説明

情報処理装置及び情報処理プログラム

【課題】項目が実施された日時に揺れがある場合であっても、記録情報間にある共通の構造を抽出するようにした情報処理装置を提供する。
【解決手段】情報処理装置の受付手段は、項目と該項目が実施された日時情報を含んだ記録に関する情報である記録情報を受け付け、分類手段は、前記受付手段によって受け付けられた記録情報を複数の系列のいずれか1つ以上に分類し、基準事象指定手段は、前記系列毎に、構造を生成するための基準となる事象である基準事象を指定し、構造化手段は、前記分類手段によって分類された記録情報に対して、前記基準事象指定手段によって指定された基準事象に基づいて、構造化処理を行い、型抽出手段は、前記構造化手段による構造化処理によって構造化された複数の記録情報から共通の型を抽出し、出力手段は、前記型抽出手段によって抽出した型を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
項目とその項目が実施された日時情報を含んだ記録情報に対する情報処理技術がある。
これに関連する技術として、例えば、特許文献1には、実施されたプロセスの分類や類似したプロセスの抽出を実行可能なプロセス分析方法を提供することを課題とし、プロセス分析方法は、行為の時間、行為の項目、行為の量の少なくとも三要素の一連の行為記録からなるプロセス記録について、プロセスマトリクス変換と距離計算手段を具備することで、プロセス間の類似度を距離として数値化し、これにより、実施された一連の行為記録のみの情報からプロセス間の類似度が距離として計算でき、ここで計算された距離をもとに、実施されたプロセスの分類や、類似プロセスの抽出が可能となることが開示されている。
【0003】
また、例えば、特許文献2には、診療記録の分析結果を、診療に効率良くフィードバックする方法及び情報システムを提供することを課題とし、クリニカルパス運用支援情報システムは、蓄積された診療記録を分析し、クリニカルパスを作成・修正及び記憶する機能を備えたクリニカルパス分析環境を有し、さらに本情報システムは、蓄積されたクリニカルパスから患者状態等に応じた最適クリニカルパス選択機能を有し、また、クリニカルパス分析環境には、診療プロセス評価機能とクリニカルパス評価機能を備え、前記機能により現実に即したクリニカルパスの作成・修正、患者に適したクリニカルパスの選択、及びクリニカルパスに沿った診療を支援することが可能となることが開示されている。
【0004】
また、例えば、特許文献3には、複数の場所で医療行為を行う医療施設においても、患者に対する医療行為の施す場所が例え変わっても継続的な時系列にしたがった患者の状態把握を可能とすることを課題とし、複数の医療行為を行う場所毎に患者に対する医療行為を行った結果を収集する患者情報収集システムを配設するとともに、各システムよりの情報を受け取り、患者情報を記憶可能なサーバシステムを設け、患者が部屋を移動する毎に異動先をサーバシステムに送り、サーバシステムで患者情報を追跡格納可能とし、また、サンプル記憶するべき患者よりの収集データを一旦表示して医者等の確認を待ってサンプルデータとして特定することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−085194号公報
【特許文献2】特開2008−047154号公報
【特許文献3】特開平09−070390号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、項目が実施された日時に揺れがある場合であっても、記録情報間にある共通の構造を抽出するようにした情報処理装置及び情報処理プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
請求項1の発明は、項目と該項目が実施された日時情報を含んだ記録に関する情報である記録情報を受け付ける受付手段と、前記受付手段によって受け付けられた記録情報を複数の系列のいずれか1つ以上に分類する分類手段と、前記系列毎に、構造を生成するための基準となる事象である基準事象を指定する基準事象指定手段と、前記分類手段によって分類された記録情報に対して、前記基準事象指定手段によって指定された基準事象に基づいて、構造化処理を行う構造化手段と、前記構造化手段による構造化処理によって構造化された複数の記録情報から共通の型を抽出する型抽出手段と、前記型抽出手段によって抽出した型を出力する出力手段を具備することを特徴とする情報処理装置である。
【0008】
請求項2の発明は、前記基準事象指定手段によって指定された基準事象に基づいて、前記型抽出手段によって抽出された複数の型を結合する結合手段をさらに具備し、前記出力手段は、前記結合手段によって結合された結果を出力することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置である。
【0009】
請求項3の発明は、前記結合手段は、前記型抽出手段によって抽出された型について、該型内で出現した項目の組が同じ型同士を基準事象の関係に基づいて結合することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置である。
【0010】
請求項4の発明は、前記結合手段は、前記系列内における基準となる事象の型の構造内における位置に、他の型の該基準事象の下位にある部分構造を結合することを特徴とする請求項2又は3に記載の情報処理装置である。
【0011】
請求項5の発明は、コンピュータを、項目と該項目が実施された日時情報を含んだ記録に関する情報である記録情報を受け付ける受付手段と、前記受付手段によって受け付けられた記録情報を複数の系列のいずれか1つ以上に分類する分類手段と、前記系列毎に、構造を生成するための基準となる事象である基準事象を指定する基準事象指定手段と、前記分類手段によって分類された記録情報に対して、前記基準事象指定手段によって指定された基準事象に基づいて、構造化処理を行う構造化手段と、前記構造化手段による構造化処理によって構造化された複数の記録情報から共通の型を抽出する型抽出手段と、前記型抽出手段によって抽出した型を出力する出力手段として機能させるための情報処理プログラムである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の情報処理装置によれば、項目が実施された日時に揺れがある場合であっても、記録情報間にある共通の構造を抽出することができる。
