説明

情報処理装置及び情報処理方法

【課題】情報処理装置に接続された周辺機器の電源投入/切断を制御して節電効率を高める。
【解決手段】複数の周辺機器に接続された情報処理装置は、前記周辺機器の電源設定情報を管理する電源制御テーブルと、前記1または2以上の周辺機器の電源投入/切断を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、所定の取引業務を実行する際に、前記電源制御テーブルの前記周辺機器の電源設定情報に基づいて、前記周辺機器の電源投入/切断を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理方法に関し、周辺機器への電源を制御する情報処理装置及び情報処理方法に適用して好適なるものである。
【背景技術】
【0002】
最近では、1台のPC(Personal Computer)等の情報処理装置に幾つかの周辺機器が接続されて、情報処理装置のアプリケーションプログラムにより必要な周辺機器の制御が行われている。例えば、銀行窓口の端末では、1台の端末にスキャナやカードリーダ、または通帳リーダなどの周辺機器が接続されて、必要な周辺機器を利用しながら振込や入金等の各種取引業務が行われている。
【0003】
通常、業務開始時に全ての周辺機器の電源をオンにして、各種取引業務が行われているが、この場合、取引業務の内容によっては、通電したまま使用されない機器があり、電力が無駄に消費されていた。
【0004】
近年、省エネへの意識が高まる中で、情報処理装置の周辺機器に対する種々の節電対策が講じられている。例えば、特許文献1では、複数個のコンセントを有するテーブルタップに情報処理装置及び周辺機器が接続されている場合に、各コンセントのオン/オフ切り替えを遠隔地から行って、情報処理装置の周辺機器への電力供給を制御している。また、例えば、上記した銀行窓口では、節電対策として、端末を扱うオペレータにより未使用の周辺機器の電源を個々に手動でオフすることが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−44152号公報
【特許文献2】特開2003−151702号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、オペレータが、これから始める取引業務において利用されない周辺機器を即座に判断し、それぞれの周辺機器の電源スイッチに手を伸ばしてオフにする操作を行うのは煩雑なうえ、操作を行うオペレータによって省電力化の効果にもばらつきが出るという問題があった。
【0007】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、情報処理装置に接続された周辺機器の電源オン/オフを制御して節電効率を高めることが可能な情報処理装置及び情報処理方法を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる課題を解決するために本発明においては、複数の周辺機器に接続された情報処理装置であって、前記周辺機器の電源設定情報を管理する電源制御テーブルと、前記1または2以上の周辺機器の電源投入/切断を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、所定の取引業務を実行する際に、前記電源制御テーブルの前記周辺機器の電源設定情報に基づいて、前記周辺機器の電源投入/切断を制御することを特徴とする、情報処理装置が提供される。
【0009】
かかる構成によれば、所定の取引業務を実行する際に、電源制御テーブルの周辺機器の電源設定情報に基づいて、周辺機器の電源投入/切断を制御する。これにより、情報処理装置に接続された周辺機器の電源投入/切断を制御して節電効率を高めることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、情報処理装置に接続された周辺機器の電源投入/切断を制御して節電効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態に係る情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】同実施形態にかかる電源制御テーブルの内容を示す図表である。
【図3】同実施形態にかかる電源制御テーブルの内容を示す図表である。
【図4】同実施形態にかかる取引業務処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】同実施形態にかかる取引業務処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】同実施形態にかかる取引業務処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】同実施形態にかかる取引業務処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】従来の取引業務処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0013】
