説明

情報処理装置、電子機器、情報処理装置の制御方法、電子機器の制御方法、処理実行システム、制御プログラム、及び記録媒体

【課題】ボタン操作等を行うことなく処理を実行させることができ、かつユーザの意図しない処理が行われ難い情報処理装置等を提供する。
【解決手段】情報処理装置1は、電子機器2と自装置の位置関係が、予め定めた位置関係となっていることを検出する位置関係特定部18と、電子機器2と自装置の位置関係が、予め定めた時間以上継続して維持されていることが、位置関係特定部18によって検出された場合に、上記予め定めた位置関係と、該位置関係のときに実行すべき処理とが対応付けられた処理特定テーブル17を参照して処理を特定し、特定した処理を実行する処理実行部19とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器の位置等に応じて、該電子機器に関連した処理を行う情報処理装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報処理装置や電子機器の高性能化及び多機能化が進んでおり、これに伴い、機器の操作はさらに煩雑で難しいものとなっている。特に、こうした機器に馴染みの薄い国や地域の人々や高齢者等にとって、このような操作は多大な困難を伴うものである。このため、機器の操作に不慣れなユーザにも使いやすい様々なユーザインターフェースが提案されている。
【0003】
例えば、下記の特許文献1には、テレビのリモコンにRFIDタグを取り付け、これを読み取るRFIDリーダを家庭内の複数の位置に配置することが記載されている。そして、RFIDリーダの読み取り結果から、リモコンが家庭内のどこに存在しているかを特定し、特定した位置に応じたテレビの制御情報をホームサーバからリモコンに送信することが記載されている。これにより、テレビに応じた制御情報の再設定を、ユーザ操作を介さずに行うことが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−228225号公報(2006年8月31日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述のような従来技術では、RFIDタグが付いた機器がRFIDリーダに近付いたときには、ユーザの意図にかかわらず、常に再設定処理が行われるという問題がある。
【0006】
例えば、リビングと自室にRFIDリーダが設置され、リビングと自室にテレビが設置された家庭において、RFIDタグが付いたリモコンを持って、ある部屋からリビング経由で自室に移動した場合を考える。
【0007】
このような場合、特許文献1の技術では、まず、リビングのRFIDリーダがこのRFIDタグを検出することによって、リモコンはリビングのテレビに応じた設定とされる。そして、次に、自室のRFIDリーダがこのRFIDタグを検出することによって、リモコンは自室のテレビに応じた設定とされる。
【0008】
つまり、この場合、ユーザの「自室に移動して自室のテレビを見る」という意図に反して、リモコンは一度リビングのテレビに応じた設定とされる。このような、ユーザの意図に沿わない処理が行われることは無駄であり、望ましくない。
【0009】
また、この例では、最終的にはユーザの意図するとおり、自室のテレビに応じた設定とされるので大きな問題はないとも考えられるが、特許文献1のように、RFIDタグが検出されたときに、即、処理を行う構成は、リモコンの設定以外への応用時に大きな問題を生じる。
【0010】
例えば、携帯電話機等の電子機器にホームサーバのような情報処理装置からデータの送信を行う処理を、特許文献1の発明を応用して実現する場合を考える。この場合、電子機器に付されたRFIDタグが、家庭内に設置された何れのRFIDリーダに検出されたときでも、データの送信が行われてしまう。それゆえ、ユーザが電子機器を家庭内で持ち歩くときに、ユーザの意図しないデータ送信が繰り返されるおそれがある。
【0011】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ボタン操作等を行うことなく処理を実行させることができ、かつユーザの意図しない処理が行われ難い情報処理装置等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するために、本発明の情報処理装置は、電子機器に関連した処理を行う情報処理装置であって、上記電子機器と自装置の位置関係が、予め定めた位置関係となっていることを検出する検出手段と、上記電子機器と自装置の位置関係が、予め定めた時間以上継続して維持されていることが、上記検出手段によって検出された場合に、上記予め定めた位置関係と、該位置関係のときに実行すべき処理とが対応付けられた対応情報を参照して処理を特定し、特定した処理を実行する処理実行手段とを備えていることを特徴としている。
【0013】
また、上記の課題を解決するために、本発明の情報処理装置の制御方法は、電子機器に関連した処理を行う情報処理装置の制御方法であって、上記電子機器と上記情報処理装置の位置関係が、予め定めた位置関係となっていることを検出する検出ステップと、上記検出ステップにて、上記電子機器と上記情報処理装置の位置関係が、予め定めた時間以上継続して維持されていることが検出された場合に、上記予め定めた位置関係と、該位置関係のときに実行すべき処理とが対応付けられた対応情報を参照して処理を特定する処理特定ステップと、上記処理特定ステップで特定した処理を実行する処理実行ステップとを含むことを特徴としている。
【0014】
上記の構成によれば、電子機器と情報処理装置の位置関係が予め定めた時間以上継続して維持されていることが検出された場合に、対応情報を参照して特定した、当該位置関係に対応する処理を実行する。
【0015】
したがって、ユーザは、電子機器と情報処理装置とを所定の位置関係にするだけで、情報処理装置に処理を実行させることができる。つまり、上記の構成によれば、電子機器または情報処理装置に対してボタン操作等を行う必要がなく、このような機器の扱いに不慣れなユーザでも容易に操作を行うことが可能になる。
【0016】
なお、情報処理装置に対する一切のボタン操作を不要とする必要はなく、電子機器と情報処理装置とを所定の位置関係にすることによって所定の処理を実行させると共に、従来から行われているボタン操作等によって他の処理を実行させても構わない。この場合であって、上記所定の処理を実行させるためのボタン操作等が不要になるので、ユーザ操作は容易になる。
【0017】
また、上記の構成によれば、位置関係が予め定めた時間以上継続して維持されていることが検出された場合に処理を実行するので、ユーザが情報処理装置に処理を実行させるという意図を持っていないが、電子機器と情報処理装置とが偶然に所定の位置関係となったような場合に、ユーザの意図しない処理が行われることもない。
【0018】
なお、上記位置関係としては、電子機器の情報処理装置に対する位置の他、電子機器の情報処理装置に対する向きも含まれる。例えば、この位置関係として、「情報処理装置の右側に電子機器が位置している」、「情報処理装置に対して○○の方向に電子機器が位置している」、及び「電子機器の上側が情報処理装置に向いている」等が挙げられる。
【0019】
また、上記位置関係は、電子機器のユーザと電子機器との位置関係から推測されるものであってもよい。例えば、「電子機器のユーザが電子機器を右手に持った状態で情報処理装置に検出された」ときの電子機器と情報処理装置との位置関係に対して処理が対応付けられていてもよい。
【0020】
また、上記対応情報は、上記電子機器の種別に応じた処理が対応付けられたものであり、上記電子機器の種別を特定する種別特定手段を備え、上記処理実行手段は、上記電子機器と自装置の位置関係が、予め定めた時間以上継続して維持されていることが、上記検出手段によって検出された場合に、上記対応情報を参照して、上記種別特定手段が特定した種別に応じた処理を特定し、特定した処理を実行することが好ましい。
【0021】
上記の構成によれば、電子機器の種別を特定し、電子機器の種別に応じた処理が対応付けられた対応情報を用いて、処理を特定及び実行する。したがって、ユーザは、電子機器と情報処理装置とを所定の位置関係にするだけで、電子機器の種別に応じた処理を情報処理装置に実行させることができる。
【0022】
ここで、上記対応情報に含まれる処理は、電子機器に関連した処理であれば特に限定されないが、上記対応情報には、上記電子機器に命令または情報を送信する処理が含まれていてもよい。
【0023】
この構成によれば、電子機器と情報処理装置とを所定の位置関係にするだけで、情報処理装置から電子機器に命令または情報を送信することができる。
【0024】
また、上記対応情報には、上記電子機器に命令または情報を送信して、自装置にコンテンツを送信させる処理、または上記電子機器にコンテンツを送信する処理が含まれていてもよい。
【0025】
上記の構成によれば、電子機器と情報処理装置とを所定の位置関係にするだけで、コンテンツを情報処理装置または電子機器に取り込むことができる。なお、電子機器に情報を送信してコンテンツを送信させる場合、この情報は、その送信により、最終的に電子機器からコンテンツが送信されるものであればよい。例えば、電子機器が、位置関係に対応するコンテンツを送信する機能を有している場合、上記情報は上記位置関係を示すものであってもよい。
【0026】
また、上記対応情報には、上記電子機器が自装置に対してコンテンツを送信すること、または自装置が送信するコンテンツを上記電子機器が受信することの可否を、上記電子機器のユーザに選択させるための表示を行わせる命令を当該電子機器に送信する処理が含まれていることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の情報処理装置。
【0027】
上記の構成によれば、電子機器と情報処理装置とを所定の位置関係にすることによって、電子機器が情報処理装置に対してコンテンツを送信すること、または情報処理装置が送信するコンテンツを電子機器が受信することの可否を選択させるための表示を電子機器に行わせることができる。したがって、コンテンツの送信または受信の可否を電子機器のユーザに選択させることができる。
【0028】
なお、この場合、電子機器のユーザは、例えばボタン操作等によって、コンテンツの送信または受信の可否を選択する操作を行う必要がある。しかし、コンテンツの送信または受信の可否を選択させるための表示は、電子機器と情報処理装置とを所定の位置関係にするだけで行われるので、従来のようにボタン操作等を行ってメニュー画面等からこのような画面を呼び出して表示させる構成と比べて、ユーザの操作は容易になる。
【0029】
無論、コンテンツの送信または受信を許可する処理や拒否する処理を上記対応情報に含めておき、コンテンツの送信または受信の可否を選択する画面の表示から、可否の選択までの処理を、電子機器と情報処理装置とを所定の位置関係にすることによって実行させることも可能である。
【0030】
また、上記対応情報は、複数の位置関係のそれぞれについて処理が対応付けられたものであってもよい。
【0031】
上記の構成によれば、対応情報が複数の位置関係のそれぞれについて処理が対応付けられたものである。したがって、ある位置関係としたときに、その位置関係に対応付けられた処理を実行させることができると共に、他の位置関係としたときにも、その位置関係に対応付けられた処理を実行させることができる。
【0032】