【0013】
請求項2の情報処理装置によれば、結合した型を出力することができる。
【0014】
請求項3の情報処理装置によれば、項目の組が同じ型同士を結合することができる。
【0015】
請求項4の情報処理装置によれば、基準事象によって複数の型の結合を行うことができる。
【0016】
請求項5の情報処理プログラムによれば、項目が実施された日時に揺れがある場合であっても、記録情報間にある共通の構造を抽出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施の形態の構成例についての概念的なモジュール構成図である。
【図2】本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
【図3】記録情報受付モジュールが受け付ける記録情報の例を示す説明図である。
【図4】症例aの系列1の構造化処理の例を示す説明図である。
【図5】症例aの系列2の構造化処理の例を示す説明図である。
【図6】症例aの系列3の構造化処理の例を示す説明図である。
【図7】症例bの系列1の構造化処理の例を示す説明図である。
【図8】症例bの系列2の構造化処理の例を示す説明図である。
【図9】症例bの系列3の構造化処理の例を示す説明図である。
【図10】症例cの系列1の構造化処理の例を示す説明図である。
【図11】症例cの系列2の構造化処理の例を示す説明図である。
【図12】症例cの系列3の構造化処理の例を示す説明図である。
【図13】系列1から抽出されたパターンの例を示す説明図である。
【図14】系列2から抽出されたパターンの例を示す説明図である。
【図15】系列3から抽出されたパターンの例を示す説明図である。
【図16】系列3から抽出されたパターンの例を示す説明図である。
【図17】基準イベント情報を用いて結合されたプロセス情報の例を示す説明図である。
【図18】基準イベント情報を用いて結合されたプロセス情報の例を示す説明図である。
【図19】本実施の形態を実現するコンピュータのハードウェア構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面に基づき本発明を実現するにあたっての好適な一実施の形態の例を説明する。
図1は、本実施の形態の構成例についての概念的なモジュール構成図を示している。
なお、モジュールとは、一般的に論理的に分離可能なソフトウェア(コンピュータ・プログラム)、ハードウェア等の部品を指す。したがって、本実施の形態におけるモジュールはコンピュータ・プログラムにおけるモジュールのことだけでなく、ハードウェア構成におけるモジュールも指す。それゆえ、本実施の形態は、それらのモジュールとして機能させるためのコンピュータ・プログラム(コンピュータにそれぞれの手順を実行させるためのプログラム、コンピュータをそれぞれの手段として機能させるためのプログラム、コンピュータにそれぞれの機能を実現させるためのプログラム)、システム及び方法の説明をも兼ねている。ただし、説明の都合上、「記憶する」、「記憶させる」、これらと同等の文言を用いるが、これらの文言は、実施の形態がコンピュータ・プログラムの場合は、記憶装置に記憶させる、又は記憶装置に記憶させるように制御するの意である。また、モジュールは機能に一対一に対応していてもよいが、実装においては、1モジュールを1プログラムで構成してもよいし、複数モジュールを1プログラムで構成してもよく、逆に1モジュールを複数プログラムで構成してもよい。また、複数モジュールは1コンピュータによって実行されてもよいし、分散又は並列環境におけるコンピュータによって1モジュールが複数コンピュータで実行されてもよい。なお、1つのモジュールに他のモジュールが含まれていてもよい。また、以下、「接続」とは物理的な接続の他、論理的な接続(データの授受、指示、データ間の参照関係等)の場合にも用いる。「予め定められた」とは、対象としている処理の前に定まっていることをいい、本実施の形態による処理が始まる前はもちろんのこと、本実施の形態による処理が始まった後であっても、対象としている処理の前であれば、そのときの状況・状態に応じて、又はそれまでの状況・状態に応じて定まることの意を含めて用いる。
また、システム又は装置とは、複数のコンピュータ、ハードウェア、装置等がネットワーク(一対一対応の通信接続を含む)等の通信手段で接続されて構成されるほか、1つのコンピュータ、ハードウェア、装置等によって実現される場合も含まれる。「装置」と「システム」とは、互いに同義の用語として用いる。もちろんのことながら、「システム」には、人為的な取り決めである社会的な「仕組み」(社会システム)にすぎないものは含まない。
また、各モジュールによる処理毎に又はモジュール内で複数の処理を行う場合はその処理毎に、対象となる情報を記憶装置から読み込み、その処理を行った後に、処理結果を記憶装置に書き出すものである。したがって、処理前の記憶装置からの読み込み、処理後の記憶装置への書き出しについては、説明を省略する場合がある。なお、ここでの記憶装置としては、ハードディスク、RAM(Random Access Memory)、外部記憶媒体、通信回線を介した記憶装置、CPU(Central Processing Unit)内のレジスタ等を含んでいてもよい。
【0019】
以下、対象とする記録情報として、医療機関で管理されている記録情報を主に例示して説明する。したがって、本実施の形態の具体例としては、医療機関で記録管理されている処置や薬剤処方などを含む診療の記録情報等から分析などを通じて情報を抽出する分析支援システムに関するものである。
【0020】
