説明

情報処理装置およびプログラム

【課題】アプリケーションソフトウェアの操作画面の操作において、異なる使用者による操作の継続を簡便にする技術が提供される。
【解決手段】アプリケーションソフトAが起動している状態で、アプリケーションソフトBを起動する操作を行った際に、その起動に認証が必要である場合、アプリケーションソフトAを終了し、認証が必要なアプリケーションソフトBを優先的に使用できるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数機器が連動して提供するサービスを妨げることなく、ユーザIDを共有することにより不正に同時に複数の機器が使用されることを制限することを目的に、認証サーバ、チケット交付サーバ、サービスを提供する複数の複合機、複数のコンピュータから構成される認証管理領域を司る認証サーバにおいて、認証要求時に該当UIDが既に認証済みであるかを確認するステップと、該当UIDが既に認証済みである場合は既に使用中であることを表示しログインを却下するステップと、該当UIDが未認証でありユーザIDとパスワードが正当である場合は該当UIDの認証状態を認証中に変更し、その後の資源アクセスに必要なチケット生成チケットをクライアントに発行するステップを設ける構成が記載されている。
【0003】
特許文献2には、画面を表示して情報を出力する装置の利用者が替わったときに画面の切り替えを行うことを目的に、タッチパネルとLCDなどの入出力部と、モーションセンサと情報処理部とを備え、入出力部に第1の画面が表示されているときに、モーションセンサの出力に基づいて人を検知する判別部が端末装置の前にいる人を検知すると、入出力制御部が入出力部に第1の画面とは異なる第2の画面を表示させる構成が記載されている。
【0004】
特許文献3には、一覧表示のページ切り替え用のUIのインデックスをユーザが定義した項目の実データで表示でき、ユーザが所望のページを瞬時に選択できるようにし、また前記UIの形式も指定できるようにしたプログラムを自動生成することと、ページ切り替え機能とUIの定義を業務仕様の枠組みの中で定義して、業務仕様とページ切り替え機能の定義を一元管理し、システムの可読性を著しく向上させることを目的に、処理装置のコード生成部が、入出力テーブルに記憶される複数のデータ項目の定義情報(業務仕様)に基づいて「各データ項目に対応する実データをユーザインタフェースにより所定の表示単位毎に切り替えて表示制御可能な一覧表示を生成するとともに、前記ユーザインタフェースにおける一覧表示の切り替え用インデックスを対応する前記データ項目の実データに基づいて生成するプログラムコードを生成する構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−345753号公報
【特許文献2】特開2004−302209号公報
【特許文献3】特開2005−135319号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、アプリケーションソフトウェアの操作画面の操作において、異なる使用者による操作の継続を簡便にする技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、第1の操作を行うための第1の操作画面および第2の操作を行うための第2の操作画面を表示する制御を行う表示制御部と、前記第1の操作画面が表示されている状態において、前記第2の操作画面を表示する際に、前記第1の操作画面の表示または前記第2の操作画面の表示に利用者の認証が必要であるか否かの情報に基づいて、前記第1の操作画面を終了または不可視とする制御を行う制御部とを備えることを特徴とする情報処理装置である。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記制御部は、前記第2の操作画面の表示に利用者の認証が必要である場合に、前記第1の操作画面の表示を終了または不可視の状態とすることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記制御部は、前記第1の操作画面の表示に利用者の認証が必要であり、且つ、前記第2の操作画面の表示に利用者の認証が必要である場合に、前記第1の操作画面の表示を終了または不可視の状態にすることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明において、前記制御部は、前記第1の操作画面の表示に利用者の認証が不必要であり、且つ、前記第2の操作画面の表示に利用者の認証が必要である場合に、前記第1の操作画面の表示を終了しないことを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の発明において、前記第1の操作画面の表示に利用者の認証が必要であり、且つ、前記第2の操作画面の表示に利用者の認証が必要である場合に、前記制御部は、前記第1の操作画面の表示が不可視の状態であり、前記第2の操作画面の表示が可視の状態である場合に、前記第1の操作画面の表示を許可する認証が行われると、前記第1の操作画面の表示を不可視から可視の状態にし、前記第2の操作画面の表示を可視から不可視の状態にすることを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、コンピュータに読み取らせて実行させるプログラムであって、コンピュータを、第1の作業を行うための第1の操作画面および第2の作業を行うための第2の操作画面を表示する制御を行う表示制御部と、前記第1の操作画面が表示されている状態において、前記第2の操作画面を表示する際に、前記第1の操作画面の表示または前記第2の操作画面の表示に利用者の認証が必要であるか否かの情報に基づいて、前記第1の操作画面を終了または不可視とする制御を行う制御部として機能させることを特徴とするプログラムである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明を採用しない場合に比較して、アプリケーションソフトウェアの操作画面の操作において、異なる使用者による操作の継続を簡便にする技術が提供される。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明を採用しない場合に比較して、第2の操作画面を操作しての処理の効率が向上する。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、認証が必要な第1の操作画面が誤って操作される危険性が減少する。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、認証が必要ない操作画面については、画面の表示が終了せず、継続しての作業が行える。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、認証が必要な操作画面が直に必要とされない状況で、当該操作画面が誤って操作される危険性を防止しつつ、当該操作画面が必要とされた際の表示を迅速に行える。
【0018】
請求項6に記載の発明によれば、請求項6に記載の発明を採用しない場合に比較して、アプリケーションソフトウェアの操作画面の操作において、異なる使用者による操作の継続を簡便にする技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施形態の情報処理装置のブロック図である。
【図2】実施形態の処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図3】実施形態における操作画面の画面表示の一例を示す画面表示図である。
【図4】動作展開の態様を示す表である。
【図5】実施形態の処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図6】動作展開の態様を示す表である。
【図7】実施形態の処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図8】実施形態における操作画面の画面表示の一例を示す画面表示図である。
【図9】実施形態における操作画面の画面表示の一例を示す画面表示図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(情報処理装置)
以下、発明を利用した一例を説明する。図1には、発明を利用した情報処理装置100が示されている。情報処理装置100は、インターネット回線200に接続されている。インターネット回線200には、サーバ201が接続され、情報処理装置100は、インターネット回線200を介して、サーバ201から各種のアプリケーションソフトウェアをダウンロードし、それを使用できる構成とされている。
【0021】
情報処理装置100は、画像入出力装置部300、システム制御部400、ユーザ入出力装置部500を備えている。画像入出力装置部300は、画像入力装置301と画像形成装置302を備えている。画像入力装置301は、紙等の記録材上に印刷された画像を光学的に読み取り、画像データに変換するイメージスキャナーの機能を有している。画像形成装置302は、画像データに基づき、紙等の記録材上に画像を印刷により形成する印刷装置としての機能を有している。画像形成装置302に入力される画像データは、画像入力装置301が取得した画像データの他に、ネットワーク入出力部401を介して取得した画像データがある。
【0022】
システム制御部400は、コンピュータとしての機能を有し、ネットワーク入出力部401、画像入出力部402、アプリケーションソフトウェア制御部403、ブラウザ起動部404、ユーザ入力部405、表示制御部406を備えている。ネットワーク入出力部401は、インターネット回線200を利用した通信を行い、情報処理装置100で利用するデータの入出力を行う。この例では、ネットワーク入出力部401を介してインターネット回線200に接続する例が示されているが、LAN等の他の形態の通信回線に接続することも可能である。画像入出力部402は、画像入出力装置部300との間で画像データのやり取りを行う。アプリケーションソフトウェア制御部403は、サーバ201からダウンロードしたアプリケーションソフトウェアの動作制御を行う。ブラウザ起動部404は、ユーザにより選択されたアプリケーションソフトウェアの起動要求に応じて、アプリケーションソフトウェアの選択を行う。
【0023】