(1)情報処理システムの構成
まず、図1を参照して、情報処理システム1の構成について説明する。情報処理システム1は、主に、情報処理装置110、電源制御タップ130、情報処理装置110に直接接続される周辺機器121〜123、電源制御タップ130から電源供給を受ける周辺機器131〜136などから構成される。
【0014】
次に、情報処理装置110の構成について説明する。以下では、情報処理装置110の一例として、銀行窓口で使用される銀行窓口端末を例示して説明する。情報処理装置110は、スキャナやカードリーダ、または通帳リーダなどの周辺機器を利用して各種取引業務を処理する装置である。
【0015】
情報処理装置110は、CPU(Central Processing Unit)およびメモリ等の情報処理資源を備え、パーソナルコンピュータや、ワークステーションなどを例示できる。CPUは、演算処理装置として機能し、メモリに記憶されているプログラムや演算パラメータ等にしたがって、情報処理装置110の動作を制御する。
【0016】
また、図1に示すように、情報処理装置110には、ディスプレイ121、キーボード122及びマウス123の入出力装置(以降入出力装置121〜123と称して説明する場合もある。)が直接接続され、スキャナ131、カードリーダ132、通帳リーダ133、印鑑照合ディスプレイ134、現金入出金機135及び通帳プリンタ136の周辺機器(以降、周辺機器131〜136と称して説明する場合もある。)が電源制御タップ130を介して接続されている。
【0017】
次に、情報処理装置110に直接的または間接的に接続されている周辺機器について説明する。スキャナ131は、銀行取引処理に利用する取引帳票や印影、本人確認資料の文字や画像などを取り込む装置である。カードリーダ132は、キャッシュカードの磁気ストライプの内容を読み取る装置である。通帳リーダ133は、預金通帳に付されている磁気ストライプの内容を読み取る装置である。印鑑照合ディスプレイ134は、登録されている印影を原寸大に表示する装置である。現金入出金機135は、現金の入金、出金を行う装置である。通帳プリンタ136は、預金通帳を新規に発行したり、取引の内容を預金通帳に印字したりする装置である。
【0018】
ディスプレイ121、キーボード122及びマウス123は情報処理装置110に直接接続され、オペレータは、キーボード122やマウス123を使用して、取引処理に関する入力を行い、取引内容等がディスプレイ121に表示される。
【0019】
電源制御タップ130は、情報処理装置110の指示のもと、電源ケーブル130aを経由して、商用AC電源から供給される電力を、電源制御タップ130に接続されている周辺機器に供給する装置である。電源制御タップ130には、情報処理装置110の電源ケーブル110a、スキャナ131の電源ケーブル131a、カードリーダ132の電源ケーブル132a、通帳リーダ133の電源ケーブル133a、印鑑照合ディスプレイ134の電源ケーブル134a、現金入出金機135の電源ケーブル135a及び通帳プリンタ136の電源ケーブル136aが接続されている。
【0020】
図1では、電源ケーブル131aは電源制御タップ130のコンセントA部に接続され、電源ケーブル132aは電源制御タップ130のコンセントB部に接続され、電源ケーブル133aは電源制御タップ130のコンセントC部に接続され、電源ケーブル134aは電源制御タップ130のコンセントD部に接続され、電源ケーブル135aは電源制御タップ130のコンセントE部に接続され、電源ケーブル136aは電源制御タップ130のコンセントF部に接続される。周辺機器131〜136は、それぞれ、信号ケーブル131b〜136bによって情報処理装置110に接続されており、情報処理装置110からの制御信号に基づいて各周辺機器での処理が実行される。
【0021】
また、情報処理装置110のメモリには、銀行窓口業務等を行うためのプログラムが格納されている。具体的に、情報処理装置110のメモリには、銀行窓口業務を行うための業務アプリケーション111及び業務アプリケーション111が参照する電源制御テーブル112が格納されている。電源制御テーブル112は、周辺機器131〜136の電源制御を管理するためのテーブルである。
【0022】
電源制御テーブル112には、図2に示すように、銀行窓口の取引業務毎に設けられており、各取引業務において、周辺機器131〜136のうち、いずれのタイミングでいずれの周辺機器131〜136の電源をオン/オフするかが設定されている。さらに、取引業務によっては、取引の際に使用される媒体等が異なるため、媒体毎に異なる電源制御テーブル112a〜112cが設けられている。
