説明

情報処理装置及び制御プログラム

【課題】 本発明によれば、複数の消耗部材を備える情報処理装置において、ユーザに効率的な消耗部材の利用を促すことができる
【解決手段】 本発明複数の消耗部材を備える情報処理装置に関する。そして、情報処理装置は、それぞれの消耗部材に対して、消耗部材の状態を表示する表示部が配置されており、それぞれの消耗部材の消費量及び又は残量を管理する手段と、管理されているそれぞれの消耗部材の消費量及び又は残量に基づいて、それぞれの上記消耗部材の交換の要否を判定する手段と、交換要否判定手段の判定結果に応じて、それぞれの表示部の表示内容を制御する手段とを有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び制御プログラムに関し、例えば、複数の消耗部材(例えば、複数のトナー(トナーカートリッジ))を備えるプリンタ等の画像形成装置に適用し得る。
【背景技術】
【0002】
従来の電子写真式のプリンタ(画像形成装置)では、トナー等の消耗品を効率的に使用できるように、ユーザに適正に交換させるための技術として、特許文献1の記載技術がある。
【0003】
特許文献1の記載技術では、トナーの使用量と残量とを考慮してユーザに交換時期を報知するための情報を出力している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−17724号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術では、複数色のトナーを備えたカラープリンタに適用した場合、交換すべきトナー(残量の少なくなっているトナー)が一つでも発生すると、ユーザ(例えば、エンドユーザや保守作業員等)が、間違えて交換の必要無いトナー(例えば、まだ十分に残量(寿命)があるトナー)についてまで交換してしまうおそれがあった。また、従来のカラープリンタでは、交換すべきトナーを交換するついでに、交換の必要の無いトナーまで交換してしまうおそれがあった。
【0006】
特に、印刷枚数等で課金する従量課金方式を適用した従来のカラープリンタでは、保守員が訪問点検の際に、「来たついでに」という理由で交換の必要のないトナーを新品に交換してしまうといった不都合があった。
【0007】
そのため、複数の消耗部材(例えば、トナー等)を備える情報処理装置(例えば、プリンタ等の画像形成装置)において、ユーザ(例えば、エンドユーザや保守作業員等)に効率的な消耗部材の利用を促すことができる情報処理装置及び制御プログラムが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の本発明は、複数の着脱可能な消耗部材を備える情報処理装置において、(1)それぞれの上記消耗部材に対して、上記消耗部材の状態を表示する表示部が配置されており、(2)それぞれの上記消耗部材の消費量及び又は残量を管理する消耗部材管理手段と、(3)上記消耗部材管理手段で管理されているそれぞれの上記消耗部材の消費量及び又は残量に基づいて、それぞれの上記消耗部材の交換の要否を判定する交換要否判定手段と、(4)上記交換要否判定手段の判定結果に応じて、それぞれの上記表示部の表示内容を制御する表示制御手段とを有することを特徴とする。
【0009】
第2の本発明は、複数の着脱可能な消耗部材を備える情報処理装置において、(1)それぞれの上記消耗部材の消費量及び又は残量を管理する消耗部材管理手段と、(2)上記消耗部材管理手段で管理されているそれぞれの上記消耗部材の消費量及び又は残量に基づいて、それぞれの上記消耗部材の交換の要否を判定する交換要否判定手段と、(3)それぞれの上記消耗部材について交換されたことを検知する交換検知手段と、(4)上記交換検知手段により検知された交換に関する交換履歴情報を蓄積する交換履歴情報蓄積手段と、(5)ユーザから認証情報の入力を受付ける認証情報入力手段と、(6)上記認証情報入力部で受付けた認証情報を利用してユーザ認証処理を行う認証処理手段と、(7)上記認証処理部で認証が成功した場合、上記交換履歴情報蓄積手段に蓄積された交換履歴情報の処理を行う交換履歴情報処理手段と、(8)上記交換履歴情報蓄積手段に蓄積されている交換履歴情報のうち、上記交換履歴情報処理手段で未処理の交換履歴情報があった場合、当該情報処理装置の動作を制限する動作制限手段とを有することを特徴とする。
【0010】
第3の本発明の制御プログラムは、(1)複数の着脱可能な消耗部材を備える情報処理装置に搭載されたコンピュータを、(2)それぞれの上記消耗部材の消費量及び又は残量を管理する消耗部材管理手段と、(3)上記消耗部材管理手段で管理されているそれぞれの上記消耗部材の消費量及び又は残量に基づいて、それぞれの上記消耗部材の交換の要否を判定する交換要否判定手段と、(4)それぞれの上記消耗部材について交換されたことを検知する交換検知手段と、(5)上記交換検知手段により検知された交換に関する交換履歴情報を蓄積する交換履歴情報蓄積手段と、(6)ユーザから認証情報の入力を受付ける認証情報入力手段と、(7)上記認証情報入力部で受付けた認証情報を利用してユーザ認証処理を行う認証処理手段と、(8)上記認証処理部で認証が成功した場合、上記交換履歴情報蓄積手段に蓄積された交換履歴情報の処理を行う交換履歴情報処理手段と、(9)上記交換履歴情報蓄積手段に蓄積されている交換履歴情報のうち、上記交換履歴情報処理手段で未処理の交換履歴情報があった場合、当該情報処理装置の動作を制限する動作制限手段として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、複数の消耗部材を備える情報処理装置において、ユーザに効率的な消耗部材の利用を促すことができる
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1の実施形態に係るプリンタの機能的構成について示したブロック図である。
【図2】第1の実施形態に係るプリンタの斜視図である。
【図3】第1の実施形態に係るプリンタで実行されるトナー管理に係る処理の全体について示したフローチャートである。
【図4】第1の実施形態に係るプリンタで実行される初期化処理の詳細について示したフローチャートである。
【図5】第1の実施形態に係るプリンタで実行されるトナーエンド点検処理について示したフローチャートである。
【図6】第1の実施形態の消耗品管理テーブルの内容例について示した説明図である。
【図7】第1の実施形態に係るプリンタで表示出力されるトナー交換要求画面の例について示した説明図である。
【図8】第1の実施形態に係るプリンタの制御部で実行される印刷処理について示したフローチャートである。
【図9】第1の実施形態に係るプリンタで実行されるトナー交換管理処理について示したフローチャートである。
【図10】第2の実施形態に係るプリンタの機能的構成について示したブロック図である。
【図11】第2の実施形態に係るプリンタで実行されるトナー管理に係る処理の全体について示したフローチャートである。
【図12】第2の実施形態に係るプリンタの制御部で実行される印刷処理について示したフローチャートである。
【図13】第2の実施形態に係るプリンタで実行されるトナー交換管理処理について示したフローチャートである。
【図14】第2の実施形態に係るプリンタで実行される保守員認証処理について示したフローチャートである。
【図15】第2の実施形態に係るプリンタで実行されるレポート出力処理について示したフローチャートである。
【図16】第2の実施形態の消耗品管理テーブルの内容例について示した説明図である。
【図17】第2の実施形態の保守員情報格納部に格納される保守員情報管理テーブルの内容例について示した説明図である。
【図18】第2の実施形態のプリンタで表示出力される保守員認証画面の例について示した説明図である。
【図19】第2の実施形態の保守履歴格納部に記録される保守履歴管理テーブルの内容例について示した説明図である。
【図20】第2の実施形態のレポート作成部で生成されるレポートの内容例について示した説明図である。
【図21】第2の実施形態に係るプリンタで表示出力される管理者メニュー画面の例について示した説明図である。
【図22】第2の実施形態に係るプリンタで表示出力されるトナー交換要求画面の例について示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(A)第1の実施形態
以下、本発明による情報処理装置及び制御プログラムの第1の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。なお、第1の実施形態の情報処理装置は、プリンタである。
【0014】
(A−1)第1の実施形態の構成
図1は、この実施形態のプリンタ1の機能的構成を示すブロック図である。
