説明

情報処理装置および情報処理プログラム

【課題】自動更新された識別情報を利用者や管理者にとって利便性のよい識別情報に簡易かつ確実に変更することができる情報処理装置および情報処理プログラムを提供すること。
【解決手段】送信メール対してユーザから返信された返信メールであるか否かは、送信メールのヘッダ部分に記載されているMessage-IDフィールドのフィールド値と、返信メールに記載されているReferencesフィールドのフィールド値が同一であるか否かにより判定される。同一であれば、返信メールの本文先頭に記載されている、ユーザが変更を希望するパスワードが新たなパスワードとして識別情報テーブル31に記憶される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、識別情報により情報処理装置の使用の制限を行う情報処理装置および情報処理プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、複数の利用者によって使用される情報処理装置では、利用者や管理者などの違いにより使用できる、できない、あるいは機能を制限するなどのために、ユーザそれぞれに個別の識別情報(パスワード)を設定している。そのパスワードの漏洩による情報処理装置の不正利用を防ぐために、情報処理装置は、定期的にパスワードの更新を行っている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1では、情報処理装置により利用者のパスワードが更新された場合は、利用者と利用者が所属するグループのグループ管理者に通知される。更新されたパスワードは、ランダムな文字列で構成されおり、複数の部分に分割される。利用者はパスワードの一部をウェブサーバ上で入手し、残りは利用者が所属するグループの管理者から入手しなければならない。グループ管理者が利用者を確認し、利用者に残りのパスワードを通知する。
【特許文献1】特開2006−065708号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1に記載された技術では、更新されるパスワードは、ランダムな文字列であり、利用者にとって利便性のよいパスワードに更新されるとは限らない。
【0005】
本発明は、上述した問題を解決するためになされたものであり、自動更新された識別情報を利用者や管理者にとって利便性のよい識別情報に簡易かつ確実に変更できることで、利用者や管理者にとって利便性のよい情報処理装置および情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために、請求項1記載の情報処理装置は、識別情報記憶手段に記憶された識別情報により、情報処理装置の使用の制限を行うものであり、前記識別情報記憶手段に記憶された識別情報を更新する更新手段と、その更新手段により更新された識別情報を、電子メールにより予め設定されたメールアドレスへ送信するメール送信手段と、電子メールを受信するメール受信手段とそのメール受信手段により受信された電子メールが、前記メール送信手段により送信された電子メールに対して返信されたものであるかを判定するメール判定手段と、そのメール判定手段により前記メール受信手段により受信された電子メールが前記メール送信手段により送信された電子メールに対して返信されたものであると判定された場合は、前記受信手段により受信された電子メールに記述されている識別情報を、新たな識別情報として、前記識別情報記憶手段に記憶させる記憶更新手段とを備えている。
【0007】
請求項2記載の情報処理装置は、請求項1記載の情報処理装置において、前記メール送信手段は、前記電子メールに、その電子メールを特定可能な特定情報を付加して送信し、前記メール判定手段は、前記メール受信手段により受信された電子メールに付加された特定情報に基づいて前記メール送信手段により送信された電子メールに対して返信されたものであるかを判定するものである。
【0008】
請求項3記載の情報処理装置は、請求項1または2記載の情報処理装置において、前記メール送信手段により前記電子メールを送信してから、所定時間経過したか否かを判断する計時判断手段を備え、前記記憶更新手段は、前記計時判断手段により所定時間経過していないと判断されたことを条件として、前記メール受信手段により受信した電子メールに記述された識別情報を、新たな識別情報として、前記識別情報記憶手段に記憶させるものである。
【0009】
請求項4記載の情報処理装置は、請求項3記載の情報処理装置において、前記メール送信手段により送信した電子メールに対する返信の電子メールを受信することなく、前記計時判断手段により所定時間経過したと判断した場合、前記記憶更新手段は、前記更新手段により更新された識別情報を、新たな識別情報として、前記識別情報記憶手段に記憶させるものである。
【0010】
