説明

情報処理装置およびプログラム

【課題】情報処理装置にて実行された処理で不具合が発生した可能性が高い場合に、情報処理装置にて実行された処理の履歴情報を蓄積装置に送信すること。
【解決手段】制御部11は、電源オンの処理を開始した日時を第2電源オン日時とする(ステップS72)。制御部11は、第2電源オン日時よりも前に実行した処理のうち、最も近い時間に実行した電源オフの処理の日時(第1電源オフ日時)を特定する(ステップS74)。そして、制御部11は、第2電源オン日時と第1電源オフ日時との差から算出した停止期間が閾値未満か否かを判断する(ステップS76)。制御部11は、停止期間が閾値未満である場合、利用者の電源スイッチの切り替え操作が、未知の不具合からの復旧を試みたものであると判断し、第1電源オフ日時より前に実行された処理の履歴情報を蓄積装置20に送信する(ステップS77)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
情報処理装置においては、意図しない操作や継続的・反復的な使用によって不具合が発生することがある。そのため、情報処理装置は、実行した処理の内容やその日時などのいわゆる履歴情報を記憶しておき、不具合が発生した場合には、その履歴情報に基づいて不具合の原因を解析することがある。
例えば、特許文献1には、情報処理装置の処理で不具合が発生した場合には、不具合が発生した処理の履歴情報を外部装置に送信することが記載されている。また、特許文献2には、情報処理装置の処理で不具合が発生した後、利用者による電源のオフ・オン等のオペレーションにより不具合が解消してしまうことがあるために、デバイスから取得したステータス情報に基づいた履歴情報を蓄積サーバに送信し、予め決められた時間後にデバイスから再び取得したステータス情報に基づいた履歴情報を蓄積サーバに送信することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平06−085942号公報
【特許文献2】特開2003−316668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、情報処理装置にて実行された処理で不具合が発生した可能性が高い場合に、情報処理装置にて実行された処理の履歴情報を蓄積装置に送信することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に係る情報処理装置は、処理を実行する処理実行手段と、前記処理実行手段が実行した処理の履歴情報を記憶手段に記録する記録手段と、 前記処理実行手段が電力の供給を停止する処理を実行した第1の日時と、当該第1の日時において電力の供給が停止された後にはじめて電力の供給を開始する処理を実行した第2の日時との差が閾値未満か否かを判断する第1判断手段と、前記第1判断手段によって前記差が閾値未満であると判断された場合には、前記第1の日時よりも前に前記処理実行手段が実行した処理の履歴情報を前記記憶手段から読み出して、当該履歴情報を蓄積する蓄積装置に送信する送信手段とを備える。
【0006】
本発明の請求項2に係る情報処理装置は、請求項1に記載の構成において、前記第1判断手段によって前記差が閾値未満であると判断された場合に、前記第2の日時より後の予め決められた期間内に前記処理実行手段が実行した処理の属性と一致する属性の処理が、前記第1の日時よりも前に前記処理実行手段により実行されたか否かを判断する第2判断手段を備え、前記送信手段は、前記第1判断手段によって前記差が閾値未満であると判断され、且つ、前記第2判断手段によって前記一致する属性の処理が実行されたと判断された場合には、前記記憶手段から読み出した前記履歴情報を前記蓄積装置に送信することを特徴とする。
【0007】
本発明の請求項3に係る情報処理装置は、請求項1に記載の構成において、前記第1判断手段によって前記差が閾値未満であると判断された場合に、前記第2の日時より後に前記処理実行手段が実行した予め決められた数の処理のうちのいずれかの属性と一致する属性の処理が、前記第1の日時よりも前に前記処理実行手段により実行されたか否かを判断する第3判断手段を備え、前記送信手段は、前記第1判断手段によって前記差が閾値未満であると判断され、且つ、前記第3判断手段によって前記一致する属性の処理が実行されたと判断された場合には、前記記憶手段から読み出した前記履歴情報を前記蓄積装置に送信することを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項4に係る情報処理装置は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の構成において、前記第1判断手段によって前記差が閾値未満であると判断された場合に、前記第1の日時より前の期間における自装置の構成部品と、前記第2の日時より後の期間における自装置の構成部品とが一致するか否かを判断する第4判断手段を備え、前記送信手段は、前記第4判断手段によって前記構成部品が一致すると判断された場合には、前記記憶手段から読み出した前記履歴情報を前記蓄積装置に送信することを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項5に係る情報処理装置は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の構成において、前記第1判断手段によって前記差が閾値未満であると判断された場合に、前記記憶手段から読み出した前記履歴情報を前記蓄積装置に送信するか否かを選択させる選択手段を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項6に係るプログラムは、コンピュータを、処理を実行する処理実行手段と、前記処理実行手段が実行した処理の履歴情報を記憶手段に記録する記録手段と、 前記処理実行手段が電力の供給を停止する処理を実行した第1の日時と、当該第1の日時において電力の供給が停止された後にはじめて電力の供給を開始する処理を実行した第2の日時との差が閾値未満か否かを判断する第1判断手段と、前記第1判断手段によって前記差が閾値未満であると判断された場合には、前記第1の日時よりも前に前記処理実行手段が実行した処理の履歴情報を前記記憶手段から読み出して、当該履歴情報を蓄積する蓄積装置に送信する送信手段として機能させるためのものである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の情報処理装置によれば、情報処理装置にて実行された処理で不具合が発生した可能性が高い場合に、情報処理装置にて実行された処理の履歴情報を蓄積装置に送信することができる。
