説明

情報処理装置とその処理方法及びプログラム

【課題】フォーカス移動を制御しつつ、再度フォーカス移動キーの操作を受け入れるとフォーカスを移動させることで、入力漏れを防ぎつつ、入力効率を上げること。
【解決手段】ユーザの操作に従って、データ入力が可能な複数の入力領域を有する画面を表示する情報処理装置であって、データを入力するための入力領域にフォーカスを移動するべく、フォーカス移動指示を受け付け、フォーカス移動指示を受け付けた際にフォーカスのあった入力領域が入力チェック項目か否かを判定し、入力領域が入力チェック項目であると判定された場合、入力領域の入力値が所定の条件を満たしているか否かを判定し、入力値が所定の条件を満たしていないと判定される場合、次の入力領域へのフォーカスの移動を抑止するべく、条件を満たしていないことを識別可能に表示する。その後、再度フォーカス移動指示を受け付けた場合に、次の入力領域にフォーカスを移動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
入力領域のフォーカス移動を制御する情報処理装置とその処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
帳票の各種情報を入力する登録画面や、Webアプリケーションに対応するクライアント端末のブラウザで表示される申込情報登録画面などでは、多くの入力項目があるため、入力漏れなど入力ミスが発生してしまっていた。
【0003】
そのため、特許文献1のように、入力が必須である項目については、他の項目とは識別可能に表示して、入力忘れを防止する仕組みが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−154775号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、帳票の各種情報を入力する登録画面や、Webアプリケーションに対応するクライアント端末のブラウザで表示される申込情報登録画面などでは、入力を効率良く行うため、フォーカス移動キー(キーボードのTabキーなど)を用いて入力項目のフォーカス移動を行い、フォーカスのある項目の入力領域(テキストボックスなど)にキーボードを用いて情報の入力を行っている。
【0006】
フォーカス移動キーを押下することで簡単に次の入力項目にフォーカスを移動させることができるため、慣れた操作者ほど、フォーカス移動キーを多用して、情報の入力を行っている。この場合、調べて入力するような項目は避けて(未入力のまま)、入力のしやすい項目(すぐに入力できる項目)にフォーカスを移動し入力を行うことをするため、入力し忘れや、入力値のミスなどが発生するという問題があった。
【0007】
また、入力項目には必須入力する項目と任意に入力する項目が存在していることが多いが、フォーカス移動キーを用いた現在の入力制御では、必須入力項目も任意入力項目も関係なく順次フォーカスが移動するだけであるため、必須入力項目で未入力とした項目を後で入力する場合には、何度もフォーカス移動キーを押して、未入力の必須入力項目まで移動させなければならず、入力効率が悪かった。
【0008】
そこで、本発明の目的は、データの入力領域のフォーカスを移動するために、フォーカス移動キーの操作を受け入れた際に入力領域の入力判定を行い、入力に不正があった場合には次の入力領域へのフォーカス移動を制御しつつ、再度フォーカス移動キーの操作を受け入れるとフォーカスを移動させることで、入力漏れを防ぎつつ、入力効率を上げる仕組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の目的を達成するために、ユーザの操作に従って、データ入力が可能な複数の入力領域を有する画面を表示する情報処理装置であって、データを入力するための入力領域にフォーカスを移動するべく、フォーカス移動指示を受け付けるフォーカス移動指示受付手段と、前記フォーカス移動指示受付手段でフォーカス移動指示を受け付けた場合、フォーカス移動指示を受け付けた際にフォーカスのあった入力領域が入力チェック項目か否かを判定する入力チェック項目判定手段と、前記入力チェック項目判定手段で、前記入力領域が入力チェック項目であると判定された場合、前記入力領域の入力値が所定の条件を満たしているか否かを判定する入力値判定手段と、次の入力領域にフォーカスを移動するフォーカス移動手段と、前記入力値判定手段で入力値が所定の条件を満たしていないと判定される場合、次の入力領域へのフォーカスの移動を抑止するべく、条件を満たしていないことを識別可能に表示する識別表示手段と、前記フォーカス移動手段は、前記識別表示手段で識別可能に表示し、且つ前記フォーカス移動指示受付手段で再度フォーカス移動指示を受け付けた場合に、次の入力領域にフォーカスを移動することを特徴とする。
【0010】
また、前記入力値判定手段で入力値が所定の条件を満たしていないと判定される入力領域を管理する入力領域管理手段と、全ての前記入力領域にフォーカスが移動されたか否かを判定するフォーカス移動判定手段とを更に備え、前記フォーカス移動手段は、前記フォーカス移動判定手段で全ての前記入力領域にフォーカスが移動されたと判定される場合に、前記入力領域管理手段で管理される入力値が所定の条件を満たしていない入力領域間で、前記フォーカス移動指示受付手段でのフォーカス移動指示の受け付けに応じてフォーカスを移動することを特徴とする。
【0011】
また、前記フォーカス移動手段は、前記入力領域管理手段で管理される入力値が所定の条件を満たしていない入力領域が全て所定の条件を満たした場合に、前記フォーカス移動指示受付手段でのフォーカス移動指示の受け付けに応じて実行ボタンにフォーカスを移動することを特徴とする。
【0012】
また、前記入力チェック項目判定手段での前記入力領域の判定は、データの入力が必須である必須入力項目であるか否かを判定することを特徴とする。
【0013】
また、前記入力値判定手段は、前記入力領域が必須入力項目であった場合、当該入力領域に入力値があるか否かを判定することを特徴とする。
【0014】
また、前記入力値判定手段で入力値が所定の条件を満たしていないと判定される場合、次の入力領域へのフォーカスの移動を抑止し、前記フォーカス移動指示受付手段で再度フォーカス移動指示を受け付けた場合に、次の入力領域にフォーカスを移動する個別入力モードと、前記フォーカス移動判定手段で全ての前記入力領域にフォーカスが移動されたと判定される場合に、前記入力領域管理手段で管理される入力値が所定の条件を満たしていない入力領域間で、前記フォーカス移動指示受付手段でのフォーカス移動指示の受け付けに応じてフォーカスを移動するエラー訂正モードと、前記フォーカス移動指示受付手段でのフォーカス移動指示の受け付けに応じて実行ボタンにフォーカスを移動する実行可能モードとを更に備え前記フォーカス移動手段は、前記フォーカス移動指示受付手段でのフォーカス移動指示の受け付けた場合に、現在設定されているモードに従って、フォーカスを移動することを特徴とする。
