば、直前に表示されていた表示画面に戻る場合に押下されるボタンである。
【0148】
例えば、無線通信装置300のユーザが、表示部370にゲーム選択操作画面420を表示させ、操作部360からの操作入力により、所望のゲームアイコンを選択し、開始ボタン424の押下操作を行う。この押下操作が受け付けられた場合には、制御部330は、SP MCIMを設定するための制御を行う。この処理については、図11および図12を参照して詳細に説明する。
【0149】
図10(b)には、情報処理装置200との間で行われている通信サービス(オンラインゲーム)の利用を終了するためのゲーム終了画面430を示す。このゲーム終了画面430は、例えば、図10(a)に示すゲーム選択操作画面420においてユーザが選択したオンラインゲームが終了した際に表示部370に表示される。
【0150】
ゲーム終了画面430には、ユーザが選択したオンラインゲームが終了した際における画像431と、続けるボタン432と、終了ボタン433とが設けられている。なお、説明の容易のため、ゲーム終了画面430に表示される他の情報の図示および説明を省略する。
【0151】
続けるボタン432は、終了したオンラインゲームを再度行う場合に押下されるボタンである。なお、オンラインゲームの終了後に行うことが可能なゲームの回数制限(例えば、3回)を設け、この回数に達した場合には、続けるボタン432を非表示とするようにしてもよい。
【0152】
終了ボタン433は、オンラインゲームの終了を確定する際に押下されるボタンである。終了ボタン433が押下された場合には、表示画面が初期メニュー等に戻る。
【0153】
例えば、無線通信装置300のユーザが、表示部370にゲーム終了画面430が表示されている状態で、操作部360からの操作入力により、終了ボタン433の押下操作を行う。この押下操作が受け付けられた場合には、制御部330は、SP MCIMを解除して、元のMCIMを設定するための制御を行う。この処理については、図11および図12を参照して詳細に説明する。
【0154】
[オンラインゲームを行う場合における通信例]
図11および図12は、本技術の第2の実施の形態における通信システム101を構成する各装置間における通信処理例を示すシーケンスチャートである。
【0155】
図11および図12では、無線通信装置300が第2通信事業者のMCIM(ユーザ契約によるMCIM)を保持する場合において、第3通信事業者のMCIM(SP MCIM)を用いて第3通信事業者に接続する例について説明する。すなわち、図11および図12では、無線通信装置300が通信制御装置(第2通信事業者)130と接続状態(531)とされているものとする。ここで、第3通信事業者のMCIMは、サービス提供会社50が契約しているMCIM(SP MCIM)であるものとする。また、図11および図12では、無線通信装置300を操作することにより、情報処理装置200から提供される通信サービス(例えば、オンラインゲーム)を利用する場合における通信処理例を示す。
【0156】
最初に、ユーザ操作により、通信制御装置(第2通信事業者)130を介して無線通信装置300を情報処理装置200と接続させ、情報処理装置200との間で通信処理を行う(532乃至534)。すなわち、ネットワーク(例えば、インターネット)110を介して通信サービスを利用することができる状態とする(532乃至534)。
【0157】
このように通信サービスを利用することができる状態とし、例えば、ユーザ操作に基づいて、オンラインゲームを選択するための選択操作を行うための表示画面を無線通信装置300の表示部370に表示させる。例えば、図10(a)に示すゲーム選択操作画面420を表示部370に表示させる。
【0158】
ここで、図10(a)に示すゲーム選択操作画面420において、ユーザが所望するゲームアイコン421乃至423の選択操作が行われる(535)。このように、無線通信装置300においてゲーム選択操作が受け付けられた場合には(535)、ゲーム選択情報が無線通信装置300から情報処理装置200に送信される(536乃至539)。このゲーム選択情報は、ユーザによる選択操作により選択されたゲームを特定するための情報である。また、ゲーム選択情報には、無線通信装置300を識別するための識別情報と、無線通信装置の種類を特定するための種類情報(例えば、携帯電話装置)とが含まれる。また、無線通信装置300が通信制御装置(第2通信事業者)130と接続状態(531)とされているため、ゲーム選択情報は、無線通信装置300から情報処理装置200に通信制御装置(第2通信事業者)130を介して送信される(536乃至539)。
【0159】
