説明

情報処理装置および情報処理システム

【課題】デバイスに搭載された発光体の発光色を適切に設定する。
【解決手段】機器情報受付部132は、発光体および本体を有する入力デバイスから、本体の色情報を特定するための色特定情報を受け付ける。色決定部114は、入力デバイスの発光体の色情報を決定する。送信部124は、決定した色情報を、入力デバイスに通知する。色決定部114は、入力デバイスの発光体の色情報として、色特定情報から特定される本体の色情報とは異なる色情報を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理技術に関し、特に発光体を備えたデバイスの発光色を決定する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
コントローラが、ゲーム機に外観色を表すデータを送信し、ゲーム機が、コントローラの外観色とキャラクタ色とを対応づける技術が提案されている(特許文献1参照)。近年、ゲームの入力デバイスとしてワイヤレス型のゲームコントローラが普及し、また、従来式のボタン操作による入力だけでなく、ユーザが動かすデバイスをカメラで撮像して、撮像画像におけるデバイスの動きをゲームの入力として利用する技術も提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−269016号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者は、発光色を自在に変更できる発光体を搭載した入力デバイスを利用することで、様々なアプリケーションを実現できる可能性を見いだした。発光色はユーザが自由に設定できることとしてもよいが、発光体の動きをゲームの入力として利用する場合には、撮像画像から発光体を高精度で認識できることが好ましい。また一方で、ユーザは、発光体を好みの色で発光させたいという希望もあり、発光色を自動的にユーザの好みの色に設定できれば、ユーザが楽しくアプリケーションを実行できることにもつながる。
【0005】
そこで本発明は、デバイスに搭載された発光体の発光色を適切に設定する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の情報処理装置は、発光体および本体を有する入力デバイスから、本体の色情報を特定するための色特定情報を受け付ける受付部と、入力デバイスの発光体の色情報を決定する色決定部と、決定した色情報を、入力デバイスに通知する通知部と、を備える。色決定部は、入力デバイスの発光体の色情報として、色特定情報から特定される本体の色情報とは異なる色情報を決定する。
【0007】
本発明の別の態様は、情報処理装置と入力デバイスとを備えた情報処理システムに関する。入力デバイスは、発光体と、本体と、発光体の発光を制御する発光制御部とを有し、情報処理装置は、入力デバイスから、本体の色情報を特定するための色特定情報を受け付ける受付部と、入力デバイスの発光体の色情報を決定する色決定部と、決定した色情報を、入力デバイスに通知する通知部とを有する。
【0008】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、デバイスに搭載された発光体の発光色を適切に設定する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施例にかかる情報処理システムの使用環境を示す図である。
【図2】入力デバイスの外観構成を示す図である。
【図3】入力デバイスの構成を示す図である。
【図4】ゲーム装置の構成を示す図である。
【図5】発光色候補の提示画面の一例を示す図である。
【図6】色情報決定処理のフローチャートを示す図である。
【図7】色情報決定処理のフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本発明の実施例にかかる情報処理システム1の使用環境を示す。情報処理システム1は、ゲームソフトウェアを実行するゲーム装置10と、ゲーム装置10による処理結果を出力する表示装置12と、入力デバイス20と、入力デバイス20を撮像する撮像装置14を備える。
【0012】
入力デバイス20は、ユーザが操作指示を行うための操作入力装置であり、ゲーム装置10は、入力デバイス20における操作指示をもとにゲームプログラムを実行して、ゲームの処理結果を示す画像信号を生成する情報処理装置である。
【0013】
入力デバイス20は、ユーザによる操作指示をゲーム装置10に伝送する機能をもち、本実施例ではゲーム装置10との間で無線通信可能な無線コントローラとして構成される。入力デバイス20とゲーム装置10は、Bluetooth(ブルートゥース)(登録商標)プロトコルを用いて無線接続を確立してもよい。なお入力デバイス20は、無線コントローラに限らず、ゲーム装置10とケーブルを介して接続される有線コントローラであってもよい。
【0014】
入力デバイス20はバッテリにより駆動され、ゲームを進行させる操作指示を行うための複数のボタンを有して構成される。ユーザが入力デバイス20のボタンを操作すると、その操作指示が無線によりゲーム装置10に送信される。ゲーム装置10は、入力デバイス20から操作指示を受信し、操作指示に応じてゲーム進行を制御して、ゲーム画像信号を生成する。生成されたゲーム画像信号は、表示装置12より出力される。
【0015】
撮像装置14は、CCD撮像素子またはCMOS撮像素子などから構成されるビデオカメラであり、実空間を所定の周期で撮像して、周期ごとのフレーム画像を生成する。たとえば、撮像装置14の撮像速度は30枚/秒として、表示装置12のフレームレートと一致させてもよい。撮像装置14は、USB(Universal Serial Bus)あるいはその他のインタフェースを介してゲーム装置10と接続する。
【0016】
表示装置12は画像を出力するディスプレイであって、ゲーム装置10において生成された画像信号を受けて、ゲーム画面を表示する。表示装置12は、ディスプレイおよびスピーカを有するテレビであってよく、またコンピュータディスプレイであってもよい。表示装置12は、ゲーム装置10に有線ケーブルで接続されてよく、また無線LAN(Local Area Network)などにより無線接続されてもよい。
