説明

情報処理装置、鉄道情報サーバ、乗車受付管理システム、方法及びプログラム

【課題】乗車駅と降車駅の間に乗り継ぎが必要となる場合でも、ユーザが都合の良い時間に乗車駅への連絡、確認、変更、取消を行うことができると共に、各鉄道会社が事前の準備を行い、乗車手続きの時間短縮と安全に輸送する体制をより確実に提供する。
【解決手段】情報処理装置は、乗車予約時に、予約番号毎に乗車予約情報を予約番号テーブルに予約登録し、各利用駅の駅端末に乗車予約情報を送信し、駅端末からの乗車予約情報の確認状況を対象駅確認状況テーブルに登録し、その確認情報をユーザ端末に送信し、乗車時に、予約番号テーブルの乗車予約情報と照合し、乗車確認状況テーブルに乗車駅の乗車確認を登録し、その乗車確認情報を乗り継ぎ駅、降車駅の駅端末に送信し、降車時に、予約番号テーブルの乗車予約情報と照合し、乗車確認状況テーブルに降車駅又は乗り継ぎ駅の降車確認を登録し、その降車確認情報を降車駅、乗り継ぎ駅の駅端末に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、鉄道情報サーバ、乗車受付管理システム、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、公共施設等の利用施設では、段差の解消、車椅子対応エレベータ、スペースの広いトイレ等、車椅子利用ユーザ(以下、ユーザ)に配慮したバリアフリーの時代になっているが、交通機関等では、まだまだ利用するには不便なものが多いのが現状である。
【0003】
例えば、鉄道を利用する場合は、通常、ユーザが駅に着いてから、駅員に伝えることで利用区間が判明し、それに伴い、その都度、駅員は降車駅への連絡、乗車・降車駅での受け入れ体制準備、すなわち乗車及び降車準備、エスカレーターの一時止め等の準備を行っていた。この場合、ユーザが駅に着いてから伝えるため、ユーザ側にも時間のゆとりが必要であった。また、電話で事前の連絡をしていても、その後の確認や時間の変更・取消など、再度連絡の必要があった。
【0004】
これに関連して、特許文献1では、ユーザが携帯電話又はPC(Personal Computer)を使用して、利用日、乗車駅、乗車時間、下車駅、下車駅到着時間、待合せ時間等を予約可能な乗降補助予約システムが提案されている。このシステムは、利用日、乗車駅、乗車列車の発車時間、下車駅、使用器具(手動車椅子、電動車椅子等)などの予約情報により交通機関の乗降補助予約をネットワーク経由で行うユーザ端末と、交通機関の各駅に設置される係員用端末とを備え、ユーザ端末からの予約情報を乗車駅と下車駅の係員用端末に送信し、乗降補助側の駅の係員用端末に表示する。これによれば、ユーザが、改札及びホーム間の移動、乗車、降車の補助を予約でき、時間的、人数的に適切な補助が可能とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−030157号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
現状では、ユーザが都合の良い時間に乗車駅への連絡、確認、変更、取消を行うことができず、各鉄道会社が事前の準備を行い、乗車手続きの時間短縮と安全に輸送する体制を確実に提供することができないという課題がある。
【0007】
特許文献1は、ユーザが携帯電話又はPCを使用して、利用日、乗車駅、乗車時間、下車駅、下車駅到着時間、待合せ時間等を予約することができるが、乗車駅と下車駅間の途中に乗り換えが必要となる場合を必ずしも考慮したものではなく、上記課題に加え、次のような課題もある。
【0008】
(1)各鉄道会社は、乗客を安全に目的地まで送り届ける義務があるが、現在のユーザの他鉄道会社間の電車乗り換えの情報確認(前利用の鉄道会社の降車情報)や、最終的にユーザが安全に利用(乗車及び降車)できたことを確認する手段がない。
【0009】
(2)電車では、乗り換えがある場合、各駅への事前情報の提供が必須であるが、予約登録時のデータ登録確認だけでは、各駅、各鉄道会社にて確認がとれているかどうかは、ユーザにとっては不安な点であり、その不安を払拭させることができない。
【0010】
(3)次の乗り換え駅の駅員がユーザの乗車位置を確認することができず、乗り換え時に適切な位置でユーザを待つことができず、その分、ユーザを待たせてしまう。
【0011】
(4)ユーザがどこまで来ているのか、乗車がきちんと行われているのか駅員が確認することができず、電車のおくれ、乗り遅れ等が発生した場合、どの駅まで来ていているか事前に確認し、準備することができない。
【0012】
(5)ユーザが電車を利用するには、階段での移動時間など、独自の路線間及び鉄道間の移動時間計測が必要となるため、正確な移動時間を算出することができない。
【0013】
本発明の目的は、上記課題を解決し、乗車駅と降車駅の間に乗り継ぎが必要となる場合でも、ユーザが都合の良い時間に乗車駅への連絡、確認、変更、取消を行うことができると共に、各鉄道会社が事前の準備を行い、乗車手続きの時間短縮と安全に輸送する体制をより確実に提供することができる乗車受付管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するため、本発明に係る乗車受付管理システムは、ID登録証からユーザのIDを読み取る駅改札ID読み取り装置にネットワークを介して通信可能に接続される情報処理装置であって、ユーザのIDに対応して発行する一意の予約番号毎に、ユーザのIDと、乗車予定日と、鉄道会社コード、路線コード、及び列車番号を一意に識別可能な利用列車コードと、乗車駅、乗り継ぎ駅、及び降車駅を含む各利用駅と、各利用駅の乗車時刻と、各利用駅の到着時刻とを含む乗車予約情報を登録する予約番号テーブルと、予約番号毎に各利用駅の確認状況を登録する対象駅確認状況テーブルと、予約番号毎に各利用駅の乗車確認状況を登録する乗車確認状況テーブルと、乗車予約時に、ユーザの希望する乗り入れ電車の乗車予約を受け入れ、ユーザのIDに対応する予約番号毎に乗車予約情報を前記予約番号テーブルに予約登録し、ユーザの利用する各利用駅の駅端末に乗車予約情報を送信し、各利用駅の駅端末からの乗車予約情報の確認状況を前記対象駅確認状況テーブルに登録し、その確認情報をユーザ端末に送信し、乗車予約の変更時に、前記乗車予約の変更情報を各利用駅の駅端末に送信し、その駅端末からの乗車予約の変更情報の確認状況を前記対象駅確認状況テーブルに登録し、その確認情報をユーザ端末に送信し、乗車時に、乗車駅の駅改札ID読み取り装置により読み取った前記ID登録証のIDに対応する予約番号をもとに前記予約番号テーブルの乗車予約情報と照合し、前記乗車確認状況テーブルに乗車駅の乗車確認を登録し、その乗車確認情報を乗り継ぎ駅又は降車駅の駅端末に送信し、降車時に、降車駅又は乗り継ぎ駅の駅改札ID読み取り装置により読み取った前記ID登録証のIDに対応する予約番号をもとに前記予約番号テーブルの乗車予約情報と照合し、前記乗車確認状況テーブルに降車駅又は乗り継ぎ駅の降車確認を登録し、その降車確認情報を降車駅又は乗り継ぎ駅の駅端末に送信することを特徴とする。