ゲーム選択情報を受信すると(539)、情報処理装置200の制御部250は、SP MCIMの設定要求を通信制御装置(第1通信事業者)120に送信する(540、541)。このSP MCIMの設定要求は、ゲーム選択情報を送信した無線通信装置(無線通信装置300)に有効なMCIM(サービス提供会社50により契約されている第3通信事業者のMCIM(SP MCIM))を設定するための要求である。
【0160】
SP MCIMの設定要求を受信すると(541)、通信制御装置(第1通信事業者)120の制御部121は、SP MCIMの設定指示を通信制御装置(第3通信事業者)140に送信する(542、543)。このSP MCIMの設定指示は、ゲーム選択情報を送信した無線通信装置(無線通信装置300)にSP MCIMを設定するための指示である。
【0161】
MCIMの設定指示を受信すると(543)、通信制御装置(第3通信事業者)140の制御部141は、通信制御装置(第1通信事業者)120を介してSP MCIMの設定情報を無線通信装置300に送信する(544乃至547)。このSP MCIMの設定情報は、SP MCIMを無線通信装置300に設定するための情報であり、SP MCIMを含む。すなわち、この例では、通信制御装置(第1通信事業者)120を介して、通信制御装置(第3通信事業者)140から無線通信装置300にSP MCIMがダウンロードされる例を示す。ただし、本技術の第1の実施の形態と同様に、無線通信装置300にSP MCIMを保持させておき、この保持されているSP MCIMの有効化/無効化を行うことにより、SP MCIMを無線通信装置300に設定するようにしてもよい。
【0162】
SP MCIMの設定情報を無線通信装置300が受信すると(547)、無線通信装置300において有効なMCIM(SP MCIM)が設定される(548)。具体的には、ダウンロードされたSP MCIMが無線通信装置300のMCIM情報記憶部350に書き込まれる(548)。この場合には、MCIM情報記憶部350に保持されていたMCIM(ユーザ契約によるMCIM)は無効化される。これにより、無線通信装置300に有効なMCIM(SP MCIM)が保持され、無線通信装置300が通信制御装置(第3通信事業者)140と接続状態(550)とされる。すなわち、無線通信装置300に通信制御装置(第3通信事業者)140の接続権が設定される。この接続処理時には、本技術の第1の実施の形態と同様に、無線通信装置300の識別情報を通信制御装置(第3通信事業者)140に通知するようにしてもよい。
【0163】
無線通信装置300が通信制御装置(第3通信事業者)140と接続状態(550)とされた場合には、通信制御装置(第3通信事業者)140は、接続完了通知を通信制御装置(第1通信事業者)120に送信する(551、552)。この接続完了通知は、無線通信装置300が接続されたことを通知するための情報である。また、その接続完了通知を受信した場合には(552)、通信制御装置(第1通信事業者)120の制御部121は、その接続完了通知を情報処理装置200に送信する(553、554)。この接続完了通知により、情報処理装置200は、接続完了を検出することができるため、オンラインゲームの提供を開始することができる。
【0164】
なお、上述した接続処理時において(550)、無線通信装置300の識別情報が通信制御装置(第3通信事業者)140に通知されている場合には、それらを通信制御装置(第1通信事業者)120に通知するようにしてもよい(551、552)。この場合には、同様に、無線通信装置300の識別情報を情報処理装置200に通知するようにしてもよい(553、554)。これにより、通信制御装置(第1通信事業者)120、情報処理装置200は、通信制御装置(第3通信事業者)140および無線通信装置300の接続が完了したことを容易に検出することができる。
【0165】
ここで、無線通信装置300が通信制御装置(第3通信事業者)140と接続状態(550)とされている。このため、無線通信装置300は、通信制御装置(第3通信事業者)140を介して情報処理装置200と接続し、情報処理装置200との間で通信処理を行うことができる(555乃至557)。すなわち、ネットワーク(例えば、インターネット)20を介して通信サービス(オンラインゲーム)を利用することができる状態となる(555乃至557)。
【0166】
すなわち、図10(a)に示すゲーム選択操作画面420において選択されたゲームアイコンに対応するオンラインゲームを行うためのゲーム画面が表示部370に表示される(555乃至557)。そして、無線通信装置300のユーザは、そのゲーム画面において、所望のゲームを行うことができる(555乃至557)。
【0167】