図1には、サーバ201からダウンロードしたアプリケーションソフトウェアとして、「アプリケーションソフトA」407と「アプリケーションソフトB」408が示されている。これらアプリケーションソフトウェアとしては、例えば会計書類を作成するためのソフトウェアや各種定型書類を作成するためのソフトウェア等が挙げられる。
【0024】
情報処理装置100で利用するアプリケーションソフトソフトウェアは、外部からダウンロードする形態に限定されず、内部の適当な記憶領域にインストールされている形態であってもよい。また、適当な記憶媒体からアプリケーションソフトウェアをダウンロードとし、それを用いる形態であってもよい。
【0025】
ユーザ入力部405は、ユーザ(利用者)がタッチパネルディスプレイ、キーボード、マウス等の後述するユーザ入力装置501を利用しての各種の操作を行った内容を受け付ける。表示制御部406は、操作画面やユーザに知らせる情報を画像情報として、表示装置502に出力する。
【0026】
また、システム制御部400は、認証部409と認証データ記憶部410を備えている。認証部409は、ユーザが保持している磁気カードのコード情報を取得し、予め記憶しているリファレンスデータと照合し、正規のID情報が入力された否かを判定する。この判定により、ユーザの認証が行われる。認証データ記憶部410は、利用可能なアプリケーションソフトウェアが認証を必要とするソフトウェアであるか否かの情報を保持している。この情報は、サーバ201から通知されるアプリケーションソフトウェアの起動時ネットワークプロトコル上のステータス情報、またはサーバ201から通知されるプロトコルヘッダーに基づいて入手される。もちろん、認証が必要であるか否かをユーザ側で設定し、その設定を認証データ記憶部410に記憶しておくこともできる。
【0027】
ユーザ入出力装置部500は、ユーザ入力装置501および表示装置502を備えている。ユーザ入力装置501は、ユーザが操作するタッチパネルディスプレイ、キーボード、マウス等である。ユーザにより、ユーザ入力装置501が操作されることで、情報処理装置100を用いた各種の作業が行われる。表示装置502は、画像表示を行うタッチパネルディスプレイや液晶表示装置である。表示装置502には、アプリケーションソフトA、アプリケーションソフトB、その他情報処理装置100の操作に必要な操作画面が表示される。
【0028】
情報処理装置100には、認証データ入力部503が接続されている。認証データ入力部503は、磁気カードからコード情報を読み取る磁気リーダと、この磁気リーダが読み取ったコードをデコードする機能を有している。デコードされたデータは、認証部409に送られる。ここでは、磁気カードを用いて認証を行う例を説明したが、指紋や虹彩を用いた生体認証やユーザ入力装置501からパスワードを入力することで認証を行う構成も可能である。
【0029】
(動作例1)
情報処理装置100の動作の一例を説明する。図2には、情報処理装置100の動作の一例が示されている。図2の処理を行うプログラムは、情報処理装置100内の記憶領域に格納されている。このプログラムは、回線や外付けの記憶媒体から提供される形態であってもよい。
【0030】
この例において、情報処理装置100は、アプリケーションソフトウェアAとアプリケーションソフトウェアBの2つが利用可能な状態とされている。勿論、更に別のアプリケーションソフトウェアが利用可能でもってもよいが、ここでは説明を省略する。なお、以下において、アプリケーションソフトウェアを起動中というのは、起動され、操作が可能な状態であることをいう。
【0031】
以下、ユーザがアプリケーションソフトウェアBを起動する際の動作の一例を説明する。なお、図の一部では、アプリケーションソフトウェアAをアプリケーションAやアプリA、アプリケーションソフトウェアBをアプリケーションBやアプリBと省略した記載としている。処理が開始され(ステップS201)、ユーザの操作によりアプリケーションソフトウェアBの起動が指示されると、アプリケーションソフトウェアBを起動する(ステップS202)。そして、その時点でアプリケーションソフトAが既に起動されているか否か、が判定される(ステップS203)。
【0032】
ここで、アプリケーションソフトウェアAが起動中であれば、ステップS204に進み、そうでなければ処理を終了する(ステップS206)。ステップS204では、アプリケーションソフトウェアBがその操作に当たり認証が必要であるか否かの判定が行われる。ここで、アプリケーションソフトウェアBが認証を必要とするアプリケーションソフトウェアであれば、ステップS205に進み、既に起動され操作可能な状態にあるアプリケーションソフトウェアAを終了させる。また、ステップS204において、プリケーションソフトウェアBがその操作に当たり認証が必要でない場合、ステップS206に進み処理を終了する。
【0033】