【0015】
また、前記識別表示手段は、条件を満たしていない入力領域を、条件を満たしている入力領域と異なる色情報を用いて識別表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
データの入力領域のフォーカスを移動するために、フォーカス移動キーの操作を受け入れた際に入力領域の入力判定を行い、入力に不正があった場合には次の入力領域へのフォーカス移動を制御しつつ、再度フォーカス移動キーの操作を受け入れるとフォーカスを移動させることで、入力漏れを防ぎつつ、入力効率を上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明のフォーカス移動制御の適用可能な情報処理装置の構成を示すハードウェア構成図である。
【図2】本発明の情報処理装置が有する機能の構成を示す機能ブロック図である。
【図3】本発明におけるロストフォーカス時のフォーカス移動制御全体処理の一例を示すフローチャートである。
【図4】本発明におけるロストフォーカス時のフォーカス移動制御のモード判定処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】本発明におけるロストフォーカス時のフォーカス移動制御のフォーカス移動処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】本発明におけるロストフォーカス時のフォーカス移動制御のモードの状態遷移の概念図である。
【図7】本発明におけるロストフォーカス時のフォーカス移動制御の個別入力モード時のフォーカス移動の画面遷移を示すイメージ図である。
【図8】本発明におけるロストフォーカス時のフォーカス移動制御のエラー訂正モード、実行可能モード時のフォーカス移動の画面遷移を示すイメージ図である。
【図9】本発明におけるロストフォーカス時のフォーカス移動制御の項目情報テーブルの一例を示すデータ図である。
【図10】本発明におけるロストフォーカス時のフォーカス移動制御のモード判定情報テーブルの一例を示すデータ図である。
【図11】本発明におけるロストフォーカス時のフォーカス移動制御の色情報プロパティの一例を示す図である。
【図12】本発明におけるロストフォーカス時のフォーカス移動制御の遷移元のモードを判定するためのフラグの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明のフォーカス移動制御を適用可能な情報処理装置100の構成のハードウェア構成を示すハードウェア構成図である。この情報処理装置100は、ユーザの操作に従って、データ入力が可能な複数の入力領域(入力項目)を有する画面を表示することが可能な情報処理装置である。
【0020】
図1において、101はCPUで、システムバス104に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。また、ROM102あるいは外部メモリ111には、CPU101の制御プログラムであるBIOS(Basic Input / Output System)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OS)や、各サーバ或いは各PCの実行する機能を実現するために必要な後述する各種プログラム等が記憶されている。
【0021】
103はRAMで、CPU101の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU101は、処理の実行に際して必要なプログラム等をROM102あるいは外部メモリ111からRAM103にロードして、該ロードしたプログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
【0022】
また、105は入力コントローラで、キーボード(KB)109や不図示のマウス等のポインティングデバイス等からの入力を制御する。106はビデオコントローラで、CRTディスプレイ(CRT)110等の表示器への表示を制御する。なお、図1では、CRT110(ディスプレイ110)と記載しているが、表示器はCRTだけでなく、液晶ディスプレイ等の他の表示器であってもよい。これらは必要に応じて管理者が使用するものである。
【0023】
107はメモリコントローラで、ブートプログラム,各種のアプリケーション,フォントデータ,ユーザファイル,編集ファイル,各種データ等を記憶するハードディスク(HD)や、フレキシブルディスク(FD)、或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ等の外部メモリ111へのアクセスを制御する。
【0024】
108は通信I/Fコントローラで、ネットワークを介して外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いた通信等が可能である。
【0025】
なお、CPU101は、例えばRAM103内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、CRT110上での表示を可能としている。また、CPU101は、CRT110上の不図示のマウスカーソル等でのユーザ指示を可能とする。
【0026】
本発明を実現するための後述する各種プログラムは、外部メモリ111に記録されており、必要に応じてRAM103にロードされることによりCPU101によって実行されるものである。さらに、上記プログラムの実行時に用いられる定義ファイル及び各種情報テーブル等も、外部メモリ111に格納されており、これらについての詳細な説明も後述する。
【0027】
なお、本実施形態では、情報処理装置単体の制御として説明するが、ウェブシステムのようなサーバを備える構成でもよい。この場合サーバとネットワークを介して通信する。
【0028】
また、ウェブシステムの場合には、情報処理装置にインストールされているブラウザを用いて、後述するフォーカス移動制御を行う。ブラウザを用いる場合には、JavaScript(Javaは登録商標)やブラウザのアドインモジュールを用いてフォーカス移動制御を行う。
【0029】
次に、図2を用いて、本発明の情報処理装置の機能ブロック図について説明する。なお、図2では、基本的な機能について説明するものとし、各機能部が処理する詳細な制御については、後述するフローチャートにて説明する。
【0030】
まず、情報処理装置100は、ユーザの操作に従って、データ入力が可能な複数の入力領域(項目)を有する画面を表示するものである。この情報処理装置100は、フォーカス移動指示受付部201、入力チェック項目判定部202、入力値判定部203、フォーカス移動部204、識別表示部205の機能部を有している。
