情報処理装置及び情報処理方法及びプログラム
【課題】クライアント装置がグループに所属するシステムにおいて、グループに新規参入したクライアント装置を含む全てのクライアント装置の間で円滑に時刻同期を行う。
【解決手段】クライアント装置11から時刻同期要求を受信する度に、グループ遷移識別部103が、時刻同期要求の送信元である要求元クライアント装置が属するグループが新規参入のあった新規参入グループであるかを判定し、新規参入グループである場合に、クライアント識別部101が、当該新規参入グループの全クライアント装置から時刻同期要求を受信しているかを判定し、当該新規参入グループの全クライアント装置から時刻同期要求を受信していない間は時刻情報の送信を保留し、当該新規参入グループの全クライアント装置から時刻同期要求を受信した際に、クライアント通信部100が、当該新規参入グループの全クライアント装置に時刻情報を送信する。
【解決手段】クライアント装置11から時刻同期要求を受信する度に、グループ遷移識別部103が、時刻同期要求の送信元である要求元クライアント装置が属するグループが新規参入のあった新規参入グループであるかを判定し、新規参入グループである場合に、クライアント識別部101が、当該新規参入グループの全クライアント装置から時刻同期要求を受信しているかを判定し、当該新規参入グループの全クライアント装置から時刻同期要求を受信していない間は時刻情報の送信を保留し、当該新規参入グループの全クライアント装置から時刻同期要求を受信した際に、クライアント通信部100が、当該新規参入グループの全クライアント装置に時刻情報を送信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時刻同期技術に関する。
【背景技術】
【0002】
1つのシステム上に複数の論理的なシステムが構築され、論理的なシステムの各々には、複数のクライアント装置が含まれているケースを考える。
そして、本ケースでは、クライアント装置は、グループ(本番、評価、訓練等)に属しており、同じグループに属するクライアント装置によって論理システム(本番システム、評価システム、訓練システム等)が構成されるとする。
【0003】
このようなケースにおいて、論理システム毎に異なる時刻でシステムを運用することがある。
例えば、本番システムは実時刻で運用され、評価システムは「実時刻−12時間30分」で運用される等である。
そして、各クライアント装置に時刻同期機構が備わっていない場合は、時刻を管理するサーバ装置(以下、時刻管理装置という)が、グループごとにクライアント装置に時刻情報を送信して、グループごとに時刻同期を制御する必要がある。
【0004】
非特許文献1では、標準的な時刻同期方法であるNTP(Network Time Protocol)を利用した時刻同期方式が示されている。
NTPは、クライアント装置が時刻同期装置に時刻同期要求を出し、時刻同期装置は自分が保持している現在時刻をクライアント装置に時刻同期応答として返すものである。
NTPでは、時刻管理装置は、クライアント装置がどのようなグループに属しているかを管理していない。
このため、個々のクライアント装置は自分が属しているグループを認識し、時刻管理装置から受け取った現在時刻にグループごとのオフセット時間(グループごとの現在時刻との差分時間)を加え、クライアント装置自身の時刻としてセットする。
【0005】
一方、特許文献1では、時刻管理装置は、クライアント装置ごとに、クライアント装置が属するグループを管理している。
更に、特許文献1では、時刻管理装置は、現在時刻とともにグループごとのオフセット時間をテーブルとして管理している。
このため、特許文献1では、時刻管理装置は、クライアント装置ごとにオフセットテーブルからオフセット時間を取り出し、現在時刻にオフセット時間を加算し、オフセット時間が加算された後の時刻が示される時刻情報をクライアント装置に送信する。
これにより、クライアント装置上での時刻加算処理を不要としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−54815号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】RFC1129 Internet Time Synchronization: the Network Time Protocol
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
以上のように、特許文献1の方式及び非特許文献1の方式では、グループ単位で時刻同期を行うことができる。
しかし、これらの方式では、グループに新たなクライアント装置が参入する場合の時刻同期手順が示されていない。
【0009】
時刻管理装置とクライアント装置は、それぞれ水晶等のオシレータを用いて時刻を刻んでいるが、オシレータごとの個体差があるため、時間の経過とともに、時刻管理装置での時刻とクライアント装置での時刻に差異が生じる場合がある。
クライアント装置の新規参入があった時点で時刻管理装置と既存のクライアント装置との間で時刻差が生じている場合は、時刻管理装置から新規参入のクライアント装置のみに時刻情報を送信すると、新規参入のクライアント装置と既存のクライアント装置との間でも時刻差が生じることになる。
これを回避するために、新規参入があった時点で、時刻管理装置から新規参入のクライアント装置及び既存のクライアント装置のそれぞれに同時に時刻情報を送信することが考えられる。
しかし、既存のクライアント装置の間では既に運用中の時刻体系に従って処理が進行しているため、新規参入のあった時点で既存のクライアント装置にも時刻情報を送信すると進行中の処理に支障がでることになる。
【0010】
本発明は、これらの点に鑑み、グループに新たなクライアント装置が参加する場合に、新規参入のクライアント装置を含む全てのクライアント装置の間で円滑に時刻同期を行うことを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る情報処理装置は、
各々がいずれかのグループに属する複数のクライアント装置から時刻同期要求を受信し、受信した時刻同期要求に対する応答として、現在時刻を通知する時刻情報を送信するクライアント通信部と、
いずれかのクライアント装置がいずれかのグループに新規に参入した場合に、新規参入があった新規参入グループが示される新規参入グループ情報と、新規参入したクライアント装置を含む新規参入グループに属するクライアント装置の数が示されるクライアント数情報とを生成するグループ管理部と、
前記クライアント通信部が時刻同期要求を受信する度に、時刻同期要求の送信元である要求元クライアント装置が属するグループが新規参入グループであるか否かを前記新規参入グループ情報を用いて判定し、要求元クライアント装置が属するグループが新規参入グループである場合に、当該新規参入グループに属する全てのクライアント装置から時刻同期要求を受信しているか否かを前記クライアント数情報を用いて判定し、当該新規参入グループに属する全てのクライアント装置から時刻同期要求を受信していない間は前記クライアント通信部による当該新規参入グループに属するクライアント装置への時刻情報の送信を保留し、当該新規参入グループに属する全てのクライアント装置から時刻同期要求を受信した際に、前記クライアント通信部に、当該新規参入グループに属する全てのクライアント装置に時刻情報を送信するよう指示する送信指示部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、新規参入グループに以前から所属している既存のクライアント装置の全てが処理を終了して時刻同期が可能になるまで時刻同期を待ち、全てのクライアント装置で時刻同期が可能になった段階で、全てのクライアント装置に対して一斉に時刻同期を行う。
このため、クライアント装置の新規参入があった時点で既存のクライアント装置の間で既に運用中の時刻体系に従って処理が進行していても、進行中の処理に支障がでることなく、全てのクライアント装置の間で円滑に時刻同期を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施の形態1のシステム構成例を示す図である。
【図2】実施の形態1の複数時刻管理装置の構成例を示す図。
【図3】実施の形態1のグループ管理テーブルの例を示す図。
【図4】実施の形態1のオフセットテーブルの例を示す図。
【図5】実施の形態1のグループ遷移テーブルの例を示す図。
【図6】実施の形態1の構成制御部の動作例を示すフローチャート図。
【図7】実施の形態1の上位装置通信部の動作例を示すフローチャート図。
【図8】実施の形態1の複数時刻管理装置(構成制御部、上位装置通信部を除く)の動作例を示すフローチャート図。
【図9】実施の形態2のグループ情報テーブルの例を示す図。
【図10】実施の形態2の複数時刻管理装置の構成例を示す図。
【図11】実施の形態2の構成制御部の動作例を示すフローチャート図。
【図12】実施の形態3のグループ情報テーブルの例を示す図。
【図13】実施の形態4のグループ情報テーブルの例を示す図。
【図14】実施の形態4の複数時刻管理装置(構成制御部、上位装置通信部を除く)の動作例を示すフローチャート図。
【図15】実施の形態1〜4の複数時刻管理装置のハードウェア構成例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
実施の形態1.