また、上記検出手段は、上記電子機器の自装置に対する向きが予め定めた第1の向きとなっていること、及び上記第1の向きとは異なる第2の向きとなっていることを検出し、上記対応情報では、上記電子機器が自装置に対して第1の向きとなっている位置関係に、自装置に対してコンテンツを送信させる命令を上記電子機器に送信する処理が対応付けられていると共に、上記電子機器が自装置に対して上記第2の向きとなっている位置関係に、上記電子機器にコンテンツを送信する処理が対応付けられていることが好ましい。
【0033】
上記の構成によれば、電子機器を情報処理装置に対して第1の向きとしたときには、検出手段によってこの位置関係が検出され、対応情報に基づいて、コンテンツの送信命令が電子機器に送信される。一方、電子機器を情報処理装置に対して第2の向きとしたときには、コンテンツが電子機器に送信される。
【0034】
すなわち、上記の構成によれば、電子機器の向きを変えることによって、コンテンツの送信または受信を行うことができる。したがって、ユーザは、コンテンツの送信と受信を簡易に切り替えることができる。特に、第2の向きを第1の向きと逆向きとした場合には、向きを逆転させることによって、送信と受信という逆の処理が行われるので、ユーザが直感的に送受信を切り替えることができて好ましい。
【0035】
また、上記対応情報の異なる位置関係に対応付けられた処理には、異なる属性のコンテンツを送信させる命令を上記電子機器に送信する処理、または異なる属性のコンテンツを上記電子機器に送信する処理が含まれていることが好ましい。
【0036】
上記の構成によれば、電子機器と情報処理装置とをある位置関係としたときに、その位置関係に応じた属性のコンテンツを電子機器に送信、または電子機器から受信することができる。
【0037】
つまり、上記の構成によれば、ユーザは、電子機器と情報処理装置との位置関係を変えるという簡易な動作で電子機器または情報処理装置に取り込むコンテンツの属性を変えることができる。また、位置関係に応じた適切な属性のコンテンツを取り込むことも可能になる。例えば、電子機器が書斎にあるときには電子書籍という属性のコンテンツを送信し、電子機器がリビングにあるときには音楽という属性のコンテンツを送信することもできる。
【0038】
また、上記情報処理装置は、上記電子機器の充電を行う充電部をさらに備え、上記対応情報では、上記電子機器と自装置との距離によらず、適正範囲の電圧で上記電子機器が充電されるように、自装置との距離に応じた出力で上記充電部を動作させて上記電子機器の充電を行う処理が対応付けられていることが好ましい。
【0039】
上記の構成によれば、電子機器と情報処理装置とを所定の位置関係とすることによって、電子機器を充電することができる。また、上記の対応情報を用いることによって、充電部の動作出力は、情報処理装置と電子機器との距離に応じたものとなり、常に適正範囲の電圧での充電を行うことが可能になる。
【0040】
また、上記情報処理装置は、上記電子機器に放電させる放電部をさらに備え、上記対応情報には、上記放電部により上記電子機器に放電を行わせる処理が含まれていることが好ましい。
【0041】
上記の構成によれば、電子機器と情報処理装置とを所定の位置関係とすることによって、電子機器を放電させることができる。これにより、例えば長期間使用しない電子機器を容易に放電させることができる。また、例えば充電前の電子機器に放電させ、放電完了後に充電を行うことによって、該電子機器の充電池の寿命の低下を防ぐこともできる。
【0042】
また、上記処理実行手段は、上記検出手段が、上記電子機器と自装置の位置関係が、予め定めた位置関係となっていることを検出しなくなったときに、位置関係と該位置関係が解消されたときに実行すべき処理とが対応付けられた解消時用対応情報を参照して、当該位置関係が解消されたときに実行すべき処理を特定し、特定した処理を実行することが好ましい。
【0043】
上記の構成によれば、電子機器と情報処理装置との位置関係が、予め定めた位置関係となっていることを検出しなくなったときに、解消時用対応情報を参照して特定した、その位置関係が解消されたときに実行すべき処理を実行する。
【0044】
つまり、上記の構成によれば、情報処理装置と電子機器とを所定の位置関係としたときに、そのときに応じた処理を情報処理装置に実行させることができると共に、その位置関係を解消したときにも、そのときに応じた処理を情報処理装置に実行させることができる。
【0045】
また、上記対応情報には、位置関係が解消されたときに実行すべき処理として、上記電子機器に命令を送信して、該電子機器をキーロック状態にさせる処理が含まれていることが好ましい。
【0046】
上記の構成によれば、所定の位置関係が解消されたときに、電子機器をキーロック状態にさせるので、ユーザは電子機器を自らキーロックする手間が省ける。また、ユーザ以外の者が電子機器を持ち出したときの情報漏洩への対抗手段となる。
【0047】
また、本発明の電子機器は、上記課題を解決するために、情報処理装置から命令または情報を受信して処理を行う電子機器であって、上記情報処理装置と自機の位置関係が、予め定めた位置関係となっており、かつ該位置関係が予め定めた時間以上継続して維持されていることを検出する電子機器側検出手段と、上記電子機器側検出手段が検出した位置関係を上記情報処理装置に通知する通知手段と、上記情報処理装置が、予め定めた位置関係と、該位置関係のときに送信すべき命令または情報とが対応付けられた対応情報を参照して特定した、上記通知手段が通知した位置関係に対応する命令または情報を当該情報処理装置から受信する受信手段とを備えていることを特徴としている。
【0048】
そして、本発明の電子機器の制御方法は、上記課題を解決するために、情報処理装置から命令または情報を受信して処理を行う電子機器の制御方法であって、上記情報処理装置と上記電子機器の位置関係が、予め定めた位置関係となっており、かつ該位置関係が予め定めた時間以上継続して維持されていることを検出する検出ステップと、上記検出ステップで検出した位置関係を上記情報処理装置に通知する通知ステップと、上記情報処理装置が、予め定めた位置関係と、該位置関係のときに送信すべき命令または情報とが対応付けられた対応情報を参照して特定した、上記通知ステップで通知した位置関係に対応する命令または情報を当該情報処理装置から受信する受信ステップとを含むことを特徴としている。
【0049】
上記の構成によれば、電子機器は、情報処理装置との位置関係が予め定めた時間以上継続して維持されていることが検出されたときに、その位置関係を情報処理装置に通知する。そして、情報処理装置がこの通知と対応情報とを用いて特定した命令又は情報を、この情報処理装置から受信する。そして、この電子機器は、情報処理装置から命令または情報を受信して処理を行う機器である。
【0050】
したがって、ユーザは、電子機器と情報処理装置とを所定の位置関係にするだけで、電子機器にその位置関係に応じた処理を行わせることができる。つまり、上記の構成によれば、電子機器に処理を行わせるために、電子機器または情報処理装置に対してボタン操作等を行う必要がなく、このような機器の扱いに不慣れなユーザでも容易に操作を行うことが可能になる。
【0051】
また、上記の構成によれば、位置関係が予め定めた時間以上継続して維持されていることが検出された場合に処理が実行されるので、ユーザが処理を実行させるという意図を持っていないが、電子機器と情報処理装置とが偶然に所定の位置関係となったような場合に、ユーザの意図しない処理が行われることもない。
【0052】
また、本発明の処理実行システムは、上記課題を解決するために、電子機器と該電子機器に関連した処理を行う情報処理装置とを含み、該情報処理装置に処理を実行させる処理実行システムであって、上記電子機器または上記情報処理装置に備えられ、上記電子機器と上記情報処理装置との位置関係が、予め定めた位置関係となっていることを検出する検出手段と、上記情報処理装置に備えられ、上記電子機器と上記情報処理装置との位置関係が、予め定めた時間以上継続して維持されていることが、上記検出手段によって検出された場合に、上記予め定めた位置関係と、該位置関係のときに実行すべき処理とが対応付けられた対応情報を参照して処理を特定し、特定した処理を実行する処理実行手段とを含むことを特徴としており、この構成によれば、上記情報処理装置または上記電子機器と同様の効果を奏する。
【0053】
なお、上記情報処理装置及び上記電子機器は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記情報処理装置または上記電子機器の各手段として動作させることにより、上記情報処理装置または上記電子機器をコンピュータにて実現させる制御プログラム、及びそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0054】
以上のように、本発明の情報処理装置は、電子機器と自装置の位置関係が、予め定めた位置関係となっていることを検出する検出手段と、上記電子機器と自装置の位置関係が、予め定めた時間以上継続して維持されていることが、上記検出手段によって検出された場合に、上記予め定めた位置関係と、該位置関係のときに実行すべき処理とが対応付けられた対応情報を参照して処理を特定し、特定した処理を実行する処理実行手段とを備えている構成である。
【0055】
また、本発明の情報処理装置の制御方法は、電子機器と情報処理装置の位置関係が、予め定めた位置関係となっていることを検出する検出ステップと、上記検出ステップにて、上記電子機器と上記情報処理装置の位置関係が、予め定めた時間以上継続して維持されていることが検出された場合に、上記予め定めた位置関係と、該位置関係のときに実行すべき処理とが対応付けられた対応情報を参照して処理を特定する処理特定ステップと、上記処理特定ステップで特定した処理を実行する処理実行ステップとを含む構成である。
【0056】
そして、本発明の電子機器は、情報処理装置と自機の位置関係が、予め定めた位置関係となっており、かつ該位置関係が予め定めた時間以上継続して維持されていることを検出する電子機器側検出手段と、上記電子機器側検出手段が検出した位置関係を上記情報処理装置に通知する通知手段と、上記情報処理装置が、予め定めた位置関係と、該位置関係のときに送信すべき命令または情報とが対応付けられた対応情報を参照して特定した、上記通知手段が通知した位置関係に対応する命令または情報を当該情報処理装置から受信する受信手段とを備えている構成である。
【0057】
また、本発明の電子機器の制御方法は、情報処理装置と電子機器の位置関係が、予め定めた位置関係となっており、かつ該位置関係が予め定めた時間以上継続して維持されていることを検出する検出ステップと、上記検出ステップで検出した位置関係を上記情報処理装置に通知する通知ステップと、上記情報処理装置が、予め定めた位置関係と、該位置関係のときに送信すべき命令または情報とが対応付けられた対応情報を参照して特定した、上記通知ステップで通知した位置関係に対応する命令または情報を当該情報処理装置から受信する受信ステップとを含む構成である。
【0058】
上記の構成によれば、ユーザは、電子機器と情報処理装置とを所定の位置関係にするだけで、情報処理装置に処理を実行させることができる。つまり、上記の構成によれば、電子機器または情報処理装置に対してボタン操作等を行う必要がなく、このような機器の扱いに不慣れなユーザでも容易に操作を行うことが可能になるという効果を奏する。
【0059】