【0015】
本発明に係る鉄道情報サーバは、上記に記載の情報処理装置を備えたことを特徴とする。
【0016】
本発明に係る乗車受付管理システムは、上記に記載の鉄道情報サーバを備えたことを特徴とする。
【0017】
本発明に係る乗車受付管理方法は、乗車予約時に、ユーザの希望する乗り入れ電車の乗車予約を受け入れ、ユーザのIDに対応する予約番号毎に乗車予約情報を予約番号テーブルに予約登録し、ユーザの利用する各利用駅の駅端末に乗車予約情報を送信し、各利用駅の駅端末からの乗車予約情報の確認状況を対象駅確認状況テーブルに登録し、その確認情報をユーザ端末に送信し、乗車予約の変更時に、乗車予約の変更情報を各利用駅の駅端末に送信し、その駅端末からの乗車予約の変更情報の確認状況を対象駅確認状況テーブルに登録し、その確認情報をユーザ端末に送信し、乗車時に、乗車駅の駅改札ID読み取り装置により読み取ったID登録証のIDに対応する予約番号をもとに予約番号テーブルの乗車予約情報と照合し、乗車確認状況テーブルに乗車駅の乗車確認を登録し、その乗車確認情報を乗り継ぎ駅又は降車駅の駅端末に送信し、降車時に、降車駅又は乗り継ぎ駅の駅改札ID読み取り装置により読み取ったID登録証のIDに対応する予約番号をもとに予約番号テーブルの乗車予約情報と照合し、乗車確認状況テーブルに降車駅又は乗り継ぎ駅の降車確認を登録し、その降車確認情報を降車駅又は乗り継ぎ駅の駅端末に送信することを特徴とする。
【0018】
本発明に係る乗車受付管理プログラムは、コンピュータに、乗車予約時に、ユーザの希望する乗り入れ電車の乗車予約を受け入れ、ユーザのIDに対応する予約番号毎に乗車予約情報を予約番号テーブルに予約登録し、ユーザの利用する各利用駅の駅端末に乗車予約情報を送信し、各利用駅の駅端末からの乗車予約情報の確認状況を対象駅確認状況テーブルに登録し、その確認情報をユーザ端末に送信する処理と、乗車予約の変更時に、乗車予約の変更情報を各利用駅の駅端末に送信し、その駅端末からの乗車予約の変更情報の確認状況を対象駅確認状況テーブルに登録し、その確認情報をユーザ端末に送信する処理と、乗車時に、乗車駅の駅改札ID読み取り装置により読み取ったID登録証のIDに対応する予約番号をもとに予約番号テーブルの乗車予約情報と照合し、乗車確認状況テーブルに乗車駅の乗車確認を登録し、その乗車確認情報を乗り継ぎ駅又は降車駅の駅端末に送信する処理と、降車時に、降車駅又は乗り継ぎ駅の駅改札ID読み取り装置により読み取ったID登録証のIDに対応する予約番号をもとに予約番号テーブルの乗車予約情報と照合し、乗車確認状況テーブルに降車駅又は乗り継ぎ駅の降車確認を登録し、その降車確認情報を降車駅又は乗り継ぎ駅の駅端末に送信する処理とを実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、乗車駅と降車駅の間に乗り継ぎが必要となる場合でも、ユーザが都合の良い時間に乗車駅への連絡、確認、変更、取消を行うことができると共に、各鉄道会社が事前の準備を行い、乗車手続きの時間短縮と安全に輸送する体制をより確実に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施の形態に係る乗車受付管理システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す予約番号テーブルの一例を示す図である。
【図3】図1に示す対象駅確認状況テーブルの一例を示す図である。
【図4】図1に示す乗車位置テーブルの一例を示す図である。
【図5】図1に示す乗車確認状況テーブルの一例を示す図である。
【図6】図1に示すID・予約番号対応テーブルの一例を示す図である。
【図7】図1に示す利用路線間移動時間テーブルの一例を示す図である。
【図8】図1に示す利用鉄道間移動時間テーブルの一例を示す図である。
【図9】図1に示す乗車受付管理システムによるID、パスワード、及びID登録証の入手時の動作を説明するフローチャートである。
【図10】図1に示す乗車受付管理システムによる乗車予約時の動作を説明するフローチャートである。
【図11】図1に示す乗車受付管理システムによる乗車予約の修正又はキャンセル時の動作を説明するフローチャートである。
【図12】図1に示す乗車受付管理システムによる乗車位置登録時の動作を説明するフローチャートである。
【図13】図1に示す乗車受付管理システムによる乗車時の動作を説明するフローチャートである。
【図14】図1に示す乗車受付管理システムによる降車時の動作を説明するフローチャートである。
【図15】図1に示す乗車受付管理システムによる乗車後の修正又は当日乗車キャンセル時の動作を説明するフローチャートである。
【図16】図1に示す乗車受付管理システムによる当日キャンセル又は連絡無しの場合の動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、本発明に係る情報処理装置、鉄道情報サーバ、乗車受付管理システム、方法及びプログラムの実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0022】
図1は、本実施の形態に係る乗車受付管理システムの全体構成を示す。同図に示す乗車受付システムは、ユーザ端末100、ID登録証101、駅端末200、ID認証サーバ300、鉄道情報サーバ400、駅改札ID読み取り装置500、ネットワーク600で構成される。ユーザ端末100、駅端末200、ID認証サーバ300、鉄道情報サーバ400、駅改札ID読み取り500は、それぞれネットワーク600に接続する機能を有する。
【0023】
