説明

情報処理装置および方法、プログラム、並びに記録媒体

【課題】より精度の高い、特定の対象についての集中の度合を特定できるようにする。
【解決手段】脳波信号を出力する脳波センサと、被験者の周囲の環境をセンシングする外部センサと、前記外部センサが出力するセンサ信号に基づいて、前記被験者の周囲の環境において定常状態を逸脱する変化が生じたことによる刺激が前記被験者に与えられたか否かを判定する環境変化判定部と、前記刺激が前記被験者に与えられたと判定された場合、前記脳波信号において、前記刺激に対応する事象関連電位を検出する事象関連電位検出部と、前記検出された事象関連電位から得られた特徴量に基づいて、前記被験者の対象物への集中の度合を表す値を算出する算出部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、情報処理装置および方法、プログラム、並びに記録媒体に関し、特に、より精度の高い、特定の対象についての集中の度合を特定できるようにする情報処理装置および方法、プログラム、並びに記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、生体信号に基づいて集中の度合を計測することが行われている。
【0003】
例えば、計測された眼球運動に基づいてサッケードの発生を判断し、サッケード終了時点を検出すると共に、サッケードが発生する毎に、サッケード終了時点から所定時間内の脳波信号の時系列データを抽出する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の技術では、複数の時系列データを加算平均して得られた時系列データについて、脳波信号の最大値と最小値との差を表わすピークツーピーク値が検出され、ピークツーピーク値と、サッケードの発生回数とを乗算して、運転者の注意集中度が算出される。
【0004】
また、受講者の生体情報を検出して当該受講者の受講状態レベルを特定し、受講者の受講状態が好ましいものでなかったとき、効果的にその復習や補習を行うことのできる講義支援システムも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−057710号公報
【特許文献2】特開2006−293038号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の技術では、被験者の周囲で発生した光や音などの刺激を考慮した生体情報の解析は行われていなかった。
【0007】
また、従来の技術では、被験者が特定の対象について集中しているのか否かを検出することができなかった。
【0008】
例えば、特許文献1の技術では、生体情報のうち脳波の一種である眼球底流関連電位を用いて、集中力が高い状態にあるかどうかを判断するとしている。しかしながら、特許文献1の技術では、例えば、特定のコンテンツに対して集中しているかどうかを判断することはできない。
【0009】
さらに、従来の技術では、主に集中の有無を検出することはできるものの、所定のタイミングで意図的に集中の度合を検出することはできなかった。
【0010】
本技術はこのような状況に鑑みて開示するものであり、より精度の高い、特定の対象についての集中の度合を特定できるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本技術の一側面は、被験者の脳波を計測して脳波信号を出力する脳波センサと、被験者の周囲の環境をセンシングする外部センサと、前記外部センサが出力するセンサ信号に基づいて、前記被験者の周囲の環境において定常状態を逸脱する変化が生じたことによる刺激が前記被験者に与えられたか否かを判定する環境変化判定部と、前記刺激が前記被験者に与えられたと判定された場合、前記脳波信号において、前記刺激に対応する事象関連電位を検出する事象関連電位検出部と、前記検出された事象関連電位から得られた特徴量に基づいて、前記被験者の対象物への集中の度合を表す値を算出する算出部とを備える情報処理装置である。
【0012】
予め設定されたタイミングで、前記対象物に係る刺激を生成する刺激生成部をさらに備え、環境変化判定部により刺激が前記被験者に与えられたと判定される前記センサ信号が、所定の時間以上継続して出力されなかった場合、前記刺激生成部により前記刺激が生成され、前記事象関連電位検出部が、前記生成された刺激に対応する事象関連電位を検出するようにすることができる。
【0013】
予め設定されたタイミングで、前記対象物に係る刺激を生成する刺激生成部をさらに備え、前記被験者の対象物への集中の度合を表す値として所定の閾値未満の値が算出された場合、前記刺激生成部により前記刺激が生成され、前記事象関連電位検出部が、前記生成された刺激に対応する事象関連電位を検出するようにすることができる。
【0014】
予め設定されたタイミングで、前記対象物に係る刺激を生成する刺激生成部をさらに備え、前記事象関連電位検出部が先に検出した前記事象関連電位を含む脳波信号における自発活動成分と位相が異なる事象関連電位が検出されるタイミングで、前記対象物に係る刺激が生成され、前記算出部が、複数の事象関連電位に対応する特徴量を加算平均して得られた特徴量に基づいて、前記被験者の対象物への集中の度合を表す値を算出するようにすることができる。
【0015】
前記対象物としてのコンテンツの画像の表示する表示部をさらに備え、予め設定されたタイミングで、前記表示部の画面の表示を変化させることで視覚的な刺激が生成されるようにすることができる。
【0016】
前記対象物としてのコンテンツの音声を出力するスピーカをさらに備え、予め設定されたタイミングで、前記スピーカから出力される音を変化させることで聴覚的な刺激が生成されるようにすることができる。
【0017】
前記脳波センサは、被験者の頭部に装着された複数の電極に対応する多チャンネルの脳波信号を出力し、前記被験者のそれぞれ、および、前記被験者に与えられた刺激に対応して前記多チャンネルの脳波信号のうちの所定のチャンネルの脳波信号を選択するチャンネル選択部をさらに備えるようにすることができる。
【0018】
本発明の一側面は、脳波センサが、被験者の脳波を計測して脳波信号を出力し、環境変化判定部が、被験者の周囲の環境をセンシングする外部センサが出力するセンサ信号に基づいて、前記被験者の周囲の環境において定常状態を逸脱する変化が生じたことによる刺激が前記被験者に与えられたか否かを判定し、事象関連電位検出部が、前記刺激が前記被験者に与えられたと判定された場合、前記脳波信号において、前記刺激に対応する事象関連電位を検出し、算出部が、前記検出された事象関連電位から得られた特徴量に基づいて、前記被験者の対象物への集中の度合を表す値を算出するステップを含む情報処理方法である。
【0019】
本発明の一側面は、コンピュータを、被験者の脳波を計測して脳波信号を出力する脳波センサと、被験者の周囲の環境をセンシングする外部センサと、前記外部センサが出力するセンサ信号に基づいて、前記被験者の周囲の環境において定常状態を逸脱する変化が生じたことによる刺激が前記被験者に与えられたか否かを判定する環境変化判定部と、前記刺激が前記被験者に与えられたと判定された場合、前記脳波信号において、前記刺激に対応する事象関連電位を検出する事象関連電位検出部と、前記検出された事象関連電位から得られた特徴量に基づいて、前記被験者の対象物への集中の度合を表す値を算出する算出部とを備える情報処理装置として機能させるプログラムである。
【0020】
