説明

情報処理装置及びプログラム

【課題】商品の配達後に店舗に戻ってから配送伝票を基にネットスーパー専用のPOS端末にて売上登録処理を行ってジャーナルを作成することなく、店員への負担を軽くしつつ正確な電子ジャーナルを作成する。
【解決手段】ネットワークを介して接続された端末から商品購入の注文を受け付ける注文受付手段と、各商品に設定された単価に基づいて、前記注文により購入対象とされた商品の買上額を算出する買上額算出手段と、前記注文により購入対象とされた商品の商品情報および当該商品の買上額を少なくとも含む売上登録データを、配送元となる店舗の商品販売データ処理装置における売上登録データのデータフォーマットと同じデータフォーマットへ編集するデータ編集手段と、編集された前記売上登録データを配送元となる店舗のサーバに送信するデータ送信手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットの普及に伴い、オンライン上にて商品の販売を行う形態が増加しつつあり、所謂“ネットスーパー”といった販売形態が利用されている。
【0003】
ところで、ネットスーパーで販売される商品は、スーパー等の実際の店舗から供給されるため、当該店舗で直接販売された商品の売上と実質同様となる。そのため、ネットスーパーでの売上は、店舗での通常の売上と同様にPOS(Point Of Sales:販売時点管理)端末にて売上処理が行われることが一般的であるが、商品配送用の配送伝票の出力等の固有の処理を要するため、ネットスーパー専用の端末にて必要な処理が行われた後、任意のタイミング(例えば、会員が注文した商品の配達後)で売上登録処理が行われている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したような処理方法では、商品の配達後に店舗に戻ってから配送伝票を基にネットスーパー専用のPOS端末にて売上登録処理を行ってジャーナルを作成することになるため、手間がかかるとともに、手入力のために店員への負担が大きくなり入力間違いが発生するケースも生じる、という問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の情報処理装置は、ネットワークを介して接続された端末から商品購入の注文を受け付ける注文受付手段と、各商品に設定された単価に基づいて、前記注文により購入対象とされた商品の買上額を算出する買上額算出手段と、前記注文により購入対象とされた商品の商品情報および当該商品の買上額を少なくとも含む明細データが記述された明細票を生成する明細票生成手段と、前記明細票に記述される明細データをジャーナルデータとして生成するジャーナルデータ生成手段と、前記ジャーナルデータを配送元となる店舗のサーバに送信するデータ送信手段と、を備える。
【0006】
実施形態のプログラムは、コンピュータに、ネットワークを介して接続された端末から商品購入の注文を受け付ける注文受付手段と、各商品に設定された単価に基づいて、前記注文により購入対象とされた商品の買上額を算出する買上額算出手段と、前記注文により購入対象とされた商品の商品情報および当該商品の買上額を少なくとも含む明細データが記述された明細票を生成する明細票生成手段と、前記明細票に記述される明細データをジャーナルデータとして生成するジャーナルデータ生成手段と、前記ジャーナルデータを配送元となる店舗のサーバに送信するデータ送信手段と、を実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、実施形態に係るネットスーパーシステムの全体構成を概略的に示したシステム構成図である。
【図2】図2は、POS端末の構成を概略的に示した外観斜視図である。
【図3】図3は、POS端末の電装系の構成を示したブロック図である。
【図4】図4は、店舗サーバの電装系の構成を示したブロック図である。
【図5】図5は、ネットスーパーサーバの電装系の構成を示したブロック図である。
【図6】図6は、本部サーバの電装系の構成を示したブロック図である。
【図7】図7は、ネットスーパーサーバの機能構成を示すブロック図である。
【図8】図8は、ネットスーパーサーバが実行する注文受付処理の手順を示したフローチャートである。
【図9】図9は、伝票生成処理の手順を示したフローチャートである。
【図10】図10は、会員コードの一例を示した図である。