ここで、SP MCIMに基づく接続により行われている通信サービス(オンラインゲーム)を終了する場合について説明する。例えば、予め規定されている場面までゲームが進行した場合、ゲーム開始から一定時間(例えば、1時間)が経過した場合、ユーザの手動操作によりゲームプレイが中止された場合等を、オンラインゲームの終了タイミングとすることができる。これらのオンラインゲームの終了タイミングは、情報処理装置200の判定部240により判定される。
【0168】
このようにオンラインゲームの終了タイミングとなった場合には、情報処理装置200の制御部250からの指示に基づいて、無線通信装置300が自動で切断処理を行うようにしてもよい。また、例えば、オンラインゲームの終了タイミングであると判定された場合には、ユーザによる終了操作が行われたことを条件に、ゲーム終了と判定するようにしてもよい。例えば、オンラインゲームの終了タイミングであると判定された場合には、図10(b)に示すゲーム終了画面430を表示部370に表示させる。そして、ゲーム終了画面430において、終了ボタン533の押下操作をユーザが行うことを条件に、ゲーム終了と判定するようにしてもよい。
【0169】
このように、情報処理装置200の判定部240によりゲーム終了と判定された場合には(558)、SP MCIMの無効化要求が情報処理装置200から通信制御装置(第1通信事業者)120に送信される(559、560)。SP MCIMの無効化要求は、無線通信装置300に設定されているSP MCIMを無効化するための要求である。
【0170】
SP MCIMの無効化要求を受信すると(560)、通信制御装置(第1通信事業者)120の制御部121は、SP MCIMの無効化指示を通信制御装置(第3通信事業者)140に送信する(561、562)。このSP MCIMの無効化指示は、無線通信装置300に設定されているSP MCIMを無効化するための指示である。
【0171】
SP MCIMの無効化指示を受信すると(562)、通信制御装置(第3通信事業者)140の制御部141は、MCIMの無効化情報を無線通信装置300に送信する(563、564)。このMCIMの無効化情報は、無線通信装置300に設定されているSP MCIMを無効化(消去)するための情報である。すなわち、この例では、無線通信装置300に設定されているSP MCIMを消去することにより無効化する。ただし、無線通信装置300にSP MCIMを保持させておき、この保持されているSP MCIMの有効化/無効化を行うことにより、無線通信装置300に設定されているSP MCIMを無効化するようにしてもよい。この場合には、MCIMの無効化情報には、無線通信装置300に保持されているSP MCIMを無効化するための情報が含まれる。
【0172】
SP MCIMの無効化情報を無線通信装置300が受信すると(564)、無線通信装置300および通信制御装置(第3通信事業者)140間において切断処理が行われる(565、566)。この切断処理が行われた後に(565、566)、無線通信装置300において、MCIMの無効化処理が行われる(567)。すなわち、MCIM情報記憶部350に書き込まれたMCIM(SP MCIM)が消去される(567)。これにより、無線通信装置300が通信制御装置(第1通信事業者)120と接続状態(568)とされる。
【0173】
続いて、無線通信装置300において有効なMCIM(ユーザ契約によるMCIM)が設定される(569)。具体的には、無線通信装置300のMCIM情報記憶部350に保持されているMCIM(ユーザ契約によるMCIM)が有効化される(569)。これにより、無線通信装置300に有効なMCIMが保持され、無線通信装置300が通信制御装置(第2通信事業者)130と接続状態(570)とされる。すなわち、無線通信装置300に通信制御装置(第2通信事業者)130の接続権が設定される。
【0174】
また、切断処理が行われた後に(565、566)、通信制御装置(第3通信事業者)140は、無線通信装置300との接続が切断された旨を通知するための切断完了通知を通信制御装置(第1通信事業者)120に送信する(571、572)。また、切断完了通知を通信制御装置(第1通信事業者)120が受信した場合には(572)、通信制御装置(第1通信事業者)120は、その切断完了通知を情報処理装置200に送信する(573、574)。
【0175】
このように、判定部240は、無線通信装置300において所定操作(例えば、ゲーム選択操作)が受け付けられた場合に所定条件を満たすと判定する。
【0176】
また、制御部250は、所定条件を満たす場合には、接続権を無線通信装置300に設定することを要求するためのSP MCIMの設定要求を通信制御装置(第1通信事業者)120に対して行う。そして、その設定要求に応じて通信制御装置(第2通信事業者)130により無線通信装置300に設定された接続権に基づいて無線通信装置300がネットワーク110に接続された後に無線通信装置300との間で通信処理を行うように制御を行う。
【0177】
