情報処理装置および文字変換方法
【課題】主記憶部上に展開される辞書データの容量を低く抑えると共に、かな文字変換の処理速度を向上させることができる情報処理装置10を提供する。
【解決手段】本発明の情報処理装置10は、ユーザの操作に応じてユーザが入力する単語に対応するジャンルを特定し、特定したジャンルに対応する単語から構成される辞書データを主記憶部上に展開し、主記憶部上の辞書データを使ってかな漢字変換処理を実行する。ジャンルに対応する辞書データを準備する方法としては、ジャンル毎に予め準備された辞書データを選択する方法や、各単語に予めジャンルを対応付けておき、ユーザの操作から特定されたジャンルに対応する単語を集めて辞書データを新たに作成する方法がある。
【解決手段】本発明の情報処理装置10は、ユーザの操作に応じてユーザが入力する単語に対応するジャンルを特定し、特定したジャンルに対応する単語から構成される辞書データを主記憶部上に展開し、主記憶部上の辞書データを使ってかな漢字変換処理を実行する。ジャンルに対応する辞書データを準備する方法としては、ジャンル毎に予め準備された辞書データを選択する方法や、各単語に予めジャンルを対応付けておき、ユーザの操作から特定されたジャンルに対応する単語を集めて辞書データを新たに作成する方法がある。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力されたかな文字を漢字等に変換する機能を有する情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、1つの単語辞書データを用いて、ユーザから入力されたかな文字をかな漢字混じり文に変換する技術が開示されている。ワードプロセッサ等のような、かな漢字変換処理を行う装置では、一般的に10万語以上の単語が登録された単語辞書データが用いられる。
【0003】
【特許文献1】特開平11−25087号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ユーザから入力されたかな文字に対応する漢字を単語辞書データから抽出する場合、入力されたかな文字と単語辞書データ内の単語の読みとを比較し、一致した読みに対応する漢字を変換候補として表示する。このような比較処理は、通常、装置内のRAM(Random Access Memory)等の主記憶部内に格納されたデータどうしを比較することにより行われる。上記特許文献1では、1つの単語辞書データが用いられるため、入力されたかな文字と単語辞書データ内の単語の読みとを比較する場合、辞書データ内の全て単語を主記憶部上に展開する必要がある。
【0005】
近年、車載装置に代表されるような組み込み機器においても、名称や文章を入力する必要性から、かな漢字変換処理機能が設けられる場合がある。しかし、このような組み込み機器では、計算機リソースが限られており、大容量の主記憶部を搭載できない場合が多い。そのため、ワードプロセッサ等で使用されているような、単語数の多い単語辞書データを全て主記憶部上に展開することができない場合が多く、やむをえず、単語辞書データを主記憶部上に展開できるだけの単語数に減らすことにより、かな漢字変換処理を実現する場合がある。
【0006】
しかし、単語辞書データ内の単語数を減らすことにより、入力されたかな文字に対応する漢字が単語辞書データ内に存在しない事態が発生する場合があり、変換候補が見つからないために、別な読みに対応するかな文字を入力し直す必要がある等、かな漢字変換の効率が低くなり、ユーザの利便性が損なわれる場合がある。
【0007】
また、たとえ組み込み機器内に大容量の主記憶部が設けられたとしても、組み込み機器では、消費電力やコスト等の観点から処理能力の高い演算装置を設けることができない場合が多い。そのため、組み込み機器内の演算装置が、入力されたかな文字と主記憶部上に展開された10万語にもなるそれぞれの単語の読みとを全て比較するとすれば、かな漢字変換の処理時間が長くなったり、かな漢字変換による処理負荷のため、他に実現すべき処理が滞ったりする場合がある。
【0008】
本発明は上記事情を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、主記憶部上に展開される辞書データの容量を低く抑えると共に、かな文字変換の処理速度を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の情報処理装置は、ユーザの操作に応じて定まったジャンルに対応する単語から構成される辞書データを使ってかな漢字変換処理を実行する。
【0010】
例えば、本発明の第一の態様は、情報処理かな漢字変換に用いられる複数の辞書データであって、特定のジャンルに属する単語から構成され、登録されている少なくとも一部の単語が異なる複数の辞書データを、それぞれの辞書データを識別する辞書IDに対応付けて格納する辞書データ格納手段と、辞書IDに対応付けて、当該辞書IDに対応する辞書データに登録されている単語のジャンルを示す情報を格納するジャンルテーブルを保持するジャンルテーブル格納手段と、ユーザからの操作を受け付ける受付手段と、ユーザからの操作に応じて定まったジャンルに基づいてジャンルテーブルを参照し、当該ジャンルに対応する単語が登録されている辞書データの辞書IDを特定し、特定した辞書IDに対応する辞書データを辞書データ格納手段から取得する辞書データ取得手段と、辞書データ取得手段によって取得された辞書データを用いて、受付手段を介してユーザから入力されたかな文字に応じたかな漢字変換処理を実行する文字変換手段とを備えることを特徴とする情報処理装置を提供する。
【0011】
また、本発明の第二の態様は、情報処理複数の単語のそれぞれを識別する単語ID毎に、対応する単語を格納する単語データ格納手段と、単語IDに対応付けて、当該単語IDに対応する単語のジャンルを示す情報を1つ以上格納するジャンルテーブルを保持するジャンルテーブル保持手段と、ユーザからの操作を受け付ける受付手段と、ユーザからの操作に応じて定まったジャンルに基づいてジャンルテーブルを参照し、当該ジャンルに対応する単語の単語IDを特定し、特定した単語IDに対応する単語を単語データ格納手段から取得する単語取得手段と、単語取得手段によって取得された複数の単語から構成される、かな漢字変換で用いられる辞書データを作成し、作成した辞書データを用いて、受付手段を介してユーザから入力されたかな文字に応じたかな漢字変換処理を実行する文字変換手段とを備えることを特徴とする情報処理装置を提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の情報処理装置によれば、主記憶部上に展開される辞書データの容量を低く抑えると共に、かな文字変換の処理速度を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
まず、本発明の第1の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0014】
図1は、第1の実施形態に係る情報処理装置10の構成の一例を示すブロック図である。情報処理装置10は、辞書データ格納部11、ジャンルテーブル格納部12、受付部13、辞書データ取得部14、文字変換部15、およびサービステーブル格納部16を備える。情報処理装置10は、例えば、携帯電話、PDA(Personal Data Assistance)、またはノート型汎用コンピュータ等の携帯型情報処理端末、あるいは、カーオーディオまたはナビゲーション装置等の車載装置である。
【0015】
辞書データ格納部11には、例えば図2に示すように、複数の辞書データ110が予め格納されている。それぞれの辞書データ110には、辞書データ110を識別する辞書ID111、単語113、および当該単語113の読み112が格納されている。
【0016】
それぞれの辞書データ110内に格納されている少なくとも一部の単語は、他の辞書データ110内に格納されている単語とは異なっている。また、それぞれの辞書データ110は、他の辞書データ110とは異なるジャンルに属する単語で構成されている。ここで、ジャンルとは、その単語か使われる場面、その単語の意味が属する集合の名称等である。単語の中には、複数のジャンルに属するものもあり、そのような単語は、異なる複数の辞書データ110内に格納されることになる。
【0017】
辞書データとしては、例えば、施設の名称のみから構成される辞書データ、コンビニエンスストアの名称のみから構成される辞書データ、曲名のみから構成される辞書データ、歌手名のみから構成される辞書データ、曲が収録されているアルバムの名称のみから構成される辞書データ、電子メールに使用される単語のみから構成される辞書データ等がある。例えば、施設の名称のみから構成される辞書データには、コンビニエンスストアの名称のみから構成される辞書データに登録されている単語が全て含まれており、アルバムの名称のみから構成される辞書データには、曲名のみから構成される辞書データに登録されている単語の一部が含まれている。