【0012】
請求項2に記載の情報処理装置によれば、第2の日時より後の予め決められた期間内に実行した処理の属性と一致する属性の処理が、第1の日時よりも前に実行されたか否かを判断する、という構成を有しない場合に比べて、不具合が発生した可能性が高い処理の履歴情報を蓄積装置に送信することができる。
【0013】
請求項3に記載の情報処理装置によれば、第2の日時より後に実行された予め決められた数の処理のうちのいずれかの属性と一致する属性の処理が、第1の日時よりも前に実行されたか否かを判断する、という構成を有しない場合に比べて、不具合が発生した可能性が高い処理の履歴情報を蓄積装置に送信することができる。
【0014】
請求項4に記載の情報処理装置によれば、第1の日時より前の期間における自装置の構成部品と、第2の日時より後の期間における自装置の構成部品とが一致するか否かを判断する、という構成を有しない場合に比べて、不具合が発生した可能性が高い処理の履歴情報を蓄積装置に送信することができる。
【0015】
請求項5に記載の情報処理装置によれば、情報処理装置にて実行された処理の履歴情報を蓄積装置に送信するか否かを選択することができる。
【0016】
請求項6に記載のプログラムによれば、コンピュータにて実行された処理で不具合が発生した可能性が高い場合に、コンピュータにて実行された処理の履歴情報を蓄積装置に送信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に係るリモート保守システムの構成を示す図である。
【図2】同実施形態に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図3】同実施形態に係る蓄積装置の構成を示すブロック図である。
【図4】同実施形態に係る履歴情報の生成処理の動作を示すフローチャートである。
【図5】同実施形態に係る履歴情報の一例を示す図である。
【図6】同実施形態に係る電源オフの処理の動作を示すフローチャートである。
【図7】同実施形態に係る電源オンの処理の動作を示すフローチャートである。
【図8】同実施形態に係る画像形成装置10の機能構成を示すブロック図である。
【図9】変形例に係る履歴情報の一例を示す図である。
【図10】変形例に係る選択画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[構成]
図1は、本実施形態に係るリモート保守システム1の構成を示す図である。同図に示すように、リモート保守システム1は、各種の処理を実行する情報処理装置の一例である画像形成装置10と、情報処理装置の履歴情報を蓄積する蓄積装置20とを備えている。画像形成装置10と蓄積装置20とは、LAN(Local Area Network)やインターネットなどの通信回線Nを介して互いに接続されている。なお、蓄積装置20に接続される画像形成装置10の数は、図示した数に限定されず、他の数であってもよい。
【0019】
次に、画像形成装置10の構成について説明する。図2は、画像形成装置10の構成を示すブロック図である。画像形成装置10は、各種の処理を実行するコンピュータであり、制御部11、記憶部12、操作部13、表示部14、通信部15、画像形成部16及び電力供給部17を備えている。制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)等を備えており、CPUがROMや記憶部12に記憶されているプログラムを実行するなどして画像形成装置10の各部を制御する。制御部11は、例えば日時(年月日時分秒)を計時したり、履歴情報を生成したり、生成した履歴情報を記憶部12に記憶したり、記憶した履歴情報を蓄積装置20に送信したりする。この履歴情報には、例えば、画像形成装置10を構成する各部の物理的な状況を示す情報や、プログラムを実行することによりRAMに記憶された情報などが含まれる。記憶部12は、HD(Hard Disk)などの電力供給がなくても記憶し続ける記憶装置であり、各種のプログラムやデータを記憶している。記憶部12は、履歴情報を記憶する記憶領域を備えている。操作部13は、電源スイッチや複数のキーを備えており、利用者の操作を受け付けてその操作に応じた信号を制御部11に供給する。表示部14は、ディスプレイを備えており、制御部11から供給される信号に基づいて、処理の進行状況や利用者に操作を案内する情報などを表示する。通信部15は、通信回路や通信インタフェースを備えており、通信回線Nを介して蓄積装置20と通信を行なう。画像形成部16は、像保持体である感光体ドラム、感光体ドラムの外周面を帯電させる帯電部、感光体ドラムに静電潜像を形成する露光部、静電潜像を現像してトナー像を形成する現像部、そのトナー像を記録媒体へ転写する転写部、及び記録媒体に転写されたトナー像をその記録媒体に定着させる定着部を備えており、画像データに応じた画像を記録媒体に形成する。電力供給部17は、図示せぬ電源コードによって商用電源に接続されており、商用電源から供給される電力を画像形成装置10の各部に供給する。電力供給部17における電力の供給の開始及び停止は制御部11によって制御される。
【0020】