【0015】
プリンタ1は、送受信部110、データ解析部120、印刷画像データ格納部130、操作パネル140、カバースイッチ150、制御部200、画像形成部300、LED制御部410、4つのLED420(420−1〜420−4)、及び4つのTカウンタ430(430−1〜430−4)を備えている。
【0016】
送受信部110は、通信線2を介して、当該プリンタ1をネットワーク等に接続するためのインタフェースである。送受信部110が対応するインタフェースの種類は限定されないものであるが例えば、イーサネット(登録商標)やUSB(Universal Serial Bus)等に対応したインタフェースを適用することができる。送受信部110は、通信線2を介してPC等の上位装置(以下、「ホスト」とも呼ぶ)から印刷ジョブのデータを受信し、データ解析部120に転送する。また、送受信部110は、制御部200から所定のホストに対して送信される制御信号(例えば、消耗品に関する警告情報等)を受信し、これを当該ホスト宛に送信する処理も行う。
【0017】
データ解析部120は送受信部110から印刷ジョブデータを受信し、これを解析して画像データ化し、印刷画像データ格納部130に格納して制御部200に通知する処理を行うものである。そして、印刷画像データ格納部130は、上述の通り、データ解析部120により生成された画像データを格納する記憶手段である。データ解析部120が行う画像データの生成処理については、例えば、既存のプリンタと同様の処理を適用することができるため詳しい説明は省略する。
【0018】
制御部200は、プリンタ1の各構成要素を制御する機能を担っており、消耗品管理テーブル210を有している。消耗品管理テーブル210の詳細については後述する。
【0019】
また、制御部200は、例えば、CPU、ROM、RAM、EEPROM、ハードディスクなどのプログラムの実行構成に、実施形態の制御プログラム等をインストールすることにより構築するようにしても良い。
【0020】
画像形成部300は、4つのプリントユニット310(310−1〜310−4)を有している。それぞれのプリントユニット310は、制御部200から供給された印刷画像データに基づく画像を媒体(印刷用紙)に形成する処理を行う。具体的には、プリントユニット310は、制御部200から供給された印刷画像データを顕画像化して、指定されたサイズの用紙に転写し、熱定着を施して出力する処理等を行う。プリントユニット310−1〜310−4は、ぞれぞれ、シアン(以下「C」とも呼ぶ)、マゼンタ(以下、「M」とも呼ぶ)、イエロー(以下、「Y」とも呼ぶ)、ブラック(以下、「K」とも呼ぶ)のトナー色に対応したプリントユニットとして配置されている。そして、プリントユニット310(310−1〜310−4)は、対応する色のトナー(現像剤)が充填されたトナーカートリッジ(消耗部材)としてのトナー320(320−1〜320−4)を備えている。
【0021】
そして、各トナー320(320−1〜320−4)には、当該トナー320の使用量(消費量)又は残量に係るパラメータを記録する記録媒体としてのRadio Frequency IDentification(以下、「RFID」と呼ぶ)321(321−1〜321−4)が外周(例えば、トナーを充填したボトルの外周)に付けられている。RFID321に記録するパラメータの形式は限定されないものであるが、この実施形態では、当該トナー320の使用量を示すパラメータ(以下、「トナー使用量」とも呼ぶ)として、当該トナー320で、既に印刷出力した印刷ページ数(所定の大きさの印刷用紙の枚数)の単位で表わされるものとして説明する。上述の印刷ページ数は、例えば、所定の大きさの印刷用紙(例えば、A4の印刷用紙)に対して所定の密度で印刷した場合のドット数で換算した値としても良い。例えば、A4の印刷用紙1枚について所定の密度で印刷した場合のドット数の合計値が10000ドットとした場合に、500000[ドット]=50[枚]という換算になる。
【0022】
なお、プリントユニット310及びトナー320(付けられているRFID321を含む)の構成については、既存のカラープリンタと同様のものを適用することができるので詳しい説明を省略する。また、画像形成部300において、配置されるプリントユニット310の数や、対応するトナー320の色の種類の組合せ等については上述の例に限定されないものである。また、トナー320のRFID321に記録されるトナー使用量(又は、トナー残量)に関するパラメータの形式についても、上述の例に限定されないものであり、既存のプリンタやトナーカートリッジにおける種々の構成を適用することができる。
【0023】
そして、プリンタ1の本体側には、それぞれのトナー320−1〜320−4(RFID321−1〜321−4)に対応するTカウンタ430(430−1〜430−4)が備えられている。Tカウンタ430は、制御部200の制御に応じて、対応するRFID321と通信して、当該RFID321に記録されたパラメータ(トナー使用量)を更新する処理を行う。なお、Tカウンタ430は、既存のRFIDが付けられたトナー(トナーカーとジッリ)を搭載するプリンタと同様のものを適用することができるため、詳しい説明は省略する。
【0024】
Tカウンタ430は、制御部200から画像形成部300(各プリントユニット310)に供給される印刷画像データのビデオ信号等から、ドット数を取得し、対応するRFID321と無線通信を行い、当該RFID321に記録されているトナー使用量のパラメータに、取得したドット数を印刷枚数に換算した値を加算する処理を行う。また、Tカウンタ430は、制御部200の制御に応じて、対応するRFID321に記録されたトナー使用量の値を参照して、制御部200に返答する処理も行う。
【0025】
すなわち、制御部200は、各Tカウンタ430を利用して、各トナー320(消費部材)のトナー使用量を管理する消耗部材管理手段としても機能する。
【0026】
カバースイッチ150はプリンタ1のカバー160の開状態及び閉状態を検知して、検知した内容を制御部200に通知する。
【0027】
図2は、プリンタ1において、画像形成部300の斜視図である。図2(a)は、プリンタ1において、画像形成部300を覆うカバー160が、閉状態の場合について示す斜視図である。また、図2(b)は、プリンタ1において、画像形成部300を覆うカバー160が、開状態(以下、「カバーオープン」とも呼ぶ)の場合について示す斜視図である。
【0028】
カバースイッチ150は、例えば、カバー160の開閉に伴ってON又はOFFとなるスイッチとして構成するようにしても良い。プリンタ1では、カバー160の開状態及び閉状態を、カバースイッチ150を用いて検知するものとして説明するが、既存のプリンタで用いられるその他のセンサ(例えば、光学的なセンサ)を適用するようにしても良い。
【0029】
LED420(420−1〜420−4)は、それぞれLED制御部410からの制御により照明(例えば、点灯、滅灯、点滅等)するランプの光源である。LED420−1〜420−4は、それぞれ、トナー320−1〜320−4の状態を示す表示ランプとして機能するものである。すなわち、各LED420は、対応するトナー320のトナー使用量(又は、トナー残量)の状況を表示出力する手段として機能するものである。なお、LED制御部410は、制御部200の一部として構成するようにしても良いし、制御部200とは独立した回路等の半導体装置として構築するようにしても良い。
【0030】
上述の図2に示すように、プリンタ1では、各トナー320を搭載したプリントユニット310が並べて配置されており、それぞれのトナー320(プリントユニット310)の近傍に対応するLED420が配置されている。すなわち、それぞれのLED420は、対応するトナー320(プリントユニット310)の状態を表示する表示部として機能する。例えば、トナー320−1を搭載したプリントユニット310−1の近傍には、LED420−1が配置されている。なお、各LED420の配置位置については、どのプリントユニット310(トナー320)に対応するものであるのか、ユーザが理解しやすい位置であれば限定されないものである。
【0031】
なお、この実施形態では、各トナー320の状態を表示出力する表示部としてLEDランプを用いるものとして説明するが、例えば、小型の液晶ディスプレイや、蛍光ランプ等その他の手段に置き換えるようにしても良い。また、各トナー320の状態を表示出力する表示部は、必ずしも光源を備える必要は無く単に液晶表示(例えば、「1」、「0」等の番号や、「交換要」等のメッセージを表示するようにしても良い)とするようにしても良い。すなわち、各トナー320の状態を表示出力する表示部は、各トナー320の状況をユーザに知らせることができれば、その具体的な方式は限定されないものである。