【0031】
フォーカス移動指示受付部201は、データを入力するための入力領域にフォーカスを移動するべく、フォーカス移動指示を受け付ける機能であり、フォーカス移動キー(Tab)やマウスの押下によってフォーカス移動の指示を受け付ける。
【0032】
入力チェック項目判定部202は、フォーカス移動指示を受け付けた場合、フォーカス移動指示を受け付けた際にフォーカスのあった入力領域が入力チェック項目か否かを判定する機能であり、例えば、フォーカスのあった入力領域がデータの入力が必須である必須入力項目であるか否かを判定する。
【0033】
入力値判定部203は、入力領域が入力チェック項目であると判定された場合、前記入力領域の入力値が所定の条件を満たしているか否かを判定する機能部であり、例えば、入力領域に入力値があるか否かを判定する。
【0034】
フォーカス移動部204は、所定の入力領域にフォーカスを移動(設定)する機能部であり、入力値が所定の条件を満たしていると判定される場合、次の入力領域にフォーカスを移動する。また、後述の識別表示部205で領域を識別可能に表示し、且つ再度フォーカス移動指示を受け付けた場合に、次の入力領域にフォーカスを移動する。さらに、全ての入力領域にフォーカスが移動された場合に、入力値が所定の条件を満たしていない入力領域間で、フォーカス移動指示の受け付けに応じてフォーカスを移動する。
【0035】
識別表示部205は、入力値が所定の条件を満たしていないと判定される場合、次の入力領域へのフォーカスの移動を抑止するべく、条件を満たしていないことを識別可能に表示する機能部である。
【0036】
次に、図6〜図8を用いて、本実施形態の概略について説明する。
まず図6を用いて、フォーカス制御モードの説明を行う。
【0037】
本実施形態においてフォーカス制御のモード600を有し、フォーカス制御モードは3つのモードからなっている。
【0038】
個別入力モード601は、初期状態のモードとなる。ユーザが入力する業務画面(入力画面ともいう)の項目の中で、まだカーソルが未遷移(カーソルが移動され一度もフォーカスがあたっていない)の項目がある場合、または後述する実行可能モードになった後、項目を修正してロストフォーカス(フォーカス移動の操作を受け付けた)時にエラーが発生した場合に個別入力モード601となる。
【0039】
エラー訂正モード602は、カーソルが全ての項目を遷移している(カーソルが全ての入力領域に移動、全てフォーカスがあたった場合)、かつロストフォーカス(フォーカス移動の操作を受け付けた)時にエラーが存在する場合のモードである。
【0040】
実行可能モード603は、画面の「実行」ボタンを有効化させ、「実行」ボタンを押下可能な状態にするモードである。
【0041】
つまり、現在個別入力モード601の時に、カーソルが全ての項目を遷移したが、ロストフォーカス時のエラーが存在する場合(例えば、入力必須項目が未入力となった場合や適切な値が入力されていない場合など)は、個別入力モード601からエラー訂正モード602に状態が移行する。
【0042】
ロストフォーカス時のエラーが存在しない場合(例えば、入力必須項目が全て入力されている場合や適切な値が入力されている場合など)は、実行可能モード603に移行する。また、エラー訂正モード602の時に、ロストファーカス時のエラーが存在しなくなった場合は、実行可能モード603に移行する。
【0043】
実行可能モード603で再度ロストフォーカス時にエラーが発生した場合は、個別入力モード601へ移行する。この際にロストフォーカス時のエラーが存在しない場合は、実行可能モードをループし続け、「実行」ボタンが押下されるまで、実行可能モード603のまま項目を遷移することとなる。
【0044】
次に図7、8のフォーカス移動の画面イメージを用いて、フォーカスの制御(フォーカスの移動または抑制)のイメージを説明する。
【0045】
図7では、個別入力モード601のときの初期画面からのフォーカスの移動、抑制を説明する。
【0046】
初期画面701の〔1〕の項目にカーソルがある場合に、項目に未入力のままTab(フォーカス移動キー)が押下(1回目)されると、〔1〕が必須入力項目のため、必須入力のチェックでエラーが発生し、移動を抑制する(702)。この時、入力抑制をしたことを示すため、702で抑制したこと(エラー)を通知するべく、他の項目と識別する色に変更する。
【0047】
次に702の状態でTabが押下(2回目)されると、必須入力のチェックでエラーであっても次の項目(〔2〕の項目)へ移動する(703)。
【0048】
更に703の状態でTabが押下(3回目)されると、〔2〕は入力値が不要な項目のため、次の項目(〔3〕の項目)へ移動する(704)。
【0049】
次に704の状態でTabが押下(4回目)されると、〔3〕の項目が必須入力項目のため、未入力の場合はエラーが発生し、移動を抑制する(705)。この場合も702と同様に抑制したこと(エラー)を通知するべく、他の項目と識別する色に変更する。
【0050】
705の状態で、次にTabが押下(5回目)された場合は、必須入力値チェックがエラーであっても次の項目へ移動する(706)。ここまでで個別入力モードの画面700の全項目〔1〕〜〔4〕を全て遷移済となる。次のTab押下(6回目)では、エラー訂正モード602に切り替わり、図8の画面に推移する。
【0051】
図8では、エラー訂正モード602、実行可能モード603のときのフォーカスの移動、抑制を説明する。
【0052】
エラー訂正モード602の時は入力検証チェックでエラーが発生した項目のみを移動するため、706の状態でTabが押下(6回目)された場合は、〔1〕の項目へ移動する(801)。
【0053】
更に801の状態でTabが押下(7回目)されると、個別入力モード同様に、入力検証のチェックでエラーになるが、702で〔1〕の項目で移動を抑制しているため、移動を抑制することなく、次のエラー項目である〔3〕へ移動する(802)。
【0054】
次に802の状態で〔3〕の項目で適正値を入力した後、Tabが押下(8回目)された場合、エラーが発生している〔1〕の項目へ移動する(803)。
【0055】
最後に803の状態で〔1〕の項目に適正値を入力した後、Tabが押下(9回目)されると、必須入力項目である〔1〕、〔3〕ともに適切な値が入力されており、エラー項目が存在しなくなったため、モードが実行可能モード603に切り替わり、「実行」ボタンを押下可能とし、「実行」ボタンに移動する(804)。
【0056】
実行可能モード603で804の状態で、「実行」ボタンにフォーカスがある場合に、Tabが押下(10回目)された場合は、〔1〕の項目へ移動し(805)、以後Tabの押下によって順次、項目〔2〕→〔3〕→〔4〕→実行ボタンを移動する。
【0057】
次に、図3〜5、図9〜12を用いて、本実施形態の詳細な説明を行う。
【0058】
まず、図9、図10、図11、図12を用いて、情報処理装置100の外部メモリ111に記憶されているデータについて説明する。
【0059】
図9は、ロストフォーカス時のフォーカス移動制御の項目情報テーブルの一例を示す図である。図9のデータは、入力画面に対応して予め記憶されているものとする。
【0060】
項目情報テーブル900は、フォーカスの移動を制御するために必要な項目の一覧901(例えば、項目名称で、図7や図8の各項目〔1〕〜〔4〕に対応する)を保持し、項目毎に入力検証必須項目902、フォーカス回数903、保留項目フラグ904が対応付いて記憶されている。
【0061】
また、入力検証必須項目902は、ロストフォーカス時に入力検証が必要か否かを示すフラグである。「True」の場合は、ロストフォーカス時の入力検証を実施する。「False」の場合は、ロストフォーカス時の入力検証を実施しない。図7、8を例とすると、ロストフォーカス時に入力検証が必要な項目(例えば、必須入力項目など)は項目〔1〕と項目〔3〕である。
【0062】
また、フォーカス回数903は、フォーカスのあたった回数である。設定できる値は「0」、「1」、「2」の3つである。
【0063】
フォーカス回数が「0」の場合は、対象となる項目が未遷移(一度もフォーカスがあたっていない)項目であることを表わす。
【0064】
フォーカス回数が「1」の場合は、対象となる項目が遷移済み項目であり、フォーカス移動キーによるフォーカス移動を許可しないことを表わす。具体的には、入力検証必須項目902がTrueである場合に、その項目にフォーカスがあたり、項目に未入力の状態でフォーカス移動キーが押下された場合にフォーカス回数が「1」となる。
【0065】
フォーカス回数が「2」の場合は、当項目が遷移済み項目であり、フォーカス移動キーによるフォーカス移動を許可することを表わす。具体的には、入力検証必須項目902がTrueである場合に、その項目にフォーカスがあたり、項目に未入力の状態で、フォーカス移動キーが2回押下された場合にフォーカス回数が「1」となる。なお、業務画面(入力画面)起動時の初期画面701では、図9の例のように、全ての項目のフォーカス回数903は「0」となる。
【0066】
また、保留項目フラグ904は、各項目がエラーとなった項目か、エラーになっていない項目かを示す項目である。「True」の場合は、当項目がエラー項目であることを表わす。「False」の場合は、当項目が適正な値である(適切な値が入っている)ことを表わす。なお、業務画面(入力画面)起動時の初期画面701では、図9の例のように全ての項目の保留項目フラグ904は「False」となる。
【0067】
次に、図10は、ストフォーカス時のフォーカス移動制御のモード判定情報テーブルの一例を示す図である。
【0068】
モード情報1000は、モードID1001とモード1002を有している。
【0069】
モード1002には個別入力モード601、エラー訂正モード602、実行可能モード603の3つのモードが設定されており、各モードには、モードID1001が対応付いて記憶されている。
【0070】
次に、図11は、ロストフォーカス時のフォーカス移動制御の色情報プロパティの一例を示す図である。業務画面(入力画面)の項目(入力領域)の背景色が記憶されている。
【0071】
プロパティ情報1100は、項目の入力値1101と項目の背景色1102を有している。
【0072】
項目の入力値1101には、エラーか正常かを示す値が記憶される。背景色1102には、業務画面(入力画面)の項目の初期状態または入力値が適正値(正常)の場合の背景色の色として、白色の値が記憶され、入力値がエラーの場合の背景色の色として、赤色の値が記憶されている。
【0073】
次に、図12は、ロストフォーカス時のフォーカス移動制御の遷移元のモードを判定するためのフラグの一例を示す図である。
【0074】
モードフラグ情報1200は、判定フラグ1201と遷移元1202を有している。
【0075】
判定フラグ1201は「0」と「1」のフラグが記憶され、「0」の場合には、モードが個別入力モード、またはエラー訂正モードであったことを示す。「1」の場合には、実行可能モードになっており、実行可能モードで処理を繰り返していることを示す。なお、初期状態では「実行」ボタンは無効化されているため、初期値は「0」とする。
【0076】
次に、図3〜5のフローチャートを用いて、本実施形態の詳細な処理について説明する。
【0077】
図3は、ロストフォーカス時のフォーカス移動制御における全体処理のフローチャートである。
【0078】
ステップS301では、CPU101が、ユーザがデータを入力するための業務画面(入力画面)を初期画面701として、ディスプレイ110に表示する。この場合、個別入力モードとしてモードIDがRAM103に記憶される。
【0079】
ステップS301で表示される業務画面は、個別入力モードの画面であり、図7で説明した画面遷移の状態である。個別入力モードでの画面は、項目情報(900)より、項目〔1〕と〔3〕が必須項目となり、実行ボタンは無効化(編みかけ)されている。
【0080】
ステップS302では、CPU101が、例えば、図7の701で、〔1〕の項目にカーソルがある状態で、ユーザがフォーカス移動キー(Tab)またはマウスで別項目を指定するなどして、フォーカスを移動するための指示を受け付けると、例えば〔1〕の現在の項目からロストフォーカスされたか(フォーカス移動要求があったか)を判定する。ロストフォーカスされていない場合(ステップS302でNO)は、ロストフォーカスされるまで処理を待機する。ロストフォーカスされた場合は、S303の処理を実施する。なお、現在の項目とは、フォーカスを持っている項目を意味する。
【0081】
すなわち、ステップS302は、データを入力するための入力領域にフォーカスを移動するべく、フォーカス移動指示を受け付ける処理である。
【0082】
ステップS303では、CPU101が、ステップS302でロストフォーカスされた項目情報の入力検証必須項目902を元に、ロストフォーカスされた項目が必須項目(入力値チェック必須項目(適正な入力値か、或いは値が入力がされているか))か否かを判定する。入力検証必須項目902が「False」の場合は、ステップS313へ処理と移し、入力検証必須項目902が「True」の場合、ステップS304へ処理を移す。なお、ステップS313では、現在の項目のフォーカス回数を「2」に設定する。
【0083】
すなわち、ステップS303は、フォーカス移動指示を受け付けた場合、フォーカス移動指示を受け付けた際にフォーカスのあった入力領域が入力チェック項目か否かを判定する処理である。
【0084】
ステップS304では、CPU101が、ロストフォーカスされた項目の入力値が「null」か否かを判定し、「null」(不適正値)の場合は、ステップS305−1の現在の項目の保留項目フラグ904の判定を行う処理に進む。「null」以外の場合は、ステップS305−2の現在の項目の保留項目フラグ904の判定を行う処理に進む。なお、本実施形態では、ロストフォーカスされた項目に入力値があるか否か(nullか否か)を判定するようにしたが、入力値があり、その値が所定の形態(例えば、半角英数)になっているか否かを判定するようにすることも可能である。この場合、所定の形態になっていない場合には、ステップS305−1へ処理を移す。所定の形態になっている場合には、ステップS305−2へ処理を移す。
【0085】
すなわち、ステップS304は、入力領域が入力チェック項目であると判定された場合に、入力領域の入力値が所定の条件を満たしているか否かを判定する処理である。
【0086】
ステップ305−1では、CPU101が、現在の項目の保留項目フラグ904が「false」か否かを判定する。「false」である場合には、ステップS309へ処理を移し項目の背景色の変更、保留項目フラグ904の設定、フォーカス回数903の設定する処理を行う。「True」である場合には、ステップS306へ処理を移す。
【0087】
ステップS306では、CPU101が、保留項目フラグが「False」であり、現在の項目が初めてロストフォーカス時のエラーであることを示すため、現在の項目の背景色プロパティを1102のエラー色「赤」に設定する。例えば、図7の702の状態。
【0088】
ステップS307では、CPU101が、現在の項目の保留項目フラグ904を保留項目であることを示す「True」に設定する。すなわち、入力値が所定の条件を満たしていないと判定される入力領域を管理する処理である(入力領域管理)。
【0089】
ステップS308では、CPU101が、現在の項目のフォーカス回数903を、当項目が遷移済み項目であり、フォーカス移動キーによるフォーカス移動を許可しないことを示す「1」に設定する。
【0090】
ステップS309では、CPU101が、現在の項目のフォーカス回数903が「2」か否かを判定する。フォーカス回数が「2」以外の場合(図7の703の状態に遷移する場合)は、ステップS310へ処理を移す。フォーカス回数が「2」の場合はステップS314へ処理を移す。フォーカス回数が「2」の場合の例として、図8の801から802の画面に遷移する場合である。つまり、初めて〔1〕〜〔4〕をフォーカス移動する際には、〔1〕は2回Tabの押下が必要であるが、2回目〔1〕〜〔4〕をフォーカス移動する際(全ての項目に一度フォーカスがあたっている場合)には、〔1〕は1回のTabの押下でフォーカスの移動が可能である。またこの場合には、〔1〕と〔3〕が入力が必須の項目であるため、〔1〕の後のフォーカスは〔3〕へ移動するように制御する。
【0091】
すなわち、ステップS309は、全ての入力領域にフォーカスが移動されたか否かを判定する処理である(フォーカス移動判定)。
【0092】
ステップS310では、CPU101が、現在のフォーカス回数903を「現在のフォーカス回数に1加算した値」を設定する。
【0093】
ステップ305−2では、CPU101が、現在の項目の保留項目フラグ904が「false」か否かを判定する。「false」である場合には、ステップS313へ処理を移し、「True」である場合(図8の803の画面に遷移する)には、ステップS311へ処理を移す。
【0094】
ステップS311では、CPU101が、現在の項目の背景色プロパティをエラー色から1102の正常色「白」に設定する。
【0095】
ステップS312では、CPU101が、現在の項目の保留項目フラグ904を保留項目から解除するために「False」に設定する。
【0096】
ステップS313では、CPU101が、現在の項目のフォーカス回数903を、当項目が遷移済み項目で、入力済みであるため、フォーカス移動キーによるフォーカス移動を許可することを示す「2」に設定する。なお、保留項目フラグが「False」の場合は、現在の項目がもともとエラーではなく、入力済みであることを示すため、ステップS313で、フォーカス回数903に「2」が設定される。
【0097】
ステップS314では、CPU101が、モード判定処理を行い、現状のモードを設定(図10の1002のいずれかを設定)する。モード判定処理の詳細については、後述の図4で説明する。
【0098】
ステップS315では、CPU101が、現在の項目の項目情報テーブル900とステップS314で設定した現在のモード情報を元にフォーカスの移動先を判定し、フォーカスを移動させ、モードによって「実行」ボタンの有効化、無効化を設定するフォーカス移動処理を行う。フォーカス移動処理の詳細については、後述の図5で説明する。
【0099】
ステップS316では、CPU101が、ステップS315で有効化された「実行」ボタンが押下されたかを判定する。押下されたと判定される場合は、入力された値を、例えば、登録情報として、データベース(不図示)に登録し、処理を終了する。押下されなかった場合は、待機状態とし、ロストフォーカスされたかを判定するステップS302へ戻る。
【0100】
図4は、ロストフォーカス時のフォーカス移動制御のモード判定処理の一例を示すフローチャートである。なお、図4は、ステップS314の詳細なフローチャートである。
【0101】
ステップS401では、CPU101が、図10を参照して現在のモードを判定する。現在のモードが「個別入力モード」の場合、未遷移の項目があるかを判定するためにステップS402へ進む。現在のモードが「実行可能モード」の場合、ステップS407へ進む。現在のモードが「エラー訂正モード」の場合、ステップS406へ進む。なお、画面起動時の初期値は「個別入力モード」が設定されている。
【0102】
現在のモードが「個別入力モード」の場合、ステップS402では、CPU101が、項目情報テープル900の各項目のフォーカス回数903の中に値が「0」のものが存在するかを判定する。フォーカス回数903=「0」が存在する場合は、未遷移の項目があると判断し、モードを「個別入力モード」のままにし(図6の601)、ステップS315へ処理を移す。項目情報テーブル900の各項目のフォーカス回数903=「0」が存在しない場合は、未遷移の項目がないと判断し、ステップS403へ処理を移す。
【0103】
ステップS403では、CPU101が、項目情報テープル900の各項目の保留項目フラグ904の値が全て「False」か否かを判定する。保留項目フラグ904=「True」が存在する場合は、未遷移の項目はないが、ロストフォーカス時のエラー項目が存在すると判断し、ステップS404へ処理を移す。保留項目フラグ904=「True」が存在しない場合は、未遷移の項目はない、かつロストフォーカス時のエラー項目も存在しないと判断し、ステップS405へ処理を移す。