また、制御部250は、無効化するための所定条件を満たすと判定部240により判定された場合には、無線通信装置300に設定された接続権を無効化するための無効化要求を通信制御装置(第1通信事業者)120に対して行うように制御を行う。
【0178】
なお、本技術の第1の実施の形態と同様に、各通知(接続完了通知、切断完了通知)の送信を省略するようにしてもよい。
【0179】
このように、本技術の第2の実施の形態では、サービス提供会社50側からの設定要求に基づいて、無線通信装置300にSP MCIMを設定することができる。この場合には、サービス提供会社50側がSP MCIMの設定要求側となるため、現在何台の無線通信装置にSP MCIMを付与しているか等の情報やその状態を、サービス提供会社50側で容易に管理することができる。例えば、オンラインゲームでは、ユーザがサービスを利用している間、常に一定量の通信が生じるため、サービス提供会社50側が接続機器の台数等を管理することができることは重要である。
【0180】
[情報処理装置の動作例]
図13は、本技術の第2の実施の形態における情報処理装置200による通信処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0181】
最初に、通信制御装置(第2通信事業者)130を介して無線通信装置300との間で通信処理(例えば、ゲーム選択操作中)が行われている(ステップS921)。
【0182】
続いて、制御部250は、ゲーム選択情報を受信したか否かを判断し(ステップS922)、ゲーム選択情報を受信していない場合には、ステップS921に戻る。一方、ゲーム選択情報を受信した場合には(ステップS922)、制御部250は、SP MCIMの設定要求を通信制御装置(第1通信事業者)120に送信する(ステップS923)。なお、ステップS922は、特許請求の範囲に記載の判定手順の一例である。
【0183】
続いて、制御部250は、接続完了通知を受信したか否かを判断し(ステップS924)、接続完了通知を受信していない場合には、監視を継続して行う。一方、接続完了通知を受信した場合には(ステップS924)、通信制御装置(第3通信事業者)140を介して無線通信装置300と接続状態とされている。このため、制御部250は、通信制御装置(第3通信事業者)140を介して情報処理装置200との間で通信処理を行う(ステップS925)。
【0184】
続いて、制御部250は、判定部240によりゲーム終了と判定されたか否かを判断し(ステップS926)、ゲーム終了と判定されていない場合には、監視を継続して行う。一方、ゲーム終了と判定された場合には(ステップS926)、制御部250は、SP MCIMの無効化要求を通信制御装置(第1通信事業者)120に送信する(ステップS927)。
【0185】
続いて、制御部250は、切断完了通知を受信したか否かを判断し(ステップS928)、切断完了通知を受信していない場合には、監視を継続して行う。一方、切断完了通知を受信した場合には(ステップS928)、通信処理の動作を終了する。なお、ステップS923乃至S928は、特許請求の範囲に記載の制御手順の一例である。
【0186】
<3.変形例>
上述したように、ROおよびSHOは論理的な役割であり、ROおよびSHOのそれぞれを同一の通信事業者が運営することもあり得る。この場合には、PCIDおよびMCIMの代わりに、2種類の他の契約認証情報をその通信事業者が発行することにより、本技術の第1および第2の実施の形態と同様の仕組みを実現することができる。
【0187】
PCIDおよびMCIMの代わりの他の契約認証情報として、例えば、2種類のIMSI(International Mobile Subscriber Identity)をその通信事業者が発行することが想定される。ここで、2種類のIMSIを、第1のIMSIおよび第2のIMSIと称して説明する。
【0188】
第1のIMSIは、例えば、限定された情報をやりとりする接続のための契約認証情報であるものとし、第2のIMSIは、通常の通信を行うための契約認証情報であるものとする。
【0189】
この場合には、第1のIMSIは、PCIDに相当し、第2のIMSIは、MCIMに相当する。また、無線通信装置は、予め第1のIMSIを保持しているものとする。そして、保持されている第1のIMSIを用いて通信事業者に接続し、第2のIMSIを取得することができる。
【0190】
このように、本技術の実施の形態では、サービス提供者により契約されている契約認証情報をダウンロード(または、有効化)して、その契約認証情報を用いて利用者がネットワーク接続権を容易に得ることができる。ただし、上述した通信システムの構成(例えば、非特許文献1参照。)に限定されるものではなく、他の通信システムに適用することができる。
【0191】
