説明

情報処理装置及び遠隔管理システム

【課題】遠隔監視される装置に異常が発生した場合に、容易に障害発生前後の装置の動作ログを取得する。
【解決手段】画像処理装置と連動することにより画像処理機能を提供する情報処理装置であって、画像処理機能を提供するメインコントローラと、LPCバス120を介してメインコントローラと接続されたEC130とを含み、EC130は、情報処理装置へ情報を入力する複数種類の入力ポートと、入力ポートを制御すると共にメインコントローラの異常を検知するメイン処理制御部131と、情報処理装置の異常動作時においてネットワーク通信を行うネットワーク通信制御部132とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び遠隔管理システムに関し、特に、遠隔監視される装置の異常時の処理に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報の電子化が推進される傾向にあり、電子化された情報の出力に用いられるプリンタやファクシミリ及び書類の電子化に用いるスキャナ等の画像処理装置は欠かせない機器となっている。このような画像処理装置は、撮像機能、画像形成機能及び通信機能等を備えることにより、プリンタ、ファクシミリ、スキャナ、複写機として利用可能な複合機として構成されることが多い。
【0003】
また、PC(Personal Computer)と同様の情報処理機能を有し、様々な機能に対応するアプリケーションがインストールされた画像処理装置と上記の複写機とを連動させて動作させることにより、様々な画像処理機能を実現することが行われている。
【0004】
このような複合機と情報処理装置とを連動させた構成により、様々な画像処理機能が実現可能となる他、インターネット等の公衆回線を介することにより、情報処理装置の遠隔監視が可能となる。装置の遠隔監視の例として、例えば、機器を監視する機器監視装置と、機器監視装置を介して機器を管理する遠隔管理装置とを含むシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
特許文献1に開示されたシステムにおいては、遠隔監視装置が算出した監視間隔調整値に基づいて機器監視装置が各機器から機器情報を取得することにより、機器の利用状況や運用状況に応じた適切な監視間隔で管理対象機器の遠隔管理が可能となることが開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
機器を遠隔監視する目的の1つとして、障害発生時の対応が上げられる。特に障害発生前後の装置の動作ログを取得することは、障害発生時において重要な対応の1つである。しかしながら、監視対象の装置に不具合が発生してネットワークを介した通信が不可能な状態になると、遠隔監視が不可能となってしまい、その目的を達成することはできない。そのような課題は特許文献1においても考慮されていない。
【0007】
本発明は、上記実情を考慮してなされたものであり、遠隔監視される装置に異常が発生した場合に、容易に障害発生前後の装置の動作ログの取得を可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、画像処理装置と連動することにより画像処理機能を提供する情報処理装置であって、前記画像処理機能を提供するメインコントローラ部と、一方の動作状態が他方に影響しないインタフェースを介して前記メインコントローラ部と接続されたサブコントローラ部を含み、前記サブコントローラ部は、前記情報処理装置へ情報を入力する複数種類の入力ポートと、前記入力ポートを制御するサブコントローラ制御部と、前記メインコントローラ部の異常を検知する異常検知部と、少なくとも前記情報処理装置の異常動作時においてネットワークを介して通信を行うサブ側通信制御部とを含み、前記サブコントローラ制御部は、前記入力ポートを介して入力された情報に基づいて前記情報処理装置の動作履歴の情報を記憶媒体に格納し、前記メインコントローラ部の異常が検知された場合に、前記情報処理装置をネットワークを介して管理する遠隔管理装置に対して前記記憶媒体に格納された前記動作履歴の情報を送信するように前記サブ側通信制御部を制御することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の他の態様は、画像処理装置と連動することにより画像処理機能を提供する情報処理装置と、前記情報処理装置をネットワークを介して管理する遠隔管理装置とを含む遠隔管理システムであって、前記情報処理装置は、前記画像処理機能を提供するメインコントローラ部と、一方の動作状態が他方に影響しないインタフェースを介して前記メインコントローラ部と接続されたサブコントローラ部を含み、前記サブコントローラ部は、前記情報処理装置へ情報を入力する複数種類の入力ポートと、前記入力ポートを制御するサブコントローラ制御部と、前記メインコントローラ部の異常を検知する異常検知部と、少なくとも前記情報処理装置の異常動作時においてネットワークを介して通信を行うサブ側通信制御部とを含み、前記サブコントローラ制御部は、前記入力ポートを介して入力された情報に基づいて前記情報処理装置の動作履歴の情報を記憶媒体に格納し、前記メインコントローラ部の異常が検知された場合に、前記遠隔管理装置に対して前記記憶媒体に格納された前記動作履歴の情報を送信するように前記サブ側通信制御部を制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、遠隔監視される装置に異常が発生した場合に、容易に障害発生前後の装置の動作ログを取得することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態に係るシステムの運用形態を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る画像処理装置の構成を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係るECの構成を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係るECの動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態に係るEC及びメインコントローラの動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態に係る情報処理装置の異常動作時におけるEC及び遠隔管理装置の動作を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。