ステップS203またはS204の判定がNOとなり、ステップS206に進んで処理を終了する場合、アプリケーションソフトウェアAの操作画面(図3(A)参照)の上にアプリケーションソフトウェアBの操作画面が重ねて表示されるか(図3(B)参照)、アプリケーションソフトウェアAの操作画面とアプリケーションソフトウェアBの操作画面が並べて表示される(図3(C)参照)。この状態では、2つのアプリケーションソフトウェアは、いずれも操作可能となる。図3において、右側の表示ボタンは、アプリケーションソフトウェアの選択を行う機能と、該当するアプリケーションソフトウェアが起動中であるか否かを表示する機能を有する。例えば、アプリAが選択することで、アプリケーションソフトウェアAの起動が指示される。そして、その色が変わる(図の場合は濃くなる)ことで、当該アプリケーションソフトウェアが起動中である旨が視覚的に表示される。
【0034】
図2の処理における展開パターンを図4に示す。この処理では、例えば、アプリケーションソフトウェアAが既に起動されている状態において、新たにアプリケーションソフトウェアBが起動され、この新たに起動されたアプリケーションソフトウェアBが認証を必要とするソフトウェアである場合に、既に起動され、利用可能な状態にあるアプリケーションソフトウェアAを強制的に終了する。この場合、アプリケーションソフトウェアAは使用できなくなる(もちろん、再度起動させれば、利用可能となる)。
【0035】
この処理によれば、認証が必要とされるアプリケーションソフトウェアの操作を優先的に行える状態となるので、ユーザ毎の処理の継続が簡便になる。一般に、認証が必要とされるアプリケーションソフトウェアを用いた作業は、優先度が高い場合が多い。上記処理によれば、既に起動しているアプリケーションソフトウェアが強制終了とされることで、既に起動しているアプリケーションソフトウェアの影響で後から起動した認証を必要とするアプリケーションソフトウェアを利用した作業が滞る事態が防止され、処理の継続が簡便になる。また、新たに起動するアプリケーションソフトウェアが認証を必要としないソフトウェアである場合、既に起動しているアプリケーションソフトウェアが終了されず、引き続き利用可能となるので、強制終了されることの不都合の発生が抑えられ、この点でも処理の継続が簡便となる。
【0036】
(動作例2)
情報処理装置100の動作の他の一例を説明する。図5には、情報処理装置100の動作の一例が示されている。動作に当たり、前提となる条件は、「動作例1」と同じである。処理が開始され(ステップS501)、ユーザの操作によりアプリケーションソフトウェアBの起動が指示されると、アプリケーションソフトウェアBを起動する(ステップS502)。そして、その時点でアプリケーションソフトAが既に起動されているか否か、が判定される(ステップS503)。
【0037】
ここで、アプリケーションソフトウェアAが起動中であれば、ステップ504に進み、そうでなければ処理を終了する(ステップS507)。ステップS504に進んだ場合、既に起動しているアプリケーションソフトウェアAが操作に認証を必要とするソフトウェアであるか否か、の判定が行われる。ここで、既に起動しているアプリケーションソフトウェアAが操作に認証を必要とするソフトウェアであれば、ステップS505に進み、そうでなければ、ステップS507に進み処理を終了する。
【0038】
ステップS505に進んだ場合、新たに起動したアプリケーションソフトウェアBが操作に認証を必要とするソフトウェアであるか否か、の判定が行われる。ここで、アプリケーションソフトウェアBが操作に認証を必要とするソフトウェアであれば、ステップS506に進み、そうでなければ、ステップS507に進み処理を終了する。
【0039】
ステップS503、S504またはS505の判定がNOとなり、ステップS507に進み処理を終了する場合、アプリケーションソフトウェアAの操作画面(図3(A)参照)の上にアプリケーションソフトウェアBの操作画面が重ねて表示されるか(図3(B)参照)、アプリケーションソフトウェアAの操作画面とアプリケーションソフトウェアBの操作画面が並べて表示される(図3(C)参照)。この状態では、2つのアプリケーションソフトウェアは、いずれも操作可能となる。
【0040】
ステップS505からステップS506に進んだ場合、既に起動され操作可能な状態にあるアプリケーションソフトウェアAを終了させ、処理を終了する(ステップS507)。この場合、アプリケーションソフトウェアBの操作画面が表示され、アプリケーションソフトウェアBが使用可能となる。なお、ステップS506の処理において、アプリケーションソフトウェアAを終了させるのではなく、アプリケーションソフトウェアAを不可視の状態としてもよい。この場合、起動された状態は維持されるが、操作画面は表示されず、再度の認証が行われた場合に、アプリケーションソフトウェアAの操作画面が現れ、その操作が可能となる。
【0041】
図5の処理における展開パターンを図6に示す。この場合、新たに起動するアプリケーションソフトウェアBと既に起動しているアプリケーションソフトウェアAが共に要認証である場合に、既に起動しているアプリケーションソフトウェアAを終了する。こうすることで、新たに起動したアプリケーションソフトウェアBを操作しているつもりで、既に起動されているアプリケーションソフトウェアAが誤操作されてしまう不都合が回避される。
【0042】
(動作例3)