ユーザ端末100は、ネットワーク600に接続できるPCや携帯端末などの情報処理装置で構成され、図1に示す乗車受付管理システムのサービスを利用する人(以下、ユーザ)により使用される。このユーザ端末100は、上記機能に加え、ネットワーク600を経由してID認証サーバ300に接続し、認証処理を行う機能と、ネットワーク600を経由して、鉄道情報サーバ400のデータの検索、予約情報の登録、ユーザ登録データの確認、登録情報の修正、キャンセル処理を行う機能とを有する。これらの機能は、例えばユーザ端末100を構成する端末装置内に搭載される非図示のコンピュータの中核を成すCPU(Central Processing Unit)がメモリ等の記録媒体に格納されたプログラムを実行することにより実現される。
【0024】
駅端末200は、各鉄道会社の駅ごとに設置され、上記機能に加え、ネットワーク600を経由してID認証サーバ300に接続し、ID、パスワードの発行処理、IDカードからなるID登録証101の発行を行う機能と、ネットワーク600を経由して鉄道情報サーバ400から予約データの受信、修正情報の受信、鉄道情報サーバの予約データの修正処理を行う機能とを有する。これらの機能は、例えば駅端末200を構成する端末装置内に搭載される非図示のコンピュータの中核を成すCPUがメモリ等の記録媒体に格納されたプログラムを実行することにより実現される。
【0025】
ID認証サーバ300は、ネットワーク600に接続可能なPCサーバや専用サーバ等のサーバ機で構成され、上記機能に加え、ネットワーク600を経由して駅端末200からのID発行要求に対するID、パスワードの発行、登録処理を行う機能と、ネットワーク600を経由してユーザ端末100からの認証処理及びID登録証101からの認証処理を行う機能とを有する。これらの機能は、例えばID認証サーバ300を構成するサーバ機内に搭載される非図示のコンピュータの中核を成すCPUがメモリ等の記録媒体に格納されたプログラムを実行することにより実現される。
【0026】
鉄道情報サーバ400は、ネットワーク600に接続可能なPCサーバや専用サーバ等のサーバ機(情報処理装置)で構成され、上記機能に加え、ネットワーク600を経由してID認証サーバ300により認証されたユーザ端末100からの鉄道データの検索処理、ユーザ予約データの登録、変更、キャンセルを行う機能と、ネットワーク600を経由して駅端末200へのユーザ予約情報送信、駅端末200からの予約情報の修正及びキャンセルを行う機能と、ネットワーク600を経由して駅改札ID読み取り500より照合されたデータの照合及び修正を行う機能とを有する。
【0027】
また、この鉄道情報サーバ400は、各利用駅の時刻表データ、駅情報(駅コード、駅名、次駅までの標準所要時間、路線情報、利用路線間移動時間、利用鉄道間移動時間)を保持し、乗車駅から降車駅の最短の経路を検索する機能と、乗り継ぎ駅を経由した最短経路を検索する機能と、乗り継ぎ駅から再度時間を設定し、検索する機能とを有する。
【0028】
以上の各機能は、例えば鉄道情報サーバ400を構成するサーバ機内に搭載される非図示のコンピュータの中核を成すCPUがメモリ等の記録媒体に格納されたプログラム(乗車受付管理プログラム)を実行することにより実現される。このため、鉄道情報サーバ400は、図1に示すように、プログラム制御で動作するCPUを有する処理部411と、ネットワーク600との間で通信可能な通信I/F(インターフェース)を有する通信部412とを有する。本実施の形態では、処理部411が予め設定された乗車受付管理プログラム413を実行することにより、鉄道情報サーバ400の上記各機能を実現している。
【0029】
この鉄道情報サーバ400は、図1に示すように、処理部411にて処理される各種データを格納するテーブル、すなわち予約番号テーブル401と、対象駅確認状況テーブル402と、乗車位置テーブル403と、乗車確認状況テーブル404と、ID・予約番号対応テーブル405と、利用路線間移動時間テーブル406と、利用鉄道間移動時間テーブル407とを有する。各テーブル401〜407の一例を図2〜図8に示す。
【0030】
図2は、予約番号テーブル401の一例を示す。この予約番号テーブル401は、同図に示すように、予約番号、ID、予定日、利用列車コード1、利用駅1、乗車時刻1、到着時刻1、利用列車コード2、利用駅2、乗車時刻2、到着時刻2、…の各項目(フィールド)で構成されている。利用列車コードは、「鉄道会社コード+路線コード+列車番号」から生成され、路線の列車ごとに一意に割り振られる番号を生成する。「鉄道会社コード+路線コード+列車番号」が一意に識別できるものであれば、このデータ構成でなくてもよい。図2の例では、利用列車コードの最初の1文字が「鉄道会社コード」、次の1文字が「鉄道事業者識別コード」、次の3文字が「列車番号」としている。例えば、予約番号0001の利用列車コード1では、Kが「鉄道会社コード」、Tが「路線コード」、102が「列車番号」を表している。
【0031】
図3は、対象駅確認状況テーブル402の一例を示す。この対象駅確認状況テーブル402は、同図に示すように、予約番号、ID、利用駅1、利用駅2、…の各項目(フィールド)で構成されている。
【0032】
図4は、乗車位置テーブル403の一例を示す。この乗車位置テーブル403は、同図に示すように、予約番号、ID、ユーザ送信フラグ1、利用列車1、車両位置1、ドア位置1、ユーザ送信フラグ2、利用列車2、車両位置2、ドア位置2、…の各項目(フィールド)で構成されている。
【0033】
図5は、乗車確認状況テーブル404の一例を示す。この乗車確認状況テーブル404は、同図に示すように、予約番号、ID、乗車フラグ、降車フラグ、利用駅1、利用駅2、…の各項目で構成されている。
【0034】
図6は、ID・予約番号対応テーブル405の一例を示す。このID・予約番号対応テーブル405は、同図に示すように、ID、予約番号1、予約番号2、…の各項目(フィールド)で構成されている。
【0035】
図7は、利用路線間移動時間テーブル406の一例を示す。この利用路線間移動時間テーブル406は、同図に示すように、利用駅毎に利用路線間の移動時間(数値は分単位)が格納されている。
【0036】
図8は、利用鉄道間移動時間テーブル407の一例を示す。この利用鉄道間移動時間テーブル407は、同図に示すように、利用駅毎に利用鉄道間の移動時間(数値は分単位)が格納されている。
【0037】