図1は、本実施の形態に係るシステム構成例を示す。
【0015】
図1において、複数時刻管理装置10は、複数のクライアント装置11A〜11Nに接続され、現在時刻を通知する時刻情報を各クライアント装置11に送信する。
時刻情報の送信はクライアント装置11の主導で行われ、クライアント装置11からの時刻同期要求を受信した場合のみ複数時刻管理装置10からクライアント装置11に対して時刻情報を送信する。
複数時刻管理装置10は、情報処理装置の例に相当する。
【0016】
各クライアント装置11は、複数のグループのうちのいずれかのグループに属する。
前述したように、各クライアント装置11が本番システム、評価システム、訓練システム等のいずれかの論理システムで動作している場合は、各クライアント装置11は、本番グループ、評価グループ、訓練グループ等に属する。
また、各クライアント装置11は、自身がどのようなグループ(本番、評価、訓練)に属しているかの情報をもたず、また、独自の時刻同期機構を持たない。
なお、クライアント装置11A〜11Nを区別する必要がない場合は、まとめてクライアント装置11と表記する。
また、単にクライアントとも表記する。
【0017】
上位装置12は、複数時刻管理装置10に現在時刻を通知する。
上位装置12内の時刻管理部121は現在時刻を管理する。
【0018】
外部システム13は、各クライアント装置11のグループへの参入状況又はグループからの離脱状況を管理する。
【0019】
図2は、本実施の形態に係る複数時刻管理装置10の内部構成例を示す。
【0020】
クライアント通信部100は、クライアント装置11A〜11Nから時刻同期要求を受信し、受信した時刻同期要求に対する応答として、現在時刻を通知する時刻情報を送信する。
【0021】
クライアント識別部101は、クライアント通信部100により受信された時刻同期要求の中からクライアント装置11A〜11NのIP(Internet Protocol)アドレス情報を取り出し、現在クライアント装置11が属しているグループを識別する。
なお、クライアント識別部101は、後述のグループ遷移識別部103とともに、送信指示部の例に相当する。
【0022】
オフセット算出部102は、グループごとに、現在時刻からどれだけずれた時間にする必要があるかを示すオフセット時間をオフセットテーブル1021から取り出す。
オフセットテーブル1021は、オフセットテーブル記憶部1020において記憶されている。
【0023】
グループ遷移識別部103は、クライアント通信部100により受信された時刻同期要求の送信元のクライアント装置(以下、要求元クライアント装置ともいう)が属するグループ(クライアント識別部101により識別されたグループ)が新規参入グループであるか否かをグループ遷移テーブル1031を用いて判定する。
新規参入グループとは、クライアント装置11の新規参入があったグループである。
グループ遷移テーブル1031には、新規参入グループが示される。
なお、グループ遷移テーブル1031は、グループ遷移テーブル記憶部1030において記憶されている。
グループ遷移識別部103は、前述のクライアント識別部101とともに、送信指示部の例に相当する。
【0024】
なお、グループ遷移識別部103により要求元クライアント装置が属するグループが新規参入グループであると判定された場合は、クライアント識別部101が、当該新規参入グループに属する全てのクライアント装置11から時刻同期要求を受信しているか否かをグループ管理テーブル1011を用いて判定し、当該新規参入グループに属する全てのクライアント装置11から時刻同期要求を受信していない間は当該新規参入グループに属するクライアント装置11への時刻情報の送信を保留する。
そして、クライアント識別部101は、当該新規参入グループに属する全てのクライアント装置11から時刻同期要求を受信した際に、クライアント通信部100に、当該新規参入グループに属する全てのクライアント装置11に時刻情報を送信するよう指示する。
【0025】
時刻管理部104は、クライアント通信部110からの時刻同期要求を受け、現在時刻を返す。
【0026】
上位装置通信部105は、上位装置12の時刻管理部121に対して時刻同期要求を出し、応答を受け取る。
【0027】
構成制御部106は、外部システム13からクライアント装置11のグループへの参入情報を受け取り、グループ管理テーブル1011およびグループ遷移テーブル1031を更新する。
構成制御部106は、外部システム13から参入情報を入力した場合、つまり、いずれかのクライアント装置11がいずれかのグループに新規に参入した場合に、グループ管理テーブル1011およびグループ遷移テーブル1031を更新する。
なお、後述するように、グループ遷移テーブル1031は新規参入グループ情報の例に相当し、グループ管理テーブル1011にはクライアント数情報が含まれる。
構成制御部106は、グループ管理部の例に相当する。
【0028】
図3は、本実施の形態に係るグループ管理テーブル1011の例を示す。
グループ管理テーブル1011は、グループ名とアドレスと要求受付カウンタを持つ。
グループ名は、各グループに属するクライアント装置11A〜Nを代表する名前であり、前述の本番グループ、評価グループ、訓練グループ等である。
アドレスは、各グループに属するクライアント装置11のIPアドレスである。
要求受付カウンタは、カウントダウン前は各グループに属するクライアント装置の台数を示す。
要求受付カウンタは、クライアント数情報に相当する。
【0029】
図4は、本実施の形態に係るオフセットテーブル1021の例を示す。
オフセットテーブル1021は、グループ名とオフセット時間を持つ。
グループ名は、各グループに属するクライアント装置11A〜Nを代表する名前であり、グループ管理テーブル1011のグループ名と同じである。
オフセット時間は、各グループのクライアント装置11に設定されるべき現在時刻からのずれの時間である。
【0030】
図5は、本実施の形態に係るグループ遷移テーブル1031の例を示す。
グループ遷移テーブル1031は、グループ名を持つ。
グループ名は、各グループに属するクライアント装置11A〜Nを代表する名前であり、グループ管理テーブル1011のグループ名と同じである。
但し、グループ遷移テーブル1031に示されるグループ名は、クライアント装置11の新規参入があったグループ(新規参入グループ)のグループ名だけである。
クライアント装置11が離脱したグループは、グループ遷移テーブル1031に記載されない。
このように、グループ遷移テーブル1031は、新規参入グループを示す情報であり、新規参入グループ情報の例に相当する。
【0031】
次に、本実施の形態に係る複数時刻管理装置10の動作例について説明する。
【0032】
図6は、構成制御部106の動作例を示すフローチャートである。
【0033】
構成制御部106は、外部システム13から各グループに参入および離脱するクライアント装置11のアドレスリストを受け取る(S100)。
次に、新たに参入したクライアント装置11があるグループについて、構成制御部106はグループ遷移テーブル1031に追加する(S101)。
次に、構成制御部106は、各グループに参入および離脱するクライアント装置11のアドレスリストを元に、グループ管理テーブル1011を更新する(S102)。
つまり、構成制御部106は、グループごとに、クライアント装置11の新規参入数、離脱数を反映させて、グループ管理テーブル1011の要求受付カウンタを更新する。
また、クライアント装置11の新規参入があった場合には、新規参入のあったクライアント装置11のアドレスをグループ管理テーブル1011のアドレス欄に追加し、クライアント装置11の離脱があった場合には、離脱したクライアント装置11のアドレスをグループ管理テーブル1011のアドレス欄から削除する。
【0034】
図7は、複数時刻管理装置10内の上位装置通信部105の動作例を示すフローチャートである。
【0035】
上位装置通信部105は、一定周期で上位装置12の時刻管理部121に対して時刻同期要求を出す(S200、S201)。
次に、上位装置12の時刻管理部121から応答(現在時刻)を受け取った場合(S202でYES)に、上位装置通信部105は、複数時刻管理装置10内の時刻管理部104に対して現在時刻をセットする(S203)。
【0036】
図8は、上位装置通信部105および構成制御部106を除いた複数時刻管理装置10の構成要素の動作例を示すフローチャートである。
【0037】
クライアント通信部100は、クライアント装置11A〜11Nからの時刻同期要求を常時待っており、クライアント装置11からの時刻同期要求を受信した場合(S300でYES)、受信した時刻同期要求をクライアント識別部101に渡す。
次に、クライアント識別部101は、時刻同期要求から送信元のクライアント装置11(要求元クライアント装置)のアドレスを抽出し、グループ管理テーブル1011からそのクライアント装置11が属しているグループを得る(S301)。
次に、グループ遷移識別部103は、クライアント識別部101が得たグループが、クライアント装置11が新規に参入したグループ(新規参入グループ)かどうかをグループ遷移テーブル1031から判断する(S302)。
新規に参入したグループである場合(S302でYES)、クライアント識別部101はグループ管理テーブル1011の当該グループ行の要求受付カウンタを−1する(S303)。
ここで当該グループの要求受付カウンタが「0」でない場合(S304でNO)、クライアント通信部100はクライアント時刻同期要求を保留し(S331)、終了する。
つまり、要求受付カウンタが「0」でない場合は、クライアント識別部101は、クライアント通信部100に対して時刻情報の送信を指示しないため、クライアント通信部100は時刻情報の送信を保留する。
【0038】
一方、当該グループの要求受付カウンタが「0」の場合(S304でYES)、クライアント識別部101は要求受付カウンタをそのグループに属するクライアント数にセットする(S305)。
なお、このとき、クライアント識別部101は、グループ遷移識別部103に対してグループ遷移テーブル1031から当該グループのエントリを削除するよう指示する。
また、クライアント識別部101は、オフセット算出部102に対してオフセット時間を取得するよう指示し、また、クライアント通信部100に対して現在時刻を取得して新規参入グループに属する全てのクライアント装置11に時刻情報を送信するよう指示する。
【0039】
次に、グループ遷移識別部103は、グループ遷移テーブル1031から当該グループのエントリを削除する(S306)。
次に、オフセット算出部102は、当該グループのオフセット時間をオフセットテーブル1021から取得する(S307)。
次に、クライアント通信部100は、時刻管理部104から現在時刻を取得する(S308)。
次に、クライアント通信部100は、今回のクライアント装置11からの時刻同期要求に加え、当該グループでこれまで保留してきた全てのクライアント装置11の時刻同期要求に対して、現在時刻+オフセット時間を応答する(現在時刻+オフセット時間を通知する時刻情報を送信する)(S309)。
なお、クライアント通信部100は、グループ管理テーブル1011のアドレス欄に示されるアドレスを用いて、新規参入グループに属する全てのクライアント装置11に現在時刻+オフセット時間を送信する。
【0040】
一方、S302の判断において、時刻同期要求の要求元のクライアント装置11が属するグループが新規に参入したグループでない場合(S302でNO)、クライアント識別部101がオフセット算出部102に対してオフセット時間を取得するよう指示し、オフセット算出部102は当該グループのオフセット時間をオフセットテーブル1021から取得する(S320)。
次に、クライアント識別部101がクライアント通信部100に対して現在時刻を取得してクライアント装置11に時刻情報を送信するよう指示し、クライアント通信部100は、時刻管理部104から現在時刻を取得する(S321)。