まず、本実施の形態の理解を容易にするため、基本となる従来技術について説明する。診療の質の向上や経営的側面からの健全性を確保するために、医療機関では診療プロセスの見直しや標準化が行われている。しかし、医療機関毎に患者の年齢分布や地域特性など様々な条件が異なっており、実際に行われている診療プロセスはそれぞれ異なったものとなっている。それぞれの医療機関の事情に合わせて改善や標準化を実現するためには、実際に行われている診療プロセスを分析して現状を把握することが必要である。
しかし一方で診療プロセスは複雑であるため、病気や手術毎に範囲を絞ったとしても、各症例を参照して全貌をつかむことは容易ではなかった。複数の症例について実施された診療プロセスを概観する技術としては、診療記録を項目と日時の2軸のマトリクス状に診療記録中の各項目の出現頻度を整理して扱う技術が特許文献1に開示されている。
しかしながら、特許文献1記載の技術では、各項目の実施日の揺れに対して対応することは困難である。なお、各項目が実施された日時の揺れに対応する手段が開示されているが、出現頻度を日時方向の分布関数で表現して、計数を積分計算で実現するため、実施日の扱いが曖昧になってしまい、場合によってはあり得ない順序での投薬のプロセスなどが抽出されてしまう。さらに、実施日の揺れの許容範囲を前後1日程度以上に広げることは処理負荷が高まる上に、一例も存在しない実施順で処置プロセスが抽出される可能性も高まることから実際には対応すること困難である。
ここで項目が実施された日時に揺れがある場合とは、実施される日時が定まっていない場合をいい、例えば、実施日時が予め定められているにもかかわらず、実際に実施された日時が異なる場合、又は実施日時は予め定められておらず、その場の状況に応じて実施される場合を含む。具体的には、患者、状況等によって、項目の実施が行われており、同じ治療であっても患者等が異なると、その実施日時が異なることになる。また、回数が異なることも生じ得る。
【0021】
本実施の形態である情報処理装置は、記録情報内にあるパターンを抽出するものであって、図1の例に示すように、制御モジュール105、記録情報受付モジュール110、系列分類モジュール120、構造化情報記憶モジュール130、構造化モジュール140、基準イベント指定モジュール150、パターン抽出モジュール160、パターン記憶モジュール170、基準イベント結合モジュール180、出力モジュール190を有している。
制御モジュール105は、各モジュールの処理順序、データのやり取り等を制御する。
【0022】
記録情報受付モジュール110は、系列分類モジュール120と接続されている。記録情報受付モジュール110は、項目とその項目が実施された日時情報を含んだ記録に関する情報である記録情報を受け付ける。記録情報には、少なくとも項目と日時情報が含まれている。項目としては、例えば、その医療機関で行われた手術、処置、検査、薬剤処方等の具体的な処理の名称であり、その項目から系列(系列については後述する)に分類し得るものである。そして、項目に対応して、その項目が実施された日時情報を受け付ける。日時情報には、日時のみならず、年、月、分、秒、秒以下等を含んでいてもよく、逆に、日のみ、時のみ等であってもよい。対応する項目間の前後関係、ある項目の実施日時からの期間等を判別し得るような日時情報であればよい。
キーボード、マウス、タッチパネル等のユーザーインタフェース機器に対する操作者の操作を受け付けるようにしてもよいし、通信回線を介して予め定められたデータサーバー等に格納されているデータソースから読み込むようにしてもよい。
【0023】
系列分類モジュール120は、記録情報受付モジュール110、構造化モジュール140と接続されている。系列分類モジュール120は、記録情報受付モジュール110によって受け付けられた記録情報を複数の系列のいずれかの1つ以上に分類する。ここで系列とは、記録情報を分類する種類であり、例えば、手術、処置、検査、投薬等がある。
ここで分類とは、記録情報を予め定められた系列のいずれか1つ以上に割り当てることをいう。記録情報は、系列のいずれかに分類されるが、1対N(Nは1以上の整数)の関係であってもよい。例えば、記録情報を2つの系列に分類してもよい。なお、以下の説明における例では、1つの記録情報は1つの系列に分類することを示す。
分類処理としては、予め定められた選択基準にしたがって、記録情報と系列を対応付ける。例えば、系列と項目を対応付けたテーブルを選択基準として予め用意し、このテーブルに基づいて、記録情報内の項目が属している系列を探索し、その探索した系列を項目に付与すればよい。
【0024】
基準イベント指定モジュール150は、構造化モジュール140、基準イベント結合モジュール180と接続されている。基準イベント指定モジュール150は、系列毎に、構造を生成するための基準となる事象である基準事象を指定する。以下、事象をイベントともいい、基準となる事象を基準イベントともいう。
基準イベントの指定は、キーボード、マウス、タッチパネル等のユーザーインタフェース機器に対する操作者の操作を受け付けることによって行うようにしてもよいし、予め定められた基準イベントを読み込むようにしてもよい。
【0025】
構造化モジュール140は、系列分類モジュール120、構造化情報記憶モジュール130、基準イベント指定モジュール150と接続されている。構造化モジュール140は、系列分類モジュール120によって分類された記録情報に対して、基準イベント指定モジュール150によって指定された基準事象に基づいて、構造化処理を行う。ここで、構造化処理とは、記録情報を木構造にすることであり、具体的には、記録情報内の項目をリーフ(葉)とし、基準事象、基準事象からの期間を途中のノードとして有する木構造を生成することである。系列毎の識別ができる情報を付与してもよい。そして、構造化処理によって生成された木構造を構造化情報記憶モジュール130に記憶させる。
【0026】
構造化情報記憶モジュール130は、構造化モジュール140、パターン抽出モジュール160と接続されている。構造化情報記憶モジュール130は、構造化モジュール140によって構造化された記録情報を系列との対応を付けて記憶する。
