情報処理装置及び印刷システム
【課題】従来、印刷装置の印刷設定機能を備えた情報処理装置及び印刷システムでは、一度、印刷設定した後に、再設定することが困難であり、特に、複数の印刷装置に対して印刷設定を変更する場合は、各印刷装置に対して設定する必要があり手間がかかっていた。
【解決手段】情報処理装置10は、印刷設定情報15aを更新する場合、参照先情報15bに基づいて、書き換え用印刷設定情報32bを検索し、印刷設定情報15aを検索された書き換え用印刷情報32bに更新するようにしている。そのため、一度、印刷設定した後に、印刷設定を再設定することが容易である。特に、複数の印刷装置に対して印刷設定を更新する場合にも、1台の情報処理装置10から更新設定することができるので、印刷設定の更新の手間を省くことができる。
【解決手段】情報処理装置10は、印刷設定情報15aを更新する場合、参照先情報15bに基づいて、書き換え用印刷設定情報32bを検索し、印刷設定情報15aを検索された書き換え用印刷情報32bに更新するようにしている。そのため、一度、印刷設定した後に、印刷設定を再設定することが容易である。特に、複数の印刷装置に対して印刷設定を更新する場合にも、1台の情報処理装置10から更新設定することができるので、印刷設定の更新の手間を省くことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置と、この情報処理装置及び印刷装置を備え、情報処理装置の印刷設定情報の更新機能を有する印刷システムと、に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、下記特許文献1には、印刷装置に接続された情報処理装置の技術が記載されている。この情報処理装置では、各印刷装置からオプション構成情報や資源情報等の印刷設定情報を取得して情報処理装置のプリンタドライバのプログラムをインストールするので、インストールした後に、情報処理装置のオペレータが印刷設定情報を設定する必要がない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−127218号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の情報処理装置及びそれを備えた印刷システムでは、次の(1)、(2)のような課題があった。
【0005】
(1) 情報処理装置の印刷設定を再設定するためには、情報処理装置内のプリンタドライバのソフトウェアを再インストールする必要がある。
【0006】
(2) 複数の印刷装置に対して印刷設定を変更する場合は、それぞれの印刷装置に対応するように、それぞれの印刷装置から印刷設定情報を取得する必要があるので、手間がかかる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の内の第1の発明の情報処理装置は、複数の設定項目についての現在の設定情報である印刷設定情報と、前記印刷設定情報を更新する場合の前記設定情報の参照先を示す情報である参照先情報と、前記印刷設定情報の更新を有効にするための書き換え済データを格納する書換済フラグテーブルとを保持する記憶領域と、前記参照先情報に基づいて書き換え用印刷設定情報を検索し、前記書き換え用印刷情報により前記印刷設定情報を更新すると共に、印刷命令を出力するプリンタドライバと、を備えたことを特徴とする。
【0008】
第2の発明の印刷システムは、前記情報処理装置と、前記書き換え用印刷設定情報を保持し、前記情報処理装置から入力される前記参照先情報に基づいて前記書き換え用印刷設定情報を前記情報処理装置へ出力する情報蓄積装置と、前記情報処理装置に接続され、前記書き換え用印刷設定情報により前記印刷設定情報の設定が更新され、前記情報処理装置からの命令に従って印刷を行う1又は複数の印刷装置と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の情報処理装置及び印刷システムによれば、以下の(a)〜(c)のような効果がある。
【0010】
(a) 情報処理装置は、参照先情報に基づいて書き換え用印刷設定情報を検索し、この書き換え用印刷設定情報により印刷設定情報を更新している。そのため、情報処理装置内のプリンタドライバのプログラムを再インストールすることなく、容易に、情報処理装置の印刷設定情報を更新することができる。
【0011】
(b) 情報処理装置は、複数の参照先に複数の印刷装置の書き換え用印刷設定情報を対応づけて記憶しているので、容易に、情報処理装置の印刷設定情報を、複数の印刷装置に対応した書き換え用印刷設定情報に更新できる。
【0012】
(c) 印刷システムは、前記情報処理装置、情報蓄積装置、及び複数の印刷装置とを備えているので、情報処理装置から、複数の印刷装置に対する印刷設定情報の更新を容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は図2中の情報処理装置10の詳細を示す構成図である。
【図2】図2は本発明の実施例1における印刷システム1の概略を示す構成図である。
【図3】図3は図1中の印刷設定情報15aの例を示す図である。
【図4】図4は図1中の参照先情報15bの例を示す図である。
【図5】図5は図1中の書換済フラグテーブル15dの例を示す図である。
【図6】図6は図1中の書き換え用印刷設定情報32bの例を示す図である。
【図7】図7は参照先情報の登録方法を説明するための図である。
【図8】図8は実施例1の印刷設定の処理を示すフローチャートである。
【図9】図9は印刷システム1における印刷処理の流れを説明するための図である。
【図10】図10は本発明の実施例2の印刷システム1Aの概略を示す構成図である。
【図11】図11は図10中の情報処理装置10Aの詳細を示す構成図である。
【図12】図12は図11中の印刷設定項目マスクデータ32cの例を示す図である。
【図13】図13は実施例2の印刷設定の処理を示すフローチャートである。
【図14】図14は図11中のマスク処理部14eにおける論理演算を説明する図である。
【図15】図15は本発明の実施例3の印刷システム1Bの概略を示す構成図である。
【図16】図16は図15中の情報処理装置10Bの詳細を示す構成図である。
【図17】図17は本発明の実施例3の印刷設定の流れを説明する図である。
【図18】図18は実施例3の印刷設定の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明を実施するための形態は、以下の好ましい実施例の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、明らかになるであろう。但し、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例1】
【0015】
(実施例1の構成)
図2は、本発明の実施例1における印刷システムの概略を示す構成図である。
【0016】
本実施例1の印刷システム1は、例えば、コンピュータである情報処理装置10と、例えば、プリンタである複数の印刷装置20(20−1〜20−N)とが、有線又は無線のネットワーク2を介して接続されている。尚、印刷装置20は、1つでもよい。情報処理装置10には、情報蓄積装置30が接続されている。情報蓄積装置30は、例えば、外部ファイルサーバ35、ストレージサーバ36、USBメモリ37により構成される。
【0017】
印刷処理装置10は、情報蓄積装置30内の記憶領域を参照し、書き換え用印刷設定情報を取得して、印刷設定情報の更新をすると共に、印刷装置20に印刷コマンドを出力するものである。印刷装置20は、印刷コマンドに従って印刷を実行するものであり、様々な機能とその機能を選択する選択肢を有している。情報処理装置10は、印刷装置20の有する様々な機能及びその機能を選択する選択肢に対応した設定項目及び設定値の情報として、印刷設定情報を設定することができるようになっている。
【0018】
図1は、図2中の情報処理装置10の詳細を示す構成図である。
情報処理装置10には、アプリケーションプログラム(以下「AP」という。)11、オペレーティングシステム(以下「OS」という。)12、印刷や画面表示を制御するインタフェース(以下「I/F」という。)であるグラフィックデバイスインタフェース(Graphic Device Interface、以下「GDI」という。)13、及びプリンタドライバ14がインストールされ、更に、記憶領域15と、外部I/F17と、が設けられている。
【0019】
AP11は、描画(印刷)命令や印刷設定情報の変更の命令を、GDI13を介してプリンタドライバ14へ出力するプログラムである。
【0020】
OS12は、情報処理装置10の初期設定値(これを「デフォルト」という。)である印刷設定情報15aが記憶されている記憶領域15をその管理下に有すると共に、印刷スプーラ16を有するプログラムである。印刷スプーラ16は、プリンタドライバ14から供給される印刷コマンドS14を外部I/F17を介して接続された印刷装置20へ出力するものである。
【0021】
GDI13は、機能ブロック間を接続するI/Fのプログラムであり、例えば、AP11とプリンタドライバ14、及びプリンタドライバ14とOS12との間を接続するI/Fの機能を有している。
【0022】
プリンタドライバ14は、デフォルト印刷設定の書き換えのデフォルト印刷設定書き換え指示データ検索処理部(以下「指示データ検索処理部」という。)14a、個別認証データと書き換え済み個別認証データの比較判定処理部(以下「比較判定処理部」という。)14b、デフォルト印刷設定の書き換え処理部(以下「書き換え処理部」という。)14c、及び印刷コマンド生成処理部14dから構成されるプログラムであり、その管理下に参照先情報15b、及び書き換え済みの個別認証データ15cを格納する書き換え済み個別認証データのフラグテーブル(以下「フラグテーブル」という。)15dを保持する記憶領域15を有している。
【0023】
指示データ検索処理部14aは、印刷設定情報15aの更新指示の命令S11をAP11から受けると、記憶領域15から、参照先情報15bを取得し、この参照先情報15bに基づいて情報蓄積装置30の内部を検索すると共に、比較判定処理部14bへ、次の処理を指示する。
【0024】
比較判定処理部14bは、指示データ検索処理部14aからの指示を受けると、情報蓄積装置30から取得される個別認証データ32aと、フラグテーブル15dと、に基づいて、個別認証データ32aの有無、及び取得された個別認証データ32aがフラグテーブル15d内にあるか否かの判定をし、その判定結果を書き換え処理部14cへ出力すると共に、次の処理を指示する機能を有している。比較判定処理部14bは、印刷設定情報15aの設定情報の更新後に、フラグテーブル15dに書き換え済みの個別認証データ32aを上書き保存する機能を有している。
【0025】
書き換え処理部14cは、比較判定処理部14bからの指示を受けると、情報蓄積装置30からの書き換え用の印刷設定情報32bの入力に基づいて、記憶領域15内の印刷設定情報15aを更新する機能を有している。
【0026】
印刷コマンド生成処理部14dは、AP11から描画命令に基づき印刷コマンドを生成し、OS12内の印刷スプーラ16へ出力するものである。印刷スプーラ16は、プリンタドライバ14から供給される印刷コマンドS14を入力するジョブ16aと、印刷装置20へ印刷コマンドを出力するジョブ16bと、を有しており、プリンタドライバ14から入力される印刷コマンドを所定のタイミングで印刷装置20へ出力するものである。
【0027】
外部I/F17は、例えば、印刷スプーラ16と印刷装置20とを接続するハードウェアI/Fである。印刷装置20は、情報処理装置10からの命令に従って、例えば、紙の記憶媒体へ文字、画像等を印刷するものである。
【0028】
情報蓄積装置30は、記憶領域31を有し、この記憶領域31には、自己を識別するための個別認証データ32aと書き換え用印刷設定情報32bとを保持するデフォルト印刷設定情報の書き換え指示データファイル(以下「指示データファイル」という。)32が格納されている。情報蓄積装置30は、情報処理装置10から入力される参照先情報15bに基づき、個別認証データ32a及び書き換え用印刷設定情報32bを情報処理装置10へ出力するものである。
【0029】
図3は、図1中の印刷設定情報15aの例を示す図である。
