説明

情報処理装置及び音声レベル表示方法

【課題】本発明は、番組音声を出力していない子画面の番組映像におけるユーザ所望のシーンを見過ごさせることのないようにする。
【解決手段】本発明は、親画面SG1及び子画面SG2を生成して表示し、親画面SG1に対応した親画面音声だけをスピーカ出力し、子画面に対応した子画面音声の音声レベルが示された子画面音声レベルバーマークLBCMを子画面と対応付けて表示することにより、子画面音声の音声レベルに合わせて子画面音声レベルバーマークLBCMが変化して表示されたとき、子画面SG2に対するユーザの注意を引き、親画面SG1から子画面SG2へ視線を導くことができるので、子画面SG2におけるユーザ所望のシーンを見過ごさせることなくユーザに目視確認させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び音声レベル表示方法に関し、例えば地上波ディジタルテレビジョン放送受信可能なテレビジョン受像機に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、地上波ディジタルテレビジョン放送受信可能なテレビジョン受像機(以下、これを地上ディジタルテレビジョン受像機と呼ぶ)においては、アンテナを介して受信した地上ディジタルテレビジョン放送波から選局先の番組データを抽出してデコードすることによりトランスポートストリームを得る。
【0003】
そして地上ディジタルテレビジョン受像機では、このトランスポートストリームに対してスクランブル解除処理及びフィルタリング処理等を施した後、番組映像、番組音声及び電子番組表に分離し、当該番組映像をLCD(Liquid Crystal Display)等のディスプレイに表示すると共に、番組音声をスピーカから出力するようになされている。
【0004】
またテレビジョン受像機においては、2個のチューナを搭載しているタイプが存在し、同時に2チャンネルの番組をLCDに2画面表示することにより、ユーザに対して2つの番組を視聴させ得るようになされたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2007-43441公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで上述したテレビジョン受像機においては、2チャンネルの番組を親画面と子画面とを介してユーザに同時鑑賞させることは可能であるが、2チャンネルの番組音声を同時出力した場合には混ざり合ってしまい聴取困難になるので、何れか一方の番組音声だけを選択させて出力することが行なわれている。
【0006】
このときテレビジョン受像機においては、番組音声を出力している親画面の番組映像にユーザが集中していると、子画面の番組映像をユーザが見ていない状況が発生し、このようなとき子画面の番組映像のうちユーザ所望のシーンを見過ごさせてしまうという問題があった。
【0007】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、番組音声を出力していない子画面の番組映像におけるユーザ所望のシーンを見過ごさせることのない使い勝手に優れた情報処理装置及び音声レベル表示方法を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる課題を解決するため本発明の情報処理装置においては、少なくとも2画面以上でなる複数の画面を生成して表示手段に表示する多画面生成手段と、複数の画面のうち第1画面に対応した第1音声だけをスピーカ出力する音声出力手段と、複数の画面のうち第2画面に対応した第2音声の音声レベルが示されたレベル表示マークを上記第2画面と対応付けて上記表示手段に表示する音声レベル表示手段とを設けるようにする。
【0009】
これにより、第2画面に対応した第2音声の音声レベルが変化したとき、その変化したレベル表示マークを介して第2画面に対するユーザの注意を引き、当該第1画面から当該第2画面へ視線を導くことができるので、第1画面を主にユーザに目視確認させながら第2画面におけるユーザ所望のシーンについても見過ごさせることなくユーザに目視確認させることができる。
【0010】
また本発明の音声レベル表示方法においては、少なくとも2画面以上でなる複数の画面を多画面生成手段により生成して表示手段に表示する多画面表示ステップと、複数の画面のうち第1画面に対応した第1音声だけを音声出力手段によりスピーカ出力する音声出力ステップと、複数の画面のうち第2画面に対応した第2音声の音声レベルが示されたレベル表示マークを音声レベル表示手段により第2画面と対応付けて表示手段に表示する音声レベル表示ステップとを有するようにする。
【0011】
これにより、第2画面に対応した第2音声の音声レベルが変化したとき、その変化したレベル表示マークを介して第2画面に対するユーザの注意を引き、当該第1画面から当該第2画面へ視線を導くことができるので、第1画面を主にユーザに目視確認させながら第2画面におけるユーザ所望のシーンについても見過ごさせることなくユーザに目視確認させることができる。
【0012】
さらに本発明の情報処理装置においては、少なくとも2チャンネル以上の複数の番組を出力可能な出力手段と、複数の番組の何れか一つの番組を選択して表示手段に表示する選択手段と、一の番組に対応した第1音声だけをスピーカ出力する音声出力手段と、一の番組ではない他の番組に対応した第2音声の音声レベルが示されたレベル表示マークを表示手段に表示する音声レベル表示手段とを設けるようにする。
【0013】
これにより、表示手段に表示された一の番組の映像及び第1音声をユーザに視聴させながら、他の番組に対応した第2音声のレベル表示マークの変化を目視確認させることができるので、第2音声の音声レベルが変化したとき、その変化したレベル表示マークを介して他の番組へ切り換える切っ掛けをユーザに与えることができ、かくして一の番組を主にユーザに視聴させながら他の番組おけるユーザ所望のシーンについても見過ごさせることなくユーザに目視確認させることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、第2画面に対応した第2音声の音声レベルが変化したとき、その変化したレベル表示マークを介して第2画面に対するユーザの注意を引き、当該第1画面から当該第2画面へ視線を導くことができるので、第1画面を主にユーザに目視確認させながら第2画面におけるユーザ所望のシーンについても見過ごさせることなくユーザに目視確認させることができ、かくして番組音声を出力していない子画面の番組映像におけるユーザ所望のシーンを見過ごさせることのない使い勝手に優れた情報処理装置及び音声レベル表示方法を実現することができる。
【0015】
また本発明によれば、表示手段に表示された一の番組の映像及び第1音声をユーザに視聴させながら、他の番組に対応した第2音声のレベル表示マークの変化を目視確認させることができるので、第2音声の音声レベルが変化したとき、その変化したレベル表示マークを介して他の番組へ切り換える切っ掛けをユーザに与えることができ、かくして一の番組を主にユーザに視聴させながら他の番組おけるユーザ所望のシーンについても見過ごさせることなくユーザに目視確認させ得る情報処理装置を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、発明を実施するための最良の形態(以下、実施の形態とする)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態
2.他の実施の形態
【0017】
<1.第1の実施の形態>
(1)[地上ディジタルテレビジョン受像機の構成]
図1において、1は全体として本発明の第1の実施の形態における地上ディジタルテレビジョン受像機を示し、CPU(Central Processing Unit)構成のマイクロコンピュータ(以下、これをマイコンと呼ぶ。)10が全体を統括制御するようになされている。
【0018】
そして地上ディジタルテレビジョン受像機1のマイコン10は、リモートコントローラ(図示せず)から受光部11を介して受け取った種々の命令に基づき所定のテレビジョン表示処理等を実行するようになされている。
【0019】
実際上、地上ディジタルテレビジョン受像機1では、アンテナ2を介して地上ディジタルテレビジョン放送の放送波S1を受信し、これを第1ディジタルチューナ3へ送出する。
【0020】
第1ディジタルチューナ3は、アンテナ2を介して供給された放送波S1から親画面(後述する)に表示すべきチャンネル1の周波数の変調信号を選局し、その変調信号に対して復調処理や誤り訂正処理等の所定の信号処理を施すことによりトランスポートストリームTS1を復元し、これをAV(Audio Visual)デコーダ5へ送出する。
【0021】
AVデコーダ5は、トランスポートストリームTS1に対してスクランブル状態を解除するためのデスクランブル処理を施し、ビデオストリーム及びオーディオストリームを分離して取り出した後、そのビデオストリーム及びオーディオストリームに対してそれぞれ復号処理を施すことによりビデオ信号VD1及びオーディオ信号AD1を得る。
【0022】
そしてAVデコーダ5は、ビデオ信号VD1については多画面機能デバイス6へ送出し、オーディオ信号AD1についてはスイッチ13を介してスピーカ16へ出力し得るようになされており、これによりオーディオ信号AD1に対応した親画面の番組音声(以下、これを親画面音声と呼ぶ。)をスピーカ出力するようになされている。
【0023】
また地上ディジタルテレビジョン受像機1では、アンテナ2を介して地上ディジタルテレビジョン放送の放送波S1を受信し、これを第2ディジタルチューナ4へも送出する。
【0024】
第2ディジタルチューナ4は、アンテナ2を介して供給された放送波S1から子画面(後述する)に表示すべきチャンネル2の周波数の変調信号を選局し、その変調信号に対して復調処理や誤り訂正処理等の所定の信号処理を施すことによりトランスポートストリームTS2を復元し、これをAVデコーダ5へ送出する。
【0025】
AVデコーダ5は、トランスポートストリームTS2に対してスクランブル状態を解除するためのデスクランブル処理を施し、ビデオストリーム及びオーディオストリームを分離して取り出した後、そのビデオストリーム及びオーディオストリームに対してそれぞれ復号処理を施すことによりビデオ信号VD2及びオーディオ信号AD2を得る。
【0026】
そしてAVデコーダ5は、ビデオ信号VD2については多画面機能デバイス6へ送出し、オーディオ信号AD2についてはスイッチ12を介して音声レベル平均値検出部14へ送出すると共にスイッチ13を介してスピーカ16へ出力し得るようになされており、これによりオーディオ信号AD2に対応した子画面の番組音声(以下、これを子画面音声と呼ぶ。)をスピーカ出力するようになされている。
【0027】
因みにマイコン10は、親画面音声をスピーカ出力させる場合、スイッチ13のスイッチング端子を接点13Bと接続させるように当該スイッチ13を制御する。また、マイコン10は、リモコン(図示せず)から受光部11を介して受け取った命令に基づいて、子画面音声をスピーカ出力させる場合、スイッチ13のスイッチング端子を接点13Aと接続させるように当該スイッチ13を制御するようになされている。
【0028】
ここでマイコン10は、親画面音声をスピーカ出力させ、子画面音声をスピーカ出力しないようにスイッチ13を制御しているとき、スイッチ12のスイッチング端子を接点12Aと接続させることにより、子画面音声に相当するオーディオ信号AD2を音声レベル平均値検出部14へ送出するようになされている。
【0029】
逆にマイコン10は、親画面音声をスピーカ出力させることを停止し、子画面音声をスピーカ出力するようにスイッチ13を制御しているとき、スイッチ12のスイッチング端子を接点12Bと接続させることにより、親画面音声に相当するオーディオ信号AD1を音声レベル平均値検出部14へ送出するようになされている。
【0030】
多画面機能デバイス6は、ビデオ信号VD1に対応した親画面の番組映像(以下、これを親画面映像と呼ぶ。)及びビデオ信号VD2に対応した子画面の番組映像(以下、これを子画面映像と呼ぶ。)を表示すべく同じ形状及び同じサイズでなる親画面と子画面を生成し、これらを1つの画面にまとめた多画面ビデオ信号MDSを生成し、これをミキサ7へ送出する。
【0031】
音声レベル平均値検出部14は、子画面映像に対応した子画面音声に相当するオーディオ信号AD2の子画面音声レベル平均値AACを検出するようになされている。
【0032】
実際上、音声レベル平均値検出部14では、当該オーディオ信号AD2を積分し、その結果得られるエネルギーを単位時間で平均することにより平均値の波形を検出し、これを子画面音声レベル平均値AACとしてマイコン10へ送出する。
【0033】
マイコン10は、音声レベル平均値検出部14から受け取った子画面音声レベル平均値AACに基づいて、子画面音声の音声レベルを表す子画面音声レベルバーデータLBCを生成し、これをOSD(On Screen Display)生成部15へ送出する。
【0034】
このとき同時にマイコン10は、親画面音声をスピーカ出力していることを示す所定形状(例えば音符マーク)でなる親画面音声スピーカ出力マークデータ(後述する)SOT1を生成し、これをOSD生成部15へ送出する。
【0035】
OSD生成部15では、子画面音声レベルバーデータLBCに基づいて子画面用の子画面音声レベルバーマークLBCMを生成すると共に、親画面音声スピーカ出力マークデータSOT1に基づいて親画面音声スピーカ出力マークSPAを生成し、これらをミキサ7へ送出する。
【0036】
ミキサ7は、多画面ビデオ信号MDSと、子画面用の子画面音声レベルバーマークLBCM及び親画面音声スピーカ出力マークSPAとを合成する。
【0037】
これによりミキサ7は、親画面及び子画面を含む多画面番組映像に対して当該子画面音声レベルバーマークLBCM及び親画面音声スピーカ出力マークSPAが重ねられた重畳映像信号SZ1を生成し、これを表示ドライバ8を介してLCD9へ出力することにより映像出力するようになされている。
【0038】
なおマイコン10は、音声レベル平均値検出部14から受け取った子画面音声レベル平均値AACが変化する度に、それを反映させた子画面音声レベルバーデータLBCを生成し、これをOSD生成部15へ送出することにより、子画面音声レベルバーマークLBCMのバー長さを随時変化させて表示するようになされている。
【0039】
ところでマイコン10は、スイッチ13を介して親画面音声をスピーカ出力させることを停止し、子画面音声をスピーカ出力させるように切り替えたとき、スイッチ12のスイッチング端子を接点12Bと接続させるように当該スイッチ12を制御し、親画面音声に相当するオーディオ信号AD1を音声レベル平均値検出部14へ送出する。
【0040】
この場合、音声レベル平均値検出部14は、親画面音声に相当するオーディオ信号AD1の親画面音声レベル平均値AAPを検出し、これをマイコン10へ送出する。
【0041】
マイコン10は、音声レベル平均値検出部14から受け取った親画面音声レベル平均値AAPに基づいて、オーディオ信号AD1に対応した親画面音声の音声レベルを表す親画面音声レベルバーデータLBPを生成し、これをOSD生成部15へ送出する。
【0042】
このとき同時にマイコン10は、子画面音声をスピーカ出力していることを示す所定形状(例えば音符マーク)でなる子画面音声スピーカ出力マークデータ(後述する)SOT2を生成し、これをOSD生成部15へ送出する。
【0043】
OSD生成部15では、親画面音声レベルバーデータLBPに基づいて親画面用の音声レベルバーマークLBPMを生成すると共に、子画面音声スピーカ出力マークデータSOT2に基づいて子画面音声スピーカ出力マークSCAを生成し、これらをミキサ7へ送出する。
【0044】
ミキサ7は、多画面ビデオ信号MDSと、親画面音声レベルバーマークLBPM及び子画面音声スピーカ出力マークSCAとを合成する。
【0045】
これによりミキサ7は、親画面及び子画面からなる多画面番組映像に対して当該親画面音声レベルバーマークLBPM及び子画面音声スピーカ出力マークSCAが重ねられた重畳映像信号SZ2を生成し、これを表示ドライバ8を介してLCD(Liquid Crystal Display)9へ出力することにより映像出力するようになされている。
【0046】
なおマイコン10は、音声レベル平均値検出部14から受け取った子画面音声レベル平均値AAC又は親画面音声レベル平均値AAPが変化する度に、それを反映させた子画面音声レベルバーデータLBC又は親画面音声レベルバーデータLBPを生成し、これをOSD生成部15へ送出することにより、子画面音声レベルバーマークLBCM又は親画面音声レベルマークLBPMのバー長さを随時変化させて表示するようになされている。
【0047】
(2)[音声出力切換処理手順]
次に、地上ディジタルテレビジョン受像機1による音声出力切換処理手順について、図2のフローチャートを用いて説明する。
【0048】
この場合、地上ディジタルテレビジョン受像機1において、親画面音声をスピーカ出力しているときに、ユーザからの命令により子画面音声をスピーカ出力するように切り換えるまでの音声出力切換処理について説明する。
【0049】
地上ディジタルテレビジョン受像機1のマイコン10は、アプリケーションプログラムに従ってルーチンRT1の開始ステップから入って次のステップSP1へ移る。
【0050】
ステップSP1においてマイコン10は、重畳映像信号SZ1に基づいて、図3に示すように、親画面SG1と子画面SG2とを含む多画面画像MGをLCD9に表示することにより2画面表示状態を形成し、次のステップSP2へ移る。
【0051】
ステップSP2においてマイコン10は、多画面画像MGの親画面SG1に「映画」番組を表示しながら、当該親画面SG1の左上端部に親画面音声スピーカ出力マークSPAをOSD表示すると共に、子画面SG2に「スポーツ」番組を表示しながら、当該子画面SG2の左下端部に音符の絵でなる子画面音声レベルバーマークLBCMをOSD表示し、次のステップSP3へ移る。
【0052】
これによりマイコン10は、親画面SG1に表示している「映画」番組の番組音声をスピーカ出力していることをユーザに対して視覚的に認識させ得るようになされている。同時にマイコン10は、子画面SG2に表示している「スポーツ」番組の番組音声については、子画面音声レベルバーマークLBMの長さによって現在の音声レベルがどの程度なのか(大きいのか、小さいのか等)をユーザに対して直感的に認識させ得るようになされている。
【0053】
ステップSP3においてマイコン10は、音声レベル平均値検出部14から与えられる子画面音声レベル平均値AACを監視しており、子画面SG2の番組音声に対応した当該子画面音声レベル平均値AACに変化があったか否かを判定する。
【0054】
ここで否定結果が得られると、このことは子画面SG2の番組音声に対応した当該子画面音声レベル平均値AACに変化がなく、子画面音声レベルバーマークLBCMの長さを変更する必要がないことを表しており、このときマイコン10はステップSP2へ戻る。
【0055】
これに対してステップSP3で肯定結果が得られると、このことは子画面SG2の番組音声に対応した当該子画面音声レベル平均値AACに変化があったこと、すなわち子画面音声レベルバーマークLBCMの長さを変更する必要があることを表しており、このときマイコン10は次のステップSP4へ移る。
【0056】
ステップSP4においてマイコン10は、図4に示すように、子画面音声レベル平均値AACの変化に合わせて子画面音声レベルバーマークLBCMの長さが変更する様を表示し、次のステップSP5へ移る。
【0057】
これにより地上ディジタルテレビジョン受像機1では、親画面SG1の「映画」番組に意識を集中しているユーザに対しても、子画面音声レベルバーマークLBCMの長さが変化したことを気付かせることができ、ユーザの意識や注意を子画面SG2の「スポーツ」番組に向けさせることができる。
【0058】
例えば、野球中継の番組映像であれば、選手がホームランを打ったときに歓声が大きくなって、子画面音声レベル平均値AACが変化したとき、それに合わせて子画面音声レベルバーマークLBCMが長くなることになる。
【0059】
ステップSP5においてマイコン10は、子画面音声レベルバーマークLBCMの変化に気付いたユーザが子画面SG2の「スポーツ」番組の番組映像を目視確認し、その子画面音声を聴取したいと考えることが予測され、このときリモコン(図示せず)から受光部11を介して音声出力変更命令が与えられたか否かを判定する。
【0060】
ここで否定結果が得られると、このことは子画面音声レベルバーマークLBCMの変化に気付いたユーザが子画面の「スポーツ」番組の番組映像を目視確認したものの、その子画面音声を積極的に聴取したいとまでは考えなかったことを表しており、このときマイコン10はステップSP2に戻って以降の処理を繰り返す。
【0061】
これに対してステップSP5で肯定結果が得られると、このことはリモコン(図示せず)から受光部11を介して音声出力変更命令が与えられたことを表しており、このときマイコン10は次のステップSP6へ移る。
【0062】
ステップSP6においてマイコン10は、スイッチ13を介して現在スピーカ出力中の親画面音声を停止すると共に、子画面音声をスピーカ出力するように切り換え、次のステップSP7へ移る。なおマイコン10は、このとき同時に、スイッチ12を介して、スピーカ出力を停止すべき親画面音声に相当するオーディオ信号AD1を音声レベル平均値検出部14へ送出するように切り換える。
【0063】
ステップSP7においてマイコン10は、図5に示すように、子画面音声をスピーカ出力中の子画面SG2の左上端部に音符の絵でなる子画面音声スピーカ出力マークSCAを表示すると共に、親画面SG1の左下端部に音符の絵でなる親画面音声レベルバーマークLBPMを表示した後、次のステップSP8へ移って処理を終了する。
【0064】
(3)[動作及び効果]
以上の構成において、地上ディジタルテレビジョン受像機1では、多画面画像MGにおける親画面SG1の親画面音声をスピーカ出力していることを、ユーザに対して当該親画面音声を実際に聴取させることによって認識させると共に、親画面音声スピーカ出力マークSPAによって視覚的にも通知する。
【0065】
同時に地上ディジタルテレビジョン受像機1では、多画面画像MGにおける子画面SG2の子画面音声についてはスピーカ出力していないので実際に聴取させることはないものの、ユーザに対して子画面音声レベルバーマークLBCMにより子画面音声の音声レベルがどのように変化しているかを視覚的かつリアルタイムに通知することができる。
【0066】
従って地上ディジタルテレビジョン受像機1では、親画面SG1の親画面映像に集中しているユーザに対しても、子画面音声レベルバーマークLBCMがユーザの視界に入っているため、当該子画面音声レベルバーマークLBCMが大きく変化したときは、必ずそのことを気付かせることができる。
【0067】
そうすると地上ディジタルテレビジョン受像機1では、子画面音声レベルバーマークLBCMと対応付けられている子画面SG2の子画面映像にユーザの視線を導くことが出来るので、特に音声レベルが大きく変化したようなユーザ所望の注目シーンが表示されている可能性が高いときにユーザの意識を子画面SG2に向けさせることができる。
【0068】
従って地上ディジタルテレビジョン受像機1では、親画面SG1の親画面映像も意識が集中しているユーザに対しても、子画面音声レベルバーマークLBCMが変化したときのタイミングで子画面SG2の子画面映像に意識を向けさせることが出来るので、常時意識していない子画面映像のうちユーザ所望のシーンを見過ごさせることを防止することができる。
【0069】
以上の構成によれば、地上ディジタルテレビジョン受像機1では、子画面音声がスピーカ出力されていないにも拘わらず、子画面SG2に表示されている子画面映像のうちユーザ所望のシーンを見過ごさせることなく視聴させることができる。
【0070】
<2.他の実施の形態>
なお上述の実施の形態においては、地上ディジタルテレビジョン受像機1のマイコン10が、多画面画像MGにより親画面SG1及び子画面SG2を含む2画面表示を行うようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、3画面表示、4画面表示等のその他種々の画面数でなる複数画面表示を行うようにしても良い。
【0071】
また上述の実施の形態においては、地上ディジタルテレビジョン受像機1のマイコン10が、親画面音声スピーカ出力マークSPAを親画面SG1の左上端部にOSD表示し(図3及び図4)、子画面音声スピーカ出力マークSCAを子画面SG2の左上端部にOSD表示する(図5)ようにした場合について述べた。
【0072】
しかしながら、本発明はこれに限らず、地上ディジタルテレビジョン受像機1のマイコン10は、親画面音声スピーカ出力マークSPAと親画面SG1とを対応付けた状態で表示し、子画面音声スピーカ出力マークSCAと子画面SG2とを対応付けた状態で表示するのであれば、その他の場所に親画面音声スピーカ出力マークSPA及び子画面音声スピーカ出力マークSCAを表示するようにしても良い。
【0073】
さらに上述の実施の形態においては、地上ディジタルテレビジョン受像機1のマイコン10が、子画面音声レベルバーマークLBCMを子画面SG2の左下端部にOSD表示し(図3及び図4)、親画面音声レベルバーマークLBPMを親画面SG1の左下端部にOSD表示する(図5)ようにした場合について述べた。
【0074】
しかしながら、本発明はこれに限らず、地上ディジタルテレビジョン受像機1のマイコン10は、子画面音声レベルバーマークLBCMと子画面SG2とを対応付けた状態で表示し、親画面音声レベルバーマークLBPMと親画面SG1とを対応付けた状態で表示するのであれば、その他の場所に子画面音声レベルバーマークLBCM及び親画面音声レベルバーマークLBPM表示するようにしても良い。
【0075】
さらに上述の実施の形態においては、地上ディジタルテレビジョン受像機1のマイコン10が、レベル表示マークとして、バー構造でなる子画面音声レベルバーマークLBCM及び親画面音声レベルバーマークLBPMをOSD表示するようにした場合について述べた。
【0076】
しかしながら、本発明はこれに限らず、地上ディジタルテレビジョン受像機1のマイコン10は、図6に示すように円構造でなる子画面音声レベルバーマークLBCM2及び親画面音声レベルバーマークLBPM2や、色の濃淡によって音声レベルの変化を示す表示マーク等、その他種々の表示形態でなる子画面音声レベルバーマークLBCM及び親画面音声レベルバーマークLBPMをOSD表示するようにしても良い。
【0077】
さらに上述の実施の形態においては、子画面音声レベルバーマークLBCM2の変化を目視確認したユーザによりリモコンが操作され、マイコン10が受光部11を介して音声出力先変更命令を受け取ったとき親画面音声から子画面音声にスピーカ出力を切り換えるようにした場合について述べた。
【0078】
しかしながら、本発明はこれに限らず、子画面音声レベルバーマークLBCM2のバー表示で表される子画面音声レベル平均値AACが予め決められた閾値を超えたとき、強制的に親画面音声から子画面音声にスピーカ出力を切り換えるようにしても良い。
【0079】
さらに上述の実施の形態においては、子画面音声レベルバーマークLBCM2の変化を目視確認したユーザによりリモコンが操作され、マイコン10が受光部11を介して音声出力先変更命令を受け取ったとき親画面音声から子画面音声にスピーカ出力を切り換えるようにした場合について述べた。
【0080】
しかしながら、本発明はこれに限らず、子画面音声レベルバーマークLBCM2のバー表示で表される現在の子画面音声レベル平均値AACと直前の値とを比較して、その変化量が所定の割合に達していたとき、強制的に親画面音声から子画面音声にスピーカ出力を切り換えるようにしても良い。
【0081】
さらに上述の実施の形態においては、ステップSP6において現在スピーカ出力中の親画面音声を停止すると共に、子画面音声をスピーカ出力するように切り換えた後、ステップSP7において子画面SG2の左上端部に音符の絵でなる子画面音声スピーカ出力マークSCAを表示すると共に、親画面SG1の左下端部に音符の絵でなる親画面音声レベルバーマークLBPMを表示するようにした場合について述べた。
【0082】
しかしながら、本発明はこれに限らず、マイコン10ではステップSP6とステップSP7とを同時に実行するようにしても良い。
【0083】
さらに上述の実施の形態においては、地上ディジタルテレビジョン受像機1のマイコン10が、予めインストールされたアプリケーションプログラムに従ってルーチンRT1の音声出力切替処理手順を実行するようにした場合について述べた。
【0084】
しかしながら、本発明はこれに限らず、所定の記録媒体からインストールしたアプリケーションプログラムや、インターネットからダウンロードしたアプリケーションプログラム、その他種々のルートによってインストールしたアプリケーションプログラムに従って上述したルーチンRT1の音声出力切換処理手順を実行するようにしても良い。
【0085】
さらに上述の実施の形態においては、地上ディジタルテレビジョン受像機1のマイコン10が、多画面画像MGにより親画面SG1及び子画面SG2を含む2画面表示を行うようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、1画面表示を行うようにしても良い。
【0086】
この場合、地上ディジタルテレビジョン受像機1のマイコン10(図1)は、多画面機能デバイス6を介してAVデコーダ5から出力されるビデオ信号VD1、オーディオ信号AD1又はビデオ信号VD2、オーディオ信号AD2の何れか一方(例えばビデオ信号VD1、オーディオ信号AD1)を選択させ、ミキサ7へ出力する。
【0087】
同時にマイコン10は、選択していない方の例えばオーディオ信号AD2に対応した裏画面音声レベルバーマークLBBをOSD生成部15によって生成させ、これをミキサ7へ出力する。
【0088】
ミキサ7は、ビデオ信号VD1と、裏画面音声レベルバーマークLBBとを合成することにより、図7に示すように、主画面SG3の番組映像(映画)に対して裏画面音声レベルバーマークLBBが重ねられた重畳映像信号を生成し、これを表示ドライバ8及びLCD9へ出力することによりシングル画面画像SGを映像出力するようになされている。
【0089】
このときマイコン10は、ビデオ信号VD1に対応したオーディオ信号AD1だけをスピーカ16へ出力し、オーディオ信号AD2についてはスピーカ16へ出力することはないが、シングル画面画像SGの裏画面音声レベルバーマークLBBにより裏番組における音声レベルの変化をユーザに対して認識させ得るようになされている。
【0090】
これによりユーザは、主画面SG3の番組映像を視聴しながらも、裏番組の音声レベルを示す裏画面音声レベルバーマークLBBの変化に気付いたとき、主画面SG3の番組映像を裏番組の番組映像に切り換えることができ、大事なシーンを見逃さずに済むことになる。
【0091】
さらに上述の実施の形態においては、多画面生成手段としての多画面機能デバイス6、音声出力手段としてのスイッチ13及びマイコン10、音声レベル表示手段としてのマイコン10、OSD生成部15によって本発明の情報処理装置としての地上ディジタルテレビジョン放送受像機1を構成するようにした場合について述べた。
【0092】
しかしながら、本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる多画面生成手段、音声出力手段及び音声レベル表示手段によって本発明の情報処理装置を構成するようにしても良い。
【0093】
さらに上述の実施の形態においては、出力手段としての第1ディジタルチューナ3、第2ディジタルチューナ2、AVデコーダ5及び多画面機能デバイス6、選択手段としてのマイコン10、音声出力手段としてのスイッチ13及びマイコン10、音声レベル表示手段としてのマイコン10、OSD生成部15によって本発明の情報処理装置としての地上ディジタルテレビジョン放送受像機1を構成するようにした場合について述べた。
【0094】
しかしながら、本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる出力手段、選択手段、音声出力手段及び音声レベル表示手段によって本発明の情報処理装置を構成するようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本発明の情報処理装置及び番組切換方法は、例えば地上波ディジタルテレビジョン放送受信可能なテレビジョン受像機以外にも、地上波ディジタルテレビジョン放送受信可能なチューナ機能が搭載され、多画面表示可能なパーソナルコンピュータ、カーナビゲーションシステム及び携帯電話機及びPDA(Personal Digital Assistant)等に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】地上ディジタルテレビジョン受像機の構成を示す略線的ブロック図である。
【図2】音声出力切換処理手順を示すフローチャートである。
【図3】2画面表示状態の多画面画像(1)を示す略線図である。
【図4】2画面表示状態の多画面画像(2)を示す略線図である。
【図5】2画面表示状態の多画面画像(3)を示す略線図である。
【図6】他の実施の形態における子(親)画面音声レベルバーマークの構成を示す略線図である。
【図7】他の実施の形態における画面構成を示す略線図である。
【符号の説明】
【0097】
1……地上ディジタルテレビジョン受像機、2……アンテナ、3……第1ディジタルチューナ、4……第2ディジタルチューナ、5……AVデコーダ、6……多画面機能デバイス、7……ミキサ、8……表示ドライバ、9……LCD、10……マイコン、11……受光部、12、13……スイッチ、14……音声レベル平均値検出部、15……OSD生成部、16……スピーカ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2画面以上でなる複数の画面を生成して表示手段に表示する多画面生成手段と、
上記複数の画面のうち第1画面に対応した第1音声だけをスピーカ出力する音声出力手段と、
上記複数の画面のうち第2画面に対応した第2音声の音声レベルが示されたレベル表示マークを上記第2画面と対応付けて上記表示手段に表示する音声レベル表示手段と
を具える情報処理装置。
【請求項2】
上記第1音声だけをスピーカ出力していることを示す所定形状の第1音声スピーカ出力マークを上記第1画面と対応付けて上記表示手段に表示する音声出力通知手段と
を具える請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
ユーザによる操作に応じて供給される切換命令に従って、上記第1画面に対応した上記第1音声だけをスピーカ出力している状態から、上記第2画面に対応した上記第2音声をスピーカ出力するように切り換える切換制御手段と
を具える請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
上記切換制御手段により上記第2画面に対応した上記第2音声をスピーカ出力するように切り換えたとき、
上記音声出力通知手段は、上記第1音声スピーカ出力マークを消去し、第2音声だけをスピーカ出力していることを示す所定形状の第2スピーカ出力マークを上記第2画面と対応付けて上記表示手段に表示する
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
少なくとも2画面以上でなる複数の画面を多画面生成手段により生成して表示手段に表示する多画面表示ステップと、
上記複数の画面のうち第1画面に対応した第1音声だけを音声出力手段によりスピーカ出力する音声出力ステップと、
上記複数の画面のうち第2画面に対応した第2音声の音声レベルが示されたレベル表示マークを音声レベル表示手段により上記第2画面と対応付けて上記表示手段に表示する音声レベル表示ステップと
を有する音声レベル表示方法。
【請求項6】
上記音声出力ステップと、上記音声レベル表示ステップとは同時に行なわれる
請求項5に記載の音声レベル表示方法。
【請求項7】
少なくとも2チャンネル以上の複数の番組を出力可能な出力手段と、
上記複数の番組の何れか一つの番組を選択して表示手段に表示する選択手段と、
上記一の番組に対応した第1音声だけをスピーカ出力する音声出力手段と、
上記一の番組ではない他の番組に対応した第2音声の音声レベルが示されたレベル表示マークを上記表示手段に表示する音声レベル表示手段と
を具える情報処理装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−114775(P2010−114775A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−287024(P2008−287024)
【出願日】平成20年11月7日(2008.11.7)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】