【0032】
また、この実施形態では、各LED420は、カバー160を開状態としなければ確認することができないように構成されているが、閉状態でも確認できるようにしても良い。例えば、カバー160側で、閉状態となったときに各LED420を覆う部分に貫通孔や導光路(例えば、光ファイバ等)を設けてカバー160が閉状態でも、ユーザが外側から各LED420の状態を確認可能な構成としても良い。
【0033】
操作パネル140は、ユーザとのインタフェースの機能を担っている。操作パネル140で、ユーザとのインタフェースに用いるデバイスの種類は限定されないものであるが、ここでは、ディスプレイ(例えば、液晶ディスプレイ)を用いたタッチパネル画面等のデバイスが用いられるものとする。なお、操作パネル140としては、既存のプリンタ等と同様のものを適用することができるため、詳しい説明を省略する。また、この実施形態の操作パネル140では、タッチパネル画面を用いて、ユーザからの操作の受付や、ユーザへの情報の表示及びユーザからの操作の受付を行うものとして説明するが、ハードウェアキーを用いてユーザからの操作を受付けるようにしても良い。
【0034】
次に、制御部200で管理される消耗品管理テーブル210の内容について説明する。
【0035】
図6は、消耗品管理テーブル210の内容例について示した説明図である。
【0036】
消耗品管理テーブル210では、トナー色(トナー320)ごとに、印刷可能枚数と交換フラグの情報が格納されている。
【0037】
図6では、トナー320−1〜320−4に対応するトナー色を、C、M、Y、Kと表わしている。例えば、トナー320−1に対応するトナー色はCとなる。
【0038】
「印刷可能枚数」の項目は、対応するトナー色のトナー320の印刷可能上限(消費限度)の枚数(以下、「トナーエンド値」とも呼ぶ)を示している。
【0039】
制御部200がトナーエンド値を保持する方法については限定されないものであるが、例えば、予め登録された値を適用するようにしても良いし、各トナー320のRFID321に記憶させておいて、RFID321から読み込むようにしても良い。
【0040】
「交換フラグ」の項目は、対応するトナー色のトナー320について、交換を行う必要があるか否かを管理するためのフラグである。制御部200では、印刷可能枚数等の条件に基づいて、各トナー色(トナー320)について、交換の要否を判定し、交換を行う必要があると判定したトナー色(トナー320)の交換フラグを変更する。この実施形態では、交換を必要とするトナー色(トナー320)の「交換フラグ」を「1」、まだ交換を必要としないトナー色(トナー320)の「交換フラグ」を「0」と表示するものとして説明する。
【0041】
この実施形態では、制御部200は、各トナー色(トナー320)について、トナー使用量が所定のトナーニアエンド値未満になった段階で、当該トナー色(トナー320)の交換フラグを「1」にセットするものとする。そして、制御部200は、各トナー色(トナー320)について、印刷可能枚数がトナーニアエンド値以上となるトナー320に交換された場合に、交換フラグを「0」にセットするものとする。すなわち、制御部200は、各トナー320(消耗部材)について交換の要否を判定する交換要否判定手段としても機能する。
【0042】
制御部200が、トナーニアエンド値を保持する方法については限定されないものであるが、例えば、トナーエンド値に所定の計数k(0<k<1)を乗じて算出して保持するようにしても良い。
【0043】
また、制御部200は、交換フラグが「1」となったトナー色(トナー320)に対応するLED420を点灯させるように、LED制御部410を制御するものとする。そしてその後、点灯させたLED420に対応するトナー320が取り外されたことを検知すると、制御部200は、当該トナー320に対応するLED420を消灯させるように、LED制御部410を制御するものとする。すなわち、プリンタ1では、制御部200とLED制御部410は、各LED420の照明制御を行う表示制御手段として機能する。
【0044】
なお、各LED420の照明制御の内容については、交換の要否(交換フラグの内容)に応じて異なる表示とすることができれば良く、例えば、交換フラグが「1」となったトナー色(トナー320)に対応するLED420を消灯し、交換フラグが「0」となったトナー色(トナー320)に対応するLED420を点灯させるようにしても良い。
【0045】
さらに、制御部200は、LED420を点灯させていないトナー320(すなわち、交換フラグが「1」となっていないトナー320)について取り外されたことを検知すると、当該トナー320に対応するLED420を所定間隔で点滅させるように、LED制御部410を制御するものとする。なお、交換フラグが「1」となっていないトナー320が取り外された場合のLED420に対する照明制御の内容は、交換フラグが「1」の場合の第1の表示内容(上述の例では、点灯)、及び、交換フラグが「0」の場合の第2の表示内容(上述の例では、消灯)のいずれとも異なる第3の表示内容であれば良い。例えば、例えば、LED420に複数の色の光源を備えて、交換フラグが「1」の場合には、第1の色の光源を用いた点灯と行い、交換フラグが「1」となっていないトナー320が取り外された場合には第2の色の光源を用いた点灯を行うようにしても良い。
【0046】
さらにまた、制御部200は、印刷可能枚数がトナーニアエンド値未満となったトナー320が発生した場合や、印刷可能枚数がトナーニアエンド値よりも小さいトナーエンド値未満となったトナー320が発生した場合には、操作パネル140を制御して、所定の内容の画面(詳細については後述する)を出力するものとする。
【0047】
(A−2)第1の実施形態の動作
次に、以上のような構成を有する第1の実施形態のプリンタ1の動作を説明する。
【0048】
図3は、プリンタ1のトナー管理に係る処理(制御部200が行う処理)の全体について示したフローチャートである。
【0049】
プリンタ1は電源投入により、制御部200は初期化処理(S110)を実行する。なお、ステップS110の初期化処理の詳細については後述する。
【0050】
そして、制御部200は、その後電源遮断まで、イベントが発生した場合、そのイベントに応じた処理を実行する(S99)。
【0051】
プリンタ1は、印刷ジョブ受信するイベントが発生した場合には、印刷処理を行なう(S120)。また、プリンタ1は、カバーオープン(カバースイッチ150でカバーオープンを検知)のイベントが発生した場合には、トナー交換管理処理(S180)を実行する。なお、上述のステップS120の印刷処理イベントの処理、及び、上述のステップS180のトナー交換管理処理の詳細については後述する。
【0052】
次に、上述のステップS110の初期化処理(制御部200が行う処理)の詳細について、図4のフローチャートを用いて説明する。
【0053】
プリンタ1に電源が投入されると、制御部200は画像形成部300に命じて、画像形成部300を構成する図示しない定着器の温度を所定まで上昇させる等ウォームアップの処理を行う(S111)。
【0054】
そして、制御部200は、各トナー320−1〜320−4につき、トナー使用量の確認処理等を含むトナーエンド点検処理(S150)を実行して、初期化処理を終了する。
【0055】
次に、上述のステップS150のトナーエンド点検処理について、図5を用いて説明する。
【0056】
トナーエンド点検処理では、制御部200は、消耗品管理テーブル210の内容を、現在搭載されている各トナー色のトナー320の状況に併せて更新する処理等を行う。制御部200は、トナー320−1〜320−4のそれぞれについて、図5に示すトナーエンド点検処理を行う。以下では、トナー色がシアン(C)のトナー320−1について、トナーエンド点検処理を行う場合の例について説明するがのその他のトナー320−2〜320−4についても同様の処理であるため説明を省略する。
【0057】
トナー320−1についてトナーエンド点検処理を開始すると、制御部200は、トナー320−1について、トナーニアエンド値及びトナーエンド値を保持する(S151)。また、制御部200は、保持したトナーニアエンド値に基づいて消耗品管理テーブル210(印刷可能枚数の項目)を更新するようにしても良い。上述の通り、制御部200が各トナー320について、トナーニアエンド値及びトナーエンド値を保持する方法については限定されないものである。
【0058】
次に、制御部200は、Tカウンタ430−1を介して、各トナー320−1に付けられたRFID321−1に記録されたトナー使用量のパラメータ値を取得する(S152)。
【0059】
