説明

情報処理装置及びプログラム

【課題】複合機の音声通信を、複合機に接続されたコンピュータ装置を介してネットワーク経由で行う場合に、音声通信を含む複合機の動作に問題が生じないようにする技術を提供する。
【解決手段】PCプリント処理において、USB電話機能が動作中の場合には(S215:Yes)、PCプリント機能を開始させないようにする(S220等参照)。このようになっていれば、複合機とPCとの間の通信帯域の多くがPCプリント機能の動作のためのデータ通信に使用され、結果としてUSB電話機能における音声通話が途切れてしまうことを防止できる。また、同様に、USB電話処理において、PCプリント機能が動作している場合にはUSB電話機能を開始させないようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の機能を並列して実行可能な情報処理装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、下記の特許文献1に記載の技術が知られている。すなわち、PCインタフェースにより接続されたパーソナルコンピュータ(以下、「PC」という。)を介して、インターネット等のネットワーク経由で電話機相互間の通話が可能なシステムが知られている。
【特許文献1】特開2001−230879号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
電話機能を有する装置として、電話機能以外に、FAX機能、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能等の機能が搭載された、いわゆる複合機が挙げられる。
このような複合機により通話を行おうとすると、次のような問題が発生することが考えられる。第一に、音声通話時にプリンタ機能やスキャナ機能が動作すると、複合機とコンピュータ装置との間の通信が一時的に増大するため、複合機とコンピュータ装置との間の通信帯域の多くがこれらプリンタ機能やスキャナ機能の動作のためのデータ通信に使用され、結果として音声通話が途切れるおそれがある点が挙げられる。
【0004】
また、第二に、音声通話により複合機とコンピュータ装置との間の通信帯域の多くが長時間使用されることにより、プリンタ機能におけるデータ通信が遅延し、プリンタ機能の動作に不都合が生ずるおそれがある点が挙げられる。
【0005】
本願発明はこのような問題にかんがみなされたものであり、複合機の音声通信を、複合機に接続されたコンピュータ装置を介してネットワーク経由で行う場合に、音声通信を含む複合機の動作に問題が生じないようにする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の情報処理装置は、複数の機能を並行して実行可能な実行手段と、実行手段が実行する機能が音声についてのデータ通信が行われる機能であるか否かを判断する判断手段と、判断手段により、実行手段が実行する機能が音声についてのデータ通信が行われる機能であると判断された場合に、音声以外のデータ通信が行われる機能の実行を制限する機能制限手段と、を備える。
【0007】
ここでいう「制限」というのは、例えば、機能の実行を停止させることや、機能の実行を開始させないことや、機能の実行優先度を下げることや、当該機能に関するパケットの通信優先度を下げることなどを意味する。
【0008】
このような情報処理装置によれば、機能制限手段が音声以外のデータ通信が行われる機能の実行を制限するため、上述した第一の問題を解消することができる。すなわち、音声通話が途切れることを防止できる。
【0009】
ところで、音声以外のデータ通信が行われる機能として、データ通信が遅延すると実行結果が不正常なものとなる第一機能と、データ通信が遅延しても実行結果が不正常なものとならない第二機能とが存在する場合、機能制限手段は、第二機能に優先して第一機能の実行を開始させないようにするとよい(請求項2)。なお、「データ通信が遅延」というのは、通信帯域が減少したり、データの再送が頻発したりすることなどにより、単位時間あたりの通信量が低下し、想定されていた時刻よりも遅れてデータが届くことを意味する。また、第一機能、第二機能それぞれが複数存在していてもよい。
【0010】
このように第一機能の実行を開始させなければ、他の機能(音声についてのデータ通信が行われる機能及び第二機能)のデータ通信の影響によって第一機能のデータ通信が遅延して第一機能の実行結果が不正常なものとなってしまうことを確実に防止できる。すなわち、上述した第二の問題を解消することができる。
【0011】
ところで、機能制限手段が第一機能及び第二機能を制限している状況において、音声についてのデータ通信が少なくなった場合には、これらの機能の制限を維持する必要性は薄まる。しかしながら、音声についてのデータ通信が再び増えた場合に、第一機能のデータ通信が遅延すると第一機能の実行結果が不正常なものとなってしまうおそれがある。そこで、機能制限手段は、音声についてのデータ通信が行われる機能において、単位時間あたりの通信データ量が所定量より少なくなった場合、第二機能を開始させるとよい(請求項3)。
【0012】
このように第二機能を開始させれば、通信帯域を効率よく使用することができる。
また、第一機能が実行されている状況において、その後に音声についてのデータ通信が行われる機能が開始される場合、音声についてのデータ通信の影響によって第一機能の実行に支障が生じ、その結果、第一機能の実行結果が不正常なものとなってしまうおそれがある。そこで、機能制限手段は、第一機能が実行されている場合、音声についてのデータ通信が行われる機能が開始されることを制限するとよい(請求項4)。
【0013】
このようになっていれば、音声についてのデータ通信が行われる機能が開始されることによって、先に開始されていた第一機能の実行に支障が生じ、その結果、第一機能の実行結果が不正常なものとなってしまうことを防止できる。
【0014】
なお、第一機能としては、例えば、シリアルタイプの印刷機能であるとよい(請求項5)。シリアルタイプというのは、ページタイプのような所定の印刷単位までデータが揃った段階で印刷を開始する方式とは異なり、データを受信した都度又はそれに近い単位で印刷を行う方式を意味する。具体的には、例えば、インクジェットタイプの印刷機能が該当する。インクジェットタイプのプリンタは、印刷途中で処理が止まると(又は遅くなると)、印刷品質が悪化することが考えられる。なぜなら、インクジェットプリンタの場合、複数色のインクにより画像を形成するため、第一のインクが紙面に吐出された後、第1のインクと異なる第2のインクが紙面に吐出されるまでに経過する時間が変動する場合、第1及び第2のインクの紙面上における面積率が変動するためである。
【0015】
このように、第一機能としてシリアルタイプの印刷機能を割り当てれば、印刷途中(データ転送途中)で処理が止まったり遅くなったりすることによって印刷品質が悪化してしまうことを防止できる。
【0016】
また、第二機能は、例えば、スキャナ機能であるとよい(請求項6)。スキャナ機能であれば、シリアルタイプの印刷機能のように、データ転送途中で処理が止まることによって処理品質が悪化しづらいため、第二機能として適している。
【0017】
なお、上述した情報処理装置における「音声についてのデータ通信」というのを、「アイソクロナス転送による通信」と置き換えて情報処理装置を構成してもよい(請求項7)。ここでいう「アイソクロナス転送」というのは、USB規格に基づいた通信等において用いられる転送方式であって、定期的にデータ通信に割り込みをかけて強制的に音声や映像等のデータについての帯域を確保してデータ転送を行う転送方式である。
【0018】
このように構成した情報処理装置であっても、音声等についてのデータ通信を行う際にアイソクロナス転送方式を用いることにより、上述した情報処理装置と同様の効果を奏する。
【0019】
また、上記課題を解決するためになされた請求項8に記載のプログラムは、並列して複数の機能を実行可能な多機能周辺装置とデータ通信を行うことで、多機能周辺装置に対して機能の実行を制御可能な端末装置を実現させるためのプログラムであって、下記の手順としてコンピュータを実現させることができるプログラムが考えられる。すなわち、多機能周辺装置で実行可能な機能のうち、所定の機能についての実行指示を受け付ける受付手順、受付手順により受け付けた実行指示が、音声についてのデータ通信が行われる機能であるか音声以外のデータ通信が行われる機能であるかを判断する第1判断手順、第1判断手順により、受付手順により実行指示を受け付けた機能が音声以外のデータ通信が行われる機能であると判断された場合に、音声についてのデータ通信が行われる機能が実行されているか否かを判断する第2判断手順、第2判断手順により、音声についてのデータ通信が行われる機能が実行されていると判断した場合に、受付手段により実行指示を受け付けた機能の実行を制限する機能制御手順である。
【0020】
このようなプログラムが実行されて実現される端末装置は、機能制限手順が、音声についてのデータ通信が行われる機能が実行されていると判断した場合に他の機能の実行を制限するため、上述した第一の問題を解消することができる。すなわち、音声通話が途切れることを防止できる。
【0021】
また、受付手順により実行指示を受け付けた機能が、データ通信が遅延すると機能の実行結果が不正常なものとなる第一機能であるか否かを判断する第3判断手順、をコンピュータにさらに機能させ、機能制御手順は、第3判断手順により第一機能であると判断した場合は、その受付手順により受け付けた機能を開始させず、第一機能でないと判断した場合は受付手順により受け付けた機能を開始させるようなプログラムであってもよい(請求項9)。
【0022】
このようなプログラムが実行されて実現される端末装置であれば、第一機能以外の機能のデータ通信の影響によって第一機能のデータ通信が遅延することが原因で、第一機能の実行結果が不正常なものとなってしまうことを、確実に防止することができる。すなわち、上記第二の問題を解消することができる。
【0023】
また、機能制限手順は、第一機能でないと判断した場合に、受付手順により受け付けた機能を、音声データについてのデータ通信における単位時間あたりの通信データ量が所定量より少ないことを条件として開始させるようになっていてもよい(請求項10)。
【0024】
このようなプログラムが実行されて実現される端末装置によれば、音声通話が途切れることを防止しつつも、実行結果に影響を受けない機能については実行が開始され、通信帯域の効率的な利用を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明が適用された実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【0026】