また、上記の構成によれば、位置関係が予め定めた時間以上継続して維持されていることが検出された場合に処理を実行するので、ユーザが処理を実行させるという意図を持っていないが、電子機器と情報処理装置とが偶然に所定の位置関係となったような場合に、ユーザの意図しない処理が行われることもない。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の一実施形態にかかる処理実行システムに含まれる情報処理装置及び電子機器の要部構成を示すブロック図である。
【図2】上記処理実行システムの概要を示す図である。
【図3】上記電子機器の上記情報処理装置に対する向きに応じてデータを送信または受信する例を説明する図である。
【図4】上記の例で使用する処理特定テーブルの一例を示す図である。
【図5】上記電子機器の位置に応じた処理を行う例を説明する図であり、電子機器が情報処理装置の右側に位置している場合と、左側に位置している場合とで要求するコンテンツの種類を変えた例を示している。
【図6】上記電子機器の位置に応じた処理を行う例を説明する図であり、電子機器の存在する部屋及びその部屋における位置に応じて要求するコンテンツの種類を変えた例を示している。
【図7】図5の例で使用する処理特定テーブルの一例を示す図である。
【図8】コンテンツの送信または受信の可否を自機のユーザに確認させ、また選択させるための画面表示の一例を示す図であり、同図(a)はコンテンツの送信可否を選択させる画面例を示し、同図(b)はコンテンツの受信可否を選択させる画面例を示している。
【図9】電子機器とユーザの位置関係と処理とが対応付けられた処理特定テーブルの一例を示す図である。
【図10】上記処理特定テーブルを生成するときに表示する操作画面の一例を示す図である。
【図11】上記情報処理装置が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【図12】本発明の他の実施形態にかかる情報処理装置及び電子機器の要部構成を示すブロック図である。
【図13】上記情報処理装置が使用する処理特定テーブルの一例を示す図である。
【図14】上記情報処理装置が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【図15】本発明のさらに他の実施形態にかかる情報処理装置及び電子機器の要部構成を示すブロック図である。
【図16】上記電子機器が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0061】
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図15に基づいて詳細に説明する。
【0062】
〔実施の形態1〕
まず、本発明の実施の形態1の概要について図2に基づいて説明する。図2は、本実施形態の処理実行システムの概要を示す図である。図示のように、本実施形態の処理実行システムは、電子機器と情報処理装置とを含むシステムである。
【0063】
この処理実行システムでは、電子機器と情報処理装置との位置関係が、予め定めた位置関係となり、その位置関係が所定時間以上保持されていることを検出したときに、その位置関係に応じた処理が実行される。
【0064】
つまり、この処理実行システムでは、電子機器と情報処理装置とを所定の位置関係とすることによって、その位置関係に応じた処理を実行させることができる。これにより、電子機器及び情報処理装置のユーザは、情報処理装置に対してボタン入力操作等を行うことなく所望の処理を実行させることができる。
【0065】
なお、ここでは、情報処理装置がパーソナルコンピュータであり、電子機器がタブレット端末(電子機器A)、テレビジョン受像機(電子機器B)、及びスマートフォン(電子機器C)であることを想定しているが、電子機器と情報処理装置とは、関連した処理を行うものであればよく、特に限定されない。例えば、情報処理装置は、ブルーレイディスク、DVD、HDD等への録画及びこれらの媒体の再生装置、テレビジョン受像機、セットトップボックス等であってもよい。また、電子機器は、携帯電話機、タブレット端末(電子書籍端末を含む)、ノートパソコン、携帯型ゲーム機等であってもよい。
【0066】
ここで、例えば、図示のように、電子機器Aの上側が情報処理装置に向くという位置関係としたときには、情報処理装置から電子機器Aに、情報処理装置の格納するデータが送信される。一方、電子機器Aの下側が情報処理装置に向くという位置関係としたときには、電子機器Aから情報処理装置に、電子機器Aの格納するデータが送信される。
【0067】
また、例えば、図示のように、情報処理装置の背後に電子機器Bが位置するという位置関係としたときには、情報処理装置と電子機器Bとの間で映像データの送受信が行われる。一方、情報処理装置の側方に位置する電子機器Cとの間では、写真データの送受信が行われる。
【0068】
つまり、図示の処理実行システムでは、情報処理装置に対して電子機器が何れの方向に位置しているかに応じて、予め定めた種類のデータの送受信が、電子機器または情報処理装置に対する入力操作を行うことなく実行される。これにより、ユーザは、情報処理装置と電子機器との間で、所望のデータを極めて容易に共有化することができる。
【0069】
〔情報処理装置及び電子機器の構成〕
次に、上記処理実行システムに含まれる情報処理装置及び電子機器の構成について、図1に基づいて説明する。図1は、処理実行システム3に含まれる情報処理装置1及び電子機器2の要部構成を示すブロック図である。
【0070】
図示のように、情報処理装置1は、情報処理装置1で使用する各種データを格納する記憶部10、情報処理装置1を統括して制御する制御部11、電子機器2を検出する検出部12、電子機器2と通信するための通信部13、情報処理装置1に対するユーザの入力を受け付ける入力部14、及び制御部11の制御に従って画像を表示する表示部15を備えている。
【0071】
また、記憶部10には動画像データ、画像データ、音声データ等のコンテンツを格納するコンテンツ格納部16が含まれており、処理特定テーブル(対応情報)17が格納されている。処理特定テーブル17は、情報処理装置1と電子機器2との位置関係と、その位置関係が所定時間以上保持されているときに実行する処理とが対応付けられたテーブルである。処理特定テーブル17については、後に具体例を挙げて説明する。
【0072】
そして、制御部11には、位置関係特定部(検出手段)18、処理実行部(処理実行手段)19、及びテーブル生成部20が含まれている。
【0073】
位置関係特定部18は、検出部12の検出結果から、情報処理装置1と電子機器2との位置関係が、予め定められた位置関係の何れかに該当するか判断し、該当すると判断した場合には、その位置関係が予め定められた時間以上、保持されているか確認する。そして、保持されていることが確認されたときには、その位置関係を処理実行部19に出力する。
【0074】
なお、予め定められた位置関係とは、処理特定テーブル17に記述されている位置関係である。このため、検出部12は、その検出結果から位置関係特定部18が、この予め定められた位置関係に該当するか判断できるように、この予め定められた位置関係がどのようなものであるかに応じた検出を行う。
【0075】
例えば、予め定められた位置関係として、「電子機器2の情報処理装置1に対する向き」が記述されている場合、検出部12は、電子機器2の情報処理装置1に対する向きを特定できるような検出結果を出力するものとする。具体的には、検出部12をCMOSセンサ等の画像取得センサで構成し、これにより取得した電子機器2の画像を検出結果として出力してもよい。この場合、位置関係特定部18は、検出結果の画像を解析することによって、電子機器2の情報処理装置1に対する向きを特定し、予め定められた位置関係に該当するか判断することができる。
【0076】
また、例えば、予め定められた位置関係として、「情報処理装置1に対する電子機器2の位置する方向」が記述されている場合、検出部12は、電子機器2が情報処理装置1に対して何れの方向に位置しているかを特定できるような検出結果を出力する。具体的には、検出部12を赤外線センサ等で構成し、赤外線を射出する各方向における、該赤外線を遮る物体の有無を検出結果として出力してもよい。この場合、位置関係特定部18は、赤外線を遮る物体が検出された方向に電子機器2が存在すると特定することができる。
【0077】
処理実行部19は、処理特定テーブル17を参照して、位置関係特定部18から出力された位置関係に対応付けられた処理を特定し、特定した処理を実行する。例えば、電子機器2にコンテンツを送信する処理を特定した場合には、コンテンツ格納部16から対象となるコンテンツを読み出して、通信部13から電子機器2に送信する。また、例えば、電子機器からコンテンツを受信する処理を特定した場合には、電子機器2にコンテンツを要求してコンテンツを受信し、受信したコンテンツをコンテンツ格納部16に格納する。
【0078】
テーブル生成部20は、位置関係と処理を対応付けて処理特定テーブル17を生成する。また、処理特定テーブル17に記述されている位置関係または処理を修正して、処理特定テーブル17を更新する。テーブル生成部20が処理特定テーブル17を生成する処理については後に具体例を挙げて説明する。
【0079】
続いて、電子機器2の構成について説明する。図示のように、電子機器2は、電子機器通信部30、電子機器制御部31、及びコンテンツ格納部33を含む電子機器記憶部32を備えている。
【0080】
電子機器通信部30は、電子機器2が情報処理装置1と通信するためのものである。このため、電子機器通信部30は、情報処理装置1の通信部13と通信可能なものとする。また、電子機器制御部31は、電子機器2の動作を統括して制御するものであり、電子機器記憶部32は、電子機器2で使用する各種データを格納するものである。なお、コンテンツ格納部33は、情報処理装置1のコンテンツ格納部16と同様である。
【0081】
電子機器制御部31は、情報処理装置1から命令を受信したときには、その命令に従って動作する。例えば、情報処理装置1からコンテンツの送信要求を受信したときには、この要求に従って、コンテンツ格納部33から要求されたコンテンツを読み出し、電子機器通信部30から情報処理装置1に送信する。また、電子機器制御部31は、情報処理装置1からコンテンツを受信したときには、受信したコンテンツをコンテンツ格納部33に格納する。
【0082】
〔電子機器の向きに応じた処理を行う例〕
次に、電子機器2の向きに応じた処理を行う例について、図3及び図4に基づいて説明する。図3は、電子機器2の報処理装置1に対する向きに応じてデータを送信または受信する例を説明する図であり、図4はこの例で使用する処理特定テーブル17の一例を示す図である。
【0083】
図3では、情報処理装置1がホームサーバであり、電子機器2がタブレット端末、デジタルフォトフレーム、及び携帯電話機である例を示している。そして、これら電子機器2のうち、タブレット端末とデジタルフォトフレームは、その上側がホームサーバの方に向いている。
【0084】
ホームサーバは、このような配置となったことを検出して、タブレット端末とデジタルフォトフレームにデータを送信する。つまり、ユーザは、電子機器2(タブレット端末またはデジタルフォトフレーム)の上側を情報処理装置1(ホームサーバ)に向けるという操作により、情報処理装置1から電子機器2にデータを取り込むことができる。
【0085】
また、図3において、携帯電話機は、その下側がホームサーバの方に向いている。ホームサーバは、このような配置となったことを検出して、携帯電話機にデータの送信を要求し、データを受信する。つまり、ユーザは、電子機器2(携帯電話機)の下側を情報処理装置1(ホームサーバ)に向けるという操作により、電子機器2のデータを情報処理装置1に取り込むことができる。