【0017】
本実施例の情報処理システム1において、入力デバイス20は発光体を有する。ゲーム中、発光体は発光し、撮像装置14により撮像される。撮像装置14は入力デバイス20を撮像し、フレーム画像を生成してゲーム装置10に供給する。ゲーム装置10はフレーム画像を取得して、フレーム画像における発光体の画像の位置および大きさから、実空間における発光体の位置情報を導出する。ゲーム装置10は、位置情報をゲームの操作指示として取り扱い、プレイヤーキャラクタの動作を制御するなど、ゲームの処理に反映させる。本実施例のゲーム装置10は、入力デバイス20のボタンなどの操作入力だけでなく、取得した発光体画像の位置情報も用いてゲームプログラムを実行する機能をもつ。
【0018】
入力デバイス20の発光体は、複数色で発光可能に構成される。発光体は、ゲーム装置10から指定される色情報により、発光色を設定できる。また発光体は、入力デバイス20の内部回路から指定される色情報により、発光色を設定できてもよい。
【0019】
入力デバイス20は加速度センサおよびジャイロセンサを有する。センサの検出値は、所定周期でゲーム装置10に送信され、ゲーム装置10は、センサの検出値を取得して、実空間における入力デバイス20の姿勢情報を取得する。ゲーム装置10は、姿勢情報をゲームの操作指示として取り扱い、ゲームの処理に反映させる。このように本実施例のゲーム装置10は、取得した入力デバイス20の姿勢情報も用いてゲームプログラムを実行する機能をもつ。
【0020】
なお、本実施例では情報処理装置の一例としてゲーム装置10を示すが、情報処理装置は、他のアプリケーションソフトウェアを実行するものであってよい。
【0021】
図2は、入力デバイス20の外観構成を示す。図2(a)は、入力デバイス20の上面構成を示し、図2(b)は、入力デバイス20の下面構成を示す。入力デバイス20は、発光体22および筒状の本体24を有する。発光体22は、その外側を光透過性を有する樹脂で球体に形成され、内側に発光ダイオードや電球などの発光素子を有し、内側の発光素子が発光すると、外側の球体全体が光る。本体24の上面には、操作ボタン30、32、34、36、38および起動ボタン42が設けられ、下面には操作ボタン40が設けられる。ユーザは本体24の端部を手で把持した状態で、操作ボタン30、32、34、36、38を親指で操作し、操作ボタン40を人差し指で操作する。操作ボタン30、32、34、36、38および起動ボタン42は、押下式に構成され、操作ボタン40は、回動式に構成されてもよい。
【0022】
ユーザは表示装置12に表示されるゲーム画面を見ながらゲームを行う。撮像装置14は、ゲームソフトウェアの実行中に発光体22を撮像する必要があるため、その撮像範囲が表示装置12と同じ方向を向くように配置されることが好ましい。一般にユーザは表示装置12の正面でゲームをプレイすることが多いため、撮像装置14は、その光軸の方向が表示装置12の正面方向と一致するように配置される。具体的に、撮像装置14は、表示装置12の近傍において、表示装置12の表示画面をユーザが視認可能な位置を撮像範囲に含むように配置されることが好ましい。これにより、撮像装置14は、入力デバイス20を撮像できる。
【0023】
図3は、入力デバイス20の構成を示す。入力デバイス20は、無線通信モジュール50、受信部52、送信部54、発光制御部60、発光部62、受付部70、記録部82、センサ84および発光色管理部90を備える。受付部70は、色情報受付部72、発光指示受付部74、操作入力受付部76およびセンサ情報受付部78を有する。発光色管理部90は、色候補決定部92および色決定部94を有する。センサ84は、3軸加速度センサ56および3軸ジャイロセンサ58を有する。無線通信モジュール50は、ゲーム装置10の無線通信モジュールとの間でデータを送受信する機能をもつ。なお、無線通信モジュール50は、受信部52および送信部54を含んで構成されてもよい。
【0024】
入力デバイス20の各機能は、CPU、メモリ、メモリにロードされたプログラムなどによって実現され、図3においてはそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがってこれらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者に理解されるところである。
【0025】
記録部82は不揮発性メモリであって、入力デバイス20に関する機器情報を保持する。機器情報は、入力デバイス20を特定するデバイス識別番号や、入力デバイス20の本体24の色情報などを含む。機器情報は、入力デバイス20の出荷時の段階で、記録部82に保持されている。本体24の色情報は、たとえば本体24の筐体色を特定するRGB情報であってよい。入力デバイス20がゲーム装置10と無線接続する際、送信部54は、記録部82に保持された機器情報を、無線通信モジュール50からゲーム装置10に送信する。
【0026】
3軸加速度センサ56は、XYZの3軸方向の加速度成分を検出する。3軸ジャイロセンサ58は、XZ平面、ZY平面、YX平面における角速度を検出する。センサ情報受付部78は、3軸加速度センサ56および3軸ジャイロセンサ58から、検出値情報を受け付け、送信部54に送る。操作入力受付部76は、操作ボタン30、32、34、36、38、40および起動ボタン42からの入力情報を受け付け、送信部54に送る。送信部54は、無線通信モジュール50を介して、操作ボタンからの入力情報とともに、3軸加速度センサ56による検出値情報、および3軸ジャイロセンサ58による検出値情報を、所定の周期でゲーム装置10の無線通信モジュールに送信する。この送信周期は、たとえば11.25m秒に設定される。
【0027】
受信部52は、無線通信モジュール50を介してゲーム装置10から送信される信号を受信し、受付部70に渡す。ゲーム装置10からは、発光体22の発光色を特定する色情報や、各種指示が送信される。色情報受付部72は、送信された色情報を受け付けると、発光色管理部90に渡す。