【0023】
例えば、取引業務が振込処理の場合には、図2に示す電源制御テーブル112のテーブル001(振込)が利用される。電源制御テーブル112のステージ欄には、取引業務において周辺機器を利用するタイミングを識別する情報であって、「ステージ1」では、すべての周辺機器131〜136の電源がONされていることが示されている。
【0024】
また、振込処理においては、通帳を使用する場合、カードを使用する場合、現金を使用する場合で使用する周辺機器が異なるため、使用する媒体毎に電源制御テーブル112a〜112cが用意されている。例えば、図3に示すように、通帳を使用して振込処理がされた場合には、電源制御テーブル001aを参照して取引業務が実行される。また、カードを使用して振込処理がされた場合には、電源制御テーブル001bを参照して取引業務が実行される。また、現金を使用して振込処理がされた場合には、電源制御テーブル001cを参照して取引業務が実行される。
【0025】
電源制御テーブル112は、予め管理者等により設定されて情報処理装置110のメモリに格納されている。電源制御テーブル112を作成する際には、周辺機器131〜136の初期化処理時間を考慮する必要がある。例えば、業務取引処理のなかで、ある周辺機器が使用されておらず、電源をオフしても業務に支障がない場合に、その周辺機器が次に必要とされるまでの時間を想定する。そして、その周辺機器の電源をオフしてから次に使用されるまでの待ち時間が、周辺機器の電源をオンしてから周辺機器の初期化完了にかかる時間よりも長い場合に、電源をオフする設定とすべきである。
【0026】
例えば、ある周辺機器の電源をオフしてから次にその周辺機器が使用されるまでの時間が、その周辺機器の電源をオフしてから初期化処理に要する時間よりも短い場合には、周辺機器の電源をオンした後初期化処理が完了するまで取引業務が中断してしまう可能性がある。したがって、電源制御テーブル112を作成する場合には、例えば、銀行窓口業務において使用される周辺機器のうち、初期化処理に時間のかかる通帳プリンタ136については、取引処理の開始時に電源をオンして、通帳プリンタ136の使用時まで電源を継続的にオンしておくように電源制御テーブル112に設定しておく。電源制御テーブル001を利用した振込処理については、後で詳細に説明する。
【0027】
図1に戻り、情報処理装置110の電源ケーブル110aは、電源制御タップ130の電源ケーブル130aに接続され、電源制御タップ130の電源ケーブル130aの電力がそのまま情報処理装置110に供給される。また、周辺機器131〜136の電源ケーブル131a〜136aは、周辺機器131〜136を個々に制御する電源オンオフ部130bに接続されている。情報処理装置110と電源制御タップ130とは、信号ケーブル110bで接続されている。電源制御タップ130は、情報処理装置110からの制御信号に応じて、電源制御タップ130のコンセントA部〜F部の電源供給を個別にオン/オフする機能を有する。
【0028】
(3)情報処理装置を用いた取引業務処理の詳細
(3−1)従来の取引業務処理
まず、図8を参照して、従来の銀行窓口における取引業務の処理手順について説明する。図8では、銀行窓口業務における振込処理を例示して説明する。
【0029】
図8に示すように、銀行窓口端末(情報処理装置110)を利用して銀行窓口業務を行うオペレータは、まず、振込票及び振込処理に必要な媒体または現金を顧客から受け取る(処理1)。ここで、振込票とは、銀行窓口に用意されている用紙であって、顧客により必要事項が記入される取引帳票である。また、振込処理に必要な媒体とは、通帳やキャッシュカードなど、振込処理時に利用される媒体である。
【0030】
次に、オペレータは、顧客から受け取った振込票をスキャナ131で読み取らせる(処理2)。スキャナ131により読み取られた画像は情報処理装置110に送られる。情報処理装置110は、スキャナ131により読み取られた画像に基づいて、業務アプリケーション111の複数の機能のうち、振込業務の処理フローを選択して、振込業務の処理フローにしたがって取引業務を開始する。
【0031】
上記した処理1において、顧客からいずれの媒体を受け取ったかにより、以降の振込業務の処理フローが異なってくる。すなわち、いずれの媒体を使用して振込処理を行うかにより、使用する周辺機器、または使用しない周辺機器が異なってくる。例えば、図8に示す振込処理では、以下の3つの場合の処理フローについて説明している。
(1)顧客の口座有り、通帳持参の場合
(2)顧客の口座有り、キャッシュカード持参の場合
(3)顧客の口座なし、現金持参の場合
【0032】