【0104】
ステップS404では、CPU101が、現在のモードを「エラー訂正モード」に設定する(図6の601から602へ)。
【0105】
ステップS405では、CPU101が、現在のモードを「実行可能モード」に設定する(図6の601から603へ)。
【0106】
現在のモードが「エラー訂正モード」の場合、ステップS406では、CPU101が、項目情報テープル900の各項目の保留項目フラグ904の中の値が全て「False」か否かを判定する。保留項目フラグ904=「True」が存在する場合は、「エラー訂正モード」時に、ロストフォーカス時のエラー項目は存在すると判断し、現在のモードを「エラー訂正モード」のままにし(図6の602)、ステップS315へ処理を移す。保留項目フラグ904=「True」が存在しない場合は、「エラー訂正モード」時にロストフォーカス時のエラー項目がなくなったと判断し、ステップS405へ処理を移す。上述の通り、ステップS405では、現在のモードを「実行可能モード」に設定する(図6の602から603へ)。
【0107】
ステップS409では、CPU101が、現在のモードの前の設定が個別入力モード又はエラー訂正モードであることを特定するために判定フラグを「0」に設定する。
【0108】
現在のモードが「実行可能モード」の場合、ステップS407では、CPU101が、項目情報テープル900の各項目の保留項目フラグ904の中の値が全て「False」か否かを判定する。保留項目フラグ904=「True」が存在する場合は、「実行可能モード」時に、ロストフォーカス時のエラー項目が発生した(例えば、入力値が削除された場合)と判断し、ステップS408へ処理を移す。保留項目フラグ904=「True」が存在しない場合は、「実行可能モード」時にロストフォーカス時のエラー項目もない状態と判断し、モードを「実行可能モード」のままにし(図6の603)、ステップS315へ処理を移す。
【0109】
ステップS408では、CPU101が、現在のモードを「個別入力モード」に設定する(図の603から601へ)。
【0110】
ステップS410では、モードが「実行可能モード」をループしているため、現在のモードの前の設定が実行可能モードであることを特定するために判定フラグを「1」に設定する。
【0111】
図5は、ロストフォーカス時のフォーカス移動制御のフォーカス移動処理の一例を示すフローチャートである。なお、図5は、ステップS315の詳細なフローチャートである。
【0112】
図5の処理で、図7や図8で示すような実際のフォーカスの移動がなされる。
【0113】
ステップS501では、CPU101が、ステップS302でロストフォーカスしたと判定した際の動作が、マウスによってなされたものかを判断する。マウスによってなされたか否かはOSからのイベント(マウスダウン)を受け取るなどで判断する。ロストフォーカスがマウスによってなされた場合は、ステップS512に進む。マウス以外の場合(例えば、Tab操作の場合)はステップS502に進む。なお、マウスでのロストフォーカスは、タッチパネルで他の項目を指定した際のロストフォーカスも含むものとする。
【0114】
ステップS502では、CPU101が、現在の項目から、次の項目にフォーカスを移動するかを判断するために、現在の項目のフォーカス回数903が「2」か否かを判定する。フォーカス回数903が「2」以外の場合は、現在の項目にロストフォーカス時のエラー(例えば、必須入力項目で未入力)があり、フォーカス移動を抑制する必要があると判断し、ステップS503の処理へ進む。フォーカス回数903が「2」の場合は、フォーカスを移動すると判断し、移動先の項目を確定させるための現在のモードの判定を行うステップS504の処理へ進む。
【0115】
ステップS503では、CPU101が、フォーカスの抑制を行う(現在の項目に再度フォーカスをあてフォーカスの移動をさせないようにする)ため、フォーカスの移動先に「現在の項目」を設定する(図7の702で〔1〕)。その後、ステップS506では、CPU101が、現在のモードが「実行可能モード」ではないため、「実行」ボタンの無効化処理を行う。なお、「実行」ボタンが既に無効になっている場合には処理を省略することも可能である。
【0116】
ステップS506では、「実行可能モード」ではないため、「実行」ボタンの無効化処理を行う。
【0117】
ステップS504では、CPU101が、フォーカスの移動先を判定するために、図10を参照し、現在のモードの判定を行う。現在のモードが「個別入力モード」の場合は、ステップS505の処理へ進む。現在のモードが「エラー訂正モード」の場合は、ステップS511の処理へ進む。現在のモードが「実行可能モード」の場合は、ステップS507の処理へ進む。
【0118】
現在のモードが「個別入力モード」の場合、ステップS505では、CPU101が、現在の項目の次の項目へフォーカスを移動させるため、フォーカスの移動先に「現在の項目の次の項目」を設定する(例えば、図7の703で〔2〕)。また、現在のモードが「実行可能モード」ではないため、上述の通り、ステップS506で「実行」ボタンの無効化処理を行う。
【0119】
現在のモードが「エラー訂正モード」の場合、ステップS511では、CPU101が、現在の項目以降の保留項目フラグが「True」の項目へフォーカスを移動させるため、フォーカスの移動先に「現在の項目以降かつ保留項目フラグが「True」の項目。現在の項目以降で保留項目フラグが「True」の項目が存在しない場合は、先頭の項目から保留項目フラフが「True」の項目を順次検索して見つけた項目」を設定する(例えば、図8の802の〔3〕又は803の〔1〕)。すなわち、入力値が所定の条件を満たしていない入力領域間で、フォーカス移動指示の受け付けに応じてフォーカスを移動する処理である。実際のフォーカスの移動はステップS515で行う。
【0120】
現在のモードが「実行可能モード」の場合、ステップS507では、CPU101が、図12の判定フラグを参照し、前回のモードが「実行可能モード」であるかを判定する。判定フラグが「0」(前回のモードが「実行可能モード」以外)の場合、ステップS508へ処理を移す。判定フラグが「1」(前回のモードが「実行可能モード」)の場合は、ステップS514へ処理を移す。
【0121】
ステップS514では、CPU101が、すでに「実行」ボタンが有効化されていて、必須入力項目に全て値が入力されている(適正な値が入力されている)と判断し、個々の項目に逐次移動するため、フォーカスの移動先に「現在の項目の次の項目」を設定する(例えば、図8の805の〔1〕)。
【0122】
ステップ508では、CPU101が、「実行」ボタンを有効化し、「実行」ボタンを移動先とするための処理を行うステップS509へ進む。なお、既に「実行」ボタンが有効となっている場合には本ステップの処理を省略することも可能である。