本技術の一側面においては、被験者の脳波を計測して脳波信号が出力され、被験者の周囲の環境がセンシングされ、センサ信号に基づいて、前記被験者の周囲の環境において定常状態を逸脱する変化が生じたことによる刺激が前記被験者に与えられたか否かが判定され、前記刺激が前記被験者に与えられたと判定された場合、前記脳波信号において、前記刺激に対応する事象関連電位が検出され、前記検出された事象関連電位から得られた特徴量に基づいて、前記被験者の対象物への集中の度合を表す値が算出される。
【発明の効果】
【0021】
本技術によれば、より精度の高い、特定の対象についての集中の度合を特定できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本技術を用いた集中度測定装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】提示される刺激の例を説明する図である。
【図3】刺激が与えられたときの脳波の変化を説明する図である。
【図4】アクティブモード測定処理の例を説明するフローチャートである。
【図5】パッシブモード測定処理の例を説明するフローチャートである。
【図6】ハイブリッドモード測定処理の例を説明するフローチャートである。
【図7】ハイブリッドモード測定処理の別の例を説明するフローチャートである。
【図8】パーソナルコンピュータの構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して、ここで開示する技術の実施の形態について説明する。
【0024】
図1は、本技術を用いた集中度測定装置の構成例を示すブロック図である。この集中度測定装置10は、例えば、対象物に対する被験者の集中の度合を定量的に測定するものとされる。対象物は、被験者が見たり、聞いたり、読んだりしているものなどとされ、例えば、被験者が視聴しているコンテンツなどが対象物とされる。あるいはまた、被験者が受講している講義などが対象物とされるようにしてもよい。なお、ここでは、対象物と称しているが、必ずしも有体物を意味するものではない。
【0025】
また、ここでは、集中度測定装置10によって集中の度合を測定される人物を被験者と称している。このため、被験者自身が集中度測定装置10を利用して自分の集中度を測定することもあり得る。
【0026】
この集中度測定装置10には、被験者の脳波を計測する脳波センサ21、他の生体センサ22が設けられている。
【0027】
例えば、被験者には、1か所以上の頭部の所定部位の脳活動信号を検出することができるように電極が装着される。この所定部位としては、頭頂部周辺であることが望ましく、例えば、国際10―20法で示すCz,FZ,Pzに電極を設置することが望ましい。ただし、個人差を吸収するために、被験者によって配置が変更されるようにしてもよい。脳波センサ21は、例えば、被験者の頭部に装着された複数の電極に対応する多チャンネルの脳波信号を取得し、脳波セレクタ31に供給する。
【0028】
なお、他の生体センサ22は、例えば、被験者の体温を計測する温度センサ、被験者の脈拍を計測する脈拍センサなどにより構成され、必要に応じて設けられる。他の生体センサ22は、計測結果に対応するセンサ信号を出力する。
【0029】
また、この集中度測定装置10には、被験者の周囲の音を集音するマイク23、被験者の周囲の画像を撮影するカメラ24、被験者の動きを検知する加速度センサ25、他の外部センサ26が設けられている。なお、他の外部センサ26は、例えば、照度センサ、においセンサなどにより構成され、必要に応じて設けられる。マイク23、カメラ24、加速度センサ25、他の外部センサ26は、それぞれの計測結果に対応するセンサ信号を出力する。
【0030】
さらに、集中度測定装置10には、脳波セレクタ31、事象関連電位計測部32、集中度合検出部33が設けられている。
【0031】
脳波セレクタ31は、外的要因判定部34、および提示刺激生成部35から出力される信号に基づいて、脳波センサ21から出力された多チャンネルの脳波信号のうち、後述する事象関連電位の計測に用いるべきチャンネルの脳波信号を選択して出力する。
【0032】
事象関連電位計測部32は、被験者の脳波において、所定の刺激に対応して観測される事象関連電位を計測する。事象関連電位計測部32は、脳波セレクタ31から供給される脳波信号の電位の変化を計測し、例えば、いわゆる「P300」と称される波形を検出するようになされている。
【0033】
集中度合検出部33は、事象関連電位計測部32の計測結果に基づいて、被験者の対象物に対する集中の度合を定量的な数値として算出する。なお、集中の度合の算出方式の詳細については後述する。
【0034】
また、この集中度測定装置10には、外的要因判定部34が設けられている。外的要因判定部34は、マイク23、カメラ24、加速度センサ25、他の外部センサ26から出力されるセンサ信号に基づいて被験者に対して与えられた刺激を特定する。例えば、大きな音、急激な明暗の変化、激しい動きなどに対応するセンサ信号が入力された場合、外的要因判定部34は、当該センサ信号を検知したことを表す検知信号を脳波セレクタ31、および集中度合検出部33に出力する。
【0035】
また、この集中度測定装置10には、提示刺激生成部35、スケジューラ36が設けられている。
【0036】
提示刺激生成部35は、例えば、スケジューラ36から出力される制御信号に基づいて後述する表示部29、スピーカ30を制御して被験者に提示する刺激を生成する。被験者に提示される刺激は、例えば、表示部29の画面の色の変化の周期の変更、スピーカから出力される音の変化などとされる。
【0037】
スケジューラ36は、提示刺激生成部35による刺激の生成のタイミングを制御する。例えば、スケジューラ36は、内部にタイマを有する構成とされ、予め登録されるスケジュール情報に基づいて、表示部29の画面の色の変化の周期の変更、スピーカから出力される音の変化などの刺激を所定のタイミングで生成させるように制御する。
【0038】
また、この集中度測定装置10には、データ保存部41、表示部42、スピーカ43が設けられている。
【0039】
データ保存部41は、例えば、集中度合検出部33からの出力結果を保存するようになされている。データ保存部41は、例えば、個々の被験者別に時系列の集中度合の変化を表すデータを保存する。
【0040】
表示部42は、例えば、LCDなどにより構成されるディスプレイとされ、図示せぬコンテンツ再生部などにより再生されたコンテンツの画像を表示する。また、表示部42は、上述したように、提示刺激生成部35の制御に基づいて、画面の表示を変化させるようになされている。
【0041】
スピーカ43は、図示せぬコンテンツ再生部などにより再生されたコンテンツの音声を出力する。また、スピーカ43は、上述したように、提示刺激生成部35の制御に基づいて、出力される音を変化させるようになされている。
【0042】
集中度測定装置10は、アクティブモードおよびパッシブモード、並びに、アクティブモードとパッシブモードを組み合わせたハイブリッドモードで動作するようになされている。
【0043】
アクティブモードは、対象物を介して被験者に意図的に刺激を与え、その刺激に対する反応を観察することにより被験者の対象物に対する集中の度合を定量的に測定するための動作モードとされる。一方、パッシブモードは、被験者の周囲で発生した音、光、振動などを被験者に対して与えられた刺激とし、その刺激に対する反応を観察することにより被験者の対象物に対する集中の度合を定量的に測定するための動作モードとされる。ハイブリッドモードは、アクティブモードとパッシブモードを必要に応じて動作させる動作モードとされる。
【0044】
ここで、集中度測定装置10がアクティブモードで動作する場合の集中の度合の測定方式について説明する。
【0045】