【0018】
このように、複数の辞書データ110のそれぞれに異なる単語が登録されることにより、それぞれの辞書データ110のデータ量を、全ての単語が登録されている辞書データよりも少なくすることができる。なお、それぞれの辞書データ110内には、他の辞書データ110内に格納されていない単語のみが格納されるように、それぞれの辞書データ110が構成されていてもよい。これにより、それぞれの辞書データ110のデータ量をさらに少なくすることができる。それぞれの辞書データ110のデータ構造は、一般的な辞書データの構造と同様であるため、詳しい説明は省略する。
【0019】
ジャンルテーブル格納部12には、例えば図3に示すようなジャンルテーブル120が予め格納されている。ジャンルテーブル120には、辞書ID121毎に、当該辞書ID121に対応する辞書データに登録されている単語が属するジャンル122が格納されている。
【0020】
サービステーブル格納部16には、例えば図4に示すようなサービステーブル160が予め格納されている。サービステーブル160には、情報処理装置10で提供されるサービスを指定するメニューを識別するメニューID161毎に、当該メニューで入力される単語が属するジャンル162が1つ以上格納されている。
【0021】
例えば、情報処理装置10によってナビゲーション機能が実現される場合、コンビニエンスストアを示すアイコンが指定された状態で、テキスト入力により地点情報を登録するようなメニューに対応するメニューIDには、ジャンルとして「コンビニ」が対応付けられている。また、施設を示すアイコンが指定されない状態で、テキスト入力により地点情報を登録するメニューに対応するメニューIDには、ジャンルとして「施設名」が対応付けられている。
【0022】
なお、辞書データ格納部11、ジャンルテーブル格納部12、およびサービステーブル格納部16内のデータは、情報処理装置10内に設けられたHDD(Hard Disk Drive)またはフラッシュROM(Read Only Memory)等の補助記憶部に格納されている。
【0023】
受付部13は、情報処理装置10の表示装置21に取り付けられたタッチパネル等の入力装置20を介して、ユーザの操作情報を受け付け、ユーザによって指定されたメニューを特定し、特定したメニューに対応する機能の実行を、当該機能を実現する情報処理装置10内の処理部に指示する。
【0024】
また、受付部13は、ユーザによって指定されたメニューが、テキスト入力が必要な(テキスト入力モードの)メニューである場合に、ユーザによって指定されたメニューのメニューIDを辞書データ取得部14に通知する。また、受付部13は、テキスト入力モードにおいて、入力装置20を介してユーザから入力されたテキストデータを文字変換部15へ送る。
【0025】
なお、テキスト入力モードにおいて、テキストデータを情報処理装置10に入力する方法としては、タッチパネル等の入力装置20を用いて、文字毎に表示装置21に表示されたボタンに触れることによりかな文字を指定する方法、表示装置21上のタッチパネルをなぞることにより、かな文字を手書き指定する方法、音声認識によりかな文字を指定する方法等を用いることができる。
【0026】
辞書データ取得部14は、受付部13からメニューIDが通知された場合に、サービステーブル格納部16内のサービステーブル160を参照して、当該メニューIDに対応付けられているジャンルを特定する。そして、辞書データ取得部14は、ジャンルテーブル格納部12内のジャンルテーブル120を参照して、特定したジャンルに対応付けられている辞書IDを抽出する。そして、辞書データ取得部14は、抽出した辞書IDに対応する辞書データを辞書データ格納部11から取得し、取得した辞書データを文字変換部15へ送る。
【0027】
なお、受付部13から通知されたメニューIDに対応するジャンルが複数存在する場合、辞書データ取得部14は、それぞれのジャンルに対応付けられている辞書データを辞書データ格納部11から全て取得して文字変換部15へ送る。
【0028】
文字変換部15は、辞書データ取得部14から受け取った辞書データを用いて、受付部13から受け取ったテキストデータに従ってかな漢字変換処理を実行し、当該テキストデータに対応する文字の変換候補を表示装置21に表示する。本実施形態において、かな漢字変換処理とは、入力されたかな文字をかな漢字混じり文に変換する処理だけではなく、入力されたかな文字を、カタカナ、アルファベット、または記号等に変換する処理も含まれる。
【0029】
なお、辞書データ取得部14から複数の辞書データを受け取った場合、文字変換部15は、当該複数の辞書データのそれぞれに登録されている同一の単語を1つにまとめることにより、当該複数の辞書データをマージし、マージした辞書データを用いてかな漢字変換を実行する。
【0030】
また、文字変換部15は、辞書データ取得部14から受け取った辞書データ、または、辞書データ取得部14から受け取った複数の辞書データをマージした辞書データを、情報処理装置10内のRAM(Random Access Memory)等の主記憶部上に展開し、展開された辞書データを用いてかな漢字変換処理を実行する。
【0031】
ここで、文字変換部15が、全ての単語が登録されている辞書データを用いてかな漢字変換処理を実行するとすれば、入力されたかな文字によっては、入力されたかな文字と、10万語にもなる辞書データ内のそれぞれの単語の読みとを全て比較する場合がある。これでは、処理能力の低い演算装置が設けられた組み込み機器では、かな漢字変換の処理時間が長くなったり、かな漢字変換による処理負荷のため、他に実現すべき処理が滞ったりする場合がある。
【0032】
これに対し、本実施形態に係る情報処理装置10は、ユーザが選択中のメニューのジャンルに属する単語で構成される辞書データを用いるため、かな漢字変換処理に用いられる辞書データのサイズを少なくすることができる。これにより、かな漢字変換の処理負荷を低く抑えることができると共に、かな漢字変換の処理速度を向上させることができる。
【0033】
また、本実施形態では、コンビニエンスストアの名称のみから構成される辞書データに登録されている単語が、施設の名称のみから構成される辞書データに全て含まれており、コンビニエンスストアの名称のみから構成される辞書データのデータ量は、施設の名称のみから構成される辞書データよりもデータ量が少ない。このように、使用される単語数が限定されるジャンルほど、対応する辞書データのサイズを小さくすることができる。従って、使用される単語数が限定されるジャンルほど、かな漢字変換をより効率的に実行することができる。
【0034】
図5は、第1の実施形態における情報処理装置10の動作の一例を示すフローチャートである。例えば、電源が投入される等の所定のタイミングで、情報処理装置10は、本フローチャートに示す動作を開始する。
【0035】
まず、受付部13は、入力装置20を介してユーザから入力された操作情報に基づいて、現在ユーザによって指定されているメニューのメニューIDを特定する(S100)。そして、受付部13は、ユーザによって指定されたメニューが、テキスト入力が必要なメニューであるか否かを判定する(S101)。
【0036】
ユーザによって指定されたメニューが、テキスト入力が必要なメニューではない場合(S101:No)、受付部13は、再びステップS100に示した処理を実行する。一方、ユーザによって指定されたメニューが、テキスト入力が必要なメニューである場合(S101:Yes)、受付部13は、ユーザによって指定されたメニューのメニューIDを辞書データ取得部14に通知する。
【0037】
次に、辞書データ取得部14は、サービステーブル格納部16内のサービステーブル160を参照して、受付部13から通知されたメニューIDに対応付けられているジャンルを特定する(S102)。そして、辞書データ取得部14は、ジャンルテーブル格納部12内のジャンルテーブル120を参照して、特定したジャンルに対応付けられている辞書IDを抽出する(S103)。
【0038】
次に、辞書データ取得部14は、抽出した辞書IDに対応する辞書データを辞書データ格納部11から取得し、取得した辞書データを文字変換部15へ送る。そして、文字変換部15は、辞書データ取得部14から受け取った辞書データ、または、辞書データ取得部14から受け取った複数の辞書データをマージした辞書データを情報処理装置10内の主記憶部上に展開し(S104)、展開した辞書データを用いて、受付部13から受け取ったテキストデータに従ってかな漢字変換処理を実行する(S105)。
【0039】