図1中の印刷設定情報15aは、情報処理装置10のOS12におけるデフォルトの印刷設定情報であり、図3には、用紙サイズ、解像度、カラー・モノクロ、用紙厚、及び両面印刷の印刷設定項目に対して、それぞれ、A4(版)、ふつう、カラー、厚い紙、及び無し、が設定されている例が示されている。
【0030】
図4は、図1中の参照先情報15bの例を示す図である。
図1中の参照先情報15bは、情報処理装置10が書き換え用印刷情報32bを参照に行く先を示す情報であり、例えば、参照先1に対する参照先情報15bとして、“情報蓄積装置30のデータファイル32”が格納されている。図1において、例えば、AP11により、参照先番号1を指定して印刷設定変更の命令がされると、指示データ検索処理14aにより、参照先情報15bとして、情報蓄積装置30のデータファイル32が参照されることになる。
【0031】
AP11からの印刷設定変更の命令時における参照先番号の指定が、2,3,4のときは、参照先情報15bとして、それぞれ、外部ファイルサーバ35,ストレージサーバ36,外部メモリ37が参照されることになる。
【0032】
図5は、図1中のフラグテーブル15dの例を示す図である。
フラグテーブル15dは、既に参照された参照済の個別認証データ15cを格納するテーブルである。図5の例では、“情報蓄積装置30のデータファイル32”に対する個別認証データ32aが、書き換え済み個別認証データ15cとして格納されている。情報蓄積装置30として、フラグテーブル15dに、外部ファイルサーバ35、ストレージサーバ36、及びUSBメモリ37が登録されているが、これらは未だ参照されておらず、書き換え済みでないので、書き換え済み個別認証データ欄は、空欄となっている。
【0033】
図6は、図1中の書き換え用印刷情報32bの例を示す図である。
書き換え用印刷設定情報32bは、印刷設定情報15aを書き換えるための印刷設定情報であり、図6には、用紙サイズ、解像度、カラー・モノクロ、用紙厚、及び両面印刷の各印刷設定項目は、それぞれ、A3(版)、きれい、モノクロ、薄い紙、及び長編綴じ、と設定する例が示されている。
【0034】
(実施例1の動作)
図1において、情報処理装置10における印刷設定情報の更新動作は、情報処理装置10内の記憶領域15に、参照先情報15bが記憶されていることを前提としているので、先ず、参照先情報15bの登録方法から説明する。
【0035】
(参照先情報の登録方法)
図7は、参照先情報の登録方法を説明するための図であり、2つの参照先情報15bの登録方法が示されている。
【0036】
先ず、情報処理装置10のオペレータが、プリンタドライバ14のプログラムをインストール前に、参照先情報15bを登録する登録方法1について説明する。
【0037】
情報処理装置10に、プリンタドライバ33aのプログラム及び参照先情報33bを格納し、プリンタドライバ14にプログラムをインストールするためのインストーラ33cを有するインストールパッケージ33を接続する。その後、情報処理装置10のオペレータが、インストーラ33cを起動し、インストーラ33cがプリンタドライバ33aをインストールする際に、情報処理装置10の記憶領域15へ参照先情報33bを登録する。印刷システム1の管理者がデータファイル32を配置或いは配布する前に、情報処理装置10のオペレータは、データファイル32の参照先情報15bを情報処理装置10の記憶領域15に登録しておく。
【0038】
次に、情報処理装置10のオペレータが、プリンタドライバ14のプログラムをインストールした後に、参照先情報15bを登録する登録方法2について説明する。
【0039】
情報処理装置10に、参照先情報34aを格納した参照先情報設定用のスクリプト(以下「スクリプト」という。)34を接続する。オペレータが、スクリプト34を起動すると、スクリプト34は、既にプログラムがインストールされている情報処理装置10のプリンタドライバ14に、後から参照先情報34aを登録する。プリンタドライバ14に、プログラムが既にインストールされている場合は、情報処理装置10のプリンタドライバ14に対して参照先情報15bを設定するためのバッチファイルを配布し、各オペレータはこのバッチファイルを実行することで参照先情報15bを登録する。
【0040】
(印刷設定情報の更新動作)
次に、印刷設定情報の更新動作について説明する。
【0041】
図1及び図2において、情報処理装置10のオペレータは、情報処理装置10に接続された印刷装置20に対応した印刷設定に、印刷設定情報15aを変更したい場合、情報処理装置10のAP11を起動し、印刷設定変更を命令する。印刷設定変更の命令を受けたプリンタドライバ14は、記憶領域15から参照先情報15bを取得し参照先情報15bに基づき記憶領域31を検索し、プリンタドライバ14の設定を変更する内容を保持したデータファイル32の有無を判断する。プリンタドライバ14は、このデータファイル32が存在する場合、情報処理装置10のプリンタドライバ14が動作した時点で自らの記憶領域15に保持される印刷設定情報15aを更新する。
【0042】
図8は、本発明の実施例1の印刷設定情報の更新処理を示すフローチャートであり、複数のステップST10、11、13、14、17、18、及び19の上段及び下段には、処理内容及びそのステップST10、11、13、14、17、18、及び19の処理を実行する動作主体が記載されている。
【0043】
印刷設定情報15aの更新処理が開始されると、ステップST10へ進む。ステップST10において、AP11は、プリンタドライバ14を呼び出し、ステップST11へ進む。ステップST11において、呼び出されたプリンタドライバ14内の指示データ検索処理14aが、記憶領域15内に記憶された参照先情報15bを取得して、参照先を検索し、ステップST12へ進む。
【0044】
ステップST12において、指示データ検索処理部14aは、参照先情報15bに対応した参照先にデータファイル32が存在するかどうかを確認する。データファイル32の有無を判断し、存在しない場合には(N)、ステップST20へ進み、存在する場合には(Y)、ステップST13へ進む。ステップST13において、データファイル32に含まれる個別認証データ32aを比較判定処理14bが取得し、取得した個別認証データ32aと、フラグテーブル15d内に格納された個別認証データと比較し、ステップST14へ進む。ステップST14において、個別認証データ32aとフラグテーブル15d内のN番目の個別認証データと比較し、ステップST15へ進む。
【0045】
ステップST15において、比較判定処理部14bは、個別認証データ32aと同じ個別認証データがフラグテーブル15dに含まれているか否かの判定し、同じ個別認証データが含まれている場合には(Y)、既に書き換え済み個別認証データであると判断して、ステップST20へ進み、同じ個別認証データが含まれていない場合には(N)、ステップST16へ進む。ステップST16において、比較判定処理部14bは、フラグテーブル15d内の全ての個別認証データが検索されたか否かが判断され、全ての個別認証データが検索された場合には(Y)、ステップST17へ進み、全ての個別認証データが検索されていない場合には(N)、ステップST14へ戻る。フラグテーブル15d内に含まれる全ての個別認証データを比較するまで、ステップST14〜16の処理を繰り返す。
【0046】
ステップST17において、フラグテーブル15d内に個別認証データ32aが含まれていない場合、データファイル32は、未だ書き換えが行われていないと判断して、書き換え処理14cがデータファイル32から書き換え用印刷設定情報32bを取得し、ステップST18へ進む。ステップST18において、書き換え処理14cを介して、印刷設定情報15aの更新を実行し、ステップST19へ進む。ステップST19において、印刷設定情報15aの更新が実行されたことを記録するため、フラグテーブル15dに対し、個別認証データ32aを追加し、ステップ20へ進む。ステップST20において、印刷設定情報の更新処理を終了する。書き換え済み個別認証データとして、個別認証データ32aが記録されたフラグテーブル15dが、図5に示されている。
【0047】
(印刷処理の動作)
図9は、印刷システム1における印刷処理の流れを説明するための図である。
【0048】
最後に、図1、図2、及び図9を参照して、印刷システム1の印刷処理の動作を説明する。
図9において、AP11が、GDI13を介して、描画命令S11をプリンタドライバ14へ出力する。描画命令S11を受けると、プリンタドライバ14は、情報処理装置10に接続された印刷装置20を制御するため、描画命令S11を印刷装置20が利用するページ記述言語の印刷コマンドS14に変換し、印刷スプーラ16へ送出する。印刷スプーラ16は、印刷コマンドS14をジョブ16aとして蓄積し、順次、外部I/F17を介して印刷コマンドs16bを印刷装置20へ出力する。印刷装置20は、印刷コマンドS16Bに従って印刷を実行する。
【0049】
情報処理装置10を操作するオペレータが、印刷設定情報15aの設定項目及び設定値を選択することで、印刷装置20の機能及びその機能の選択肢に対応した印刷が実行される。プリンタドライバ14が、初期状態でどのような設定項目及び設定値を有するかを、デフォルトの設定値として保持されている。このデフォルトの設定値は、OS12が管理し、プリンタドライバ14がインストールされた時点で生成され、情報処理装置10の記憶領域15上に保持されている。
【0050】
(実施例1の効果)
本実施例1によれば、次の(a)〜(f)のような効果がある。
【0051】
(a) 印刷システム1の管理者は、参照先情報15bの参照先の情報蓄積装置30の記憶領域31にデフォルト印刷設定書換指示データファイル32を配置する。これにより、情報処理装置10のオペレータは、参照先情報15bに基づき、情報蓄積装置30の記憶領域31にデフォルト印刷設定書換指示データファイル32を参照することにより、情報処理装置10の印刷設定情報15aの設定値を更新することができる。
【0052】
(b) 情報処理装置10の印刷設定情報15aの更新は、印刷装置20での印刷の処理のためにプリンタドライバ14が呼び出されるタイミングで実行される。そのため、デフォルト印刷設定情報15aの設定値の更新した後に、情報処理装置10のオペレータが、印刷設定情報15aのデフォルト値を好みの設定値に変更した場合、再びデフォルト印刷設定書換指示データファイル32で指定されているデフォルト印刷設定情報に戻されてしまうことはない。
【0053】
(c) オペレータが、印刷設定情報15aを更新する場合の設定情報の参照先を示す参照先情報15bに基づいて、書き換え用印刷設定情報32bを検索し、印刷設定情報15aを検索された書き換え用印刷情報32bに更新するようにしている。そのため、一度、情報処理装置10の印刷設定情報15aの設定をした後に、印刷設定情報を更新するために、オペレータが、再度、プリンタドライバ14のプログラムをインストールする必要がない。
【0054】
(d) 情報処理装置10は、参照先情報15bに基づいて書き換え用印刷設定情報32bを検索するようにしている。そのため、複数の印刷装置20−1〜20−Nに対応した複数の書き換え用印刷設定情報32bを、複数の参照先情報15bと対応づけて情報蓄積装置30に記憶しておくことにより、情報処理装置10の印刷設定情報15aを参照先情報15bに対応した複数の印刷装置20−1〜20−Nの印刷設定情報32bに変更することができる。
【0055】
(e) 印刷システム1は、情報処理装置10内のプリンタドライバ14のプログラムを再インストールすることなく、印刷設定情報15aのデフォルト値を更新できるようになっている。そのため、印刷システム1の印刷設定情報15aのデフォルト値を変更する際に、プリンタドライバ14のプログラムをインストールする作業は発生しない。
【0056】
(f) 印刷システム1は、参照先の情報蓄積装置30内の記憶領域31に格納されたデータファイル32に個別認証データ32aを付与している。そのため、管理者が、個別認証データ32aを新たに付与したデータファイル32を配置することで、同一の情報処理装置10に対して印刷設定情報15aのデフォルト値の更新指示を、印刷システム1の管理者が、何度でも行うことができる。
【実施例2】
【0057】
(実施例2の構成)