なお、構造化情報記憶モジュール130を介せずに、構造化モジュール140によって構造化された記録情報をパターン抽出モジュール160に渡すようにしてもよい。
【0027】
パターン抽出モジュール160は、構造化情報記憶モジュール130、パターン記憶モジュール170と接続されている。パターン抽出モジュール160は、構造化モジュール140による構造化処理によって構造化された複数の記録情報から共通の型を抽出する。以下、型をパターンともいう。なお、構造化情報記憶モジュール130に記憶されている「構造化された複数の記録情報」を用いてもよいが、その場合であっても、構造化情報記憶モジュール130に記憶されているものは、「構造化モジュール140による構造化処理によって構造化された複数の記録情報」であり、いずれの場合であってもパターン抽出モジュール160が処理対象としているのは、「構造化モジュール140による構造化処理によって構造化された複数の記録情報」である。また、ここでの抽出したパターンは、系列毎に抽出しており、後に基準イベント結合モジュール180によって結合するので、結合前の部分パターンである。そして、抽出した部分パターンと、その部分パターンが出現する事例情報と、部分パターンを抽出した系列との対応を示す情報を付与してパターン記憶モジュール170に記憶させる。
したがって、医療機関で管理されている記録情報を対象としている場合、パターン抽出モジュール160は、複数人の患者に対して行った項目間の共通のパターンを抽出するものである。
【0028】
パターン記憶モジュール170は、パターン抽出モジュール160、基準イベント結合モジュール180と接続されている。パターン記憶モジュール170は、パターン抽出モジュール160によって抽出されたパターンを記憶する。つまり、部分パターンを系列との対応情報とともに記憶する。
なお、パターン記憶モジュール170を介せずに、パターン抽出モジュール160によって抽出されたパターンを基準イベント結合モジュール180に渡すようにしてもよい。
【0029】
基準イベント結合モジュール180は、基準イベント指定モジュール150、パターン記憶モジュール170、出力モジュール190と接続されている。基準イベント結合モジュール180は、基準イベント指定モジュール150によって指定された基準事象に基づいて、パターン抽出モジュール160によって抽出された複数のパターンを結合する。なお、パターン記憶モジュール170に記憶されている「抽出されたパターン」を用いてもよいが、その場合であっても、パターン記憶モジュール170に記憶されているものは、「パターン抽出モジュール160によって抽出された複数のパターン」であり、いずれの場合であっても基準イベント結合モジュール180が処理対象としているのは、「パターン抽出モジュール160によって抽出された複数のパターン」である。
基準イベント結合モジュール180は、系列毎の基準イベントの関係情報を用いて、部分パターンの系列間のパターンを結合した情報を生成する。具体的な例としては、後述するように、図13〜16に例示したパターンを結合する。
また、基準イベント結合モジュール180は、パターン抽出モジュール160によって抽出されたパターンについて、そのパターン内で出現した項目の組が同じパターン同士を基準イベントの関係に基づいて結合するようにしてもよい。
また、基準イベント結合モジュール180は、系列内における基準イベントのパターンの構造内における位置に、他のパターンのその基準イベントの下位にある部分構造を結合するようにしてもよい。
結合結果の具体的な例としては、後述するように、図13〜16に例示したパターンを結合して、図17、18に例示した木構造を生成する。
なお、基準イベント結合モジュール180による処理を行わずに、パターン抽出モジュール160によって抽出されたパターンを出力モジュール190に渡すようにしてもよい。
【0030】
出力モジュール190は、基準イベント結合モジュール180と接続されている。出力モジュール190は、パターン抽出モジュール160によって抽出したパターン、又は、基準イベント結合モジュール180によって結合されたパターンを出力する。ここでの出力とは、例えば、生成された木構造のイメージをプリンタ等の印刷装置で印刷すること、ディスプレイ等の表示装置に表示すること、木構造の情報をデータベース等のデータサーバーへ書き込むこと、メモリーカード等の記憶媒体に記憶すること、他の情報処理装置へ渡すこと等が含まれる。
【0031】
図2は、本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。具体例を用いて説明する。
ステップS202では、記録情報受付モジュール110が、診療に関する記録情報を受け付ける。
図3は、記録情報受付モジュール110が受け付ける診療の記録情報の例を示す説明図である。
図3には(a)、(b)、(c)の3つの症例(3人の患者に対するもの)の手術と処置、検査、投薬に関する模式的な記録情報例を図示している。図の左右方向は日時を示しており、斜線で塗られた列は休日を示している。
例えば、図3(a)の例では最初の日(土313)に手術331と検査334と薬剤Aa:337が処方されており、翌日(日314)は休日にあたっており、薬剤Aa:338の処方のみが行われ、その翌日(月315)も薬剤Aa:339の処方のみ、そして、手術から3日後(火316)に処置A:332と検査335と薬剤Aa:340の処方が行われ、それから3日間(水317〜金319)は薬剤Ba(薬剤Ba:341〜薬剤Ba:343)の処方が行われ、手術から7日目(土320)には、検査336と薬剤Ba:344の処方が行われ、その翌日(日321)は休日にあたっており、薬剤Ba:345の処方のみが行われ、その翌日(月322)は、処置B:333のみが行われていることを示している。図3(b)、図3(c)も同等のことが示されている。
なお、これらの記録情報のデータ構造としては、テーブル構造であってもよいし、リスト構造等であってもよい。