例えば、処理3において、情報処理装置110は、顧客から受け取った通帳が通帳リーダ133で読み取られた場合、顧客が口座を保有しており、かつ、持参した通帳を利用した上記(1)の場合の取引であると判断することができる。情報処理装置110の業務アプリケーション111は、通帳リーダ133で顧客が持参した通帳が読み取られた場合に、(1)の場合の取引業務処理を実行する。
【0033】
また、処理3において、情報処理装置110は、顧客から受け取ったキャッシュカードの磁気ストライプがカードリーダ132で読み取られた場合、顧客が口座を保有しており、かつ、持参したカードを利用した上記(2)の場合の取引であると判断することができる。情報処理装置110の業務アプリケーション111は、カードリーダ132で顧客が持参したカードが読み取られた場合に、(2)の場合の取引業務処理を実行する。
【0034】
また、処理3において、情報処理装置110は、顧客から通帳もキャッシュカードの読み取りが行われず、媒体の読み取り操作がキャンセルされた場合には、顧客の口座がない上記(3)の場合の取引であると判断することができる。情報処理装置110の業務アプリケーション111は、通帳の読み取りもキャッシュカードの読み取りも行われなかった場合に、(3)の場合の取引業務処理を実行する。
【0035】
上記(1)の場合には、処理3において通帳の読み取り処理が行われた後、スキャナ131により印影の読み取りが行われる(処理4)。そして、印鑑照合ディスプレイ134を使用して、処理4で読み取られた印影と登録されている印鑑の画像とが照合される(処理5)。そして、オペレータは、振込の相手先の口座の照会処理をして(処理7)、手数料の計算を行い(処理8)、振込の仕向口への入金を実施する(処理11)。そして、オペレータは、領収書に押印して(処理12)、入金副票を受領し(処理13)、振込を発信する(処理14)。最後に、オペレータは、通帳プリンタ136を利用して通帳記帳を行う(処理15)。そして、オペレータは、顧客を呼出して(処理16)、入金副票や通帳等を手交して(処理17)、取引業務を完了する(処理18)。
【0036】
また、上記(2)の場合には、処理3においてキャッシュカードの読み取り処理が行われた後、本人確認が行われる(処理6)。そして、オペレータは、振込の相手先の口座の照会処理をして(処理7)、手数料の計算を行い(処理8)、振込の仕向口への入金を実施する(処理11)。そして、オペレータは、領収書に押印して(処理12)、入金副票を受領し(処理13)、振込を発信する(処理14)。そして、オペレータは、顧客を呼出して(処理16)、入金副票や通帳等を手交して(処理17)、取引業務を完了する(処理18)。
【0037】
また、上記(3)の場合には、処理3において、通帳の読み取り処理もキャッシュカードの読み取り処理も行われず、本人確認が行われる(処理6)。そして、オペレータは、振込の相手先の口座の照会処理をして(処理7)、手数料の計算を行う(処理8)。そして、オペレータは、顧客から現金を受け取って(処理9)、現金入出金機135を用いて現金を入金して(処理10)、振込の仕向口への入金を実施する(処理11)。そして、オペレータは、領収書に押印して(処理12)、入金副票を受領し(処理13)、振込を発信する(処理14)。そして、オペレータは、顧客を呼出して(処理16)、入金副票や通帳等を顧客に手交して(処理17)、取引業務を完了する(処理18)。
【0038】
上記(1)の場合に使用される周辺機器は、上記処理4で印影読み取りに利用されるスキャナ131、上記処理5で印鑑照合に利用される印鑑照合ディスプレイ134及び上記処理15で通帳記帳に利用される通帳プリンタ136である。また、上記(2)の場合には、処理3でキャッシュカードの読み取りが行われた後は、周辺機器は使用されない。また、上記(3)の場合に使用される周辺機器は、上記処理10で現金入金に利用される現金入出金機135である。このように、振込処理における業務取引処理において、顧客から受け取る媒体等に応じて使用される周辺機器や、使用されない周辺機器が異なってくる。使用されない周辺機器について電源を継続的にオンしておく必要はないため、本実施の形態では、取引業務のなかで使用しないことが判明した時点で、使用しない周辺機器の電源をオフにしておく。これにより、情報処理装置110の周辺機器の節電効率を高めることができる。
【0039】
(3−2)本実施の形態にかかる取引業務処理
次に、図4〜7を参照して、本実施の形態にかかる取引業務処理について説明する。また、取引業務処理を説明するに際して、適宜図2及び図3の電源制御テーブル112を参照する。図4に示すように、銀行窓口端末(情報処理装置110)を利用して銀行窓口業務を行うオペレータにより、振込票及び振込処理に必要な媒体(通帳又はキャッシュカード)または現金が顧客から受け取られる(ステップS101)。
【0040】