【0028】
発光色管理部90は、発光部62の発光色の決定処理または決定支援処理を行う。色候補決定部92は、発光色の候補を決定する。たとえば、色候補決定部92は、撮像画像に含まれる環境に存在する色を除いて、発光色の候補を決定する。色決定部94は、色候補決定部92で決定された発光色の候補などから、発光体22の発光色を決定する。記録部82は、色決定部94が決定した色情報を記録する。色候補決定部92および色決定部94は、記録部82において記録された色情報の履歴から、発光色の候補および発光色をそれぞれ決定してもよい。
【0029】
発光制御部60は、発光部62の発光を制御し、たとえば発光部62の色調や点灯のタイミングなどを制御する。発光部62は、赤色LED64a、緑色LED64b、青色LED64cを有し、複数色の発光を可能とする。発光制御部60は、色決定部94により決定された色情報にしたがって、赤色LED64a、緑色LED64b、青色LED64cの発光を調整する。
【0030】
図4は、ゲーム装置10の構成を示す。ゲーム装置10は、フレーム画像取得部100、画像処理部102、キャリブレーション処理部104、発光色管理部110、無線通信モジュール120、受信部122、送信部124、受付部130、アプリケーション処理部140、出力部142および記録部150を備える。発光色管理部110は、色候補決定部112および色決定部114を有し、受付部130は、機器情報受付部132および入力受付部134を有する。無線通信モジュール120は、入力デバイス20の無線通信モジュール50との間でデータを送受信する機能をもつ。なお、無線通信モジュール120は、受信部122および送信部124を含んで構成されてもよい。
【0031】
ゲーム装置10の各機能は、CPU、メモリ、メモリにロードされたプログラムなどによって実現され、図4においてはそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがってこれらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者に理解されるところである。
【0032】
本実施例の情報処理システム1では、入力デバイス20の起動ボタン42が押下されると、ゲーム装置10に起動要求が送信され、ゲーム装置10の電源がオンされる。無線通信モジュール50は、ゲーム装置10を特定する識別情報を用いて呼び出しを行い、ゲーム装置10の無線通信モジュール120が、それに応答して、無線通信モジュール50と無線通信モジュール120との間で接続が確立する。このとき、入力デバイス20がマスタ、ゲーム装置10がスレーブとして動作するが、接続確立後は、その役割を交替する。以上の通信処理により、入力デバイス20は、操作ボタンの状態情報、3軸加速度センサ56および3軸ジャイロセンサ58の検出値情報を、ゲーム装置10に所定の周期で送信できるようになる。
【0033】
なお、入力デバイス20がゲーム装置10を呼び出す際、または接続確立後のタイミングで、入力デバイス20の送信部54は、記録部82に保持された機器情報をゲーム装置10に送信する。ゲーム装置10において、受信部122が、無線通信モジュール120を介して機器情報を受信する。機器情報受付部132は、機器情報を受け付けると、受け付けた機器情報を発光色管理部110に渡す。なお、機器情報受付部132は、一旦、メモリの所定領域に機器情報を格納し、発光色管理部110が必要なタイミングで、メモリから機器情報を取得してもよい。
【0034】
フレーム画像取得部100はUSBインタフェースとして構成され、撮像装置14から所定の撮像速度(たとえば30フレーム/秒)でフレーム画像を取得する。本実施例の情報処理システム1では、ゲームを開始する前に、撮像装置14のカラーキャリブレーションが行われる。
【0035】
キャリブレーション処理部104がキャリブレーション用の発光指示を生成し、送信部124が、無線通信モジュール120を介して入力デバイス20に送信する。キャリブレーション用の発光指示は、発光部62を、たとえば赤色、緑色、青色の順にそれぞれ所定時間、発光させることを指示する情報である。入力デバイス20において、発光指示受付部74が発光指示を受け付けると、発光制御部60は、指示内容に含まれる発光色および発光時間にしたがって、発光部62を点灯制御する。
【0036】
なお入力デバイス20において、記録部82は、キャリブレーション用の発光パターンを保持していてもよい。この場合、送信部124から送信される発光指示には、発光色および発光時間に関する情報は含まれていなくてもよく、発光指示受付部74が発光指示を受け付けると、発光制御部60が、記録部82からキャリブレーション用の発光パターンを読み出し、その発光パターンにしたがって、発光部62を点灯制御してもよい。
【0037】
フレーム画像取得部100は、撮像装置14からフレーム画像を取得すると、キャリブレーション処理部104に渡し、キャリブレーション処理部104は、発光部62が赤色、緑色、青色の順に点灯したフレーム画像から、カラーキャリブレーションを実行し、撮像装置14のゲインなどの調整を行う。
【0038】
またキャリブレーション処理部104は、フレーム画像に含まれる環境色を抽出して、環境パラメータを生成する。環境色は、撮像装置14により撮像される空間に含まれる色であり、環境パラメータは、環境色の色情報として生成される。色情報は、1画素のR(赤)、G(緑)、B(青)を、それぞれ8ビットで表現した値であってよい。キャリブレーション処理部104は、生成した環境パラメータを、色候補決定部112に渡す。以上により、カラーキャリブレーションが終了する。
【0039】
以下、アプリケーション実行時の処理について説明する。