診療に関する記録情報の個々のレコードは患者や入院を特定できる情報と具体的な処置や薬剤などを特定できる情報と実施日時等の情報を含んだ形で記録されており、記録情報受付モジュール110はそれらの情報を含んだ診療の記録情報を受け取り、系列分類モジュール120に渡す。
【0032】
ステップS204では、系列分類モジュール120が、記録情報を系列毎に分類する。
系列分類モジュール120は、予め定められた基準にしたがって、診療の記録情報を複数の系列に分類する。そして、系列毎に基準イベント情報が特定される。この処理は、操作者の操作によって行われてもよいし、予め系列毎の基準イベント情報と構造化方法の情報が記憶手段に格納されてあり、それを読み込む形態でもよい。また、記憶手段には記憶された系列毎の基準イベント情報と構造化方法の情報が複数記憶されており、操作者の指定により選択されるような実現方法でもよい。
図3に例示の診療の記録情報に対して、ここでは、次のように3つの系列に分類することとして説明を行う。
(1)手術と処置
(2)検査
(3)薬剤処方
【0033】
ステップS206では、基準イベント指定モジュール150が、基準イベントを指定する。
ステップS208では、構造化モジュール140が、構造化処理を行う。
構造化モジュール140は、各症例の診療の記録情報と系列毎の基準イベント情報を基準イベント指定モジュール150から取得する。例えば、説明に用いている例では、次のように系列毎に基準イベントと構造化の情報を得る。
【0034】
系列の基準イベントは以下の通りである。
(1)系列の基準イベント:手術と処置の系列(一方のみであってもよいし、両方であってもよい)
最初の手術を基準イベントとする。
(2)系列の基準イベント:検査の系列
最初の手術を基準イベントa、手術後の最初の処置を基準イベントb、手術後の2回目の処置を基準イベントcとする。
(3)系列の基準イベント:薬剤処方の系列
最初の手術を基準イベントa、最初の検査を基準イベントb、2回目の検査を基準イベントcとする。
【0035】
系列の構造化は以下の通りである。
(11)系列の構造化:手術と処置の系列(一方のみであってもよいし、両方であってもよい)
基準イベントの実施日からの相対日時、相対日時範囲を用いて構造化する。
(12)系列の構造化:検査の系列
基準イベントの実施日からの相対日時、相対日時範囲を用いて構造化する。
(13)系列の構造化:薬剤処方の系列
基準イベントの実施日からの相対日時、相対日時範囲を用いて構造化する。
【0036】
構造化モジュール140は、記録情報受付モジュール110から受け取った診療の記録情報を系列毎に構造化する。
例えば、図3(a)に例示する手術と処置の系列(以降、系列1という)は、図4(b)の例のように手術の行われた日からの相対日数を示すノードや相対日数の範囲を示すノードを加えて構造化される。なお、図4(a)は、構造化に必要な情報を図3(a)から抜粋したものである。
手術331を基準イベントとして、それからの相対日時、相対日時範囲を用いて構造化している。具体的には、症例401をルートとし、症例401の下に基準Ev:402のノードを基準イベントとして置き、基準Ev:402の下に基準イベントからの相対日時範囲のノードである10日以内403を置き、10日以内403の下に相対日時範囲のノードである1W以内404と相対日時のノードである9日後410を置き、1W以内404の下に相対日時範囲のノードである4日以内405を置き、4日以内405の下に相対日時のノードである当日406と3日後408を置き、当日406の下に記録情報のリーフである手術407を置き、3日後408の下に記録情報のリーフである処置A:409を置き、9日後410の下に記録情報のリーフである処置B:411を置く。相対日時、相対日時範囲のノードは、予め定められており、基準イベントとともに定められていてもよい(以下、同様)。
【0037】
例えば、図3(a)に例示する検査の系列(以降、系列2という)は、図5(b)の例のように構造化される。なお、図5(a)は、構造化に必要な情報を図3(a)から抜粋したものである。
基準イベントが系列1の手術331と系列2の最初の2つの検査(検査334、検査335)となっており、基準イベントa(手術331)からの相対日数を含めて最初の検査に関する情報、基準イベントb(検査334)からの相対日数を含めて2番目の検査に関する情報、基準イベントc(検査335)からの相対日数を含めて3番目の検査に関する情報が構造化されている。具体的には、症例501をルートとし、症例501の下に基準Eva:502、基準Evb:506、基準Evc:511のノードを基準イベントとして置き、基準Eva:502の下に基準イベントaからの相対日時範囲のノードである1日以内a:503を置き、1日以内a:503の下に相対日時のノードである当日a:504を置き、当日a:504の下に記録情報のリーフである検査505を置き、基準Evb:506の下に基準イベントbからの相対日時範囲のノードである4日以内b:507を置き、4日以内b:507の下に相対日時のノードである3日目or4日目b:508を置き、3日目or4日目b:508の下に相対日時のノードである3日目b:509を置き、3日目b:509の下に記録情報のリーフである検査510を置き、基準Evc:511の下に基準イベントcからの相対日時範囲のノードである4日目前後2日c:512を置き、4日目前後2日c:512の下に相対日時のノードである4日後c:513を置き、4日後c:513の下に記録情報のリーフである検査514を置く。
【0038】
例えば、図3(a)に例示する薬剤処方の系列(以降、系列3という)は、図6(b)の例のように構造化される。なお、図6(a)は、構造化に必要な情報を図3(a)から抜粋したものである。具体的な薬剤名Aaには分類名「薬A」をラベルとして持つノードを接続しており、薬剤名Bbには分類名「薬B」をラベルとして持つノードを接続している。このように、具体的な薬剤名に対しては、その上位概念であるラベルを用いて構造化を行っている。具体的な変換処理の内容としては、例えば、上位概念であるラベルに含まれる具体的な薬剤名を対応させたテーブルを予め用意しておき、このテーブルを参照して、具体的な薬剤名から上位概念であるラベルに変換することによって処理する。この処理は、薬剤名の揺れを吸収するために行うものである。また、薬剤の投薬が終わっている日を示すノード「投薬停止640」のノードも加えて構造化している。