なお、本技術の実施の形態では、一体として構成される情報処理装置(通信制御装置120、130、情報処理装置200等)を例にして説明した。ただし、これらの情報処理装置が備える各部(例えば、制御部250、判定部240)を複数の装置により構成する情報処理システムについても本技術の実施の形態を適用することができる。
【0192】
また、携帯型の無線通信装置(例えば、データ通信専用端末装置)や、固定型の無線通信装置に本技術の実施の形態を適用することができる。例えば、自動販売機のデータ収集を目的とする無線通信装置、エレベータ、自動車、電子機器(例えば、家電製品、ゲーム機、デジタルフォトフレーム)に搭載されている無線通信装置に本技術の実施の形態を適用することができる。
【0193】
また、本技術の実施の形態では、ネットワーク接続権(接続権)として、MCIMの使用権を例にして説明した。ただし、他の情報(例えば、USIM(Universal Subscriber Identity Module))に基づいて、所定のネットワークと接続するための接続権についても、本技術の実施の形態を適用することができる。
【0194】
このように、本技術の実施の形態によれば、ソフトウェアダウンローダブルSIMを利用して、利用者の通信料をサービス提供者が支払う仕組みを実現することができる。すなわち、利用者は、サービス提供者が提供する通信サービスを受ける場合に、そのサービス提供者が契約したMCIMをダウンロードすることにより、そのサービス提供者の通信サービスに係る通信料を無料で利用することができる。
【0195】
なお、上述の実施の形態は本技術を具現化するための一例を示したものであり、実施の形態における事項と、特許請求の範囲における発明特定事項とはそれぞれ対応関係を有する。同様に、特許請求の範囲における発明特定事項と、これと同一名称を付した本技術の実施の形態における事項とはそれぞれ対応関係を有する。ただし、本技術は実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において実施の形態に種々の変形を施すことにより具現化することができる。
【0196】
また、上述の実施の形態において説明した処理手順は、これら一連の手順を有する方法として捉えてもよく、また、これら一連の手順をコンピュータに実行させるためのプログラム乃至そのプログラムを記憶する記録媒体として捉えてもよい。この記録媒体として、例えば、CD(Compact Disc)、MD(MiniDisc)、DVD(Digital Versatile Disk)、メモリカード、ブルーレイディスク(Blu-ray Disc(登録商標))等を用いることができる。
【0197】
なお、本技術は以下のような構成もとることができる。
(1) サービス提供者に係る情報処理システムと無線通信装置との間で通信処理を行うための所定条件を満たすかを判定する判定部と、
前記所定条件を満たす場合には、無線通信を利用して所定のネットワークに接続するための接続権を前記無線通信装置に設定して当該設定された接続権に基づいて前記無線通信装置が前記ネットワークに接続して前記情報処理システムとの間で前記通信処理を行うように制御を行う制御部と
を具備する情報処理装置。
(2) 前記情報処理装置は、前記無線通信装置であり、
前記判定部は、操作部により所定操作が受け付けられた場合に、前記所定条件を満たすと判定し、
前記制御部は、前記所定条件を満たす場合には、前記接続権を前記無線通信装置に設定することを要求するための設定要求をRO(Registration Operator)に対して行い、前記設定要求に応じてSHO(Selected Home Operator)により設定された前記接続権に基づいて前記ネットワークに接続した後に前記情報処理システムとの間で前記通信処理を行うように制御を行う
前記(1)に記載の情報処理装置。
(3) 前記ROは、前記無線通信装置に前記接続権が設定されて前記無線通信装置が前記ネットワークに接続された場合にその旨を前記情報処理システムに通知する前記(2)に記載の情報処理装置。
(4) 前記ROは、前記無線通信装置に設定された前記接続権が無効化された場合にその旨を前記情報処理システムに通知する前記(2)または(3)に記載の情報処理装置。
(5) 前記情報処理装置は、前記情報処理システムであり、
前記判定部は、前記無線通信装置において所定操作が受け付けられた場合に、前記所定条件を満たすと判定し、
前記制御部は、前記所定条件を満たす場合には、前記接続権を前記無線通信装置に設定することを要求するための設定要求をROに対して行い、前記設定要求に応じてSHOにより前記無線通信装置に設定された前記接続権に基づいて前記無線通信装置が前記ネットワークに接続された後に前記無線通信装置との間で前記通信処理を行うように制御を行う
前記(1)に記載の情報処理装置。