発光色管理部110は、発光部62の発光色の決定処理または決定支援処理を行う。色候補決定部112は、環境パラメータを利用して、発光色の候補を決定する。発光部62が環境色と同色で発光すると、フレーム画像から発光部62の画像を抽出することが困難なケースが生じる。典型的な例を示すと、赤い壁で囲まれた部屋の中で、発光部62を赤色に点灯しても、フレーム画像において発光部62の画像と壁画像とを区別して認識することは容易でない。そこで、色候補決定部112は、環境パラメータにより特定される色情報を除いて、発光色の候補を決定することが好ましい。なお、フレーム画像において、微小な画素数しか占めない環境色は、環境パラメータに含めないことが好ましい。このように発光部画像の認識精度に実質的な影響を与えない環境色を無視することで、発光色候補の選択幅を広げることが可能となる。
【0040】
色決定部114は、色候補決定部112で決定された発光色の候補などから、発光体22の発光色を決定する。記録部150は、色決定部114が決定した色情報を記録する。色候補決定部112および色決定部114は、記録部150において記録された色情報の履歴から、発光色の候補および発光色をそれぞれ決定してもよい。送信部124は、無線通信モジュール120を介して、色決定部114で決定された色情報を入力デバイス20に通知する。入力デバイス20において、色情報受付部72が、受信部52から色情報を受け付けると、発光色管理部90に渡す。色決定部94は、渡された色情報を、発光部62の発光色情報として決定する。色決定部94は、色情報を発光制御部60に渡し、発光制御部60は、渡された色情報にしたがって発光部62を点灯制御する。
【0041】
ゲーム装置10において、画像処理部102は、フレーム画像から発光体画像を抽出する。画像処理部102は、フレーム画像中の発光体画像の位置、および大きさを特定する。画像処理部102は、フレーム画像データを、発光部62の発光色に応じた閾値を用いて2値化処理し、2値化された画像を生成してもよい。この2値化処理により、所定の閾値より大きい輝度を保持する画素の画素値が“1”に符号化され、所定の閾値以下の輝度を保持する画素の画素値が“0”に符号化される。これにより画像処理部102は、2値化された画像から、発光体画像の位置および大きさを特定できる。たとえば画像処理部102は、フレーム画像における発光体画像の重心座標と、発光体画像の半径や面積を特定する。なお、複数のユーザが入力デバイス20を操作し、フレーム画像中に複数の発光体22が存在する場合には、画像処理部102は、それぞれの発光体22の発光色に応じた閾値を用いて、複数の2値化された画像を生成し、それぞれの発光体画像の位置および大きさを特定する。
【0042】
画像処理部102は、特定された発光体画像の位置および大きさから、撮像装置14からみた入力デバイス20の位置情報を導出する。画像処理部102は、発光体画像の重心座標からカメラ座標における位置座標を導出し、また発光体画像の半径や面積から、撮像装置14からの距離情報を導出する。この位置座標および距離情報は、入力デバイス20の位置情報を構成する。画像処理部102は、フレーム画像ごとに入力デバイス20の位置情報を導出し、アプリケーション処理部140に引き渡す。アプリケーション処理部140は、入力デバイス20の位置情報を、ゲームの操作指示として受け取る。
【0043】
受信部122は、無線通信モジュール120を介して、入力デバイス20から送信される操作ボタンの状態情報、およびセンサ検出値情報を受信し、入力受付部134に供給する。入力受付部134は、ボタン状態情報およびセンサ検出値情報を分離し、アプリケーション処理部140に引き渡す。アプリケーション処理部140は、ボタン状態情報およびセンサ検出値情報を、ゲームの操作指示として受け取る。アプリケーション処理部140は、センサ検出値情報を、入力デバイス20の姿勢情報として取り扱う。
【0044】
アプリケーション処理部140は、入力デバイス20の位置情報および姿勢情報と、ボタン状態情報とからゲームを進行させて、ゲームプログラムの処理結果を示す画像信号を生成する。画像信号は出力部142から表示装置12に送られ、表示画像として出力される。
【0045】
本実施例の情報処理システム1では、入力デバイス20の発光体22を、撮像装置14の撮像画像から抽出することで、ゲーム装置10が、発光体22の位置情報をゲームの処理に反映させる。そのため、発光体22は、環境パラメータに含まれる色以外の色で発光することが好ましい。これにより、ゲーム装置10は、発光体22の画像を、撮像画像から精度良く抽出することができる。
【0046】
一方、入力デバイス20は、発光体22だけでなく、ユーザにより把持される本体24を含んで構成されている。画像処理部102が発光体画像をフレーム画像から抽出する際、本体24は、発光体22に隣接しているため、発光体画像の認識精度に与える影響は少なくない。キャリブレーション処理部104は、フレーム画像に含まれる環境色を抽出して環境パラメータを生成するが、このフレーム画像に入力デバイス20が含まれる場合であっても、撮像装置14に対する入力デバイス20の姿勢によっては、本体24の画像がフレーム画像に含まれないこともある。本体24が撮像されなければ、本体24の色情報が環境色として特定されないことになるが、上記したように、本体24の色は発光体画像の認識精度に影響を及ぼす可能性があるため、発光色の決定に際しては、本体24の色情報を確実に加味できるようにすることが好ましい。
【0047】
また、ユーザは、発光体22を好きな色に発光させたいという要望もある。たとえばユーザが発光色を選択できるアプリケーションである場合、ユーザは、環境色ではない好みの色で発光体22を発光させて、ゲームをプレイできる。次回ゲームをするときに、ユーザは、また色を選択することになるが、この選択作業を省略できれば、ユーザは、すぐにゲームをプレイできるという利点がある。以上の事情のもと、情報処理システム1における発光色の決定処理を説明する。情報処理システム1では、ゲーム装置10による発光色の決定処理と、入力デバイス20による発光色の決定処理がサポートされる。
【0048】
<ゲーム装置10による発光色の決定処理>
ゲーム装置10において、機器情報受付部132が、入力デバイス20の機器情報を受け付ける。機器情報は、入力デバイス20を特定するデバイス識別番号や、入力デバイス20の本体24の色情報などを含んでいる。本実施例において、デバイス識別番号や、本体色情報は、本体24の色情報を特定するための色特定情報として受け付けられる。