図10は、本発明の実施例2の印刷システム1Aの概略を示す構成図であり、実施例1の印刷システム1を示す図2中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0058】
本実施例2の印刷システム1Aは、実施例1と同様の複数の印刷装置20−1〜20−Nと、実施例1と構成及び機能が異なる情報処理装置10Aとが、実施例1と同様のネットワーク2を介して接続されている。更に、情報処理装置10Aには、実施例1とは構成及び機能が異なる情報蓄積装置30Aが接続されている。
【0059】
図11は、図10中の情報処理装置10Aの詳細を示す構成図であり、実施例1における情報処理装置10を示す図1中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0060】
本実施例2の情報処理装置10Aは、実施例1の情報処理装置10と同様のAP11及びGDI13のプログラムと、実施例1とは異なるOS12A及びプリンタドライバ14Aのプログラムとがインストールされ、更に、実施例1と同様の記憶領域15と、実施例1と同様の外部I/F17と、が設けられている。
【0061】
OS12Aは、その支配下の記憶領域15に記憶されている現在の印刷設定情報15aをプリンタドライバ14Aへ出力すると共に、プリンタドライバ14Aから書き換え用印刷設定情報32bが入力されると、印刷設定情報15aを書き換え用印刷設定情報32bに書き換える機能を有している。OS12Aのその他の構成及び機能は、実施例1のOS12と同様である。
【0062】
プリンタドライバ14Aは、実施例1のプリンタドライバ14と同様の指示データ検索処理部14a、比較判定処理部14b、及び印刷コマンド生成処理部14dと、新たに追加された印刷設定項目マスク処理部(以下「マスク処理部」という。)14eと、実施例1とは機能の異なる書き換え処理部14fと、を有している。
【0063】
印刷設定項目マスク処理部14eは、情報蓄積装置30Aから入力される書き換え用印刷設定情報32b及び印刷設定項目のマスクデータ(以下「マスクデータ」という。)32cと、OS12Aから入力される印刷設定情報15aと、に基づいて論理演算をして、デフォルト書き換え用のマスク済の印刷設定情報(以下「マスク済み印刷設定情報」という。)S14eを生成し、書き換え処理部14fへマスク済み印刷設定情報S14eを出力する。
【0064】
書き換え処理部14fは、比較判定処理部14bからの指示を受けると、マスク処理部14eから入力されるマスク済み印刷設定情報S14eに基づいて、記憶領域15内の印刷設定情報15aを更新する機能を有している。プリンタドライバ14Aのその他の構成は、実施例1のプリンタドライバ14と同様である。
【0065】
本実施例2の情報蓄積装置30Aは、実施例1の情報蓄積装置30内のデータファイル32とは異なる第2のデフォルト印刷設定書き換え指示データファイル(以下「データファイル」という。)32Aを有している。データファイル32Aには、実施例1のデータファイル32と同様の個別認証データ32a及び書き換え用印刷設定情報32bに、新たに、マスクデータ32cが追加されて、格納されている。マスクデータ32cは、印刷設定情報15aの設定項目の内、設定更新をする設定項目を指定したデータであり、このマスクデータ32cを用いて、印刷設定情報15aの更新をすることにより、印刷設定情報15aの設定項目の内の所定の設定項目のみを更新することを企図したデータである。情報蓄積装置30Aのその他の構成については、実施例1の情報蓄積装置30の構成と同様である。
【0066】
図12は、図11中のマスクデータ32cの例を示す図である。
図6と図12と対比すると、図12に示されたマスクデータ32cの例では、印刷設定項目の内、「用紙サイズ」と「カラー・モノクロ」とがマスクされている。マスクデータ32cを用いることにより、印刷設定情報15aの内のマスクされている設定項目の「用紙サイズ」及び「カラー・モノクロ」の設定値のみを更新することができる。
【0067】
(実施例2の動作)
本実施例2における参照先情報15bの登録及び印刷の動作は、実施例1と同様であるので、実施例1と異なる印刷設定情報15aの更新動作について、以下説明する。
【0068】
図13は、実施例2の印刷設定処理を示すフローチャートであり、複数のステップST10、11、13、31〜34、17、18、及び19の上段及び下段には、処理内容及びそのステップST10、11、13、31〜34、17、18、及び19の処理を実行する動作主体が記載されている。
【0069】
印刷設定情報の更新の処理が開始されると、実施例1と同様なステップST10〜ST16の処理を行い、引き続いて、実施例1とは異なるステップST31〜ST34の処理を行い、次に、実施例1と同様なステップST17〜ST20の処理を行う。
【0070】
ステップST10〜ST16において、実施例1と同様な処理が行われ、ステップST31へ進む。
【0071】
ステップST31において、マスク処理部14eが、データファイル32Aから書き換え用印刷設定情報32bを取得し、ステップST32へ進む。ステップST32において、マスク処理部14eが、データファイル32Aからマスクデータ32cを取得し、ステップST33へ進む。ステップST33において、マスク処理部14eが、記憶領域15から印刷設定情報15aを取得し、ステップST34へ進む。ステップST34において、マスク処理部14eが、印刷設定情報32b、マスクデータ32c、及び印刷設定情報15aに基づき、以下の論理演算を行う。
(印刷設定情報15a)AND(マスクデータ32c)OR(印刷設定情報32b)AND(反転マスクデータ/32c)
【0072】
この論理演算により、マスクデータ32cを考慮したマスク済印刷設定情報を生成し、ステップST17へ進む。ステップST17において、書き換え処理14fは、ステップST34の論理演算の結果を得て、ステップST18へ進む。ステップST18において、OS12AのOS書き換え処理14fを仲介し、書き換え処理を実行し、ステップST19へ進む。ステップST19において、比較判定処理14bが、書き換えが一度実行されたことを記憶するため、フラグテーブル15cに対し、今回の個別認証データ32aを追加し、ステップST20へ進む。ステップST20において、印刷設定情報15aの設定値の更新の処理を終了する。
【0073】
図14は、図11中の印刷設定項目マスク処理14eにおける論理演算を説明する図であり、図13中のステップST34での論理演算が示されている。
【0074】
先ず、図14(a)に示された印刷設定情報15aと、図14(b)に示されたマスクデータ32cと、の各設定項目の論理積が論理演算され、図14(c)に示された第1論理積テーブルを得る。図14(c)に示された第1論理積テーブルは、印刷設定情報15aの設定項目に対し、『(印刷設定情報15a)AND(マスクデータ32c)』の論理演算を実行した結果であり、図14(a)の印刷設定情報15aの設定項目中、図14(b)のマスクデータ32cでマスクされている設定項目の「用紙サイズ」及び「カラー・モノクロ」がマスクされた論理積テーブルとなっている。
【0075】
次に、図14(d)に示された書き換え用印刷設定情報32bと、図14(e)に示されたマスクデータ32cのマスク論理を反転したNOT(マスクデータ)/32cと、の各設定項目の論理積が論理演算され、図14(f)に示された第2論理積テーブルを得る。図14(f)に示された第2論理積テーブルは、書き換え用印刷設定情報32bの設定項目に対し、『(印刷設定情報32b)AND(反転マスクデータ/32c)』の論理演算を実行した結果であり、図14(d)中、図14(e)の反転マスクデータ/32cでマスクされている設定項目の「解像度」、「用紙厚」、及び「両面印刷」がマスクされた論理積テーブルとなっている。
【0076】
更に、図14(c)に示された第1論理積テーブルと、図14(f)に示された第2論理積テーブルと、の各設定項目の論理和が論理演算され、図14(g)に示されたマスク済み印刷設定情報を得る。図14(g)に示されたマスク済み印刷設定情報は、図14(c)に示された第1論理積テーブル及び図14(f)に示された第2論理積テーブルの各設定項目に対し、『(印刷設定情報15a)AND(マスクデータ32c)OR(印刷設定情報32b)AND(反転マスクデータ/32c)』の論理演算をした結果である。図14において、図14(c)に示された第1論理積テーブルの設定項目のうちマスク設定されていない設定項目「解像度」、「用紙厚」、及び「両面印刷」と図14(f)に示された第2論理積テーブルのマスク設定されていない設定項目「用紙サイズ」及び「カラー・モノクロ」を合成した論理積テーブルとなっている。
【0077】
以上をまとめると、図14において、論理演算により合成された図14(g)に示されたマスク済み印刷設定情報テーブルは、図14(a)に示された印刷設定情報15aの設定項目のうち、図14(b)に示されたマスクデータ32cでマスクされている項目のみ、図14(d)に示された書き換え用印刷設定情報32bの設定値に更新されている。
【0078】
即ち、実施例2では、情報蓄積装置30Aのデータファイル31Aにマスクデータ32cを追加し、情報処理装置10Aのプリンタドライバ14Aに印刷設定項目マスク処理14eを追加した。これにより、印刷設定情報15aの設定項目の内、マスクデータ32cでマスクした設定項目だけ、書き換え用印刷設定情報32bの設定値に更新することが可能になる。
【0079】
(実施例2の効果)
本実施例2によれば、実施例1と同様な効果に加え、更に、以下の(a),(b)のような効果がある。
【0080】
(a) 情報蓄積装置30Aのデータファイル32Aに、マスクデータ32cを追加したので、印刷システム1Aの管理者は、情報処理装置10Aの印刷設定情報15aの内、マスク設定した設定項目のデフォルト値のみを更新することができる。
【0081】
(b) 印刷システム1Aの管理者は、情報処理装置10Aの印刷設定情報15aの内、マスク設定した設定項目のデフォルト値のみを更新する。これにより、オペレータは、情報処理装置10の印刷設定情報15aのデフォルト値を好みの設定値に書き換えた後に、印刷システム1Aの管理者が、特定の設定項目をマスク指定して、印刷設定情報15aを更新した場合には、マスク指定した設定項目以外の設定項目については、オペレータが実施した変更内容が保持される。
【実施例3】
【0082】
(実施例3の構成)
図15は、本発明の実施例3の印刷システム1Bの概略を示す構成図であり、実施例1における印刷システム1を示す図2中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0083】
本実施例3の印刷装置1Bは、実施例1と同様の複数の印刷装置20−1〜20−Nと、実施例1と構成及び機能が異なる情報処理装置10Bとが、実施例1と同様のネットワーク2を介して接続されている。
【0084】
図16は、図15中の情報処理装置10Bの詳細を示す構成図であり、実施例1における情報処理装置10を示す図1中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0085】
本実施例3の情報処理装置10Bは、実施例1と同様のGDI13及び外部I/F17と、実施例1とは構成及び機能が異なるAP11A、OS12B、プリンタドライバ14B、及び記憶領域15Aを有している。
【0086】
AP11Aは、実施例1のAP11と同様の構成に加え、記憶領域15A内に、印刷設定アプリケーション保持値15eを記憶する領域を、その支配下に有している。
【0087】
OS12Bは、実施例1のOS12と同様の構成に、新たに、AP11Aの支配下の印刷設定アプリケーション保持値15eによって印刷設定情報15aを更新する機能は付加されている。
【0088】
プリンタドライバ14Bは、実施例1のプリンタドライバ14と同様の構成に、新たに、印刷ユーザI/F14hが追加されている。印刷設定ユーザI/F14hは、例えば、現在の印刷設定情報15aを表示する表示部41と、表示部41に表示された印刷設定情報15a中の所定の設定項目の設定値をオペレータが変更する操作部42とを有するコントロールパネル40が接続される。
【0089】