次に、クライアント通信部100は、時刻同期要求を出したクライアント装置11に対して、現在時刻+オフセット時間を応答する(S322)。
【0041】
このように本実施の形態では、時刻同期要求の送信元である要求元クライアント装置が属するグループが新規参入グループである場合に、当該新規参入グループに属する全てのクライアント装置から時刻同期要求を受信していない間は当該新規参入グループに属するクライアント装置への時刻情報の送信を保留し、当該新規参入グループに属する全てのクライアント装置から時刻同期要求を受信した際に、当該新規参入グループに属する全てのクライアント装置に時刻情報を送信する。
【0042】
つまり、本実施の形態では、新規参入グループに以前から所属している既存のクライアント装置の全てが処理を終了して時刻同期が可能になるまで時刻同期を待ち、全てのクライアント装置で時刻同期が可能になった段階で、全てのクライアント装置に対して一斉に時刻同期を行う。
このため、クライアント装置の新規参入があった時点で既存のクライアント装置の間で既に運用中の時刻体系に従って処理が進行していても、進行中の処理に支障がでることなく、全てのクライアント装置の間で円滑に時刻同期を行うことができる。
【0043】
なお、本実施の形態では、複数時刻管理装置10から現在時刻+オフセット時間を通知する例を説明した。
これに代えて、現在時刻とオフセット時間とを区別して通知するようにしてもよい。
また、各クライアント装置において対応するオフセット時間を記憶しておき、複数時刻管理装置10からは現在時刻のみを通知するようにしてもよい。
更に、複数時刻管理装置10と各クライアント装置11との間の伝送遅延量を考慮して現在時刻を補正してもよい。
【0044】
また、本実施の形態では、図7に示すように、複数時刻管理装置10が定期的に上位装置12から現在時刻の通知を受ける例を説明したが、複数時刻管理装置10が単体で長期にわたって現在時刻を高精度に管理できる場合は、図7に示す処理を省略してもよい。
【0045】
以上、本実施の形態では、
複数時刻を一元的に管理する複数時刻管理装置と、複数時刻管理装置に接続された上位装置と、時刻を利用するクライアント装置から構成されるシステムにおいて、クライアント装置にはグループ(本番、評価1、評価2、訓練、等)があり、同一グループのクライアント装置で論理システム(本番システム、評価1システム、評価2システム、訓練システム等)を構成し、それぞれの論理システムは異なる時刻を持つ(例えば、本番論理システムは実時間と同じ時刻、評価論理システムは前日の時刻等)ことを説明した。
【0046】
そして、本実施の形態では、
複数時刻管理装置は、上位装置から現在時刻を受け取る上位装置通信部と、上位装置から受け取った時刻を保持する時刻管理部、クライアント装置からの時刻同期要求を時刻管理部に転送するとともに、時刻管理部からの応答をクライアント識別部に転送するクライアント通信部、クライアント装置が、あるグループから別のグループに移ったこと等を外部の管理装置から受け取り、グループ遷移テーブルとグループ管理テーブルに格納する構成制御部、グループ遷移テーブルを用いて、時刻同期要求が、クライアント装置が新規に参入したグループからの時刻同期要求かそれ以外かを判断するグループ遷移識別部、時刻同期要求に含まれるクライアント情報からクライアント装置のグループを調べ、オフセット算出部に渡すとともに、時刻同期要求が、クライアント装置が新規に参入したグループからの場合はグループ管理テーブルの要求受け付けカウンタを−1するクライアント識別部、クライアント識別部から受け取った情報を元に下位装置に返す時刻のオフセット値をオフセットテーブルから算出するオフセット算出部から構成されることを説明した。
【0047】
また、本実施の形態では、
前記複数時刻管理装置において、クライアント通信部はクライアント装置からの時刻同期要求に従って時刻管理部に現在時刻を問合せる前に、時刻同期要求が、クライアント装置が新規に参入したグループからの場合はグループ管理テーブルの要求受け付けカウンタを確認し、0でない場合は時刻同期要求に対する処理を保留し、0の場合は、時刻管理部の現在時刻を問合せ、該当グループのオフセットを現在時刻に加算し、グループ内の全てのクライアント装置に応答を返すことを説明した。
【0048】
また、本実施の形態では、
前記複数時刻管理装置において、クライアント通信部はクライアント装置からの時刻同期要求に従って時刻管理部に現在時刻を問合せる前に、時刻同期要求が、クライアント装置が新規に参入したグループからではない場合は、時刻管理部の現在時刻を問合せ、該当グループのオフセットを現在時刻に加算し、時刻同期要求を出したクライアント装置にのみ応答を返すことを説明した。
【0049】
実施の形態2.
実施の形態1では、グループ管理テーブル1011、オフセットテーブル1021、およびグループ遷移テーブル1031を個別のテーブルとしたが、1つのテーブルとしてもよい。
【0050】
図9に、グループ管理テーブル1011、オフセットテーブル1021、グループ遷移テーブル1031を組み合わせたグループ情報テーブル1041を示す。
グループ情報テーブル1041において、オフセット時間は、図4のオフセットテーブル1021に示されるオフセット時間と同じである。
また、遷移フラグは、図5のグループ遷移テーブル1031と同等の役割を果たしており、「○」が書き込まれたグループは新規参入があったグループであることを示している。
なお、本実施の形態では、グループ情報テーブル1041の遷移フラグが新規参入グループ情報の例に相当する。
【0051】
図10は、実施の形態2に係る複数時刻管理装置10の構成例を示す。
図10の例では、グループ情報テーブル記憶部1040においてグループ情報テーブル1041のみが記憶されており、図2に示したグループ管理テーブル記憶部1010、グループ管理テーブル1011、オフセットテーブル記憶部1020、オフセットテーブル1021、グループ遷移テーブル記憶部1030、グループ遷移テーブル1031は存在しない。
【0052】
次に、本実施の形態に係る複数時刻管理装置10の動作例について説明する。
【0053】
図11は、構成制御部106の動作例を示すフローチャートである。
【0054】
構成制御部106は、外部システム13から各グループに参入および離脱するクライアント装置11のアドレスリストを受け取る(S400)。
次に、構成制御部106は、新たに参入したクライアント装置11があるグループについて、グループ情報テーブル1041の該当グループのグループ遷移フラグをセットする(S401)。
次に、構成制御部106は、各グループに参入および離脱するクライアント装置11のアドレスリストを元に、グループ情報テーブル1041を更新する(S402)。
【0055】
なお、複数時刻管理装置10内の上位装置通信部105の動作については実施の形態1と同様(図7)である。
また、上位装置通信部105および構成制御部106を除いた複数時刻管理装置10の動作についても実施の形態1と同様(図8)である。
【0056】
実施の形態3.
実施の形態1および実施の形態2では、グループ管理テーブル1011、グループ情報テーブル1041のアドレス部分に個々のクライアント装置11のアドレスを指定したが、複数のクライアント装置11を代表(包含)するようなアドレスを指定してもよい。
例えば、アドレス部分にIPアドレスを使用した場合は、ネットワークアドレスを指定してもよい。
図12はIPアドレスとネットワークアドレスが混在した場合のグループ情報テーブル1041の例を示している。
【0057】
実施の形態4.
実施の形態1および実施の形態2では、複数時刻管理装置10はクライアント装置11の時刻同期要求に対して時刻同期応答を返していたが、時刻情報だけでなくクライアント装置11が必要とするパラメータ情報を返してもよい。
【0058】
図13は、グループごとのパラメータ情報を付加した、グループ情報テーブル1041の例を示す。
【0059】
図14は、上位装置通信部105および構成制御部106を除いた複数時刻管理装置10の動作例を示すフローチャートである。
【0060】
基本的な動作については実施の形態1と同じであるが、本実施の形態では、クライアント通信部100はクライアント装置11に対して、現在時刻+オフセット時間に加えて、パラメータ情報を送信する(S509、S522)点が異なる。
【0061】
以上、本実施の形態では、
複数時刻管理装置は、時刻だけではなく、クライアント装置に必要なパラメータも同様に応答することを説明した。
【0062】
最後に、実施の形態1〜4に示した複数時刻管理装置10のハードウェア構成例について説明する。
図15は、実施の形態1〜4に示す複数時刻管理装置10のハードウェア資源の一例を示す図である。
なお、図15の構成は、あくまでも複数時刻管理装置10のハードウェア構成の一例を示すものであり、複数時刻管理装置10のハードウェア構成は図15に記載の構成に限らず、他の構成であってもよい。
【0063】
図15において、複数時刻管理装置10は、プログラムを実行するCPU911(Central Processing Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサともいう)を備えている。
CPU911は、バス912を介して、例えば、ROM(Read Only Memory)913、RAM(Random Access Memory)914、通信ボード915、表示装置901、キーボード902、マウス903、磁気ディスク装置920と接続され、これらのハードウェアデバイスを制御する。
更に、CPU911は、FDD904(Flexible Disk Drive)、コンパクトディスク装置905(CDD)、プリンタ装置906、スキャナ装置907と接続していてもよい。また、磁気ディスク装置920の代わりに、SSD(Solid State Drive)、光ディスク装置、メモリカード(登録商標)読み書き装置などの記憶装置でもよい。
RAM914は、揮発性メモリの一例である。ROM913、FDD904、CDD905、磁気ディスク装置920の記憶媒体は、不揮発性メモリの一例である。これらは、記憶装置の一例である。
実施の形態1〜4で説明した「〜記憶部」は、RAM914、磁気ディスク装置920等により実現される。
通信ボード915、キーボード902、マウス903、スキャナ装置907などは、入力装置の一例である。
また、通信ボード915、表示装置901、プリンタ装置906などは、出力装置の一例である。
【0064】
通信ボード915は、ネットワークに接続されている。
例えば、通信ボード915は、LAN(ローカルエリアネットワーク)、インターネット、WAN(ワイドエリアネットワーク)、SAN(ストレージエリアネットワーク)などに接続されている。
【0065】
磁気ディスク装置920には、オペレーティングシステム921(OS)、ウィンドウシステム922、プログラム群923、ファイル群924が記憶されている。
プログラム群923のプログラムは、CPU911がオペレーティングシステム921、ウィンドウシステム922を利用しながら実行する。
【0066】
また、RAM914には、CPU911に実行させるオペレーティングシステム921のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。
また、RAM914には、CPU911による処理に必要な各種データが格納される。
【0067】
また、ROM913には、BIOS(Basic Input Output System)プログラムが格納され、磁気ディスク装置920にはブートプログラムが格納されている。
複数時刻管理装置10の起動時には、ROM913のBIOSプログラム及び磁気ディスク装置920のブートプログラムが実行され、BIOSプログラム及びブートプログラムによりオペレーティングシステム921が起動される。
【0068】
上記プログラム群923には、実施の形態1〜4の説明において「〜部」(「〜記憶部」以外、以下同様)として説明している機能を実行するプログラムが記憶されている。プログラムは、CPU911により読み出され実行される。
【0069】
ファイル群924には、実施の形態1〜4の説明において、「〜の判断」、「〜の判定」、「〜の識別」、「〜の比較」、「〜の生成」、「〜の更新」、「〜の設定」、「〜の指示」、「〜の選択」、「〜の取得」、「〜の入力」、「〜の出力」「〜の受信」、「〜の送信」等として説明している処理の結果を示す情報やデータや信号値や変数値や暗号鍵・復号鍵や乱数値やパラメータが、「〜ファイル」や「〜データベース」の各項目として記憶されている。
「〜ファイル」や「〜データベース」は、ディスクやメモリなどの記録媒体に記憶される。
ディスクやメモリなどの記憶媒体に記憶された情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、読み書き回路を介してCPU911によりメインメモリやキャッシュメモリに読み出される。
そして、読み出された情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、抽出・検索・参照・比較・演算・計算・処理・編集・出力・印刷・表示などのCPUの動作に用いられる。
抽出・検索・参照・比較・演算・計算・処理・編集・出力・印刷・表示のCPUの動作の間、情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、メインメモリ、レジスタ、キャッシュメモリ、バッファメモリ等に一時的に記憶される。
また、実施の形態1〜4で説明しているフローチャートの矢印の部分は主としてデータや信号の入出力を示す。
データや信号値は、RAM914のメモリ、FDD904のフレキシブルディスク、CDD905のコンパクトディスク、磁気ディスク装置920の磁気ディスク、その他光ディスク、ミニディスク、DVD等の記録媒体に記録される。
また、データや信号は、バス912や信号線やケーブルその他の伝送媒体によりオンライン伝送される。
【0070】
また、実施の形態1〜4の説明において「〜部」として説明しているものは、「〜回路」、「〜装置」、「〜機器」であってもよく、また、「〜ステップ」、「〜手順」、「〜処理」であってもよい。
すなわち、実施の形態1〜4で説明したフローチャートに示すステップ、手順、処理により、本発明に係る「情報処理方法」を実現することができる。
また、「〜部」として説明しているものは、ROM913に記憶されたファームウェアで実現されていても構わない。
或いは、ソフトウェアのみ、或いは、素子・デバイス・基板・配線などのハードウェアのみ、或いは、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせ、さらには、ファームウェアとの組み合わせで実施されても構わない。
ファームウェアとソフトウェアは、プログラムとして、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等の記録媒体に記憶される。
プログラムはCPU911により読み出され、CPU911により実行される。
すなわち、プログラムは、実施の形態1〜4の「〜部」としてコンピュータを機能させるものである。あるいは、実施の形態1〜4の「〜部」の手順や方法をコンピュータに実行させるものである。
【0071】
このように、実施の形態1〜4に示す複数時刻管理装置10は、処理装置たるCPU、記憶装置たるメモリ、磁気ディスク等、入力装置たるキーボード、マウス、通信ボード等、出力装置たる表示装置、通信ボード等を備えるコンピュータである。
そして、上記したように「〜部」として示された機能をこれら処理装置、記憶装置、入力装置、出力装置を用いて実現するものである。
【符号の説明】
【0072】
10 複数時刻管理装置、11 クライアント装置、12 上位装置、13 外部システム、100 クライアント通信部、101 クライアント識別部、102 オフセット算出部、103 グループ遷移識別部、104 時刻管理部、105 上位装置通信部、106 構成制御部、121 時刻管理部、1010 グループ管理テーブル記憶部、1011 グループ管理テーブル、1020 オフセットテーブル記憶部、1021 オフセットテーブル、1030 グループ遷移テーブル記憶部、1031 グループ遷移テーブル、1040 グループ情報テーブル記憶部、1041 グループ情報テーブル。
【技術分野】
【0001】
本発明は、時刻同期技術に関する。
【背景技術】
【0002】
1つのシステム上に複数の論理的なシステムが構築され、論理的なシステムの各々には、複数のクライアント装置が含まれているケースを考える。
そして、本ケースでは、クライアント装置は、グループ(本番、評価、訓練等)に属しており、同じグループに属するクライアント装置によって論理システム(本番システム、評価システム、訓練システム等)が構成されるとする。
【0003】
このようなケースにおいて、論理システム毎に異なる時刻でシステムを運用することがある。
例えば、本番システムは実時刻で運用され、評価システムは「実時刻−12時間30分」で運用される等である。
そして、各クライアント装置に時刻同期機構が備わっていない場合は、時刻を管理するサーバ装置(以下、時刻管理装置という)が、グループごとにクライアント装置に時刻情報を送信して、グループごとに時刻同期を制御する必要がある。
【0004】
非特許文献1では、標準的な時刻同期方法であるNTP(Network Time Protocol)を利用した時刻同期方式が示されている。
NTPは、クライアント装置が時刻同期装置に時刻同期要求を出し、時刻同期装置は自分が保持している現在時刻をクライアント装置に時刻同期応答として返すものである。
NTPでは、時刻管理装置は、クライアント装置がどのようなグループに属しているかを管理していない。
このため、個々のクライアント装置は自分が属しているグループを認識し、時刻管理装置から受け取った現在時刻にグループごとのオフセット時間(グループごとの現在時刻との差分時間)を加え、クライアント装置自身の時刻としてセットする。
【0005】
一方、特許文献1では、時刻管理装置は、クライアント装置ごとに、クライアント装置が属するグループを管理している。
更に、特許文献1では、時刻管理装置は、現在時刻とともにグループごとのオフセット時間をテーブルとして管理している。
このため、特許文献1では、時刻管理装置は、クライアント装置ごとにオフセットテーブルからオフセット時間を取り出し、現在時刻にオフセット時間を加算し、オフセット時間が加算された後の時刻が示される時刻情報をクライアント装置に送信する。
これにより、クライアント装置上での時刻加算処理を不要としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−54815号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】RFC1129 Internet Time Synchronization: the Network Time Protocol
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
以上のように、特許文献1の方式及び非特許文献1の方式では、グループ単位で時刻同期を行うことができる。
しかし、これらの方式では、グループに新たなクライアント装置が参入する場合の時刻同期手順が示されていない。
【0009】
時刻管理装置とクライアント装置は、それぞれ水晶等のオシレータを用いて時刻を刻んでいるが、オシレータごとの個体差があるため、時間の経過とともに、時刻管理装置での時刻とクライアント装置での時刻に差異が生じる場合がある。
クライアント装置の新規参入があった時点で時刻管理装置と既存のクライアント装置との間で時刻差が生じている場合は、時刻管理装置から新規参入のクライアント装置のみに時刻情報を送信すると、新規参入のクライアント装置と既存のクライアント装置との間でも時刻差が生じることになる。
これを回避するために、新規参入があった時点で、時刻管理装置から新規参入のクライアント装置及び既存のクライアント装置のそれぞれに同時に時刻情報を送信することが考えられる。
しかし、既存のクライアント装置の間では既に運用中の時刻体系に従って処理が進行しているため、新規参入のあった時点で既存のクライアント装置にも時刻情報を送信すると進行中の処理に支障がでることになる。
【0010】
本発明は、これらの点に鑑み、グループに新たなクライアント装置が参加する場合に、新規参入のクライアント装置を含む全てのクライアント装置の間で円滑に時刻同期を行うことを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る情報処理装置は、
各々がいずれかのグループに属する複数のクライアント装置から時刻同期要求を受信し、受信した時刻同期要求に対する応答として、現在時刻を通知する時刻情報を送信するクライアント通信部と、
いずれかのクライアント装置がいずれかのグループに新規に参入した場合に、新規参入があった新規参入グループが示される新規参入グループ情報と、新規参入したクライアント装置を含む新規参入グループに属するクライアント装置の数が示されるクライアント数情報とを生成するグループ管理部と、
前記クライアント通信部が時刻同期要求を受信する度に、時刻同期要求の送信元である要求元クライアント装置が属するグループが新規参入グループであるか否かを前記新規参入グループ情報を用いて判定し、要求元クライアント装置が属するグループが新規参入グループである場合に、当該新規参入グループに属する全てのクライアント装置から時刻同期要求を受信しているか否かを前記クライアント数情報を用いて判定し、当該新規参入グループに属する全てのクライアント装置から時刻同期要求を受信していない間は前記クライアント通信部による当該新規参入グループに属するクライアント装置への時刻情報の送信を保留し、当該新規参入グループに属する全てのクライアント装置から時刻同期要求を受信した際に、前記クライアント通信部に、当該新規参入グループに属する全てのクライアント装置に時刻情報を送信するよう指示する送信指示部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、新規参入グループに以前から所属している既存のクライアント装置の全てが処理を終了して時刻同期が可能になるまで時刻同期を待ち、全てのクライアント装置で時刻同期が可能になった段階で、全てのクライアント装置に対して一斉に時刻同期を行う。
このため、クライアント装置の新規参入があった時点で既存のクライアント装置の間で既に運用中の時刻体系に従って処理が進行していても、進行中の処理に支障がでることなく、全てのクライアント装置の間で円滑に時刻同期を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施の形態1のシステム構成例を示す図である。
【図2】実施の形態1の複数時刻管理装置の構成例を示す図。
【図3】実施の形態1のグループ管理テーブルの例を示す図。
【図4】実施の形態1のオフセットテーブルの例を示す図。
【図5】実施の形態1のグループ遷移テーブルの例を示す図。
【図6】実施の形態1の構成制御部の動作例を示すフローチャート図。
【図7】実施の形態1の上位装置通信部の動作例を示すフローチャート図。
【図8】実施の形態1の複数時刻管理装置(構成制御部、上位装置通信部を除く)の動作例を示すフローチャート図。
【図9】実施の形態2のグループ情報テーブルの例を示す図。
【図10】実施の形態2の複数時刻管理装置の構成例を示す図。
【図11】実施の形態2の構成制御部の動作例を示すフローチャート図。
【図12】実施の形態3のグループ情報テーブルの例を示す図。
【図13】実施の形態4のグループ情報テーブルの例を示す図。
【図14】実施の形態4の複数時刻管理装置(構成制御部、上位装置通信部を除く)の動作例を示すフローチャート図。
【図15】実施の形態1〜4の複数時刻管理装置のハードウェア構成例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
実施の形態1.
図1は、本実施の形態に係るシステム構成例を示す。
【0015】
図1において、複数時刻管理装置10は、複数のクライアント装置11A〜11Nに接続され、現在時刻を通知する時刻情報を各クライアント装置11に送信する。
時刻情報の送信はクライアント装置11の主導で行われ、クライアント装置11からの時刻同期要求を受信した場合のみ複数時刻管理装置10からクライアント装置11に対して時刻情報を送信する。
複数時刻管理装置10は、情報処理装置の例に相当する。
【0016】
各クライアント装置11は、複数のグループのうちのいずれかのグループに属する。
前述したように、各クライアント装置11が本番システム、評価システム、訓練システム等のいずれかの論理システムで動作している場合は、各クライアント装置11は、本番グループ、評価グループ、訓練グループ等に属する。
また、各クライアント装置11は、自身がどのようなグループ(本番、評価、訓練)に属しているかの情報をもたず、また、独自の時刻同期機構を持たない。
なお、クライアント装置11A〜11Nを区別する必要がない場合は、まとめてクライアント装置11と表記する。
また、単にクライアントとも表記する。
【0017】
上位装置12は、複数時刻管理装置10に現在時刻を通知する。
上位装置12内の時刻管理部121は現在時刻を管理する。
【0018】
外部システム13は、各クライアント装置11のグループへの参入状況又はグループからの離脱状況を管理する。
【0019】
図2は、本実施の形態に係る複数時刻管理装置10の内部構成例を示す。
【0020】
クライアント通信部100は、クライアント装置11A〜11Nから時刻同期要求を受信し、受信した時刻同期要求に対する応答として、現在時刻を通知する時刻情報を送信する。
【0021】
クライアント識別部101は、クライアント通信部100により受信された時刻同期要求の中からクライアント装置11A〜11NのIP(Internet Protocol)アドレス情報を取り出し、現在クライアント装置11が属しているグループを識別する。
なお、クライアント識別部101は、後述のグループ遷移識別部103とともに、送信指示部の例に相当する。
【0022】
オフセット算出部102は、グループごとに、現在時刻からどれだけずれた時間にする必要があるかを示すオフセット時間をオフセットテーブル1021から取り出す。
オフセットテーブル1021は、オフセットテーブル記憶部1020において記憶されている。
【0023】
グループ遷移識別部103は、クライアント通信部100により受信された時刻同期要求の送信元のクライアント装置(以下、要求元クライアント装置ともいう)が属するグループ(クライアント識別部101により識別されたグループ)が新規参入グループであるか否かをグループ遷移テーブル1031を用いて判定する。
新規参入グループとは、クライアント装置11の新規参入があったグループである。
グループ遷移テーブル1031には、新規参入グループが示される。
なお、グループ遷移テーブル1031は、グループ遷移テーブル記憶部1030において記憶されている。
グループ遷移識別部103は、前述のクライアント識別部101とともに、送信指示部の例に相当する。
【0024】
なお、グループ遷移識別部103により要求元クライアント装置が属するグループが新規参入グループであると判定された場合は、クライアント識別部101が、当該新規参入グループに属する全てのクライアント装置11から時刻同期要求を受信しているか否かをグループ管理テーブル1011を用いて判定し、当該新規参入グループに属する全てのクライアント装置11から時刻同期要求を受信していない間は当該新規参入グループに属するクライアント装置11への時刻情報の送信を保留する。
そして、クライアント識別部101は、当該新規参入グループに属する全てのクライアント装置11から時刻同期要求を受信した際に、クライアント通信部100に、当該新規参入グループに属する全てのクライアント装置11に時刻情報を送信するよう指示する。
【0025】
時刻管理部104は、クライアント通信部110からの時刻同期要求を受け、現在時刻を返す。
【0026】
上位装置通信部105は、上位装置12の時刻管理部121に対して時刻同期要求を出し、応答を受け取る。
【0027】
構成制御部106は、外部システム13からクライアント装置11のグループへの参入情報を受け取り、グループ管理テーブル1011およびグループ遷移テーブル1031を更新する。
構成制御部106は、外部システム13から参入情報を入力した場合、つまり、いずれかのクライアント装置11がいずれかのグループに新規に参入した場合に、グループ管理テーブル1011およびグループ遷移テーブル1031を更新する。
なお、後述するように、グループ遷移テーブル1031は新規参入グループ情報の例に相当し、グループ管理テーブル1011にはクライアント数情報が含まれる。
構成制御部106は、グループ管理部の例に相当する。
【0028】
図3は、本実施の形態に係るグループ管理テーブル1011の例を示す。
グループ管理テーブル1011は、グループ名とアドレスと要求受付カウンタを持つ。
グループ名は、各グループに属するクライアント装置11A〜Nを代表する名前であり、前述の本番グループ、評価グループ、訓練グループ等である。
アドレスは、各グループに属するクライアント装置11のIPアドレスである。
要求受付カウンタは、カウントダウン前は各グループに属するクライアント装置の台数を示す。
要求受付カウンタは、クライアント数情報に相当する。
【0029】
図4は、本実施の形態に係るオフセットテーブル1021の例を示す。
オフセットテーブル1021は、グループ名とオフセット時間を持つ。
グループ名は、各グループに属するクライアント装置11A〜Nを代表する名前であり、グループ管理テーブル1011のグループ名と同じである。
オフセット時間は、各グループのクライアント装置11に設定されるべき現在時刻からのずれの時間である。
【0030】
図5は、本実施の形態に係るグループ遷移テーブル1031の例を示す。
グループ遷移テーブル1031は、グループ名を持つ。
グループ名は、各グループに属するクライアント装置11A〜Nを代表する名前であり、グループ管理テーブル1011のグループ名と同じである。
但し、グループ遷移テーブル1031に示されるグループ名は、クライアント装置11の新規参入があったグループ(新規参入グループ)のグループ名だけである。
クライアント装置11が離脱したグループは、グループ遷移テーブル1031に記載されない。
このように、グループ遷移テーブル1031は、新規参入グループを示す情報であり、新規参入グループ情報の例に相当する。
【0031】
次に、本実施の形態に係る複数時刻管理装置10の動作例について説明する。
【0032】
図6は、構成制御部106の動作例を示すフローチャートである。
【0033】
構成制御部106は、外部システム13から各グループに参入および離脱するクライアント装置11のアドレスリストを受け取る(S100)。
次に、新たに参入したクライアント装置11があるグループについて、構成制御部106はグループ遷移テーブル1031に追加する(S101)。
次に、構成制御部106は、各グループに参入および離脱するクライアント装置11のアドレスリストを元に、グループ管理テーブル1011を更新する(S102)。
つまり、構成制御部106は、グループごとに、クライアント装置11の新規参入数、離脱数を反映させて、グループ管理テーブル1011の要求受付カウンタを更新する。
また、クライアント装置11の新規参入があった場合には、新規参入のあったクライアント装置11のアドレスをグループ管理テーブル1011のアドレス欄に追加し、クライアント装置11の離脱があった場合には、離脱したクライアント装置11のアドレスをグループ管理テーブル1011のアドレス欄から削除する。
【0034】
図7は、複数時刻管理装置10内の上位装置通信部105の動作例を示すフローチャートである。
【0035】
上位装置通信部105は、一定周期で上位装置12の時刻管理部121に対して時刻同期要求を出す(S200、S201)。
次に、上位装置12の時刻管理部121から応答(現在時刻)を受け取った場合(S202でYES)に、上位装置通信部105は、複数時刻管理装置10内の時刻管理部104に対して現在時刻をセットする(S203)。
【0036】
図8は、上位装置通信部105および構成制御部106を除いた複数時刻管理装置10の構成要素の動作例を示すフローチャートである。
【0037】
クライアント通信部100は、クライアント装置11A〜11Nからの時刻同期要求を常時待っており、クライアント装置11からの時刻同期要求を受信した場合(S300でYES)、受信した時刻同期要求をクライアント識別部101に渡す。
次に、クライアント識別部101は、時刻同期要求から送信元のクライアント装置11(要求元クライアント装置)のアドレスを抽出し、グループ管理テーブル1011からそのクライアント装置11が属しているグループを得る(S301)。
次に、グループ遷移識別部103は、クライアント識別部101が得たグループが、クライアント装置11が新規に参入したグループ(新規参入グループ)かどうかをグループ遷移テーブル1031から判断する(S302)。
新規に参入したグループである場合(S302でYES)、クライアント識別部101はグループ管理テーブル1011の当該グループ行の要求受付カウンタを−1する(S303)。
ここで当該グループの要求受付カウンタが「0」でない場合(S304でNO)、クライアント通信部100はクライアント時刻同期要求を保留し(S331)、終了する。
つまり、要求受付カウンタが「0」でない場合は、クライアント識別部101は、クライアント通信部100に対して時刻情報の送信を指示しないため、クライアント通信部100は時刻情報の送信を保留する。
【0038】
一方、当該グループの要求受付カウンタが「0」の場合(S304でYES)、クライアント識別部101は要求受付カウンタをそのグループに属するクライアント数にセットする(S305)。
なお、このとき、クライアント識別部101は、グループ遷移識別部103に対してグループ遷移テーブル1031から当該グループのエントリを削除するよう指示する。
また、クライアント識別部101は、オフセット算出部102に対してオフセット時間を取得するよう指示し、また、クライアント通信部100に対して現在時刻を取得して新規参入グループに属する全てのクライアント装置11に時刻情報を送信するよう指示する。
【0039】
次に、グループ遷移識別部103は、グループ遷移テーブル1031から当該グループのエントリを削除する(S306)。
次に、オフセット算出部102は、当該グループのオフセット時間をオフセットテーブル1021から取得する(S307)。
次に、クライアント通信部100は、時刻管理部104から現在時刻を取得する(S308)。
次に、クライアント通信部100は、今回のクライアント装置11からの時刻同期要求に加え、当該グループでこれまで保留してきた全てのクライアント装置11の時刻同期要求に対して、現在時刻+オフセット時間を応答する(現在時刻+オフセット時間を通知する時刻情報を送信する)(S309)。
なお、クライアント通信部100は、グループ管理テーブル1011のアドレス欄に示されるアドレスを用いて、新規参入グループに属する全てのクライアント装置11に現在時刻+オフセット時間を送信する。
【0040】
一方、S302の判断において、時刻同期要求の要求元のクライアント装置11が属するグループが新規に参入したグループでない場合(S302でNO)、クライアント識別部101がオフセット算出部102に対してオフセット時間を取得するよう指示し、オフセット算出部102は当該グループのオフセット時間をオフセットテーブル1021から取得する(S320)。
次に、クライアント識別部101がクライアント通信部100に対して現在時刻を取得してクライアント装置11に時刻情報を送信するよう指示し、クライアント通信部100は、時刻管理部104から現在時刻を取得する(S321)。
次に、クライアント通信部100は、時刻同期要求を出したクライアント装置11に対して、現在時刻+オフセット時間を応答する(S322)。
【0041】
このように本実施の形態では、時刻同期要求の送信元である要求元クライアント装置が属するグループが新規参入グループである場合に、当該新規参入グループに属する全てのクライアント装置から時刻同期要求を受信していない間は当該新規参入グループに属するクライアント装置への時刻情報の送信を保留し、当該新規参入グループに属する全てのクライアント装置から時刻同期要求を受信した際に、当該新規参入グループに属する全てのクライアント装置に時刻情報を送信する。
【0042】
つまり、本実施の形態では、新規参入グループに以前から所属している既存のクライアント装置の全てが処理を終了して時刻同期が可能になるまで時刻同期を待ち、全てのクライアント装置で時刻同期が可能になった段階で、全てのクライアント装置に対して一斉に時刻同期を行う。
このため、クライアント装置の新規参入があった時点で既存のクライアント装置の間で既に運用中の時刻体系に従って処理が進行していても、進行中の処理に支障がでることなく、全てのクライアント装置の間で円滑に時刻同期を行うことができる。
【0043】
なお、本実施の形態では、複数時刻管理装置10から現在時刻+オフセット時間を通知する例を説明した。
これに代えて、現在時刻とオフセット時間とを区別して通知するようにしてもよい。
また、各クライアント装置において対応するオフセット時間を記憶しておき、複数時刻管理装置10からは現在時刻のみを通知するようにしてもよい。
更に、複数時刻管理装置10と各クライアント装置11との間の伝送遅延量を考慮して現在時刻を補正してもよい。
【0044】
また、本実施の形態では、図7に示すように、複数時刻管理装置10が定期的に上位装置12から現在時刻の通知を受ける例を説明したが、複数時刻管理装置10が単体で長期にわたって現在時刻を高精度に管理できる場合は、図7に示す処理を省略してもよい。
【0045】
以上、本実施の形態では、
複数時刻を一元的に管理する複数時刻管理装置と、複数時刻管理装置に接続された上位装置と、時刻を利用するクライアント装置から構成されるシステムにおいて、クライアント装置にはグループ(本番、評価1、評価2、訓練、等)があり、同一グループのクライアント装置で論理システム(本番システム、評価1システム、評価2システム、訓練システム等)を構成し、それぞれの論理システムは異なる時刻を持つ(例えば、本番論理システムは実時間と同じ時刻、評価論理システムは前日の時刻等)ことを説明した。
【0046】
そして、本実施の形態では、
複数時刻管理装置は、上位装置から現在時刻を受け取る上位装置通信部と、上位装置から受け取った時刻を保持する時刻管理部、クライアント装置からの時刻同期要求を時刻管理部に転送するとともに、時刻管理部からの応答をクライアント識別部に転送するクライアント通信部、クライアント装置が、あるグループから別のグループに移ったこと等を外部の管理装置から受け取り、グループ遷移テーブルとグループ管理テーブルに格納する構成制御部、グループ遷移テーブルを用いて、時刻同期要求が、クライアント装置が新規に参入したグループからの時刻同期要求かそれ以外かを判断するグループ遷移識別部、時刻同期要求に含まれるクライアント情報からクライアント装置のグループを調べ、オフセット算出部に渡すとともに、時刻同期要求が、クライアント装置が新規に参入したグループからの場合はグループ管理テーブルの要求受け付けカウンタを−1するクライアント識別部、クライアント識別部から受け取った情報を元に下位装置に返す時刻のオフセット値をオフセットテーブルから算出するオフセット算出部から構成されることを説明した。
【0047】
また、本実施の形態では、
前記複数時刻管理装置において、クライアント通信部はクライアント装置からの時刻同期要求に従って時刻管理部に現在時刻を問合せる前に、時刻同期要求が、クライアント装置が新規に参入したグループからの場合はグループ管理テーブルの要求受け付けカウンタを確認し、0でない場合は時刻同期要求に対する処理を保留し、0の場合は、時刻管理部の現在時刻を問合せ、該当グループのオフセットを現在時刻に加算し、グループ内の全てのクライアント装置に応答を返すことを説明した。
【0048】
また、本実施の形態では、
前記複数時刻管理装置において、クライアント通信部はクライアント装置からの時刻同期要求に従って時刻管理部に現在時刻を問合せる前に、時刻同期要求が、クライアント装置が新規に参入したグループからではない場合は、時刻管理部の現在時刻を問合せ、該当グループのオフセットを現在時刻に加算し、時刻同期要求を出したクライアント装置にのみ応答を返すことを説明した。
【0049】
実施の形態2.
実施の形態1では、グループ管理テーブル1011、オフセットテーブル1021、およびグループ遷移テーブル1031を個別のテーブルとしたが、1つのテーブルとしてもよい。
【0050】
図9に、グループ管理テーブル1011、オフセットテーブル1021、グループ遷移テーブル1031を組み合わせたグループ情報テーブル1041を示す。
グループ情報テーブル1041において、オフセット時間は、図4のオフセットテーブル1021に示されるオフセット時間と同じである。
また、遷移フラグは、図5のグループ遷移テーブル1031と同等の役割を果たしており、「○」が書き込まれたグループは新規参入があったグループであることを示している。
なお、本実施の形態では、グループ情報テーブル1041の遷移フラグが新規参入グループ情報の例に相当する。
【0051】
図10は、実施の形態2に係る複数時刻管理装置10の構成例を示す。
図10の例では、グループ情報テーブル記憶部1040においてグループ情報テーブル1041のみが記憶されており、図2に示したグループ管理テーブル記憶部1010、グループ管理テーブル1011、オフセットテーブル記憶部1020、オフセットテーブル1021、グループ遷移テーブル記憶部1030、グループ遷移テーブル1031は存在しない。
【0052】
次に、本実施の形態に係る複数時刻管理装置10の動作例について説明する。
【0053】
図11は、構成制御部106の動作例を示すフローチャートである。
【0054】
構成制御部106は、外部システム13から各グループに参入および離脱するクライアント装置11のアドレスリストを受け取る(S400)。
次に、構成制御部106は、新たに参入したクライアント装置11があるグループについて、グループ情報テーブル1041の該当グループのグループ遷移フラグをセットする(S401)。
次に、構成制御部106は、各グループに参入および離脱するクライアント装置11のアドレスリストを元に、グループ情報テーブル1041を更新する(S402)。
【0055】
なお、複数時刻管理装置10内の上位装置通信部105の動作については実施の形態1と同様(図7)である。
また、上位装置通信部105および構成制御部106を除いた複数時刻管理装置10の動作についても実施の形態1と同様(図8)である。
【0056】
実施の形態3.
実施の形態1および実施の形態2では、グループ管理テーブル1011、グループ情報テーブル1041のアドレス部分に個々のクライアント装置11のアドレスを指定したが、複数のクライアント装置11を代表(包含)するようなアドレスを指定してもよい。
例えば、アドレス部分にIPアドレスを使用した場合は、ネットワークアドレスを指定してもよい。
図12はIPアドレスとネットワークアドレスが混在した場合のグループ情報テーブル1041の例を示している。
【0057】
実施の形態4.
実施の形態1および実施の形態2では、複数時刻管理装置10はクライアント装置11の時刻同期要求に対して時刻同期応答を返していたが、時刻情報だけでなくクライアント装置11が必要とするパラメータ情報を返してもよい。
【0058】
図13は、グループごとのパラメータ情報を付加した、グループ情報テーブル1041の例を示す。
【0059】
図14は、上位装置通信部105および構成制御部106を除いた複数時刻管理装置10の動作例を示すフローチャートである。
【0060】
基本的な動作については実施の形態1と同じであるが、本実施の形態では、クライアント通信部100はクライアント装置11に対して、現在時刻+オフセット時間に加えて、パラメータ情報を送信する(S509、S522)点が異なる。
【0061】
以上、本実施の形態では、
複数時刻管理装置は、時刻だけではなく、クライアント装置に必要なパラメータも同様に応答することを説明した。
【0062】
最後に、実施の形態1〜4に示した複数時刻管理装置10のハードウェア構成例について説明する。
図15は、実施の形態1〜4に示す複数時刻管理装置10のハードウェア資源の一例を示す図である。
なお、図15の構成は、あくまでも複数時刻管理装置10のハードウェア構成の一例を示すものであり、複数時刻管理装置10のハードウェア構成は図15に記載の構成に限らず、他の構成であってもよい。
【0063】
図15において、複数時刻管理装置10は、プログラムを実行するCPU911(Central Processing Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサともいう)を備えている。
CPU911は、バス912を介して、例えば、ROM(Read Only Memory)913、RAM(Random Access Memory)914、通信ボード915、表示装置901、キーボード902、マウス903、磁気ディスク装置920と接続され、これらのハードウェアデバイスを制御する。
更に、CPU911は、FDD904(Flexible Disk Drive)、コンパクトディスク装置905(CDD)、プリンタ装置906、スキャナ装置907と接続していてもよい。また、磁気ディスク装置920の代わりに、SSD(Solid State Drive)、光ディスク装置、メモリカード(登録商標)読み書き装置などの記憶装置でもよい。
RAM914は、揮発性メモリの一例である。ROM913、FDD904、CDD905、磁気ディスク装置920の記憶媒体は、不揮発性メモリの一例である。これらは、記憶装置の一例である。
実施の形態1〜4で説明した「〜記憶部」は、RAM914、磁気ディスク装置920等により実現される。
通信ボード915、キーボード902、マウス903、スキャナ装置907などは、入力装置の一例である。
また、通信ボード915、表示装置901、プリンタ装置906などは、出力装置の一例である。
【0064】
通信ボード915は、ネットワークに接続されている。
例えば、通信ボード915は、LAN(ローカルエリアネットワーク)、インターネット、WAN(ワイドエリアネットワーク)、SAN(ストレージエリアネットワーク)などに接続されている。
【0065】
磁気ディスク装置920には、オペレーティングシステム921(OS)、ウィンドウシステム922、プログラム群923、ファイル群924が記憶されている。
プログラム群923のプログラムは、CPU911がオペレーティングシステム921、ウィンドウシステム922を利用しながら実行する。
【0066】
また、RAM914には、CPU911に実行させるオペレーティングシステム921のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。
また、RAM914には、CPU911による処理に必要な各種データが格納される。
【0067】
また、ROM913には、BIOS(Basic Input Output System)プログラムが格納され、磁気ディスク装置920にはブートプログラムが格納されている。
複数時刻管理装置10の起動時には、ROM913のBIOSプログラム及び磁気ディスク装置920のブートプログラムが実行され、BIOSプログラム及びブートプログラムによりオペレーティングシステム921が起動される。
【0068】
上記プログラム群923には、実施の形態1〜4の説明において「〜部」(「〜記憶部」以外、以下同様)として説明している機能を実行するプログラムが記憶されている。プログラムは、CPU911により読み出され実行される。
【0069】
ファイル群924には、実施の形態1〜4の説明において、「〜の判断」、「〜の判定」、「〜の識別」、「〜の比較」、「〜の生成」、「〜の更新」、「〜の設定」、「〜の指示」、「〜の選択」、「〜の取得」、「〜の入力」、「〜の出力」「〜の受信」、「〜の送信」等として説明している処理の結果を示す情報やデータや信号値や変数値や暗号鍵・復号鍵や乱数値やパラメータが、「〜ファイル」や「〜データベース」の各項目として記憶されている。
「〜ファイル」や「〜データベース」は、ディスクやメモリなどの記録媒体に記憶される。
ディスクやメモリなどの記憶媒体に記憶された情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、読み書き回路を介してCPU911によりメインメモリやキャッシュメモリに読み出される。
そして、読み出された情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、抽出・検索・参照・比較・演算・計算・処理・編集・出力・印刷・表示などのCPUの動作に用いられる。
抽出・検索・参照・比較・演算・計算・処理・編集・出力・印刷・表示のCPUの動作の間、情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、メインメモリ、レジスタ、キャッシュメモリ、バッファメモリ等に一時的に記憶される。
また、実施の形態1〜4で説明しているフローチャートの矢印の部分は主としてデータや信号の入出力を示す。
データや信号値は、RAM914のメモリ、FDD904のフレキシブルディスク、CDD905のコンパクトディスク、磁気ディスク装置920の磁気ディスク、その他光ディスク、ミニディスク、DVD等の記録媒体に記録される。
また、データや信号は、バス912や信号線やケーブルその他の伝送媒体によりオンライン伝送される。
【0070】
また、実施の形態1〜4の説明において「〜部」として説明しているものは、「〜回路」、「〜装置」、「〜機器」であってもよく、また、「〜ステップ」、「〜手順」、「〜処理」であってもよい。
すなわち、実施の形態1〜4で説明したフローチャートに示すステップ、手順、処理により、本発明に係る「情報処理方法」を実現することができる。
また、「〜部」として説明しているものは、ROM913に記憶されたファームウェアで実現されていても構わない。
或いは、ソフトウェアのみ、或いは、素子・デバイス・基板・配線などのハードウェアのみ、或いは、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせ、さらには、ファームウェアとの組み合わせで実施されても構わない。
ファームウェアとソフトウェアは、プログラムとして、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等の記録媒体に記憶される。
プログラムはCPU911により読み出され、CPU911により実行される。
すなわち、プログラムは、実施の形態1〜4の「〜部」としてコンピュータを機能させるものである。あるいは、実施の形態1〜4の「〜部」の手順や方法をコンピュータに実行させるものである。
【0071】
このように、実施の形態1〜4に示す複数時刻管理装置10は、処理装置たるCPU、記憶装置たるメモリ、磁気ディスク等、入力装置たるキーボード、マウス、通信ボード等、出力装置たる表示装置、通信ボード等を備えるコンピュータである。
そして、上記したように「〜部」として示された機能をこれら処理装置、記憶装置、入力装置、出力装置を用いて実現するものである。
【符号の説明】
【0072】
10 複数時刻管理装置、11 クライアント装置、12 上位装置、13 外部システム、100 クライアント通信部、101 クライアント識別部、102 オフセット算出部、103 グループ遷移識別部、104 時刻管理部、105 上位装置通信部、106 構成制御部、121 時刻管理部、1010 グループ管理テーブル記憶部、1011 グループ管理テーブル、1020 オフセットテーブル記憶部、1021 オフセットテーブル、1030 グループ遷移テーブル記憶部、1031 グループ遷移テーブル、1040 グループ情報テーブル記憶部、1041 グループ情報テーブル。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々がいずれかのグループに属する複数のクライアント装置から時刻同期要求を受信し、受信した時刻同期要求に対する応答として、現在時刻を通知する時刻情報を送信するクライアント通信部と、
いずれかのクライアント装置がいずれかのグループに新規に参入した場合に、新規参入があった新規参入グループが示される新規参入グループ情報と、新規参入したクライアント装置を含む新規参入グループに属するクライアント装置の数が示されるクライアント数情報とを生成するグループ管理部と、
前記クライアント通信部が時刻同期要求を受信する度に、時刻同期要求の送信元である要求元クライアント装置が属するグループが新規参入グループであるか否かを前記新規参入グループ情報を用いて判定し、要求元クライアント装置が属するグループが新規参入グループである場合に、当該新規参入グループに属する全てのクライアント装置から時刻同期要求を受信しているか否かを前記クライアント数情報を用いて判定し、当該新規参入グループに属する全てのクライアント装置から時刻同期要求を受信していない間は前記クライアント通信部による当該新規参入グループに属するクライアント装置への時刻情報の送信を保留し、当該新規参入グループに属する全てのクライアント装置から時刻同期要求を受信した際に、前記クライアント通信部に、当該新規参入グループに属する全てのクライアント装置に時刻情報を送信するよう指示する送信指示部とを有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記送信指示部は、
要求元クライアント装置が属するグループが新規参入グループでない場合に、前記クライアント通信部に、要求元クライアント装置に時刻情報を送信するよう指示することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記クライアント通信部は、
クライアント装置において時刻情報に示される現在時刻に加算されるオフセット時間であって、時刻情報の送信先のクライアント装置が属するグループに対して指定されているオフセット時間を通知するオフセット時間情報を、時刻情報とともにクライアント装置に送信することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記情報処理装置は、更に、
グループごとに、グループに属するクライアント装置の通信アドレスが示されるグループ管理テーブルを記憶するグループ管理テーブル記憶部を有し、
前記クライアント通信部は、
前記送信指示部から新規参入グループに属する全てのクライアント装置に時刻情報を送信するよう指示された場合に、当該新規参入グループに属する全てのクライアント装置の通信アドレスを前記グループ管理テーブルから取得し、取得した通信アドレスを用いて新規参入グループに属する全てのクライアント装置に時刻情報を送信することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記グループ管理部は、
いずれかのクライアント装置がいずれかのグループに新規に参入した場合に、新規参入したクライアント装置の通信アドレスを前記グループ管理テーブルに追加し、
いずれかのクライアント装置がいずれかのグループから離脱した場合に、離脱したクライアント装置の通信アドレスを前記グループ管理テーブルから削除することを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記グループ管理部は、
いずれかのクライアント装置がいずれかのグループに新規に参入した場合に、新規参入グループ情報とクライアント数情報とを前記グループ管理テーブル内に生成することを特徴とする請求項4又は5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記グループ管理テーブル記憶部は、