本実施形態においては、図1に示すように、プリンタ、スキャナ、複写機等の機能を含む複合機である画像処理装置2と、画像処理装置2と連動することにより様々な機能を提供する情報処理装置1と、ネットワークを介して情報処理装置を管理する遠隔管理装置3とを含む遠隔管理システムを例として説明する。
【0013】
情報処理装置1は、ネットワーク機能と複数のI/Oポートを内蔵したEC(Enbedded Controller)を備えている。I/Oポートには情報処理装置に対する入力電源、情報処理装置自体の電源状態、各種ボタンの状態を示す信号線が接続されている。これらの信号線に変化があった場合はECの内蔵メモリにログが保存される。
【0014】
情報処理装置1内のECは、情報処理装置1におけるメインのコントローラと専用バスで接続されており、情報処理装置1とコマンドI/Fで通信することが出来るため、情報処理装置1が正常起動した場合には、情報処理装置1で起動しているアプリケーションがECと通信することも可能となる。
【0015】
情報処理装置1には小型バッテリが備えられており、ECもバッテリから電源供給を受けることが可能となる。そのため、情報処理装置1に対する電源供給が遮断された場合でもECは動作可能であり、情報処理装置1が起動不能に陥った場合には、ECが遠隔管理装置3へ情報処理装置の状態を通知することが出来る。また、情報処理装置1が起動不能に陥った場合であってもECの単独での動作を可能とするため、上述したメインコントローラとECとを接続する専用バスは、一方が動作不能であっても他方の動作に影響しないインタフェースが用いられる。
【0016】
情報処理装置1が正常に起動している場合、ECは、情報処理装置1のメインコントローラ側において保存されている各種情報を、専用バスを介して読み出すことが可能であり、情報処理装置1から遠隔管理装置3へ全ての情報を通知することが出来る。
【0017】
ECが備えているI/Oポートは、情報処理装置1の電源ボタンやキーボタン等と接続されているため、遠隔管理装置3が、ネットワークを介してECにコマンドを送信することにより、情報処理装置1の電源ボタンやキーボタンを操作することも可能となる。
【0018】
遠隔管理装置3は、機器管理システムのホストサーバーとなっており、情報処理装置1の状態や利用状況などの情報を一括して管理している。情報処理装置1が起動不能に陥った場合は、ECから遠隔管理装置3へ情報処理装置1の状況が通知される。ECの機能を利用することで、遠隔監視装置3が情報処理装置1の電源ON/OFFやリセットをEC経由で操作することも可能となる。
【0019】
次に、情報処理装置1の構成について図2を参照して説明する。図2に示すように、情報処理装置1は、メインコントローラ100とEC130とが、専用バスであるLPC(Low Pin Count)バス120を介して接続されて構成されている。
【0020】
メインコントローラ100は、CPU(Central Processing Unit)101、CPUブリッジ102、RAM(Random Access Memory)103、VGA(Video Graphics Array)104、I/Oブリッジ105、HDD(Hard Disk Drive)106、I/F107及びNC(Network Controller)108を含み、情報処理装置1の主な情報処理機能を実現する。
【0021】
CPU101は演算装置であり、情報処理装置1全体の動作を制御する。CPUブリッジ102は、CPU101とRAM103やVGA104及びI/Oブリッジ105との間で情報を転送する。RAM103は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、CPU101が情報を処理する際の作業領域として用いられる。
【0022】
RAM103にロードされたOS(Operating System)、アプリケーション・プログラム等に従ってCPU101が演算を行うことにより、情報処理装置1の各部の制御やデータの演算、画像処理等の機能が実現される。そのようにして実現される機能により、CPU101は、入力装置や記憶装置からデータを受け取り、演算、加工した上で、出力装置や記憶装置に出力する。これにより、情報処理装置1が画像処理装置2と連動することにより提供される画像処理機能が実現される。
【0023】
VGA104は、CPU101による制御に応じて、表示装置であるLCD(Liquid Crystal Display)110に情報を表示するための表示制御部であり、CPU101からの描画命令を処理し、描画データを表示装置内のメモリに書込むとともに、LCD110に出力する。
【0024】
I/Oブリッジ105は、情報処理装置1全体の制御部として機能するCPU101側と、様々なデバイスとの間で情報を転送する。HDD106は、I/Oブリッジ105に接続されている不揮発性の記憶装置であり、上述したOSやアプリケーション・プログラム等が格納される他、処理対象の画像情報等も格納される。また、HDD106には、画像処理装置2が管理する各種情報(例えば、ユーザ情報など)が格納され、データベース、ファイルシステムなどの機能により管理される。
【0025】
