説明

情報処理装置及び方法、並びにプログラム

【課題】医師の診断の効率を向上させる。
【解決手段】病変認識部12は、入力される複数の医用画像の各画像の特徴量として輝度差分特徴量を算出し、その輝度差分特徴量に基づき、あらかじめ学習された病変進行度認識器21と病変種類認識器22を用いて、病変進行度と病変種類を認識し、医師決定部13は、医師専門分野データベース14を参照し、病変種類に対応する医用画像を担当する担当医師を決定し、画像並び替え部15は、決定された担当医師ごとの医用画像を、病変進行度認識器21により認識される病変進行度のスコアの高い順に並び替え、画像提示部16は、並び替えられた医用画像を順次提示する。本発明は、例えば、医用画像処理装置に適用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び方法、並びにプログラムに関し、特に、医師の診断の効率を向上させることができるようにした情報処理装置及び方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、医療の分野においては、患者の器官(臓器)を撮影して得られる医用画像を用いた診断が行われている。
【0003】
例えば、病理診断で用いる病理画像に関して、あらかじめ観察帯を小領域に分割しておき、分割した領域を解像度の高い対物レンズを用いて各々撮影した後、撮影によって得られた画像を繋ぎ合わせて観察体の画像を再構築する、いわゆるバーチャル顕微鏡システムが開示されている(例えば、特許文献1参照)。このシステムを用いることで、画像データを病理診断に用いることができるようになり、画像データの蓄積や複製、ネットワークを介しての病院間での共有などを行うことが可能となる。
【0004】
また、医用画像に検像処理情報を付帯させて、その検像処理情報から検像に係る情報を取得する方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
特許文献3,4には、医用画像や診療情報を日付順で並び替えて、それらの画像や情報の経時的な変化を観察し易くする方法が開示されている。
【0006】
また、画像処理によって、病理組織画像から病理医が病理組織診断の際に注目する領域(ROI)を検出し、検出したROI周辺部分を高倍率で撮影する方法が開示されている(特許文献5参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平9−281405号公報
【特許文献2】特開2008−242984号公報
【特許文献3】特開2010−33476号公報
【特許文献4】特開2004−33539号公報
【特許文献5】特開2009−175040号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来の技術であると、医用画像が優先度の高い順に並んでいないため、その医用画像を用いて診断を行う医師が効率よく診断を行うことができないという問題があった。
【0009】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、医用画像を優先度の高い順に並び替えて、その順序で診断させることで、医師の診断の効率を向上させることができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一側面の情報処理装置は、入力される複数の医用画像に対して所定の画像認識処理を施して、病気による生体の変化の進行度を表す病変進行度を認識する病変進行度認識手段と、認識された前記病変進行度に基づいて、複数の前記医用画像を所定の順序に並び替える並び替え手段と、所定の順序に並び替えられた前記医用画像を提示する提示手段とを備える。
【0011】
入力される複数の医用画像から、病気の種類を表す病変種類を認識する病変種類認識手段と、医師の専門分野を定めた医師専門分野情報に基づいて、認識された前記病変種類に対応する前記医用画像を担当する担当医師を決定する決定手段とをさらに備え、前記並び替え手段は、認識された前記病変進行度に基づいて、決定された前記担当医師ごとの前記医用画像を所定の順序に並び替える。
【0012】
前記病変進行度認識手段は、前記医用画像の各画素の特徴量として統計的画像特徴量を算出し、前記統計的画像特徴量に基づき、あらかじめ学習されている病変進行度認識器を用いて、前記病変進行度を認識し、前記並び替え手段は、前記病変進行度認識器により認識される前記病変進行度のスコアの高い順に前記医用画像を並び替える。
【0013】
前記並び替え手段は、前記医用画像の対象となる患者を特定するための患者情報に基づいて、前記医用画像を患者単位で並び替える。
【0014】
前記並び替え手段は、前記医用画像の対象となる採取部位を特定するための採取部位情報に基づいて、前記医用画像を採取部位単位で並び替える。
【0015】
前記提示手段は、採取部位単位で並び替えられた前記医用画像に対応付けて、その採取部位に対応する採取部位画像を提示する。
【0016】
前記提示手段は、前記医用画像に対応させて、前記病変進行度の順番を示す情報又は採取部位の位置を示す情報を提示する。
【0017】
前記医師専門分野情報には、医師の熟練度に関する情報が含まれており、前記決定手段は、前記医師の熟練度に応じて、前記担当医師を決定する。
【0018】
前記提示手段は、前記医用画像の代わりに、前記病変進行度認識器により認識される前記病変進行度のスコアに対応する病変進行度認識画像を提示する。
【0019】
本発明の一側面の情報処理方法は、情報処理装置が、入力される複数の医用画像に対して所定の画像認識処理を施して、病気による生体の変化の進行度を表す病変進行度を認識し、認識された前記病変進行度に基づいて、複数の前記医用画像を所定の順序に並び替え、所定の順序に並び替えられた前記医用画像を提示するステップを含む。
【0020】
本発明の一側面のプログラムは、入力される複数の医用画像に対して所定の画像認識処理を施して、病気による生体の変化の進行度を表す病変進行度を認識する病変進行度認識手段と、認識された前記病変進行度に基づいて、複数の前記医用画像を所定の順序に並び替える並び替え手段と、所定の順序に並び替えられた前記医用画像を提示する提示手段として、コンピュータを機能させる。
【0021】
本発明の一側面の情報処理装置及び方法、並びにプログラムにおいては、入力される複数の医用画像に対して所定の画像認識処理を施して、病気による生体の変化の進行度を表す病変進行度が認識され、認識された病変進行度に基づいて、複数の医用画像が所定の順序に並び替えられ、所定の順序に並び替えられた医用画像が提示される。
【発明の効果】
【0022】
本発明の一側面によれば、医師の診断の効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明を適用した医用画像処理装置の一実施の形態の構成を示す図である。
【図2】医用画像提示処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】病変認識処理の詳細な流れを示すフローチャートである。
【図4】医用画像と病変進行度ラベルとの関係を示す図である。
【図5】病変進行度認識器の詳細な処理を示す図である。
【図6】医用画像と病変種類ラベルとの関係を示す図である。
【図7】病変種類認識器の詳細な処理を示す図である。
【図8】医師専門分野データベースの構成例を示す図である。
【図9】医用画像の並び替えの例(病変進行度順)を示す図である。
【図10】医用画像の並び替えの例(患者単位(病変進行度の平均値を利用))を示す図である。
【図11】医用画像の並び替えの例(患者単位(病変進行度の最大値を利用))を示す図である。
【図12】採取部位単位の並び替えの概要を説明する図である。
【図13】医用画像の並び替えの例(採取部位単位(病変進行度の最大値を利用))を示す図である。
【図14】医用画像の提示順序の切り替えの例を示す図である。
【図15】医用画像と採取部位画像とを同時に提示する例を示す図である。
【図16】コンピュータの構成の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、発明を実施するための形態(以下、実施の形態と称する)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
<1.実施の形態>
<2.変形例>
【0025】
<1.実施の形態>
[医用画像処理装置の構成]
図1は、本発明を適用した医用画像処理装置の一実施の形態の構成を示す図である。
【0026】
医用画像処理装置1は、画像入力部11、病変認識部12、医師決定部13、医師専門分野データベース14、画像並び替え部15、及び画像提示部16から構成される。
【0027】
画像入力部11は、入力される複数の医用画像を順次取得して、病変認識部12及び画像並び替え部15に供給する。
【0028】
なお、医用画像とは、医師の診断に用いられる診断対象画像であって、例えば、病理医が病理画像診断の際に使用する病理画像や、CT(Computed Tomography)画像などの患者の器官(臓器)を撮影した画像である。本実施の形態では、癌の診断用に撮影された医用画像を一例にして説明する。
【0029】
病変認識部12は、画像入力部11から順次供給される医用画像に対して、所定の画像認識処理(以下、病変認識処理という)を施し、病気による生体の変化の進行度(癌の進行度)を表す病変進行度と、病気の種類(癌の種類)を表す病変種類とを認識する。
【0030】
病変認識部12は、病変進行度認識器21と病変種類認識器22から構成される。なお、詳細は後述するが、病変進行度認識器21と病変種類認識器22は、学習サンプルを使用して、所定のアルゴリズムに従って、あらかじめ学習することにより生成される。
【0031】
病変進行度認識器21は、画像入力部11から順次供給される医用画像から、病変進行度を認識し、その認識の結果を、画像並び替え部15に供給する。
【0032】
病変種類認識器22は、画像入力部11から順次供給される医用画像から、病変種類を認識し、その認識の結果を、医師決定部13に供給する。
【0033】
医師決定部13は、病変種類認識器22から供給される病変種類の認識の結果に応じて、医師の専門分野を定めた医師専門分野データベース14を参照し、病変種類に対応する医用画像を担当する担当医師を決定する。医師決定部13は、症例を診断する担当医師の決定の結果を、画像並び替え部15に供給する。
【0034】
画像並び替え部15には、画像入力部11から順次供給される複数の医用画像に対応して、病変進行度認識器21からの病変進行度の認識の結果と、医師決定部13からの担当医師の決定の結果がそれぞれ供給される。
【0035】
画像並び替え部15は、病変進行度の認識の結果及び担当医師の決定の結果に基づいて、決定された担当医師ごとの医用画像を所定の順序で並び替えて、画像提示部16に供給する。
【0036】
画像提示部16は、画像並び替え部15から供給される所定の順序で並び替えられた医用画像を順次提示する。
【0037】
以上のようにして、医用画像処理装置1は構成される。
【0038】
[医用画像提示処理]
次に、図2のフローチャートを参照して、図1の医用画像処理装置1により実行される医用画像提示処理について説明する。
【0039】
ステップS11において、画像入力部11は、入力される複数の医用画像を順次取得する。
【0040】
ステップS12において、病変認識部12は、画像入力部11により順次取得された医用画像に対して、病変認識処理を実行する。
【0041】
ここで、図3のフローチャートを参照して、図2のステップS12に対応する病変認識処理の詳細について説明する。
【0042】
ステップS31において、病変進行度認識器21は、医用画像から病変進行度を認識する。
【0043】
ここで、病変進行度の認識方法の詳細について説明する。
【0044】
病変進行度の認識方法であるが、例えば、輝度差分特徴量と統計的学習方法を用いて、病変進行度認識器21をあらかじめ学習により生成しておくことで、この病変進行度認識器21により病変進行度が認識される。
【0045】
なお、輝度差分特徴量とは、画素ブロック内の所定の複数の画素ペアに注目し、画素ペアそれぞれの輝度の差分を算出するものである。また、統計的学習方法とは、例えば、複数の学習サンプルといわれる、あらかじめ正解付け(ラベリング)された医用画像(サンプル画像)に対して実行される、ブースティングアルゴリズムなどを用いた学習をいう。すなわち、輝度差分特徴量は、統計的画像特徴量の一例である。
【0046】
また、この輝度差分特徴量と統計的学習方法の詳細については、例えば、特開2005−284348号公報などにも開示されている。
【0047】
具体的には、学習機(不図示)により、図4に示すように、医用画像(サンプル画像)とそれに対応する病変進行度を示すラベル(病変進行度ラベル)からなる学習サンプルのデータベースを作成する。図4の例では、医用画像に対して、正常、良性腫瘍、悪性腫瘍の3種類の病変進行度ラベルを付与している。学習機によって、それらの医用画像と病変進行度ラベルの組み合わせに対して、先に述べた統計的学習方法が適応されると、病変進行度認識器21が生成される。そして、この病変進行度認識器21を用いることで、任意の医用画像に対する病変進行度を認識することができる。
【0048】
図5の例では、病変進行度認識器21によって、医用画像の各画素について、正常、良性腫瘍、悪性腫瘍の3つの確信度がそれぞれ、[0.0,1.0]の範囲の値で出力される。図5の例では、色の濃い部分が確信度の高い部分となる。また、図5の例では、病変進行度認識器21は、任意の医用画像に対する病変進行度スコアとして、0.56を算出しているが、この病変進行度スコアとしては、例えば、次の(A),(B)などの方法によって算出することができる。
【0049】
(A)認識された領域の面積で平均化する方法
この方法では、正常のスコアを0,良性腫瘍のスコアを0.5,悪性腫瘍のスコアを1.0として、医用画像における組織部分の全画素において、上記のスコアを確信度で重み加算平均計算を行う。すなわち、医用画像1枚における病変進行度スコアSは、例えば、次の式(1)により計算される。
【0050】
S=1/N × Σ(SNi×CNi+SBi×CNi+SMi×CMi)
・・・(1)
【0051】
なお、式(1)において、Nは組織部分の画素数、Σは、組織部分の領域に属する画素iについての総和を意味する。また、SNiは正常スコア、CNiは正常確信度、SBiは良性腫瘍スコア、CNiは良性腫瘍確信度、SMiは悪性腫瘍スコア、CMiは悪性腫瘍確信度を意味する。
【0052】
この式(1)の計算方法であると、悪性腫瘍があっても、その面積が小さければ病変進行度スコアSが小さくなる。したがって、腫瘍の面積が病変進行度に関連のある対象については、式(1)の計算方法が適したものとなる。
【0053】
(B)最大値を採用する方法
この方法では、検出された病変進行度スコアにおいて、最大の値となるものをその医用画像の病変進行度スコアSとする。すなわち、医用画像1枚における病変進行度スコアSは、例えば、次の式(2)により計算される。
【0054】
S=MAX(SB×CN+SM×CM)
・・・(2)
【0055】
なお、式(2)において、MAX()は、()内で最大となる値を求める関数であって、良性腫瘍と悪性腫瘍のそれぞれのスコアと確信度を乗算して足し合わせた値(SB×CN+SM×CM)の最大値が求められる。
【0056】
この式(2)の計算方法であると、確信度の高い悪性腫瘍がある場合、その面積が狭くても病変進行度スコアSが高くなる。したがって、面積にかかわらず、悪性腫瘍がある場合に病変進行度が高い対象については、式(2)の計算方法が適したものとなる。
【0057】
なお、上述した式(1),式(2)は、病変進行度スコアSの計算方法の一例であって、例えば、腫瘍の面積やその進行度など、病変進行度スコアSが計算される対象の状態に応じて、適切な計算方法が選択される。
【0058】
このように、病変進行度認識器21は、ラベルがあらかじめ付加された複数の学習サンプルにより学習された特徴量と、医用画像の特徴量とを比較して、任意の医用画像の病変進行度を推定するための推定値(病変進行度スコア)を出力する。例えば、図5においては、病変進行度認識器21によって、医用画像から、病変進行度のスコアに対応する画像(以下、病変進行度認識画像という)が生成され、その病変進行度スコアとして0.56が求められる。
【0059】
図3のフローチャートに戻り、ステップS32において、病変種類認識器22は、医用画像から病変種類を認識する。
【0060】
ここで、病変種類の認識方法の詳細について説明する。
【0061】
病変種類の認識方法としては、上述した病変進行度の認識方法と同様に、輝度差分特徴量と統計的学習方法を用いて、病変種類認識器22をあらかじめ学習しておくことで、この病変種類認識器22により病変種類が認識される。
【0062】
具体的には、図6に示すように、医用画像(サンプル画像)に対して、高分化腺癌、中分化腺癌、低分化腺癌の3種類の病変種類ラベルを付与して、それらの医用画像と病変種類ラベルの組み合わせに対して、先に述べた統計的学習方法が適応されると、病変種類認識器22が生成される。そして、この病変種類認識器22を用いることで、図7に示すように、任意の医用画像に対する病変種類を認識することができる。
【0063】
なお、本実施の形態では、病変種類として、高分化腺癌、中分化腺癌、低分化腺癌の3種類の癌を一例に説明するが、腺癌の病理組織学的分類には癌細胞の分化の程度に応じて高分化腺癌、中分化腺癌、低分化腺癌に分けるのが一般的であり、低分化腺癌が最も難易度の高い症例とされている。
【0064】
以上、病変認識部12により病変認識処理が実行され、病変進行度と病変種類が認識されると、処理は、図2のフローチャートに戻り、ステップS13以降の処理が実行される。
【0065】
ステップS13において、医師決定部13は、病変種類認識器22からの病変種類と、医師専門分野データベース14に格納された医師の専門分野や熟練度に応じて、病変種類に対応する前記医用画像を担当する担当医師を決定する。
【0066】
図8は、医師専門分野データベース14の例を示す図である。
【0067】
図8に示すように、医師専門分野データベース14には、各医師名に対応して、その医師の専門分野と熟練度を示す情報が格納されている。なお、熟練度は10段階で定められており、その数が小さいほど、熟練度が高いことを意味する。
【0068】
例えば、○×先生は、専門分野が上皮性と中分化であり、その熟練度が5である。また、△□先生と、△×先生も、上皮性を専門分野としているが、その熟練度が異なっており、△×先生が最も熟練度が高く、△□先生が最も熟練度が低いことになる。また、□○先生は間葉系腫瘍、○○先生は悪性リンパ腫を専門としており、その熟練度はそれぞれ7,1となる。
【0069】
なお、この医師専門分野データベース14に格納されるデータであるが、医師名、専門分野、熟練度などの項目ごとのデータを、使用者が直接入力することで登録してもよいし、過去に診断した症例情報を含むカルテデータベースから取り込むようにしてもよい。
【0070】
例えば、病変種類認識器22によって、医用画像から認識された病変種類として、低分化腺癌が認識された場合、医師決定部13は、医師専門分野データベース14を参照して、登録された医師の中から、低分化腺癌を専門とする医師を検索する。図8の例では、△×先生が低分化腺癌の専門であるので、担当医師として、△×先生が決定される。
【0071】
なお、低分化腺癌の専門医師が複数存在する場合には、先に述べたとおり、熟練度に応じて例えば最も高い熟練度を有する医師が担当医師として決定される。これにより、病変進行度が高く、迅速な診断が必要となる症例については、その医用画像が、熟練度の高い医師に分配されるので、病院全体として診断の効率を向上させることができる。
【0072】
図2のフローチャートに戻り、ステップS14において、医用画像の入力が終了したか否かが判定される。ステップS14において、医用画像の入力が終了していないと判定された場合、処理は、ステップS11に戻り、上述したステップS11乃至S14が繰り返される。
【0073】
すなわち、ステップS11乃至S14が繰り返されることで、順次入力される医用画像に対して病変認識処理が実行されて病変進行度と病変種類が認識され、医用画像ごとに病変進行度スコアが対応付けられるとともに、病変種類に応じた担当医師が決定される。
【0074】
そして、入力された医用画像群の全てについて、病変進行度スコアと担当医師が対応付けられ、ステップS14において、医用画像の入力が終了したと判定された場合、処理は、ステップS15に進む。
【0075】
ステップS15において、画像並び替え部15は、画像入力部11からの複数の医用画像を、医師決定部13により決定された担当医師ごとに、病変進行度認識器21からの病変進行度に応じた所定の順序に並び替える。
【0076】
ステップS16において、画像提示部16は、画像並び替え部15により所定の順序に並び替えられた医療画像を提示する。
【0077】
ステップS17において、並び替えられた医用画像の提示が終了したか否かが判定される。ステップS17において、医用画像の提示が終了していないと判定された場合、処理は、ステップS16に戻り、上述したステップS16,S17が繰り返される。
【0078】
すなわち、ステップS16,S17が繰り返されることで、例えば、担当医師の操作により、所定の順序に並び替えられた医用画像が順次提示されるので、担当医師は、順次提示される医用画像を用いて、診断を行うことになる。
【0079】
そして、並び替えられた医用画像群の全てについての提示が終了し、ステップS17において、医用画像の提示が終了したと判定された場合、図2の医用画像提示処理は終了する。
【0080】
[医用画像の並び替えの例]
ここで、図9乃至図11を参照して、画像並び替え部15により実行される医用画像群の並び替えの例を説明する。
【0081】
図9は、医用画像が病変進行度スコアの高い順に並び替えられた場合の例を示している。
【0082】
なお、図9においては、図中上側と下側にそれぞれ9枚の医用画像が並べられており、その医用画像内には、図5の医用画像に相当する部位面を所定の形状で表したものが模式的に表されている。また、この医用画像の記述については、後述する他の図においても同様とされる。
【0083】
図中上側の9枚の医用画像のように、並び替え前は、入力順に並べられていた医用画像群が、病変進行度スコアの高い順に並び替えられることで、図中下側の9枚の医用画像のように並び替えられる。
【0084】
すなわち、病変進行度スコアを注目すれば、並び替え前には、0.45,0.85,0.22,0.47,0.17,0.92,0.68,0.44,0.46の入力順に並んでいた医用画像が、並び替え後では、0.92,0.85,0.68,0.47,0.46,0.45,0.44,0.22,0.17のように、病変進行度スコアの高い順に並び替えられている。
【0085】
このように、病変進行度スコアの高い医用画像ほど、その画像内に病変が存在する可能性が高いため、医師は、図中下側の矢印で示すように、病変進行度スコアが高い順に並び替えられた医用画像を順次診断することで、はやいタイミングで処置を施すことができる。
【0086】
図10,図11は、病変進行度に応じて医用画像が患者単位で並び替えられた場合の例を示している。
【0087】
なお、医用画像を患者単位で並び替えるためには、医用画像の対象となる患者を特定するための情報(以下、患者情報という)が必要となる。この患者情報の取得方法としては、例えば、入力される医用画像に対して、患者を特定するための患者属性などのメタデータを、あらかじめ付加しておく方法がある。この方法により、画像並び替え部15は、医用画像の並び替え時に、医用画像に付加された患者属性(患者情報)を取得して、患者単位で医用画像を並び替えることが可能となる。
【0088】
また、患者情報の取得方法としては、上述したメタデータを付加しておく方法以外でも、例えば、医用画像の入力時に、入力される医用画像に対して、使用者が患者情報を直接入力する方法など、他の方法を採用することも可能である。
【0089】
図10の例では、患者単位での病変進行度スコアの平均値を求めて、その平均病変進行度の高い患者順に、医用画像を並び替えている。
【0090】
図中上側の9枚の医用画像のように、並び替え前は入力順、すなわち、患者A,B,Cの順にそれぞれ3枚ずつ並べられていた医用画像が、平均病変進行度の高い患者順に並び替えられることで、図中下側の9枚の医用画像のように並び替えられる。
【0091】
すなわち、患者ごとの平均病変進行度に注目すれば、患者A,B,Cの平均病変進行度は、0.506,0.520,0.527となるので、それらの平均病変進行度の高い順に、患者C,B,Aの順に並び替えられる。また、各患者ごとの医用画像についても、病変進行度の高い順にそれぞれ並び替えられる。
【0092】
一方、図11の例では、患者単位での病変進行度スコアの最大値を求めて、その最大病変進行度の高い患者順に、医用画像を並び替えている。
【0093】
すなわち、患者ごとの最大病変進行度に注目すれば、患者A,B,Cの最大病変進行度は、0.85,0.92,0.68となるので、それらの最大病変進行度の高い順に、患者B,A,Cの順に並び替えられる。また、図10の例と同様に、各患者ごとの医用画像についても、病変進行度の高い順にそれぞれ並び替えられる。
【0094】
以上のように、並び替えの条件として、上述した病変進行度スコアの他に、患者情報を用いることで、医用画像を患者単位で並び替えることができる。
【0095】
これにより、一般的には、1人の患者について複数の医用画像があることが多いため、このように並び替えることで、医師は、病変を持つ可能性の高い患者を優先的に、病変進行度の高い医用画像を用いて診断することができるようになる。これにより、早期に病変を発見することができるため、診断効率を改善することができる。
【0096】
なお、患者単位での病変進行度の算出方法としては、対象とする医用画像の特性に応じて、平均値や最大値、又はその他の算出方法が選択される。
【0097】
ところで、医者による診断時において、細胞組織の採取部位に関する情報は重要であり、医療の現場では採取部位単位で診断を行うことが多く、医用画像を採取部位単位で並び替えられれば、医師の診断効率の向上につながる。そこで、次に、図12乃至図15を参照して、医用画像を採取部位単位で並び替える例について説明する。
【0098】
図12は、大腸におけるポリープごとの採取部位と、その部位の細胞組織をプレパラート化して得られる部位面との対応を示す概念図を示している。
【0099】
図12の上側に示す大腸の断面には、ポリープが3箇所あるが、それらの採取部位を、図中左方向から部位A,B,Cと称する。それらの部位のそれぞれについて、水平方向に3箇所切り出すが、その切り出し位置を、図中上方向から位置1,2,3と称する。そして、それらの部位A,B,Cから切り出される部位の一部と、プレパラート化された部位面に対応する画像(医用画像)の対応関係を図示すると、図9の下側に示すように、部位A乃至Cごとに位置1乃至3で切り出される部位面に対応する3枚の医用画像が得られる。その結果、部位A乃至Cから、合計9枚の医用画像が得られる。
【0100】
なお、以下の説明では、各部位の切り出し位置を区別するために、部位Aの切り出し位置を、採取部位位置A1,A2,A3と称し、部位Bの切り出し位置を、採取部位位置B1,B2,B3と称し、部位Cの切り出し位置を、C1,C2,C3と称する。
【0101】
また、医用画像を採取部位単位で並び替えるためには、医用画像の対象となる採取部位を特定するための情報(以下、採取部位情報という)が必要となる。この採取部位情報の取得方法としては、例えば、入力される医用画像に対して、採取部位を特定するための採取部位属性などのメタデータを、あらかじめ付加しておく方法がある。この方法により、画像並び替え部15は、医用画像の並び替え時に、医用画像に付加された採取部位属性(採取部位情報)を取得して、採取部位単位で医用画像を並び替えることが可能となる。
【0102】
また、採取部位情報の取得方法としては、上述したメタデータを付加しておく方法以外でも、例えば、医用画像の入力時に、入力される医用画像に対して、使用者が採取部位情報を直接入力する方法など、他の方法を採用することも可能である。
【0103】
図13乃至図15には、ある1人の患者について、病変進行度に応じて医用画像を採取部位単位で並び替える例を示している。
【0104】
なお、図13乃至図15において、各医用画像には、その上部の領域にA1乃至C3の採取部位位置が記述され、その下部の領域に病変進行度スコア又はその順位を示す病変進行度順序が記述されている。
【0105】
図13は、医用画像が病変進行度スコアの高い順に採取部位単位で並び替えられた場合の例を示している。
【0106】
図中上側の9枚の医用画像のように、並び替え前は入力順、すなわち、部位A,B,Cの順にそれぞれ3枚ずつ並べられていた医用画像が、採取部位単位で並び替えられることで、図中下側の9枚の医用画像のように並び替えられる。
【0107】
すなわち、採取部位ごとの最大病変進行度に注目すれば、部位A,B,Cの最大病変進行度は、0.85,0.92,0.68となるので、それらの最大病変進行度の高い順に、部位B,A,Cの順に並び替えられる。また、各部位ごとの医用画像についても、病変進行度の高い順にそれぞれ並び替えられる。
【0108】
なお、病変進行度と採取部位による医用画像の順序の並び替えのバリエーションとしては、図14に示すように、例えば、採取部位順、採取部位単位での病変進行度スコア順、病変進行度スコア順で並び替える方法がある。
【0109】
上段の採取部位順での並び替えでは、医用画像が、病変進行度順序とは関係なく、採取部位位置の順序で並び替えられる。すなわち、採取部位位置に注目すれば、採取部位位置A1,A2,A3,B1,B2,B3,C1,C2,C3の順で、医用画像が並び替えられる。
【0110】
中段の採取部位単位での病変進行度スコア順での並び替えでは、医用画像が採取部位単位で病変進行度の高い順で並び替えられ、さらに、採取部位ごとの医用画像についても病変進行度が高い順で並び替えられる。なお、この並び替えの順序は、先に述べた図13の採取部位単位での並び替えの順序と同様である。
【0111】
下段の病変進行度スコア順での並び替えでは、医用画像が、採取部位位置とは関係なく、病変進行度の高い順序で並び替えられる。すなわち、病変進行度順序に注目すれば、病変進行順序1乃至9の順で、医用画像が並び替えられる。
【0112】
以上のように、並び替えの条件として、上述した病変進行度スコアの他に、採取部位情報を用いることで、医用画像を採取部位単位で並び替えることができる。
【0113】
また、図14に示すように、並び替えられた医用画像には、それぞれ採取部位位置と病変進行度順序が示されているので、医師はそれらの順序を確認することで、並び替えの順序を瞬時に把握することができる。
【0114】
なお、図14に示した、採取部位順、採取部位単位での病変進行度スコア順、病変進行度スコアなどの並び替えの順序は、例えば、医師の操作により設定できるものとする。
【0115】
また、図15に示すように、所定の順序に並び替えられた医用画像に対応付けて、その採取部位に対応する画像(以下、採取部位画像という)が提示されるようにしてもよい。
【0116】
この場合、部位Aに対応する採取部位画像と、その部位Aの採取部位位置A1,A2,A3から切り出される部位面を撮影して得られる3枚の医用画像が対応して提示される。同様にまた、部位B,Cに対応する採取部位画像と、それらの部位からそれぞれ得られた3枚の医用画像が対応して提示される。
【0117】
これにより、医師は、採取部位画像を参照して、確認している医用画像が、どの部分から採取された部位面であるのかを直感的に理解することができるので、診断時の参考情報として役立てることができる。
【0118】
なお、採取部位画像を提示させるためには、医用画像に対応する採取部位画像を取得する必要があるが、この採取部位画像の取得方法としては、例えば、次の方法がある。すなわち、画像入力部11により医用画像が取得されるとき、対応する採取部位画像についても取得されるようにして、医用画像とそれに対応する採取部位画像が順次、画像並び替え部15に供給されるようにすればよい。
【0119】
また、採取部位画像の取得方法としては、上述した画像入力部11により取得する方法以外でも、他の方法を採用することも可能である。
【0120】
以上のように、病変進行度スコアに応じて所定の順序に並び替えられた医用画像が提示され、医用画像が優先度の高い順に提示されるので、医師は、その順序で提示される医用画像を用いて診断を行うことで、診断の効率を向上させることができる。
【0121】
また、医師は病変がある可能性の高い医用画像を優先的に診断できるようになるため、はやいタイミングで病変が発見されることが期待される。これにより、患者の治療を早期に行うことができる。また、病変発見後の同患者の診断を省略することができるので、医師の診断時間を短縮することができる。その結果、医師の診断の効率を向上させることができる。
【0122】
また、患者情報を用いて、医用画像を患者単位で並び替えることができるので、医師は、患者ごとに病変が最も進行したと認識された医用画像から順に診断して、早期に病変を発見することができる。
