情報処理装置、電力モード制御方法、電力モード制御プログラム、及び記録媒体
【課題】通常電力モード時において不要なパケット処理を排し、スムーズに省電力モードへ移行して省電力化を図る情報処理装置、電力モード制御方法、電力モード制御プログラム、及び記録媒体を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明に係る情報処理装置は、ネットワークを介して送受信されるパケットの内、前記第一の制御手段で処理が許可されたパケットが登録されたパケットテーブルと、一定期間前記システムが動作していないかを判断する判断手段とを有し、ネットワークコントローラ部は、通常電力モードにおいて、判断手段により一定期間システムが動作していないと判断された後、第一の制御手段で処理されるべきパケットが発生すると、該パケットがパケットテーブルに登録されているときは、第一の制御手段で該パケットを処理させ、該パケットが前記パケットテーブルに登録されていないときは、該パケットを破棄する。
【解決手段】本発明に係る情報処理装置は、ネットワークを介して送受信されるパケットの内、前記第一の制御手段で処理が許可されたパケットが登録されたパケットテーブルと、一定期間前記システムが動作していないかを判断する判断手段とを有し、ネットワークコントローラ部は、通常電力モードにおいて、判断手段により一定期間システムが動作していないと判断された後、第一の制御手段で処理されるべきパケットが発生すると、該パケットがパケットテーブルに登録されているときは、第一の制御手段で該パケットを処理させ、該パケットが前記パケットテーブルに登録されていないときは、該パケットを破棄する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、電力モード制御方法、電力モード制御プログラム、及び記録媒体の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出削減、また極力消費電力を抑えてのコスト削減の観点から、ネットワーク装置には低消費電力化の要請がある。そのような中で、消費電力を低く抑えるべく、今日のネットワーク装置(ネットワーク上の装置をいう)、例えば、情報処理装置や画像処理装置では、少しでも長い時間、消費電力を低い状態に保つため、省電力モード(省エネモード、スリープモードともいう)を搭載するものが提案されている。省エネ機能を有したネットワーク装置は、一定時間稼動要求がない場合等に、通常電力モード時に使用しているメイン・CPUから消費電力の低いサブ・CPUへの使用に切り替えることで消費電力の削減を図っている。
【0003】
ところで、近年ネットワークがますます複雑化し、ネットワーク上には多くのネットワーク対応装置が接続される中、Windows(登録商標)をはじめとしたOS(Operating System)搭載の装置は、定期的なパケット通信を行っていることが多く、また逆に定期的に所定のパケットを送信している。このため、ネットワーク装置は頻繁にOSから定期的に発信されるパケットを受信したり、OSから要求される定期的なパケットの送信をしたりする必要があり、消費電力の低い省電力モード状態を保ちにくくなっている。
【0004】
特許文献1に係る装置では、省エネ状態から復帰させるための復帰条件を設定することができ、特定パケットを受信した場合に、省エネ状態から復帰させるネットワーク装置についての発明が開示されている。実際のネットワーク環境では、探索アプリケーションからの探索パケットやWindows(登録商標)からの探索パケットを頻繁に受信しており、通常電力モード時には処理対象であったこのようなパケットであっても、省電力モード状態時には無効(処理しない)とし、できるだけ長い時間、省電力状態を保つことで消費電力を抑えることが可能となっている。特許文献1に係る装置は、省電力モード状態時において、これらのパケットを受信しても通常電力モードに復帰せず、省電力モード状態を維持する。これにより、できるだけ長い時間、省エネ状態を保ち電力消費を抑えることが記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に係る発明は、省電力モード状態時において、通常電力モード時に処理していたパケットを無効とすることで、できるだけ長く、省電力状態を維持することができるが、上述したとおり今日のネットワークの複雑化により、ネットワーク上の装置は、頻繁にネットワークからのパケット処理の要求に応じなくてはならず、当該装置が省電力モード機能を有していたとしても、そもそも省電力モード状態に移行すること自体が難しくなっており、省電力モードとしての機能を発揮しにくい環境にさらされている。即ち、複数のネットワークプロトコルをサポートするネットワーク装置が、通常電力モード時において、いかにスムーズに省電力モード状態に移行できるかについてもまた、省エネの観点から要請される課題である。
【0006】
そこで本発明では上記のような問題に鑑みて、通常電力モード時において不要なパケット処理を排し、スムーズに省電力モードへ移行して省電力化を図る情報処理装置、電力モード制御方法、電力モード制御プログラム、及び記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで上記課題を解決するため、本発明に係る情報処理装置は、当該情報処理装置に係るシステムの制御を司る第一の制御手段と、ネットワークに接続され、パケットに係る処理を司るネットワークコントローラ部の制御を司る第二の制御手段とを有し、第一の制御手段及び第二の制御手段が共に稼動する通常電力モードから、少なくとも一定期間第一の制御手段でパケットを処理しないときに、第一の制御手段の電源が遮断される省電力モードへ移行する情報処理装置であって、前記ネットワークを介して送受信されるパケットの内、前記第一の制御手段で処理されるパケットが登録されたパケットテーブルと、前記システムにおける省電力モード移行の可否を判断する判断手段とを有し、前記ネットワークコントローラ部は、通常電力モードにおいて、前記判断手段により前記システムの省電力モード移行が可であると判断されたとき、前記パケットテーブルに基づいて、パケットを処理することを特徴とする。
【0008】
また、上記課題を解決するため、本発明に係る情報処理装置は、当該情報処理装置に係るシステムの制御を司る第一の制御手段と、ネットワークに接続され、パケットに係る処理を司るネットワークコントローラ部の制御を司る第二の制御手段と、省電力モード時に、前記ネットワークを介して送受信されるパケットの内、前記第一の制御手段で処理されるパケットが登録されたパケットテーブルとを有し、第一の制御手段及び第二の制御手段が共に稼動する通常電力モードから、少なくとも一定期間第一の制御手段でパケットを処理しないときに、第一の制御手段の電源が遮断される省電力モードへ移行する情報処理装置であって、前記システムにおける省電力モード移行の可否を判断する判断手段とを有し、
前記ネットワークコントローラ部は、通常電力モードにおいて、前記判断手段により前記システムの省電力モード移行が可であると判断されたとき、前記パケットテーブルに基づいて、パケットを処理することを特徴とする。
【0009】
また、上記課題を解決するため、前記システムに係る内部条件及び前記ネットワークに係る外部条件に基づいて、電力モード移行されることを特徴とする。
【0010】
また、上記課題を解決するため、前記ネットワークコントローラ部は、パケットのヘッダに基づいてパケット属性を識別して、受信されたパケットを処理することを特徴とする。
【0011】
また、上記課題を解決するため、前記パケットは、SNMP(Simple Network Management Protocol)であって、前記ヘッダは、OID(Object ID)領域であることを特徴とする。
【0012】
また、上記課題を解決するため、前記パケットテーブルに登録されるパケットの属性は、設定可能であることを特徴とする。
【0013】
また、上記課題を解決するため、前記情報処理装置は、画像処理装置であることを特徴とする。
【0014】
なお、本発明の構成要素、表現または構成要素の任意の組合せを、方法、装置、システム、コンピュータプログラム、記録媒体、などに適用したものも本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、通常電力モード時において不要なパケット処理を排し、スムーズに省電力モードへ移行して省電力化を図る情報処理装置、電力モード制御方法、電力モード制御プログラム、及び記録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係るネットワーク構成図の一例である。
【図2】画像処理装置のブロック図である。
【図3】本発明に係るフローチャートである。
【図4】設定画面の一例を表す図である。
【図5】プロトコルテーブルの一例を表す図である。
【図6】設定画面の一例を表す図である。
【図7】プロトコルテーブルの一例を表す図である。
【図8】電力モードに係る状態遷移図である。
【図9】イーサネット(登録商標)フレームを説明する図である。
【図10】プロトコル識別を説明する図である。
【図11】プロトコル識別を説明する図である。
【図12】プロトコル識別を説明する図である。
【図13】プロトコル識別を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための形態を各実施形態において図面を用いて説明する。
【0018】
<画像処理装置の概要及び構成>
本発明の実施形態に係る画像処理装置を用いて説明を行う。図1は、本実施形態に係る画像処理装置が用いられる全体構成図を示し、画像処理装置1、サーバ2、PC3(パーソナルコンピュータ)、及びネットワーク4を含む構成である。
【0019】
画像処理装置1について説明する。本実施形態における画像処理装置1は、ネットワーク・プリンタである。例えば、ネットワークを介して、サーバ2、PC3からのプリント要求を受け、プリントサービスを提供する。
【0020】
また、本実施例における画像形成装置1は、複数のネットワークプロトコルをサポートしている。ネットワーク上に接続されており、サポートするネットワークプロトコルを受信すると当該プロトコルに対して該当するサービスを提供する。このようなネットワークプロトコルの一例としては、ブロードキャストパケット、印刷プロトコルに従うもの(LPR、IPP、FTP、SMTP等)、ユーティリティのプロトコルに従うもの(SNMP、SLP等)、起動専用パケット等がある。
【0021】