[構成の説明]
図1は、本発明の実施形態の全体構成を示すブロック図である。複合機11は、PC31と接続されるとともに、PSTN(Public Switched Telephone Network)と接続されている。PC31は、LANに接続されている。なお、複合機11とPC31とは、USB(Universal Serial Bus)ケーブルによって接続されている。また、LANの先には図示しないPCや同種の複合機が存在する。
【0027】
(1)複合機11について
図2は、複合機11の概略構成を示すブロック図である。複合機11は、USB通信部12,音声通信部13,FAX通信部14,データ記憶部15,外部記憶媒体アクセス部16,印刷部17,スキャナ部18,操作部19,表示部20,ハンドセット21,ワイヤレス子機22,制御部29を備える。
【0028】
USB通信部12は、USB対応機器(本実施形態ではPC31)とUSB規格に基づいた通信を実現するための通信処理を行う部位である。なお、後述するUSB電話機能についてはアイソクロナス転送モードが使用され、その他の機能(例えば、後述するスキャナ機能)についてはバルク転送モードが使用される。
【0029】
音声通信部13は、他の同種の複合機や一般の電話等と、PSTNを介して音声通信を実現するための通信処理を行う部位である。
FAX通信部14は、他の同種の複合機や一般のFAX装置と、PSTNを介してFAX通信を実現するための通信処理を行う部位である。
【0030】
データ記憶部15は、ハードディスクやフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体から構成され、複合機11が各種機能を実現する際に利用するデータの記憶領域として用いられる部位である。
【0031】
外部記憶媒体アクセス部16は、図示しない外部記憶媒体(例えば、メモリカード)に対し、データの書き込み、読み込み、削除等を行う部位である。
印刷部17は、インクジェット方式の印刷機構を備えており、図示しない印刷用紙に印刷を行う部位である。
【0032】
スキャナ部18は、CCD方式等による光学読取機構を備えており、図示しない読取対象(例えば、紙)に記録された光学情報を画像情報として読み取る部位である。
操作部19は、メカニカルスイッチやタッチパネル等を備え、ユーザより操作入力を受け付ける部位である。
【0033】
表示部20は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等を備え、ユーザに対して視覚的に情報を伝達する部位である。
ハンドセット21は、スピーカ21a及びマイク21bを備え、ユーザが手にとって音声通話(発話及び聴話)を行うための部位である。なお、ハンドセット21は、制御部29と有線によって接続されている。
【0034】
ワイヤレス子機22は、スピーカ22a及びマイク21bを備え、ユーザが手にとって音声通話(発話及び聴話)を行うための部位である。なお、ワイヤレス子機22は、制御部29と無線によって接続されており、ユーザが複合機11から離れて音声通話を行うことができるようになっている。
【0035】
制御部29は、CPU,ROM,RAM,SRAM,I/O及びこれらの構成を接続するバスラインなどからなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成されており、ROM等に記憶されたプログラムに基づいて上記各部を統括的に制御して各種処理を実行する。
【0036】
(2)PC31について
図3は、PC31の概略構成を示すブロック図である。PC31は、周知のパーソナルコンピュータであり、記憶部32,表示部33,操作部34,LAN通信部35,USB通信部36,制御部37を備える。
【0037】
記憶部32は、ハードディスクやフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体を備え、各種のプログラムやデータ等を記憶している部位である。
表示部33は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等を備え、ユーザに対して視覚的に情報を伝達する部位である。
【0038】
操作部34は、キーボード、タッチパッド、マウス等を備え、ユーザより操作入力を受け付ける部位である。
LAN通信部35は、他のLAN上の機器とEthernet規格に基づいた通信を行う部位である。
【0039】
USB通信部36は、USB対応機器(本実施形態では複合機11)とUSB規格に基づいた通信を行う部位である。なお、音声通信については、アイソクロナス転送モードを使用する。
【0040】
制御部37は、CPU,ROM,RAM,SRAM,I/O及びこれらの構成を接続するバスラインなどからなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成されており、ROM等に記憶されたプログラムに基づいて上記各部を統括的に制御して各種処理を実行する。
【0041】
以上説明したように、複合機11及びPC31が上述した構成を有することにより、USB電話機能、PCプリント機能、PCスキャナ機能、コピー機能、FAX送受信機能、PSTN電話機能を実現することができる。
【0042】
ここで、各機能について説明する。USB電話機能というのは、複合機11とPC31とが連携することによって実現される電話機能であって、複合機11がHMI(Human Machine Interface)として利用され、PC31上で通話先の特定やパケット交換処理等が行われる機能である。すなわち、ユーザが、複合機11のハンドセット21又はワイヤレス子機22に対して発話することにより、その音声信号がUSB通信部12を介してPC31に送信され、PC31上でその音声信号のパケットがLAN通信部35を介して適切な送信先に送信される。一方、PC31のLAN通信部35において受信されたPC31宛の音声信号のパケットは、PC31のUSB通信部36を介して複合機11のUSB通信部12へ所定の形式で転送され、複合機11のハンドセット21又はワイヤレス子機22において音声として出力される。
【0043】
PCプリント機能というのは、PC31より複合機11に送られた印刷データが複合機11の印刷部17によって印刷用紙に印刷される機能である。すなわち、PC31上のアプリケーション等によって生成された印刷データがPC31のUSB通信部36を介して複合機11のUSB通信部12へ送られ、複合機11の印刷部17において、印刷データに基づいて印刷用紙に印刷が行われる。
【0044】
PCスキャナ機能というのは、複合機11のスキャナ部18によって読み取られた画像情報がPC31へ送信されて記憶される機能である。すなわち、複合機11のスキャナ部18によって読み取られた画像情報が複合機11のUSB通信部12を介して、PC31のUSB通信部36へ送られ、PC31の記憶部32に記憶される。
【0045】
コピー機能というのは、複合機11のスキャナ部18によって読み取られた画像情報が、複合機11の印刷部17によって印刷用紙に印刷される機能である。
FAX送受信機能というのは、複合機11のスキャナ部18によって読み取られた画像情報が、複合機11のFAX通信部14によってPSTNを介して他の複合機やFAX装置に送信される機能である。
【0046】
PSTN電話機能というのは、複合機11上で実現される電話機能である。すなわち、ユーザが、複合機11のハンドセット21又はワイヤレス子機22に対して発話することにより、その音声信号が音声通信部13を介してPSTNの先にある電話機に送信される。一方、PSTNの先にある電話機より送られてきた音声信号は、音声通信部13によって受信され、ハンドセット21又はワイヤレス子機22において音声として出力される。
【0047】
[第一実施形態の動作の説明]
まず、第一実施形態について説明する。第一実施形態は、複合機11の各種機能の実行をPC31が制限する場合である。なお、第一実施形態においては、複合機11は、上述した機能のうち、USB電話機能、PCプリント機能、及び、PCスキャナ機能のみを有していることとする。以下、PC31(具体的にはPC31の制御部37)が実行する処理についてフローチャートを用いて説明する。
【0048】
(1)複合機機能制御処理
PC31の制御部37が実行する複合機機能制御処理について、図4(a)のフローチャートを用いて説明する。なお、複合機機能制御処理は、例えば、PC31に搭載されたOS(オペレーティングシステム)が起動された際に実行が開始される。
【0049】
制御部37は、複合機機能制御処理の実行を開始すると、まず、初期化処理を実行する(S105)。この処理は、複合機11が搭載する各機能に関する変数を初期化する処理である。詳細は後述する。
【0050】
続いて、制御部37はUSB電話処理を実行する(S110)。USB電話処理の詳細については後述する。
続いて、制御部37はPCプリント処理を実行する(S115)。PCプリント処理の詳細については後述する。
【0051】
続いて、制御部37はPCスキャナ処理を実行する(S120)。PCスキャナ処理の詳細については後述する。
制御部37は、PCスキャナ処理を終えると、上述したS110へ処理を以降し、再びUSB電話処理を実行する。
【0052】
(2)初期化処理
次に、PC31の制御部37が実行する初期化処理について、図4(b)のフローチャートを用いて説明する。初期化処理は、上述した複合機機能制御処理のS105において呼び出されて実行されるサブルーチンである。
【0053】
制御部37は、USB電話機能の動作状態を表す変数「usb_tel」に”IDLE”を、PCプリント機能の動作状態を表す変数「pc_print」に”IDLE”を、PCスキャナ機能の動作状態を表す変数「pc_scan」に”IDLE”を代入する(S135)。なお、各変数は、当該機能又は他の処理によって値が変更されるようになっており、常に各機能の動作状態を示している。
【0054】
各変数への代入を終えると、制御部37は、呼び出し元である複合機機能制御処理のS105に続くステップを実行する。
(3)USB電話処理
次に、PC31の制御部37が実行するUSB電話処理について、図5のフローチャートを用いて説明する。なお、USB電話処理は、上述した複合機機能制御処理のS110において呼び出されて実行されるサブルーチンである。
【0055】
制御部37は、USB電話処理の実行を開始すると、まずUSB電話機能が動作中であるか否かを判定する(S145)。具体的には、USB電話機能の動作状態を表す変数「usb_tel」が”ACTIVE”であるか否かを判定する。その結果、USB電話機能は動作中(”ACTIVE”)であると判定した場合は(S145:Yes)、S180へ処理を移行し、USB電話機能は動作中でない(”ACTIVE”でない)と判定した場合は(S145:No)、S150へ処理を移行する。