そして、制御部200は、トナー320−1についてトナー使用量と、トナーエンド値とを比較する(S153)。トナー使用量がトナーエンド値以上の値である場合には、制御部200は、後述するステップS154の処理から動作し、そうでない場合には、制御部200は後述するステップS161の処理から動作する。
【0060】
上述のステップS153でトナー使用量がトナーエンド値以上であった場合には、制御部200は、消耗品管理テーブル210の、トナー320−1に対応する交換フラグ(トナー色が「C」の列の「交換フラグ」の欄)についてONを示す「1」に更新し(S154)、換作パネル510に所定の警報(以下、「トナー交換要求画面」と呼ぶ)を表示する(S155)。なお、トナー交換要求画面の詳細については後述する。
【0061】
また、制御部200は、操作パネル140に、トナー交換要求画面を表示させた場合には、画像形成部300が印刷用紙に印刷中の状態であるか否かを確認し、印刷中であると確認した場合には、トナー交換要求画面と同様の内容の画面を、ジョブ送信元のホスト側(例えば、PC等)に送信して、当該ホストのディスプレイ等に表示させて(S156、S157)、トナー320−1に関するトナーエンド点検処理を終了するものとする。なお、初期化処理中にトナーエンド点検処理が行われる場合には、印刷中にはなり得ないため、ステップS157の処理(ホスト側へのトナー交換要求画面の表示)は行われないことになる。
【0062】
上述のステップS153でトナー使用量がトナーエンド値未満であった場合には、制御部200は、トナー320−1についてトナー使用量と、トナーニアエンド値とを比較する(S161)。トナー使用量がトナーニアエンド値以上の値である場合には、制御部200は後述するステップS162の処理から動作し、そうでない場合には、制御部200は後述するステップS169の処理から動作する。
【0063】
上述のステップS161でトナー使用量がトナーニアエンド値以上であった場合には、制御部200は、消耗品管理テーブル210の、トナー320−1に対応する交換フラグ(トナー色が「C」の列の「交換フラグ」の欄)についてONを示す「1」に更新し(S162)、換作パネル510に所定の警報として、上述のトナー交換要求画面と同様の内容を表示する(S163)。
【0064】
また、制御部200は、操作パネル140に、トナー交換要求画面を表示させた場合には、画像形成部300が印刷用紙に印刷中の状態であるか否かを確認し、印刷中であると確認した場合には、トナー交換要求画面と同様の内容の画面を、ジョブ送信元のホスト側(例えば、PC等)に送信して、当該ホストのディスプレイ等に表示させて(S164、S165)、トナー320−1に関するトナーエンド点検処理を終了するものとする。なお、初期化処理中にトナーエンド点検処理が行われる場合には、印刷中にはなり得ないため、ステップS157の処理(ホスト側へのトナー交換要求画面の表示)は行われないことになる。
【0065】
一方、上述のステップS161でトナー使用量がトナーニアエンド値未満であった場合には、制御部200は、消耗品管理テーブル210の、トナー320−1に対応する交換フラグ(トナー色が「C」の列の「交換フラグ」の欄)についてOFFを示す「0」に更新して(S169)、トナーエンド点検処理を終了するものとする。なお、制御部200は、当該「交換フラグ」が既に「0」となっていた場合には特に更新処理を行わないようにしても良い。
【0066】
図7は、トナー320がトナーエンド又はトナーニアエンドとなった場合に、操作パネル140に表示させるトナー交換要求画面の例について示した説明図である。
【0067】
図7では、トナー色がシアン(C)であるトナー320−1でトナーエンド又はトナーニアエンドを検出した場合に、制御部200が操作パネル140に表示させるトナー交換要求画面について示している。
【0068】
図7に示すトナー交換要求画面では、「トナー(シアン)が印刷可能枚数を過ぎました。トナーカートリッジを交換してください」というメッセージ等を表示している。図7では、トナー色がシアン(C)であるトナー320−1でトナーエンド又はトナーニアエンドを検出した場合の例について示しているが、その他のトナー320でトナーエンド又はトナーニアエンドが発生した場合には、「シアン」の部分の表示を当該トナー320のトナー色(例えば、「マゼンタ」、「イエロー」、「ブラック」等)に変更するようにしても良い。また、同時に複数のトナー320でトナーエンド又はトナーニアエンドを検出した場合には、トナー色の表示の部分に複数色を列記するようにしても良い。例えば、シアンとマゼンタで同時にトナーニアエンドを検出した場合には、「シアン」の部分を、「シアン、マゼンタ」という表示に置き換えるようにしても良い。
【0069】
また、トナー交換要求画面では、「OK」と表示されたボタン(タッチパネル上のソフトウェアボタン)B101が配置されており、ユーザによりボタンB101が押下されると、トナー交換要求画面の表示を終了するものとする。
【0070】
次に、プリンタ1で、上述のステップS120での印刷処理が行われる場合の動作について図8を用いて説明する。
【0071】
印刷ジョブの送信元のホストから、送受信部110が印刷ジョブデータを取得すると(S121)、制御部200はこのデータをデータ解析部120に転送させる(S122)。
【0072】
そして、データ解析部120は前記受信したデータを解析して印刷画像データを作成し、印刷画像データ格納部130に格納して(S124)制御部200に通知する(S125)。
【0073】
そして、制御部200は、印刷画像データ格納部130にデータがある間、画像形成部300(C、M、Y、Kの各トナー色のプリントユニット310−1〜310−4)に対して、後述するステップS126〜128、S150の処理を実行する。
【0074】
まず、制御部200は印刷画像データ格納部130から印刷画像データを画像形成部300に転送するとともに、画像形成部300を構成する各プリントユニット310−1〜310−4を制御して、印刷用紙媒体に画像形成を実行させる(S126)。
【0075】
そして、プリントユニット310−1〜310−4のそれぞれに対応するTカウンタ430−1〜430−4は、制御部200から当該Tカウンタ430に対応するプリントユニット310に供給された画像データに基づいて、今回の画像形成に伴うトナー使用量の加算値(加算量)を計算して取得する(S127)。なお、トナー使用量の加算値を計算する処理については、制御部200側で行って、各Tカウンタ430−1〜430−4に通知するようにしても良い。
【0076】
そして、Tカウンタ430−1〜430−4のそれぞれは、取得したトナー使用量の加算値を、対応するトナー320のRFID321に記録されたトナー使用量のパラメータに加算して更新する処理を行う(S128)。
【0077】
そして、制御部200は、各トナー320のRFID321でトナー使用量の更新が完了すると、各トナー色のトナー320−1〜320−4について、トナーエンド点検処理(上述のS150と同様の処理)を実行する。
【0078】
そして、プリンタ1では、1つの印刷用紙について、全てのトナー色のプリントユニット310−1〜310−4で画像形成が終了すると、当該印刷用紙を印刷済みとして排紙し(S129)、印刷画像データ格納部130にまだ画像データが残っている場合には、上述のステップS126の処理に戻って動作することになる。一方、印刷画像データ格納部130に画像データが残っていない場合には、全ての画像データについて印刷済みであるので制御部200は、当該印刷ジョブに関する印刷処理を終了する。なお、印刷処理中に上述のステップS150のトナーエンド点検処理が行われる場合には、上述のステップS156とS164の判断処理はどちらも「Y」となる。
【0079】
次に、プリンタ1で、上述のステップS180でのトナー交換管理処理が行われる場合の動作について図9を用いて説明する。
【0080】
制御部200は、カバースイッチ150でカバーオープン(カバー160の開状態)を検知すると、トナー交換管理処理を開始し、消耗品管理テーブル210の内容を読み込む(S181)。
【0081】
そして、制御部200は、消耗品管理テーブル210で交換フラグがON(1)になっている、トナー320のそれぞれに対応するLED420を点灯させるように、LED制御部410を制御する処理を行う(S182、S183)。
【0082】
例えば、消耗品管理テーブル210で、トナー色C(シアン)に対応する交換フラグがON(1)になっていた場合には、制御部200は、トナー320−1に対応するLED420−1を点灯させるように、LED制御部410を制御する。
【0083】
そして、制御部200は、カバースイッチ150でカバークローズ(カバー160の閉状態)を検知するまで、後述するステップS184〜S186の処理を行う。