(6) 前記接続権は、前記サービス提供者が契約している通信事業者が運営する基地局に接続するための契約認証情報に基づいて前記基地局に接続する権利である前記(1)から(5)のいずれかに記載の情報処理装置。
(7) 前記接続権は、前記情報処理システムと前記無線通信装置との間で前記通信処理のみを行うための制限が付されている前記(1)から(6)のいずれかに記載の情報処理装置。
(8) 前記制御部は、前記情報処理システムから前記無線通信装置にコンテンツを提供するコンテンツ提供処理、前記無線通信装置から前記情報処理システムにコンテンツをアップロードするアップロード処理、または、前記情報処理システムから前記無線通信装置にコンテンツをダウンロードするダウンロード処理を前記通信処理として行うための制御を行う前記(1)から(7)のいずれかに記載の情報処理装置。
(9) 前記判定部は、前記設定された前記接続権を無効化するための所定条件を満たすかを判定し、
前記制御部は、前記無効化するための所定条件を満たすと判定された場合には、前記無線通信装置に設定された前記接続権を無効化するための制御を行う
前記(1)から(8)のいずれかに記載の情報処理装置。
(10) 前記情報処理装置は、前記情報処理システムであり、
前記制御部は、前記無効化するための所定条件を満たすと判定された場合には、前記無線通信装置に設定された前記接続権を無効化するための無効化要求をROに対して行うように制御を行う
前記(9)に記載の情報処理装置。
(11) 前記制御部は、前記情報処理システムと前記無線通信装置との間で行われた前記通信処理が終了した場合には、前記無線通信装置に設定された前記接続権を無効化するための無効化処理を行うように制御を行う前記(1)から(10)のいずれかに記載の情報処理装置。
(12) サービス提供者に係る情報処理システムと、
無線通信を行う無線通信装置と、
前記情報処理システムと前記無線通信装置との間で通信処理を行うための所定条件を満たすかを判定する判定部と、
前記所定条件を満たす場合には、無線通信を利用して所定のネットワークに接続するための接続権を前記無線通信装置に設定して当該設定された接続権に基づいて前記無線通信装置が前記ネットワークに接続して前記情報処理システムとの間で前記通信処理を行うように制御を行う制御部と
を具備する通信システム。
(13) サービス提供者に係る情報処理システムと無線通信装置との間で通信処理を行うための所定条件を満たすかを判定する判定手順と、
前記所定条件を満たす場合には、無線通信を利用して所定のネットワークに接続するための接続権を前記無線通信装置に設定して当該設定された接続権に基づいて前記無線通信装置が前記ネットワークに接続して前記情報処理システムとの間で前記通信処理を行うように制御を行う制御手順と
を具備する情報処理装置の制御方法。
【符号の説明】
【0198】
10、100、101、102 通信システム
21、31、122、132、142 基地局
40、110 ネットワーク
50 サービス提供会社
120 通信制御装置(第1通信事業者)
121、131、141、250、330 制御部
130 通信事業者(第2通信事業者)
140 通信事業者(第3通信事業者)
200 情報処理装置
210 通信部
220 サービス提供部
230 記憶部
240 判定部
300 無線通信装置
311 アンテナ
312 アンテナ共用部
321 変調部
322 復調部
331 バス
340 メモリ
350 MCIM情報記憶部
360 操作部
370 表示部
380 位置情報取得部
391 マイクロフォン
392 スピーカ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サービス提供者に係る情報処理システムと無線通信装置との間で通信処理を行うための所定条件を満たすかを判定する判定部と、
前記所定条件を満たす場合には、無線通信を利用して所定のネットワークに接続するための接続権を前記無線通信装置に設定して当該設定された接続権に基づいて前記無線通信装置が前記ネットワークに接続して前記情報処理システムとの間で前記通信処理を行うように制御を行う制御部と
を具備する情報処理装置。
【請求項2】
前記情報処理装置は、前記無線通信装置であり、
前記判定部は、操作部により所定操作が受け付けられた場合に、前記所定条件を満たすと判定し、
前記制御部は、前記所定条件を満たす場合には、前記接続権を前記無線通信装置に設定することを要求するための設定要求をRO(Registration Operator)に対して行い、前記設定要求に応じてSHO(Selected Home Operator)により設定された前記接続権に基づいて前記ネットワークに接続した後に前記情報処理システムとの間で前記通信処理を行うように制御を行う