次に、蓄積装置20の構成について説明する。図3は、蓄積装置20の構成を示すブロック図である。蓄積装置20は、画像形成装置10から送信された履歴情報を蓄積する装置であり、画像形成装置10の保守作業を行なう作業者によって操作される。作業者は、蓄積装置20を操作することにより、画像形成装置10から送信された履歴情報を確認したり、画像形成装置10に対する保守作業を遠隔で行なったりする。蓄積装置20は、制御部21、記憶部22、操作部23、表示部24及び通信部25を備えている。制御部21は、CPU、ROM及びRAM等を備えており、CPUがROMや記憶部22に記憶されているプログラムを実行することによって蓄積装置20の各部を制御する。記憶部22は、HDなどの補助記憶装置であり、各種のプログラムやデータを記憶している。記憶部22は、画像形成装置10から送信された履歴情報を記憶する記憶領域を備えている。操作部23は、電源スイッチや複数のキーを備えており、作業者の操作を受け付けてその操作に応じた信号を制御部21に供給する。表示部24は、ディスプレイを備えており、制御部21から供給される情報に基づいて、記憶部22に記憶されている履歴情報などを表示する。通信部25は、通信回路や通信インタフェースを備えており、通信回線Nを介して画像形成装置10と通信を行い、例えば画像形成装置10から送信された履歴情報を受信する。
【0021】
[動作]
以下、実施形態の動作例について説明する。図4は、履歴情報の生成処理の動作を示すフローチャートである。画像形成装置10の制御部11は、利用者から処理の実行を指示する操作が操作部13に入力されたか否かを判断する(ステップS41)。制御部11は、指示の入力がないと判断した場合には(ステップS41;NO)、この判断処理を繰り返す。制御部11は、指示の入力があると判断した場合には(ステップS41;YES)、その指示に応じた処理を実行する。つまり、制御部11は、処理を実行する処理実行手段の一例として機能する。ここで、画像形成装置10が、利用者の指示に応じて実行する動作群を「処理」と定義し、「処理」を構成する動作群のうち、履歴情報として記憶される最小単位の動作を「タスク」と定義する。例えば、利用者が画像形成装置10に対して「画像形成処理」の実行を指示した場合には、「画像形成処理」が「処理」に該当し、「画像形成処理」を構成する「帯電」、「露光」、「現像」、「転写」、「定着」などの各動作が「タスク」に該当する。したがって、「画像形成処理」という処理が実行された場合には、「帯電」、「露光」、「現像」、「転写」、「定着」の夫々のタスクに対応する履歴情報が生成される。制御部11は、処理を構成するタスクを予め決められた順番で実行する(ステップS42)。制御部11は、例えば、処理Aを構成するタスクを、タスクA1、タスクA2、タスクA3の順番で実行するものとする。制御部11は、夫々のタスクを実行した日時を計時機能によって計時し、これを取得する(ステップS43)。また、制御部11は、画像形成装置10を構成する各部の物理的な状況を示す情報や、プログラムを実行することによりRAMに記憶された情報を、実行したタスクに応じた履歴情報としてRAMに記憶させる(ステップS44)。そして、制御部11は、処理を構成するタスクを全て実行したか否かを判断する(ステップS45)。制御部11は、実行していないタスクがあると判断した場合には(ステップS45;NO)、ステップS42〜ステップS44を繰り返すことで後続のタスクを実行する。制御部11は、全てのタスクを実行したと判断した場合には(ステップS45;YES)、ステップS41の処理に戻る。
【0022】
図5は、履歴情報の一例を示す図である。履歴情報には、実行した処理を識別する処理ID、実行した処理の内容、実行したタスクの内容、実行したタスクの結果、及びタスクを実行した日時が含まれる。例えば、処理IDがA001の履歴情報は、その処理の内容が処理Aであり、日時T1にタスクA1が実行され、日時T2にタスクA2が実行され、日時T3にタスクA3が実行されたことを表している。なお、各日時の末尾に付された数字は、時間の経過と共に大きくなるものとする。また、処理IDがA002の履歴情報は、その処理の内容が処理Aであり、日時T4にタスクA1が実行され、日時T5にタスクA2が実行され、日時T6にタスクA4が実行されたことを表している。処理IDがA001の処理Aと、処理IDがA002の処理Aとは、同じ処理であるから、本来、同じタスクが実行されるはずである。しかし、処理IDがA002の処理Aにおいては、タスクA2の実行中に不具合が発生したため、タスクA2に続いてタスクA3を実行すべきところを、例外的にタスクA4を実行した。このように、通常とは異なるタスクを実行するのは、タスクの実行中に発生した不具合により、画像形成装置10における他の処理に影響を及ぼさないようにする為である。以降の説明においては、先行して実行されたタスクに不具合が発生した場合に、不具合が発生していない場合とは異なるタスクを、後続のタスクとして実行することを「例外処理」ということにする。このような例外処理を行なうためには、その不具合の発生が予見されている必要があり、更には、実行中のタスクにおいて発生する不具合を検知する為の仕組みが必要である。以降、この例外処理が行われる不具合を、既知の不具合ということにする。
【0023】
一方、例外処理が行われない場合又は例外処理が適切ではない場合には、指示された処理が正常に実行されないだけでなく、画像形成装置10における他の処理に影響を及ぼしてしまうことがある。このような、例外処理が行われない不具合を、未知の不具合ということにする。図5では、この未知の不具合が発生した場合における履歴情報が、処理IDがA003の履歴情報に相当する。処理IDがA003の履歴情報は、その処理の内容が処理Aであり、日時T7にタスクA1、日時T8にタスクA2が実行されたことを表しているが、タスクA2に後続するタスクA3又はA4が実行されたことを表していない。これは、例えば、タスクA2の実行中に未知の不具合が発生したために、処理A2の実行が中断されたためと考えられる。なお、処理IDがA001及びA002の履歴情報のように、全てのタスクが実行されている場合においても、未知の不具合が発生している場合もあり得る。