例えば、被験者が、視聴しているコンテンツにどの程度集中しているかを短時間で測定したい場合、集中度測定装置10をアクティブモードで動作させることが効果的である。この場合、測定者は、スケジューラ36にスケジュール情報を登録する。スケジュール情報は、例えば、被験者に与える刺激の内容(画面の色の変化や音の変化など)、およびその刺激が与えられる時刻を含む情報とされる。
【0046】
例えば、図2に示されるように、コンテンツの視聴が開始されると同時に、表示部42の画面の背景色が緩やかに、かつ周期的に変化するようにする。なお、同図では、分かり易くするために、画面の背景色が極端に変化させられているが、実際には、ほとんど気にならない程度の変化とされる。そして、コンテンツの視聴が開始されてから、所定の時間経過後に表示部42の画面の背景色の変化の周期を早める。これにより、被験者に刺激が与えられる。
【0047】
あるいはまた、コンテンツの視聴が開始されると同時に、スピーカ43から環境音などが小さな音で出力されるようにし、この環境音が一定の周期で繰り返されるようにする。そして、コンテンツの視聴が開始されてから、所定の時間経過後にスピーカ43から出力される環境音の周期を早める。これにより、被験者に刺激が与えられる。
【0048】
また、その他にも、表示部42の画面において、周期的に背景を動かしておき、その動きを急に変化させる、被験者が注目していると思われる領域周辺のみ背景の明るさを変化させる、動きを持たせる、色を変えるなどの刺激が考えられる。さらに、スピーカ43から出力される音楽のピッチを急に変化させる、音量を変化させる、ステレオ出力時の左右のバランスを変化させるなどの刺激が考えられる。
【0049】
アクティブモードでは、コンテンツの種類や視聴環境に応じ、定常状態で周期的な変化を起こしているものに対し、その周期性を逸脱する刺激を与えることが望ましい。また、測定の精度を高めるために、例えば、1回の測定につき、上述したような刺激が連続して複数回与えられることが好ましい。さらに、例えば、事前にユーザ毎にキャリブレーションを行うことで、与える刺激の強度を調整するなどし、測定の精度が高められるようにしてもよい。
【0050】
スケジューラ36から出力される制御信号に基づいて、提示刺激生成部35が刺激を生成するとともに、生成された刺激の内容を表す信号を脳波セレクタ31に出力する。
【0051】
脳波セレクタ31は、提示刺激生成部35から供給された信号に基づいて事象関連電位計測部32に供給すべき脳波信号に対応するチャンネルを選択する。例えば、被験者に与える刺激の内容が画面の色を変化させるものであった場合、視覚による刺激に反応しやすい脳波を計測するチャンネルが選択される。また、被験者に与える刺激の内容が音を変化させるものであった場合、聴覚による刺激に反応しやすい脳波を計測するチャンネルが選択される。
【0052】
また、脳波セレクタ31は、事象関連電位計測部32において、当該チャンネルの脳波信号の中でP300の波形を検出するのに適した周波数の波形を抽出できるように、周波数フィルタを設定する。
【0053】
例えば、図3に示されるように、刺激が与えられていない場合、脳波セレクタ31から出力される脳波信号は、波形101のように振幅の小さい波形となる。一方、刺激が与えられると、脳波セレクタ31から出力される脳波信号は、波形102のように振幅の大きい波形となる。
【0054】
事象関連電位計測部32は、脳波セレクタ31から出力された脳波信号の波形を解析し、事象関連電位と想定される波形を検出する。
【0055】
脳波センサ21から出力される波形には、例えば、筋電や自発活動成分などのノイズが多く含まれているため、次のようにして事象関連電位と想定される波形を検出する。
【0056】
まず、刺激が与えられたタイミングを基準とした所定の時間範囲の脳波信号を、その刺激に対応する脳波データとして記録する。その後、同様の刺激(例えば、1回の測定のために連続して生成された刺激)が与えられる毎に各刺激に対応する脳波データを記録していく。こうして得られた複数の脳波データを加算平均することで、アルファ波やベータ波といった自発活動成分が減衰されて、事象関連電位と想定される波形を検出し易くなる。
【0057】
例えば、リアルタイムで集中度合を測定する場合、直近の過去のn個の脳波データを加算平均することで、その時刻における事象関連電位を算出する。一方リアルタイムでの測定を行わない場合(例えば、バッチ処理する場合)には、その時刻から見て、過去(時間的に前)のn/2個と未来(時間的に後)のn/2個の脳波データを加算平均することで、その時刻における事象関連電位波形を算出する。
【0058】
事象関連電位計測部32は、波形102において、例えば、刺激提示後の300msec前後にピークを持つP300の波形が検出されたか否かを判定する。事象関連電位計測部32は、P300の波形が検出されたと判定された場合、事象関連電位の波形(いまの場合、P300の波形)、その波形に関する時間的な位置、周波数、信号強度を含む情報を、集中度合検出部33に出力する。
【0059】
例えば、脳波セレクタ31によって複数のチャンネルの脳波信号が選択されて出力される場合、事象関連電位計測部32は、最もP300の波形に近い波形が検出されたチャンネルの信号の波形に関する時間的な位置、周波数、信号強度を含む情報を、集中度合検出部33に出力する。すなわち、事象関連電位計測部32は、検出された事象関連電位の波形に係る特徴量を、集中度合検出部33に出力する。
【0060】
集中度合検出部33は、事象関連電位計測部32から供給される情報に基づいて、被験者の集中の度合を表す数値を算出する。
【0061】
ここで、事象関連電位の波形と刺激の相対強度をvs、波形の最大振幅をvr、刺激が提示されてから波形のピークに至るまでの時間をtp、波形が現れ始めた開始時刻をts、観測のために波形が抽出された時間をΔt、その間の各時刻tにおける振幅をv(t)とする。そうすると、アクティブモードの場合の被験者のコンテンツに対する集中度csは式(1)により表される。
【0062】
【数1】

・・・(1)
【0063】
ただし、式(1)における各項は、式(2)、式(3)、式(4)により定義されるものとする。
【0064】
【数2】

・・・(2)
【0065】
【数3】

・・・(3)
【0066】
【数4】

・・・(4)
【0067】
式(2)におけるα、式(3)におけるβ、式(4)におけるγは、例えば、事前に多数のデータを用いた学習により求めるようにしてもよいし、被験者毎に適当な数値を設定するなどしてもよい。
【0068】
式(1)により算出される値は、与えられた刺激に対する反応が強い(明確である)ほど、高い値となる。例えば、対象物であるコンテンツが表示されている画面の色の変化を刺激として与えた場合、その刺激に強く反応したときは、コンテンツに集中していると考えられるからである。また反対に、その刺激に対する反応が弱いときは、コンテンツに集中していないと考えられるからである。
【0069】
なお、脳波センサ21に加えて、他の生体センサ22を用いる場合、他の生体センサ22から出力されるセンサ信号のそれぞれについて、刺激に対する反応の強弱を数値化するための項を生成し、その項を式(1)に組み入れて被験者のコンテンツに対する集中度csが演算されるようにすればよい。
【0070】
集中度合検出部33は、このようにして集中度合を算出する。そして、算出された集中度が、例えば、事象関連電位計測部32から供給された情報と対応付けられて、被験者毎の時系列のデータとしてデータ保存部41に保存される。
【0071】
また、データ保存部41に保存されたデータを解析するなどして、事象関連電位と想定される波形が検出されるチャンネル、周波数、波形が現れるまでの時間などを脳波セレクタ31、または事象関連電位計測部32にフィードバックするようにしてもよい。
【0072】