【0086】
図4の処理特定テーブル17では、「電子機器の上端が自装置に向いている」という位置関係に対し、「電子機器にコンテンツを送信する」という処理が対応付けられている。また、「電子機器の下端が自装置に向いている」という位置関係に対し、「電子機器にコンテンツの送信を要求する」という処理が対応付けられている。なお、コンテンツは、動画像、静止画像、音声、テキスト等のデータを指す。
【0087】
情報処理装置1は、この処理特定テーブル17を参照することによって、「電子機器の上端が自装置に向いている」位置関係となっているときに、「電子機器にコンテンツを送信する」処理を行う。同様に、「電子機器の下端が自装置に向いている」位置関係となっているときに、「電子機器にコンテンツの送信を要求する」処理を行う。
【0088】
具体的には、情報処理装置1の位置関係特定部18は、検出部12の検出結果から、情報処理装置1と電子機器2との位置関係が、「電子機器の上端が自装置に向いている」に該当するか、「電子機器の下端が自装置に向いている」に該当するか判断する。そして、該当すると判断した場合には、その位置関係が予め定められた時間以上、保持されているか確認する。そして、保持されていることが確認されたときには、その位置関係を処理実行部19に出力する。
【0089】
この出力を受信した処理実行部19は、処理特定テーブル17を参照することにより、「電子機器の上端が自装置に向いている」場合には、「電子機器にコンテンツを送信する」処理を特定し、「電子機器の下端が自装置に向いている」場合には、「電子機器にコンテンツの送信を要求する」処理を特定し、特定した処理を実行する。
【0090】
これにより、「電子機器の上端が自装置に向いている」場合には、情報処理装置1から電子機器2にコンテンツが送信され、「電子機器の下端が自装置に向いている」場合には、電子機器2から情報処理装置1にコンテンツが送信される。
【0091】
なお、処理特定テーブル17に記述される「向き」は、上記の例に限られない。例えば、電子機器2の右または左の側面や、上面または下面が情報処理装置1に向いている「向き」を処理特定テーブル17に記述してもよい。また、「向き」に対応付ける処理も上記の例に限られない。
【0092】
ただし、ユーザが直感的に操作できることを考慮して、上記の例のように、電子機器2の向きが逆転したときには逆の処理(送信と受信、キーロックとキーロック解除等)が行われるように、逆の向きには逆の処理を対応付けることが好ましい。
【0093】
〔電子機器の位置に応じた処理を行う例〕
次に、電子機器2の位置に応じた処理を行う例について、図5から図8に基づいて説明する。
【0094】
図5は、電子機器2の位置に応じた処理を行う例を説明する図であり、電子機器2が情報処理装置1の右側に位置している場合と、左側に位置している場合とで要求するコンテンツの種類を変えた例を示している。
【0095】
同図では、情報処理装置1がBD(ブルーレイディスク)レコーダであり、電子機器2がタブレット端末、デジカメ(デジタルカメラ)、及び携帯電話機である例を示している。そして、これらの電子機器2のうち、タブレット端末は、BDレコーダの左側に位置している。
【0096】
BDレコーダは、このような配置となったことを検出すると、タブレット端末から電子書籍のデータを受信する。つまり、ユーザは、電子機器2(タブレット端末)を情報処理装置1(BDレコーダ)の左側に置く(または左側で保持する)操作により、電子機器2の格納するデータのうち、電子書籍のデータを情報処理装置1に取り込むことができる。
【0097】
一方、図5では、デジカメ及び携帯電話機がBDレコーダの右側に位置している。BDレコーダは、このような配置となったことを検出すると、デジカメ及び携帯電話機から画像データを受信する。つまり、ユーザは、電子機器2(デジカメまたは携帯電話機)を情報処理装置1(BDレコーダ)の右側に置く(または右側で保持する)操作により、電子機器2の格納するデータのうち、画像データを情報処理装置1に取り込むことができる。
【0098】
このような処理は、図7の処理特定テーブル17を用いることによって実現することができる。図7は、図5の例で使用する処理特定テーブル17の一例を示す図である。
【0099】
図7の処理特定テーブル17では、「電子機器が自装置の左側に位置している」という位置関係に対し、「電子機器に電子書籍の送信を要求する」という処理が対応付けられている。また、「電子機器が自装置の右側に位置している」という位置関係に対し、「電子機器に画像データの送信を要求する」という処理が対応付けられている。
【0100】
このような処理特定テーブル17を用いる場合、情報処理装置1の位置関係特定部18は、検出部12の検出結果から、情報処理装置1と電子機器2との位置関係が、「電子機器が自装置の左側に位置している」に該当するか、「電子機器が自装置の右側に位置している」に該当するか判断する。そして、該当すると判断した場合には、その位置関係が、予め定められた時間以上保持されているか確認する。そして、保持されていることが確認されたときには、その位置関係を処理実行部19に出力する。
【0101】
この出力を受信した処理実行部19は、処理特定テーブル17を参照することにより、「電子機器が自装置の左側に位置している」場合には、「電子機器に電子書籍の送信を要求する」処理を特定し、「電子機器が自装置の右側に位置している」場合には、「電子機器に画像データの送信を要求する」処理を特定し、特定した処理を実行する。
【0102】
そして、このような要求を受信した電子機器2の電子機器制御部31は、要求されたデータをコンテンツ格納部33から読み出して、情報処理装置1に送信する。なお、コンテンツ格納部33に格納されているコンテンツのデータには、その属性を示す属性情報が含まれている。そして、電子機器制御部31は、この属性情報を参照することによって、電子書籍のデータや画像データを抽出する。なお、属性とは、例えば、動画像、静止画像、音声等のコンテンツの種類や性質等を示すものであり、データの生成/更新日時や作成者等もこの属性の概念には含まれる。
【0103】
これにより、「電子機器が自装置の左側に位置している」場合には、情報処理装置1から電子機器2に電子書籍のデータが送信され、「電子機器が自装置の右側に位置している」場合には、電子機器2から情報処理装置1に画像データが送信される。
【0104】
なお、位置及び向きの両方で位置関係を規定してもよい。例えば、「電子機器が自装置の左側に位置しており、かつ電子機器の上側が自装置に向いている」等の位置関係を処理特定テーブル17に含めてもよい。
【0105】
また、図7の処理特定テーブル17では、「電子機器が自装置の正面に位置している」という位置関係に対し、「電子機器にコンテンツの送信可否選択画面を表示させる」という処理が対応付けられている。また、「電子機器が自装置の上側に位置している」という位置関係に対し、「電子機器にコンテンツの受信可否選択画面を表示させる」という処理が対応付けられている。
【0106】
これにより、検出部12の検出結果から、情報処理装置1と電子機器2との位置関係が、「電子機器が自装置の正面に位置している」に該当し、かつこの位置関係が所定時間以上保持されていることが確認されたときには、処理実行部19は、「電子機器にコンテンツの送信可否選択画面を表示させる」処理を行う。具体的には、処理実行部19は、電子機器2に命令を送信して、電子機器2から情報処理装置1にコンテンツを送信してよいかを、電子機器2のユーザに確認させる。
【0107】
同様に、情報処理装置1と電子機器2との位置関係が、「電子機器が自装置の上側に位置している」に該当し、かつこの位置関係が所定時間以上保持されていることが確認されたときには、処理実行部19は、「電子機器にコンテンツの受信可否選択画面を表示させる」処理を行う。具体的には、処理実行部19は、電子機器2に命令を送信して、情報処理装置1から電子機器2にコンテンツを送信してよいかを、電子機器2のユーザに確認させる。
【0108】
このような命令を受信した電子機器2では、コンテンツの送信または受信の可否を自機のユーザに確認させ、また選択させるための画面表示を行う。例えば、図8のような画面表示を行ってもよい。
【0109】
図8は、コンテンツの送信または受信の可否を自機のユーザに確認させ、また選択させるための画面表示の一例を示す図であり、同図(a)はコンテンツの送信可否を選択させる画面例を示し、同図(b)はコンテンツの受信可否を選択させる画面例を示している。
【0110】
図8(a)の例では、「コンテンツを送信しますか?」というメッセージと共に、ユーザに選択させる項目「YES」及び「NO」が表示されている。このメッセージにより、電子機器2のユーザは、電子機器2から情報処理装置1にコンテンツが送信されようとしていることを認識することができると共に、「YES」または「NO」の項目を選択することによって、送信の可否を選択することができる。
【0111】
また、図8(b)の例では、「コンテンツを受信しますか?」というメッセージと共に、ユーザに選択させる項目「YES」及び「NO」が表示されている。このメッセージにより、電子機器2のユーザは、情報処理装置1から電子機器2にコンテンツが送信されようとしていることを認識することができると共に、「YES」または「NO」の項目を選択することによって、受信の可否を選択することができる。
【0112】
このように、コンテンツの送信可否を電子機器2に確認させることにより、電子機器2のユーザの意図しないコンテンツの送信または受信が行われることを防ぐことができる。なお、電子機器2に表示させるメッセージや画像は、上記の例のように電子機器2が保持しているものであってもよいし、情報処理装置1がメッセージや画像を送信して表示させてもよい。
【0113】
なお、上記の例では、「YES」または「NO」の項目をユーザがボタン操作等によって選択することを想定しているが、この選択を情報処理装置1と電子機器2の位置関係を変化させることによって行うようにしてもよい。この場合、処理特定テーブル17において、「YES」を選択する処理をある位置関係に対応付けておき、また「NO」を選択する処理を他の位置関係と対応付けておけばよい。
【0114】
例えば、電子機器2が情報処理装置1の上側に位置していることが検出され、「YES」または「NO」の項目を選択する画面が表示された後、電子機器2が情報処理装置1の右側で検出されたときには「YES」を選択する処理が行われたと判断し、左側で検出されたときには「NO」を選択する処理が行われたと判断してもよい。これにより、「YES」または「NO」の項目を選択する際にもボタン操作等を行う必要がなくなる。
【0115】
ここで、情報処理装置1を各部屋に設置することにより、電子機器2がホームサーバと異なる部屋や、距離的にある程度離れた位置にある場合でも、電子機器2の位置に応じた処理をホームサーバに行わせることができる。
【0116】
これについて、図6に基づいて説明する。図6は、電子機器2の存在する部屋及びその部屋における位置に応じて要求するコンテンツの種類を変えた例を示している。同図では、電子機器2がタブレット端末、ポータブル音楽プレーヤ、及び携帯電話機である例を示している。また、図示のように一階のリビングルームにはホームサーバが配置されている。そして、一階の書斎の机の上には情報処理装置1とタブレット端末が配置されており、二階の子供部屋の枕元には情報処理装置1とポータブル音楽プレーヤ及び携帯電話機が配置されている。
【0117】