【0049】
機器情報受付部132において、入力デバイス20の本体24の色情報は、直接的に、本体24の色情報を特定する色特定情報である。たとえば、本体24が赤色である場合、機器情報に含まれる色情報は、赤色を示す情報である。一方、機器情報に色情報が含まれていない場合であっても、ゲーム装置10は、入力デバイス20のデバイス識別情報と、本体24の色情報とを対応付けたテーブルを予め保持しておくことで、デバイス識別情報を、間接的に本体24の色情報を特定する色特定情報として受け付けることができる。最初に入力デバイス20を利用する際、デバイス識別情報をゲーム装置10に機器登録(ペアリング)する必要があるが、このときに、ユーザが本体24の色情報を登録することで、対応テーブルが作成される。機器情報受付部132は、デバイス識別情報を受け付けると、テーブルを参照して、デバイス識別情報をキーとして色情報を読み出す。機器情報受付部132は、色特定情報から特定される本体24の色情報を発光色管理部110に渡す。
【0050】
色決定部114は、本体24の色情報を受けると、本体24の色情報とは異なる色情報を、発光体22の発光色として決定する。これにより、撮像装置14により撮像されるフレーム画像において、発光体画像と本体画像とを、画像処理により容易に分離できるようになる。
【0051】
このとき、色候補決定部112が、本体24の色情報を受けて、発光色の候補を決定し、色決定部114が、候補の中から、発光色を決定してもよい。色候補決定部112による候補の決定は、発光体22で生成可能な複数の発光色から、本体24の色情報を除外することで、発光色の候補を決定する。なお色候補決定部112は、環境パラメータにより特定される色情報を候補から既に除外しており、さらに本体24の色情報を除外することで、発光色の候補を決定する。なお、発光色の候補は、RGBの画素値を特定した色情報そのものであってもよく、また、ユーザが色を選択できるカラーテンプレートにおいて、環境色情報および本体色情報が選択できないように選択範囲を制限したものであってもよい。このように絞られた候補の中から、色決定部114は、発光色を決定する。このとき色決定部114は、ユーザの選択指示にしたがって発光色を決定してもよい。これにより、撮像装置14により撮像されるフレーム画像において、発光体画像を、本体画像を含む環境画像から、画像処理により容易に分離できるようになる。送信部124は、色決定部114により決定された色情報を、無線通信モジュール120を介して入力デバイス20に通知する。
【0052】
色候補決定部112は、決定した発光色の候補を、ユーザに提示してもよい。
図5は、発光色候補の提示画面の一例を示す。表示装置12において、色候補決定部112により決定された発光色の候補が、配色領域200a〜200fに示される。各配色領域200a〜200fに、候補色が付けられており、ユーザは、入力デバイス20を操作して、いずれかの配色領域200を選択できる。ユーザが、たとえば配色領域200bを選択すると、入力受付部134が、入力デバイス20に入力された操作指示を受け付け、色決定部114が、発光体22の色情報を、配色領域200bの色情報に決定する。複数の発光色候補が提示されることで、ユーザは、好きな色を選択できる。
【0053】
なお、色決定部114が色情報を決定し、送信部124が入力デバイス20に色情報を通知すると、入力デバイス20において受信部52が、色情報を受信する。色情報受付部72は、色情報を受け付け、色決定部94に渡すと、色決定部94は、発光体22の色情報として決定し、発光制御部60が、その色情報で発光部62を発光する。
【0054】
図6は、色情報決定処理のフローチャートを示す。図6に示すフローチャートにおいては、各部の処理手順を、ステップを意味するS(Stepの頭文字)と数字との組み合わせによって表示する。また、Sと数字との組み合わせによって表示した処理で何らかの判断処理が実行され、その判断結果が肯定的であった場合は、Y(Yesの頭文字)を付加して、例えば、(S10のY)と表示し、逆にその判断結果が否定的であった場合は、N(Noの頭文字)を付加して、(S10のN)と表示する。なお、フローチャートにおける表示の意味は、他の図面に示すフローチャートでも同じである。
【0055】
機器情報受付部132が、入力デバイス20の本体24の色情報を特定するための色特定情報を受け付ける(S10)。色候補決定部112は、環境パラメータおよび本体24の色情報から、発光体22に割当可能な発光色の候補を決定する(S12)。この候補は、表示装置12においてユーザに提示される(S14のN)。ユーザが、いずれかの候補を選択すると(S14のY)、色決定部114は、選択された色情報を、発光体22の色情報として決定する(S16)。送信部124は、色決定部114により決定された色情報を、無線通信モジュール120を介して入力デバイス20に通知する(S18)。
【0056】
なお、別のユーザが、ゲームに途中参加する場合を想定する。既に色情報を割り当てられている入力デバイスを「第1入力デバイス20」、途中参加するユーザの入力デバイスを「第2入力デバイス20」と呼ぶ。
【0057】
既に説明したように、新たなユーザが保有する第2入力デバイス20は、ゲーム装置10に機器情報を送信し、機器情報受付部132が、第2入力デバイス20の本体24の色情報を特定するための色特定情報を取得する。機器情報受付部132は、本体24の色情報を発光色管理部110に渡す。
【0058】
色決定部114は、第2入力デバイス20の本体24の色情報を受けると、第2入力デバイス20の発光体22の色情報を、第1入力デバイス20の発光体22の色情報とは異なるように決定する。これにより、第1入力デバイス20と第2入力デバイス20の発光色を異ならせることができ、画像処理部102が、それぞれを区別して認識することができるようになる。
【0059】