【0024】
ところで、一般的に、未知の不具合は、情報処理装置の各部の組み合わせや、入力された複数の指示の組み合わせなど、複合的な要因により発生する場合が多く、再発性の低い場合が多い。したがって、蓄積装置は、未知の不具合が発生した処理の履歴情報を数多く蓄積し、蓄積した履歴情報を解析することで、その発生原因を特定することが重要である。しかしながら、不具合が発生した処理の履歴情報を蓄積装置に送信(蓄積)するような、例えば特許文献1,2に記載された技術を用いたとしても、未知の不具合の発生を検知すること自体ができないから、履歴情報を蓄積装置に送信することがない。つまり、蓄積装置は、未知の不具合が発生した処理の履歴情報を蓄積することができない。また、利用者が未知の不具合の発生を仮に認識したとしても保守作業を行なう作業者に連絡するとは限らないし、情報処理装置の電源スイッチをオンからオフを切り替え、更にオフからオンに切り替える操作を行なうことで未知の不具合を解消させてしまうことがある。この場合においても、蓄積装置は、未知の不具合が発生した処理の履歴情報を蓄積することができない。
【0025】
本実施形態においては、情報処理装置に相当する画像形成装置10が自装置の処理において発生した未知の不具合を検知していない場合においても、自装置に未知の不具合が発生した可能性がある場合には、そのような可能性がある処理の履歴情報を蓄積装置に送信する。不具合が発生した可能性がある処理であるか否かは、画像形成装置10の電源スイッチをオンからオフを切り替え、更にオフからオンに切り替える操作が利用者によってなされたことに基づいて判断される。
【0026】
ここで、本実施形態における動作の説明に戻り、利用者が、図5の処理IDがA003の処理Aを指示した後に、例えば、意図した処理結果を得られなかった等の理由により、不具合の発生を認識したものとする。そして、利用者は、電源スイッチをオンからオフを切り替え、更にオフからオンに切り替える操作を実施することで、不具合からの復旧を試みたと仮定する。以下、この場合における画像形成装置10の動作について説明する。
【0027】
まず、利用者が、操作部13の電源スイッチをオンからオフに切り替える操作を実施した場合における制御部11の動作について説明する。図6は、電源オフの処理の動作を示すフローチャートである。画像形成装置10の制御部11は、操作部13の電源スイッチがオンからオフに切り替えられると、電力の供給を停止する処理の一例である電源オフの処理を開始する。制御部11は、電源オフの処理が開始された時点で計時した日時を電源オフの日時(以降、第1電源オフ日時という)として取得し(ステップS62)、電源オフの処理に関する履歴情報を生成してRAMに記憶する(ステップS63)。つまり、第1電源オフ日時は、電力の供給を停止する処理を実行した第1の日時の一例である。これにより、例えば、図5の処理IDがA004の履歴情報が生成される。この処理IDがA004の履歴情報は、日時T9に電源オフの処理が実行されたことを表している。次に、制御部11は、RAMに記憶されている全ての履歴情報を読み出し、記憶部12に記録する(ステップS64)。つまり、制御部11は、記憶手段の一例として機能する記憶部12に履歴情報を記録する記録手段の一例として機能する。ここで、制御部11は、RAMに記憶されている全ての履歴情報として、例えば、図5の処理IDがA000からA004までの履歴情報を記憶部12に記憶させる。なお、図5の処理IDがA000の履歴情報は、前回、電源オンの処理が発生した日時がT0であることを表している。この電源オンの処理については後述する。そして、制御部11は、記憶部12への記憶が完了すると、電力供給部17を制御して、画像形成装置10に対する電力の供給を停止させる(ステップS65)。
【0028】
次に、利用者が操作部13の電源スイッチをオフからオンに切り替える操作を実施した場合における制御部11の動作について説明する。図7は、電源オンの処理の動作を示すフローチャートである。画像形成装置10の制御部11は、操作部13の電源スイッチがオフからオンに切り替えられると、電力の供給を開始する処理の一例である電源オンの処理を開始する。制御部11は、電源オンの処理が開始された時点で計時された日時を電源オンの処理の日時(以降、第2電源オン日時という)として取得し(ステップS72)、電源オンの処理に関する履歴情報を生成してRAMに記憶する(ステップS73)。つまり、第2電源オン日時は、第1の日時において停止された電力の供給を開始する処理を実行した第2の日時の一例である。これにより、例えば、図5の処理IDがA005の履歴情報が生成される。この処理IDがA005の履歴情報は、日時T10に電源オンの処理が実行されたことを表している。なお、図5の処理IDがA000の履歴情報は、第1電源オフ日時(日時T9)において停止された電力の供給を開始する処理を第1電源オフ日時よりも前に実行した電源オンの処理の日時(以降、第1電源オン日時という)がT0であることを表している。
【0029】
次に、制御部11は、ステップS72の処理で取得した日時よりも前に実行した処理のうち、最も近い時間に実行した電源オフの処理の日時である第1電源オフ日時を、記憶部12に記憶された履歴情報から特定する(ステップS74)。制御部11は、例えば、図5の処理IDがA004の履歴情報から、第1電源オフ日時がT9であると特定する。そして、制御部11は、ステップS72の処理で取得された第2電源オン日時(ここでは、T10)と、第1電源オフ日時(ここでは、T9)との差の絶対値を算出する(ステップS75)。なお、この期間は画像形成装置10に対する電力供給が停止されて動作を行なわない期間であるから、以降、算出した差の絶対値を画像形成装置10の停止期間という。
【0030】