このようにすることで、例えば、被験者毎に、チャネルの選択、周波数フィルタの設定が異なるようにすることも可能となり、被験者の生体的特徴に応じて高い精度で事象関連電位と想定される波形を検出することができる。
【0073】
ここでは、提示刺激生成部35により刺激が生成されて与えられた際の集中度が算出される例について説明したが、例えば、提示刺激生成部35により生成される刺激の内容を変化させ、所定の時間内に複数の刺激が与えられるようにしてもよい。例えば、コンテンツの視聴が開始されてから30分経過後40分経過するまでの間の時間帯に、画面の色の変化による刺激を5回、音の変化による刺激を5回与えるようにしてもよい。そして、それぞれの刺激に対応して得られた集中度の平均値が、その時間帯における被験者のコンテンツに対する集中度として算出されるようにしてもよい。
【0074】
また、上述したように、事象関連電位計測部32は、複数の脳波データを加算平均することで、脳波に含まれるアルファ波やベータ波といった自発活動成分を減衰させ、事象関連電位と想定される波形を検出し易くするようになされている。このため、事象関連電位計測部32が脳波信号の供給を受ける都度、その脳波信号に含まれる自発活動成分の位相を特定するようにするとよい。そして、特定された自発活動成分の位相がスケジューラ36にフィードバックされるようにし、スケジューラ36は、次の刺激を生成する際に、自発活動成分の位相がずれるように制御信号を生成するようにするとよい。
【0075】
すなわち、先に与えられた刺激に対応する事象関連電位と想定される波形に含まれる自発活動成分の位相と、後から与えられた刺激に対応する事象関連電位と想定される波形に含まれる自発活動成分の位相とが異なったものとなるように、スケジューラ36が意図的に刺激を生成する時刻を微調整するようにするとよい。このようにすることで、より少ない脳波データの加算平均によって、自発活動成分を減衰させることができ、例えば、短時間で精度の高い測定を行うことが可能となる。
【0076】
このようにして集中度測定装置10がアクティブモードで動作する場合の集中の度合の測定が行われる。
【0077】
次に、集中度測定装置10がパッシブモードで動作する場合の集中の度合の測定方式について説明する。
【0078】
例えば、被験者の視聴しているコンテンツに対する集中をできるだけ妨げずに、集中度を測定したい場合、集中度測定装置10をパッシブモードで動作させることが効果的である。
【0079】
パッシブモードにおいて被験者に与えられる刺激は、被験者の周囲の環境において定常状態を逸脱する変化が生じたこととされる。
【0080】
例えば、被験者がコンテンツを視聴している時に、外部で大きな音がした場合、外的要因判定部34は、マイク23から出力されるセンサ信号に基づいて被験者に対して刺激が与えられたことを特定する。例えば、マイク23から出力されるセンサ信号の振幅が閾値を超えるものである場合、被験者に対して刺激が与えられたことが特定される。
【0081】
なお、パッシブモードにおける刺激の具体例としては、例えば、電車内でのコンテンツの視聴を考えた場合、電車のレールの継ぎ目に起因する一定周期の音の周期の変化などが考えられる。また、トンネルの入り口出口での周囲の照度の変化や、急発進、急停車などによる加速度の変化などが考えられる。
【0082】
外的要因判定部34は、刺激の内容を含む検知信号を脳波セレクタ31、および集中度合検出部33に出力する。
【0083】
なお、例えば、外部であまりにも大きい音がした場合、被験者は、その音による刺激によってコンテンツに集中できない状態になったと考えられる。このように、明らかに被験者の集中を妨げるような刺激が与えられた場合、もはや集中度を測定する意味がないので、集中度の測定に係る処理が一度リセットされるようになされている。
【0084】
脳波セレクタ31は、外的要因判定部34から供給された信号に基づいて事象関連電位計測部32に供給すべき脳波信号に対応するチャンネルを選択する。例えば、被験者に与えられた刺激の内容が音に関するものであった場合、聴覚による刺激に反応しやすい脳波を計測するチャンネルが選択される。
【0085】
また、脳波セレクタ31は、事象関連電位計測部32において、当該チャンネルの脳波信号の中でP300の波形を検出するのに適した周波数の波形を抽出できるように、周波数フィルタを設定する。
【0086】
事象関連電位計測部32は、脳波セレクタ31から出力された脳波信号の波形を解析し、事象関連電位と想定される波形を検出する。この際、上述したように、複数の脳波データを加算平均することで、自発活動成分を減衰させる。
【0087】
事象関連電位計測部32は、アクティブモードの場合と異なり、例えば、刺激提示後の300msec前後にピークを持つP300の波形が検出されたか否かを判定する。事象関連電位計測部32は、P300の波形が検出されたと判定された場合、事象関連電位の波形(いまの場合、P300の波形)、その波形に関する時間的な位置、周波数、信号強度を含む情報を、集中度合検出部33に出力する。
【0088】
例えば、脳波セレクタ31から複数のチャンネルの脳波信号が出力される場合、事象関連電位計測部32は、最もP300の波形に近い波形が検出されたチャンネルの信号の波形に関する時間的な位置、周波数、信号強度を含む情報を、集中度合検出部33に出力する。
【0089】
集中度合検出部33は、事象関連電位計測部32から供給される情報に基づいて、被験者の集中の度合を表す数値を算出する。なお、パッシブモードの場合、アクティブモードの場合とは異なる数式により、被験者の集中の度合を表す数値が算出される。
【0090】
ここで、事象関連電位の波形と刺激の相対強度をvs、波形の最大振幅をvr、刺激が提示されてから波形のピークに至るまでの時間をtp、波形が現れ始めた開始時間をts、観測のために波形が抽出された時間をΔt、その間の各時刻tにおける振幅をv(t)とする。そうすると、パッシブモードの場合の被験者のコンテンツに対する集中度csは式(5)により表される。
【0091】
【数5】

・・・(5)
【0092】
ただし、式(5)における各項は、式(6)、式(7)、式(8)により定義されるものとする。
【0093】
【数6】

・・・(6)
【0094】
【数7】

・・・(7)
【0095】
【数8】

・・・(8)
【0096】
式(6)におけるα、式(7)におけるβ、式(8)におけるγは、例えば、事前に多数のデータを用いた学習により求めるようにしてもよいし、被験者毎に適当な数値を設定するなどしてもよい。
【0097】
式(5)により算出される値は、与えられた刺激に対する反応が強い(明確である)ほど、低い値となる。例えば、対象物であるコンテンツが表示されている画面から遠く離れた場所から聞こえてくる音が刺激として与えられた場合、その刺激に強く反応したときは、コンテンツに集中していないと考えられるからである。また反対に、その刺激に対する反応が弱いときは、コンテンツに集中していると考えられるからである。
【0098】
集中度合検出部33は、このようにして集中度合を算出する。そして、算出された集中度が、例えば、事象関連電位計測部32から供給された情報と対応付けられて、被験者毎の時系列のデータとしてデータ保存部41に保存される。
【0099】
また、データ保存部41に保存されたデータを解析するなどして、事象関連電位と想定される波形が検出されるチャンネル、周波数、波形が現れるまでの時間などを脳波セレクタ31、または事象関連電位計測部32にフィードバックするようにしてもよい。
【0100】
このようにすることで、例えば、ユーザ毎に高い精度で事象関連電位と想定される波形を検出することができる。
【0101】