以下、例えば、図5のステップS506の処理において、アプリケーションソフトウェアAを終了させるのではなく、アプリケーションソフトウェアAを不可視の状態とした場合において、その後にアプリケーションソフトウェアAに対する再度の認証が行われた場合の動作の一例を説明する。
【0043】
図7には、この際の処理の一例が示されている。まず前提として、何らかのアプリケーションソフトウェアが起動状態で、且つ、不可視の状態とされているとする。処理が開始され(ステップS701)、ユーザが磁気カードを用いたアプリケーションソフトウェアAに係る認証を行うと(ステップS702)、アプリケーションソフトウェアAが起動状態で、且つ、その操作画面が不可視の状態であるか否か、の判定が行われる(ステップS703)。
【0044】
ここで、アプリケーションソフトウェアAが起動状態で、且つ、その操作画面が不可視の状態であれば、ステップS704に進み、そうでなければステップS707に進み、処理を終了する。ステップS704では、アプリケーションソフトウェアA以外のその操作に認証が必要なアプリケーションソフトウェアの操作画面が可視の状態(当然、この時点では認証が行われた後で、その操作が可能な状態)であるか否か、が判定される。ここで、アプリケーションソフトウェアA以外のその操作に認証が必要なアプリケーションソフトソフトウェアの操作画面が可視の状態であれば、ステップS705に進み、そうでなければ、ステップS707に進み、処理を終了する。なお、アプリケーションソフトウェアA以外のソフトウェアが起動中であっても、それが操作に認証を必要としないタイプのものである場合、ステップS704の判定はNOとなり、ステップS707に進み、処理を終了する。
【0045】
ステップS705では、その時点で操作画面が可視の状態にある他の要認証タイプのアプリケーションソフトウェアの操作画面を不可視の状態とする。すなわち、その時点で操作画面が可視の状態にあり、操作に認証を必要とするアプリケーションソフトウェアを起動状態のままで、その操作画面を不可視の状態とする。この不可視の状態とすることで、当該アプリケーションソフトウェアは、起動中であるが、操作画面が見えず、操作ができない状態となる。次いで、不可視の状態にあったアプリケーションソフトウェアAの操作画面を可視の状態にし(ステップS706)、処理を終了する。
【0046】
以下、図7の処理に従った操作画面の遷移の一例を説明する。図7には、操作画面の遷移の一例が示されている。ここで、認証を必要とするアプリケーションソフトウェアAとBがあり、そのうちアプリケーションソフトウェアAが起動中で、その画面が表示され、アプリケーションソフトウェアBが未起動である状態を出発点とする(図8(A))。
【0047】
図8(A)の状態において、アプリケーションソフトウェアBが選択されると(図8(B))、アプリケーションソフトウェアBは、認証が必要であるので、図8(C)の画面となり、認証が要求される。ここで、アプリケーションソフトウェアBの使用が許されているユーザ2が磁気カードを用いた認証を行うと、アプリケーションソフトウェアAが不可視の状態となり、アプリケーションソフトウェアBが起動され、その操作画面が表示される(図8(D))。
【0048】
図8(D)の状態では、アプリケーションソフトウェアAとBが共に起動されているが、アプリケーションソフトウェアBの操作画面のみが表示されて操作可能な状態とされ、アプリケーションソフトウェアAの操作画面は不可視とされ、操作ができない状態とされている。
【0049】
図8(D)の状態において、ユーザ1の再認証が行われると、不可視の状態であったアプリケーションソフトウェアAが可視の状態(操作可能な状態)とされ、アプリケーションソフトウェアBが不可視の状態となる。この状態が図8(F)に示されている。なお、図8(F)の状態でユーザ2の認証が行われると、アプリケーションソフトAの操作画面が不可視となり、その認証前に不可視の状態であったアプリケーションソフトBの操作画面が可視の状態となり、図8(D)の状態に戻る。
【0050】
ここで、アプリケーションソフトウェアAとBの2つがある場合を説明したが、更に多くの要認証のアプリケーションソフトソフトウェアがある場合も同様に、最後に認証されたアプリケーションソフトウェアの操作画面が可視となり、以前に認証され終了していないアプリケーションソフトウェアの操作画面が不可視の状態となる。
【0051】
(動作例4)
図9には、画面表示の遷移の一例が示されている。ここでは、前提として、アプリケーションソフトウェアA〜Cが認証を必要としないアプリケーションソフトウェアであり、アプリケーションソフトウェアDが認証を必要とするアプリケーションソフトウェアであるとする。
【0052】
まず、アプリケーションソフトウェアAが選択されると、それが起動され、その操作画面が表示される(図9(A))。ここで、アプリケーションソフトウェアAは、認証が不要なソフトウェアであるので、図9(A)に示すように、そのままアプリケーションソフトウェアAの操作画面が表示される。
【0053】
図9(A)の状態で認証不要なアプリケーションソフトウェアBが選択されると、アプリケーションソフトウェアAと一緒にアプリケーションソフトウェアBが画面上に並んで表示される(図9(B))。この場合、アプリケーションソフトウェアAとBのいずれも操作が可能となる。
【0054】
図9(B)の状態で認証不要なアプリケーションソフトウェアCが選択されると、アプリケーションソフトウェアAおよびBと一緒にアプリケーションソフトウェアCが画面上に並んで表示される(図9(C))。この場合、アプリケーションソフトウェアA〜Cのいずれも操作が可能となる。
【0055】
図9(C)の状態で認証が必要なアプリケーションソフトウェアDが選択されると、認証を要求される画面が表示される(図9(D))。ここで、アプリケーションソフトウェアDの操作が許可される認証が行われると(図9(E))、認証を必要とされないアプリケーションソフトウェアA〜Cは起動状態のままで、アプリケーションソフトウェアDが起動され、その操作画面が最上位に表示された状態とされる(図9(F))。
【0056】
なお、図9(G)に示すように、認証が必要なアプリケーションソフトウェアDを予め決められた画面上の特定の位置(この場合は、画面左上)に表示する形態も可能である。この場合、認証が必要なアプリケーションソフトウェアを起動する操作を行った場合、それが予め決められた画面上の位置に表示される。こうすることで、複数のアプリケーションソフトウェアの操作画面が同時に画面上に表示されている場合に、認証が必要なアプリケーションソフトウェアの操作画面が、予め決められた画面上の位置に表示され、ユーザが要認証のアプリケーションソフトウェアの操作画面を視認し易い表示形態とされる。
【0057】
(その他)
実施形態で例示したシステム制御部400をパーソナルコンピュータ上でソフトウェア的に構成することもできる。この場合、システム制御部400の各機能部がパーソナルコンピュータにインストールされたプログラムによってソフトウェア的に構成される。なお、認証データ入力部503、ユーザ入出力装置部500は、当該パーソナルコンピュータが備えているハードウェアや、外付けで動作するハードウェアによって構成される。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、電子機器の操作に係る技術に利用することができる。
【符号の説明】
【0059】
100…情報処理装置、200…インターネット回線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の操作を行うための第1の操作画面および第2の操作を行うための第2の操作画面を表示する制御を行う表示制御部と、
前記第1の操作画面が表示されている状態において、前記第2の操作画面を表示する際に、前記第1の操作画面の表示または前記第2の操作画面の表示に利用者の認証が必要であるか否かの情報に基づいて、前記第1の操作画面を終了または不可視とする制御を行う制御部と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記第2の操作画面の表示に利用者の認証が必要である場合に、前記第1の操作画面の表示を終了または不可視の状態とすることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第1の操作画面の表示に利用者の認証が必要であり、且つ、前記第2の操作画面の表示に利用者の認証が必要である場合に、前記第1の操作画面の表示を終了または不可視の状態にすることを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1の操作画面の表示に利用者の認証が不必要であり、且つ、前記第2の操作画面の表示に利用者の認証が必要である場合に、前記第1の操作画面の表示を終了しないことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第1の操作画面の表示に利用者の認証が必要であり、且つ、前記第2の操作画面の表示に利用者の認証が必要である場合に、
前記制御部は、前記第1の操作画面の表示が不可視の状態であり、前記第2の操作画面の表示が可視の状態である場合に、前記第1の操作画面の表示を許可する認証が行われると、前記第1の操作画面の表示を不可視から可視の状態にし、前記第2の操作画面の表示を可視から不可視の状態にすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
コンピュータに読み取らせて実行させるプログラムであって、
コンピュータを、
第1の作業を行うための第1の操作画面および第2の作業を行うための第2の操作画面を表示する制御を行う表示制御部と、
前記第1の操作画面が表示されている状態において、前記第2の操作画面を表示する際に、前記第1の操作画面の表示または前記第2の操作画面の表示に利用者の認証が必要であるか否かの情報に基づいて、前記第1の操作画面を終了または不可視とする制御を行う制御部と
して機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−42992(P2012−42992A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−180786(P2010−180786)
【出願日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】