次に、オペレータの入力に応じて、顧客から受け取られた振込票がスキャナ131に読み取られる(ステップS102)。スキャナ131により読み取られた画像は情報処理装置110に送られる。情報処理装置110は、スキャナ131により読み取られた画像に基づいて、業務アプリケーション111の複数の機能のうち、振込業務の処理フローを選択する。情報処理装置110は、振込業務の処理フローを選択する際に、電源制御テーブル112のうち、振込業務に対応するテーブル001を呼出し(S103)、テーブル001のステージ1を実行する(S104)。
【0041】
ステップS104において、業務アプリケーション111は、図2の電源制御テーブル112のテーブル001を参照する。テーブル001のステージ1では、すべての周辺機器131〜136について「ON」が設定されている。このため、業務アプリケーション111は、ステップS104において、すべての周辺機器131〜136の電源をONにする。具体的に、業務アプリケーション111は、信号ケーブル110bを経由して、電源制御タップ130の電源オンオフ部130bに対して、コンセントA〜F部のすべてに対して電源をオンするように指示する。ここで、もともと電源がオンとなっていた周辺機器については、そのまま継続的に電源がオンされ、電源がオフとなっていた周辺機器については、電源が投入される。
【0042】
続いて、情報処理装置110の業務アプリケーション111は、通帳リーダ133により顧客の通帳が読み取られたかを判定する(S105)。ステップS105において、顧客の通帳が通帳リーダ133により読み取られたと判定された場合には、情報処理装置110の業務アプリケーション111は、通帳を用いた振込処理を実行する(S107)。
【0043】
一方、ステップS105において、顧客の通帳が通帳リーダ133により読み取られていないと判定された場合には、情報処理装置110の業務アプリケーション111は、顧客のキャッシュカードがカードリーダ132により読み取られたかを判定する(S106)。ステップS106において、顧客のキャッシュカードがカードリーダ132により読み取られたと判定された場合には、情報処理装置110の業務アプリケーション111は、キャッシュカードを用いた振込処理を実行する(S108)。
【0044】
一方、ステップS106において、顧客のキャッシュカードがカードリーダ132により読み取られていないと判定された場合には、情報処理装置110の業務アプリケーション111は、現金を用いた振込処理を実行する(S110)。
【0045】
ステップS107における通帳振込処理、ステップS108におけるカード振込処理、ステップS110における現金振込処理のいずれかを実行した後、オペレータにより、顧客が呼び出され(S111)、入金副票や通帳等が顧客に手交されて(S112)、取引業務を完了する。
【0046】
(3−2−1)通帳振込処理の詳細
次に、図5を参照して、ステップS107における通帳振込処理の詳細について説明する。図5に示すように、業務アプリケーション111は、電源制御テーブル112のテーブル001aを呼出し(S201)、テーブル001aのステージ2を実行する(S202)。
【0047】
ステップS202において、業務アプリケーション111は、図3の電源制御テーブル112のテーブル001aを参照する。テーブル001aのステージ2では、スキャナ131はON、カードリーダ132はOFF、通帳リーダ133はOFF、印鑑照合ディスプレイ134はON、現金入出金機135はOFF、通帳プリンタ136はONが設定されている。このため、業務アプリケーション111は、電源制御テーブル110bを経由して、電源制御タップ130の電源オンオフ部130bに対して、コンセントB部、C部、E部に対して電源をオフするように指示する。これにより、スキャナ131の電源はオン、カードリーダ132の電源はオフ、通帳リーダ133の電源はオフ、印鑑照合ディスプレイ134の電源はオン、現金入出金機135の電源はオフ、通帳プリンタ136の電源はオンの状態となる。ここで、通帳プリンタ136は、取引業務の後半の処理で使用されるが、初期化処理に時間がかかるため、ステップS202において電源がオンされる。
【0048】
次に、スキャナ131により印影の読み取りが行われ(S203)、印鑑照合ディスプレイ134を使用して、ステップS203において読み取られた印影と登録されている印鑑の画像とが照合される(S204)。そして、オペレータの入力に応じて、振込の相手先の口座の照会処理が実行される(S205)。
【0049】
次に、業務アプリケーション111は、電源制御テーブル112のテーブル001aのステージ3を実行する(S206)。テーブル001aのステージ3では、スキャナ131はOFF、カードリーダ132はOFF、通帳リーダ133はOFF、印鑑照合ディスプレイ134はOFF、現金入出金機135はOFF、通帳プリンタ136はONが設定されている。このため、業務アプリケーション111は、電源制御テーブル110bを経由して、電源制御タップ130の電源オンオフ部130bに対して、コンセントA部及びD部に対して電源をオフするように指示する。これにより、スキャナ131の電源はオフ、カードリーダ132の電源はオフ、通帳リーダ133の電源はオフ、印鑑照合ディスプレイ134の電下はオフ、現金入出金機135の電源はオフ、通帳プリンタ136の電源はオンとなる。