駅改札ID読み取り装置500は、ID登録証101からユーザIDを読み取り、読み取ったユーザIDを、ネットワーク600を経由してID認証サーバ300に接続し、ID認証サーバ300にて認証成功後に鉄道情報サーバ400の予約番号テーブル401のデータと照合させる機能を有する。
【0038】
次に、図9〜図16のフローチャートを参照して、本実施の形態に係る乗車受付管理システムの動作について説明する。以下の説明では、ID、パスワード、及びID登録証101の入手時(図9)、乗車予約時(図10)、乗車予約の修正又はキャンセル時(図11)、車両位置及びドア位置の入力時(図12)、乗車時(図13)、降車時(図14)、乗車後の修正又は当日乗車キャンセル時(図15)、当日キャンセル又は連絡無しの場合(図16)に分けて、各々の動作について詳述する。
【0039】
図9は、ID、パスワード、及びID登録証101の入手時の動作を説明するものである。図1に示す乗車受付管理システムを利用する場合、事前にID、パスワード、及びID登録証101を入手する必要がある。このため、ユーザは、最寄り駅にて、ID及びID登録証101の申請を行う(St11)。ユーザより申請された駅では、駅端末200の担当者(操作者)が、駅端末200を操作して、ID、パスワード、及びID登録証101の発行処理を行う(St12)。これに応答して、ID認証サーバ300は、ユーザのID及びパスワードを登録する(St13)。
【0040】
駅端末200は、ID認証サーバ300より付与されたID及びパスワードと、そのIDデータが入力されたID登録証101とを発行する(St14)。これにより、ユーザは、駅端末200の担当者より、ID、パスワード、ID登録証101を入手する(St15)。
【0041】
図10は、乗車予約時の動作を説明するものである。
【0042】
乗車予約を行う場合、ユーザは、ユーザ端末100を操作し、付与されたID及びパスワードを用いてID認証サーバ300にログインする(St21)。これに応答して、ID認証サーバ300は、ID及びパスワードに基づいてユーザを認証する(St22)。この認証が成功すると(St23:YES)、鉄道情報サーバ400は、検索画面を表示する(ST24)。そうすると、ユーザは、ユーザ端末100を操作して、その検索画面を見ながら、鉄道情報サーバ400の鉄道情報を検索する。
【0043】
この検索に際し、ユーザは、ユーザ端末100を操作して、乗車駅、乗り継ぎ駅、降車駅、乗車日時、乗車時間、降車時間のデータの必要項目を検索条件として入力する(St25)。鉄道情報サーバ400は、入力された検索条件に基づいて鉄道情報を検索する(St26)。ユーザ端末100は、その検索結果である鉄道情報を表示する(St27)。また、車椅子利用ユーザの移動に際し、乗り継ぎ駅によっては、通常より移動時間がかかる場合もあるため、ユーザ端末100は、乗り継ぎ駅からの時間を再度設定入力する(St28:YES、St25)。鉄道情報サーバ400は、再度入力された検索条件に基づいて鉄道情報を再検索する(ST26)。その際、鉄道情報サーバ400は、同じ鉄道会社の路線間の移動時間を、利用路線間移動時間テーブル406(図7)を利用して計測し、別鉄道会社間の移動時間を、利用鉄道間移動時間テーブル407(図8)を利用して計測する。ユーザ端末100は、再検索結果である鉄道情報を表示する(St27)。
【0044】
ユーザ端末100は、上記検索により表示された情報で確定すれば(St28:NO)、乗車登録処理を実施する(St29)。一方、変更の必要がある場合(St28:YES)は、St25に戻り、再検索処理を繰り返し実施する。
【0045】
ユーザが予約登録を行うと(St29)、予約番号(一意の番号)が付与され、そのデータは、鉄道情報サーバ400の予約番号テーブル401(図2)に登録される(St30)。また、そのデータは、乗車予定日、利用列車コード、利用駅、乗車時刻、到着時刻(次駅までの)とともに保存される。以後、予約番号によりその乗車ユーザの乗車予約が管理される。複数予約した場合は、複数の予約番号が発行される。また、ユーザの予約番号取得情報は、ID・予約番号対応テーブル405(図6)にて管理される。
【0046】
鉄道情報サーバ400により、予約番号が発行されると(St31)、鉄道情報サーバ400から、ユーザ端末100に予約番号、利用駅、時間とともに送信される。ユーザ端末100は、鉄道情報サーバ400からの予約番号を取得する(St32)。予約番号テーブル401(図2)に登録された利用駅ごとの乗車時刻は、予約番号、IDとともに、各利用駅(乗車駅、乗り継ぎ駅、降車駅)の駅端末200に送信される(St33)。
【0047】
各利用駅では、駅端末200にて送信された予約番号を受信すると(St34)、その予約番号を確認し(St35)、予約確認登録を行う。予約確認登録は、鉄道情報サーバ400の対象駅確認状況テーブル402(図3)において、該当する各利用駅の確認情報(確認済)として設定登録され(St36)、その登録された各利用駅の確認情報は、ユーザ端末100へ送信される。ユーザ端末100は、鉄道情報サーバ400からの利用駅の確認データを受信する(St37)。
【0048】
図11は、乗車予約の修正又はキャンセル時の動作を説明するものである。
【0049】
乗車予約の修正及びキャンセルを行う場合、ユーザは、ユーザ端末100よりID及びパスワードを用いてID認証サーバ300にログインし(St41)、これに応答して、ID認証サーバ300は、ID及びパスワードからユーザの認証を行う(St42)。この認証が成功すると(St43:YES)、鉄道情報サーバ400は、鉄道情報サーバ400の予約番号テーブル401(図2)に存在する同じIDのユーザ登録データを表示する(St44)。ユーザは、ユーザ端末100にて、そのユーザ登録データを見ながら、変更が必要な予約番号を確認し(St45)、乗車データの修正及びキャンセルが必要な場合、そのデータの修正及びキャンセルを行い、修正及びキャンセル後のデータを登録する(St46)。
【0050】
登録されたデータは、鉄道情報サーバ400の予約番号テーブル401(図2)に反映され(St47)、対象駅確認状況テーブル402(図3)の該当する各利用駅の確認情報を未確認に設定すると共に、乗車位置テーブル403(図4)に乗車位置が設定されていた場合には、その乗車位置情報をクリアする。登録された修正情報は、各利用駅の駅端末200に送信される。
【0051】