一階書斎の机の上の情報処理装置1は、図示のように、タブレット端末が情報処理装置1の左側に置かれたことを検出すると、タブレット端末に電子書籍のデータを送信するように、ホームサーバに命令を送信する。つまり、ユーザがタブレット端末を書斎の机の上の情報処理装置1の左側に置いたときには、ホームサーバから、そのタブレット端末に自動的に電子書籍のデータが送信される。
【0118】
このように、情報処理装置1は、電子機器2とは異なる機器(この例ではホームサーバ)に、命令または情報を送信して、電子機器2と情報処理装置1との位置関係に応じた所定の処理(この例では電子書籍データの送信)を行わせてもよい。
【0119】
なお、タブレット端末へのデータ送信は、情報処理装置1を介して行ってもよい。この場合、情報処理装置1は、自装置に電子書籍のデータを送信するようにホームサーバに命令を送信し、この命令に応じて該ホームサーバから受信する電子書籍のデータをタブレット端末に送信する。
【0120】
また、ホームサーバが、情報処理装置1と同様に、位置関係に応じた処理を特定して実行する機能を有している場合、情報処理装置1からホームサーバに位置関係を示す情報を送信することによっても上記と同様の処理を実現できる。
【0121】
この場合、情報処理装置1は、自装置とタブレット端末との位置関係を示す情報をホームサーバに送信する。そして、この情報を受信したホームサーバは、その情報が示す位置関係に対応する処理である、電子書籍のデータのタブレット端末への送信処理を行う。
【0122】
なお、送信する電子書籍のデータは、送信先の電子機器2の位置に応じた種別のものとしてもよい。例えば、子供部屋の机の上に配置された情報処理装置1に対して、所定の位置関係に電子機器2がある場合には、電子書籍データのうち、教科書や参考書等のデータをホームサーバから電子機器2に送信させてもよい。このように、情報処理装置1には、電子機器2の位置に応じた適切な処理を実行させることが可能である。
【0123】
また、情報処理装置1が、例えば検出部12の検出結果から、電子機器2の向きを特定することができる場合には、位置及び向きに応じた処理を行うこともできる。すなわち、図6の二階子供部屋の枕元のように、電子機器2が情報処理装置1の右側に位置しており、かつ電子機器2の上側が情報処理装置1に向いている位置関係である場合に、ホームサーバから電子機器2に音楽データを自動的に送信するように構成することができる。同様に、電子機器2が情報処理装置1の右側に位置しており、かつ電子機器2の下側が情報処理装置1に向いている位置関係である場合に、電子機器2に命令してホームサーバに音楽データを送信させることも可能である。
【0124】
なお、この例では、位置及び向きの両方の条件が満たされたことを確認したときに処理を実行しているが、何れかの条件が満たされたことを確認したときに処理を実行し、その後、他方の条件が満たされたことを確認したときに他の処理を実行するようにしてもよい。
【0125】
例えば、情報処理装置1は、まず、電子機器2の上側が自装置に向いているか確認し、向いていることが確認されたときに、電子機器2にデータ送信を行うことを決定してもよい。そして、情報処理装置1は、電子機器2にデータ送信を行うことを決定した後、電子機器2の位置を確認し、その位置に応じたコンテンツの種別を特定し、特定した種別のコンテンツを電子機器2に送信してもよい。
【0126】
なお、情報処理装置1は、自装置から電子機器2にデータ送信を行うことを決定したときに、データ送信の可否をユーザに選択させる表示や、電子機器2の位置と送信するコンテンツの種別との対応を示す表示を行ってもよい。また、電子機器2に命令してこのような表示を行わせてもよい。
【0127】
このように、「所定の種別のコンテンツを電子機器2に送信する」という処理を確定させるために、電子機器2の位置と向きを、一定の時間間隔をおいて段階的に特定することにより、ユーザが電子機器の位置関係や向きを変えることによって、あたかもリモコンのボタンを押しながら操作を進めていくような操作感を実現することも可能となる。
【0128】
ここで、上記では、電子機器2との位置関係を直接検出する例について説明したが、間接的に検出してもよい。例えば、電子機器2とそのユーザとの位置関係を電子機器2と情報処理装置1の位置関係として検出してもよい。これについて、図9に基づいて説明する。
【0129】
図9は、電子機器2とユーザの位置関係と、処理とが対応付けられた処理特定テーブル17の一例を示す図である。図示のように、「電子機器がユーザの右手に保持されている」という位置関係に対し、「電子機器にコンテンツを送信する」処理が対応付けられており、「電子機器がユーザの左手に保持されている」という位置関係に対し、「電子機器にコンテンツの送信を要求する」処理が対応付けられている。
【0130】
これにより、検出部12の検出結果から、「電子機器がユーザの右手に保持されている」に該当し、かつこの位置関係が所定時間以上保持されていることが確認されたときには、処理実行部19は、「電子機器にコンテンツを送信する」処理を行う。また、「電子機器がユーザの左手に保持されている」に該当し、かつこの位置関係が所定時間以上保持されていることが確認されたときには、「電子機器にコンテンツの送信を要求する」処理を行う。
【0131】
なお、この場合、検出部12は、「電子機器がユーザの左手に保持されている」こと、または「電子機器がユーザの右手に保持されている」ことを、位置関係特定部18が特定できるような検出結果を出力するものとする。例えば、検出部12をCMOSセンサ等の画像取得センサで構成し、これにより取得した電子機器2及びそのユーザの画像を検出結果として出力してもよい。この場合、位置関係特定部18は、検出結果の画像を解析することによって、電子機器2がユーザの何れの手に保持されているか判断することができる。
【0132】
また、位置関係特定部18は、電子機器2の種別を特定する機能、すなわち、電子機器の種別を特定する種別特定手段としての機能も有していてもよい。この場合、情報処理装置1と電子機器2の位置関係が同じであっても、電子機器2の種別が異なっていると、その種別に適したコンテンツを送信あるいは受信することができる。例えば、「電子機器が自装置の左側に位置している」という位置関係に対し、該電子機器がタブレット端末の場合は「電子機器に電子書籍を送信する」処理を、該電子機器が携帯電話機の場合は「電子機器に画像データを送信する」処理を対応付けることができる。無論、種別特定手段は位置関係特定部18とは別に設けてもよい。また、種別の特定方法は特に限定されず、例えば電子機器2に、該電子機器2の種別を特定する情報の送信を要求し、この要求に応じて受信した情報を参照することによって、種別を特定してもよい。
【0133】
〔処理特定テーブルの生成〕
次に、テーブル生成部20が処理特定テーブル17を生成する処理について、図10に基づいて説明する。図10は、処理特定テーブル17を生成するときに表示する操作画面の一例を示す図である。
【0134】
図示の操作画面では、画面上部に「メニュー−位置の設定」と表示されており、これにより、位置を設定するメニュー画面であることをユーザに認識させている。また、位置の設定対象となるユーザが「お父さん」であることが表示されている。つまり、ここでは、ユーザごとに位置の登録が可能であることを想定している。
【0135】
なお、ユーザごとの登録を可能にする場合、ユーザごとに処理特定テーブル17を生成し、ユーザを特定する情報と対応付けて記憶しておく。また、何れのユーザの処理特定テーブル17を用いるかは、予めユーザが設定するようにしてもよいし、検出部12が電子機器2を検出したときに、その電子機器2のユーザを判定し、そのユーザの処理特定テーブル17を自動的に適用するようにしてもよい。電子機器2のユーザ判定は、電子機器2のユーザを特定するための情報を当該電子機器2から取得することによって行うこともできるし、ユーザを撮影し、撮影した画像を解析することによって行うこともできる。
【0136】
そして、図示の操作画面では、画面中央にBDレコーダの絵が表示されている。つまり、この例では、情報処理装置1がBDレコーダである。また、その上側、下側、左側、及び右側には、登録する処理の候補が表示されている。ユーザは、表示されている候補を選択することにより、その候補の処理を上側、下側、左側、または右側の位置に対応付けることができる。
【0137】
図示の操作画面では、候補として「画像」、「電子書籍」、「動画」、「映像出力」、及び「音楽」が表示されている。このうち、「画像」、「電子書籍」、「動画」、及び「音楽」は、それぞれ電子機器2に画像データ、電子書籍のデータ、動画データ、及び音楽のデータ(楽曲データ)の送信を要求する処理を示している。また、「映像出力」は、電子機器2に映像出力を行わせる処理を示している。無論、位置関係に対応付ける処理はこれらの例に限られず、電子機器2と情報処理装置1に関連する任意の処理を対応付けることができる。
【0138】
ここで、図示の操作画面では、BDレコーダの上側に「動画」「映像出力」及び「音楽」の候補が表示されており、「映像出力」にカーソルが合わされている。この状態で、操作画面右下の「次へ」を選択することによって選択が確定し、BDレコーダの上側の位置には、「映像出力」という処理が登録される。
【0139】
具体的には、テーブル生成部20が、上記のような確定操作が行われたことを検出し、情報処理装置1の上側に電子機器2が位置しているという位置関係に、電子機器2からコンテンツを受信して映像出力する処理が対応付けられた処理特定テーブル17を生成する。なお、処理特定テーブル17が既に存在している場合には、この処理特定テーブル17に上記位置関係と処理とを追加して更新する。また、既存の処理特定テーブル17において、上記位置関係に他の処理が対応付けられている場合には、この処理の代わりに、新たに登録された処理を記述して処理特定テーブル17を更新する。
【0140】
なお、カーソルが合わされている処理は、これらの候補の上側及び下側に表示されている三角形を選択することによって候補をスクロールさせて切り替えることができる。また、操作画面左下の「戻る」を選択した場合には、処理特定テーブル17の生成及び更新は行われず、この操作画面が表示される前に表示されていた画面が再表示される。
【0141】
〔処理の流れ〕
続いて、情報処理装置1が実行する処理の流れを図11に基づいて説明する。図11は、情報処理装置1が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0142】
まず、検出部12は、電子機器2を検出し(S1)、検出結果を位置関係特定部18に出力する。次に、位置関係特定部18は、出力された検出結果から、情報処理装置1と検出した電子機器2とが所定の位置関係の何れかに該当するか判断する(S2;検出ステップ)。なお、所定の位置関係とは、処理特定テーブル17に含まれる位置関係である。
【0143】
ここで、所定の位置関係に該当しないと判断した場合(S2でNO)、位置関係特定部18は、情報処理装置1からエラー音を出力させて、位置関係が適切ではないことをユーザに報知し(S3)、処理はS1に戻る。また、S3では、エラー音の代わりに、またはエラー音と共に、光や画像でユーザへの報知を行ってもよい。これにより、電子機器2のユーザは、情報処理装置1に処理を実行させるための位置関係となっていないことを認識し、電子機器2の位置を修正することができる。また、エラー音の出力は電子機器2から行ってもよく、この場合には情報処理装置1から電子機器2にエラー音を出力させる命令を送信する。
【0144】
なお、ユーザが情報処理装置1に処理を実行させることを意図せずにそのような位置関係とした場合に、ユーザはエラー音を煩わしく感じることも考えられるので、S3の処理は省略してもよい。
【0145】
一方、所定の位置関係に該当すると判断した場合(S2でYES)、位置関係特定部18は、その位置関係が所定時間以上保持されているか判断する(S4)。具体的には、位置関係特定部18は、この時点における検出部12の検出結果を取得することによって、位置関係が保持されているか判断する。
【0146】
なお、上記所定時間は、特に限定されないが、少なくともユーザが情報処理装置1との通信を意図していることが推認できる程度の時間とすることが好ましい。例えば、上記所定時間を1秒から10秒の間の時間としてもよい。
【0147】
ここで、位置関係が保持されていないと判断した場合(S4でNO)、位置関係特定部18は、情報処理装置1からエラー音を出力させて(S3)、処理はS1に戻る。なお、この場合、エラー音と共に、画像や音声などにより、位置関係が変更されたことをユーザに報知してもよい。これにより、位置関係が変更されたことにより、処理が実行されない状態となったことをユーザに認識させることができる。
【0148】
一方、位置関係が保持されていると判断した場合(S4でYES)、位置関係特定部18は、保持されていると判断した位置関係を処理実行部19に出力する(S5)。続いて、処理実行部19は、記憶部10に格納されている処理特定テーブル17を参照し、位置関係特定部18から出力された位置関係に対応する処理を特定する(S6;処理特定ステップ)。
【0149】
最後に、処理実行部19は、S6で特定した処理を実行し(S7;処理実行ステップ)、これにより情報処理装置1の実行する処理は終了する。なお、ある位置関係において、その位置関係に対応付けられた処理を実行した後は、その位置関係が一度解消されて、再びその位置関係となるまで処理を行わないようにしてもよいし、一定時間が経過したときに再び処理を行うようにしてもよい。後者の場合、例えば電子機器2の格納するコンテンツの更新を、定期的に情報処理装置1に反映させることもできる。
【0150】
〔実施の形態2〕
次に、本発明の実施の形態2の処理実行システムについて、図12から図14に基づいて説明する。なお、本実施形態の処理実行システムは、情報処理装置40と電子機器2を含むシステムであり、情報処理装置40は、電子機器2の充電を行うことができる点、及び所定の位置関係が解消されたときにも所定の処理を行う点が、情報処理装置1との主な相違点である。以下では、上記実施形態と同様の構成については同一の参照番号を付し、その説明を省略する。
【0151】
〔情報処理装置の構成〕
まず、情報処理装置40の構成について、図12に基づいて説明する。図12は、情報処理装置40及び電子機器2の要部構成を示すブロック図である。情報処理装置40は、図1の情報処理装置1と比べて、充電部41を備えている点、及び処理特定テーブル17が処理特定テーブル(対応情報、解消時用対応情報)42に代わっており、処理実行部19が処理実行部(処理実行手段)43に代わっている点で相違している。電子機器2の構成は図1の例と同じである。なお、図12の例では、テーブル生成部20、入力部14、及び表示部15を記載していないが、これらの構成を備えていてもよい。
【0152】
充電部41は、無線給電により電子機器2を充電するものである。充電部41の出力は、処理実行部43の制御により可変となっている。
【0153】
処理特定テーブル42は、情報処理装置1と電子機器2との位置関係と、その位置関係が所定時間以上保持されているときに実行する処理とが対応付けられたテーブルである。また、処理特定テーブル42では、電子機器2の種別と、位置関係が解消されたときに実行すべき処理とがさらに対応付けられている。
【0154】
したがって、処理特定テーブル42を用いることにより、電子機器2の種別に応じた処理を実行することができると共に、位置関係が解消されたときにも、そのときに応じた処理を実行することができる。
【0155】
処理特定テーブル42は、例えば図13に示すようなテーブルとしてもよい。図13は、処理特定テーブル42の一例を示す図である。図13の処理特定テーブル42では、電子機器2の種別として「携帯電話機」または「タブレット端末」が記述されている。
【0156】
つまり、情報処理装置40は、電子機器2の種別が「携帯電話機」であると判断したときには、「携帯電話機」が対応付けられた処理を選択する。また、電子機器2の種別が「タブレット端末」であると判断したときには、「タブレット端末」が対応付けられた処理を選択する。
【0157】
さらに、図13の処理特定テーブル42では、各位置関係について、位置関係解消時の処理として、「画像データの受信有無を報知する」、「電子機器をキーロックさせる」、及び「電子書籍の受信有無を報知する」という処理が記述されている。
【0158】
つまり、情報処理装置40は、処理特定テーブル42に記述されている、ある位置関係となっているときに所定の処理を行うと共に、その位置関係が解消されたときにも、処理特定テーブル42に記述されている上記のような処理を実行する。
【0159】
例えば、電子機器2が携帯電話機である場合に、電子機器2を情報処理装置40の上側に配置したとする。この場合、検出部12は電子機器2を検出し、位置関係特定部18は検出部12の検出結果から「電子機器が自装置の上側に位置している」位置関係となっていると判断する。
【0160】
また、位置関係特定部18は、この位置関係が所定時間以上、保持されていると判断したときには、電子機器2の種別を特定する。すなわち、本実施形態の位置関係特定部18は、電子機器の種別を特定する種別特定手段としての機能も有する。無論、種別特定手段を位置関係特定部18とは別に設けてもよい。また、種別の特定方法は特に限定されず、例えば電子機器2に、該電子機器2の種別を特定する情報の送信を要求し、この要求に応じて受信した情報を参照することによって、種別を特定してもよい。そして、位置関係特定部18は、特定した種別と位置関係を処理実行部43に出力する。
【0161】
種別と位置関係の出力を受信した処理実行部43は、処理特定テーブル42を参照して、当該種別及び位置関係に対応付けられた「電子機器に画像データの送信を要求する」処理を特定し、この処理を実行する。
【0162】
また、位置関係特定部18は、検出部12の検出結果から、電子機器2との位置関係が解消されたと判断した場合、その旨を処理実行部43に出力する。この出力を受信した処理実行部43は、処理特定テーブル42を参照して、「画像データの受信有無を報知する」処理を特定し、この処理を実行する。
【0163】
つまり、この例では、携帯電話機である電子機器2を情報処理装置40の上側に配置することによって、情報処理装置40から電子機器2に画像データの送信要求がなされる。そして、電子機器2の配置を変えたときには、画像データの受信が行われたか否かを情報処理装置1が報知する。
【0164】
これにより、ユーザは、ボタン操作等を何ら行うことなく、電子機器2の画像データを情報処理装置40に送信させることができると共に、画像データが情報処理装置40に取り込まれたか否かを確認することができる。なお、受信有無の報知は、音や画像等で行えばよい。
【0165】
また、位置関係解消時に、「電子機器をキーロックさせる」処理を行うことにより、ユーザは、電子機器2の持ち出し時にキーロックする手間がかからず便利である。さらに、例えば充電していた電子機器2を他人に持ち出されたとしても、電子機器2を使用されたり、電子機器2の保持する情報を見られたりすることを防ぐことができる。無論、位置関係解消時に行う処理は、これらの例に限られず、情報処理装置1と電子機器2に関する任意の処理を位置関係解消時に行う処理とすることができる。
【0166】
なお、キーロックを解除するためには、通常、暗証番号を入力させる等による認証を行う。このため、ある位置関係に対して、「認証用の情報(暗証番号等)の入力を要求する画面表示を行わせる処理」を記述しておいてもよい。
【0167】
また、図13の処理特定テーブル42では、所定の位置関係に対して、電子機器2の充電を行う処理が対応付けられている。より詳細には、電子機器2との距離によらず、適正範囲の電圧で電子機器2が充電されるように、距離がより離れる位置関係に対して、充電部41の出力をより大きくして充電を行う処理(言い換えれば、距離がより近接する位置関係に対して、充電部41の出力をより小さくして充電を行う処理)が対応付けられている。
【0168】
具体的には、「電子機器が自装置の正面、X1未満の距離に位置している」という位置関係に対して、「出力Y1で電子機器の充電を行う」処理が対応付けられている。そして、「電子機器が自装置の正面、X1以上X2未満の距離に位置している」という位置関係には「出力Y2で電子機器の充電を行う」処理が、「電子機器が自装置の正面、X2以上X3未満の距離に位置している」という位置関係には「出力Y3で電子機器の充電を行う」処理がそれぞれ対応付けられている。なお、X3>X2>X1、Y3>Y2>Y1である。
【0169】
これにより、情報処理装置40と電子機器2との距離によらず、適正範囲の電圧で電子機器2を充電することができる。したがって、情報処理装置40と電子機器2との距離が離れていことによって充電電圧が下がって充電時間が長大化したり、情報処理装置40と電子機器2との距離が近接していることによって過大な電圧が印加されて電子機器2が故障したりすることを防ぐことができる。
【0170】
〔処理の流れ〕
続いて、情報処理装置40が実行する処理の流れを図14に基づいて説明する。図14は、情報処理装置40が実行する処理の一例を示すフローチャートである。なお、S11からS14の処理は、図11のS1からS4の処理と同様であるから、ここでは説明を省略する。
【0171】
S15では、位置関係特定部18は、電子機器2の種別を特定する。ここでは、電子機器2に、該電子機器2の種別を特定する機器IDの送信を要求し、この要求に応じて受信した機器IDを参照することによって、種別を特定する。そして、位置関係特定部18は、特定した種別と位置関係を処理実行部43に出力する(S16)。
【0172】
次に、種別と位置関係の出力を受信した処理実行部43は、処理特定テーブル42を参照して、当該種別及び位置関係に対応付けられた処理を特定する(S17)。また、処理実行部43は、特定した処理が電子機器2を充電する処理であるか判断する(S18)。
【0173】
ここで、特定した処理が電子機器2を充電する処理ではないと判断した場合(S18でNO)、処理実行部43は、処理特定テーブル42から特定した処理を実行する。この処理の実行完了後、処理実行部43は、処理の実行完了を位置関係特定部18に通知し、これにより処理はS23に進む。
【0174】
一方、電子機器2を充電する処理であると判断した場合(S18でYES)、処理実行部43は、処理特定テーブル42から特定した充電処理を実行する。すなわち、処理特定テーブル42から特定した出力で充電部41を動作させ、電子機器2の充電を開始する(S20)。
【0175】
ここでは、電子機器2は、充電が完了したときに、情報処理装置40に充電完了通知を送信することを想定している。このため、情報処理装置40は、電子機器2の充電完了後に充電完了通知を受信し(S21)、充電完了通知の受信を確認した処理実行部43は、充電部41に充電を終了させる(S22)。
【0176】
このように、電子機器2が充電完了通知を送信する構成とすることによって、充電完了後も荷電を続けることがなくなり、無駄な消費電力の発生を防ぐことができる。これらの処理の実行完了後、処理実行部43は、処理の実行完了を位置関係特定部18に通知し、これにより処理はS23に進む。
【0177】
S23では、位置関係特定部18は、S12の位置関係が解消されたか判断する。具体的には、位置関係特定部18は、検出部12が出力するこの時点の検出結果から、情報処理装置1と電子機器2の位置関係が解消されているか否か判断する。
【0178】
ここで、位置関係が解消されていると判断した場合、位置関係特定部18はその旨を処理実行部43に通知する。そして、この通知を受信した処理実行部43は、処理特定テーブル42を参照して、位置関係解消時の処理を特定し、その処理を実行する(S24)。これにより、情報処理装置40の実行する処理は終了する。
【0179】
なお、上記では、位置関係解消時の処理を処理特定テーブル42に記述する例を示したが、位置関係解消時の処理は、その処理を処理実行部43が特定できるようになっていればよく、この例に限られない。例えば、処理実行部43が位置関係解消時の処理を記憶する構成としてもよい。また、例えば、位置関係と、その位置関係解消時の処理とが対応付けられたテーブルを、処理特定テーブル42とは別に格納しておき、このテーブルを参照することによって、位置関係解消時の処理を特定する構成としてもよい。
【0180】
〔実施の形態3〕
上述の実施形態では、所定の位置関係が維持されていることの検出と、その位置関係に対応する処理の特定とを情報処理装置が行う例について説明したが、本発明の処理実行システムでは、情報処理装置及び電子機器の何れかによってこれらの処理が行われればよい。すなわち、電子機器と情報処理装置との位置関係が予め定めた位置関係となっていることを検出する手段は、電子機器が備えていてもよいし、情報処理装置が備えていてもよく、位置関係に対応する処理を特定する手段も同様である。
【0181】
ここでは、本発明の実施の形態3の処理実行システムについて、図15に基づいて説明する。本実施形態の処理実行システムは、情報処理装置50と電子機器60を含むシステムであり、情報処理装置50と電子機器60の位置関係を電子機器60が検出し、検出した位置関係を情報処理装置50に通知することによって、位置関係に応じた処理を情報処理装置50に実行させる。以下では、上記実施形態と同様の構成については同一の参照番号を付し、その説明を省略する。
【0182】
〔情報処理装置及び電子機器の構成〕
まず、情報処理装置50及び電子機器60の構成について、図15に基づいて説明する。図15は、情報処理装置50及び電子機器60の要部構成を示すブロック図である。
【0183】
情報処理装置50は、図1の情報処理装置1と比べて、検出部12及び位置関係特定部18を備えていない点が異なっている。なお、図15の例では、テーブル生成部20、入力部14、及び表示部15を記載していないが、これらの構成は備えていてもよい。
【0184】
電子機器60は、図1の電子機器2と比べて、検出部61を備えている点、及び電子機器制御部31に、電子機器側位置関係特定部(電子機器側検出手段)62、位置関係通知部(通知手段)63、及び電子機器側処理実行部(受信手段)64が含まれている点が異なっている。
【0185】
検出部61は、情報処理装置50を検出し、検出結果を電子機器側位置関係特定部62に出力するものである。検出部61は、情報処理装置1の検出部12と同様のものとすることができる。
【0186】
電子機器側位置関係特定部62は、検出部61の検出結果から、情報処理装置50との位置関係が、予め定められた位置関係の何れかに該当するか判断し、該当すると判断した場合には、その位置関係が予め定められた時間以上、保持されているか確認する。そして、保持されていることが確認されたときには、その位置関係を位置関係通知部63に出力する。つまり、電子機器側位置関係特定部62は、情報処理装置1の位置関係特定部18と同様の処理を行う。
【0187】
位置関係通知部63は、電子機器側位置関係特定部62が出力した位置関係を、電子機器通信部30を介して情報処理装置50に通知する。そして、情報処理装置50の処理実行部19は、通信部13を介してこの通知を受信し、通知された位置関係に対応する処理を、処理特定テーブル17を参照して特定し、特定した処理を実行する。
【0188】
なお、本実施形態の処理特定テーブル17には、電子機器60に命令または情報を送信する処理が含まれている。つまり、情報処理装置50は、電子機器60から通知された位置関係に応じた命令または情報を電子機器60に送信する。
【0189】
電子機器側処理実行部64は、情報処理装置50が送信する上記の命令または情報を受信し、これに基づいて処理を行う。例えば、コンテンツの送信要求を受信した場合には、要求に従ってコンテンツを送信する。
【0190】
〔処理の流れ〕
続いて、電子機器60の実行する処理の流れを図16に基づいて説明する。図16は、電子機器60が実行する処理の一例を示すフローチャートである。なお、S31からS34の処理は、図11のS1からS4の処理とほぼ同様であるから、これらの処理については簡易に説明する。
【0191】
まず、検出部61は、情報処理装置50を検出し(S31)、検出結果を電子機器側位置関係特定部62に出力する。次に、電子機器側位置関係特定部62は、出力された検出結果から、電子機器60と検出した情報処理装置50とが所定の位置関係の何れかに該当するか判断する(S32)。なお、所定の位置関係とは、処理特定テーブル17に含まれる位置関係であり、電子機器側位置関係特定部62は、このような位置関係を予め記憶している。
【0192】
ここで、所定の位置関係に該当しないと判断した場合(S32でNO)、電子機器側位置関係特定部62は、電子機器60からエラー音を出力させて、位置関係が適切ではないことをユーザに報知し(S33)、処理はS31に戻る。
【0193】
一方、所定の位置関係に該当すると判断した場合(S32でYES)、電子機器側位置関係特定部62は、その位置関係が所定時間以上保持されているか判断する(S34;検出ステップ)。ここで位置関係が保持されていないと判断した場合(S34でNO)、電子機器側位置関係特定部62は、エラー音を出力させて(S33)、処理はS31に戻る。
【0194】
これに対し、S34で位置関係が保持されていると判断した場合(S34でYES)、電子機器側位置関係特定部62は、保持されていると判断した位置関係を位置関係通知部63に出力する(S35)。そして、位置関係通知部63は、出力された位置関係を、電子機器通信部30を介して情報処理装置50に通知する(S36;通知ステップ)。
【0195】
この通知を受信した情報処理装置50では、処理実行部19が処理特定テーブル17を参照して、この位置関係に対応する処理を特定し、特定した処理を実行する。なお、ここでは、電子機器60に何らかの命令(例えばコンテンツを送信させる命令等)を送信する処理が実行されたとする。
【0196】
このため、電子機器60は、処理実行部19が送信した命令を受信する(S37;受信ステップ)。この命令は、電子機器通信部30から電子機器側処理実行部64に送られ、電子機器側処理実行部64は受信した命令に従って処理を実行し、これにより電子機器60の処理は終了する。例えば、受信した命令がコンテンツの送信要求である場合には、要求されたコンテンツをコンテンツ格納部33から読み出して情報処理装置50に送信する。
【0197】
〔変形例〕
上記各実施形態では、処理特定テーブル17または処理特定テーブル42を用いて、位置関係に対応する処理を特定する例を説明したが、処理の特定に用いる情報は、位置関係から処理を特定できる情報であれば、テーブル形式に限られない。
【0198】
また、上記実施形態では、位置関係の検出を情報処理装置1、40、または電子機器60で行う例を示したが、位置関係の検出はこれら以外の機器が行ってもよい。例えば、情報処理装置1及び電子機器2とは別体のセンサやカメラ等によって情報処理装置1と電子機器2の位置関係を検出し、情報処理装置1にその検出結果を通知する構成としてもよい。
【0199】
そして、上記実施形態では、所定の位置関係となったときに電子機器の充電を行う例を示したが、所定の位置関係となったときに電子機器に放電させる構成としてもよい。この場合、電子機器と情報処理装置を有線接続し、情報処理装置に該有線接続を利用して電子機器に放電させる放電部を設け、処理特定テーブルに、位置関係と放電処理とを対応付けて格納しておけばよい。なお、電子機器に放電させる他の方法としては、例えば電子機器の充電器やクレードルを制御して放電させる方法等が考えられる。
【0200】
これにより、長期間使用しない電子機器を所定の位置に置くだけで放電させることができる。また、電子機器の充電地の寿命を低下させないよう、充電前に放電しておくことも可能になる。
【0201】
また、上記実施形態では、電子機器に情報処理装置へとコンテンツを送信させる場合に、情報処理装置から電子機器にコンテンツ要求、つまりコンテンツの送信命令を送信するか、またはコンテンツの送信可否を選択させる画面を表示させる命令を送信する例を示した。しかしながら、この例に限られず、情報処理装置は、その命令(または情報)の送信により、最終的に電子機器からコンテンツが送信されるような送信を行えばよい。
【0202】
例えば、特定した位置関係を電子機器に通知して、その位置関係に対応するコンテンツを送信させてもよい。なお、この場合、電子機器において位置関係とコンテンツ送信処理とを対応付けた対応情報が参照可能な構成とする必要がある。また、例えば、コンテンツの格納先アドレスを示す情報を送信してもよい。この場合、電子機器は、そのアドレスを用いてコンテンツを取得し、これを情報処理装置に送信する。
【0203】
また、上記実施形態では、情報処理装置1が据え置き型の機器であり、電子機器2が携帯型の機器である例を示したが、情報処理装置1が携帯型の機器であってもよい。つまり、ユーザは、情報処理装置1を移動等させることによって、該情報処理装置1と電子機器2とを所定の位置関係として処理を実行させてもよい。無論、情報処理装置1と電子機器2の両方が携帯型の機器であってもよい。
【0204】
このように、情報処理装置1が携帯型の機器である場合の位置関係の検出も、上記実施形態で説明した方法(例えば赤外線を用いた検出)で実現することが可能である。また、電子機器2や他の装置で位置関係を検出し、この位置関係を示す情報をこれらの装置から取得する構成としてもよい。
【0205】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0206】
最後に、情報処理装置1、40、50、及び電子機器60の各ブロック、特に制御部11及び電子機器制御部31は、集積回路(ICチップ)上に形成された論理回路によってハードウェア的に実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェア的に実現してもよい。
【0207】
後者の場合、情報処理装置1、40、50、及び電子機器60は、各機能を実現するプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムを格納したROM(Read Only Memory)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである情報処理装置1、40、50、及び電子機器60の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記情報処理装置1、40、50、及び電子機器60に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0208】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ類、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク類、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード類、マスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ類、あるいはPLD(Programmable logic device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の論理回路類などを用いることができる。
【0209】
また、情報処理装置1、40、50、及び電子機器60を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークは、プログラムコードを伝送可能であればよく、特に限定されない。例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(Virtual Private Network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、この通信ネットワークを構成する伝送媒体も、プログラムコードを伝送可能な媒体であればよく、特定の構成または種類のものに限定されない。例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、IEEE802.11無線、HDR(High Data Rate)、NFC(Near Field Communication)、DLNA(Digital Living Network Alliance)、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【産業上の利用可能性】
【0210】
本発明は、電子機器、及び該電子機器に関連した処理を行う情報処理装置に適用可能であり、これにより、情報処理装置を簡易に操作することを可能にする。電子機器としては、例えば携帯電話機、スマートフォン、タブレット端末、携帯型ゲーム機等が挙げられる。また、情報処理装置としては、例えばホームサーバ、BDレコーダ、テレビジョン受像機等が挙げられる。
【符号の説明】
【0211】
1、40、50 情報処理装置
17 処理特定テーブル(対応情報)
41 充電部
42 処理特定テーブル(対応情報、解消時用対応情報)
18 位置関係特定部(検出手段)
19、43 処理実行部(処理実行手段)
2、60 電子機器
62 電子機器側位置関係特定部(電子機器側検出手段)
63 位置関係通知部(通知手段)
64 電子機器側処理実行部(受信手段)
3 処理実行システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器に関連した処理を行う情報処理装置であって、
上記電子機器と自装置の位置関係が、予め定めた位置関係となっていることを検出する検出手段と、
上記電子機器と自装置の位置関係が、予め定めた時間以上継続して維持されていることが、上記検出手段によって検出された場合に、上記予め定めた位置関係と、該位置関係のときに実行すべき処理とが対応付けられた対応情報を参照して処理を特定し、特定した処理を実行する処理実行手段とを備えていることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
上記対応情報は、上記電子機器の種別に応じた処理が対応付けられたものであり、
上記電子機器の種別を特定する種別特定手段を備え、
上記処理実行手段は、上記電子機器と自装置の位置関係が、予め定めた時間以上継続して維持されていることが、上記検出手段によって検出された場合に、上記対応情報を参照して、上記種別特定手段が特定した種別に応じた処理を特定し、特定した処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
上記対応情報には、上記電子機器に命令または情報を送信する処理が含まれていることを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
上記対応情報には、上記電子機器に命令または情報を送信して、自装置にコンテンツを送信させる処理、または上記電子機器にコンテンツを送信する処理が含まれていることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
上記対応情報には、上記電子機器が自装置に対してコンテンツを送信すること、または自装置が送信するコンテンツを上記電子機器が受信することの可否を、上記電子機器のユーザに選択させるための表示を行わせる命令を当該電子機器に送信する処理が含まれていることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
上記対応情報は、複数の位置関係のそれぞれについて処理が対応付けられたものであることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
上記検出手段は、上記電子機器の自装置に対する向きが予め定めた第1の向きとなっていること、及び上記第1の向きとは異なる第2の向きとなっていることを検出し、
上記対応情報では、上記電子機器が自装置に対して第1の向きとなっている位置関係に、自装置に対してコンテンツを送信させる命令を上記電子機器に送信する処理が対応付けられていると共に、
上記電子機器が自装置に対して上記第2の向きとなっている位置関係に、上記電子機器にコンテンツを送信する処理が対応付けられていることを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
上記対応情報の異なる位置関係に対応付けられた処理には、異なる属性のコンテンツを送信させる命令を上記電子機器に送信する処理、または異なる属性のコンテンツを上記電子機器に送信する処理が含まれていることを特徴とする請求項6または7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
上記電子機器の充電を行う充電部をさらに備え、
上記対応情報では、上記電子機器と自装置との距離によらず、適正範囲の電圧で上記電子機器が充電されるように、自装置との距離に応じた出力で上記充電部を動作させて上記電子機器の充電を行う処理が対応付けられていることを特徴とする請求項6から8の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
上記電子機器に放電させる放電部をさらに備え、
上記対応情報には、上記放電部により上記電子機器に放電を行わせる処理が含まれていることを特徴とする請求項1から9の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
上記処理実行手段は、上記検出手段が、上記電子機器と自装置の位置関係が、予め定めた位置関係となっていることを検出しなくなったときに、位置関係と該位置関係が解消されたときに実行すべき処理とが対応付けられた解消時用対応情報を参照して、当該位置関係が解消されたときに実行すべき処理を特定し、特定した処理を実行することを特徴とする請求項1から10の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
上記解消時用対応情報には、位置関係が解消されたときに実行すべき処理として、上記電子機器に命令を送信して、該電子機器をキーロック状態にさせる処理が含まれていることを特徴とする請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
情報処理装置から命令または情報を受信して処理を行う電子機器であって、
上記情報処理装置と自機の位置関係が、予め定めた位置関係となっており、かつ該位置関係が予め定めた時間以上継続して維持されていることを検出する電子機器側検出手段と、
上記電子機器側検出手段が検出した位置関係を上記情報処理装置に通知する通知手段と、
上記情報処理装置が、予め定めた位置関係と、該位置関係のときに送信すべき命令または情報とが対応付けられた対応情報を参照して特定した、上記通知手段が通知した位置関係に対応する命令または情報を当該情報処理装置から受信する受信手段とを備えていることを特徴とする電子機器。
【請求項14】
電子機器に関連した処理を行う情報処理装置の制御方法であって、
上記電子機器と上記情報処理装置の位置関係が、予め定めた位置関係となっていることを検出する検出ステップと、
上記検出ステップにて、上記電子機器と上記情報処理装置の位置関係が、予め定めた時間以上継続して維持されていることが検出された場合に、上記予め定めた位置関係と、該位置関係のときに実行すべき処理とが対応付けられた対応情報を参照して処理を特定する処理特定ステップと、
上記処理特定ステップで特定した処理を実行する処理実行ステップとを含むことを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項15】
情報処理装置から命令または情報を受信して処理を行う電子機器の制御方法であって、
上記情報処理装置と上記電子機器の位置関係が、予め定めた位置関係となっており、かつ該位置関係が予め定めた時間以上継続して維持されていることを検出する検出ステップと、
上記検出ステップで検出した位置関係を上記情報処理装置に通知する通知ステップと、
上記情報処理装置が、予め定めた位置関係と、該位置関係のときに送信すべき命令または情報とが対応付けられた対応情報を参照して特定した、上記通知ステップで通知した位置関係に対応する命令または情報を当該情報処理装置から受信する受信ステップとを含むことを特徴とする電子機器の制御方法。
【請求項16】
電子機器と該電子機器に関連した処理を行う情報処理装置とを含み、該情報処理装置に処理を実行させる処理実行システムであって、
上記電子機器または上記情報処理装置に備えられ、上記電子機器と上記情報処理装置との位置関係が、予め定めた位置関係となっていることを検出する検出手段と、
上記情報処理装置に備えられ、上記電子機器と上記情報処理装置との位置関係が、予め定めた時間以上継続して維持されていることが、上記検出手段によって検出された場合に、上記予め定めた位置関係と、該位置関係のときに実行すべき処理とが対応付けられた対応情報を参照して処理を特定し、特定した処理を実行する処理実行手段とを含むことを特徴とする処理実行システム。
【請求項17】
請求項1から12の何れか1項に記載の情報処理装置を動作させるための制御プログラムであって、コンピュータを上記検出手段及び上記処理実行手段として機能させるための制御プログラム。
【請求項18】
請求項13に記載の電子機器を動作させるための制御プログラムであって、コンピュータを上記電子機器側検出手段、上記通知手段、及び上記受信手段として機能させるための制御プログラム。
【請求項19】
請求項17または18に記載の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−212983(P2012−212983A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−76486(P2011−76486)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】