【0050】
次に、オペレータにより手数料の計算が行われて(S207)、振込の仕向口への入金が実施される(S208)。そして、オペレータにより領収書に押印がなされて(S209)、入金副票が受領され(S210)、振込が発信される(S211)。そして、オペレータは、通帳プリンタ136を利用して通帳記帳を行う(S212)。
【0051】
次に、業務アプリケーション111は、電源制御テーブル112のテーブル001aのステージ4を実行する(S213)。テーブル001aのステージ4では、スキャナ131はON、カードリーダ132はOFF、通帳リーダ133はOFF、印鑑照合ディスプレイ134はOFF、現金入出金機135はOFF、通帳プリンタ136はOFFが設定されている。このため、業務アプリケーション111は、電源制御テーブル110bを経由して、電源制御タップ130の電源オンオフ部130bに対して、コンセントA部に対して電源をオン、コンセントF部に対して電源をオフするように指示する。これにより、スキャナ131の電源はオン、カードリーダ132の電源はオフ、通帳リーダ133の電源はオフ、印鑑照合ディスプレイ134の電源はオフ、現金入出金機135の電源はオフ、通帳プリンタ136の電源はオフとなる。ここで、スキャナ131は、取引業務の最初(ステップS102)において必ず使用されるため、ステップS213において電源がオンされる。
【0052】
(3−2−2)カード振込処理の詳細
次に、図6を参照して、ステップS108におけるカード振込処理の詳細について説明する。図6に示すように、業務アプリケーション111は、電源制御テーブル112のテーブル001bを呼出し(S301)、テーブル001bのステージ2を実行する(S302)。
【0053】
ステップS302において、業務アプリケーション111は、図3の電源制御テーブル112のテーブル001bを参照する。テーブル001bのステージ2では、スキャナ131はON、カードリーダ132はOFF、通帳リーダ133はOFF、印鑑照合ディスプレイ134はON、現金入出金機135はOFF、通帳プリンタ136はOFFが設定されている。このため、業務アプリケーション111は、電源制御テーブル110bを経由して、電源制御タップ130の電源オンオフ部130bに対して、コンセントB部、C部、E部、F部に対して電源をオフするように指示する。これにより、スキャナ131の電源はオン、カードリーダ132の電源はオフ、通帳リーダ133の電源はオフ、印鑑照合ディスプレイ134の電源はオン、現金入出金機135の電源はオフ、通帳プリンタ136の電源はオフとなる。
【0054】
次に、本人確認が行われる(S303)。そして、オペレータの入力に応じて、振込の相手先の口座の照会処理が実行される(S304)。
【0055】
次に、業務アプリケーション111は、電源制御テーブル112のテーブル001bのステージ3を実行する(S305)。テーブル001bのステージ3では、スキャナ131はOFF、カードリーダ132はOFF、通帳リーダ133はOFF、印鑑照合ディスプレイ134はOFF、現金入出金機135はOFF、通帳プリンタ136はOFFが設定されている。このため、業務アプリケーション111は、電源制御テーブル110bを経由して、電源制御タップ130の電源オンオフ部130bに対して、コンセントA部及びD部に対して電源をオフするように指示する。これにより、スキャナ131の電源はオフ、カードリーダ132の電源はオフ、通帳リーダ133の電源はオフ、印鑑照合ディスプレイ134の電源はオフ、現金入出金機135の電源はオフ、通帳プリンタ136の電源はオフとなる。
【0056】
次に、オペレータにより手数料の計算が行われて(S306)、振込の仕向口への入金が実施される(S307)。そして、オペレータにより領収書に押印がなされて(S308)、入金副票が受領され(S309)、振込が発信される(S310)。
【0057】
次に、業務アプリケーション111は、電源制御テーブル112のテーブル001bのステージ4を実行する(S311)。テーブル001bのステージ4では、スキャナ131はON、カードリーダ132はOFF、通帳リーダ133はOFF、印鑑照合ディスプレイ134はOFF、現金入出金機135はOFF、通帳プリンタ136はOFFが設定されている。このため、業務アプリケーション111は、電源制御テーブル110bを経由して、電源制御タップ130の電源オンオフ部130bに対して、コンセントA部に対して電源をオンにするよう指示する。これにより、スキャナ131の電源はオン、カードリーダ132の電源はオフ、通帳リーダ133の電源はオフ、印鑑照合ディスプレイ134の電源はオフ、現金入出金機135の電源はオフ、通帳プリンタ136の電源はオフとなる。