次に、受付部13は、入力装置20を介してユーザから入力された操作情報に基づいて、テキスト入力モードが終了したか否かを判定する(S106)。テキスト入力モードが終了していない場合(S106:No)、文字変換部15は、再びステップS105に示した処理を実行する。一方、テキスト入力モードが終了した場合(S106:Yes)、受付部13は、再びステップS100に示した処理を実行する。
【0040】
以上、本発明の第1の実施形態について説明した。
【0041】
上記説明から明らかなように、本実施形態の情報処理装置10によれば、主記憶部上に展開される辞書データの容量を低く抑えると共に、かな文字変換の処理速度を向上させることができる。
【0042】
次に、本発明の第2の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0043】
図6は、第2の実施形態に係る情報処理装置10の構成の一例を示すブロック図である。情報処理装置10は、ジャンルテーブル格納部12、受付部13、文字変換部15、サービステーブル格納部16、単語データ格納部17、および単語取得部18を備える。なお、以下に説明する点を除き、図6において、図1と同じ符号を付した構成は、図1における構成と同一または同様の機能を有するため説明を省略する。
【0044】
単語データ格納部17には、例えば図7に示すように、それぞれの単語を識別する単語ID170毎に、対応する単語171および当該単語171の読み172が予め格納されている。単語データ格納部17には、ワードプロセッサ等のような、組み込み装置以外のかな漢字変換処理を行う装置で一般的に用いられる辞書データと同程度の数(例えば10万個)の単語が登録されている。
【0045】
本実施形態において、ジャンルテーブル格納部12内のジャンルテーブル120には、例えば図8に示すように、単語ID123毎に、当該単語ID123に対応する単語が属するジャンル124が1つ以上格納されている。本実施形態においても、ジャンルテーブル格納部12、サービステーブル格納部16、および単語データ格納部17内のデータは、情報処理装置10内に設けられたHDDまたはフラッシュROM等の補助記憶部に格納されている。
【0046】
単語取得部18は、受付部13からメニューIDが通知された場合に、サービステーブル格納部16内のサービステーブル160を参照して、当該メニューIDに対応付けられているジャンルを特定する。そして、単語取得部18は、特定したジャンルに基づいてジャンルテーブル格納部12内のジャンルテーブル120を参照し、当該ジャンルに対応付けられている複数の単語IDを抽出する。そして、単語取得部18は、抽出した複数の単語IDのそれぞれに対応する単語およびその読みを単語データ格納部17から取得し、取得した複数の単語およびその読みを文字変換部15へ送る。
【0047】
文字変換部15は、単語取得部18から複数の単語およびその読みを受け取った場合に、同一の読み毎に単語をまとめて辞書データを情報処理装置10のRAM等の主記憶部上に作成する。そして、文字変換部15は、作成した辞書データを用いて、受付部13から受け取ったテキストデータに従ってかな漢字変換処理を実行し、当該テキストデータに対応する文字の変換候補を表示装置21に表示する。
【0048】
図9は、第2の実施形態における情報処理装置10の動作の一例を示すフローチャートである。例えば、電源が投入される等の所定のタイミングで、情報処理装置10は、本フローチャートに示す動作を開始する。なお、以下に説明する点を除き、図9において、図5と同じ符号を付した処理は、図5における処理同様であるため説明を省略する。
【0049】
ユーザによって指定されたメニューが、テキスト入力が必要なメニューである場合(S101:Yes)、受付部13は、ユーザによって指定されたメニューのメニューIDを単語取得部18に通知する。
【0050】
次に、単語取得部18は、サービステーブル格納部16内のサービステーブル160を参照して、受付部13から通知されたメニューIDに対応付けられているジャンルを特定する(S110)。そして、単語取得部18は、ジャンルテーブル格納部12内のジャンルテーブル120を参照して、特定したジャンルに対応付けられている単語IDを抽出する(S111)。
【0051】
次に、単語取得部18は、抽出した単語IDに対応する単語およびその読みを単語データ格納部17から取得し、取得した単語およびその読みを文字変換部15へ送る。そして、文字変換部15は、辞書データ取得部14から受け取った単語の読み毎に、辞書データ取得部14から受け取った単語をまとめて辞書データを情報処理装置10の主記憶部上に作成し(S112)、ステップS105に示した処理を実行する。
【0052】
以上、本発明の第2の実施形態について説明した。
【0053】
上記説明から明らかなように、本実施例においても、主記憶部上に展開される辞書データの容量を低く抑えると共に、かな文字変換の処理速度を向上させることができる。
【0054】
なお、上記した第1または第2の実施形態に係る情報処理装置10は、例えば図10に示すような構成のコンピュータ30によって実現される。
【0055】
図10は、情報処理装置10の機能を実現するコンピュータ30のハードウェア構成の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ30は、CPU(Central Processing Unit)31、RAM(Random Access Memory)32、ROM(Read Only Memory)33、HDD(Hard Disk Drive)34、入出力インターフェイス(I/F)35、およびメディアインターフェイス(I/F)36を備える。
【0056】
CPU31は、ROM33またはHDD34に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。本実施形態において、ROM33は、例えばフラッシュROMであり、コンピュータ30の起動時にCPU31が実行するブートプログラムや、コンピュータ30のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。HDD34は、CPU31によって実行されるプログラムやデータ等を格納する。
【0057】
入出力インターフェイス35は、入力装置20からの信号を受信してCPU31へ送ると共に、CPU31によって生成されたデータを表示装置21へ出力する。CPU31は、入出力インターフェイス35を介して、入力装置20および表示装置21を制御し、入出力インターフェイス35を介して入力装置20から信号を取得すると共に、生成したデータを入出力インターフェイス35を介して表示装置21へ出力する。
【0058】
メディアインターフェイス36は、記録媒体37に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM32を介してCPU31に提供する。CPU31は、当該プログラムを、メディアインターフェイス36を介して記録媒体37からRAM32上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体37は、例えばDVD(Digital Versatile Disk)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0059】
コンピュータ30が第1の実施形態における情報処理装置10として機能する場合、コンピュータ30のCPU31は、RAM32上にロードされたプログラムを実行することにより、辞書データ格納部11、ジャンルテーブル格納部12、受付部13、辞書データ取得部14、文字変換部15、およびサービステーブル格納部16の各機能を実現する。また、ROM33またはHDD34には、辞書データ格納部11、ジャンルテーブル格納部12、およびサービステーブル格納部16内のデータが格納される。また、かな漢字変換処理に用いられる辞書データは、RAM32上に展開される。
【0060】
コンピュータ30が第2の実施形態における情報処理装置10として機能する場合、コンピュータ30のCPU31は、RAM32上にロードされたプログラムを実行することにより、ジャンルテーブル格納部12、受付部13、文字変換部15、サービステーブル格納部16、単語データ格納部17、および単語取得部18の各機能を実現する。また、ROM33またはHDD34には、ジャンルテーブル格納部12、サービステーブル格納部16、および単語データ格納部17内のデータが格納される。また、かな漢字変換処理に用いられる辞書データは、RAM32上に展開される。
【0061】
コンピュータ30は、これらのプログラムを、記録媒体37から読み取って実行するが、他の例として、コンピュータ30に通信機能を設け、通信回線を介してこれらのプログラムを取得するようにしてもよい。