【0123】
ステップS509では、CPU101が、「実行」ボタンを移動先として設定する。すなわち、入力値が所定の条件を満たしていない入力領域(保留項目フラグがTrueの領域)が全て所定の条件を満たした場合(保留項目フラグがfalseになった場合)に、フォーカス移動指示の受け付けに応じて実行ボタンにフォーカスを移動する処理である。
【0124】
ステップS510では、CPU101が、全ての項目のフォーカス回数(図9の903)を「0」(初期化)に設定する。
【0125】
ステップS515では、CPU101が、ステップS503、ステップS505、ステップS509で設定したフォーカス移動先にフォーカスを移動する(設定する)。これにより所定の領域にフォーカスが表示される。なお、上述した通り、ステップS503で設定したフォーカス移動先は、現在の項目と変わらないため、フォーカスは別の項目へ移動されない。
【0126】
すなわち、ステップS515は、次の入力領域にフォーカスを移動する処理である。特に、入力領域の入力値が所定の条件を満たしていないと判定される場合、入力領域を赤色などに変更して(識別表示)、再度フォーカス移動指示を受け付けた場合に、次の入力領域にフォーカスを移動する。
【0127】
マウスで移動先の項目をクリックされた際には、ステップS512では、CPU101が、フォーカスの抑制を行わないため、フォーカスの遷移状態を遷移済み、かつフォーカス移動可能な状態にするために、現在の項目のフォーカス回数903を「2」に設定する。
【0128】
ステップS513では、CPU101が、マウスでクリックされた項目にフォーカスを移動する(設定する)。これによりマウスでクリックされた箇所にフォーカスが表示される。
【0129】
以上説明したように、本実施形態によれば、データの入力領域のフォーカスを移動するために、フォーカス移動キーの操作を受け入れた際に入力領域の入力判定を行い、入力に不正があった場合には次の入力領域へのフォーカス移動を制御しつつ、再度フォーカス移動キーの操作を受け入れることでフォーカスを移動させることで、入力漏れを防ぎつつ、入力効率を上げることができる。
【0130】
また、入力に不正があり、再度フォーカス移動キーの操作を受け入れた入力領域を管理することで、入力の不正があった入力領域間でフォーカス移動させ、入力領域へのデータの入力を容易にすることができる。
【0131】
さらに、操作者が誤って不適切な値を入力してしまった場合、エラーが通知されると共にフォーカスがその場に留まるため、操作者は引き続き適切な値を再入力できる。一方、操作者が意図的に入力を保留したい場合はフォーカス移動キーを再度押下することによって、フォーカスのあった項目を保留項目とし、次の項目にフォーカスを移動し、次の項目のデータの入力をすることができる。全ての項目を入力または保留した後には、フォーカス移動キーによって保留にした項目間を簡単にフォーカスの移動をすることができるため、入力の操作性が向上する。
【0132】
例えば、必ず入力しなければならない必須入力項目の指定がある項目にフォーカスがある場合、入力値がない場合にはタブ(Tab)を2回押下しないと次へ進めない。2回押下すると次の項目へ移動。必須入力項目の指定がない項目または必須入力項目に値が入力された項目に、フォーカスがある場合、1回のタブ(Tab)押下で次の項目へ移動することができる。全ての項目に対して、タブによる移動がされた場合(1度はフォーカスがあたった場合)は、タブ1回の押下で保留対象の項目を移動するように制御することができる。
【0133】
なお、上述した各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
【0134】
以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記録媒体等としての実施態様をとることが可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0135】
また、本発明におけるプログラムは、図3〜5に示すフローチャートの処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムであり、本発明の記憶媒体は図3〜5の処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムが記憶されている。なお、本発明におけるプログラムは図3〜5の各装置の処理方法ごとのプログラムであってもよい。
【0136】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0137】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0138】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、DVD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、EEPROM、シリコンディスク、ソリッドステートドライブ等を用いることができる。
【0139】
また、コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0140】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0141】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0142】
さらに、本発明を達成するためのプログラムをネットワーク上のサーバ、データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0143】
なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0144】
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 システムバス
105 入力コントローラ
106 ビデオコントローラ
107メモリコントローラ
108通信I/F(インターフェース)コントローラ
109 入力装置
110 ディスプレイ装置
111 外部メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの操作に従って、データ入力が可能な複数の入力領域を有する画面を表示する情報処理装置であって、
データを入力するための入力領域にフォーカスを移動するべく、フォーカス移動指示を受け付けるフォーカス移動指示受付手段と、
前記フォーカス移動指示受付手段でフォーカス移動指示を受け付けた場合、フォーカス移動指示を受け付けた際にフォーカスのあった入力領域が入力チェック項目か否かを判定する入力チェック項目判定手段と、