【0056】
USB電話機能は動作中でないと判定した場合に進むS150では、USB電話機能の開始指示がユーザからあったか否かを判定する。ユーザからUSB電話機能の開始指示があったというのは、例えば、PC31の操作部34に対してユーザがUSB電話機能の開始操作を行った場合が想定できる。
【0057】
判定の結果、USB電話機能の開始指示があったと判定した場合は(S150:Yes)、S155へ処理を移行し、USB電話機能の開始指示がなかったと判定した場合は(S150:No)、本処理(USB電話処理)を終了し、呼び出し元である複合機機能制御処理のS110に続くステップを実行する。
【0058】
USB電話機能の開始指示があったと判定した場合に進むS155では、PCプリント機能が動作中であるか否かを判定する。具体的には、PCプリント機能の動作状態を表す変数「pc_print」が”ACTIVE”であるか否かを判定する。その結果、PCプリント機能は動作中(”ACTIVE”)であると判定した場合は(S155:Yes)、S160へ処理を移行し、PCプリント機能は動作中でない(”ACTIVE”でない)と判定した場合は(S155:No)、S165へ処理を移行する。
【0059】
PCプリント機能は動作中であると判定した場合に進むS160では、USB電話機能を動作させることができない旨を伝える警告ダイアログを表示部33に表示させる。この警告ダイアログの具体例を図6(a)に示す。図6(a)に示す警告ダイアログには、「印刷中はUSB電話を動作させることは出来ません。」と記されている。これにより、ユーザは、PCプリント機能が原因でUSB電話機能を動作させることができない旨を認識できる。
【0060】
説明を図5に戻し、制御部37は、S160を終えると、本処理(USB電話処理)を終了し、呼び出し元である複合機機能制御処理のS110に続くステップを実行する。
一方、PCプリント機能が動作中でなかったと判定した場合に進むS165では、PCスキャナ機能が動作中であるか否かを判定する。具体的には、PCスキャナ機能が動作状態を表す変数「pc_scan」が”ACTIVE”であるか否かを判定する。その結果、PCスキャナ機能が動作中(”ACTIVE”)であると判定した場合は(S165:Yes)、S170へ処理を移行し、PCスキャナ機能は動作中でない(”ACTIVE”でない)と判定した場合は(S165:No)、S175へ処理を移行する。
【0061】
PCスキャナ機能は動作中であると判定した場合に進むS170では、PCスキャン速度が低下する旨を伝える情報ダイアログを表示部33に表示させる。この情報ダイアログの具体例を図6(b)に示す。図6(b)に示す情報ダイアログには、「USB電話を動作させるとスキャン速度が遅くなります。」と記されている。これにより、ユーザは、USB電話機能を動作させることによって、現在動作中のPCスキャナ機能におけるスキャン速度が遅くなることを認識できる。
【0062】
説明を図5に戻し、制御部37は、S170を終えると、S175へ移行する。S175では、制御部37は、ハンドセット21及びワイヤレス子機22を有効化する。具体的には、ハンドセット21及びワイヤレス子機22との音声信号のやりとりを開始する。
【0063】
続くS178では、USB電話機能の動作状態を表す変数「usb_tel」を”ACTIVE”に変更する。
続くS180では、USB電話機能の動作を開始させる。USB電話機能は上述した通りである。
【0064】
続くS185では、USB電話機能が終了したか否かを判定する。これは、例えば、ユーザによって複合機11の筐体の所定場所にハンドセット21が置かれたことを検知したり、PC31に対してユーザがUSB電話機能の停止操作を行ったことを検知したりすることによって行う。
【0065】
その結果、USB電話機能は終了したと判定した場合は(S185:Yes)、S190へ処理を移行し、USB電話機能は終了していないと判定した場合は(S185:No)、本処理(USB電話処理)を終了し、呼び出し元である複合機機能制御処理のS110に続くステップを実行する。
【0066】
USB電話機能は終了したと判定した場合に進むS190では、USB電話機能の動作状態を表す変数「usb_tel」を”IDLE”に変更する。そして、ハンドセット21及びワイヤレス子機22を無効化する(S195)。具体的には、ハンドセット21及びワイヤレス子機22との音声信号のやりとりを停止する。その後、制御部37は、本処理(USB電話処理)を終了し、呼び出し元である複合機機能制御処理のS110に続くステップを実行する。
【0067】
(4)PCプリント処理
次に、PC31の制御部37が実行するPCプリント処理について、図7のフローチャートを用いて説明する。なお、PCプリント処理は、上述した複合機機能制御処理のS115において呼び出されて実行されるサブルーチンである。
【0068】
制御部37は、PCプリント処理の実行を開始すると、まずPCプリント機能が動作中であるか否かを判定する(S205)。具体的には、PCプリント機能の動作状態を表す変数「pc_print」が”ACTIVE”であるか否かを判定する。その結果、PCプリント機能は動作中(”ACTIVE”)であると判定した場合は(S205:Yes)、S230へ処理を移行し、PCプリント機能は動作中でない(”ACTIVE”でない)と判定した場合は(S205:No)、S210へ処理を移行する。
【0069】
PCプリント機能は動作中でないと判定した場合に進むS210では、PCプリント機能の開始指示がユーザからあったか否かを判定する。ユーザからPCプリント機能の開始指示があったというのは、例えば、PC31の操作部34に対してユーザがPCプリント機能の開始操作を行った場合が想定できる。
【0070】
判定の結果、PCプリント機能の開始指示があったと判定した場合は(S210:Yes)、S215へ処理を移行し、PCプリント機能の開始指示はなかったと判定した場合は(S210:No)、本処理(PCプリント処理)を終了し、呼び出し元である複合機機能制御処理のS115に続くステップを実行する。
【0071】
PCプリント機能の開始指示があったと判定した場合に進むS215では、USB電話機能が動作中であるか否かを判定する。具体的には、USB電話機能の動作状態を表す変数「usb_tel」が”ACTIVE”であるか否かを判定する。その結果、USB電話機能が動作中(”ACTIVE”)であると判定した場合は(S215:Yes)、S220へ処理を移行し、USB電話機能は動作中でない(”ACTIVE”でない)と判定した場合は(S215:No)、S225へ処理を移行する。
【0072】
USB電話機能が動作中であると判定した場合に進むS220では、PCプリント機能を動作させることができない旨を伝える警告ダイアログを表示部33に表示させる。この警告ダイアログの具体例を図8に示す。図8に示す警告ダイアログには、「USB電話動作中は印刷データが送信できません。」と記されている。これにより、ユーザは、USB電話機能が原因でPCプリント機能を動作させることができない旨を認識できる。
【0073】
説明を図7に戻し、制御部37は、S220を終えると、本処理(PCプリント処理)を終了し、呼び出し元である複合機機能制御処理のS115に続くステップを実行する。
一方、USB電話機能は動作中でなかったと判定した場合に進むS225では、PCプリント機能の動作状態を表す変数「pc_print」を”ACTIVE”に変更する。
【0074】
続くS230では、PCプリント機能の動作を開始させる。PCプリント機能は上述した通りである。
続くS235では、PCプリント機能が終了したか否かを判定する。これは、例えば、PC31が印刷データを全て複合機11へ送信し終えたことを検知することにより行う。
【0075】
その結果、PCプリント機能は終了したと判定した場合は(S235:Yes)、S240へ処理を移行し、PCプリント機能は終了していないと判定した場合は(S235:No)、本処理(PCプリント機能)を終了し、呼び出し元である複合機機能制御処理のS115に続くステップを実行する。
【0076】
PCプリント機能は終了したと判定した場合に進むS240では、PCプリント機能の動作状態を表す変数「pc_print」を”IDLE”に変更する。そして、制御部37は、本処理(PCプリント処理)を終了し、呼び出し元である複合機機能制御処理のS115に続くステップを実行する。
【0077】
(5)PCスキャナ処理
次に、PC31の制御部37が実行するPCスキャナ処理について、図9のフローチャートを用いて説明する。なお、PCスキャナ処理は、上述した複合機機能制御処理のS120において呼び出されて実行されるサブルーチンである。
【0078】
制御部37は、PCスキャナ処理の実行を開始すると、まずPCスキャナ機能が動作中であるか否かを判定する(S255)。具体的には、PCスキャナ機能の動作状態を表す変数「pc_scan」が”ACTIVE”であるか否かを判定する。その結果、PCスキャナ機能が動作中(”ACTIVE”)であると判定した場合は(S255:Yes)、S280へ処理を移行し、PCスキャナ機能は動作中でない(”ACTIVE”でない)と判定した場合は(S255:No)、S260へ処理を移行する。
【0079】
PCスキャナ機能は動作中でないと判定した場合に進むS260では、PCスキャナ機能の開始指示がユーザからあったか否かを判定する。ユーザからPCスキャナ機能の開始指示があったというのは、例えば、PC31の操作部34に対してユーザがPCスキャナ機能の開始操作を行った場合が想定できる。
【0080】
判定の結果、PCスキャナ機能の開始指示があったと判定した場合は(S260:Yes)、S265へ処理を移行し、PCスキャナ機能の開始指示はなかったと判定した場合は(S260:No)、本処理(PCスキャナ処理)を終了し、呼び出し元である複合機機能制御処理のS120に続くステップを実行する。
【0081】
PCスキャナ機能の開始指示があったと判定した場合に進むS265では、USB電話機能が動作中であるか否かを判定する。具体的には、USB電話機能の動作状態を表す変数「usb_tel」が”ACTIVE”であるか否かを判定する。その結果、USB電話機能が動作中(”ACTIVE”)であると判定した場合は(S265:Yes)、S270へ処理を移行し、USB電話機能は動作中でない(”ACTIVE”でない)と判定した場合は(S265:No)、S275へ処理を移行する。
【0082】
USB電話機能が動作中であると判定した場合に進むS270では、PCスキャナ機能に制限がある旨を伝える情報ダイアログを表示部33に表示させる。この情報ダイアログの具体例を図10に示す。図10に示す情報ダイアログには、「USB電話動作中はスキャン速度が遅くなります。」と記されている。これにより、ユーザは、USB電話機能が原因でPCスキャナ機能の動作が遅くなる旨を認識できる。