請求項5記載の情報処理プログラムは、コンピュータを、識別情報記憶手段に記憶された識別情報を更新する更新手段、その更新手段により更新された識別情報を、電子メールにより予め設定されたメールアドレスへ送信するメール送信手段、電子メールを受信するメール受信手段、そのメール受信手段により受信された電子メールが、前記メール送信手段により送信された電子メールに対して返信されたものであるかを判定するメール判定手段、そのメール判定手段により前記メール受信手段により受信された電子メールが前記メール送信手段により送信された電子メールに対して返信されたものであると判定された場合は、前記受信手段により受信された電子メールに記述されている識別情報を、新たな識別情報として、前記識別情報記憶手段に記憶させる記憶更新手段、として機能させるものである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の情報処理装置によれば、更新手段により更新された識別情報は、メール送信手段により予め設定されたメールアドレスへ電子メールにより送信される。利用者は、情報処理装置より送信された電子メールにより更新された識別情報を確認することができる。利用者や管理者は、その識別情報を変更したい場合、受信した電子メールに対して返信メールを作成し、新たな識別情報を記述し返信する。メール受信手段により受信した電子メールが、メール判定手段によって、メール送信手段により送信された電子メールに対して返信されたものであると判定された場合は、記憶更新手段によりその電子メールに記述されている識別情報が新たな識別情報として識別情報記憶手段に記憶される。即ち、メール判定手段により利用者や管理者であるかの確認を行い、新たな識別情報の記憶を行うため、自動更新された識別情報を、利用者や管理者にとって利便性のよい識別情報に簡易かつ確実に変更することができる。よって、利用者や管理者にとって利便性がよい。
【0012】
請求項2記載の情報処理装置によれば、請求項1記載の情報処理装置の奏する効果に加え、メール送信手段は、送信する電子メールにその電子メールを特定可能な特定情報を付加して送信する。特定情報が付加された電子メールに対して返信される返信メールには、特定情報が変更されずに付加されているので、メール判定手段によって、受信した電子メールに付加されている特定情報に基づいて返信されたものであるかを判定することができるので、利用者や管理者にとって利便性のよい識別情報に簡易かつ確実に変更することができる。よって、利用者や管理者にとって利便性がよい。
【0013】
請求項3記載の情報処理装置によれば、請求項1または2記載の情報処理装置の奏する効果に加え、メール送信手段により電子メールが送信されてから所定時間経過したか否かは、計時判断手段により判断される。計時判断手段により所定時間経過していないと判断された場合、記憶更新手段はメール受信手段により受信した電子メールに記述されている識別情報を、新たな識別情報として識別情報記憶手段に記憶させる。利用者や管理者は、送信された電子メールに対して所定時間内に返信メールを作成し、新たな識別情報を記述し返信することによって、利用者や管理者にとって利便性のよい識別情報に簡易かつ確実に変更することができる。よって、利用者や管理者にとって利便性がよい。
【0014】
請求項4記載の情報処理装置によれば、請求項3記載の情報処理装置の奏する効果に加え、計時判断手段により所定時間経過したと判断された場合、記憶更新手段は更新手段により更新された識別情報を、新たな識別情報として識別情報記憶手段に記憶させる。利用者や管理者は、所定時間内に返信メールを送信しなくても識別情報は新たに更新されるので、自動更新された識別情報で問題ない場合には、特に返信メールを返信しなくても、自動更新された識別情報に設定されるため、利用者や管理者にとって利便性がよい。
【0015】
請求項5記載の情報処理プログラムによれば、更新手段により更新された識別情報は、メール送信手段により予め設定されたメールアドレスへ電子メールにより送信される。利用者は、情報処理装置より送信された電子メールにより更新された識別情報を確認することができる。利用者や管理者は、その識別情報を変更したい場合、受信した電子メールに対して返信メールを作成し、新たな識別情報を記述し返信する。メール受信手段により受信した電子メールが、メール判定手段によって、メール送信手段により送信された電子メールに対して返信されたものであると判定された場合は、記憶更新手段によりその電子メールに記述されている識別情報が新たな識別情報として識別情報記憶手段に記憶される。即ち、メール判定手段により利用者や管理者であるか否かの確認を行い、続けて新たな識別情報の記憶を行うため、自動更新された識別情報を、利用者や管理者にとって利便性のよい識別情報に簡易かつ確実に変更することができる。よって、利用者や管理者にとって利便性がよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の好ましい実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態における情報処理装置1の電気的構成と、情報処理装置1を含む通信システムの構成とを示すブロック図である。
【0017】
この通信システムは、図1に示すように、プリンタ機能などの複数の機能を有する情報処理装置1と、その情報処理装置1とデータ通信可能に接続されたサーバ2とパーソナルコンピュータ(以下「PC」と称す)3とから構成される。情報処理装置1とサーバ2とPC3は、それぞれがLAN200と接続されており、LAN200を介してお互いにデータ通信が可能である。また、情報処理装置1は、電話回線網100と接続されており、相手側装置と回線が閉結されると通話やファクシミリデータの送受信が可能である。
【0018】
情報処理装置1は、CPU11、ROM12、RAM13、フラッシュメモリ14、操作部15、LCD16、スピーカ部17、LANインターフェース18、メモリカードスロット部19、スキャナ部20、プリンタ部21、モデム22、回線制御部23、送受話器24、計時回路25とを主に備えており、これらはバスライン26を介してお互いに接続されている。なお、モデム22と、回線制御部23と、送受話器24とは、伝送経路によってお互いに接続されている。
【0019】