【図11】図11は、ポイントコードの一例を示した図である。
【図12】図12は、配送伝票の一例を示した図である。
【図13】図13は、注文確認メールの一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、実施形態に係る情報処理装置及びプログラムの実施形態を詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0009】
図1は、ネットスーパーシステム1の全体構成を概略的に示したシステム構成図である。同図に示したように、ネットスーパーシステム1は、商品販売データ処理装置としての複数台のPOS(Point Of Sales:販売時点管理)端末2および各POS端末2をLAN3によって接続して集中管理する店舗サーバ4で構成されるPOSシステム7と、ネットスーパーサービスを提供する情報処理装置としてのネットスーパーサーバ6と、専用回線8を介して店舗サーバ4を接続する本部サーバ9と、を備えている。ネットスーパーサーバ6は、店舗サーバ4に専用回線8によって接続されていて、インターネット5を介して顧客端末10から接続可能である。
【0010】
POS端末2は、ユニークなレジナンバーを割り振られており、精算場所に配設されてキャッシャが売上処理を行うための端末であり、図2に示すような構成とされている。ここで、図2はPOS端末2の構成を概略的に示した外観斜視図である。POS端末2には、本体201の上面側にキーボード202が設けられており、本体201の下部側にドロワ203が引出自在に設けられており、本体201の奥側に表示器204が設けられている。さらに、POS端末2には、磁気カードである会員カードの挿入を受け付けてその会員カードとの間でデータの授受を行うカードリーダ/ライタ205、商品コードや後述するポイントコードを光学的に読み取るためのコードスキャナ206等が接続されている。
【0011】
このようなPOS端末2の電装系は図3に示すように構成されている。ここで、図3はPOS端末2の電装系の構成を示したブロック図である。POS端末2は、CPU(Central Processing Unit)、当該CPUとの協働により後述する売上処理等を実行するための各種制御プログラムを格納するROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等で構成されるコンピュータ構成の制御部21を備え、バス22を介して接続された通信インタフェース23から、LAN3を介して店舗サーバ4との間で相互にオンライン通信を実行し得るように構成されている。
【0012】
また、制御部21には、バス22及びI/O機器制御部24を介して、前述したキーボード202、表示器204、カードリーダ/ライタ205、コードスキャナ206が接続されており、さらに、レシート/ジャーナルプリンタであるプリンタ25が接続されている。このプリンタ25は、売上処理に伴いレシート用紙及びジャーナル用紙への印刷を行うプリンタであって、本体201の内部又は本体201の外部に設けられている。
【0013】
次に、店舗サーバ4について説明する。店舗サーバ4は、POSシステム7全体の制御を受け持ち、その電装系は、例えば図4に示すような構成とされている。ここで、図4は店舗サーバ4の電装系の構成を示したブロック図である。店舗サーバ4は、CPU、ROM、RAM等で構成されるコンピュータ構成の制御部41と、バス42を介して接続された通信インタフェース431から、LAN3を介して複数台のPOS端末2との間で相互にオンライン通信を実行し得るように構成されている。さらに、バス42を介して接続された通信インタフェース432から、専用回線8を介して本部サーバ9やネットスーパーサーバ6との間で相互にオンライン通信を実行し得るように構成されている。また、制御部41にはバス42及びI/O機器制御部44を介して、キーボード45、表示器46、プリンタ47及びハードディスクドライブ装置(以下、HDDという)48が接続されている。
【0014】
HDD48には、制御部41のCPUを動作させる各種制御プログラムの他、商品マスタファイルF1、店舗売上ファイルF2、ジャーナルファイルF6等が格納されている。商品マスタファイルF1は商品コードに対応付けて商品名や単価等の商品情報を記憶するファイルであって、店舗売上ファイルF2は各POS端末2から送信される売上登録データを記憶するファイルである。また、ジャーナルファイルF6は、各POS端末2やネットスーパーサーバ6における電子ジャーナルを記憶するファイルである。
【0015】
ここで、POSシステム7の店舗にて商品が購入された場合の、POS端末2と店舗サーバ4とで行われる売上処理の動作について説明する。例えば、商品に付された商品コードがPOS端末2のコードスキャナ206によって読み取られると、POS端末2は読み取った商品コードを店舗サーバ4に問い合わせを行う。一方、店舗サーバ4では、POS端末2からの問い合わせに応じて商品マスタファイルF1を検索し、該当する商品コードに対応した商品情報を読み出してPOS端末2へ送信する。
【0016】
また、POS端末2では、店舗サーバ4からの商品名や単価等を受信し、問い合わせした商品コード及び受信した用品名や単価等に基づいて部門別登録や表示器204への表示、またプリンタ25により印字処理を行い、さらに売上登録したデータを店舗サーバ4へ送信する。そして、POS端末2からレジナンバーを付された売上登録データを受け付けた店舗サーバ4では、この売上登録データを店舗売上ファイルF2に累計する。このように、店舗売上ファイルF2に累計された売上登録データは、所定のタイミングで本部サーバ9に送信される。なお、ネットスーパーサーバ6によるネットスーパーでの売上分の売上処理については後述する。
【0017】
次に、本実施形態の情報処理装置であるネットスーパーサーバ6について説明する。ネットスーパーサーバ6は、所謂“ネットスーパー”といった販売管理システムを実現するためのサーバ装置であって、商品販売のためのWebサイトをインターネット5上に公開し、顧客端末10からの商品購入の注文を受け付ける。また、ネットスーパーサーバ6は、注文された商品を配送するための配送伝票を、後述するプリンタ67を用いて出力(印字)する。
【0018】
ネットスーパーサーバ6の電装系は、例えば図5に示すような構成とされている。ここで、図5は、ネットスーパーサーバ6の電装系の構成を示したブロック図である。ネットスーパーサーバ6は、CPU、ROM、RAM等で構成されるコンピュータ構成の制御部61と、バス62を介して接続された通信インタフェース631から、専用回線8を介して店舗サーバ4との間で相互にオンライン通信を実行し得るように構成されている。さらに、バス62を介して接続された通信インタフェース632から、インターネット5を介して顧客端末10との間で相互にオンライン通信を実行し得るように構成されている。また、制御部61にはバス62及びI/O機器制御部64を介して、キーボード65、表示器66、プリンタ67及びハードディスクドライブ装置(以下、HDDという)68が接続されている。
【0019】
HDD68には、制御部61のCPUとの協働により、ネットスーパーサーバ6をネットスーパーの受注システムとして動作させるための各種プログラム(例えば、Webアプリケーション、データベースプログラム等)の他、後述する注文受付処理、伝票印字処理、売上登録データ作成処理、ジャーナルデータ作成処理を実行するための制御プログラムが格納されている。なお、プリンタ67は、ネットスーパーサーバ6に内蔵する形態としてもよいし、ネットスーパーサーバ6の外部に設ける形態としてもよい。
【0020】
ここで、ネットスーパーサーバ6が提供するネットスーパーサービスについて説明する。ネットスーパーサーバ6(制御部61)は、POSシステム7の店舗が備える商品のうち、ネットスーパーで販売の対象となる商品の商品名や単価等の商品情報を店舗サーバ4から取得し、これらの商品情報を掲載した商品注文のためのWebサイトをインターネット5上に公開する。なお、Webサイトのレイアウトや商品注文に係る機構は特に問わないものとするが、各顧客を識別するため会員番号を入力する機構(例えば、ユーザ認証等)が予め設けられているものとする。
【0021】
ネットスーパーサーバ6(制御部61)は、インターネット5上に公開したWebサイトを介して顧客(顧客端末10)から商品購入の注文を受け付けると、これら商品の購入金額に応じたポイント数、商品情報及び数量等を記録した配送伝票を、プリンタ67を用いて発行する。そして、POSシステム7の店舗では、この配送伝票に記録された商品名及び数量に従い、注文を受け付けた商品を店舗から顧客宅へと図示しない配送機関を用いて配送する。このように、ネットスーパーで販売される商品は、その商品の供給元となる実際の店舗から顧客宅へと配送されることになる。そのため、本実施形態では、ネットスーパーサーバ6が出力する配送伝票に注文受付時、即ち商品販売当時の販売価格と、この売上金額に応じたポイント数とを記録するとともに、後述する売上処理時において店舗での販売実績と同様に取り扱えるよう取り計らったユニークなレジナンバーが割り振られた売上登録データを生成する。
【0022】
次に、本部サーバ9について説明する。本部サーバ9の電装系は、例えば、図6に示すような構成とされている。ここで、図6は本部サーバ9の電装系の構成を示したブロック図である。本部サーバ9は、CPU、ROM、RAM等で構成されるコンピュータ構成の制御部91を備え、バス92を介して接続された通信インタフェース93から、専用回線8を介して店舗サーバ4との間で相互にオンライン通信を実行し得るように構成されている。また、制御部91にはバス92及びI/O機器制御部94を介して、キーボード95、表示器96、プリンタ97及びハードディスクドライブ装置(以下、HDDという)98が接続されている。
【0023】
HDD98には、制御部91のCPUを動作させる制御プログラムの他、チェーン売上ファイルF3、会員マスタファイルF4、会員実績ファイルF5等が格納されている。
【0024】
チェーン売上ファイルF3は、各店舗の店舗サーバから送信される売上登録データを記憶するファイルである。会員マスタファイルF4は、会員情報(顧客名称、性別、誕生日、住所、電話番号等)を会員顧客毎に記憶するファイルである。会員実績ファイルF5は、買上実績情報を会員顧客毎に記憶するファイルである。買上実績情報は、チェーン売上ファイルF3等に基づいて所定のタイミングで累積更新される。
【0025】
以下、ネットスーパーシステム1におけるネットスーパーにおいて商品が販売された際の動作について説明する。
【0026】
ネットスーパーサーバ6は、情報処理装置としての機能を実現させるために、注文受付処理、伝票印字処理、売上登録データ作成処理、ジャーナルデータ作成処理等を実行するための制御プログラムをHDD68に実装している。この制御プログラムが起動すると、制御部61のCPUは、図7に示すように注文受付手段611と買上額算出手段612と明細票生成手段613とジャーナルデータ生成手段614とデータ送信手段615とデータ編集手段616として機能し、図8〜図9のフローチャートに示す手順で各部を制御する。
【0027】
まず、図8を参照して、ネットスーパーサーバ6がインターネット5に公開するWebサイトを介して、顧客(顧客端末10)から商品購入の注文を受けた際の動作について説明する。ここで、図8は、商品購入の注文を受けた際に実行される注文受付処理の手順を示したフローチャートである。なお、本処理の前提として、ネットスーパーでの販売対象となる商品の商品情報(例えば、商品名称や単価等)を掲載したWebサイトが、インターネット5上に予め公開されているものとする。
【0028】
制御部61は、インターネット5上に公開したWebサイトに顧客端末10からアクセスが行われるまで待機する(ステップS10;No、ステップS11;No)。ここで、制御部61は、Webサイトへのアクセスを顧客端末10から受け付けると(ステップS10;Yes)、会員番号の入力を促す画面を表示し、会員番号の入力が行われるまで待機する(ステップS12;No)。
【0029】
ステップS12において、顧客端末10から会員番号の入力を受け付けると(ステップS12;Yes)、制御部61は、この会員番号に対応する会員情報を、店舗サーバ4を介して本部サーバ9の会員マスタファイルF4から取得する(ステップS13)。
【0030】
本部サーバ9の会員マスタファイルF4から取得する会員情報には、配送元となる店舗情報も含まれる。なお、店舗情報の取得方法はこれに限るものではなく、顧客(顧客端末10)のIPアドレスやドメイン名から検索用データベース等を用いて顧客の所在地を検索し、顧客の所在地に最も近い店舗を配送元の店舗としても良い。
【0031】
また、制御部61は、Webサイトを介して顧客端末10から購入の対象となる商品の選択を受け付け、その後会計を行う旨の指示を受け付けると(ステップS14;Yes:注文受付手段611)、購入対象とされた商品の商品情報に基づき、当該商品の買上額(売上額)を算出するとともに、この買上額(売上額)に応じたポイント数を算出する(ステップS15:買上額算出手段612)。そして、制御部61は、ステップS15で算出した売上額及びポイント数と、購入対象となった商品の一覧とを表したWebページを顧客端末10に提供することで、購入手続きの完了を顧客に通知する(ステップS16)。
【0032】
さらに、制御部61は、顧客端末10から注文を受け付けた商品の配送に係る配送伝票生成のための伝票生成処理を実行する(ステップS17:明細票生成手段613)。以下、図9を参照して、ステップS17の伝票生成処理について説明する。
【0033】
図9は、伝票生成処理の手順を示したフローチャートである。まず、制御部61は、ステップS12で受け付けた会員番号を表すコード(以下、「会員コード」という)を生成するとともに(ステップS171)、ステップS15で算出したポイント数を表すコード(以下、「ポイントコード」という)を生成する(ステップS172)。
【0034】
図10は、会員コードの一例を示した図である、また、図11は、ポイントコードの一例を示した図である。なお、図10及び図11では、そのコード体系を18桁のバーコードとした例を示している。
【0035】
図10に示したように、会員コードは、13桁の第1コード領域C11と、5桁の第2コード領域C12とから構成されており、これら第1コード領域C11及び第2コード領域C12の計18桁のコード領域を用いて一の顧客の会員番号が表される。また、第1コード領域と第2コード領域との間に存在するコード(F)は、フラグ情報であって、このバーコードが会員コードであること、即ちネットスーパーによる販売時に入力された会員番号であることを示す値が入力される。なお、本実施形態では、会員コードに設けられるフラグ情報を“5”とするが、この値に限定されないものとする。また、第1エリアと第2エリアとを構成するコード数の割合は、これに限定されないものとする。
【0036】
一方、図11に示したように、ポイントコードは、会員コードと同様に13桁の第1コード領域C21と、5桁の第2コード領域C22とから構成されている。ここで、第1コード領域C21は固定部分となっており、第2コード領域C22を用いてポイント数が表される。また、第1コード領域C21と第2コード領域C22との間に存在するコード(F)は、フラグ情報であって、このバーコードがポイントコードであること、即ちネットスーパーでの販売により付与されたポイントであることを示す値が入力される。なお、本実施形態では、ポイントコードに設けられるフラグ情報を“6”とするが、他のコードのフラグ情報と異なる値であれば、この値に限定されないものとする。また、第1エリアと第2エリアとを構成するコード数の割合は、これに限定されないものとする。
【0037】
図9に戻り、制御部61は、ステップS14で購入対象とされた各商品について、その商品コード(国コード、メーカーコード、商品アイテムコード)と、購入時点での商品単価を表す単価コードとを含んだコード(以下、「購入時コード」という)を生成する(ステップS173)。ここで、商品コードとは、POSシステムで一般に用いられるJANコードに含まれる国コード、メーカーコード及び商品アイテムコードの組を意味する。
【0038】
本実施形態では、購入時コードも上記した会員コード及びポイントコードと同様に、第1コード領域と第2コード領域とから構成される18桁のバーコードを用いて表すものとする。具体的には、13桁の第1コード領域を用いて商品コードを表し、第2コード領域を用いて単価コードを表す。購入時コードに含まれるフラグ情報は、他のコードとは異なる値とするが、本実施形態では例えば“4”を用いるものとする。なお、購入時コードに設けられるフラグ情報は、売上処理時において、当該購入時コードに含まれる商品コードが表す商品の単価として、単価コードが表す単価を用いることを指示する指示情報として機能する。
【0039】
続いて、制御部61は、ステップS13で取得した会員情報、ステップS14で受け付けた購入対象の各商品の商品情報、ステップS171〜S173で生成した各コード等に基づく売上登録データを所定のフォーマットに入力して明細票である配送伝票を生成した後(ステップS174)、生成した配送伝票をプリンタ67を用いて出力する(ステップS18)。なお、本処理では、アクセス直後に会員番号の入力を受け付ける形態としたが、これに限らず、ステップS17の処理の前であれば、会計時等に会員番号の入力を受け付ける形態としてもよい。
【0040】
図12は、ステップS174の処理で生成されてステップS18の処理で出力された配送伝票の一例を示した図である。ここで、領域A1は、配送先となる顧客の会員情報が入力される領域である。図12の例では、ステップS13で取得された会員情報のうち、領域A11に顧客の氏名が、領域A12に顧客の電話番号が、領域A13に配送先となる顧客の住所が入力されている。なお、商品注文時において、顧客から配送先の住所や電話番号が別途指定された場合には、これら指定された情報が対応する領域に入力されるものとする。
【0041】
領域A2は、顧客の会員番号と、今回の注文で付与されたポイント数とが入力される領域である。ここで、領域A21には会員番号とポイント数とが平文で入力されており、領域A22には会員番号及びポイント数の各コード、即ちステップS171、S172で生成された会員コードとポイントコードとが入力されている。なお、図12の例では、会員コード及びポイントコードを紙面横方向に並べて配置した形態としているが、これに限らず、紙面縦方向に2段組に配置する形態としてもよい。
【0042】
領域A3は、配送時に必要な配送情報が入力される。図12の例では、配送情報として、配送日を指定する情報、配送時間を指定する情報、決済方法を指定する情報が、領域A31〜A33の夫々に入力されている。これらの配送情報は商品注文時に顧客(顧客端末10)から別途指示されたものである。領域A34には、購入対象となった商品の総額が領収金額として入力される。また、領域A35は配送担当のサインや捺印用に設けられた空欄領域であり、領域A36は顧客の受領サイン又は捺印用に設けられた空欄領域である。
【0043】
領域A4には、購入対象となった各商品の商品名(商品情報)や購入時の単価、数量、小計、合計金額等の明細データが入力される。ここで、領域A41には、購入対象とされた各商品の購入時コードが商品毎に入力されている。
【0044】
なお、このようにして出力された配送伝票は、配送元となる店舗に対して例えばファクシミリなどで送られる。
【0045】
図8に戻り、配送伝票の出力後(ステップS18)、制御部61は、明細票である注文確認メールを顧客に対して送信する(ステップS19)。図13は、ステップS19の処理で送信された注文確認メールMの一例を示した図である。図13に示すように、注文確認メールMには、購入対象とされた商品の商品情報、当該商品の単価、当該商品の購入数、当該商品の買上額(売上額)、売上合計金額などの明細データmが記述されている。
【0046】
次いで、制御部61は、ステップS171〜S173での各コードの生成に用いたデータに基づく売上登録データ(購入対象とされた商品の商品情報、当該商品の単価、当該商品の買上額(売上額)、買上額(売上額)に応じたポイント数、売上合計金額など)を、店舗サーバ4のHDD48の店舗売上ファイルF2に記憶される各POS端末2から送信される売上登録データのデータフォーマットと同じデータフォーマットへ編集(変換)し(ステップS20:データ編集手段616)、ユニークなレジナンバーが割り振られた売上登録データを配送元となる店舗情報に関連付けてHDD68に一時的に記憶する(ステップS21)。すなわち、ネットスーパーサーバ6が仮想的なPOS端末となっており、ネットスーパーサーバ6は店舗側から見るとPOS端末2と同じような位置付けにある。
【0047】
加えて、制御部61は、ステップS171〜S173での各コードの生成に用いられ、配送伝票に記述される明細データ(購入対象とされた商品の商品情報、当該商品の単価、当該商品の買上額(売上額)、買上額(売上額)に応じたポイント数など)を、ジャーナルデータとして生成し(ステップS22:ジャーナルデータ生成手段614)、ユニークなレジナンバーが割り振られたジャーナルデータを配送元となる店舗情報に関連付けてHDD68に一時的に記憶する(ステップS23)。
【0048】
そして、制御部61は、予め定められたデータ送信時間になったと判定すると(ステップS10;No、ステップS11;YES)、HDD68に一時的に記憶されている売上登録データ及びジャーナルデータを関連付けられた店舗情報に応じて配送元となる店舗の店舗サーバ4に送信する(ステップS24:データ送信手段615)。
【0049】
店舗サーバ4は、送信された売上登録データを各POS端末2から送信される売上登録データと同様に店舗売上ファイルF2に記憶する。この場合、ネットスーパーサーバ6から送信された売上登録データは、仮想POS端末の売り上げとして、各POS端末2の売上登録データと同列に扱われる。
【0050】
また、店舗サーバ4は、送信されたジャーナルデータを各POS端末2におけるジャーナルデータと同様にジャーナルファイルF6に記憶する。
【0051】
なお、上記処理により出力されて配送元となる店舗に送信された配送伝票は、店舗内でピックアップされた購入対象の各商品とともに配送担当員へと引き渡され、配送先の顧客宅へと配送される。配送完了後、顧客の受領サイン又は捺印された配送伝票は、POSシステム7の店舗へと返送される。
【0052】
なお、ステップS22では、配送伝票に記述されるデータをジャーナルデータとして生成するようにしたが、これに限るものではない。例えば、図13に示した注文確認メールMに記述される明細データmをジャーナルデータとして生成するようにしても良い。
【0053】
以上のように、本実施形態のネットスーパーサーバ6によれば、注文により購入対象とされた商品の商品情報および当該商品の買上額を少なくとも含む明細データが記述された明細票(配送伝票または注文確認メールM)を生成し、明細票に記述される明細データをジャーナルデータとして生成し、生成したジャーナルデータを配送元となる店舗の店舗サーバ4に送信するようにしたことにより、商品の配達後に店舗に戻ってから配送伝票を基にネットスーパー専用のPOS端末にて売上登録処理を行ってジャーナルを作成することなく、ネットスーパーにて売り上げた商品について店員への負担を軽くしつつ正確な電子ジャーナルを作成することができる、という効果を奏するものである。
【0054】
電子ジャーナルは、前提条件として、電子取引における原始記録であることが必要であり、取引の時に交わされた情報そのものである必要がある。また、電子取引情報の保存の要件としては、下記の要件が必要である。
・可視性/検索機能の確保(取引情報を整然とした形式で明瞭な状態で出力し、整理してある)
・確定情報の保存(取引情報のやり取りの過程を全て残す必要はなく、最終的な確定情報のみを保存すれば良い)
・データ編集可能(電子取引を合理的な方法で編集することが可能(ただし、電子取引で送受信したデータを管理しやすいようにまとめたりする程度))
【0055】
この点、本実施形態においては、取引に関して受領し、または交付する配送伝票または注文確認メールMに記述される最終的に確定した明細データが対象となっており、電子取引における原始記録であって取引の時に交わされた情報そのものである。また、本実施形態においては、明細データを各種のデータフォーマットへ編集(変換)することなく、電子取引を行った相手方と送受信したデータそのものをジャーナルデータとして生成している。
【0056】
また、本実施形態のネットスーパーサーバ6によれば、注文により購入対象とされた商品の商品情報および当該商品の買上額を少なくとも含む売上登録データを、配送元となる店舗のPOS端末2における売上登録データのデータフォーマットと同じデータフォーマットへ編集し、編集された売上登録データを配送元となる店舗の店舗サーバ4に送信するようにしたことにより、商品の配達後に店舗に戻ってから配送伝票を基にネットスーパー専用のPOS端末にて売上登録処理を行うことなく、店員への負担を軽くしつつ正確に店舗のPOS端末2の売上とネットスーパーでの売上とを合算処理することができる、という効果を奏するものである。
【0057】
なお、店舗サーバ4が専用回線8でネットスーパーサーバ6と接続されていない店舗においては、配送完了後の任意のタイミングで、顧客の受領サイン又は捺印された配送伝票に記録されたコードをコードスキャナ206により読み取ることでPOS端末2による売上処理にかけられる。
【0058】
以上、発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲での種々の変更、置換、追加等が可能である。
【0059】
上記実施形態では、会員コード、ポイントコード及び購入時コードをバーコードとしたが、これに限らず、例えば、POS端末2のリーダ/ライタ205で読み取り可能な他のバーコードやQRコード等の2次元コードとする形態としてもよい。
【0060】