【0083】
説明を図9に戻し、S275では、PCスキャナ機能の動作状態を表す変数「pc_scan」を”ACTIVE”に変更する。
続くS280では、PCスキャナ機能の動作を開始させる。PCスキャナ機能は上述した通りである。
【0084】
続くS285では、PCスキャナ機能が終了したか否かを判定する。これは、例えば、複合機11がスキャンデータ(画像情報)を全てPC31へ送信し終えたことを検知することにより行う。
【0085】
その結果、PCスキャナ機能は終了したと判定した場合は(S285:Yes)、S290へ処理を移行し、PCスキャナ機能は終了していないと判定した場合は(S285:No)、本処理(PCスキャナ機能)を終了し、呼び出し元である複合機機能制御処理のS120に続くステップを実行する。
【0086】
PCスキャナ機能は終了したと判定した場合に進むS290では、PCスキャナ機能の動作状態を表す変数「pc_scan」を”IDLE”に変更する。そして、制御部37は、本処理(PCスキャナ処理)を終了し、呼び出し元である複合機機能制御処理のS120に続くステップを実行する。
【0087】
(6)第一実施形態の効果
上述したように、PCプリント処理では、USB電話機能が動作中の場合には(S215:Yes)、PCプリント機能を開始させないようになっている(S220等参照)。したがって、複合機11とPC31との間の通信帯域の多くがPCプリント機能の動作のためのデータ通信に使用されることが原因でUSB電話機能における音声通話が途切れてしまうという問題の発生を防止できる。
【0088】
また、USB電話処理では、PCプリント機能が動作している場合には(S155:Yes)、USB電話機能を開始させない(S160等参照)。したがって、PCプリント機能が実行されている状態において、USB電話機能が動作することにより、その影響によって、PCプリント機能についてのデータ通信が制限されてPCプリント機能の実行結果が不正常なものとなってしまうという問題の発生を防止できる。
【0089】
また、PCプリント処理ではUSB電話機能が動作中の場合には、PCプリント機能を開始させないようになっているが、PCスキャナ処理ではUSB電話が動作中の場合でも(S265:Yes)、PCスキャナ機能を動作させるようになっている(S280)。すなわち、USB電話が動作中である場合に無条件に他の機能の動作を開始させないのではなく、機能毎に制限に優劣が存在する。したがって、実行結果が不正常なものとなることを防止しながら、効率よくPC31と複合機11との間の通信帯域を利用することができる。
【0090】
[第二実施形態の動作の説明]
次に第二実施形態について説明する。第二実施形態は、複合機11の各機能の実行を複合機11が制限する場合である。なお、第二実施形態においては、複合機11は、USB電話機能、PCプリント機能、PCスキャナ機能、コピー機能、FAX送受信機能、及び、PSTN電話機能を有していることとする。以下、複合機11(具体的には複合機11の制御部29が実行する処理についてフローチャートを用いて説明する。
【0091】
(1)複合機機能制御処理
複合機11の制御部29が実行する複合機機能制御処理について、図11(a)のフローチャートを用いて説明する。なお、複合機機能制御処理は、複合機11が起動された際に実行が開始される。
【0092】
制御部29は、複合機機能制御処理の実行を開始すると、まず、初期化処理を実行する(S305)。この処理は、複合機11が搭載する各機能に関する変数を初期化する処理である。詳細は後述する。
【0093】
続いて、制御部37は、サブルーチンであるSUB1を、USB電話機能を指定して呼び出す(S310)。SUB1の詳細については後述する。
続くS315では、制御部37は、SUB1を、PCプリント機能を指定して呼び出す。
【0094】
続くS320では、制御部37は、SUB1を、PCスキャナ機能を指定して呼び出す。
続くS325では、制御部37は、SUB1を、コピー機能を指定して呼び出す。
【0095】
続くS330では、制御部37は、SUB1を、FAX送受信機能を指定して呼び出す。
続くS335では、制御部37は、SUB1を、PSTN電話機能を指定して呼び出す そして、制御部37は、S310へ処理を戻し、再び、SUB1を、USB電話機能を指定して呼び出す。
【0096】
(2)初期化処理
次に、複合機11の制御部29が実行する初期化処理について、図11(b)のフローチャートを用いて説明する。初期化処理は、上述した複合機機能制御処理のS305において呼び出されて実行されるサブルーチンである。
【0097】
制御部29は、USB電話機能の動作状態を表す変数「usb_tel」に”IDLE”を、PCプリント機能の動作状態を表す変数「pc_print」に”IDLE”を、PCスキャナ機能の動作状態を表す変数「pc_scan」に”IDLE”を、コピー機能の動作状態を表す変数「copy_print」に”IDLE”を、FAX送受信機能の動作状態を表す変数「fax_txrx」に”IDLE”を、PSTN電話機能の動作状態を表す変数「pstn_tel」に”IDLE”を代入する(S340)。なお、各変数は、当該機能又は他の処理によって値が変更されるようになっており、常に各機能の動作状態を示している。
【0098】
各変数への代入を終えると、制御部29は、呼び出し元である複合機機能制御処理のS305に続くステップを実行する。
(3)SUB1
次に、複合機11の制御部29が実行するSUB1について、図12のフローチャートを用いて説明する。なお、SUB1は、上述した複合機機能制御処理におけるS310、S315、S320、S325、S330、及び、S335のそれぞれのステップにおいて呼び出されて実行されるサブルーチンである。また、呼び出される際、機能名を指定して呼び出されるようになっており、その指定された処理が「対象機能」としてSUB1内で用いられるようになっている。
【0099】
制御部29は、SUB1の実行を開始すると、まず対象機能が動作中であるか否かを判定する(S355)。具体的には、対象機能の動作状態を表す変数(例えば、「usb_tel」等)が”ACTIVE”であるか否かを判定する。その結果、対象機能が動作中(”ACTIVE”)であると判定した場合は(S355:Yes)、S375へ処理を移行し、対象機能は動作中でない(”ACTIVE”でない)と判定した場合は(S355:No)、S360へ処理を移行する。
【0100】
対象機能は動作中でないと判定した場合に進むS360では、対象機能の開始指示がユーザからあったか否かを判定する。ユーザから対象機能の開始指示があったというのは、例えば、PC31の操作部34に対してユーザが対象機能の開始操作を行った場合が想定できる。なお、PC31の操作部34の状態は、USB通信部12を介してPC31から得られるデータに基づいて認識することができる。
【0101】
判定の結果、対象機能の開始指示があったと判定した場合は(S360:Yes)、S365へ処理を移行し、対象機能の開始指示はなかったと判定した場合は(S360:No)、本処理(SUB1)を終了し、複合機機能制御処理における呼び出し元のステップに続くステップを実行する。
【0102】
対象機能の開始指示があったと判定した場合に進むS365では、対象機能は開始可能であるか否かを判定する。具体的には、対象機能の開始可否判定処理を呼び出し、その戻り値によって判定する。各対象機能の開始可否判定処理については後述する。判定の結果、対象機能は開始可能であると判定した場合は(S365:Yes)、S370へ処理を移行し、対象機能は開始不可であると判定した場合は(S365:No)、本処理(SUB1)を終了し、複合機機能制御処理における呼び出し元のステップに続くステップを実行する。
【0103】
対象機能は開始可能であると判定した場合に進むS370では、対象機能の動作状態を表す変数(例えば、「usb_tel」等)を”ACTIVE”に変更する。
続くS375では、対象機能の動作を開始させる。各対象機能の動作内容は上述した通りである。対象機能が既に動作中である場合には、そのまま動作を継続させる。
【0104】
続くS380では、対象機能が終了したか否かを判定する。これは、例えば、対象機能がPCスキャナ機能であれば、複合機11がスキャンデータ(画像情報)を全てPC31へ送信し終えたことを検知することにより行う。
【0105】
その結果、対象機能は終了したと判定した場合は(S380:Yes)、S385へ処理を移行し、対象機能は終了していないと判定した場合は(S380:No)、本処理(SUB1)を終了し、複合機機能制御処理における呼び出し元のステップに続くステップを実行する。
【0106】
対象機能は終了したと判定した場合に進むS385では、対象機能の動作状態を表す変数(例えば、「usb_tel」等)を”IDLE”に変更する。そして、制御部29は、本処理(SUB1)を終了し、複合機機能制御処理における呼び出し元のステップに続くステップを実行する。
【0107】
(4)USB電話機能開始可否判定処理
次に、複合機11の制御部29が実行するUSB電話機能開始可否判定処理について、図13のフローチャートを用いて説明する。なお、USB電話機能開始可否判定処理は、上述したSUB1のS365において、対象機能がUSB電話機能であった場合に呼び出されて実行されるサブルーチンである。
【0108】
制御部29は、USB電話機能開始可否判定処理の実行を開始すると、まずPCプリント機能が動作中であるか否かを判定する(S405)。具体的には、PCプリント機能の動作状態を表す変数「pc_print」が”ACTIVE”であるか否かを判定する。その結果、PCプリント機能は動作中(”ACTIVE”)であると判定した場合は(S405:Yes)、S435へ処理を移行し、PCプリント機能は動作中でない(”ACTIVE”でない)と判定した場合は(S405:No)、S410へ処理を移行する。
【0109】
PCプリント機能は動作中でないと判定した場合に進むS415では、コピー機能が動作中であるか否かを判定する。具体的には、コピー機能の動作状態を表す変数「copy」が”ACTIVE”であるか否かを判定する。その結果、コピー機能は動作中(”ACTIVE”)であると判定した場合は(S415:Yes)、S435へ処理を移行し、コピー機能は動作中でない(”ACTIVE”でない)と判定した場合は(S415:No)、S420へ処理を移行する。
【0110】
コピー機能は動作中でないと判定した場合に進むS420では、FAX送受信機能が動作中であるか否かを判定する。具体的には、FAX送受信機能の動作状態を表す変数「fax_txrx」が”ACTIVE”であるか否かを判定する。その結果、FAX送受信機能が動作中(”ACTIVE”)であると判定した場合は(S420:Yes)、S435へ処理を移行し、FAX送受信機能は動作中でない(”ACTIVE”でない)と判定した場合は(S420:No)、S425へ処理を移行する。
【0111】
FAX送受信機能は動作中でないと判定した場合に進むS425では、PSTN電話機能が動作中であるか否かを判定する。具体的には、PSTN電話機能の動作状態を表す変数「pstn_tel」が”ACTIVE”であるか否かを判定する。その結果、PSTN電話機能が動作中(”ACTIVE”)であると判定した場合は(S425:Yes)、S435へ処理を移行し、PSTN電話機能は動作中でない(”ACTIVE”でない)と判定した場合は(S420:No)、S430へ処理を移行する。
【0112】
PSTN電話機能は動作中でないと判定した場合に進むS430では、本処理(USB電話機能開始可否判定処理)の戻り値に、USB電話機能は開始可能である旨を示す”YES”を設定する。そして、本処理(USB電話機能開始可否判定処理)を終了し、呼び出し元であるSUB1のS365に戻る。
【0113】
また、S430では、本処理(USB電話機能開始可否判定処理)の戻り値に、USB電話機能は開始不可である旨を示す”NO”を設定する。そして、本処理(USB電話機能開始可否判定処理)を終了し、呼び出し元であるSUB1のS365に戻る。
【0114】
(5)PCプリント機能開始可否判定処理
次に、複合機11の制御部29が実行するPCプリント機能開始可否判定処理について、図14(a)のフローチャートを用いて説明する。なお、PCプリント機能開始可否判定処理は、上述したSUB1のS365において、対象機能がPCプリント機能であった場合に呼び出されて実行されるサブルーチンである。
【0115】
制御部29は、PCプリント機能開始可否判定処理の実行を開始すると、まずUSB電話機能が動作中であるか否かを判定する(S455)。具体的には、USB電話機能の動作状態を表す変数「usb_tel」が”ACTIVE”であるか否かを判定する。その結果、USB電話機能が動作中(”ACTIVE”)であると判定した場合は(S455:Yes)、S470へ処理を移行し、USB電話機能は動作中でない(”ACTIVE”でない)と判定した場合は(S455:No)、S460へ処理を移行する。
【0116】
USB電話機能は動作中でないと判定した場合に進むS460では、コピー機能が動作中であるか否かを判定する。具体的には、コピー機能の動作状態を表す変数「copy」が”ACTIVE”であるか否かを判定する。その結果、コピー機能は動作中(”ACTIVE”)であると判定した場合は(S460:Yes)、S470へ処理を移行し、コピー機能は動作中でない(”ACTIVE”でない)と判定した場合は(S460:No)、S465へ処理を移行する。
【0117】
コピー機能は動作中でないと判定した場合に進むS465では、本処理(PCプリント機能開始可否判定処理)の戻り値に、PCプリント機能は開始可能である旨を示す”YES”を設定する。そして、本処理(PCプリント機能開始可否判定処理)を終了し、呼び出し元であるSUB1のS365に戻る。
【0118】
また、S470では、本処理(PCプリント機能開始可否判定処理)の戻り値に、PCプリント機能は開始不可である旨を示す”NO”を設定する。そして、本処理(PCプリント機能開始可否判定処理)を終了し、呼び出し元であるSUB1のS365に戻る。
【0119】
(6)PCスキャナ機能開始可否判定処理
次に、複合機11の制御部29が実行するPCスキャナ機能開始可否判定処理について、図14(b)のフローチャートを用いて説明する。なお、PCスキャナ機能開始可否判定処理は、上述したSUB1のS365において、対象機能がPCスキャナ機能であった場合に呼び出されて実行されるサブルーチンである。
【0120】
制御部29は、PCスキャナ機能開始可否判定処理の実行を開始すると、まずコピー機能が動作中であるか否かを判定する。具体的には、コピー機能の動作状態を表す変数「copy」が”ACTIVE”であるか否かを判定する(S475)。その結果、コピー機能は動作中(”ACTIVE”)であると判定した場合は(S475:Yes)、S480へ処理を移行し、コピー機能は動作中でない(”ACTIVE”でない)と判定した場合は(S475:No)、S485へ処理を移行する。
【0121】
コピー機能は動作中でないと判定した場合に進むS480では、本処理(PCスキャナ機能開始可否判定処理)の戻り値に、PCスキャナ機能は開始可能である旨を示す”YES”を設定する。そして、本処理(PCスキャナ機能開始可否判定処理)を終了し、呼び出し元であるSUB1のS365に戻る。
【0122】
また、S485では、本処理(PCスキャナ機能開始可否判定処理)の戻り値に、PCスキャナ機能は開始不可である旨を示す”NO”を設定する。そして、本処理(PCスキャナ機能開始可否判定処理)を終了し、呼び出し元であるSUB1のS365に戻る。
【0123】
(7)コピー機能開始可否判定処理
次に、複合機11の制御部29が実行するコピー機能開始可否判定処理について、図15のフローチャートを用いて説明する。なお、コピー機能開始可否判定処理は、上述したSUB1のS365において、対象機能がコピー機能であった場合に呼び出されて実行されるサブルーチンである。
【0124】
制御部29は、コピー機能開始可否判定処理の実行を開始すると、まずPCプリント機能が動作中であるか否かを判定する(S505)。具体的には、PCプリント機能の動作状態を表す変数「pc_print」が”ACTIVE”であるか否かを判定する。その結果、PCプリント機能は動作中(”ACTIVE”)であると判定した場合は(S505:Yes)、S525へ処理を移行し、PCプリント機能は動作中でない(”ACTIVE”でない)と判定した場合は(S505:No)、S510へ処理を移行する。
【0125】
PCプリント機能は動作中でないと判定した場合に進むS510では、PCスキャナ機能が動作中であるか否かを判定する。具体的には、PCスキャナ機能の動作状態を表す変数「pc_scan」が”ACTIVE”であるか否かを判定する。その結果、PCスキャナ機能が動作中(”ACTIVE”)であると判定した場合は(S510:Yes)、S525へ処理を移行し、PCスキャナ機能は動作中でない(”ACTIVE”でない)と判定した場合は(S510:No)、S515へ処理を移行する。
【0126】
PCスキャナ機能は動作中でないと判定した場合に進むS515では、USB電話機能が動作中であるか否かを判定する。具体的には、USB電話機能の動作状態を表す変数「usb_tel」が”ACTIVE”であるか否かを判定する。その結果、USB電話機能は動作中(”ACTIVE”)であると判定した場合は(S515:Yes)、S525へ処理を移行し、USB電話機能は動作中でない(”ACTIVE”でない)と判定した場合は(S515:No)、S520へ処理を移行する。
【0127】
USB電話機能は動作中でないと判定した場合に進むS520では、本処理(コピー機能開始可否判定処理)の戻り値に、コピー機能は開始可能である旨を示す”YES”を設定する。そして、本処理(コピー機能開始可否判定処理)を終了し、呼び出し元であるSUB1のS365に戻る。
【0128】
また、S525では、本処理(コピー機能開始可否判定処理)の戻り値に、コピー機能は開始不可である旨を示す”NO”を設定する。そして、本処理(コピー機能開始可否判定処理)を終了し、呼び出し元であるSUB1のS365に戻る。
【0129】
(8)FAX送受信機能開始可否判定処理,PSTN電話機能開始可否判定処理
次に、複合機11の制御部29が実行するFAX送受信機能開始可否判定処理及びPSTN電話機能開始可否判定処理について、図16のフローチャートを用いて説明する。なお、FAX送受信機能開始可否判定処理は、上述したSUB1のS365において、対象機能がFAX送受信機能であった場合に呼び出されて実行されるサブルーチンであり、PSTN電話機能開始可否判定処理は、上述したSUB1のS365において、対象機能がPSTN電話機能であった場合に呼び出されて実行されるサブルーチンである。FAX送受信機能開始可否判定処理及びPSTN電話機能開始可否判定処理は処理内容が同じであるため、以下ではまとめて説明する。
【0130】
制御部29は、FAX送受信機能開始可否判定処理又はPSTN電話機能開始可否判定処理の実行を開始すると、まずUSB電話機能が動作中であるか否かを判定する(S555)。具体的には、USB電話機能の動作状態を表す変数「usb_tel」が”ACTIVE”であるか否かを判定する。その結果、USB電話機能は動作中(”ACTIVE”)であると判定した場合は(S555:Yes)、S565へ処理を移行し、USB電話機能は動作中でない(”ACTIVE”でない)と判定した場合は(S555:No)、S560へ処理を移行する。
【0131】
USB電話機能は動作中でないと判定した場合に進むS560では、本処理(FAX送受信機能開始可否判定処理又はPSTN電話機能開始可否判定処理)の戻り値に、当該機能(FAX送受信機能又はPSTN電話機能)は開始可能である旨を示す”YES”を設定する。そして、本処理(FAX送受信機能開始可否判定処理又はPSTN電話機能開始可否判定処理)を終了し、呼び出し元であるSUB1のS365に戻る。
【0132】
また、S560では、本処理(FAX送受信機能開始可否判定処理又はPSTN電話機能開始可否判定処理)の戻り値に、当該機能(FAX送受信機能又はPSTN電話機能)は開始不可である旨を示す”NO”を設定する。そして、本処理(FAX送受信機能開始可否判定処理又はPSTN電話機能開始可否判定処理)を終了し、呼び出し元であるSUB1のS365に戻る。
【0133】
(9)第二実施形態の効果
上述したように、USB電話機能が動作中の場合には(S455:Yes,S515:Yes,S555:Yes)、USB電話機能以外の所定の機能(例えば、プリント機能)が開始されないようになっている。したがって、複合機11とPC31との間の通信帯域の多くがUSB電話機能以外の機能の動作のためのデータ通信に使用されることが原因でUSB電話機能における音声通話が途切れてしまうという問題の発生を防止できる。
【0134】
また、PC31の制御部37が実行するUSB電話処理では、所定の機能が動作している場合には(S405:Yes,S415:Yes,S420:Yes,S425:Yes)、USB電話機能が開始されないようになっている。したがって、USB電話機能以外の所定の機能が実行されている状態において、USB電話機能が動作することにより、その影響によって、USB電話機能以外のいずれかの機能についてのデータ通信が制限されてその機能の実行結果が不正常なものとなってしまうという問題の発生を防止できる。
【0135】
また、USB電話機能以外の所定の機能とUSB電話機能との実行開始が排他的に行われるのに対し、USB電話機能が動作中の場合であっても、スキャナ機能は開始される。また、スキャナ機能が実行中であっても、USB電話機能は開始される。これにより、複合機11とPC31との間の通信帯域の多くがUSB電話機能のためのデータ通信に使用されることにより、スキャナ動作が中断しても、その実行結果物を、正常に得ることができる。すなわち、実行結果が不正常なものとなることを防止しながら、効率よくPC31と複合機11との間の通信帯域を利用することができる。また、このとき、USB電話機能の動作のためのデータ通信は、アイソクロナス転送により行われ、スキャナ機能の動作のためのデータ通信は、バルク転送で行われ、アイソクロナス転送がバルク転送より優先的に行なわれる。なお、アイソクロナス転送は、定期的に一定量の帯域を確保しデータ転送を行なう転送方法である。すなわち、PC31と複合機11との間の通信帯域には、データ転送が行われない隙間が生じる。この隙間を、バルク転送が使用することにより、スキャナ機能の動作が実行されながらも、USB電話機能における音声通話が途切れてしまうと言う問題の発生を確実に防止することができる。
【0136】
[第三実施形態の動作の説明]
次に第三実施形態について説明する。第三実施形態は、複合機11の各機能の実行を複合機11が制限する場合である。第二実施形態との相違は、PCスキャナ機能が動作している状態においてUSB電話機能を開始させる旨の指示があった場合の動作が違う点である。第三実施形態では、PCスキャナ機能を一時的に中断させてUSB電話機能の実行を開始させる。
【0137】
なお、第三実施形態においては、USB電話機能、PCプリント機能、PCスキャナ機能、コピー機能、FAX送受信機能、及び、PSTN電話機能を有していることとする。以下、複合機11(具体的には複合機11の制御部29)が実行する処理についてフローチャートを用いて説明する。
【0138】
(1)複合機機能制御処理
複合機11の制御部29が実行する複合機機能制御処理について、図17(a)のフローチャートを用いて説明する。なお、複合機機能制御処理は、複合機11が起動された際に実行が開始される。
【0139】
制御部29は、複合機機能制御処理の実行を開始すると、まず、初期化処理を実行する(S605)。この処理は、複合機11が搭載する各機能に関する変数を初期化する処理である。詳細は後述する。
【0140】
続いて、制御部37は、USB電話処理を呼び出す(S610)。USB電話処理の詳細については後述する。
続いて、制御部37は、サブルーチンであるSUB2を、PCプリント機能を指定して呼び出す(S615)。SUB2の詳細については後述する。
【0141】
続くS620では、制御部37は、PCスキャナ処理を呼び出す。PCスキャナ処理の詳細については後述する。
続くS625では、制御部37は、SUB2を、コピー機能を指定して呼び出す。
【0142】
続くS630では、制御部37は、SUB2を、FAX送受信機能を指定して呼び出す。SUB2の詳細については後述する。
続くS635では、制御部37は、SUB2を、PSTN電話機能を指定して呼び出す そして、制御部37は、S610へ処理を戻し、再び、USB電話処理を呼び出す。
【0143】
(2)初期化処理
次に、複合機11の制御部29が実行する初期化処理について、図17(b)のフローチャートを用いて説明する。初期化処理は、上述した複合機機能制御処理のS605において呼び出されて実行されるサブルーチンである。
【0144】
制御部29は、初期化処理の実行を開始すると、USB電話機能の動作状態を表す変数「usb_tel」に”IDLE”を、PCプリント機能の動作状態を表す変数「pc_print」に”IDLE”を、PCスキャナ機能の動作状態を表す変数「pc_scan」に”IDLE”を、コピー機能の動作状態を表す変数「copy_print」に”IDLE”を、FAX送受信機能の動作状態を表す変数「fax_txrx」に”IDLE”を、PSTN電話機能の動作状態を表す変数「pstn_tel」に”IDLE”を代入する(S640)。なお、各変数は、当該機能又は他の処理によって値が変更されるようになっており、常に各機能の動作状態を示している。
【0145】
各変数への代入を終えると、続いて制御部29は、PCスキャナ機能についての中断要求があるか否かを示す変数「stopreq_pc_scan」に”NO”を代入する(S645)。
変数への代入を終えると、制御部29は、呼び出し元である複合機機能制御処理のS605に続くステップを実行する。
【0146】
(3)USB電話処理
次に、複合機11の制御部29が実行するUSB電話処理について、図18のフローチャートを用いて説明する。なお、USB電話処理は、上述した複合機機能制御処理のS610において呼び出されて実行されるサブルーチンである。
【0147】
制御部29は、USB電話処理の実行を開始すると、まずUSB電話機能が動作中であるか否かを判定する(S655)。具体的には、USB電話機能の動作状態を表す変数「usb_tel」が”ACTIVE”であるか否かを判定する。その結果、USB電話機能は動作中(”ACTIVE”)であると判定した場合は(S655:Yes)、S680へ処理を移行し、USB電話機能は動作中でない(”ACTIVE”でない)と判定した場合は(S655:No)、S660へ処理を移行する。
【0148】
USB電話機能は動作中でないと判定した場合に進むS660では、USB電話機能の開始指示がユーザからあったか否かを判定する。ユーザからUSB電話機能の開始指示があったというのは、例えば、PC31の操作部34に対してユーザがUSB電話機能の開始操作を行った場合が想定できる。なお、PC31の操作部34の状態は、USB通信部12を介してPC31から得られるデータに基づいて認識することができる。
【0149】
判定の結果、USB電話機能の開始指示があったと判定した場合は(S660:Yes)、S665へ処理を移行し、USB電話機能の開始指示はなかったと判定した場合は(S660:No)、本処理(USB電話処理)を終了し、呼び出し元である複合機機能制御処理のS610に続くステップを実行する。
【0150】
USB電話機能の開始指示があったと判定した場合に進むS665では、USB電話機能は開始可能であるか否かを判定する。具体的には、USB電話機能開始可否判定処理を呼び出し、その戻り値によって判定する。USB電話機能開始可否判定処理については後述する。判定の結果、USB電話機能は開始可能であると判定した場合は(S665:Yes)、S670へ処理を移行し、対象機能は開始不可であると判定した場合は(S665:No)、本処理(USB電話処理)を終了し、呼び出し元である複合機機能制御処理のS610に続くステップを実行する。
【0151】
USB電話機能は開始可能であると判定した場合に進むS670では、USB電話機能の動作状態を表す変数「usb_tel」を”ACTIVE”に変更する。
続くS675では、PCスキャナ機能についての中断要求があるか否かを示す変数「stopreq_pc_scan」に”YES”を代入する。
【0152】
続くS680では、USB電話機能の動作を開始させる。USB電話機能は上述した通りである。
続くS685では、USB電話機能が終了したか否かを判定する。これは、例えば、ユーザによって複合機11の筐体の所定場所にハンドセット21が置かれたことを検知したり、PC31に対してユーザがUSB電話機能の停止操作を行ったことを検知したりすることによって行う。
【0153】
その結果、USB電話機能は終了したと判定した場合は(S685:Yes)、S690へ処理を移行し、USB電話機能は終了していないと判定した場合は(S685:No)、S686へ移行する。
【0154】
S686では、USB電話機能におけるPC31と複合機11との間の単位時間あたりのデータ通信量が予め決められた所定量以下であるか否かを判定する。なお、この所定量は、例えば、無音状態である場合の単位時間当たりのデータ通信量と同じにするとよい。判定の結果、単位時間あたりのデータ通信量が予め決められた所定量以下であると判定した場合は(S686:Yes)、S687へ処理を移行し、単位時間あたりのデータ通信量が予め決められた所定量以下でないと判定した場合は(S686:No)、S688へ処理を移行する。
【0155】
単位時間あたりのデータ通信量が予め定められた所定量以下であると判定した場合に進むS687では、PCスキャナ機能についての中断要求があるか否かを示す変数「stopreq_pc_scan」に”NO”を代入する。すなわち、スキャナ機能の実行を可能とする。そして、再びS686へ処理を戻し、USB電話機能におけるPC31と複合機11との間の単位時間あたりのデータ通信量が予め決められた所定量以下であるか否かの判定を行う。
【0156】
単位時間あたりのデータ通信量が予め定められた所定量以下でないと判定した場合に進むS688では、PCスキャナ機能についての中断要求があるか否かを示す変数「stopreq_pc_scan」に”YES”を代入する。そして、本処理(USB電話処理)を終了し、呼び出し元である複合機機能制御処理のS610に続くステップを実行する。
【0157】
S685においてUSB電話機能は終了したと判定した場合に進むS690では、USB電話機能の動作状態を表す変数「usb_tel」を”IDLE”に変更する。
続くS695では、PCスキャナ機能についての中断要求があるか否かを示す変数「stopreq_pc_scan」に”NO”を代入する。そして、制御部29は、本処理(USB電話処理)を終了し、呼び出し元である複合機機能制御処理のS610に続くステップを実行する。
【0158】
(4)PCスキャナ処理
次に、複合機11の制御部29が実行するPCスキャナ処理について、図19のフローチャートを用いて説明する。なお、PCスキャナ処理は、上述した複合機機能制御処理のS620において呼び出されて実行されるサブルーチンである。
【0159】
制御部29は、PCスキャナ処理の実行を開始すると、まずPCスキャナ機能が動作中であるか否かを判定する(S705)。具体的には、PCスキャナ機能の動作状態を表す変数である「pc_scan」が”ACTIVE”であるか否かを判定する。その結果、PCスキャナ機能が動作中(”ACTIVE”)であると判定した場合は(S705:Yes)、S745へ処理を移行し、PCスキャナ機能は動作中でない(”ACTIVE”でない)と判定した場合は(S705:No)、S710へ処理を移行する。
【0160】
PCスキャナ機能が動作中でないと判定した場合に進むS710では、PCスキャナ機能が中断中であるか否かを判定する。具体的には、PCスキャナ機能の動作状態を表す変数である「pc_scan」が”PAUSE”であるか否かを判定する。その結果、PCスキャナ機能が動作中(”PAUSE”)であると判定した場合は(S705:Yes)、S740へ処理を移行し、PCスキャナ機能は中断中でない(”PAUSE”でない)と判定した場合は(S705:No)、S730へ処理を移行する。
【0161】
PCスキャナ機能が中断中であると判定した場合に進むS715では、PCスキャナ機能について中断解除が要求されているか否かを判定する。具体的には、PCスキャナ機能についての中断要求があるか否かを示す変数である「stopreq_pc_scan」が”NO”であるか否かを判定する。その結果、PCスキャナ機能について中断解除が要求されていると判定した場合は(S715:Yes)、S720へ処理を移行し、PCスキャナ機能について中断解除が要求されていないと判定した場合は(S715:No)、本処理(PCスキャナ処理)を終了し、呼び出し元である複合機機能制御処理のS620に続くステップを実行する。
【0162】
PCスキャナ機能について中断が要求されていると判定した場合に進むS720では、PCスキャナ機能の動作状態を表す変数である「pc_scan」を”ACTIVE”に変更する。
続くS725では、中断していたPCスキャナ機能の動作を再開させる。そして、本処理(PCスキャナ処理)を終了し、呼び出し元である複合機機能制御処理のS620に続くステップを実行する。
【0163】
S710においてPCスキャナ機能が中断中でないと判定された場合に進むS730では、PCスキャナ機能の開始指示がユーザからあったか否かを判定する。ユーザからPCスキャナ機能の開始指示があったというのは、例えば、PC31の操作部34に対してユーザがPCスキャナ機能の開始操作を行った場合が想定できる。なお、PC31の操作部34の状態は、USB通信部12を介してPC31から得られるデータに基づいて認識することができる。
【0164】
判定の結果、PCスキャナ機能の開始指示があったと判定した場合は(S730:Yes)、S735へ処理を移行し、PCスキャナ機能の開始指示がなかったと判定した場合は(S730:No)、本処理(PCスキャナ処理)を終了し、呼び出し元である複合機機能制御処理のS620に続くステップを実行する。
【0165】
PCスキャナ機能の開始指示があったと判定した場合に進むS735では、PCスキャナ機能は開始可能であるか否かを判定する。具体的には、PCスキャナ機能開始可否判定処理を呼び出し、その戻り値によって判定する。PCスキャナ機能開始可否判定処理については後述する。判定の結果、PCスキャナ機能は開始可能であると判定した場合は(S735:Yes)、S740へ処理を移行し、PCスキャナ機能は開始不可であると判定した場合は(S735:No)、本処理(PCスキャナ処理)を終了し、呼び出し元である複合機機能制御処理のS620に続くステップを実行する。
【0166】
PCスキャナ機能は開始可能であると判定した場合に進むS740では、PCスキャナ機能の動作状態を表す変数である「pc_scan」を”ACTIVE”に変更する。
続くS745では、PCスキャナ機能について中断が要求されているか否かを判定する。具体的には、PCスキャナ機能についての中断要求があるか否かを示す変数である「stopreq_pc_scan」が”YES”であるか否かを判定する。その結果、PCスキャナ機能について中断が要求されていると判定した場合は(S745:Yes)、S750へ処理を移行し、PCスキャナ機能について中断が要求されていないと判定した場合は(S745:No)、S760へ処理を移行する。
【0167】
PCスキャナ機能について中断が要求されていると判定した場合に進むS750では、PCスキャナ機能の動作状態を表す変数である「pc_print」を、中断を意味する”PAUSE”に変更する。続くS755では、PCスキャナ機能を中断させる。例えば、現在スキャン中のラインのスキャンが終了するのを待って、機能を一時的に停止させる。その後、本処理(PCスキャナ処理)を終了し、呼び出し元である複合機機能制御処理のS620に続くステップを実行する。
【0168】
一方、PCスキャナ機能について中断が要求されていないと判定した場合に進むS760では、PCスキャナ機能を動作させる。なお、PCスキャナ機能が既に動作中である場合には、そのまま動作を継続させる。
【0169】
続くS765では、PCスキャナ機能が終了したか否かを判定する。これは、例えば、複合機11がスキャンデータ(画像情報)を全てPC31へ送信し終えたことを検知することにより行う。
【0170】
その結果、PCスキャナ機能は終了したと判定した場合は(S765:Yes)、S770へ処理を移行し、PCスキャナ機能は終了していないと判定した場合は(S765:No)、本処理(PCスキャナ処理)を終了し、呼び出し元である複合機機能制御処理のS620に続くステップを実行する。
【0171】
PCスキャナ機能は終了したと判定した場合に進むS770では、PCスキャナ機能の動作状態を表す変数である「pc_print」を”IDLE”に変更する。そして、制御部29は、本処理(PCスキャナ処理)を終了し、呼び出し元である複合機機能制御処理のS620に続くステップを実行する。
【0172】
(5)SUB2
次に、複合機11の制御部29が実行するSUB2について、図20のフローチャートを用いて説明する。なお、SUB2は、上述した複合機機能制御処理のS615、S625、S630及びS635において呼び出されて実行されるサブルーチンである。また、呼び出される際、機能名を指定して呼び出されるようになっており、その指定された処理が「対象機能」としてSUB2内で用いられるようになっている。
【0173】
制御部29は、SUB2の実行を開始すると、まず対象機能が動作中であるか否かを判定する(S805)。具体的には、対象機能の動作状態を表す変数(例えば、「fax_txrx」等)が”ACTIVE”であるか否かを判定する。その結果、対象機能が動作中(”ACTIVE”)であると判定した場合は(S805:Yes)、S825へ処理を移行し、対象機能は動作中でない(”ACTIVE”でない)と判定した場合は(S805:No)、S810へ処理を移行する。
【0174】
対象機能が動作中でないと判定した場合に進むS810では、対象機能の開始指示がユーザからあったか否かを判定する。ユーザから対象機能の開始指示があったというのは、例えば、PC31の操作部34に対してユーザが対象機能の開始操作を行ったことが想定できる。なお、PC31の操作部34の状態は、USB通信部12を介してPC31から得られるデータに基づいて認識することができる。
【0175】
判定の結果、対象機能の開始指示があったと判定した場合は(S810:Yes)、S815へ処理を移行し、対象機能の開始指示がなかったと判定した場合は(S810:No)、本処理(SUB2)を終了し、複合機機能制御処理における呼び出し元のステップに続くステップを実行する。
【0176】
対象機能の開始指示があったと判定した場合に進むS815では、対象機能は開始可能であるか否かを判定する。具体的には、対象機能の開始可否判定処理を呼び出し、その戻り値によって判定する。各対象機能の開始可否判定処理については後述する。判定の結果、対象機能は開始可能であると判定した場合は(S815:Yes)、S820へ処理を移行し、対象機能は開始不可であると判定した場合は(S815:No)、本処理(SUB2)を終了し、複合機機能制御処理における呼び出し元のステップに続くステップを実行する。
【0177】
対象機能は開始可能であると判定した場合に進むS820では、対象機能の動作状態を表す変数(例えば、「fax_txrx」等)を”ACTIVE”に変更する。
続くS825では、対象機能を動作させる。なお、対象機能が既に動作中である場合には、そのまま動作を継続させる。
【0178】
続くS830では、対象機能が終了したか否かを判定する。これは、例えば、対象機能がFAX送受信機能であれば、複合機11がFAX送信用データを全てPSTNの先に存在する他のFAX装置や複合機等に送信し終えたことを検知することにより行う。
【0179】
その結果、対象機能は終了したと判定した場合は(S830:Yes)、S835へ処理を移行し、対象機能は終了していないと判定した場合は(S830:No)、本処理(SUB2)を終了し、複合機機能制御処理における呼び出し元のステップに続くステップを実行する。
【0180】
対象機能は終了したと判定した場合に進むS835では、対象機能の動作状態を表す変数(例えば、「fax_txrx」等)を”IDLE”に変更する。そして、制御部29は、本処理(SUB2)を終了し、複合機機能制御処理における呼び出し元のステップに続くステップを実行する。
【0181】
(6)その他の処理
USB電話機能開始可否判定処理、PCプリント機能開始可否判定処理、PCスキャナ機能開始可否判定処理、コピー機能開始可否判定処理、FAX送受信機能開始可否判定処理、及び、PSTN電話機能開始可否判定処理は、それぞれ、第二実施形態と同様の処理を行う。
【0182】
(7)第三実施形態の効果
上述したように、USB電話機能は、PCプリント機能、コピー機能、FAX送受信機能又はPSTN電話機能が動作している場合には動作が開始されないようになっているが、PCスキャナ機能が動作している場合には動作が開始されるようになっている(図21参照)。そして、PCスキャナ機能が動作している場合にUSB電話機能の動作が開始される場合には、PCスキャナ機能に対して中断要求が発行されて中断されるようになっている(図18のS675及び図19のS745等参照)。さらに、中断されたPCスキャナ機能は、USB電話機能の動作が終了した後、再開されるようになっている(図18のS695及び図19のS715等参照)。
【0183】
すなわち、実行中のPCスキャナ機能を完全に停止させることなく一時的に中断させ、USB電話機能の動作が終了したら続行させるようになっている。
したがって、USB電話機能における音声通話が途切れてしまうことを防止しながら、PCプリント機能、PCスキャナ機能、及び、コピー機能の効率的な実行を実現するとともに、ユーザの使い勝手も向上させている。
【0184】
また、USB電話機能の動作が終了しなくても、USB電話機能についての単位時間あたりの通信データ量が所定量より少なくなった場合は、PCスキャナ機能については動作を再開させている。したがって、USB電話機能における音声通話が途切れてしまうことを防止しながら、通信帯域を有効利用させることやユーザの使い勝手を向上させることができる。
【0185】
[その他の実施形態]