【0062】
また、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
【0063】
例えば、上記した各実施形態において、辞書データ取得部14または単語取得部18は、サービステーブル格納部16内のサービステーブル160を参照して、ユーザによって指定されたメニューに対応するジャンルを特定したが、他の形態として、辞書データ取得部14または単語取得部18は、ユーザからジャンルを指定する情報を受け付け、ユーザから受け付けたジャンルに基づいてジャンルテーブル格納部12内のジャンルテーブル120を参照するようにしてもよい。
【0064】
また、上記した各実施形態において、辞書データ格納部11、ジャンルテーブル格納部12、サービステーブル格納部16、単語データ格納部17内のデータは、情報処理装置10に通信機能を設け、当該通信機能により通信回線を介して更新されてもよく、可搬性の記録媒体を介して更新されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】第1の実施形態における情報処理装置10の構成の一例を示すブロック図である。
【図2】辞書データ格納部11に格納される辞書データ110の構造の一例を示す図である。
【図3】第1の実施形態におけるジャンルテーブル120のデータ構造の一例を示す図である。
【図4】サービステーブル160のデータ構造の一例を示す図である。
【図5】第1の実施形態における情報処理装置10の動作の一例を示すフローチャートである。
【図6】第2の実施形態における情報処理装置10の構成の一例を示すブロック図である。
【図7】単語データ格納部17に格納されるデータの構造の一例を示す図である。
【図8】第2の実施形態におけるジャンルテーブル120のデータ構造の一例を示す図である。
【図9】第2の実施形態における情報処理装置10の動作の一例を示すフローチャートである。
【図10】情報処理装置10の機能を実現するコンピュータ30の一例を示すハードウェア構成図である。
【符号の説明】
【0066】
10・・・情報処理装置、11・・・辞書データ格納部、110・・・辞書データ、111・・・辞書ID、112・・・読み、113・・・単語、12・・・ジャンルテーブル格納部、120・・・ジャンルテーブル、121・・・辞書ID、122・・・ジャンル、123・・・単語ID、124・・・ジャンル、13・・・受付部、14・・・辞書データ取得部、15・・・文字変換部、16・・・サービステーブル格納部、160・・・サービステーブル、161・・・メニューID、162・・・ジャンル、17・・・単語データ格納部、170・・・単語ID、171・・・単語、172・・・読み、18・・・単語取得部、20・・・入力装置、21・・・表示装置、30・・・コンピュータ、31・・・CPU、32・・・RAM、33・・・ROM、34・・・HDD、35・・・入出力インターフェイス、36・・・メディアインターフェイス、37・・・記録媒体
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力されたかな文字を漢字等に変換する機能を有する情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、1つの単語辞書データを用いて、ユーザから入力されたかな文字をかな漢字混じり文に変換する技術が開示されている。ワードプロセッサ等のような、かな漢字変換処理を行う装置では、一般的に10万語以上の単語が登録された単語辞書データが用いられる。
【0003】
【特許文献1】特開平11−25087号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ユーザから入力されたかな文字に対応する漢字を単語辞書データから抽出する場合、入力されたかな文字と単語辞書データ内の単語の読みとを比較し、一致した読みに対応する漢字を変換候補として表示する。このような比較処理は、通常、装置内のRAM(Random Access Memory)等の主記憶部内に格納されたデータどうしを比較することにより行われる。上記特許文献1では、1つの単語辞書データが用いられるため、入力されたかな文字と単語辞書データ内の単語の読みとを比較する場合、辞書データ内の全て単語を主記憶部上に展開する必要がある。
【0005】
近年、車載装置に代表されるような組み込み機器においても、名称や文章を入力する必要性から、かな漢字変換処理機能が設けられる場合がある。しかし、このような組み込み機器では、計算機リソースが限られており、大容量の主記憶部を搭載できない場合が多い。そのため、ワードプロセッサ等で使用されているような、単語数の多い単語辞書データを全て主記憶部上に展開することができない場合が多く、やむをえず、単語辞書データを主記憶部上に展開できるだけの単語数に減らすことにより、かな漢字変換処理を実現する場合がある。
【0006】
しかし、単語辞書データ内の単語数を減らすことにより、入力されたかな文字に対応する漢字が単語辞書データ内に存在しない事態が発生する場合があり、変換候補が見つからないために、別な読みに対応するかな文字を入力し直す必要がある等、かな漢字変換の効率が低くなり、ユーザの利便性が損なわれる場合がある。
【0007】
また、たとえ組み込み機器内に大容量の主記憶部が設けられたとしても、組み込み機器では、消費電力やコスト等の観点から処理能力の高い演算装置を設けることができない場合が多い。そのため、組み込み機器内の演算装置が、入力されたかな文字と主記憶部上に展開された10万語にもなるそれぞれの単語の読みとを全て比較するとすれば、かな漢字変換の処理時間が長くなったり、かな漢字変換による処理負荷のため、他に実現すべき処理が滞ったりする場合がある。
【0008】
本発明は上記事情を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、主記憶部上に展開される辞書データの容量を低く抑えると共に、かな文字変換の処理速度を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の情報処理装置は、ユーザの操作に応じて定まったジャンルに対応する単語から構成される辞書データを使ってかな漢字変換処理を実行する。
【0010】
例えば、本発明の第一の態様は、情報処理かな漢字変換に用いられる複数の辞書データであって、特定のジャンルに属する単語から構成され、登録されている少なくとも一部の単語が異なる複数の辞書データを、それぞれの辞書データを識別する辞書IDに対応付けて格納する辞書データ格納手段と、辞書IDに対応付けて、当該辞書IDに対応する辞書データに登録されている単語のジャンルを示す情報を格納するジャンルテーブルを保持するジャンルテーブル格納手段と、ユーザからの操作を受け付ける受付手段と、ユーザからの操作に応じて定まったジャンルに基づいてジャンルテーブルを参照し、当該ジャンルに対応する単語が登録されている辞書データの辞書IDを特定し、特定した辞書IDに対応する辞書データを辞書データ格納手段から取得する辞書データ取得手段と、辞書データ取得手段によって取得された辞書データを用いて、受付手段を介してユーザから入力されたかな文字に応じたかな漢字変換処理を実行する文字変換手段とを備えることを特徴とする情報処理装置を提供する。
【0011】
また、本発明の第二の態様は、情報処理複数の単語のそれぞれを識別する単語ID毎に、対応する単語を格納する単語データ格納手段と、単語IDに対応付けて、当該単語IDに対応する単語のジャンルを示す情報を1つ以上格納するジャンルテーブルを保持するジャンルテーブル保持手段と、ユーザからの操作を受け付ける受付手段と、ユーザからの操作に応じて定まったジャンルに基づいてジャンルテーブルを参照し、当該ジャンルに対応する単語の単語IDを特定し、特定した単語IDに対応する単語を単語データ格納手段から取得する単語取得手段と、単語取得手段によって取得された複数の単語から構成される、かな漢字変換で用いられる辞書データを作成し、作成した辞書データを用いて、受付手段を介してユーザから入力されたかな文字に応じたかな漢字変換処理を実行する文字変換手段とを備えることを特徴とする情報処理装置を提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の情報処理装置によれば、主記憶部上に展開される辞書データの容量を低く抑えると共に、かな文字変換の処理速度を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
まず、本発明の第1の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0014】