クライアント装置の通信アドレスとして、2以上の通信アドレスを包含する通信アドレスが示されるグループ管理テーブルを記憶していることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記クライアント通信部は、
クライアント装置において用いられるパラメータ情報であって、時刻情報の送信先のクライアント装置が属するグループに対して指定されているパラメータ情報を、時刻情報とともにクライアント装置に送信することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記クライアント通信部は、
所定の上位装置により、所定のタイミングで更新される現在時刻を通知する時刻情報をクライアント装置に送信することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項10】
コンピュータが、各々がいずれかのグループに属する複数のクライアント装置から時刻同期要求を受信し、受信した時刻同期要求に対する応答として、現在時刻を通知する時刻情報を送信するクライアント通信ステップと、
いずれかのクライアント装置がいずれかのグループに新規に参入した場合に、前記コンピュータが、新規参入があった新規参入グループが示される新規参入グループ情報と、新規参入したクライアント装置を含む新規参入グループに属するクライアント装置の数が示されるクライアント数情報とを生成するグループ管理ステップと、
前記クライアント通信ステップにより時刻同期要求が受信される度に、前記コンピュータが、時刻同期要求の送信元である要求元クライアント装置が属するグループが新規参入グループであるか否かを前記新規参入グループ情報を用いて判定し、要求元クライアント装置が属するグループが新規参入グループである場合に、当該新規参入グループに属する全てのクライアント装置から時刻同期要求を受信しているか否かを前記クライアント数情報を用いて判定し、当該新規参入グループに属する全てのクライアント装置から時刻同期要求を受信していない間は前記クライアント通信ステップによる当該新規参入グループに属するクライアント装置への時刻情報の送信を保留し、当該新規参入グループに属する全てのクライアント装置から時刻同期要求を受信した際に、前記クライアント通信ステップに、当該新規参入グループに属する全てのクライアント装置に時刻情報を送信するよう指示する送信指示ステップとを有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項11】
各々がいずれかのグループに属する複数のクライアント装置から時刻同期要求を受信し、受信した時刻同期要求に対する応答として、現在時刻を通知する時刻情報を送信するクライアント通信ステップと、
いずれかのクライアント装置がいずれかのグループに新規に参入した場合に、新規参入があった新規参入グループが示される新規参入グループ情報と、新規参入したクライアント装置を含む新規参入グループに属するクライアント装置の数が示されるクライアント数情報とを生成するグループ管理ステップと、
前記クライアント通信ステップにより時刻同期要求が受信される度に、時刻同期要求の送信元である要求元クライアント装置が属するグループが新規参入グループであるか否かを前記新規参入グループ情報を用いて判定し、要求元クライアント装置が属するグループが新規参入グループである場合に、当該新規参入グループに属する全てのクライアント装置から時刻同期要求を受信しているか否かを前記クライアント数情報を用いて判定し、当該新規参入グループに属する全てのクライアント装置から時刻同期要求を受信していない間は前記クライアント通信ステップによる当該新規参入グループに属するクライアント装置への時刻情報の送信を保留し、当該新規参入グループに属する全てのクライアント装置から時刻同期要求を受信した際に、前記クライアント通信ステップに、当該新規参入グループに属する全てのクライアント装置に時刻情報を送信するよう指示する送信指示ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項1】
各々がいずれかのグループに属する複数のクライアント装置から時刻同期要求を受信し、受信した時刻同期要求に対する応答として、現在時刻を通知する時刻情報を送信するクライアント通信部と、
いずれかのクライアント装置がいずれかのグループに新規に参入した場合に、新規参入があった新規参入グループが示される新規参入グループ情報と、新規参入したクライアント装置を含む新規参入グループに属するクライアント装置の数が示されるクライアント数情報とを生成するグループ管理部と、
前記クライアント通信部が時刻同期要求を受信する度に、時刻同期要求の送信元である要求元クライアント装置が属するグループが新規参入グループであるか否かを前記新規参入グループ情報を用いて判定し、要求元クライアント装置が属するグループが新規参入グループである場合に、当該新規参入グループに属する全てのクライアント装置から時刻同期要求を受信しているか否かを前記クライアント数情報を用いて判定し、当該新規参入グループに属する全てのクライアント装置から時刻同期要求を受信していない間は前記クライアント通信部による当該新規参入グループに属するクライアント装置への時刻情報の送信を保留し、当該新規参入グループに属する全てのクライアント装置から時刻同期要求を受信した際に、前記クライアント通信部に、当該新規参入グループに属する全てのクライアント装置に時刻情報を送信するよう指示する送信指示部とを有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記送信指示部は、
要求元クライアント装置が属するグループが新規参入グループでない場合に、前記クライアント通信部に、要求元クライアント装置に時刻情報を送信するよう指示することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記クライアント通信部は、
クライアント装置において時刻情報に示される現在時刻に加算されるオフセット時間であって、時刻情報の送信先のクライアント装置が属するグループに対して指定されているオフセット時間を通知するオフセット時間情報を、時刻情報とともにクライアント装置に送信することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記情報処理装置は、更に、
グループごとに、グループに属するクライアント装置の通信アドレスが示されるグループ管理テーブルを記憶するグループ管理テーブル記憶部を有し、
前記クライアント通信部は、
前記送信指示部から新規参入グループに属する全てのクライアント装置に時刻情報を送信するよう指示された場合に、当該新規参入グループに属する全てのクライアント装置の通信アドレスを前記グループ管理テーブルから取得し、取得した通信アドレスを用いて新規参入グループに属する全てのクライアント装置に時刻情報を送信することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記グループ管理部は、
いずれかのクライアント装置がいずれかのグループに新規に参入した場合に、新規参入したクライアント装置の通信アドレスを前記グループ管理テーブルに追加し、
いずれかのクライアント装置がいずれかのグループから離脱した場合に、離脱したクライアント装置の通信アドレスを前記グループ管理テーブルから削除することを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記グループ管理部は、
いずれかのクライアント装置がいずれかのグループに新規に参入した場合に、新規参入グループ情報とクライアント数情報とを前記グループ管理テーブル内に生成することを特徴とする請求項4又は5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記グループ管理テーブル記憶部は、
クライアント装置の通信アドレスとして、2以上の通信アドレスを包含する通信アドレスが示されるグループ管理テーブルを記憶していることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記クライアント通信部は、
クライアント装置において用いられるパラメータ情報であって、時刻情報の送信先のクライアント装置が属するグループに対して指定されているパラメータ情報を、時刻情報とともにクライアント装置に送信することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記クライアント通信部は、
所定の上位装置により、所定のタイミングで更新される現在時刻を通知する時刻情報をクライアント装置に送信することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項10】
コンピュータが、各々がいずれかのグループに属する複数のクライアント装置から時刻同期要求を受信し、受信した時刻同期要求に対する応答として、現在時刻を通知する時刻情報を送信するクライアント通信ステップと、
いずれかのクライアント装置がいずれかのグループに新規に参入した場合に、前記コンピュータが、新規参入があった新規参入グループが示される新規参入グループ情報と、新規参入したクライアント装置を含む新規参入グループに属するクライアント装置の数が示されるクライアント数情報とを生成するグループ管理ステップと、
前記クライアント通信ステップにより時刻同期要求が受信される度に、前記コンピュータが、時刻同期要求の送信元である要求元クライアント装置が属するグループが新規参入グループであるか否かを前記新規参入グループ情報を用いて判定し、要求元クライアント装置が属するグループが新規参入グループである場合に、当該新規参入グループに属する全てのクライアント装置から時刻同期要求を受信しているか否かを前記クライアント数情報を用いて判定し、当該新規参入グループに属する全てのクライアント装置から時刻同期要求を受信していない間は前記クライアント通信ステップによる当該新規参入グループに属するクライアント装置への時刻情報の送信を保留し、当該新規参入グループに属する全てのクライアント装置から時刻同期要求を受信した際に、前記クライアント通信ステップに、当該新規参入グループに属する全てのクライアント装置に時刻情報を送信するよう指示する送信指示ステップとを有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項11】
各々がいずれかのグループに属する複数のクライアント装置から時刻同期要求を受信し、受信した時刻同期要求に対する応答として、現在時刻を通知する時刻情報を送信するクライアント通信ステップと、
いずれかのクライアント装置がいずれかのグループに新規に参入した場合に、新規参入があった新規参入グループが示される新規参入グループ情報と、新規参入したクライアント装置を含む新規参入グループに属するクライアント装置の数が示されるクライアント数情報とを生成するグループ管理ステップと、
前記クライアント通信ステップにより時刻同期要求が受信される度に、時刻同期要求の送信元である要求元クライアント装置が属するグループが新規参入グループであるか否かを前記新規参入グループ情報を用いて判定し、要求元クライアント装置が属するグループが新規参入グループである場合に、当該新規参入グループに属する全てのクライアント装置から時刻同期要求を受信しているか否かを前記クライアント数情報を用いて判定し、当該新規参入グループに属する全てのクライアント装置から時刻同期要求を受信していない間は前記クライアント通信ステップによる当該新規参入グループに属するクライアント装置への時刻情報の送信を保留し、当該新規参入グループに属する全てのクライアント装置から時刻同期要求を受信した際に、前記クライアント通信ステップに、当該新規参入グループに属する全てのクライアント装置に時刻情報を送信するよう指示する送信指示ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2013−114395(P2013−114395A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−259144(P2011−259144)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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