CPU11は、ROM12やRAM13やフラッシュメモリ14に記憶される固定値やプログラム或いは、情報処理装置1が備えている各機能の制御や回線制御部23を介して送受信される各種信号に従って、バスライン26により接続された各部を制御するものである。ROM12は、情報処理装置1で実行される制御プログラム等を格納した書き換え不能なメモリである。RAM13は、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリであり、システム用メモリ13aと、コピー機能用メモリ13bと、ファックス機能用メモリ13cと、スキャナ機能用メモリ13dと、テンポラリメモリ13eとを備えている。システム用メモリ13aは、情報処理装置1が各機能を実行する際に使用されるメモリである。
【0020】
情報処理装置1は、複数の機能として、スキャナ部20にセットされた原稿を画像として読み取るスキャナモードと、読み取った画像をプリンタ部21により印刷するコピーモードと、読み取った画像を電話回線を介して送信し、また相手側装置から送信された画像信号をプリンタ部21により印刷するファクシミリモード(以下「FAXモード」と称す)とを主に備えている。
【0021】
コピー機能用メモリ13bは、コピーモードが選択された場合にスキャナ部20により生成されたイメージデータを記憶する領域である。ファックス機能用メモリ13cは、送信するファクシミリデータや受信するファクシミリデータを記憶する領域である。
スキャナ機能用メモリ13dは、スキャナモードが選択された場合にスキャナ部20により生成されたイメージデータを記憶する領域である。テンポラリメモリ13eは、上記の各モードに割り当てられたメモリの領域が不足する場合や、一時的に記憶する必要がある場合に使用される領域である。これらの各領域の大きさは、必要に応じて設定されるものである。
【0022】
フラッシュメモリ14は、書き換え可能な不揮発性のメモリであり、記憶されたデータは電源オフ後も保持される。フラッシュメモリ14は、識別情報テーブル31が記憶される識別情報テーブルメモリ14aと、情報処理装置1により送受信された電子メールが記憶されるメール保存エリア14bと、電子メールの生成と送受信を行うための電子メールソフトメモリ14cとを備えている。識別情報テーブル31については、後述にて図2を参照して詳細に説明するが、管理者により予め登録される登録情報として、情報処理装置1を使用可能なユーザのユーザ名31aや、ユーザが情報処理装置1を使用するためのパスワード31bや、情報処理装置1からユーザへ電子メールを送信するためのメールアドレス31gなどの登録情報が識別情報テーブル31に記憶されている。
【0023】
操作部15は、情報処理装置1を操作するための操作入力キーにより構成されている。利用者は、操作入力キーの押下により、電源のON/OFFや、各機能の切り替えなどの操作を行うことができる。LCD16は、情報処理装置1の各種情報を表示する液晶ディスプレイである。操作入力キーの押下に対応するメニューや動作状態などが表示される。管理者は、操作部15とLCD16とを用いて、識別情報テーブル31の登録情報の追加および修正や送受信された電子メールの確認を行うことができる。
【0024】
スピーカ部17は、操作入力キーの操作音やエラー発生時の注意音、着信の呼出音を放音するものである。LANインターフェース18は、LAN200に接続されており、そのLAN200に接続されているサーバ2やPC3とのデータ通信が可能である。
【0025】
メモリカードスロット部19は、挿入口に外部メモリカードを挿入することにより、外部メモリカード内のデータを自由に読み書きすることができる。外部メモリカードは、持ち運び可能なフラッシュメモリで構成され、さらに電源を切っても内容が保存される不揮発性メモリである。また、後述するスキャナ部20により生成されたイメージデータを外部メモリカードに書き込んだり、外部メモリカード内のイメージデータを読み出して後述するプリンタ部21により印刷することが可能である。
【0026】
スキャナ部20は、CPU11からの指示に基づいて、所定の読取位置にセットされた原稿から画像の読み取りを行うと共に、この画像のイメージデータを生成するものである。このスキャナ部20により読み取られたイメージデータは、情報処理装置1が、FAXモードに設定されている場合には、そのイメージデータが、モデム22、回線制御部23及び電話回線網100を介して、電話番号等により指定された相手側装置へ送信される。また、スキャナ部20により読み取られたイメージデータは、情報処理装置1が、コピーモードに設定されている場合には、プリンタ部21により記録紙に印刷される。さらに、このスキャナ部20によって生成されたイメージデータは、情報処理装置1が、スキャナモードに設定されている場合には、RAM13における所定の記憶領域に格納される。
【0027】
プリンタ部21は、CPU11からの指示に基づいて、所定の給紙位置にセットされた記録紙への印刷を行うためのインクジェット方式のプリンタで構成され、記録紙を搬送する記録紙搬送用モータと、記録紙へインクを吐出する印字ヘッドと、その印字ヘッドを搭載したキャリッジを移動させるキャリッジモータとからなる公知の構成を備えている。
【0028】
情報処理装置1がFAXモードに設定され、且つ、電話回線網100、回線制御部23及びモデム22を介して相手側装置から受信したファクシミリデータを印字するように設定されている場合には、受信したファクシミリデータに基づいて生成されたイメージデータは、このプリンタ部21によって記録紙に印刷される。また、情報処理装置1がコピーモードに設定されている場合には、スキャナ部20によって生成されたイメージデータは、このプリンタ部21により記録紙に印刷される。
【0029】
モデム22は、CPU11からの指示に基づいて、スキャナ部20で生成されたイメージデータを変調して、回線制御部23を介して電話回線網100に伝送可能な画像信号を生成したり、電話回線100から回線制御部23を介して入力された画像信号をイメージデータに復調するものである。
【0030】
回線制御部22は、電話回線網100からの各種信号の入力と、電話回線網100への信号の出力を行うと共に、CPU11からの指示に基づいて、電話回線網100との間で入出力する信号の伝送先及び伝送元となる伝送経路を設定する。この「伝送経路」としては、操作部15により画像を送信する(ファクシミリデータを送信する)ための操作が行われる際、又は、電話回線網100から画像信号を受信した(ファクシミリデータを受信した)際に、モデム22へ向かう経路が設定される。そして、この経路を画像信号が伝達可能な状態となる。一方で、この設定された伝送経路は、モデム22による画像信号の出力が終了した際、又は、電話回線100からの画像信号の入力が終了した際に解除され、この経路を画像信号が伝送されない状態となる。
【0031】
また、送受話器24を情報処理装置1の本体部から取り外す操作(オフフック操作)が行われた際に、回線制御部23から送受話器24へ向かう経路が上述した伝送経路として設定され、この経路を音声信号が伝送可能な状態となる。こうして設定された伝送経路は、送受話器24を情報処理装置1の本体部に戻す操作(オンフック操作)が行われた際に解除され、この経路を音声信号が伝送されない状態となる。計時回路25は、現在の日時を刻む内部時計を備えており、計時を開始した日時と現在の日時とを比較して経過時間を算出する既知の回路である。
【0032】
次に、図2を参照して識別情報テーブルメモリ14aに記憶される識別情報テーブル31について説明する。図2は、情報処理装置1を使用可能なユーザと、ユーザに応じて予め登録される登録情報とを示す識別情報テーブル31である。
【0033】
この識別情報テーブル31は、図2に示すように、一行毎に一ユーザの登録情報を記憶する。登録情報は、ユーザ名31aと、パスワード31bと、パスワード有効期限31cと、パスワード更新間隔31dと、パスワード更新日31eと、各機能の使用許可フラグ31fと、メールアドレス31gと、更新中フラグ31hと、返信受諾フラグ31iとからなる。
【0034】
ユーザ名31aは、情報処理装置1がユーザを識別するための名称であり、パスワード31bは、ユーザ本人であるか否かを確認するための識別情報である。パスワード有効期限31cは、ユーザが現在使用中のパスワードを使用可能な期日であり、この日を経過するとパスワードは無効となる。パスワード更新間隔31dは、パスワードが更新されてから次の更新を行うまでの期間であり、この期間を設定しておくことで、定期的にパスワードの更新を行うことができる。
【0035】
パスワード更新日31eは、パスワード有効期限の日から何日前にパスワードの更新を行うかの日数であり、ユーザはパスワードの更新を忘れていても、設定された日になると情報処理装置1により更新される。
【0036】
使用許可フラグ31fは、ユーザがFAX機能やコピー機能などの各機能の使用を許可されているか否かが記されており、使用が許可されている場合に1(ON)と設定され、使用許可されていない場合に0(OFF)と設定されるフラグである。メールアドレス31gは、ユーザの電子メールアドレスであり、パスワードが更新された場合にそのパスワードが、設定されたメールアドレスへ電子メールにより通知される。
【0037】
更新中フラグ31hは、情報処理装置1によりパスワードが更新され、ユーザが電子メールを返信することによりパスワードを更新可能である場合に1(ON)と設定されるフラグである。返信受諾フラグ31iは、ユーザから所定期間内に電子メールの返信があり、パスワードがその返信メールに記述されたパスワードに変更された場合に1(ON)と設定されるフラグである。なお、識別情報テーブル31に記憶される情報は、管理者のみ追加および修正を行えるが、各ユーザは自己のパスワードに限って変更を行うことができる。
【0038】
次に図3および図4を参照して情報処理装置1のCPU11により実行される処理について説明する。図3および図4はメイン処理を示すフローチャートであり、情報処理装置1の電源が投入され、電源が遮断されるまで繰り返し行われる処理である。
【0039】
このメイン処理では、まず、初期化処理を行う(S1)。初期化処理としては、CPU11やRAM13の初期化や、各機能の初期化などの処理が行われる。次に、フラッシュメモリ14に記憶される識別情報テーブル31をシステム用メモリ13aへ読み込む(S2)。各ユーザ毎に、更新中フラグ31hが0(OFF)であり、且つ、パスワード更新日31eが経過しているか否かを判断する(S3)。
【0040】
パスワード更新日31eには、パスワード有効期限31cの日付から何日前にパスワードの更新を行うかの日数が記載されており、情報処理装置1は、パスワード有効期限31cからパスワード更新日31eの日数を減算し、その結果を更新予定の日付として取り扱う。更新予定の日付と、計時回路25より読み込んだ現在の日付とを比較し、更新予定の日付が経過しているか否かを判断する。
【0041】
S3の処理において、更新中フラグ31hが0(OFF)であり、且つ、パスワード更新日31eが経過しているユーザがいれば(S3:Yes)、そのユーザのパスワードを更新する(S4)。更新されるパスワードは、不正な解読を防止するためにランダムな文字列により構成される。そして、パスワードが更新されたユーザと自機(情報処理装置1)とに対して、更新されたパスワードが記載された電子メールに、電子メールを特定するための特定情報を付加した電子メール(以下、「送信メール」と称する)、例えば図5(a)に示す送信メールを送信する(S5)。
【0042】
特定情報については、図5を参照して後述するが、電子メールのヘッダ部分に含まれるMessage-IDフィールドに記載されたフィールド値のことであり、世界中の電子メールの中から送信メールを特定可能な唯一無二の文字列で構成されている。この送信メールに対して返信される電子メール(以下、「返信メール」と称する)が作成され返信されると、その返信メールには、電子メールのヘッダ部分に含まれるReferencesフィールドのフィールド値として、この唯一無二の文字列が記載されて返信されるので、送信メールに対する返信メールであるか否かを判断することができる。
【0043】
S5の処理により、ユーザへ送信する電子メールが、ユーザ名31aに対応するメールアドレス31gに記憶されているメールアドレスへ送信されると、次に、そのユーザの更新中フラグ31hを1(ON)に設定する(S6)。一方、S3の処理において、更新中フラグ31hが0(OFF)であり、且つ、パスワード更新期間31eが経過しているユーザがいなければ(S3:No)、S7の処理へ移行する。
【0044】
次に、新たに受信可能な電子メール(以下、「受信メール」と称する)が有るか否かを判定する(S7)。S7の処理において、新たな受信メールが有れば(S7:Yes)、その受信メールを受信する(S8)。そして、その受信した受信メールが、送信メールに対してユーザから返信された返信メールであるか否かを判定する(S9)。送信メールに対してユーザから返信された返信メールであるか否かは、送信メールのヘッダ部分に記載されているMessage-IDフィールドのフィールド値と、返信メールに記載されているReferencesフィールドのフィールド値とが同一であるか否かにより判定され、同一であれば、送信メールに対する返信メールであると判断される。なお、返信メールの本文先頭には、ユーザが変更を希望するパスワードが記載されている。
【0045】
受信メールが、ユーザから返信された返信メール、例えば図5(b)に示す電子メールであれば(S9:Yes)、そのユーザの更新中フラグ31hが1(ON)であるか否かが判定される(S10)。S10の処理において、ユーザの更新中フラグ31hが1(ON)であれば(S10:Yes)、返信メールの本文中にパスワードが含まれているかを判定する(S10a)。
【0046】
具体的には、ユーザによって作成された返信メールの本文を構成するデータの1行目に、パスワードとして構成され得る所定の文字列が記載されているかを判定する。この所定の文字列は、例えば、管理者などによって予め決められた文字数(例えば、10文字)であるか、ASCII文字(制御文字および空白文字を除く)のような所定の文字で構成されているかを判定する。
【0047】
例えば、ユーザが操作を誤ってパスワードを記載せずに返信メールを返信したとする。そのような場合でも、この判定を行うことにより、ユーザのパスワード31bが「無し」として識別情報テーブル31に記憶されることを防止することができる。ユーザが返信メールを作成中に、誤って、画面に表示されない制御文字を入力した場合でも、所定の文字が使用されているかを判定することにより、ユーザのパスワード31が、所定の文字以外で識別情報テーブル31に記憶されることを防止することができる。即ち、ユーザによるパスワードの入力ミスを抑制することができる。
【0048】
また、電子メールなどのデータ通信において、データ通信中に何らかの通信障害が発生すると、データが正しく送受信されなくなる。すなわち、ユーザによりパスワードが記載された返信メールが、本情報処理装置1に到達するまでに、何らかの通信障害に遭遇すると、返信メールの内容が変化(文字化け)すると考えられる。その結果、ユーザが入力したパスワード(文字列)が変化し、例えば、制御文字に変化したり文字数が変化し、その変化した文字列が、ユーザのパスワード31として識別情報テーブル31に記憶されてしまう。しかし、そのような場合でも、ユーザのパスワード31が、予め決められた文字数以外で、または、所定の文字以外で識別情報テーブル31に記憶されることを防止することができる。即ち、ユーザの入力したパスワードが変化した場合に、その変化したパスワードが、ユーザの新たなパスワードとして記憶されることを抑制することができる。
【0049】
S10aの処理において、送信メールの本文中にパスワードが含まれている場合は、(S10a:Yes)、送信メールに対する返信メールに記載されるユーザが変更を希望するパスワードを、識別情報テーブル31のパスワード31bへ記憶し、そして返信受諾フラグ31iを1(ON)に設定する(S11)。そして、新たに記憶されたパスワードを記載した電子メール(以下、「再送信メール」と称する)、例えば図5(c)に示す電子メールをユーザと自機に対して再送信する(S12)。
【0050】
一方、S10aの処理において、送信メールの本文中にパスワードが含まれていない場合(S10a:No)は、ユーザから返信された返信メールを無効として、S11およびS12の処理をスキップし、S13の処理へ移行する。
【0051】
なお、S7の処理において、新たに受信可能な受信メールが無い場合(S7:No)、また、S9の処理において、受信メールが、ユーザから返信された返信メールで無い場合(S9:No)、また、S10の処理において、更新中フラグ31hが0(OFF)である場合(S10:No)は、それぞれS13の処理へ移行する。
【0052】
次に、各ユーザ毎に、更新中フラグ31hが1(ON)であり、且つ、パスワード有効期限31cを経過しているか否かを判定する(S13)。パスワード有効期限31cを経過しているか否かは、ユーザのパスワード有効期限31cと計時回路25より読み込んだ現在の日付とを比較して、期日が経過しているか否かを判定する。S13の処理において、更新中フラグ31hが1(ON)であり、且つ、パスワード有効期限31cを経過しているユーザがいれば(S13:Yes)、そのユーザの返信受諾フラグ31iが1(ON)であるか否かを判定する(S14)。
【0053】
S14の処理において、返信受諾フラグ31iが1(ON)であれば(S14:Yes)、S15の処理へ移行する。S14の処理において、返信受諾フラグ31iが0(OFF)であれば(S14:No)、情報処理装置1にて更新されたパスワードを新たなパスワード31bとして記憶する(S16)。そして、現在のパスワード有効期限31cの値にパスワード更新間隔31dの値を加算した日付を、新たなパスワード有効期限31cとして記憶し、更新中フラグ31hと返信受諾フラグ31iとの値をそれぞれ0(OFF)に設定する(S15)。一方、S13の処理において、更新中フラグ31hが1(ON)であり、且つ、パスワード有効期限31cを経過しているユーザがいなければ(S13:No)、S17の処理へ移行する。
【0054】
以上の処理により、パスワードが定期的に更新されることになる。次に、ユーザが、このようにして更新されたパスワードを用いて、情報処理装置1を使用する場合の処理について説明する。
【0055】
ユーザは、情報処理装置1の機能を使用するために、情報処理装置1に対してユーザ名31aとパスワード31bとを入力しなければならない。情報処理装置1には、操作部15に備えられたテンキーなどを用いて、ユーザが、ユーザ名とパスワードとを入力する。また、ユーザは、LAN200を介して情報処理装置1を使用する場合には、ユーザが利用する端末からユーザ名とパスワードとを入力する。そうすると、情報処理装置1によりユーザ名とパスワードとが正しいか否か判定され、正しい場合に限り、ユーザの機能利用要求が受け付けられる。
【0056】
この処理においては、まず、情報処理装置1によりユーザからの機能利用要求があるか否かが判定される(S17)。S17の処理において、ユーザからの機能利用要求があれば(S17:Yes)、そのユーザが要求している機能の使用許可フラグ31fが1(ON)であるか否かが判定される(S18)。S18の処理において、ユーザが要求している機能の使用許可フラグ31fが1(ON)であれば(S18:Yes)、要求された機能を実行する(S19)。一方、S18の処理において、ユーザが要求している機能の使用許可フラグ31fが0(OFF)であれば(S18:No)、拒否音を鳴動し(S20)、S21の処理へ移行する。
【0057】
また、S17の処理において、ユーザからの機能利用要求がなければ(S17:No)、S21の処理へ移行する。S21の処理では、その他の処理(S21)を実行し、S2の処理に戻る。その他の処理とは、操作部15が操作されたことを検出し、その操作に応じて行う処理や、電話回線網100を介した着信処理などの処理である。
【0058】
次に、図5を参照してサーバ2を介して情報処理装置1とPC3との間で送受信される電子メールについて説明する。情報処理装置1とPC3とは、それぞれ電子メールソフトを備えており、その電子メールソフトにより、電子メールが作成され、サーバ2を介した電子メールの送受信が行われる。
【0059】
図5(a)は、情報処理装置1からユーザの使用するPC3へ送信される電子メール(送信メール)の一例であり、図5(b)は、送信メールに対してユーザの使用するPC3から情報処理装置1へ返信される電子メール(返信メール)の一例であり、図5(c)は、情報処理装置1からユーザの使用するPC3へ再送信される電子メール(再送信メール)の一例である。
【0060】
電子メールは、ヘッダ部分と本文とにより構成される。ヘッダ部分には、電子メールに関する各種属性情報を示す項目名(フィールド)とそれに対応する項目値(フィールド値)がフィールド毎に電子メールソフトまたはサーバ2(メールサーバ)により生成され、本文には、送信先のユーザへ送信する文章が記載される。
【0061】
図5(a)は、図3のフローチャートのS5の処理によりユーザの使用するPC3へ送信される送信メール41の一例である。情報処理装置1により生成される送信メール41のヘッダ部分42について説明する。
【0062】
ヘッダ部分42には、Subjectフィールドと、Fromフィールドと、Dateフィールドと、Toフィールドと、Ccフィールドと、Message-IDフィールドと、それぞれのフィードに対応するフィールド値とが記載される。
【0063】
Subjectフィールドには、フィールド値として例えば「パスワード更新通知」と表題が記載され、Fromフィールドには、フィールド値として例えば「MFP@abc.co.jp」と情報処理装置1のメールアドレスが記載される。Dateフィールドには、フィールド値として例えば「Wed, 13 Sep 2006 10:00:00 +0900」と送信日時が記載され、Toフィールドには、フィールド値として例えば「user1@abc.co.jp」とパスワードが更新されたユーザのメールアドレスが記載される。メールアドレスとしては、識別情報テーブル31よりパスワードが更新されたユーザに対応するメールアドレス31gが抽出される。Ccフィールドには、フィールド値として例えば「MFP@abc.co.jp」と送信メールのコピーの送信先として自機のメールアドレスが記載される。Message-IDフィールドには、フィールド値として例えば「XXXXXXXX@abc.co.jp」と唯一無二な文字列が特定情報として記載される。この特定情報は、電子メールソフトまたはサーバ2により生成される。
【0064】
本文43には、図3のフローチャートのS4の処理で更新されたパスワードが、例えば「新パスワード:DLS04V-8UT」と記載され、その他にもパスワードの有効期限など、ユーザに対するメッセージが記載される。
【0065】
情報処理装置1より送信された送信メールは、サーバ2を介してPC3へ送信される。送信メール41を受信したユーザは、受信したメールの内容を確認し、パスワードが更新されたことを把握する。ユーザが受信した電子メールには、新しく更新されたパスワードが記載されており、このパスワードは、不正に解読されないようにランダムな文字列により構成されている。ユーザは、新しく更新されたパスワードの利便性が良くないと感じた場合に、このメールに対する返信メールを作成し、その本文先頭に、希望するパスワードを記載して、情報処理装置1へ返信すれば、希望するパスワードに変更することができる。
【0066】
次に、図5(b)を参照して、図3のフローチャートのS9の処理により判定されるユーザからの返信メール44の一例を示す。ユーザ使用するPC3により作成された返信メールのヘッダ部分45について説明する。
【0067】
Subjectフィールドには、例えば「Re: パスワード更新通知」と表題が記載され、Fromフィールドには、例えば「user1@abc.co.jp」とユーザのメールアドレスが記載される。Dateフィールドには、例えば「Wed, 13 Sep 2006 12:00:00 +0900」と送信日時が記載され、Toフィールドには、例えば「MFP@abc.co.jp」と情報処理装置1のメールアドレスが記載される。
【0068】
Message-IDフィールドには、例えば「△△△△△△△△@abc.co.jp」と新たに唯一無二な文字列が特定情報として記載される。そして、返信メールには、新たにReferencesフィールドが追加される。Referencesフィールドは、どの受信メールに対しての返信メールであるかを特定するために追加されるフィールドであり、受信メールのMessage-IDフィールドに記載されている値、つまり特定可能な唯一無二の文字列がそのまま記載される。本文46には、例えば「ABcd123456」と、返信メールを作成したユーザが入力した文字列が、本文の1行目に記載されている。
【0069】
送信メールに対して返信される電子メール(返信メール)には、ReferencesフィールドにこのMessage-IDの文字列が記載されて返信されるので、情報処理装置1はS9の処理において、どの送信メールに対する返信メールであるか否かを判断することができる。そして、ユーザは本文46の先頭に変更を希望するパスワードを、例えば「ABcd123456」と入力して返信メールを返信しているので、情報処理装置1は、「ABcd123456」を新たなパスワードとして設定することができる。よって、従来のように更新されたパスワードを使用してパスワードの再設定を行うことなく、簡易にパスワードを更新することができる。
【0070】
図5(c)は、図4のフローチャートのS12の処理によりユーザに送信される再送信メール47の一例である。情報処理装置1により生成される再送信メール47のヘッダ部分48について説明する。図5(a)の送信メール41と同様なヘッダ部分については省略し、異なる部分についてのみ説明する。
【0071】
Subjectフィールドには、例えば「パスワード変更通知」と表題が記載される。Message-IDフィールドには、例えば「□□□□□□□□@abc.co.jp」と新たに唯一無二な文字列が特定情報として記載される。本文49には、ユーザが変更を希望したパスワードが、例えば「新パスワード:ABcd123456」と記載され、その他にもパスワードの有効期限やパスワードが変更された旨や、その他ユーザに対するメッセージが記載される。
【0072】
なお、請求項に記載の更新手段は、図3に示すフローチャートのS4の処理が該当し、メール送信手段は、図3に示すフローチャートのS5の処理が該当し、メール受信手段は、図3に示すフローチャートのS8の処理が該当し、メール判定手段は、図3に示すフローチャートのS9の処理が該当し、記憶更新手段は、図3に示すフローチャートのS11,図4に示すフローチャートのS16の処理が該当し、計時判定手段は、図3に示すフローチャートのS10,図4に示すフローチャートのS13の処理が該当する。
【0073】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。
【0074】
例えば、上記実施形態では、図3に示すフローチャートのS4の処理では、パスワードを更新しても、更新したパスワードを識別情報テーブル31に記憶しないが、S4の処理でパスワードを記憶しておき、返信メールが有った場合のみ、ユーザが希望するパスワードを上書きして記憶しても良い。
【0075】
また、上記実施形態では、返信メールの本文先頭に、所定の文字列が記載されているかを判定しているが、本文先頭に限らず、本文中の何処かにパスワードとして構成され得る所定の文字列が記載されているかを判定しても良い。例えば、情報処理装置1において、返信メールの本文中に「PW:」と記載された行の「PW:」以降に続く文字列がパスワードであると判定する。つまり、ユーザは、返信メールの本文中の何処かの行に「PW:」と記載し、続けてパスワードを記載し、情報処理装置1へ返信すれば良い。情報処理装置1では、返信メールの本文の内容、または、本文の先頭を確認するだけで、ユーザが変更を希望するパスワードを判定することができので、簡単に利用者や管理者の希望するパスワードに適切に変更することができる。
【0076】
また、上記実施形態では、S10aの処理において、返信メールの本文中にパスワードが含まれていない場合は(S10a:No)、ユーザから返信された返信メールが無効とされるが、その場合に、ユーザに対して、返信メールが無効とされたことを報知する電子メールを送信しても良い。例えば、ユーザに対して、「情報処理装置1によって、返信メールが無効と判定されました。もう一度、返信メールを返信して下さい。」と報知する。そうすることにより、ユーザは、パスワードを記載せずに返信メールを送信した場合や、通信障害が発生している場合などに、情報処理装置1において、正しくパスワードが更新されなかったことを認識することができる。よって、ユーザは、再び、パスワードを更新するための措置を講ずることができる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】情報処理装置の電気的構成と、情報処理装置を含む通信システムの構成とを示すブロック図である。
【図2】識別情報テーブルを示すテーブルである。
【図3】情報処理装置のメイン処理を示すフローチャートである。
【図4】情報処理装置のメイン処理を示すフローチャートである。
【図5】情報処理装置とPCとにより送受信される電子メールの一例である。
【符号の説明】
【0078】
1 情報処理装置
3 PC
11 CPU
14 フラッシュメモリ
14a 識別情報テーブルメモリ(識別情報記憶手段)
31 識別情報テーブル(識別情報)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
識別情報記憶手段に記憶された識別情報により、自情報処理装置の使用の制限を行う情報処理装置において、
前記識別情報記憶手段に記憶された識別情報を更新する更新手段と、
その更新手段により更新された識別情報を、電子メールにより予め設定されたメールアドレスへ送信するメール送信手段と、
電子メールを受信するメール受信手段と
そのメール受信手段により受信された電子メールが、前記メール送信手段により送信された電子メールに対して返信されたものであるかを判定するメール判定手段と、
そのメール判定手段により前記メール受信手段により受信された電子メールが前記メール送信手段により送信された電子メールに対して返信されたものであると判定された場合は、前記受信手段により受信された電子メールに記述されている識別情報を、新たな識別情報として、前記識別情報記憶手段に記憶させる記憶更新手段とを備えていることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記メール送信手段は、前記電子メールに、その電子メールを特定可能な特定情報を付加して送信し、
前記メール判定手段は、前記メール受信手段により受信された電子メールに付加された特定情報に基づいて前記メール送信手段により送信された電子メールに対して返信されたものであるかを判定することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記メール送信手段により前記電子メールを送信してから、所定時間経過したか否かを判断する計時判断手段を備え、
前記記憶更新手段は、前記計時判断手段により所定時間経過していないと判断されたことを条件として、前記メール受信手段により受信した電子メールに記述された識別情報を、新たな識別情報として、前記識別情報記憶手段に記憶させることを特徴とする請求項1または2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記メール送信手段により送信した電子メールに対する返信の電子メールを受信することなく、前記計時判断手段により所定時間経過したと判断した場合、前記記憶更新手段は、前記更新手段により更新された識別情報を、新たな識別情報として、前記識別情報記憶手段に記憶させることを特徴とする請求項3記載の情報処理装置。
【請求項5】
コンピュータを、
識別情報記憶手段に記憶された識別情報を更新する更新手段、
その更新手段により更新された識別情報を、電子メールにより予め設定されたメールアドレスへ送信するメール送信手段、
電子メールを受信するメール受信手段、
そのメール受信手段により受信された電子メールが、前記メール送信手段により送信された電子メールに対して返信されたものであるかを判定するメール判定手段、
そのメール判定手段により前記メール受信手段により受信された電子メールが前記メール送信手段により送信された電子メールに対して返信されたものであると判定された場合は、前記受信手段により受信された電子メールに記述されている識別情報を、新たな識別情報として、前記識別情報記憶手段に記憶させる記憶更新手段、
として機能させる情報処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−108239(P2008−108239A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−208914(P2007−208914)
【出願日】平成19年8月10日(2007.8.10)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】