次に、制御部11は、ステップS75の処理で算出した停止期間が閾値未満か否かを判断する(ステップS76)。この閾値は、利用者の電源スイッチの切り替え操作が、未知の不具合からの復旧を試みたものであるか否かを判断するために設けられた値であり、記憶部12に予め記憶されている値である。つまり、制御部11は、第1電源オフ日時と第2電源オン日時との差が閾値未満か否かを判断する第1判断手段の一例として機能する。制御部11は、停止期間が閾値未満ではない場合(ステップS76;NO)、利用者の電源スイッチの切り替え操作が、未知の不具合からの復旧を試みたものではないと判断する。一方、制御部11は、停止期間が閾値未満であると判断すると(ステップS76;YES)、利用者の電源スイッチの切り替え操作が、未知の不具合からの復旧を試みたものであると判断する。
【0031】
このように停止期間と閾値とのを大小を判断するのは、次の理由からである。一般的に、画像形成装置10には複数のパーソナルコンピュータが通信回線を介して接続されており、処理の指示の入力が随時受け付けられるようになっていることが多い。この場合、利用者が画像形成装置10を利用する度に電源スイッチを切り替えるといった使い方は稀であるから、画像形成装置10の電源スイッチを切り替える操作がなされる頻度が高くはないと考えられる。一方、画像形成装置10において不具合が発生した場合、利用者は、自身が指示した処理が行われないから、一刻も早い復旧を望むはずである。この場合、利用者が電源スイッチを切り替えることで不具合からの復旧を試みるが、この場合における停止期間は、その他の停止期間と区別し得る程度に短いものと考えられる。そこで、制御部11は、停止期間と閾値とを比較し、停止期間が閾値未満である場合には、利用者の電源スイッチの切り替え操作が不具合からの復旧を試みたものと判断する。
【0032】
停止期間が閾値未満であると判断した場合(ステップS76;YES)、制御部11は、第1電源オフ日時のT9より前に実行された処理の履歴情報を、記憶部12から読み出して蓄積装置20に送信する(ステップS77)。制御部11は、例えば、図5の処理IDがA001からA003までの履歴情報を蓄積装置20に送信する。つまり、制御部11は、履歴情報を蓄積装置に送信する送信手段の一例として機能する。蓄積装置20の制御部21は、通信回線Nを介して受信した履歴情報を記憶部22に記憶させる。つまり、未知の不具合が発生した処理の履歴情報が、蓄積装置20に蓄積されることになる。そして、蓄積装置20の制御部21は、記憶部22に記憶された履歴情報を解析することにより、未知の不具合の発生原因を特定する。
【0033】
本実施形態のように動作が行われた場合、電力の供給を停止する処理を実行した第1電源オフ日時(第1の日時)と、第1電源オフ日時において停止された電力の供給を開始する処理を実行した第2電源オン日時(第2の日時)との差が閾値未満か否かを判断する、という構成を有しない場合に比べて、自装置で実行された処理の履歴情報のうち不具合が発生した可能性が高い処理の履歴情報を選び出して蓄積装置に送信することになる。
【0034】
ここで、上述した実施形態において画像形成装置10の制御部11が実現する機能構成について説明する。図8は、画像形成装置10の制御部11が実現する機能構成を示す機能ブロック図である。制御部11は、プログラムを実行することにより、図8に示す処理実行部111、記録部112、第1判断部113及び送信部114に相当する機能を実現する。処理実行部111は、処理実行手段の一例であり、利用者からの指示に応じた処理を実行する。記録部112は、記録手段の一例であり、処理実行部111が実行した処理の履歴情報を記憶部12に記録する。第1判断部113は、第1判断手段の一例であり、処理実行部111が電力の供給を停止する処理を実行した第1電源オフ日時(第1の日時)と、第1電源オフ日時において電力の供給が停止された後にはじめて電力の供給を開始する処理を実行した第2電源オン日時(第2の日時)との差が閾値未満か否かを判断する。送信部114は、送信手段の一例であり、第1判断部113によって第1電源オフ日時と第2電源オン日時との差が閾値未満であると判断された場合には、第1電源オフ日時よりも前に処理実行部111が実行した処理の履歴情報を記憶部12から読み出して、当該履歴情報を蓄積する蓄積装置20に送信する。
【0035】
[変形例]
上述した実施形態の内容を以下のように変形してもよい。以下に示す各変形例は、必要に応じて組み合わせて実施されてもよい。
[変形例1]
履歴情報に含まれる内容は、図5に示したものに限定されるものではない。例えば、図9に示すように、制御部11は、画像データ等のファイルを処理の対象とする場合において、そのファイル名を処理の属性の一例として履歴情報に含めてもよい。ここでいう処理の属性とは、例えば、処理の対象となるファイル名とか、処理を指示する利用者を識別する情報などのように、処理を実行する制御部11により、任意に特定される情報のことである。図9は、変形例に係る履歴情報の一例を示す図である。この場合、制御部11は、停止期間が閾値未満か否かの判断に加えて、履歴情報に含まれたファイル名に基づいて、蓄積装置20への送信の可否を判断してもよい。
【0036】
例えば、制御部11は、停止期間が閾値未満であると判断した場合においても、履歴情報を蓄積装置20に送信せずに、利用者の指示に応じた処理を実行する。そして、制御部11は、第2電源オン日時のT10より後に実行された処理の対象のファイル名と一致するファイルが、第1電源オフ日時のT9より前に実行された処理の履歴情報の中に含まれているか否かを判断する。ここで、制御部11は、処理IDがA007の履歴情報に含まれるファイル名と、処理IDがA003の履歴情報に含まれるファイル名とが一致すると判断したものとする。このように、制御部11は、ファイル名が一致すると判断した場合には、電源スイッチの切り替え操作が未知の不具合からの復旧を試みたものであるものとして、第1電源オフ日時のT9より前に実行された処理の履歴情報を蓄積装置20に送信する。この判断は、次の理由に基づく。例えば、利用者は、指示した処理において意図した処理結果を得られなかった場合、不具合の発生を認識する。そして、利用者は、電源スイッチをオンからオフを切り替え、更にオフからオンに切り替える操作を実施することで、不具合からの復旧を試みる。この時点で、利用者は、意図した処理結果を得られていないから、意図した処理結果を得るために、再び処理(以降、再処理という)を指示すると考えられるからである。
【0037】
更に、制御部11は、この変形例において、第2電源オン日時より後に実行した処理のうち、予め決められた数の処理のみを、再処理であるか否かを判断する対象としてもよい。この場合、制御部11は、第3判断手段の一例として機能する。例えば、制御部11は、再処理であるか否かを判断する対象の数を「2」とした場合、図9の処理IDがA006又はA007の履歴情報に応じた処理のみを、再処理であるか否かを判断する対象とする。つまり、制御部11は、処理IDがA006又はA007の履歴情報に含まれたファイル名と一致するファイルが、第1電源オフ日時のT9より前に実行された処理の履歴情報の中に含まれているか否かを判断する。なお、再処理であるか否かを判断する対象の数の最小値は「1」とする。また、制御部11は、この変形例において、予め決められた数の処理ではなく、第2電源オン日時より後の予め決められた期間に実行した処理のみを、再処理であるか否かを判断する対象としてもよい。この場合、制御部11は、第2判断手段の一例として機能する。例えば、制御部11は、再処理であるか否かを判断する期間を「10分」とした場合、その期間において実行された処理のみを、再処理であるか否かを判断する対象とする。
【0038】
このように、再処理であるか否かを判断する対象となる処理を限定するのは、次の理由に基づく。画像形成装置10において不具合が発生した場合、利用者は、一刻も早く意図した処理結果を得たいはずである。この場合、利用者が電源スイッチを切り替えることで不具合からの復旧を試みた後から再処理を指示するまでに実行される処理は少なく、その期間は短いものと考えられる。従って、制御部11は、第2電源オン日時T10より後に実行した処理の全てに対して、再処理であるか否かを判断する必要はなく、予め決められた数の処理又は予め決められた期間に実行した処理に対してのみ、再処理であるか否かを判断すればよいと考えられる。そして、制御部11は、再処理であると判断した場合にのみ、第1電源オフ日時T9より前に実行された処理の履歴情報を蓄積装置20に送信すればよい。このように動作が行われた場合、第2電源オン日時(第2の日時)より後に実行した処理の属性と一致する属性の処理が、第1電源オフ日時(第1の日時)より前に実行されたか否かを判断する、という構成を有しない場合に比べて、不具合が発生した可能性が高い処理の履歴情報を選び出す精度を向上させることになる。
【0039】
また、制御部11は、この変形例において、第1電源オフ日時の直前に実行された処理の対象のファイル名と、第2電源オン日時より後に実行された処理の対象のファイル名とを比較することで、第2電源オン日時より後に実行された処理が再処理であるか否かを判断してもよい。例えば、制御部11は、第1電源オフ日時T9の直前に実行された処理である処理IDがA003の履歴情報に含まれるファイル名と、第2電源オン日時T10より後に実行された処理の対象のファイル名(ファイルA3、ファイルA4・・・)とを夫々比較する。そして、制御部11は、同一のファイル名が存在すると判断した場合には、第1電源オフ日時T9より前に実行された処理の履歴情報を蓄積装置20に送信する。このように、第1電源オフ日時T9の直前に実行された処理の対象のファイル名に基づいて履歴情報の送信有無を判断するのは、次の理由に基づく。画像形成装置10において不具合が発生した場合、画像形成装置10が操作を受け付けなくなる場合がある。このような場合には、第1電源オフ日時T9の直前に実行された処理において、未知の不具合が発生したと考えられるから、第1電源オフ日時T9の直前に実行された処理のファイル名に基づいて、再処理であるか否かを判断すればよい。このように動作が行われた場合、制御部11が実行した処理の履歴情報のうち不具合が発生した可能性が高い処理の履歴情報を蓄積装置に送信することになる。
【0040】
また、制御部11は、この変形例において、第1電源オフ日時T9より前に実行された処理の履歴情報の全てではなく、少なくともその一部を蓄積装置20に送信するようにしてもよい。例えば、制御部11は、第1電源オン日時T0より後且つ第1電源オフ日時T9より前に実行された処理の履歴情報を蓄積装置20に送信するようにしてもよい。また、制御部11は、第1電源オフ日時T9より前に実行した処理の履歴情報のなかから、再処理であると判断した処理の対象のファイル名と同一のファイル名を含む履歴情報のみを蓄積装置20に送信してもよい。また、例えば、制御部11は、第1電源オフ日時T9までの期間に実行した処理の履歴情報のうち、第1電源オフ日時T9に最も近い時期に実行した処理の履歴を少なくとも含む履歴情報を記憶部12から読み出して蓄積装置20に送信してもよい。
【0041】
また、制御部11は、この変形例において、処理を指示する利用者を識別する情報(以下、利用者識別情報)を取得し得る場合において、その利用者識別情報処理の属性の一例として履歴情報に含めてもよい。この場合、制御部11は、停止期間が閾値未満か否かの判断に加えて、履歴情報に含まれた利用者識別情報に基づいて、蓄積装置20への送信の可否を判断してもよい。この理由は、ファイル名に基づいて、再処理であるか否かを判断する対象とする場合と同じである。この場合、制御部11は、画像データ等のファイルを処理の対象としない場合においても、その利用者識別情報に基づいて、蓄積装置20への送信の可否を判断することが可能となる。なお、利用者識別情報には、利用者自身を特定する利用者IDなどの他、利用者が操作し、画像形成装置10に対して処理を指示する信号を供給するパーソナルコンピュータなどのIPアドレスなどでもよい。
【0042】
なお、制御部11は、停止期間が閾値未満であるか否かの判断によらずに、既知の不具合が発生した処理の履歴情報を蓄積装置20に送信してもよい。
【0043】
[変形例2]
画像形成装置10は、例えば、自装置を構成する各部品(以下、構成部品という)の脱着を検知するセンサを備えていてもよく、制御部11は、当該センサから供給された信号に基づいて構成部品の着脱などの変化を検知してもよい。また、制御部11は、例えば、自装置の構成部品を識別する情報を夫々から読み出すことで構成部品の交換などの変化を検知してもよい。ここでいう構成部品とは、消耗部品とかオプション機器のように、画像形成装置10を構成する各部品のことである。この場合、制御部11は、第1電源オフ日時より前の期間における自装置の構成部品と、第2電源オン日時より後の期間における自装置の構成部品とが一致するか否かを判断し、自装置の構成部品が異なることを検知した場合には、履歴情報を蓄積装置20に送信しないようにしてもよい。この場合、制御部11は、第4判断手段の一例として機能する。この判断は、次の理由に基づく。一般的に、画像形成装置10の構成部品が変わる場合には、例えば、消耗部品を交換したり、オプション機器を装着したり外したりするような、何らかの保守作業が行われたものと考えられる。また、利用者が電源スイッチを切り替えることで不具合からの復旧を試みるような場合には、画像形成装置10の構成部品を変えるような作業を行なわないことが多い。したがって、制御部11は、自装置の構成部品が異なる場合には、利用者が未知の不具合からの復旧を試みたのではなく、何らかの保守作業が行われたものとして、履歴情報を蓄積装置20に送信しなくてもよい。このように動作が行われた場合、制御部10は、第1電源オフ日時(第1の日時)より前の期間における自装置の構成部品と、第2電源オン日時(第2の日時)より後の期間における自装置の構成部品とが一致するか否かを判断する、という構成を有しない場合に比べて、不具合が発生した可能性が高い処理の履歴情報を選び出す精度を向上させることになる。
【0044】
[変形例3]
制御部11は、自装置の設定・変更を適用するために、電源スイッチの切り替え操作を利用者に要求したり、又は強制的に再起動の処理を実行したりすることがある。この場合、利用者が未知の不具合からの復旧を試みた処理ではないことが明らかであるから、制御部11は、停止期間が閾値未満であると判断しても、履歴情報を蓄積装置20に送信しなくてもよい。
【0045】
[変形例4]
上記実施形態において、制御部11は、操作部13の電源スイッチがオンからオフに切り替えられたと判断し、電源オフの処理を開始した時点で計時した日時を電源オフの日時とした(ステップS61)。しかし、電源オフの日時はこれに限らず、制御部11は、電力供給部17を制御して、画像形成装置10に対する電力の供給を停止させた時点で計時した日時や、電源オフの処理を開始した時点から予め決められた期間だけ経過した日時を電源オフの日時としてもよい。要するに、制御部11は、操作部13の電源スイッチがオンからオフに切り替えられたと判断した時点以降から、画像形成装置10に対する電力の供給を停止させる時点以前の何れかの時点の日時を、電力の供給を停止する処理を実行した日時とすればよい。
【0046】
[変形例5]
上記実施形態において、制御部11は、操作部13の電源スイッチがオフからオンに切り替えられたと判断し、電源オンの処理を開始した時点で計時した日時を電源オンの日時とした(ステップS71)。しかし、電源オンの日時はこれに限らず、制御部11は、電源オンの処理に含まれる予め決められた処理、例えばセットアップ処理が開始又は終了した時点で計時した日時や、電源オンの処理を開始した時点から予め決められた期間だけ経過した日時を電源オンの日時としてもよい。要するに、制御部11は、操作部13の電源スイッチがオフからオンに切り替えられたと判断した時点以降から、処理の実行の指示の受付を開始する時点より前の何れかの時点の日時を、電力の供給を開始する処理を実行した日時とすればよい。
【0047】
[変形例6]
上記実施形態においては、制御部11は、停止期間と閾値とを比較することにより、履歴情報を蓄積装置20に送信するか否かを判断した。しかしながら、制御部11が履歴情報を蓄積装置20に送信するか否かを判断する基準はこれに限らない。電源オンの処理において、制御部11は、履歴情報を蓄積装置20に送信すると判断した場合には、実際に履歴情報を送信するか否かを利用者に選択させる選択画面を表示部14に表示させてもよい。図10は、変形例に係る選択画面の一例を示す図である。同図に示すように、選択画面G101には、未知の不具合が発生した恐れがある旨のメッセージと、履歴情報を送信するか否かを選択するためのラジオボタンR101と、ラジオボタンR101の選択後にクリック等の操作により選択される選択ボタンB101とが含まれている。制御部11は、選択画面G101において、例えばラジオボタンR101で「履歴情報を送信する」が選択され、更に選択ボタンB101が選択された場合にのみ、履歴情報を通信部15から蓄積装置20に送信する。つまり、制御部11は、停止期間が閾値未満であると判断された場合に、履歴情報を蓄積装置20に送信するか否かを選択する選択手段の一例として機能する。このように動作が行われた場合、不具合が発生した可能性が高い処理の履歴情報を蓄積装置に送信するか否かを選択させることになる。
【0048】
[変形例7]
上述した実施形態において、制御部11は、操作部13の電源スイッチのオンからオフへの切り替え操作を検知することをトリガーとして、履歴情報を記憶部12に記憶させた。このトリガーは、操作部13の電源スイッチのオンからオフへの切り替え操作に限るものではなく、例えば操作部13のキーを用いて電源のオンからオフを指示する操作や、通信回線Nを介してパーソナルコンピュータなどの端末から画像形成装置10の電源のオンからオフを指示する遠隔操作など、要するに、画像形成装置10に対して電源のオンからオフを指示する操作であればよい。また、制御部11は、電源のオンからオフのタイミングに限らず、予め決められた期間毎や、実行した処理の数が閾値を超過したタイミングで、自装置のRAMに記憶された履歴情報を記憶部12に記憶させてもよい。
【0049】
また、制御部11は、操作部13の電源スイッチのオフからオンへの切り替え操作を検知することをトリガーとして、履歴情報を蓄積装置20に送信するようにしていた。このトリガーは、操作部13の電源スイッチのオフからオンへの切り替え操作に限るものではなく、例えば操作部13のキーを用いて電源のオフからオンを指示する操作や、通信回線Nを介してパーソナルコンピュータなどの端末から画像形成装置10の電源のオフからオンを指示する遠隔操作など、要するに、画像形成装置10に対して電源のオフからオンを指示する操作であればよい。
【0050】
[変形例8]
上述した実施形態において、画像形成装置10の制御部11によって行なわれる処理は、制御部11と他のハードウェアとの協働によって行われてもよいし、制御部11に代えて1又は複数のハードウェアが行ってもよい。また、制御部11によって行われる処理は、単一のプログラムによって実現されてもよいし、複数のプログラムによって実現されてもよい。また、制御部11によって実行される各プログラムは、磁気テープや磁気ディスクなどの磁気記録媒体、光ディスクなどの光記録媒体、光磁気記録媒体、半導体メモリなどの、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記憶された状態で提供し得る。また、このプログラムを、インターネットのような通信回線経由で画像形成装置10にダウンロードさせることも可能である。
【符号の説明】
【0051】
1…リモート保守システム、10…画像形成装置、11…制御部、12…記憶部、13…操作部、14…表示部、15…通信部、16…画像形成部、17…電力供給部、G101…選択画面、B101…選択ボタン、R101…ラジオボタン、20…蓄積装置、21…制御部、22…記憶部、23…操作部、24…表示部、25…通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理を実行する処理実行手段と、
前記処理実行手段が実行した処理の履歴情報を記憶手段に記録する記録手段と、
前記処理実行手段が電力の供給を停止する処理を実行した第1の日時と、当該第1の日時において電力の供給が停止された後にはじめて電力の供給を開始する処理を実行した第2の日時との差が閾値未満か否かを判断する第1判断手段と、
前記第1判断手段によって前記差が閾値未満であると判断された場合には、前記第1の日時よりも前に前記処理実行手段が実行した処理の履歴情報を前記記憶手段から読み出して、当該履歴情報を蓄積する蓄積装置に送信する送信手段と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記第1判断手段によって前記差が閾値未満であると判断された場合に、前記第2の日時より後の予め決められた期間内に前記処理実行手段が実行した処理の属性と一致する属性の処理が、前記第1の日時よりも前に前記処理実行手段により実行されたか否かを判断する第2判断手段を備え、
前記送信手段は、前記第1判断手段によって前記差が閾値未満であると判断され、且つ、前記第2判断手段によって前記一致する属性の処理が実行されたと判断された場合には、前記記憶手段から読み出した前記履歴情報を前記蓄積装置に送信する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第1判断手段によって前記差が閾値未満であると判断された場合に、前記第2の日時より後に前記処理実行手段が実行した予め決められた数の処理のうちのいずれかの属性と一致する属性の処理が、前記第1の日時よりも前に前記処理実行手段により実行されたか否かを判断する第3判断手段を備え、
前記送信手段は、前記第1判断手段によって前記差が閾値未満であると判断され、且つ、前記第3判断手段によって前記一致する属性の処理が実行されたと判断された場合には、前記記憶手段から読み出した前記履歴情報を前記蓄積装置に送信する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第1判断手段によって前記差が閾値未満であると判断された場合に、前記第1の日時より前の期間における自装置の構成部品と、前記第2の日時より後の期間における自装置の構成部品とが一致するか否かを判断する第4判断手段を備え、
前記送信手段は、前記第4判断手段によって前記構成部品が一致すると判断された場合には、前記記憶手段から読み出した前記履歴情報を前記蓄積装置に送信する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第1判断手段によって前記差が閾値未満であると判断された場合に、前記記憶手段から読み出した前記履歴情報を前記蓄積装置に送信するか否かを選択させる選択手段を備える
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
コンピュータを、
処理を実行する処理実行手段と、
前記処理実行手段が実行した処理の履歴情報を記憶手段に記録する記録手段と、
前記処理実行手段が電力の供給を停止する処理を実行した第1の日時と、当該第1の日時において電力の供給が停止された後にはじめて電力の供給を開始する処理を実行した第2の日時との差が閾値未満か否かを判断する第1判断手段と、
前記第1判断手段によって前記差が閾値未満であると判断された場合には、前記第1の日時よりも前に前記処理実行手段が実行した処理の履歴情報を前記記憶手段から読み出して、当該履歴情報を蓄積する蓄積装置に送信する送信手段と
として機能させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2013−6324(P2013−6324A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−139682(P2011−139682)
【出願日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】