図1は、第1の実施形態に係る情報処理装置10の構成の一例を示すブロック図である。情報処理装置10は、辞書データ格納部11、ジャンルテーブル格納部12、受付部13、辞書データ取得部14、文字変換部15、およびサービステーブル格納部16を備える。情報処理装置10は、例えば、携帯電話、PDA(Personal Data Assistance)、またはノート型汎用コンピュータ等の携帯型情報処理端末、あるいは、カーオーディオまたはナビゲーション装置等の車載装置である。
【0015】
辞書データ格納部11には、例えば図2に示すように、複数の辞書データ110が予め格納されている。それぞれの辞書データ110には、辞書データ110を識別する辞書ID111、単語113、および当該単語113の読み112が格納されている。
【0016】
それぞれの辞書データ110内に格納されている少なくとも一部の単語は、他の辞書データ110内に格納されている単語とは異なっている。また、それぞれの辞書データ110は、他の辞書データ110とは異なるジャンルに属する単語で構成されている。ここで、ジャンルとは、その単語か使われる場面、その単語の意味が属する集合の名称等である。単語の中には、複数のジャンルに属するものもあり、そのような単語は、異なる複数の辞書データ110内に格納されることになる。
【0017】
辞書データとしては、例えば、施設の名称のみから構成される辞書データ、コンビニエンスストアの名称のみから構成される辞書データ、曲名のみから構成される辞書データ、歌手名のみから構成される辞書データ、曲が収録されているアルバムの名称のみから構成される辞書データ、電子メールに使用される単語のみから構成される辞書データ等がある。例えば、施設の名称のみから構成される辞書データには、コンビニエンスストアの名称のみから構成される辞書データに登録されている単語が全て含まれており、アルバムの名称のみから構成される辞書データには、曲名のみから構成される辞書データに登録されている単語の一部が含まれている。
【0018】
このように、複数の辞書データ110のそれぞれに異なる単語が登録されることにより、それぞれの辞書データ110のデータ量を、全ての単語が登録されている辞書データよりも少なくすることができる。なお、それぞれの辞書データ110内には、他の辞書データ110内に格納されていない単語のみが格納されるように、それぞれの辞書データ110が構成されていてもよい。これにより、それぞれの辞書データ110のデータ量をさらに少なくすることができる。それぞれの辞書データ110のデータ構造は、一般的な辞書データの構造と同様であるため、詳しい説明は省略する。
【0019】
ジャンルテーブル格納部12には、例えば図3に示すようなジャンルテーブル120が予め格納されている。ジャンルテーブル120には、辞書ID121毎に、当該辞書ID121に対応する辞書データに登録されている単語が属するジャンル122が格納されている。
【0020】
サービステーブル格納部16には、例えば図4に示すようなサービステーブル160が予め格納されている。サービステーブル160には、情報処理装置10で提供されるサービスを指定するメニューを識別するメニューID161毎に、当該メニューで入力される単語が属するジャンル162が1つ以上格納されている。
【0021】
例えば、情報処理装置10によってナビゲーション機能が実現される場合、コンビニエンスストアを示すアイコンが指定された状態で、テキスト入力により地点情報を登録するようなメニューに対応するメニューIDには、ジャンルとして「コンビニ」が対応付けられている。また、施設を示すアイコンが指定されない状態で、テキスト入力により地点情報を登録するメニューに対応するメニューIDには、ジャンルとして「施設名」が対応付けられている。
【0022】
なお、辞書データ格納部11、ジャンルテーブル格納部12、およびサービステーブル格納部16内のデータは、情報処理装置10内に設けられたHDD(Hard Disk Drive)またはフラッシュROM(Read Only Memory)等の補助記憶部に格納されている。
【0023】
受付部13は、情報処理装置10の表示装置21に取り付けられたタッチパネル等の入力装置20を介して、ユーザの操作情報を受け付け、ユーザによって指定されたメニューを特定し、特定したメニューに対応する機能の実行を、当該機能を実現する情報処理装置10内の処理部に指示する。
【0024】
また、受付部13は、ユーザによって指定されたメニューが、テキスト入力が必要な(テキスト入力モードの)メニューである場合に、ユーザによって指定されたメニューのメニューIDを辞書データ取得部14に通知する。また、受付部13は、テキスト入力モードにおいて、入力装置20を介してユーザから入力されたテキストデータを文字変換部15へ送る。
【0025】
なお、テキスト入力モードにおいて、テキストデータを情報処理装置10に入力する方法としては、タッチパネル等の入力装置20を用いて、文字毎に表示装置21に表示されたボタンに触れることによりかな文字を指定する方法、表示装置21上のタッチパネルをなぞることにより、かな文字を手書き指定する方法、音声認識によりかな文字を指定する方法等を用いることができる。
【0026】
辞書データ取得部14は、受付部13からメニューIDが通知された場合に、サービステーブル格納部16内のサービステーブル160を参照して、当該メニューIDに対応付けられているジャンルを特定する。そして、辞書データ取得部14は、ジャンルテーブル格納部12内のジャンルテーブル120を参照して、特定したジャンルに対応付けられている辞書IDを抽出する。そして、辞書データ取得部14は、抽出した辞書IDに対応する辞書データを辞書データ格納部11から取得し、取得した辞書データを文字変換部15へ送る。
【0027】
なお、受付部13から通知されたメニューIDに対応するジャンルが複数存在する場合、辞書データ取得部14は、それぞれのジャンルに対応付けられている辞書データを辞書データ格納部11から全て取得して文字変換部15へ送る。
【0028】
文字変換部15は、辞書データ取得部14から受け取った辞書データを用いて、受付部13から受け取ったテキストデータに従ってかな漢字変換処理を実行し、当該テキストデータに対応する文字の変換候補を表示装置21に表示する。本実施形態において、かな漢字変換処理とは、入力されたかな文字をかな漢字混じり文に変換する処理だけではなく、入力されたかな文字を、カタカナ、アルファベット、または記号等に変換する処理も含まれる。
【0029】
なお、辞書データ取得部14から複数の辞書データを受け取った場合、文字変換部15は、当該複数の辞書データのそれぞれに登録されている同一の単語を1つにまとめることにより、当該複数の辞書データをマージし、マージした辞書データを用いてかな漢字変換を実行する。
【0030】
また、文字変換部15は、辞書データ取得部14から受け取った辞書データ、または、辞書データ取得部14から受け取った複数の辞書データをマージした辞書データを、情報処理装置10内のRAM(Random Access Memory)等の主記憶部上に展開し、展開された辞書データを用いてかな漢字変換処理を実行する。
【0031】
ここで、文字変換部15が、全ての単語が登録されている辞書データを用いてかな漢字変換処理を実行するとすれば、入力されたかな文字によっては、入力されたかな文字と、10万語にもなる辞書データ内のそれぞれの単語の読みとを全て比較する場合がある。これでは、処理能力の低い演算装置が設けられた組み込み機器では、かな漢字変換の処理時間が長くなったり、かな漢字変換による処理負荷のため、他に実現すべき処理が滞ったりする場合がある。
【0032】
これに対し、本実施形態に係る情報処理装置10は、ユーザが選択中のメニューのジャンルに属する単語で構成される辞書データを用いるため、かな漢字変換処理に用いられる辞書データのサイズを少なくすることができる。これにより、かな漢字変換の処理負荷を低く抑えることができると共に、かな漢字変換の処理速度を向上させることができる。
【0033】
また、本実施形態では、コンビニエンスストアの名称のみから構成される辞書データに登録されている単語が、施設の名称のみから構成される辞書データに全て含まれており、コンビニエンスストアの名称のみから構成される辞書データのデータ量は、施設の名称のみから構成される辞書データよりもデータ量が少ない。このように、使用される単語数が限定されるジャンルほど、対応する辞書データのサイズを小さくすることができる。従って、使用される単語数が限定されるジャンルほど、かな漢字変換をより効率的に実行することができる。
【0034】
図5は、第1の実施形態における情報処理装置10の動作の一例を示すフローチャートである。例えば、電源が投入される等の所定のタイミングで、情報処理装置10は、本フローチャートに示す動作を開始する。
【0035】