記憶領域15Aには、実施例1の記憶領域15と同様な印刷設定情報15a、参照先情報15b、及びフラグデーブル15dに、新たに、印刷設定のアプリケーション保持値(以下「AP保持値」という。)15eの記憶領域が追加されている。
【0090】
(実施例3の動作)
本実施例3の動作のうち、参照先情報の登録、参照先を参照して行われる印刷設定の動作、及び印刷動作については、実施例1と同様である。
【0091】
本実施例3はで、プリンタドライバ14Bに、印刷設定ユーザI/F14hが追加されている。この印刷設定ユーザI/F14hを介しての印刷設定情報15aの更新機能が追加されているので、以下、追加された印刷設定ユーザI/F14hを介しての更新機能について説明する。
【0092】
図17は、実施例3の印刷設定及び印刷の流れを説明する図であり、図18は、実施例3の印刷設定処理を示すフローチャートであり、複数のステップST41〜ST48の上段及び下段には、処理内容及びそのステップST41〜ST48の処理を実行する動作主体が記載されている。
【0093】
ステップST40において、印刷設定の処理が開始されると、ステップST41へ進む。ステップST41において、AP11は、起動時にOS12から現在の印刷設定情報15aを取得し、ステップST42へ進む。ステップST42において、AP11は、取得した印刷設定情報15aを一旦、AP保持値15eとして、記憶領域15A内に保持する。コントロールパネル40の操作部42から印刷設定I/F14hを介してプリンタドライバ14Bの呼び出しの操作が受付けられると、AP11Aは、プリンタドライバ14Bを呼び出し、ステップST43へ進む。
【0094】
ステップST43において、AP11Aは、保持しているAP保持の設定値15eをプリンタドライバ14Bへ渡し、プリンタドライバ14Bは、その設定値を印刷設定I/F14hを介して表示部41に表示する。ステップST44において、操作部42からの印刷装置20の機能を対応する設定項目の設定の操作が受付けられると、印刷設定情報15aの設定変更が完了し、ステップST45へ進む。ステップST45において、プリンタドライバ14Bは、ユーザI/F14hの変更状態を設定値に反映させて、AP11に返送し、ステップST46へ進む。ステップST46において、AP11は返送された設定値をAP保持値15eとし、ステップST47へ進む。
【0095】
ステップST47において、オペレータの印刷実行の指示により、変更されたAP保持値15eをプリンタドライバ14Bへ渡し、再びプリンタドライバ14Bの印刷コマンド生成処理14dを呼び出し、ステップST48へ進む。ステップST48において、プリンタドライバ14Bは、AP11からの描画命令S11に応じて呼び出され、印刷コマンド生成処理14dにおいて様々な描画命令に対応し、AP11Aからの印刷設定を加味した状態で印刷コマンドS15e2を生成し、外部I/F17を介して印刷装置20に印刷コマンドS16bを出力し、ステップST49へ進む。印刷装置20は、印刷コマンドS16bを受けとると、印刷コマンドS16bに従って印刷を実行する。ステップST49において、印刷処理は終了する。
【0096】
尚、上記説明においては、オペレータが印刷設定を変更する操作をした場合について説明したが、オペレータが、印刷設定を変更する操作を行わず、直ちに、印刷実行の指示を行った場合は、OS12Bのデフォルト設定値のまま印刷されることになる。
【0097】
(実施例3の効果)
本実施例3に印刷システムによれば、実施例1、2と同様な効果に加え、更に、以下の(a),(b)のような効果がある。
【0098】
(a) 本実施例3の情報処理装置10Bは、プリンタドライバ14Bに印刷設定ユーザI/Fが追加されているので、情報処理装置10Bのオペレータは、プリンタドライバ14Bのインストール時に提供されたデフォルトの印刷設定情報15aの設定値を印刷設定ユーザI/F15hを介して、印刷設定情報15aの設定値に所望の設定値に変更することができる。
【0099】
(b) オペレータが、印刷設定ユーザI/F15hを介して、印刷設定情報15aの設定値を変更する場合、印刷設定情報15aのデフォルト値自体は更新しないので、印刷設定情報15aのデフォルト値自体は保持される。
【0100】
(変形例)
本発明は、上記実施例1〜3に限定されず、種々の利用形態や変形が可能である。この利用形態や変形例として、例えば、次の(1)〜(6)のようなものがある。
【0101】
(1) 実施例1〜3の印刷システム1,1A,1Bでは、1台の情報処理装置10(=10,10A,10B)と、複数の印刷装置20−1〜20−Nが、ネットワーク2を介して接続されたシステムとしたが、情報処理装置10の台数は1台に限定されず、複数台設けてもよい。この場合、複数台の情報処理装置10から参照先情報15bを参照することにより、印刷設定情報15aの更新が可能となる。
【0102】
(2) 実施例1〜3の情報処理装置10の印刷設定情報15aでは、設定項目を、用紙サイズ、解像度、カラー・モノクロ、用紙厚、及び両面印刷としたが、設定項目は、これらの項目に限定されず、印刷装置20の機種に応じて、適宜変更して適用することができる。
【0103】
(3) 実施例2の情報処理装置10Aのプリンタドライバ14A内の印刷設定項目マスク処理14eにおいては、印刷設定情報15aの設定項目の内、マスクデータ32cでマスクされた設定項目のみ更新されるとしたが、逆に、マスクデータ32cにおいてマスクされた設定項目以外の設定項目のみ更新されるようにしてもよい。
【0104】
(4) 実施例3の情報処理装置10Bでは、AP11Aがプリンタドライバ14Bの印刷設定ユーザI/F14hを呼び出す機能を持つとしたが、プリンタドライバ14Bの印刷設定ユーザI/F14hを呼び出す機能を持たず、デフォルト設定のみ利用して印刷するものとしてもよい。この場合、オペレータは、印刷を実行する毎に、コントロールパネル40を介して、OS12の印刷設定情報15aのデフォルト値の変更を行うことになる。
【符号の説明】
【0105】
1,1A,1B 印刷システム
2 ネットワーク
10,10A,10B 情報処理装置
11,11A AP
12,12A,12B OS
13 GDI
14,14A,14B プリンタドライバ
14a 指示データ検索処理部
14b 比較判定処理部
14c,14f 書き換え処理部
14d 印刷コマンド生成処理部
14e マスク処理部
14h 印刷設定ユーザI/F
15,15A,31,31A 記憶領域
15a,32b 印刷設定情報
15b 参照先情報
15c 書き換え済個別認証データ
15d フラグテーブル
16 印刷スプーラ
17 外部I/F
20,21,22 印刷装置
30,30A 情報蓄積装置
32,32A データファイル
32a 個別認証データ
32c マスタデータ
40 コントロールパネル
41 表示部
42 操作部
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置と、この情報処理装置及び印刷装置を備え、情報処理装置の印刷設定情報の更新機能を有する印刷システムと、に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、下記特許文献1には、印刷装置に接続された情報処理装置の技術が記載されている。この情報処理装置では、各印刷装置からオプション構成情報や資源情報等の印刷設定情報を取得して情報処理装置のプリンタドライバのプログラムをインストールするので、インストールした後に、情報処理装置のオペレータが印刷設定情報を設定する必要がない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−127218号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の情報処理装置及びそれを備えた印刷システムでは、次の(1)、(2)のような課題があった。
【0005】
(1) 情報処理装置の印刷設定を再設定するためには、情報処理装置内のプリンタドライバのソフトウェアを再インストールする必要がある。
【0006】
(2) 複数の印刷装置に対して印刷設定を変更する場合は、それぞれの印刷装置に対応するように、それぞれの印刷装置から印刷設定情報を取得する必要があるので、手間がかかる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の内の第1の発明の情報処理装置は、複数の設定項目についての現在の設定情報である印刷設定情報と、前記印刷設定情報を更新する場合の前記設定情報の参照先を示す情報である参照先情報と、前記印刷設定情報の更新を有効にするための書き換え済データを格納する書換済フラグテーブルとを保持する記憶領域と、前記参照先情報に基づいて書き換え用印刷設定情報を検索し、前記書き換え用印刷情報により前記印刷設定情報を更新すると共に、印刷命令を出力するプリンタドライバと、を備えたことを特徴とする。
【0008】
第2の発明の印刷システムは、前記情報処理装置と、前記書き換え用印刷設定情報を保持し、前記情報処理装置から入力される前記参照先情報に基づいて前記書き換え用印刷設定情報を前記情報処理装置へ出力する情報蓄積装置と、前記情報処理装置に接続され、前記書き換え用印刷設定情報により前記印刷設定情報の設定が更新され、前記情報処理装置からの命令に従って印刷を行う1又は複数の印刷装置と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の情報処理装置及び印刷システムによれば、以下の(a)〜(c)のような効果がある。
【0010】
(a) 情報処理装置は、参照先情報に基づいて書き換え用印刷設定情報を検索し、この書き換え用印刷設定情報により印刷設定情報を更新している。そのため、情報処理装置内のプリンタドライバのプログラムを再インストールすることなく、容易に、情報処理装置の印刷設定情報を更新することができる。
【0011】
(b) 情報処理装置は、複数の参照先に複数の印刷装置の書き換え用印刷設定情報を対応づけて記憶しているので、容易に、情報処理装置の印刷設定情報を、複数の印刷装置に対応した書き換え用印刷設定情報に更新できる。
【0012】
(c) 印刷システムは、前記情報処理装置、情報蓄積装置、及び複数の印刷装置とを備えているので、情報処理装置から、複数の印刷装置に対する印刷設定情報の更新を容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は図2中の情報処理装置10の詳細を示す構成図である。
【図2】図2は本発明の実施例1における印刷システム1の概略を示す構成図である。
【図3】図3は図1中の印刷設定情報15aの例を示す図である。
【図4】図4は図1中の参照先情報15bの例を示す図である。
【図5】図5は図1中の書換済フラグテーブル15dの例を示す図である。
【図6】図6は図1中の書き換え用印刷設定情報32bの例を示す図である。
【図7】図7は参照先情報の登録方法を説明するための図である。
【図8】図8は実施例1の印刷設定の処理を示すフローチャートである。
【図9】図9は印刷システム1における印刷処理の流れを説明するための図である。
【図10】図10は本発明の実施例2の印刷システム1Aの概略を示す構成図である。
【図11】図11は図10中の情報処理装置10Aの詳細を示す構成図である。
【図12】図12は図11中の印刷設定項目マスクデータ32cの例を示す図である。
【図13】図13は実施例2の印刷設定の処理を示すフローチャートである。
【図14】図14は図11中のマスク処理部14eにおける論理演算を説明する図である。
【図15】図15は本発明の実施例3の印刷システム1Bの概略を示す構成図である。
【図16】図16は図15中の情報処理装置10Bの詳細を示す構成図である。
【図17】図17は本発明の実施例3の印刷設定の流れを説明する図である。
【図18】図18は実施例3の印刷設定の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明を実施するための形態は、以下の好ましい実施例の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、明らかになるであろう。但し、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例1】
【0015】
(実施例1の構成)
図2は、本発明の実施例1における印刷システムの概略を示す構成図である。