また、例えば、コンテンツの視聴が開始されてから30分経過後60分経過するまでの間の時間帯に与えられた複数の刺激それぞれに対応して得られた集中度の平均値が、その時間帯における被験者のコンテンツに対する集中度として算出されるようにしてもよい。
【0102】
このようにして集中度測定装置10がパッシブモードで動作する場合の集中の度合の測定が行われる。
【0103】
次に、集中度測定装置10がハイブリッドモードで動作する場合の集中の度合の測定方式について説明する。
【0104】
例えば、アクティブモードでは、刺激の内容の選択が非常に難しい。あまり強い反応を誘発するような刺激を与えると、その刺激自体がコンテンツ視聴の障害となってしまうからである。一方、パッシブモードではこのような恐れはないものの、刺激と認められるような変化が起きない限り集中度の測定ができない。
【0105】
そこで、例えば、パッシブモードでの集中度の測定を行いつつ、ある程度の時間を経過しても刺激が発生しない場合、アクティブモードに切り替える方式が考えられる。
【0106】
この場合、例えば、外的要因判定部34の内部にタイマなどが設けられるようにし、所定の時間内に被験者に刺激が与えられたことが特定されない場合、外的要因判定部34からスケジューラ36にその旨を通知する信号が出力されるようする。これにより、スケジューラ36が自動的にスケジュール情報を生成するなどして、上述したようにアクティブモードでの集中度の測定が行われるようにすればよい。
【0107】
また、アクティブモードでは、刺激の与え方によっては、かえってコンテンツへの集中を妨げてしまうこともあり得る。
【0108】
そこで、例えば、パッシブモードでコンテンツ集中度の測定を行った結果、コンテンツに対する集中度が低いと判断された場合に、確認的にアクティブモードでの集中度の測定を行う方式が考えられる。
【0109】
この場合、例えば、スケジューラ36がデータ保存部41に保存されているデータを読み出すなどして、被験者のコンテンツに対する集中度を確認する。そして、被験者のコンテンツに対する集中度が低いと確認された場合、スケジューラ36が自動的にスケジュール情報を生成するなどして、上述したようにアクティブモードでの集中度の測定が行われるようにすればよい。
【0110】
このようにして集中度測定装置10がハイブリッドモードで動作する場合の集中の度合の測定が行われる。
【0111】
次に、図4のフローチャートを参照して、集中度測定装置10がアクティブモードで動作する場合の集中の度合の測定に係る処理であるアクティブモード測定処理の例について説明する。
【0112】
この処理は、例えば、被験者が視聴しているコンテンツに対する集中度を測定するとき実行され、いま、表示部42にコンテンツの画像が表示されているものとし、スピーカ43からコンテンツの音声が出力されているものとする。
【0113】
ステップS21において、脳波センサ21は、脳波信号を取得する。脳波センサ21は、例えば、被験者の頭部に装着された複数の電極に対応する多チャンネルの脳波信号を取得する。
【0114】
ステップS22において、スケジューラ36は、刺激を与える時刻になったか否かを判定する。ステップS22において、まだ、刺激を与える時刻になっていないと判定された場合、処理は、ステップS21に戻る。ステップS22において、刺激を与える時刻になったと判定された場合、処理は、ステップS23に進む。
【0115】
ステップS23において、スケジューラ36は、提示刺激生成部35を制御して刺激を生成させる。このとき、上述したように、例えば、表示部29の画面の色の変化の周期の変更、スピーカから出力される音の変化などの刺激が生成される。
【0116】
ステップS24において、脳波セレクタ31は、提示刺激生成部35から供給された信号に基づいて事象関連電位計測部32に供給すべき脳波信号に対応するチャンネルを選択する。このとき、例えば、被験者に与える刺激の内容が画面の色を変化させるものであった場合、視覚による刺激に反応しやすい脳波を計測するチャンネルが選択される。また、被験者に与える刺激の内容が画面の音を変化させるものであった場合、聴覚による刺激に反応しやすい脳波を計測するチャンネルが選択される。
【0117】
ステップS25において、脳波セレクタ31は、事象関連電位計測部32において、当該チャンネルの脳波信号の中でP300の波形を検出するのに適した周波数の波形を抽出できるように、周波数フィルタを設定する。
【0118】
ステップS26において、事象関連電位計測部32は、ステップS23の処理に伴って被験者に刺激が与えられたタイミングを基準とし、その刺激に対応する脳波データを記録すべき所定の時間範囲を設定する。
【0119】
ステップS27において、事象関連電位計測部32は、ステップS24の処理で選択されたチャンネルの脳波信号であって、ステップS25の処理で設定されたフィルタを通過して供給された脳波信号の波形を解析する。
【0120】
このとき、例えば、ステップS26の処理で設定された時間範囲の脳波信号が、その刺激に対応する脳波データとして記録され、その後、同様の刺激が与えられる毎に各刺激に対応する脳波データが記録されていく。例えば、リアルタイムで集中度合を測定する場合、直近の過去のn個の脳波データを加算平均することで、その時刻における事象関連電位が算出される。一方リアルタイムでの測定を行わない場合(例えば、バッチ処理する場合)には、その時刻から見て、過去(時間的に前)のn/2個と未来(時間的に後)のn/2個の脳波データを加算平均することで、その時刻における事象関連電位波形が算出される。
【0121】
ステップ28において、事象関連電位計測部32は、ステップS27の解析の結果、事象関連電位が検出されたか否かを判定する。ステップS28において、事象関連電位が検出されなかったと判定された場合、処理は、ステップS21に戻る。ステップS28において、事象関連電位が検出されたと判定された場合、処理は、ステップS29に進む。
【0122】
このとき、事象関連電位計測部32は、例えば、刺激提示後の300msec前後にピークを持つP300の波形が検出されたか否かを判定する。事象関連電位計測部32は、P300の波形が検出されたと判定された場合、事象関連電位の波形(いまの場合、P300の波形)、その波形に関する時間的な位置、周波数、信号強度を含む情報を、集中度合検出部33に出力する。
【0123】
また、例えば、脳波セレクタ31から複数のチャンネルの脳波信号が出力される場合、事象関連電位計測部32は、最もP300の波形に近い波形が検出されたチャンネルの信号の波形に関する時間的な位置、周波数、信号強度を含む情報を、集中度合検出部33に出力する。
【0124】
ステップS29において、集中度合検出部33は、被験者のコンテンツに対する集中度を算出する。このとき、例えば、上述した式(1)の演算により集中度csが算出されることになる。
【0125】
このようにして、アクティブモード測定処理が実行される。
【0126】
次に、図5のフローチャートを参照して、集中度測定装置10がパッシブモードで動作する場合の集中の度合の測定に係る処理であるパッシブモード測定処理の例について説明する。
【0127】
この処理は、例えば、被験者が視聴しているコンテンツに対する集中度を測定するとき実行され、いま、表示部42にコンテンツの画像が表示されているものとし、スピーカ43からコンテンツの音声が出力されているものとする。
【0128】
ステップS51において、脳波センサ21は、脳波信号を取得する。脳波センサ21は、例えば、被験者の頭部に装着された複数の電極に対応する多チャンネルの脳波信号を取得する。
【0129】
ステップS52において、外的要因判定部34は、例えば、マイク23などから出力されるセンサ信号に基づいて被験者に対して刺激が与えられたか否かを判定する。例えば、マイク23から出力されるセンサ信号の振幅が閾値を超えるものである場合、被験者に対して刺激が与えられたと判定される。