【0123】
さらに、採取部位情報を用いて、医用画像を採取部位単位で並び替えることができるので、医師は、採取部位ごとに病変が最も進行したと認識された部位を含む医用画像から順に診断して、早期に病変を発見することができる。また、採取部位ごとに医用画像がまとまっているので、医師は、その部位の診断を容易に行うことができる。
【0124】
採取部位単位で並び替えられた医用画像に対応付けて、その採取部位に対応する採取部位画像を提示することができるので、医師は、採取部位画像を参照して、確認している医用画像が、どの部分から採取された部位面であるのかを直感的に理解することができる。
【0125】
また、各医師が専門とする症例に応じて医用画像を分配するに際し、熟練度に応じて医用画像を分配することができるので、病院全体として診断を効率的に行うことができる。
【0126】
<2.変形例>
上述した実施の形態では、医師専門分野データベース14に、医師の熟練度を格納し、その熟練度に応じて担当医師が決定されることを説明したが、例えば、希少な症例や、悪性腫瘍と良性腫瘍の境目の症例などの難易度の高い症例に対しては、熟練度が高い医師が、担当医師として決定されるようにすることができる。
【0127】
具体的には、例えば、入力される医用画像を蓄積する蓄積部(不図示)を設けて医用画像を順次蓄積し、蓄積された医用画像の症例を解析しておくことで、新たに入力された医用画像を解析して得られる症例と、蓄積された医用画像の症例とを比較する。そして、それらの症例が同一又は類似とならず、希少な症例であると認識された場合には、熟練度が高い医師が、担当医師として決定されるようにすればよい。また、医師の熟練度よりも少し高いレベルの症例を担当させることで、その医師の学習効率を高めることもできる。
【0128】
これにより、難易度の高い症例に対しては、熟練度が高い医師に分配することができるので、病院全体として診断を効率的に行うことができる。
【0129】
また、上述した実施の形態では、正常、良性腫瘍、悪性腫瘍のスコアを基に病変進行度スコアを計算し、その病変進行度のスコアに応じて医用画像を並び替える例を説明したが、例えば、腫瘍の可能性などの情報を用いて、医用画像を並び替えてもよい。
【0130】
具体的には、例えば、病変認識部12によって、入力される医用画像に対して所定の画像認識処理を施して、採取部位についての良性腫瘍又は悪性腫瘍である確率を計算し、その計算結果を基に病変進行度のスコアを計算する。例えば、第1の医用画像における採取部位の良性の確率が90%であって、第2の医用画像における採取部位の悪性の確率が50%である場合には、第1の医用画像よりも第2の医用画像が優先的に提示されるように並び替える。
【0131】
これにより、例えば、良性腫瘍よりも悪性腫瘍の確率が低い場合であっても、悪性腫瘍のほうが問題となるので、悪性腫瘍の医用画像が、優先的に提示されるように並び替えることができる。
【0132】
また、上述した本実施の形態では、提示される医用画像として、医用画像(例えば図5の医用画像)そのものを提示する例を説明したが、病変進行度認識器21により認識される病変進行度のスコアに対応する病変進行度認識画像(例えば図5の病変進行度認識画像)を提示してもよい。病変進行度認識画像を提示する場合、その画像から、病変進行度を直ちに確認することができるため、病変進行度の高い部位を優先的に診断して、医師の診断の効率を向上させることができる。一方、医用画像そのものを提示する場合、例えば病変進行度認識器21の認識の精度が低い場合には、誤って認識された病変進行度のスコアに対応する病変進行度認識画像が得られることになる。この場合、正確でない病変進行度認識画像を提示してしまうと、医師の診断のミスリード(誤誘導)を招くことになるので、医用画像を提示するのが好適である。
【0133】
さらに、医用画像を蓄積する蓄積部(不図示)を設けて、画像並び替え部15は、医用画像を並び替えるに際して、並び替えられた医用画像を消去せずに、蓄積部に保持されるようにする。これにより、病変進行度認識器21や病変種類認識器22に誤認識があったとしても、病変認識処理が施される前の医用画像を提示することができるので、医師が病変などを見落とす可能性を低減することができる。
【0134】
[本発明を適用したコンピュータの説明]
ところで、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、又は、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータ等に、プログラム記録媒体からインストールされる。
【0135】
図16は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータの構成の例を示す図である。
【0136】
このコンピュータ100において、CPU(Central Processing Unit)101,ROM(Read Only Memory)102,RAM(Random Access Memory)103は、バス104により相互に接続されている。
【0137】
バス104には、さらに、入出力インタフェース105が接続されている。入出力インタフェース105には、キーボード、マウス、マイクロホンなどよりなる入力部106、ディスプレイ、スピーカなどよりなる出力部107、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる記憶部108、ネットワークインタフェースなどよりなる通信部109、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリなどのリムーバブルメディア111を駆動するドライブ110が接続されている。
【0138】
以上のように構成されるコンピュータ100では、CPU101が、例えば、記憶部108に記憶されているプログラムを、入出力インタフェース105及びバス104を介して、RAM103にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
【0139】
なお、コンピュータが実行するプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0140】
また、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0141】
1 医用画像処理装置, 11 画像入力部, 12 病変認識部, 13 医師決定部, 14 医師専門分野データベース, 15 画像並び替え部, 16 画像提示部, 21 病変進行度認識器, 22 病変種類認識器, 100 コンピュータ, 101 CPU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力される複数の医用画像に対して所定の画像認識処理を施して、病気による生体の変化の進行度を表す病変進行度を認識する病変進行度認識手段と、
認識された前記病変進行度に基づいて、複数の前記医用画像を所定の順序に並び替える並び替え手段と、
所定の順序に並び替えられた前記医用画像を提示する提示手段と
を備える情報処理装置。
【請求項2】
入力される複数の医用画像から、病気の種類を表す病変種類を認識する病変種類認識手段と、
医師の専門分野を定めた医師専門分野情報に基づいて、認識された前記病変種類に対応する前記医用画像を担当する担当医師を決定する決定手段と
をさらに備え、
前記並び替え手段は、認識された前記病変進行度に基づいて、決定された前記担当医師ごとの前記医用画像を所定の順序に並び替える
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記病変進行度認識手段は、前記医用画像の各画素の特徴量として統計的画像特徴量を算出し、前記統計的画像特徴量に基づき、あらかじめ学習されている病変進行度認識器を用いて、前記病変進行度を認識し、
前記並び替え手段は、前記病変進行度認識器により認識される前記病変進行度のスコアの高い順に前記医用画像を並び替える
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記並び替え手段は、前記医用画像の対象となる患者を特定するための患者情報に基づいて、前記医用画像を患者単位で並び替える
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記並び替え手段は、前記医用画像の対象となる採取部位を特定するための採取部位情報に基づいて、前記医用画像を採取部位単位で並び替える
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記提示手段は、採取部位単位で並び替えられた前記医用画像に対応付けて、その採取部位に対応する採取部位画像を提示する
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記提示手段は、前記医用画像に対応させて、前記病変進行度の順番を示す情報又は採取部位の位置を示す情報を提示する
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記医師専門分野情報には、医師の熟練度に関する情報が含まれており、
前記決定手段は、前記医師の熟練度に応じて、前記担当医師を決定する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記提示手段は、前記医用画像の代わりに、前記病変進行度認識器により認識される前記病変進行度のスコアに対応する病変進行度認識画像を提示する
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項10】
情報処理装置が、
入力される複数の医用画像に対して所定の画像認識処理を施して、病気による生体の変化の進行度を表す病変進行度を認識し、
認識された前記病変進行度に基づいて、複数の前記医用画像を所定の順序に並び替え、
所定の順序に並び替えられた前記医用画像を提示する
ステップを含む情報処理方法。
【請求項11】
入力される複数の医用画像に対して所定の画像認識処理を施して、病気による生体の変化の進行度を表す病変進行度を認識する病変進行度認識手段と、
認識された前記病変進行度に基づいて、複数の前記医用画像を所定の順序に並び替える並び替え手段と、
所定の順序に並び替えられた前記医用画像を提示する提示手段と
して、コンピュータを機能させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2012−88828(P2012−88828A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−233279(P2010−233279)
【出願日】平成22年10月18日(2010.10.18)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【出願人】(000173588)公益財団法人がん研究会 (34)