前記入力チェック項目判定手段で、前記入力領域が入力チェック項目であると判定された場合、前記入力領域の入力値が所定の条件を満たしているか否かを判定する入力値判定手段と、
次の入力領域にフォーカスを移動するフォーカス移動手段と、
前記入力値判定手段で入力値が所定の条件を満たしていないと判定される場合、次の入力領域へのフォーカスの移動を抑止するべく、条件を満たしていないことを識別可能に表示する識別表示手段と、
前記フォーカス移動手段は、前記識別表示手段で識別可能に表示し、且つ前記フォーカス移動指示受付手段で再度フォーカス移動指示を受け付けた場合に、次の入力領域にフォーカスを移動することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記入力値判定手段で入力値が所定の条件を満たしていないと判定される入力領域を管理する入力領域管理手段と、
全ての前記入力領域にフォーカスが移動されたか否かを判定するフォーカス移動判定手段と
を更に備え、
前記フォーカス移動手段は、前記フォーカス移動判定手段で全ての前記入力領域にフォーカスが移動されたと判定される場合に、前記入力領域管理手段で管理される入力値が所定の条件を満たしていない入力領域間で、前記フォーカス移動指示受付手段でのフォーカス移動指示の受け付けに応じてフォーカスを移動することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記フォーカス移動手段は、前記入力領域管理手段で管理される入力値が所定の条件を満たしていない入力領域が全て所定の条件を満たした場合に、前記フォーカス移動指示受付手段でのフォーカス移動指示の受け付けに応じて実行ボタンにフォーカスを移動することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記入力チェック項目判定手段での前記入力領域の判定は、データの入力が必須である必須入力項目であるか否かを判定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記入力値判定手段は、前記入力領域が必須入力項目であった場合、当該入力領域に入力値があるか否かを判定することを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記入力値判定手段で入力値が所定の条件を満たしていないと判定される場合、次の入力領域へのフォーカスの移動を抑止し、前記フォーカス移動指示受付手段で再度フォーカス移動指示を受け付けた場合に、次の入力領域にフォーカスを移動する個別入力モードと、
前記フォーカス移動判定手段で全ての前記入力領域にフォーカスが移動されたと判定される場合に、前記入力領域管理手段で管理される入力値が所定の条件を満たしていない入力領域間で、前記フォーカス移動指示受付手段でのフォーカス移動指示の受け付けに応じてフォーカスを移動するエラー訂正モードと、
前記フォーカス移動指示受付手段でのフォーカス移動指示の受け付けに応じて実行ボタンにフォーカスを移動する実行可能モードとを更に備え
前記フォーカス移動手段は、前記フォーカス移動指示受付手段でのフォーカス移動指示の受け付けた場合に、現在設定されているモードに従って、フォーカスを移動することを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記識別表示手段は、条件を満たしていない入力領域を、条件を満たしている入力領域と異なる色情報を用いて識別表示することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
ユーザの操作に従って、データ入力が可能な複数の入力領域を有する画面を表示する情報処理装置の処理方法であって、
前記情報処理装置が、
データを入力するための入力領域にフォーカスを移動するべく、フォーカス移動指示を受け付けるフォーカス移動指示受付ステップと、
前記フォーカス移動指示受付ステップでフォーカス移動指示を受け付けた場合、フォーカス移動指示を受け付けた際にフォーカスのあった入力領域が入力チェック項目か否かを判定する入力チェック項目判定ステップと、
前記入力チェック項目判定ステップで、前記入力領域が入力チェック項目であると判定された場合、前記入力領域の入力値が所定の条件を満たしているか否かを判定する入力値判定ステップと、
次の入力領域にフォーカスを移動するフォーカス移動ステップと、
前記入力値判定ステップで入力値が所定の条件を満たしていないと判定される場合、次の入力領域へのフォーカスの移動を抑止するべく、条件を満たしていないことを識別可能に表示する識別表示ステップとを実行し、
前記フォーカス移動ステップは、前記識別表示ステップで識別可能に表示し、且つ前記フォーカス移動指示受付ステップで再度フォーカス移動指示を受け付けた場合に、次の入力領域にフォーカスを移動することを特徴とする処理方法。
【請求項9】
ユーザの操作に従って、データ入力が可能な複数の入力領域を有する画面を表示する情報処理装置で実行可能なプログラムであって、
前記情報処理装置を、
データを入力するための入力領域にフォーカスを移動するべく、フォーカス移動指示を受け付けるフォーカス移動指示受付手段と、
前記フォーカス移動指示受付手段でフォーカス移動指示を受け付けた場合、フォーカス移動指示を受け付けた際にフォーカスのあった入力領域が入力チェック項目か否かを判定する入力チェック項目判定手段と、
前記入力チェック項目判定手段で、前記入力領域が入力チェック項目であると判定された場合、前記入力領域の入力値が所定の条件を満たしているか否かを判定する入力値判定手段と、
次の入力領域にフォーカスを移動するフォーカス移動手段と、
前記入力値判定手段で入力値が所定の条件を満たしていないと判定される場合、次の入力領域へのフォーカスの移動を抑止するべく、条件を満たしていないことを識別可能に表示する識別表示手段として機能させ、
前記フォーカス移動手段は、前記識別表示手段で識別可能に表示し、且つ前記フォーカス移動受付手段で再度フォーカス移動指示を受け付けた場合に、次の入力領域にフォーカスを移動することを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−118887(P2012−118887A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−269806(P2010−269806)
【出願日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(390002761)キヤノンマーケティングジャパン株式会社 (656)
【出願人】(312000206)キヤノンMJアイティグループホールディングス株式会社 (259)
【出願人】(592135203)キヤノンITソリューションズ株式会社 (528)
【Fターム(参考)】