【0084】
制御部200は、画像形成部300からいずれかのトナー320が取り外されたことを検知すると、当該トナー320に対応する消耗品管理テーブル210上の交換フラグがON(1)になっているか否かを確認し、当該トナー320に対応する交換フラグがONでない場合に、当該トナー320に対応するLED420−1を所定の間隔で点滅させるように、LED制御部410を制御する処理を行う(S184〜S186)。
【0085】
例えば、消耗品管理テーブル210上でトナー色M(マゼンタ)の交換フラグがOFFを示す「0」の状態で、トナー色Mに対応するトナー320−2が取り外された場合には、制御部200は、トナー320−2に対応するLED420−2を点滅させるように、LED制御部410を制御することになる。
【0086】
なお、制御部200が、各トナー320の取り外しを検知する方式については限定されないものであるが、既存のプリンタにおける種々の構成を適用することができる。なお、トナーカートリッジとプリントユニット(画像形成部)が一体となっている構成の場合には、制御部200は、トナーカートリッジを備えるプリントユニットの取り外しを検知する必要がある。
【0087】
そして、カバースイッチ150でカバークローズ(カバー160の閉状態)を検知すると、制御部200は、各トナー色のトナー320−1〜320−4について、トナーエンド点検処理(上述のS150と同様の処理)を実行して、トナー交換管理処理の処理を終了する。
【0088】
(A−3)第1の実施形態の効果
第1の実施形態によれば、以下のような効果を奏することができる。
【0089】
プリンタ1では、各トナー320を搭載した各プリントユニット310の近傍にLED420を配置し、トナーエンドまたはトナーニアエンドを検出すると、カバーオープン時に当該トナー320の近傍のLED420を点灯させて、交換の必要があるトナー320をユーザ(例えば、保守員等)にわかりやすく指示することができる。これにより、プリンタ1では、交換の必要のないトナー320を間違って交換してしまうことを防止し、効率的なトナー320の利用をユーザに促すことができる。
【0090】
また、プリンタ1では、トナー使用量がトナーニアエンド未満(すなわち、まだトナーの残量がニアエンドに達していない)トナー320について取り外された場合には、当該トナー320の近傍のLED420を点滅させて、交換の必要がないことをユーザに明確に報知し、効率的なトナー320の利用をユーザに促すことができる。
【0091】
(B)第2の実施形態
以下、本発明による情報処理装置及び制御プログラムの第2の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。なお、第2の実施形態の情報処理装置は、プリンタである。
【0092】
(B−1)第2の実施形態の構成
図9は、第2の実施形態のプリンタ1Aの機能的構成について示したブロック図であり、上述の図1と同一又は対応する部分には、同一又は対応する符号を付している。
【0093】
以下、第2の実施形態について第1の実施形態との差異を中心に説明する。
【0094】
プリンタ1Aでは、制御部200が制御部200Aに置き換わっている点で異なっている。また、制御部200Aでは、消耗品管理テーブル210が消耗品管理テーブル210Aに置き換わっており、さらに、保守員情報格納部220、レポート作成部230、保守員認証部240、及び保守履歴格納部250が追加されている点で第1の実施形態とは異なっている。
【0095】
次に、消耗品管理テーブル210Aについて説明する。
【0096】
図16は、消耗品管理テーブル210Aに記録される情報の内容例について示した説明図である。
【0097】
図16に示す消耗品管理テーブル210Aでは、各トナー色のトナー320の現在のトナー使用量の値を示す項目として、「RFID」という項目が追加されている点で、第1の実施形態と異なっている。例えば、図16では、トナー色「C」に対応するRFIDの項目が「2420」となっているので、トナー色「C」に対応するトナー320−1のRFID321−1に記録されているトナー使用量の値は「2420」となっていることが分かる。
【0098】
次に、保守員情報格納部220及び保守員認証部240について説明する。
【0099】
保守員情報格納部220には、当該プリンタ1Aの保守作業員(例えば、トナー320等の消耗品を交換する作業員)ごとの情報を含む情報(以下、「保守員情報」と呼ぶ)を管理するテーブル(以下、「保守員情報管理テーブル」と呼ぶ)が格納されている。保守員情報管理テーブルに登録される保守員情報は、少なくとも、保守員認証部240の認証処理に必要な情報が含まれているものとする。
【0100】
図17は、保守員情報格納部220に格納される保守員情報管理テーブルの内容例について示した説明図である。
【0101】
図17に示す保守員情報管理テーブルを構成するそれぞれの保守員情報では、保守員認証部240の認証処理に必要な最低限の情報として、保守員ごとの保守員ID(保守員の識別情報)が記録されている。なお、保守員情報管理テーブルでは、保守員ごとの保守員IDと認証用のパスワードや、保守員の氏名等を併せて、保守員情報として記録するようにしても良い。
【0102】
そして、制御部200Aにおいて、保守員認証部240が起動されると、保守員認証部240は、操作パネル140にユーザ(保守員)に認証情報を入力させる画面(以下、「保守員認証画面」と呼ぶ)を表示させ、ユーザ(保守員)に認証情報(保守員ID)を入力させる処理を行う。すなわち、プリンタ1Aにおいて、制御部200Aと操作パネル140は、ユーザ(保守員)に認証情報(保守員ID)を入力させる認証情報入力手段としても機能する。
【0103】
図18は、保守員認証画面の構成例について示した説明図である。
【0104】
図18に示す保守員認証画面では、「保守員IDを入力してください」というメッセージと共に、保守員IDを入力させるためのフィールドF201と、「認証」と表示されたボタンB201が配置されている。
【0105】
ユーザによりフィールドF201に保守員IDが入力され、「認証」と表示されたボタンB201が押下されると、保守員認証部240は、フィールドF201に入力された内容と、保守員情報格納部220の保守員情報管理テーブルの内容とを照合し、一致する情報(保守員ID)が検出できた場合には、認証成功と判定し、一致する情報が検出できない場合には認証失敗と判定するものとする。すなわち、プリンタ1Aにおいて、制御部200Aは、ユーザ(保守員)の認証処理を行う認証処理手段としても機能する。
【0106】
プリンタ1Aにおいて、ユーザ(保守員)に保守員IDを入力させる手段については限定されないものであり、例えば、操作パネル140上でソフトウェアキーを表示して入力させるようにしても良いし、ハードウェアキーを配置して入力させるようにしても良い。
【0107】
次に保守履歴格納部250について説明する。
【0108】
保守履歴格納部250では、消耗品(この実施形態では、トナー320)の保守履歴に関する情報(以下、「保守履歴情報」と呼ぶ)を管理する保守履歴管理テーブルが格納されている。
【0109】
図19は、保守履歴格納部250に記録される保守履歴管理テーブルの内容例について示した説明図である。
【0110】
保守履歴管理テーブルでは、消耗品の交換について1件ごとに保守履歴情報が登録されており、各保守履歴情報は、「トナー色」、「出力可能枚数」、「交換時カウント」、「認証日時」、及び「保守員ID」の項目の情報を有している。すなわち、制御部200Aでは、消耗品(この実施形態ではいずれかのトナー320)が交換される度に、保守履歴情報を一軒追加する処理を行う。
【0111】
「トナー色」の項目は、当該保守履歴情報で交換対象となったトナー320のトナー色を示している。
【0112】
「出力可能枚数」の項目は、当該保守履歴情報で交換対象となったトナー320のトナーニアエンド値(印刷可能枚数)を示している。
【0113】
「交換時カウント」の項目は、当該保守履歴情報で交換対象となったトナー320が交換されたときのRFID321に記録されたトナー使用量の値(消耗品管理テーブルの「RFID」の項目の値)を示している。
【0114】
「認証日時」の項目は、当該保守履歴情報の追加後に、保守員認証部240で認証処理が行われた日時(認証成功した場合の日時)を示している。登録直後の保守履歴情報では、認証日時にダミー情報が入力されるようになっており、その後、保守員認証部240で認証処理が行われると、当該保守履歴情報の認証日時の項目に、その認証が行われた日時が入力される。すなわち、制御部200Aは、認証結果に応じて保守履歴情報(交換履歴情報)を処理する交換履歴情報処理手段としても機能する。ダミー情報の内容は限定されないものであるが、この実施形態では、認証日時のダミー情報として「9999/99/99」というデータが入力されるものとして説明する。この実施形態の保守履歴管理テーブルでは、認証日時の項目をダミー情報とするか否かで、当該保守履歴情報が認証済みであるか否かを管理するようにしているが、その他の方式(たとえば、認証済であるか否かを管理するフラグ情報を追加)により当該当該保守履歴情報が認証済みであるか否かを管理するようにしても良い。