このとき、色決定部114は、第2入力デバイス20の本体24の色情報と、第1入力デバイス20の発光体22の色情報とが同色を示す場合には、第1入力デバイス20の発光体22の色情報を変更する。なお、同色とは、色情報を構成するRGBすべての画素値が同じ場合だけでなく、異なる場合であっても画像処理部102においてフィルタ処理により分離が困難な色も含む。たとえば、第2入力デバイス20の本体24の色情報(R,G,B)が(255,0,0)と赤色を示す場合、第1入力デバイス20の発光体22の色情報が(245,0,0)と僅かながら異なる赤色を示す場合であっても、これらの色情報を画像処理部102において区別するのは実際上困難であるため、このような場合は、第1入力デバイス20の発光体22の色情報が変更される。同色であるか否かを判定するための閾値は環境に依存し、色決定部114は、環境に依存した閾値マップ情報をもつことで、第2入力デバイス20の本体色情報と、第1入力デバイス20の発光色情報とが同色か否かの判断を行うようにする。
【0060】
なお、第1入力デバイス20の発光色情報を変更する際、色決定部114は、強制的に変更処理を実行してもよいが、色候補決定部112が、発光色候補の提示画面を表示装置12に生成して、ユーザが好きな色を選択できるようにしてもよい。
【0061】
色決定部114は、発光体22の色情報を決定すると、記録部150に記録する。一般に、表示装置12や撮像装置14は、部屋に配置されており、その配置が変更されることは希である。したがって、撮像装置14に撮像される空間も大きく変わることは少なく、したがって環境パラメータも日によって大きく変わるものではない。
【0062】
色決定部114は、環境パラメータを参照して発光色情報を決定するため、この発光色情報は、次回のゲームプレイ時においても、利用できる可能性は高い。さらに、発光色は、ユーザの選択によって決定されるため、ユーザの好みの色であることが多い。そこで、記録部150に、色決定部114で決定された色情報を記録しておくことで、次回のゲームプレイ時に、記録部150に記録された色情報を利用してもよい。
【0063】
以上の理由から、ゲーム装置10では、色決定部114が決定した色情報の履歴を記録部150に記録する。このとき、色決定部114は、入力デバイス20を特定するデバイス識別情報と、色情報とを対応づけて記録する。たとえば、ユーザAが第1入力デバイス20を、ユーザBが第2入力デバイス20を使用する場合、第1入力デバイス20のデバイス識別情報と、その発光色情報とを対応づけて記録することで、ユーザAに対して、次回プレイ時に、過去の発光色を割り当てることができ、同様に、第2入力デバイス20のデバイス識別情報と、その発光色情報とを対応づけて記録することで、ユーザBに対して、次回プレイ時に過去の発光色を割り当てることができる。
【0064】
具体的には、ゲーム装置10と入力デバイス20との無線接続が確立すると、色決定部114は、入力デバイス20のデバイス識別情報を機器情報受付部132から受け取り、記録部150に記録されている発光色情報を取得する。色決定部114は、記録部150に記録されている発光色情報のうち、直近に記録された発光色情報、すなわち前回プレイの終了時に割り当てられていた発光色情報を、発光体22の色情報として決定する。これにより、ユーザが前回選択した発光色を、ユーザによる選択動作なしに、再度割り当てることが可能となる。
【0065】
なお、このとき色候補決定部112が、環境パラメータを利用して割当可能な発光色の候補を決定し、記録部150から取得した発光色情報が候補に含まれる場合に、色決定部114が、色情報を決定してもよい。これにより、環境パラメータを加味した発光色の割当が実現できる。このとき、記録部150に記録された直近の発光色情報が利用できなければ、現在日時から記録日時が近い順に、割当可能な発光色であるか判定して、発光体22の色情報が決定されてもよい。
【0066】
また、ゲーム装置10と入力デバイス20との無線接続が確立すると、色候補決定部112は、入力デバイス20のデバイス識別情報を機器情報受付部132から受け取り、記録部150に記録されている履歴から、現在日時に近い順に複数の発光色情報を取得し、図5に示す提示画面を生成してもよい。入力受付部134は、ユーザから発光色の決定指示を受け付け、色決定部114は、決定指示に基づいて、発光体22の色情報を決定する。これにより、ユーザは、前回プレイ時の色情報だけでなく、複数の色情報を選択肢として提示されることになり、発光色の選択機会が増えることになる。
【0067】
図7は、色情報決定処理のフローチャートを示す。機器情報受付部132が、入力デバイス20のデバイス識別情報を受け付ける(S30)。色候補決定部112は、入力デバイス20のデバイス識別情報を機器情報受付部132から取得すると、記録部150を参照して、デバイス識別情報に対応づけられた履歴から、候補として、複数の発光色情報を取得する(S32)。この候補は、表示装置12においてユーザに提示される(S34のN)。ユーザが、いずれかの候補を選択すると(S34のY)、色決定部114は、選択された色情報を、発光体22の色情報として決定する(S36)。送信部124は、色決定部114により決定された色情報を、無線通信モジュール120を介して入力デバイス20に通知する(S38)。
【0068】
以上は、ゲーム装置10による発光色の決定処理を示したが、以下、入力デバイス20による発光色の決定処理を示す。
<入力デバイス20による発光色の決定処理>
入力デバイス20において、記録部82は、色決定部94が決定した色情報の履歴を記録する。色決定部94は、色情報受付部72がゲーム装置10から受け付けた色情報を、発光部62の色情報として決定する。したがって、記録部82には、ゲーム装置10側で決定された色情報と、入力デバイス20側で決定された色情報の履歴が蓄積されている。
【0069】
色決定部94は、記録部82に記録されている発光色情報を取得する。色決定部114は、記録部82に記録されている発光色情報のうち、直近に記録された発光色情報、すなわち前回プレイの終了時に割り当てられていた発光色情報を、発光体22の色情報として決定する。これにより、ユーザが前回選択した発光色を、ユーザによる選択動作なしに、再度割り当てることが可能となる。
【0070】
また、色候補決定部92は、記録部82に記録されている履歴から、現在日時から記録日時が近い順に複数の発光色情報を取得してもよい。このとき、色候補決定部92は、現在日時に近い順に、色情報を色決定部94に渡す。色決定部94は、その色情報を発光制御部60に送り、発光制御部60は、発光部62を発光する。
【0071】
ユーザは、発光色が気に入らなければ、簡易な操作で、その発光色をキャンセルする。たとえば、この簡易な操作は、ユーザが入力デバイス20を横方向に振る動作であるとする。ユーザが入力デバイス20を横方向に振ると、センサ情報受付部78が、センサ84の検出値情報を受け付ける。この検出値情報から、たとえば入力デバイス20の内部回路またはゲーム装置10で横振り動作であることが判定され、発光色管理部90に通知されると、発光色管理部90は、発光色候補がキャンセルされたことを認識する。色候補決定部92は、次の色情報を色決定部94に渡し、色決定部94は、その色情報を発光制御部60に送ると、発光制御部60は、発光部62を発光する。これにより、ユーザは、前回プレイ時の色情報だけでなく、複数の色情報を選択肢として提示されることになり、発光色を簡易に選択できるようになる。ユーザは、発光色を気に入ると、発光色の決定操作を行う。この決定操作は、たとえばユーザが入力デバイス20を縦方向に振る動作であり、上記したような手順で、発光色管理部90は、発光色が決定されたことを認識する。
【0072】
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0073】
たとえば、本体24に複数の色づけがされている場合、入力デバイス20からゲーム装置10に送信する機器情報には、複数の色情報を特定するための色特定情報が含まれる。また、たとえば、模様のシールなどが本体24に貼り付けられている場合には、ユーザにより、ゲーム装置10に対して、入力デバイス20の識別情報と本体24の色情報とを対応付けたテーブルに、さらにシールの色情報が登録されることが好ましい。また、シールの色情報を本体24の色情報としてテーブルに登録してもよい。
【0074】
実施例で、環境パラメータについて説明したが、環境パラメータにより、発光色として割り当てることができない色情報は、記録部150に蓄積されて、色候補決定部112および色決定部114が、その後も、それぞれ発光色候補および発光色情報として決定できない割当不能色情報として扱ってもよい。この場合、色候補決定部112および色決定部114は、現在の環境パラメータと、蓄積された割当不能色情報とから、それぞれ発光色候補および発光色情報を決定する。なお、表示装置12や撮像装置14の配置が変更され、環境パラメータに大きな変化があったことが検出された場合には、蓄積された割当不能色情報は、記録部150から削除されることが好ましい。
【0075】
また入力デバイス20は、ゲーム装置10と無線接続していない場合には、発光部62を所定のパターンで発光させるようにしてもよい。たとえば、入力デバイス20が振られた加速度に応じて、発光色が変化したり、また、所定時間点灯した後、点滅するような発光モードが設定されていてもよい。ユーザにより所定のボタンが操作されることで、入力デバイス20が、この点滅発光モードに遷移する。
【0076】
図2を参照して、たとえば操作ボタン34、36が同時に押されて、本体24の側面に設けられた図示しないSTARTボタンが押されると、点滅発光モードに遷移する。なお、点滅発光モードから通常モードへの復帰は、STARTボタンを押すことで実現されてよい。また、入力デバイス20がゲーム装置10と無線接続している場合には、通常モードから点滅発光モードへの遷移は禁止され、また、点滅発光モードにおいて、入力デバイス20とゲーム装置10との無線接続が禁止されるように設定されていてもよい。
【0077】
なお、点滅発光モードにおいて、発光体22の発光色は、環境色や本体色などによる使用色の制限とは無関係に設定されてもよい。一方で、入力デバイス20は、ゲーム装置10から環境パラメータを予め取得しておき、色決定部94が、環境色を避けるように、発光色を決定してもよい。このように、入力デバイス20は、アプリケーションへの入力デバイスとしてだけでなく、モードに応じた点灯機能をもつ独立のデバイスとしての機能を実現できる。
【0078】
なお入力デバイス20は、バッテリ駆動であるため、消費電力を抑えることが好ましい。そのため、入力デバイス20は自律的に、またはゲーム装置10からの指示を受けて、省電力発光モードに遷移できる。省電力発光モードでは、高輝度発光が回避され、発光部62が、0〜255の輝度値の範囲で発光制御されるLEDである場合には、高い輝度値の点灯は許容されず、たとえば0〜127の輝度値の範囲で発光制御されるようになる。
【0079】
入力デバイス20は、バッテリの残量を監視する機能をもつ。入力デバイス20は、バッテリ残量が所定値を下回ったことを検出すると、自律的に省電力発光モードに遷移してもよい。省電力発光モードにおいて、色決定部94は、発光部62の発光色情報が0〜127の輝度値の範囲にあるか判定する。なお輝度値の上限は127に限るものではなく、任意に設定されてよい。RGBのいずれかの輝度値が上限を超える場合、色決定部94は、発光部62の発光色の色相が大きく変化しないように、RGBのすべての輝度値が127以下となるように色情報を決定する。たとえば、最も高い輝度値を127またはそれ以下の値に設定し、他の輝度値を、同じ割合だけ低くすることで、全体の色相を変えずに、入力デバイス20の省電力化を実現できる。これにより、ユーザは、発光部62の発光色が若干暗くなったことを感じることはあっても、全体の色相に変化はないため、違和感を覚えることなく、ゲームプレイを継続できる。なお、色決定部94が発光色情報を決定すると、ゲーム装置10における発光体画像の認識処理のために、送信部54がゲーム装置10に発光色情報を送信する。
【0080】
また入力デバイス20が、バッテリ残量の情報をゲーム装置10に送信し、ゲーム装置10が、バッテリ残量が所定値を下回ったことを検出すると、入力デバイス20を省電力発光モードに遷移させてもよい。なお、ユーザが、入力デバイス20の動作モードとして省電力発光モードを選択できるようにしてもよく、その場合は、ゲーム装置10が、入力デバイス20から省電力発光モードの遷移要求を受け付けて、入力デバイス20を省電力モードに遷移させる。
【0081】
ゲーム装置10において、色決定部114が、発光部62の発光色情報が0〜127の輝度値の範囲にあるか判定する。RGBのいずれかの輝度値が128以上である場合、色決定部114は、発光部62の発光色の色相が大きく変化しないように、RGBのすべての輝度値が127以下となるように色情報を決定する。具体的には、色決定部114は、色決定部94の処理として説明した処理を実行する。色決定部114は発光色情報を決定すると、送信部124が、入力デバイス20に発光色情報を送信する。
【符号の説明】
【0082】
1・・・情報処理システム、10・・・ゲーム装置、12・・・表示装置、14・・・撮像装置、20・・・入力デバイス、22・・・発光体、24・・・本体、50・・・無線通信モジュール、52・・・受信部、54・・・送信部、60・・・発光制御部、62・・・発光部、70・・・受付部、72・・・色情報受付部、74・・・発光指示受付部、76・・・操作入力受付部、78・・・センサ情報受付部、82・・・記録部、90・・・発光色管理部、92・・・色候補決定部、94・・・色決定部、100・・・フレーム画像取得部、102・・・画像処理部、104・・・キャリブレーション処理部、110・・・発光色管理部、112・・・色候補決定部、114・・・色決定部、120・・・無線通信モジュール、122・・・受信部、124・・・送信部、130・・・受付部、132・・・機器情報受付部、134・・・入力受付部、140・・・アプリケーション処理部、142・・・出力部、150・・・記録部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光体および本体を有する第1入力デバイスから、本体の色情報を特定するための色特定情報を受け付ける受付部と、
第1入力デバイスの発光体の色情報を決定する色決定部と、
決定した色情報を、第1入力デバイスに通知する通知部と、を備え、
前記色決定部は、第1入力デバイスの発光体の色情報として、色特定情報から特定される本体の色情報とは異なる色情報を決定することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
発光体の発光色の候補を決定する色候補決定部をさらに備え、
前記色候補決定部は、色特定情報から特定される本体の色情報を、発光体で生成可能な複数の発光色から除外して、発光色の候補を決定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記色候補決定部は、決定した発光色の候補を、ユーザに提示することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記受付部が、第2入力デバイスから色特定情報を受け付けた場合に、前記色決定部は、第2入力デバイスの発光体の色情報を、第1デバイスの発光体の色情報とは異なるように決定することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記受付部が、第2入力デバイスから色特定情報を受け付けた場合に、前記色決定部は、第2入力デバイスの本体の色情報と、第1入力デバイスの発光体の色情報とが同色を示す場合には、第1入力デバイスの発光体の色情報を変更することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項6】
入力デバイスの撮像画像を取得する取得部と、
入力デバイスの撮像画像から、発光体画像を抽出する画像処理部と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記色決定部は、第1入力デバイスの発光体の色情報として、撮像画像に含まれる環境色情報とは異なる色情報を決定することを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記色決定部は、発光体の色情報に含まれる輝度値に上限が設定された場合に、発光体の色情報の輝度値が上限を超える場合には、その上限以下となるように輝度値を設定することを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項9】
情報処理装置と入力デバイスとを備えた情報処理システムであって、
入力デバイスは、
発光体と、
本体と、
発光体の発光を制御する発光制御部と、を有し、
情報処理装置は、
入力デバイスから、本体の色情報を特定するための色特定情報を受け付ける受付部と、
入力デバイスの発光体の色情報を決定する色決定部と、
決定した色情報を、入力デバイスに通知する通知部と、を有する、
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項10】
コンピュータに、
発光体および本体を有する入力デバイスから、本体の色情報を特定するための色特定情報を受け付ける機能と、
入力デバイスの発光体の色情報として、色特定情報から特定される本体の色情報とは異なる色情報を決定する機能と、
決定した色情報を、入力デバイスに通知する機能と、
を実現させるためのプログラム。
【請求項11】
請求項10に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−226762(P2012−226762A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−143019(P2012−143019)
【出願日】平成24年6月26日(2012.6.26)
【分割の表示】特願2010−135346(P2010−135346)の分割
【原出願日】平成22年6月14日(2010.6.14)
【出願人】(310021766)株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント (417)
【Fターム(参考)】