(1)上記第三実施形態では、PCスキャナ機能が動作している状況においてUSB電話機能の動作が開始される場合には、その既に動作しているPCスキャナ機能に対して中断要求が発行されて中断されるようになっているが、例えば、PCプリント機能とPCスキャナ機能とが同時動作している場合には、PCプリント機能に優先してPCスキャナ機能を中断又は間欠的に停止させるようになっているとよい。その場合、PCプリント機能については中断させない、又は、印刷中のページの印刷を終えた時点で停止させるようになっているとよい。なお、間欠的に停止させるというのは、例えば、一秒あたり数十ミリ秒だけ動作させたりするようなことを意味する。
【0186】
このようになっていれば、USB電話機能における音声通話が途切れてしまうことや印刷結果が不正常なものになってしまうことをできるだけ防止しながら、ユーザの使い勝手を向上させることができる。
【0187】
(2)上記第三実施形態では、中断された機能は、USB電話機能の動作が終了した後に再開されるようになっているが、USB電話機能の動作が終了しなくても、USB電話機能についての単位時間あたりの通信データ量が所定量より少なくなった場合は、例えば、PCプリント機能は引き続き中断させておきPCスキャナ機能については動作を再開させるか、若しくは、間欠的に動作を再開させるようになっているとよい。なお、間欠的に停止させるというのは、例えば、一秒あたり数十ミリ秒だけ動作させたりするようなことを意味する。
【0188】
このようになっていれば、USB電話機能における音声通話が途切れてしまうことや印刷結果が不正常なものになってしまうことをできるだけ防止しながら、通信帯域を有効利用させることやユーザの使い勝手を向上させることができる。
【0189】
(3)上記第一実施形態では、USB電話機能が動作している場合には、PCプリント機能については動作の開始を制限し、PCスキャナ機能については動作を許容していたが、無条件に許容するのではなく、USB電話機能についての単位時間あたりの通信データ量が所定量より少ない場合のみ動作させるようになっているとよい。例えば、PC31のみならず、複合機11においても、USB電話機能と、他の機能との実行の制限を行なう。すなわち、上記第一実施形態では、PCプリント機能については、動作の開始が制限されるため、複合機11にデータが送信されることがない。一方、PCスキャナ機能は、動作を許容しているため、PC31と複合機11との間でデータ通信が行われる。このとき、複合機11では、PCスキャナ機能の実行開始指示を受けると、USB電話機能が動作中であるかを判断し、動作中であれば、PCスキャナ機能を、USB電話機能において行われている通信のデータ量が所定量より少ない場合のみ、動作させるように制御する。
【0190】
このようになっていれば、USB電話機能における音声通話が途切れてしまうことより確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0191】
【図1】本発明の実施形態の全体構成を示すブロック図である。
【図2】実施形態の複合機の概略構成を示すブロック図である。
【図3】実施形態のPCの概略構成を示すブロック図である。
【図4】第一実施形態における複合機機能制御処理及び初期化処理を説明するためのフローチャートである。
【図5】第一実施形態におけるUSB電話処理を説明するためのフローチャートである。
【図6】第一実施形態のUSB電話処理において表示される警告ダイアログ及び情報ダイアログの例である。
【図7】第一実施形態におけるPCプリント処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】第一実施形態のPCプリント処理において表示される警告ダイアログ及び情報ダイアログの例である。
【図9】第一実施形態におけるPCスキャナ処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】第一実施形態のPCスキャナ処理において表示される情報ダイアログの例である。
【図11】第二実施形態における複合機機能制御処理及び初期化処理を説明するためのフローチャートである。
【図12】第二実施形態におけるサブルーチンであるSUB1を説明するためのフローチャートである。
【図13】第二実施形態におけるUSB電話機能開始可否判定処理を説明するためのフローチャートである。
【図14】第二実施形態におけるPCプリント機能開始可否判定処理及びPCスキャナ機能開始可否判定処理を説明するためのフローチャートである。
【図15】第二実施形態におけるコピー機能開始可否判定処理を説明するためのフローチャートである。
【図16】第二実施形態におけるFAX送受信機能開始可否判定処理及びPSTN電話機能開始可否判定処理を説明するためのフローチャートである。
【図17】第三実施形態における複合機機能制御処理及び初期化処理を説明するためのフローチャートである。
【図18】第三実施形態におけるUSB電話処理を説明するためのフローチャートである。
【図19】第三実施形態におけるサブルーチンの一つであるPCスキャナ処理を説明するためのフローチャートである。
【図20】第三実施形態におけるサブルーチンの一つであるSUB2を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0192】
11…複合機、12…USB通信部、13…音声通信部、14…FAX通信部、15…データ記憶部、16…外部記憶媒体アクセス部、17…印刷部、18…スキャナ部、19…操作部、20…表示部、21…ハンドセット、21a…スピーカ、21b…マイク、22…ワイヤレス子機、22a…スピーカ、22b…マイク、29…制御部、31…PC、32…記憶部、33…表示部、34…操作部、35…LAN通信部、36…USB通信部、37…制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の機能を並行して実行可能な実行手段と、
前記実行手段が実行する機能が音声についてのデータ通信が行われる機能であるか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段により、前記実行手段が実行する機能が音声についてのデータ通信が行われる機能であると判断された場合に、音声以外のデータ通信が行われる機能の実行を制限する機能制限手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置において、
前記音声以外のデータ通信が行われる前記実行手段が実行可能な機能として、データ通信が遅延すると実行結果が不正常なものとなる第一機能と、データ通信が遅延しても実行結果が不正常なものとならない第二機能とが存在し、
前記機能制限手段は、前記第二機能に優先して前記第一機能の実行を開始させないこと、
を特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理装置において、
前記機能制限手段は、前記音声についてのデータ通信が行われる機能において、単位時間あたりの通信データ量が所定量より少なくなった場合、前記第二機能の実行を開始させること、
を特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載の情報処理装置において、
さらに、前記機能制限手段は、前記第一機能が実行されている場合、前記音声についてのデータ通信が行われる機能が開始されることを制限すること、
を特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
請求項2〜請求項4に記載の情報処理装置において、
前記第一機能は、シリアルタイプの印刷機能であること、
を特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
請求項2〜請求項5のいずれかに記載の情報処理装置において、
前記第二機能は、スキャナ機能であること、
を特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
請求項1〜請求項6のいずれかに記載の情報処理装置において、
前記音声についてのデータ通信というのが、アイソクロナス転送による通信であること、
を特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
並列して複数の機能を実行可能な多機能周辺装置とデータ通信を行うことで、前記多機能周辺装置に対して前記機能の実行を制御可能な端末装置を実現させるためのプログラムであって、
前記多機能周辺装置で実行可能な機能のうち、所定の機能についての実行指示を受け付ける受付手順、
前記受付手順により受け付けた実行指示が、音声についてのデータ通信が行われる機能であるか音声以外のデータ通信が行われる機能であるかを判断する第1判断手順、
前記第1判断手順により、前記受付手順により実行指示を受け付けた機能が音声以外のデータ通信が行われる機能であると判断された場合に、音声についてのデータ通信が行われる機能が実行されているか否かを判断する第2判断手順、
前記第2判断手順により、音声についてのデータ通信が行われる機能が実行されていると判断した場合に、前記受付手順により実行指示を受け付けた機能の実行を制限する機能制御手順、
としてコンピュータを実現させるためのプログラム。
【請求項9】
前記受付手順により実行指示を受け付けた機能が、データ通信が遅延すると機能の実行結果が不正常なものとなる第一機能であるか否かを判断する第3判断手順、をコンピュータにさらに機能させ、
前記機能制御手順は、前記第3判断手順により前記第一機能であると判断した場合は、その受付手順により受け付けた機能を開始させず、前記第一機能でないと判断した場合は前記受付手順により受け付けた機能を開始させること、
を特徴とする請求項8に記載のプログラム。
【請求項10】
前記機能制御手順は、前記第一機能でないと判断した場合に、前記受付手順により受け付けた機能を、前記音声についてのデータ通信における単位時間あたりの通信データ量が所定量より少ないことを条件として開始させること、
を特徴とする請求項9に記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図9】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図6】
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【図8】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−182807(P2009−182807A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−20981(P2008−20981)
【出願日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ETHERNET
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】