【0115】
「保守員ID」の項目は、当該保守履歴情報の追加後に、保守員認証部240で認証処理が行われた場合(認証成功した場合)に、その認証に使用された認証情報(保守員ID)が入力される。すなわち、登録直後の保守履歴情報では、保守員IDの項目は空になっており、その後、保守員認証部240で認証処理が行われると、その認証処理で用いられた認証情報(保守員ID)が保守員IDの項目に入力される。
【0116】
制御部200Aは、印刷処理を行おうとする際に、保守履歴格納部250の保守履歴管理テーブルを参照し、認証日時がダミー情報となっている保守履歴情報がある場合には、当該印刷処理を中止する処理を行う。言い換えると、制御部200Aは、保守履歴管理テーブルで、認証日時がダミー情報となっている保守履歴情報がある場合には、印刷処理を行わないように構成されているものとする。すなわち、制御部200Aは、保守履歴格納部250の保守履歴管理テーブルの内容に応じて、プリンタ1Aの動作を制限する動作制限手段としても機能する。
【0117】
次に、レポート作成部230について説明する。
【0118】
制御部200Aで、レポート作成部230が起動されると、レポート作成部230は、レポート作成部230の保守履歴管理テーブルに基づいて、当該プリンタ1Aの保守履歴に関するレポート(以下、「保守履歴レポート」と呼ぶ)を出力する。レポート作成部230が保守履歴レポートを出力する手段については限定されないものであるが、この実施形態では、画像形成部300を用いた印刷出力を行うものとする。
【0119】
図20は、レポート作成部230が出力する保守履歴レポートの内容例について示した説明図である。
【0120】
図20に示す保守履歴レポートは、保守履歴管理テーブルの内容をそのまま出力する例について示しているが、保守履歴レポートに含まれる情報の項目は、適宜追加・省略等の加工を行うようにしても良い。
【0121】
(B−2)第2の実施形態の動作
次に、以上のような構成を有する第2の実施形態のプリンタ1Aの動作を説明する。
【0122】
図11は、プリンタ1Aのトナー管理に係る処理(制御部200Aが行う処理)の全体について示したフローチャートである。
【0123】
プリンタ1Aは電源投入により、制御部200Aは初期化処理(S110)を実行する。なお、ステップS110の初期化処理の詳細については、第1の実施形態とほぼ同様の処理であるので詳しい説明は省略する。また、初期化処理(上述のステップS110)等で実行(コール)されるトナーエンド点検処理(上述のステップS150)についても、第1の実施形態とほぼ同様であるので詳しい説明を省略する。第2の実施形態のトナーエンド点検処理(上述のステップS150)では、上述のステップS155、S163等で、操作パネル140に出力させる「トナー交換要求画面」の内容が異なること以外は、第1の実施形態と同様の処理を適用することができる。
【0124】
図22は、第2の実施形態の操作パネル140で表示出力される「トナー交換要求画面」の内容について示した説明図である。
【0125】
第2の実施形態のトナー交換要求画面では、図22に示すように、「交換後は保守員の認証が必要です」というメッセージを出力し、印刷処理を行うには、保守員による認証処理が必要である旨の警報を発している。
【0126】
そして、制御部200Aは、その後電源遮断まで、イベントが発生した場合、そのイベントに応じた処理を実行する(S199)。
【0127】
プリンタ1Aは、印刷ジョブ受信するイベントが発生した場合には、印刷処理を行なう(S210)。また、プリンタ1Aは、カバーオープン(カバースイッチ150でカバーオープンを検知)のイベントが発生した場合には、トナー交換管理処理(S270)を実行する。
【0128】
さらに、プリンタ1Aは、ユーザ操作のイベントが発生した場合(例えば、操作パネル140上で所定のキーが押下された場合)に、その操作内容に応じて、保守員認証処理(S250)や、レポート出力処理(S230)を実行する。
【0129】
プリンタ1Aでは、保守員認証処理(S250)や、レポート出力処理(S230)を開始するためのトリガとなる操作内容については限定されないものである。プリンタ1Aでは、例えば、図21に示すような管理者メニュー画面(操作パネル140に表示される画面)で、「レポート出力」と表示されたボタンB301が押下された場合に、レポート出力処理(S230)を開始するようにしても良い。また、プリンタ1Aでは、図21に示すような管理者メニュー画面で、「保守員認証」と表示されたボタンB302が押下された場合に、保守員認証処理(S250)を開始するようにしても良い。なお、プリンタ1Aで、図21に示すような管理者メニュー画面を表示させるまでの操作については限定されないものであり、既存のプリンタ等におけるメニュー画面処理の構成を適用することができる。
【0130】
次に、プリンタ1Aで、上述のステップS210での印刷処理が行われる場合の動作について図12を用いて説明する。
【0131】
印刷ジョブの送信元のホストから、送受信部110が印刷ジョブデータを取得すると(S211)、制御部200Aはこのデータをデータ解析部120に転送させる(S212)。
【0132】
そして、制御部200Aは、保守履歴格納部250の保守履歴管理データを参照し、認証日時にダミーの値が記録されている保守履歴情報の検索を行う(S213)。
【0133】
そして、上述のステップS213で、保守履歴管理データから、認証日時にダミーの値が記録されている保守履歴情報が検出された場合には、制御部200Aは、後述するステップS214から動作し、そうでない場合には後述するステップS215の処理から動作する。
【0134】
そして、上述のステップS213で、保守履歴管理データから、認証日時にダミー情報が記録されている保守履歴情報が検出された場合には、制御部200Aは、消耗品交換後に保守員の認証がない保守履歴情報が存在するものと判断して、保守員認証部240を起動して保守員認証処理を実行し(S214)、さらに、上述のステップS213の処理に戻って動作する。この場合、制御部200Aで行われる保守員認証処理は、上述のステップS250と同様の処理であり、詳細については後述する。
【0135】
一方、上述のステップS213で、保守履歴管理データから、認証日時にダミー情報が記録されている保守履歴情報が検出されなかった場合には、データ解析部120は前記受信したデータを解析して印刷画像データを作成し、印刷画像データ格納部130に格納して(S215)制御部200Aに通知する(S216)。
【0136】
そして、制御部200Aは、印刷画像データ格納部130にデータがある間、画像形成部300(C、M、Y、Kの各トナー色のプリントユニット310−1〜310−4)に対して、後述するステップS217〜128、S150の処理を実行する。なお、ステップS217〜128の処理は、第1の実施形態のステップS126〜S128の処理と同様であるので詳しい説明を省略する。また、ステップS150のトナーエンド点検処理は、上述と同様であるので詳しい説明を省略する。
【0137】
そして、プリンタ1Aは、1つの印刷用紙について、全てのトナー色のプリントユニット310−1〜310−4で印刷が終了すると、当該印刷用紙を印刷済みとして排紙し(S220)、印刷画像データ格納部130にまだ画像データが残っている場合には、上述のステップS216の処理に戻って動作することになる。
【0138】
次に、プリンタ1Aで、上述のステップS270でのトナー交換管理処理が行われる場合の動作について図13を用いて説明する。
【0139】
制御部200Aは、カバースイッチ150でカバーオープン(カバー160の開状態)を検知すると、トナー交換管理処理を開始し、消耗品管理テーブル210の内容を読み込む(S271)。
【0140】
そして、制御部200Aは、消耗品管理テーブル210で交換フラグがON(1)になっている、トナー320に対応するLED420を点灯させるように、LED制御部410を制御する処理を行う(S272、S273)。
【0141】
また、制御部200Aは、各トナー320のRFID321に記録されたトナー使用量の値をTカウンタ430を介して読取り、読取った値に基づいて、消耗品管理テーブル210AのRFIDの項目の値を更新する(S273−2)。