各利用駅の駅端末200の担当者は、鉄道情報サーバ400からの修正情報を受信すると(St48)、駅端末200にて修正及びキャンセルされた情報を確認し(St49)、その確認登録を行い、乗車位置が確定できれば、乗車位置情報を登録する。確認登録されたデータは、鉄道情報サーバ400の対象駅確認状況テーブル(図3)、乗車位置テーブル403(図4)に反映され(St50)、その情報はユーザ端末100へ送信される。ユーザ端末100は、鉄道情報サーバ400からの確認データを受信する(St51)。
【0052】
図12は、車両位置及びドア位置の入力時の動作を説明するものである。
【0053】
まず、駅端末200の操作者は、予定日の前日までに駅端末200にて利用ユーザの車両乗車位置を入力する(St61)。利用駅ごとに入力した、車両位置及びドア位置は、鉄道情報サーバ400の乗車位置テーブル403(図4)に予約番号ごとに登録され(St62)、その情報は、ユーザ端末100、各利用駅の駅端末200に送信される(St63)。
【0054】
ここで、前日までに乗車登録ができなかった場合や、乗車位置の変更があった場合は、乗車後に駅端末200にてユーザ車両の乗車位置を登録する。登録したデータは、鉄道情報サーバ400の乗車位置テーブル403(図4)に反映され、その情報は、ユーザ端末100、各利用駅の駅端末200に送信される。
【0055】
ユーザ端末100は、鉄道情報サーバ400からの登録情報を受信すると(St64)、その登録情報を確認する(St65)。また、駅端末200は、鉄道情報サーバ400からの登録情報を受信すると(St66)、その登録情報を確認する(St67)。
【0056】
図13は、乗車時の動作を説明するものである。同図において、駅端末(A)は、乗車駅の駅端末200、駅端末(B)は、乗り継ぎ駅、降車駅の駅端末200をそれぞれ示す。
【0057】
ユーザが乗車する場合、ID登録証101のIDデータを駅改札ID読み取り装置500を介して読み取りさせ(St71、St72)、読み取ったIDデータをID認証サーバ300に送信し、ID認証サーバ300によるIDデータを用いたユーザの認証が成功すると(St73、St74:YES)、鉄道情報サーバ400は、ID登録証101のIDと日時及び時刻をキーにして、予約番号テーブル401(図2)から該当予約番号を引き出し、乗車確認状況テーブル404(図5)の該当予約番号に対応する乗車フラグを更新する(St75、St76)。
【0058】
駅端末200の操作者は、ユーザが乗車後、駅端末(A)200にて、鉄道情報サーバ400のユーザの予約情報との照合を行い、乗車駅確認登録(St78)を行うことで、乗車確認状況テーブル404(図5)の利用駅フィールドに利用済みのフラグを登録する。その情報は、鉄道情報サーバ400からの乗車確認状況テーブル404(図5)に反映され(St79)、その確認データは、各利用駅の駅端末(B)200へ送信される。
【0059】
駅端末(B)200は、前駅の乗車確認通知を受信すると(St80)、アラーム等により駅員へ確認を促す。また、鉄道会社間の移動が入る場合には、後述する図14の降車時の動作にあるように、降車確認データを、次鉄道会社の駅端末200(乗り継ぎ駅)が受信し、アラーム等により駅員へ確認を促す。
【0060】
図14は、降車時の動作を説明するものである。
【0061】
ユーザが降車する場合、ID登録証101のIDデータを駅改札ID読み取り装置500を介して読み取りさせ(St81、St82)、読み取ったIDデータをID認証サーバ300に送信し、ID認証サーバ300によるIDデータを用いたユーザの認証が成功すると(St83、St84:YES)、ID登録証101のIDと日時・時刻をキーにして、予約番号テーブル401(図2)から該当予約番号を引き出し、乗車駅確認状況テーブル404(図5)の該当予約番号に対応する降車フラグを更新する(St85、St86)。
【0062】
次鉄道会社の乗り換えがある場合(St87:NO)は、次鉄道会社の駅端末200に降車確認のデータを送信する。駅端末200は、鉄道情報サーバ400からの降車確認データを受信すると(St88)、アラーム等により駅員へ確認を促す(St89)。
【0063】
図15は、乗車後の修正又は当日乗車キャンセル時の動作を説明するものである。
【0064】
ユーザの乗車後の修正又は当日乗車キャンセルにより乗車時間が変わってしまった場合、駅端末200の担当者は、駅端末(A)200にて予約された予約番号テーブル401(図2)のデータの修正を行う(St91)。
【0065】
鉄道情報サーバ400は、更新された予約データをもとに、乗り継ぎ駅、降車駅のデータ更新を行い(St92、St93)、ユーザ端末100、各利用駅の駅端末(B)200に修正情報を送信する。
【0066】
ユーザ端末100は、修正情報を受信すると(St94)、その修正情報を確認する(St95)。また、各利用駅の駅端末(B)200の担当者は、修正情報を受信すると(St96)、その修正情報を確認し(St97)、乗車サポートを整える。
【0067】
図16は、当日キャンセル又は連絡無しの場合の動作を説明するものである。
【0068】
この場合、鉄道情報サーバ400は、予約番号テーブル401(図2)から予約経過データの確認を行い(St101)、予約時間より経過したデータを確認し(St102)、乗車確認情報がないデータの修正を行い、その情報を各利用駅の駅端末200に送信する。駅端末200は、鉄道情報サーバ400からの修正情報を受信すると(St103)、その修正情報を確認する(St104)。
【0069】
以上の動作の具体例について、図2の予約番号テーブル401を参照して説明する。図2の例では、予約番号「001」は、ID「A102」のユーザが予約した場合で、乗車駅が利用駅1「中河原」、降車駅が利用駅6「大阪」となる。以下、このユーザに関して説明する。
【0070】
利用駅1〜利用駅2では、利用列車コード1、2が「KT102」で同じため、乗り換え無しで降車している。乗車時刻2に「乗換」フラグを立てているが、乗り換えフラグ無しで、利用列車コード3にコードが設定されているか否かの有無で確認してもよい。
【0071】
利用駅2〜利用駅3では、利用列車コード2、3が「KT102」、「JJ111」で別のため、乗り換えが発生している。また、最初の鉄道会社コードが「K」と「J」で異なっているので、鉄道会社間の移動が発生する(別鉄道会社での路線移動)。鉄道間の移動の場合は、利用鉄道間移動時間テーブル407(図8)を利用し、所要時間を計算する。図2の例では、新宿(K)からJ間の移動なので、10分の移動時間がかかる。
【0072】
利用駅3〜利用駅4では、利用列車コード3、4が「JJ111」で同じのため、乗り換え無しで降車している。発車時刻4に「乗換」フラグを立てているが、乗り換えフラグ無しで、利用列車コード5にコードが設定されているか否かの有無で確認してもよい。
【0073】
利用駅4〜利用駅5では、利用列車コード4、5が「JJ111」、「JS100」であり、最初の鉄道会社コードがいずれも「J」で同じで、その次の路線コードがそれぞれ「J」、「S」で異なっているため、路線間の移動が発生している(同じ鉄道会社での路線移動)。路線間の移動には、利用路線間移動時間テーブル406(図7)を利用し、所要時間を計算する。図2の例では、東京(JJ)からJSの路線間移動なので、10分の移動時間がかかる。
【0074】
利用駅5〜利用駅6では、利用列車コード5、6が「JS100」で同じのため、乗り換え無しで降車している。乗車時刻6に「着」フラグを立てているが、乗り換えフラグ無しで、利用列車コード7にコードが設定されているか否かの有無で確認してもよい。
【0075】
以上の動作をまとめると、次のようになる。
【0076】
(1)ユーザは、事前に最寄の駅でID、パスワード、ID登録証101の申請を行う。
【0077】
(2)ユーザは、事前に発行されたID、パスワードを利用し、ユーザ端末100からネットワーク600経由で、ID認証サーバ300に接続して認証後、鉄道情報サーバ400に接続し、希望する乗り入れ電車の検索、乗車予約を入れる。
【0078】
(3)ユーザより予約登録された鉄道情報サーバ400は、予約番号を発行し、ユーザに情報を送信する。また、各鉄道会社の乗車駅、乗り継ぎ駅、降車駅の駅端末200に乗車予約情報の発信を行う。
【0079】
(4)乗車駅、乗り継ぎ駅、降車駅の駅端末200の操作者は、駅端末200にて乗車受付確認登録を行う。その情報は、鉄道情報サーバ400に送信され、そこからユーザ端末100に確認情報を送信する。
【0080】
(5)ユーザが変更を希望した場合は、ID認証サーバ300に接続して認証後、鉄道情報サーバ400のデータの修正を行う。データの修正後、駅情報サーバ400は、駅端末200に対し修正情報を送信し、駅端末200にて情報確認登録後、ユーザに確認データを送信する。
【0081】
(6)乗車通知を受けた各鉄道会社の乗車駅、乗り継ぎ駅、降車駅では、受け入れ体制の事前準備を行う。前日までに、電車の車両数が決定したら、駅端末200にて、乗車車両位置、ドア位置を登録する。
【0082】
(7)乗車当日は、ユーザがID登録証101を駅改札ID読み取り装置500に通すことで、ネットワーク600経由でID認証サーバ300に接続し、鉄道情報サーバ400の情報と照合し、鉄道情報サーバ400に乗車確認登録が行われ、各利用駅の駅端末200に情報が送信される。乗車予約時間になっても乗車が行われない場合、鉄道情報サーバ400が予約経過データを確認し、予約確認データが存在すれば、情報の修正処理を行い、そのデータを駅端末200に送信する。また、手動での訂正が必要な場合は、乗車駅、乗り継ぎ駅の駅端末200の操作者が駅端末200にて鉄道情報サーバ400の情報を修正し、鉄道情報サーバ400が乗り継ぎ駅、降車駅の駅端末200にデータを送信し、各利用駅で乗車受け入れ体制を整える。
【0083】
以上のように、本実施の形態では、ユーザからの乗り入れ連絡を24時間受付することで、各利用駅への乗車手配の連絡と準備を事前に行うことができる。すなわち、ユーザは、乗車受付管理システムを利用することで、自分の都合の良い時間に、乗り入れ登録、変更、確認、取消を行うことができる。また、鉄道会社では、乗車受付管理システムを利用することで、24時間の乗車受付を可能とし、予め準備を整えることが可能となる。さらに、乗車確認を利用することで、ユーザと利用駅との双方向の情報通信が可能となる。
【0084】
これに加え、本実施の形態では、以下の効果が得られる。
【0085】
(1)ID登録証101の発行により、ユーザの乗車及び降車情報を確認できる。乗車時に、ID登録証101を駅改札ID読み取り装置500に読み取らせることで、当日キャンセルを電話連絡せずに自動で確認できる。各鉄道会社は、乗客を安全に目的地まで送り届ける義務があるが、この情報を利用することで、電話等でのやりとりなく、現在のユーザの他鉄道会社間の電車乗り換えの情報確認(前利用の鉄道会社の降車情報)や、最終的にユーザが安全に利用(乗車及び降車)できたことを確認できる。
【0086】
(2)対象駅確認状況テーブル402(図3)を用いることにより、各駅でユーザの情報を確認した旨の状況を登録でき、各駅からユーザへの情報発信ができる。電車では、乗り換えがある場合、各駅への事前情報の提供が必須である。予約登録時のデータ登録確認だけでは、各駅、各鉄道会社にて確認がとれているかどうかは、ユーザにとって不安な点である。これに対し、本実施の形態では、対象駅確認状況テーブル402により、各駅、各鉄道会社から情報送信されることにより、その不安を払拭させることができる。
【0087】
(3)乗車位置テーブル403(図4)を用いることにより、乗車位置を登録することで、次の乗り換え駅の駅員がユーザの乗車位置を確認でき、乗り換え時に適切な位置でユーザを待つことができる。つまり、車椅子利用ユーザを待たせることなく、乗り換えを補助することができる。
【0088】
(4)乗車確認状況テーブル404(図5)を用いることにより、ユーザがどこまで来ているのか、乗車がきちんと行われているのか駅員が確認することができる。電車のおくれ、乗り遅れ等が発生した場合でも、どの駅まで来ていているか事前に確認し、準備することができる(電話確認を必要としない)。
【0089】
(5)車椅子利用ユーザが電車を利用するため、階段での移動時間など、独自の路線間及び鉄道間の移動時間計測が必要となる。これに対し、本実施の形態では、利用路線間移動時間テーブル406(図7)、利用鉄道間移動時間テーブル407(図8)を用いることにより、車椅子利用ユーザの正確な移動時間が算出できる。
【0090】
したがって、本実施の形態によれば、乗車駅と降車駅の間に乗り継ぎが必要となる場合でも、ユーザが都合の良い時間に、乗車駅への連絡、確認、変更、取消を可能にすることができると共に、各鉄道会社では、事前の準備を行えるようになり、乗車手続きの時間短縮と安全に輸送する体制を確実に提供することができる。
【0091】
なお、ID登録証101で用いるIDカードは、例えばSuica(登録商標)やPASMO(登録商標)など、利用者のIDが判別できるものであればよい。また、ネットワーク600は、インターネットを利用してもよく、通信経路が確立されていればよい。さらに、鉄道情報サーバ400から、ユーザ端末100、駅端末200に送信されるデータは、メール機能でもよく、ユーザ端末100と駅端末200に連絡できる機能があればよい。
【0092】
また、上記実施の形態では、鉄道を利用する場合を説明しているが、本発明は必ずしもこれに限定されず、例えばバスターミナル、空港等にも適用できる。
【0093】
なお、上記の乗車受付管理システムを構成する端末装置及びサーバ機は、そのハードウェア及びソフトウェア構成は特に限定されるものではなく、上述した各機能を実現可能なものであれば、いずれのものでも適用可能である。例えば、機能毎に回路やソフトウェア部品(モジュール)を独立させて個別に構成したものでも、複数の機能を1つの回路やソフトウェア部品(モジュール)に一体的に構成したものでも、適用可能である。
【0094】
以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施の形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本発明は、情報処理装置、鉄道情報サーバ、乗車受付管理システム、方法及びプログラムの用途に利用できる。
【符号の説明】
【0096】
100 ユーザ端末
101 ID登録証
200 駅端末
300 ID認証サーバ
400 鉄道情報サーバ
401 予約番号テーブル
402 対象駅確認状況テーブル
403 乗車位置テーブル
404 乗車確認状況テーブル
405 ID・予約番号対応テーブル
406 利用路線間移動時間テーブル
407 利用鉄道間移動時間テーブル
411 処理部
412 通信部
413 乗車受付管理プログラム
500 駅改札ID読み取り装置
600 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ID登録証からユーザのIDを読み取る駅改札ID読み取り装置にネットワークを介して通信可能に接続される情報処理装置であって、
ユーザのIDに対応して発行する一意の予約番号毎に、ユーザのIDと、乗車予定日と、鉄道会社コード、路線コード、及び列車番号を一意に識別可能な利用列車コードと、乗車駅、乗り継ぎ駅、及び降車駅を含む各利用駅と、各利用駅の乗車時刻と、各利用駅の到着時刻とを含む乗車予約情報を登録する予約番号テーブルと、
予約番号毎に各利用駅の確認状況を登録する対象駅確認状況テーブルと、
予約番号毎に各利用駅の乗車確認状況を登録する乗車確認状況テーブルと、
乗車予約時に、ユーザの希望する乗り入れ電車の乗車予約を受け入れ、ユーザのIDに対応する予約番号毎に乗車予約情報を前記予約番号テーブルに予約登録し、ユーザの利用する各利用駅の駅端末に乗車予約情報を送信し、各利用駅の駅端末からの乗車予約情報の確認状況を前記対象駅確認状況テーブルに登録し、その確認情報をユーザ端末に送信し、
乗車予約の変更時に、前記乗車予約の変更情報を各利用駅の駅端末に送信し、その駅端末からの乗車予約の変更情報の確認状況を前記対象駅確認状況テーブルに登録し、その確認情報をユーザ端末に送信し、
乗車時に、乗車駅の駅改札ID読み取り装置により読み取った前記ID登録証のIDに対応する予約番号をもとに前記予約番号テーブルの乗車予約情報と照合し、前記乗車確認状況テーブルに乗車駅の乗車確認を登録し、その乗車確認情報を乗り継ぎ駅又は降車駅の駅端末に送信し、
降車時に、降車駅又は乗り継ぎ駅の駅改札ID読み取り装置により読み取った前記ID登録証のIDに対応する予約番号をもとに前記予約番号テーブルの乗車予約情報と照合し、前記乗車確認状況テーブルに降車駅又は乗り継ぎ駅の降車確認を登録し、その降車確認情報を降車駅又は乗り継ぎ駅の駅端末に送信することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
予約番号毎に、ユーザのID、利用列車コード、車両位置及びドア位置を含む乗車位置情報を登録する乗車位置テーブルをさらに有し、
駅端末にて入力された電車の車両数に応じた車両位置及びドア位置を前記乗車位置テーブルに登録し、車両位置及びドア位置の変更時にその変更情報を登録し、前記乗車位置テーブルの乗車位置情報及びその変更情報を各利用駅の駅端末に送信することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
利用駅毎に利用路線間のユーザの乗り換えに要する移動時間を登録する利用路線間移動時間テーブルと、
利用駅毎に利用鉄道間のユーザの乗り換えに移動時間を登録する利用鉄道間移動時間テーブルとをさらに有し、
乗車予約時に、前記利用路線間移動時間テーブル及び利用鉄道間移動時間テーブルの移動時間を考慮して各利用駅の乗車時刻を設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
ユーザのIDと一意の予約番号とを対応付けて登録するID・予約番号対応テーブルをさらに有し、
前記ID・予約番号対応テーブルを用いて、前記ユーザ端末により入力され又は前記駅改札ID読み取り装置により読み取ったユーザのIDから予約番号を特定することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記予約番号テーブルの乗車駅又は乗り継ぎ駅の乗車時刻を経過してもユーザの乗車確認が行われない場合、該当する予約経過データを確認し、予約確認データが存在すれば、情報の修正処理を行い、その修正情報を乗り継ぎ駅又は降車駅の駅端末に送信することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
手動での訂正が必要な場合、乗車駅又は乗り継ぎ駅の駅端末からの修正を受け付け、その修正情報を乗り継ぎ駅又は降車駅の駅端末にデータを送信することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の情報処理装置を備えたことを特徴とする鉄道情報サーバ。
【請求項8】
請求項7に記載の鉄道情報サーバを備えたことを特徴とする乗車受付管理システム。
【請求項9】
乗車予約時に、ユーザの希望する乗り入れ電車の乗車予約を受け入れ、ユーザのIDに対応する予約番号毎に乗車予約情報を予約番号テーブルに予約登録し、ユーザの利用する各利用駅の駅端末に乗車予約情報を送信し、各利用駅の駅端末からの乗車予約情報の確認状況を対象駅確認状況テーブルに登録し、その確認情報をユーザ端末に送信し、
乗車予約の変更時に、乗車予約の変更情報を各利用駅の駅端末に送信し、その駅端末からの乗車予約の変更情報の確認状況を対象駅確認状況テーブルに登録し、その確認情報をユーザ端末に送信し、
乗車時に、乗車駅の駅改札ID読み取り装置により読み取ったID登録証のIDに対応する予約番号をもとに予約番号テーブルの乗車予約情報と照合し、乗車確認状況テーブルに乗車駅の乗車確認を登録し、その乗車確認情報を乗り継ぎ駅又は降車駅の駅端末に送信し、
降車時に、降車駅又は乗り継ぎ駅の駅改札ID読み取り装置により読み取ったID登録証のIDに対応する予約番号をもとに予約番号テーブルの乗車予約情報と照合し、乗車確認状況テーブルに降車駅又は乗り継ぎ駅の降車確認を登録し、その降車確認情報を降車駅又は乗り継ぎ駅の駅端末に送信することを特徴とする乗車受付管理方法。
【請求項10】
さらに、駅端末にて入力された電車の車両数に応じた車両位置及びドア位置を乗車位置テーブルに登録し、車両位置及びドア位置の変更時にその変更情報を登録し、乗車位置テーブルの乗車位置情報及びその変更情報を各利用駅の駅端末に送信することを特徴とする請求項9に記載の乗車受付管理方法。
【請求項11】
さらに、乗車予約時に、利用路線間移動時間テーブルに登録された利用路線間のユーザの乗り換えに要する移動時間及び利用鉄道間移動時間テーブルに登録された利用鉄道間のユーザの乗り換えに要する移動時間を考慮して各利用駅の乗車時刻を設定することを特徴とする請求項9又は10に記載の乗車受付管理方法。
【請求項12】
さらに、ID・予約番号対応テーブルを用いて、ユーザ端末により入力され又は駅改札ID読み取り装置により読み取ったユーザのIDから予約番号を特定することを特徴とする請求項9から11のいずれか1項に記載の乗車受付管理方法。
【請求項13】
さらに、予約番号テーブルの乗車駅又は乗り継ぎ駅の乗車時刻を経過してもユーザの乗車確認が行われない場合、該当する予約経過データを確認し、予約確認データが存在すれば、情報の修正処理を行い、その修正情報を乗り継ぎ駅又は降車駅の駅端末に送信することを特徴とする請求項9から12のいずれか1項に記載の乗車受付管理方法。
【請求項14】
さらに、手動での訂正が必要な場合、乗車駅又は乗り継ぎ駅の駅端末からの修正を受け付け、その修正情報を乗り継ぎ駅又は降車駅の駅端末にデータを送信することを特徴とする請求項9から13のいずれか1項に記載の乗車受付管理方法。
【請求項15】
コンピュータに、
乗車予約時に、ユーザの希望する乗り入れ電車の乗車予約を受け入れ、ユーザのIDに対応する予約番号毎に乗車予約情報を予約番号テーブルに予約登録し、ユーザの利用する各利用駅の駅端末に乗車予約情報を送信し、各利用駅の駅端末からの乗車予約情報の確認状況を対象駅確認状況テーブルに登録し、その確認情報をユーザ端末に送信する処理と、
乗車予約の変更時に、乗車予約の変更情報を各利用駅の駅端末に送信し、その駅端末からの乗車予約の変更情報の確認状況を対象駅確認状況テーブルに登録し、その確認情報をユーザ端末に送信する処理と、
乗車時に、乗車駅の駅改札ID読み取り装置により読み取ったID登録証のIDに対応する予約番号をもとに予約番号テーブルの乗車予約情報と照合し、乗車確認状況テーブルに乗車駅の乗車確認を登録し、その乗車確認情報を乗り継ぎ駅又は降車駅の駅端末に送信する処理と、
降車時に、降車駅又は乗り継ぎ駅の駅改札ID読み取り装置により読み取ったID登録証のIDに対応する予約番号をもとに予約番号テーブルの乗車予約情報と照合し、乗車確認状況テーブルに降車駅又は乗り継ぎ駅の降車確認を登録し、その降車確認情報を降車駅又は乗り継ぎ駅の駅端末に送信する処理とを実行させることを特徴とする乗車受付管理プログラム。
【請求項16】
さらに、コンピュータに、
駅端末にて入力された電車の車両数に応じた車両位置及びドア位置を乗車位置テーブルに登録し、車両位置及びドア位置の変更時にその変更情報を登録し、乗車位置テーブルの乗車位置情報及びその変更情報を各利用駅の駅端末に送信する処理を実行させることを特徴とする請求項15に記載の乗車受付管理プログラム。
【請求項17】
さらに、コンピュータに、
乗車予約時に、利用路線間移動時間テーブルに登録された利用路線間のユーザの乗り換えに要する移動時間及び利用鉄道間移動時間テーブルに登録された利用鉄道間のユーザの乗り換えに要する移動時間を考慮して各利用駅の乗車時刻を設定する処理を実行させることを特徴とする請求項15又は16に記載の乗車受付管理プログラム。
【請求項18】
さらに、コンピュータに、
ID・予約番号対応テーブルを用いて、ユーザ端末により入力され又は駅改札ID読み取り装置により読み取ったユーザのIDから予約番号を特定する処理を実行させることを特徴とする請求項15から17のいずれか1項に記載の乗車受付管理プログラム。
【請求項19】
さらに、コンピュータに、
予約番号テーブルの乗車駅又は乗り継ぎ駅の乗車時刻を経過してもユーザの乗車確認が行われない場合、該当する予約経過データを確認し、予約確認データが存在すれば、情報の修正処理を行い、その修正情報を乗り継ぎ駅又は降車駅の駅端末に送信する処理を実行させることを特徴とする請求項15から18のいずれか1項に記載の乗車受付管理プログラム。
【請求項20】
さらに、コンピュータに、
手動での訂正が必要な場合、乗車駅又は乗り継ぎ駅の駅端末からの修正を受け付け、その修正情報を乗り継ぎ駅又は降車駅の駅端末にデータを送信する処理を実行させることを特徴とする請求項15から19のいずれか1項に記載の乗車受付管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−256961(P2010−256961A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−102890(P2009−102890)
【出願日】平成21年4月21日(2009.4.21)
【出願人】(000232140)NECフィールディング株式会社 (373)
【Fターム(参考)】