まず、受付部13は、入力装置20を介してユーザから入力された操作情報に基づいて、現在ユーザによって指定されているメニューのメニューIDを特定する(S100)。そして、受付部13は、ユーザによって指定されたメニューが、テキスト入力が必要なメニューであるか否かを判定する(S101)。
【0036】
ユーザによって指定されたメニューが、テキスト入力が必要なメニューではない場合(S101:No)、受付部13は、再びステップS100に示した処理を実行する。一方、ユーザによって指定されたメニューが、テキスト入力が必要なメニューである場合(S101:Yes)、受付部13は、ユーザによって指定されたメニューのメニューIDを辞書データ取得部14に通知する。
【0037】
次に、辞書データ取得部14は、サービステーブル格納部16内のサービステーブル160を参照して、受付部13から通知されたメニューIDに対応付けられているジャンルを特定する(S102)。そして、辞書データ取得部14は、ジャンルテーブル格納部12内のジャンルテーブル120を参照して、特定したジャンルに対応付けられている辞書IDを抽出する(S103)。
【0038】
次に、辞書データ取得部14は、抽出した辞書IDに対応する辞書データを辞書データ格納部11から取得し、取得した辞書データを文字変換部15へ送る。そして、文字変換部15は、辞書データ取得部14から受け取った辞書データ、または、辞書データ取得部14から受け取った複数の辞書データをマージした辞書データを情報処理装置10内の主記憶部上に展開し(S104)、展開した辞書データを用いて、受付部13から受け取ったテキストデータに従ってかな漢字変換処理を実行する(S105)。
【0039】
次に、受付部13は、入力装置20を介してユーザから入力された操作情報に基づいて、テキスト入力モードが終了したか否かを判定する(S106)。テキスト入力モードが終了していない場合(S106:No)、文字変換部15は、再びステップS105に示した処理を実行する。一方、テキスト入力モードが終了した場合(S106:Yes)、受付部13は、再びステップS100に示した処理を実行する。
【0040】
以上、本発明の第1の実施形態について説明した。
【0041】
上記説明から明らかなように、本実施形態の情報処理装置10によれば、主記憶部上に展開される辞書データの容量を低く抑えると共に、かな文字変換の処理速度を向上させることができる。
【0042】
次に、本発明の第2の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0043】
図6は、第2の実施形態に係る情報処理装置10の構成の一例を示すブロック図である。情報処理装置10は、ジャンルテーブル格納部12、受付部13、文字変換部15、サービステーブル格納部16、単語データ格納部17、および単語取得部18を備える。なお、以下に説明する点を除き、図6において、図1と同じ符号を付した構成は、図1における構成と同一または同様の機能を有するため説明を省略する。
【0044】
単語データ格納部17には、例えば図7に示すように、それぞれの単語を識別する単語ID170毎に、対応する単語171および当該単語171の読み172が予め格納されている。単語データ格納部17には、ワードプロセッサ等のような、組み込み装置以外のかな漢字変換処理を行う装置で一般的に用いられる辞書データと同程度の数(例えば10万個)の単語が登録されている。
【0045】
本実施形態において、ジャンルテーブル格納部12内のジャンルテーブル120には、例えば図8に示すように、単語ID123毎に、当該単語ID123に対応する単語が属するジャンル124が1つ以上格納されている。本実施形態においても、ジャンルテーブル格納部12、サービステーブル格納部16、および単語データ格納部17内のデータは、情報処理装置10内に設けられたHDDまたはフラッシュROM等の補助記憶部に格納されている。
【0046】
単語取得部18は、受付部13からメニューIDが通知された場合に、サービステーブル格納部16内のサービステーブル160を参照して、当該メニューIDに対応付けられているジャンルを特定する。そして、単語取得部18は、特定したジャンルに基づいてジャンルテーブル格納部12内のジャンルテーブル120を参照し、当該ジャンルに対応付けられている複数の単語IDを抽出する。そして、単語取得部18は、抽出した複数の単語IDのそれぞれに対応する単語およびその読みを単語データ格納部17から取得し、取得した複数の単語およびその読みを文字変換部15へ送る。
【0047】
文字変換部15は、単語取得部18から複数の単語およびその読みを受け取った場合に、同一の読み毎に単語をまとめて辞書データを情報処理装置10のRAM等の主記憶部上に作成する。そして、文字変換部15は、作成した辞書データを用いて、受付部13から受け取ったテキストデータに従ってかな漢字変換処理を実行し、当該テキストデータに対応する文字の変換候補を表示装置21に表示する。
【0048】
図9は、第2の実施形態における情報処理装置10の動作の一例を示すフローチャートである。例えば、電源が投入される等の所定のタイミングで、情報処理装置10は、本フローチャートに示す動作を開始する。なお、以下に説明する点を除き、図9において、図5と同じ符号を付した処理は、図5における処理同様であるため説明を省略する。
【0049】
ユーザによって指定されたメニューが、テキスト入力が必要なメニューである場合(S101:Yes)、受付部13は、ユーザによって指定されたメニューのメニューIDを単語取得部18に通知する。
【0050】
次に、単語取得部18は、サービステーブル格納部16内のサービステーブル160を参照して、受付部13から通知されたメニューIDに対応付けられているジャンルを特定する(S110)。そして、単語取得部18は、ジャンルテーブル格納部12内のジャンルテーブル120を参照して、特定したジャンルに対応付けられている単語IDを抽出する(S111)。
【0051】
次に、単語取得部18は、抽出した単語IDに対応する単語およびその読みを単語データ格納部17から取得し、取得した単語およびその読みを文字変換部15へ送る。そして、文字変換部15は、辞書データ取得部14から受け取った単語の読み毎に、辞書データ取得部14から受け取った単語をまとめて辞書データを情報処理装置10の主記憶部上に作成し(S112)、ステップS105に示した処理を実行する。
【0052】
以上、本発明の第2の実施形態について説明した。
【0053】
上記説明から明らかなように、本実施例においても、主記憶部上に展開される辞書データの容量を低く抑えると共に、かな文字変換の処理速度を向上させることができる。
【0054】
なお、上記した第1または第2の実施形態に係る情報処理装置10は、例えば図10に示すような構成のコンピュータ30によって実現される。
【0055】
図10は、情報処理装置10の機能を実現するコンピュータ30のハードウェア構成の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ30は、CPU(Central Processing Unit)31、RAM(Random Access Memory)32、ROM(Read Only Memory)33、HDD(Hard Disk Drive)34、入出力インターフェイス(I/F)35、およびメディアインターフェイス(I/F)36を備える。
【0056】
CPU31は、ROM33またはHDD34に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。本実施形態において、ROM33は、例えばフラッシュROMであり、コンピュータ30の起動時にCPU31が実行するブートプログラムや、コンピュータ30のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。HDD34は、CPU31によって実行されるプログラムやデータ等を格納する。
【0057】
入出力インターフェイス35は、入力装置20からの信号を受信してCPU31へ送ると共に、CPU31によって生成されたデータを表示装置21へ出力する。CPU31は、入出力インターフェイス35を介して、入力装置20および表示装置21を制御し、入出力インターフェイス35を介して入力装置20から信号を取得すると共に、生成したデータを入出力インターフェイス35を介して表示装置21へ出力する。
【0058】
メディアインターフェイス36は、記録媒体37に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM32を介してCPU31に提供する。CPU31は、当該プログラムを、メディアインターフェイス36を介して記録媒体37からRAM32上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体37は、例えばDVD(Digital Versatile Disk)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0059】