【0142】
そして、制御部200Aは、カバースイッチ150でカバークローズ(カバー160の閉状態)を検知するまで、後述するステップS274〜S276の処理を行う。なお、ステップS274〜S276の処理は、第1の実施形態のステップS184〜S186の処理と同様であるので詳しい説明を省略する。
【0143】
そして、カバースイッチ150でカバークローズ(カバー160の閉状態)を検知すると、制御部200Aは、それぞれのトナー320−1〜320−4について新品(未使用)であるか否かを確認し(S277)、新品(未使用)と確認されたトナー320についてだけ、後述するステップS278、S279の処理を行う。
【0144】
上述のステップS277で、当該トナートナー320について新品と確認された場合は、制御部200Aは、当該トナー320が交換されたことについて、保守履歴情報を生成して保守履歴格納部250の保守理的管理テーブルに追加登録する(S278)。
【0145】
この場合、制御部200Aは、「トナー色」の項目を当該トナー320のトナー色を示す情報(C、M、Y、Kのいずれか)、「出力可能枚数」の項目を消耗品管理テーブル210Aに記録された交換前のトナー320に関する「印刷可能枚数」の値、「交換時カウント」の項目を消耗品管理テーブル210Aに記録された交換前のトナー320に関する「RFID」の値、認証日時にダミー情報「9999/99/99」、保守員IDを空とする保守履歴情報を生成する。
【0146】
また、制御部200Aが各トナー320について新品か否か確認する方法については限定されないものであるが、例えば、RFID321の記録されたトナー使用量の値に応じて判断するようにしても良い。例えば、RFID321の記録されたトナー使用量の値が0であれば、当該トナー320は新品であることが把握できる。
【0147】
例えば、消耗品管理テーブル210Aの内容が図16に示す内容の状態で、トナー320−1について交換され新品と確認された場合を想定する。この場合、制御部200Aは、図19(一番下の行)に示すように、「トナー色」の項目を「C」、「出力可能枚数」の項目を「2500」、「交換時カウント」の項目を「2420」、認証日時にダミー情報「9999/99/99」、保守員IDを空とする保守履歴情報を生成して追加することになる。
【0148】
そして、制御部200Aは、保守員認証部240を起動し、保守員認証処理を実行する(S279)。この場合、制御部200Aで行われる保守員認証処理は、上述のステップS250と同様の処理であり、詳細については後述する。なお、制御部200Aは、新たに取り付けられたトナー320が新品であるか否かを確認することなく、ステップS278、S279の処理を行うようにしても良い。
【0149】
そして、制御部200Aは、各トナー320−1〜320−4について、トナーエンド点検処理(上述のS150と同様の処理)を実行して、トナー交換管理処理の処理を終了する。
【0150】
次に、プリンタ1Aで、上述のステップS250等での保守員認証処理が行われる場合の動作について図14を用いて説明する。
【0151】
制御部200Aでは、保守員認証処理が開始されると、保守員認証部240が起動される。そして保守員認証部240は、操作パネル140に保守員認証画面(ユーザに対して認証処理を要求する画面、上述の図18参照)を出力させ、ユーザ(保守員)から認証情報(保守員ID)を入力させ、入力された認証情報(保守員ID)を取得する(S251)。
【0152】
そして、保守員認証部240は、保守員情報格納部220に登録された情報を参照し(S252)、入力された認証情報(保守員ID)と合致するものの有無を確認する(S253)。
【0153】
そして、上述のステップS252で、保守員情報格納部220から合致する情報を検出した場合には、保守員認証部240は、認証成功と判断する。そして、認証成功の場合、制御部200Aは、保守履歴格納部250で、「認証日時」の項目がダミー情報(9999/99/99)となっている保守履歴情報について現在の日時に更新し、さらに当該保守履歴情報の「保守員ID」の項目の情報を、認証に用いられた保守員IDに更新する処理を行い(S255)、保守員認証処理を終了する。
【0154】
一方、上述のステップS252で、保守員情報格納部220から合致する情報が検出できなかった場合には、保守員認証部240は、認証失敗と判断する。そして、制御部200Aは、保守員認証処理を終了する。なお、この場合、再度上述のステップS251から動作して、認証処理をリトライ(所定回数を限度としても良い)するようにしても良い。
【0155】
次に、プリンタ1Aで、上述のステップS230でのレポート出力処理が行われる場合の動作について図15を用いて説明する。
【0156】
レポート出力処理が開始すると、制御部200Aは、保守履歴格納部250の情報を富みこんで(S231)、レポートを作成(例えば、図20に示すような内容の画像データを生成)する(S232)。
【0157】
そして、制御部200Aは、作成したレポートの画像データを、印刷画像データ格納部130に格納して、画像形成部300に印刷用紙への印刷処理を実行させ(S233)、レレポート出力処理を終了する。
【0158】
(B−3)第2の実施形態の効果
第2の実施形態によれば、第1の実施形態の効果に加え、以下のような効果を奏することができる。
【0159】
プリンタ1Aでは、消耗部材(トナー320)を交換した保守員の保守員IDを保守履歴格納部250に記録し、必要に応じてレポート出力を可能としている。これにより、プリンタ1Aでは、消耗品の交換が適切に行われているかどうかを記録・確認できるとともに、保守員は自身の作業履歴が残ることから、保守員に対し、より注意して確実なメンテナンス作業を心がけるよう促すことができる。言い換えると、プリンタ1Aでは、保守履歴格納部250に保守履歴情報を蓄積記録することにより、保守員の交換作業を監視することができ、結果として、保守員に対しては効率的に消耗品(トナー320)を交換することを促すことができる。
【0160】
また、プリンタ1Aでは、消耗品交換後に交換を行った保守員の認証を行うまでは、画像形成処理を実行しないため、消耗品(トナー320)を交換した担当者を確実に記録(監視)できる。
【0161】
(C)他の実施形態
本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、以下に例示するような変形実施形態も挙げることができる。
【0162】
(C−1)上記の各実施形態では、本発明の情報処理装置をプリンタに適用する例について示したが、本発明の情報処理装置は、その他の消耗部材を複数備える画像形成装置に適用することができる。例えば、上記の各実施形態のプリンタでは、現像剤としてトナーを用いているが、インク液等他の現像剤を用いるようにしても良い。また、上記の各実施形態では本発明をプリンタに適用する例について説明したが、その他の画像形成装置(例えば、複合機(MFP)、FAX、コピー機等)に適用するようにしても良い。
【0163】
また、上記の各実施形態では、本発明の情報処理装置をプリンタに適用する例について示したが、本発明の情報処理装置は、その他の消耗部材を複数備える情報処理装置に適用することができる。例えば、複数のハードディスクドライブ(HDD)を備えるストレージ装置(例えば、RAID構成等のN+1構成で構築されたストレージ装置)に本発明の情報処理装置を適用するようにしても良い。機械的な回転動作を伴うHDDは、所定以上の動作(データの読み込みや書込み等)を繰り返すと磨耗等により故障する場合がある。N+1構成で構築されたストレージ装置では、故障したHDDが1つであれば、正常に動作を継続することができるが、2つ以上同時に故障した場合には動作を継続することができず、保存しているデータも復元することが困難となるため、1つのHDDが破損すると、予防保守として複数のHDDを交換する場合があった。そこで、上述のストレージ装置の各HDDを、上記の各実施形態のプリンタのトナーと同様の方式により管理する構成を備えるようにしても良い。例えば、上述のストレージ装置で、各HDDのデータ読み込み量及び書込み量の合計値を当該HDDの使用量(消費量)として管理し、第1の実施形態と同様に、各HDDの使用量が所定の値(ニアエンド値)に達した段階で、各HDDの近傍に配置されたLEDを点灯させる処理等を行うようにしても良い。また、例えば、上述のストレージ装置で、HDDの交換が発生した場合に、第2の実施形態と同様に、保守履歴情報を蓄積して、保守員認証処理が行われないとストレージ装置の動作が開始しないように制限する処理を行っても良い。
【0164】
さらに、上記の実施形態では、トナー(トナーカートリッジ)を、管理する対象の消耗部材として説明したが、その他のプリンタで用いられる消耗部材(例えば、感光ドラム、定着器、ベルト等)を管理するようにしても良い。