【0016】
本実施例1の印刷システム1は、例えば、コンピュータである情報処理装置10と、例えば、プリンタである複数の印刷装置20(20−1〜20−N)とが、有線又は無線のネットワーク2を介して接続されている。尚、印刷装置20は、1つでもよい。情報処理装置10には、情報蓄積装置30が接続されている。情報蓄積装置30は、例えば、外部ファイルサーバ35、ストレージサーバ36、USBメモリ37により構成される。
【0017】
印刷処理装置10は、情報蓄積装置30内の記憶領域を参照し、書き換え用印刷設定情報を取得して、印刷設定情報の更新をすると共に、印刷装置20に印刷コマンドを出力するものである。印刷装置20は、印刷コマンドに従って印刷を実行するものであり、様々な機能とその機能を選択する選択肢を有している。情報処理装置10は、印刷装置20の有する様々な機能及びその機能を選択する選択肢に対応した設定項目及び設定値の情報として、印刷設定情報を設定することができるようになっている。
【0018】
図1は、図2中の情報処理装置10の詳細を示す構成図である。
情報処理装置10には、アプリケーションプログラム(以下「AP」という。)11、オペレーティングシステム(以下「OS」という。)12、印刷や画面表示を制御するインタフェース(以下「I/F」という。)であるグラフィックデバイスインタフェース(Graphic Device Interface、以下「GDI」という。)13、及びプリンタドライバ14がインストールされ、更に、記憶領域15と、外部I/F17と、が設けられている。
【0019】
AP11は、描画(印刷)命令や印刷設定情報の変更の命令を、GDI13を介してプリンタドライバ14へ出力するプログラムである。
【0020】
OS12は、情報処理装置10の初期設定値(これを「デフォルト」という。)である印刷設定情報15aが記憶されている記憶領域15をその管理下に有すると共に、印刷スプーラ16を有するプログラムである。印刷スプーラ16は、プリンタドライバ14から供給される印刷コマンドS14を外部I/F17を介して接続された印刷装置20へ出力するものである。
【0021】
GDI13は、機能ブロック間を接続するI/Fのプログラムであり、例えば、AP11とプリンタドライバ14、及びプリンタドライバ14とOS12との間を接続するI/Fの機能を有している。
【0022】
プリンタドライバ14は、デフォルト印刷設定の書き換えのデフォルト印刷設定書き換え指示データ検索処理部(以下「指示データ検索処理部」という。)14a、個別認証データと書き換え済み個別認証データの比較判定処理部(以下「比較判定処理部」という。)14b、デフォルト印刷設定の書き換え処理部(以下「書き換え処理部」という。)14c、及び印刷コマンド生成処理部14dから構成されるプログラムであり、その管理下に参照先情報15b、及び書き換え済みの個別認証データ15cを格納する書き換え済み個別認証データのフラグテーブル(以下「フラグテーブル」という。)15dを保持する記憶領域15を有している。
【0023】
指示データ検索処理部14aは、印刷設定情報15aの更新指示の命令S11をAP11から受けると、記憶領域15から、参照先情報15bを取得し、この参照先情報15bに基づいて情報蓄積装置30の内部を検索すると共に、比較判定処理部14bへ、次の処理を指示する。
【0024】
比較判定処理部14bは、指示データ検索処理部14aからの指示を受けると、情報蓄積装置30から取得される個別認証データ32aと、フラグテーブル15dと、に基づいて、個別認証データ32aの有無、及び取得された個別認証データ32aがフラグテーブル15d内にあるか否かの判定をし、その判定結果を書き換え処理部14cへ出力すると共に、次の処理を指示する機能を有している。比較判定処理部14bは、印刷設定情報15aの設定情報の更新後に、フラグテーブル15dに書き換え済みの個別認証データ32aを上書き保存する機能を有している。
【0025】
書き換え処理部14cは、比較判定処理部14bからの指示を受けると、情報蓄積装置30からの書き換え用の印刷設定情報32bの入力に基づいて、記憶領域15内の印刷設定情報15aを更新する機能を有している。
【0026】
印刷コマンド生成処理部14dは、AP11から描画命令に基づき印刷コマンドを生成し、OS12内の印刷スプーラ16へ出力するものである。印刷スプーラ16は、プリンタドライバ14から供給される印刷コマンドS14を入力するジョブ16aと、印刷装置20へ印刷コマンドを出力するジョブ16bと、を有しており、プリンタドライバ14から入力される印刷コマンドを所定のタイミングで印刷装置20へ出力するものである。
【0027】
外部I/F17は、例えば、印刷スプーラ16と印刷装置20とを接続するハードウェアI/Fである。印刷装置20は、情報処理装置10からの命令に従って、例えば、紙の記憶媒体へ文字、画像等を印刷するものである。
【0028】
情報蓄積装置30は、記憶領域31を有し、この記憶領域31には、自己を識別するための個別認証データ32aと書き換え用印刷設定情報32bとを保持するデフォルト印刷設定情報の書き換え指示データファイル(以下「指示データファイル」という。)32が格納されている。情報蓄積装置30は、情報処理装置10から入力される参照先情報15bに基づき、個別認証データ32a及び書き換え用印刷設定情報32bを情報処理装置10へ出力するものである。
【0029】
図3は、図1中の印刷設定情報15aの例を示す図である。
図1中の印刷設定情報15aは、情報処理装置10のOS12におけるデフォルトの印刷設定情報であり、図3には、用紙サイズ、解像度、カラー・モノクロ、用紙厚、及び両面印刷の印刷設定項目に対して、それぞれ、A4(版)、ふつう、カラー、厚い紙、及び無し、が設定されている例が示されている。
【0030】
図4は、図1中の参照先情報15bの例を示す図である。
図1中の参照先情報15bは、情報処理装置10が書き換え用印刷情報32bを参照に行く先を示す情報であり、例えば、参照先1に対する参照先情報15bとして、“情報蓄積装置30のデータファイル32”が格納されている。図1において、例えば、AP11により、参照先番号1を指定して印刷設定変更の命令がされると、指示データ検索処理14aにより、参照先情報15bとして、情報蓄積装置30のデータファイル32が参照されることになる。
【0031】
AP11からの印刷設定変更の命令時における参照先番号の指定が、2,3,4のときは、参照先情報15bとして、それぞれ、外部ファイルサーバ35,ストレージサーバ36,外部メモリ37が参照されることになる。
【0032】
図5は、図1中のフラグテーブル15dの例を示す図である。
フラグテーブル15dは、既に参照された参照済の個別認証データ15cを格納するテーブルである。図5の例では、“情報蓄積装置30のデータファイル32”に対する個別認証データ32aが、書き換え済み個別認証データ15cとして格納されている。情報蓄積装置30として、フラグテーブル15dに、外部ファイルサーバ35、ストレージサーバ36、及びUSBメモリ37が登録されているが、これらは未だ参照されておらず、書き換え済みでないので、書き換え済み個別認証データ欄は、空欄となっている。
【0033】
図6は、図1中の書き換え用印刷情報32bの例を示す図である。
書き換え用印刷設定情報32bは、印刷設定情報15aを書き換えるための印刷設定情報であり、図6には、用紙サイズ、解像度、カラー・モノクロ、用紙厚、及び両面印刷の各印刷設定項目は、それぞれ、A3(版)、きれい、モノクロ、薄い紙、及び長編綴じ、と設定する例が示されている。
【0034】
(実施例1の動作)
図1において、情報処理装置10における印刷設定情報の更新動作は、情報処理装置10内の記憶領域15に、参照先情報15bが記憶されていることを前提としているので、先ず、参照先情報15bの登録方法から説明する。
【0035】
(参照先情報の登録方法)
図7は、参照先情報の登録方法を説明するための図であり、2つの参照先情報15bの登録方法が示されている。
【0036】
先ず、情報処理装置10のオペレータが、プリンタドライバ14のプログラムをインストール前に、参照先情報15bを登録する登録方法1について説明する。
【0037】
情報処理装置10に、プリンタドライバ33aのプログラム及び参照先情報33bを格納し、プリンタドライバ14にプログラムをインストールするためのインストーラ33cを有するインストールパッケージ33を接続する。その後、情報処理装置10のオペレータが、インストーラ33cを起動し、インストーラ33cがプリンタドライバ33aをインストールする際に、情報処理装置10の記憶領域15へ参照先情報33bを登録する。印刷システム1の管理者がデータファイル32を配置或いは配布する前に、情報処理装置10のオペレータは、データファイル32の参照先情報15bを情報処理装置10の記憶領域15に登録しておく。
【0038】
次に、情報処理装置10のオペレータが、プリンタドライバ14のプログラムをインストールした後に、参照先情報15bを登録する登録方法2について説明する。
【0039】
情報処理装置10に、参照先情報34aを格納した参照先情報設定用のスクリプト(以下「スクリプト」という。)34を接続する。オペレータが、スクリプト34を起動すると、スクリプト34は、既にプログラムがインストールされている情報処理装置10のプリンタドライバ14に、後から参照先情報34aを登録する。プリンタドライバ14に、プログラムが既にインストールされている場合は、情報処理装置10のプリンタドライバ14に対して参照先情報15bを設定するためのバッチファイルを配布し、各オペレータはこのバッチファイルを実行することで参照先情報15bを登録する。
【0040】
(印刷設定情報の更新動作)
次に、印刷設定情報の更新動作について説明する。
【0041】
図1及び図2において、情報処理装置10のオペレータは、情報処理装置10に接続された印刷装置20に対応した印刷設定に、印刷設定情報15aを変更したい場合、情報処理装置10のAP11を起動し、印刷設定変更を命令する。印刷設定変更の命令を受けたプリンタドライバ14は、記憶領域15から参照先情報15bを取得し参照先情報15bに基づき記憶領域31を検索し、プリンタドライバ14の設定を変更する内容を保持したデータファイル32の有無を判断する。プリンタドライバ14は、このデータファイル32が存在する場合、情報処理装置10のプリンタドライバ14が動作した時点で自らの記憶領域15に保持される印刷設定情報15aを更新する。
【0042】
図8は、本発明の実施例1の印刷設定情報の更新処理を示すフローチャートであり、複数のステップST10、11、13、14、17、18、及び19の上段及び下段には、処理内容及びそのステップST10、11、13、14、17、18、及び19の処理を実行する動作主体が記載されている。
【0043】
印刷設定情報15aの更新処理が開始されると、ステップST10へ進む。ステップST10において、AP11は、プリンタドライバ14を呼び出し、ステップST11へ進む。ステップST11において、呼び出されたプリンタドライバ14内の指示データ検索処理14aが、記憶領域15内に記憶された参照先情報15bを取得して、参照先を検索し、ステップST12へ進む。
【0044】
ステップST12において、指示データ検索処理部14aは、参照先情報15bに対応した参照先にデータファイル32が存在するかどうかを確認する。データファイル32の有無を判断し、存在しない場合には(N)、ステップST20へ進み、存在する場合には(Y)、ステップST13へ進む。ステップST13において、データファイル32に含まれる個別認証データ32aを比較判定処理14bが取得し、取得した個別認証データ32aと、フラグテーブル15d内に格納された個別認証データと比較し、ステップST14へ進む。ステップST14において、個別認証データ32aとフラグテーブル15d内のN番目の個別認証データと比較し、ステップST15へ進む。
【0045】