I/F107は、USB(Universal Serial Bus)メモリ等の外部記憶装置や、各種の外部デバイスを接続するためのインタフェースである。NC108は、情報処理装置1がネットワークを介して他の機器と通信するための通信インタフェースであり、Ethernet(登録商標)等が用いられる。メインコントローラ100においては、CPU101がNC108のドライバ・プログラムに従って演算を行うことにより、通信を制御するメイン側通信制御部が構成される。
【0026】
図1に示すように、情報処理装置1は、ネットワークを介して画像処理装置2や、遠隔管理装置3と接続される。即ち、NC108は、情報処理装置1の通信インタフェースであると共に、画像処理装置2との間で情報をやり取りするインタフェースであり、画像処理装置2においてスキャンされて生成された画像情報の取得や、画像処理装置2において画像形成出力するべき画像情報の送信等を行う。
【0027】
EC130は、本実施形態の要旨に係る構成であり、情報処理装置1に異常が発生した場合に遠隔管理装置3との間で通信を行い、通信不能となったメインコントローラ100に替わって情報処理装置1の状態を遠隔管理装置3に伝える機能を提供する。即ち、EC130が、サブコントローラ部として機能する。
【0028】
EC130は、I/Oブリッジ105とLPCバス120を介して接続されており、I/Oブリッジ105を介してCPU101と情報をやり取りすることが可能である。EC130には、PSU141、FAN142、各種センサ143、各種ボタン144、LED145、EC130専用のLCD146、EEPROM147及びEC専用のNC148が夫々接続される複数種類の入力ポートが備わっている。CPU101からEC130に対してデータを送信する場合はI/O操作で実現できる。
【0029】
LPCバス120は、I/Oブリッジ105とEC130との間の情報のやり取りを仲介するインタフェースであると共に、一方の動作に不具合が生じた場合であっても他方の動作に影響を及ぼさないという特性を有する。そのため、メインコントローラ100において動作の不具合が生じたとしても、EC130は独自に動作することが可能となる。
【0030】
PSU141は、情報処理装置1全体の電源装置であり、供給される商用電源に基づいて情報処理装置1の各部に電力を供給する。尚、情報処理装置1には、図示しないバッテリ装置も搭載されており、商用電源が切断された場合の補助電源装置として機能する。バッテリ装置への充放電制御はEC130が管理しており、商用電源状態により充電制御を実施する。
【0031】
各種センサ143は、バッテリ電圧、バッテリ温度、周囲温度、演算処理装置の温度に対応したアナログ電圧を測定できる。周囲温度上昇時には、EC130がFANの回転数をコントロールすることで装置内の温度上昇を防ぐことができる。
【0032】
各種ボタン144は、情報処理装置1に入力される電源ボタンやリセットボタン、その他キーコントロール用のボタンを含み、EC130は各種ボタンに対応した信号の状態を監視する。そして、信号状態に変化があった場合、EC130は、変化が有った信号をLPCバス120を介してCPU101に通知する。電源ボタンとリセットボタンはI/Oブリッジに直接出力することで、情報処理装置の電源制御が行える。
【0033】
キーコントロール用ボタンは、上下左右、実行、キャンセルボタンなどを備えている。ECは、情報処理装置の電源状態を示す状態をLED145に表示したり、エラー発生時には専用のLED145を点灯させたりすることが出来る。ここで、上述したように、情報処理装置1は、画像処理装置2と連動することによって様々な画像処理機能を実現するものであり、各種ボタン144に含まれるキーコントロール用ボタン等は、情報処理装置1を介して画像処理装置2を操作するために設けられる操作部である。
【0034】
EC専用のNC148は、EC130に内蔵されているLAN(Local Area Network)コントローラと接続されており、情報処理装置1のメインコントローラ100が不具合により動作停止した場合に、EC130がネットワークを介して通信を行うための通信インタフェースである。
【0035】
LCD146は、EC130の内部状態や情報処理装置1の状態を表示するためのEC130専用の表示装置であると共に、タッチパネルとして操作部を構成する操作装置でもあり、情報処理装置1の状態やエラーコードを表示できる。上記キーコントロール用ボタンと同様、LCD146のタッチパネルも、画像処理装置2を操作するために設けられる。また、LPCバス120を介すことで、CPU101から、EC専用のLCD146に情報を表示させることも可能である。
【0036】
EEPROM147はEC130が管理する不揮発性の書込み可能な記憶媒体である。EC130はHDD106等の補助記憶装置を持たない代わりにEEPROM147を持つことで、EC130がリセットした場合でもデータを保存できる環境を有する。
【0037】
次に、本実施形態に係るEC130の構成について、図3を参照して説明する。図3に示すように、本実施形態に係るEC130はメイン処理制御部131、ネットワーク通信制御部132、電源監視制御部133、FAN制御部134、環境監視部135、I/O監視部136、LPCインタフェース制御部137、LCD制御部138、LED制御部139、EEPROM制御部140及びウォッチドッグ制御部150を含む。
【0038】
LPCインタフェース制御部137は、LPCバス120を介してI/Oブリッジ105と接続されており、CPU101との間でデータのやり取りを行う。LPCバス120はIRQ(Interrupt ReQuest)などの割込み機能を有しており、LPCインタフェース制御部137は、EC130の内部ステータスに変更があった場合に情報処理装置に対して割込みを発生することが出来る。
【0039】
メイン処理制御部131は、EC130が持つ各機能を順次処理するよう調停を行うことにより、上述した夫々の入力ポートを制御する中央の制御部である。即ち、メイン処理制御部131が、サブコントローラ制御部として機能する。また、メイン処理制御部131は、メインコントローラ100において動作異常が発生していることを検知する異常検知部としても機能する。
【0040】