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記ROは、前記無線通信装置に前記接続権が設定されて前記無線通信装置が前記ネットワークに接続された場合にその旨を前記情報処理システムに通知する請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記ROは、前記無線通信装置に設定された前記接続権が無効化された場合にその旨を前記情報処理システムに通知する請求項2記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記情報処理装置は、前記情報処理システムであり、
前記判定部は、前記無線通信装置において所定操作が受け付けられた場合に、前記所定条件を満たすと判定し、
前記制御部は、前記所定条件を満たす場合には、前記接続権を前記無線通信装置に設定することを要求するための設定要求をROに対して行い、前記設定要求に応じてSHOにより前記無線通信装置に設定された前記接続権に基づいて前記無線通信装置が前記ネットワークに接続された後に前記無線通信装置との間で前記通信処理を行うように制御を行う
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記接続権は、前記サービス提供者が契約している通信事業者が運営する基地局に接続するための契約認証情報に基づいて前記基地局に接続する権利である請求項1記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記接続権は、前記情報処理システムと前記無線通信装置との間で前記通信処理のみを行うための制限が付されている請求項1記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記情報処理システムから前記無線通信装置にコンテンツを提供するコンテンツ提供処理、前記無線通信装置から前記情報処理システムにコンテンツをアップロードするアップロード処理、または、前記情報処理システムから前記無線通信装置にコンテンツをダウンロードするダウンロード処理を前記通信処理として行うための制御を行う請求項1記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記判定部は、前記設定された前記接続権を無効化するための所定条件を満たすかを判定し、
前記制御部は、前記無効化するための所定条件を満たすと判定された場合には、前記無線通信装置に設定された前記接続権を無効化するための制御を行う
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記情報処理装置は、前記情報処理システムであり、
前記制御部は、前記無効化するための所定条件を満たすと判定された場合には、前記無線通信装置に設定された前記接続権を無効化するための無効化要求をROに対して行うように制御を行う
請求項9記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記情報処理システムと前記無線通信装置との間で行われた前記通信処理が終了した場合には、前記無線通信装置に設定された前記接続権を無効化するための無効化処理を行うように制御を行う請求項1記載の情報処理装置。
【請求項12】
サービス提供者に係る情報処理システムと、
無線通信を行う無線通信装置と、
前記情報処理システムと前記無線通信装置との間で通信処理を行うための所定条件を満たすかを判定する判定部と、
前記所定条件を満たす場合には、無線通信を利用して所定のネットワークに接続するための接続権を前記無線通信装置に設定して当該設定された接続権に基づいて前記無線通信装置が前記ネットワークに接続して前記情報処理システムとの間で前記通信処理を行うように制御を行う制御部と
を具備する通信システム。
【請求項13】
サービス提供者に係る情報処理システムと無線通信装置との間で通信処理を行うための所定条件を満たすかを判定する判定手順と、
前記所定条件を満たす場合には、無線通信を利用して所定のネットワークに接続するための接続権を前記無線通信装置に設定して当該設定された接続権に基づいて前記無線通信装置が前記ネットワークに接続して前記情報処理システムとの間で前記通信処理を行うように制御を行う制御手順と
を具備する情報処理装置の制御方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2013−42268(P2013−42268A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−176657(P2011−176657)
【出願日】平成23年8月12日(2011.8.12)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】