コンピュータ30が第1の実施形態における情報処理装置10として機能する場合、コンピュータ30のCPU31は、RAM32上にロードされたプログラムを実行することにより、辞書データ格納部11、ジャンルテーブル格納部12、受付部13、辞書データ取得部14、文字変換部15、およびサービステーブル格納部16の各機能を実現する。また、ROM33またはHDD34には、辞書データ格納部11、ジャンルテーブル格納部12、およびサービステーブル格納部16内のデータが格納される。また、かな漢字変換処理に用いられる辞書データは、RAM32上に展開される。
【0060】
コンピュータ30が第2の実施形態における情報処理装置10として機能する場合、コンピュータ30のCPU31は、RAM32上にロードされたプログラムを実行することにより、ジャンルテーブル格納部12、受付部13、文字変換部15、サービステーブル格納部16、単語データ格納部17、および単語取得部18の各機能を実現する。また、ROM33またはHDD34には、ジャンルテーブル格納部12、サービステーブル格納部16、および単語データ格納部17内のデータが格納される。また、かな漢字変換処理に用いられる辞書データは、RAM32上に展開される。
【0061】
コンピュータ30は、これらのプログラムを、記録媒体37から読み取って実行するが、他の例として、コンピュータ30に通信機能を設け、通信回線を介してこれらのプログラムを取得するようにしてもよい。
【0062】
また、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
【0063】
例えば、上記した各実施形態において、辞書データ取得部14または単語取得部18は、サービステーブル格納部16内のサービステーブル160を参照して、ユーザによって指定されたメニューに対応するジャンルを特定したが、他の形態として、辞書データ取得部14または単語取得部18は、ユーザからジャンルを指定する情報を受け付け、ユーザから受け付けたジャンルに基づいてジャンルテーブル格納部12内のジャンルテーブル120を参照するようにしてもよい。
【0064】
また、上記した各実施形態において、辞書データ格納部11、ジャンルテーブル格納部12、サービステーブル格納部16、単語データ格納部17内のデータは、情報処理装置10に通信機能を設け、当該通信機能により通信回線を介して更新されてもよく、可搬性の記録媒体を介して更新されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】第1の実施形態における情報処理装置10の構成の一例を示すブロック図である。
【図2】辞書データ格納部11に格納される辞書データ110の構造の一例を示す図である。
【図3】第1の実施形態におけるジャンルテーブル120のデータ構造の一例を示す図である。
【図4】サービステーブル160のデータ構造の一例を示す図である。
【図5】第1の実施形態における情報処理装置10の動作の一例を示すフローチャートである。
【図6】第2の実施形態における情報処理装置10の構成の一例を示すブロック図である。
【図7】単語データ格納部17に格納されるデータの構造の一例を示す図である。
【図8】第2の実施形態におけるジャンルテーブル120のデータ構造の一例を示す図である。
【図9】第2の実施形態における情報処理装置10の動作の一例を示すフローチャートである。
【図10】情報処理装置10の機能を実現するコンピュータ30の一例を示すハードウェア構成図である。
【符号の説明】
【0066】
10・・・情報処理装置、11・・・辞書データ格納部、110・・・辞書データ、111・・・辞書ID、112・・・読み、113・・・単語、12・・・ジャンルテーブル格納部、120・・・ジャンルテーブル、121・・・辞書ID、122・・・ジャンル、123・・・単語ID、124・・・ジャンル、13・・・受付部、14・・・辞書データ取得部、15・・・文字変換部、16・・・サービステーブル格納部、160・・・サービステーブル、161・・・メニューID、162・・・ジャンル、17・・・単語データ格納部、170・・・単語ID、171・・・単語、172・・・読み、18・・・単語取得部、20・・・入力装置、21・・・表示装置、30・・・コンピュータ、31・・・CPU、32・・・RAM、33・・・ROM、34・・・HDD、35・・・入出力インターフェイス、36・・・メディアインターフェイス、37・・・記録媒体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
かな漢字変換に用いられる複数の辞書データであって、特定のジャンルに属する単語から構成され、登録されている少なくとも一部の単語が異なる複数の辞書データを、それぞれの辞書データを識別する辞書IDに対応付けて格納する辞書データ格納手段と、
前記辞書IDに対応付けて、当該辞書IDに対応する辞書データに登録されている単語のジャンルを示す情報を格納するジャンルテーブルを保持するジャンルテーブル格納手段と、
ユーザからの操作を受け付ける受付手段と、
ユーザからの操作に応じて定まったジャンルに基づいて前記ジャンルテーブルを参照し、当該ジャンルに対応する単語が登録されている辞書データの辞書IDを特定し、特定した辞書IDに対応する辞書データを前記辞書データ格納手段から取得する辞書データ取得手段と、
前記辞書データ取得手段によって取得された辞書データを用いて、前記受付手段を介してユーザから入力されたかな文字に応じたかな漢字変換処理を実行する文字変換手段と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記辞書データ格納手段内のデータは、
前記情報処理装置の補助記憶部内に格納され、
前記辞書データ取得手段は、
特定した辞書IDに対応する辞書データを前記補助記憶部から取得して、前記情報処理装置内の主記憶部に格納し、
前記文字変換手段は、
前記辞書データ取得手段によって前記主記憶部に格納された辞書データを用いてかな漢字変換処理を実行することを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の情報処理装置であって、
前記情報処理装置が提供するサービスを指定するメニュー毎に、当該メニューによって指定されるサービスに対応する1つ以上のジャンルを格納するサービステーブルを保持するサービステーブル保持手段をさらに備え、
前記辞書データ取得手段は、
前記受付手段を介してユーザから指定されたメニューに基づいて前記サービステーブルを参照することにより、ユーザからの操作に対応するジャンルを特定することを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
複数の単語のそれぞれを識別する単語ID毎に、対応する単語を格納する単語データ格納手段と、
前記単語IDに対応付けて、当該単語IDに対応する単語のジャンルを示す情報を1つ以上格納するジャンルテーブルを保持するジャンルテーブル保持手段と、
ユーザからの操作を受け付ける受付手段と、
ユーザからの操作に応じて定まったジャンルに基づいて前記ジャンルテーブルを参照し、当該ジャンルに対応する単語の単語IDを特定し、特定した単語IDに対応する単語を前記単語データ格納手段から取得する単語取得手段と、
前記単語取得手段によって取得された複数の単語から構成される、かな漢字変換で用いられる辞書データを作成し、作成した辞書データを用いて、前記受付手段を介してユーザから入力されたかな文字に応じたかな漢字変換処理を実行する文字変換手段と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の情報処理装置であって、
前記単語データ格納手段内のデータは、
前記情報処理装置の補助記憶部に格納され、
前記単語取得手段は、
特定した単語IDに対応する単語を前記補助記憶部から取得して、前記情報処理装置内の主記憶部に格納し、
前記文字変換手段は、
前記単語取得手段によって前記主記憶部に格納された単語を用いて、かな漢字変換で用いられる辞書データを作成して当該主記憶部に格納した後に、当該主記憶部に格納された辞書データを用いてかな漢字変換処理を実行することを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
請求項4または5に記載の情報処理装置であって、
前記情報処理装置が提供するサービスを指定するメニュー毎に、当該メニューによって指定されるサービスに対応する1つ以上のジャンルを格納するサービステーブルを保持するサービステーブル保持手段をさらに備え、