基準イベントが系列2の3つの検査(検査334、検査335、検査336)となっており、基準イベントa(検査334)からの相対日数を含めて薬剤Aaに関する情報、基準イベントb(検査335)からの相対日数を含めて薬剤Baに関する情報、基準イベントc(検査336)からの相対日数を含めて投薬停止640に関する情報が構造化されている。具体的には、症例601をルートとし、症例601の下に基準イベントaからの相対日時範囲のノードである4日以内A:602、4〜6日後B:635を置き、4日以内A:602の下に基準イベントaからの相対日時範囲のノードである3日後A:617と基準Eva:603のノードを基準イベントとして置き、基準Eva:603の下に基準イベントaからの相対日時範囲のノードである1W以内a:604を置き、1W以内a:604の下に相対日時のノードである当日a:605、1日後a:608、2日後a:611、3日後a:614を置き、当日a:605の下に薬剤の分類名である薬A:606を置き、薬A:606の下に記録情報のリーフである薬剤Aa:607を置き、同様に、1日後a:608、2日後a:611、3日後a:614の下には、それぞれ薬A:609と薬剤Aa:610、薬A:612と薬剤Aa:613、薬A:615と薬剤Aa:616を置き、3日後A:617の下に基準Evb:618のノードを基準イベントとして置き、基準Evb:618の下に基準イベントbからの相対日時範囲のノードである1W以内b:619を置き、1W以内b:619の下に相対日時のノードである1日後b:620、2日後b:623、3日後b:626、4日後b:629、5日後b:632を置き、1日後b:620の下に薬剤の分類名である薬B:621を置き、薬B:621の下に記録情報のリーフである薬剤Ba:622を置き、同様に、2日後b:623、3日後b:626、4日後b:629、5日後b:632の下には、それぞれ薬B:624と薬剤Ba:625、薬B:627と薬剤Ba:628、薬B:630と薬剤Ba:631、薬B:633と薬剤Ba:634を置き、4〜6日後B:635の下に基準イベントaからの相対日時範囲のノードである5日後B:636を置き、5日後B:636の下に基準Evc:637のノードを基準イベントとして置き、基準Evc:637の下に基準イベントcからの相対日時範囲のノードである実日2日以内638を置き、実日2日以内638の下に相対日時のノードである実日1日後639を置き、実日1日後639の下にリーフである投薬停止640(薬剤の投薬が終わっている日を示す情報)を置く。
なお、基準Eva:603、基準Evb:618、基準Evc:637より上方にあるノードは、基準イベント間の関係を示しているが、これを省略してもよい。また、基準Eva:603、基準Evb:618、基準Evc:637のそれぞれの下方にあるノードは、その基準イベント内における相対日時、相対日時範囲の関係を示している。
【0039】
同様にして、図3(b)に例示する手術と処置の系列は図7(b)の例のように構造化され、検査の系列は図8(b)の例のように構造化され、薬剤処方の系列は図9(c)の例のように構造化される。
また、同様にして、図3(c)に例示する手術と処置の系列は図10(b)の例のように構造化され、検査の系列は図11(b)の例のように構造化され、薬剤処方の系列は図12(b)の例のように構造化される。
【0040】
ステップS210では、構造化情報記憶モジュール130が、構造化情報を記憶する。
ステップS212では、パターン抽出モジュール160が、パターンを抽出する。
パターン抽出モジュール160は、系列毎に構造化された情報から共通の部分構造パターンを抽出する。本実施の形態で示しているように木構造に構造化した場合には、例えばTreeMiner、Dryade、MB3−miner、TRIPSなどの技術を用いてパターンの抽出を実現するようにしてもよい。
図4(b)に例示する木構造と図7(b)に例示する木構造と図10(b)に例示する木構造から、3つに共通な部分構造を抽出したパターンの一例を図13に示す。
同様に、図5(b)に例示する木構造と図8(b)に例示する木構造と図11(b)に例示する木構造から、3つに共通な部分構造を抽出したパターンの一例を図14に示す。
同様に、図6(b)に例示する木構造と図9(b)に例示する木構造と図12(b)に例示する木構造から、3つに共通な部分構造を抽出したパターンの一例を図15に示す。
【0041】
図15に例示する木構造は、3つの木構造(図6(b)、図9(b)、図12(b)に例示する木構造)に共通となるノードからなる部分構造のみが抽出されているため、薬剤の分類のみが含まれており、薬剤名は含まれないパターンが抽出されている。
パターン抽出について、もう一例を示す。図16に例示する木構造は、3つの木構造(図6(b)、図9(b)、図12(b)に例示する木構造)から生成したものであり、相対日を特定したノード(図15における当日a:1505、1日後a:1507、2日後a:1509、3日後a:1511)がなければ4日分の「薬A」ノード(薬A:1605〜1608)が1W以内a:1604のノードの下に接続しているパターン例である。また、ここで3つの木構造のうち2つの木構造(図9(b)と図12(b)に例示する木構造)に共通する構造を抽出した場合は、1W以内a:1604のノードの下に接続している「薬A」ノードは5つとなる。
【0042】
ステップS214では、パターン記憶モジュール170が、抽出したパターンを記憶する。
ステップS216では、基準イベント結合モジュール180が、パターン間の結合処理を行う。
基準イベント結合モジュール180は、抽出されたパターンについて出現した症例の組が一致するもの同士(つまり、複数人の患者の記録情報から生成したパターンであって、そのパターン内で出現する項目の組み合わせが同じもの同士)を基準イベントの関係に基づいて結合して、結合結果を出力モジュール190に渡す。
【0043】
例えば、図13に例示の木構造内の手術1307と2つの処置(処置A:1308、処置B:1309)の情報と、図14に例示の木構造内の時間ノード(1日以内a:1403等)の基準が関係することを示す情報(関係情報1)と、図14に例示の木構造内の検査(検査1404、1408、1411)の情報と図15に例示の木構造内の日時を示すノード(1W以内a:1504等)の基準が関係することを示す情報(関係情報2)に基づいて、2つの木構造を結合する。具体的には、関係情報1として、手術と処置の系列(系列1)における手術1307と、検査の系列(系列2)における日時情報a(1日以内a:1403)があり、関係情報2として、検査の系列(系列2)における検査1404(第1の検査)と薬剤処方の系列(系列3)における日時情報a(1W以内a:1504等)を関係付ける。また、一方の木構造内の項目(リーフであるノード)と他方の木構造内の基準イベントであるノードを関係付ける例として、関係情報1は、手術と処置の系列(系列1)における手術1307と、検査の系列(系列2)における基準Eva:1402との関係付けとしてもよいし、関係情報2は、検査の系列(系列2)における検査1404(第1の検査)と薬剤処方の系列(系列3)における基準Eva:1503との関係付けとしてもよい。
これらの関係情報は、予め定められていてもよいし、操作者の操作によって定められてもよい。
【0044】
そして、基準イベント結合モジュール180は、関係情報1を用いて、系列1内における基準イベントのパターンの木構造内における位置に、他のパターンである系列2内のその基準イベントの下位にある部分構造を結合する。同様に、関係情報2を用いて、系列2内における基準イベントのパターンの木構造内における位置に、他のパターンである系列3内のその基準イベントの下位にある部分構造を結合する。これによって、系列1と系列2と系列3のパターンを結合することになる。
具体的に示すと、系列1のパターンの木構造(図13に例示する木構造)内の手術1307の位置に、系列2のパターンの木構造(図14に例示する木構造)内の1日以内a:1403以下の部分構造を結合する。同様に、系列2のパターンの木構造(図14に例示する木構造)内の検査1404の位置に、系列3のパターンの木構造(図15に例示する木構造)内の基準Eva:1503以下の部分構造を結合する。
図17は、基準イベント情報を用いて結合されたプロセス情報の例を示す説明図である。各系列から抽出されたパターン(図13〜15に例示したパターン)に含まれるノードの情報と、相対日時や相対日時範囲の情報を計算して得られる情報をもとに各系列の横方向の情報を作成することができ、系列間の関係を示す情報を示している。例えば、計算して得られる情報としては、関係1751〜1760における日時情報(例えば、4日以内等)がある。
図18は、基準イベント情報を用いて結合されたプロセス情報の別の例を示す説明図である。系列3の部分に図15と図16に例示した両方の情報を合わせて処理した場合の例である。図17の左下にある関係1755下にある薬A:1703〜1706は、1〜4日目であることを示しているが、図18の左下にある関係1855下にある薬A:1803〜1806は、検査1802から単に1週以内であることを示しており、4回の薬の処方であることを示している。そして、関係1856によって、薬A:1808と薬A:1809に囲まれた薬A:1803〜1806のいずれかであることを示している。
【0045】
ステップS218では、出力モジュール190が、出力処理を行う。例えば、図17、18に例示するグラフ表現等をディスプレイ等に表示する。
【0046】
なお、本実施の形態としてのプログラムが実行されるコンピュータのハードウェア構成は、図19に例示するように、一般的なコンピュータであり、具体的にはパーソナルコンピュータ、サーバーとなり得るコンピュータ等である。つまり、具体例として、処理部(演算部)としてCPU1901を用い、記憶装置としてRAM1902、ROM1903、HD1904を用いている。HD1904として、例えばハードディスクを用いてもよい。制御モジュール105、系列分類モジュール120、構造化モジュール140、パターン抽出モジュール160、基準イベント結合モジュール180等のプログラムを実行するCPU1901と、そのプログラムやデータを記憶するRAM1902と、本コンピュータを起動するためのプログラム等が格納されているROM1903と、補助記憶装置であるHD1904と、キーボード、マウス、タッチパネル等に対する利用者の操作に基づいてデータを受け付ける受付装置1906と、CRT、液晶ディスプレイ等の出力装置1905と、ネットワークインタフェースカード等の通信ネットワークと接続するための通信回線インタフェース1907、そして、それらをつないでデータのやり取りをするためのバス1908により構成されている。これらのコンピュータが複数台互いにネットワークによって接続されていてもよい。
【0047】
前述の実施の形態のうち、コンピュータ・プログラムによるものについては、本ハードウェア構成のシステムにソフトウェアであるコンピュータ・プログラムを読み込ませ、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働して、前述の実施の形態が実現される。
なお、図19に示すハードウェア構成は、1つの構成例を示すものであり、本実施の形態は、図19に示す構成に限らず、本実施の形態において説明したモジュールを実行可能な構成であればよい。例えば、一部のモジュールを専用のハードウェア(例えばASIC等)で構成してもよく、一部のモジュールは外部のシステム内にあり通信回線で接続しているような形態でもよく、さらに図19に示すシステムが複数互いに通信回線によって接続されていて互いに協調動作するようにしてもよい。また、特に、パーソナルコンピュータの他、情報家電、複写機、ファックス、スキャナ、プリンタ、複合機(スキャナ、プリンタ、複写機、ファックス等のいずれか2つ以上の機能を有している画像処理装置)などに組み込まれていてもよい。
【0048】
前述の実施の形態においては、医療機関で管理されている記録情報を例として示したが、これ以外の記録情報、例えば、法律事務関係の記録情報、教育機関で管理されている学生等に対する教育の記録情報等を対象としてもよい。
【0049】
なお、説明したプログラムについては、記録媒体に格納して提供してもよく、また、そのプログラムを通信手段によって提供してもよい。その場合、例えば、前記説明したプログラムについて、「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」の発明として捉えてもよい。
「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、プログラムのインストール、実行、プログラムの流通などのために用いられる、プログラムが記録されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体をいう。
なお、記録媒体としては、例えば、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)であって、DVDフォーラムで策定された規格である「DVD−R、DVD−RW、DVD−RAM等」、DVD+RWで策定された規格である「DVD+R、DVD+RW等」、コンパクトディスク(CD)であって、読出し専用メモリ(CD−ROM)、CDレコーダブル(CD−R)、CDリライタブル(CD−RW)等、ブルーレイ・ディスク(Blu−ray Disc(登録商標))、光磁気ディスク(MO)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ、ハードディスク、読出し専用メモリ(ROM)、電気的消去及び書換可能な読出し専用メモリ(EEPROM(登録商標))、フラッシュ・メモリ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)等が含まれる。
そして、前記のプログラム又はその一部は、前記記録媒体に記録して保存や流通等させてもよい。また、通信によって、例えば、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、メトロポリタン・エリア・ネットワーク(MAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、インターネット、イントラネット、エクストラネット等に用いられる有線ネットワーク、あるいは無線通信ネットワーク、さらにこれらの組み合わせ等の伝送媒体を用いて伝送させてもよく、また、搬送波に乗せて搬送させてもよい。
さらに、前記のプログラムは、他のプログラムの一部分であってもよく、あるいは別個のプログラムと共に記録媒体に記録されていてもよい。また、複数の記録媒体に分割して
記録されていてもよい。また、圧縮や暗号化など、復元可能であればどのような態様で記録されていてもよい。
【符号の説明】
【0050】
105…制御モジュール
110…記録情報受付モジュール
120…系列分類モジュール
130…構造化情報記憶モジュール
140…構造化モジュール
150…基準イベント指定モジュール
160…パターン抽出モジュール
170…パターン記憶モジュール
180…基準イベント結合モジュール
190…出力モジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
項目と該項目が実施された日時情報を含んだ記録に関する情報である記録情報を受け付ける受付手段と、
前記受付手段によって受け付けられた記録情報を複数の系列のいずれか1つ以上に分類する分類手段と、
前記系列毎に、構造を生成するための基準となる事象である基準事象を指定する基準事象指定手段と、
前記分類手段によって分類された記録情報に対して、前記基準事象指定手段によって指定された基準事象に基づいて、構造化処理を行う構造化手段と、
前記構造化手段による構造化処理によって構造化された複数の記録情報から共通の型を抽出する型抽出手段と、
前記型抽出手段によって抽出した型を出力する出力手段
を具備することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記基準事象指定手段によって指定された基準事象に基づいて、前記型抽出手段によって抽出された複数の型を結合する結合手段
をさらに具備し、
前記出力手段は、前記結合手段によって結合された結果を出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記結合手段は、前記型抽出手段によって抽出された型について、該型内で出現した項目の組が同じ型同士を基準事象の関係に基づいて結合する
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記結合手段は、前記系列内における基準となる事象の型の構造内における位置に、他の型の該基準事象の下位にある部分構造を結合する
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
コンピュータを、
項目と該項目が実施された日時情報を含んだ記録に関する情報である記録情報を受け付ける受付手段と、
前記受付手段によって受け付けられた記録情報を複数の系列のいずれか1つ以上に分類する分類手段と、
前記系列毎に、構造を生成するための基準となる事象である基準事象を指定する基準事象指定手段と、
前記分類手段によって分類された記録情報に対して、前記基準事象指定手段によって指定された基準事象に基づいて、構造化処理を行う構造化手段と、
前記構造化手段による構造化処理によって構造化された複数の記録情報から共通の型を抽出する型抽出手段と、
前記型抽出手段によって抽出した型を出力する出力手段
として機能させるための情報処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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