【0058】
(3−2−3)現金振込処理の詳細
次に、図7を参照して、ステップS110における現金振込処理の詳細について説明する。図7に示すように、業務アプリケーション111は、電源制御テーブル112のテーブル001cを呼出し(S401)、テーブル001cのステージ2を実行する(S402)。
【0059】
ステップS402において、業務アプリケーション111は、図3の電源制御テーブル112のテーブル001cを参照する。テーブル001cのステージ2では、スキャナ131はON、カードリーダ132はOFF、通帳リーダ133はOFF、印鑑照合ディスプレイ134はOFF、現金入出金機135はON、通帳プリンタ136はOFFが設定されている。このため、業務アプリケーション111は、電源制御テーブル110bを経由して、電源制御タップ130の電源オンオフ部130bに対して、コンセントB部、C部、D部、F部に対して電源をOFFするように指示する。これにより、スキャナ131はON、カードリーダ132はOFF、通帳リーダ133はOFF、印鑑照合ディスプレイ134はOFF、現金入出金機135はON、通帳プリンタ136はOFFとなる。
【0060】
次に、本人確認が行われる(S403)。そして、オペレータの入力に応じて、振込の相手先の口座の照会処理が実行される(S404)。
【0061】
次に、業務アプリケーション111は、電源制御テーブル112のテーブル001cのステージ3を実行する(S405)。テーブル001cのステージ3では、スキャナ131はOFF、カードリーダ132はOFF、通帳リーダ133はOFF、印鑑照合ディスプレイ134はOFF、現金入出金機135はON、通帳プリンタ136はOFFが設定されている。このため、業務アプリケーション111は、電源制御テーブル110bを経由して、電源制御タップ130の電源オンオフ部130bに対して、コンセントA部に対して電源をOFFするように指示する。これにより、スキャナ131はOFF、カードリーダ132はOFF、通帳リーダ133はOFF、印鑑照合ディスプレイ134はOFF、現金入出金機135はON、通帳プリンタ136はOFFとなる。
【0062】
次に、オペレータにより手数料の計算が行われる(S406)。そして、オペレータは、顧客から現金を受け取り(S407)、現金入出金機135に現金を入金する(S408)。そして、振込の仕向口への入金が実施され(S409)、オペレータにより領収書に押印がなされる(S410)。そして、入金副票が受領され(S411)、振込が発信される(S412)。
【0063】
次に、業務アプリケーション111は、電源制御テーブル112のテーブル001cのステージ4を実行する(S413)。テーブル001cのステージ4では、スキャナ131はON、カードリーダ132はOFF、通帳リーダ133はOFF、印鑑照合ディスプレイ134はOFF、現金入出金機135はOFF、通帳プリンタ136はOFFが設定されている。このため、業務アプリケーション111は、電源制御テーブル110bを経由して、電源制御タップ130の電源オンオフ部130bに対して、コンセントA部に対して電源をオン、コンセントE部に対して電源をオフにするよう指示する。これにより、スキャナ131の電源はオン、カードリーダ132の電源はオフ、通帳リーダ133の電源はオフ、印鑑照合ディスプレイ134の電源はオフ、現金入出金機135の電源はオフ、通帳プリンタ136の電源はオフとなる。
【0064】
このように、本実施の形態では、取引業務毎に、いずれのタイミングで電源をオン/オフするかを予め設定して、取引業務中に周辺機器の電源を適切にオフすることにより、情報処理システム1全体の節電効率を高めることが可能となる。
【0065】
上記実施の形態では、銀行窓口業務のうち、特に振込処理について説明したが、かかる例に限定されず、情報処理装置110に周辺機器が接続されている場合に、本実施の形態を適用することができる。例えば、空港窓口業務や鉄道窓口業務における、周辺機器の電源制御に適用してもよい。すなわち、情報処理装置110のメモリに格納されている業務アプリケーション111及び電源制御テーブル112を、取引業務や使用する媒体に応じて適切に用意することにより、銀行窓口業務の振込処理以外の他の取引業務に本発明を適用することができる。
【0066】
また、周辺機器のなかには、取引業務の途中で電源をオフすることができない機器や、電源をオフする前に予め特定の処理を行っておく必要があるものもある。この場合、業務アプリケーション111に、そのような周辺機器に特有の処理手順を付加させておくことにより、周辺機器に特有の動作をさせることが可能となる。