また、上記実施形態では、店舗サーバ4が商品マスタファイルF1及び店舗売上ファイルF2を統括的に管理する形態としたが、これに限らず、例えば、各POS端末2が個別に商品マスタファイルF1及び店舗売上ファイルF2を保持し、所定のタイミングで、店舗サーバ4が管理する商品マスタファイルF1及び店舗売上ファイルF2にデータの統合を行う形態としてもよい。
【0061】
また、上記実施形態では、配送伝票に各コードを記録(印字)する形態としたが、これに限らず、購入対象となった商品の明細伝票や、他の伝票等に印字する形態としてもよい。
【0062】
なお、上記実施形態のネットスーパーサーバ6で実行されるプログラムは、各装置が備える記録媒体に予め組み込んで提供するものとするが、これに限らず、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。さらに、記録媒体は、コンピュータ或いは組み込みシステムと独立した媒体に限らず、LANやインターネット等により伝達されたプログラムをダウンロードして記憶又は一時記憶した記録媒体も含まれる。
【0063】
また、上記実施形態のネットスーパーサーバ6で実行されるプログラムをインターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよく、インターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0064】
2 商品販売データ処理装置
4 店舗のサーバ
5 ネットワーク
6 情報処理装置
10 端末
61 コンピュータ
611 注文受付手段
612 買上額算出手段
613 明細票生成手段
614 ジャーナルデータ生成手段
615 データ送信手段
616 データ編集手段
【先行技術文献】
【特許文献】
【0065】
【特許文献1】特許第3854461号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して接続された端末から商品購入の注文を受け付ける注文受付手段と、
各商品に設定された単価に基づいて、前記注文により購入対象とされた商品の買上額を算出する買上額算出手段と、
前記注文により購入対象とされた商品の商品情報および当該商品の買上額を少なくとも含む明細データが記述された明細票を生成する明細票生成手段と、
前記明細票に記述される明細データをジャーナルデータとして生成するジャーナルデータ生成手段と、
前記ジャーナルデータを配送元となる店舗のサーバに送信するデータ送信手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記明細票生成手段が生成する前記明細票は、前記配送元となる店舗に対して発行される配送伝票である、
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記明細票生成手段が生成する前記明細票は、前記注文した顧客に対して送信される注文確認メールである、
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項4】
コンピュータに、
ネットワークを介して接続された端末から商品購入の注文を受け付ける注文受付手段と、
各商品に設定された単価に基づいて、前記注文により購入対象とされた商品の買上額を算出する買上額算出手段と、
前記注文により購入対象とされた商品の商品情報および当該商品の買上額を少なくとも含む明細データが記述された明細票を生成する明細票生成手段と、
前記明細票に記述される明細データをジャーナルデータとして生成するジャーナルデータ生成手段と、
前記ジャーナルデータを配送元となる店舗のサーバに送信するデータ送信手段と、
を実行させるプログラム。
【請求項5】
前記明細票生成手段が生成する前記明細票は、前記配送元となる店舗に対して発行される配送伝票である、
請求項4記載のプログラム。
【請求項6】
前記明細票生成手段が生成する前記明細票は、前記注文した顧客に対して送信される注文確認メールである、
請求項4記載のプログラム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−54581(P2013−54581A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−193113(P2011−193113)
【出願日】平成23年9月5日(2011.9.5)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)