さらに、本実施例における画像処理装置1は、省電力モード搭載の装置である。通常電力モードと省電力モードを有し、使用されないときになど省電力モードに移行し、消費電力を節約するものである。これについては後に説明する。
【0022】
サーバ2、PC3は、ネットワーク4に接続されたネットワーク上の装置である。例えば、Windows(登録商標)といったOS(Operationg System)を有しており、ネットワーク上に対し、様々なネットワークパケットを送受信している。ネットワークパケットは、サーバやPCの機能によって様々であるが、例えばOSに基づくプロトコルのパケットやブロードキャスト系パケットである。これらのパケットは、画像処理装置1に対して送信されるものもある。
【0023】
なおここで、画像処理装置1は、プリンタとしたが、他にコピー機能、ファクシミリ(FAX)機能、スキャナ機能及び入力画像を配信する機能等を複合したいわゆるMFP(Multi Function Peripheral)と称されるデジタルカラー複合機でもよい。しかしながら、説明の簡易化のために、プリンタであるものとして説明を行うものである。即ち、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において、ネットワーク上の、コピー機、FAX、スキャナ機、情報処理装置、その他の装置を含めて、適用、応用可能である。
【0024】
<画像処理装置の機能>
画像処理装置1の機能について説明を行う。ここでは本発明の説明に係る点について簡単に説明する。図2は、本発明に係る画像処理装置1の機能を説明するブロック図である。画像処理装置1は、コントローラ部201、ネットワークコントローラ部211、プロッタ210、操作部209を含む構成である。
【0025】
コントローラ部201には、CPU202、操作部I/F(インターフェース)203、ROM204、RAM205、NVRAM206、エンジンI/F207、エンジン状態判断部208などからなる。コントローラ部201は、メイン・CPUによりシステム全体を司るコントロール部である。本画像処理装置1においては、特にエンジンI/Fを介し、プリント機能に係るプロッタ210を制御する。なお、CPU202は、第一の制御手段に相当する。
【0026】
ROM204には、CPU202が実行するプログラムやフォント情報等が記憶されている。RAM205は、CPU202が実行するプログラムが格納されたり、各種ワーク用のパラメータや、ネットワークから取得したパケットが格納される。NVRAM206は、不揮発性のメモリであり、システム設定やシステムログ等の電源遮断で消去されてはいけない情報を保管するために使用される。
【0027】
エンジン状態判断部208は、プロッタ(エンジン)210の状態を把握しており、プロッタ210が後述する省電力モードに移行できる状態(内部条件という)になったか否かを判断する。例えば、サーバ2やPC3から、もしくはユーザからの直接操作入力により、一定時間プリント要求がなかった場合に、プロッタ210は省電力モードへ移行できる状態(内部条件成立)となる。この状態をエンジン状態判断部208は管理し、内部条件が成立したことを、ネットワークメインコントローラ213に伝える。
【0028】
ネットワークコントローラ部211は、ネットワークフィルタ部212、ネットワークメインコントローラ213、Ethernet(登録商標) PHY211などからなる。ネットワークメインコントローラ213は、ネットワークコントローラ全体を司り、省電力モードでも稼動するサブ・CPUを含むものである。なお、サブ・CPUは、第二の制御手段に相当する。また、サブ・CPUを含まなくともハードウェアロジックによりサブ・CPU相当が実現されてもよい。
【0029】
ネットワークメインコントローラ213は、Ethernet(登録商標) PHY211を介して受信するパケットに対して、サブ・CPUで処理できるパケットについては処理し、サブ・CPUで処理できないパケットについては、メイン・CPU202により処理を行う。また、画像処理装置1がEthernet(登録商標) PHY211を介して送信するパケットに対して、サブ・CPUで処理できるパケットについては処理し、サブ・CPUで処理できないパケットについては、メイン・CPU202により処理を行う。この送受信されるパケットに係る処理については後述する。なお、本実施例における画像処理装置1は、複数のネットワークプロトコルをサポートしているが、どちらのCPUで処理するかは、パケットのプロトコルによるものである。
【0030】
ネットワークフィルタ部212は、本発明に係るフィルタ部であり、ネットワーク4を介して送受信するパケットのフィルタを行う。受信するパケットについては、後述するプロトコルテーブルに基づいて、受信処理するか否かのフィルタを行う。また、送信するパケットについては、後述するプロトコルテーブルに基づいて、送信処理するか否かのフィルタを行う。このフィルタ部は、エンジン状態判断部208からネットワークメインコントローラ213に対して、内部条件が成立した旨の通知が来ると、ネットワークメインコントローラ213の動作開始命令により動作する。この詳細については後に説明する。また、Ethernet(登録商標) PHY211は物理層インターフェースである。ネットワーク4は有線、無線を含むネットワークであり、Ethernet(登録商標) PHY211は、ネットワーク4に対応したインターフェースとなる。
【0031】
<省電力モード>
次に、省電力モードについて説明を行う。ここでは本発明の説明に係る点について簡単に説明する。省電力モードについての詳細は、例えば公知の方法によればよい。
【0032】
省電力モードは、定められた省電力モード移行条件、例えば、所定時間外部からデータが制御部に入力されない場合、あるいは画像処理装置1の制御部あるいはネットワーク4に接続された端末から指定されたときなどに移行するモードである。このモードではメイン・CPU202を含むコントローラ部201へは電力の供給は行われない。すなわち、コントローラ部201に電力を供給する電源回路からの通電は行われない。この通電の制御は、電源制御線を介して電源制御部によって行われ、電源制御部は電源管理部からの指示、あるいはネットワークメインコントローラ213に含まれるサブ・CPUからの指示によりコントローラ部202への通電のオンオフを制御する。
【0033】
このように省電力モードでは、メイン・CPU202を含むコントローラ部201に駆動電力が供給されないことから、メイン・CPU202は動作せず、ROM204、RAM205等も使用することができない状態となっている。一方、ネットワークコントローラ部211および電力制御線に関係する各部は通電されている。
【0034】
省エネモードになると、コントローラ部201への電源供給は絶たれ、ネットワーク4
との通信は、ネットワークコントローラ部211のサブ・CPUが制御する。ネットワーク4を介して入力されるデータがサブ・CPUで処理できるものであれば、そのまま省電力モードを継続するが、サーバ2やPC3などから、印刷データやその他サブ・CPUでは処理できないパケットがネットワーク4を介して入力されると、サブ・CPUでは処理できなくなるので、コントローラ部201への通電を開始し、省電力モードから通常電力モードへ移行する。
【0035】
なお、電力モードの移行は、定められた電力モード移行条件に従う。特に、省電力モード移行条件は、通常電力モードから省電力モードへの条件であるが、条件は装置ごとの特性により条件は様々である。本発明に係る画像処理装置1おいて、省電力モード移行条件は、内部条件と外部条件からなる。内部条件は、所定期間プロッタエンジンが稼動しなかった状態とする。また、外部条件は、所定期間ネットワークからのデータパケットの送受信がなかった状態とする。内部条件及び外部条件を満たすと、本発明に係る画像処理装置1は、通常電力モードから省電力モードへ移行する。なお、上述した通り電力モード移行条件は、装置ごとの特性により条件は様々であるが、画像処理装置でない装置の場合、外部条件は、所定期間ネットワークからのデータパケットの送受信がなかった状態とし、当該装置に定められた移行条件から外部条件を除いたものを内部条件とすることで、本発明を適用することができる。
【0036】
<動作>
本発明に係る画像処理装置1は、図2を用いて説明した機能を有し、図1に説明したネットワーク環境に接続されているものである。画像処理装置1は、ネットワーク4に接続されているので様々なパケットを絶えず送受信している。
【0037】
例えば、Windows(登録商標)のOSを使用しているネットワーク環境では約30秒毎にネットワーク装置を監視するSNMP(Simple Network Management Protocol)のMIB(Management Information Base)パケットが送受信されている。ネットワーク上に30台の当該OSを有するPCが接続された環境である場合、このMIBパケットの処理には送信を伴うため、画像処理装置1は、このMIBパケットの受信、送信処理を1秒毎に行う必要がある。このSNMPパケットの送受信により、ネットワーク上の装置を把握、管理することができる。例えば、PCから見ると、ネットワーク上に存在する装置が、アイコンで表示等される。
【0038】
しかしながら、SNMPパケットの処理は、メイン・CPU201により処理されるタイプのパケットであるため、この処理を行う間は、前述した省電力モードに移行することができない。省電力モードは、装置に係るシステム(プロッタ・エンジン)を使用しない間は、メイン・CPUを含むコントローラ部201の電源を遮断することにより、消費電力を抑えることを目的とするものであるが、画像処理装置1のプロッタ203は、一定時間使用がなかったなどして省電力モードに移行できるにもかかわらず(内部条件成立)、ネットワークからのパケット処理によって、なかなか外部条件が成立せず、全体として、省電力モード自体に移行することができないことになる。
【0039】
本発明に係る画像処理装置1は、プロッタ203が一定時間使用がなかったなどして省電力モードに移行できる状態になると(内部条件成立)、ネットワークメインコントローラ213は、パケット処理に際し、ネットワークフィルタ部によるパケットのフィルタを行う。通常電力モードにおいて、システムの内部条件が成立すると、省電力モードに移行し易いよう、処理するパケットをフィルタ、分別する。例えば、SNMPメッセージ内のOID(Object ID)領域の値に基づいて、Windows(登録商標)からのSNMP.MIBパケットを特定できる。OIDが次の値である場合、当該パケットを遮断し処理を行わない。
OID 1.3.6.1.2.1.25.3.2.1.5.1
OID 1.3.6.1.2.1.25.3.5.1.1.1
OID 1.3.6.1.2.1.25.3.5.1.2.1
なお、SNMPパケットに対するフィルタが動作する時には、画像処理装置1は、このSNMPを送信しなくなるので、他のPC上から画像処理装置1のアイコンが見えなくなる等の影響を受けることになるが、実際に画像処理装置1を使用する際には、別の種類のSNMP.MIBパケットを送信することで検索を行うため、実使用時には、特別な操作は必要なく、画像処理装置1を使用することが可能である。また、プリントする場合には、PCから登録済みのプリントとして命令すれば、SNMPの処理の有無とは別問題で、通常にプリントできる。また、プロッタ207自体がまだ省電力モードの移行の準備ができていない場合(内部条件不成立)は、フィルタは動作せず、通常にSNMPは処理され、PCでの表示にも影響はない。また、後述するように、どのプロトコルをフィルタするかの設定が可能であるので、対象のプロトコルは、ネットワーク環境、運用に応じて設定されればよい。
【0040】
図3は、ネットワークフィルタ部212が動作するタイミングについて説明するフローチャートである。ステップS301で、画像処理装置1に電源が投入されると、ステップS302で、装置の内部の初期化処理を実施する。初期化されると装置が起動し、ステップS304で、通常電力モードで画像処理装置1は動作する。コントローラ部201により、システム全体が制御され動作している。
【0041】
ステップS304で、内部条件が成立する。即ち、プロッタ203が一定時間使用がなかったなどして省電力モードに移行できる状態になる。エンジン状態判断部208は、プロッタ(エンジン)210の状態を把握しており、内部条件が成立したことを、ネットワークメインコントローラ213に伝える。ネットワークメインコントローラ213は、ネットワークフィルタ部212に対し、パケットのフィルタ動作を開始するよう命令する。ステップS305で、ネットワークフィルタ部212は、この命令を受けて、メイン・CPUが処理するパケットが定められたプロトコルテーブルに基づいて、パケットのフィルタ動作を行う。このプロトコルテーブルについては後述する。
【0042】
ステップS306は、送受信されるパケット処理に、メイン・CPUが必要となった場合のステップである。
【0043】
まずパケットを受信する場合について説明する。ネットワーク4を介して受信されるパケットがネットワークメインコントローラ213のサブ・CPUで処理できるものであれば、ネットワークメインコントローラ213のサブ・CPUにより処理される。一方、ネットワーク4を介して受信されるパケットがネットワークメインコントローラ213のサブ・CPUで処理できないものであれば、ネットワークメインコントローラ213は、ネットワークフィルタ部212による受信処理すべきか否かのパケットのフィルタを行う。プロトコルテーブルに登録されたパケットである場合には、当該パケットは受信処理すべきパケットであるので、メイン・CPUによって処理される。このとき、ステップS306から「YES」に進む。
【0044】
次に、パケットを送信する場合について説明する。ネットワーク4を介して送信されるパケットがネットワークメインコントローラ213のサブ・CPUで処理できるものであれば、ネットワークメインコントローラ213のサブ・CPUにより処理される。定期的に送信される種類のパケットは、比較的簡単な処理で済むので、ネットワークメインコントローラ213で処理可能である場合が多い。一方、ネットワーク4を介して送信されるパケットがネットワークメインコントローラ213のサブ・CPUで処理できないものであれば、ネットワークメインコントローラ213は、ネットワークフィルタ部212による送信処理すべきパケットか否かのフィルタを行う。プロトコルテーブルに登録されたパケットである場合には、当該パケットは送信処理すべきパケットであるので、メイン・CPUによって処理される。このとき、ステップS306から「YES」に進む。
【0045】
ステップS307は、外部条件が成立するステップである。ネットワークフィルタ部212によるパケットフィルタは動作しているので、プロトコルテーブルに設定登録されないパケット(不必要なパケット)については送受信処理はされていない。一定期間、メイン・CPUの送受信処理を要するパケットがなければ(外部条件成立)、ステップS308で、画像処理装置1は、省電力モードに移行する。ステップS305以降においては、フィルタ動作により、不要な、メイン・CPUの処理を要するようなパケットは排除されているため、外部条件を満たしやすい状態にある。これにより、頻繁に処理を要するパケットがやり取りされるネットワーク環境においても、本画像処理装置は、スムーズに省電力モードに移行することが可能となる。即ち、できるだけ長い間省電力モードに移行することができるので、消費電力を一層削減することができる。次に、プロトコルテーブルの詳細について説明を行う。
【0046】
<プロトコルテーブル・設定画面>
ネットワークフィルタ部212はプロトコルテーブル(パケットテーブル)に基づいて、メイン・CPUが処理するパケットを識別する。図4は、プロトコルの設定画面の一例であり、操作部203等から設定が可能である。当該設定画面で設定されたプロトコルに従って、プロトコルテーブルが作成される。図5は、当該設定画面に対応するプロトコルテーブルAである。
【0047】
ネットワークフィルタ部212は、内部条件成立以降は、プロトコルテーブルで、「無効」と設定されたプロトコルについてのパケットは処理させない。なお、ここで扱うプロトコルは、メイン・CPUによる処理が必要なタイプのプロトコルである。また、扱われるプロトコルは当該装置に従う。即ち、画像処理装置1の場合、画像処理装置が有するOSに依存するプロトコル、プリンタ機能に係るプロトコルとなる。
【0048】
図4のプロトコル設定画面の例では、「FTP」401、「DHCP」402、「その他のSNMP」403、「LDP」404、「IPP」405について、「有効」に設定されている。この設定に対応して、図5のプロトコルテーブルAの例では、「FTP」501、「DHCP」502、「その他のSNMP」503、「LDP」504、「IPP」505について、「有効」に設定されている。「有効」は処理するを意味し、「無効」と設定されたプロトコルについて、処理しないことを意味する。例えば、「FTP」501は「有効」であるので、FTPプロトコルを用いたパケットに対しては、メイン・CPU202が処理を行う。なお、どのプロトコルを「有効」、「無効」とするかの設定内容は、画像処理装置1が用いられるネットワーク環境に応じて適切に設定されればよい。また、画像処理装置1が受信するパケット、送信するパケットごとに、それぞれのプロトコルテーブル及びプロトコル設定画面を設けてもよい。その場合には、ネットワークフィルタ部212は、受信処理に係るパケットについて受信に係るプロトコルテーブルに基づいてフィルタを行う。同様に、送信処理に係るパケットについて送信に係るプロトコルテーブルに基づいてフィルタを行う。
【0049】
これにより、ネットワーク環境によって使用されるネットワークパケットに係るプロトコルは様々であるが、上述したプロトコル設定機能により、ネットワーク環境に応じてフィルタ対象のパケットを任意に設定することができる。
【0050】
<変形例>
上述した「プロトコルテーブル」を踏まえて、本変形例に係る画像処理装置について説明する。省電力モード時に、プロトコルテーブルを用いて、省電力モードから通常電力モードに復帰しにくくし、できるだけ長い間省電力モードを保つ画像処理装置などが知られているが、これに本発明を適用する。本変形例に係る画像処理装置は、図5のプロトコルテーブルAに加え、図7のプロトコルテーブルBを有する。またプロトコルテーブルAと同様に、図6のプロトコル設定画面により設定が可能である。本変形例に係る画像処理装置は、プロトコルテーブルを2つ有しており、状態により適用するプロトコルテーブルを切り替える。
【0051】
図8は、電力モード及び適用するプロトコルテーブルを示す状態遷移図である。図中、プロトコルテーブルにA、Bとあるが、Aは、例えば、図5で用いたプロトコルテーブルAである。これに対し、Bは、図7で用いたプロトコルテーブルBである。プロトコルテーブルAは、プロトコルテーブルBと比べ、「無効」と設定されたプロトコルが多い。即ち、無効とするパケットを設定する内容となっている。
【0052】
801の通常電力モードにおいては、プロトコルテーブルBが適用されている。これに対し、803の省電力モードにおいては、プロトコルテーブルAが適用されている。通常電力モードにおいては、不要なパケットを排すべく、プロトコルテーブルBを用いてフィルタを行っている。省電力モードにおいては、できるだけ長い間スリープ状態を保つため、メイン・CPUでの処理が必要なパケットであってそれほど重要でないとされたプロトコルについて処理を行わない。この際に適用されるプロトコルテーブルがプロトコルテーブルAである。例えば、「PING」については、通常電力モードでは、処理するものであるが、省電力モードでは、処理すると省電力モードから復帰し通常電力モードに移行してしまうため、プロトコルテーブルAにより「PING」を「無効」としている。
【0053】
本発明に係る802の通常電力モードでは、プロトコルテーブルAが適用される。802の状態は、通常電力モードであるが、内部条件が成立しているため、画像処理装置1でいえば、プリンタエンジンが一定期間使用がなかったなどして省電力モードに移行できる状態にある。よって、省電力モードに移行し易いよう、省電力モードでも用いるプロトコルテーブルAを用いて、メイン・CPUでの処理が必要なパケットであってそれほど重要でないとされたプロトコルについて処理を遮断する。
【0054】
これにより、不要なメイン・CPUを要するようなパケットは排除されているため、外部条件を満たしやすい状態にある。これにより、頻繁に処理を要するパケットがやり取りされるネットワーク環境においても、本変形例に係る画像処理装置は、スムーズに省電力モードに移行することが可能となる。即ち、できるだけ長い間省電力モードに移行することができるので、消費電力を一層削減することができる。
【0055】
また、通常電力モードで内部条件が不成立、即ち完全な稼動状態においても、処理不要なパケットを排除し、省電力モードで使用するプロトコルテーブルを通常電力モードかつ内部条件成立後にも適用することで、一貫したポリシーでもってパケットを制御することができる。また、当該装置を設計する上で、設計が簡易化される。
【0056】
<パケットのプロトコル識別>
本発明に係る画像処理装置1は、ネットワーク4を介して受信するパケットの処理に際し、プロトコルテーブルに設定されたプロトコルについてフィルタを行うことは上述した通りである。ここで、画像処理装置1の行う受信に係るパケットのプロトコル識別について説明する。概略的には、受信に係るパケットについて、パケットヘッダに係る情報等に基づいてプロトコルの識別を行うものである。
【0057】
図9は、IEEE802.3規格によるイーサネット(登録商標)フレームを示す図である。イーサネット(登録商標)フレームは、いわゆるOSI(Open System Intereconnection)参照モデルであるところのデータリンク層に相当するので、当該イーサネット(登録商標)フレームは、あて先MACアドレス901、送信先MACアドレス902、タイプ903、及びイーサネット(登録商標)・データのフィールドから構成されている。特に、タイプ(フィールド)903には、プロトコルタイプを規定されている。プロトコル識別に際し、はじめにこのタイプ903の値に基づいて振り分けを行う。図10は、タイプ903の値に対応した「プロトコル」1000を示す図である。例えば、タイプ903の「値」が「0x0800」1002である場合、当該パケットは、IPv4(Internet Protocol Version4)1003に係るパケットであることが分かる。また、タイプ903の「値」が「0x814C」1005である場合、当該パケットは、SNMP over Ethernet(登録商標)1006に係るパケットである。
【0058】
「動作」1001は、当該パケットに対しての処理を示す。タイプ903が「0x814C」1005である場合、パケットは、「破棄」1007される。この「動作」は、プロトコルテーブルに設定されている内容に対応し、この場合、プロトコルテーブルのSNMP over Ethernet(登録商標)のプロトコルのフィルタは「無効」となっている。
【0059】
タイプ903が「0x0800」1002である場合、当該パケットは、「IPv4」1003に係るパケットである。IPv4に係るパケットの場合、さらに細分化されているため、タイプ903の値のみからでは処理は決定できない。よって、さらに次のステップに進む。この場合は、「S1」1004と規定されており、S1のステップに進む。
【0060】
図11は、タイプ903の値が「0x0800」である場合、即ち、当該パケットが、IPv4に係るパケットである場合の、本発明に係る画像形成装置のパケット処理動作(S1)を示す図である。IPv4に係るパケットにおいては、さらにOSI参照モデルの上位層に位置するIPヘッダ、TCP/UDPヘッダ等に基づいて、パケットを特定する。そして、図の通り、当該IPv4に係るパケットを処理するか、破棄するかを決定する。なお、IPヘッダ、TCP/UDPヘッダの構造等については十分に知られているため、詳細について説明は省略する。
【0061】
図12は、タイプ903の値が「0x0806」である場合、即ち、当該パケットが、ARPに係るパケットである場合の、本発明に係る画像形成装置のパケット処理動作を示す図である。図の通り、ARPヘッダ情報に基づいて、当該ARPに係るパケットを処理するか、破棄するかを決定する。
【0062】
図13は、タイプ903の値が「0x08DD」である場合、即ち、当該パケットが、IPv6に係るパケットである場合の、本発明に係る画像形成装置のパケット処理動作を示す図である。同様に、詳細の説明は省略するが、ヘッダ情報に基づいて、当該IPv6に係るパケットを処理するか、破棄するかを決定する。
【0063】
以上、本発明によれば、通常電力モード時において不要なパケット処理を排し、スムーズに省電力モードへ移行して省電力化を図る情報処理装置、電力モード制御方法、電力モード制御プログラム、及び記録媒体を提供することができる。また、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0064】
1 画像処理装置
2 サーバ
3 PC
201 コントローラ部
202 CPU
203 操作部I/F
204 ROM
205 RAM
206 NVRAM
207 エンジンI/F
208 エンジン状態判断部
209 操作部
210 プロッタ
211 ネットワークコントローラ部
212 ネットワークフィルタ部
213 ネットワークメインコントローラ
214 Ethernet(登録商標) PHY
【先行技術文献】
【特許文献】
【0065】
【特許文献1】特開2006−309731号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、電力モード制御方法、電力モード制御プログラム、及び記録媒体の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出削減、また極力消費電力を抑えてのコスト削減の観点から、ネットワーク装置には低消費電力化の要請がある。そのような中で、消費電力を低く抑えるべく、今日のネットワーク装置(ネットワーク上の装置をいう)、例えば、情報処理装置や画像処理装置では、少しでも長い時間、消費電力を低い状態に保つため、省電力モード(省エネモード、スリープモードともいう)を搭載するものが提案されている。省エネ機能を有したネットワーク装置は、一定時間稼動要求がない場合等に、通常電力モード時に使用しているメイン・CPUから消費電力の低いサブ・CPUへの使用に切り替えることで消費電力の削減を図っている。
【0003】
ところで、近年ネットワークがますます複雑化し、ネットワーク上には多くのネットワーク対応装置が接続される中、Windows(登録商標)をはじめとしたOS(Operating System)搭載の装置は、定期的なパケット通信を行っていることが多く、また逆に定期的に所定のパケットを送信している。このため、ネットワーク装置は頻繁にOSから定期的に発信されるパケットを受信したり、OSから要求される定期的なパケットの送信をしたりする必要があり、消費電力の低い省電力モード状態を保ちにくくなっている。
【0004】
特許文献1に係る装置では、省エネ状態から復帰させるための復帰条件を設定することができ、特定パケットを受信した場合に、省エネ状態から復帰させるネットワーク装置についての発明が開示されている。実際のネットワーク環境では、探索アプリケーションからの探索パケットやWindows(登録商標)からの探索パケットを頻繁に受信しており、通常電力モード時には処理対象であったこのようなパケットであっても、省電力モード状態時には無効(処理しない)とし、できるだけ長い時間、省電力状態を保つことで消費電力を抑えることが可能となっている。特許文献1に係る装置は、省電力モード状態時において、これらのパケットを受信しても通常電力モードに復帰せず、省電力モード状態を維持する。これにより、できるだけ長い時間、省エネ状態を保ち電力消費を抑えることが記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に係る発明は、省電力モード状態時において、通常電力モード時に処理していたパケットを無効とすることで、できるだけ長く、省電力状態を維持することができるが、上述したとおり今日のネットワークの複雑化により、ネットワーク上の装置は、頻繁にネットワークからのパケット処理の要求に応じなくてはならず、当該装置が省電力モード機能を有していたとしても、そもそも省電力モード状態に移行すること自体が難しくなっており、省電力モードとしての機能を発揮しにくい環境にさらされている。即ち、複数のネットワークプロトコルをサポートするネットワーク装置が、通常電力モード時において、いかにスムーズに省電力モード状態に移行できるかについてもまた、省エネの観点から要請される課題である。
【0006】
そこで本発明では上記のような問題に鑑みて、通常電力モード時において不要なパケット処理を排し、スムーズに省電力モードへ移行して省電力化を図る情報処理装置、電力モード制御方法、電力モード制御プログラム、及び記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで上記課題を解決するため、本発明に係る情報処理装置は、当該情報処理装置に係るシステムの制御を司る第一の制御手段と、ネットワークに接続され、パケットに係る処理を司るネットワークコントローラ部の制御を司る第二の制御手段とを有し、第一の制御手段及び第二の制御手段が共に稼動する通常電力モードから、少なくとも一定期間第一の制御手段でパケットを処理しないときに、第一の制御手段の電源が遮断される省電力モードへ移行する情報処理装置であって、前記ネットワークを介して送受信されるパケットの内、前記第一の制御手段で処理されるパケットが登録されたパケットテーブルと、前記システムにおける省電力モード移行の可否を判断する判断手段とを有し、前記ネットワークコントローラ部は、通常電力モードにおいて、前記判断手段により前記システムの省電力モード移行が可であると判断されたとき、前記パケットテーブルに基づいて、パケットを処理することを特徴とする。
【0008】
また、上記課題を解決するため、本発明に係る情報処理装置は、当該情報処理装置に係るシステムの制御を司る第一の制御手段と、ネットワークに接続され、パケットに係る処理を司るネットワークコントローラ部の制御を司る第二の制御手段と、省電力モード時に、前記ネットワークを介して送受信されるパケットの内、前記第一の制御手段で処理されるパケットが登録されたパケットテーブルとを有し、第一の制御手段及び第二の制御手段が共に稼動する通常電力モードから、少なくとも一定期間第一の制御手段でパケットを処理しないときに、第一の制御手段の電源が遮断される省電力モードへ移行する情報処理装置であって、前記システムにおける省電力モード移行の可否を判断する判断手段とを有し、
前記ネットワークコントローラ部は、通常電力モードにおいて、前記判断手段により前記システムの省電力モード移行が可であると判断されたとき、前記パケットテーブルに基づいて、パケットを処理することを特徴とする。
【0009】
また、上記課題を解決するため、前記システムに係る内部条件及び前記ネットワークに係る外部条件に基づいて、電力モード移行されることを特徴とする。
【0010】
また、上記課題を解決するため、前記ネットワークコントローラ部は、パケットのヘッダに基づいてパケット属性を識別して、受信されたパケットを処理することを特徴とする。
【0011】
また、上記課題を解決するため、前記パケットは、SNMP(Simple Network Management Protocol)であって、前記ヘッダは、OID(Object ID)領域であることを特徴とする。
【0012】
また、上記課題を解決するため、前記パケットテーブルに登録されるパケットの属性は、設定可能であることを特徴とする。
【0013】
また、上記課題を解決するため、前記情報処理装置は、画像処理装置であることを特徴とする。
【0014】
なお、本発明の構成要素、表現または構成要素の任意の組合せを、方法、装置、システム、コンピュータプログラム、記録媒体、などに適用したものも本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、通常電力モード時において不要なパケット処理を排し、スムーズに省電力モードへ移行して省電力化を図る情報処理装置、電力モード制御方法、電力モード制御プログラム、及び記録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係るネットワーク構成図の一例である。
【図2】画像処理装置のブロック図である。
【図3】本発明に係るフローチャートである。
【図4】設定画面の一例を表す図である。
【図5】プロトコルテーブルの一例を表す図である。
【図6】設定画面の一例を表す図である。
【図7】プロトコルテーブルの一例を表す図である。
【図8】電力モードに係る状態遷移図である。
【図9】イーサネット(登録商標)フレームを説明する図である。
【図10】プロトコル識別を説明する図である。
【図11】プロトコル識別を説明する図である。
【図12】プロトコル識別を説明する図である。
【図13】プロトコル識別を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための形態を各実施形態において図面を用いて説明する。
【0018】
<画像処理装置の概要及び構成>
本発明の実施形態に係る画像処理装置を用いて説明を行う。図1は、本実施形態に係る画像処理装置が用いられる全体構成図を示し、画像処理装置1、サーバ2、PC3(パーソナルコンピュータ)、及びネットワーク4を含む構成である。
【0019】
画像処理装置1について説明する。本実施形態における画像処理装置1は、ネットワーク・プリンタである。例えば、ネットワークを介して、サーバ2、PC3からのプリント要求を受け、プリントサービスを提供する。
【0020】
また、本実施例における画像形成装置1は、複数のネットワークプロトコルをサポートしている。ネットワーク上に接続されており、サポートするネットワークプロトコルを受信すると当該プロトコルに対して該当するサービスを提供する。このようなネットワークプロトコルの一例としては、ブロードキャストパケット、印刷プロトコルに従うもの(LPR、IPP、FTP、SMTP等)、ユーティリティのプロトコルに従うもの(SNMP、SLP等)、起動専用パケット等がある。
【0021】
さらに、本実施例における画像処理装置1は、省電力モード搭載の装置である。通常電力モードと省電力モードを有し、使用されないときになど省電力モードに移行し、消費電力を節約するものである。これについては後に説明する。
【0022】
サーバ2、PC3は、ネットワーク4に接続されたネットワーク上の装置である。例えば、Windows(登録商標)といったOS(Operationg System)を有しており、ネットワーク上に対し、様々なネットワークパケットを送受信している。ネットワークパケットは、サーバやPCの機能によって様々であるが、例えばOSに基づくプロトコルのパケットやブロードキャスト系パケットである。これらのパケットは、画像処理装置1に対して送信されるものもある。
【0023】
なおここで、画像処理装置1は、プリンタとしたが、他にコピー機能、ファクシミリ(FAX)機能、スキャナ機能及び入力画像を配信する機能等を複合したいわゆるMFP(Multi Function Peripheral)と称されるデジタルカラー複合機でもよい。しかしながら、説明の簡易化のために、プリンタであるものとして説明を行うものである。即ち、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において、ネットワーク上の、コピー機、FAX、スキャナ機、情報処理装置、その他の装置を含めて、適用、応用可能である。
【0024】
<画像処理装置の機能>
画像処理装置1の機能について説明を行う。ここでは本発明の説明に係る点について簡単に説明する。図2は、本発明に係る画像処理装置1の機能を説明するブロック図である。画像処理装置1は、コントローラ部201、ネットワークコントローラ部211、プロッタ210、操作部209を含む構成である。
【0025】
コントローラ部201には、CPU202、操作部I/F(インターフェース)203、ROM204、RAM205、NVRAM206、エンジンI/F207、エンジン状態判断部208などからなる。コントローラ部201は、メイン・CPUによりシステム全体を司るコントロール部である。本画像処理装置1においては、特にエンジンI/Fを介し、プリント機能に係るプロッタ210を制御する。なお、CPU202は、第一の制御手段に相当する。
【0026】
ROM204には、CPU202が実行するプログラムやフォント情報等が記憶されている。RAM205は、CPU202が実行するプログラムが格納されたり、各種ワーク用のパラメータや、ネットワークから取得したパケットが格納される。NVRAM206は、不揮発性のメモリであり、システム設定やシステムログ等の電源遮断で消去されてはいけない情報を保管するために使用される。
【0027】
エンジン状態判断部208は、プロッタ(エンジン)210の状態を把握しており、プロッタ210が後述する省電力モードに移行できる状態(内部条件という)になったか否かを判断する。例えば、サーバ2やPC3から、もしくはユーザからの直接操作入力により、一定時間プリント要求がなかった場合に、プロッタ210は省電力モードへ移行できる状態(内部条件成立)となる。この状態をエンジン状態判断部208は管理し、内部条件が成立したことを、ネットワークメインコントローラ213に伝える。
【0028】
ネットワークコントローラ部211は、ネットワークフィルタ部212、ネットワークメインコントローラ213、Ethernet(登録商標) PHY211などからなる。ネットワークメインコントローラ213は、ネットワークコントローラ全体を司り、省電力モードでも稼動するサブ・CPUを含むものである。なお、サブ・CPUは、第二の制御手段に相当する。また、サブ・CPUを含まなくともハードウェアロジックによりサブ・CPU相当が実現されてもよい。
【0029】
ネットワークメインコントローラ213は、Ethernet(登録商標) PHY211を介して受信するパケットに対して、サブ・CPUで処理できるパケットについては処理し、サブ・CPUで処理できないパケットについては、メイン・CPU202により処理を行う。また、画像処理装置1がEthernet(登録商標) PHY211を介して送信するパケットに対して、サブ・CPUで処理できるパケットについては処理し、サブ・CPUで処理できないパケットについては、メイン・CPU202により処理を行う。この送受信されるパケットに係る処理については後述する。なお、本実施例における画像処理装置1は、複数のネットワークプロトコルをサポートしているが、どちらのCPUで処理するかは、パケットのプロトコルによるものである。
【0030】
ネットワークフィルタ部212は、本発明に係るフィルタ部であり、ネットワーク4を介して送受信するパケットのフィルタを行う。受信するパケットについては、後述するプロトコルテーブルに基づいて、受信処理するか否かのフィルタを行う。また、送信するパケットについては、後述するプロトコルテーブルに基づいて、送信処理するか否かのフィルタを行う。このフィルタ部は、エンジン状態判断部208からネットワークメインコントローラ213に対して、内部条件が成立した旨の通知が来ると、ネットワークメインコントローラ213の動作開始命令により動作する。この詳細については後に説明する。また、Ethernet(登録商標) PHY211は物理層インターフェースである。ネットワーク4は有線、無線を含むネットワークであり、Ethernet(登録商標) PHY211は、ネットワーク4に対応したインターフェースとなる。
【0031】
<省電力モード>
次に、省電力モードについて説明を行う。ここでは本発明の説明に係る点について簡単に説明する。省電力モードについての詳細は、例えば公知の方法によればよい。
【0032】
省電力モードは、定められた省電力モード移行条件、例えば、所定時間外部からデータが制御部に入力されない場合、あるいは画像処理装置1の制御部あるいはネットワーク4に接続された端末から指定されたときなどに移行するモードである。このモードではメイン・CPU202を含むコントローラ部201へは電力の供給は行われない。すなわち、コントローラ部201に電力を供給する電源回路からの通電は行われない。この通電の制御は、電源制御線を介して電源制御部によって行われ、電源制御部は電源管理部からの指示、あるいはネットワークメインコントローラ213に含まれるサブ・CPUからの指示によりコントローラ部202への通電のオンオフを制御する。
【0033】
このように省電力モードでは、メイン・CPU202を含むコントローラ部201に駆動電力が供給されないことから、メイン・CPU202は動作せず、ROM204、RAM205等も使用することができない状態となっている。一方、ネットワークコントローラ部211および電力制御線に関係する各部は通電されている。
【0034】
省エネモードになると、コントローラ部201への電源供給は絶たれ、ネットワーク4
との通信は、ネットワークコントローラ部211のサブ・CPUが制御する。ネットワーク4を介して入力されるデータがサブ・CPUで処理できるものであれば、そのまま省電力モードを継続するが、サーバ2やPC3などから、印刷データやその他サブ・CPUでは処理できないパケットがネットワーク4を介して入力されると、サブ・CPUでは処理できなくなるので、コントローラ部201への通電を開始し、省電力モードから通常電力モードへ移行する。
【0035】
なお、電力モードの移行は、定められた電力モード移行条件に従う。特に、省電力モード移行条件は、通常電力モードから省電力モードへの条件であるが、条件は装置ごとの特性により条件は様々である。本発明に係る画像処理装置1おいて、省電力モード移行条件は、内部条件と外部条件からなる。内部条件は、所定期間プロッタエンジンが稼動しなかった状態とする。また、外部条件は、所定期間ネットワークからのデータパケットの送受信がなかった状態とする。内部条件及び外部条件を満たすと、本発明に係る画像処理装置1は、通常電力モードから省電力モードへ移行する。なお、上述した通り電力モード移行条件は、装置ごとの特性により条件は様々であるが、画像処理装置でない装置の場合、外部条件は、所定期間ネットワークからのデータパケットの送受信がなかった状態とし、当該装置に定められた移行条件から外部条件を除いたものを内部条件とすることで、本発明を適用することができる。
【0036】
<動作>
本発明に係る画像処理装置1は、図2を用いて説明した機能を有し、図1に説明したネットワーク環境に接続されているものである。画像処理装置1は、ネットワーク4に接続されているので様々なパケットを絶えず送受信している。
【0037】
例えば、Windows(登録商標)のOSを使用しているネットワーク環境では約30秒毎にネットワーク装置を監視するSNMP(Simple Network Management Protocol)のMIB(Management Information Base)パケットが送受信されている。ネットワーク上に30台の当該OSを有するPCが接続された環境である場合、このMIBパケットの処理には送信を伴うため、画像処理装置1は、このMIBパケットの受信、送信処理を1秒毎に行う必要がある。このSNMPパケットの送受信により、ネットワーク上の装置を把握、管理することができる。例えば、PCから見ると、ネットワーク上に存在する装置が、アイコンで表示等される。
【0038】
しかしながら、SNMPパケットの処理は、メイン・CPU201により処理されるタイプのパケットであるため、この処理を行う間は、前述した省電力モードに移行することができない。省電力モードは、装置に係るシステム(プロッタ・エンジン)を使用しない間は、メイン・CPUを含むコントローラ部201の電源を遮断することにより、消費電力を抑えることを目的とするものであるが、画像処理装置1のプロッタ203は、一定時間使用がなかったなどして省電力モードに移行できるにもかかわらず(内部条件成立)、ネットワークからのパケット処理によって、なかなか外部条件が成立せず、全体として、省電力モード自体に移行することができないことになる。
【0039】
本発明に係る画像処理装置1は、プロッタ203が一定時間使用がなかったなどして省電力モードに移行できる状態になると(内部条件成立)、ネットワークメインコントローラ213は、パケット処理に際し、ネットワークフィルタ部によるパケットのフィルタを行う。通常電力モードにおいて、システムの内部条件が成立すると、省電力モードに移行し易いよう、処理するパケットをフィルタ、分別する。例えば、SNMPメッセージ内のOID(Object ID)領域の値に基づいて、Windows(登録商標)からのSNMP.MIBパケットを特定できる。OIDが次の値である場合、当該パケットを遮断し処理を行わない。
OID 1.3.6.1.2.1.25.3.2.1.5.1
OID 1.3.6.1.2.1.25.3.5.1.1.1
OID 1.3.6.1.2.1.25.3.5.1.2.1
なお、SNMPパケットに対するフィルタが動作する時には、画像処理装置1は、このSNMPを送信しなくなるので、他のPC上から画像処理装置1のアイコンが見えなくなる等の影響を受けることになるが、実際に画像処理装置1を使用する際には、別の種類のSNMP.MIBパケットを送信することで検索を行うため、実使用時には、特別な操作は必要なく、画像処理装置1を使用することが可能である。また、プリントする場合には、PCから登録済みのプリントとして命令すれば、SNMPの処理の有無とは別問題で、通常にプリントできる。また、プロッタ207自体がまだ省電力モードの移行の準備ができていない場合(内部条件不成立)は、フィルタは動作せず、通常にSNMPは処理され、PCでの表示にも影響はない。また、後述するように、どのプロトコルをフィルタするかの設定が可能であるので、対象のプロトコルは、ネットワーク環境、運用に応じて設定されればよい。
【0040】
図3は、ネットワークフィルタ部212が動作するタイミングについて説明するフローチャートである。ステップS301で、画像処理装置1に電源が投入されると、ステップS302で、装置の内部の初期化処理を実施する。初期化されると装置が起動し、ステップS304で、通常電力モードで画像処理装置1は動作する。コントローラ部201により、システム全体が制御され動作している。
【0041】
ステップS304で、内部条件が成立する。即ち、プロッタ203が一定時間使用がなかったなどして省電力モードに移行できる状態になる。エンジン状態判断部208は、プロッタ(エンジン)210の状態を把握しており、内部条件が成立したことを、ネットワークメインコントローラ213に伝える。ネットワークメインコントローラ213は、ネットワークフィルタ部212に対し、パケットのフィルタ動作を開始するよう命令する。ステップS305で、ネットワークフィルタ部212は、この命令を受けて、メイン・CPUが処理するパケットが定められたプロトコルテーブルに基づいて、パケットのフィルタ動作を行う。このプロトコルテーブルについては後述する。
【0042】
ステップS306は、送受信されるパケット処理に、メイン・CPUが必要となった場合のステップである。
【0043】
まずパケットを受信する場合について説明する。ネットワーク4を介して受信されるパケットがネットワークメインコントローラ213のサブ・CPUで処理できるものであれば、ネットワークメインコントローラ213のサブ・CPUにより処理される。一方、ネットワーク4を介して受信されるパケットがネットワークメインコントローラ213のサブ・CPUで処理できないものであれば、ネットワークメインコントローラ213は、ネットワークフィルタ部212による受信処理すべきか否かのパケットのフィルタを行う。プロトコルテーブルに登録されたパケットである場合には、当該パケットは受信処理すべきパケットであるので、メイン・CPUによって処理される。このとき、ステップS306から「YES」に進む。
【0044】
次に、パケットを送信する場合について説明する。ネットワーク4を介して送信されるパケットがネットワークメインコントローラ213のサブ・CPUで処理できるものであれば、ネットワークメインコントローラ213のサブ・CPUにより処理される。定期的に送信される種類のパケットは、比較的簡単な処理で済むので、ネットワークメインコントローラ213で処理可能である場合が多い。一方、ネットワーク4を介して送信されるパケットがネットワークメインコントローラ213のサブ・CPUで処理できないものであれば、ネットワークメインコントローラ213は、ネットワークフィルタ部212による送信処理すべきパケットか否かのフィルタを行う。プロトコルテーブルに登録されたパケットである場合には、当該パケットは送信処理すべきパケットであるので、メイン・CPUによって処理される。このとき、ステップS306から「YES」に進む。
【0045】
ステップS307は、外部条件が成立するステップである。ネットワークフィルタ部212によるパケットフィルタは動作しているので、プロトコルテーブルに設定登録されないパケット(不必要なパケット)については送受信処理はされていない。一定期間、メイン・CPUの送受信処理を要するパケットがなければ(外部条件成立)、ステップS308で、画像処理装置1は、省電力モードに移行する。ステップS305以降においては、フィルタ動作により、不要な、メイン・CPUの処理を要するようなパケットは排除されているため、外部条件を満たしやすい状態にある。これにより、頻繁に処理を要するパケットがやり取りされるネットワーク環境においても、本画像処理装置は、スムーズに省電力モードに移行することが可能となる。即ち、できるだけ長い間省電力モードに移行することができるので、消費電力を一層削減することができる。次に、プロトコルテーブルの詳細について説明を行う。
【0046】
<プロトコルテーブル・設定画面>
ネットワークフィルタ部212はプロトコルテーブル(パケットテーブル)に基づいて、メイン・CPUが処理するパケットを識別する。図4は、プロトコルの設定画面の一例であり、操作部203等から設定が可能である。当該設定画面で設定されたプロトコルに従って、プロトコルテーブルが作成される。図5は、当該設定画面に対応するプロトコルテーブルAである。
【0047】
ネットワークフィルタ部212は、内部条件成立以降は、プロトコルテーブルで、「無効」と設定されたプロトコルについてのパケットは処理させない。なお、ここで扱うプロトコルは、メイン・CPUによる処理が必要なタイプのプロトコルである。また、扱われるプロトコルは当該装置に従う。即ち、画像処理装置1の場合、画像処理装置が有するOSに依存するプロトコル、プリンタ機能に係るプロトコルとなる。
【0048】
図4のプロトコル設定画面の例では、「FTP」401、「DHCP」402、「その他のSNMP」403、「LDP」404、「IPP」405について、「有効」に設定されている。この設定に対応して、図5のプロトコルテーブルAの例では、「FTP」501、「DHCP」502、「その他のSNMP」503、「LDP」504、「IPP」505について、「有効」に設定されている。「有効」は処理するを意味し、「無効」と設定されたプロトコルについて、処理しないことを意味する。例えば、「FTP」501は「有効」であるので、FTPプロトコルを用いたパケットに対しては、メイン・CPU202が処理を行う。なお、どのプロトコルを「有効」、「無効」とするかの設定内容は、画像処理装置1が用いられるネットワーク環境に応じて適切に設定されればよい。また、画像処理装置1が受信するパケット、送信するパケットごとに、それぞれのプロトコルテーブル及びプロトコル設定画面を設けてもよい。その場合には、ネットワークフィルタ部212は、受信処理に係るパケットについて受信に係るプロトコルテーブルに基づいてフィルタを行う。同様に、送信処理に係るパケットについて送信に係るプロトコルテーブルに基づいてフィルタを行う。
【0049】
これにより、ネットワーク環境によって使用されるネットワークパケットに係るプロトコルは様々であるが、上述したプロトコル設定機能により、ネットワーク環境に応じてフィルタ対象のパケットを任意に設定することができる。
【0050】
<変形例>
上述した「プロトコルテーブル」を踏まえて、本変形例に係る画像処理装置について説明する。省電力モード時に、プロトコルテーブルを用いて、省電力モードから通常電力モードに復帰しにくくし、できるだけ長い間省電力モードを保つ画像処理装置などが知られているが、これに本発明を適用する。本変形例に係る画像処理装置は、図5のプロトコルテーブルAに加え、図7のプロトコルテーブルBを有する。またプロトコルテーブルAと同様に、図6のプロトコル設定画面により設定が可能である。本変形例に係る画像処理装置は、プロトコルテーブルを2つ有しており、状態により適用するプロトコルテーブルを切り替える。
【0051】
図8は、電力モード及び適用するプロトコルテーブルを示す状態遷移図である。図中、プロトコルテーブルにA、Bとあるが、Aは、例えば、図5で用いたプロトコルテーブルAである。これに対し、Bは、図7で用いたプロトコルテーブルBである。プロトコルテーブルAは、プロトコルテーブルBと比べ、「無効」と設定されたプロトコルが多い。即ち、無効とするパケットを設定する内容となっている。
【0052】
801の通常電力モードにおいては、プロトコルテーブルBが適用されている。これに対し、803の省電力モードにおいては、プロトコルテーブルAが適用されている。通常電力モードにおいては、不要なパケットを排すべく、プロトコルテーブルBを用いてフィルタを行っている。省電力モードにおいては、できるだけ長い間スリープ状態を保つため、メイン・CPUでの処理が必要なパケットであってそれほど重要でないとされたプロトコルについて処理を行わない。この際に適用されるプロトコルテーブルがプロトコルテーブルAである。例えば、「PING」については、通常電力モードでは、処理するものであるが、省電力モードでは、処理すると省電力モードから復帰し通常電力モードに移行してしまうため、プロトコルテーブルAにより「PING」を「無効」としている。
【0053】
本発明に係る802の通常電力モードでは、プロトコルテーブルAが適用される。802の状態は、通常電力モードであるが、内部条件が成立しているため、画像処理装置1でいえば、プリンタエンジンが一定期間使用がなかったなどして省電力モードに移行できる状態にある。よって、省電力モードに移行し易いよう、省電力モードでも用いるプロトコルテーブルAを用いて、メイン・CPUでの処理が必要なパケットであってそれほど重要でないとされたプロトコルについて処理を遮断する。
【0054】
これにより、不要なメイン・CPUを要するようなパケットは排除されているため、外部条件を満たしやすい状態にある。これにより、頻繁に処理を要するパケットがやり取りされるネットワーク環境においても、本変形例に係る画像処理装置は、スムーズに省電力モードに移行することが可能となる。即ち、できるだけ長い間省電力モードに移行することができるので、消費電力を一層削減することができる。
【0055】
また、通常電力モードで内部条件が不成立、即ち完全な稼動状態においても、処理不要なパケットを排除し、省電力モードで使用するプロトコルテーブルを通常電力モードかつ内部条件成立後にも適用することで、一貫したポリシーでもってパケットを制御することができる。また、当該装置を設計する上で、設計が簡易化される。
【0056】
<パケットのプロトコル識別>
本発明に係る画像処理装置1は、ネットワーク4を介して受信するパケットの処理に際し、プロトコルテーブルに設定されたプロトコルについてフィルタを行うことは上述した通りである。ここで、画像処理装置1の行う受信に係るパケットのプロトコル識別について説明する。概略的には、受信に係るパケットについて、パケットヘッダに係る情報等に基づいてプロトコルの識別を行うものである。
【0057】
図9は、IEEE802.3規格によるイーサネット(登録商標)フレームを示す図である。イーサネット(登録商標)フレームは、いわゆるOSI(Open System Intereconnection)参照モデルであるところのデータリンク層に相当するので、当該イーサネット(登録商標)フレームは、あて先MACアドレス901、送信先MACアドレス902、タイプ903、及びイーサネット(登録商標)・データのフィールドから構成されている。特に、タイプ(フィールド)903には、プロトコルタイプを規定されている。プロトコル識別に際し、はじめにこのタイプ903の値に基づいて振り分けを行う。図10は、タイプ903の値に対応した「プロトコル」1000を示す図である。例えば、タイプ903の「値」が「0x0800」1002である場合、当該パケットは、IPv4(Internet Protocol Version4)1003に係るパケットであることが分かる。また、タイプ903の「値」が「0x814C」1005である場合、当該パケットは、SNMP over Ethernet(登録商標)1006に係るパケットである。
【0058】
「動作」1001は、当該パケットに対しての処理を示す。タイプ903が「0x814C」1005である場合、パケットは、「破棄」1007される。この「動作」は、プロトコルテーブルに設定されている内容に対応し、この場合、プロトコルテーブルのSNMP over Ethernet(登録商標)のプロトコルのフィルタは「無効」となっている。
【0059】
タイプ903が「0x0800」1002である場合、当該パケットは、「IPv4」1003に係るパケットである。IPv4に係るパケットの場合、さらに細分化されているため、タイプ903の値のみからでは処理は決定できない。よって、さらに次のステップに進む。この場合は、「S1」1004と規定されており、S1のステップに進む。
【0060】
図11は、タイプ903の値が「0x0800」である場合、即ち、当該パケットが、IPv4に係るパケットである場合の、本発明に係る画像形成装置のパケット処理動作(S1)を示す図である。IPv4に係るパケットにおいては、さらにOSI参照モデルの上位層に位置するIPヘッダ、TCP/UDPヘッダ等に基づいて、パケットを特定する。そして、図の通り、当該IPv4に係るパケットを処理するか、破棄するかを決定する。なお、IPヘッダ、TCP/UDPヘッダの構造等については十分に知られているため、詳細について説明は省略する。
【0061】
図12は、タイプ903の値が「0x0806」である場合、即ち、当該パケットが、ARPに係るパケットである場合の、本発明に係る画像形成装置のパケット処理動作を示す図である。図の通り、ARPヘッダ情報に基づいて、当該ARPに係るパケットを処理するか、破棄するかを決定する。
【0062】
図13は、タイプ903の値が「0x08DD」である場合、即ち、当該パケットが、IPv6に係るパケットである場合の、本発明に係る画像形成装置のパケット処理動作を示す図である。同様に、詳細の説明は省略するが、ヘッダ情報に基づいて、当該IPv6に係るパケットを処理するか、破棄するかを決定する。
【0063】
以上、本発明によれば、通常電力モード時において不要なパケット処理を排し、スムーズに省電力モードへ移行して省電力化を図る情報処理装置、電力モード制御方法、電力モード制御プログラム、及び記録媒体を提供することができる。また、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0064】
1 画像処理装置
2 サーバ
3 PC
201 コントローラ部
202 CPU
203 操作部I/F
204 ROM
205 RAM
206 NVRAM
207 エンジンI/F
208 エンジン状態判断部
209 操作部
210 プロッタ
211 ネットワークコントローラ部
212 ネットワークフィルタ部
213 ネットワークメインコントローラ
214 Ethernet(登録商標) PHY
【先行技術文献】
【特許文献】
【0065】
【特許文献1】特開2006−309731号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
当該情報処理装置に係るシステムの制御を司る第一の制御手段と、ネットワークに接続され、パケットに係る処理を司るネットワークコントローラ部の制御を司る第二の制御手段とを有し、第一の制御手段及び第二の制御手段が共に稼動する通常電力モードから、少なくとも一定期間前記システムが動作しないとき且つ第一の制御手段でパケットを処理しないときに、第一の制御手段の電源が遮断される省電力モードへ移行する情報処理装置であって、
前記ネットワークを介して送受信されるパケットの内、前記第一の制御手段で処理が許可されたパケットが登録されたパケットテーブルと、
一定期間前記システムが動作していないかを判断する判断手段とを有し、
前記ネットワークコントローラ部は、通常電力モードにおいて、前記判断手段により一定期間前記システムが動作していないと判断された後、前記第一の制御手段で処理されるべきパケットが発生すると、該パケットが前記パケットテーブルに登録されているときは、前記第一の制御手段で該パケットを処理させ、該パケットが前記パケットテーブルに登録されていないときは、前該パケットを破棄すること、
を特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
当該情報処理装置に係るシステムの制御を司る第一の制御手段と、ネットワークに接続され、パケットに係る処理を司るネットワークコントローラ部の制御を司る第二の制御手段と、省電力モード時に、前記ネットワークを介して送受信されるパケットの内、前記第一の制御手段で処理されるパケットが登録されたパケットテーブルとを有し、第一の制御手段及び第二の制御手段が共に稼動する通常電力モードから、少なくとも一定期間前記システムが動作しないとき且つ第一の制御手段でパケットを処理しないときに、第一の制御手段の電源が遮断される省電力モードへ移行する情報処理装置であって、
一定期間前記システムが動作していないかを判断する判断手段とを有し、
前記ネットワークコントローラ部は、通常電力モードにおいて、前記判断手段により一定期間前記システムが動作していないと判断された後、前記第一の制御手段で処理されるべきパケットが発生すると、該パケットが前記パケットテーブルに登録されているときは、前記第一の制御手段で該パケットを処理させ、該パケットが前記パケットテーブルに登録されていないときは、前該パケットを破棄すること、
を特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
前記ネットワークコントローラ部は、パケットのヘッダに基づいてパケット属性を識別して、受信されたパケットを処理すること、
を特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記パケットは、SNMP(Simple Network Management Protocol)であって、前記ヘッダは、OID(Object ID)領域であること、
を特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記パケットテーブルに登録されるパケットの属性は、設定可能であること、
を特徴とする1ないし4いずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記情報処理装置は、画像処理装置であること、
を特徴とする請求項1ないし5いずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
当該情報処理装置に係るシステムの制御を司る第一の制御手段と、ネットワークに接続され、パケットに係る処理を司るネットワークコントローラ部の制御を司る第二の制御手段とを有し、第一の制御手段及び第二の制御手段が共に稼動する通常電力モードから、少なくとも一定期間前記システムが動作しないとき且つ第一の制御手段でパケットを処理しないときに、第一の制御手段の電源が遮断される省電力モードへ移行する情報処理装置における電力モード制御方法であって、
一定期間前記システムが動作していないかを判断する判断手順と、
前記ネットワークコントローラ部が、通常電力モードにおいて、前記判断手順により一定期間前記システムが動作していないと判断された後、前記第一の制御手段で処理されるべきパケットが発生すると、該パケットが前記ネットワークを介して送受信されるパケットの内、前記第一の制御手段で処理が許可されたパケットが登録されたパケットテーブルに登録されているときは、前記第一の制御手段で該パケットを処理させ、該パケットが前記パケットテーブルに登録されていないときは、前該パケットを破棄する手順と、
を有する特徴とする電力モード制御方法。
【請求項8】
当該情報処理装置に係るシステムの制御を司る第一の制御手段と、ネットワークに接続され、パケットに係る処理を司るネットワークコントローラ部の制御を司る第二の制御手段と、省電力モード時に、前記ネットワークを介して送受信されるパケットの内、前記第一の制御手段で処理されるパケットが登録されたパケットテーブルとを有し、第一の制御手段及び第二の制御手段が共に稼動する通常電力モードから、少なくとも一定期間前記システムが動作しないとき且つ第一の制御手段でパケットを処理しないときに、第一の制御手段の電源が遮断される省電力モードへ移行する情報処理装置における電力モード制御方法であって、
一定期間前記システムが動作していないかを判断する判断手順と、
前記ネットワークコントローラ部が、通常電力モードにおいて、前記判断手段により一定期間前記システムが動作していないと判断された後、前記第一の制御手段で処理されるべきパケットが発生すると、該パケットが前記パケットテーブルに登録されているときは、前記第一の制御手段で該パケットを処理させ、該パケットが前記パケットテーブルに登録されていないときは、前該パケットを破棄する手順と、
を有する特徴とする電力モード制御方法。
【請求項9】
請求項7又は8に記載の電力モード制御方法をコンピュータに実行させるための電力モード制御プログラム。
【請求項10】
請求項9に記載の電力モード制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項1】
当該情報処理装置に係るシステムの制御を司る第一の制御手段と、ネットワークに接続され、パケットに係る処理を司るネットワークコントローラ部の制御を司る第二の制御手段とを有し、第一の制御手段及び第二の制御手段が共に稼動する通常電力モードから、少なくとも一定期間前記システムが動作しないとき且つ第一の制御手段でパケットを処理しないときに、第一の制御手段の電源が遮断される省電力モードへ移行する情報処理装置であって、
前記ネットワークを介して送受信されるパケットの内、前記第一の制御手段で処理が許可されたパケットが登録されたパケットテーブルと、
一定期間前記システムが動作していないかを判断する判断手段とを有し、
前記ネットワークコントローラ部は、通常電力モードにおいて、前記判断手段により一定期間前記システムが動作していないと判断された後、前記第一の制御手段で処理されるべきパケットが発生すると、該パケットが前記パケットテーブルに登録されているときは、前記第一の制御手段で該パケットを処理させ、該パケットが前記パケットテーブルに登録されていないときは、前該パケットを破棄すること、
を特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
当該情報処理装置に係るシステムの制御を司る第一の制御手段と、ネットワークに接続され、パケットに係る処理を司るネットワークコントローラ部の制御を司る第二の制御手段と、省電力モード時に、前記ネットワークを介して送受信されるパケットの内、前記第一の制御手段で処理されるパケットが登録されたパケットテーブルとを有し、第一の制御手段及び第二の制御手段が共に稼動する通常電力モードから、少なくとも一定期間前記システムが動作しないとき且つ第一の制御手段でパケットを処理しないときに、第一の制御手段の電源が遮断される省電力モードへ移行する情報処理装置であって、
一定期間前記システムが動作していないかを判断する判断手段とを有し、
前記ネットワークコントローラ部は、通常電力モードにおいて、前記判断手段により一定期間前記システムが動作していないと判断された後、前記第一の制御手段で処理されるべきパケットが発生すると、該パケットが前記パケットテーブルに登録されているときは、前記第一の制御手段で該パケットを処理させ、該パケットが前記パケットテーブルに登録されていないときは、前該パケットを破棄すること、
を特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
前記ネットワークコントローラ部は、パケットのヘッダに基づいてパケット属性を識別して、受信されたパケットを処理すること、
を特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記パケットは、SNMP(Simple Network Management Protocol)であって、前記ヘッダは、OID(Object ID)領域であること、
を特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記パケットテーブルに登録されるパケットの属性は、設定可能であること、
を特徴とする1ないし4いずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記情報処理装置は、画像処理装置であること、
を特徴とする請求項1ないし5いずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
当該情報処理装置に係るシステムの制御を司る第一の制御手段と、ネットワークに接続され、パケットに係る処理を司るネットワークコントローラ部の制御を司る第二の制御手段とを有し、第一の制御手段及び第二の制御手段が共に稼動する通常電力モードから、少なくとも一定期間前記システムが動作しないとき且つ第一の制御手段でパケットを処理しないときに、第一の制御手段の電源が遮断される省電力モードへ移行する情報処理装置における電力モード制御方法であって、
一定期間前記システムが動作していないかを判断する判断手順と、
前記ネットワークコントローラ部が、通常電力モードにおいて、前記判断手順により一定期間前記システムが動作していないと判断された後、前記第一の制御手段で処理されるべきパケットが発生すると、該パケットが前記ネットワークを介して送受信されるパケットの内、前記第一の制御手段で処理が許可されたパケットが登録されたパケットテーブルに登録されているときは、前記第一の制御手段で該パケットを処理させ、該パケットが前記パケットテーブルに登録されていないときは、前該パケットを破棄する手順と、
を有する特徴とする電力モード制御方法。
【請求項8】
当該情報処理装置に係るシステムの制御を司る第一の制御手段と、ネットワークに接続され、パケットに係る処理を司るネットワークコントローラ部の制御を司る第二の制御手段と、省電力モード時に、前記ネットワークを介して送受信されるパケットの内、前記第一の制御手段で処理されるパケットが登録されたパケットテーブルとを有し、第一の制御手段及び第二の制御手段が共に稼動する通常電力モードから、少なくとも一定期間前記システムが動作しないとき且つ第一の制御手段でパケットを処理しないときに、第一の制御手段の電源が遮断される省電力モードへ移行する情報処理装置における電力モード制御方法であって、
一定期間前記システムが動作していないかを判断する判断手順と、
前記ネットワークコントローラ部が、通常電力モードにおいて、前記判断手段により一定期間前記システムが動作していないと判断された後、前記第一の制御手段で処理されるべきパケットが発生すると、該パケットが前記パケットテーブルに登録されているときは、前記第一の制御手段で該パケットを処理させ、該パケットが前記パケットテーブルに登録されていないときは、前該パケットを破棄する手順と、
を有する特徴とする電力モード制御方法。
【請求項9】
請求項7又は8に記載の電力モード制御方法をコンピュータに実行させるための電力モード制御プログラム。
【請求項10】
請求項9に記載の電力モード制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−212464(P2012−212464A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−150772(P2012−150772)
【出願日】平成24年7月4日(2012.7.4)
【分割の表示】特願2008−26600(P2008−26600)の分割
【原出願日】平成20年2月6日(2008.2.6)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年7月4日(2012.7.4)
【分割の表示】特願2008−26600(P2008−26600)の分割
【原出願日】平成20年2月6日(2008.2.6)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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