【0067】
例えば、処理の途中で電源をオフすることができない機器に対して、業務アプリケーション111は、電源オフの指示をする前に、その周辺機器の稼働状態の情報を取得して、電源オフとすることが可能となるまで電源オフの指示を待つようにしてもよい。
【0068】
また、例えば、電源オフの前に予め特定の処理を行っておく必要がある機器に対して、業務アプリケーション111は、電源オフの指示をする前に、その機器を電源オフ可能な状態に遷移させるための所定のコマンドを投入してもよい。
【0069】
また、情報処理装置110のディスプレイ121に、いずれの周辺機器の電源オン/オフの状況が表示されてもよい。例えば、業務処理が振込処理から入金処理に変更された場合に、入金処理に必要となる周辺機器の電源がオンされる。このとき、周辺機器が立ち上がるのに時間がかかる場合に、その周辺機器が立ち上げ中である旨のメッセージがディスプレイ121に表示されてもよい。
【0070】
(4)本実施の形態の効果
以上のように、本実施の形態による情報処理システム1では、銀行窓口の業務などの取引業務を実行する際に、各処理段階(ステージ)において対応する電源制御テーブル112を呼び出し、該電源制御テーブル112の周辺機器131〜136の電源設定情報に基づいて、周辺機器131〜136の電源投入/切断を制御する。これにより、情報処理装置に接続された周辺機器の電源オン/オフを制御して節電効率を高めることができる。
【符号の説明】
【0071】
1 情報処理システム
110 情報処理装置
130 電源制御タップ
131 スキャナ
132 カードリーダ
133 通帳リーダ
134 印鑑照合ディスプレイ
135 現金入出金機
136 通帳プリンタ



【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の周辺機器に接続された情報処理装置であって、
前記周辺機器の電源設定情報を管理する電源制御テーブルと、
前記1または2以上の周辺機器の電源投入/切断を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
所定の取引業務を実行する際に、前記電源制御テーブルの前記周辺機器の電源設定情報に基づいて、前記周辺機器の電源投入/切断を制御する
ことを特徴とする、情報処理装置。
【請求項2】
前記電源制御テーブルには、前記所定の取引業務を示す取引業務情報と、前記取引業務の処理段階を示す処理段階情報と、各処理段階における前記周辺機器の電源状態とが対応付けて管理されており、
前記制御部は、
所定の取引業務の各処理段階を実行する際に、各処理段階に対応する前記周辺機器の電源状態に応じて、前記周辺機器の電源投入/切断を制御する
ことを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記電源制御テーブルにおいて、
前記周辺機器に電源が投入された後初期化処理にかかる時間が、該周辺機器の電源切断後から次の処理段階で使用されるまでの時間より短い場合に、該周辺機器の電源を切断するように設定される
ことを特徴とする、請求項2に記載の情報処理装置
【請求項4】
前記電源制御テーブルにおいて、
所定の取引業務終了時に、該取引業務開始時に使用する前記周辺機器の電源を投入するように設定される
ことを特徴とする、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記所定の取引業務は銀行窓口の取引業務であって、
前記電源制御テーブルは、銀行窓口の取引業務毎、各取引業務の処理内容毎に設定される
ことを特徴とする、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
各周辺機器に電源ケーブルを経由して電源を供給する電源タップを備え、
前記電源タップは、前記制御部からの電源制御指示に基づいて、各周辺機器の電源を投入/切断する
ことを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
複数の周辺機器に接続された情報処理装置を用いた情報処理方法であって、
前記情報処理装置は、
前記周辺機器の電源設定情報を管理する電源制御テーブルと、
前記1または2以上の周辺機器の電源投入/切断を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部が、
所定の取引業務を実行する際に、前記所定の取引業務に対応する前記電源制御テーブルを読み出す第1のステップと、
前記第1のステップにおいて読み出した前記電源制御テーブルの前記周辺機器の電源設定情報に基づいて、前記周辺機器の電源投入/切断を制御する第2のステップと、
を含むことを特徴とする、情報処理方法。



【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate