情報処理装置、還元処理装置、情報処理方法、還元処理方法および還元システム
【課題】電力を用いるユーザに種々の利益を還元することができる情報処理装置、還元処理装置、情報処理方法、還元処理方法および還元システムを提供する。
【解決手段】情報処理装置は、搭載または接続された機器に関する電力関連情報を取得する電力関連情報取得部と、電力関連情報取得部により取得した電力関連情報をネットワークを介して接続された還元処理装置に送信する通信部とを備える。還元処理装置は、機器に搭載または接続された情報処理装置から送信される電力関連情報をネットワークを介して受信する通信部と、電力関連情報に基づいて還元処理の基準となる還元基準を算出する還元基準算出部と、還元基準に基づいて所定の還元処理を行う還元処理部とを備える。
【解決手段】情報処理装置は、搭載または接続された機器に関する電力関連情報を取得する電力関連情報取得部と、電力関連情報取得部により取得した電力関連情報をネットワークを介して接続された還元処理装置に送信する通信部とを備える。還元処理装置は、機器に搭載または接続された情報処理装置から送信される電力関連情報をネットワークを介して受信する通信部と、電力関連情報に基づいて還元処理の基準となる還元基準を算出する還元基準算出部と、還元基準に基づいて所定の還元処理を行う還元処理部とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、情報処理装置、還元処理装置、情報処理方法、還元処理方法および還元システムに関し、詳しくは使用された電力に応じた種々の還元を行う情報処理装置、還元処理装置、情報処理方法、還元処理方法および還元システムに関する。
【背景技術】
【0002】
地球温暖化や資源エネルギー枯渇などの環境問題は全人類共通の課題である。温暖化の原因であると言われている二酸化炭素の削減のために、条例などで事業活動における二酸化炭素排出量の削減に一定の義務を課する国や自治体も増えている。企業においては工場などの大規模設備の省電力化を進めるとともに、自社において使用する電力を発電過程で二酸化炭素が発生しない再生可能エネルギーによる発電でまかなうことにより二酸化炭素削減を進めるなどの施策が期待されている。
【0003】
このように産業部門におけるエネルギー消費については法令による義務化で二酸化炭素削減が少しずつではあるが進められている。一方、エネルギー消費の1/3程度を占める民生部門でのエネルギー消費については法令による削減の義務化が困難である。よって、効率的なエネルギー利用を促進させるための何らかの方策が必要となる。
【0004】
そこで、燃料電池を需要家に設置し、燃料電池で発電した電力量の内の一部を電力供給会社に売る場合における、燃料の料金の徴収、電力供給会社へ売る電力の代金の還付に関する、燃料電池の燃料費の徴収方法、燃料電池の維持費の賦課方法が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−48536号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載の技術は、電力会社への公共料金の支払い情報をもとにした料金の差額返却の仕組みであり、本発明のように任意の電気製品の電気料金を算出し返却するような枠組みとなっていないし、無料化するものでもない。また環境負荷低減に対する提案も含まれていない。
【0007】
したがって、本技術の目的は、電力を用いるユーザに種々の利益を還元することができる情報処理装置、還元処理装置、情報処理方法、還元処理方法および還元システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、第1の技術は、搭載または接続された機器に関する電力関連情報を取得する電力関連情報取得部と、電力関連情報取得部により取得した電力関連情報をネットワークを介して接続された還元処理装置に送信する通信部とを備える情報処理装置である。
【0009】
また、第2の技術は、機器に搭載または接続された情報処理装置から送信される電力関連情報をネットワークを介して受信する通信部と、電力関連情報に基づいて還元処理の基準となる還元基準を算出する還元基準算出部と、還元基準に基づいて所定の還元処理を行う還元処理部とを備える還元処理装置である。
【0010】
また、第3の技術は、機器に関する電力関連情報を取得し、電力関連情報をネットワークを介して接続された還元処理装置に送信する情報処理方法である。
【0011】
また、第4の技術は、機器に搭載または接続された情報処理装置から送信される電力関連情報をネットワークを介して受信し、電力関連情報に基づいて還元処理の基準となる還元基準を算出し、還元基準に基づいて所定の還元処理を行う還元処理方法である。
【0012】
また、第5の技術は、搭載または接続された機器に関する電力関連情報を取得する電力関連情報取得部と、電力関連情報取得部により取得した電力関連情報をネットワークを介して接続された還元処理装置に送信する第1の通信部とを備える情報処理装置と、情報処理装置から送信される電力関連情報をネットワークを介して受信する第2の通信部と、電力関連情報に基づいて還元処理の基準となる還元基準を算出する還元基準算出部と、還元基準に基づいて所定の還元処理を行う還元処理部とを備える還元処理装置とからなる還元システムである。
【発明の効果】
【0013】
本技術によれば、機器の利用により電力を使用するユーザに対して、そのユーザが使用した電力に応じた種々の利益を還元することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、還元システムの全体構成を示す図である。
【図2】図2は、本技術の第1の実施の形態に係る情報処理装置および還元処理サーバの構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、機器データベースに格納される情報の例を示す図である。
【図4】図4は、ユーザデータベースに格納されるユーザ情報の例を示す図である。
【図5】図5は、情報処理装置から還元処理サーバへの情報の送信処理の流れを示すシーケンス図である。
【図6】図6は、還元処理サーバにおける処理を説明するための図である。
【図7】図7は、本技術の第2の実施の形態に係る情報処理装置と還元処理サーバの構成を示す図である。
【図8】図8は、本技術の第3の実施の形態に係る情報処理装置と還元処理サーバの構成を示す図である。
【図9】図9は、本技術の第3の実施の形態における情報処理装置から還元処理サーバへの情報の送信処理の流れを示すシーケンス図である。
【図10】図10は、本技術の第4の実施の形態に係る情報処理装置と還元処理サーバの構成を示す図である。
【図11】図11は、本技術の第4の実施の形態における情報処理装置から還元処理サーバへの情報の送信処理の流れを示すシーケンス図である。
【図12】図12は、変形例に係る還元システムの全体構成を示す図である。
【図13】図13は、本技術の変形例に係る情報処理装置および還元処理サーバの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本技術の実施の形態について図面を参照しながら説明する。ただし、本技術は以下の実施例のみに限定されるものではない。なお、説明は以下の順序で行う。
<1.第1の実施の形態>
[1−1.還元システムの構成]
[1−2.情報処理装置の構成]
[1−3.還元処理サーバの構成]
[1−4.情報処理装置における処理]
[1−5.還元処理サーバにおける処理]
<2.第2の実施の形態>
<3.第3の実施の形態>
<4.第4の実施の形態>
<5.変形例>
【0016】
<1.第1の実施の形態>
[1−1.還元システムの構成]
図1は、本技術に係る還元システムを利用するための仕組みを示す構成図である。還元システムは、情報処理装置100と還元処理サーバ1000とから構成されている。情報処理装置100は、ユーザが所有する機器10に搭載または接続されることにより用いられる。なお、ユーザは情報処理装置100が搭載又は接続された機器10を1つに限らず、いくつ所有していてもよい。また、ユーザの数は何人であってもよい。還元処理サーバ1000はユーザが使用する機器10の製造元であるメーカー6000の管理のもと用いられる。還元処理サーバ1000は特許請求の範囲における還元処理装置に相当するものである。
【0017】
本実施の形態においては、還元システムを利用するためには、情報処理装置100および還元処理サーバ1000の他に、自然エネルギーによる発電を行う会社(以下、自然エネルギー発電会社2000と称する。)、電力会社3000、グリーン電力証書の発行を行う会社(以下、グリーン電力証書発行会社4000と称する。)、グリーン電力認証センター5000およびメーカー6000の存在が必要となる。
【0018】
自然エネルギー発電会社2000は、太陽光、太陽熱、風力、水力、マイクロ水力、潮汐力、波力、水の温度差、海流、バイオマス、地熱などのいわゆる自然エネルギー(再生可能エネルギー)を用いた発電設備を備え、自然エネルギー発電を行う企業である。ただし、自然エネルギーを用いた発電方法は上述のもの限られず、今後、新しく開発されるであろう発電方法を含め、環境負荷の低い発電方法であればどのようなものであってもよい。また、自然エネルギーによる発電を行うのは企業に限られず、個人でもよい。
【0019】
自然エネルギー発電会社2000が自然エネルギーを用いた発電によって得た電力のうち、「電力そのものとしての価値」部分は主に、電力会社3000への売電、または自然エネルギー発電会社2000内での自家消費に充てられる。
【0020】
電力会社3000は、電力供給を行う、いわゆる電気事業を主要な収益源としている会社である。電力会社3000が用いる発電方法は自然エネルギー発電の他に、火力発電、原子力発電など、自然エネルギー発電に比べて環境負荷が大きい発電方法がある。電力会社3000はユーザに対して電力の供給を行う。また、電力会社3000は、自然エネルギー発電会社2000が自然エネルギー発電により得た電力の買取りも行う。
【0021】
グリーン電力証書発行会社4000は、グリーン電力証書の発行を行うものである。グリーン電力証書とは、上述した自然エネルギーによって得られた電力を、「電力そのものとしての価値」に加えて、さらに「二酸化炭素を排出しない発電であることの価値」、すなわち環境付加価値を有するものとして考え、その環境付加価値を、取引可能な証書にしたものである。
【0022】
グリーン電力証書を購入すると、グリーン電力証書の購入者はその電力を使用して環境負荷削減に貢献したとみなされる。よって、例えば、企業がグリーン電力証書を購入すると、その企業は、条例などによって課せられた環境負荷の軽減義務を達成したとみなされる。そして、グリーン電力証書の購入代金は自然エネルギー発電会社2000に提供される。このような、グリーン電力証書を利用した制度は、グリーン電力証書制度と称される。このグリーン電力証書制度により、自然エネルギー発電の普及および拡大を推進することができる。なお、グリーン電力証書は企業に限られず、個人で購入することも可能である。
【0023】
グリーン電力証書発行会社4000は、自然エネルギー発電会社2000が自然エネルギーを用いた発電により得た電力のうち、環境付加価値部分を引き取り、それを証書化する。
【0024】
グリーン電力認証センター5000は、グリーン電力証書に関する認証、基準策定、普及活動などを行う機関である。グリーン電力認証センター5000は、自然エネルギー発電会社2000が自然エネルギーを用いた発電を行っているか否かの認証を行う。また、グリーン電力認証センター5000は、グリーン電力証書発行会社4000が引き取ることにより取引対象となる環境付加価値が、認定された自然エネルギー発電設備2100によって発電されたものであるかを確認する。
【0025】
メーカー6000は、ユーザによって用いられる各種電気機器、電子機器等の製造販売を行うものである。機器10は電力によって動作するものであればどのようなものでもよい。機器10としては、例えば、テレビジョン受像機、パーソナルコンピュータ、プリンター、フォトフレーム、デジタルカメラ、冷蔵庫、エアーコンディショナー、洗濯機、掃除機、ゲーム機、オーディオアンプ、電気自動車、ハイブリット車などがある。また、メーカー6000は、電力によって動作する機器10などの製造販売を行う企業であれば規模などは問わず、どのような企業であってもよい。
【0026】
[1−2.情報処理装置の構成]
次に、図2を参照して情報処理装置100の構成について説明する。図2は、情報処理装置100および還元処理サーバ1000の構成を示すブロック図である。情報処理装置100は、機器10に搭載または接続されることによって用いられる。情報処理装置100は、必ずしも予め機器10に搭載されている必要はなく、機器10に外部接続可能な専用のハードウェアとして構成されてもよい。また、機器1つに対して1つの情報処理装置を対応させるようにしてもよいし、1つの情報処理装置で複数の機器における処理を行ってもよい。情報処理装置100は、制御部110、使用時間計測部111、タイマー部112および通信部120とから構成されている。
【0027】
制御部110は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)およびROM(Read Only Memory)などから構成されている。ROMには、CPUにより読み込まれるプログラムが格納されている。RAMは、CPUのワークメモリとして用いられる。CPUは、ROMに格納されているプログラムに基づき様々な処理を実行することによって情報処理装置100全体の制御を行う。また、制御部110は、所定のプログラムを実行することにより使用時間計測部111およびタイマー部112としても機能する。
【0028】
使用時間計測部111は、情報処理装置100が搭載または接続された機器10の電源オン/オフを検出し、機器10の電源がオンとなってからオフとなるまで時間、すなわち機器10が使用された時間(以下、機器使用時間と称する。)を計測する。この機器使用時間を示す機器使用時間情報が特許請求の範囲における電力関連情報に相当するものである。また、使用時間計測部111が特許請求の範囲における電力関連情報取得部に相当するものである。
【0029】
機器10の電源のオン/オフの判断は、例えば機器10の内部において機器10を構成する各部に電力を供給するための電力供給ラインにおける電圧変化を検出することにより行うことができる。また、機器10が物理的な電源スイッチを備えている場合には、その電源スイッチが押圧されたか否かを検出することによっても電源のオン/オフを判定することができる。
【0030】
機器使用時間情報は、機器10の型式を示す機器型式情報および、機器10を識別するための機器識別情報と共に還元処理サーバ1000へ送信される。型式とは、通常、複数文字の文字列からなり、同一メーカーの同一種類の機器であれば全ての機器の型式は共通である。
【0031】
また、機器識別情報とは、機器10を個別に識別するための情報であり、たとえ同一メーカーの同一種類の機器であっても機器識別情報は全ての機器で異なっている。通常、機器型式情報、機器識別情報は、機器10の制御部(図示せず。)のROMなどに記録されている。情報処理装置100は機器のROMなどから読み出すことにより機器型式情報、機器識別情報を取得する。情報処理装置100は、一度機器10の機器型式情報、機器識別情報を取得した後は、その機器型式情報、機器識別情報を自身の記憶媒体などに記憶させておいてもよい。なお、以降の説明においては、機器使用時間情報、機器型式情報および機器識別情報をまとめて機器情報と称する。
【0032】
タイマー部112は、現在日時が、予め設定された機器情報の送信を行う日時に至ったか否かを判定するものである。機器情報の送信は例えば、1日、1ヶ月に一度などの所定の間隔を空けて定期的に行われる。よって、機器情報の送信を行う日時とは、機器情報の送信が1日に一度行われる場合には、例えば「毎日0時」というように時刻によって設定される。また、機器情報の送信が一ヶ月に一度行われる場合には、「毎月25日の0時」というように日にちと時刻によって設定される。この機器情報の送信を行う頻度、日時はメーカー6000側が予め定めておいてもよいし、ユーザとメーカー6000の間の契約によって決定されるようにしてもよい。
【0033】
通信部120は、制御部110の制御のもと、所定のプロトコルに基づいてインターネットなどのネットワークを介して還元処理サーバ1000との通信を行うためのネットワークインターフェースである。通信方式は有線通信、無線LAN(Local Area Network)、Wi−Fi(Wireless Fidelity)、3G回線を用いた通信など、どのようなものでもよい。
【0034】
使用時間計測部111により計測された機器使用時間を示す機器使用時間情報は、現在日時が機器情報の送信を行う日時に至った時点で、制御部110の制御のもと、通信部120により、機器型式情報および機器識別情報と共に還元処理サーバ1000へ送信される。情報処理装置100により行われる機器情報の送信処理の詳細については後述する。
【0035】
[1−3.還元処理サーバの構成]
次に、還元処理サーバ1000の構成について説明する。還元処理サーバ1000は、機器データベース1100、ユーザデータベース1200、通信部1300、制御部1400、使用電力算出部1401、使用電力累積部1402、電気料金算出部1403、第1還元処理部1404および第2還元処理部1405とから構成されている。還元処理サーバ1000は、特許請求の範囲における還元処理装置に相当するものである。
【0036】
機器データベース1100は、メーカー6000が製造販売する全ての機器についての型式および各型式の消費電力を示す消費電力情報を格納している。機器データベース1100では、例えば図3に示すように、機器10の種別、型式、その型式の消費電力および待機電力を示す情報が対応付けられて格納されている。
【0037】
ユーザデータベース1200は、メーカー6000が製造販売した機器10を購入したユーザに関する情報(ユーザ情報)を格納する。ユーザ情報としては、ユーザの氏名、住所、電話番号、金融機関の口座番号などの振込先情報、ユーザIDなどがある。図4に示すように、ユーザ情報はそのユーザが所有する機器10の機器識別情報と対応付けられてユーザデータベース1200に格納されている。ただし、ユーザ情報はそれらに限られるものではない。ユーザとメーカー6000との間で情報の取得について合意が得られ、還元処理サーバ1000において利用することができると考えられる情報であればどのようなものでもよい。
【0038】
ユーザ情報は、例えば、ユーザが機器10を初めて使用する際に、ネットワークに接続することおよびネットワークを介してユーザ情報をメーカー6000に送信することを要求することによるユーザ登録処理を行うことによって取得することができる。
【0039】
通信部1300は、制御部110の制御のもと、所定のプロトコルに基づいてインターネットなどのネットワークを介して情報処理装置100との通信を行うためのネットワークインターフェースである。通信方式は有線通信、無線LAN、Wi−Fi、3G回線を用いた通信など、どのようなものでもよい。通信部1300は、情報処理装置100から送信された機器情報を受信し、制御部1400に供給する。
【0040】
制御部1400は、例えば、CPU、RAMおよびROMなどから構成されている。ROMには、CPUにより読み込まれるプログラムが格納されている。RAMは、CPUのワークメモリとして用いられる。CPUは、ROMに格納されているプログラムに基づき様々な処理を実行することによって還元処理サーバ1000全体の制御を行う。また、制御部1400は所定のプログラムを実行することにより、使用電力算出部1401、使用電力累積部1402、電気料金算出部1403、第1還元処理部1404および第2還元処理部1405として機能する。
【0041】
使用電力算出部1401は、情報処理装置100から定期的に送信される機器使用時間情報に基づいて、機器10を使用するために用いられた電力量(以下、使用電力量と称する。)を算出する。
【0042】
使用電力累積部1402は、使用電力算出部1401により算出される使用電力量を機器10のユーザごとに累積していくことにより、ユーザごとの累積使用電力量を算出する。使用電力算出部1401により算出された使用電力量、または、使用電力累積部1402により算出される累積使用電力量が特許請求の範囲における還元基準に相当するものである。
【0043】
電気料金算出部1403は、使用電力累積部1402により算出された累積使用電力量から、ユーザが機器10の使用によって電力会社3000に払うこととなる電気料金を算出する。使用電力算出部1401、使用電力累積部1402および電気料金算出部1403は特許請求の範囲における還元基準算出部に相当するものである。
【0044】
第1還元処理部1404は、電気料金算出部1403により算出された電気料金に基づいて所定の還元処理を行う。第2還元処理部1405は、累積使用電力量に基づいて所定の還元処理を行う。よって、電気料金および累積使用電力量はいずれも特許請求の範囲における還元基準に相当するものである。なお、使用電力算出部1401、使用電力累積部1402、電気料金算出部1403、第1還元処理部1404および第2還元処理部1405における処理の詳細については後述する。以上のようにして、還元処理サーバ1000が構成されている。
【0045】
[1−4.情報処理装置における処理]
次に還元システムにおける処理について説明する。まず、情報処理装置100から還元処理サーバ1000への機器情報の送信について説明する。図5は機器情報の送信処理の詳細について説明するためのシーケンス図である。
【0046】
図5Aは、情報処理装置100から還元処理サーバ1000への機器情報の送信の第1の態様を示すシーケンス図である。まず、ステップS1で情報処理装置100が搭載または接続されている機器10の電源がオンにされる。そうすると、次にステップS2で、使用時間計測部111により、機器10の使用時間の計測が開始される。そして、ステップS3でタイマー部112により、現在日時が機器情報の通知日時に到達したと判断されると、ステップS4で、制御部110の制御のもと、通信部120によって機器情報が還元処理サーバ1000に送信される。そして、この後も引き続き、使用時間の計測、送信日時に至ったかの判定、機器情報の送信が繰り返し行われる。
【0047】
この第1の態様は、例えば冷蔵庫、フォトフレームなどのように、基本的に一度電源をオンにした後は故障など不具合が生じない限り電源をオフにすることがない機器において用いられると考えられる。
【0048】
図5Bは、情報処理装置100から還元処理サーバ1000への機器情報の送信の第2の態様を示すシーケンス図である。ステップS11〜14までは上述した第1の態様のステップS1〜4までと同様であるため、その説明を省略する。
【0049】
ステップS15に示すように、機器10の電源ボタン(図示せず。)が押下されることなどにより機器10の電源をオフにする処理が開始されると、ステップS16に示すように、機器情報が還元処理サーバ1000へ送信される。このステップS16における機器情報の送信は現在日時が定められた送信日時に至っていない場合であっても行われ、電源オフとされるまでの機器使用時間情報を含めた機器情報が送信される。
【0050】
そして、ステップS18に示すように機器10の電源がオンにされると、ステップS19で機器使用時間の計測が開始される。
【0051】
[1−5.還元処理サーバにおける処理]
次に図6を参照して、機器情報を受信した還元処理サーバ1000における処理について説明する。情報処理装置100から機器情報が送信されると、機器情報は通信部1300から制御部1400に供給される。
【0052】
まず、使用電力算出部1401は、情報処理装置100から送信された機器型式情報に基づいて機器データベース1100を参照することにより、ユーザが使用している機器10の消費電力を示す消費電力情報を取得する。そして、機器情報に含まれる機器使用時間情報で示される機器10の使用時間と消費電力情報で示される機器10の消費電力とに基づいて、ユーザが機器10を使うことによって使用した電力量(以下、使用電力量と称する。)を算出する。使用電力量は下記の式1を用いて、算出される。算出された使用電力量は、使用電力累積部1402に供給される。
【0053】
[式1]
使用電力量=使用時間×消費電力
【0054】
次に、使用電力累積部1402は、情報処理装置100から送信された機器識別情報に基づいてユーザデータベース1200を参照することにより、その機器10を使用するユーザを特定する。そして、使用電力累積部1402は、使用電力算出部1401から供給された使用電力量をユーザごとに累積する。
【0055】
これにより、所定期間(例えば、1ヶ月など)におけるユーザの機器10を使用したことによる総使用電力量が算出される。なお、この累積により求める所定期間における総使用電力量は、後述する還元処理を行う間隔に一致させるとよい。例えば、還元処理を1ヶ月に一度行う場合には1ヶ月分の使用電力量を累積して累積消費電力量を求めるとよい。
【0056】
なお、ユーザが複数のメーカー6000製の機器10を使用している場合、機器10ごとに使用電力量を累積して総使用電力量を算出するのではなく、ユーザが使用する機器の数に関わらず、全ての機器の使用電力量をまとめて累積する。これにより、ユーザが複数のメーカー6000製の機器を使用している場合でも、機器の数に関わらず、ユーザの総使用電力量を求めることができる。ただし、この記載は、機器ごとに使用電力量を累積することを否定するものではなく、機器ごとに使用電力量を累積することも可能である。算出された総消費電力量は電気料金算出部1403および第2還元処理部1405に供給される。
【0057】
電気料金算出部1403は、使用電力累積部1402から総消費電力量を受け取ると、情報処理装置100から送信された機器識別情報に基づいて機器データベース1100を参照することにより、ユーザの住所を取得する。
【0058】
そして、電気料金算出部1403は、ユーザの住所をもとに、ユーザの所在地を管轄する電力会社3000の電気料金単価情報を取得する。なお、電力会社3000の電気料金単価は、例えば図6に示すように、インターネットで各電力会社3000のサーバにアクセスすることにより取得してもよい。また、予め、還元処理サーバ1000内に格納しておくようにしてもよい。ただし、還元処理サーバ1000内に格納しておく場合には、定期的に電気料金を更新する必要がある。
【0059】
そして、電気料金算出部1403は、総使用電力量と電力会社3000の電気料金単価に基づいて、下記の式2を用いてユーザによる機器10の使用に応じた電気料金を算出する。この電気料金は、ユーザが機器10の使用により電力会社3000に支払うこととなる電気料金と同等のものである。算出された電気料金を示す電気料金情報は第1還元処理部1404に供給される。
【0060】
[式2]
電力料金=総消費電力量×管轄電力会社の電力料金単価
【0061】
第1還元処理部1404は、電気料金情報に示されるユーザの所定期間内における電気料金に基づいて利益還元のための処理を行う。
【0062】
第1還元処理部1404により行われる還元方法としては、電気料金のユーザへのキャッシュバックが挙げられる。電気料金のキャッシュバックは、ユーザがメーカー6000の機器10を使用したことにより発生した電気料金に相当する額をユーザの口座情報に基づいてユーザの銀行口座に振り込む、振り込み処理を行うことにより実現される。振り込み処理は例えば、既存の振り込み処理用ソフトウェアを実行することにより行うことができる。
【0063】
このキャッシュバックをユーザの所定期間内における電気料金全額について行えば、ユーザにとってはメーカー6000製機器10についての電気料金は無料ということになる。また、キャッシュバックをユーザの所定期間内における電気料金の半額について行えば、ユーザにとってはメーカー6000製機器10についての電気料金は半額ということになる。電気料金の何割をキャッシュバックするかについてはユーザとメーカー6000との間で契約等により定めるとよい。
【0064】
なお、第1還元処理部1404は、電気料金情報に示されるユーザの電気料金と所定の閾値とを比較し、電気料金が閾値以上である場合にのみ振り込み処理を行うようにしてもよい。電気料金が低い場合においても一律にキャッシュバックを行うとすると、キャッシュバックする料金よりも振り込み処理に要する費用の方が高くなる、などにより不要な損失が発生するおそれがあるからである。なお、閾値以下であるためにキャッシュバックの対象とならなかった電気料金については、次のキャッシュバックのための振り込み処理時に繰り越すようにしてもよい。
【0065】
ただし、ユーザへの還元は必ずしもお金に限られるものではない。お金以外にもメーカー6000が提供するサービスで利用可能なポイント、マイレージ、商品券などをユーザに提供することにより還元を行ってもよい。
【0066】
第2還元処理部1405は、総使用電力量情報に示されるユーザの所定期間内における総使用電力量に基づいて還元処理を行う。第2還元処理部1405により行われる還元方法としては、グリーン電力証書の購入が挙げられる。第2還元処理部1405は、例えば、ユーザの総使用電力量に相当するグリーン電力証書のオンライン購入処理を行う。
【0067】
なお、第1還元処理部1404、第2還元処理部1405による還元処理はいずれか一方のみを行ってもよいし、両方を行ってもよい。
【0068】
ここで、グリーン電力証書を購入することによるユーザへの利益還元の仕組みについて説明する。図1に示すように、メーカー6000がユーザの総使用電力量に応じたグリーン電力証書を購入すると、グリーン電力証書発行会社4000は、グリーン電力証書の購入代金から諸経費などを差し引いた代金を自然エネルギー発電会社2000に支払う。
【0069】
自然エネルギー発電会社2000は、自然エネルギー発電により得た電力を電力会社3000に売電する。そして、電力会社3000は、自然エネルギー発電会社2000から買い取った電力、自らが発電により生み出した電力を用いてユーザへの電力供給を行う。ユーザはその電力を用いてメーカー6000の機器10を使用する。
【0070】
したがって、グリーン電力証書の購入代金がグリーン電力証書発行会社4000を経て自然エネルギー発電会社2000に支払われ、自然エネルギー発電会社2000は、その受領した代金を自然エネルギー発電コスト、研究開発などに充てることができる。これにより、自然エネルギー発電が促進され、自然エネルギー発電による発電量が増加し、ユーザに対する電力供給に占める自然エネルギー発電による電力の割合が高くなっていくと考えられる。これにより、ユーザには二酸化炭素削減、環境保全という利益を還元することが可能となる。
【0071】
現状、自然エネルギーによる発電は火力発電、原子力発電に比べてコストが高いといわれている。しかし、上述のようにメーカー6000がグリーン電力証書の購入を行うことにより、ユーザはメーカー6000およびグリーン電力証書発行会社4000を経て間接的に自然エネルギー発電会社2000に資金提供を行うことができる。これにより、自然エネルギー発電の研究開発の進展などにより自然エネルギー発電のコスト削減が進み、自然エネルギー発電による電力の低価格化が図られることにより、電力料金の低価格化という利益をユーザに提供することも可能であると考えられる。
【0072】
なお、グリーン電力証書の購入処理を実行するに際しては、ユーザデータベース1200に登録されている全てのユーザの総使用電力量を合算してグリーン電力証書の購入処理を行うようにするのが好ましい。グリーン電力証書の購入処理に当たっては、個々のユーザを区別する必要がないからである。全てのユーザの総使用電力量を合算して、その合算した総使用電力量に相当する分のグリーン電力証書の購入処理を行うことにより、処理の件数が増加することを防止し、還元処理サーバ1000への負荷を小さくすることができる。
【0073】
また、グリーン電力証書の購入処理に当たっては、個々のユーザを区別する必要がないのは、上述したグリーン電力証書の購入によって還元される利益は個別のユーザごとに与えられるのではなく、メーカー6000の機器を所有するユーザ全員、社会全体に還元されるものだからである。
【0074】
ユーザが使用した使用電力量の取得、送信、グリーン電力証書の購入処理などは情報処理装置100と還元処理サーバ1000とからなる還元システムによって自動的に行われるため、ユーザは何ら意識することなく上述の利益を享受することができる。
【0075】
メーカー6000としては、環境意識の高い企業であることを宣伝することができる。また、本技術に係る還元システムによってユーザに課せられる電気料金が無料または割安になるため、ユーザは電気料金を気にせず多くの機器10を購入するであろうと考えられる。これにより、メーカー6000の売上も上がると考えられる。
【0076】
また、ユーザの機器10の使用時間を把握することができるので、メーカー6000としては、機器10が故障した際のサポート、機器10の寿命による買い替えの促しがしやすくなる。また、ユーザの機器10の使用時間を把握することができるため、解析して得た情報を新製品の開発に利用することもできる。
【0077】
また、使用電力量に加え、ユーザの機器10の使用時間から機器10の使用パターンを把握することにより、メーカーはさらに電力消費が低い機器10の開発を行うことができる。さらに、ユーザが支払うべき電気料金をメーカー6000が負担することになるため、メーカー6000は消費電力の低い機器の開発を加速させるだろうと考えられる。これにより、社会全体の消費電力が低減することとなる。
【0078】
上述したように、メーカー6000がグリーン電力証書を購入することは社会全体への自然エネルギー電力の供給を増加させ、自然エネルギーによる恩恵をユーザに還元するためのものである。したがって、メーカー6000自身が自然エネルギーを利用した発電設備を備え、メーカー6000が自然エネルギー電力を電力会社3000に売電するようにしてもよい。これによっても社会全体、ユーザに自然エネルギーによる恩恵を還元することができる。
【0079】
<2.第2の実施の形態>
次に、本技術の第2の実施の形態について説明する。図7は第2の実施の形態における情報処理装置200および還元処理サーバ1000の構成を示すブロック図である。第2の実施の形態は、情報処理装置200が電力測定部220を備え、使用時間計測部111を備えない点で第1の実施の形態と異なっている。なお、電力測定部220以外の情報処理装置200の構成は第1の実施の形態と同様であるため、その説明を省略する。
【0080】
電力測定部220は、例えば、電流計としての機能と電圧計としての機能を備えることにより機器10において使用される電力を測定する。測定された使用電力量は電力関連情報として通信部120によって還元処理サーバ1000へ送信される。電力測定部220により測定される使用電力量は、特許請求の範囲における電力関連情報に相当するものである。なお、電力関連情報としての使用電力量は機器型式情報および機器識別情報と共に還元処理サーバ1000に送信される点は第1の実施の形態と同様である。
【0081】
情報処理装置200から送信された使用電力量を受信した還元処理サーバ1000においては、使用電力算出部1401による使用電力量の算出処理は行う必要はない。機器10における使用電力量自体が情報処理装置200から送信されてきているからである。よって、還元処理サーバ1000は使用電力累積部1402による使用電力量の累積処理、電気料金1403による電気料金算出処理、第1還元処理部1404および第2還元処理部1405による還元処理を行えばよい。還元処理サーバ1000における処理は第1の実施の形態と同様であるためその説明を省略する。
【0082】
<3.第3の実施の形態>
次に、本技術の第3の実施の形態について説明する。図8は第3の実施の形態における情報処理装置300の構成を示すブロック図である。第2の実施の形態は情報処理装置300が記憶部310を備える点で第1の実施の形態と異なっている。なお、記憶部310以外の情報処理装置300の構成は第1の実施の形態と同様であるため、その説明を省略する。また、還元処理サーバ1000の構成および処理は第1の実施の形態と同様であるため、その説明を省略する。
【0083】
記憶部310は、機器使用時間情報を記憶保持するための記憶媒体である。記憶部310を構成する記憶媒体は、情報を記憶することができるものではあれば、どのようなものでもよく、記憶媒体としては例えば、不揮発性メモリ、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)などが挙げられる。
【0084】
図9は、第3の実施の形態に係る情報処理装置300によって行われる機器情報の送信処理の流れを示すシーケンス図である。まずステップS20で、情報処理装置300が搭載または接続されている機器10の電源がオンにされる。そうすると、次にステップS21で使用時間計測部111は機器10がオンとなったことを検出し、機器10の使用時間の計測を開始する。
【0085】
そして、例えば、機器10の電源がオフにされることなく、ユーザによる機器10の使用が継続され、ステップS22に示すように、タイマー部112により、現在日時が機器情報送信日時に到達したと判断されると、ステップS23で、制御部110の制御のもと、通信部120によって機器情報が還元処理サーバ1000に送信される。このステップS21乃至ステップS23の処理は機器10の電源がオフとなるまで繰り返される。
【0086】
そして、ステップS24に示すように、機器10の電源がオフにされると、ステップS25で示すように、機器使用時間情報が記憶部310に保存される。このステップS25における機器使用時間情報の保存は、たとえ所定期間が経過していなくても、機器10の電源がオフになった時点で行われる。
【0087】
そして、ステップS26に示すように機器10の電源がオンにされると、ステップS27に示すように制御部110は記憶部310から機器使用時間情報を読み出し、ステップS28で通信部120を介してその読みだした機器使用時間情報を含めた機器情報を還元処理サーバ1000に送信する。また、機器10の電源がオンにされているため、ステップS29で、使用時間計測部111により使用時間の計測が開始される。
【0088】
なお、図9のシーケンス図では、ステップS27およびステップS28で機器使用時間情報の読み出しおよび送信を先に、その後にステップS29で使用時間計測を開始する順序で記載してあるが、順序はその順序に限られるものではない。先に使用時間計測開始を行ってもよいし、マルチタスクにより記憶部310からの読み出しおよび送信と、使用時間計測開始を並行して同時に行ってもよい。
【0089】
この第2の実施の形態における電力関連情報の送信の態様は、例えば、テレビジョン受像機、パーソナルコンピュータなど、電源がオンの状態においては常時ネットワークに接続されており、かつ、使用しない間は電源がオフにされる機器10において用いられると考えられる。
【0090】
<4.第4の実施の形態>
次に、本技術の第4の実施の形態について説明する。図10は第4の実施の形態における情報処理装置400の構成を示すブロック図である。第4の実施の形態は、情報処理装置400が記憶部420を備える点、制御部410がネットワーク接続検出部411として機能する点で第1の実施の形態と異なっている。なお、記憶部420およびネットワーク接続検出部411以外の情報処理装置400の構成は第1の実施の形態と同様であるため、その説明を省略する。また、還元処理サーバ1000の構成および処理は第1の実施の形態と同様であるため、その説明を省略する。
【0091】
ネットワーク接続検出部411は、情報処理装置400がネットワークに接続されているか否かを検出して、その結果を制御部410へ通知する。ネットワーク接続を検出する手法としては例えば、通信部120を介して定期的に還元処理サーバ1000へ接続確認用パケットを送信し、還元処理サーバ1000から応答パケットが送信されてきたか否かによって判断する方法が挙げられる。
【0092】
記憶部420は、第2の実施の形態と同様のものであり、機器使用時間情報を記憶保存するものである。
【0093】
図11は、第4の実施の形態における機器情報の送信の態様を示すシーケンス図である。まずステップS30で、情報処理装置400が搭載または接続されている機器10の電源がオンにされる。なお、説明上、この時点では機器10および情報処理装置400はネットワークには接続されていないものとする。次にステップS31で使用時間計測部111により、機器10の使用時間の計測が開始される。そして、ステップS32でタイマー部112により、現在日時が機器情報の送信を行う日時に到達したと判断されると、ステップS33で機器使用時間情報が記憶部310に保存される。これは、機器情報の送信を行う日時に至ったが、情報処理装置400がネットワークに接続されておらず機器情報を送信することができないので、機器使用時間情報を記憶部420に保存しておく、ということである。
【0094】
そして、ステップS34およびステップS35に示すように、情報処理装置400がネットワークに接続されていない間、タイマー部112により機器情報の送信を行う日時に至ったと判断されると機器情報が記憶部420に保存される。
【0095】
そして、ステップS36で示すように、ネットワーク接続検出部411により、情報処理装置400がネットワークに接続されたことが検出された場合、次にステップS37で制御部410は、それまでに記憶部420に保存しておいた機器使用時間情報を読み出し、ステップS38でその機器使用時間情報、さらに機器型式情報および機器識別情報を還元処理サーバ1000に送信する。
【0096】
これ以降、ステップS39に示すように、機器10がネットワークに接続されている状態において、現在日時が機器情報の送信日時に至った場合は、ステップS40で示すように、情報処理装置400は機器情報を還元処理サーバ1000に送信する。
【0097】
そして、その後、ステップS41に示すように機器10がネットワークから切り離された後に、ステップS42およびステップS43で示すように、機器情報の送信を行う日時に至ると、機器使用時間情報が記憶部420に保存される。ステップS42で保存された機器使用時間情報は、次に機器10がネットワークに接続されたときに、機器型式情報および機器識別情報と共に還元処理サーバ1000に送信される。
【0098】
この第4の実施の形態における機器情報の送信の態様は、ネットワークに接続する機能を有しているが、常時ネットワークには接続されておらず、ユーザが必要に応じてネットワークに接続する機器において用いられると考えられる。そのような機器としては、例えば、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、携帯音楽プレーヤなどがある。
【0099】
<5.変形例>
以上、本技術の一実施の形態について具体的に説明したが、本技術は上述の実施形態に限定されるものではなく、本技術の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
【0100】
機器10によっては、動作モードによって消費電力が大きく異なるものがある。例えば、通常の動作モードといわゆる待機モードである。待機モードにおいては、機器のほとんどの機能が停止状態となり、電力は消費するが、通常の動作モードに比べて消費電力量は大幅に低下する。そこで、機器の動作モードが切り替えられるたびに情報処理装置から還元処理サーバへ機器使用時間情報を含んだ機器情報を送信するようにしてもよい。上述したように、還元処理サーバの機器データベースには消費電力情報として機器の待機電力も含まれているため、動作モードごとに機器情報の送信を行うことにより、待機モード時の使用時間情報と待機電力とにより正確にユーザの使用電力量を算出することができる。
【0101】
また、上述した第1乃至第4の実施の形態は常に個別に実施される必要はなく、組み合わせて用いてもよい。例えば、第2の実施の形態のように情報処理装置側で使用電力量を算出し、それを第3の実施の形態または第4の実施の形態のように一度記憶部に記憶させてから還元処理サーバへ送信するようにしてもよい。
【0102】
上述したように、メーカー6000がグリーン電力証書を購入することによって、社会全体への自然エネルギー電力の供給量が増加し、自然エネルギー電力による恩恵をユーザに還元することができる。すなわち、自然エネルギー電力をユーザに供給することができればよいため、その方法はグリーン電力証書の購入に限られない。
【0103】
図12に示すように、メーカー6000が発電設備6100を有し、上述したグリーン電力証書の購入に代えて、またはグリーン電力証書の購入と共に、メーカー6000が電力供給を行うようにしてもよい。発電設備6100は、太陽光、太陽熱、風力、水力、マイクロ水力、潮汐力、波力、水の温度差、海流、バイオマス、地熱などのいわゆる自然エネルギー(再生可能エネルギー)を用いた発電設備である。ただし、自然エネルギーを用いた発電方法は上述のもの限られず、今後、新しく開発されるであろう発電方法を含め、環境負荷の低い発電方法であればどのようなものであってもよい。
【0104】
この場合、図13に示すように、還元処理サーバ1000が備える制御部1400はさらに発電量決定部1406として機能する。発電量決定部1406は、使用電力累積部1402により算出された所定期間(例えば、1ヶ月など)における総使用電力量に基づいて発電設備6100における発電量を決定する。そして、決定された発電量はネットワーク、専用回線などを介して発電設備6100に送信される。
【0105】
なお、発電量決定に際しては、ユーザデータベース1200に登録されている全てのユーザの総使用電力量を合算して発電量の決定を行うようにするのが好ましい。発電量の決定処理に当たっては、個々のユーザを区別する必要がないからである。
【0106】
発電量の決定は所定のアルゴリズムに基づいて行われるようにするとよい。例えば、全てのユーザの総使用電力量の合計量と同量の電力量を発電設備6100による発電量とする。また、全てのユーザの総使用電力量の合計量の所定の割合を発電量とする、などである。
【0107】
発電設備6100は所定の制御のもと、発電量決定部1406により決定された発電量分の発電を行う。そして、得られた発電電力は図12に示すように電力会社3000への売電に充てられる。電力会社3000へ売電を行ったメーカー6000は電力会社3000から売電量に応じた料金を受け取る。このようにしても、社会全体における自然エネルギー電力を供給量が増加し、自然エネルギーによる恩恵をユーザに還元することができる。
【0108】
また、本技術は以下のような構成も取ることができる。
【0109】
(1)搭載または接続された機器に関する電力関連情報を取得する電力関連情報取得部と、
該電力関連情報取得部により取得した前記電力関連情報をネットワークを介して接続された還元処理装置に送信する通信部と
を備える情報処理装置。
【0110】
(2)前記電力関連情報は、前記機器の電源がオンにされている時間を示し、
前記電力関連情報取得部は、前記機器の電源がオンにされている時間を測定する
前記(1)に記載の情報処理装置。
【0111】
(3)前記送信部を介して、さらに、前記機器の型式を示す機器型式情報を送信する
前記(1)または(2)に記載の情報処理装置。
【0112】
(4)前記送信部を介して、さらに、前記機器を識別するための機器識別情報を送信する
前記(1)から(3)のいずれかに記載の情報処理装置。
【0113】
(5)前記電力関連情報を記憶する記憶部をさらに備え、
該記憶部は、前記機器の電源がオフにされた時点で前記電力関連情報取得部が取得していた前記電力関連情報を記憶し、
前記通信部は、前記機器の電源がオンにされた時点で前記記憶部に記憶された前記電力関連情報を前記還元処理装置に送信する
前記(1)から(4)のいずれかに記載の情報処理装置。
【0114】
(6)前記電力関連情報を記憶する記憶部をさらに備え、
該記憶部は、前記通信部がネットワークに接続されていない場合に前記電力関連情報を記憶し、
前記通信部は、ネットワークに接続された時点で前記記憶部に記憶された前記電力関連情報を前記還元処理装置に送信する
前記(1)から(5)のいずれかに記載の情報処理装置。
【0115】
(7)前記電力関連情報は、前記機器の使用電力であり、
前記電力関連情報取得部は、前記使用電力を測定する
前記(3)から(6)のいずれかに記載の情報処理装置。
【0116】
(8)前記電力関連情報はさらに、前記機器が待機状態である待機時間を示し、
前記電力関連情報取得部は、前記機器の電源がオンにされている時間を測定するとともに、前記機器が待機状態である時間を測定する
前記(1)から(7)のいずれかに記載の情報処理装置。
【0117】
(9)機器に搭載または接続された情報処理装置から送信される電力関連情報をネットワークを介して受信する通信部と、
前記電力関連情報に基づいて還元処理の基準となる還元基準を算出する還元基準算出部と、
前記還元基準に基づいて所定の還元処理を行う還元処理部と
を備える還元処理装置。
【0118】
(10)前記電力関連情報は前記機器の電源がオンにされている時間を示し、
前記還元基準算出部は、前記還元基準として、前記電力関連情報と前記機器の消費電力情報とに基づいて前記機器の使用電力量を算出し、
前記還元処理部は、前記機器の使用電力量に基づいて前記所定の還元処理を行う
前記(9)に記載の還元処理装置。
【0119】
(11)前記通信部は、前記情報処理装置から送信された前記機器の型式を示す機器型式情報を受信し、
前記還元基準算出部は、前記機器型式情報に基づいて、前記機器ごとの消費電力情報を格納する機器データベースを参照することにより前記機器の前記消費電力情報を取得し、前記電力関連情報と前記機器の消費電力情報とに基づいて前記機器の使用電力量を算出する
前記(9)または(10)に記載の還元処理装置。
【0120】
(12)前記還元基準算出部は、前記還元基準として、前記使用電力量を前記機器のユーザごとに累積することにより累積使用電力量を算出し、
前記還元処理部は、前記累積使用電力量に基づいて、前記ユーザごとに前記所定の還元処理を行う
前記(9)から(11)のいずれかに記載の還元処理装置。
【0121】
(13)前記通信部は、前記情報処理装置から送信された、前記機器を識別するための機器識別情報を受信し、
前記還元基準算出部は、前記機器識別情報に基づいて、前記機器のユーザ情報を格納するユーザデータベースを参照することにより、前記ユーザを特定し、該ユーザごとに前記使用電力量を累積して前記累積使用電力量を算出する
前記(9)から(12)のいずれかに記載の還元処理装置。
【0122】
(14)前記還元基準算出部は、前記還元基準として、前記機器の使用電力量と電力料金単価とに基づいて前記機器の使用により生じる電力料金を算出する
前記(9)から(13)のいずれかに記載の還元処理装置。
【0123】
(15)前記還元処理部は、前記ユーザごとに前記還元基準に基づいて振り込み処理を行う
前記(9)から(14)のいずれかに記載の還元処理装置。
【0124】
(16)前記還元処理部は、前記還元基準に基づいてグリーン電力証書の購入処理を行う前記(9)から(14)のいずれかに記載の還元処理装置。
【0125】
(17)前記還元基準に基づいて、発電設備による発電量を決定する発電量決定部をさらに備え、該発電量決定部により決定された発電量を前記発電設備に供給する
前記(9)から(14)のいずれかに記載の還元処理装置。
【0126】
(18)機器に関する電力関連情報を取得し、
該電力関連情報をネットワークを介して接続された還元処理装置に送信する
情報処理方法。
【0127】
(19)機器に搭載または接続された情報処理装置から送信される電力関連情報をネットワークを介して受信し、
前記電力関連情報に基づいて還元処理の基準となる還元基準を算出し、
前記還元基準に基づいて所定の還元処理を行う
還元処理方法。
【0128】
(20)搭載または接続された機器に関する電力関連情報を取得する電力関連情報取得部と、
該電力関連情報取得部により取得した前記電力関連情報をネットワークを介して接続された還元処理装置に送信する第1の通信部とを備える情報処理装置と、
前記情報処理装置から送信される電力関連情報をネットワークを介して受信する第2の通信部と、
前記電力関連情報に基づいて還元処理の基準となる還元基準を算出する還元基準算出部と、
前記還元基準に基づいて所定の還元処理を行う還元処理部と
を備える還元処理装置と
からなる還元システム。
【符号の説明】
【0129】
10・・・・・・・・機器
111・・・・・・・使用時間計測部
220・・・・・・・電力測定部
120・・・・・・・通信部
100、200、300、400・・・・情報処理装置
310、410・・・記憶部
1300・・・・・・通信部
1401・・・・・・使用電力算出部
1402・・・・・・使用電力累積部
1403・・・・・・電気料金算出部
1404・・・・・・第1還元処理部
1405・・・・・・第2還元処理部
【技術分野】
【0001】
本技術は、情報処理装置、還元処理装置、情報処理方法、還元処理方法および還元システムに関し、詳しくは使用された電力に応じた種々の還元を行う情報処理装置、還元処理装置、情報処理方法、還元処理方法および還元システムに関する。
【背景技術】
【0002】
地球温暖化や資源エネルギー枯渇などの環境問題は全人類共通の課題である。温暖化の原因であると言われている二酸化炭素の削減のために、条例などで事業活動における二酸化炭素排出量の削減に一定の義務を課する国や自治体も増えている。企業においては工場などの大規模設備の省電力化を進めるとともに、自社において使用する電力を発電過程で二酸化炭素が発生しない再生可能エネルギーによる発電でまかなうことにより二酸化炭素削減を進めるなどの施策が期待されている。
【0003】
このように産業部門におけるエネルギー消費については法令による義務化で二酸化炭素削減が少しずつではあるが進められている。一方、エネルギー消費の1/3程度を占める民生部門でのエネルギー消費については法令による削減の義務化が困難である。よって、効率的なエネルギー利用を促進させるための何らかの方策が必要となる。
【0004】
そこで、燃料電池を需要家に設置し、燃料電池で発電した電力量の内の一部を電力供給会社に売る場合における、燃料の料金の徴収、電力供給会社へ売る電力の代金の還付に関する、燃料電池の燃料費の徴収方法、燃料電池の維持費の賦課方法が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−48536号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載の技術は、電力会社への公共料金の支払い情報をもとにした料金の差額返却の仕組みであり、本発明のように任意の電気製品の電気料金を算出し返却するような枠組みとなっていないし、無料化するものでもない。また環境負荷低減に対する提案も含まれていない。
【0007】
したがって、本技術の目的は、電力を用いるユーザに種々の利益を還元することができる情報処理装置、還元処理装置、情報処理方法、還元処理方法および還元システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、第1の技術は、搭載または接続された機器に関する電力関連情報を取得する電力関連情報取得部と、電力関連情報取得部により取得した電力関連情報をネットワークを介して接続された還元処理装置に送信する通信部とを備える情報処理装置である。
【0009】
また、第2の技術は、機器に搭載または接続された情報処理装置から送信される電力関連情報をネットワークを介して受信する通信部と、電力関連情報に基づいて還元処理の基準となる還元基準を算出する還元基準算出部と、還元基準に基づいて所定の還元処理を行う還元処理部とを備える還元処理装置である。
【0010】
また、第3の技術は、機器に関する電力関連情報を取得し、電力関連情報をネットワークを介して接続された還元処理装置に送信する情報処理方法である。
【0011】
また、第4の技術は、機器に搭載または接続された情報処理装置から送信される電力関連情報をネットワークを介して受信し、電力関連情報に基づいて還元処理の基準となる還元基準を算出し、還元基準に基づいて所定の還元処理を行う還元処理方法である。
【0012】
また、第5の技術は、搭載または接続された機器に関する電力関連情報を取得する電力関連情報取得部と、電力関連情報取得部により取得した電力関連情報をネットワークを介して接続された還元処理装置に送信する第1の通信部とを備える情報処理装置と、情報処理装置から送信される電力関連情報をネットワークを介して受信する第2の通信部と、電力関連情報に基づいて還元処理の基準となる還元基準を算出する還元基準算出部と、還元基準に基づいて所定の還元処理を行う還元処理部とを備える還元処理装置とからなる還元システムである。
【発明の効果】
【0013】
本技術によれば、機器の利用により電力を使用するユーザに対して、そのユーザが使用した電力に応じた種々の利益を還元することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、還元システムの全体構成を示す図である。
【図2】図2は、本技術の第1の実施の形態に係る情報処理装置および還元処理サーバの構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、機器データベースに格納される情報の例を示す図である。
【図4】図4は、ユーザデータベースに格納されるユーザ情報の例を示す図である。
【図5】図5は、情報処理装置から還元処理サーバへの情報の送信処理の流れを示すシーケンス図である。
【図6】図6は、還元処理サーバにおける処理を説明するための図である。
【図7】図7は、本技術の第2の実施の形態に係る情報処理装置と還元処理サーバの構成を示す図である。
【図8】図8は、本技術の第3の実施の形態に係る情報処理装置と還元処理サーバの構成を示す図である。
【図9】図9は、本技術の第3の実施の形態における情報処理装置から還元処理サーバへの情報の送信処理の流れを示すシーケンス図である。
【図10】図10は、本技術の第4の実施の形態に係る情報処理装置と還元処理サーバの構成を示す図である。
【図11】図11は、本技術の第4の実施の形態における情報処理装置から還元処理サーバへの情報の送信処理の流れを示すシーケンス図である。
【図12】図12は、変形例に係る還元システムの全体構成を示す図である。
【図13】図13は、本技術の変形例に係る情報処理装置および還元処理サーバの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本技術の実施の形態について図面を参照しながら説明する。ただし、本技術は以下の実施例のみに限定されるものではない。なお、説明は以下の順序で行う。
<1.第1の実施の形態>
[1−1.還元システムの構成]
[1−2.情報処理装置の構成]
[1−3.還元処理サーバの構成]
[1−4.情報処理装置における処理]
[1−5.還元処理サーバにおける処理]
<2.第2の実施の形態>
<3.第3の実施の形態>
<4.第4の実施の形態>
<5.変形例>
【0016】
<1.第1の実施の形態>
[1−1.還元システムの構成]
図1は、本技術に係る還元システムを利用するための仕組みを示す構成図である。還元システムは、情報処理装置100と還元処理サーバ1000とから構成されている。情報処理装置100は、ユーザが所有する機器10に搭載または接続されることにより用いられる。なお、ユーザは情報処理装置100が搭載又は接続された機器10を1つに限らず、いくつ所有していてもよい。また、ユーザの数は何人であってもよい。還元処理サーバ1000はユーザが使用する機器10の製造元であるメーカー6000の管理のもと用いられる。還元処理サーバ1000は特許請求の範囲における還元処理装置に相当するものである。
【0017】
本実施の形態においては、還元システムを利用するためには、情報処理装置100および還元処理サーバ1000の他に、自然エネルギーによる発電を行う会社(以下、自然エネルギー発電会社2000と称する。)、電力会社3000、グリーン電力証書の発行を行う会社(以下、グリーン電力証書発行会社4000と称する。)、グリーン電力認証センター5000およびメーカー6000の存在が必要となる。
【0018】
自然エネルギー発電会社2000は、太陽光、太陽熱、風力、水力、マイクロ水力、潮汐力、波力、水の温度差、海流、バイオマス、地熱などのいわゆる自然エネルギー(再生可能エネルギー)を用いた発電設備を備え、自然エネルギー発電を行う企業である。ただし、自然エネルギーを用いた発電方法は上述のもの限られず、今後、新しく開発されるであろう発電方法を含め、環境負荷の低い発電方法であればどのようなものであってもよい。また、自然エネルギーによる発電を行うのは企業に限られず、個人でもよい。
【0019】
自然エネルギー発電会社2000が自然エネルギーを用いた発電によって得た電力のうち、「電力そのものとしての価値」部分は主に、電力会社3000への売電、または自然エネルギー発電会社2000内での自家消費に充てられる。
【0020】
電力会社3000は、電力供給を行う、いわゆる電気事業を主要な収益源としている会社である。電力会社3000が用いる発電方法は自然エネルギー発電の他に、火力発電、原子力発電など、自然エネルギー発電に比べて環境負荷が大きい発電方法がある。電力会社3000はユーザに対して電力の供給を行う。また、電力会社3000は、自然エネルギー発電会社2000が自然エネルギー発電により得た電力の買取りも行う。
【0021】
グリーン電力証書発行会社4000は、グリーン電力証書の発行を行うものである。グリーン電力証書とは、上述した自然エネルギーによって得られた電力を、「電力そのものとしての価値」に加えて、さらに「二酸化炭素を排出しない発電であることの価値」、すなわち環境付加価値を有するものとして考え、その環境付加価値を、取引可能な証書にしたものである。
【0022】
グリーン電力証書を購入すると、グリーン電力証書の購入者はその電力を使用して環境負荷削減に貢献したとみなされる。よって、例えば、企業がグリーン電力証書を購入すると、その企業は、条例などによって課せられた環境負荷の軽減義務を達成したとみなされる。そして、グリーン電力証書の購入代金は自然エネルギー発電会社2000に提供される。このような、グリーン電力証書を利用した制度は、グリーン電力証書制度と称される。このグリーン電力証書制度により、自然エネルギー発電の普及および拡大を推進することができる。なお、グリーン電力証書は企業に限られず、個人で購入することも可能である。
【0023】
グリーン電力証書発行会社4000は、自然エネルギー発電会社2000が自然エネルギーを用いた発電により得た電力のうち、環境付加価値部分を引き取り、それを証書化する。
【0024】
グリーン電力認証センター5000は、グリーン電力証書に関する認証、基準策定、普及活動などを行う機関である。グリーン電力認証センター5000は、自然エネルギー発電会社2000が自然エネルギーを用いた発電を行っているか否かの認証を行う。また、グリーン電力認証センター5000は、グリーン電力証書発行会社4000が引き取ることにより取引対象となる環境付加価値が、認定された自然エネルギー発電設備2100によって発電されたものであるかを確認する。
【0025】
メーカー6000は、ユーザによって用いられる各種電気機器、電子機器等の製造販売を行うものである。機器10は電力によって動作するものであればどのようなものでもよい。機器10としては、例えば、テレビジョン受像機、パーソナルコンピュータ、プリンター、フォトフレーム、デジタルカメラ、冷蔵庫、エアーコンディショナー、洗濯機、掃除機、ゲーム機、オーディオアンプ、電気自動車、ハイブリット車などがある。また、メーカー6000は、電力によって動作する機器10などの製造販売を行う企業であれば規模などは問わず、どのような企業であってもよい。
【0026】
[1−2.情報処理装置の構成]
次に、図2を参照して情報処理装置100の構成について説明する。図2は、情報処理装置100および還元処理サーバ1000の構成を示すブロック図である。情報処理装置100は、機器10に搭載または接続されることによって用いられる。情報処理装置100は、必ずしも予め機器10に搭載されている必要はなく、機器10に外部接続可能な専用のハードウェアとして構成されてもよい。また、機器1つに対して1つの情報処理装置を対応させるようにしてもよいし、1つの情報処理装置で複数の機器における処理を行ってもよい。情報処理装置100は、制御部110、使用時間計測部111、タイマー部112および通信部120とから構成されている。
【0027】
制御部110は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)およびROM(Read Only Memory)などから構成されている。ROMには、CPUにより読み込まれるプログラムが格納されている。RAMは、CPUのワークメモリとして用いられる。CPUは、ROMに格納されているプログラムに基づき様々な処理を実行することによって情報処理装置100全体の制御を行う。また、制御部110は、所定のプログラムを実行することにより使用時間計測部111およびタイマー部112としても機能する。
【0028】
使用時間計測部111は、情報処理装置100が搭載または接続された機器10の電源オン/オフを検出し、機器10の電源がオンとなってからオフとなるまで時間、すなわち機器10が使用された時間(以下、機器使用時間と称する。)を計測する。この機器使用時間を示す機器使用時間情報が特許請求の範囲における電力関連情報に相当するものである。また、使用時間計測部111が特許請求の範囲における電力関連情報取得部に相当するものである。
【0029】
機器10の電源のオン/オフの判断は、例えば機器10の内部において機器10を構成する各部に電力を供給するための電力供給ラインにおける電圧変化を検出することにより行うことができる。また、機器10が物理的な電源スイッチを備えている場合には、その電源スイッチが押圧されたか否かを検出することによっても電源のオン/オフを判定することができる。
【0030】
機器使用時間情報は、機器10の型式を示す機器型式情報および、機器10を識別するための機器識別情報と共に還元処理サーバ1000へ送信される。型式とは、通常、複数文字の文字列からなり、同一メーカーの同一種類の機器であれば全ての機器の型式は共通である。
【0031】
また、機器識別情報とは、機器10を個別に識別するための情報であり、たとえ同一メーカーの同一種類の機器であっても機器識別情報は全ての機器で異なっている。通常、機器型式情報、機器識別情報は、機器10の制御部(図示せず。)のROMなどに記録されている。情報処理装置100は機器のROMなどから読み出すことにより機器型式情報、機器識別情報を取得する。情報処理装置100は、一度機器10の機器型式情報、機器識別情報を取得した後は、その機器型式情報、機器識別情報を自身の記憶媒体などに記憶させておいてもよい。なお、以降の説明においては、機器使用時間情報、機器型式情報および機器識別情報をまとめて機器情報と称する。
【0032】
タイマー部112は、現在日時が、予め設定された機器情報の送信を行う日時に至ったか否かを判定するものである。機器情報の送信は例えば、1日、1ヶ月に一度などの所定の間隔を空けて定期的に行われる。よって、機器情報の送信を行う日時とは、機器情報の送信が1日に一度行われる場合には、例えば「毎日0時」というように時刻によって設定される。また、機器情報の送信が一ヶ月に一度行われる場合には、「毎月25日の0時」というように日にちと時刻によって設定される。この機器情報の送信を行う頻度、日時はメーカー6000側が予め定めておいてもよいし、ユーザとメーカー6000の間の契約によって決定されるようにしてもよい。
【0033】
通信部120は、制御部110の制御のもと、所定のプロトコルに基づいてインターネットなどのネットワークを介して還元処理サーバ1000との通信を行うためのネットワークインターフェースである。通信方式は有線通信、無線LAN(Local Area Network)、Wi−Fi(Wireless Fidelity)、3G回線を用いた通信など、どのようなものでもよい。
【0034】
使用時間計測部111により計測された機器使用時間を示す機器使用時間情報は、現在日時が機器情報の送信を行う日時に至った時点で、制御部110の制御のもと、通信部120により、機器型式情報および機器識別情報と共に還元処理サーバ1000へ送信される。情報処理装置100により行われる機器情報の送信処理の詳細については後述する。
【0035】
[1−3.還元処理サーバの構成]
次に、還元処理サーバ1000の構成について説明する。還元処理サーバ1000は、機器データベース1100、ユーザデータベース1200、通信部1300、制御部1400、使用電力算出部1401、使用電力累積部1402、電気料金算出部1403、第1還元処理部1404および第2還元処理部1405とから構成されている。還元処理サーバ1000は、特許請求の範囲における還元処理装置に相当するものである。
【0036】
機器データベース1100は、メーカー6000が製造販売する全ての機器についての型式および各型式の消費電力を示す消費電力情報を格納している。機器データベース1100では、例えば図3に示すように、機器10の種別、型式、その型式の消費電力および待機電力を示す情報が対応付けられて格納されている。
【0037】
ユーザデータベース1200は、メーカー6000が製造販売した機器10を購入したユーザに関する情報(ユーザ情報)を格納する。ユーザ情報としては、ユーザの氏名、住所、電話番号、金融機関の口座番号などの振込先情報、ユーザIDなどがある。図4に示すように、ユーザ情報はそのユーザが所有する機器10の機器識別情報と対応付けられてユーザデータベース1200に格納されている。ただし、ユーザ情報はそれらに限られるものではない。ユーザとメーカー6000との間で情報の取得について合意が得られ、還元処理サーバ1000において利用することができると考えられる情報であればどのようなものでもよい。
【0038】
ユーザ情報は、例えば、ユーザが機器10を初めて使用する際に、ネットワークに接続することおよびネットワークを介してユーザ情報をメーカー6000に送信することを要求することによるユーザ登録処理を行うことによって取得することができる。
【0039】
通信部1300は、制御部110の制御のもと、所定のプロトコルに基づいてインターネットなどのネットワークを介して情報処理装置100との通信を行うためのネットワークインターフェースである。通信方式は有線通信、無線LAN、Wi−Fi、3G回線を用いた通信など、どのようなものでもよい。通信部1300は、情報処理装置100から送信された機器情報を受信し、制御部1400に供給する。
【0040】
制御部1400は、例えば、CPU、RAMおよびROMなどから構成されている。ROMには、CPUにより読み込まれるプログラムが格納されている。RAMは、CPUのワークメモリとして用いられる。CPUは、ROMに格納されているプログラムに基づき様々な処理を実行することによって還元処理サーバ1000全体の制御を行う。また、制御部1400は所定のプログラムを実行することにより、使用電力算出部1401、使用電力累積部1402、電気料金算出部1403、第1還元処理部1404および第2還元処理部1405として機能する。
【0041】
使用電力算出部1401は、情報処理装置100から定期的に送信される機器使用時間情報に基づいて、機器10を使用するために用いられた電力量(以下、使用電力量と称する。)を算出する。
【0042】
使用電力累積部1402は、使用電力算出部1401により算出される使用電力量を機器10のユーザごとに累積していくことにより、ユーザごとの累積使用電力量を算出する。使用電力算出部1401により算出された使用電力量、または、使用電力累積部1402により算出される累積使用電力量が特許請求の範囲における還元基準に相当するものである。
【0043】
電気料金算出部1403は、使用電力累積部1402により算出された累積使用電力量から、ユーザが機器10の使用によって電力会社3000に払うこととなる電気料金を算出する。使用電力算出部1401、使用電力累積部1402および電気料金算出部1403は特許請求の範囲における還元基準算出部に相当するものである。
【0044】
第1還元処理部1404は、電気料金算出部1403により算出された電気料金に基づいて所定の還元処理を行う。第2還元処理部1405は、累積使用電力量に基づいて所定の還元処理を行う。よって、電気料金および累積使用電力量はいずれも特許請求の範囲における還元基準に相当するものである。なお、使用電力算出部1401、使用電力累積部1402、電気料金算出部1403、第1還元処理部1404および第2還元処理部1405における処理の詳細については後述する。以上のようにして、還元処理サーバ1000が構成されている。
【0045】
[1−4.情報処理装置における処理]
次に還元システムにおける処理について説明する。まず、情報処理装置100から還元処理サーバ1000への機器情報の送信について説明する。図5は機器情報の送信処理の詳細について説明するためのシーケンス図である。
【0046】
図5Aは、情報処理装置100から還元処理サーバ1000への機器情報の送信の第1の態様を示すシーケンス図である。まず、ステップS1で情報処理装置100が搭載または接続されている機器10の電源がオンにされる。そうすると、次にステップS2で、使用時間計測部111により、機器10の使用時間の計測が開始される。そして、ステップS3でタイマー部112により、現在日時が機器情報の通知日時に到達したと判断されると、ステップS4で、制御部110の制御のもと、通信部120によって機器情報が還元処理サーバ1000に送信される。そして、この後も引き続き、使用時間の計測、送信日時に至ったかの判定、機器情報の送信が繰り返し行われる。
【0047】
この第1の態様は、例えば冷蔵庫、フォトフレームなどのように、基本的に一度電源をオンにした後は故障など不具合が生じない限り電源をオフにすることがない機器において用いられると考えられる。
【0048】
図5Bは、情報処理装置100から還元処理サーバ1000への機器情報の送信の第2の態様を示すシーケンス図である。ステップS11〜14までは上述した第1の態様のステップS1〜4までと同様であるため、その説明を省略する。
【0049】
ステップS15に示すように、機器10の電源ボタン(図示せず。)が押下されることなどにより機器10の電源をオフにする処理が開始されると、ステップS16に示すように、機器情報が還元処理サーバ1000へ送信される。このステップS16における機器情報の送信は現在日時が定められた送信日時に至っていない場合であっても行われ、電源オフとされるまでの機器使用時間情報を含めた機器情報が送信される。
【0050】
そして、ステップS18に示すように機器10の電源がオンにされると、ステップS19で機器使用時間の計測が開始される。
【0051】
[1−5.還元処理サーバにおける処理]
次に図6を参照して、機器情報を受信した還元処理サーバ1000における処理について説明する。情報処理装置100から機器情報が送信されると、機器情報は通信部1300から制御部1400に供給される。
【0052】
まず、使用電力算出部1401は、情報処理装置100から送信された機器型式情報に基づいて機器データベース1100を参照することにより、ユーザが使用している機器10の消費電力を示す消費電力情報を取得する。そして、機器情報に含まれる機器使用時間情報で示される機器10の使用時間と消費電力情報で示される機器10の消費電力とに基づいて、ユーザが機器10を使うことによって使用した電力量(以下、使用電力量と称する。)を算出する。使用電力量は下記の式1を用いて、算出される。算出された使用電力量は、使用電力累積部1402に供給される。
【0053】
[式1]
使用電力量=使用時間×消費電力
【0054】
次に、使用電力累積部1402は、情報処理装置100から送信された機器識別情報に基づいてユーザデータベース1200を参照することにより、その機器10を使用するユーザを特定する。そして、使用電力累積部1402は、使用電力算出部1401から供給された使用電力量をユーザごとに累積する。
【0055】
これにより、所定期間(例えば、1ヶ月など)におけるユーザの機器10を使用したことによる総使用電力量が算出される。なお、この累積により求める所定期間における総使用電力量は、後述する還元処理を行う間隔に一致させるとよい。例えば、還元処理を1ヶ月に一度行う場合には1ヶ月分の使用電力量を累積して累積消費電力量を求めるとよい。
【0056】
なお、ユーザが複数のメーカー6000製の機器10を使用している場合、機器10ごとに使用電力量を累積して総使用電力量を算出するのではなく、ユーザが使用する機器の数に関わらず、全ての機器の使用電力量をまとめて累積する。これにより、ユーザが複数のメーカー6000製の機器を使用している場合でも、機器の数に関わらず、ユーザの総使用電力量を求めることができる。ただし、この記載は、機器ごとに使用電力量を累積することを否定するものではなく、機器ごとに使用電力量を累積することも可能である。算出された総消費電力量は電気料金算出部1403および第2還元処理部1405に供給される。
【0057】
電気料金算出部1403は、使用電力累積部1402から総消費電力量を受け取ると、情報処理装置100から送信された機器識別情報に基づいて機器データベース1100を参照することにより、ユーザの住所を取得する。
【0058】
そして、電気料金算出部1403は、ユーザの住所をもとに、ユーザの所在地を管轄する電力会社3000の電気料金単価情報を取得する。なお、電力会社3000の電気料金単価は、例えば図6に示すように、インターネットで各電力会社3000のサーバにアクセスすることにより取得してもよい。また、予め、還元処理サーバ1000内に格納しておくようにしてもよい。ただし、還元処理サーバ1000内に格納しておく場合には、定期的に電気料金を更新する必要がある。
【0059】
そして、電気料金算出部1403は、総使用電力量と電力会社3000の電気料金単価に基づいて、下記の式2を用いてユーザによる機器10の使用に応じた電気料金を算出する。この電気料金は、ユーザが機器10の使用により電力会社3000に支払うこととなる電気料金と同等のものである。算出された電気料金を示す電気料金情報は第1還元処理部1404に供給される。
【0060】
[式2]
電力料金=総消費電力量×管轄電力会社の電力料金単価
【0061】
第1還元処理部1404は、電気料金情報に示されるユーザの所定期間内における電気料金に基づいて利益還元のための処理を行う。
【0062】
第1還元処理部1404により行われる還元方法としては、電気料金のユーザへのキャッシュバックが挙げられる。電気料金のキャッシュバックは、ユーザがメーカー6000の機器10を使用したことにより発生した電気料金に相当する額をユーザの口座情報に基づいてユーザの銀行口座に振り込む、振り込み処理を行うことにより実現される。振り込み処理は例えば、既存の振り込み処理用ソフトウェアを実行することにより行うことができる。
【0063】
このキャッシュバックをユーザの所定期間内における電気料金全額について行えば、ユーザにとってはメーカー6000製機器10についての電気料金は無料ということになる。また、キャッシュバックをユーザの所定期間内における電気料金の半額について行えば、ユーザにとってはメーカー6000製機器10についての電気料金は半額ということになる。電気料金の何割をキャッシュバックするかについてはユーザとメーカー6000との間で契約等により定めるとよい。
【0064】
なお、第1還元処理部1404は、電気料金情報に示されるユーザの電気料金と所定の閾値とを比較し、電気料金が閾値以上である場合にのみ振り込み処理を行うようにしてもよい。電気料金が低い場合においても一律にキャッシュバックを行うとすると、キャッシュバックする料金よりも振り込み処理に要する費用の方が高くなる、などにより不要な損失が発生するおそれがあるからである。なお、閾値以下であるためにキャッシュバックの対象とならなかった電気料金については、次のキャッシュバックのための振り込み処理時に繰り越すようにしてもよい。
【0065】
ただし、ユーザへの還元は必ずしもお金に限られるものではない。お金以外にもメーカー6000が提供するサービスで利用可能なポイント、マイレージ、商品券などをユーザに提供することにより還元を行ってもよい。
【0066】
第2還元処理部1405は、総使用電力量情報に示されるユーザの所定期間内における総使用電力量に基づいて還元処理を行う。第2還元処理部1405により行われる還元方法としては、グリーン電力証書の購入が挙げられる。第2還元処理部1405は、例えば、ユーザの総使用電力量に相当するグリーン電力証書のオンライン購入処理を行う。
【0067】
なお、第1還元処理部1404、第2還元処理部1405による還元処理はいずれか一方のみを行ってもよいし、両方を行ってもよい。
【0068】
ここで、グリーン電力証書を購入することによるユーザへの利益還元の仕組みについて説明する。図1に示すように、メーカー6000がユーザの総使用電力量に応じたグリーン電力証書を購入すると、グリーン電力証書発行会社4000は、グリーン電力証書の購入代金から諸経費などを差し引いた代金を自然エネルギー発電会社2000に支払う。
【0069】
自然エネルギー発電会社2000は、自然エネルギー発電により得た電力を電力会社3000に売電する。そして、電力会社3000は、自然エネルギー発電会社2000から買い取った電力、自らが発電により生み出した電力を用いてユーザへの電力供給を行う。ユーザはその電力を用いてメーカー6000の機器10を使用する。
【0070】
したがって、グリーン電力証書の購入代金がグリーン電力証書発行会社4000を経て自然エネルギー発電会社2000に支払われ、自然エネルギー発電会社2000は、その受領した代金を自然エネルギー発電コスト、研究開発などに充てることができる。これにより、自然エネルギー発電が促進され、自然エネルギー発電による発電量が増加し、ユーザに対する電力供給に占める自然エネルギー発電による電力の割合が高くなっていくと考えられる。これにより、ユーザには二酸化炭素削減、環境保全という利益を還元することが可能となる。
【0071】
現状、自然エネルギーによる発電は火力発電、原子力発電に比べてコストが高いといわれている。しかし、上述のようにメーカー6000がグリーン電力証書の購入を行うことにより、ユーザはメーカー6000およびグリーン電力証書発行会社4000を経て間接的に自然エネルギー発電会社2000に資金提供を行うことができる。これにより、自然エネルギー発電の研究開発の進展などにより自然エネルギー発電のコスト削減が進み、自然エネルギー発電による電力の低価格化が図られることにより、電力料金の低価格化という利益をユーザに提供することも可能であると考えられる。
【0072】
なお、グリーン電力証書の購入処理を実行するに際しては、ユーザデータベース1200に登録されている全てのユーザの総使用電力量を合算してグリーン電力証書の購入処理を行うようにするのが好ましい。グリーン電力証書の購入処理に当たっては、個々のユーザを区別する必要がないからである。全てのユーザの総使用電力量を合算して、その合算した総使用電力量に相当する分のグリーン電力証書の購入処理を行うことにより、処理の件数が増加することを防止し、還元処理サーバ1000への負荷を小さくすることができる。
【0073】
また、グリーン電力証書の購入処理に当たっては、個々のユーザを区別する必要がないのは、上述したグリーン電力証書の購入によって還元される利益は個別のユーザごとに与えられるのではなく、メーカー6000の機器を所有するユーザ全員、社会全体に還元されるものだからである。
【0074】
ユーザが使用した使用電力量の取得、送信、グリーン電力証書の購入処理などは情報処理装置100と還元処理サーバ1000とからなる還元システムによって自動的に行われるため、ユーザは何ら意識することなく上述の利益を享受することができる。
【0075】
メーカー6000としては、環境意識の高い企業であることを宣伝することができる。また、本技術に係る還元システムによってユーザに課せられる電気料金が無料または割安になるため、ユーザは電気料金を気にせず多くの機器10を購入するであろうと考えられる。これにより、メーカー6000の売上も上がると考えられる。
【0076】
また、ユーザの機器10の使用時間を把握することができるので、メーカー6000としては、機器10が故障した際のサポート、機器10の寿命による買い替えの促しがしやすくなる。また、ユーザの機器10の使用時間を把握することができるため、解析して得た情報を新製品の開発に利用することもできる。
【0077】
また、使用電力量に加え、ユーザの機器10の使用時間から機器10の使用パターンを把握することにより、メーカーはさらに電力消費が低い機器10の開発を行うことができる。さらに、ユーザが支払うべき電気料金をメーカー6000が負担することになるため、メーカー6000は消費電力の低い機器の開発を加速させるだろうと考えられる。これにより、社会全体の消費電力が低減することとなる。
【0078】
上述したように、メーカー6000がグリーン電力証書を購入することは社会全体への自然エネルギー電力の供給を増加させ、自然エネルギーによる恩恵をユーザに還元するためのものである。したがって、メーカー6000自身が自然エネルギーを利用した発電設備を備え、メーカー6000が自然エネルギー電力を電力会社3000に売電するようにしてもよい。これによっても社会全体、ユーザに自然エネルギーによる恩恵を還元することができる。
【0079】
<2.第2の実施の形態>
次に、本技術の第2の実施の形態について説明する。図7は第2の実施の形態における情報処理装置200および還元処理サーバ1000の構成を示すブロック図である。第2の実施の形態は、情報処理装置200が電力測定部220を備え、使用時間計測部111を備えない点で第1の実施の形態と異なっている。なお、電力測定部220以外の情報処理装置200の構成は第1の実施の形態と同様であるため、その説明を省略する。
【0080】
電力測定部220は、例えば、電流計としての機能と電圧計としての機能を備えることにより機器10において使用される電力を測定する。測定された使用電力量は電力関連情報として通信部120によって還元処理サーバ1000へ送信される。電力測定部220により測定される使用電力量は、特許請求の範囲における電力関連情報に相当するものである。なお、電力関連情報としての使用電力量は機器型式情報および機器識別情報と共に還元処理サーバ1000に送信される点は第1の実施の形態と同様である。
【0081】
情報処理装置200から送信された使用電力量を受信した還元処理サーバ1000においては、使用電力算出部1401による使用電力量の算出処理は行う必要はない。機器10における使用電力量自体が情報処理装置200から送信されてきているからである。よって、還元処理サーバ1000は使用電力累積部1402による使用電力量の累積処理、電気料金1403による電気料金算出処理、第1還元処理部1404および第2還元処理部1405による還元処理を行えばよい。還元処理サーバ1000における処理は第1の実施の形態と同様であるためその説明を省略する。
【0082】
<3.第3の実施の形態>
次に、本技術の第3の実施の形態について説明する。図8は第3の実施の形態における情報処理装置300の構成を示すブロック図である。第2の実施の形態は情報処理装置300が記憶部310を備える点で第1の実施の形態と異なっている。なお、記憶部310以外の情報処理装置300の構成は第1の実施の形態と同様であるため、その説明を省略する。また、還元処理サーバ1000の構成および処理は第1の実施の形態と同様であるため、その説明を省略する。
【0083】
記憶部310は、機器使用時間情報を記憶保持するための記憶媒体である。記憶部310を構成する記憶媒体は、情報を記憶することができるものではあれば、どのようなものでもよく、記憶媒体としては例えば、不揮発性メモリ、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)などが挙げられる。
【0084】
図9は、第3の実施の形態に係る情報処理装置300によって行われる機器情報の送信処理の流れを示すシーケンス図である。まずステップS20で、情報処理装置300が搭載または接続されている機器10の電源がオンにされる。そうすると、次にステップS21で使用時間計測部111は機器10がオンとなったことを検出し、機器10の使用時間の計測を開始する。
【0085】
そして、例えば、機器10の電源がオフにされることなく、ユーザによる機器10の使用が継続され、ステップS22に示すように、タイマー部112により、現在日時が機器情報送信日時に到達したと判断されると、ステップS23で、制御部110の制御のもと、通信部120によって機器情報が還元処理サーバ1000に送信される。このステップS21乃至ステップS23の処理は機器10の電源がオフとなるまで繰り返される。
【0086】
そして、ステップS24に示すように、機器10の電源がオフにされると、ステップS25で示すように、機器使用時間情報が記憶部310に保存される。このステップS25における機器使用時間情報の保存は、たとえ所定期間が経過していなくても、機器10の電源がオフになった時点で行われる。
【0087】
そして、ステップS26に示すように機器10の電源がオンにされると、ステップS27に示すように制御部110は記憶部310から機器使用時間情報を読み出し、ステップS28で通信部120を介してその読みだした機器使用時間情報を含めた機器情報を還元処理サーバ1000に送信する。また、機器10の電源がオンにされているため、ステップS29で、使用時間計測部111により使用時間の計測が開始される。
【0088】
なお、図9のシーケンス図では、ステップS27およびステップS28で機器使用時間情報の読み出しおよび送信を先に、その後にステップS29で使用時間計測を開始する順序で記載してあるが、順序はその順序に限られるものではない。先に使用時間計測開始を行ってもよいし、マルチタスクにより記憶部310からの読み出しおよび送信と、使用時間計測開始を並行して同時に行ってもよい。
【0089】
この第2の実施の形態における電力関連情報の送信の態様は、例えば、テレビジョン受像機、パーソナルコンピュータなど、電源がオンの状態においては常時ネットワークに接続されており、かつ、使用しない間は電源がオフにされる機器10において用いられると考えられる。
【0090】
<4.第4の実施の形態>
次に、本技術の第4の実施の形態について説明する。図10は第4の実施の形態における情報処理装置400の構成を示すブロック図である。第4の実施の形態は、情報処理装置400が記憶部420を備える点、制御部410がネットワーク接続検出部411として機能する点で第1の実施の形態と異なっている。なお、記憶部420およびネットワーク接続検出部411以外の情報処理装置400の構成は第1の実施の形態と同様であるため、その説明を省略する。また、還元処理サーバ1000の構成および処理は第1の実施の形態と同様であるため、その説明を省略する。
【0091】
ネットワーク接続検出部411は、情報処理装置400がネットワークに接続されているか否かを検出して、その結果を制御部410へ通知する。ネットワーク接続を検出する手法としては例えば、通信部120を介して定期的に還元処理サーバ1000へ接続確認用パケットを送信し、還元処理サーバ1000から応答パケットが送信されてきたか否かによって判断する方法が挙げられる。
【0092】
記憶部420は、第2の実施の形態と同様のものであり、機器使用時間情報を記憶保存するものである。
【0093】
図11は、第4の実施の形態における機器情報の送信の態様を示すシーケンス図である。まずステップS30で、情報処理装置400が搭載または接続されている機器10の電源がオンにされる。なお、説明上、この時点では機器10および情報処理装置400はネットワークには接続されていないものとする。次にステップS31で使用時間計測部111により、機器10の使用時間の計測が開始される。そして、ステップS32でタイマー部112により、現在日時が機器情報の送信を行う日時に到達したと判断されると、ステップS33で機器使用時間情報が記憶部310に保存される。これは、機器情報の送信を行う日時に至ったが、情報処理装置400がネットワークに接続されておらず機器情報を送信することができないので、機器使用時間情報を記憶部420に保存しておく、ということである。
【0094】
そして、ステップS34およびステップS35に示すように、情報処理装置400がネットワークに接続されていない間、タイマー部112により機器情報の送信を行う日時に至ったと判断されると機器情報が記憶部420に保存される。
【0095】
そして、ステップS36で示すように、ネットワーク接続検出部411により、情報処理装置400がネットワークに接続されたことが検出された場合、次にステップS37で制御部410は、それまでに記憶部420に保存しておいた機器使用時間情報を読み出し、ステップS38でその機器使用時間情報、さらに機器型式情報および機器識別情報を還元処理サーバ1000に送信する。
【0096】
これ以降、ステップS39に示すように、機器10がネットワークに接続されている状態において、現在日時が機器情報の送信日時に至った場合は、ステップS40で示すように、情報処理装置400は機器情報を還元処理サーバ1000に送信する。
【0097】
そして、その後、ステップS41に示すように機器10がネットワークから切り離された後に、ステップS42およびステップS43で示すように、機器情報の送信を行う日時に至ると、機器使用時間情報が記憶部420に保存される。ステップS42で保存された機器使用時間情報は、次に機器10がネットワークに接続されたときに、機器型式情報および機器識別情報と共に還元処理サーバ1000に送信される。
【0098】
この第4の実施の形態における機器情報の送信の態様は、ネットワークに接続する機能を有しているが、常時ネットワークには接続されておらず、ユーザが必要に応じてネットワークに接続する機器において用いられると考えられる。そのような機器としては、例えば、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、携帯音楽プレーヤなどがある。
【0099】
<5.変形例>
以上、本技術の一実施の形態について具体的に説明したが、本技術は上述の実施形態に限定されるものではなく、本技術の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
【0100】
機器10によっては、動作モードによって消費電力が大きく異なるものがある。例えば、通常の動作モードといわゆる待機モードである。待機モードにおいては、機器のほとんどの機能が停止状態となり、電力は消費するが、通常の動作モードに比べて消費電力量は大幅に低下する。そこで、機器の動作モードが切り替えられるたびに情報処理装置から還元処理サーバへ機器使用時間情報を含んだ機器情報を送信するようにしてもよい。上述したように、還元処理サーバの機器データベースには消費電力情報として機器の待機電力も含まれているため、動作モードごとに機器情報の送信を行うことにより、待機モード時の使用時間情報と待機電力とにより正確にユーザの使用電力量を算出することができる。
【0101】
また、上述した第1乃至第4の実施の形態は常に個別に実施される必要はなく、組み合わせて用いてもよい。例えば、第2の実施の形態のように情報処理装置側で使用電力量を算出し、それを第3の実施の形態または第4の実施の形態のように一度記憶部に記憶させてから還元処理サーバへ送信するようにしてもよい。
【0102】
上述したように、メーカー6000がグリーン電力証書を購入することによって、社会全体への自然エネルギー電力の供給量が増加し、自然エネルギー電力による恩恵をユーザに還元することができる。すなわち、自然エネルギー電力をユーザに供給することができればよいため、その方法はグリーン電力証書の購入に限られない。
【0103】
図12に示すように、メーカー6000が発電設備6100を有し、上述したグリーン電力証書の購入に代えて、またはグリーン電力証書の購入と共に、メーカー6000が電力供給を行うようにしてもよい。発電設備6100は、太陽光、太陽熱、風力、水力、マイクロ水力、潮汐力、波力、水の温度差、海流、バイオマス、地熱などのいわゆる自然エネルギー(再生可能エネルギー)を用いた発電設備である。ただし、自然エネルギーを用いた発電方法は上述のもの限られず、今後、新しく開発されるであろう発電方法を含め、環境負荷の低い発電方法であればどのようなものであってもよい。
【0104】
この場合、図13に示すように、還元処理サーバ1000が備える制御部1400はさらに発電量決定部1406として機能する。発電量決定部1406は、使用電力累積部1402により算出された所定期間(例えば、1ヶ月など)における総使用電力量に基づいて発電設備6100における発電量を決定する。そして、決定された発電量はネットワーク、専用回線などを介して発電設備6100に送信される。
【0105】
なお、発電量決定に際しては、ユーザデータベース1200に登録されている全てのユーザの総使用電力量を合算して発電量の決定を行うようにするのが好ましい。発電量の決定処理に当たっては、個々のユーザを区別する必要がないからである。
【0106】
発電量の決定は所定のアルゴリズムに基づいて行われるようにするとよい。例えば、全てのユーザの総使用電力量の合計量と同量の電力量を発電設備6100による発電量とする。また、全てのユーザの総使用電力量の合計量の所定の割合を発電量とする、などである。
【0107】
発電設備6100は所定の制御のもと、発電量決定部1406により決定された発電量分の発電を行う。そして、得られた発電電力は図12に示すように電力会社3000への売電に充てられる。電力会社3000へ売電を行ったメーカー6000は電力会社3000から売電量に応じた料金を受け取る。このようにしても、社会全体における自然エネルギー電力を供給量が増加し、自然エネルギーによる恩恵をユーザに還元することができる。
【0108】
また、本技術は以下のような構成も取ることができる。
【0109】
(1)搭載または接続された機器に関する電力関連情報を取得する電力関連情報取得部と、
該電力関連情報取得部により取得した前記電力関連情報をネットワークを介して接続された還元処理装置に送信する通信部と
を備える情報処理装置。
【0110】
(2)前記電力関連情報は、前記機器の電源がオンにされている時間を示し、
前記電力関連情報取得部は、前記機器の電源がオンにされている時間を測定する
前記(1)に記載の情報処理装置。
【0111】
(3)前記送信部を介して、さらに、前記機器の型式を示す機器型式情報を送信する
前記(1)または(2)に記載の情報処理装置。
【0112】
(4)前記送信部を介して、さらに、前記機器を識別するための機器識別情報を送信する
前記(1)から(3)のいずれかに記載の情報処理装置。
【0113】
(5)前記電力関連情報を記憶する記憶部をさらに備え、
該記憶部は、前記機器の電源がオフにされた時点で前記電力関連情報取得部が取得していた前記電力関連情報を記憶し、
前記通信部は、前記機器の電源がオンにされた時点で前記記憶部に記憶された前記電力関連情報を前記還元処理装置に送信する
前記(1)から(4)のいずれかに記載の情報処理装置。
【0114】
(6)前記電力関連情報を記憶する記憶部をさらに備え、
該記憶部は、前記通信部がネットワークに接続されていない場合に前記電力関連情報を記憶し、
前記通信部は、ネットワークに接続された時点で前記記憶部に記憶された前記電力関連情報を前記還元処理装置に送信する
前記(1)から(5)のいずれかに記載の情報処理装置。
【0115】
(7)前記電力関連情報は、前記機器の使用電力であり、
前記電力関連情報取得部は、前記使用電力を測定する
前記(3)から(6)のいずれかに記載の情報処理装置。
【0116】
(8)前記電力関連情報はさらに、前記機器が待機状態である待機時間を示し、
前記電力関連情報取得部は、前記機器の電源がオンにされている時間を測定するとともに、前記機器が待機状態である時間を測定する
前記(1)から(7)のいずれかに記載の情報処理装置。
【0117】
(9)機器に搭載または接続された情報処理装置から送信される電力関連情報をネットワークを介して受信する通信部と、
前記電力関連情報に基づいて還元処理の基準となる還元基準を算出する還元基準算出部と、
前記還元基準に基づいて所定の還元処理を行う還元処理部と
を備える還元処理装置。
【0118】
(10)前記電力関連情報は前記機器の電源がオンにされている時間を示し、
前記還元基準算出部は、前記還元基準として、前記電力関連情報と前記機器の消費電力情報とに基づいて前記機器の使用電力量を算出し、
前記還元処理部は、前記機器の使用電力量に基づいて前記所定の還元処理を行う
前記(9)に記載の還元処理装置。
【0119】
(11)前記通信部は、前記情報処理装置から送信された前記機器の型式を示す機器型式情報を受信し、
前記還元基準算出部は、前記機器型式情報に基づいて、前記機器ごとの消費電力情報を格納する機器データベースを参照することにより前記機器の前記消費電力情報を取得し、前記電力関連情報と前記機器の消費電力情報とに基づいて前記機器の使用電力量を算出する
前記(9)または(10)に記載の還元処理装置。
【0120】
(12)前記還元基準算出部は、前記還元基準として、前記使用電力量を前記機器のユーザごとに累積することにより累積使用電力量を算出し、
前記還元処理部は、前記累積使用電力量に基づいて、前記ユーザごとに前記所定の還元処理を行う
前記(9)から(11)のいずれかに記載の還元処理装置。
【0121】
(13)前記通信部は、前記情報処理装置から送信された、前記機器を識別するための機器識別情報を受信し、
前記還元基準算出部は、前記機器識別情報に基づいて、前記機器のユーザ情報を格納するユーザデータベースを参照することにより、前記ユーザを特定し、該ユーザごとに前記使用電力量を累積して前記累積使用電力量を算出する
前記(9)から(12)のいずれかに記載の還元処理装置。
【0122】
(14)前記還元基準算出部は、前記還元基準として、前記機器の使用電力量と電力料金単価とに基づいて前記機器の使用により生じる電力料金を算出する
前記(9)から(13)のいずれかに記載の還元処理装置。
【0123】
(15)前記還元処理部は、前記ユーザごとに前記還元基準に基づいて振り込み処理を行う
前記(9)から(14)のいずれかに記載の還元処理装置。
【0124】
(16)前記還元処理部は、前記還元基準に基づいてグリーン電力証書の購入処理を行う前記(9)から(14)のいずれかに記載の還元処理装置。
【0125】
(17)前記還元基準に基づいて、発電設備による発電量を決定する発電量決定部をさらに備え、該発電量決定部により決定された発電量を前記発電設備に供給する
前記(9)から(14)のいずれかに記載の還元処理装置。
【0126】
(18)機器に関する電力関連情報を取得し、
該電力関連情報をネットワークを介して接続された還元処理装置に送信する
情報処理方法。
【0127】
(19)機器に搭載または接続された情報処理装置から送信される電力関連情報をネットワークを介して受信し、
前記電力関連情報に基づいて還元処理の基準となる還元基準を算出し、
前記還元基準に基づいて所定の還元処理を行う
還元処理方法。
【0128】
(20)搭載または接続された機器に関する電力関連情報を取得する電力関連情報取得部と、
該電力関連情報取得部により取得した前記電力関連情報をネットワークを介して接続された還元処理装置に送信する第1の通信部とを備える情報処理装置と、
前記情報処理装置から送信される電力関連情報をネットワークを介して受信する第2の通信部と、
前記電力関連情報に基づいて還元処理の基準となる還元基準を算出する還元基準算出部と、
前記還元基準に基づいて所定の還元処理を行う還元処理部と
を備える還元処理装置と
からなる還元システム。
【符号の説明】
【0129】
10・・・・・・・・機器
111・・・・・・・使用時間計測部
220・・・・・・・電力測定部
120・・・・・・・通信部
100、200、300、400・・・・情報処理装置
310、410・・・記憶部
1300・・・・・・通信部
1401・・・・・・使用電力算出部
1402・・・・・・使用電力累積部
1403・・・・・・電気料金算出部
1404・・・・・・第1還元処理部
1405・・・・・・第2還元処理部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搭載または接続された機器に関する電力関連情報を取得する電力関連情報取得部と、
該電力関連情報取得部により取得した前記電力関連情報をネットワークを介して接続された還元処理装置に送信する通信部と
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記電力関連情報は、前記機器の電源がオンにされている時間を示し、
前記電力関連情報取得部は、前記機器の電源がオンにされている時間を測定する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記送信部を介して、さらに、前記機器の型式を示す機器型式情報を送信する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記送信部を介して、さらに、前記機器を識別するための機器識別情報を送信する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記電力関連情報を記憶する記憶部をさらに備え、
該記憶部は、前記機器の電源がオフにされた時点で前記電力関連情報取得部が取得していた前記電力関連情報を記憶し、
前記通信部は、前記機器の電源がオンにされた時点で前記記憶部に記憶された前記電力関連情報を前記還元処理装置に送信する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記電力関連情報を記憶する記憶部をさらに備え、
該記憶部は、前記通信部がネットワークに接続されていない場合に前記電力関連情報を記憶し、
前記通信部は、ネットワークに接続された時点で前記記憶部に記憶された前記電力関連情報を前記還元処理装置に送信する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記電力関連情報は、前記機器の使用電力であり、
前記電力関連情報取得部は、前記使用電力を測定する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記電力関連情報はさらに、前記機器が待機状態である待機時間を示し、
前記電力関連情報取得部は、前記機器の電源がオンにされている時間を測定するとともに、前記機器が待機状態である時間を測定する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項9】
機器に搭載または接続された情報処理装置から送信される電力関連情報をネットワークを介して受信する通信部と、
前記電力関連情報に基づいて還元処理の基準となる還元基準を算出する還元基準算出部と、
前記還元基準に基づいて所定の還元処理を行う還元処理部と
を備える還元処理装置。
【請求項10】
前記電力関連情報は前記機器の電源がオンにされている時間を示し、
前記還元基準算出部は、前記還元基準として、前記電力関連情報と前記機器の消費電力情報とに基づいて前記機器の使用電力量を算出し、
前記還元処理部は、前記機器の使用電力量に基づいて前記所定の還元処理を行う
請求項9に記載の還元処理装置。
【請求項11】
前記通信部は、前記情報処理装置から送信された前記機器の型式を示す機器型式情報を受信し、
前記還元基準算出部は、前記機器型式情報に基づいて、前記機器ごとの消費電力情報を格納する機器データベースを参照することにより前記機器の前記消費電力情報を取得し、前記電力関連情報と前記機器の消費電力情報とに基づいて前記機器の使用電力量を算出する
請求項10に記載の還元処理装置。
【請求項12】
前記還元基準算出部は、前記還元基準として、前記使用電力量を前記機器のユーザごとに累積することにより累積使用電力量を算出し、
前記還元処理部は、前記累積使用電力量に基づいて、前記ユーザごとに前記所定の還元処理を行う
請求項10に記載の還元処理装置。
【請求項13】
前記通信部は、前記情報処理装置から送信された、前記機器を識別するための機器識別情報を受信し、
前記還元基準算出部は、前記機器識別情報に基づいて、前記機器のユーザ情報を格納するユーザデータベースを参照することにより、前記ユーザを特定し、該ユーザごとに前記使用電力量を累積して前記累積使用電力量を算出する
請求項12に記載の還元処理装置。
【請求項14】
前記還元基準算出部は、前記還元基準として、前記機器の使用電力量と電力料金単価とに基づいて前記機器の使用により生じる電力料金を算出する
請求項10に記載の還元処理装置。
【請求項15】
前記還元処理部は、前記ユーザごとに前記還元基準に基づいて振り込み処理を行う
請求項9に記載の還元処理装置。
【請求項16】
前記還元処理部は、前記還元基準に基づいてグリーン電力証書の購入処理を行う
請求項9に記載の還元処理装置。
【請求項17】
前記還元基準に基づいて、発電設備による発電量を決定する発電量決定部をさらに備え、該発電量決定部により決定された発電量を前記発電設備に供給する
請求項9に記載の還元処理装置。
【請求項18】
機器に関する電力関連情報を取得し、
該電力関連情報をネットワークを介して接続された還元処理装置に送信する
情報処理方法。
【請求項19】
機器に搭載または接続された情報処理装置から送信される電力関連情報をネットワークを介して受信し、
前記電力関連情報に基づいて還元処理の基準となる還元基準を算出し、
前記還元基準に基づいて所定の還元処理を行う
還元処理方法。
【請求項20】
搭載または接続された機器に関する電力関連情報を取得する電力関連情報取得部と、
該電力関連情報取得部により取得した前記電力関連情報をネットワークを介して接続された還元処理装置に送信する第1の通信部とを備える情報処理装置と、
前記情報処理装置から送信される電力関連情報をネットワークを介して受信する第2の通信部と、
前記電力関連情報に基づいて還元処理の基準となる還元基準を算出する還元基準算出部と、
前記還元基準に基づいて所定の還元処理を行う還元処理部と
を備える還元処理装置と
からなる還元システム。
【請求項1】
搭載または接続された機器に関する電力関連情報を取得する電力関連情報取得部と、
該電力関連情報取得部により取得した前記電力関連情報をネットワークを介して接続された還元処理装置に送信する通信部と
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記電力関連情報は、前記機器の電源がオンにされている時間を示し、
前記電力関連情報取得部は、前記機器の電源がオンにされている時間を測定する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記送信部を介して、さらに、前記機器の型式を示す機器型式情報を送信する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記送信部を介して、さらに、前記機器を識別するための機器識別情報を送信する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記電力関連情報を記憶する記憶部をさらに備え、
該記憶部は、前記機器の電源がオフにされた時点で前記電力関連情報取得部が取得していた前記電力関連情報を記憶し、
前記通信部は、前記機器の電源がオンにされた時点で前記記憶部に記憶された前記電力関連情報を前記還元処理装置に送信する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記電力関連情報を記憶する記憶部をさらに備え、
該記憶部は、前記通信部がネットワークに接続されていない場合に前記電力関連情報を記憶し、
前記通信部は、ネットワークに接続された時点で前記記憶部に記憶された前記電力関連情報を前記還元処理装置に送信する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記電力関連情報は、前記機器の使用電力であり、
前記電力関連情報取得部は、前記使用電力を測定する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記電力関連情報はさらに、前記機器が待機状態である待機時間を示し、
前記電力関連情報取得部は、前記機器の電源がオンにされている時間を測定するとともに、前記機器が待機状態である時間を測定する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項9】
機器に搭載または接続された情報処理装置から送信される電力関連情報をネットワークを介して受信する通信部と、
前記電力関連情報に基づいて還元処理の基準となる還元基準を算出する還元基準算出部と、
前記還元基準に基づいて所定の還元処理を行う還元処理部と
を備える還元処理装置。
【請求項10】
前記電力関連情報は前記機器の電源がオンにされている時間を示し、
前記還元基準算出部は、前記還元基準として、前記電力関連情報と前記機器の消費電力情報とに基づいて前記機器の使用電力量を算出し、
前記還元処理部は、前記機器の使用電力量に基づいて前記所定の還元処理を行う
請求項9に記載の還元処理装置。
【請求項11】
前記通信部は、前記情報処理装置から送信された前記機器の型式を示す機器型式情報を受信し、
前記還元基準算出部は、前記機器型式情報に基づいて、前記機器ごとの消費電力情報を格納する機器データベースを参照することにより前記機器の前記消費電力情報を取得し、前記電力関連情報と前記機器の消費電力情報とに基づいて前記機器の使用電力量を算出する
請求項10に記載の還元処理装置。
【請求項12】
前記還元基準算出部は、前記還元基準として、前記使用電力量を前記機器のユーザごとに累積することにより累積使用電力量を算出し、
前記還元処理部は、前記累積使用電力量に基づいて、前記ユーザごとに前記所定の還元処理を行う
請求項10に記載の還元処理装置。
【請求項13】
前記通信部は、前記情報処理装置から送信された、前記機器を識別するための機器識別情報を受信し、
前記還元基準算出部は、前記機器識別情報に基づいて、前記機器のユーザ情報を格納するユーザデータベースを参照することにより、前記ユーザを特定し、該ユーザごとに前記使用電力量を累積して前記累積使用電力量を算出する
請求項12に記載の還元処理装置。
【請求項14】
前記還元基準算出部は、前記還元基準として、前記機器の使用電力量と電力料金単価とに基づいて前記機器の使用により生じる電力料金を算出する
請求項10に記載の還元処理装置。
【請求項15】
前記還元処理部は、前記ユーザごとに前記還元基準に基づいて振り込み処理を行う
請求項9に記載の還元処理装置。
【請求項16】
前記還元処理部は、前記還元基準に基づいてグリーン電力証書の購入処理を行う
請求項9に記載の還元処理装置。
【請求項17】
前記還元基準に基づいて、発電設備による発電量を決定する発電量決定部をさらに備え、該発電量決定部により決定された発電量を前記発電設備に供給する
請求項9に記載の還元処理装置。
【請求項18】
機器に関する電力関連情報を取得し、
該電力関連情報をネットワークを介して接続された還元処理装置に送信する
情報処理方法。
【請求項19】
機器に搭載または接続された情報処理装置から送信される電力関連情報をネットワークを介して受信し、
前記電力関連情報に基づいて還元処理の基準となる還元基準を算出し、
前記還元基準に基づいて所定の還元処理を行う
還元処理方法。
【請求項20】
搭載または接続された機器に関する電力関連情報を取得する電力関連情報取得部と、
該電力関連情報取得部により取得した前記電力関連情報をネットワークを介して接続された還元処理装置に送信する第1の通信部とを備える情報処理装置と、
前記情報処理装置から送信される電力関連情報をネットワークを介して受信する第2の通信部と、
前記電力関連情報に基づいて還元処理の基準となる還元基準を算出する還元基準算出部と、
前記還元基準に基づいて所定の還元処理を行う還元処理部と
を備える還元処理装置と
からなる還元システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−25339(P2013−25339A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−156247(P2011−156247)
【出願日】平成23年7月15日(2011.7.15)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月15日(2011.7.15)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
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