【0130】
ステップS52において、被験者に対して刺激が与えられなかったと判定された場合、処理は、ステップS51に戻る。ステップS52において、被験者に対して刺激が与えられたと判定された場合、処理は、ステップS53に進む。
【0131】
ステップS53において、ステップS52で与えられたと判定された刺激は、非常に強い刺激であったか否かが判定される。例えば、外部であまりにも大きい音がした場合、被験者は、その音による刺激によってコンテンツに集中できない状態になったと考えられる。このような刺激がステップS53において判定される。例えば、マイク23から出力されるセンサ信号の振幅が別の閾値(ステップS52の閾値より大きい閾値)を超えるものである場合、ステップS52で与えられたと判定された刺激は、非常に強い刺激であったと判定される。
【0132】
ステップS53において、ステップS52で与えられたと判定された刺激は、非常に強い刺激であったと判定された場合、処理は、ステップS60に進み、リセット処理が実行される。例えば、明らかに被験者の集中を妨げるような刺激が与えられた場合、もはや集中度を測定する意味がないので、集中度の測定に係る処理が一度リセットされるようになされている。
【0133】
一方、ステップS53において、ステップS52で与えられたと判定された刺激は、非常に強い刺激ではなかったと判定された場合、処理は、ステップS54に進む。
【0134】
ステップS54において、脳波セレクタ31は、外的要因判定部34から供給された信号に基づいて事象関連電位計測部32に供給すべき脳波信号に対応するチャンネルを選択する。このとき、例えば、被験者に与えられた刺激の内容が音に関するものであった場合、聴覚による刺激に反応しやすい脳波を計測するチャンネルが選択される。
【0135】
ステップS55において、脳波セレクタ31は、事象関連電位計測部32において、当該チャンネルの脳波信号の中でP300の波形を検出するのに適した周波数の波形を抽出できるように、周波数フィルタを設定する。
【0136】
ステップS56において、事象関連電位計測部32は、ステップS53の処理において被験者に刺激が与えられたと判定されたタイミングを基準とし、その刺激に対応する脳波データを記録すべき所定の時間範囲を設定する。
【0137】
ステップS57において、事象関連電位計測部32は、ステップS54の処理で選択されたチャンネルの脳波信号であって、ステップS55の処理で設定されたフィルタを通過して供給された脳波信号の波形を解析する。
【0138】
このとき、例えば、ステップS56の処理で設定された時間範囲の脳波信号が、その刺激に対応する脳波データとして記録され、その後、同様の刺激が与えられる毎に各刺激に対応する脳波データが記録されていく。例えば、リアルタイムで集中度合を測定する場合、直近の過去のn個の脳波データを加算平均することで、その時刻における事象関連電位が算出される。一方リアルタイムでの測定を行わない場合(例えば、バッチ処理する場合)には、その時刻から見て、過去(時間的に前)のn/2個と未来(時間的に後)のn/2個の脳波データを加算平均することで、その時刻における事象関連電位波形が算出される。
【0139】
ステップ58において、事象関連電位計測部32は、ステップS57の解析の結果、事象関連電位が検出されたか否かを判定する。ステップS58において、事象関連電位が検出されなかったと判定された場合、処理は、ステップS51に戻る。ステップS58において、事象関連電位が検出されたと判定された場合、処理は、ステップS59に進む。
【0140】
このとき、事象関連電位計測部32は、例えば、刺激提示後の300msec前後にピークを持つP300の波形が検出されたか否かを判定する。事象関連電位計測部32は、P300の波形が検出されたと判定された場合、事象関連電位の波形(いまの場合、P300の波形)、その波形に関する時間的な位置、周波数、信号強度を含む情報を、集中度合検出部33に出力する。
【0141】
また、例えば、脳波セレクタ31から複数のチャンネルの脳波信号が出力される場合、事象関連電位計測部32は、最もP300の波形に近い波形が検出されたチャンネルの信号の波形に関する時間的な位置、周波数、信号強度を含む情報を、集中度合検出部33に出力する。
【0142】
ステップS59において、集中度合検出部33は、被験者のコンテンツに対する集中度を算出する。このとき、例えば、上述した式(5)の演算により集中度csが算出されることになる。
【0143】
このようにして、パッシブモード測定処理が実行される。
【0144】
次に、図6のフローチャートを参照して、集中度測定装置10がハイブリッドモードで動作する場合の集中の度合の測定に係る処理であるハイブリッドモード測定処理の例について説明する。
【0145】
この処理は、例えば、被験者が視聴しているコンテンツに対する集中度を測定するとき実行され、いま、表示部42にコンテンツの画像が表示されているものとし、スピーカ43からコンテンツの音声が出力されているものとする。
【0146】
ステップS81において、脳波センサ21は、脳波信号を取得する。脳波センサ21は、例えば、被験者の頭部に装着された複数の電極に対応する多チャンネルの脳波信号を取得する。
【0147】
ステップS82において、外的要因判定部34は、例えば、マイク23などから出力されるセンサ信号に基づいて被験者に対して刺激が与えられたか否かを判定する。例えば、マイク23から出力されるセンサ信号の振幅が閾値を超えるものである場合、被験者に対して刺激が与えられたと判定される。
【0148】
ステップS82において、被験者に対して刺激が与えられなかったと判定された場合、処理は、ステップS91に進む。ステップS82において、被験者に対して刺激が与えられたと判定された場合、処理は、ステップS83に進む。
【0149】
図6のステップS83乃至ステップS90の処理は、それぞれ図5のステップS53乃至ステップS60の処理と同様の処理なので、詳細な説明は省略する。
【0150】
ステップS91において、予め設定された所定の時間、被験者に刺激が与えられていないか否かが判定される。ステップS91において、被験者に刺激が与えられていない時間が所定の時間を超えていないと判定された場合、処理は、ステップS81に戻る。一方、ステップS91において、予め設定された所定の時間、被験者に刺激が与えられていないと判定された場合、すなわち、刺激が被験者に与えられたと判定されるセンサ信号が、所定の時間以上継続して出力されなかった場合、処理は、ステップS92に進む。
【0151】
ステップS92において、図4を参照して上述したアクティブモード測定処理が実行される。
【0152】
このようにしてハイブリッドモード測定処理が実行される。
【0153】
すなわち、図6に示されるハイブリッドモード測定処理は、パッシブモードでの集中度の測定を行いつつ、ある程度の時間を経過しても刺激が発生しない場合、アクティブモードに切り替えるものとされている。
【0154】
次に、図7のフローチャートを参照して、集中度測定装置10がハイブリッドモードで動作する場合の集中の度合の測定に係る処理であるハイブリッドモード測定処理の別の例について説明する。
【0155】
この処理は、例えば、被験者が視聴しているコンテンツに対する集中度を測定するとき実行され、いま、表示部42にコンテンツの画像が表示されているものとし、スピーカ43からコンテンツの音声が出力されているものとする。
【0156】
図7のステップS111乃至ステップS120の処理は、図5のステップS51乃至ステップS60の処理と同様の処理なので詳細な説明は省略する。