更に、EC130によるEEPROM147への動作履歴情報の格納は、各入力ポートからの入力信号を受け付けたメイン処理制御部131が、EEPROM制御部140を制御することによって実行される。EC130が起動すると、メイン処理制御部131が処理を開始し、これにより夫々のI/O制御部が順次実行される。
【0041】
電源監視制御部133は、PSU141などの電源ユニットの入力電圧、および、情報処理装置の電源状態を監視する。入力電圧は、PSU141に入力される商用電源のAC(Alternating Current)電源プラグ(AC100V)の状態を示す信号であり、これを監視することによりPSU141の電源状態を監視できる。また、電源監視制御部133は、電源ボタンやリセットボタンが押下された場合にI/Oブリッジ105に対してPowerボタン押下、および、リセットボタン押下と同等の信号を与えることが出来る。
【0042】
更に、電源監視制御部133は、バッテリの充放電制御を実施する。PSU141のAC電源が切断された場合には、電源監視制御部133によってバッテリ電源に切り替わりバッテリは放電を開始する。バッテリ放電中にPSU141への電源が回復した場合はバッテリ充電制御に切り替わる。
【0043】
FAN制御部134は、情報処理装置の内部温度やバッテリ温度を一定に保つために空冷式のFAN142を制御する。環境監視部135が各種センサ143の検知信号に基づいて温度を監視し、それによって取得された情報を、FAN制御部134がFAN142の回転制御に用いる。
【0044】
環境監視部135は、各種センサ143の出力信号に基づき、バッテリ電圧、バッテリ温度、周囲温度、演算処理装置の温度などを監視する。環境監視部135は、バッテリ電圧が一定値以下になるとバッテリ制御部へ通知し、これにより電源監視制御部133がバッテリの充電制御を実施する。また、バッテリ温度が一定値以上になるとバッテリ寿命を著しく低下させる恐れがあるため、電源監視制御部133は環境監視部135からの通知に基づいて充電制御を停止し、FAN142の回転数を調整する。
【0045】
I/O監視部136は、情報処理装置の各種キーボタンが接続されており、EC130はポーリングや割込み処理で、各種ボタン144に対応した信号を監視する。キーボタンの信号に変化があった場合は、I/O監視部136は、LPCバス120を介して情報処理装置に通知する。
【0046】
ネットワーク通信制御部132は、EC130がNC148を介して遠隔管理装置3と通信するための制御部となる。ネットワーク通信制御部132は、EC130に内蔵されたイーサネットコントローラや外部IC(Integrated Circuit)を利用しても良い。EC130は、情報処理装置1のメインコントローラ100が正常に動作してNC108による通信が行われている場合に、遠隔管理装置のIP(Internet Protocol)アドレスなどを取得しておき、EEPROM147などの不揮発性の書込み可能なROMに保存しておく。
【0047】
情報処理装置1のメインコントローラ100が動作不能状態となった場合、ネットワーク通信制御部132は、保存しておいた遠隔管理装置3のIPアドレスを用いて遠隔管理装置3と通信を行い、EC130の内部メモリやEEPROM147に保存していた情報を送信する。また、遠隔管理装置3からの要求を受け取り、情報処理装置1に対する電源制御やリセット制御を行うことも可能となる。即ち、ネットワーク通信制御部132が、サブ側通信制御部として機能する。
【0048】
LCD制御部138は、情報処理装置1の電源状態やEC130の内部状態等を示す文字、記号などをLCD146に表示させる。また、情報処理装置1のメインコントローラ100が動作不能となった場合は、その状態をLCD146に表示させる。
【0049】
また、情報処理装置1のメインコントローラ100が正常動作している場合には、LPCバス120を介して情報を受け取ることにより、メインコントローラ100側の制御に基づいてEC130のLCD146に特定の情報を出力することや、遠隔監視装置から受け取った情報を出力することも可能となる。EC130は、様々なメニューをLCD制御部139を介してLCD146へ表示する。
【0050】
メニュー画面には、例えば、画像処理装置2の利用者が画像処理装置2を操作するための基本メニューや、機器のメンテナンス目的で使用するメニューなどがある。これらのメニューを介して情報処理装置1及び画像処理装置2の状態や起動モードの変更、異常時の対応方法などを変更する。
【0051】
LED制御部138は、情報処理装置1の電源状態を表示する電源LEDや、情報処理装置1、または、EC130に異常が発生した場合に表示するエラーLEDを制御する。電源LEDは、情報処理装置1の電源状態によって点灯サイクルを変化させ、利用者に情報処理装置1の電源状態が認識できるようにする。エラーLEDは、メインコントローラ100、または、EC130の異常状態によって点灯サイクルを変化させ、利用者にメインコントローラ100、または、EC130の異常状態を認識できるようにする。
【0052】
EEPROM制御部140は、EC130が利用する不揮発性ROMであるEEPROM147の制御部であり、EC130をリセットした場合でも保存しておきたい情報が、EEPROM147に保存される。EEPROM147の書き換え可能回数には制限があるが、一定量の書込み情報が蓄積させるまでEC130内でキャッシュすることで、書き込み回数を減らしEEPROM147の寿命を延ばすことが出来る。
【0053】
ウォッチドッグ制御部150は、EC130が一定時間以上暴走した場合にEC130を再起動させるための制御部であり、サブコントローラ再起動部として機能する。EC130が暴走した場合、他の処理にも影響を及ぼし、情報処理装置1のメインコントローラ100を正しく監視できない場合があるため、ウォッチドッグタイマがEC130を再起動させることで、EC130を正常な状態に戻す働きを持つ。
【0054】
具体的に、ウォッチドッグ制御部150はウォッチドッグタイマを有し、そのカウント値が予めセットしてある期間に達すると、タイムアウトとしてEC130をハードウェア的にリセットする機能を有する。これに対して、メイン処理制御部131は、ウォッチドッグタイマがタイムアウトする前に、所定期間毎にウォッチドッグタイマのカウント値をリセットする機能を有する。
【0055】
このため、EC130の動作状態が正常であれば、メイン処理制御部131がウォッチドッグタイマのカウント値をリセットするため、ウォッチドッグタイマのタイムアウトは発生せず、その結果EC130もリセットされない。他方、EC130の動作状態に何らかの異常が生じ、メイン処理制御部131によるウォッチドッグタイマのリセットが正常に実行されなかった場合、EC130がハードウェア的にリセットされ、異常を解消することができる。
【0056】
次に、本実施形態に係るEC130の動作について、図4のフローチャートを参照して説明する。図4に示すように、情報処理装置1にAC電源が投入されると(S401)、EC130に電源が供給されてEC130が起動する(S402)。EC130にはAC電源の投入に応じて電源が供給されるが、他にスイッチを設けてスイッチON時にEC130が起動するようにしても良い。
【0057】
EC130が起動すると、メイン処理制御部131の制御に従い、EC130内部変数や各種レジスタの初期化が実行される(S403)。EC130の初期化処理が完了すると、EC130内の各制御部が、対応する部位の監視及び制御を開始する(S404)。S404において、電源監視制御部133は、情報処理装置1の電源状態の監視及び制御を行う。
【0058】
電源状態とは、情報処理装置1のACPI(Advanced Configuration and Power Interface)の各ステートを示す。また、電源制御においては、情報処理装置1がS5、即ち電源OFFの場合に、EC130のI/OポートからPowerボタン押下の信号を出力して情報処理装置1をS0、即ち電源ONに出来る。
【0059】
また、S404において、I/O監視部136は、各種ボタン144のキーボタンに対応する信号の状態をポーリングで監視する。制御は、キーボタンや電源ボタンの信号状態によって、例えば情報処理装置1の電源をON/OFFする。必要に応じて情報処理装置1の強制電源OFFやリセットパルスを出力することも出来る。
【0060】
また、S404において、電源監視制御部133は、情報処理装置1に備えられているバッテリの接続状態を監視し、充電可能な場合はバッテリへの充電制御を実施する。バッテリが満充電の場合はトリクル充電制御を実施して、バッテリの満充電を維持する。
【0061】
また、S404において、環境監視部135は、各種センサ143の出力信号に基づき、温度と電圧の監視を行う。温度は、バッテリ温度、情報処理装置1のCPU101の温度、EC130の温度、情報処理装置1の内部温度を監視する。電圧は、バッテリ電圧を監視する。
【0062】
また、S404において、FAN制御部134は、FANの監視・制御を行う。監視は、FANの回転数を監視し、FANが停止している場合は必要に応じて情報処理装置を正常に終了させる。
【0063】
また、S404において、LCD制御部138は、LCD146の制御を行う。LCD146へのメニュー表示時の選択や実行は、キーボタンの信号状態に応じて実行される。また、S404においてLED制御部139は、LED145の制御を行う。また、S404において、EEPROM制御部140は、EEPROM147の制御を行う。EC130は必要なタイミングで履歴などの必要な情報をEEPROM147に保存する。
【0064】
上述したように、EEPROM147は、読み書き可能な記憶媒体であり、電源が供給されていない場合でもデータは記録されている。EEPROM147に記録する情報には、情報処理装置1の電源状態、各種ボタン144の操作ログ、起動後の状態などの履歴データと、情報処理装置1の起動モード、内部フラグ、その他データなどの設定データ等がある。
【0065】
このようにしてEC130が動作開始した後、ウォッチドッグタイマがタイムアウトした場合、(S405/YES)、ウォッチドッグ制御部150がEC130をリセットする(S406)。このような機能により、EC130の動作状態を正常に保つことが可能となる。ウォッチドッグ制御で問題無い場合(S405/NO)、または再起動が完了したEC130は、S404において説明したような通常動作を継続する。
【0066】
ウォッチドッグタイマがタイムアウトすることなく(S405/NO)、EC130の通常動作時において、S403の初期化処理において設定されたタイマのインターバルに達すると(S407/YES)、メイン処理制御部131はタイマ割り込みを発生させる(S408)。このタイマ割り込み処理はメイン処理制御部131による時間測定処理、FAN制御部134を介したFAN回転数のカウンタ処理、LEDの点滅動作処理等である。
【0067】
また、LPCバス120を介してメインコントローラ100側からEC130に割り込み要求が発生すると(S409/YES)、メイン処理制御部131は、LPC割り込み用関数を実行する(S410)。LPC割り込み用関数の実行により、メイン処理制御部131は、LPCバス120のレジスタにセットされたデータを取得してメインコントローラ100からの要求を確認し、要求に応じた処理を実行する。
【0068】
メインコントローラ100からの要求に応じた処理を完了すると、メイン処理制御部131は、LPCバス120のレジスタに、EC130側の処理が完了したことを示すレジスタ値を設定する。メインコントローラ100側では、このレジスタ値によってLPCバス120を介した通信が完了したことを検知し、メインコントローラ100側の処理に戻る。
【0069】
次に、本実施形態に係る情報処理装置1全体の動作について図5を参照して説明する。図5においては、メインコントローラ100、即ちCPU101の制御による動作と、EC130側での動作という観点で動作を説明する。図5に示すように、まず、EC130が何らかのトリガに基づいて電源ON要求を受け付ける(S501)。S501のトリガとなるのは、電源ボタン押下、EC130のLCDメニューからの起動要求、遠隔管理装置からの起動要求などである
【0070】
S501の処理は、EC130のI/O監視部136がI/Oの入力状態に変化があったことを検知した処理に等しい。I/O監視部136は、ポーリングによりI/Oポートを監視しており、状態に変化があった場合に予め決められた制御を実施する。
【0071】
EC130が電源ON要求を受け付けると、電源監視制御部133が、I/Oブリッジ105に対して電源ON信号を出力する(S502)。また、EC130は、メインコントローラ100側への電源ON要求と同時に、正常動作確認タイマのカウントを開始する(S503)。起動タイマとは、メインコントローラ100側が正常に起動したか否かを確認するためのタイムアウト処理をおこなうためのタイマであり、メイン処理制御部131が有するカウンタである。
【0072】
メインコントローラ100側においては、EC130から電源ON要求を受け付けると(S504)、CPU101の制御に従って先ずBIOS(Basic Input/Output System)が起動する(S505)。BIOSは、POST(Power On Self Test)と呼ばれる自己診断機能を実施し、情報処理装置を起動しても問題が無いことを確認する。
【0073】
BIOSが起動すると、次に、CPU101の制御に従ってOSが起動する(S506)。OSが起動すると、CPU101の制御に従って最後にアプリケーションが起動する(S507)。アプリケーションとは、情報処理装置1が利用者に提供する機能を実現するためのソフトウェア・プログラムである。アプリケーションの起動が完了すると、CPU101は、アプリケーションの処理における初期化シーケンスに従い、EC130に対して正常動作確認通知を行う(S508)。
【0074】
以降、メインコントローラ100は、所定の正常動作の通知期間が経過する毎に(S509/YES)、S508に戻って正常動作確認通知を行う(S508)。これにより、EC130側においては、所定期間毎にメインコントローラ100の正常動作を確認することが可能となる。
【0075】
EC130側においては、名処理制御部131が、S503において正常動作確認タイマのカウントを開始した後、所定の期間内にS508の起動完了通知を受信する前に正常動作確認タイマのカウント値が予め定められた期間に達してタイムオーバーとなると(S510/YES)、異常処理を実行する(S512)。
【0076】
上述したように、正常動作確認タイマのカウンタはメイン処理制御部131に含まれるカウンタであり、メイン処理制御部131が異常検知部として機能する。即ち、本実施形態においては、正常動作確認タイマのカウンタが、メインコントローラ100からの所定の期間毎に入力される信号に基づいてリセットされるタイマカウントして機能する。このような構成により、EC130側において容易且つ正確にメインコントローラ100の異常発生を検知することが可能となる。
【0077】
他方、タイムオーバー前に(S510/NO)、正常動作確認通知を受け付けると(S511/YES)、メイン処理制御部131は、正常動作確認タイマのカウンタをリセットして(S513)、S510からの処理を繰り返す。このような処理により、メインコントローラ100が正常に動作していて、S508の正常動作通知が所定期間毎に通知される限り、EC130は、S510、S511、S513を繰り返す。
【0078】
他方、メインコントローラ100側に異常が発生し、正常動作通知が実行されない状態となると、S510においてタイムオーバーが発生し、EC130が異常処理を実行する。
【0079】
次に、本実施形態に係る異常処理の動作の詳細について、図6を参照して説明する。図6は、EC130による異常処理時の動作と、それに応じた遠隔管理装置3の動作とを示すシーケンス図である。図6に示すように、まず、メイン処理制御部131は、EC130の各監視部と制御部による情報処理装置1の状態取得を実施する(S601)。各監視部及び制御部とは、電源監視制御部133、環境監視部135、I/O監視部136などを指し、名処理制御部131は、情報処理装置の電源状態やバッテリ状態、温度状態などを取得する。
【0080】
次に、メイン処理制御部131は、メインコントローラ100が正常動作していた状態から異常判定になるまでの、情報処理装置1の動作履歴データをEC130のEEPROM147や内蔵メモリから取得する(S602)。そして、メイン処理制御部131は、取得した履歴データから異常状態を分析する(S603)。異常状態の分析とは、情報処理装置1の操作履歴に基づき、利用者によって想定外の操作が行われたか、アプリケーションによる想定外の動作が実行されたか等の情報を元に、情報処理装置1が異常判定になった原因を調査する。
【0081】
異常状態の分析が完了すると、メイン処理制御部131は、その分析結果に基づいてエラーコードを決定し(S604)、決定したエラーコードに基づいてLED145の点灯パターンとLCD146の表示内容を決定し、それぞれのデバイスに出力する(S605)。また、メイン処理制御部131は、遠隔管理装置3との通信を開始する(S606)。ここで、本実施形態に係るネットワーク通信制御部132は、メインコントローラ100の通常動作状態においてネットワーク通信を実行しておらず、IPアドレス等の通信設定がされていない。
【0082】
そこで、S606の通信処理に際して、メイン処理制御部131は、情報処理装置1が正常に動作している際のNC108による通信設定情報をメインコントローラ100側から取得して記憶しておき、若しくは異常発生後に入手して、その通信設定情報を用いて通信を行う。尚、メインコントローラ100側から通信設定情報が取得されておらず、異常発生後に入手不可能な場合、EC130のLCDメニュー画面から利用者が入力できる。
【0083】
遠隔管理装置3との通信が可能となると、ネットワーク通信制御部132は、メイン処理制御部131の制御に従って、上述したように取得された履歴データなどの情報を遠隔管理装置3に送信する(S607)。また、既に送信済みのデータがある場合は、差分のみを送信する。送信が成功した場合、メイン処理制御部131は、履歴データに送信済みフラグを設定する。これにより、送信済みデータとの差分を判断することが可能となる。
【0084】
遠隔管理装置3においては、EC130から受信した履歴データ等に基づき、異常に対する対応措置としてLCD146に対する操作信号と同様の操作要求や、電源監視制御部133への電源リセット要求等、EC130において可能な全ての処理から選択された処理の要求を送信する(S608)。S608の処理は、遠隔管理装置3のオペレータによる手動で実行される他、履歴情報によって示されるエラー内容に関連付けられた処理要求が自動で実行される。
【0085】
EC130においては、NC148及びネットワーク通信制御部132を介して、遠隔管理装置3からの処理要求を受け付け(S609)、要求が有った場合(S610/YES)、メイン処理制御部131は、要求に基づいて対応する制御部を制御して処理を実行する(S611)。遠隔管理装置3からの要求に応じた処理を実行すると、メイン処理制御部131は、その処理結果を送信する(S612)。ここで、送信データが膨大になる場合は分割して送信される。
【0086】
図3において説明したように、EC130にはLCD146が接続されており、LCD146はタッチパネルとしての操作部も含む。即ち、EC130は、情報処理装置1へ情報を入力する入力ポートとして、操作部であるLCD146から入力される操作信号を入力するための入力ポートを含む。
【0087】
そのため、S608において遠隔管理装置3が送信する処理の要求を、LCD146によって入力される操作信号と同様の形式とすることにより、S610において、EC130は、通常のLCD146からの操作と同様の処理により、遠隔管理装置3からの処理要求を実行することが可能となり、装置制御を簡略化することが可能となる。
【0088】
その後、メイン処理制御部131は、遠隔管理装置3からの要求を受付ける処理を継続するかどうか判定する(S613)。処理を継続する場合は(S613/YES)S609からの処理を繰り返す。他方、処理を終了する場合(S613/NO)、メイン処理制御部131は、EC130の通常処理である各I/Oポートに対するポーリング、即ち、夫々の監視部、制御部の監視を継続する(S614)。このような処理により、本実施形態に係る異常処理が完了する。
【0089】
このように、本実施形態に係る情報処理装置1においては、各I/Oポートが搭載されたEC130が、異常時において相互に影響しないLPCバス120を介してメインコントローラ100と接続されている。そのため、メインコントローラ100において障害が発生した場合であっても、EC130による通信が可能となり、遠隔管理装置に対して障害発生を通知することや障害原因の解析のための動作ログを送信することが可能となる。
【0090】
また、情報処理装置1に情報を入力するためのI/Oポートが、EC130を介して接続されているため、各I/Oポートを介する処理の動作履歴を、より詳細にEC130において取得することが可能となり、障害原因の解析に有意な情報を遠隔管理装置に送信することが可能となる。
【0091】
また、本実施形態においては、ネットワーク通信制御部132が通信を行う場合、メインコントローラ100側のNC108の通信設定を用いて通信を行う。ネットワーク通信制御部132が通信を行う場合とは、即ちメインコントローラ100側に異常が発生した場合であり、NC108は通信を行わない場合である。そのため、両者で同一のIPアドレスを用いたとしても不具合となることはなく、IPアドレスの使用量を削減することが可能となる。
【0092】
また、NC108とネットワーク通信制御部132、NC148とで同一のIPアドレスを用いることにより、遠隔管理装置3においては、情報処理装置1の通常動作状態も異常動作状態も同一のIPアドレスからの通信となるため、情報処理装置1からの通信である事を容易に判別することが可能となり、処理を簡略化することが可能となる。
【0093】
以上説明したように、本実施形態に係るEC130を含む情報処理装置1を用いることにより、遠隔監視される装置に異常が発生した場合であっても、EC130によるネットワーク通信が可能であるため、容易に障害発生前後の装置の動作ログを取得することが可能となる。
【0094】
尚、上記実施形態においては、図5のS513の処理のトリガの例として、正常動作確認タイマのタイムオーバーを用いる場合を例として説明した。この他、EC130においては、例えば各種センサ143を介して情報処理装置1の状態を確認することが可能である。従って、各種センサ143の検知信号に基づいて環境監視部135が判断することにより、情報処理装置1の動作異常を判断し、図5のS513のトリガとすることも可能である。EC130に各種センサのI/Oポートが設けられているため、このような構成が容易に可能となり、高精度な異常検知が可能となる。
【0095】
また、上記実施形態においては、メインコントローラ100とEC130とを接続するための、一方の動作状態が他方に影響しないインタフェースとして、LPCバスを例として説明した。このようなインタフェースとしては、他にEthernet(登録商標)等を用いることが可能である。
【符号の説明】
【0096】
1 情報処理装置
2 画像処理装置
3 遠隔管理装置
100 メインコントローラ
101 CPU
102 CPUブリッジ
103 RAM
104 VGA
105 I/Oブリッジ
106 HDD
107 I/F
108 NC
110 LCD
120 LPCバス
130 EC
131 メイン処理制御部
132 ネットワーク通信制御部
133 電源監視制御部
134 FAN制御部
135 環境監視部
136 I/O監視部
137 LPCインタフェース制御部
138 LCD制御部
139 LED制御部
140 EEPROM制御部
141 PSU
142 FAN
143 各種センサ
144 各種ボタン
145 LED
146 LCD
147 EEPROM
148 NC
150 ウォッチドッグ制御部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0097】
【特許文献1】特開2010−134645号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像処理装置と連動することにより画像処理機能を提供する情報処理装置であって、
前記画像処理機能を提供するメインコントローラ部と、
一方の動作状態が他方に影響しないインタフェースを介して前記メインコントローラ部と接続されたサブコントローラ部を含み、
前記サブコントローラ部は、
前記情報処理装置へ情報を入力する複数種類の入力ポートと、
前記入力ポートを制御するサブコントローラ制御部と、
前記メインコントローラ部の異常を検知する異常検知部と、
少なくとも前記情報処理装置の異常動作時においてネットワークを介して通信を行うサブ側通信制御部とを含み、
前記サブコントローラ制御部は、前記入力ポートを介して入力された情報に基づいて前記情報処理装置の動作履歴の情報を記憶媒体に格納し、前記メインコントローラ部の異常が検知された場合に、前記情報処理装置をネットワークを介して管理する遠隔管理装置に対して前記記憶媒体に格納された前記動作履歴の情報を送信するように前記サブ側通信制御部を制御することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記メインコントローラ部は、少なくとも前記情報処理装置の正常動作時においてネットワークを介して通信を行うメイン側通信制御部を含み、
前記サブ側通信制御部は、前記情報処理装置の異常動作時において前記メイン側通信制御部の通信設定情報に基づいてネットワークを介して通信を行うことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記サブ側通信制御部は、前記情報処理装置の正常動作時において前記サブコントローラ部において予め取得されて記憶媒体に格納された前記メイン側通信制御部の通信設定情報に基づき、前記情報処理装置の異常動作時においてネットワークを介して通信を行うことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記異常検知部は、
前記メインコントローラ部から所定の期間毎に入力される信号に基づいてリセットされるタイマカウンタをカウントし、
前記タイマカウンタのカウント値が、前記所定の期間よりも長い期間であって予め定められた異常判定期間に達した場合に、前記メインコントローラ部の異常を検知することを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記複数種類の入力ポートは、前記情報処理装置各部の状態を検知するためのセンサの検知信号を入力するための入力ポートを含み、
前記異常検知部は、前記センサの検知信号に基づいて前記メインコントローラ部の異常を検知することを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記複数種類の入力ポートは、ユーザが前記情報処理装置及び前記画像処理装置の少なくとも一方を操作するための操作部から入力される操作信号を入力するための入力ポートを含み、
前記サブコントローラ制御部は、
前記入力された操作信号を前記メインコントローラ部に転送することによりユーザによる操作を前記情報処理装置に通知し、
前記サブ側通信制御部が前記遠隔管理装置に対して前記動作履歴の情報を送信した後、前記遠隔管理装置から受信した前記操作信号に対応する信号を、前記入力ポートから入力された操作信号と同様に前記メインコントローラ部に転送することを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載の情報処理装置。
【請求項7】
予め定められた期間をカウントすると前記サブコントローラ部を再起動するサブコントローラ再起動部を含み、
前記サブコントローラ制御部は、所定の期間毎に前記サブコントローラ再起動部のカウント値をリセットすることにより、前記サブコントローラ制御部が正常に動作している限り前記サブコントローラ部が再起動されないようにすることを特徴とする請求項1乃至6いずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
画像処理装置と連動することにより画像処理機能を提供する情報処理装置と、前記情報処理装置をネットワークを介して管理する遠隔管理装置とを含む遠隔管理システムであって、
前記情報処理装置は、
前記画像処理機能を提供するメインコントローラ部と、
一方の動作状態が他方に影響しないインタフェースを介して前記メインコントローラ部と接続されたサブコントローラ部を含み、
前記サブコントローラ部は、
前記情報処理装置へ情報を入力する複数種類の入力ポートと、
前記入力ポートを制御するサブコントローラ制御部と、
前記メインコントローラ部の異常を検知する異常検知部と、
少なくとも前記情報処理装置の異常動作時においてネットワークを介して通信を行うサブ側通信制御部とを含み、
前記サブコントローラ制御部は、前記入力ポートを介して入力された情報に基づいて前記情報処理装置の動作履歴の情報を記憶媒体に格納し、前記メインコントローラ部の異常が検知された場合に、前記遠隔管理装置に対して前記記憶媒体に格納された前記動作履歴の情報を送信するように前記サブ側通信制御部を制御することを特徴とする遠隔管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−90275(P2013−90275A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−231782(P2011−231782)
【出願日】平成23年10月21日(2011.10.21)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】