ステップST15において、比較判定処理部14bは、個別認証データ32aと同じ個別認証データがフラグテーブル15dに含まれているか否かの判定し、同じ個別認証データが含まれている場合には(Y)、既に書き換え済み個別認証データであると判断して、ステップST20へ進み、同じ個別認証データが含まれていない場合には(N)、ステップST16へ進む。ステップST16において、比較判定処理部14bは、フラグテーブル15d内の全ての個別認証データが検索されたか否かが判断され、全ての個別認証データが検索された場合には(Y)、ステップST17へ進み、全ての個別認証データが検索されていない場合には(N)、ステップST14へ戻る。フラグテーブル15d内に含まれる全ての個別認証データを比較するまで、ステップST14〜16の処理を繰り返す。
【0046】
ステップST17において、フラグテーブル15d内に個別認証データ32aが含まれていない場合、データファイル32は、未だ書き換えが行われていないと判断して、書き換え処理14cがデータファイル32から書き換え用印刷設定情報32bを取得し、ステップST18へ進む。ステップST18において、書き換え処理14cを介して、印刷設定情報15aの更新を実行し、ステップST19へ進む。ステップST19において、印刷設定情報15aの更新が実行されたことを記録するため、フラグテーブル15dに対し、個別認証データ32aを追加し、ステップ20へ進む。ステップST20において、印刷設定情報の更新処理を終了する。書き換え済み個別認証データとして、個別認証データ32aが記録されたフラグテーブル15dが、図5に示されている。
【0047】
(印刷処理の動作)
図9は、印刷システム1における印刷処理の流れを説明するための図である。
【0048】
最後に、図1、図2、及び図9を参照して、印刷システム1の印刷処理の動作を説明する。
図9において、AP11が、GDI13を介して、描画命令S11をプリンタドライバ14へ出力する。描画命令S11を受けると、プリンタドライバ14は、情報処理装置10に接続された印刷装置20を制御するため、描画命令S11を印刷装置20が利用するページ記述言語の印刷コマンドS14に変換し、印刷スプーラ16へ送出する。印刷スプーラ16は、印刷コマンドS14をジョブ16aとして蓄積し、順次、外部I/F17を介して印刷コマンドs16bを印刷装置20へ出力する。印刷装置20は、印刷コマンドS16Bに従って印刷を実行する。
【0049】
情報処理装置10を操作するオペレータが、印刷設定情報15aの設定項目及び設定値を選択することで、印刷装置20の機能及びその機能の選択肢に対応した印刷が実行される。プリンタドライバ14が、初期状態でどのような設定項目及び設定値を有するかを、デフォルトの設定値として保持されている。このデフォルトの設定値は、OS12が管理し、プリンタドライバ14がインストールされた時点で生成され、情報処理装置10の記憶領域15上に保持されている。
【0050】
(実施例1の効果)
本実施例1によれば、次の(a)〜(f)のような効果がある。
【0051】
(a) 印刷システム1の管理者は、参照先情報15bの参照先の情報蓄積装置30の記憶領域31にデフォルト印刷設定書換指示データファイル32を配置する。これにより、情報処理装置10のオペレータは、参照先情報15bに基づき、情報蓄積装置30の記憶領域31にデフォルト印刷設定書換指示データファイル32を参照することにより、情報処理装置10の印刷設定情報15aの設定値を更新することができる。
【0052】
(b) 情報処理装置10の印刷設定情報15aの更新は、印刷装置20での印刷の処理のためにプリンタドライバ14が呼び出されるタイミングで実行される。そのため、デフォルト印刷設定情報15aの設定値の更新した後に、情報処理装置10のオペレータが、印刷設定情報15aのデフォルト値を好みの設定値に変更した場合、再びデフォルト印刷設定書換指示データファイル32で指定されているデフォルト印刷設定情報に戻されてしまうことはない。
【0053】
(c) オペレータが、印刷設定情報15aを更新する場合の設定情報の参照先を示す参照先情報15bに基づいて、書き換え用印刷設定情報32bを検索し、印刷設定情報15aを検索された書き換え用印刷情報32bに更新するようにしている。そのため、一度、情報処理装置10の印刷設定情報15aの設定をした後に、印刷設定情報を更新するために、オペレータが、再度、プリンタドライバ14のプログラムをインストールする必要がない。
【0054】
(d) 情報処理装置10は、参照先情報15bに基づいて書き換え用印刷設定情報32bを検索するようにしている。そのため、複数の印刷装置20−1〜20−Nに対応した複数の書き換え用印刷設定情報32bを、複数の参照先情報15bと対応づけて情報蓄積装置30に記憶しておくことにより、情報処理装置10の印刷設定情報15aを参照先情報15bに対応した複数の印刷装置20−1〜20−Nの印刷設定情報32bに変更することができる。
【0055】
(e) 印刷システム1は、情報処理装置10内のプリンタドライバ14のプログラムを再インストールすることなく、印刷設定情報15aのデフォルト値を更新できるようになっている。そのため、印刷システム1の印刷設定情報15aのデフォルト値を変更する際に、プリンタドライバ14のプログラムをインストールする作業は発生しない。
【0056】
(f) 印刷システム1は、参照先の情報蓄積装置30内の記憶領域31に格納されたデータファイル32に個別認証データ32aを付与している。そのため、管理者が、個別認証データ32aを新たに付与したデータファイル32を配置することで、同一の情報処理装置10に対して印刷設定情報15aのデフォルト値の更新指示を、印刷システム1の管理者が、何度でも行うことができる。
【実施例2】
【0057】
(実施例2の構成)
図10は、本発明の実施例2の印刷システム1Aの概略を示す構成図であり、実施例1の印刷システム1を示す図2中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0058】
本実施例2の印刷システム1Aは、実施例1と同様の複数の印刷装置20−1〜20−Nと、実施例1と構成及び機能が異なる情報処理装置10Aとが、実施例1と同様のネットワーク2を介して接続されている。更に、情報処理装置10Aには、実施例1とは構成及び機能が異なる情報蓄積装置30Aが接続されている。
【0059】
図11は、図10中の情報処理装置10Aの詳細を示す構成図であり、実施例1における情報処理装置10を示す図1中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0060】
本実施例2の情報処理装置10Aは、実施例1の情報処理装置10と同様のAP11及びGDI13のプログラムと、実施例1とは異なるOS12A及びプリンタドライバ14Aのプログラムとがインストールされ、更に、実施例1と同様の記憶領域15と、実施例1と同様の外部I/F17と、が設けられている。
【0061】
OS12Aは、その支配下の記憶領域15に記憶されている現在の印刷設定情報15aをプリンタドライバ14Aへ出力すると共に、プリンタドライバ14Aから書き換え用印刷設定情報32bが入力されると、印刷設定情報15aを書き換え用印刷設定情報32bに書き換える機能を有している。OS12Aのその他の構成及び機能は、実施例1のOS12と同様である。
【0062】
プリンタドライバ14Aは、実施例1のプリンタドライバ14と同様の指示データ検索処理部14a、比較判定処理部14b、及び印刷コマンド生成処理部14dと、新たに追加された印刷設定項目マスク処理部(以下「マスク処理部」という。)14eと、実施例1とは機能の異なる書き換え処理部14fと、を有している。
【0063】
印刷設定項目マスク処理部14eは、情報蓄積装置30Aから入力される書き換え用印刷設定情報32b及び印刷設定項目のマスクデータ(以下「マスクデータ」という。)32cと、OS12Aから入力される印刷設定情報15aと、に基づいて論理演算をして、デフォルト書き換え用のマスク済の印刷設定情報(以下「マスク済み印刷設定情報」という。)S14eを生成し、書き換え処理部14fへマスク済み印刷設定情報S14eを出力する。
【0064】
書き換え処理部14fは、比較判定処理部14bからの指示を受けると、マスク処理部14eから入力されるマスク済み印刷設定情報S14eに基づいて、記憶領域15内の印刷設定情報15aを更新する機能を有している。プリンタドライバ14Aのその他の構成は、実施例1のプリンタドライバ14と同様である。
【0065】
本実施例2の情報蓄積装置30Aは、実施例1の情報蓄積装置30内のデータファイル32とは異なる第2のデフォルト印刷設定書き換え指示データファイル(以下「データファイル」という。)32Aを有している。データファイル32Aには、実施例1のデータファイル32と同様の個別認証データ32a及び書き換え用印刷設定情報32bに、新たに、マスクデータ32cが追加されて、格納されている。マスクデータ32cは、印刷設定情報15aの設定項目の内、設定更新をする設定項目を指定したデータであり、このマスクデータ32cを用いて、印刷設定情報15aの更新をすることにより、印刷設定情報15aの設定項目の内の所定の設定項目のみを更新することを企図したデータである。情報蓄積装置30Aのその他の構成については、実施例1の情報蓄積装置30の構成と同様である。
【0066】
図12は、図11中のマスクデータ32cの例を示す図である。
図6と図12と対比すると、図12に示されたマスクデータ32cの例では、印刷設定項目の内、「用紙サイズ」と「カラー・モノクロ」とがマスクされている。マスクデータ32cを用いることにより、印刷設定情報15aの内のマスクされている設定項目の「用紙サイズ」及び「カラー・モノクロ」の設定値のみを更新することができる。
【0067】
(実施例2の動作)
本実施例2における参照先情報15bの登録及び印刷の動作は、実施例1と同様であるので、実施例1と異なる印刷設定情報15aの更新動作について、以下説明する。
【0068】
図13は、実施例2の印刷設定処理を示すフローチャートであり、複数のステップST10、11、13、31〜34、17、18、及び19の上段及び下段には、処理内容及びそのステップST10、11、13、31〜34、17、18、及び19の処理を実行する動作主体が記載されている。
【0069】
印刷設定情報の更新の処理が開始されると、実施例1と同様なステップST10〜ST16の処理を行い、引き続いて、実施例1とは異なるステップST31〜ST34の処理を行い、次に、実施例1と同様なステップST17〜ST20の処理を行う。
【0070】
ステップST10〜ST16において、実施例1と同様な処理が行われ、ステップST31へ進む。
【0071】
ステップST31において、マスク処理部14eが、データファイル32Aから書き換え用印刷設定情報32bを取得し、ステップST32へ進む。ステップST32において、マスク処理部14eが、データファイル32Aからマスクデータ32cを取得し、ステップST33へ進む。ステップST33において、マスク処理部14eが、記憶領域15から印刷設定情報15aを取得し、ステップST34へ進む。ステップST34において、マスク処理部14eが、印刷設定情報32b、マスクデータ32c、及び印刷設定情報15aに基づき、以下の論理演算を行う。
(印刷設定情報15a)AND(マスクデータ32c)OR(印刷設定情報32b)AND(反転マスクデータ/32c)
【0072】
この論理演算により、マスクデータ32cを考慮したマスク済印刷設定情報を生成し、ステップST17へ進む。ステップST17において、書き換え処理14fは、ステップST34の論理演算の結果を得て、ステップST18へ進む。ステップST18において、OS12AのOS書き換え処理14fを仲介し、書き換え処理を実行し、ステップST19へ進む。ステップST19において、比較判定処理14bが、書き換えが一度実行されたことを記憶するため、フラグテーブル15cに対し、今回の個別認証データ32aを追加し、ステップST20へ進む。ステップST20において、印刷設定情報15aの設定値の更新の処理を終了する。
【0073】
図14は、図11中の印刷設定項目マスク処理14eにおける論理演算を説明する図であり、図13中のステップST34での論理演算が示されている。
【0074】
先ず、図14(a)に示された印刷設定情報15aと、図14(b)に示されたマスクデータ32cと、の各設定項目の論理積が論理演算され、図14(c)に示された第1論理積テーブルを得る。図14(c)に示された第1論理積テーブルは、印刷設定情報15aの設定項目に対し、『(印刷設定情報15a)AND(マスクデータ32c)』の論理演算を実行した結果であり、図14(a)の印刷設定情報15aの設定項目中、図14(b)のマスクデータ32cでマスクされている設定項目の「用紙サイズ」及び「カラー・モノクロ」がマスクされた論理積テーブルとなっている。