【0157】
ステップS119の処理の後、処理は、ステップS121に進む。
【0158】
ステップS121において、ステップS119の処理で算出された集中度が低いものであったか否かが判定される。例えば、ステップS119の処理で算出された集中度の値が、予め設定された閾値より低い場合、ステップS121において、集中度が低いと判定される。
【0159】
ステップS121において、集中度が低いと判定された場合、処理は、ステップS122に進む。
【0160】
ステップS122において、図4を参照して上述したアクティブモード測定処理が実行される。
【0161】
一方、ステップS121において、集中度が低くないと判定された場合、ステップS122の処理はスキップされる。
【0162】
このようにしてハイブリッドモード測定処理が実行される。
【0163】
すなわち、図7に示されるハイブリッドモード測定処理は、パッシブモードで集中度の測定を行った結果、コンテンツに対する集中度が低いと判断された場合に、確認的にアクティブモードでの集中度の測定を行うものとされている。
【0164】
従来の技術では、例えば、特定のコンテンツに対して集中しているかどうかを判断することはできなかった。また、従来の技術では、主に集中の有無を検出することはできるものの、定量的な集中の度合を特定することはできなかった。また、所定のタイミングで意図的に集中の度合を検出することはできなかった。
【0165】
これに対して、本技術によれば、特定のコンテンツに対して集中しているかどうかを判定することが可能となる。また、本技術によれば、上述した式(1)、式(5)により集中の度合を定量的に算出することが可能となる。さらに、本技術によれば、アクティブモードを用いることにより、所定のタイミングで意図的に集中の度合を検出することも可能となる。
【0166】
従って、本技術によれば、例えば、所定の講義に対する学生の集中の度合を短時間に効率的に測定することが可能となる。また、本技術によれば、例えば、ゲームや映画などのコンテンツに係るマーケティングを短期間で効率的に行うことも可能となる。
【0167】
なお、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。上述した一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば図8に示されるような汎用のパーソナルコンピュータ700などに、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
【0168】
図8において、CPU(Central Processing Unit)701は、ROM(Read Only Memory)702に記憶されているプログラム、または記憶部708からRAM(Random Access Memory)703にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM703にはまた、CPU701が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
【0169】
CPU701、ROM702、およびRAM703は、バス704を介して相互に接続されている。このバス704にはまた、入出力インタフェース705も接続されている。
【0170】
入出力インタフェース705には、キーボード、マウスなどよりなる入力部706、LCD(Liquid Crystal display)などよりなるディスプレイ、並びにスピーカなどよりなる出力部707、ハードディスクなどより構成される記憶部708、モデム、LANカードなどのネットワークインタフェースカードなどより構成される通信部709が接続されている。通信部709は、インターネットを含むネットワークを介しての通信処理を行う。
【0171】
入出力インタフェース705にはまた、必要に応じてドライブ710が接続され、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア711が適宜装着され、それらから読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じて記憶部708にインストールされる。
【0172】
上述した一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、インターネットなどのネットワークや、リムーバブルメディア711などからなる記録媒体からインストールされる。
【0173】
なお、この記録媒体は、図8に示される、装置本体とは別に、ユーザにプログラムを配信するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク(フロッピディスク(登録商標)を含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)を含む)、光磁気ディスク(MD(Mini-Disk)(登録商標)を含む)、もしくは半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア711により構成されるものだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに配信される、プログラムが記録されているROM702や、記憶部708に含まれるハードディスクなどで構成されるものも含む。
【0174】
なお、本明細書において上述した一連の処理は、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0175】
また、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0176】
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
【0177】
(1) 被験者の脳波を計測して脳波信号を出力する脳波センサと、
被験者の周囲の環境をセンシングする外部センサと、
前記外部センサが出力するセンサ信号に基づいて、前記被験者の周囲の環境において定常状態を逸脱する変化が生じたことによる刺激が前記被験者に与えられたか否かを判定する環境変化判定部と、
前記刺激が前記被験者に与えられたと判定された場合、前記脳波信号において、前記刺激に対応する事象関連電位を検出する事象関連電位検出部と、
前記検出された事象関連電位から得られた特徴量に基づいて、前記被験者の対象物への集中の度合を表す値を算出する算出部と
を備える情報処理装置。
(2) 予め設定されたタイミングで、前記対象物に係る刺激を生成する刺激生成部をさらに備え、
環境変化判定部により刺激が前記被験者に与えられたと判定される前記センサ信号が、所定の時間以上継続して出力されなかった場合、前記刺激生成部により前記刺激が生成され、
前記事象関連電位検出部が、前記生成された刺激に対応する事象関連電位を検出する
(1)に記載の情報処理装置。
(3) 予め設定されたタイミングで、前記対象物に係る刺激を生成する刺激生成部をさらに備え、
前記被験者の対象物への集中の度合を表す値として所定の閾値未満の値が算出された場合、前記刺激生成部により前記刺激が生成され、
前記事象関連電位検出部が、前記生成された刺激に対応する事象関連電位を検出する
(1)に記載の情報処理装置。
(4) 予め設定されたタイミングで、前記対象物に係る刺激を生成する刺激生成部をさらに備え、
前記事象関連電位検出部が先に検出した前記事象関連電位を含む脳波信号における自発活動成分と位相が異なる事象関連電位が検出されるタイミングで、前記対象物に係る刺激が生成され、
前記算出部が、複数の事象関連電位に対応する特徴量を加算平均して得られた特徴量に基づいて、前記被験者の対象物への集中の度合を表す値を算出する
(1)に記載の情報処理装置。
(5) 前記対象物としてのコンテンツの画像の表示する表示部をさらに備え、
予め設定されたタイミングで、前記表示部の画面の表示を変化させることで視覚的な刺激が生成される
(1)乃至(4)のいずれかに記載の情報処理装置。
(6) 前記対象物としてのコンテンツの音声を出力するスピーカをさらに備え、
予め設定されたタイミングで、前記スピーカから出力される音を変化させることで聴覚的な刺激が生成される
(1)乃至(5)のいずれかに記載の情報処理装置。
(7) 前記脳波センサは、被験者の頭部に装着された複数の電極に対応する多チャンネルの脳波信号を出力し、
前記被験者のそれぞれ、および、前記被験者に与えられた刺激に対応して前記多チャンネルの脳波信号のうちの所定のチャンネルの脳波信号を選択するチャンネル選択部をさらに備える
(1)乃至(7)のいずれかに記載の情報処理装置。
(8) 脳波センサが、被験者の脳波を計測して脳波信号を出力し、
環境変化判定部が、被験者の周囲の環境をセンシングする外部センサが出力するセンサ信号に基づいて、前記被験者の周囲の環境において定常状態を逸脱する変化が生じたことによる刺激が前記被験者に与えられたか否かを判定し、
事象関連電位検出部が、前記刺激が前記被験者に与えられたと判定された場合、前記脳波信号において、前記刺激に対応する事象関連電位を検出し、
算出部が、前記検出された事象関連電位から得られた特徴量に基づいて、前記被験者の対象物への集中の度合を表す値を算出するステップ
を含む情報処理方法。
(9) コンピュータを、
被験者の脳波を計測して脳波信号を出力する脳波センサと、
被験者の周囲の環境をセンシングする外部センサと、
前記外部センサが出力するセンサ信号に基づいて、前記被験者の周囲の環境において定常状態を逸脱する変化が生じたことによる刺激が前記被験者に与えられたか否かを判定する環境変化判定部と、
前記刺激が前記被験者に与えられたと判定された場合、前記脳波信号において、前記刺激に対応する事象関連電位を検出する事象関連電位検出部と、
前記検出された事象関連電位から得られた特徴量に基づいて、前記被験者の対象物への集中の度合を表す値を算出する算出部とを備える情報処理装置として機能させる
プログラム。
(10) (9)に記載のプログラムが記録されている記録媒体。
【符号の説明】
【0178】
10 集中度測定装置, 21 脳波センサ, 22 他の生体センサ, 23 マイク, 24 カメラ, 25 加速度センサ, 26 他の外部センサ, 31 脳波セレクタ, 32 事象関連電位計測部, 33 集中度合検出部, 34 外的要因判定部, 35 提示刺激生成部, 36 スケジューラ, 41 データ保存部, 42 表示部, 43 スピーカ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者の脳波を計測して脳波信号を出力する脳波センサと、
被験者の周囲の環境をセンシングする外部センサと、
前記外部センサが出力するセンサ信号に基づいて、前記被験者の周囲の環境において定常状態を逸脱する変化が生じたことによる刺激が前記被験者に与えられたか否かを判定する環境変化判定部と、
前記刺激が前記被験者に与えられたと判定された場合、前記脳波信号において、前記刺激に対応する事象関連電位を検出する事象関連電位検出部と、
前記検出された事象関連電位から得られた特徴量に基づいて、前記被験者の対象物への集中の度合を表す値を算出する算出部と
を備える情報処理装置。
【請求項2】
予め設定されたタイミングで、前記対象物に係る刺激を生成する刺激生成部をさらに備え、
環境変化判定部により刺激が前記被験者に与えられたと判定される前記センサ信号が、所定の時間以上継続して出力されなかった場合、前記刺激生成部により前記刺激が生成され、
前記事象関連電位検出部が、前記生成された刺激に対応する事象関連電位を検出する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
予め設定されたタイミングで、前記対象物に係る刺激を生成する刺激生成部をさらに備え、
前記被験者の対象物への集中の度合を表す値として所定の閾値未満の値が算出された場合、前記刺激生成部により前記刺激が生成され、
前記事象関連電位検出部が、前記生成された刺激に対応する事象関連電位を検出する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
予め設定されたタイミングで、前記対象物に係る刺激を生成する刺激生成部をさらに備え、
前記事象関連電位検出部が先に検出した前記事象関連電位を含む脳波信号における自発活動成分と位相が異なる事象関連電位が検出されるタイミングで、前記対象物に係る刺激が生成され、
前記算出部が、複数の事象関連電位に対応する特徴量を加算平均して得られた特徴量に基づいて、前記被験者の対象物への集中の度合を表す値を算出する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記対象物としてのコンテンツの画像の表示する表示部をさらに備え、
予め設定されたタイミングで、前記表示部の画面の表示を変化させることで視覚的な刺激が生成される
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記対象物としてのコンテンツの音声を出力するスピーカをさらに備え、
予め設定されたタイミングで、前記スピーカから出力される音を変化させることで聴覚的な刺激が生成される
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記脳波センサは、被験者の頭部に装着された複数の電極に対応する多チャンネルの脳波信号を出力し、
前記被験者のそれぞれ、および、前記被験者に与えられた刺激に対応して前記多チャンネルの脳波信号のうちの所定のチャンネルの脳波信号を選択するチャンネル選択部をさらに備える
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
脳波センサが、被験者の脳波を計測して脳波信号を出力し、
環境変化判定部が、被験者の周囲の環境をセンシングする外部センサが出力するセンサ信号に基づいて、前記被験者の周囲の環境において定常状態を逸脱する変化が生じたことによる刺激が前記被験者に与えられたか否かを判定し、
事象関連電位検出部が、前記刺激が前記被験者に与えられたと判定された場合、前記脳波信号において、前記刺激に対応する事象関連電位を検出し、
算出部が、前記検出された事象関連電位から得られた特徴量に基づいて、前記被験者の対象物への集中の度合を表す値を算出するステップ
を含む情報処理方法。
【請求項9】
コンピュータを、
被験者の脳波を計測して脳波信号を出力する脳波センサと、
被験者の周囲の環境をセンシングする外部センサと、
前記外部センサが出力するセンサ信号に基づいて、前記被験者の周囲の環境において定常状態を逸脱する変化が生じたことによる刺激が前記被験者に与えられたか否かを判定する環境変化判定部と、
前記刺激が前記被験者に与えられたと判定された場合、前記脳波信号において、前記刺激に対応する事象関連電位を検出する事象関連電位検出部と、
前記検出された事象関連電位から得られた特徴量に基づいて、前記被験者の対象物への集中の度合を表す値を算出する算出部とを備える情報処理装置として機能させる
プログラム。
【請求項10】
請求項9に記載のプログラムが記録されている記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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