前記単語取得手段は、
前記受付手段を介してユーザから指定されたメニューに基づいて前記サービステーブルを参照することにより、ユーザからの操作に対応するジャンルを特定することを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
情報処理装置が、
ユーザからの操作を受け付ける受付ステップと、
かな漢字変換に用いられる複数の辞書データであって、特定のジャンルに属する単語から構成され、登録されている少なくとも一部の単語が異なる複数の辞書データを識別する辞書ID毎に、対応する辞書データに登録されている単語のジャンルを示す情報を格納するジャンルテーブルを参照して、ユーザからの操作に応じて定まったジャンルに対応する単語が登録されている辞書データの辞書IDを特定し、特定した辞書IDに対応する辞書データを、辞書IDに対応付けて、当該辞書IDに対応する辞書データを格納する辞書データ格納手段から取得する辞書データ取得ステップと、
前記辞書データ取得ステップにおいて取得した辞書データを用いて、ユーザから入力されたかな文字に応じたかな漢字変換処理を実行する文字変換ステップと
を実行することを特徴とする文字変換方法。
【請求項8】
情報処理装置が、
ユーザからの操作を受け付ける受付ステップと、
複数の単語のそれぞれを識別する単語ID毎に、当該単語IDに対応する単語のジャンルを示す情報を1つ以上格納するジャンルテーブルを参照して、ユーザからの操作に応じて定まったジャンルに対応する単語の単語IDを特定し、特定した単語IDに対応する単語を、単語IDに対応付けて、当該単語IDに対応する単語を格納する単語データ格納手段から取得する単語取得ステップと、
前記単語取得ステップにおいて取得した複数の単語から構成される、かな漢字変換で用いられる辞書データを作成し、作成した辞書データを用いて、ユーザから入力されたかな文字に応じたかな漢字変換処理を実行する文字変換ステップと
を実行することを特徴とする文字変換方法。
【請求項1】
かな漢字変換に用いられる複数の辞書データであって、特定のジャンルに属する単語から構成され、登録されている少なくとも一部の単語が異なる複数の辞書データを、それぞれの辞書データを識別する辞書IDに対応付けて格納する辞書データ格納手段と、
前記辞書IDに対応付けて、当該辞書IDに対応する辞書データに登録されている単語のジャンルを示す情報を格納するジャンルテーブルを保持するジャンルテーブル格納手段と、
ユーザからの操作を受け付ける受付手段と、
ユーザからの操作に応じて定まったジャンルに基づいて前記ジャンルテーブルを参照し、当該ジャンルに対応する単語が登録されている辞書データの辞書IDを特定し、特定した辞書IDに対応する辞書データを前記辞書データ格納手段から取得する辞書データ取得手段と、
前記辞書データ取得手段によって取得された辞書データを用いて、前記受付手段を介してユーザから入力されたかな文字に応じたかな漢字変換処理を実行する文字変換手段と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記辞書データ格納手段内のデータは、
前記情報処理装置の補助記憶部内に格納され、
前記辞書データ取得手段は、
特定した辞書IDに対応する辞書データを前記補助記憶部から取得して、前記情報処理装置内の主記憶部に格納し、
前記文字変換手段は、
前記辞書データ取得手段によって前記主記憶部に格納された辞書データを用いてかな漢字変換処理を実行することを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の情報処理装置であって、
前記情報処理装置が提供するサービスを指定するメニュー毎に、当該メニューによって指定されるサービスに対応する1つ以上のジャンルを格納するサービステーブルを保持するサービステーブル保持手段をさらに備え、
前記辞書データ取得手段は、
前記受付手段を介してユーザから指定されたメニューに基づいて前記サービステーブルを参照することにより、ユーザからの操作に対応するジャンルを特定することを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
複数の単語のそれぞれを識別する単語ID毎に、対応する単語を格納する単語データ格納手段と、
前記単語IDに対応付けて、当該単語IDに対応する単語のジャンルを示す情報を1つ以上格納するジャンルテーブルを保持するジャンルテーブル保持手段と、
ユーザからの操作を受け付ける受付手段と、
ユーザからの操作に応じて定まったジャンルに基づいて前記ジャンルテーブルを参照し、当該ジャンルに対応する単語の単語IDを特定し、特定した単語IDに対応する単語を前記単語データ格納手段から取得する単語取得手段と、
前記単語取得手段によって取得された複数の単語から構成される、かな漢字変換で用いられる辞書データを作成し、作成した辞書データを用いて、前記受付手段を介してユーザから入力されたかな文字に応じたかな漢字変換処理を実行する文字変換手段と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の情報処理装置であって、
前記単語データ格納手段内のデータは、
前記情報処理装置の補助記憶部に格納され、
前記単語取得手段は、
特定した単語IDに対応する単語を前記補助記憶部から取得して、前記情報処理装置内の主記憶部に格納し、
前記文字変換手段は、
前記単語取得手段によって前記主記憶部に格納された単語を用いて、かな漢字変換で用いられる辞書データを作成して当該主記憶部に格納した後に、当該主記憶部に格納された辞書データを用いてかな漢字変換処理を実行することを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
請求項4または5に記載の情報処理装置であって、
前記情報処理装置が提供するサービスを指定するメニュー毎に、当該メニューによって指定されるサービスに対応する1つ以上のジャンルを格納するサービステーブルを保持するサービステーブル保持手段をさらに備え、
前記単語取得手段は、
前記受付手段を介してユーザから指定されたメニューに基づいて前記サービステーブルを参照することにより、ユーザからの操作に対応するジャンルを特定することを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
情報処理装置が、
ユーザからの操作を受け付ける受付ステップと、
かな漢字変換に用いられる複数の辞書データであって、特定のジャンルに属する単語から構成され、登録されている少なくとも一部の単語が異なる複数の辞書データを識別する辞書ID毎に、対応する辞書データに登録されている単語のジャンルを示す情報を格納するジャンルテーブルを参照して、ユーザからの操作に応じて定まったジャンルに対応する単語が登録されている辞書データの辞書IDを特定し、特定した辞書IDに対応する辞書データを、辞書IDに対応付けて、当該辞書IDに対応する辞書データを格納する辞書データ格納手段から取得する辞書データ取得ステップと、
前記辞書データ取得ステップにおいて取得した辞書データを用いて、ユーザから入力されたかな文字に応じたかな漢字変換処理を実行する文字変換ステップと
を実行することを特徴とする文字変換方法。
【請求項8】
情報処理装置が、
ユーザからの操作を受け付ける受付ステップと、
複数の単語のそれぞれを識別する単語ID毎に、当該単語IDに対応する単語のジャンルを示す情報を1つ以上格納するジャンルテーブルを参照して、ユーザからの操作に応じて定まったジャンルに対応する単語の単語IDを特定し、特定した単語IDに対応する単語を、単語IDに対応付けて、当該単語IDに対応する単語を格納する単語データ格納手段から取得する単語取得ステップと、
前記単語取得ステップにおいて取得した複数の単語から構成される、かな漢字変換で用いられる辞書データを作成し、作成した辞書データを用いて、ユーザから入力されたかな文字に応じたかな漢字変換処理を実行する文字変換ステップと
を実行することを特徴とする文字変換方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2009−199238(P2009−199238A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−38925(P2008−38925)
【出願日】平成20年2月20日(2008.2.20)
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月20日(2008.2.20)
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】
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