【0165】
(C−2)上記の各実施形態では、各トナーにRFIDを付けてトナー使用量を管理しているが、各トナーの使用量を管理する方式はRFIDを用いた方式に限定されないものである。例えば、各トナーに識別ID(以下、「トナー識別ID」と呼ぶ)を記憶したICチップ等を付けておき、プリンタ本体側で、トナー識別ID毎のトナー使用量を管理するようにしても良い。また、本発明のプリンタでは、トナーの固体ごとのトナー使用量を管理せずに、単に交換されたトナーは全て新品として取り扱うようにしても良い。
【0166】
(C−3)上記の各実施形態では、プリンタの電源を投入した状態でトナー交換管理処理を行う例について説明したが、実際の保守作業では、プリンタの電源を落として交換する場合も有り得る。そこで、各LED及びLED制御部を駆動させるのに必要な電池又は蓄電池を備えて、プリンタの電源が落とされた場合でも、消耗品管理テーブルの内容に従って各LEDの照明制御が可能な構成としても良い。その場合、LED制御部に少なくとも消耗品管理テーブルの交換フラグの情報について記憶させておく必要がある。
【0167】
また、上記の各実施形態のプリンタではトナー交換管理処理は、カバーオープン時のみに実行しているが、それ以外の時に実行するようにしても良い。すなわち、トナー交換管理処理を行うタイミングは限定されないものである。
【0168】
(C−4)第2の実施形態では、第1の実施形態と同様に、それぞれのトナー(プリントユニット)に対応するLEDを配置して、LED制御部により照明制御を行っているが、LEDやLEDを照明制御する構成を省略するようにしても良い。
【0169】
(C−5)第2の実施形態では、プリンタ内部に、保守員認証部及び保守員情報格納部を備えているが、外部の認証装置(認証サーバ)により認証を行うようにしても良い。
【0170】
(C−6)上記の各実施形態において、制御部は、トナー使用量(消費量)に基づいて、トナーの交換の要否を判定しているが、特許文献1の記載技術と同様に、トナーの残量も考慮してトナーの交換の要否を判定刷るようにしても良い。
【0171】
また、上記の各実施形態において、各トナーのRFIDに記録されるトナー使用量の値は、プリンタ(制御部)で、印刷時に算出された値が加算されると説明したが、他の要因を考慮してRFIDに記録するトナー使用量の値を補正するようにしても良い。
【0172】
例えば、各トナーで、残量が所定以下(例えば、トナーニアエンド値以下)となったことを検出するセンサを備えている場合には、制御部は、当該センサの検知結果を考慮して、各トナーのRFIDに記録するトナー使用量を決定(例えば、所定のトナーニアエンド値に決定)するようにしても良い。上述の各トナーで残量が所定以下となったことを検出するセンサとしては、既存のトナー(トナーカートリッジ)で用いられる種々のセンサ(例えば、光学的に検出するセンサ等)を適用することができる。
【0173】
(C−7)上記の各実施形態で、LEDは画像形成部(プリントユニット)の外側(プリンタ本体)に配置されているが、画像形成部内(例えば、プリントユニットの表面上)に配置するようにしても良い。
【符号の説明】
【0174】
1…プリンタ(情報処理装置)、110…送受信部、120…データ解析部、130…印刷画像データ格納部、140…操作パネル、150…カバースイッチ、160…カバー、200…制御部、210…消耗品管理テーブル、300…画像形成部、310、310−1〜310−4…プリントユニット、321、321−1〜321−4…RFID、410、420−1〜420−4…LED制御部、430、430−1〜430−4…Tカウンタ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の着脱可能な消耗部材を備える情報処理装置において、
それぞれの上記消耗部材に対して、上記消耗部材の状態を表示する表示部が配置されており、
それぞれの上記消耗部材の消費量及び又は残量を管理する消耗部材管理手段と、
上記消耗部材管理手段で管理されているそれぞれの上記消耗部材の消費量及び又は残量に基づいて、それぞれの上記消耗部材の交換の要否を判定する交換要否判定手段と、
上記交換要否判定手段の判定結果に応じて、それぞれの上記表示部の表示内容を制御する表示制御手段と
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
上記表示制御手段は、上記交換要否判定手段で交換が必要と判定された上記消耗部材に対応する上記表示部の表示内容を第1の表示内容とし、上記交換要否判定手段で交換が必要と判定されていない上記消耗部材に対応する上記表示部の表示内容を第2の表示内容とすることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
それぞれの上記消耗部材について当該情報処理装置から取りはずされたことを検知する取外し検知手段と、
上記取外し検知手段で取りはずされたと検知された上記消耗部材が、上記交換要否判定手段で、交換が必要と判定されていない上記消耗部材であった場合に、当該消耗部材に対応する上記表示部の表示を第3の表示内容とすることを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
複数の着脱可能な消耗部材を備える情報処理装置において、
それぞれの上記消耗部材の消費量及び又は残量を管理する消耗部材管理手段と、
上記消耗部材管理手段で管理されているそれぞれの上記消耗部材の消費量及び又は残量に基づいて、それぞれの上記消耗部材の交換の要否を判定する交換要否判定手段と、
それぞれの上記消耗部材について交換されたことを検知する交換検知手段と、
上記交換検知手段により検知された交換に関する交換履歴情報を蓄積する交換履歴情報蓄積手段と、
ユーザから認証情報の入力を受付ける認証情報入力手段と、
上記認証情報入力部で受付けた認証情報を利用してユーザ認証処理を行う認証処理手段と、
上記認証処理部で認証が成功した場合、上記交換履歴情報蓄積手段に蓄積された交換履歴情報の処理を行う交換履歴情報処理手段と、
上記交換履歴情報蓄積手段に蓄積されている交換履歴情報のうち、上記交換履歴情報処理手段で未処理の交換履歴情報があった場合、当該情報処理装置の動作を制限する動作制限手段と
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
上記交換履歴情報処理手段は、上記認証処理部で認証が成功した場合、上記交換履歴情報蓄積手段に蓄積された交換履歴情報のうち、未認証の交換履歴情報に対して、認証済みを示す情報を記録する処理を行い、
上記動作制限手段は、上記交換履歴情報に蓄積されている交換履歴情報のうち、認証済みを示す情報が記録されていない交換履歴情報があった場合に、当該情報処理装置の動作を制限することを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
上記交換履歴情報処理手段に蓄積された交換履歴情報を出力する交換履歴情報出力手段をさらに備えることを特徴とする請求項4又は5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
複数の着脱可能な消耗部材を備える情報処理装置に搭載されたコンピュータを、
それぞれの上記消耗部材の消費量及び又は残量を管理する消耗部材管理手段と、
上記消耗部材管理手段で管理されているそれぞれの上記消耗部材の消費量及び又は残量に基づいて、それぞれの上記消耗部材の交換の要否を判定する交換要否判定手段と、
それぞれの上記消耗部材について交換されたことを検知する交換検知手段と、
上記交換検知手段により検知された交換に関する交換履歴情報を蓄積する交換履歴情報蓄積手段と、
ユーザから認証情報の入力を受付ける認証情報入力手段と、
上記認証情報入力部で受付けた認証情報を利用してユーザ認証処理を行う認証処理手段と、
上記認証処理部で認証が成功した場合、上記交換履歴情報蓄積手段に蓄積された交換履歴情報の処理を行う交換履歴情報処理手段と、
上記交換履歴情報蓄積手段に蓄積されている交換履歴情報のうち、上記交換履歴情報処理手段で未処理の交換履歴情報があった場合、当該情報処理装置の動作を制限する動作制限手段と
して機能させることを特徴とする制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2013−114194(P2013−114194A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−262339(P2011−262339)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】