【0075】
次に、図14(d)に示された書き換え用印刷設定情報32bと、図14(e)に示されたマスクデータ32cのマスク論理を反転したNOT(マスクデータ)/32cと、の各設定項目の論理積が論理演算され、図14(f)に示された第2論理積テーブルを得る。図14(f)に示された第2論理積テーブルは、書き換え用印刷設定情報32bの設定項目に対し、『(印刷設定情報32b)AND(反転マスクデータ/32c)』の論理演算を実行した結果であり、図14(d)中、図14(e)の反転マスクデータ/32cでマスクされている設定項目の「解像度」、「用紙厚」、及び「両面印刷」がマスクされた論理積テーブルとなっている。
【0076】
更に、図14(c)に示された第1論理積テーブルと、図14(f)に示された第2論理積テーブルと、の各設定項目の論理和が論理演算され、図14(g)に示されたマスク済み印刷設定情報を得る。図14(g)に示されたマスク済み印刷設定情報は、図14(c)に示された第1論理積テーブル及び図14(f)に示された第2論理積テーブルの各設定項目に対し、『(印刷設定情報15a)AND(マスクデータ32c)OR(印刷設定情報32b)AND(反転マスクデータ/32c)』の論理演算をした結果である。図14において、図14(c)に示された第1論理積テーブルの設定項目のうちマスク設定されていない設定項目「解像度」、「用紙厚」、及び「両面印刷」と図14(f)に示された第2論理積テーブルのマスク設定されていない設定項目「用紙サイズ」及び「カラー・モノクロ」を合成した論理積テーブルとなっている。
【0077】
以上をまとめると、図14において、論理演算により合成された図14(g)に示されたマスク済み印刷設定情報テーブルは、図14(a)に示された印刷設定情報15aの設定項目のうち、図14(b)に示されたマスクデータ32cでマスクされている項目のみ、図14(d)に示された書き換え用印刷設定情報32bの設定値に更新されている。
【0078】
即ち、実施例2では、情報蓄積装置30Aのデータファイル31Aにマスクデータ32cを追加し、情報処理装置10Aのプリンタドライバ14Aに印刷設定項目マスク処理14eを追加した。これにより、印刷設定情報15aの設定項目の内、マスクデータ32cでマスクした設定項目だけ、書き換え用印刷設定情報32bの設定値に更新することが可能になる。
【0079】
(実施例2の効果)
本実施例2によれば、実施例1と同様な効果に加え、更に、以下の(a),(b)のような効果がある。
【0080】
(a) 情報蓄積装置30Aのデータファイル32Aに、マスクデータ32cを追加したので、印刷システム1Aの管理者は、情報処理装置10Aの印刷設定情報15aの内、マスク設定した設定項目のデフォルト値のみを更新することができる。
【0081】
(b) 印刷システム1Aの管理者は、情報処理装置10Aの印刷設定情報15aの内、マスク設定した設定項目のデフォルト値のみを更新する。これにより、オペレータは、情報処理装置10の印刷設定情報15aのデフォルト値を好みの設定値に書き換えた後に、印刷システム1Aの管理者が、特定の設定項目をマスク指定して、印刷設定情報15aを更新した場合には、マスク指定した設定項目以外の設定項目については、オペレータが実施した変更内容が保持される。
【実施例3】
【0082】
(実施例3の構成)
図15は、本発明の実施例3の印刷システム1Bの概略を示す構成図であり、実施例1における印刷システム1を示す図2中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0083】
本実施例3の印刷装置1Bは、実施例1と同様の複数の印刷装置20−1〜20−Nと、実施例1と構成及び機能が異なる情報処理装置10Bとが、実施例1と同様のネットワーク2を介して接続されている。
【0084】
図16は、図15中の情報処理装置10Bの詳細を示す構成図であり、実施例1における情報処理装置10を示す図1中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0085】
本実施例3の情報処理装置10Bは、実施例1と同様のGDI13及び外部I/F17と、実施例1とは構成及び機能が異なるAP11A、OS12B、プリンタドライバ14B、及び記憶領域15Aを有している。
【0086】
AP11Aは、実施例1のAP11と同様の構成に加え、記憶領域15A内に、印刷設定アプリケーション保持値15eを記憶する領域を、その支配下に有している。
【0087】
OS12Bは、実施例1のOS12と同様の構成に、新たに、AP11Aの支配下の印刷設定アプリケーション保持値15eによって印刷設定情報15aを更新する機能は付加されている。
【0088】
プリンタドライバ14Bは、実施例1のプリンタドライバ14と同様の構成に、新たに、印刷ユーザI/F14hが追加されている。印刷設定ユーザI/F14hは、例えば、現在の印刷設定情報15aを表示する表示部41と、表示部41に表示された印刷設定情報15a中の所定の設定項目の設定値をオペレータが変更する操作部42とを有するコントロールパネル40が接続される。
【0089】
記憶領域15Aには、実施例1の記憶領域15と同様な印刷設定情報15a、参照先情報15b、及びフラグデーブル15dに、新たに、印刷設定のアプリケーション保持値(以下「AP保持値」という。)15eの記憶領域が追加されている。
【0090】
(実施例3の動作)
本実施例3の動作のうち、参照先情報の登録、参照先を参照して行われる印刷設定の動作、及び印刷動作については、実施例1と同様である。
【0091】
本実施例3はで、プリンタドライバ14Bに、印刷設定ユーザI/F14hが追加されている。この印刷設定ユーザI/F14hを介しての印刷設定情報15aの更新機能が追加されているので、以下、追加された印刷設定ユーザI/F14hを介しての更新機能について説明する。
【0092】
図17は、実施例3の印刷設定及び印刷の流れを説明する図であり、図18は、実施例3の印刷設定処理を示すフローチャートであり、複数のステップST41〜ST48の上段及び下段には、処理内容及びそのステップST41〜ST48の処理を実行する動作主体が記載されている。
【0093】
ステップST40において、印刷設定の処理が開始されると、ステップST41へ進む。ステップST41において、AP11は、起動時にOS12から現在の印刷設定情報15aを取得し、ステップST42へ進む。ステップST42において、AP11は、取得した印刷設定情報15aを一旦、AP保持値15eとして、記憶領域15A内に保持する。コントロールパネル40の操作部42から印刷設定I/F14hを介してプリンタドライバ14Bの呼び出しの操作が受付けられると、AP11Aは、プリンタドライバ14Bを呼び出し、ステップST43へ進む。
【0094】
ステップST43において、AP11Aは、保持しているAP保持の設定値15eをプリンタドライバ14Bへ渡し、プリンタドライバ14Bは、その設定値を印刷設定I/F14hを介して表示部41に表示する。ステップST44において、操作部42からの印刷装置20の機能を対応する設定項目の設定の操作が受付けられると、印刷設定情報15aの設定変更が完了し、ステップST45へ進む。ステップST45において、プリンタドライバ14Bは、ユーザI/F14hの変更状態を設定値に反映させて、AP11に返送し、ステップST46へ進む。ステップST46において、AP11は返送された設定値をAP保持値15eとし、ステップST47へ進む。
【0095】
ステップST47において、オペレータの印刷実行の指示により、変更されたAP保持値15eをプリンタドライバ14Bへ渡し、再びプリンタドライバ14Bの印刷コマンド生成処理14dを呼び出し、ステップST48へ進む。ステップST48において、プリンタドライバ14Bは、AP11からの描画命令S11に応じて呼び出され、印刷コマンド生成処理14dにおいて様々な描画命令に対応し、AP11Aからの印刷設定を加味した状態で印刷コマンドS15e2を生成し、外部I/F17を介して印刷装置20に印刷コマンドS16bを出力し、ステップST49へ進む。印刷装置20は、印刷コマンドS16bを受けとると、印刷コマンドS16bに従って印刷を実行する。ステップST49において、印刷処理は終了する。
【0096】
尚、上記説明においては、オペレータが印刷設定を変更する操作をした場合について説明したが、オペレータが、印刷設定を変更する操作を行わず、直ちに、印刷実行の指示を行った場合は、OS12Bのデフォルト設定値のまま印刷されることになる。
【0097】
(実施例3の効果)
本実施例3に印刷システムによれば、実施例1、2と同様な効果に加え、更に、以下の(a),(b)のような効果がある。
【0098】
(a) 本実施例3の情報処理装置10Bは、プリンタドライバ14Bに印刷設定ユーザI/Fが追加されているので、情報処理装置10Bのオペレータは、プリンタドライバ14Bのインストール時に提供されたデフォルトの印刷設定情報15aの設定値を印刷設定ユーザI/F15hを介して、印刷設定情報15aの設定値に所望の設定値に変更することができる。
【0099】
(b) オペレータが、印刷設定ユーザI/F15hを介して、印刷設定情報15aの設定値を変更する場合、印刷設定情報15aのデフォルト値自体は更新しないので、印刷設定情報15aのデフォルト値自体は保持される。
【0100】
(変形例)
本発明は、上記実施例1〜3に限定されず、種々の利用形態や変形が可能である。この利用形態や変形例として、例えば、次の(1)〜(6)のようなものがある。
【0101】
(1) 実施例1〜3の印刷システム1,1A,1Bでは、1台の情報処理装置10(=10,10A,10B)と、複数の印刷装置20−1〜20−Nが、ネットワーク2を介して接続されたシステムとしたが、情報処理装置10の台数は1台に限定されず、複数台設けてもよい。この場合、複数台の情報処理装置10から参照先情報15bを参照することにより、印刷設定情報15aの更新が可能となる。
【0102】
(2) 実施例1〜3の情報処理装置10の印刷設定情報15aでは、設定項目を、用紙サイズ、解像度、カラー・モノクロ、用紙厚、及び両面印刷としたが、設定項目は、これらの項目に限定されず、印刷装置20の機種に応じて、適宜変更して適用することができる。
【0103】
(3) 実施例2の情報処理装置10Aのプリンタドライバ14A内の印刷設定項目マスク処理14eにおいては、印刷設定情報15aの設定項目の内、マスクデータ32cでマスクされた設定項目のみ更新されるとしたが、逆に、マスクデータ32cにおいてマスクされた設定項目以外の設定項目のみ更新されるようにしてもよい。
【0104】
(4) 実施例3の情報処理装置10Bでは、AP11Aがプリンタドライバ14Bの印刷設定ユーザI/F14hを呼び出す機能を持つとしたが、プリンタドライバ14Bの印刷設定ユーザI/F14hを呼び出す機能を持たず、デフォルト設定のみ利用して印刷するものとしてもよい。この場合、オペレータは、印刷を実行する毎に、コントロールパネル40を介して、OS12の印刷設定情報15aのデフォルト値の変更を行うことになる。
【符号の説明】
【0105】
1,1A,1B 印刷システム
2 ネットワーク
10,10A,10B 情報処理装置
11,11A AP
12,12A,12B OS
13 GDI
14,14A,14B プリンタドライバ
14a 指示データ検索処理部
14b 比較判定処理部
14c,14f 書き換え処理部
14d 印刷コマンド生成処理部
14e マスク処理部
14h 印刷設定ユーザI/F
15,15A,31,31A 記憶領域
15a,32b 印刷設定情報
15b 参照先情報
15c 書き換え済個別認証データ
15d フラグテーブル
16 印刷スプーラ
17 外部I/F
20,21,22 印刷装置
30,30A 情報蓄積装置
32,32A データファイル
32a 個別認証データ
32c マスタデータ
40 コントロールパネル
41 表示部
42 操作部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の設定項目についての現在の設定情報である印刷設定情報と、前記印刷設定情報を更新する場合の前記設定情報の参照先を示す参照先情報と、前記印刷設定情報の更新を有効にするための書き換え済み個別認証データを格納する書き換え済みフラグテーブルと、を保持する記憶領域と、
前記参照先情報に基づいて書き換え用印刷設定情報を検索し、前記書き換え用印刷情報により前記印刷設定情報を更新すると共に、印刷命令を出力するプリンタドライバと、
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記プリンタドライバは、
前記参照先情報に基づいて、前記参照先の個別認証データを検索し、前記個別認証データと、前記書き換え済みフラグテーブルに格納されている前記書き換え済み個別認証データとを比較し、この比較結果が、前記個別認証データが前記書き換え済みフラグテーブルに格納されている何れの前記書き換え済み個別認証データとも一致しない場合、前記印刷設定情報を前記書き換え用印刷情報に更新すると共に、前記印刷命令を出力することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記プリンタドライバは、
前記参照先情報に基づいて、前記個別認証データ、前記書き換え用印刷設定情報、及び前記印刷設定情報のうちの設定値を変更する前記設定項目を示す印刷設定項目のマスクデータと、を検索し、前記印刷設定情報、前記書き換え用印刷設定情報、及び前記印刷設定項目のマスクデータに基づき、前記印刷設定情報の前記設定項目の中の所定の前記設定項目のみの前記設定値を更新すると共に、前記印刷命令を出力することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プリンタドライバは、
前記印刷設定情報、前記書き換え用印刷設定情報、及び前記設定項目のマスクデータを入力し、所定の論理演算をしてマスク済み印刷設定情報を生成する印刷設定項目のマスク処理部を有し、
このマスク済み印刷設定情報に基づいて、前記印刷設定情報を更新すると共に、前記印刷命令を出力することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プリンタドライバは、
前記印刷設定情報の設定値をユーザが変更するための印刷設定ユーザインタフェースを有し、
前記参照先情報に基づいて、前記参照先の個別認証データを検索し、前記個別認証データと、前記書き換え済済みフラグテーブルに格納されている前記書き換え済み個別認証データとを比較し、この比較結果が、前記個別認証データが前記書き換え済みフラグテーブルに格納されている何れの前記書き換え済み個別認証データとも一致しない場合、前記印刷設定情報を前記書き換え用印刷情報に更新し、前記印刷命令を出力すると共に、前記印刷設定ユーザインタフェースを介して、前記印刷設定情報の前記設定項目の前記設定値を変更することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記論理演算は、
前記印刷設定情報と前記マスクデータとの設定項目毎の論理積により第1論理積テーブルを生成し、前記書き換え用印刷設定情報と、前記マスクデータの設定項目のマスク論理を反転した情報と、の設定項目毎の論理積により第2論理積テーブルを生成し、前記第1論理積テーブルと前記第2論理積テーブルとの論理和演算であることを特徴とする請求項4記載の情報処理装置。
【請求項7】
現在の設定情報である印刷設定情報、前記印刷設定情報を更新する場合の前記設定情報の参照先を示す参照先情報、及び、前記印刷設定情報の更新を有効にするための書き換え済み個別認証データを格納する書き換え済みフラグテーブル、を保持する記憶領域と、前記参照先情報に基づいて、個別認証データ及び書き換え用印刷設定情報を検索し、前記個別認証データが前記書き換え済みフラグテーブルに格納されている何れの書き換え済み個別認証データとも一致しない場合に、前記印刷設定情報を前記書き換え用印刷情報に更新すると共に、印刷命令を出力するプリンタドライバと、を有する情報処理装置と、
前記書き換え用印刷設定情報を保持し、前記情報処理装置から入力される前記参照先情報に基づいて前記個別認証データ及び書き換え用印刷設定情報を前記情報処理装置へ出力する情報蓄積装置と、
前記情報処理装置に接続され、前記情報処理装置からの前記印刷命令に従って印刷を行う1つ又は複数の印刷装置と、
を備えたことを特徴とする印刷システム。
【請求項8】
現在の設定情報である印刷設定情報、前記印刷設定情報を更新する場合の前記設定情報の参照先を示す参照先情報、及び、前記印刷設定情報の更新を有効にするための書き換え済個別認証データを格納するフラグテーブル、を保持する記憶領域と、前記参照先情報に基づいて、個別認証データ、書き換え用印刷設定情報、及び前記印刷設定情報のうちの設定値を変更する前記設定項目を示す印刷設定項目のマスクデータと、を検索し、前記個別認証データが前記書き換え済みフラグテーブルに格納されている何れの書き換え済み個別認証データとも一致しない場合に、前記印刷設定情報、前記書き換え用印刷設定情報、及び前記設定項目のマスクデータに基づき、前記印刷設定情報の前記設定項目の中の所定の前記設定項目のみの前記設定値を、前記書き換え用印刷設定情報の設定値に更新すると共に、印刷命令を出力するプリンタドライバと、を有する情報処理装置と、
前記個別認証データ、前記印刷設定書き換え情報、及び前記印刷設定項目マスクデータを保持し、前記情報処理装置から入力される前記参照先情報に基づいて、前記個別認証データ、前記書き換え用印刷設定値、及び前記印刷設定項目マスクデータを前記情報処理装置へ出力する情報蓄積装置と、
前記情報処理装置に接続され、前記情報処理装置からの前記印刷命令に従って印刷を行う1つ又複数の印刷装置と、
を備えたことを特徴とする印刷システム。
【請求項1】
複数の設定項目についての現在の設定情報である印刷設定情報と、前記印刷設定情報を更新する場合の前記設定情報の参照先を示す参照先情報と、前記印刷設定情報の更新を有効にするための書き換え済み個別認証データを格納する書き換え済みフラグテーブルと、を保持する記憶領域と、
前記参照先情報に基づいて書き換え用印刷設定情報を検索し、前記書き換え用印刷情報により前記印刷設定情報を更新すると共に、印刷命令を出力するプリンタドライバと、
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記プリンタドライバは、
前記参照先情報に基づいて、前記参照先の個別認証データを検索し、前記個別認証データと、前記書き換え済みフラグテーブルに格納されている前記書き換え済み個別認証データとを比較し、この比較結果が、前記個別認証データが前記書き換え済みフラグテーブルに格納されている何れの前記書き換え済み個別認証データとも一致しない場合、前記印刷設定情報を前記書き換え用印刷情報に更新すると共に、前記印刷命令を出力することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記プリンタドライバは、
前記参照先情報に基づいて、前記個別認証データ、前記書き換え用印刷設定情報、及び前記印刷設定情報のうちの設定値を変更する前記設定項目を示す印刷設定項目のマスクデータと、を検索し、前記印刷設定情報、前記書き換え用印刷設定情報、及び前記印刷設定項目のマスクデータに基づき、前記印刷設定情報の前記設定項目の中の所定の前記設定項目のみの前記設定値を更新すると共に、前記印刷命令を出力することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プリンタドライバは、
前記印刷設定情報、前記書き換え用印刷設定情報、及び前記設定項目のマスクデータを入力し、所定の論理演算をしてマスク済み印刷設定情報を生成する印刷設定項目のマスク処理部を有し、
このマスク済み印刷設定情報に基づいて、前記印刷設定情報を更新すると共に、前記印刷命令を出力することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プリンタドライバは、
前記印刷設定情報の設定値をユーザが変更するための印刷設定ユーザインタフェースを有し、
前記参照先情報に基づいて、前記参照先の個別認証データを検索し、前記個別認証データと、前記書き換え済済みフラグテーブルに格納されている前記書き換え済み個別認証データとを比較し、この比較結果が、前記個別認証データが前記書き換え済みフラグテーブルに格納されている何れの前記書き換え済み個別認証データとも一致しない場合、前記印刷設定情報を前記書き換え用印刷情報に更新し、前記印刷命令を出力すると共に、前記印刷設定ユーザインタフェースを介して、前記印刷設定情報の前記設定項目の前記設定値を変更することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記論理演算は、
前記印刷設定情報と前記マスクデータとの設定項目毎の論理積により第1論理積テーブルを生成し、前記書き換え用印刷設定情報と、前記マスクデータの設定項目のマスク論理を反転した情報と、の設定項目毎の論理積により第2論理積テーブルを生成し、前記第1論理積テーブルと前記第2論理積テーブルとの論理和演算であることを特徴とする請求項4記載の情報処理装置。
【請求項7】
現在の設定情報である印刷設定情報、前記印刷設定情報を更新する場合の前記設定情報の参照先を示す参照先情報、及び、前記印刷設定情報の更新を有効にするための書き換え済み個別認証データを格納する書き換え済みフラグテーブル、を保持する記憶領域と、前記参照先情報に基づいて、個別認証データ及び書き換え用印刷設定情報を検索し、前記個別認証データが前記書き換え済みフラグテーブルに格納されている何れの書き換え済み個別認証データとも一致しない場合に、前記印刷設定情報を前記書き換え用印刷情報に更新すると共に、印刷命令を出力するプリンタドライバと、を有する情報処理装置と、
前記書き換え用印刷設定情報を保持し、前記情報処理装置から入力される前記参照先情報に基づいて前記個別認証データ及び書き換え用印刷設定情報を前記情報処理装置へ出力する情報蓄積装置と、
前記情報処理装置に接続され、前記情報処理装置からの前記印刷命令に従って印刷を行う1つ又は複数の印刷装置と、
を備えたことを特徴とする印刷システム。
【請求項8】
現在の設定情報である印刷設定情報、前記印刷設定情報を更新する場合の前記設定情報の参照先を示す参照先情報、及び、前記印刷設定情報の更新を有効にするための書き換え済個別認証データを格納するフラグテーブル、を保持する記憶領域と、前記参照先情報に基づいて、個別認証データ、書き換え用印刷設定情報、及び前記印刷設定情報のうちの設定値を変更する前記設定項目を示す印刷設定項目のマスクデータと、を検索し、前記個別認証データが前記書き換え済みフラグテーブルに格納されている何れの書き換え済み個別認証データとも一致しない場合に、前記印刷設定情報、前記書き換え用印刷設定情報、及び前記設定項目のマスクデータに基づき、前記印刷設定情報の前記設定項目の中の所定の前記設定項目のみの前記設定値を、前記書き換え用印刷設定情報の設定値に更新すると共に、印刷命令を出力するプリンタドライバと、を有する情報処理装置と、
前記個別認証データ、前記印刷設定書き換え情報、及び前記印刷設定項目マスクデータを保持し、前記情報処理装置から入力される前記参照先情報に基づいて、前記個別認証データ、前記書き換え用印刷設定値、及び前記印刷設定項目マスクデータを前記情報処理装置へ出力する情報蓄積装置と、
前記情報処理装置に接続され、前記情報処理装置からの前記印刷命令に従って印刷を行う1つ又複数の印刷装置と、
を備えたことを特徴とする印刷システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2013−105418(P2013−105418A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−250590(P2011−250590)
【出願日】平成23年11月16日(2011.11.16)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月16日(2011.11.16)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】
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